説明

IC内のヒューズ・プログラミング電流を制御するためのシステムおよび方法

【課題】自動的に適切なプログラミング電流を決定して印加するためのシステムを提供する。
【解決手段】システムは、複数の測定ヒューズに複数の相違する電流を流し、複数の測定ヒューズの対応するものを破壊することなく切断した1つまたは複数の電流を特定し、特定された電流のうちの1つを自動的に選択するように構成されている測定回路と、選択された電流で1つまたは複数の目標ヒューズをプログラムするように構成されているプログラミング回路と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して集積回路(IC)内のヒューズに関し、特に、IC内で永続的にデータを格納するために用いられる1つの部品または部品の組をプログラムするために用いられる電流を制御するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)のような装置のために、ある装置の特定の情報を維持することが、時に必要である。IC自体にこの情報を格納することが必須ではないことが便利である。これを行なうために、回路のある部分は永続的な記憶装置として振舞う必要がある。1つの解決策は、回路に1組の部品を組み入れて、所望の情報をその部品にプログラムすることによってこの情報を符号化することである。このタスクのための部品を選択する際に、大きさ、プログラムのしやすさ、永続性などのような様々なトレードオフがある。
【0003】
従来の方法の1つは、装置に、レーザー・ヒューズのようなヒューズを組み入れることである。これらのヒューズはヒューズの金属配線を蒸発させることによりプログラムされる。言いかえれば、ヒューズは「切断」される。その後、プログラムされた情報は、どのヒューズが切断されたか、およびどのヒューズが切断されていないか、を判定することにより読み取られる。切断されたヒューズは、例えば0として解釈され得、他方、切断されていないヒューズは1として解釈され得る。プログラミングは不変のものである。
【0004】
レーザー・ヒューズをプログラムする機会は、ヒューズが露出される製造工程中の小さな時間枠に制限されている。さらなる制限事項は、レーザーの波長と関係する、そのようなヒューズの最小の大きさである。レーザーの波長は現代のICの大きさに比べて典型的に大きく、近くの回路に損傷を与えることなく、ヒューズを切断することが困難である。
【0005】
レーザー・ヒューズの代わりとなるものは、Tiシリサイドまたは他の金属シリサイドのような電気的にプログラム可能なヒューズである。これら(また同様の構造のヒューズ)は、また、ポリ・ヒューズあるいは電気ヒューズと呼ばれ得る。電気ヒューズは、それに大電流を流して「切断」することによりプログラムされる。(金属シリサイド)電気ヒューズのプログラミングの基礎となるメカニズムは、ヒューズ内のシリサイド層の材料の凝集に基づいている。凝集は、電流密度(および温度)が適切な程度のエレクトロマイグレーションを引き起こすのに十分であるときに生じる。
【0006】
電気ヒューズは、レーザー・ヒューズより小さくまたより容易にプログラムされる。電気ヒューズは、製造工程中のより都合の良い段階で、または製造後の時点で、プログラムされることが可能である。また、(適切なプログラミングによって)巻き添えによる損傷の可能性が減少する。
【0007】
上記のように、電気ヒューズはエレクトロマイグレーションに基づいた凝集を用いてプログラムされる。エレクトロマイグレーションは、動く(伝導)電子と近くの拡散金属原子(イオン)の間の運動量の交換に起因する導体中のイオンの(徐々の)移動によって引き起こされた質量の輸送である。ある期間に亘って、十分な数の原子がそれらの元の位置から遠くへと追い立てられて空隙(間隙)が形成され、空隙は伝導を制限または阻止する。凝集は、移動する原子が集積することを指している。
【0008】
通常、エレクトロマイグレーションは半導体内で起こらないが、ICの金属配線内で起こる。設計者は、この結果を、Tiシリサイドのような適切に影響を与えられた材料からヒューズ構成部品を作製することによって、利用してきた。このヒューズが高い電流/電圧に晒されてヒューズをプログラムすることができる。しかしながら、電流が大き過ぎるか、あまりに長い間印加されると、ヒューズが損傷を受けたり、破壊されたりさえし得る。他の問題が生じるかもしれない。例えば、場合によっては、近くの部品において短絡が生じ得る。
【0009】
電気ヒューズは、プログラムされていない、または変化させられていない(すなわち、切断されていない)状態および適切にプログラムされた(すなわち、切断された)状態の両方において、電流を伝えるとともに特定の範囲のインピーダンスを有している。高過ぎる電流でヒューズがプログラムされ、ヒューズが損傷を受けるか、破壊されさえすると、そのヒューズは所望の範囲を大きく外れたインピーダンスを有し得る。装置内の近くの部品に巻き添え的に損傷を与える可能性もある。
【0010】
したがって、適切なプログラム電流を選択したり印加したりすることが重要である。従来のプログラミング回路は、ヒューズをプログラムする際に単一の電流のみを流すことが可能になっている。残念なことに、この電流は変化する可能性がある。環境要因、集積回路の製造におけるばらつき、および他の要因は、ヒューズをプログラムするために用いられる電流の変化に寄与する可能性がある。
【0011】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】米国特許第6,972,614号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、自動的に適切なプログラミング電流を決定して印加するためのシステムおよび方法を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によるシステムは、複数の測定ヒューズに複数の相違する電流を流し、複数の前記測定ヒューズの対応するものを破壊することなく切断した1つまたは複数の電流を特定し、前記特定された電流のうちの1つを自動的に選択するように構成されている測定回路と、前記選択された電流で1つまたは複数の目標ヒューズをプログラムするように構成されているプログラミング回路と、を具備する
