説明

下流側排気ガスセンサの故障診断装置

【課題】この発明の目的は、内燃機関のリッチ運転状態を伴わずに下流側排気センサの故障を診断することができ、故障診断の際に排気ガス成分値の悪化を防止することにある。
【解決手段】この発明は、内燃機関の所定の運転状態にて下流側排気ガスセンサの状態を判定する下流側排気ガスセンサの故障診断装置において、上流側排気ガスセンサおよび下流側排気ガスセンサの出力値を用いたフィードバック制御による内燃機関の理論空燃比運転状態が成立し、内燃機関の運転状態を示すパラメータを用いた制御による内燃機関の燃料カット運転状態が成立した場合には、下流側排気ガスセンサの出力値の最大値と最小値の差分と設定値との比較、あるいは下流側排気ガスセンサの出力値の最小値と設定値との比較のいずれかにより下流側排気ガスセンサの状態を診断する診断手段を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は下流側排気ガスセンサの故障診断装置に係り、特に、内燃機関のリッチ運転状態を伴わずに下流側排気センサの故障を診断することができ、故障診断の際に排気ガスの成分値を悪化させることがない下流側排気ガスセンサの故障診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される内燃機関には、排気通路に設けた触媒の上流側および下流側に空燃比を制御するためのパラメータを検出する上流側排気ガスセンサおよび下流側排気ガスセンサを設け、これら上流側排気ガスセンサおよび下流側排気ガスセンサの出力値を用いて燃料噴射弁の燃料噴射量をフィードバック制御する燃料噴射量制御手段を備えたものがある。内燃機関は、上流側排気ガスセンサおよび下流側排気ガスセンサの出力値を用いた燃料噴射量のフィードバック制御により空燃比を適正化して燃焼性を改善し、触媒による排気浄化効率を向上し、排気ガスの有害成分の低減を図っている。
【0003】
このように、触媒の上流側および下流側に空燃比を制御するための上流側排気ガスセンサおよび下流側排気ガスセンサを設けた、いわゆるデュアルO2センサ燃料フィードバック制御においては、下流側排気ガスセンサが故障すると、フィードバック制御に狂いが生じ、空燃比が不適切となって内燃機関不調を生じるため、下流側排気ガスセンサの故障を判定する故障診断装置が提案されている。
【0004】
従来の下流側排気ガスセンサの故障診断装置には、車両の運転状態が理論空燃比運転状態、リーン運転状態、リッチ運転状態、燃料カット運転状態とある中で、リッチ運転状態とリーン運転状態とを経験したことを条件として、下流側排気ガスセンサの出力値により故障を診断するものが提案されている。
【特許文献1】特開2003−193903号公報
【0005】
従来の下流側排気ガスセンサの故障診断装置には、下流側排気ガスセンサの出力するリーン信号の出力割合が所定値以上となった場合に、下流側排気ガスセンサの故障と診断するものがある。
【特許文献2】特開2003−14683号公報
【0006】
従来の下流側排気ガスセンサの故障診断装置には、燃料カット中において、燃料カットの開始から所定時間が経過した後の下流側排気ガスセンサの出力がリッチ側であるときには、下流側排気ガスセンサの故障と判定する。
【特許文献3】特開1999−218045号公報
【0007】
従来の下流側排気ガスセンサの故障診断装置には、下流側排気ガスセンサの出力値がリッチ側設定値からリーン側設定値に移行するまでの時間を応答時間として計測し、燃料カット継続時間が設定値以上のときの燃料カットリカバ後経過時間が設定時間に達したときに、前記応答時間が劣化判定値以上の場合に下流側排気ガスセンサの劣化と判定するものがある。
【特許文献4】特許第3560263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前記特許文献1に開示される下流側排気ガスセンサの故障診断装置においては、リッチ運転状態とリーン運転状態とを経験したことを条件として、下流側排気ガスセンサの故障診断を行っている。
【0009】
しかし、昨今は、排気ガス規制が強化されてきており、リッチ運転状態が発生しないように理論空燃比制御を基本とする内燃機関システムに設定し、排気ガスの成分値の悪化を防止している。
【0010】
従って、従来の故障診断装置では、リッチ運転状態となる機会が少ないことから、下流側排気ガスセンサに故障が発生しても、故障診断を実行する条件が成立せず、故障を検出することができないという問題が発生している。
【0011】
また、強制的にリッチ運転状態を作って故障を検出する装置では、リッチ運転状態にすること自体で排気ガスの有害成分を増加させてしまうことになり、排気ガス規制強化に対応できない診断方法となる問題がある。
【0012】
このように、従来の故障診断装置では、故障が発生しても診断が遅れ、不適切な下流側排気ガスセンサの出力で燃料を制御してしまうことになり、排気ガスの有害成分が増大したままで車両が走行される期間が長くなってしまうという不具合が発生する。
【0013】
この発明は、内燃機関のリッチ運転状態を伴わずに下流側排気センサの故障を診断することができ、故障診断の際の排気ガス成分値の悪化を防止することを目的とする。
