説明

半導体基板の平坦化装置および平坦化方法

【課題】半導体基板裏面を高スループットで研削、研磨加工し、基板を薄肉化・平坦化することができる異物の付着が少ない半導体基板を製造する平坦化装置の提供。
【解決手段】半導体基板の裏面研削加工ステージ前にエッジ部をテープ研磨する位置あわせ機能付きエッジ研磨機器150を設け、エッジ研磨することにより半導体基板の割れやエッジ部チッピング防止を図り、基板裏面研磨ステージ後に薬剤洗浄機器9を設け、平坦化加工された極薄厚の半導体基板に付着する粒径1μm以下の異物の個数を100個以下にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IC基板の前処理工程において半導体基板の裏面を
研削および研磨して基板を薄肉、平坦化するに用いる平坦化装置および半導体基板の平坦化方法に関する。特に、半導体基板のシリコン基盤層の厚みが20〜70μmまでの厚みまでに薄肉化平坦化加工するにおいて半導体基板に割れやチッピングを生じることなく加工することができ、平坦化加工された半導体基板の表面に付着する粒径1μm未満の異物の数が100個以下とクリーンな平坦化加工半導体基板を加工する方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体基板を研削・研磨して基板を薄肉化および鏡面化する平坦化装置として、基板を真空吸着保持できる基板ホルダーテーブルの複数基を下方に配置し、それぞれの基板ホルダーテーブルの上方に粗研削砥石を備える回転スピンドル、仕上研削砥石を備える回転スピンドル、および研磨工具を備える回転スピンドルを配置し、基板収納カセット内に保管されている基板を位置合わせ用の仮置台へ搬送する多関節型搬送ロボット、基板ホルダーテーブル上の基板を次ぎの加工ステージへと搬送する搬送パッドを備えた搬送器具および基板洗浄機器を備える平坦化装置が使用されている。
【0003】
例えば、ウェーハを研削する研削手段と、該研削手段で研削されたウェーハを研磨する研磨手段と、前記ウェーハの径よりも小径に形成されたウェーハ保持部材、及び該ウェーハ保持部材に保持されたウェーハの周縁を面取りする面取り用砥石を有する面取り手段と、該面取り手段による面取り加工後のウェーハを前記研削手段に搬送する搬送手段又は前記研磨手段による研磨加工後のウェーハを前記面取り手段のウェーハ保持部材に搬送する搬送手段とを備えた平面加工装置が提案され、研削加工および研磨加工されたウェーハを面取り手段のステージ上に搭載した後、面取り用砥石によって研磨後のウェーハの鋭利なエッジ部を面取りし、その後、この平坦化加工されたウェーハをカセット内に収納する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
前記特許文献1の平坦化装置に類似する平坦化装置として、同一のインデックス型回転テーブルに4組の基板ホルダーテーブル(真空チャック)を設置し、その内の1つの基板ホルダーテーブルを基板のローディング/アンローディングステージとし、残りの3つの基板ホルダーテーブルの上方にそれぞれ粗研削カップホイール型ダイヤモンド砥石を備える回転スピンドル、仕上研削カップホイール型ダイヤモンド砥石を備える回転スピンドル、ドライ・ポリッシュ平砥石を備える回転スピンドルを配した平坦化装置も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
この平坦化装置においては、ドライ・ポリッシュ平砥石を備える回転スピンドルは、第4の研磨ステージに割り振られた研磨ステージの基板ホルダーテーブルの保持面に垂直な方向に移動可能および保持面に平行な方向に直線揺動可能(reciprocate)に設置されている。
【0006】
先に、本願特許出願人は、300mm径の半導体基板のスループットが20〜25枚/時目標の図7に示す基板の平坦化装置10を提案した(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
この平坦化装置10は、基板収納ステージ13を室外に備え、室内にはベース11上に多関節型搬送ロボット14、位置合わせ用仮置台15、移動型搬送パッド16、基板ローディング/アンローディングステージS1、粗研削ステージS、および仕上研削ステージSの3つのステージを構成する部材の基板ホルダー30a,30b,30cを第1インデックス型回転テーブル2に同心円上に配置した研削加工ステージ20、基板ローディング/アンローディング/仕上研磨ステージpsを構成する基板ホルダーテーブル70aと、粗研磨ステージpsを構成する基板ホルダーテーブル70bを第2インデックス型回転テーブル71に同心円上に配置した研磨加工ステージ70を設けた基板平坦化装置である。
【0008】
この基板用平坦化装置10を用いて半導体基板裏面の平坦化を行う平坦化方法は、以下の工程を経て行われる。
【0009】
1)基板収納ステージの収納カセット13内に保管されている基板を多関節型搬送ロボット14の吸着パッドに吸着し、位置合わせ用仮置台15上に搬送し、そこで基板のセンタリング位置調整を行う。