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上に概説された問題の1つ以上は本発明の様々な実施形態によって解決され得る。概して、本発明は、集積回路のような装置内の金属シリサイド・ヒューズのようなヒューズを切断するために用いられるプログラム電流を制御するためのシステムおよび方法を含んでいる。相違する電流が1組の測定ヒューズに印加される。電流は、ヒューズを切断するのに不十分なレベルからヒューズを破壊するのに十分なレベルまで変動する。相違する電流が対応するヒューズに印加された後、破壊されることなく切断されたヒューズ(および対応する電流)が特定される。その後、これらの電流のうちの1つが、さらなる(目標)ヒューズをプログラムするために選択される。
【0015】
一実施形態は方法を具備する。最初に、複数の相違する電流が1組の測定ヒューズに流される。次に、測定ヒューズの対応するものをこれらを破壊することなく切断した電流が特定される。特定された電流のうちの1つが自動的に選択され、1つまたは複数の目標ヒューズをプログラムするために用いられる。一実施形態では、これらの電流は最低の電流から最も高い電流まで順に大きくなる値を有している。これは、供給電圧とグランドとの間の対応する測定トランジスタと直列に各測定ヒューズを配置することにより達成され得る。各連続するトランジスタは、トランジスタがオンされているときに順に大きくなる値の電流が対応するヒューズを流れるように構成されている。(破壊されることなく)切断されたヒューズは、破壊されたヒューズのインピーダンス未満で切断されていないヒューズのインピーダンスを超えるヒューズのインピーダンスによって特定されることが可能である。各測定ヒューズのインピーダンスは、このヒューズの両端の電圧降下(または関連する電圧)を、切断されていない、切断されている、破壊されているヒューズの電圧降下のインピーダンスに対応する参照電圧と比較することによって、割り出され得る。測定ヒューズを破壊することなく切断した電流が一旦特定されると、これらの電流のうちの(特定された電流によって表わされる範囲の中央の)1つが自動的に選択され得る。また、目標ヒューズがプログラムされるときに、これらのヒューズに選択された電流を印加させる制御信号が生成され得る。
【0016】
代替的な実施形態は、自動的にヒューズ・プログラミング電流を選択するとともにそれを目標ヒューズに印加するためのシステムを具備している。本システムは、プログラミング電流を選択するための測定回路と、選択された電流を目標ヒューズに印加するための回路と、を具備している。測定回路は、複数の相違する電流を1組の測定ヒューズに流し、測定ヒューズのうちの対応するものをそれらを破壊することなく切断した電流を特定し、特定された電流のうちの1つを自動的に選択するように構成されている。プログラミング回路は、選択された電流で1つまたは複数の目標ヒューズをプログラムするように構成されている。本システムは、方法実施形態に関して上記されているような様々な特徴を実行し得る。
【0017】
また、多くのさらなる実施形態が可能である。
【0018】
本発明のその他の目的および利点は、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を参照することによって、明らかとなるであろう。
【0019】
本発明は、様々な変形や代替的な形態の対象となる一方、本発明の具体的な実施形態が、図面およびこれに伴う詳細な説明において例として示されている。図面および詳細な説明は、記載されている特定の実施形態に本発明を限定することが意図されていないことが理解されるべきである。そうではなく、本開示は、添付の請求項において規定される本発明の範疇に含まれる全ての変形物、等価物、代替物を網羅することが意図されている。
【0020】
本発明の実施形態が以下に記載される。以下に記載されるこれらの実施形態およびその他のあらゆる実施形態は、限定的ではなく、例示的でまた本発明を例証するものであることに留意されたい。
【0021】
概して、本発明は、集積回路のような装置内のヒューズをプログラムするための電流を特定および選択するためのシステムおよび方法を含んでいる。
【0022】
本発明について詳細に説明する前に、ヒューズがどのようにプログラムされるか理解することが有用である。これは一般にインピーダンスを押し上げるような方法でヒューズに大きな電流を流すことを伴う。典型的には、このインピーダンスの増加はヒューズ自体に損傷を与えることによって達成される。単純なヒューズでは、導電性(金属)配線が過剰な電流によって溶融または蒸発させられて、このヒューズを完全な非伝導性にする(すなわち、回路を開く)。上記されているように、電気ヒューズでは、プログラミング電流はヒューズ内の導体材料の層の凝集を引き起こすように設計されており、それによって、ヒューズのインピーダンスを増加させる(しかしながら、開回路を形成しない)。
【0023】
電気ヒューズがプログラムされると、そのインピーダンスが変化する。電気ヒューズは、電気ヒューズに高電流を流すことによりプログラムされる(すなわち、書き込まれる)。このプログラミング電流は、シリサイド層を凝集させるのに十分に高いが、ヒューズあるいは可能性として近隣の部品に誤って損傷を与えるほど高くあってはならない。ヒューズの状態は、比較的低い電流をヒューズに流すとともにヒューズの両端の電圧降下を読み取ってそのインピーダンスを割り出すことによって割り出される(すなわち、読み取られる)ことができる。
【0024】
図1は、電気ヒューズをプログラムするための従来の構成を例示している。電気ヒューズ120は、供給電圧110とグランドとの間でトランジスタ140と直列接続されている。トランジスタへの入力は、WRである。WRは、電気ヒューズ120をプログラムする場合、論理的に有効にされる。(例えば、より高いコンダクタンスのトランジスタまたは可変電圧源を用いて)電気ヒューズを読み取るための回路も提供され得るが、ここでは示されていない。
【0025】
電源110は、電気ヒューズをプログラムするために必要な高電圧を提供する。電気ヒューズ120をプログラムするために、信号WRが論理的に有効(ハイ)にされ、この結果、NMOSトランジスタ140がオンされる。電流は、電気ヒューズ120を流れ、トランジスタ140を通ってグランドへと流れる。上記されているように、この電流は、電気ヒューズ120が切断される(可能性として破壊される)ことを引き起こすのに十分に高い。次に、信号WRは論理的に無効にされ、この結果、NMOSトランジスタ140はオフされ、ヒューズの状態を特定する等のこのプログラムされたヒューズを伴った他の動作が実行されることが可能である。
【0026】
