説明

電気光学装置の製造方法、電気光学装置、投射型表示装置および電子機器

【課題】絶縁膜の穴内に設けたプラグ電極によって導電層同士の導通を行うにあたって、研磨時間やプラグ電極形成用導電膜の成膜時間を短縮することのできる電気光学装置の製造方法、電気光学装置、投射型表示装置、および電子機器を提供すること。
【解決手段】液晶装置の素子基板において、第2電極層7aと画素電極9aとを層間絶縁膜48の穴48a内に設けたプラグ電極8aを介して電気的に接続するにあたって、第1絶縁膜46に設けたコンタクトホール46aを埋めるようにプラグ電極8aを形成した後、第2絶縁膜47を成膜する。そして、第2絶縁膜47を表面側から研磨してプラグ電極8aを露出させた後、第2絶縁膜47の表面側に画素電極9aを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトホールを介して導通する導電層が素子基板に形成された電気光学装置の製造方法、電気光学装置、投射型表示装置、および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶装置や有機エレクトロルミネッセンス装置等の電気光学装置に用いられる素子基板では、画素電極を備えた画素がマトリクス状に配置されており、複数の画素の各々には、電界効果型トランジスターからなる画素トランジスターが構成されている。また、素子基板では、絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して導電層同士が導通する導通部分が設けられている。かかる導通部分において、上層側の導電層にコンタクトホールに起因する凹凸が発生すると好ましくない場合、コンタクトホールを埋めるプラグ電極を設け、プラグ電極を介して、導電膜同士を電気的に接続する構造が採用される(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
プラグ電極を利用した導通部分を形成するには、一般的には、まず、図8(a)に示すように、第1導電層7sの上層側に、コンタクトホール49sを備えた層間絶縁膜49を形成した後、図8(b)に示すように、タングステン等のプラグ電極形成用導電膜8sをスパッタ法により厚く形成する。次に、図8(c)に示すように、プラグ電極形成用導電膜8sを表面側から研磨してコンタクトホール49sの内部にプラグ電極8tを残した後、図8(d)に示すように、層間絶縁膜49の表面に第2導電層9sを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−262200号公報
【特許文献2】特開2002−244153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図8(a)〜(d)を参照して説明した構成では、層間絶縁膜49にコンタクトホール49sを形成した後、コンタクトホール49sをタングステン等のプラグ電極形成用導電膜8sによって埋めるため、プラグ電極形成用導電膜8sの成膜や研磨に多大な時間がかかるという問題点がある。具体的には、コンタクトホール49sをプラグ電極形成用導電膜8sによって確実に埋めるには、プラグ電極形成用導電膜8sの厚さd8sを層間絶縁膜49の厚さd49(コンタクトホール49sの深さd49s)より十分に余裕をもった寸法に設定する必要があり、かかる厚いプラグ電極形成用導電膜8sをスパッタ法により形成するには、多大な成膜時間を必要とする。また、プラグ電極形成用導電膜8sの厚さd8sを、余裕をもって厚く設定すると、多大な研磨時間を必要とする。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、絶縁膜の穴内に設けたプラグ電極によって導電層同士の導通を行うにあたって、研磨時間やプラグ電極形成用導電膜の成膜時間を短縮することのできる電気光学装置の製造方法、かかる方法により製造した電気光学装置、投射型表示装置、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、基板の一方面側に第1導電層を形成する第1導電層形成工程と、前記第1導電層に対して前記基板と反対側に第1絶縁膜を成膜する第1絶縁膜成膜工程と、前記第1導電層に到達するコンタクトホールを前記第1絶縁膜に形成するコンタクトホール形成工程と、前記第1絶縁膜に対して前記基板と反対側に当該第1絶縁膜より膜厚が厚いプラグ電極形成用導電膜を成膜するプラグ電極形成用導電膜成膜工程と、少なくとも前記コンタクトホール内に前記プラグ電極形成用導電膜が残るように前記プラグ電極形成用導電膜をパターニングしてプラグ電極を形成するプラグ電極形成工程と、前記第1絶縁膜および前記プラグ電極に対して前記基板と反対側に前記第2絶縁膜を成膜する第2絶縁膜成膜工程と、前記第2絶縁膜を研磨して前記第2絶縁膜から前記プラグ電極を露出させる研磨工程と、前記第2絶縁膜に対して前記基板と反対側に前記プラグ電極に導通する第2導電層を形成する第2導電層形成工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る電気光学装置は、基板の一方面側に設けられた第1導電層と、該第1導電層に対して前記基板と反対側に設けられ、前記第1導電層に到達するコンタクトホールが形成された第1絶縁膜と、前記コンタクトホールの内部を埋める第1電極部分、および前記第1絶縁膜の表面から突出する第2電極部分を備えたプラグ電極と、前記第1絶縁膜に対して前記基板と反対側に設けられ、前記プラグ電極と連続した平坦面を構成する第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜に対して前記基板と反対側に設けられて前記プラグ電極と導通する第2導電層と、を有し、前記第2電極部分は、平面視で前記コンタクトホールの外側にも設けられるようにパターニングされてなることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る電気光学装置およびその製造方法では、第1導電層と第2導電層とを絶縁膜の穴内に設けたプラグ電極を介して電気的に接続するにあたって、第1絶縁膜に設けたコンタクトホールを埋めるようにプラグ電極を形成した後、第2絶縁膜を成膜する。そして、第2絶縁膜を表面側から研磨してプラグ電極を露出させた後、第2絶縁膜の表面側に第2導電層を形成する。このため、プラグ電極形成用導電膜の厚さ寸法は、第1導電層と第2導電層との間に介在する絶縁膜の一部(第1絶縁膜)の厚さ寸法(コンタクトホールの深さ寸法)以上であればよく、薄くてよい。それ故、プラグ電極形成用導電膜の成膜時間や第2絶縁膜に対する研磨時間を短縮することができる。
【0010】
本発明において、前記第2絶縁膜は、リンおよびボロンのうちの少なくとも一方がドープされたシリケートガラスであることが好ましい。かかるシリケートガラスは、多孔性であり、吸湿性を備えている。このため、第2絶縁膜は、第2導電層あるいは第2導電層に対して基板本体が位置する側とは反対側に設けられた層から水分を除去するので、電気光学装置の特性や信頼性等を向上することができる。また、リンおよびボロンのうちの少なくとも一方がドープされたシリケートガラスはステップカバレージ性に優れているので、プラグ電極を形成した後に第2絶縁膜を成膜した際、プラグ電極の側壁等を適正に覆うという利点がある。また、リンおよびボロンのうちの少なくとも一方がドープされたシリケートガラスは研磨速度が高いので、研磨工程を効率よく行うことができる。
【0011】
本発明に係る電気光学装置の製造方法において、前記プラグ電極形成用導電膜成膜工程では、アルミニウム系金属膜を成膜した後、該アルミニウム系金属膜の上層にバリア膜を成膜することが好ましい。この場合、本発明に係る電気光学装置において、前記プラグ電極は、アルミニウム系金属膜と、該アルミニウム系金属膜に対して前記基板と反対側に積層されたバリア膜と、を備えている構成となる。かかる構成によれば、第2導電層が例えば導電性酸化物からなる場合でも、プラグ電極において、導電性酸化物に接するのはバリア膜であるため、導電性酸化物とアルミニウム系金属膜とが接することに起因する接続抵抗の増大等が発生しない。
【0012】
