説明

半導体デバイス形成方法

基板ウェーハの裏側及び縁部断面をシールするためのシステム及び方法である。第1の方法の実施例によれば、第1導電型のシリコンウェーハにアクセスする。第1導電型のエピタキシャル層をシリコンウェーハの前面上で成長する。エピタキシャル層をインプラントし、逆の導電型の領域を形成する。成長及びインプラントを繰り返し、逆の導電型の垂直カラムを形成する。ウェーハに更にインプラントを行い、垂直カラムと垂直方向で整合した逆の導電型の領域を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年9月3日にルー等が出願した「基板ウェーハの裏側及び縁部断面をシールするためのシステム及び方法」という表題の米国仮特許出願第61/239,729号(代理人の事件番号:VISH−8781.PRO)の優先権を主張するものである。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
【0002】
本発明の実施例は、半導体の設計及び製造の分野に関し、更に詳細には、基板ウェーハの裏側及び縁部断面をシールするためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
エピタキシーは、例えば単結晶シリコンを単結晶基板上で成長する、又は基板上に付着するプロセスである。例示のプロセスには、化学気相成長法(CVD)が含まれ、この方法では、水素キャリアガス中の四塩化シリコン(SiCl)、三塩化シラン(SiHCl)、二塩化シラン(SiHCl)、及び/又はシラン(SiH)等の気相のシリコン源を、例えば約700℃乃至1200℃の高温でシリコン基板上に通し、エピタキシャル成長プロセスを行う。エピタキシャルプロセスは、非シリコン材料の成長も行うということは理解されよう。
【0004】
エピタキシーは、半導体の成長における重要なプロセスであり、多くの場合、シリコンウェーハを加工して半導体デバイスにする前にシリコンウェーハの研磨した平らな表面上にプレドープシリコンの層を成長するのに使用される。エピタキシーは、コンピュータの電源、ペースメーカー、自動販売機の制御装置、自動車用コンピュータ、等のパワー半導体デバイスの製造で一般的に使用されている。
【0005】
図1A(従来技術)は、「オートドーピング」として知られている、エピタキシャル成長の一つの周知の有害な副作用を示す。オートドーピングは、基板110から発生したドーパントがエピタキシャル層に入り込み、エピタキシャル層のドーピングプロファイルを有害に変化するプロセスである。ドーパントの移動は、例えばプロセスガス中への遊離を含む、基板からエピタキシャル層までの様々な経路をとる。一般的には、オートドーピングは、例えば、エピタキシャル層の降伏電流の低下を含む多くの有害作用をもたらす。更に、オートドーピングプロセスは、一般的には、制御も予測もできない。かくして、オートドーピングは多くの有害な効果をもたらす。
【0006】
ウェーハの裏側に随意の酸化物シール125を形成してもよい。酸化物シール125は、一般的には、、オートドーピングを減少しようとするものである。しかしながら、酸化物シール125は、多数のエピタキシャル層成長プロセス間の多数のクリーニングプロセス中に腐蝕し、「ピンホール」欠陥が生じる場合がある。酸化物シール125がこのように腐蝕すると、酸化物シール125はオートドーピングを防ぐことができない。
【0007】
ウェーハの裏側で望ましからぬエピタキシャル成長が生じた場合、エピタキシャルプロセスに追加の問題点が生じる。図面1B(従来技術)は、プロセスガスに露呈されることによってウェーハ110/酸化物シール125の裏側即ち反対側に形成された不規則なシリコンの「瘤」即ちノジュール130を示す。このようなノジュールが形成される主な場所は酸化物シール125のピンホール欠陥であるが、このようなノジュールは、酸化物シール125がない場所を含むこの他の位置にも形成される。このような瘤は、代表的には、均等ではない。例えば、このような偶然の裏側のエピタキシャル成長は統一的で滑らかな層を形成せず、複数の不規則な瘤を形成する。このようなノジュールによりウェーハの裏側が不均等になり、続いて行われる半導体加工工程の邪魔になる。これは、これらのノジュールのため、ウェーハを加工機械と正確に整合することができないためである。例えば、図面1Bに示すように、ノジュール130のためウェーハ110を平らに置くことはできない。
【0008】