「切断されていない」という用語は、変化させられていない、プログラムされていないヒューズを記述するために用いられ、低インピーダンス(例えばR)によって特徴づけられている。「切断されている」という用語は、高められた、上げられたインピーダンス(例えば10R)によって特徴付けられる、適切にプログラムされたヒューズを記述するために用いられている。「破壊されている」という用語は、インピーダンスの大きな増加、典型的には切断されたヒューズのインピーダンスを大幅に超える(例えば1000R)ものによって特徴付けられる、不適切にプログラムされたヒューズを記述するために用いられている。ヒューズが「破壊されている」状態にするプログラミングは、回路を切断しない場合もあり、周囲の部品に損傷を与える場合も与えない場合もある。
【0027】
図2は、プログラミング電流とプログラムされた金属シリサイド電気ヒューズのインピーダンスとの間の例示的な関係を示している。3つの領域がある:切断されていない、切断されている、破壊されていない領域である。プログラムされていない、切断されていない状態では、電気ヒューズは、Rの基礎インピーダンスを有している。適切なプログラミング電流(Ip1とIp2との間)が、ヒューズ書き込み(プログラミング)動作の間にヒューズに印加されると、ヒューズのシリサイド層が凝集され、ヒューズのインピーダンスを約10Rの所望の範囲へと増加させるであろう。そして、ヒューズは切断されると考えられる。プログラミング電流が低過ぎる(Ip1未満)場合、電気ヒューズは切断されず、その結果生じるインピーダンスは、約Rのままであろう。プログラミング電流が高過ぎる(Ip2を超える)場合、電気ヒューズは破壊され、ヒューズのインピーダンスは10Rよりも大幅に大きい(この例では、約1000R)。プログラミング電流が適切な範囲(Ip1とIp2との間)内にあるときのみ、ヒューズ書き込み動作は、所望されるように凝集が起こり、所望のインピーダンス(すなわち10R)という結果になる。いくつかの要因が、必要とされるプログラミング電流に影響する可能性がある。また、それらに適応するのに必要な詳細内容は先験的には分からないかもしれない。したがって、プログラミング電流が適切であることを保証するシステムおよび(または)方法を有することが望ましい。
【0028】
図3を参照すると、一実施形態に従ってヒューズ・プログラミング電流を自動的に選択するための方法を例示するフローチャートが示されている。この非常に単純化された方法では、ヒューズをプログラムするために用いられ得る一連の電流が、1組のダミー・ヒューズ、あるいは測定ヒューズ(ブロック310)に印加される。この実施形態では、電流は、ヒューズをプログラムするには不十分であると安全に仮定されることが可能な低電流からヒューズを破壊するのに十分であると安全に仮定されることが可能な高電流までに亘る範囲を網羅するように順に大きくなっている。これらの電流が測定ヒューズに印加された後、測定ヒューズのうちのいずれが切断されていないか、測定ヒューズのうちのいずれが切断されているか、測定ヒューズのうちのいずれが破壊されているかが判断される(ブロック320)。これから、一連の電流のうちのいずれがヒューズを切断するのに不十分だったか、一連の電流のうちのいずれがヒューズを破壊できるほど十分に大きかったかが判定されることが可能である。そして、残りの電流(これらヒューズを切断するのに十分であるとともにヒューズを破壊するほどには大きくなかった)のうちの1つが、さらなるヒューズをプログラムするために用いられることが可能である(ブロック330)。選択される電流は、適切に測定ヒューズを切断する一連の電流の範囲の中央の電流であることが好ましい。
【0029】
図4および図5は、図3のフローチャートに従った方法を実現するように構成された典型的な回路を例示している。図4には、ヒューズ測定回路およびプログラミング回路が例示されている。図5には参照電圧生成回路が例示されている。
【0030】
図4の実施形態では、ヒューズ測定回路405の部品は、測定ヒューズ410、測定トランジスタ420、読み取りトランジスタ430、コンパレータ441、442、XORゲート450、選択回路460、を含んでいる。この実施形態では、測定ヒューズ410は、電気ヒューズ411乃至414を具備している。これらの電気ヒューズは、上記されているような3つの状態(切断されていない、切断されている、破壊されている)のうちの1つの状態にあり得る。測定トランジスタ420、読み取りトランジスタ430は、NMOSトランジスタ421乃至424、NMOSトランジスタ431乃至434を具備している。コンパレータ441、442は、各ヒューズと関連する電圧を参照電圧と比較し、またヒューズ電圧が参照電圧を越えているか、あるいは参照電圧未満であるかを示す信号を出力するように構成されている、マルチ・ビット・コンパレータを具備している。
【0031】
上記されているように、測定回路405は1組の測定ヒューズ410および1組の測定トランジスタ420を含んでいる。測定ヒューズの各々(例えば411)は、電源とグランドとの間で測定トランジスタのうちの対応する1つ(例えば421)と直列接続されている。測定プログラミング信号(CPGM)を伝送する信号線は、各測定トランジスタのゲートに接続されている。測定プログラミング信号が論理的に有効にされると、測定トランジスタはオンされ、電流は電源からヒューズおよびトランジスタを介してグランドまで流れることが可能になる。
【0032】
各測定トランジスタ421乃至424は、トランジスタ421が電流の基準レベル(N)の電流を流すとともに各連続するトランジスタが順に大きくなる電流を流すことによって、相違する量の電流が流れることを可能にするように構成されている。したがって、トランジスタ422はN+1に比例する電流を流すように構成され、トランジスタ423はN+M−1に比例する電流を流すように構成され、最後にトランジスタ424はN+Mに比例する電流を流すように構成されている。その結果、わずかに大きな電流が、測定ヒューズ(411乃至414)のうちの次の1つを流れる。Nがヒューズ411を切断する不十分な電流で、N+Mがヒューズ414を破壊するのに十分な電流であるとすると、ヒューズ411乃至414の間の1つまたは複数の測定ヒューズは適切に切断されるはずである(すなわち、これらは切断されていない状態に留まるはずではなく、また破壊されないはずである)。これらのヒューズは、適切なプログラミングのために適切な電流を通過させた。これらのヒューズが幾つかあるのであれば、範囲の中央の電流、例としてこれらのヒューズのメジアンまたは平均電流が、おそらく、さらなるヒューズをプログラムするために最良の選択肢となるであろう。さらなるヒューズをプログラムするためのこれらの電流のうちの1つを選択することは、後により詳細に記述される。
