説明

電位依存性ナトリウムチャンネル阻害剤として有用である組成物

本発明は、電位依存性ナトリウムチャンネル阻害剤として有用である化合物、特に式(I’)の化合物(式中のR、R、R、R、R、xおよびzは請求項に定義されている)に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む薬学的に許容可能な組成物、およびさまざまな障害の処置における組成物の使用方法を提供する。具体的には、本発明の化合物および薬学的に許容可能な組成物は、急性、慢性、神経障害性、もしくは炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身神経痛、てんかん、もしくはてんかん状態、神経変性性障害、不安症およびうつ病のような精神障害、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、および失禁を含む、様々な疾患、障害、または状態を処置する、またはそれらの重傷度を軽減するのに有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、電位依存性ナトリウムチャンネル阻害剤として有用である化合物に関する。本発明は、本発明の化合物を含む薬学的に許容可能な組成物、および様々な障害の処置での該組成物の使用方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
Naチャンネルは、神経および筋細胞のような全ての興奮性細胞の活動電位発生の中核を成す。それらは、脳、胃腸管の平滑筋、骨格筋、末梢神経系、脊髄、および気道を含む興奮性組織において主要な役割を果たす。そのようにして、それらはてんかん(非特許文献1を見よ)、疼痛(非特許文献2および非特許文献3を見よ)、筋緊張症(非特許文献4および非特許文献5を見よ)、運動失調(非特許文献6を見よ)、多発性硬化症(非特許文献7および非特許文献8を見よ)、過敏性腸(非特許文献9および非特許文献10を見よ)、尿失禁および内臓痛(非特許文献11を見よ)、ならびに不安症およびうつ病のような精神機能障害(非特許文献12を見よ)のような様々な疾患状態において重要な役割を果たす。
【0003】
電位依存性ナトリウムチャンネルは、9種類のサブタイプ(NaV1.1−NaV1.9)から成る遺伝子ファミリーを含む。表1に示すように、これらのサブタイプは、組織特異的な局在性および機能的違いを示す(非特許文献13を見よ)。該遺伝子ファミリーのうち3つのメンバー(NaV1.8, 1.9, 1.5)は、周知のNaチャンネル遮断剤TTXによる遮断に対して耐性であり、この遺伝子ファミリー内におけるサブタイプ特異性を証明している。突然変異分析から、グルタメート387がTTX結合にとって重要な残基でることが特定されている(非特許文献14を見よ)。
【0004】
表1(略語:CNS=中枢神経系、PNS=末梢神経系、DRG=後根神経節、TG=三叉神経節):
【0005】
【表1−1】


【0006】
一般的に、電圧依存的ナトリウムチャンネル(NaVs)は、神経系の興奮性組織での活動電位の急激な上昇を担っており、正常および異常な疼痛感覚を構成およびコードする電気信号を伝達する。NaVチャンネルのアンタゴニストは、これらの疼痛信号を減衰し、急性、慢性、炎症性、および神経疼痛状態を含むがこれらに限定されない様々な疼痛状態の処置に有用である。TTX、リドカイン(Mao, J. and L. L. Chen (2000) “Systemic lidocaine for neuropathic pain relief” Pain 87(1): 7−17を見よ)、ブピバカイン、フェニトイン(Jensen, T. S. (2002) “Anticonvulsants in neuropathic pain: rationale and clinical evidence” Eur J Pain 6 (Suppl A): 61−8を見よ)、ラモトリジン(Rozen, T. D. (2001) “Antiepileptic drugs in the management of cluster headache and trigeminal neuralgia” Headache 41 Suppl 1: S25−32およびJensen, T. S. (2002) “Anticonvulsants in neuropathic pain: rationale and clinical evidence” Eur J Pain 6 (Suppl A): 61−8を見よ)、ならびにカルバマゼピン(Backonja, M. M. (2002) “Use of anticonvulsants for treatment of neuropathic pain” Neurology 59(5 Suppl 2): S14−7を見よ)のような既知のNaVアンタゴニストは、ヒトおよび動物モデルにおいて疼痛減衰に有用であることが示されている。
【0007】
組織損傷または炎症存在下に発生する痛覚過敏(ある種の疼痛に極端に敏感な状態)は、少なくとも一部は、障害部位を支配する高閾値の一次求心性ニューロンの興奮性の上昇を反映するものである。電圧感受性ナトリウムチャンネルの活性化は、神経活動電位の発生と伝搬にとって重要である。NaV電流の変調が神経興奮性の制御に用いられる内因性メカニズムであることを示す証拠が増加しつつある(Goldin, A. L. (2001) “Resurgence of sodium channel research” Annu Rev Physiol 63: 871−94を見よ)。背根神経節(DRG)神経細胞内に、複数の動態的および薬理学的に区別される電位依存的ナトリウムチャンネルが見出されている。TTX−耐性電流は、マイクロモル濃度のテトロドトキシンには非感受性であり、他の電位依存性のナトリウムチャンネルに比べてゆっくりとした活性化および非活性化の動態、ならびに高い脱分極閾値を示す。TTX−耐性ナトリウム電流は、痛覚に関与する感覚神経のサブ集団に主に限定される。具体的には、TTX−耐性ナトリウム電流は、ほとんど小さな細胞体直径を有する神経細胞だけに発現されており;小直径の伝導速度の遅い軸索を生じ、これらはカプサシンに対し反応性である。多くの実験証拠は、TTX−耐性ナトリウムチャンネルはC−繊維に発現していること、および侵害情報の脊髄への伝達に重要であることを証明している。
【0008】
TTX−耐性ナトリウムチャンネルの特定領域(NaV1.8)を標的とするアンチセンスオリゴ−でオキシヌクレオチドのクモ膜下投与は、PGE2−誘発痛覚過敏を大きく低下させた(Khasar, S. G., M. S. Gold, et al. (1998) “A tetrodotoxin−resistant sodium current mediates inflammatory pain in the rat” Neurosci Lett 256(1): 17−20を見よ)。ごく最近、Woodと共同研究者によって、機能的NaV1.8を欠いたノックアウトマウス系統が作られた。該突然変異は、炎症性作用物質のカラゲナンに対する動物の反応を評価した試験において鎮痛作用を示した(Akopian, A. N., V. Souslova, et al. (1999) “The tetrodotoxin−resistant sodium channel SNS has a specialized function in pain pathways” Nat Neurosci 2(6): 541−8を見よ)。これに加えてこれらの動物では、機械的−および熱受容の両方が欠けていることが観察された。Nav1.8ノックアウト突然変異体が示した鎮痛作用は、痛覚におけるTTX−耐性電流の役割に関する観察と一致する。
【0009】
免疫組織化学、in−situハイブリダイゼーション、およびin−vitro電気生理学的実験はいずれも、ナトリウムチャンネルNaV1.8が背根神経節および三叉神経節の小感覚ニューロンに選択的に局在していることを示している(Akopian, A. N., L. Sivilotti, et al. (1996) “A tetrodotoxin−resistant voltage−gated sodium channel expressed by sensory neurons” Nature 379(6562): 257−62を見よ)。これらニューロンの主たる役割は、痛覚刺激の検出および伝達である。アンチセンスおよび免疫組織学的な証拠もまた、神経障害性の疼痛におけるNaV1.8の役割を裏付けている(Lai, J., M. S. Gold, et al. (2002) “Inhibition of neuropathic pain by decreased expression of the tetrodotoxin−resistant sodium channel, NaV1.8” Pain 95(1−2): 143−52、およびLai, J., J. C. Hunter, et al. (2000) “Blockade of neuropathic pain by antisense targeting of tetrodotoxin−resistant sodium channels in sensory neurons” Methods Enzymol 314: 201−13を見よ)。NaV1.8タンパク質は、神経傷害部近くの傷害を受けていないC−繊維にそってアップレギュレーションされる。アンチセンス処置は、該神経に沿ったNaV1.8の再分配を阻止し、神経障害性疼痛を無効にする。遺伝子−ノックアウトデータおよびアンチセンスデータを合わせて、炎症および神経障害性疼痛の検出および伝達におけるNaV1.8の役割を裏付けている。
【0010】
神経傷害性疼痛状態では、Naチャンネルの分布およびサブタイプのリモデリングがある。傷害された神経では、NaV1.8およびNaV1.9の発現は大きく低下するのに対し、TTX感受性サブユニットであるNaV1.3の発現は5〜10倍アップレギュレーションされる(Dib−Hajj, S. D., J. Fjell, et al. (1999) “Plasticity of sodium channel expression in DRG neurons in the chronic constriction injury model of neuropathic pain.” Pain 83(3): 591−600を見よ)。神経傷害を加えた動物モデルでは、NaV1.3の増加の時間的変化は、異痛症の出現と平行した。NaV1.3チャンネルの生物物理学は特徴的であり、それは活動電位に続く不活性化後に、非常に迅速な再プライミングを示す。これは、傷害神経でしばしば見られるような高い発火率の維持を可能とする(Cummins, T. R., F. Aglieco, et al. (2001) “Nav1.3 sodium channels: rapid repriming and slow closed−state inactivation display quantitative differences after expression in a mammalian cell line and in spinal sensory neurons” J Neurosci 21(16): 5952−61を見よ)。NaV1.3は、ヒトの中枢および末梢系に発現している。NaV1.9はNaV1.8と同様で、背根神経節および三叉神経節の小感覚ニューロンに選択的に局在している(Fang, X., L. Djouhri, et al. (2002). “The presence and role of the tetrodotoxin−resistant sodium channel Na(v)1.9 (NaN) in nociceptive primary afferent neurons.” J Neurosci 22(17): 7425−33を見よ)。それは遅い不活性化速度、および活性化のための電圧依存性の左方向へのシフトを示す(Dib−Hajj, S., J. A. Black, et al. (2002) “NaN/Nav1.9: a sodium channel with unique properties” Trends Neurosci 25(5): 253−9を見よ)。これら二つの生物物理学的特性により、NaV1.9は侵害受容ニューロンの静止膜電位の確立にある役割を果たすことができる。NaV1.9発現細胞の静止膜電位は−55〜−50mVの範囲であるのに対し、大部分の他の末梢および中枢ニューロンは−65mVである。この持続性の脱分極は、NaV1.9チャンネルの持続的な低レベルの活性化に拠るところが大きい。この脱分極によって、ニューロンは、侵害刺激に対する反応において、活動電位の発火閾値により容易に達することが可能となる。NaV1.9チャンネルを遮断する化合物は、疼痛刺激検出の設定値の確立において重要な役割を果たすだろう。慢性の疼痛状態では、神経および神経終末は膨張して過敏となり、弱い刺激によって、または無刺激でも高頻度に活動電位発火を示すようになるだろう。これらの病的な神経膨張は神経腫と呼ばれており、神経腫に発現している主要なNaチャンネルはNaV1.8およびNaV1.7である(Kretschmer, T., L. T. Happel, et al. (2002) “Accumulation of PN1 and PN3 sodium channels in painful human neuroma− evidence from immunocytochemistry” Acta Neurochir (Wien) 144(8): 803−10; discussion 810を見よ)。NaV1.6およびNaV1.7は、背根神経節ニューロンにも発現しており、これらの細胞に見られる小型のTTX感受性構成要素に関係している。それゆえに、特にNaV1.7は、神経内分泌興奮性におけるその役割に加えて、潜在的な疼痛標的にすることもできる(Klugbauer, N., L. Lacinova, et al. (1995) “Structure and functional expression of a new member of the tetrodotoxin− sensitive voltage−activated sodium channel family from human neuroendocrine cells” Embo J 14(6): 1084−90を見よ)。
【0011】
NaV1.1(Sugawara, T., E. Mazaki−Miyazaki, et al. (2001) “Nav1.1 mutations cause febrile seizures associated with afebrile partial seizures.” Neurology 57(4): 703−5を見よ)およびNaV1.2 (Sugawara, T., Y. Tsurubuchi, et al. (2001) “A missense mutation of the Na+ channel alpha II subunit gene Na(v)1.2 in a patient with febrile and afebrile seizures causes channel dysfunction” Proc Natl Acad Sci U S A 98(11): 6384−9を見よ)は、熱性痙攣を伴うてんかんと関連付けられている。9つを超える熱性痙攣と関連するNaV1.1の遺伝的突然変異が存在する(Meisler, M. H., J. A. Kearney, et al. (2002) “Mutations of voltage−gated sodium channels in movement disorders and epilepsy” Novartis Found Symp 241: 72−81を見よ)。
【0012】
NaV1.5のアンタゴニストが開発されており、心不整脈の治療に用いられている。電流に対し大型の非活性化構成要素を生ずるNaV1.5の遺伝的欠損は、ヒトでの延長QTと関連付けされており、経口利用可能な局所麻酔薬のメキシリチンは、この状態の処置に用いられている(Wang, D. W., K. Yazawa, et al. (1997) “Pharmacological targeting of long QT mutant sodium channels.” J Clin Invest 99(7): 1714−20を見よ)。
【0013】
臨床ではてんかん(Moulard, B. and D. Bertrand (2002) “Epilepsy and sodium channel blockers” Expert Opin. Ther. Patents 12(1): 85−91を見よ);急性(Wiffen, P., S. Collins, et al. (2000) “Anticonvulsant drugs for acute and chronic pain” Cochrane Database Syst Rev 3を見よ)、慢性(Wiffen, P., S. Collins, et al. (2000) “Anticonvulsant drugs for acute and chronic pain” Cochrane Database Syst Rev 3、およびGuay, D. R. (2001) “Adjunctive agents in the management of chronic pain” Pharmacotherapy 21(9): 1070−81を見よ)、炎症性(Gold, M. S. (1999) “Tetrodotoxin−resistant Na+ currents and inflammatory hyperalgesia.” Proc Natl Acad Sci U S A 96(14): 7645−9を見よ)、および神経障害性の疼痛(Strichartz, G. R., Z. Zhou, et al. (2002) “Therapeutic concentrations of local anaesthetics unveil the potential role of sodium channels in neuropathic pain” Novartis Found Symp 241: 189−201、およびSandner−Kiesling, A., G. Rumpold Seitlinger, et al. (2002) “Lamotrigine monotherapy for control of neuralgia after nerve section” Acta Anaesthesiol Scand 46(10): 1261−4を見よ);心不整脈(An, R. H., R. Bangalore, et al. (1996) “Lidocaine block of LQT−3 mutant human Na+ channels” Circ Res 79(1): 103−8, and Wang, D. W., K. Yazawa, et al. (1997) “Pharmacological targeting of long QT mutant sodium channels” J Clin Invest 99(7): 1714−20を見よ);神経防護(Taylor, C. P. and L. S. Narasimhan (1997) “Sodium channels and therapy of central nervous system diseases” Adv Pharmacol 39: 47−98を見よ)ならびに麻酔薬(Strichartz, G. R., Z. Zhou, et al. (2002) “Therapeutic concentrations of local anaesthetics unveil the potential role of sodium channels in neuropathic pain.” Novartis Found Symp 241: 189−201を見よ)の処置に、複数のNaチャンネル遮断薬が現在使用または試験されている。
【0014】
臨床的な有意義な様々な動物モデルが、各種疼痛適用に関するナトリウムチャンネルモジュレーターの研究のために開発されている。例えば悪性慢性疼痛、Kohase, H., et al., Acta Anaesthesiol Scand. 2004; 48(3):382−3を見よ;大腿骨癌疼痛(Kohase, H., et al., Acta Anaesthesiol Scand. 2004; 48(3):382−3を見よ);非悪性慢性骨疼痛(Ciocon, J. O. et al., J Am Geriatr Soc. 1994; 42(6):593−6を見よ);リウマチ関節炎(Calvino, B. et al., Behav Brain Res. 1987; 24(1):11−29を見よ);骨関節炎(Guzman, R. E., et al., Toxicol Pathol. 2003; 31(6):619−24を見よ);脊髄狭窄(Takenobu, Y. et al., J Neurosci Methods. 2001; 104(2):191−8を見よ);神経傷害性腰痛(Hines, R., et al., Pain Med. 2002; 3(4):361−5; Massie, J. B., et al., J Neurosci Methods. 2004; 137(2):283−9;神経障害性腰痛(Hines, R., et al., Pain Med. 2002; 3(4):361−5; Massie, J. B., et al., J Neurosci Methods. 2004; 137(2):283−9を見よ);筋筋膜性疼痛症候群(Dalpiaz & Dodds, J Pain Palliat Care Pharmacother. 2002; 16(1):99−104; Sluka KA et al., Muscle Nerve. 2001; 24(1):37−46を見よ);繊維筋痛(Bennet & Tai, Int J Clin Pharmacol Res. 1995;15(3):115−9を見よ);側頭骨顎関節痛(Ime H, Ren K, Brain Res Mol Brain Res. 1999; 67(1):87−97を見よ);腹痛を含む慢性内臓痛(Al−Chaer, E. D., et al., Gastroenterology. 2000; 119(5):1276−85を見よ);骨盤/会陰痛(Wesselmann et al., Neurosci Lett. 1998; 246(2):73−6を見よ);膵臓痛(Vera−Portocarrero, L. B., et al., Anesthesiology. 2003; 98(2):474−84を見よ);IBS疼痛(Verne, G. N., et al., Pain. 2003; 105(1−2):223−30; La JH et al., World Gastroenterol. 2003; 9(12):2791−5を見よ);慢性頭痛(Willimas & Stark, Cephalalgia. 2003; 23(10):963−71を見よ);片頭痛(Yamamura, H., et al., J Neurophysiol. 1999; 81(2):479−93を見よ);群発性頭痛を含む緊張性頭痛(Costa, A., et al., Cephalalgia. 2000; 20(2):85−91を見よ);疱疹後神経痛を含む慢性神経障害性疼痛(Attal, N., et al., Neurology. 2004; 62(2):218−25; Kim & Chung 1992, Pain 50:355を見よ);糖尿病性神経傷害(Beidoun A et al., Clin J Pain. 2004; 20(3):174−8; Courteix, C., et al., Pain. 1993; 53(1):81−8を見よ);HIV−関連神経障害(Portegies & Rosenberg, Ned Tijdschr Geneeskd. 2001; 145(15):731−5;Joseph EK et al., Pain. 2004; 107(1−2):147−58; Oh, S. B., et al., J Neurosci. 2001; 21(14):5027−35を見よ);三叉神経痛(Sato, J., et al., Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod. 2004; 97(1):18−22; Imamura Y et al., Exp Brain Res. 1997; 116(1):97−103を見よ);シャルコー・マリー・ツース神経障害(Sereda, M., et al., Neuron. 1996; 16(5):1049−60を見よ);遺伝性感覚神経障害(Lee, M. J., et al., Hum Mol Genet. 2003; 12(15):1917−25を見よ);末梢神経傷害(Attal, N., et al., Neurology. 2004; 62(2):218−25; Kim & Chung 1992, Pain 50:355; Bennett & Xie, 1988, Pain 33:87; Decostered, I. & Woolf, C. J., 2000, Pain 87:149; Shir, Y. & Seltzer, Z. 1990; Neurosci Lett 115:62を見よ);疼痛性神経腫(Nahabedian & Johnson, Ann Plast Surg. 2001; 46(1):15−22; Devor & Raber, Behav Neural Biol. 1983; 37(2):276−83を見よ);異所性近位および遠位性放電(Liu, X. et al., Brain Res. 2001; 900(1):119−27を見よ);神経根障害(Devers & Galerを見よ、(Clin J Pain. 2000; 16(3):205−8; Hayashi N et al., Spine. 1998; 23(8):877−85を見よ);化学療法誘発性神経障害疼痛(Aley, K. O., et al., Neuroscience. 1996; 73(1):259−65を見よ);放射線療法誘発性神経障害疼痛;乳腺切除後疼痛(Devers & Galer, Clin J Pain. 2000; 16(3):205−8を見よ);中心性疼痛(Cahana, A., et al., Anesth Analg. 2004; 98(6):1581−4を見よ)、脊髄傷害疼痛(Hains, B. C., et al., Exp Neurol. 2000; 164(2):426−37を見よ);脳卒中後疼痛;視床痛(LaBuda, C. J., et al., Neurosci Lett. 2000; 290(1):79−83を見よ);複合局所痛症候群(Wallace, M. S., et al., Anesthesiology. 2000; 92(1):75−83; Xantos D et al., J Pain. 2004; 5(3 Suppl 2):S1を見よ);幻想痛(Weber, W. E., Ned Tijdschr Geneeskd. 2001; 145(17):813−7; Levitt & Heyback, Pain. 1981; 10(1):67−73を見よ);難治性疼痛(Yokoyama, M., et al., Can J Anaesth. 2002; 49(8):810−3を見よ);急性疼痛、急性手術後痛(Koppert, W., et al., Anesth Analg. 2004; 98(4):1050−5; Brennan, T. J., et al., Pain. 1996; 64(3):493−501を見よ);急性筋骨格痛;関節痛(Gotoh, S., et al., Ann Rheum Dis. 1993; 52(11):817−22を見よ);機械的腰痛(Kehl, L. J., et al., Pain. 2000; 85(3):333−43を見よ);頚部痛;腱炎;傷害/運動痛(Sesay, M., et al., Can J Anaesth. 2002; 49(2):137−43を見よ);腹痛を含む急性内臓痛;腎盂腎炎;虫垂炎;胆嚢炎;腸閉塞;ヘルニア;等(Giambernardino, M. A., et al., Pain. 1995; 61(3):459−69を見よ);心臓痛を含む胸部疼痛(Vergona, R. A., et al., Life Sci. 1984; 35(18):1877−84を見よ);骨盤痛、腎疝痛、陣痛を含む急性産科痛(Segal, S., et al., Anesth Analg. 1998; 87(4):864−9を見よ);帝王切開痛;急性炎症、火傷および外傷痛;子宮内膜炎を含む急性間歇的疼痛(Cason, A. M., et al.,Horm Behav. 2003; 44(2):123−31を見よ);
急性帯状ヘルペス疼痛;鎌形赤血球貧血;急性膵炎(Toma, H; Gastroenterology. 2000; 119(5):1373−81を見よ);突出痛;副鼻腔炎痛を含む口腔顔面痛、歯痛(Nusstein, J., et al., J Endod. 1998; 24(7):487−91; Chidiac, J. J., et al., Eur J Pain. 2002; 6(1):55−67を見よ);多発性硬化症(MS)疼痛(Sakurai & Kanazawa, J Neurol Sci. 1999; 162(2):162−8を見よ);うつ病中の疼痛(Greene B, Curr Med Res Opin. 2003; 19(4):272−7を見よ);らい病疼痛;べーチェット病疼痛;有痛脂肪症(Devillers & Oranje, Clin Exp Dermatol. 1999; 24(3):240−1を見よ);静脈炎疼痛;ギラン−バレー疼痛;疼痛を伴う脚および足指の運動;ハグルンド症候群;先端紅痛症疼痛(Legroux−Crespel, E., et al., Ann Dermatol Venereol. 2003; 130(4):429−33を見よ);ファブリー病疼痛(Germain, D. P., J Soc Biol. 2002;196(2):183−90を見よ);尿失禁を含む膀胱および泌尿器疾患(Berggren, T., et al., J Urol. 1993; 150(5 Pt 1):1540−3を見よ);過敏性膀胱(Chuang, Y. C., et al., Urology. 2003; 61(3):664−70を見よ);有痛性膀胱症候群(Yoshimura, N., et al., J Neurosci. 2001; 21(21):8690−6を見よ);間質性膀胱炎(IC)(Giannakopoulos& Campilomatos, Arch Ital Urol Nefrol Androl. 1992; 64(4):337−9; Boucher, M., et al., J Urol. 2000; 164(1):203−8を見よ);ならびに前立腺炎(Mayersak, J. S., Int Surg. 1998; 83(4):347−9; Keith, I. M., et al., J Urol. 2001; 166(1):323−8を見よ)がある。
【0015】
残念なことに、上記したように、上記の疾患状態に関して現在用いられているナトリウムチャンネル遮断薬の効力は、数多くの副作用によって大きく制約されている。そのような副作用としては、視力障害、眩暈、悪心、および鎮静のような各種CNS障害、ならびにより命を脅かす心不整脈および心不全を挙げられる。このような望ましくない副作用は、Naチャンネルのサブタイプに対するその活性にある程度の選択性を示すNaチャンネル遮断薬を用いることによって回避できるだろう。しかしながら、現在販売されているNaチャンネル遮断薬はそのような選択性を欠いている。おそらくはこの分子選択性を欠くために現在販売されている薬剤は、使用依存的な遮断を示し、一般的に脱分極電位時により高い親和性を示し、結果として活発に発火しているニューロンを優先的に標的とするようになり、これが既存のNaチャンネル遮断薬の治療濃度域の重大な要因になっていると考えられる。全ての薬物がそれぞれ固有の治療プロフィールを有しているが、現行のNaチャンネル遮断薬は、中枢神経系(CNS)および心臓血管(CV)への副作用を伴うことが一般的であり、これが用量を制限していることが多い。眩暈、鎮静、悪性、運動失調、および錯乱は、フェニトインTM、メキシレチンTM、およびリドカインTMに観察される特異的副作用の一部である。
【0016】
このように、今なお更なるNaチャンネル遮断薬、好ましくはより高い効力を有し、副作用の小さいNaチャンネル遮断薬の開発が求められている。
【非特許文献1】Moulard, B. and D.Bertrand (2002) “Epilepsy and sodium channel blockers” Expert Opin. Ther. Patents 12(1):85−91)
【非特許文献2】Waxman,S.G., S.Dib−Hajj, et al. (1999) “Sodium channels and pain” Proc Natl Acad Sci U S A 96(14):7635−9
【非特許文献3】Waxman,S.G.,T.R.Cummins, et al. (2000)“Voltage−gated sodium channels and the molecular pathogenesis of pain:a review”J Rehabil Res Dev 37(5):517−28
【非特許文献4】Meola, G. and V. Sansone (2000) “Therapy in myotonic disorders and in muscle channelopathies” Neurol Sci 21(5): S953−61
【非特許文献5】Mankodi, A. and C. A. Thornton (2002) “Myotonic syndromes” Curr Opin Neurol 15(5): 545−52
【非特許文献6】Meisler, M. H., J. A. Kearney, et al. (2002) “Mutations of voltage−gated sodium channels in movement disorders and epilepsy” Novartis Found Symp 241: 72−81
【非特許文献7】Black, J. A., S. Dib−Hajj, et al. (2000) “Sensory neuron−specific sodium channel SNS is abnormally expressed in the brains of mice with experimental allergic encephalomyelitis and humans with multiple sclerosis” Proc Natl Acad Sci U S A 97(21): 11598−602、
【非特許文献8】Renganathan, M., M. Gelderblom, et al. (2003) “Expression of Na(v)1.8 sodium channels perturbs the firing patterns of cerebellar purkinje cells” Brain Res 959(2): 235−42
【非特許文献9】Su, X., R. E. Wachtel, et al. (1999) “Capsaicin sensitivity and voltage−gated sodium currents in colon sensory neurons from rat dorsal root ganglia” Am J Physiol 277(6 Pt 1): G1180−8
【非特許文献10】Laird, J. M., V. Souslova, et al. (2002) “Deficits in visceral pain and referred hyperalgesia in Nav1.8 (SNS/PN3)− null mice” J Neurosci 22(19): 8352−6
【非特許文献11】Yoshimura, N., S. Seki, et al. (2001) “The involvement of the tetrodotoxin−resistant sodium channel Na(v)1.8 (PN3/SNS) in a rat model of visceral pain” J Neurosci 21(21): 8690−6
【非特許文献12】Hurley, S. C. (2002) “Lamotrigine update and its use in mood disorders” Ann Pharmacother 36(5): 860−73
【非特許文献13】Goldin, A. L. (2001) “Resurgence of sodium channel research” Annu Rev Physiol 63: 871−94
【非特許文献14】Noda, M., H. Suzuki, et al. (1989) “A single point mutation confers tetrodotoxin and saxitoxin insensitivity on the sodium channel II” FEBS Lett 259(1): 213−6
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
発明の概要
今回、本発明の化合物、およびその薬学的に許容可能な組成物は、電位依存的ナトリウムチャンネルの阻害剤として有用であることが見出された。これら化合物は、一般式I:
【0018】
【化7】