【0010】
2)位置合わせされた基板上面を前記多関節型搬送ロボット14の吸着パッドに吸着させ、ついで、第1インデックス型回転テーブル20に設けられた基板ローディング/アンローディングステージS1を構成する基板ホルダーテーブル30a上に移送する。
【0011】
3)第1インデックス型回転テーブル20を時計廻り方向に120度回転させることにより、基板ローディング/アンローディングステージS1位置の基板ホルダーテーブル30aに真空チャックされている基板を粗研削ステージSの基板ホルダーテーブル30b位置へと移送する。
【0012】
4)粗研削ステージSで砥番800〜1,800のカップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石90aを用いて基板裏面を粗研削する。この間に、多関節型搬送ロボット14を用い前記第1工程と第2工程が行われ、新たな基板が基板ローディング/アンローディングステージ上に搬送される。
【0013】
5)第1インデックス型回転テーブル20を時計廻り方向に120度回転させることにより、粗研削された基板を仕上研削ステージSの基板ホルダーテーブル30c位置へと移送するとともに、基板ローディング/アンローディングステージS位置の基板ホルダーテーブル30a上の基板を粗研削ステージSへと移送する。
【0014】
6)仕上研削ステージSで砥番2,000〜8,000のカップホイール型ダイヤモンドメタルボンド砥石もしくは砥番2,000〜8,000のカップホイール型ダイヤモンドビトリファイドボンド砥石91aを用い前記粗研削された基板裏面を仕上研削する。この間に、粗研削ステージで基板裏面はカップホイール型ダイヤモンド砥石90aを用いて粗研削されるとともに、多関節型搬送ロボット14により新たな基板が位置合わせ用仮置台15を経由して基板ローディング/アンローディングステージS位置の基板ホルダーテーブル30a上に搬送される。
【0015】
7)第1インデックス型回転テーブル20を時計廻り方向に120度回転させる、または時計逆廻り方向に240度回転させることにより、仕上研削された基板を基板ローディング/アンローディングステージS上へと移送、粗研削された基板を仕上研削ステージへSと移送する。
【0016】
8)第1インデックス型回転テーブル20の基板ローディング/アンローディングステージS位置にある基板ホルダーテーブル30a上の仕上研削された基板の上面に回転洗浄ブラシを下降させ、洗浄液を基板上面に供給しながら基板上面を洗浄し、次いで移動型搬送パッド16の吸着パッド面に研削・洗浄された基板上面を吸着し、ついで、第2インデックス型回転テーブル71に設けられた基板ローディング/アンローディング/仕上研磨ステージpsに位置する基板ホルダーテーブル上へと移送する。この基板の移送の間に第1インデックス型回転テーブルの基板ローディング/アンローディングステージS位置にある基板ホルダーテーブル30a上面は回転式セラミック製チャッククリーナにより洗浄される。基板ホルダー30a上面を洗浄後、多関節型搬送ロボット14により新たな基板が位置合わせ用仮置台15を経由して基板ローディング/アンローディングステージS位置の基板ホルダーテーブル30a上に搬送される前述の第1工程および第2工程が行われる。また、第1インデックス型回転テーブル20の粗研削ステージSに位置する基板ホルダーテーブル30b上の基板は、前述の第4工程の粗研削が行われるとともに、第1インデックス型回転テーブル20の仕上研削ステージSに位置する基板ホルダーテール30c上の基板には、前述の第6工程の仕上研削が行われる。
【0017】
9)前記基板の粗研削加工後、第2インデックス型回転テーブル71は時計回り方向または逆時計回り方向に180度回転され、研削・洗浄された基板は第2インデックス型回転テーブル71に設けられた粗研磨ステージps位置へと移動される。この動作に平行して前述の第7工程が実行される。
【0018】
10)第2インデックス型回転テーブル71に設けられた粗研磨ステージpsに位置する基板ホルダーテーブル70b上に保持された基板上面に回転する粗研磨パッド73‘が下降され、基板面を摺擦する。この基板と粗研磨パッド摺擦の際、研磨砥粒を水に分散させた研磨剤スラリー液が研磨剤スラリー液供給機構から直接基板上面にまたは粗研磨パッドを経由して基板上面に供給されるとともに粗研磨パッドは基板面上で摺擦揺動される。同時平行して前述の第8工程が実行される。
【0019】
11)第2インデックス型回転テーブル71は時計回り方向または逆時計回り方向に180度回転され、粗研磨加工された基板は第2インデックス型回転テーブルの基板ローディング/アンローディング/仕上研磨ステージps位置へと移動される。同時に第1インデックス型回転テーブル20を時計廻り方向に120度または時計逆回り方向240度回転させることにより、仕上研削された基板を基板ローディング/アンローディングステージS上へと移送、粗研削された基板を仕上研削ステージSへと移送、基板ローディング/アンローディングステージS上の基板を粗研削ステージSへと移送する。