【0033】
測定トランジスタ420に加えて、測定回路405は1組の読み取りトランジスタ430を含んでいる。読み取りトランジスタ430の各々は、電源とグランドとの間で測定ヒューズ410の対応する1つと直列接続されている。各読み取りトランジスタ430は、ゲートに印加される測定読み取り信号(CRD)によって制御される。(この実施形態では、各測定トランジスタ420は、読み取りトランジスタ430の対応する1つと並列に接続され、しかしながら測定プログラミング信号CPGMおよび測定読み取り信号CRDは同時に論理的に有効にされないことに留意されるべきである。)測定トランジスタとは対照的に、各読み取りトランジスタ431乃至434は同一である。したがって、読み取りトランジスタがオンされていると、各ヒューズ・トランジスタ・ペア間のノードの電圧はヒューズの抵抗に応じてのみ変化する。ヒューズが切断されていなければ、対応する電圧は、ヒューズが切断されている場合よりも高いであろう(なぜなら、切断されているヒューズは切断されていないヒューズより高い抵抗を有し、この結果、切断されているヒューズの両端の電圧降下がより大きくなるからである)。ヒューズが切断されているならば、対応する電圧は、ヒューズが破壊されている場合より高く、ヒューズが切断されていない場合より低いであろう。ヒューズが破壊されていれば、対応する電圧はヒューズが(破壊されることなく)切断されていないかあるいは切断されている場合より低いであろう。
【0034】
測定ヒューズの各々の状態を、それらがプログラムされた後(すなわち、相違する測定電流がヒューズを流れた後)、決定するために、測定ヒューズの各々に関連する電圧が2つの参照電圧と比較される。参照電圧のうちの一方は、切断されていないヒューズに関連する電圧と(破壊されることなく)切断されているヒューズに関連する電圧の間にある。他方の参照電圧は、(破壊されることなく)切断されているヒューズに関連する電圧と破壊されたヒューズに関連する電圧との間にある。
【0035】
各ヒューズ・トランジスタ対の間のノードは各コンパレータ441、442の入力に接続されている。コンパレータ441は、また、上記されている第1参照電圧に対応する第1参照信号(VREF)を受け取る。コンパレータ441は、各ヒューズに対応する電圧をこの参照電圧と比較してヒューズが切断されているか切断されているかを判断する。ヒューズが切断されていなければ、電圧は第1参照電圧より高く、また、コンパレータ441は0を生成するであろう。ヒューズが切断されていれば、このヒューズに対応する電圧は第1参照電圧より低く、また、コンパレータ441は1を生成するであろう。コンパレータ442は、ヒューズ電圧を第2参照電圧信号(VREE2)と比較するように構成されていることを除いて同様に形成されている。ヒューズが破壊されていなければ、このヒューズに対応する電圧は第2参照電圧より高く、また、コンパレータ442は0を生成し、ヒューズが破壊されていないことを示すであろう。一方、ヒューズが破壊されていれば、このヒューズに対応する電圧は第2参照電圧より低いであろう。コンパレータ442は1を生成し、ヒューズが破壊されていることを示すであろう。
【0036】
図5は一実施形態に従った2つ参照電圧生成器を例示している。これらの生成器によって生成された参照電圧(一方は高電圧で他方は低電圧)は、コンパレータ441、442に入力される。各参照電圧生成器(501、502)は、抵抗(511、512)および読み取りトランジスタ(516、517)を含んでいる。各電圧生成器の抵抗およびトランジスタは供給電圧とグランドとの間で直列接続されている。抵抗はヒューズの複数の状態の抵抗に対する中間の抵抗である。読み取りトランジスタは、測定回路405の読み取りトランジスタ430と同じタイプである。
【0037】
電圧生成器501は、2つの参照電圧の高い方(VREF)を生成する。電圧生成器501は、抵抗511を含んでいる。抵抗511は、切断されていないヒューズの抵抗(例えばR)と切断されたヒューズの抵抗(例えば10R)との間の抵抗(例えば5R)を有している。抵抗511はノード513においてトランジスタ516に接続されている。参照電圧VREFはノード513から取り出される。電圧生成器502は、2つの参照電圧の低い方(VREF2)を生成する。電圧生成器502は、抵抗512を含んでいる。抵抗512は、切断されたヒューズの抵抗(例えば10R)と破壊されているヒューズの抵抗(例えば1000R)との間の抵抗(例えば500R)を有している。抵抗512はノード514においてトランジスタ517に接続されている。参照電圧VREF2はノード514から取り出される。供給電圧は、各参照電圧生成器に対して同じであり、また、スイッチがオンを維持するようにトランジスタ516、517のゲートに印加されている。参照電圧VREF、VREF2は、図4の測定回路(405)の比較回路(441、442)に接続されている。
【0038】
図4を再び参照すると、上記されているように、コンパレータ441、442はマルチ・ビット・コンパレータである。すなわち、コンパレータはそれぞれ多数のヒューズ電圧を対応する参照電圧と比較するように構成されている。図4の実施形態においてM+1個の測定ヒューズがあるので、これらのコンパレータの各々はM+2個の入力(M+1個のヒューズ電圧および参照電圧)を受け取る。同様に、M+1個のヒューズ電圧の各々を参照電圧と比較する結果、出力ビットはM+1個になる。したがって、コンパレータ441、442への入力ラインは、これらのコンパレータからの出力ラインと同様に、M+1ビットの幅であるとして図において示されている。
【0039】
コンパレータ441、442の出力はXORゲート450に入力として提供されている。上記されているように、コンパレータ441、442から受け取られる入力の各々は、M+1ビットの幅である。XORゲート450は、これらの入力に対してビットごとにXOR動作を行なってやはりM+1ビットの幅の出力を生成する。したがって、コンパレータ441から受け取られた第1ビットと、コンパレータ442から受け取られた第1ビットとの排他的論理和が求められて、XORゲート450の出力の第1ビットが生成される。以下、同様である。これによって、XORゲート450は、各測定ヒューズが適切に切断されたかどうか(すなわち、破壊されることなく切断されたか)を示す信号を生成する。この実施形態では、1は対応するヒューズが適切に切断されたことを示し、他方0は対応するヒューズが切断されなかったか破壊されたことを示している。