本発明は、前記第2導電層が画素電極である場合に適用すると効果的である。液晶装置の場合、画素電極の表面側には配向膜が形成され、有機エレクトロルミネッセンス装置の場合、画素電極の表面側には有機エレクトロルミネッセンス素子の機能層が設けられる。ここで、本発明によれば、画素電極の表面側にはコンタクトホールに起因する凹凸が発生しないので、コンタクトホールに起因する凹凸が配向膜や機能層を形成する際の妨げとなることを防止することができる。
【0013】
本発明において、電気光学装置を液晶装置として構成する場合、前記基板の前記一方面側に対向配置された対向基板との間に液晶層を保持する構成となる。
【0014】
本発明を適用した電気光学装置は、各種電子機器において直視型表示装置等の各種の表示装置に用いることができる。また、本発明を適用した電気光学装置が液晶装置である場合、電気光学装置(液晶装置)は、投射型表示装置に用いることができる。かかる投射型表示装置は、本発明を適用した電気光学装置(液晶装置)に照射される照明光を出射する光源部と、前記液晶装置により変調された光を投射する投射光学系と、を有している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用した液晶装置(電気光学装置)の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した液晶装置に用いた液晶パネルの説明図である。
【図3】本発明を適用した液晶装置の画素の説明図である。
【図4】本発明を適用した液晶装置における画素電極周辺の断面構成を拡大して示す説明図である。
【図5】本発明を適用した液晶装置の製造工程の要部を示す説明図である。
【図6】本発明を適用した液晶装置の製造工程の要部を示す説明図である。
【図7】本発明を適用した液晶装置を用いた投射型表示装置の概略構成図である。
【図8】従来の問題点を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では、各種の電気光学装置のうち、液晶装置およびその製造方法において、第2電極層7aと画素電極9aとの電気的な接続部分に本発明を適用した場合を中心に説明する。従って、以下の説明において、本発明における「第1導電層」は第2電極層7aに相当し、本発明における「第2導電層」は画素電極9aに相当する。また、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、画素トランジスターを流れる電流の方向が反転する場合、ソースとドレインとが入れ替わるが、本説明では、画素電極が接続されている側(画素側ソースドレイン領域)をドレインとし、データ線が接続されている側(データ線側ソースドレイン領域)をソースとする。また、素子基板に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは素子基板の基板本体が位置する側とは反対側(対向基板が位置する側)を意味し、下層側とは素子基板の基板本体が位置する側を意味する。
【0017】
[液晶装置(電気光学装置)の説明]
(全体構成)
図1は、本発明を適用した液晶装置の電気的構成を示すブロック図である。なお、図1は、あくまで電気的な構成を示すブロック図であるため、容量線等が延在している方向等、レイアウトについては模式的に示してある。
【0018】
図1において、本形態の液晶装置100は、TN(Twisted Nematic)モードやVA(Vertical Alignment)モードの液晶パネル100pを有しており、液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画像表示領域10a(画素領域)を備えている。液晶パネル100pにおいて、後述する素子基板10(図2等を参照)では、画像表示領域10aの内側で複数本のデータ線6aおよび複数本の走査線3aが縦横に延びており、それらの交点に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、電界効果型トランジスターからなる画素トランジスター30、および後述する画素電極9aが形成されている。画素トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、画素トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、画素トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。
【0019】
素子基板10において、画像表示領域10aより外周側には走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101が設けられている。データ線駆動回路101は各データ線6aに電気的に接続しており、画像処理回路から供給される画像信号を各データ線6aに順次供給する。走査線駆動回路104は、各走査線3aに電気的に接続しており、走査信号を各走査線3aに順次供給する。
【0020】
各画素100aにおいて、画素電極9aは、後述する対向基板20(図2等を参照)に形成された共通電極と液晶層を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に蓄積容量55が付加されている。本形態では、蓄積容量55を構成するために、複数の画素100aに跨る第1電極層5aが容量電極層として形成されている。本形態において、第1電極層5aは、共通電位Vcomが印加された共通電位線5cに導通している。
【0021】
(液晶パネル100pの構成)
図2は、本発明を適用した液晶装置100に用いた液晶パネル100pの説明図であり、図2(a)、(b)は各々、液晶パネル100pを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
【0022】
図2(a)、(b)に示すように、液晶パネル100pでは、素子基板10(電気光学装置用の素子基板)と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107は、光硬化樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。
【0023】
かかる構成の液晶パネル100pにおいて、素子基板10および対向基板20はいずれも四角形であり、液晶パネル100pの略中央には、図1を参照して説明した画像表示領域10aが四角形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられ、シール材107の内周縁と画像表示領域10aの外周縁との間には、略四角形の周辺領域10bが額縁状に設けられている。素子基板10において、画像表示領域10aの外側では、素子基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。なお、端子102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、素子基板10には、フレキシブル配線基板を介して各種電位や各種信号が入力される。
【0024】
詳しくは後述するが、素子基板10の一方面10sおよび他方面10tのうち、一方面10s側では、画像表示領域10aに、図1を参照して説明した画素トランジスター30、および画素トランジスター30に電気的に接続する画素電極9aがマトリクス状に形成されており、かかる画素電極9aの上層側には配向膜16が形成されている。
【0025】
また、素子基板10の一方面10s側において、周辺領域10bには、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9b(図2(b)参照)が形成されている。ダミー画素電極9bについては、ダミーの画素トランジスターと電気的に接続された構成、ダミーの画素トランジスターが設けられずに配線に直接、電気的に接続された構成、あるいは電位が印加されていないフロート状態にある構成が採用される。かかるダミー画素電極9bは、素子基板10において配向膜16が形成される面を研磨により平坦化する際、画像表示領域10aと周辺領域10bとの高さ位置を圧縮し、配向膜16が形成される面を平坦面にするのに寄与する。また、ダミー画素電極9bを所定の電位に設定すれば、画像表示領域10aの外周側端部での液晶分子の配向の乱れを防止することができる。