またはその薬学的に許容可能な誘導体を有する。
【0019】
これら化合物および薬学的に許容可能な組成物は、急性、慢性、神経障害性、もしくは炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身神経痛、てんかん、もしくはてんかん状態、神経変性性障害、不安症およびうつ病のような精神障害、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、および失禁を含む、様々な疾患、障害、または状態を処置する、またはそれらの重傷度を軽減するのに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
発明の詳細な説明
I.発明の化合物の一般的な記載:
本発明は、
式中:
XはO、S、NR、C(O)、またはC(R)であり;
環Aはフェニル、または5〜7員ヘテロアリール環であり、このとき環Aはy個まで存在するRで任意に置換でき;
およびRはそれぞれ独立に、水素またはC1〜6脂肪族であり、この時、窒素原子に結合している原子以外の炭素原子は二つまでO、S、NR、またはC(O)で任意に置き換えことができ;
xは0〜4であり;
yは0〜4であり;
zは0〜4であり;
存在する各R、R、およびRは独立してQ−Rであり;
Qは結合であるか、またはQの隣接しないメチレン単位は、二つまでCO、CO、COCO、CONR、OCONR、NRNR、NRNRCO、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、またはNRで任意に置き換えられるC1〜6脂肪族鎖であり;
存在する各Rは、R’、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から独立して選択され;
存在する各Rは、水素、または任意に置換されたC1〜6脂肪族基から独立して選択され;かつ
存在する各R’は水素、またはC1〜8脂肪族、C6〜10アリール、5〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、もしくは3〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から選択される任意に置換された基から独立して選択されるか、あるいはRとR’はそれらが結合する原子と一緒になるか、または二つのR’が、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜3個有する、5〜8員シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリール環を形成する、式Iの化合物:
【0021】
【化8】

またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0022】
一つの態様では、次の化合物は式Iの化合物から除外される:
(i)式中のRは水素であり、XはOであり、yは1であり、かつRはOMeである時は、RはNOでない化合物;および
(ii)式中のRは水素もしくはエチルであり、XはC(O)であり、xは0の時は、RはNOでない化合物。
【0023】
別の態様では、次の化合物は式Iの化合物から除外される:
(i)式中のRは水素であり、XはOであり、yは1であり、かつRはOMeである時は、RはNOでない化合物;
(ii)式中のRは水素もしくはエチルであり、XはC(O)であり、xは0である時は、RはNOでない化合物;
(iii)式中のRは水素であり、XはC(O)であり、xは0であり、かつyは0である時は、環Aはフェニルでない化合物;ならびに
(iv)N−[3−[(シクロプロピルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−[[(3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル)アミノ]スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−[(ジメチルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−(アミノスルホニル)フェニル]−2−(4−メトキシフェノキシ)−5−ニトロ−ベンズアミド;N−[3−[(シクロプロピルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−(フェニルメチル)−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2,3−ジメチルフェニル]−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジエチルアミノ)スルホニル]−2,3−ジメチルフェニル]−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メチルフェニル]−2−(フェニルメチル)−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジエチルアミノ)スルホニル]−2−メチルフェニル]−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メチルフェニル]−2−[[2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジエチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−ベンズアミド;N−[3−(アミノスルホニル)−4−メトキシフェニル]−2−[4−(メチルチオ)−3−ニトロベンゾイル]−ベンズアミド;2−(4−クロロ−3−ニトロベンゾイル)−N−[5−[(エチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−ベンズアミド;および2−[[4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル]アミノ]−N−[3−[[(2−フラニルメチル)アミノ]スルホニル]フェニル]−ベンズアミド。
【0024】
2.化合物および定義:
本発明の化合物は、一般的に上記した化合物を含み、本明細書に開示するクラス、サブクラス、および種によって更に例示される。本明細書内で使用される場合、特に指示しない限りは次の定義が適用される。本発明の目的に於いては、化学的要素は元素の周期律表、CAS版、Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.に従って特定される。これに加え有機化学の一般原則は、“Organic Chemistry”, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999、および“March’s Advanced Organic Chemistry”, 5th Ed., Ed.: Smith, M.B. and March, J., John Wiley & Sons, New York: 2001に記載されており、その内容は参照によって、そっくりそのまま本明細書に組み入れられる。
【0025】
本明細書に記載する場合、本発明の化合物は、上記一般的に説明されたか、または本発明の特定のクラス、サブクラス、および種によって例示する様に、一つまたは複数の置換基で任意に置換されてもよい。句「任意に置換された」は、句「置換されてもされなくとも」と互換的に用いられることが理解されるだろう。一般的には、用語「置換される」は、用語「任意選択的」が先行してもしなくとも、ある構造の中の水素ラジカルが指定された置換基のラジカルによって置換されることを指す。特に指示しない限り、任意に置換された基は、該基の各置換可能位置に置換基を有することができ、ある構造内に存在する二カ所以上の位置が、指定された基から選択される二つ以上の置換基で置換できる時、該置換基は全ての位置について同一でもあってもなくても良い。本発明が想定する置換基の組合せは、安定した、または化学的に実行可能な化合物の形成をもたらす組合せが好ましい。用語「安定」は、本明細書で使用する場合は、それらを製造、検出、および好ましくは回収、精製、および本明細書に開示される目的の一つもしくは複数について使用する際に見込まれる条件下に在る時に、実質的に変わらない化合物を指す。いくつかの態様では、安定化合物または化学的に実行可能な化合物は、湿気またはその他化学的に反応的な状態が存在しない状態で温度を40度以下に保った時、少なくとも1週間、実質的に変わらない化合物である。
【0026】
用語「脂肪族」または「脂肪族基」は、本明細書で使用する場合は、完全に飽和しているか、または一つまたは複数の不飽和単位を含有する、直鎖(即ち枝分かれしていない)または枝分かれした、置換されていてもいなくともよい炭化水素鎖、あるいは完全に飽和しているか、または一つまたは複数の不飽和単位を含有するが、芳香族ではない、残りの分子に対し単一結合点を有する単環式炭化水素または二環式炭化水素(本明細書では「炭素環式」、「脂環式」、または「シクロアルキル」とも称される)を意味する。特に指定しない限り、脂肪族基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの態様では、脂肪族基は1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。別の態様では、脂肪族基は1〜8個の脂肪族炭素原子を含有する。更に別の態様では、脂肪族基は1〜6個の脂肪族炭素原子を含有し、更に別の態様では、脂肪族基は1〜4個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの態様では「脂環式」(または「炭素環式」または「シクロアルキル」)は、完全に飽和しているか、または一つもしくは複数の不飽和単位を含有する単環式C〜C炭化水素または二環式C〜C12炭化水素を指すが、残りの分子に対し単一結合点を有する、前記二環式環系中の個々の環が3〜7員を有する芳香族ではない。好適な脂肪族基としては、直鎖または枝分かれした、置換されていてもいなくともよいアルキル、アルケニル、アルキニル基、および(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、または(シクロアルキル)アルケニルのような、それらの混成体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
用語「ヘテロ脂肪族」は、本明細書で用いる場合は、一つまたは二つの炭素原子が、一つまたは複数の酸素、硫黄、窒素、リン、またはケイ素によって独立して置き換えられる脂肪族基を意味する。ヘテロ脂肪族基は、置換されていてもいなくとも、枝分かれていてもいなくとも、環式でも非環式でもよく、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素脂環式」、または「複素環式」基を含む。
【0028】
本明細書で使用する用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素脂環式」、または「複素環式」は、一つまたは複数の環員が独立して選択されるヘテロ原子である、非芳香族の単環式、二環式、または三環式環系を意味する。いくつかの態様では、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素脂環式」、または「複素環式」基は、一つまたは複数の環員が酸素、硫黄、窒素、またはリンから独立して選択されるヘテロ原子である3〜14個の環員を有し、系中の環はそれぞれ3〜7つの環員を含有する。
【0029】
用語「ヘテロ原子」は、一つまたは複数の酸素、硫黄、窒素、リン、またはケイ素(窒素、硫黄、リン、もしくはケイ素の任意の酸化型;任意の塩基性窒素の四級化型、または;複素環式環の置換可能な窒素、例えばN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルの中のNのような)、NH(ピロリジニル中のNのような)、もしくはNR+(N−置換ピロリジニルの中のNのような)を含む)。
【0030】
用語「不飽和の」は、本明細書で用いる場合は、成分は、一つまたは複数の不飽和単位
を有することを意味する。
【0031】
用語「アルコキシ」または「チオアルキル」は、本明細書で用いる場合は、先に定義したとおり、酸素(「アルコキシ」)または硫黄(「チオアルキル」)原子を通して主炭素鎖に結合しているアルキル基を指す。
【0032】
用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、および「ハロアルコキシ」は、場合によっては、一つまたは複数のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル、アルケニル、またはアルコキシを意味する。用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br、またはIを意味する。
【0033】
単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、もしくは「アリールオキシアルキル」の中のような、より大きな成分の一部として用いられる用語「アリール」は、合計で5〜14個の環員を有する単環式、二環式、および三環式系であって、該系の少なくとも一つの環が芳香族であり、かつ該系中の各環は3〜7個の環員を含有するものを指す。用語「アリール」は、用語「アリール環」と互換的に用いることができる。用語「アリール」はまた、本明細書の中で下記に定義するヘテロアリール環系も指す。
【0034】
用語「ヘテロアリール」は、単独、または「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアリールアルコキシ」中のように、より大きな成分の一部として用いられる場合、合計で5〜14個の環員を有する単環式、二環式、および三環式環系を指すが、このとき該系中の少なくとも一つの環は芳香族であり、該系中の少なくとも一つの環は、一つまたは複数のヘテロ原子を含有し、かつ該系中の各環は3〜7個の環員を含有する。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」または「ヘテロ芳香族」と互換的に用いることができる。
【0035】
アリール(アラルキル、アラルコキシ、アリールオキシアルキル等を含む)またはヘテロアリール(ヘテロアラルキルおよびヘテロアリールアルコキシ等を含む)基は、一つまたは複数の置換基を含有してよい。アリールまたはヘテロアリール基の不飽和炭素原子の好適な置換基は、ハロゲン;−R;−OR;−SR;1,2−メチレン−ジオキシ;1,2−エチレンジオキシ; Rで任意に置換されたフェニル(Rh);任意にRで置換できる−O(Ph);任意にRで置換できる−(CH1−2(Ph);任意にRで置換された−CH=CH(Ph);−NO;−CN;−N(R;−NRC(O)R;−NRC(O)N(R;−NRCO;−NRNRC(O)R;−NRNRC(O)N(R;−NRNRCO;−C(O)C(O)R;−C(O)CHC(O)R;−CO;−C(O)R;−C(O)N(R;−OC(O)N(R;−S(O);−SON(R;−S(O)R;−NRSON(R;−NRSO;−C(=S)N(R;−C(=NH)−N(R;または-(CH0−2NHC(O)Rから選択され、このとき独立する各Rは、水素、任意に置換されたC1〜6脂肪族、非置換5〜6員ヘテロアリールもしくは複素環式環、フェニル、−O(Ph)、または−CH(Ph)から選択されるか、または上記定義にかかわらず、同一構成要素もしくは異なる構成要素上にある二つの独立したRは、各R基が結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、3〜8員シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールを形成する。Rの脂肪族基上の任意選択的構成要素は、NH、NH(C1〜4脂肪族)、N(C1〜4脂肪族)、ハロゲン、C1〜4脂肪族、OH、O(C1〜4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1〜4脂肪族)、O(ハロC1〜4脂肪族)、またはハロC1〜4脂肪族から選択され、この場合前記RのC1〜4脂肪族は置換されない。
【0036】
脂肪族もしくはヘテロ脂肪族基、または非芳香族複素環式環は、一つまたは複数の置換基を含んでよい。脂肪族もしくはヘテロ脂肪族基、または非芳香族複素環式環の飽和炭素上の好適置換基は、アリールまたはヘテロアリール基の不飽和炭素に関し上記した置換基から選択され、これ以外に次のものも含んでよい:=O、=S、=NNHR、=NN(R、=NNHC(O)R、=NNHCO(アルキル)、=NNHSO(アルキル)、または=NRであって、この場合各Rは、水素、または任意に置換されたC1〜6脂肪族から独立して選択される。Rの脂肪族基上の任意選択的置換基は、NH、NH(C1〜4脂肪族)、N(C1〜4脂肪族)、ハロゲン、C1〜4脂肪族、OH、O(C1〜4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1〜4脂肪族)、O(ハロC1〜4脂肪族)、またはハロ(C1〜4脂肪族)から選択され、このときRの前記各C1〜4脂肪族基は置換されない。
【0037】
非芳香族複素環式環の窒素上にある任意選択的な置換基は、−R、−N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−SO、−SON(R、−C(=S)N(R、−C(=NH)−N(R、または−NRSOから選択され;このときRは、水素、任意に置換されたC1〜6脂肪族、任意に置換されたフェニル、任意に置換された−O(Ph)、任意に置換された−CH(Ph)、任意に置換された−(CH1−2(Ph);任意に置換された−CH=CH(Ph);または酸素、窒素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、非置換の5〜6員ヘテロアリールもしくは複素環式環であるか、あるいは上記の定義とは無関係に同一構成成分または異なる構成成分上に独立して存在する二つのRは、各R基が結合する原子と一緒となって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成する。Rの脂肪族基またはフェニル環上の任意選択的置換基は、NH、NH(C1〜4脂肪族)、NH(C1〜4脂肪族)、ハロゲン、C1〜4脂肪族、OH、O(C1〜4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1〜4脂肪族)、O(ハロC1〜4脂肪族)、またはハロ(C1〜4脂肪族)から選択され、このときRの前記各C1〜4脂肪族基は置換されない。
【0038】
上記の通りいくつかの態様では、独立して存在する二つのR(もしくはR、または本明細書に同様に定義する他の任意の変量)は、各変量が結合する原子と一緒になり、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、3〜8員シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成する。独立して存在する二つのR(もしくはR、または本明細書に同様に定義する任意の他変量)が、各変量が結合する原子と一緒になった時に形成される例示の環としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されない:a) 二つのR(もしくはR、または本明細書に同様に定義する任意の他変量)が同一の原子に結合し、かつその原子と一緒になって形成される環、例えば、両Rが窒素原子と一緒になってピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、またはモルホリン−4−イル基を形成するN(R、およびb) 二つのR(もしくはR、または本明細書に同様に定義する任意の他変量)が異なる原子に結合し、かつこれら両原子と一緒になって形成される環、例えばフェニル基が二つのORと置換した場合の
【0039】
【化9】

、これら二つのRが、それらが結合する酸素原子と一緒になって環を含む融合した6員酸素を形成した場合の
【0040】
【化10】

。独立して存在する二つのR(もしくはR、または本明細書に同様に定義する任意の他変量)が、各変量が結合する分子と一緒になってその他多様な環が形成できること、および上記の例は限定することを意図しないことが理解されるだろう。
【0041】
特に記載しない限り、本明細書に描かれている構造は、該構造の全ての異性(例えば鏡像異性的、ジアステレオ異性的、および幾何学的(または立体的)形状);例えば各非対称中心に関するRおよびS配置、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)立体異性体も含むことを意図する。かくして本発明の単一の異性体だけでなく、鏡像異性的、ジアステレオ異性的、および幾何学異性的(または立体構造的)混合物も、本発明の範囲内である。他に記載が無い限り、本発明の化合物の全ての互変異性型は、本発明の範囲内である。更に、特に記載がない限り、本明細書に描かれた構造は、一つまたは複数の同位体標識原子の存在のみで異なっている化合物も含むことも意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置換または13C−もしくは14C−標識炭素による炭素の置換を除く提示の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。このような化合物は、例えば、分析手段、生物学的アッセイのプローブ、または改善された治療プロフィールを持つナトリウムチャンネル遮断剤として有用である。
【0042】
3. 例示化合物の説明:
一つの態様では、本発明は;
式中の:
およびRの一つは水素であって、かつRおよびRのもう一方は水素、C1〜8脂肪族、C6〜10アリール、5〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、または3〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から選択され、前記脂肪族中の炭素単位は二つまでCO、CO、COCO、CONR、OCONR、NRNR、NRNRCO、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、またはNRによって任意に置換され:
xは0〜4であり;
zは0〜5であり;
存在する各RおよびRは独立してQ−Rであり;
Qは結合、または隣接していないQのメチレン単位は二つまでCO、CO、COCO、CONR、OCONR、NRNR、NRNRCO、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、もしくはNRによって任意に置換できるC1〜6脂肪族鎖であり;
存在する各Rは、R’、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から独立して選択され;
存在する各Rは、水素または任意に置換されたC1〜6脂肪族基から独立して選択され;かつ
存在する各R’は、水素、またはC1〜8脂肪族、C6〜10アリール、5〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、もしくは3〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から独立して選択されるか、あるいはRおよびR’は、それらが結合する原子と一緒になって、または存在する二つのR’はそれらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールを形成する式I’の化合物
【0043】
【化11】

あるいは薬学的に許容可能なその塩をナトリウムチャンネルに接触させる段階を含む、前記ナトリウムチャンネルを調節する方法を提供する。
【0044】
式I’の化合物に関する一つの態様では、xは少なくとも2であり、かつ3位のRは1−ピペリジルメチルの時は、4位のRは任意に置換されたフェニルではない。
【0045】
式I’の化合物に関する別の態様では、以下の化合物は除外される:
(i)Rは水素であり、XはOであり、yは1であり、かつRはOMeである時、RはNOではない化合物;
(ii)Rは水素またはエチルであり、XはC(O)であり、xは0である時、RはNOでない化合物;
(iii)Rは水素であり、XはC(O)であり、xは0であり、かつyは0である時、環Aはフェニルではない化合物;ならびに
(iv)N−[3−[(シクロプロピルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−[[(3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル)アミノ]スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−[(ジメチルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−(アミノスルホニル)フェニル]−2−(4−メトキシフェノキシ)−5−ニトロ−ベンズアミド;N−[3−[(シクロプロピルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−(フェノキシメチル)−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2,3−ジメチルフェニル]−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジエチルアミノ)スルホニル]−2,3−ジメチルフェニル]−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メチルフェニル]−2−(フェニルメチル)−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジエチルアミノ)スルホニル]−2−メチルフェニル]−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メチルフェニル]−2−[[2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジエチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−ベンズアミド;N−[3−(アミノスルホニル)−4−メトキシフェニル]−2−[4−(メチルチオ)−3−ニトロベンゾイル]−ベンズアミド;2−(4−クロロ−3−ニトロベンゾイル)−N−[5−[(エチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−ベンズアミド;および2−[[4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル]アミノ]−N−[3−[[(2−フラニルメチル)アミノ]スルホニル]フェニル]−ベンズアミド。
【0046】
式I’の化合物に関する一つの態様では、XはOである。別の態様では、XはSである。更に別の態様では、XはNRであり、このときRは水素またはC1〜C6アルキルである。一つの態様では、XはNHである。一つの態様では、XはC(O)である。更に別の態様では、XはC(R)であり、このとき各Rは独立に水素またはC1〜C6アルキルである。一つの態様では、XはCHである。
【0047】
式I’の化合物に関する一つの態様では、xは0〜3である。または、xは0〜2である。別の態様では、xは1である。または、xは2である。
【0048】
式I’の化合物に関する一つの態様では、Rは、ハロゲン、CN、NO、またはC1〜6脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から選択される。例示的R基としては、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OCF3、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、任意に置換されたピロリル、チアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基が挙げられる。
【0049】
式I’の化合物に関する一つの態様では、RはC1〜C6アルキル基である。例示の基としては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルが挙げられる。
【0050】
式I’の化合物に関する別の態様では、Rは任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルである。
【0051】
式I’の化合物に関する別の態様では、Rは任意に置換されたフェニル、ベンジル、フェニルオキシ、またはベンジルオキシである。
【0052】
式I’の化合物に関する一つの態様では、zは0〜3である。または、zは0〜2である。別の態様では、zは0である。
【0053】
式I’の化合物に関する一つの態様では、zは1〜3であり、かつ各Rはハロゲン、CN、NO、またはC1〜6脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から選択される。例示的R基としては、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OMe、−OCF3、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基が挙げられる。
【0054】
式I’の化合物に関する一つの態様では、RははC1〜C6アルキル基である。例示的な基としては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルが挙げられる。
【0055】
式I’の化合物に関する別の態様では、Rは任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルである。
【0056】
式I’の化合物に関する別の態様では、Rは任意に置換されたフェニル、ベンジル、フェニルオキシ、またはベンジルオキシである。
【0057】
式I’の化合物に関する一つの態様では、R基は、存在する場合には、ハロゲン、CN、NO、またはC1〜4脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基である。例示的R基としては、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリノ、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基が挙げられる。
【0058】
式I’の化合物に関する一つの態様では、R基は、ハロゲン、CN、NO、またはC1〜6脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基を含む。例示的R基としては、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OCF3、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、ピロリル、チアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリノ、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基が挙げられる。
【0059】
一つの態様では、本発明は、
式中の:
XはO、S、NR、C(O)、またはC(R)であり;
環Aはフェニルまたは5〜7員ヘテロアリール環であり、このとき環Aはy個まで存在するRで任意に置換でき;
およびRは、それぞれ独立して水素またはC1〜6脂肪族であり、このとき窒素原子に結合している分子以外の炭素原子は、二つまでO、S、NR、またはC(O)で任意に置き換えることができ;
xは0〜4であり;
yは0〜4であり;
zは0〜4であり;
存在する各R、R、およびRは独立してQ−Rであり;
Qは結合、または隣接しないQのメチレン単位は二つまでCO、CO、COCO、CONR、OCONR、NRNR、NRNRCO、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、もしくはNRによって任意に置換できるC1〜6脂肪族鎖であり;
存在する各Rは、R’、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から独立して選択され;
存在する各Rは、水素または任意に置換されたC1〜6脂肪族基から独立して選択され;かつ
存在する各R’は、水素、またはC1〜8脂肪族、C6〜10アリール、5〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、もしくは3〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から独立して選択されるか、あるいはRおよびR’は、それらが結合する原子と一緒になって、または存在する二つのR’はそれらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールを形成する式Iの化合物
【0060】
【化12】