【0040】
図4では、XORゲート450の出力と同様にコンパレータ441、442の出力も、参照符号741、742、750によって示されている例示的なビット(0と1)の連なりによって表わされる。各例示は、15ビットの連なりを含んでいる。コンパレータ441の出力は「00000 11111 11111」である。コンパレータ442の出力は「00000 00000 11111」である。XORゲート450の出力は「00000 11111 00000」である。これらのビット表現は、2つのコンパレータの出力のビットごとの排他的論理和処理、およびどのヒューズが適切に切断されかの表示をより明白に示している。
【0041】
XORゲート450の出力は、選択回路460に提供されている。この実施形態中の選択回路460の目的は、XORゲート450の出力に基づいて、プログラミング回路470に提供される制御信号を生成することである。これらの制御信号は、プログラム回路470がさらなるヒューズをプログラムする(切断する)ことによって用いられる電流の量を決定する。この電流は、XORゲート450の出力中の1によって示されているように、適切に切断された測定ヒューズをプログラムするのに用いられた電流と同じはずである。これらの適切に切断されたあらゆる測定ヒューズに対応する電流は、さらなるヒューズも適切に切断するはずである一方、回路470をプログラムするのに用いられる最良の電流はXORゲート450の出力内の1によって表されている電流のメジアンまたは平均の電流であると考えられる。この実施形態では、連続する測定ヒューズをプログラムするのに用いられる電流は同じ増分で大きくなっているので、平均/メジアン電流は、中央の測定ヒューズ(750の表示内の15ビットの8番目)に対応する電流と同じであろう。
【0042】
選択回路460の出力は様々な形態をとり得る。特定の形態はプログラミング回路470の構成によって促され得る。この実施形態では、選択回路460は、XORゲート450から受け取られた信号と同数のビットを有する出力信号を生成する。選択回路460の出力は、Mビットの0と、1ビットの1を有している。出力信号のビットは、参照符号761によって示されている。1は、選択されたプログラミング電流に相当し、プログラミング回路470によって用いられてトランジスタ480の組のうちのこの量の電流がプログラムされている最中のヒューズを流れることを可能にする対応する1つをオンさせる。選択回路460の出力内の0は、プログラミング回路内のトランジスタのうちの残りのものオフする。
【0043】
選択回路460によって生成された出力信号は、プログラミング回路470に提供され、ANDゲート475に入力されている。ANDゲート475は、さらに入力として書き込み信号WRを受け取る。XORゲート450と同様に、ANDゲート475はマルチ・ビット論理ゲートである。ANDゲート475は、選択回路460から受け取られた信号の各ビットと書き込み信号の論理的なANDを取って、トランジスタ481乃至484を駆動する出力信号を生成するように構成されている。各ビットは、0のとき、対応するトランジスタをオフし、1のとき、対応するトランジスタをオンするであろう。したがって、書き込み信号が論理的に有効とされていない場合、トランジスタ481乃至484は全てオフされており、また、書き込み信号が論理的に有効とされている場合、トランジスタ481乃至484のうちの唯1つがオンされるとともに、他方、残りのトランジスタはオフとされている(ビット775を参照)。トランジスタ480の各々は、トランジスタ420の対応する1つと同じコンダクタンスを有している(すなわち、トランジスタ421、481の両方はNに比例する電流を流し、422、482はN+1に比例する電流を流し、以下同様である)。オンされているトランジスタは、対応する量の電流を、電圧源からヒューズ490およびトランジスタを介してグランドへと流す。この電流が測定トランジスタのうちの1つを適切に切断したことが見出されたので、ヒューズ490は破壊されることなく切断されるであろう。本システムは、複数の目標ヒューズを選択敵にプログラミングする際に用いられることが可能である。
【0044】
図4のシステムの動作は、図6のフローチャートにおいて示されているように要約されることが可能である。図6のフローチャートの1番目の部分は、図3の測定ステップ(310)に相当する。他方、2番目の部分は図3の読み取りステップ(320)に相当する。また、3番目の部分はプログラミング・ステップ(330)に相当する。図6の方法は、1組のダミーの測定ヒューズを設けること(ブロック610)、および1組の相違する電流を各測定ヒューズに印加すること(620)から開始する。その結果、ヒューズのうちの1つまたは複数は切断されず、1つまたは複数は切断され、1つまたは複数は破壊されるであろう。次いで、低い読み取り電流がこれらのヒューズの各々に印加され(ブロック630)、次に、これらのヒューズの両端の電圧降下の結果生成される電圧が割り出されるであろう(ブロック640)。参照電圧も生成されるであろう(ブロック650)。ヒューズ電圧は参照電圧(ブロック660)と比較され、また、ヒューズのいずれが切断されていないか、いずれが切断されたか、また、いずれが破壊されたかが判定されるであろう(ブロック670)。どのヒューズが切断されなかったか、切断されたか、破壊されたかの判定に基づいて、プログラミング電流が選択されるであろう(ブロック680。)。次に、選択されたプログラミング電流が、さらなるヒューズに印加されてそれらをプログラムするであろう(ブロック690)。
【0045】
図7を参照すると、ヒューズ・インピーダンス対プログラミング電流のプロットが示されている。図7のプロットは、プログラミング電流に対するビット列の関係を例示するために図4に示されているビット列でプロットに注釈が付されている以外は、図2と同じである。コンパレータ441の出力(ビット741)は、最初の5つのプログラミング電流が5R未満のヒューズ・インピーダンスという結果になって、したがって対応するヒューズを切断するのに不十分だったことを示している。コンパレータ442の出力(ビット742)は、最後の5つのプログラミング電流が500Rを越えるヒューズ・インピーダンスという結果になって、したがって対応するヒューズを破壊したはずであることを示している。XORゲート450(ビット750)の出力は、中央の5つのプログラミング電流が5Rと500Rとの間のヒューズ・インピーダンスという結果になって、したがって対応するヒューズを適切に切断したことを示している。選択回路460の出力(ビット761)は、さらなるヒューズをプログラムする際に、中間のプログラミング電流が選ばれることを示している。