【0020】
12)第2インデックス型回転テーブル71の基板ローディング/アンローディング/仕上研磨ステージpsでは、基板ホルダーテーブル70a上に保持された粗研磨加工基板上面に仕上研磨パッド73が回転されつつ下降され、基板面を摺擦する。この基板と仕上研磨パッド摺擦の際、研磨砥粒を含有しない洗浄液、例えば純水が洗浄液供給機構から直接基板上面に、または、仕上研磨パッド73の研磨布またはウレタン発泡製シートパッドを経由して基板上面に供給されるとともに仕上研磨パッド73は揺動される。仕上研磨された基板は、吸着パッドをアームに備える基板搬送器具または多関節型搬送ロボット14を用いて次ぎの加工ステージもしくは基板収納カセット13内へと搬送される。第2インデックス型回転テーブル71の基板ローディング/アンローディング/仕上研磨ステージps位置の基板ホルダーテーブル70a上が空いた後、第1インデックス型回転テーブル20の基板ローディング/アンローディングステージS位置にある基板ホルダーテーブル30a上の研削・洗浄された基板を移動型吸着パッド16で吸着し、ついで、第2インデックス型回転テーブル71に設けられた基板ローディング/アンローディング/仕上研磨ステージpsに位置する基板ホルダーテール73上へと移送する。同時平行して第1インデックス型回転テーブル20の各ステージS,S,Sおよび第2インデックス型回転テーブル71の粗研磨ステージpsでは、前述の第8工程を含む第10工程が実行される。
【0021】
13)以後、前述の第11工程および第12工程を繰り返し、半導体基板の基板面を研削・洗浄・研磨し、基板を薄肉化および平坦化する作業を連続的に行う。
【0022】
前記特許文献1記載の半導体基板の平坦化装置は、研磨加工ウエーハのエッジを面取りしてウエーハの割れを防止するものであるが、半導体基板の周縁部を周方向に沿って切断して,裏面に対して略垂直な垂直切断面または裏面側から表面側にかけて外側に傾斜した傾斜切断面を形成する周縁部切断工程と、周縁部が切断された半導体基板の裏面を垂直切断面または傾斜切断面を残存させながら平面研削す
る裏面研削工程とを含むことを特徴とする半導体基板の平面研削方法が提供されている。かかる裏面研削時に鋭角形状となりうる箇所を予め除去して裏面研削用の面取り加工を行うことにより半導体基板の裏面研削時には,研削に伴う負荷を鋭角形状ではないエッジで受けることができるので,周縁部に生ずるチッピングや半導体基板の割れを抑制できるというものである(例えば、特許文献4参照)。
【0023】
さらに、半導体基板表面に付着した研削屑や研磨屑、金属不純物を除去する洗浄方法として加工基盤面をアンモニア水でブラシスクラブ洗浄した後、純水またはオゾン溶解水、あるいはふっ酸水でリンス洗浄して半導体基板の表面に付着する粒径1μm未満の異物の数が100個以下とクリーンな平坦化加工半導体基板を得る洗浄方法も提案されている(例えば、特許文献5、特許文献6参照)。
【0024】
【特許文献1】特開2001−252853号公報
【特許文献2】特開2005−98773号公報
【特許文献3】特開2007−260850号公報
【特許文献4】特開2003−273053号公報
【特許文献5】特開2000−91291号公報
【特許文献6】特開平6−267918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
次世代の300mm径の半導体基板のシリコン基板層の厚みを20〜50μmにまで薄肉化することを要望する半導体基板加工メーカーは、次世代の基板の平坦化加工装置として、平坦化装置がコンパクト(フットプリントが小さい)で、スループットが20〜30枚/時可能であり、薄肉化された半導体基板の表面に付着する粒径1μm未満の異物の数が100個以下とクリーンな平坦化加工半導体基板が得られる平坦化装置の出現を要望している。
【0026】
前記特許文献1および特許文献3に記載の平坦化加工装置は、半導体基板の裏面研削加工と裏面研磨加工が同一インデックス型回転テーブル上で行われるため、研磨ステージ部分が研削ステージで発生した研削屑により汚れやすい欠点がある。さらに、特許文献1に記載のエッジ部面取り砥石や特許文献4に記載のエッジ部斜め面取り研削砥石を用いるエッジ部面取り方法では厚み70μmを越える厚みのシリコン基盤を得る基盤のエッジ部面取り加工ではチッピングがシリコン基盤エッジ部に生じないが、厚み70μm以下のシリコン基盤目標となるとチッピングが生じ易くなるとともに、配線プリント面を保護している保護テープが基盤エッジ部で剥離し、研削屑や研磨屑が基盤エッジ外周に付着しやすくなり、20〜50μm厚のシリコン基盤を得るにおいてはエッジ処理の砥石回転速度を遅くしてチッピングの発生が生じないようにする必要があるとともに、保護テープとシリコン基盤エッジ部外周に付着した異物粒子を取り除く工程が必要となり、スループットが20枚/時を越えることは困難であることが判明した。
【0027】