【0014】
さらに、上流側排気ガスセンサおよび下流側排気ガスセンサによる空燃比の制御においては、図13に示すように、正常時に上流側排気ガスセンサであるフロントO2センサおよび下流側排気ガスセンサであるリアO2センサの出力が動く。
【0015】
内燃機関のある気筒の燃料噴射量が何らかの不具合によって少なくなった場合には、図14に示すように、フロントO2センサの出力は一見正常時と変わらないが、リアO2センサの出力に変化が発生する。フロントO2センサおよびリアO2センサの出力を使用して燃料噴射量をフィードバック制御する、いわゆるデュアルO2センサ燃料フィードバック制御では、このように変化したリアO2センサの出力を使用すると、排気ガスの有害成分が増加してしまう方向に燃料を間違って制御してしまうことになる。
【0016】
また、リアO2センサは、センサ自体に不具合が発生した場合にも正常な作動ができなくなり、図14に示す動きをすることがある。このように故障したリアO2センサの出力を使用した場合には、排気ガスの有害成分が増加してしまう方向に燃料を間違って制御してしまうことになる。
【0017】
さらに、内燃機関が正常の場合には、燃料カット運転によって触媒に酸素が溜め込まれ、その後しばらくの間、触媒下流の空燃比はリーン状態を示す。図15は、燃料カット運転状態後のリアO2センサの動きを示すものである。
【0018】
このリーン状態の時間は、図10に示すように、燃料カット運転状態から復帰した後の走行空気量や燃料噴射量などの空燃比状態によって相関がある。燃料カットが頻繁に行われる走行を行うと、触媒下流側の空燃比のリーン状態が長く続き、リアO2センサは正常であるにも拘らず、図14に示すような異常ともとれる動きを示すことが、実験によりわかった。
【0019】
この場合に、このリーン状態のみでリアO2センサの出力値によって故障を診断すると、正常であるにも拘らず異常と誤診断してしまうことがある。このため、このリーン時間のみで診断を実施しないように、診断時期を調整する必要がある。
【0020】
この発明は、診断時期を適正に設定することができ、リアO2センサの診断をより正確に行うことができるようにすることを目的とする。
【0021】
また、内燃機関を始動した場合には、触媒が暖機されるまでの間は触媒および触媒下流側のリアO2センサが不活性状態であることから、リアO2センサは触媒下流側の空燃比を設定どおりの安定した出力で発生することができないため、不活性状態となっている間に診断を行っても誤診断となる問題がある。
【0022】
この発明は、内燃機関の始動時の触媒の浄化能力による影響を排除して、誤判定する機会を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
この発明は、内燃機関の排気通路に設けた触媒の上流側および下流側に空燃比を制御するための上流側排気ガスセンサおよび下流側排気ガスセンサを設け、前記下流側排気ガスセンサの出力値を計測するとともに前記内燃機関の運転状態を示すパラメータを計測し、前記内燃機関の所定の運転状態にて前記下流側排気ガスセンサの状態を判定する下流側排気ガスセンサの故障診断装置において、前記上流側排気ガスセンサおよび下流側排気ガスセンサの出力値を用いたフィードバック制御による前記内燃機関の理論空燃比運転状態が成立し、前記内燃機関の運転状態を示すパラメータを用いた制御による前記内燃機関の燃料カット運転状態が成立した場合には、前記下流側排気ガスセンサの出力値の最大値と最小値の差分と設定値との比較、あるいは前記下流側排気ガスセンサの出力値の最小値と設定値との比較のいずれかにより前記下流側排気ガスセンサの状態を診断する診断手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
この発明の下流側排気ガスセンサの故障診断装置は、診断手段によって、上流側排気ガスセンサおよび下流側排気ガスセンサの出力値を用いたフィードバック制御による内燃機関の理論空燃比運転状態が成立し、内燃機関の運転状態を示すパラメータを用いた制御による内燃機関の燃料カット運転状態が成立した場合には、下流側排気ガスセンサの出力値の最大値と最小値の差分と設定値との比較、あるいは下流側排気ガスセンサの出力値の最小値と設定値との比較のいずれかにより下流側排気ガスセンサの状態を診断する。
これにより、この発明の下流側排気ガスセンサの故障診断装置は、内燃機関のリッチ運転状態の成立を下流側排気ガスセンサの診断を行うための条件としていないので、内燃機関のリッチ運転状態を伴わずに下流側排気センサの故障を診断することができ、排気ガスの成分値の悪化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
この発明の下流側排気ガスセンサの故障診断装置は、下流側排気ガスセンサの診断を行うための条件として、内燃機関の理論空燃比運転状態の成立と内燃機関の燃料カット運転状態の成立とを設定し、内燃機関のリッチ運転状態の成立を設定していないことで、内燃機関のリッチ運転状態を伴わずに下流側排気センサの故障を診断することができ、排気ガスの成分値の悪化を防止するものである。
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0026】