【0046】
図8を参照すると、ヒューズ・インピーダンス対電流のプログラムのプロットが、製造上の相違または他の要因がヒューズ・プログラミング電流に影響を与えた実施形態について示されている。この実施形態では、測定ヒューズのプログラミングは、切断されていないヒューズが4つおよび破壊されているヒューズが7つという結果になった。したがって、5番目乃至8番目ヒューズが適切に切断され、7番目のプログラミング電流がさらなるヒューズをプログラムするために選択された。
【0047】
図9を参照すると、本システムの代替的な実施形態が示されている。この実施形態では、測定回路905の構造は、本質的に図4における測定回路405と同じである。しかしながら、プログラミング回路970の構造は、図4の対応する回路とはわずかに異なっている。プログラミング回路970は、適切なプログラミング電流がヒューズ990を流れることを可能にするために選択的にオン、オフされる1組のトランジスタ980を含んでいる。しかしながら、これらのトランジスタの1つだけをオンするのではなく、所望の電流が累積的に生成されるように、1組のトランジスタがオンされ得る。換言すれば、ヒューズ990がプログラムされるとき、トランジスタ981がオンされて基本量の電流(I×N)の電流を提供し、また、付加トランジスタ(例えば982)がオンされて電流オフセット(Iの幾らかの倍数)を提供する。したがって、これらのトランジスタを流れる合成電流(それらはヒューズ990を累積的に流れるだろう)が所望のプログラミング電流と等しく、ヒューズを適切に切断する結果となるであろう。
【0048】
図10Aを参照すると、本システムの別の代替的な実施形態が示されている。この実施形態では、測定回路1005の構造は、本質的に図9における測定回路905と同じである。しかしながら、プログラミング回路1070の構造は、図9の対応する回路とはわずかに異なっている。プログラミング回路1070は、適切なプログラミング電流がヒューズ1090を流れることを可能にするために選択的にオン、オフされる1組のトランジスタ1080を含んでいる。図4の実施形態でのように1つだけのトランジスタをオンするか、または図9の実施形態でのように1対のトランジスタをオンするのではなく、所望の電流が累積的に生成されるように、より多くのトランジスタがオンされ得る。換言すれば、ヒューズ1090がプログラムされるとき、トランジスタ1081がオンされて基本量の電流(I×N)を提供し、さらなる数のトランジスタ(例えば1082、1083)がオンされて電流オフセット(Iの幾らかの倍数)を提供する。例えば、測定回路および選択回路が、電流I×(N+7)が必要であることを示している場合、I×Nの基本電流がプログラミング・トランジスタ1081をオンすることによって提供され、また、I×7の付加電流が7つの付加プログラミング・トランジスタをオンすることによって提供される。したがって、これらのトランジスタを流れる合成電流(それらはヒューズ1090を累積的に流れるだろう)が所望のプログラミング電流と等しく、ヒューズを適切に切断する結果となるであろう。
【0049】
図10Bを参照すると、本システムのさらに別の代替的な実施形態が示されている。この実施形態では、測定回路1009およびプログラミング回路1079の機能は本質的に図10Aにおける回路1005および1070と同じである。しかしながら、構造は、図10Aの対応する回路とはわずかに異なっている。測定ヒューズの各々は、電源とグランドの間で測定トランジスタの対応する1つと直列接続されている。しかしながら、各トランジスタは電源に接続されており、ヒューズはグランドに接続されている。同様に、プログラミング・トランジスタおよびプログラムされるヒューズ(1099)は、電源およびグランドにそれぞれ接続されている。測定(プログラミング)信号が論理的に有効にされると、測定(プログラミング)トランジスタはオンされ、電流が電源からトランジスタおよびヒューズを介してグランドまで流れることが可能になる。
【0050】
多く(例えば1000以上)のヒューズ・セルが1つのチップ上にあり得、したがって、ヒューズおよび関連回路に必要なスペースの量を最小化することが重要であり得ることに留意されるべきである。したがって、幾つかの実施形態は、複数のヒューズをプログラムするために用いられることが可能な1つの測定回路および1つのプログラミング回路を実現する。これは図11の例において示されている。図11の実施形態は、ヒューズの各々をプログラムするための所望の電流を生成するためにカレント・ミラー構造を利用している。
【0051】
先行する記載は幾つか具体的な典型的な実施形態を示しているが、代替的な実施形態において、記載された特徴および部品の多くの変形体があり得る。例えば、複数のトランジスタが用いられて、図9のプログラミング・トランジスタに似たやり方で測定電流を提供してもよい。または、測定電流およびプログラミング電流が、トランジスタ以外の部品を用いて提供されてもよい。他の実施形態では、金属シリサイド・ヒューズ以外のマルチステート・ヒューズ(multistate fuse)のタイプが用いられることが可能である。これらは、上記の3つの状態を越える状態を有するヒューズを含むことが可能であり、また、選択されるプログラミング電流はこれらの状態の選択されたものを達成するのに必要な電流を含むことが可能である。ヒューズに関連する電圧または電圧降下が、差動増幅器にヒューズ電圧および参照電圧を供給することによって割り出されることが可能である。信号は、様々な方法で、符号化または多重化されるとともに伝送されることが可能である。また、他の多くの変形体が、さらに本開示を読むことで当業者にとって明白になるであろう。
【0052】
当業者は、情報および信号が様々な異なる技術および手法を用いて表現され得ることを理解するであろう。例えば、上の記載を通じて言及されたデータ、コマンド、情報、信号等、ビット、上の記述において参照された同様のものは、電圧、電流、電磁波等によって表現され得る。情報および信号は、ワイヤ、金属配線、ビア等を含むあらゆる適切な輸送媒体を用いて、開示のシステムの部品相互間で通信される。
【0053】