または薬学的に許容可能なその塩を提供する。
【0061】
別の態様では、 式Iの化合物から以下の化合物は除外される:
(i)Rは水素であり、XはOであり、yは1であり、かつRはOMeである時、RはNOではない化合物;および
(ii)Rは水素またはエチルであり、XはC(O)であり、xは0である時、RはNOでない化合物;
別の態様では、式Iの化合物から以下の化合物は除外される:
(i)Rは水素であり、XはOであり、yは1であり、かつRはOMeである時、RはNOではない化合物;および
(ii)Rは水素またはエチルであり、XはC(O)であり、xは0である時、RはNOでない化合物;
(iii)Rは水素であり、XはC(O)であり、xは0であり、かつyは0である時、環Aはフェニルではない化合物;
(iii) 以下の化合物除かれる条件での、Rは水素であり、XはC(O)であり、xは0であり、かつyは0である時、環Aはフェニルではない化合物;ならびに以下の化合物は除外されるものとする
N−[3−[(シクロプロピルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−[[(3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル)アミノ]スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−[(ジメチルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−(アミノスルホニル)フェニル]−2−(4−メトキシフェノキシ)−5−ニトロ−ベンズアミド;N−[3−[(シクロプロピルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−(フェノキシメチル)−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2,3−ジメチルフェニル]−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジエチルアミノ)スルホニル]−2,3−ジメチルフェニル]−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メチルフェニル]−2−(フェニルメチル)−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジエチルアミノ)スルホニル]−2−メチルフェニル]−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メチルフェニル]−2−[[2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジエチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−ベンズアミド;N−[3−(アミノスルホニル)−4−メトキシフェニル]−2−[4−(メチルチオ)−3−ニトロベンゾイル]−ベンズアミド;2−(4−クロロ−3−ニトロベンゾイル)−N−[5−[(エチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−ベンズアミド;および2−[[4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル]アミノ]−N−[3−[[(2−フラニルメチル)アミノ]スルホニル]フェニル]−ベンズアミド。
【0062】
式Iの化合物に関する一つの態様では、環Aは、任意に置換されたフェニルである。
【0063】
式Iの化合物に関する別の態様では、環Aは、任意に置換された5〜7員ヘテロアリール環である。例示のこのような環は以下に示すような環である:
【0064】
【化13】

式Iの化合物に関する一つの態様では、XはO、S、NH、C(O)、またはCHである。
【0065】
式Iの化合物に関する別の態様では、XはOである。別の態様では、XはSである。更に別の態様では、XはNRであり、このときRは水素またはC1〜C6アルキルである。一つの態様では、XはNHである。別の態様では、XはNRであり、かつRはC1〜C6アルキルである。一つの態様では、XはC(O)である。更に別の態様では、XはC(R)であり、このとき各Rは独立して水素またはC1〜C6アルキルである。一つの態様では、XはCHである。
【0066】
式Iの化合物に関する一つの態様では、xは0〜3である。またはxは0〜2である。別の態様では、xは1である。またはxは2である。
【0067】
式Iの化合物に関する一つの態様では、xは1〜3であり、各Rは、ハロゲン、CN、NO、またはC1〜6脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、 アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基をから独立して選択される。例示的R基としては、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OCF3、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、任意に置換されたピロリル、チアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基が挙げられる。
【0068】
式Iの化合物に関する別の態様では、xは1〜3であり、かつ各Rは、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、CN、NO、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OCF3、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、−SOCH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、またはピロリル、チアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、2−オキソ−イミダゾリジル、C1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルエチル、フェニルオキシ、フェニルオキシメチル、フェニルホルミル、ベンジル、ベンジルアミノ、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から独立して選択される。
【0069】
式Iの化合物に関する別の態様では、RはC1〜C6アルキル基である。例示の基としては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルが挙げられる。
【0070】
式Iの化合物に関する別の態様では、Rは任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルである。
【0071】
式Iの化合物に関する別の態様では、Rは任意に置換されたフェニル、ベンジル、フェニルオキシ、またはベンジルオキシである。
【0072】
式Iの化合物に関する一つの態様では、zは0〜3である。または、zは0〜2である。別の態様では、zは0である。別の態様では、zは1〜3である。
【0073】
式Iの化合物に関する一つの態様では、zは1〜3であり、かつ各Rはハロゲン、CN、NO、またはC1〜6脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から独立して選択される。例示的R基としては、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OMe、−OCF3、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基が挙げられる。
【0074】
式Iの化合物に関する一つの態様では、RはC1〜C6アルキル基である。別の態様では、zは1〜3であり、各Rは、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルから独立して選択される。例示の基としては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、およびsec−ブチルが挙げられる。
【0075】
式Iの化合物に関する別の態様では、zは1〜3であり、かつ各Rは任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルから独立して選択される。
【0076】
式Iの化合物に関する別の態様では、zは1〜3であり、かつ各Rは任意に置換されたフェニル、ベンジル、フェニルオキシ、またはベンジルオキシから独立して選択される。
【0077】
式Iの化合物に関する一つの態様では、R基は、存在する場合には、ハロゲン、CN、NO、またはC1〜4脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基である。例示的R基としては、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリノ、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基が挙げられる。
【0078】
式Iの化合物に関する別の態様では、yは1〜3であり、かつ各Rは、ハロゲン、CN、NO、またはC1〜4脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から独立して選択される。
【0079】
式Iの化合物に関する別の態様では、yは1〜3であり、かつ各Rは、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリノ、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から独立して選択される。
【0080】
別の態様では、化合物は式I−Aの構造を有する:
【0081】
【化14】

一般式I−Aの化合物に関する特定の態様では、Rは水素である。別の態様では、RはC1〜6脂肪族であり、このとき窒素原子に結合している以外の炭素原子は二つまでO、S、NR、またはC(O)で任意に置換される。
【0082】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、XはO、S、NH、C(O)、またはCHである。別の態様では、XはNRであり、かつRはC1〜C6アルキルである。更に別の態様では、XはNRであり、かつRは水素である。別の態様では、XはC(R)であり、このときRは独立して水素またはC1〜C6アルキルである。別の態様では、XはOである。
【0083】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、xは0〜3である。または、xは0〜2である。別の態様では、xは1である。またはxは2である。
【0084】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、xは1〜3であり、かつ各Rはハロゲン、CN、NO、またはC1〜6脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から独立して選択される。別の態様では、R基としては、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OCF、−SCF−、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基が挙げられる。
【0085】
式I−Aの化合物に関する別の態様ではxは1〜3であり、各Rは、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、CN、NO、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OCF、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、−SOCH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、またはピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、2−オキソ−イミダゾリジル、C1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルエチル、フェニルオキシ、フェニルオキシメチル、フェニルホルミル、ベンジル、ベンジルアミノ、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から独立して選択される。
【0086】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、RはC1〜C6アルキル基である。例示の基としては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、およびsec−ブチルが挙げられる。
【0087】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、Rは、任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルから選択される。
【0088】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、Rは、任意に置換されたフェニル、ベンジル、フェニルオキシ、またはベンジルオキシから選択される。
【0089】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、R基は、存在する場合には、ハロゲン、CN、NO、またはC1〜4脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基である。別の態様では、R基としては、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリノ、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基が挙げられる。
【0090】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、yは1〜3であり、かつ各Rは、ハロゲン、CN、NO、またはC1〜4脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から独立して選択される。
【0091】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、yは1〜3であり、かつ各Rは、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリノ、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から独立して選択される。
【0092】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、XはOまたはSであり、Rは水素である;xは1であり、Rは任意に置換されたC1〜6脂肪族またはCFから選択され;かつyは1〜3であり、各RはCN、CF、−C(O)R’、−OR’、ハロゲン、任意に置換されたC1〜4脂肪族、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリルから独立して選択される。
【0093】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、XはOまたはSであり、Rは水素である;xは1であり、RはCF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、またはsec−ブチルから選択され;かつyは1であり、各RはCN、CF、−C(O)R’、−COOR’、−OR’、ハロゲン、任意に置換されたC1〜4脂肪族、5〜6員ヘテロアリール、または4〜7員ヘテロシクリルから選択される。
【0094】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、XはOまたはSであり、Rは水素である;xは1であり、RはCF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、またはsec−ブチルから選択され;かつyは1であり、RはCN、CF、−C(O)Me、−COOMe、−OMe、F、Cl、Br、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、またはアゼチジニルから選択される。
【0095】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、XはOであり、Rは水素である;xは1であり、RはCF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、またはsec−ブチルから選択され;かつyは1であり、RはCN、CF、−C(O)Me、−COOMe、−OMe、F、Cl、Br、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、またはアゼチジニルから選択される。
【0096】
式I−Aの化合物に関する別の態様では、XはOであり、Rは水素である;xは1であり、RはCFまたはt−ブチルから選択され;かつyは1であり、RはCN、CF、−C(O)Me、−COOMe、−OMe、F、Cl、Br、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピペリジニル、またはモルホリニルから選択される。
【0097】
別の態様では、化合物は式II−Aの構造を有する:
【0098】
【化15】

式II−Aの化合物に関する特定の態様では、Rはハロゲン、CN、NO、またはC1〜6脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から選択される。例示的R基としては、Cl、Br、F、CF、Me、Et、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OCF、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基が挙げられる。
【0099】
式II−Aの化合物に関する別の態様では、RはC1〜C6アルキル基である。例示の基としては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルが挙げられる。別の態様では、Rはイソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルから選択される。
【0100】
式II−Aの化合物に関する別の態様では、Rは任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルから選択される。別の態様では、Rは、任意に置換されたピリジル、ピラゾリル、ピペリジニル、またはモルホリニルから選択される。
【0101】
式II−Aの化合物に関する別の態様では、Rは任意に置換されたフェニルベンジル、フェニルオキシ、またはベンジルオキシから選択される。
【0102】
式II−Aの化合物に関する別の態様では、Rはハロゲン、CN、NO、またはC1〜4脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−C(O)R’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から選択される。
【0103】
式II−Aの化合物に関する別の態様では、Rは、Cl、Br、F、CF、Me、Et、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−C(O)Me、−CONH、−COOCH、−OH、−OMe、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリノ、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から選択される。
【0104】
式II−Aの化合物に関する別の態様では、XはOまたはSであり;Rは任意に置換されたC1〜6脂肪族またはCFであり;かつRはCN、CF、−C(O)R’、−COOR’、−OR’、ハロゲン、任意に置換されたC1〜4脂肪族、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリルから選択される。
【0105】
式II−Aの化合物に関する別の態様では、XはOまたはSであり;Rは、CF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、またはsec−ブチルから選択され;かつRはCN、CF、−C(O)R’、−COOR’、−OR’、−CON(R’)、ハロゲン、任意に置換されたC1〜4脂肪族、5〜6員ヘテロアリール、または4〜7員ヘテロシクリルから選択される。
【0106】
式II−Aの化合物に関する別の態様では、XはOまたはSであり;Rは、CF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、またはsec−ブチルから選択され;かつRはCN、CF、−C(O)(C1〜4アルキル)、−COO(C1〜4アルキル)、−O(C1〜4アルキル)、−CONH、F、Cl、Br、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、またはアゼチジニルから選択される。
【0107】
式II−Aの化合物に関する別の態様では、XはOであり;Rは、CF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、またはsec−ブチルから選択され;かつRはCN、CF、−C(O)Me、−COOMe、−OMe、F、Cl、Br、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、またはアゼチジニルから選択される。
【0108】
式II−Aの化合物に関する別の態様では、XはOであり;Rは、CFまたはt−ブチルから選択され;かつRはCN、CF、−C(O)Me、−COOMe、−OMe、F、Cl、Br、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピペリジニル、またはモルホリニルから選択される。
【0109】
別の態様では、本発明の化合物は、
式中のRおよび存在する各Rは独立してQ−Rであり;
yは0〜4であり;
Qは結合、または隣接していないQのメチレン単位は二つまでCO、CO、COCO、CONR、OCONR、NRNR、NRNRCO、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、もしくはNRによって任意に置換できるC1〜6脂肪族鎖であり;
存在する各Rは、R’、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から独立して選択され;
存在する各Rは、水素または任意に置換されたC1〜6脂肪族基から独立して選択され;
存在する各R’は、水素、またはC1〜8脂肪族、C6〜10アリール、5〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、もしくは3〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から選択される任意に置換された基から独立して選択されるか、あるいはRおよびR’は、それらが結合する原子と一緒になって、または存在する二つのR’はそれらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールを形成する式III−A:
【0110】
【化16】

、または薬学的に許容可能なその塩の構造を有し;ただし
以下の化合物が除外される化合物である:
(i)N−[3−(アミノスルホニル)フェニル]−2−(4−メトキシフェノキシ)−5−ニトロ−ベンズアミド、N−[3−[(シクロプロピルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−[[(3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル)アミノ]スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−[(ジメチルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;およびN−[3−(アミノスルホニル)フェニル]−2−(4−メトキシフェノキシ)−5−ニトロ−ベンズアミド。
【0111】
式III−Aの化合物の特定の態様では、Rは、ハロゲン、CN、NO、またはC1〜6脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から選択される。例示的R基としては、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OCF、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基が挙げられる。
【0112】
式III−Aの化合物に関する別の態様では、RはC1〜C6アルキル基である。例示の基としては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルが挙げられる。別の態様では、Rはイソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルである。
【0113】
式III−Aの化合物に関する別の態様では、Rは任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルから選択される。別の態様では、Rは、任意に置換されたピリジル、ピラゾリル、ピペリジニル、またはモルホリニルである。
【0114】
式III−Aの化合物に関する別の態様では、Rは任意に置換されたフェニル、ベンジル、フェニルオキシ、またはベンジルオキシから選択される。
【0115】
式III−Aの化合物に関する別の態様では、R基は、存在する場合には、ハロゲン、CN、NO、またはC1〜4脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−C(O)R’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基である。
【0116】
式III−Aの化合物に関する別の態様では、yは1〜3であり、かつRは、CN、CF、−C(O)R’、−COOR’、−OR’、CON(R’)、ハロゲン、任意に置換されたC1〜4脂肪族、5〜6員ヘテロアリール、または4〜7員ヘテロシクリルから選択される。
【0117】
式III−Aの化合物に関する別の態様では、yは1〜3であり、かつ各RはCN、CF、−C(O)(C1〜4アルキル)、−COO(C1〜4アルキル)、−O(C1〜4アルキル)、−CON(R’)、F、Cl、Br、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、またはアゼチジニルから独立して選択される。
【0118】
式III−Aの化合物に関する別の態様では、yは1〜3であり、かつ各RはCN、CF、−C(O)Me、−COOMe、−OMe、−CONH、F、Cl、Br、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、またはアゼチジニルから独立して選択される。
【0119】
式III−Aの化合物に関する別の態様では、yは1〜3であり、かつ各RはCN、CF、−C(O)Me、−COOMe、−OMe、F、Cl、Br、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピペリジニル、またはモルホリニルから独立して選択される。
【0120】
本発明の化合物の例示態様を以下の表1に示す。
【0121】
表1:
【0122】
【表1−3】

【0123】
【表1−4】

【0124】
【表1−5】

【0125】
【表1−6】

【0126】
【表1−7】

【0127】
【表1−8】

【0128】
【表1−9】

【0129】
【表1−10】

【0130】
【表1−11】

【0131】
【表1−12】

【0132】
【表1−13】

【0133】
【表1−14】

【0134】
【表1−15】

本発明の化合物は、当技術分野で知られる方法を用いて容易に調製できるだろう。以下に、例示の本発明の化合物に至る合成路を示す。いずれの例でも、出発化合物および試薬は市販されているか、または当業者に知られている方法に従って調製される。
【0135】
以下の概略図IAおよびIBは、式I’の化合物を調製するための例示的工程を描く。概略図IAまたはIBは、本発明の化合物番号2〜5、7〜16、18〜25、28〜35、37〜44、46〜47、49〜54、56〜60、62〜75、77、79〜81、83〜87、89、91〜96、100、103、106、117、120、122〜123、126〜127、131、133、137、および140〜142を調製するのに用いられた。
【0136】
概略図1A
【0137】
【化17】

条件:(a)i.SOCl、CHCl;ii.ピリジン;(b)HATU、EtN、DMF。
【0138】
概略図1B
【0139】
【化18】

以下の概略図IIは、式Iの化合物を調製するための例示的工程を描く。概略図IIは、本発明の化合物番号1、6、17、26〜27、36、48、55、61、78、82、88、97〜99、101〜102、104〜105、107〜109、111、13〜116、118〜119、121、124〜125、128〜130、132、134〜136、139、および143〜144の調製に用いられた。
【0140】
概略図II
【0141】
【化19】

条件:(a)AlCl、AcCl、CHCl;(b)NaOH、HO、Br、ジオキサン;(c)(CuOTf)−PhH、CsCO、1−ナフトエ酸、4Å MS、トルエン、EtOAc、環A−XH;(d)i.SOCl、CHCl;ii.ピリジン;(e)HATU、EtN、DMF;(f)CuI、KPO、DMF、HO、環A−XH。
【0142】
以下の概略図IIIは、式中のxは1であり、かつRは少なくとも一つの窒素環原子を含有する複素環である(以下の概略図IIIでは環Bとして描かれている)の式I’の化合物を調製するための例示的工程を描く。概略図IIIは本発明の化合物番号45および76の調製に用いられた。
【0143】
概略図III
【0144】
【化20】

条件:CuI、KPO、DMF、HO、環B−NH。
【0145】
以下の概略図IVは、式I’の化合物を調製するための更に別の例示的な方法を描く。概略図IVは、本発明の化合物番号90および112を調製するのに用いられた。
【0146】
概略図IV
【0147】
【化21】

条件:(a)ピリジン;(b)NaH、RX、THF;(c)i.塩化シアヌル、EtN、アセトン;ii.HNR
【0148】
以下の概略図Vは、式Iの化合物を調製するための更に別の例示的な方法を描く。概略図Vは、本発明の化合物番号138を調製するのに用いられた。
【0149】
概略図V
【0150】
【化22】