【0026】
対向基板20において素子基板10と対向する一方面側には共通電極21が形成されており、共通電極21の上層には配向膜26が形成されている。共通電極21は、対向基板20の略全面あるいは複数の帯状電極として複数の画素100aに跨って形成されている。また、対向基板20において素子基板10と対向する一方面側には、共通電極21の下層側に遮光層108が形成されている。本形態において、遮光層108は、画像表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁状に形成されており、見切りとして機能する。ここで、遮光層108の外周縁は、シール材107の内周縁との間に隙間を隔てた位置にあり、遮光層108とシール材107とは重なっていない。なお、対向基板20において、遮光層108は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域と重なる領域等にブラックマトリクス部として形成されることもある。
【0027】
このように構成した液晶パネル100pにおいて、素子基板10には、シール材107より外側において対向基板20の角部分と重なる領域に、素子基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通用電極109が形成されている。かかる基板間導通用電極109には、導電粒子を含んだ基板間導通材109aが配置されており、対向基板20の共通電極21は、基板間導通材109aおよび基板間導通用電極109を介して、素子基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、素子基板10の側から共通電位Vcomが印加されている。シール材107は、略同一の幅寸法をもって対向基板20の外周縁に沿って設けられている。このため、シール材107は、略四角形である。但し、シール材107は、対向基板20の角部分と重なる領域では基板間導通用電極109を避けて内側を通るように設けられており、シール材107の角部分は略円弧状である。
【0028】
かかる構成の液晶装置100において、画素電極9aおよび共通電極21をITOやIZO等の透光性の導電膜により形成すると、透過型の液晶装置を構成することができる。これに対して、共通電極21をITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の透光性導電膜により形成し、画素電極9aをアルミニウム等の反射性導電膜により形成すると、反射型の液晶装置を構成することができる。液晶装置100が反射型である場合、対向基板20の側から入射した光が素子基板10の側の基板で反射して出射される間に変調されて画像を表示する。液晶装置100が透過型である場合、素子基板10および対向基板20のうち、一方側の基板から入射した光が他方側の基板を透過して出射される間に変調されて画像を表示する。
【0029】
液晶装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、対向基板20には、カラーフィルター(図示せず)や保護膜が形成される。また、液晶装置100では、使用する液晶層50の種類や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、位相差フィルムや偏光板等が液晶パネル100pに対して所定の向きに配置される。さらに、液晶装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各液晶装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
【0030】
本形態において、液晶装置100が、後述する投射型表示装置においてRGB用のライトバルブとして用いられる透過型の液晶装置であって、対向基板20から入射した光が素子基板10を透過して出射される場合を中心に説明する。また、本形態において、液晶装置100は、液晶層50として、誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を用いたVAモードの液晶パネル100pを備えている場合を中心に説明する。
【0031】
(画素の具体的構成)
図3は、本発明を適用した液晶装置100の画素の説明図であり、図3(a)、(b)は各々、素子基板10において隣り合う画素の平面図、および図3(a)のF−F′線に相当する位置で液晶装置100を切断したときの断面図である。なお、図3(a)では、各領域を以下の線で表してある。
走査線3a=太い実線
半導体層1a=細くて短い点線
データ線6aおよびドレイン電極6b=一点鎖線
第1電極層5aおよび中継電極5b=細くて長い破線
第2電極層7a=二点鎖線
画素電極9a=太くて短い破線
【0032】
図3(a)に示すように、素子基板10には、複数の画素100aの各々に矩形状の画素電極9aが形成されており、隣り合う画素電極9aにより挟まれた縦横の画素間領域10fと重なる領域に沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。より具体的には、画素間領域10fのうち、走査線3aに沿って延在する第1画素間領域10gと重なる領域に沿って走査線3aが延在し、データ線6aに沿って延在する第2画素間領域10hと重なる領域に沿ってデータ線6aが延在している。データ線6aおよび走査線3aは各々、直線的に延びており、データ線6aと走査線3aとが交差する領域に画素トランジスター30が形成されている。素子基板10には、データ線6aと重なるように、図1を参照して説明した第1電極層5a(容量電極層)が形成されている。
【0033】
図3(a)、(b)に示すように、素子基板10は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体10w、基板本体10wの液晶層50側の表面(一方面10s側)に形成された画素電極9a、画素スイッチング用の画素トランジスター30、および配向膜16を主体として構成されている。対向基板20は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w、その液晶層50側の表面(素子基板10と対向する一方面側)に形成された共通電極21、および配向膜26を主体として構成されている。
【0034】
素子基板10において、基板本体10wの一方面側には、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属膜化合物等の導電膜からなる走査線3aが形成されている。本形態において、走査線3aは、タングステンシリサイド(WSix)等の遮光性導電膜から構成されており、画素トランジスター30に対する遮光膜としても機能している。本形態において、走査線3aは、厚さが200nm程度のタングステンシリサイドからなる。なお、基板本体10wと走査線3aとの間には、シリコン酸化膜等の絶縁膜が設けられることもある。
【0035】
基板本体10wの一方面10s側において、走査線3aの上層側には、シリコン酸化膜等の絶縁膜12が形成されており、かかる絶縁膜12の表面に、半導体層1aを備えた画素トランジスター30が形成されている。本形態において、絶縁膜12は、例えば、テトラエトキシシラン(Si(OC254)を用いた減圧CVD法やテトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜と、高温CVD法により形成したシリコン酸化膜(HTO(High Temperature Oxide)膜)との2層構造を有している。
【0036】