図1〜図12は、この発明の実施例を示すものである。図12において、2は車両に搭載された内燃機関、4は吸気通路、6は排気通路である。この内燃機関2は、一側の第1シリンダバンク8−1と他側の第2シリンダバンク8−2とをV字形状に配置して構成されている。
【0027】
前記吸気通路4は、上流端にエアクリーナ10を設け、途中にスロットルバルブ12を設け、下流側を2本の第1・第2分岐吸気通路4−1・4−2に分岐して交差させ、第1分岐吸気通路4−1の下流端を第1シリンダバンク8−1側の第1燃焼室14−1に連通するとともに、第2分岐吸気通路4−2の下流端を第2シリンダバンク8−2側の第2燃焼室14−2に連通している。
【0028】
前記吸気通路4には、スロットルバルブ12をバイパスして上流側と下流側とを連通するバイパス空気通路16を設けている。バイパス空気通路16の途中には、バイパス空気通路16を流れるアイドル空気流量を調整可能なアイドル制御弁18を設けている。アイドル制御弁18は、後述する制御手段80に接続している。
【0029】
前記第2分岐吸気通路4−2には、吸気マニホルド調整バルブ20を設けている。吸気マニホルド調整バルブ20は、圧力通路22により吸気マニホルド調整バルブ20下流側の第2分岐吸気通路4−2に連通している。圧力通路22には、第2分岐吸気通路4−2側から順次に負圧タンク24と吸気マニホルド調整負圧ソレノイドバルブ26とを設けている。
【0030】
前記排気通路6は、上流側を2本の第1・第2分岐排気通路6−1・6−2に分岐し、第1分岐排気通路6−1の上流端を第1シリンダバンク8−1側の第1燃焼室14−1に連通するとともに、第2分岐排気通路6−2の上流端を第2シリンダバンク8−2側の第2燃焼室14−2に連通し、第1・第2分岐排気通路6−1・6−2の下流端を合流している。
【0031】
前記第1分岐排気通路6−1には、触媒である第1暖機用三元触媒28−1を設け、第1暖機用三元触媒28−1よりも上流側部位に上流側排気ガスセンサである第1フロントO2センサ30−1を設けるとともに、第1暖機用三元触媒28−1よりも下流側部位に下流側排気ガスセンサである第1リアO2センサ32−1を設けている。
【0032】
前記第2分岐排気通路6−2には、触媒である第2暖機用三元触媒28−2を設け、第2暖機用三元触媒28−2よりも上流側部位に上流側排気ガスセンサである第2フロントO2センサ30−2を設けるとともに、第2暖機用三元触媒28−2よりも下流側部位に下流側排気ガスセンサである第2リアO2センサ32−2を設けている。
【0033】
第1・第2フロントO2センサ30−1・30−2は、第1・第2暖機用三元触媒28−1・28−2上流側の第1・第2分岐排気通路6−1・6−2内の排気ガス中の酸素濃度を空燃比を制御するためのパラメータとして検出し、反転するリッチ信号とリーン信号とを出力する。第1・第2リアO2センサ32−1・32−2は、第1・第2暖機用三元触媒28−1・28−2下流側の第1・第2分岐排気通路6−1・6−2内の排気ガス中の酸素濃度を空燃比を制御するためのパラメータとして検出し、反転するリッチ信号とリーン信号とを出力する。第1・第2分岐排気通路6−1・6−2の合流部位よりも下流側の排気通路6には、三元触媒34を設けている。なお、第1・第2フロントO2センサ30−1・30−2および第1・第2リアO2センサ32−1・32−2は、排気ガスと反応するセンサであれば、O2センサ以外のもの、例えば、空燃比センサでも良い。
【0034】
前記内燃機関2は、第1・第2シリンダバンク8−1・8−2の第1・第2燃焼室14−1・14−2に指向させて、夫々第1・第2燃料噴射弁36−1・36−2を設けている。第1・第2燃料噴射弁36−1・36−2は、燃料供給通路38により燃料タンク40に連通されている。燃料タンク40内の燃料は、燃料ポンプ42により燃料供給通路38に圧送され、燃料フィルタ44により塵挨を除去されて第1・第2燃料噴射弁36−1・36−2に供給される。
【0035】
前記燃料供給通路38途中には、燃料の圧力を調整する燃料圧力調整部46を設けている。燃料圧力調整部46は、第2分岐吸気通路4−2に連通する導圧通路48から導入される吸気管圧力により燃料圧力を所定値に調整し、余剰の燃料を燃料戻り通路50により燃料タンク40に戻す。
【0036】
前記燃料タンク40は、エバポ通路52によりキャニスタ54に連通している。キャニスタ54は、パージ通路56によりスロットルバルブ12下流側の吸気通路4に連通している。パージ通路56の途中には、パージ制御バルブ58を設けている。また、キャニスタ54には、大気を導入する大気通路60を連通している。大気通路60には、キャニスタ54に導入される大気の塵埃を除去するエアサクションフィルタ62を設け、キャニスタ54から大気への蒸発燃料漏れをチェックするリークチェックモジュール64を設けている。
【0037】
前記内燃機関2には、排気系システムを構成する第2フロントO2センサ30−2よりも上流側の第2分岐排気通路6−2と吸気系システムを構成する第1・第2分岐吸気通路4−1・4−2の合流部位とを連通するEGR通路66を設けている。EGR通路66の途中には、EGR制御バルブ68を設けている。EGR制御バルブ68は、排気系システムから吸気系システムに還流される排気のEGR量を調整する。