オートドーピング及び不時の裏側のエピタキシャル成長の両方を低減するための、これらの効果を受け入れることを含む多くのシステム及び方法があるが、こうした従来技術の方法は、全ての環境で受け入れられるものではない。更に、多数のエピタキシャル層を使用することは周知である。このような場合には、多数のエピタキシャル成長プロセスによるオートドーピング及び/又は裏側ノジュールの蓄積により、従来の低減技術は何の役にも立たず、即ち満足のいくものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/239,729号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
概括的に述べると、本明細書中、基板ウェーハの裏側及び縁部断面をシールするためのシステム及び方法を開示する。基板ウェーハの裏側及び縁部断面をシールするためのシステム及び方法が望ましい。更に、有害な副作用を蓄積することなく、多数のエピタキシャル層を形成するシステム及び方法が望ましい。更に、垂直トレンチ及び/又は垂直ドープカラムを持つ多数のエピタキシャル層を形成するシステム及び方法が望ましい。更に、基板ウェーハの裏側及び縁部断面をシールするための、従来のウェーハ加工システムと互換性があり且つ補完的なシステム及び方法が望ましい。本発明による実施例は、こうした必要を満たすものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
基板ウェーハの裏側及び縁部断面をシールするためのシステム及び方法を開示する。第1の方法の実施例によれば、第1導電型のシリコンウェーハにアクセスする。第1導電型のエピタキシャル層をシリコンウェーハの前面上で成長する。エピタキシャル層をインプラントし、逆の導電型の領域を形成する。成長及びインプラントを繰り返し、逆の導電型の垂直カラムを形成する。ウェーハに更にインプラントを行い、垂直カラムと垂直方向で整合した逆の導電型の領域を形成する。
【0012】
第2の方法の実施例によれば、シリコン酸化物層を前記シリコンウェーハの全ての表面及び縁部に付着する。シリコン酸化物をシリコンウェーハの前面から除去する。ポリシリコン層をシリコンウェーハの裏面にシリコン酸化物に重ねて付着する。エピタキシャルシリコン層をシリコンウェーハの前側上で成長する。エピタキシャルシリコン層のオートドーピングを、シリコン酸化物層がないウェーハ上でのエピタキシャルシリコンの成長中に生じるオートドーピングよりも減少する。
【0013】
本発明の別の実施例によれば、半導体デバイスは、バルクシリコンを含むシリコン基板と、基板の前側に付着した複数の積み重ねられたエピタキシャルシリコン層とを含む。複数のエピタキシャルシリコン層の各々は、集合して、半導体デバイスに垂直ドープカラムを形成するドープ領域を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】図1A(従来技術)は、「オートドーピング」として周知のエピタキシャル成長の一つの有害な副作用を示す図である。
【図1B】図1Bは、(従来技術)は、プロセスガスに露呈されることによりウェーハの裏側又は反対側に形成される不規則なシリコンの「瘤」即ちノジュールを示す図である。
【図2】図2A、図2B、及び図2Cは、オートドーピング及び/又は裏側でのノジュールの成長を阻止するため、本発明の実施例によるウェーハ基板のシールプロセスを示す図である。
【図3A】図3Aは、本発明の実施例による、シールドウェーハ上でのエピタキシャル成長を示す図である。
【図3B】図3Bは、本発明の実施例による、エピタキシャル層の前面/上面上での不均等な、例えばエピタキシャル層の選択的エピタキシャル成長を示す図である。
【図3C】図3Cは、本発明の実施例による、複数のエピタキシャル層の繰り返しドーピングを示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施例により、更に加工を行った後の最終的な半導体ウェーハ基板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、添付図面を参照して本発明の様々な実施例を以下に詳細に説明する。本発明をこれらの実施例と関連して説明するが、これは、本発明をこれらの実施例に限定しようとするものではないということは理解されよう。それとは逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の精神及び範囲に含まれる変形、変更、及び等価物を含もうとするものである。更に、本発明の以下の詳細な説明において、本発明の完全な理解を提供するため、多くの特定の詳細が記載されている。しかしながら、本発明は、これらの特定の詳細なしで実施してもよいということは当業者には理解されよう。その他の点に関し、周知の方法、手順、構成要素、及び回路は詳細には説明していない。これは、本発明の態様を不必要に不明瞭にしないようにするためである。