画素トランジスター30は、走査線3aとデータ線6aとの交差領域において走査線3aの延在方向に長辺方向を向けた半導体層1aと、半導体層1aの長さ方向と直交する方向に延在して半導体層1aの長さ方向の中央部分に重なるゲート電極3cとを備えている。また、画素トランジスター30は、半導体層1aとゲート電極3cとの間に透光性のゲート絶縁層2を有している。半導体層1aは、ゲート電極3cに対してゲート絶縁層2を介して対向するチャネル領域1gを備えているとともに、チャネル領域1gの両側にソース領域1bおよびドレイン領域1cを備えている。本形態において、画素トランジスター30は、LDD構造を有している。従って、ソース領域1bおよびドレイン領域1cは各々、チャネル領域1gの両側に低濃度領域1b1、1c1を備え、低濃度領域1b1、1c1に対してチャネル領域1gとは反対側で隣接する領域に高濃度領域1b2、1c2を備えている。
【0037】
半導体層1aは、多結晶シリコン膜等によって構成されている。ゲート絶縁層2は、半導体層1aを熱酸化したシリコン酸化膜からなる第1ゲート絶縁層2aと、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜等からなる第2ゲート絶縁層2bとの2層構造からなる。ゲート電極3cは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属膜化合物等の導電膜からなり、半導体層1aの両側において、第2ゲート絶縁層2bおよび絶縁膜12を貫通するコンタクトホール12a、12bを介して走査線3aに導通している。本形態において、ゲート電極3cは、膜厚が100nm程度の導電性のポリシリコン膜と、膜厚が100nm程度のタングステンシリサイド膜との2層構造を有している。
【0038】
なお、本形態では、液晶装置100を透過した後の光が他の部材で反射した際、かかる反射光が半導体層1aに入射して画素トランジスター30で光電流に起因する誤動作が発生することを防止することを目的に、走査線3aを遮光膜により形成してある。但し、走査線をゲート絶縁層2の上層に形成し、その一部をゲート電極3cとしてもよい。この場合、図3に示す走査線3aは、遮光のみを目的として形成されることになる。
【0039】
ゲート電極3cの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜41が形成されており、層間絶縁膜41の上層には、データ線6aおよびドレイン電極6bが同一の導電膜によって形成されている。層間絶縁膜41は、例えば、シランガス(SH4)と亜酸化窒素(N2O)とを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜等からなる。
【0040】
データ線6aおよびドレイン電極6bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属膜化合物等の導電膜からなる。本形態において、データ線6aおよびドレイン電極6bは、膜厚が20nmのチタン(Ti)膜、膜厚が50nmの窒化チタン(TiN)膜、膜厚が350nmのアルミニウム(Al)膜、膜厚が150nmのTiN膜をこの順に積層してなる4層構造を有している。データ線6aは、層間絶縁膜41および第2ゲート絶縁層2bを貫通するコンタクトホール41aを介してソース領域1b(データ線側ソースドレイン領域)に導通している。ドレイン電極6bは、第1画素間領域10gと重なる領域において、半導体層1aのドレイン領域1c(画素電極側ソースドレイン領域)と一部が重なるように形成されており、層間絶縁膜41および第2ゲート絶縁層2bを貫通するコンタクトホール41bを介してドレイン領域1cに導通している。
【0041】
データ線6aおよびドレイン電極6bの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜42が形成されている。層間絶縁膜42は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜等からなる。
【0042】
層間絶縁膜42の上層側には、第1電極層5aおよび中継電極5bが同一の導電膜によって形成されている。第1電極層5aおよび中継電極5bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属膜化合物等の導電膜からなる。本形態において、第1電極層5aおよび中継電極5bは、膜厚が200nm程度のAl膜と、膜厚が100nm程度のTiN膜との2層構造を有している。第1電極層5aは、データ線6aと同様、第2画素間領域10hと重なる領域に沿って延在している。中継電極5bは、第1画素間領域10gと重なる領域において、ドレイン電極6bと一部が重なるように形成されており、層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール42aを介してドレイン電極6bに導通している。
【0043】
第1電極層5aおよび中継電極5bの上層側にはシリコン酸化膜等の透光性の層間絶縁膜44がエッチングストッパー層として形成されており、かかる層間絶縁膜44には、第1電極層5aと重なる領域に開口部44bが形成されている。本形態において、層間絶縁膜44は、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜等からなる。ここで、開口部44bは、図3(a)では図示を省略するが、データ線6aと走査線3aとの交差領域を起点として第1画素間領域10gと重なる領域に沿って延在する部分と、データ線6aと走査線3aとの交差領域を起点として第2画素間領域10hと重なる領域に沿って延在する部分とを備えたL字形状に形成されている。
【0044】
層間絶縁膜44の上層側には透光性の誘電体層40が形成されており、かかる誘電体層40の上層側には第2電極層7aが形成されている。第2電極層7aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属膜化合物等の導電膜からなる。本形態において、第2電極層7aは、膜厚が100nm程度のTiN膜からなる。誘電体層40としては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン化合物を用いることができる他、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率の誘電体層を用いることができる。第2電極層7aは、データ線6aと走査線3aとの交差領域を起点として第1画素間領域10gと重なる領域に沿って延在する部分と、データ線6aと走査線3aとの交差領域を起点として第2画素間領域10hと重なる領域に沿って延在する部分とを備えたL字形状に形成されている。従って、第2電極層7aのうち、第2画素間領域10hと重なる領域に沿って延在する部分は、層間絶縁膜44の開口部44bにおいて、誘電体層40を介して第1電極層5aに重なっている。このようにして、本形態では、第1電極層5a、誘電体層40、および第2電極層7aは、第1画素間領域10gと重なる領域に蓄積容量55を構成している。
【0045】
また、第2電極層7aにおいて、第1画素間領域10gと重なる領域に沿って延在する部分は、中継電極5bと部分的に重なっており、誘電体層40および層間絶縁膜44を貫通するコンタクトホール44aを介して中継電極5bに導通している。
【0046】
第2電極層7aの上層側には透光性の層間絶縁膜48が形成されており、層間絶縁膜48の上層側にはITO膜等の透光性導電膜からなる画素電極9aが形成されている。画素電極9aは、データ線6aと走査線3aとの交差領域の近傍で第2電極層7aと部分的に重なっており、本形態において、画素電極9aは、図4〜図6を参照して後述するように、層間絶縁膜48の穴内に埋め込まれたプラグ電極8aを介して第2電極層7aに導通している。また、本形態では、図4〜図6を参照して後述するように、層間絶縁膜48は、下層側の第1絶縁膜46と上層側の第2絶縁膜47とから構成されており、画素電極9aは、第2絶縁膜47の表面上に形成されている。
【0047】
画素電極9aの表面には配向膜16が形成されている。配向膜16は、ポリイミド等の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本形態において、配向膜16は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜(垂直配向膜)である。
【0048】