本明細書に開示の実施形態との関連で説明された様々な説明用の論理ブロック、モジュール、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)または他の論理装置、ディスクリート・ゲートまたはトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア要素、これらの本明細書に記載の機能を実行するように設計されたあらゆる組み合わせとともに実現および実行されることが可能である。
【0054】
本発明によってもたらされる利益および利点は、具体的な実施形態に関して上に記載された。これらの利益および利点、およびこれらの利益および利点を生み出すまたはよりはっきりしたものとする要素および限定事項は、いずれも、請求項のいずれかまたは全ての限定的な、必要な、必須の特徴と解釈されるべきではない。本明細書で用いられているように、「具備する」という文言またはその変形体は、これらの文言に先行する要素および限定事項を非排他的に含むものとして解釈されることが意図されている。よって、要素の組を具備するシステム、方法または他の実施形態は、これらの要素のみに限定されるのではなく、明白に列挙されていないまたは請求項に記載の実施形態に本来備わっている他の要素を含み得る。
【0055】
開示された実施形態のここまでの説明は、当業者が本発明を実行および使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する様々な変形は、当業者にとって容易に明らかとなり、本明細書で定義されている包括的な原理は、本発明の思想および範疇から逸脱することなく他の実施形態に適用されてよい。よって、本発明は、本明細書に示す実施形態に限定されることが意図されるのではなく、本明細書に開示されまた請求項内で列挙される原理および新規な特徴に従った最も広い範疇に一致するべきである。
【0056】
また、この発明は以下の実施態様を取り得る。
【0057】
(1)複数の測定ヒューズに複数の相違する電流を流し、複数の前記測定ヒューズのうちの対応するもの破壊することなく切断した1つまたは複数の電流を特定し、前記特定された電流のうちの1つを自動的に選択し、前記選択された電流で1つまたは複数の目標ヒューズをプログラムする、ことを具備する方法。
【0058】
(2)前記電流は最低の電流から最高の電流まで順に大きくなっている値を有している、態様(1)の方法。
【0059】
(3)前記対応する測定ヒューズを破壊することなく切断した電流を特定することは、複数の前記測定ヒューズのいずれが所望のインピーダンスを有しているかを割り出し、前記所望のインピーダンスを有している前記測定ヒューズに対応する電流を特定する、ことを具備する、態様(1)の方法。
【0060】
(4)複数の前記測定ヒューズのいずれが所望のインピーダンスを有しているかを割り出すことは、複数の前記測定ヒューズのいずれが破壊されているヒューズのインピーダンス未満で且つ切断されていないヒューズのインピーダンスを超えるインピーダンスを有しているかを割り出すことを具備する、態様(3)の方法。
【0061】
(5)前記切断されていないヒューズのインピーダンスより大きく且つ前記切断されていないヒューズのインピーダンスより小さい第1参照インピーダンスを有する第1参照部品の両端で第1参照電圧降下を生成し、前記切断されているヒューズのインピーダンスより大きく且つ前記破壊されているヒューズのインピーダンスより小さい第2参照インピーダンスを有する第2参照部品の両端で第2参照電圧降下を生成し、複数の前記測定ヒューズの両端のヒューズ電圧降下を割り出し、前記測定ヒューズのインピーダンスは、前記ヒューズ電圧降下が前記第1参照電圧降下未満のときは前記切断されていないヒューズのインピーダンスであり、前記ヒューズ電圧降下が前記第1参照電圧降下より大きく且つ前記第2参照電圧降下未満であるときは前記切断されているヒューズであり、前記ヒューズ電圧降下が前記第2参照電圧降下より大きい場合には前記破壊されているヒューズである、と判定する、ことを具備する、態様(4)の方法。
【0062】
(6)前記特定された電流のうちの1つを自動的に選択することは、前記特定された電流のうちの前記特定された電流のうちの中央の値を有する1つを選択することを具備する、態様(1)の方法。
【0063】
(7)前記選択された電流で1つまたは複数の目標ヒューズをプログラムすることは、
前記選択された電流を生成するように構成されたトランジスタをオンする制御信号を生成し、前記選択された電流を前記目標ヒューズに流す、ことを具備する、態様(1)の方法。
【0064】
(8)前記測定ヒューズおよび前記目標ヒューズの各々は、実質的に同一であり、前記測定ヒューズおよび前記目標ヒューズの各々は、切断されていない場合は第1値を有し、破壊されることなく切断されている場合は第2値を有し、破壊されている場合は第3値を有する、態様(1)の方法。
【0065】
(9)前記測定ヒューズおよび前記目標ヒューズの各々は、メタル・シリサイド層を具備し、電流を供給されて前記メタル・シリサイドを凝集させることによってプログラム可能である、態様(8)の方法。
【0066】
(10)複数の測定ヒューズに複数の相違する電流を流すことは、各測定ヒューズを、電源電圧とグランドとの間に対応する測定トランジスタと直列に配置することを具備し、各測定トランジスタは、オンしているときに、電流のうちの対応する1つを通過させるように構成されている、態様(1)の方法。
【0067】
(11)複数の測定ヒューズに複数の相違する電流を流し、複数の前記測定ヒューズの対応するものを破壊することなく切断した1つまたは複数の電流を特定し、前記特定された電流のうちの1つを自動的に選択するように構成されている測定回路と、前記選択された電流で1つまたは複数の目標ヒューズをプログラムするように構成されているプログラミング回路と、を具備するシステム。
【0068】
(12)前記測定回路によって生成される複数の相違する電流は、最低の電流から最高の電流まで順に大きくなっている値を有している、態様(11)のシステム。
【0069】
(13)前記測定回路は、複数の前記測定ヒューズのいずれが所望のインピーダンスを有しているかを割り出し、前記所望のインピーダンスを有している前記測定ヒューズに対応する電流を特定する、ように構成されている、態様(11)のシステム。
【0070】
(14)前記測定回路は、複数の前記測定ヒューズのいずれが破壊されているヒューズのインピーダンス未満で且つ切断されていないヒューズのインピーダンスを超えるインピーダンスを有しているかを割り出すように構成されている、態様(13)のシステム。
【0071】