【0038】
また、この内燃機関2には、第1・第2シリンダバンク8−1・8−2の第1・第2燃−室14−1・14−2に臨ませて第1・第2点火プラグ70−1・70−2を設け、第1・第2点火プラグ70−1・70−2に飛火させる第1・第2イグニションコイル72−1・72−2を設け、第2シリンダバンク8−2にPCVバルブ74を設け、このPCVバルブ74と第1・第2分岐吸気通路4−1・4−2の上流端部位とを連絡するPCV通路76を設けている。
【0039】
前記アイドル制御弁18と、吸気マニホルド調整負圧ソレノイドバルブ26、第1・第2フロントO2センサ30−1・30−2と、第1・第2リアO2センサ32−1・32−2と、第1・第2燃料噴射弁36−1・36−2と、燃料ポンプ42と、パージ制御バルブ58と、EGR制御バルブ68と、第1・第2イグニションコイル72−1・72−2とは、下流側排気ガスセンサである第1・第2リアO2センサ32−1・32−2の故障診断装置78を構成する制御手段80に接続している。
【0040】
制御手段80には、吸気温度を検出する吸気温センサ82と、吸入空気量を検出する吸入空気量センサ84と、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ86と、吸気管圧力を検出する吸気圧センサ88と、内燃機関2の冷却水温度を検出する水温センサ90と、ノッキングを検出するノックセンサ92と、カム角を検出するカム角センサ94と、クランク角を検出してエンジン回転数センサとしても機能するクランク角センサ96と、車速を検出する車速センサ98と、燃料タンク40内に設けた燃料レベルセンサ100と、リークチェックモジュール64内に設けた蒸発燃料漏れチェック用の圧力センサ102とを、接続している。
【0041】
また、制御手段80には、コンビネーションメータ104と、クルーズコントロールモジュールl06と、表示ランプ108とを接続し、パワーステアリング圧力スイッチ110と、ストップランプスイッチ112と、BCM114と、トランスミッションコントロールモジュール116と、ABSコントロールモジュール118と、データリンクコネクタ120と、A/Cコンデンサファンリレー122と、A/Cコンプレッサクラッチリレー124と、HVACコントロールモジュール126と、A/C冷媒圧力スイッチ128とを接続し、メインリレー130と、イグニションスイッチ132、P/N位置スイッチ134と、スタータマグネットスイッチ136と、バッテリ138とを接続している。
【0042】
第1・第2リアO2センサ32−1・32−2の故障診断装置78は、図1に示すように構成される。なお、この実施例の内燃機関2は、第1・第2シリンダバンク8−1・8−2に、第1・第2暖機用三元触媒28−1・28−2、第1・第2フロントO2センサ30−1・30−2、第1・第2リアO2センサ32−1・32−2、第1・第2燃料噴射弁36−1・36−2を設けて、対称に構成されている。そこで、以下においては、それぞれ単に触媒28、フロントO2センサ30、リアO2センサ32、燃料噴射弁36として記載する。
【0043】
故障診断装置78は、図1に示すように、制御手段80に、フロントO2センサ30およびリアO2センサ32の出力値を用いて燃料噴射弁36の燃料噴射量をフィードバック制御する燃料噴射量制御手段140と、吸気温センサ82等から出力される内燃機関2の運転状態を示すパラメータにより燃料カット運転状態を検出する燃料カット検出手段142と、リアO2センサ32の状態を診断する診断手段144とを、備えている。診断手段144は、リアO2センサ32の出力値の最大値と最小値とを計測する期間の終了時刻をカウントする出力値計測終了カウンタ146と、計測したリアO2センサ32の出力値の最大値と最小値とをカウントする最大値最小値計測カウンタ148とを有している。
【0044】
故障診断装置78は、内燃機関2の排気通路6に設けた触媒28の上流側および下流側に空燃比を制御するためのフロントO2センサ30およびリアO2センサ32を設け、リアO2センサ32の出力値を計測するとともに内燃機関2の運転状態を示すパラメータを計測し、内燃機関2の所定の運転状態にてリアO2センサ32の状態を判定する。
【0045】
この故障診断装置78は、診断手段144によって、フロントO2センサ30およびリアO2センサ32の出力値を用いたフィードバック制御による内燃機関2の理論空燃比運転状態が成立し、内燃機関2の運転状態を示すパラメータを用いた制御による内燃機関2の燃料カット運転状態が成立した場合には、リアO2センサ32の出力値の最大値と最小値の差分と設定値との比較、あるいはリアO2センサ32の出力値の最小値と設定値との比較のいずれかにより、リアO2センサ32の状態を診断する。
【0046】
前記診断手段144は、内燃機関2が燃料カット運転状態から復帰した後のカウントダウン禁止時間内は、出力値計測終了カウンタ146のカウントダウンを禁止する。
【0047】
また、前記診断手段144は、内燃機関2が燃料カット運転状態から復帰した後のカウントダウン禁止時間を、空気量、噴射量、エンジン負荷等によって設定する。
【0048】