【0016】
図2A乃至図2Cは、オートドーピング及び/又は裏面ノジュール成長が生じないようにする、本発明の実施例によるウェーハ基板のシールプロセスを示す。図2Aでは、シリコン基板210は、厚さが約800Å乃至1200Å、例えば約1000Åのシリコン酸化物220によって均等にコーティングされている。アイテム210は、更に、一実施例では、酸化物シール、例えば図1Aの酸化物シール125をその裏面に備えている。例えば、シリコン酸化物220は、ウェーハ210の前面、裏面、及び縁部に付着している。
【0017】
図2Bでは、シリコン酸化物コーティング220の上部分、例えばウェーハ210の上部又は前面の上方のシリコン酸化物220の部分が、例えば研磨によって除去してある。ウェーハ210の上側の僅かな量が除去してあってもよいということは理解されよう。
【0018】
図2Cではポリシリコン層230がウェーハ210の裏側にシリコン酸化物220に被せて付着してある。例えば、シリコン酸化物220はウェーハ210にぴったりと付着しており、ポリシリコン230はシリコン酸化物220にぴったりと付着している。ポリシリコン230の厚さは、約8000Å乃至9000Åであり、例えば約8500Åである。ポリシリコン230の付着は、一実施例では、ウェーハの裏側だけに付着するように行われる。一つの適当なプロセスは、シールドウェーハ環境中での化学気相成長法によるシリコンカーバイドサセプタ上への付着である。
【0019】
図2B及び図2Cに示すプロセス運転は、図示されたのと異なる順番で行われてもよいということは理解されよう。例えば、ポリシリコンをウェーハの全ての面に付着した後、本発明の実施例に従ってシリコン酸化物コーティング220の上部分の除去と関連して前側から除去してもよい。
【0020】
本発明の実施例によれば、シリコン酸化物コーティング220は、エピタキシャル成長中にオートドーピングが生じないようにする。例えば、シリコン酸化物コーティング220は、ウェーハ210から、エピタキシャル層の形成に使用されるプロセスガス混合物にドーパントが移動しないようにする。更に、本発明の実施例によれば、ポリシリコン230は、ウェーハ210の裏側に不均等なノジュールが成長しないようにする。例えば、ポリシリコン230は、エピタキシャルシリコン成長に対して均等な核形成を提供する。かくして、この場合でもエピタキシャル材料がウェーハ210の裏側で成長するが、このような成長は、コーティングが施されていないウェーハの後側に直接的に形成される従来技術で生じる図1Bに示す有害な不均等なノジュールでなく、実質的に均等であり、例えば滑らかな層を形成する。
【0021】
図3Aは、本発明の実施例によるシールドウェーハ上でのエピタキシャル成長を示す。ウェーハ210は、底部及び縁部がシリコン酸化物220でコーティングされている。ウェーハ210の底部は、シリコン酸化物220の一部に被せて付着したポリシリコン230でコーティングされている。
【0022】
エピタキシャル層310がウェーハ210の前面/上面で成長してある。随意であるが、エピタキシャル層320がエピタキシャル層310の上面で成長されている。エピタキシャル層320は、厚さ及びドーピング組成がエピタキシャル層310と異なるということは理解されよう。シリコン酸化物220のシール効果により、エピタキシャル成長プロセス中に有害なオートドーピングが生じず、エピタキシャル層310、320は、有利なことに、所望のドーピング特性を有する。
【0023】
図3Aは、更に、ウェーハ210の底側の実質的に均等なエピタキシー層330を示す。層330は、層310及び/又は320の成長中に形成される。層330は、例えば図1Bにノジュール130によって示すような不均等なシリコンノジュールの有害な取り扱い効果をウェーハ210に及ぼさない。
【0024】
本発明の実施例によれば、ウェーハ210の前面/上面でのエピタキシャル成長は、均等である必要がない。図3Bは、本発明の実施例による、エピタキシャル層310の前面/上面上での不均等なエピタキシャル成長、例えばエピタキシャル層321の選択的エピタキシャル成長を示す。例えば、一領域でのエピタキシャル成長の欠如がトレンチ325を形成する。層321の形成は、選択的エピタキシャル成長を行うための様々な周知のプロセスにも適している。例えば、下側の領域、例えばエピタキシャル層310又は基板210の一領域を、トレンチ325の領域で、エピタキシャル成長前に例えば二酸化シリコン又はシリコンナイトライド等の誘電体フィルムでマスクしてもよい。