前記特許文献2に記載の半導体基板の平坦化装置は、スループットが20〜25枚/時と高いものである。しかし、厚み20〜50μm目標のシリコン基盤を得る平坦化加工においては、基盤のエッジ部にチッピングが生じるので、特許文献1や特許文献3の記載の平坦化装置のようにエッジ面取り処理を施してスループットを26〜30枚/時を目標とするのが好ましい。更に、シリコン基盤層20〜50μm厚に仕上げ研削されるステージにおいて、2点式インプロセスゲージ6を用いて厚み測定しており、半導体基板加工メーカーは、2点式インプロセスゲージ6に研削屑が付着し、次に研削加工される半導体基板の汚れや割れに影響を及ぼしているのでないかと懸念する。
【0028】
本発明は、特許文献3に記載の半導体基板の平坦化装置を改良し、半導体基板のエッジ部面取り装置を付属させるとともに、仕上研削加工された半導体基板の厚みを非接触で測定できる厚み測定機器と、平坦化加工された半導体基板の加工面を薬剤洗浄する洗浄機器を付属させることにより、クリーンな半導体基板を高スループット(26〜30枚/時)で製造できる半導体基板の平坦化装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
請求項1の発明は、基板収納ステージを室外に、多関節型搬送ロボット、位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器、研削加工ステージ、一対の天井吊り下げ型移動型搬送パッド、研磨加工ステージ、基板薬剤洗浄機器およびを室内に備える基板用平坦化装置において、 該平坦化装置の正面側から背面側に向かって、室外の右側に基板収納ステージを設け、 室内においては、室内の前列目に前記基板収納ステージ近傍の右側位置に多関節型搬送ロボットを、その多関節型搬送ロボットの左側の中央位置に研磨ステージを、その研磨ステージの左側の左側位置に基板薬剤洗浄機器よりなる基板薬剤洗浄ステージを設け、および前記多関節型搬送ロボットと研磨ステージの間に第一の乾燥空気吹きつけ機器を設け、前記多関節型搬送ロボットの後列右側に位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器を、および前記多関節型搬送ロボットの後列中央側に時計廻り方向に基板ローディング/基板アンローディングステージ、粗研削ステージ、および、仕上研削ステージの3つのステージを構成する3台の基板ホルダーテーブルを第1インデックス型回転テーブルに同心円上に配置した研削加工ステージを設けるとともに、前記関節型搬送ロボットおよび基板ローディング/基板アンローディングステージを挟む位置に天井吊り下げ型基板搬送パッドの一対を設け、かつ、前記基板薬剤洗浄ステージの後列であって前記研磨ステージの左側位置に第三の基板搬送パッドと第二の乾燥空気吹きつけ機器を並設させ、 前記基板ローディング/基板アンローディングステージを構成する基板ホルダーテーブル上方に、基板ホルダーテーブル上面を洗浄する回転式チャッククリーナおよび仕上げ研削加工された基板面を洗浄する回転式洗浄ブラシ一対を備える洗浄機器を基板ホルダーテーブル上面に対し垂直方向および平行方向に移動可能に設け、 前記粗研削ステージを構成する基板ホルダーテーブル上方に粗研削カップホイール型ダイヤモンド砥石を備えるスピンドルを基板ホルダーテーブル上面に対し昇降可能に設け、および、前記仕上研削ステージを構成する基板ホルダーテーブル上方に仕上研削カップホイール型ダイヤモンド砥石を備えるスピンドルを基板ホルダーテーブル上面に対し昇降可能に設け、 前記基板ホルダーテーブルと多関節型搬送ロボットと一対の天井吊り下げ型基板搬送パッドと回転式チャッククリーナおよび回転式洗浄ブラシを備える洗浄機器とで基板ローディング/基板アンローディングステージを構成し、前記基板ホルダーテーブルと前記粗研削カップホイール型ダイヤモンド砥石と2点式インプロセスゲージとで粗研削ステージを構成し、前記基板ホルダーテーブルと前記仕上研削カップホイール型ダイヤモンド砥石と非接触型基板厚み測定機器とで仕上研削ステージを構成し、 前記研磨ステージは、基板ローディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージを構成する基板ホルダーテーブルと、粗研磨ステージを構成する基板ホルダーテールを第2インデックス型回転テーブルに同心円上に配置した研磨加工ステージとして設け、 前記仕上研磨ステージを構成する基板ホルダーテーブル上方に、洗浄液供給機構および研磨パッドを回転可能に軸承するスピンドルを前記基板ホルダーテーブル上面に対し昇降可能および平行に揺動可能に設け、この基板ホルダーテーブルと研磨パッドと洗浄液供給機構と前記移動型搬送パッドと多関節型搬送ロボットまたは別の搬送パッドまたは多関節型搬送ロボットとで基板ローディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージを構成し、 前記粗研磨ステージを構成する基板ホルダーテーブル上方に、研磨剤スラリー液供給機構および研磨パッドを回転可能に軸承するスピンドルを前記基板ホルダーテーブルと研磨パッドとで基板粗研磨ステージを構成することを特徴とする、半導体基板の平坦化装置を提供するものである。