さらに、前記診断手段144は、内燃機関2の始動後に触媒28が未活性状態である場合には、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146のカウントダウンを禁止する。
【0049】
さらにまた、前記診断手段144は、内燃機関2が燃料カット運転状態から復帰した後に、リアO2センサ32の出力値が設定値よりも大きくなった場合には、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146のカウントダウンを開始する。
【0050】
次に、図2〜図11に従って作用を説明する。
【0051】
故障診断装置78は、図2に示すように、内燃機関2の始動後開始条件を判定する。図2において、判定がスタートすると(200)、内燃機関2が始動されて(202)、この内燃機関2に供給された空気の積算空気量が設定値よりも大きいか、あるいは、内燃機関2に供給された燃料の積算燃料噴射量が設定値よりも大きいか、あるいは、触媒28の温度が設定値よりも大きくなって暖機が完了したかを判断する(204)。この判断(204)においては、触媒28および触媒28下流側のリアO2センサ32が活性状態であるかを判断する。
【0052】
この判断(204)がNOの場合は、この判断を繰り返す。この判断(204)がYESの場合は、内燃機関2の始動後開始条件成立(図11のA点)とする(205)。
【0053】
このように、内燃機関2を始動した場合には、図8に示すように、触媒28が暖機(昇温)されるまでの間は、触媒28および触媒28下流側のリアO2センサ32が活性(不活性状態)しない。このため、リアO2センサ32は、触媒28下流側の空燃比を設定どおりの安定した出力で信号を発生することができなない。そこで、故障診断装置78は、リアO2センサ32が不活性状態となっている間(始動後開始条件不成立)はリアO2センサ32を診断するための出力値計測終了カウンタ146のカウントダウンを禁止し、誤診断を防止する。
【0054】
内燃機関2は、触媒28および触媒28下流側のリアO2センサ32が活性状態になると(始動後開始条件成立)、燃料噴射量制御手段140により、フロントO2センサ30およびリアO2センサ32の出力値を用いて燃料噴射弁36の燃料噴射量をフィードバック制御される。燃料噴射量制御手段140は、燃料のフィードバック制御中において、フロントO2センサ30およびリアO2センサ32の出力値を用いて、内燃機関2を理論空燃比運転状態、リーン運転状態、リッチ運転状態、燃料カット運転状態などに制御する。
【0055】
この燃料のフィードバック制御中においては、図13に示すように、フロントO2センサ30の動作はリッチ・リーン反転を継続中であり、これに対して、リアO2センサ32の動作は、フロントO2センサ30の動作にほぼ同期するリッチ・リーン反転と、同期していないリッチ・リーン反転とをし、フロントO2センサ30の反転と違うタイミングとなっている。
【0056】
故障診断装置78は、始動後開始条件成立後に、図3に示すように、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146のカウントダウン実施条件を判定する。図3において、判定がスタートすると(300)、燃料カット検出手段142の出力によって燃料カット運転状態であるか否かを判断する(302)。
【0057】
この判断(302)がNOの場合は、この判断を繰り返す。この判断(302)がYESの場合は、出力値計測終了カウンタ146のカウントダウン禁止時間RO2inhtを初期化し(304)、燃料カット運転から復帰したか否かを判断する(306)。
【0058】
この判断(306)がNOの場合は、この判断を繰り返す。この判断(306)がYESの場合は、図10に示す設定値に従ってカウントダウン禁止時間RO2inhtをカウントダウンし(308)し、カウントダウン禁止時間RO2inhtが零「0」になったか否かを判断する(310)。
【0059】
この判断(310)がNOの場合は、カウントダウン禁止時間RO2inhtのカウントダウン(308)に戻る。この判断(310)がYESの場合は、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146のカウントダウン実施条件成立(図11のB点)とする(312)。
【0060】
このように、故障診断装置78は、図9に示すように、燃料カット運転状態から復帰した後に触媒28に溜め込まれた酸素によりリアO2センサ32がリーン状態となる期間をカウントダウン禁止時間RO2inhtとして設定し、燃料カット運転状態の成立時に出力値計測終了カウンタ146のカウントダウン禁止時間RO2inhtを初期化し、燃料カット運転状態から復帰した後に図10の設定値に従ってカウントダウン禁止時間RO2inhtをカウントダウンし、カウントダウン禁止時間RO2inhtが零「0」になると出力値計測終了カウンタ146のカウントダウン実施実施条件成立とする。なお、カウントダウン禁止時間RO2inhtは、図10に示す走行空気量以外に、燃料噴射量、エンジン負荷等によって設定することができる。
【0061】