条件:(a)CsCO、DMF、環A−XH;(b)NaOH、HO、EtOH;(c)i.SOCl、CHCl;ii.ピリジン;(d)HATU、EtN、DMF。
【0151】
以下の概略図VIは、式中のRの一つは−SOPhまたは−SOPhのいずれかであり、かつ他のRは、存在する場合には、本明細書に記載する任意の態様から選択される、式I’の化合物を調製するための更に別の例示的な方法を描く。概略図VIは、本発明の化合物番号110および112を調製するのに用いられた。
【0152】
概略図VI
【0153】
【化23】

条件:(a)30%H水、ヘキサフルオロプロパン−2−オール;(b)mCPBA、CHCl
【0154】
上記一般的に記載した化合物の特定の追加の態様を以下により詳細に記載する。
【0155】
5.使用、調合、および投与
薬学的に許容可能な組成物
上記に論じたとおり、本発明は、電位依存性ナトリウムチャンネルの阻害剤である化合物を提供し、従って本化合物は、急性、慢性、神経障害、または炎症性障害、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、疱疹性神経痛、一般神経痛、てんかん、もしくはてんかん状態、神経変性障害、不安症および抑うつ症のような精神医学障害、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症、過敏性腸症候群、および失禁を含むが、これらに限定されない疾患、障害、および状態の処置に有用である。よって、本発明の別の局面では、薬学的に許容可能な組成物が提供され、これら組成物は本明細書に記載される化合物のいずれかを含み、かつ任意に薬学的に許容可能な担体、補助剤、または賦形剤を含んでよい。特定の態様では、これら組成物は、更に一つまたは複数の追加の治療薬を任意に含んでよい。
【0156】
本発明の特定の化合物は、処置にふさわしい遊離型、または適切な場合には薬学的に許容可能なその誘導体として存在できる。本発明によれば、薬学的に許容可能な誘導体としては、必要とする患者に投与することによって、直接または間接的に、本明細書に別途記載されたような化合物、またはその代謝物もしくは残留物を提供できる、薬学的に許容可能な塩、エステル、そのようなエステルの塩、または任意の体の付加生成物もしくは誘導体が挙げられる。
【0157】
本明細書に用いられる用語「薬学的に許容可能な塩」とは、適切な医学的判断の範囲内において、ヒトおよび下等動物の組織との接触に、毒性、刺激、アレルギー反応等なしに使用するのに適しており、合理的な便益/リスク比を有する塩を指す。「薬学的に許容可能な塩」は、レシピエントに投与した時に、直接または間接的に、本発明の化合物、またはその阻害活性を持つ代謝物および残留物を提供できる、本発明の化合物の任意の無毒の塩またはエステルの化合物を意味する。本明細書で用いる場合、用語「その阻害活性を有する代謝物または残留物」は、その代謝物または残留物も電位依存性ナトリウムイオンチャンネルの阻害剤であることを意味する。
【0158】
薬学的に許容可能な塩は、当技術分野で周知である。例えば、S.M. Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66,1−19に薬学的に許容可能な塩について詳しく記載しており、それは参照によって本明細書内に組み入れられる。本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩としては、好適な無機および有機酸および塩基から誘導された塩を含む。薬理学的に許容可能な、無毒の酸性付加塩の例は、塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸のような無機酸と共に形成されるか、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、またはマロン酸と共に形成される、あるいはイオン交換のような当技術分野に用いられる他の方法を用いて形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容可能な塩としては、アジパート、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホナート、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホナート、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオナート、ジグルコナート、ドデシルスルファート、エタンスルホナート、ギ酸塩、フマラート、グルコヘプトナート、グリセロホスファート、グルコナート、ヘミスルファート、ヘプタノアート、ヘキサノアート、ヒドロヨージド、2−ヒドロキシ−エタンスルホナート、ラクトビオナート、ラクタート、ラウラート、ラウリルスルファート、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホナート、2−ナフタレンスルホナート、ニコチナート、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミタート、パモアート、ペクチナート、過硫酸塩、3−フェニルプロピオナート、リン酸塩、ピクラート、ピバラート、プロピオナート、ステアラート、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアナート、p−トルエンスルホナート、ウンデカノアート、吉草酸塩等が挙げられる。適切である塩基に由来する塩としては、アルカリ金属、アルカリ土金属、アンモニウム、およびN(C1〜4アルキル)塩が挙げられる。本発明はまた、本明細書に開示する化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化も想定する。このような四級化によって、水または油−溶解性または分散性の生成物が得られるだろう。代表的なアルカリまたはアルカリ土金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。更なる薬学的に許容可能な塩としては、適切であれば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホナート、およびアリールスルホナートのような対イオンを用いて形成された、無毒のアンモニウム、四級アンモニウム、およびアミンカチオンが挙げられる。
【0159】
上記したように、本発明の薬学的に許容可能な組成物は、薬学的に許容可能な担体、補助剤、または賦形剤を追加して含み、これらは、本明細書で使用する場合は、所望する具体的な投与形態に適した、ありとあらゆる溶媒、希釈剤、または他の液性賦形剤、分散剤もしくは懸濁補助剤、表面活性剤、等張剤、増量もしくは乳化剤、保存剤、固形物結合剤、潤滑剤等を含む。Remington’s Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E. W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980)は、薬学的に許容可能な組成物の調合に用いられる様々な担体、およびその調製について知られている技術を開示する。望ましくない生物学的作用を生ずるか、または薬学的に許容可能な組成物の他の構成要素のいずれかと有害な形で相互作用する場合のような、通常の担体媒体が本発明の化合物に適合しない場合を除いて、その使用は本発明の範囲内にあると考える。薬学的に許容可能な担体として用いることができる物質のいくつかの例としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンのような血清タンパク質、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、もしくはソルビン酸カリウムのような緩衝物質、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム塩化ナトリウム、亜鉛塩のような塩もしくは電荷質、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリラート、ロウ、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、羊毛脂、ラクトース、グルコース、およびショ糖のような糖;コーンスターチおよび馬鈴薯デンプンのようなデンプン;セルロースならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよびセルロースアセタートのようなその誘導体;トラガカンス粉末;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび座剤ワックスのような付形剤;ピーナッツオイル、綿実油のような油;サフラワー油;ゴマ油;オリーブオイル;コーン油および大豆油;プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールのようなグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルのようなエステル;糖:水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのような緩衝化剤;アルギン酸;無発熱性物質含有水;等張食塩水;リンガー液;エチルアルコール、ならびにリン酸緩衝溶液が挙げられるが、これらに限定されず、更にはラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムのようなその他無毒の、適合した潤滑剤だけでなく、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、香味および芳香剤、保存剤、ならびに酸化防止剤も調合師の判断に従って、組成物中に加えることができる。
【0160】
化合物および薬学的に許容可能な組成物の使用
更に別の局面では、有効量の化合物または該化合物を含む薬学的に許容可能な組成物を、それを必要とする被験体に投与することを含む、急性、慢性、神経障害性、または炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、疱疹性神経痛、一般神経痛、てんかん、もしくはてんかん状態、神経変性障害、不安症および抑うつ症のような精神医学障害、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症、過敏性腸症候群、および失禁の処置または重症度を軽減するための方法が提供される。特定の好ましい態様では、急性、慢性、神経障害性、もしくは炎症性の疼痛の処置または重症度軽減のための方法は、有効量の化合物または薬学的に許容可能な組成物を、それを必要とする被験体に投与することを含む。本発明の特定の態様では、化合物または薬学的に許容可能な組成物の「有効量」は、急性、慢性、神経障害性、または炎症性の疼痛、てんかん、もしくはてんかん状態、神経変性障害、不安症および抑うつ症のような精神医学障害、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症、過敏性腸症候群、または失禁の一つまたは複数を処置する、またはその重症度を軽減するのに有効な量である。
【0161】
化合物および組成物は、本発明の方法に従って、急性、慢性、神経障害性、もしくは炎症性の疼痛、てんかん、もしくはてんかん状態、神経変性障害、不安症および抑うつ症のような精神医学障害、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症、過敏性腸症候群、または失禁の一つまたは複数を処置するか、またはその重症度を軽減するのに有効である任意の量および任意の投与経路を用いて投与できる。正確な必要量は、被験体の種、年齢、および全身症状、感染の重症度、具体的な作用物質、その投与様式等に応じて被験体毎に変わるだろう。本発明の化合物は、投与し易いように、かつ均一に投与できるように投与単位形状に調合されることが好ましい。本明細書で用いる「投与単位形状」という表現は、処置対象となる患者にとって適切である、物理的に分離された作用物質の単位を指す。しかしながら、本発明の化合物および組成物の合計一日使用量は、担当する医師によって、適切な医学的判断の範囲内で決定される。任意の具体的な患者または生物にとって有効な具体的な投与レベルは、処置対象となる障害および障害の重症度;使用する具体的な化合物の活性;使用する具体的な組成物;患者の年齢、体重、一般健康状態、性、および食事;使用する具体的な化合物の投与時間、投与経路、および排泄経路;処置の期間;使用する具体的な化合物と組み合わせて、または同時に使用される薬物、ならびに医学分野で周知の同様の要因を含む様々な要因に依存するだろう。用語「被験体」は、本明細書で使用する場合は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
【0162】
本発明の薬学的に許容可能な組成物は、ヒトまたは他動物に、処置対象となる感染症の重症度に応じて、経口、直腸、非経口、槽内、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、点滴薬のように)、口腔内(経口および経鼻スプレーのように)等に投与できる。特定の態様では、発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、1日当、被験体体重当たり、体重約0.01mg/kg〜約50mg/kgの投与レベル、好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kgが、1日1回または複数回、経口または非傾向的に投与できる。
【0163】
経口投与のための液体投与形状としては、薬学的に許容可能な乳液、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、エリキシルが挙げられるが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、液体投与形状は、例えば、水または溶媒のような当技術分野で一般的に用いられる不活性希釈液、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾアート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に綿実油、落花生油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステルのような可溶化剤および乳化剤、ならびに芳香剤を含むことができる。不活性希釈剤以外にも、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤、および懸濁化剤のような補助剤、甘味料、香味料、および芳香剤を含むことができる。
【0164】
注射可能な調製物、例えば無菌の注射可能な水性または油性懸濁液は、好適な分散剤もしくは湿潤剤、および懸濁化剤を用いて、知られている技術に従って調合できる。無菌注射可能調製物は、無毒の非経口的に用いることができる希釈液または溶媒、例えば1,3−ブタンジオールを用いた無菌の注射可能な溶液、懸濁液、または乳液でもよい。使用可能な許容可能な賦形剤および溶媒としては、水、リンガー液、U.S.P.および等張塩化ナトリウム溶液が挙げられる。これに加えて、伝統的には、溶媒または懸濁化媒体としては無菌の固定油が用いられている。この目的に関しては、合成モノ−またはジグリセリドを含む、任意の無刺激性の固定油を用いることができる。これに加えて、注射物の調製には、オレイン酸のような脂肪酸も用いられる。
【0165】
注射可能な調製物は、例えば細菌保持フィルターを通した濾過、または無菌水もしくはその他無菌の注射可能な媒体に使用前に溶解もしくは分散できる無菌固形組成物の形をした殺菌剤を組み入れることによって無菌化できる。
【0166】
本発明の化合物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射による化合物の吸収を遅くすることが望まれることが多々ある。これは、低水溶性の結晶または非結晶物質の懸濁液を用いることで達成できるだろう。すると化合物の吸収速度はその分離速度に依存し、言い換えれば結晶の大きさと結晶の形に依存するだろう。あるいは、非経口的に投与された化合物形状のゆっくりとした吸収は、化合物を油性賦形剤に溶解または懸濁化することによって達成される。注射可能な蓄積形状、ポリラクチド−ポリグリコリドのような生体分解性ポリマーを用いて化合物のマイクロカプセル封入マトリックスを形成することによって作られる。ポリマーに対する化合物の割合、および使用した具体的なポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度を制御できる。他の生体分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水化物)が挙げられる。蓄積注射調製物はまた、化合物を、体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョン中に捕捉することによっても調製される。
【0167】
直腸または膣投与向けの組成物は、本発明の化合物を、室温では個体であるが、体温では液体であり、それ故に直腸または膣腔内で溶解して活性化合物を放出する、ココアバター、ポリエチレングリコール、または座薬用ワックスのような好適な非刺激性の付形剤または担体と混合することによって調製できる。
【0168】
経口投与向けの個体投与形状としては、カプセル、錠剤、ピル、粉末、および顆粒が挙げられる。このような固形投与形状では、活性化合物は少なくとも一種類の、クエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルジウムのような不活性の、薬学的に許容可能な付形剤もしくは担体、ならびに/またはa)デンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトール、およびケイ酸のような充填剤もしくは増量剤、b)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、およびアカシアのような結合剤、c)グリセロールのような保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯もしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムのような崩壊剤、e)パラフィンのような溶液緩染剤、f)四級アンモニウム化合物のような吸収加速剤、g)例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアラートのようなセチルアルコールのような湿潤化剤、h)カオリンおよびベントナイトクレーのような吸着剤、ならびにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物のような潤滑剤と混合される。カプセル、錠剤、およびピルの例では、投与形状は緩衝化剤を含んでもよい。
【0169】
類似タイプの個体組成物も、ラクトースまたは乳糖のような付形剤ならびに高分子量ポリエチレングリコール等を用いた軟質および硬質−充填ゼラチンカプセルの充填剤として用いることができる。個体投与形状の錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル、および顆粒は、薬学的調合技術分野で周知の腸溶コーティング材およびその他コーティング材のようなコーティング材および外皮材を用いて調製できる。それらは、任意に不透明化剤を含んでよく、また活性成分だけを、好ましくは腸管の特定部分で、場合によっては遅延形態で放出する組成物であってもよい。使用できる包埋組成物の例としては、ポリマー材料およびワックスが挙げられる。類似タイプの個体組成物は、ラクトースまたは乳糖のような付形剤ならびに高分子量ポリエチレングリコール等を用いる軟質および硬質−充填ゼラチンカプセルの充填材としても用いてもよい。
【0170】
活性化合物は、一つまたは複数の、上記の付形剤と共にマイクロカプセル化形状にすることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル、および顆粒の個体投与形状は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および薬学的調合技術分野で周知である他のコーティング材のようなコーティング材または外皮材を用いて調製できる。このような個体投与形状では、活性化合物は、ショ糖、ラクトース、またはデンプンの様な少なくとも一種類の不活性希釈剤と混合できる。このような投与形態は、通常の慣行として、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースのような錠剤化潤滑剤および他錠剤化補助剤を含んでもよい。カプセルの場合、錠剤およびピルは、投与形態は緩衝化剤を含んでもよい。それらは任意に不透明化剤を含んでよく、また好ましくは、特定の腸管部分で、任意に遅延様態で活性成分のみを放出する組成物であってもよい。用いることができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
【0171】
本発明の化合物の局所または経皮投与のための投与形態としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ジェル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤、またはパッチが挙げられる。活性構成要素は、無菌条件下で薬学的に許容可能な担体および、必要に応じて、必要とされる任意の保存剤または緩衝化剤と混合される。眼科用調合物、点耳剤、および目薬は、本発明の範囲内に入るもとして熟考される。これらに加えて、本発明は経皮パッチの使用も熟考するが、それらには体部への化合物の制御的送達を提供するという更なる利点がある。このような投与形状は、化合物を適切な媒体中に溶解するか、または分散させることによって調製される。吸収促進剤を用いて、皮膚を通した化合物の流れを高めることもできる。速度は、速度制御膜を提供するか、ポリマーマトリックスまたはゲル中に化合物を分散させることによって制御できる。
【0172】
一般的に上記した通り、本発明の化合物は電位依存性ナトリウムイオンチャンネルの阻害剤として有用である。一つの態様では、本発明の化合物および組成物は、NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、またはNaV1.9の一つまたは複数の阻害剤であり、かくして、ある特定の理論に結びつけることを望むことなしに、該化合物および組成物は、疾患、状態、または障害にNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、またはNaV1.9の一つまたは複数の活性化または過活性が関与する疾患、状態、または障害を処置するか、またはそれらの重症度を軽減するのに特に有用である。NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、またはNaV1.9の活性化または過活性がある疾患、状態、または障害に関与する場合、該疾患、状態、または障害は、「NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、またはNaV1.9−媒介疾患、状態、または障害」と呼ぶこともできる。それ故に、別の局面では、本発明は、疾患段階に一つまたは複数の、NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、またはNaV1.9の活性化または過活性が関与する、疾患、状態、または障害を処置する、またはそれらの重症度を軽減するための方法を提供する。
【0173】
本発明において、NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、またはNaV1.9の阻害剤として利用される化合物の活性は、本明細書の実施例に一般的に記載する方法に従って、または当業者が利用できる方法に従ってアッセイできるだろう。
【0174】
特定の例示的態様では、本発明の化合物は、NaV1.8の阻害剤として有用である。
【0175】
本発明の化合物および薬学的に許容可能な組成物は、組合せ療法に用いることができること、即ち、化合物および薬学的に許容可能な組成物は、一つまたは複数の、他の所望の治療薬または医学的処置と同時、前、またはそれらに続いて投与できることも理解されるだろう。組合せレジメンで用いる具体的な療法(治療薬または処置)の組合せには、所望する治療薬および/または処置の適合性、ならびに達成しようとする所望の治療効果が考慮されるだろう。用いられる療法は、同一障害に望まれる、一つの効果を達成することも(例えば、ある発明の化合物は、同一障害の処置に用いられる別の作用物質と同時に投与できる)、または異なる効果を達成することもできる(例えば任意の有害効果の制御)。本明細書で使用する場合、特定の疾患または状態を処置するか、または防止するために普通に投与される追加の治療作用物質は、「処置対象の疾患または状態にとって適切である」として知られる。例えば、例示的な追加の治療薬としては、非オピオイド鎮痛剤(エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トレメチンのようなインドール類;ナブメトンナフチルアルカノン類;ピロキシカムのようなオキシカム類;アセトアミノフェンのようなアミノフェノール誘導体類、フェノプロフェン、フルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジンのようなプロピオン酸類;アスピリン、トリサルチル酸コリンマグネシウム、ジフルニサールのようなサリチル酸類;メクロフェナム酸、メフェナム酸のようなフェナメート類;およびフェニルブタゾンのようなピラゾール類);またはオピオイド(麻酔作用性)アゴニスト(コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルフィン、オキシコドン、オキシモルフォン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、ナルブルフィン、およびペンタゾシンのような)が挙げられるが、これらに限定されない。これらに加えて、非薬物性の麻酔法を、一つまたは複数の本発明の化合物と一緒に利用することもできる。例えば、麻酔学的(髄腔内注入、神経遮断)、神経外科的(CNS経路の神経剥離術)、神経刺激的(経皮的電気的神経刺激、脊髄後索刺激)、物療的(理学療法、矯正器具、ジアテルミー)、または心理学的(認知的方法−睡眠療法、バイオフィードバック、もしくは行動学的方法)な方法も利用できる。追加の、適切な治療薬または方法については、The Merck Manual, Seventeenth Edition, Ed. Mark H. Beers and Robert Berkow, Merck Research Laboratories, 1999、および the Food and Drug Administrationのウエブサイト、www.fda.govに一般的に記載されており、それらの内容は、参照によってそっくりそのまま本明細書に組み入れられる。
【0176】
本発明の組成物中に存在する追加治療薬の量は、その治療薬を唯一の活性作用物質として含む組成物として普通に投与される場合の療法を超えないだろう。好ましくは、ここに開示する組成物中の追加の治療薬の量は、作用物質として該治療活性作用物質として含む組成物中に通常に存在する量の約50〜100%の範囲であろう。
【0177】
本発明の化合物または薬学的に許容可能なその組成物は、プロテーゼ、人工弁、人工血管、ステント、およびカテーテルのような植込み可能な医療用具をコーティングするための組成物中に組み入れることもできる。従って、本発明は、別の局面では、上記、および本明細書の中のクラスおよびサブクラスで一般的記載した本発明の化合物を含む植込み可能な用具をコーティングするための組成物、および該植込み可能な用具をコーティングするのに適した担体を含む。更に別の局面では、本発明は、上記、および本明細書の中のクラスおよびサブクラスの中で一般的に記載する本発明の化合物、ならびに該植込み可能な器具のコーティングに適した担体を含む組成物でコーティングされた植込み可能な用具を含む。好適なコーティングおよびコーティングされた植込み可能な用具の一般的な調製については、米国特許第6,099,562号;第5,886,026号;および第5,304,121号に記載されている。コーティングは、典型的には、ハイドロゲルポリマーポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレンビニルアセタート、およびそれらの混合物のような生体適合性ポリマー物質である。該コーティングは、任意に、好適なフルオロシリコン、多糖類、ポリエチレングリコール、リン脂質、またはそれらの組合せのトップコートで更に覆い、組成物に制御放出特性を付与することもできる。
【0178】
本発明の別の局面は、生物学的サンプルまたは患者中のNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、またはNaV1.9活性を阻害することであって、方法は患者に式Iの化合物もしくは該化合物を含む組成物を投与すること、または前記生物学的サンプルと接触させることを含むものに関する。用語「生物学的サンプル」とは、本明細書で使用する場合は、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物より得た生検材料またはその抽出物;および血液、唾液、尿、便、精液、涙、もしくは他の体液、またはそれらの抽出物を含むが、限定されない。
【0179】
生物学的サンプル中のNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、またはNaV1.9活性の阻害は、当業者に知られている様々な目的に関して有用である。このような目的の例としては、生物学的および病理学的現象中のナトリウムチャンネルの研究;ならびに新規ナトリウムイオンチャンネル阻害剤の比較評価が挙げられるが、これらに限定されない。
【0180】
本明細書に記載する発明をより完全に理解するために、以下の実施例について説明する。これらの実施例は例示を目的とするだけのものであり、いかなる形でも本発明を制限するものとして解釈してはならないことを理解しなければならない。
【実施例】
【0181】
一般的方法
H NMR(400 MHz)および13C NMR(100 MHz)スペクトルは、重水素クロロホルム(CDCl)またはジメチルスルホキシド−D(DMSO)の溶液として得た。LC/MSデータは、PESciex API−150−EX LC/MS、Shimadzu LC−8Aポンプ、Gilson 215オートサンプラー、Gilson 819インェクションモジュール、3.0mL/分の流速、10〜99%CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA)勾配、Phenomenex Luna 5u C18カラム(50×4.60mm)、Shimadzu SPD−10A UV/Vis検出器、Cedex 75 ELSD検出器を用いて取得した。シリカゲルクロマトグラフィーは、パーティクルサイズ230〜400メッシュのシリカゲル−60を用いて実施した。ピリジン、ジクロロメタン(CHCl)、テトラヒドロフラン(THF)は、乾燥窒素下に保たれたAldrich Sure−Sealボトルから得た。全ての反応液は、他に記載が無い限り、マグネットを使って攪拌した。特に指定しない限り、温度は全て内部反応温度を指す。
【0182】
1−(4−tert−ブチル−2−ブロモフェニル)エタノン
【0183】
【化24】