対向基板20では、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20wの液晶層50側の表面(素子基板10に対向する側の面)に、ITO膜等の透光性導電膜からなる共通電極21が形成されており、かかる共通電極21を覆うように配向膜26が形成されている。配向膜26は、配向膜16と同様、ポリイミド等の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本形態において、配向膜26は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜(垂直配向膜)である。かかる配向膜16、26は、液晶層50に用いた誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を垂直配向させ、液晶パネル100pは、ノーマリブラックのVAモードとして動作する。
【0049】
なお、図1および図2を参照して説明したデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104には、nチャネル型の駆動用トランジスターとpチャネル型の駆動用トランジスターとを備えた相補型トランジスター回路等が構成されている。ここで、駆動用トランジスターは、画素トランジスター30の製造工程の一部を利用して形成されたものである。このため、素子基板10においてデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104が形成されている領域も、図3(b)に示す断面構成と略同様な断面構成を有している。
【0050】
(画素電極9a周辺の詳細構成)
図4は、本発明を適用した液晶装置100における画素電極9a周辺の断面構成を拡大して示す説明図である。
【0051】
図4に示すように、第2電極層7a(第1導電層)の上層側には透光性の層間絶縁膜48が形成されており、層間絶縁膜45の上層側には、厚さが140nm程度のITO膜等の透光性導電膜からなる画素電極9a(第2導電層)が形成されている。また、画素電極9aの表面側には配向膜16が形成されている。
【0052】
本形態において、層間絶縁膜48には、画素電極9aおよび第2電極層7aの双方に対して重なる位置に、層間絶縁膜48を貫通して第2電極層7aに到達する穴48aが形成されており、かかる穴48aにはプラグ電極8aが設けられている。従って、画素電極9aは、プラグ電極8aを介して第2電極層7aに電気的に接続されている。また、層間絶縁膜48の表面とプラグ電極8aとは連続した平坦面を構成しており、かかる平坦面上に画素電極9aが形成されている。ここで、層間絶縁膜48の穴48aは、層間絶縁膜48に対するエッチングにより形成されたストレート穴ではなく、第1絶縁膜46のコンタクトホール46aと、第2絶縁膜47の穴47aとからなる。
【0053】
より具体的には、層間絶縁膜48は、第2電極層7aの表面側に形成された第1絶縁膜46と、第1絶縁膜46の上層に積層された第2絶縁膜47とからなり、第2絶縁膜47の表面が層間絶縁膜48の表面を構成している。下層側の第1絶縁膜46には、画素電極9aおよび第2電極層7aの双方に対して重なる位置に、第1絶縁膜46を貫通するコンタクトホール46aが形成されている。また、上層側の第2絶縁膜47には、コンタクトホール46aと重なる位置に、第2絶縁膜47を貫通する穴47aが形成されており、第1絶縁膜46のコンタクトホール46a、および第2絶縁膜47の穴47aは各々、層間絶縁膜48の穴48aの下半部および上半部を構成している。なお、第2絶縁膜47のうち、画素間領域10fと重なる領域に形成されている部分47gは、画素電極9aから露出し、配向膜16と接している。
【0054】
ここで、コンタクトホール46aは第1絶縁膜46に対するエッチングにより形成された穴である。これに対して、穴47aは、図5および図6を参照して後述する工程において、パターニング形成されたプラグ電極8aの周りを第2絶縁膜47が囲むことによって発生した穴であり、第2絶縁膜47に対するエッチングにより形成された穴ではない。
【0055】
このように、コンタクトホール46aと穴47aとは別々に形成されたものであり、本形態では、コンタクトホール46aと穴47aとは形状が相違している。例えば、コンタクトホール46aの側壁は上向きのテーパー面になっている。これに対して、穴47aの側壁は下向きのテーパー面になっている。かかる構造に対応して、プラグ電極8aは、コンタクトホール46aの内部に位置する第1電極部分8eと、穴47aの内部に位置する第2電極部分8fとからなり、第1電極部分8eと第2電極部分8fとは形状が相違している。より具体的には、第1電極部分8eの側壁は、コンタクトホール46aの側壁に対応して下向きのテーパー面になっているのに対して、第2電極部分8fの側壁は、穴47aの側壁に対応して上向きのテーパー面になっている。また、本形態において、穴47aの内形サイズは、コンタクトホール46aの内形サイズより大である。従って、プラグ電極8aにおいて、第2電極部分8fの外形寸法は、第1電極部分8eの外形寸法より大である。
【0056】
本形態において、プラグ電極8aは、導電性の金属膜や金属化合物の積層膜からなる。より具体的には、本形態において、プラグ電極8aの下層側は、アルミニウム単体膜やアルミニウム合金等のアルミニウム系金属膜81aからなり、プラグ電極8aの上層側は、TiN等のバリア膜82aからなる。従って、バリア膜82aの表面がプラグ電極8aの表面を構成している。それ故、プラグ電極8aにおいては、バリア膜82aが画素電極9aに接し、アルミニウム系金属膜81aが第2電極層7aに接している。本形態では、第1電極部分8eは、アルミニウム系金属膜81aからなり、第2電極部分8fは、アルミニウム系金属膜81aとバリア膜82aとの二層構造になっている。また、アルミニウム系金属膜81aの表面には、コンタクトホール46aの凹凸が反映された凹部が発生しているが、バリア膜82aの表面は、平坦面になっており、層間絶縁膜48の表面と連続した平坦面を構成している。
【0057】
本形態において、第1絶縁膜46は、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法により形成したシリコン酸化膜からなり、第2絶縁膜47は、リンおよびボロンのうちの少なくとも一方がドープされたシリケートガラスからなる。かかる第2絶縁膜47は、画素間領域10fで画素電極9aから露出し、配向膜16に接している。
【0058】
(液晶装置100の製造方法)
図5および図6は、本発明を適用した液晶装置100の製造工程の要部を示す説明図である。なお、以下に説明する工程は、素子基板10を多数取りできる大型基板の状態で行われるが、以下の説明では、サイズにかかわらず、素子基板10として説明する。
【0059】
本形態の液晶装置100の製造工程のうち、素子基板10を形成する工程では、周知の方法により、図5(a)に示すように、層間絶縁膜44を形成した後、第1導電層形成工程において、第2電極層7a(第1導電層)を形成する。より具体的には、層間絶縁膜44の表面に、第2電極層7aを形成するための導電膜を形成した後、導電膜をパターニングし、第2電極層7aを形成する。
【0060】
次に、第1絶縁膜成膜工程では、第2電極層7aの表面側に、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法により、シリコン酸化膜からなる第1絶縁膜46を形成する。次に、必要に応じて、第1絶縁膜46の表面を研磨し、平坦化する。かかる研磨においては、化学機械研磨を利用することができる。
【0061】
次に、図5(b)に示すコンタクトホール形成工程では、第1絶縁膜46にコンタクトホール45aを形成する。より具体的には、フォトリソグラフィ技術を利用して第1絶縁膜46の表面にレジストマスク460を形成した後、第1絶縁膜46をエッチングし、その後、レジストマスク460を除去する。その結果、第1絶縁膜46には、第1絶縁膜46を貫通して第2電極層7aに到達するコンタクトホール46aが形成される。かかるコンタクトホール46aの側壁は、斜め上向きのテーパー面からなる。
【0062】