また、出力値計測終了カウンタ146のカウントダウン実施条件の判定は、図4に示すように行うこともできる。図4おいて、判定がスタートすると(400)、燃料カット運転状態であるか否かを判断する(402)。
【0062】
この判断(402)がNOの場合は、この判断を繰り返す。この判断(402)がYESの場合は、出力値計測終了カウンタ146のカウントダウン禁止時間RO2inhtを初期化し(404)、燃料カット運転から復帰したか否かを判断する(406)。
【0063】
この判断(406)がNOの場合は、この判断を繰り返す。この判断(406)がYESの場合は、図10に示す設定値に従ってカウントダウン禁止時間RO2inhtをカウントダウンし(408)し、リアO2センサ32の出力値が設定値よりも大きいか否かを判断する(410)。
【0064】
この判断(410)がYESの場合は、カウントダウン禁止時間RO2inhtを零「0」にし(412)、カウントダウン禁止時間RO2inhtが零「0」になったか否かを判断する(414)。この判断(410)がNOの場合は、カウントダウン禁止時間RO2inhtが零「0」になったか否かを判断する(414)。
【0065】
この判断(414)がNOの場合は、カウントダウン禁止時間RO2inhtのカウントダウン(408)に戻る。この判断(414)がYESの場合は、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146のカウントダウン実施条件成立(図11のC点)とする(416)。
【0066】
このように、故障診断装置78は、図9に示すように、燃料カット運転状態から復帰した後にリアO2センサ32の出力値が設定値よりも大きい場合にはカウントダウン禁止時間RO2inhtをクリアすることにより、リアO2センサ32の出力値の計測開始時間を速めることができ、リアO2センサ32の故障発生時に故障を可能な限り短期間で診断することができるようになり、特にリアO2センサ32がリッチ出力側(1V)に故障している場合には故障を短期間に検出できるようになる。
【0067】
故障診断装置78は、カウントダウン実施条件成立後に、図5に示すように、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146のカウントダウン開始条件を判定する。図5において、判定がスタートすると(500)、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146を初期化し(502)、始動後開始条件が成立したか否か(図2参照)を判断する(504)。
【0068】
この判断(504)がNOの場合は、この判断を繰り返す。この判断(504)がYESの場合は、フロントO2センサ30およびリアO2センサ32の出力値を用いた燃料噴射量のフィードバック制御による理論空燃比運転状態が成立したか否かを判断する(506)。
【0069】
この判断(506)がNOの場合は、始動後開始条件の判断(504)に戻る。この判断(506)がYESの場合は、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146のカウントダウン実施条件が成立したか否か(図3・図4参照)を判断する(508)。
【0070】
この判断(508)がNOの場合は、始動後開始条件の判断(504)に戻る。この判断(508)がYESの場合は、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146のカウントダウンを開始し(510)、リアO2センサ32の出力値の最大値と最小値との計測を行い、出力値計測終了カウンタ146が零「0」になったか否かを判断する(512)。
【0071】
この判断(512)がNOの場合は、始動後開始条件の判断(504)に戻る。この判断(512)がYESの場合は、リアO2センサ32の出力値の最大値と最小値との計測を終了(図11のD点)する(514)。
【0072】
また、故障診断装置78は、図6に示すように、リアO2センサ32の出力値の最大値と最小値との計測終了条件を判定する。図6において、判定がスタートして(600)、内燃機関2が始動されると(602)、リアO2センサ32の出力値の最大値最小値計測カウンタ148を初期化し(604)、出力値計測終了カウンタ146が零「0」になったか否かを判断する(606)。
【0073】
この判断(606)がNOの場合は、内燃機関2の始動(602)に戻る。この判断(606)がYESの場合は、リアO2センサ32の出力値の最大値と最小値との計測を終了して、図7に示す故障判定のスタート(700)に移行する(608)。
【0074】
このように、故障診断装置78は、リアO2センサ32の出力値の最大値と最小値との計測を、内燃機関2の始動後、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146が0となるまでの期間で実施する。また、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146は、図3の各条件、あるいは図4の各条件が成立する毎にカウントダウンを行う。
【0075】