塩化アルミニウム(8.0g、60mmol)をCHCl(200mL)中で攪拌し、塩化アセチル(8.5mL、120mmol)をゆっくりと加え、均一な溶液にした。3−ブロモtert−ブチルベンゼン(11g、50mmol)のCHCl(20mL)溶液をゆっくり加えて、反応液を室温で16時間攪拌した。CHClで希釈した後、反応液を水、飽和NaHCO水、および水で洗浄した。有機溶液をNaSO上で乾燥し、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0%〜50%CHCl−ヘキサン)精製によって、淡黄色の油として1−(4−tert−ブチル−2−ブロモフェニル)エタノンを得た(3.1g、収率24%)。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.61 (d, J = 1.8 Hz, 1H)、7.46 (d, J = 8.1 Hz, 1H)、7.37 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 1H)、2.63 (s, 3H)、1.32 (s, 9H) ppm。
【0184】
4−tert−ブチル−2−ブロモ安息香酸
【0185】
【化25】

NaOH(7.8g、190mmol)の水(60mL)溶液を氷槽中で冷やし、臭素(2.51mL、49mmol)をゆっくり加えた。1−(4−tert−ブチル−2−ブロモフェニル)エタノン(3.1g、12mmol)のジオキサン(60mL)溶液をゆっくり加えてから冷却槽を取り除いた。室温で3時間攪拌した後、濃塩酸を使って反応液を酸性化した。反応液を水で希釈し、EtOAcで抽出した。一つにまとめた抽出液を水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空下に濃縮して、黄褐色の固体として4−tert−ブチル−2−ブロモ安息香酸(3.1g、収率100%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.97 (d, J = 8.3 Hz, 1H)、7.71 (d, J = 1.9 Hz, 1H)、7.41 (dd, J = 8.3, 1.9 Hz, 1H)、1.34 (s, 9H) ppm。
【0186】
2−(4−フルオロフェノキシ)−4−tert−ブチル安息香酸
【0187】
【化26】

4−tert−ブチル−2−ブロモ安息香酸(0.26g、1.0mmol)、4−フルオロフェノール(0.22g、2.0mmol)、炭酸カゼイン(0.65g、2.0mmol)、銅トリフルオロメタンスルホナート−ベンゼン複合体(13mg、25μmol)、1−ナフトエ酸(0.34g、2.0mmol)、および4Åの分子篩(0.25g)のトルエン(10mL)およびEtOAc(5μL)の懸濁液を攪拌しながら110℃で16時間加熱した。反応液を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0%〜5%MeOH−CHCl)によって精製し、白色の固体として2−(4−フルオロフェノキシ)−4−tert−ブチル安息香酸(0.11g、収率39%)を得た。LC/MS: 3.58分でのm/z 289.0 (M+H) (10%〜99% CHCN (0.035% TFA)/HO (0.05% TFA))。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.12 (d, J = 8.3 Hz, 1H)、7.24 (d, J = 1.7 Hz, 1H)、7.14−7.05 (m, 4H)、6.84 (d, J = 1.6 Hz, 1H)、1.23 (s, 9H) ppm。
【0188】
2−(4−フルオロフェノキシ)−4−tert−ブチル−N−(3−(アミノスルホニル)フェニル)ベンズアミド(化合物78)
【0189】
【化27】

2−(4−フルオロフェノキシ)−4−tert−ブチル安息香酸(0.11g、0.39mmol)および塩化チオニル(0.28mL、3.9mmol)のCHCl(10mL)の溶液を室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた油に3−アミノ−ベンゼンスルホンアミド(73mg、0.42mmol)のピリジン(4mL)溶液を加えた。該溶液を室温で15時間攪拌した。反応液を水で希釈し、EtOAcで抽出した。一つにまとめた抽出液を水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(0%〜50%EtOAc−ヘキサン)によって精製して白色の固体を得て、これをEtOAcおよびヘキサンから再結晶化した。2−(4−フルオロフェノキシ)−4−tert−N−(3−アミノスルホニル)フェニル)ベンズアミド(85mg、収率50%)を白色の固体として得た。LC/MS:3.49分でのm/z 443.3 (M+H) (10%〜99% CHCN (0.035% TFA)/HO (0.05% TFA))。
【0190】
N−(3−アミノスルホニル)フェニル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(化合物34)
【0191】
【化28】

3−アミノ−ベンゼンスルホンアミド(17mg、0.10mmol)のピリジン(1mL)の溶液に4−ゴリフルオロメトキシ塩化ベンゾイル(16μL、0.10mmol)を加えた。反応液を室温で15時間攪拌し、10%〜99%CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA)を用いた調製逆相HPLCにより精製し、N−(3−アミノスルホニル)フェニル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを得た。LC/MS:3.02分でのm/z 360.9 (M+H) (10%〜99% CHCN (0.035% TFA)/HO (0.05% TFA))。
【0192】
2−シクロヘキシル−N−(3−アミノスルホニル)フェニル)ベンズアミド(化合物83)
【0193】
【化29】

2−シクロヘキシル安息香酸(20mg、0.10mmol)およびHATU(38mg、0.10mmol)のDMF(1mL)溶液を、室温で3分間攪拌した。この溶液に、3−アミノ−ベンゼンスルホンアミド(17mg、0.10mmol)およびトリエチルアミン(14μL、0.10mmol)を加えた。反応液を室温で16時間攪拌し、10%〜99%CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA)を用いた調製逆相HPLCにより精製し、2−シクロヘキシル−N−(3−アミノスルホニル)フェニル)ベンズアミドを得た。LC/MS:3.85分でのm/z 359.1 (M+H) (10%〜99% CHCN (0.035% TFA)/HO (0.05% TFA))。
【0194】
2−(2−ピペリジン−1−イル)フェノキシ)−N−(3−アミノスルホニル)フェニル)ベンズアミド(化合物53)
【0195】
【化30】

2−ブロモ−N−(3−(アミノスルホニル)フェニル)ベンズアミド(0.10g、0.28mmol)、2−(ピペリジン−1−イル)フェノール(74mg、0.28mmol)、KPO(0.12g、0.56mmol)、およびCuI(53mg、0.28mmol)のDMF(1mL)および水(20μL)の懸濁液をガラス性チューブの中に密封し、電子レンジの中で、150℃で15分間加熱した。反応液を濾過し、10%〜99%CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA)を用いた調製逆相HPLCにより精製し、2−(2−ピペリジン−1−イル)フェニル)−N−(3−アミノスルホニル)フェニル)ベンズアミドを得た。LC/MS:2.31分でのm/z 452.0(M+H) (10%〜99% CHCN (0.035% TFA)/HO (0.05% TFA))。
【0196】
3−(4−tert−ブチルベンズアミド)ベンゼンスルホン酸
【0197】
【化31】

3−アミノベンゼンスルホン酸(1.7g、10mmol)のピリジン(100mL)溶液に、4−tert−ブチル塩化ベンゾイル(2.0mL、10mmol)を加えた。反応液を室温で16時間攪拌し、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をEtOAcに溶解し、1Mの塩酸水で洗浄した。洗浄水をEtOAcで抽出した。一つにまとめた有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%〜20%MeOH−CHCl)で精製して、3−(4−t−ブチルベンズアミド)ベンゼンスルホン酸(2.1g、収率63%)を得た。LC/MS:2.79分での m/z 334.3 (M+H) (10%〜99% CHCN (0.035% TFA)/HO (0.05% TFA))。
【0198】
3−(4−tert−ブチル−N−メチルベンズアミド)ベンゼンスルホン酸
【0199】
【化32】

水素化ナトリウム(26mg、0.66mmol)を攪拌している3−(4−tert−ブチルベンズアミド)ベンゼンスルホン酸(0.10g、0.30mmol)のTHF(5mL)溶液に加え、30分後ヨードメタン(37μL、0.60mmol)を加えた。反応液を17時間攪拌し、1Mの塩酸水溶液(1mL)を加えた。溶媒を真空下に取り除き、残留物を10%〜99%CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA)を用いた調製逆相HPLCにより精製し、3−(4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド)ベンゼンスルホン酸(24mg、収率23%)を得た。LC/MS:3.82分でのm/z 348.3 (M+H) (10%〜99% CHCN (0.035% TFA)/HO (0.05% TFA))。
【0200】
4−tert−ブチル−N−メチル−N−(3−アミノスルホニル)フェニル)ベンズアミド(化合物90)
【0201】
【化33】

3−(4−tert−ブチル−N−メチルベンズアミド)ベンゼンスルホン酸(12mg、35μmol)、塩化シアヌル酸(7.0mg、40μmol)、およびトリエチルアミン(6.0μL、40μmol)のアセトン(0.5mL)の溶液を、ガラスチューブ内に密封し、電子レンジの中で、120℃で10分間加熱した。濃水酸化アンモニウム(150μL)を加え、反応液を6時間攪拌した。反応液を濾過し、濾過物を10%〜99%CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA)を用いた調製逆相HPLCにより精製して4−tert−ブチル−N−メチル−N−(3−(アミノスルホニル)フェニル)ベンズアミドを得た。LC/MS:2.86分でのm/z 347.3 (M+H) (10%〜99% CHCN (0.035% TFA)/HO (0.05% TFA))。
【0202】
2−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−4−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【0203】
【化34】

2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(0.19g、1.0mmol)、2−メチルピリジン−3−オル(0.11g、1.0mmol)、および炭酸セシウム(0.33g、1.0mmol)の無水DMF(5mL)の混合物を50℃で16時間加熱した。反応液を水で希釈し、EtOAcで抽出した。一つにまとめた抽出物を水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(0%〜30%EtOAc−ヘキサン)で精製して、2−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−4−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(0.26g、収率94%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.50 (dd, J = 4.7, 1.4 Hz, 1H)、7.85 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8.1, 0.7 Hz, 1H)、7.35 (dd, J = 8.1, 1.4 Hz, 1H)、7.28−7.25 (m, 1H)、6.87 (s, 1H)、2.50 (s, 3H) ppm。
【0204】
2−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−4−(トリフルオロメチル)安息香酸
【0205】
【化35】

2−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−4−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(56mg、0.20mmol)、1Mの水酸化ナトリウム溶液(1mL、1mmol)、およびEtOH(1mL)の混合物を加熱して17時間還流した。真空下で溶媒を取り除き、残留物を10%〜99%CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA)を用いた調製逆相HPLCにより精製して、TFA塩として2−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−4−(トリフルオロメチル)安息香酸を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.36 (d, J = 5.6 Hz, 1H)、8.32 (d, J = 8.1 Hz, 1H)、7.72 (d, J = 8.1 Hz, 1H)、7.51−7.47 (m, 2H)、7.30 (d, J = 8.3 Hz, 1H)、2.81 (s, 3H) ppm。
【0206】
2−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−N−(3−スルファモイルフェニル)−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物138)
【0207】
【化36】