【0030】
請求項2の発明は、請求項1に記載の半導体基板用平坦化装置を用い、以下の工程を経て半導体基板裏面の平坦化を行うことを特徴とする、半導体基板裏面の薄肉平坦化方法を提供するものである。 1)基板収納ステージの収納カセット内に保管されている半導体基板を多関節型搬送ロボットの吸着パッドに吸着し、位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器のチャックテーブル上に搬送し、そこで半導体基板のセンタリング位置調整およびエッジ研磨加工を行う。前記多関節型搬送ロボットのアームは、待機位置へ戻る。 2)位置合わせされた半導体基板のシリコン基盤上面を第一天井吊り下げ型搬送パッドに吸着させ、ついで、第1インデックス型回転テーブルに設けられた基板ローディング/基板アンローディングステージを構成する基板ホルダーテーブル上へと移送する。 3)第1インデックス型回転テーブルを回転させることにより、基板ローディング/基板アンローディングステージ位置の基板ホルダーテーブルに真空チャックされている半導体基板を粗研削ステージの基板ホルダーテーブル位置へと移送する。 4)粗研削ステージで砥番170〜330のカップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石を用いて半導体基板のシリコン基盤面を粗研削する。この間に、多関節型搬送ロボットと第一天井吊り下げ型搬送パッドと位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器を用い前記第1工程と第2工程を行い、新たな半導体基板が基板ローディング/基板アンローディングステージ上に搬送される。 5)第1インデックス型回転テーブルを回転させることにより、粗研削された基板を仕上研削ステージの基板ホルダーテーブル位置へと移送するとともに基板ローディング/基板アンローディングステージ位置の基板ホルダーテーブル上の半導体基板を粗研削ステージへと移送する。 6)仕上研削ステージで砥番1,800〜8,000のカップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石またはカップホイール型ダイヤモンドビトリファイドボンド砥石を用いて粗研削加工された半導体基板のシリコン基盤面を仕上げ研削する。この間に、粗研削ステージでは砥番170〜330のカップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石を用いて半導体基板のシリコン基盤面が粗研削されるとともに、多関節型搬送ロボットと第一天井吊り下げ型搬送パッドと位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器を用い前記第1工程と第2工程を行うことにより新たな半導体基板が基板ローディング/基板アンローディングステージ位置の基板ホルダーテーブル上に搬送される。 7)第1インデックス型回転テーブルを回転させることにより、仕上げ研削された半導体基板を基板ローディング/基板アンローディングステージの基板ホルダーテーブル位置へと移送するとともに粗研削された半導体基板を仕上研削ステージへと移送する。 8)第1インデックス型回転テーブルの基板ローディング/基板アンローディングステージ位置にある基板ホルダーテーブル上の仕上研削された半導体基板のシリコン基盤面に回転洗浄ブラシを下降させ、洗浄液をシリコン基盤面に供給しながらシリコン基盤面を洗浄し、次いで第二天井吊り下げ型搬送パッドの吸着パッド面に研削・洗浄された半導体基板のシリコン基盤面を吸着したのち、第二天井吊り下げ型搬送パッドを第一の乾燥空気吹きつけ機器上を通過させて半導体基板面を空気洗浄させ、しかる後に第2インデックス型回転テーブルに設けられた基板ローディング/アンローディング/仕上研磨ステージに位置する基板ホルダーテーブル上へと移送する。この半導体基板の移送の間に第1インデックス型回転テーブルの基板ローディング/基板アンローディングステージ位置にある基板ホルダーテーブル上面は回転式セラミック製チャッククリーナにより洗浄される。その後、多関節型搬送ロボットと第一天井吊り下げ型搬送パッドと位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器を用い前記第1工程と第2工程を行うことにより新たな半導体基板が第1インデックス型回転テーブルの基板ローディング/基板アンローディングステージ位置の基板ホルダーテーブル上に搬送される。ま