次に、図5(c)に示すプラグ電極形成用導電膜成膜工程では、第1絶縁膜46の表面側に第1絶縁膜46より膜厚が厚いプラグ電極形成用導電膜8をスパッタ法により成膜する。その際、プラグ電極形成用導電膜8の膜厚は、第1絶縁膜46の厚さ(コンタクトホール46aの深さ)より大とする。本形態では、アルミニウム単体膜やアルミニウム合金等のアルミニウム系金属膜81をスパッタ法により成膜した後、アルミニウム系金属膜81の上層にTiN等のバリア膜82をスパッタ法により成膜し、アルミニウム系金属膜81とバリア膜82との二層構造のプラグ電極形成用導電膜8を形成する。
【0063】
次に、図5(d)に示すプラグ電極形成工程では、少なくともコンタクトホール46a内にプラグ電極形成用導電膜8が残るようにプラグ電極形成用導電膜8をパターニングしてプラグ電極8aを形成する。その際、プラグ電極8aは、平面視でコンタクトホール46aの外側にも設けられるようにパターニングする。より具体的には、フォトリソグラフィ技術を利用してプラグ電極形成用導電膜8の表面に、コンタクトホール46aと重なる領域をやや広めに覆うレジストマスク80を形成した後、プラグ電極形成用導電膜8をエッチングし、その後、レジストマスク80を除去する。その結果、アルミニウム系金属膜81aとバリア膜82aとの二層構造のプラグ電極形成用導電膜8が形成される。かかるプラグ電極8aの側壁は、斜め上向きのテーパー面からなる。
【0064】
次に、図6(a)に示す第2絶縁膜成膜工程では、第1絶縁膜46およびプラグ電極8aの表面側に第2絶縁膜47を形成する。その際、第2絶縁膜47は、プラグ電極8aを覆うように形成される。本形態では、第2絶縁膜47として、リンおよびボロンのうちの少なくとも一方がドープされたシリケートガラスを常圧CVD法等により形成する。かかるシリケートガラスのうち、リンドープトシリケートガラス(PSG膜)を形成する場合の使用ガスは、SiH4、PH3、O3等である。ボロンドープトシリケートガラス(BSG膜)を形成する場合の使用ガスは、SiH4、B26、O3等であり、ボロン・リンドープトシリケートガラス膜(BPSG膜)を形成する場合の使用ガスは、SiH4、B26、PH3、O3等である。
【0065】
次に、図6(b)に示す研磨工程では、第2絶縁膜47を表面側から研磨してプラグ電極8aを露出させる。その際、プラグ電極8aも一部研磨する。その結果、第1絶縁膜46と第2絶縁膜47とからなる層間絶縁膜48が形成され、層間絶縁膜48の表面(第2絶縁膜47の表面)とプラグ電極8aの表面とは連続した平坦面を構成する。また、第2絶縁膜47には、プラグ電極8aの周りを囲むことによって穴47aが形成され、穴47aとコンタクトホール46aとからなる穴48a内にプラグ電極8aが設けられた構造となる。また、プラグ電極8aは、コンタクトホール46a内に位置する第1電極部分8eと、穴47a内に位置する第2電極部分8fとを有することになり、第2電極部分8fは、平面視でコンタクトホール46aの外側にも設けられるようにパターニングされている。
【0066】
かかる研磨工程においては、化学機械研磨を利用することができ、化学機械研磨では、研磨液に含まれる化学成分の作用と、研磨剤と素子基板10との相対移動によって、高速で平滑な研磨面を得ることができる。より具体的には、研磨装置において、不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等からなる研磨布(パッド)を貼り付けた定盤と、素子基板10を保持するホルダーとを相対回転させながら、研磨を行なう。その際、例えば、平均粒径が0.01〜20μmの酸化セリウム粒子やコロイダルシリカ、分散剤としてのアクリル酸エステル誘導体、および水を含む研磨剤を研磨布と素子基板10との間に供給する。
【0067】
次に、図6(c)、(d)に示す第2導電層形成工程では、第2絶縁膜47の表面側にプラグ電極8aに導通する画素電極9a(第2導電層)を形成する。より具体的には、図6(c)に示すように、スパッタ法等により、画素電極9aを構成するITO膜等の透光性導電膜9を形成した後、フォトリソグラフィ技術を利用して透光性導電膜9の表面にレジストマスク90を形成した後、透光性導電膜9をエッチングし、その後、レジストマスク90を除去する。その結果、図6(d)に示すように、画素電極9aが形成される。この状態で、第2絶縁膜47のうち、画素間領域10fと重なる領域に形成されている部分47gは、画素電極9aから露出している。
【0068】
しかる後に、図4に示すように配向膜16を形成する。なお、それ以降の工程は、周知の方法を利用できるので、説明を省略する。
【0069】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態によれば、本形態では、第2電極層7a(第1導電層)と画素電極9a(第2導電層)とを層間絶縁膜48の穴48a内に設けたプラグ電極8aを介して電気的に接続するにあたって、第1絶縁膜46に設けたコンタクトホール46aを埋めるようにプラグ電極8aを形成した後、第2絶縁膜47を成膜する。そして、第2絶縁膜47を表面側から研磨してプラグ電極8aを露出させた後、第2絶縁膜47の表面側に画素電極9aを形成する。このため、プラグ電極形成用導電膜8の厚さ寸法は、第2電極層7aと画素電極9aとの間に介在する層間絶縁膜48の一部(第1絶縁膜46)の厚さ寸法(コンタクトホール46aの深さ寸法)以上であればよく、薄くてよい。それ故、プラグ電極形成用導電膜8の成膜時間や第2絶縁膜47に対する研磨時間を短縮することができる。なお、本形態では、図8を参照して説明した構成に比して、絶縁膜の成膜(第2絶縁膜47)を厚く形成するが、絶縁膜の成膜に用いるCVD法は、金属膜の成膜に用いるスパッタ法に比して、短時間で済むので、工程全体の時間としては短縮を図ることができる。
【0070】
また、第2絶縁膜47の表面とプラグ電極8aの表面は連続した平坦面を構成しているので、画素電極9aの表面も平坦である。それ故、配向膜16を好適に形成することができる。すなわち、配向膜16を無機材料から形成する際、平坦面に対して斜方蒸着を行うことになるので、配向膜16を好適に形成することができる。また、配向膜16をポリイミド等の有機材料から形成した際、配向膜16の表面が平坦であるので、ラビング処理を適正に行うことができる。それ故、液晶層50を好適に配向させることができ、液晶装置100で表示される画像の品位を向上することができる。
【0071】
また、第2絶縁膜47は、リンおよびボロンのうちの少なくとも一方がドープされたシリケートガラスであり、かかるシリケートガラスは、多孔性であり、吸湿性を備えている。また、第2絶縁膜47のうち、画素間領域10fと重なる領域に形成されている部分47gは、画素電極9aから露出し、配向膜16と接している。このため、画素電極9aの上層側に設けられる液晶層50に水分が混入している場合、第2絶縁膜47は、配向膜16を介して液晶層50から水分を除去する。それ故、液晶装置100の特性や信頼性等を向上することができる。また、リンおよびボロンのうちの少なくとも一方がドープされたシリケートガラスはステップカバレージ性に優れているので、プラグ電極8aを形成した後に第2絶縁膜47を成膜した際、プラグ電極8aの側壁等を適正に覆うという利点がある。また、リンおよびボロンのうちの少なくとも一方がドープされたシリケートガラスは研磨速度が高いので、第2絶縁膜47に対する研磨工程を効率よく行うことができる。
【0072】
また、プラグ電極8aは、下層側のアルミニウム系金属膜81aと上層側のバリア膜82aとを備えている。このため、画素電極9aがITO等の導電性酸化物からなる場合でも、プラグ電極8aにおいて、導電性酸化物に接するのはバリア膜82aであるため、導電性酸化物とアルミニウム系金属膜81aとが接することに起因する接続抵抗の増大等が発生しない。
【0073】
また、プラグ電極8aにおいて、第2電極部分8fの外形寸法は、第1電極部分8eの外形寸法より大であるため、プラグ電極8aと画素電極9aとの導通を確実に行うことができる。