【0025】
同様に、複数のエピタキシャル層が、層310及び320で示すように均等に、又は層321及び322で示すように不均等に成長してもよい。トレンチ325等の有利な結果即ち特徴を、こうした特徴を材料の除去によって形成するプロセスとは対照的に、材料の形成の欠如によって形成できる。各エピタキシャル層のドーパント濃度は、所望のドーピングプロファイルが形成されるように、異なっていてもよい。更に、様々な厚さ及び/又はドーピング特性を持つ多くのエピタキシャル層を成長でき、例えばトレンチ325等の特徴が所望の深さを備えていてもよいということは理解されよう。勿論、トレンチ325は、基板で、例えば基板220で終端してもよいし、又は例えば310、321、322等の複数のエピタキシャル層のうちの一つの内部で終端してもよい。
【0026】
更に、本発明による実施例は、他のトレンチ形成方法、例えば材料を除去することによって基板内で終端するトレンチを例えば基板220内に形成する方法と組み合わせてもよい。
【0027】
図3Cは、本発明の実施例による、複数のエピタキシャル層の繰り返しドーピングを示す。例えば、エピタキシャル層341を、層320によって示す(図3A参照)のと同様の方法で成長する。層341の形成後、層341の一部、例えば領域345を周知のプロセスでドーピングする。次いで、エピタキシャル層342を層341上で成長し、層342の一部、例えば領域345を周知のプロセスでドーピングする。
【0028】
例えば、基板210をn型ドーパントでドーピングした場合、エピタキシャル層310、341、342はn型エピタキシャル層であってもよい。領域345をp型ドーパントでドーピングしてもよい。この新規な方法では、所定のドーパント型、例えばp型ドーパントの垂直カラム即ちウェルが形成される。各層が個々に成長し、ドーピングがなされるため、層厚、ドーピング深さ、ドーピング濃度、ドーピング種等が各層の成長及びドーピングプロセスによって異なる。このようなカラム又はウェルは、他のドーピング方法、例えば表面の上方からの従来のウェルインプランテーション(well implantation) では得るのが困難であるか或いは不可能な特性、例えば深さ及び/又はドーピングレベル及び/又はドーピングプロファイルを備えているということは理解されるべきである。
【0029】
図4は、本発明の実施例に従って更にプロセスを加えた後の最終的な半導体ウェーハ基板を示す。図4に示すように、ウェーハ210が所望の厚さを持つように、ウェーハ210の裏側の付着物、例えばエピタキシー330、ポリシリコン230、及びシリコン酸化物220の裏側部分を、例えば研削、又は裏側ラップ仕上げ、又は他の周知のプロセスによって除去してもよい。シリコン酸化物220の側部/縁部もまた、除去してもよい。しかしながら、ウェーハの縁部は、一般的には、最終的な半導体デバイスには使用されず、及びかくしてシリコン酸化物220のこうした縁部を除去する必要はないということは理解されるべきである。
【0030】
図4は、更に、複数のエピタキシャル層、例えばエピタキシャル層360、370に隙間によって形成された随意の垂直トレンチ325を示す。更に、図4は、エピタキシャル材料層を成長した後、こうした層にドーピングを行うサイクルを繰り返すことによって形成された随意のドープカラム345を示す。
【0031】
本発明による実施例は、多数のエピタキシャル層を使用する半導体デバイスの形成に適している。例えば、周知のトレンチ半導体、例えば金属−半導体酸化物−半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)で使用されているトレンチは、多数の、例えば2層乃至20層の選択的に成長したエピタキシャル層から形成される。本発明による実施例は、このような多数のエピタキシャル成長の、従来技術で発生していたような多くの有害な効果をなくし、減少し、低減する。
【0032】
本発明による実施例は、更に、シリコン基板上での非シリコン材料のエピタキシャル成長にも適している。非シリコン材料層には、例えば、ガリウムナイトライド(GaN)、シリコンカーバイド(SiC)、サファイヤ、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム砒素(GaAs)、インジウムアンチモニド(InSb)、鉛硫黄(PbS)、鉛セレナイド(PbSe)、等が含まれる。このような非シリコン材料をシリコン基板上で成長するため、一般的には、先ず最初に一つ又はそれ以上のバッファ層をシリコン基板上部で成長し、シリコン基板と非シリコンエピタキシャル層との間にバッファを形成する。このようなバッファ層は、一般的には、シード添加、格子不整合、応力除去、亀裂がない等のシリコン基板と非シリコンエピタキシャル層との間の問題点を低減しようとするものである。例示のバッファ層は、アルミニウムナイトライド(AlN)、パターンドサファイヤ、ハフニウムナイトライド(HfN)、バリウムフルオライド(BaF2)、等で形成されている。