た、この間に、第1インデックス型回転テーブルの粗研削ステージに位置する基板ホルダーテーブル上の半導体基板には、前述の第4工程の粗研削加工が行われるとともに、第1インデックス型回転テーブルの仕上研削ステージに位置する基板ホルダーテーブル上の基板には前述の第6工程の仕上研削加工が行われる。 9)第2インデックス型回転テーブルに設けられた粗研磨ステージに位置する基板ホルダーテーブル上に保持された基板上面に回転する粗研磨パッドが下降され、基板面を摺擦する。この基板と粗研磨パッド摺擦の際、研磨砥粒を水に分散させた研磨剤スラリー液が研磨剤スラリー液供給機構から直接基板上面にまたは粗研磨パッドを経由して半導体基板のシリコン基盤面に供給されるとともに粗研磨パッドは該シリコン基盤面上で前後に摺擦揺動される。同時平行して前述の第8工程が実行される。 10)第2インデックス型回転テーブルは時計回り方向または逆時計回り方向に180度回転され、粗研磨加工された半導体基板は第2インデックス型回転テーブルの基板ローディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージ位置へと移動される。同時平行して第1インデックス型回転テーブルを回転させることにより、仕上研削された半導体基板を基板ローディング/基板アンローディングステージ上へと移送、粗研削された半導体基板を仕上研削ステージへと移送する。 11)第2インデックス型回転テーブルの基板ローディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージでは、基板ホルダーテーブル上に保持された粗研磨加工基板上面に仕上研磨パッドが回転しつつ下降され、半導体基板のシリコン基盤面を摺擦する。このシリコン基盤と仕上研磨パッドを摺擦する際、研磨砥粒を含有しない洗浄液が洗浄液供給機構から直接半導体基板のシリコン基盤面にまたは仕上研磨パッドの研磨布またはウレタン発泡製シートパッドを経由して半導体基板のシリコン基盤面に供給されるとともに仕上研磨パッドは前後に摺擦揺動される。一方、同時平行して第2インデックス型回転テーブルの粗研磨ステージおよび第1インデックス型回転テーブルの基板ローディング/基板アンローディングステージ、粗研削ステージおよび仕上研削ステージでは、前述の第9工程が実行される。 12)仕上研磨加工された半導体基板は、第三の基板搬送パッドにより把持され、ついで薬剤洗浄機器のチャックテーブル上へ移送される。ついで、チャックテーブル上の半導体基板のシリコン基盤面を薬剤洗浄、リンス洗浄した後、第三の基板搬送パッドにより再び把持され、第二の乾燥空気吹きつけ機器上を通過させて半導体基板を空気洗浄したのち、次工程の加工ステージへと移送される。一方、前記第1インデックス型回転テーブルの各ステージおよび第2インデックス型回転テーブルの各ステージでは、前述の第10工程が実行される。 13)以後、前述の第11工程および第12工程を繰り返し、半導体基板のシリコン基盤面を研削・洗浄・研磨・洗浄する半導体基板の薄肉化・平坦化作業を連続的に行う。
【発明の効果】
【0031】
半導体裏面の裏面研削工程を行う前に半導体基板のエッジ部を研磨テープにより面取りすること、および、仕上研削工程中の半導体基板の厚みを非接触型厚み測定計で測定することにより、以後の研削工程、研磨工程、洗浄工程および基板搬送工程において半導体基板に割れやエッジ部にチッピングが生じる機会が極めて稀となる。
【0032】
また、半導体基板の薬剤洗浄機器を平坦化装置内にインプラントすることにより平坦化加工された半導体基板に付着する粒径1μm未満の異物の数を100個以下とクリーンにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図を用いて本発明をさらに詳細に説明する。図1は半導体基板の平坦化装置の平面図、図2は第1インデックス型回転テーブルに設けられた基板ホルダーテーブル(真空チャック)の一部を切り欠いた断面図、図3は半導体基板の非接触型厚み測定機器の正面図、図4は研磨ステージの一部を切り欠いた側面図、図5は位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器の正面図、および、図6は基板薬剤洗浄機器の正面断面図である。
【0034】
図1に示す半導体基板裏面の平坦化装置10は、基板収納ステージ13,13を室仕切壁12の外側に備え、室仕切壁12の内側にはベース11上に多関節型搬送ロボット14、位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器150、研削加工ステージ20、一対の天井吊り下げ型移動型搬送パッド16a,16b、研磨加工ステージ70、基板薬剤洗浄機器9、基板搬送パッド16cを備える。この平坦化装置10の室仕切壁12の左側には次工程の保護テープ剥離ステージ300が設けられている。
【0035】