(15)前記切断されていないヒューズのインピーダンスより大きく且つ前記切断されていないヒューズのインピーダンスより小さい第1参照インピーダンスを有する第1参照部品の両端で第1参照電圧降下を生成し、前記切断されているヒューズのインピーダンスより大きく且つ前記破壊されているヒューズのインピーダンスより小さい第2参照インピーダンスを有する第2参照部品の両端で第2参照電圧降下を生成し、複数の前記測定ヒューズの両端のヒューズ電圧降下を割り出し、前記測定ヒューズのインピーダンスが、前記ヒューズ電圧降下が前記第1参照電圧降下未満のときは前記切断されていないヒューズのインピーダンスであり、前記ヒューズ電圧降下が前記第1参照電圧降下より大きく且つ前記第2参照電圧降下未満であるときは前記切断されているヒューズであり、前記ヒューズ電圧降下が前記第2参照電圧降下より大きい場合には前記破壊されているヒューズである、と判定する、ように構成されている1つまたは複数の参照電圧生成器をさらに具備する、態様(14)のシステム。
【0072】
(16)前記測定回路は、前記特定された電流のうちの前記特定された電流の中央の値を有する1つを選択するように構成されている、態様(11)のシステム。
【0073】
(17)前記測定回路は、前記プログラミング回路に前記選択された電流を生成させる制御信号を生成するように構成されている、態様(11)のシステム。
【0074】
(18)前記測定ヒューズおよび前記目標ヒューズの各々は、実質的に同一であり、前記測定ヒューズおよび前記目標ヒューズの各々は、切断されていない場合は第1値を有し、破壊されることなく切断されている場合は第2値を有し、破壊されている場合は第3値を有する、態様(11)のシステム。
【0075】
(19)前記測定ヒューズおよび前記目標ヒューズの各々は、メタル・シリサイド層を具備し、電流を供給されて前記メタル・シリサイドを凝集させることによってプログラム可能である、態様(18)のシステム。
【0076】
(20)前記プログラミング回路において、各測定ヒューズは、電源電圧とグランドとの間に対応する測定トランジスタと直列に配置されており、各測定トランジスタは、オンしているときに、電流のうちの対応する1つを通過させるように構成されている、態様(11)のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】従来技術に従って回路をプログラミングすることを例示する機能ブロック図である。
【図2】ヒューズ・インピーダンスの例をプログラミング電流の関数として例示するプロットである。
【図3】一実施形態に従ってプログラミング電流を決定する方法のフローチャートである。
【図4】一実施形態に従ってヒューズ・プログラミング電流を特定および印加するように構成された回路を例示する機能ブロック図である。
【図5】一実施形態に従って参照電圧を生成するように構成された回路を例示する機能ブロック図である。
【図6】図4の実施形態に従ってプログラミング電流を決定するための方法のフローチャートである。
【図7】一実施形態に従ったヒューズ・インピーダンスおよび信号ビット列の例を示すプロットである。
【図8】一実施形態に従ったヒューズ・インピーダンスおよび信号ビット列の代替例を示すプロットである。
【図9】一実施形態に従ってヒューズ・プログラミング電流を特定および印加するように構成された回路を例示する機能ブロック図である。
【図10A】一実施形態に従ってヒューズ・プログラミング電流を特定および印加するように構成された回路を例示する機能ブロック図である。
【図10B】一実施形態に従ってヒューズ・プログラミング電流を特定および印加するように構成された回路を例示する機能ブロック図である。
【図11】一実施形態に従って複数のヒューズ・セルにヒューズ・プログラミング電流を印加するように構成されている回路を例示する機能ブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の測定ヒューズに複数の相違する電流を流し、複数の前記測定ヒューズの対応するものを破壊することなく切断した1つまたは複数の電流を特定し、前記特定された電流のうちの1つを自動的に選択するように構成されている測定回路と、
前記選択された電流で1つまたは複数の目標ヒューズをプログラムするように構成されているプログラミング回路と、
を具備するシステム。
【請求項2】
前記測定回路によって生成される複数の相違する電流は、最低の電流から最高の電流まで順に大きくなっている値を有している、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記測定回路は、
複数の前記測定ヒューズのいずれが所望のインピーダンスを有しているかを割り出し、
前記所望のインピーダンスを有している前記測定ヒューズに対応する電流を特定する、
ように構成されている、請求項1のシステム。
【請求項4】
前記測定回路は、複数の前記測定ヒューズのいずれが破壊されているヒューズのインピーダンス未満で且つ切断されていないヒューズのインピーダンスを超えるインピーダンスを有しているかを割り出すように構成されている、請求項3のシステム。
【請求項5】
前記切断されていないヒューズのインピーダンスより大きく且つ前記切断されていないヒューズのインピーダンスより小さい第1参照インピーダンスを有する第1参照部品の両端で第1参照電圧降下を生成し、
前記切断されているヒューズのインピーダンスより大きく且つ前記破壊されているヒューズのインピーダンスより小さい第2参照インピーダンスを有する第2参照部品の両端で第2参照電圧降下を生成し、
複数の前記測定ヒューズの両端のヒューズ電圧降下を割り出し、
前記測定ヒューズのインピーダンスが、前記ヒューズ電圧降下が前記第1参照電圧降下未満のときは前記切断されていないヒューズのインピーダンスであり、前記ヒューズ電圧降下が前記第1参照電圧降下より大きく且つ前記第2参照電圧降下未満であるときは前記切断されているヒューズであり、前記ヒューズ電圧降下が前記第2参照電圧降下より大きい場合には前記破壊されているヒューズである、と判定する、
ように構成されている1つまたは複数の参照電圧生成器をさらに具備する、請求項4のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−27159(P2009−27159A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173837(P2008−173837)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】