【0033】
これらのバッファ層を成長し、非シリコン単晶エピタキシャル層の高品質の層を提供するため、一般的には、高温(800℃乃至1250℃)でのプロセス運転が必要とされる。この高温範囲(800℃乃至1250℃)において、シリコン基板は、一般的には、バッファ層の成長中、基板の裏側及び縁部からガス状のシリコン及び/又は砒素を放出する(図1A参照)。こうした遊離したガスは、有害なことに、バッファ層に組み込まれ(オートドーピング)、低品質の汚染されたバッファ層が形成される。バッファ層が汚染されてしまうと、このような汚染されたバッファ層上に低品質のエピタキシャル層が付着する。
【0034】
本発明による実施例は、バッファ層の成長中に基板の裏面及び縁部からのこのようなガスの放出を低減及び/又は阻止するためのシールを形成することである。この新規な方法において、高品質のバッファ層が得られ、有利なことにシリコン基板上で高品質の非シリコンエピタキシャル層を成長できる。
【0035】
要するに、本発明の実施例は、基板ウェーハの裏側及び縁部断面をシールするためのシステム及び方法を提供する。更に、有害な副作用を重ねることなく、多数のエピタキシャル層を形成するシステム及び方法を提供する。更に、垂直トレンチ及び/又は垂直ドープカラムを持つ多数のエピタキシャル層を形成するシステム及び方法を提供する。更に、本発明による実施例は、基板ウェーハの裏側及び縁部断面をシールするための、従来のウェーハ加工システムと互換性があり且つ補完的なシステム及び方法を提供する。
【0036】
かくして、本技術による実施例を説明した。本技術を特定の実施例で説明したが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものと解釈されるべきではなく、添付の特許請求の範囲に従って解釈されるべきであるということは理解されるべきである。当業者には明らかであるが、好ましくは、本明細書中に説明した全てのエレメント、部品、及び工程が含まれる。これらのエレメント、部品、及び工程は、他のエレメント、部品、及び工程に代えてもよいし、なくしてもよいということは理解されるべきである。
【0037】
要約すると、以上の記載は、少なくとも以下の広範な概念を開示したものである。
【0038】
概念1
半導体形成方法において、
第1導電型のシリコンウェーハにアクセスする工程と、
前記第1導電型のエピタキシャル層を前記シリコンウェーハの前面上で成長する工程と、
前記エピタキシャル層をインプラントし、逆の導電型の領域を形成する工程と、
前記成長及びインプラントを繰り返し、前記逆の導電型の垂直カラムを形成する工程とを含む、方法。
【0039】
概念2
概念1に記載の方法において、更に、
前記シリコンウェーハにインプラントを行い、前記垂直カラムと垂直方向で整合した前記逆の導電型の領域を形成する工程を含む、方法。
【0040】
概念3
概念1に記載の方法において、更に、
シリコン酸化物層を前記シリコンウェーハの全ての表面に付着する工程を含む、方法。
【0041】
概念4
概念3に記載の方法において、
前記シリコン酸化物を付着する前記工程は、前記成長工程の前に行われる、方法。
【0042】
概念5
概念4に記載の方法において、更に、
前記シリコン酸化物を前記シリコンウェーハの前面から除去する工程を含む、方法。
【0043】
概念6
概念5に記載の方法において、
前記除去工程は、前記成長工程の前に行われる、方法。
【0044】
概念7
概念4に記載の方法において、更に、
ポリシリコン層を前記シリコンウェーハの裏面に前記シリコン酸化物に重ねて付着する工程を含む、方法。
【0045】
概念8
概念7に記載の方法において、
前記ポリシリコン層を付着する前記工程は、前記成長工程前に行われる、方法。
【0046】
概念9
概念1に記載の方法において、更に、
少なくとも6層の前記エピタキシャル層を成長する工程を含む、方法。
【0047】
概念10
シリコンウェーハ上にエピタキシャルシリコンを成長する方法において、
前記シリコンウェーハの全ての表面及び縁部にシリコン酸化物層を付着する工程と、
前記シリコンウェーハの前面から前記シリコン酸化物を除去する工程と、