2−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−4−(トリフルオロメチル)安息香酸TFA塩(54mg、0.13mmol)およびHATU(50mg、0.13mmol)のDMF(1mL)の溶液を室温で3分間攪拌した。この溶液に、3−アミノ−ベンゼンスルホンアミド(23mg、0.13mmol)およびトリエチルアミン(46μL、0.33mmol)を加えた。反応液を室温で16時間攪拌し、10%〜99%CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA)を用いた調製逆相HPLCにより精製して、2−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−N−(3−スルファモイルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミドを得た。 LC/MS:1.07分でのm/z 452.3 (M+H) (10%〜99% CHCN (0.035% TFA)/HO (0.05% TFA))。
【0208】
4−tert−ブチル−2−(フェニルスルフィニル)−N−(3−スルファモイルフェニル)ベンズアミド(化合物110)
【0209】
【化37】

4−tert−ブチル−2−(フェニルチオ)−N−(3−スルファモイルフェニル)ベンズアミド(15.4mg、0.035mmol)の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オル(0.3mL)の溶液に、H(30重量%の水溶液、0.01mL、0.07mmol)を加えた。反応液を室温で40分間攪拌し、飽和NaHCO3(aq)およびCHCl(それぞれ1mL)を加えた。有機層をNaSOのパッドを通して濾過し、濃縮した。生成物を10%〜99%CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA)を用いた調製逆相HPLCにより精製して、4−tert−ブチル−2−(フェニルスルフィニル)−N−(3−スルファモイルフェニル)ベンズアミドを得た。LC/MS:1.54分でのm/z 457.4 (M+H) (10%〜99% CHCN (0.035% TFA)/HO (0.05% TFA))。
【0210】
4−tert−ブチル−2−(フェニルスルホニル)−N−(3−スルファモイルフェニル)ベンズアミド(化合物112)
【0211】
【化38】

4−tert−ブチル−2−(フェニルチオ)−N−(3−スルファモイルフェニル)ベンズアミド(15.4mg、0.035mmol)のCHCl(0.5mL)の溶液に、mCPBA(12mg、0.053mmol)を加えた。反応液を室温で40分間攪拌し、飽和NaHCO3(aq)(0.5mL)を加えた。有機層をNaSOのパッドを通して濾過し、濃縮した。生成物を逆相HPLC(10%〜99%CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))により精製して、4−tert−ブチル−2−(フェニルスルホニル)−N−(3−スルファモイルフェニル)ベンズアミドを得た。LC/MS:1.70分でのm/z 473.2 (M+H) (10%〜99% CHCN (0.035% TFA)/HO (0.05% TFA))。
【0212】
表1の化合物の分析データを下表2に示す:
表2
【0213】
【表2−1】

【0214】
【表2−2】


【0215】
化合物のNaV阻害特性を検出および測定するためのアッセイ
A)化合物のNaV阻害特性をアッセイするための光学的方法:
本発明の化合物は、電位依存性ナトリウムイオンチャンネルのアンタゴニストとして有用である。試験化合物のアンタゴニスト特性は、次のようにしてアッセイした。関心対象のNaVを発現している細胞をマイクロタイタープレート内に置いた。インキュベーション期間後、細胞を膜電位感受性の蛍光色素で染色した。試験化合物をマイクロタイタープレートに加えた。細胞を化学的または電気的手段で刺激して、遮断されていないチャンネルからNaV依存性膜電位変化を誘発し、これを膜内外電位差−感受性色素を用いて検出および測定した。アンタゴニストは、刺激に対する膜電位反応の低下として検出された。光学的膜電位アッセイは、GonzalezおよびTsienの記載した電位−感受性FRETセンサー(Gonzalez, J. E. and R. Y. Tsien (1995) “Voltage sensing by fluorescence resonance energy transfer in single cells” Biophys J 69(4): 1272−80,ならびにGonzalez, J. E.およびR. Y. Tsien (1997) “Improved indicators of cell membrane potential that use fluorescence resonance energy transfer” Chem Biol 4(4): 269−77を見よ)を、Voltage/Ion Probe Reader(VIRR(登録商標)) (Gonzalez, J. E., K. Oades, et al. (1999) “Cell−based assays and instrumentation for screening ion−channel targets” Drug Discov Today 4(9): 431−439を見よ)のような蛍光の変化を測定するための機器と組み合わせて利用した。
【0216】
B)化学刺激を用いたVIPR(登録商標)光学的膜電位アッセイ法
細胞の取り扱いおよび色素の付加
1)VIPRによるアッセイの24時間前にNaV1.2型の電位依存性NaVを内因性に発現しているCHO細胞をポリ−リジンコーティングした96ウエルプレートに60,000細胞/ウエルで接種した。
2)アッセイ当日、培地を吸引し、細胞を225μLの浴液#2(BS#2)で2回洗浄した。
3)5mMのクマリン保存溶液と10%Pluronic 127を1:1で混合し、混合物を相応容積のBS#2に溶解して15uMのCC2−DMPE溶液を調製した。
4)96ウエルプレートから浴液を取り除いた後、細胞にCC2−DMPE溶液を80μL付加した。プレートを室温、暗所で30分間インキュベーションした。
5)細胞をクマリンで染色している間に、オキソノールのBS#2溶液15μLを調製した。この溶液は、DiSBAC(3)以外に、0.75mMのABSCIおよびベラトリジン30μL(10mMのEtOH保存液、Sigma #V−5754より調製)を含んでいなければならない。
6)30分後、CC2−DMPEを取り除き、細胞を225μLのBS#2で2回洗浄した。以前と同様、残留物の容積は40μLでなければならない。
7)水槽を取り除き、細胞にDiSBAC(3)溶液を80μL負荷し、その後薬物添加プレートから各ウエルにDMSOに溶解した試験化合物を加えて所望の試験濃度にし、よく混合した。ウエル内の容積は、おおよそ121μLとした。次に細胞を20〜30分間インキュベーションした。
8)インキュベーションが完了すれば、細胞はそのままナトリウムアドバックプロトコールを用いて、VIPR(登録商標)でアッセイできる。浴液#1を120μL加えてNaV依存性脱分極を刺激した。テトラカイン200μLを、NaVチャンネルの完全遮断の陽性コントロールとして用いた。
【0217】
VIPR(登録商標)データの分析:
Naアドバックアッセイウインドウ:ベースライン2〜7秒、最終15〜24秒。
【0218】
【化39】


【0219】
溶液[mM]
浴液#1:NaCl 160、KCl 4.5、CaCl 2、MgCl 1、HEPES 10、NaOHを用いてpH 7.4
浴液#2 TMA−Cl 160、CaCl 0.1、MgCl 1、HEPES 10、KOHを用いてpH 7.4(最終K濃度〜5mM)
CC2−DMPE:5mMのDMSO溶液として調製し、−20℃で保存
DiSBAC(3):12mMのDMSO溶液として調製し、−20℃で保存
ABSC1:200mMの蒸留水溶液として調製し、室温で保存。
【0220】
細胞培養
CHO細胞は10%FBS(ウシ胎児血清、検定済み;GibcoBRL#16140−071)および1%Pen−Strep(ペニシリン−ストレプトマイシン;GibcoBRL#15140−122)を補充したDMEM(ダルベッコ改良イーグル培地;GibcoBRL#10569−010)で増殖させた。細胞は、湿度90%、CO10%で集密度100%まで換気キャップ付きフラスコの中で増殖させた。細胞は、通常は、スケジュール調整の必要性に応じてトリプシン処置して1:10または1:20に分割し、次の分割まで2〜3日間増殖した。
【0221】
C)電気刺激を用いたVIPR(登録商標)光学的膜電位アッセイ法
以下は、光学的膜電位法#2を用いて、どのようにしてNaV1.3阻害活性を測定するかの一例である。他のサブタイプは、同様の様式で、関心対象のNaVを発現している細胞株に実施できる。
【0222】
NaV1.3を安定して発現しているHEK293細胞を、96ウエルマイクロタイタープレートに接種する。相応のインキュベーション期間後、細胞を電位感受性色素CC2−DMPE/DiSBAC2(3)で以下のように染色する。
【0223】
試薬:
100mg/mLプルロニックF−127(Sigma #P2443)、乾燥DMSO溶液
10mM DiSBAC(3)(Aurora #00−100−010)乾燥DMSO溶液
10mM CC2−DMPE(Aurora #00−100−008)乾燥DMSO溶液
200mM ABSC1水溶液
10 mM HEPES(Gibco #15630−080)添加ハンクス塩溶液(Hyclone #SH30268.02)。
【0224】
負荷プロトコール:
2X CC2−DMPE=20μM CC2−DMPE:10mMのCC2−DMPEを等容積の10%プルロニックと共にボルテックス処置し、続いて必要量の10mM HEPESを含むHBSS中でボルテックス処置する。細胞プレートはそれぞれ5mLの2X CC2−DMPEが必要となるだろう。洗浄した細胞の入ったウエルに2X CC2−DMPEを50μL加えて、最終染色濃度を10μMとする。細胞を暗所、RTで30分間染色する。
【0225】
ABSC1入り2X DISBAC(3)=6μM DISBAC(3)および1mM ABSC1:溶液1mL当たり、必要量の10mM DiSBAC(3)を50mlのコニカルチューブに入れ、10%プルロニック1μLと混合し、一緒にボルテックス処置する。次に2X溶液となるようにHBSS/HEPESを加える。最後にABSC1を加える。
【0226】
2X DiSBAC(3)溶液は化合物プレートの溶媒化に用いることができる。化合物プレートは2X 薬物濃度で作られる。染色したプレートを再度洗浄し、残留物を50μL残す。2X DiSBAC(3)ABSC1と共にを50uL/ウエルで加える。暗所、RTで30分間染色する。
【0227】
使用する電気刺激装置および方法は、参照によって本明細書に組み入れられるPCT/US01/21652に記載されている、ION Channel Assay Methodsである。装置はマイクロタイタープレートハンドラー、クマリン色素を励起しながらクマリンおよびオキソノール発光を同時に記録するための光学システム、波形発生装置、電流または電圧制御増幅装置、電極をウエル内に挿入するための装置を具備する。一体式のコンピュータ制御の下、本装置はユーザーがプログラムした電気刺激プロトコールをマイクロタイタープレートのウエル内の細胞に実施する。
【0228】
試薬
アッセイバッファー#1
140mM NaCl、4.5mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、10mM HEPES、10mMグルコース、pH7.40、330mOsm
プルロニック保存液(1000X):100mg/mLプルロニック127乾燥DMSO溶液
オキソノール保存液(3333X):10mM DiSBAC(3)乾燥DMSO溶液
クマリン保存液(1000X):10mM CC2−DMPE乾燥DMSO溶液
ABSC1保存液(400X):200mM ABSC1水溶液。
【0229】
アッセイプロトコール
1.アッセイ対象となる各ウエルの中に電極を挿入または使用する。
2.電流制御増幅装置を用いて、3秒間刺激波パルスを送る。2秒間、刺激前の記録を取り、未刺激強度を得る。5秒間、刺激後の記録を取り、静止状態に至る緩和を調べる。
【0230】
データ分析
データは分析され、460nmおよび580nmのチャンネルで測定し、バックグランドを差し引いた発光強度の正規化比として報告される。次に各アッセイチャンネルからバックグランド強度が差し引かれる。バックグランド強度は、同一処置した、細胞が入っていないウエルからの発光強度を同一時間測定することによって得られる。次に、以下の公式を用いて得た比として、時間関数として反応を報告する:
【0231】
【化40】

データは、初期(Ri)および最終(Rf)比を計算して、さらに換算する。これらは刺激前期間の一部または全期間中、および刺激期間中のサンプルポイント中の比の平均値である。次に刺激に対する反応ρ=R/Rを計算する。
【0232】
コントロール反応は、所望の特性を有する化合物存在下(陽性コントロール)および薬理学的作用物質非存在下(陰性コントロール)でアッセイを実施して得る。陰性(N)および陽性(P)コントロールに対する反応は、上記の通りに計算される。陽性および陰性コントロールに対するアッセイウエルの活性Aは次のように定義される:
【0233】
【化41】


【0234】
試験化合物のNaV活性および阻害に関する電気生理学的アッセイ
パッチクランプ電気生理学を用いて、背根神経節ニューロンでのナトリウムチャンネル遮断薬の効果および選択性を評価した。ラットニューロンを、背根神経節から単離し、NGF(50ng/ml)存在下に2〜10日間培養して維持した(培地はB27、グルタミン、および抗生物質を補充したNeurobasal Aから構成された)。小直径ニューロン(侵害受容器、直径8〜12μm)を肉眼で確認し、増幅装置(Axon Instruments)に接続した先端の細いガラス電極で探索した。「電圧固定」モードを用いて細胞を−60mVに保持する化合物のIC50を評価した。これに加えて「電流固定」モードを用いて、電流注入に対する反応での活動電位発生を遮断する化合物の効果を試験した。これらの実験の結果は、化合物の有効性プロフィールを画定するのに役だった。
【0235】
DRGニューロンでの電圧固定アッセイ
TTX−耐性ナトリウム電流を、全細胞版のパッチクランプ技術を用いて、DRG細胞体から記録した。記録は、Axopatch 200B増幅装置(Axon Instruments)を用いて、室温(〜22℃)で、厚肉ホウケイ酸ガラス電極(WPI;抵抗3〜4MΩ)により行った。全細胞の構成を確立した後、記録を取り始める前に約15分間ピペット溶液を細胞内で平衡化させた。電流は2〜5kHzの間でローパスフィルターを通し、10kHzでデジタルサンプリングした。直列抵抗は60〜70%補正し実験を通して連続的にモニタリングした。データ分析では、細胞内のピペットと外部の記録溶液の間の液間電位(−7mV)は考慮しなかった。試験溶液は、重力式急速潅流システム(SF−77;Warner Instruments)を用いて細胞に作用させた。
【0236】
用量−反応関係は、実験特異的な保持電位から+10mVの試験電位に、60秒毎に1回、細胞を繰り返し脱分極させて電位固定モードで決定した。遮断作用は放置して、次の試験濃度に進む前に平衡状態にした。
【0237】
溶液
細胞内溶液(mM表示):Cs−F(130)、NaCl(10)、MgCl(1)、EGTA(1.5)、CaCl(0.1)、HEPES(10)、グルコース(2)、pH=7.42、290 mOsm。
【0238】
細胞外溶液(mM表示): NaCl(138)、CaCl(1.26)、KCl(5.33)、KHPO(0.44)、MgCl(0.5)、MgSO(0.41)、NaHCO(4)、NaHPO(0.3)、グルコース(5.6)、HEPES(10)、CdCl2(0.4)、NiCl2(0.1)、TTX(0.25 x 10−3)。
【0239】
化合物のNaVチャンネル阻害活性に関する電流固定アッセイ
細胞は、Multiplamp 700A増幅装置(Axon Inst.)を用いて、全細胞の構成で電流固定した。ホウケイ酸ピペット(4〜5Mオーム)を次のもので満たした(mM表示):150 K−グルコース、10 NaCl、0.1 EGTA、10 Hepes、2 MgCl、(KOHでpH 7.34に緩衝化)。細胞を次の中に浴した(mM表示):140 NaCl、3 KCl、1 MgCl、1 CaCl、および10 Hepes)。ピペットの電位は、密封する前にゼロにした:データ取得中は、液間電位を補正しなかった。記録は室温で行った。
【0240】
本明細書の表1に例示する化合物は、上記アッセイを用いて測定した場合に、一つまたは複数のナトリウムチャンネルに対し活性である。
【0241】
本発明の化合物は、NaV1.8チャンネルに対し活性を示した。
【0242】
本発明の一部の化合物の、NaV1.8チャンネルに対する活性を下表3に示す。表3では、文字は次の意味を有する:
「A」は<2μMを意味する;「B」は、2μMから10μMの間を意味する;「C」は>10μMを意味する。
【0243】
表3
【0244】
【表3−1】

【0245】
【表3−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式中:
XはO、S、NR、C(O)、またはC(R)であり;
環Aはフェニル、または5〜7員ヘテロアリール環であり、このとき環Aはy個まで存在するRで任意に置換でき;
およびRはそれぞれ独立に、水素またはC1〜6脂肪族であり、この時、窒素原子に結合している原子以外の炭素原子は二つまでO、S、NR、またはC(O)で任意に置き換えられ;
xは0〜4であり;
yは0〜4であり;
zは0〜4であり;
存在する各R、R、およびRは独立してQ−Rであり;
Qは結合であるか、またはQの隣接しないメチレン単位は、二つまでCO、CO、COCO、CONR、OCONR、NRNR、NRNRCO、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、またはNRで任意に置き換えられるC1〜6脂肪族鎖であり;
存在する各Rは、R’、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から独立して選択され;
存在する各Rは、水素、または任意に置換されたC1〜6脂肪族基から独立して選択され;かつ
存在する各R’は水素、またはC1〜8脂肪族、C6〜10アリール、5〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、もしくは3〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から選択される任意に置換された基から独立して選択されるか、あるいはRとR’はそれらが結合する原子と一緒になるか、または二つのR’が、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜3個有する、5〜8員シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリール環を形成する、式Iの化合物:
【化1】