故障診断装置78は、図7に示すように、判定がスタートすると(700)、リアO2センサ28の最大値と最小値との差分RO2ditを求め(702)、この差分RO2ditが第1の異常判定値である第1設定値よりも小さいか否かを判断する(704)。
【0076】
この判断(704)がYESの場合は、リアO2センサ32の状態を故障と判定する(706)。この判断(704)がNOの場合は、リアO2センサ32の最小値が第2の異常判定値である第2設定値よりも大きいか否かを判断する(708)。
【0077】
この判断(708)がYESの場合は、リアO2センサ32の状態を故障と判定する(710)。この判断(708)がNOの場合は、リアO2センサ32の状態を正常と判定する(742)。
【0078】
これにより、故障診断装置78は、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146が零「0」となった時点までに求まったリアO2センサ32の出力値の最大値と最小値とを設定値と比較し、最大値−最小値が第1設定値よりも小さい場合はリアO2センサ32を故障と判定し、また、最小値が第2設定値よりも大きい場合はリアO2センサ32を故障と判定する。
【0079】
このように、リアO2センサ32の故障診断装置78は、診断手段144によって、フロントO2センサ30およびリアO2センサ32の出力値を用いたフィードバック制御による内燃機関2の理論空燃比運転状態が成立し、内燃機関2の運転状態を示すパラメータを用いた制御による内燃機関2の燃料カット運転状態が成立した場合には、リアO2センサ32の出力値の最大値と最小値の差分と設定値との比較、あるいはリアO2センサ32の出力値の最小値と設定値との比較のいずれかにより、リアO2センサ32の状態を診断する。
【0080】
これにより、この故障診断装置78は、内燃機関2のリッチ運転状態の成立をリアO2センサ32の診断を行うための条件としていないので、内燃機関2のリッチ運転状態を伴わずにリアO2センサ32の故障を診断することができ、排気ガスの成分値の悪化を防止することができる。
【0081】
診断手段144は、内燃機関2が燃料カット運転状態から復帰した後のカウントダウン禁止時間RO2inht内は、出力値計測終了カウンタ146のカウントダウンを禁止している。
【0082】
これにより、故障診断装置78は、燃料カット運転状態から復帰した後のリアO2センサ32の出力値がリーンとなっている状態での診断を行わないので、より正確な故障診断を行うことができる。また、故障診断装置78は、触媒28に溜め込まれた酸素による浄化作用を判定に含めないようにしており、判定精度を高めることができる。
【0083】
また、診断手段144は、内燃機関2が燃料カット運転状態から復帰した後のカウントダウン禁止時間RO2inhtを、空気量、噴射量、エンジン負荷などによって設定している。
【0084】
これにより、故障診断装置78は、内燃機関2が燃料カット運転状態から復帰した後の診断可能なタイミングを的確に設定することができ、無駄な時間(例えば、診断可能なのに判定しないようにする無駄な待ち時間)を減らすことができる。
【0085】
さらに、診断手段144は、内燃機関2の始動後に触媒28が不活性状態である場合には、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146のカウントダウンを禁止している。
【0086】
これにより、故障診断装置78は、内燃機関2の始動時の触媒28の浄化能力による影響を排除して、誤判定する機会を低減することができる。
【0087】
さらにまた、診断手段144は、内燃機関2が燃料カット運転状態から復帰した後に、リアO2センサ32の出力値が設定値よりも大きくなった場合には、リアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146のカウントダウンを開始している。
【0088】
これにより、故障診断装置78は、内燃機関2が燃料カット運転状態から復帰した後のリアO2センサ32の出力値計測終了カウンタ146のカウントダウン開始を早めることができ、故障判定の機会を増すことができ、故障診断の精度を向上することができる。
【0089】
なお、この発明は、上述実施例に限定されることなく、種々応用改変が可能である。
【0090】
例えば、上述実施例においては、内燃機関2の理論空燃比運転状態の成立と内燃機関2の燃料カット運転状態の成立とをリアO2センサ32の診断を行うための条件として設定したが、内燃機関2の加速運転状態の成立と内燃機関2の燃料カット運転状態の成立とをリアO2センサ32の診断を行うための条件として設定することにより、内燃機関2のリッチ運転状態を伴わずにリアO2センサ32の故障を診断することができ、排気ガスの成分値の悪化を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
この発明の下流側排気ガスセンサの故障診断装置は、内燃機関の理論空燃比運転状態の成立と内燃機関の燃料カット運転状態の成立とを下流側排気ガスセンサの診断を行うための条件として設定しており、内燃機関のリッチ運転状態の成立を設定していないことで、内燃機関のリッチ運転状態を伴わずに下流側排気センサの故障を診断することができ、排気ガスの成分値の悪化を防止するものであり、車両に搭載された各種の内燃機関の排気通路に設けた下流側排気ガスセンサの故障診断に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】実施例を示す故障診断装置の概略構成図である。