ポリシリコン層を前記シリコンウェーハの裏面に前記シリコン酸化物に重ねて付着する工程と、
前記シリコンウェーハの前記前側上でエピタキシャルシリコン層を成長する工程とを含む、方法。
【0048】
概念11
概念10に記載の方法において、
前記エピタキシャルシリコン層のオートドーピングを、前記シリコン酸化物層がないウェーハ上でのエピタキシャルシリコンの成長中のオートドーピングと比較して減少する、方法。
【0049】
概念12
概念10に記載の方法において、更に、
前記エピタキシャルシリコン層上に別のエピタキシャルシリコン層を成長する工程を含む、方法。
【0050】
概念13
概念12に記載の方法において、更に、
前記別のエピタキシャルシリコン層の成長前に前記エピタキシャルシリコン層の一領域をドーピングする工程を含む、方法。
【0051】
概念14
概念12に記載の方法において、
前記別のエピタキシャルシリコン層は、エピタキシャルシリコンがないことを特徴とする隙間を含む、方法。
【0052】
概念15
概念10に記載の方法において、
前記ポリシリコン層上で成長する任意のエピタキシャルシリコンは、前記ポリシリコン層がないウェーハの裏側で成長したエピタキシャルシリコンよりも滑らかであることを特徴とする、方法。
【0053】
概念16
半導体デバイスにおいて、
バルクシリコンを含むシリコン基板と、
前記基板の前側に付着した複数の積み重ねられたエピタキシャルシリコン層とを含み、
前記複数のエピタキシャルシリコン層の各々が、集合して、前記半導体デバイスに垂直ドープカラムを形成するドープ領域を含む、半導体デバイス。
【0054】
概念17
概念16に記載の半導体デバイスにおいて、
少なくとも6つの積み重ねられたエピタキシャル層を含む、半導体デバイス。
【0055】
概念18
概念16に記載の半導体デバイスにおいて、
前記垂直ドープカラムは、表面インプランテーションにより得ることができる深さよりも大きい深さを持つことを特徴とする、半導体デバイス。
【0056】
概念19
シリコンウェーハにおいて、
バルクシリコンと、
前記バルクシリコンの少なくとも一つの平らな表面及び縁部上のシリコン酸化物コーティングと、
前記バルクシリコンの前記平らな表面上の前記シリコン酸化物コーティング上に配置されたポリシリコン層とを含む、シリコンウェーハ。
【0057】
概念21
方法において、
前記シリコンウェーハの全ての表面及び縁部にシリコン酸化物層を付着する工程と、
前記シリコンウェーハの前面から前記シリコン酸化物を除去する工程と、
前記シリコンウェーハの裏面に前記シリコン酸化物に重ねてポリシリコン層を付着する工程と、
前記シリコンウェーハの前記前面にバッファ層を付着する工程と、
非シリコンエピタキシー層を前記シリコンウェーハの前側の前記バッファ層上で成長する工程とを含む、方法。
【符号の説明】
【0058】
130 ノジュール
125 酸化物シール
210 シリコン基板
220 シリコン酸化物
230 ポリシリコン層
310 エピタキシャル層
320 エピタキシャル層
325 トレンチ
330 エピタキシー層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体形成方法において、
第1導電型のシリコンウェーハにアクセスする工程と、
前記第1導電型のエピタキシャル層を前記シリコンウェーハの前面上で成長する工程と、
前記エピタキシャル層をインプラントし、逆の導電型の領域を形成する工程と、
前記成長及びインプラントを繰り返し、前記逆の導電型の垂直カラムを形成する工程とを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、更に、
前記シリコンウェーハにインプラントを行い、前記垂直カラムと垂直方向で整合した前記逆の導電型の領域を形成する工程を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、更に、
シリコン酸化物層を前記シリコンウェーハの全ての表面に付着する工程を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
前記シリコン酸化物を付着する前記工程は、前記成長工程の前に行われる、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、更に、
前記シリコン酸化物を前記シリコンウェーハの前面から除去する工程を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記除去工程は、前記成長工程の前に行われる、方法。
【請求項7】