【0074】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、プラグ電極8aにおいて、第2電極部分8fの外形寸法は、第1電極部分8eの外形寸法より大であったが、第2電極部分8fの外形寸法と第1電極部分8eの外形寸法とが同一の構造や、第2電極部分8fの外形寸法が第1電極部分8eの外形寸法より小である構造を採用してもよい。
【0075】
上記実施の形態では、第2電極層7aと画素電極9aとの導通部分に本発明を適用したが、コンタクトホール41a、41b、42a、44aを利用した他の導通部分に本発明を適用してもよい。
【0076】
上記実施の形態では、透過型の液晶装置100に本発明を適用した例を説明したが、反射型の液晶装置100に本発明を適用してもよい。
【0077】
また、上記実施の形態では、液晶装置100に本発明を適用した例を説明したが、有機エレクトロルミネッセンス装置等、液晶装置100以外の電気光学装置に本発明を適用してもよい。
【0078】
[電子機器への構成例]
上述した実施形態に係る液晶装置100を備えた電子機器について説明する。図7は、本発明を適用した液晶装置100を用いた投射型表示装置の概略構成図であり、図7(a)、(b)は各々、透過型の液晶装置100を用いた投射型表示装置の説明図、および反射型の液晶装置100を用いた投射型表示装置の説明図である。
【0079】
(投射型表示装置の第1例)
図7(a)に示す投射型表示装置110は、観察者側に設けられたスクリーン111に光を照射し、このスクリーン111で反射した光を観察する、いわゆる投影型の投射型表示装置である。投射型表示装置110は、光源112を備えた光源部130と、ダイクロイックミラー113、114と、液晶ライトバルブ115〜117(液晶装置100)と、投射光学系118と、クロスダイクロイックプリズム119と、リレー系120とを備えている。
【0080】
光源112は、赤色光、緑色光及び青色光を含む光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー113は、光源112からの赤色光を透過させると共に緑色光及び青色光を反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー114は、ダイクロイックミラー113で反射された緑色光及び青色光のうち青色光を透過させると共に緑色光を反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー113、114は、光源112から出射した光を赤色光と緑色光と青色光とに分離する色分離光学系を構成する。
【0081】
ここで、ダイクロイックミラー113と光源112との間には、インテグレーター121及び偏光変換素子122が光源112から順に配置されている。インテグレーター121は、光源112から照射された光の照度分布を均一化する構成となっている。また、偏光変換素子122は、光源112からの光を例えばs偏光のような特定の振動方向を有する偏光にする構成となっている。
【0082】
液晶ライトバルブ115は、ダイクロイックミラー113を透過して反射ミラー123で反射した赤色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。液晶ライトバルブ115は、λ/2位相差板115a、第1偏光板115b、液晶パネル115c及び第2偏光板115dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ115に入射する赤色光は、ダイクロイックミラー113を透過しても光の偏光は変化しないことから、s偏光のままである。
【0083】
λ/2位相差板115aは、液晶ライトバルブ115に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板115bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶パネル115cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板115dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ115は、画像信号に応じて赤色光を変調し、変調した赤色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0084】
なお、λ/2位相差板115a及び第1偏光板115bは、偏光を変換させない透光性のガラス板115eに接した状態で配置されており、λ/2位相差板115a及び第1偏光板115bが発熱によって歪むのを回避することができる。
【0085】
液晶ライトバルブ116は、ダイクロイックミラー113で反射した後にダイクロイックミラー114で反射した緑色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。そして、液晶ライトバルブ116は、液晶ライトバルブ115と同様に、第1偏光板116b、液晶パネル116c及び第2偏光板116dを備えている。液晶ライトバルブ116に入射する緑色光は、ダイクロイックミラー113、114で反射されて入射するs偏光である。第1偏光板116bは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。また、液晶パネル116cは、s偏光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。そして、第2偏光板116dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ116は、画像信号に応じて緑色光を変調し、変調した緑色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0086】
液晶ライトバルブ117は、ダイクロイックミラー113で反射し、ダイクロイックミラー114を透過した後でリレー系120を経た青色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。そして、液晶ライトバルブ117は、液晶ライトバルブ115、116と同様に、λ/2位相差板117a、第1偏光板117b、液晶パネル117c及び第2偏光板117dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ117に入射する青色光は、ダイクロイックミラー113で反射してダイクロイックミラー114を透過した後にリレー系120の後述する2つの反射ミラー125a、125bで反射することから、s偏光となっている。
【0087】
λ/2位相差板117aは、液晶ライトバルブ117に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板117bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶パネル117cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板117dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ117は、画像信号に応じて青色光を変調し、変調した青色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。なお、λ/2位相差板117a及び第1偏光板117bは、ガラス板117eに接した状態で配置されている。
【0088】
リレー系120は、リレーレンズ124a、124bと反射ミラー125a、125bとを備えている。リレーレンズ124a、124bは、青色光の光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。ここで、リレーレンズ124aは、ダイクロイックミラー114と反射ミラー125aとの間に配置されている。また、リレーレンズ124bは、反射ミラー125a、125bの間に配置されている。反射ミラー125aは、ダイクロイックミラー114を透過してリレーレンズ124aから出射した青色光をリレーレンズ124bに向けて反射するように配置されている。また、反射ミラー125bは、リレーレンズ124bから出射した青色光を液晶ライトバルブ117に向けて反射するように配置されている。