この平坦化装置10の正面側から背面側に向かって、室外の右側に基板収納ステージ13,13を設け、室内においては、室内の前列目に前記基板収納ステージ近傍の右側位置に多関節型搬送ロボット14を、その多関節型搬送ロボットの左側の中央位置に研磨ステージ70を、その研磨ステージの左側の左側位置に基板薬剤洗浄機器よりなる基板薬剤洗浄ステージ9を設け、および前記多関節型搬送ロボット14と研磨ステージ70の間に第一の乾燥空気吹きつけ機器8aを設け、前記多関節型搬送ロボット14の後列右側に位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器150を、および前記多関節型搬送ロボットの後列中央側に時計廻り方向に基板ローディング/基板アンローディングステージS、粗研削ステージS、および、仕上研削ステージSの3つのステージを構成する3台の基板ホルダーテーブル30a,30b,30cを第1インデックス型回転テーブル2に同心円周上に配置した研削加工ステージ20を設けるとともに、前記関節型搬送ロボットおよび基板ローディング/基板アンローディングステージSを挟む位置に天井吊り下げ型基板搬送パッド16a,16bの一対を設け、かつ、前記基板薬剤洗浄ステージ9の後列であって前記研磨ステージ70の左側位置に第三の基板搬送パッド16cと第二の乾燥空気吹きつけ機器8bを並設させている。
【0036】
基板ローディング/基板アンローディングステージSを構成する基板ホルダーテーブル30a上方に、基板ホルダーテーブル上面を洗浄する回転式チャッククリーナ38bおよび仕上げ研削加工された基板面を洗浄する回転式洗浄ブラシ38aの一対を備える洗浄機器38を基板ホルダーテーブル30a上面に対し垂直方向および平行方向に移動可能に設けている。
【0037】
粗研削ステージSを構成する基板ホルダーテーブル30b上方に粗研削カップホイール型ダイヤモンド砥石90を備えるスピンドルを基板ホルダーテーブル30b上面に対し昇降可能に設け、および、仕上研削ステージSを構成する基板ホルダーテーブル30c上方に仕上研削カップホイール型ダイヤモンド砥石91を備えるスピンドルを基板ホルダーテーブル30c上面に対し昇降可能に設けている。
【0038】
基板ホルダーテーブル30aと多関節型搬送ロボット14と一対の天井吊り下げ型基板搬送パッド16a,16bと回転式チャッククリーナおよび回転式洗浄ブラシを備える洗浄機器38とで基板ローディング/基板アンローディングステージSを構成し、基板ホルダーテーブル30bと粗研削カップホイール型ダイヤモンド砥石91と2点式インプロセスゲージ6とで粗研削ステージSを構成し、基板ホルダーテーブル30cと仕上研削カップホイール型ダイヤモンド砥石91と非接触型基板厚み測定機器とで仕上研削ステージSを構成する。
【0039】
研磨ステージ70は、基板ローディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージpsを構成する基板ホルダーテーブル70aと、粗研磨ステージpsを構成する基板ホルダーテーブル70bを第2インデックス型回転テーブル71に同心円上に等間隔に配置して設ける。この基板ローディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージpsを構成する基板ホルダーテーブル70a上方に、研磨剤スラリー液供給機構72および仕上げ研磨パッド73を回転可能に軸承するスピンドル74を基板ホルダーテーブル70aと仕上げ研磨パッド73と研磨剤スラリ−液供給機構72とで基板仕上粗研磨ステージpsを構成する。研磨剤スラリー液供給機構72’および粗研磨パッド73’を回転可能に軸承するスピンドル74を基板ホルダーテーブル70bと粗研磨パッド73’と研磨剤スラリー液供給機構72’とで基板粗研磨ステージps2を構成する。基板ロ−ディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージpsの仕上げ研磨パッド73の揺動軌跡上にはパッドコンディショナ75が設けられ、仕上げ研磨パッド73の下面を砥石75aで削り、毛羽立たせるとともに、洗浄水75bが仕上げ研磨パッド面に供給され、洗浄する。また、粗研磨ステージpsの粗研磨パッド73’の揺動軌跡上にもパッドコンディショナ75が設けられ、粗研磨パッド73の下面を砥石75aで削り、毛羽立たせるとともに、洗浄水75bが粗研磨パッド面に供給され、洗浄する。
【0040】
図2は、研削加工ステージ20の第1インデックス型回転テ−ブル2に設けられた基板ホルダーテーブル(真空チャック)30a,30cの構造と洗浄機器38の構造を示すものである。図中、3は第1インデックス型回転テーブル2の回転軸、5は回転軸3の駆動モ−タである。基板ホルダーテーブル30は、ワークwの径と略同一径もしくは、約0.5からmm程度小さい径のポーラスセラミック製円板状載置台31を、上部に大小2段の環状空所32b,32cを有する非通気性材料製支持台32にポーラスセラミック製円板状載置台31の上面と非通気性材料製支持台32上面32aが面一となるよう載せ、この非通気性材料製支持台32を上面凹状支持枠34を介して中空スピンドル33に回転自在に軸承させるとともに、前記ポーラスセラミック製円板状載置台下面にある前記非通気性材料製支持台の環状空所32b,32cを減圧するバキューム手段40を備える。
【0041】