またはその薬学的に許容可能な塩であって、
ただし:
(i)式中のRが水素であり、XがOであり、yが1であり、RがOMeの時は、RはNOでなく;
(ii)式中のRは水素もしくがエチルであり、XがC(O)であり、xが0である時は、RはNOでなく;
(iii)式中のRが水素であり、XがC(O)であり、xが0であり、yが0である時は、環Aはフェニルでなく;かつ次の化合物は除外される、化合物:
N−[3−[(シクロプロピルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−[[(3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル)アミノ]スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−[(ジメチルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−(アミノスルホニル)フェニル]−2−(4−メトキシフェノキシ)−5−ニトロ−ベンズアミド;N−[3−[(シクロプロピルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−(フェニルメチル)−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2,3−ジメチルフェニル]−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジエチルアミノ)スルホニル]−2,3−ジメチルフェニル]−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メチルフェニル]−2−(フェニルメチル)−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メチルフェニル]−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メチルフェニル]−2−[[2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−ベンズアミド;2−[(2−シアノフェニル)チオ]−N−[5−[(ジエチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−ベンズアミド;N−[3−(アミノスルホニル)−4−メトキシフェニル]−2−[4−(メチルチオ)−3−ニトロベンゾイル]−ベンズアミド;2−(4−クロロ−3−ニトロベンゾイル)−N−[5−[(エチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−ベンズアミド;および2−[[4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル]アミノ]−N−[3−[[(2−フラニルメチル)アミノ]スルホニル]フェニル]−ベンズアミド。
【請求項2】
環Aは任意に置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環Aは任意に置換された5〜7員ヘテロアリール環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
環Aは、以下より選択される、請求項3に記載の化合物:
【化2】

【請求項5】
XはO、S、NH、C(O)、またはCHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
XはNRであり、RはC1〜C6アルキルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
XはC(R)であり、各Rは独立して水素またはC1〜C6アルキルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
XはOである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
xは0〜3である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
xは0〜2である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
xは2である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
xは1である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
xは1〜3であり、かつ各Rはハロゲン、CN、CF、NO、またはC1〜6脂肪族、C1〜6脂環族、C6〜10アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−S(O)R’、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
xは1〜3であり、かつ各RはCl、Br、F、CF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、CN、NO、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OCF3、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、−SOCH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、またはピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、2−オキソ−イミダゾリジル、C1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルエチル、フェニルオキシ、フェニルオキシメチル、フェニルホルミル、ベンジル、ベンジルアミノ、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
xは1であり、かつRはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
zは0である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
zは1〜3であり、かつ各Rはハロゲン、CN、NO、またはC1〜6脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から選択される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
zは1〜3であり、かつ各RはCl、Br、F、CF、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OMe、−OCF3、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
zは1〜3であり、かつ各Rはメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルから独立して選択される、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
yは1〜3であり、かつ各R基はハロゲン、CN、NO、またはC1〜4脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
yは1〜3であり、かつ各RはCl、Br、F、CF、メチル、エチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
式I−Aまたはその薬学的に許容可能な塩の構造を有する化合物であって、式中のR、R、R、X、x、およびyは請求項1に定義されている、請求項1に記載の化合物:
【化3】

【請求項23】
は水素である、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
はC1〜6脂肪族であり、窒素原子に結合している原子以外の炭素原子は二つまでO、S、NR、またはC(O)で任意に置き換えられる、請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
XはOである、請求項22〜24のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
xは0〜3である、請求項22〜25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
xは0〜2である、請求項22〜25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
xは2である、請求項22〜25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
xは1である、請求項22〜25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
xは1〜3であり、かつ各Rはハロゲン、CN、CF、NO、またはC1〜6脂肪族、C1〜6脂環族、C6〜10アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−S(O)R’、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項22〜25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項31】
xは1〜3であり、かつ各RはCl、Br、F、CF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、CN、NO、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OCF3、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、−SOCH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、またはピロリル、チアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、2−オキソ−イミダゾリジル、C1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルエチル、フェニルオキシ、フェニルオキシメチル、フェニルホルミル、ベンジル、ベンジルアミノ、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項22〜25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項32】
xは1であり、かつRはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルから選択される、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
zは0である、請求項22〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
zは1〜3であり、かつ各Rはハロゲン、CN、NO、またはC1〜6脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項22〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
zは1〜3であり、かつ各RはCl、Br、F、CF、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OMe、−OCF3、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
zは1〜3であり、かつRはメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルから独立して選択される、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
yは1〜3であり、かつ各Rはハロゲン、CN、NO、またはC1〜4脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項22〜36のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項38】
yは1〜3であり、かつ各RはCl、Br、F、CF、メチル、エチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
式II−Aまたはその薬学的に許容可能な塩の構造を有する化合物であって、式中のR、R、およびXは請求項1に定義されている、請求項22に記載の化合物:
【化4】

【請求項40】
は、ハロゲン、CN、NO、またはC1〜6脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から選択される、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
は、Cl、Br、F、CF、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OCF3、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、任意に置換されたピロリル、チアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から選択される、請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
はC1〜C6アルキル基である、請求項39に記載の化合物。
【請求項43】
は、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルから選択される、請求項42に記載の化合物。
【請求項44】
は任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルから選択される、請求項41に記載の化合物。
【請求項45】
は任意に置換されたフェニル、ベンジル、フェニルオキシ、またはベンジルオキシから選択される、請求項41に記載の化合物。
【請求項46】
はハロゲン、CN、NO、またはC1〜4脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−C(O)R’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から選択される、請求項39〜45のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項47】
はCl、Br、F、CF、メチル、エチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−C(O)Me、−CONH、−COOCH、−OH、−OMe、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から選択される、請求項46に記載の化合物。
【請求項48】
XはOまたはSであり;Rは任意に置換されたC1〜6脂肪族またはCFから選択され;かつRはCN、CF、−C(O)R’、−COOR’、−OR’、ハロゲン、任意に置換されたC1〜4脂肪族、5〜6員ヘテロアリール、または4〜7員ヘテロシクリルから選択される、請求項39に記載の化合物。
【請求項49】
XはOまたはSであり;Rは、CF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、またはsec−ブチルから選択され;かつRはCN、CF、−C(O)R’、−COOR’、−OR’、−CON(R’)、ハロゲン、任意に置換されたC1〜4脂肪族、5〜6員ヘテロアリール、または4〜7員ヘテロシクリルから選択される、請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
XはOまたはSであり;Rは、CF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、またはsec−ブチルから選択され;かつRはCN、CF、−C(O)(C1〜4アルキル)、−COO(C1〜4アルキル)、−O(C1〜4アルキル)、−CONH、F、Cl、Br、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、またはアゼチジニルから選択される、請求項49に記載の化合物。
【請求項51】
XはOであり;Rは、CF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、またはsec−ブチルから選択され;かつRはCN、CF、−C(O)Me、−COOMe、−OMe、F、Cl、Br、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、またはアゼチジニルから選択される、請求項39に記載の化合物。
【請求項52】
XはOであり;RはCFまたはt−ブチルから選択され;かつRはCN、CF、−C(O)Me、−COOMe、−OMe、F、Cl、Br、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピペリジニル、またはモルホリニルから選択される、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
式中のRおよび存在する各Rは独立してQ−Rであり;
yは0〜4であり;
Qは結合、または隣接していないQのメチレン単位は二つまでCO、CO、COCO、CONR、OCONR、NRNR、NRNRCO、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、もしくはNRによって任意に置換されるC1〜6脂肪族鎖であり;
存在する各Rは、R’、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から独立して選択され;
存在する各Rは、水素または任意に置換されたC1〜6脂肪族基から独立して選択され;
存在する各R’は、水素、またはC1〜8脂肪族、C6〜10アリール、5〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、もしくは3〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から任意に選択された基から独立して選択されるか、あるいはRおよびR’は、それらが結合する原子と一緒になって、または存在する二つのR’はそれらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成する、式III−Aの化合物:
【化5】

または薬学的に許容可能なその塩であって、;ただし
以下の化合物は除外される、化合物:
(i)N−[3−(アミノスルホニル)フェニル]−2−(4−メトキシフェノキシ)−5−ニトロ−ベンズアミド、N−[3−[(シクロプロピルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−[[(3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル)アミノ]スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[3−[(ジメチルアミノ)スルホニル]フェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;N−[5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−メトキシフェニル]−2−フェノキシ−ベンズアミド;およびN−[3−(アミノスルホニル)フェニル]−2−(4−メトキシフェノキシ)−5−ニトロ−ベンズアミド。
【請求項54】
はハロゲン、CN、NO、またはC1〜6脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から選択される、請求項53に記載の化合物。
【請求項55】
はCl、Br、F、CF、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OCF、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から選択される、請求項54に記載の化合物。
【請求項56】
は、C1〜C6アルキル基である、請求項53に記載の化合物。
【請求項57】
は、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルから選択される、請求項56に記載の化合物。
【請求項58】
は、任意に置換されたプロピル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルから選択される、請求項55に記載の化合物。
【請求項59】
は、任意に置換されたフェニル、ベンジル、フェニルオキシ、またはベンジルオキシから選択される、請求項55に記載の化合物。
【請求項60】
yは0〜4であり、かつ各R基は、存在する場合には、ハロゲン、CN、NO、またはC1〜4脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−C(O)R’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項53〜59のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項61】
yは1〜3であり、かつ各RはCN、CF、−C(O)R’、−COOR’、−OR’、−CON(R’)、ハロゲン、任意に置換されたC1〜4脂肪族、5〜6員ヘテロアリール、または4〜7員ヘテロシクリルから独立して選択される、請求項60に記載の化合物。
【請求項62】
yは1〜3であり、かつ各RはCN、CF、−C(O)(C1〜4アルキル)、−COO(C1〜4アルキル)、−O(C1〜4アルキル)、−CON(R’)、F、Cl、Br、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、またはアゼチジニルから独立して選択される、請求項61に記載の化合物。
【請求項63】
yは1〜3であり、かつ各RはCN、CF、−C(O)Me、−COOMe、−OMe、−CONH、F、Cl、Br、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、またはアゼチジニルから独立して選択される、請求項63に記載の化合物。
【請求項64】
yは1〜3であり、かつ各RはCN、CF、−C(O)Me、−COOMe、−OMe、F、Cl、Br、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、任意に置換されたピリジル、ピペリジニル、またはモルホリニルから独立して選択される、請求項62に記載の化合物。
【請求項65】
表1から選択される化合物。
【請求項66】
ナトリウムチャンネルを調整する方法であって、
式中:
およびRの一つは水素であって、かつRおよびRのもう一方は水素、C1〜8脂肪族、C6〜10アリール、5〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、または3〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から選択され、該脂肪族中の炭素単位は二つまでCO、CO、COCO、CONR、OCONR、NRNR、NRNRCO、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、またはNRによって任意に置き換えられ:
xは0〜4であり;
zは0〜5であり;
存在する各RおよびRは独立してQ−Rであり;
Qは結合、または隣接していないQのメチレン単位は二つまでCO、CO、COCO、CONR、OCONR、NRNR、NRNRCO、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、もしくはNRによって任意に置き換えられるC1〜6脂肪族鎖であり;
存在する各Rは、R’、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から独立して選択され;
存在する各Rは、水素または任意に置換されたC1〜6脂肪族基から独立して選択され;かつ
存在する各R’は、水素、またはC1〜8脂肪族、C6〜10アリール、5〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、もしくは3〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から選択される任意に置換された基から独立して選択されるか、あるいはRおよびR’は、それらが結合する原子と一緒になって、または存在する二つのR’はそれらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成する、式I’の化合物
【化6】

または薬学的に許容可能なその塩を、該チャンネルに接触させる段階を含む方法。
【請求項67】
Qは、O、S、N(C1〜C6アルキル)、NH、C(O)、C(C1〜C6アルキル)、CH(C1〜C6 アルキル)、またはCHから選択される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
xは0〜3である、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
xは0〜2である、請求項66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
xは2である、請求項66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
xは1である、請求項66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
xは1〜3であり、かつ各Rはハロゲン、CN、CF、NO、またはC1〜6脂肪族、C1〜6脂環族、C6〜10アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−S(O)R’、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項66〜68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
xは1〜3であり、かつ各RはCl、Br、F、CF、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、CN、NO、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OCF3、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、−SOCH、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、またはピロリル、チアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、2−オキソ−イミダゾリジル、C1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルエチル、フェニルオキシ、フェニルオキシメチル、フェニルホルミル、ベンジル、ベンジルアミノ、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
zは0である、請求項66〜73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
zは1〜3であり、かつ各Rはハロゲン、CN、NO、またはC1〜6脂肪族、アリール、5〜6員ヘテロアリール、4〜7員ヘテロシクリル、アラルキル、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−C(O)R’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、もしくは−S(O)N(R’)から選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項66〜73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
zは1〜3であり、かつ各RはCl、Br、F、CF、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COO(C1〜6アルキル)、−OH、−OMe、−OCF3、−SCF、−OCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、もしくはベンジルオキシから選択される任意に置換された基から独立して選択される、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
zは1〜3であり、かつ各Rはメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、またはsec−ブチルから独立して選択される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
zは1〜3であり、かつ各Rは任意に置換されたピロリル、チアジアゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルから独立して選択される、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
zは1〜3であり、かつ各Rは任意に置換されたフェニル、ベンジル、フェニルオキシ、またはベンジルオキシから独立して選択される、請求項76に記載の方法。
【請求項80】
請求項1〜65のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容可能な担体、補助剤、または賦形剤を含む薬学的組成物。
【請求項81】
追加の治療薬を更に含む、請求項80に記載の組成物。
【請求項82】
請求項1に記載の化合物、または該化合物を含む薬学的に許容可能な組成物を、それを必要とする被験体に有効量投与することを含む、被験体の急性、慢性、神経障害性、または炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、疱疹性神経痛、一般神経痛、てんかん、もしくはてんかん状態、神経変性障害、不安症および抑うつ症のような精神医学障害、双極性障害、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、骨関節炎痛、帯状疱疹後痛、糖尿病性神経障害、神経根痛、坐骨神経痛、腰痛、頭痛または頚部痛、重症または難治性の疼痛、侵害性疼痛、突出痛、手術後疼痛、癌性疼痛、脳卒中、脳虚血、外傷性脳傷害、筋萎縮性側索硬化症、ストレスもしくは運動誘発性アンギナ、動悸、高血圧症、片頭痛、または胃腸管の異常運動を処置する、またはそれらの重症度を軽減する方法。
【請求項83】
方法は急性、慢性、神経障害性、または炎症性の疼痛の処置または、その重症度を軽減するために用いられる、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記方法は、神経根痛、坐骨神経痛、腰痛、頭痛、頚部痛、難治性疼痛、急性疼痛、手術後疼痛、背痛、耳鳴り、または癌性疼痛を処置する、またはその重症度を軽減するために用いられる、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
前記方法は、大腿骨癌疼痛;非悪性慢性骨疼痛;リウマチ関節炎;骨関節炎;脊髄狭窄;神経傷害性腰痛;神経障害性腰痛;筋筋膜性疼痛症候群;繊維筋痛;側頭骨顎関節痛;腹痛を含む慢性内臓痛;膵臓痛;IBS疼痛;慢性および急性頭痛;片頭痛;群発性頭痛を含む緊張性頭痛;疱疹後神経痛を含む慢性および急性の神経障害性疼痛;糖尿病性神経傷害;HIV−関連神経障害;三叉神経痛;シャルコー・マリー・ツース神経障害;遺伝性感覚神経障害;末梢神経傷害;疼痛性神経腫;異所性近位および遠位性放電;神経根障害;化学療法誘発性神経障害疼痛;放射線療法誘発性神経障害疼痛;乳腺切除後疼痛;中心性疼痛;脊髄傷害疼痛;脳卒中後疼痛;視床痛;複合局所痛症候群;幻想痛;難治性疼痛;急性疼痛、急性手術後痛;急性筋骨格痛;関節痛;機械的腰痛;頚部痛;腱炎;傷害/運動痛;腹痛を含む急性内臓痛;腎盂腎炎;虫垂炎;胆嚢炎;腸閉塞;ヘルニア;等;心臓痛を含む胸部疼痛;骨盤痛、腎疝痛、陣痛を含む急性産科痛;帝王切開痛;急性炎症、火傷および外傷痛;子宮内膜炎を含む急性間歇的疼痛;急性帯状ヘルペス疼痛;鎌形赤血球貧血;急性膵炎;突出痛;副鼻腔炎痛を含む口腔顔面痛、歯痛;多発性硬化症(MS)疼痛;うつ病中の疼痛;らい病疼痛;べーチェット病疼痛;有痛脂肪症;静脈炎疼痛;ギラン−バレー疼痛;疼痛を伴う脚および足指の運動;ハグルンド症候群;先端紅痛症疼痛;ファブリー病疼痛;尿失禁を含む膀胱および泌尿器疾患;過敏性膀胱;有痛性膀胱症候群;間質性膀胱炎(IC);または前立腺炎;複合局所痛症候群(CRPS)、タイプIおよびタイプII;あるいはアンギナ誘発疼痛を処置するため、またはそれらの重症度を軽減するために用いられる、請求項82に記載の方法。

【公表番号】特表2009−536616(P2009−536616A)
【公表日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505429(P2009−505429)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/008818
【国際公開番号】WO2007/120647
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】