【図2】始動後開始条件判定のフローチャートである。
【図3】出力値計測終了カウンタのカウントダウン実施条件判定のフローチャートである。
【図4】出力値計測終了カウンタのカウントダウン実施条件判定の他のフローチャートである。
【図5】出力値計測終了カウンタのカウントダウン開始条件判定のフローチャートである。
【図6】リアO2センサの出力値の最大値と最小値との計測条件判定のフローチャートである。
【図7】リアO2センサの故障判定のフローチャートである。
【図8】始動後開始条件判定の設定値を示す図である。
【図9】触媒に溜め込まれた酸素によるリアO2センサのリーン期間を説明するタイムチャートである。
【図10】出力値計測終了カウンタのカウントダウン禁止時間の設定値を示す図である。
【図11】リアO2センサの出力値計測終了カウンタの動作を説明するタイムチャートである。
【図12】内燃機関の概略構成図である。
【図13】正常時のフロントO2センサとリアO2センサとの動きを示すタイムチャートである。
【図14】燃料噴射量が不具合により減少したときのフロントO2センサとリアO2センサとの動きを示すタイムチャートである。
【図15】燃料カット運転から復帰した後のリアO2センサの動きを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0093】
2 内燃機関
4 吸気通路
6 排気通路
12 スロットルバルブ
28−1 第1暖機用三元触媒
28−2 第2暖機用三元触媒
30−1 第1フロントO2センサ
30−2 第2フロントO2センサ
32−1 第1リヤO2センサ
32−2 第2リアO2センサ
36−1 第1燃料噴射弁
36−2 第2燃料噴射弁
78 故障診断装置
80 制御手段
85 吸気温センサ
74 吸入空気量センサ
86 スロットル開度センサ
88 吸気圧センサ
90 水温センサ
92 ノックセンサ
94 カム角センサ
96 クランク角センサ
98 車速センサ
100 燃料レベルセンサ
102 圧力センサ
140 燃料噴射量制御手段
142 燃料カット検出手段
144 診断手段
146 最大値最小値計測カウンタ
148 最大値最小値計測カウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気通路に設けた触媒の上流側および下流側に空燃比を制御するための上流側排気ガスセンサおよび下流側排気ガスセンサを設け、前記下流側排気ガスセンサの出力値を計測するとともに前記内燃機関の運転状態を示すパラメータを計測し、前記内燃機関の所定の運転状態にて前記下流側排気ガスセンサの状態を判定する下流側排気ガスセンサの故障診断装置において、前記上流側排気ガスセンサおよび下流側排気ガスセンサの出力値を用いたフィードバック制御による前記内燃機関の理論空燃比運転状態が成立し、前記内燃機関の運転状態を示すパラメータを用いた制御による前記内燃機関の燃料カット運転状態が成立した場合には、前記下流側排気ガスセンサの出力値の最大値と最小値の差分と設定値との比較、あるいは前記下流側排気ガスセンサの出力値の最小値と設定値との比較のいずれかにより前記下流側排気ガスセンサの状態を診断する診断手段を設けたことを特徴とする下流側排気センサの故障診断装置。
【請求項2】
前記診断手段は、前記下流側排気ガスセンサを診断するための出力値計測の終了時刻をカウントする出力値計測終了カウンタを有し、前記内燃機関が燃料カット運転状態から復帰した後のカウントダウン禁止時間内は前記出力値計測終了カウンタのカウントダウンを禁止することを特徴とする請求項1に記載の下流側排気センサの故障診断装置。
【請求項3】
前記診断手段は、前記内燃機関が燃料カット運転状態から復帰した後のカウントダウン禁止時間を空気量、噴射量、エンジン負荷等によって設定することを特徴とする請求項2に記載の下流側排気センサの故障診断装置。
【請求項4】
前記診断手段は、前記内燃機関の始動後に触媒が不活性状態である場合には、前記下流側排気ガスセンサの出力値計測終了カウンタのカウントダウンを禁止することを特徴とする請求項2に記載の下流側排気センサの故障診断装置。
【請求項5】
前記診断手段は、前記内燃機関が燃料カット運転状態から復帰した後に前記下流側排気ガスセンサの出力値が設定値よりも大きくなった場合には、前記下流側排気ガスセンサの出力値計測終了カウンタのカウントダウンを開始することを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載の下流側排気センサの故障診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−32537(P2007−32537A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221383(P2005−221383)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】