請求項4に記載の方法において、更に、
ポリシリコン層を前記シリコンウェーハの裏面に前記シリコン酸化物に重ねて付着する工程を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
前記ポリシリコン層を付着する前記工程は、前記成長工程前に行われる、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、更に、
少なくとも6層の前記エピタキシャル層を成長する工程を含む、方法。
【請求項10】
シリコンウェーハ上にエピタキシャルシリコンを成長する方法において、
前記シリコンウェーハの全ての表面及び縁部にシリコン酸化物層を付着する工程と、
前記シリコンウェーハの前面から前記シリコン酸化物を除去する工程と、
ポリシリコン層を前記シリコンウェーハの裏面に前記シリコン酸化物に重ねて付着する工程と、
前記シリコンウェーハの前記前側上でエピタキシャルシリコン層を成長する工程とを含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、
前記エピタキシャルシリコン層のオートドーピングを、前記シリコン酸化物層がないウェーハ上でのエピタキシャルシリコンの成長中のオートドーピングと比較して減少する、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法において、更に、
前記エピタキシャルシリコン層上に別のエピタキシャルシリコン層を成長する工程を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、更に、
前記別のエピタキシャルシリコン層の成長前に前記エピタキシャルシリコン層の一領域をドーピングする工程を含む、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法において、
前記別のエピタキシャルシリコン層は、エピタキシャルシリコンがないことを特徴とする隙間を含む、方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法において、
前記ポリシリコン層上で成長する任意のエピタキシャルシリコンは、前記ポリシリコン層がないウェーハの裏側で成長したエピタキシャルシリコンよりも滑らかであることを特徴とする、方法。
【請求項16】
半導体デバイスにおいて、
バルクシリコンを含むシリコン基板と、
前記基板の前側に付着した複数の積み重ねられたエピタキシャルシリコン層とを含み、
前記複数のエピタキシャルシリコン層の各々が、集合して、前記半導体デバイスに垂直ドープカラムを形成するドープ領域を含む、半導体デバイス。
【請求項17】
請求項16に記載の半導体デバイスにおいて、
少なくとも6つの積み重ねられたエピタキシャル層を含む、半導体デバイス。
【請求項18】
請求項16に記載の半導体デバイスにおいて、
前記垂直ドープカラムは、表面インプランテーションにより得ることができる深さよりも大きい深さを持つことを特徴とする、半導体デバイス。
【請求項19】
シリコンウェーハにおいて、
バルクシリコンと、
前記バルクシリコンの少なくとも一つの平らな表面及び縁部上のシリコン酸化物コーティングと、
前記バルクシリコンの前記平らな表面上の前記シリコン酸化物コーティング上に配置されたポリシリコン層とを含む、シリコンウェーハ。
【請求項20】
方法において、
前記シリコンウェーハの全ての表面及び縁部にシリコン酸化物層を付着する工程と、
前記シリコンウェーハの前面から前記シリコン酸化物を除去する工程と、
前記シリコンウェーハの裏面に前記シリコン酸化物に重ねてポリシリコン層を付着する工程と、
前記シリコンウェーハの前記前面にバッファ層を付着する工程と、
非シリコンエピタキシー層を前記シリコンウェーハの前側の前記バッファ層上で成長する工程とを含む、方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−504217(P2013−504217A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528090(P2012−528090)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/047827
【国際公開番号】WO2011/029010
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(509268440)
【氏名又は名称原語表記】VISHAY−SILICONIX
【Fターム(参考)】