【0089】
クロスダイクロイックプリズム119は、2つのダイクロイック膜119a、119bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜119aは青色光を反射して緑色光を透過する膜であり、ダイクロイック膜119bは赤色光を反射して緑色光を透過する膜である。したがって、クロスダイクロイックプリズム119は、液晶ライトバルブ115〜117のそれぞれで変調された赤色光と緑色光と青色光とを合成し、投射光学系118に向けて出射するように構成されている。
【0090】
なお、液晶ライトバルブ115、117からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はs偏光であり、液晶ライトバルブ116からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はp偏光である。このようにクロスダイクロイックプリズム119に入射する光を異なる種類の偏光としていることで、クロスダイクロイックプリズム119において各液晶ライトバルブ115〜117から入射する光を合成できる。ここで、一般に、ダイクロイック膜119a、119bはs偏光の反射トランジスター特性に優れている。このため、ダイクロイック膜119a、119bで反射される赤色光及び青色光をs偏光とし、ダイクロイック膜119a、119bを透過する緑色光をp偏光としている。投射光学系118は、投影レンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム119で合成された光をスクリーン111に投射するように構成されている。
【0091】
(投射型表示装置の第2例)
図7(b)に示す投射型表示装置1000において、光源部890は、システム光軸Lに沿って光源810、インテグレーターレンズ820および偏光変換素子830が配置された偏光照明装置800を有している。また、光源部890は、システム光軸Lに沿って、偏光照明装置800から出射されたS偏光光束をS偏光光束反射面841により反射させる偏光ビームスプリッター840と、偏光ビームスプリッター840のS偏光光束反射面841から反射された光のうち、青色光(B)の成分を分離するダイクロイックミラー842と、青色光が分離された後の光束のうち、赤色光(R)の成分を反射させて分離するダイクロイックミラー843とを有している。
【0092】
また、投射型表示装置1000は、各色光が入射する3つの反射型の液晶装置100(液晶装置100R、100G、100B)を備えており、光源部890は、3つの液晶装置100(液晶装置100R、100G、100B)に所定の色光を供給する。
【0093】
かかる投射型表示装置1000においては、3つの液晶装置100R、100G、100Bにて変調された光をダイクロイックミラー842、843、および偏光ビームスプリッター840にて合成した後、この合成光を投射光学系850によってスクリーン860等の被投射部材に投射する。
【0094】
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
【0095】
(他の電子機器)
本発明を適用した液晶装置100については、上記の電子機器の他にも、携帯電話機、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等の電子機器において直視型表示装置として用いてもよい。
【符号の説明】
【0096】
7a・・第2電極層(第1導電層)、8a・・プラグ電極、8e・・第1電極部分、8f・・第2電極部分、9a・・画素電極(第2導電層)、10・・素子基板、10f・・画素間領域、10w・・基板本体、30・・画素トランジスター、46・・第1絶縁膜、46a・・コンタクトホール、47・・第2絶縁膜、47a・・穴、48・・層間絶縁膜、48a・・穴、100・・液晶装置、110、1000・・投射型表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一方面側に第1導電層を形成する第1導電層形成工程と、
前記第1導電層に対して前記基板と反対側に第1絶縁膜を成膜する第1絶縁膜成膜工程と、
前記第1導電層に到達するコンタクトホールを前記第1絶縁膜に形成するコンタクトホール形成工程と、
前記第1絶縁膜に対して前記基板と反対側に当該第1絶縁膜より膜厚が厚いプラグ電極形成用導電膜を成膜するプラグ電極形成用導電膜成膜工程と、
少なくとも前記コンタクトホール内に前記プラグ電極形成用導電膜が残るように前記プラグ電極形成用導電膜をパターニングしてプラグ電極を形成するプラグ電極形成工程と、
前記第1絶縁膜および前記プラグ電極に対して前記基板と反対側に前記第2絶縁膜を成膜する第2絶縁膜成膜工程と、
前記第2絶縁膜を研磨して前記第2絶縁膜から前記プラグ電極を露出させる研磨工程と、
前記第2絶縁膜に対して前記基板と反対側に前記プラグ電極に導通する第2導電層を形成する第2導電層形成工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項2】
前記第2絶縁膜は、リンおよびボロンのうちの少なくとも一方がドープされたシリケートガラスであることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項3】
前記プラグ電極形成用導電膜成膜工程では、アルミニウム系金属膜を成膜した後、該アルミニウム系金属膜の上層にバリア膜を成膜することを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項4】
基板の一方面側に設けられた第1導電層と、
該第1導電層に対して前記基板と反対側に設けられ、前記第1導電層に到達するコンタクトホールが形成された第1絶縁膜と、
前記コンタクトホールの内部を埋める第1電極部分、および前記第1絶縁膜の表面から突出する第2電極部分を備えたプラグ電極と、
前記第1絶縁膜に対して前記基板と反対側に設けられ、前記プラグ電極と連続した平坦面を構成する第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜に対して前記基板と反対側に設けられて前記プラグ電極と導通する第2導電層と、を有し、
前記第2電極部分は、平面視で前記コンタクトホールの外側にも設けられるようにパターニングされてなることを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
前記第2絶縁膜は、リンおよびボロンのうちの少なくとも一方がドープされたシリケートガラスであることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記プラグ電極は、アルミニウム系金属膜と、該アルミニウム系金属膜に対して前記基板と反対側に積層されたバリア膜と、を備えていることを特徴とする請求項4または5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記第2導電層は、画素電極であることを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記基板の前記一方面側に対向配置された対向基板との間に液晶層を保持することを特徴とする請求項4乃至7の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
請求項4乃至8の何れか一項に記載の電気光学装置を備えた投射型表示装置であって、
前記電気光学装置に照射される照明光を出射する光源部と、前記電気光学装置により変調された光を投射する投射光学系と、を有していることを特徴とする投射型表示装置。
【請求項10】
請求項4乃至8の何れか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−208294(P2012−208294A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73545(P2011−73545)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】