前記ポーラスセラミック製円板状載置台31の外周壁面に接する非通気性材料製支持台32の環状側壁部の上面32aには、浅い深さを有する環状溝32dを設けている。非通気性材料製支持台32の下面は上面凹状支持枠34にボルトで固定され、上面凹状支持枠34下部を中空スピンドル33に軸承されている。中空スピンドル33の下部には、クラッチ機構50a,50bが設けられ、下部のクラッチ板50bには駆動モータ51が設置されている。クラッチ板50a,50bが接続されると駆動モータ51の回転力を受けて中空スピンドル33は回転し、その回転駆動力を受けてスピンドル軸に軸承されている凹状支持枠34、およびポーラスセラミック製円板状載置台31も回転する。
【0042】
前記バキューム手段40は、図示されていない真空ポンプと、これに連結する配管41と切換バルブ42とロータリージョイント43と、このロータリージョイント43に連結する中空スピンドル33内に配される管44より構成される。切換バルブ42には純水を供給する管45が連結されている。
【0043】
また、中空スピンドル33内には、上面凹状支持枠34の凹部34aに通じる管46が配置され、ロータリージョイント47、それに連結する管48を経由して冷却用の純水を供給するポンプPに接続されている。凹状支持枠34の凹部34aに供給された純水は非通気性材料製支持台32の底部を冷却する。
【0044】
前記バキューム手段40を稼動させることによりポーラスセラミック製円板状載置台31上の載せられた半導体基板wは基板面を上方に向けてポースセラミック製円板状載置台31に減圧固定される。バキューム手段40の真空を止めた後、切換バルブ42を純水供給側へ切り換えると加圧純水がポーラスセラミック製円板状載置台31を洗浄する。
【0045】
洗浄機器38は、基板ホ
ルダーテーブル30aの上面を洗浄する回転式セラミック製チャッククリーナ38aおよび基板研削面を洗浄する回転式洗浄ブラシ38bの一対のユニット、中空スピンドル昇降機構38c、ユニット昇降機構38d、洗浄液が通過する中空スピンドル38e、中空スピンドル回転モ−タ38fを備える。
【0046】
図3に示すように、基板ホルダーテーブル30c上に載置された仕上研削中の半導体基板の厚みを測定するため、非接触型の厚み測定機器200が基板ホルダーテーブル30c上方に設置されている。図3に示す厚み測定器200は、レーザ光投光器と受光器を備えるセンサヘッド202の外周を囲む外套203によりセンサヘッド202外壁と外套203内壁間に圧空を供給できる断面円環状の加圧空気通路204を設けたセンサヘッド保持具201とコントロールユニット210とデータ解析手段220を備える厚み測定器である。流体通路204の円環状隙間幅は、1〜5mmである。前記流体通路204には、図示されていない圧縮ポンプにより圧空が管を介して供給される
【0047】
このセンサヘッド保持具201は、図1および図3に示すように、インデックステーブル2に設けた裏面研削装置の仕上研削ステージSの基板ホルダー30cの上方に設置される。センサヘッド保持具201の下面とシリコン基板面との距離は10〜150mmが好ましい。基板ホルダーテーブルの回転速度は20〜100rpm(min−1)、研削砥石の回転速度は1,000〜4,000min−1、シリコン基盤面への研削液供給量は100〜2,000cc/分である。
【0048】
厚み測定器200は、レーザ光の反射率を利用する厚み測定器のセンサヘッド202とコントロールユニット210とデータ解析手段220を備える厚み測定器を市場より入手し、このセンサヘッド202の外壁と外套203内壁間に圧空を供給できる断面円環状の流体通路204を設けたセンサヘッド保持具21へと改造して用いる。加圧空気の圧力は、0.2〜0.4MPaである。
【0049】
かかる市販のレーザ光の反射率を利用する厚み測定器としては、近赤外光(波長1.3μm)をレーザビームスポット径1.2〜250μmψで計測ステージ30c上のシリコン基盤の片面に照射し、その反射光を受光器により検知し、シリコン基板の厚みを算出するシリコン基板厚さ測定器として、プレサイズゲージ株式会社よりLTM1001の商品名で、ホトジェニック株式会社より厚み測定装置C8125の商品名で、米国FRONTIER SEMICONDUCTOR社からFSM413-300の商品名で入手できる。また、650nm〜1,700nm波長の近赤外光をビームスポット径100〜1,000μmψで利用する反射率分光法を用いる非接触光学式厚み測定器として、米国FILMETRICS,INC.社から非接触光学式厚み測定器F20−XTの商品名で、大塚電子株式会社よりインライン膜厚測定器MCPD5000の商品名で入手できる。半導体基板のプリント配線基板面の厚みを測定する分光の波長は、白色光(420〜720nm波長)が用いられ、シリコン基盤の厚みを測定する分光の波長は、650nmまたは1.3μm波長が用いられる。
【0050】
シリコン基板面へ供給される研削液としては、蒸留水、深層海水、脱イオン交換水、界面活性剤含有純水等が使用される。
【0051】
天井吊り下げ型基板搬送パッド16bは、天井に設けられたガイド部材16dによって前後に移動でき、また、回転軸16e廻りを振り子回転駆動できるよう設けられている。この天井吊り下げ型基板搬送パッド16bは、パッド下面に半導体基板wの仕上げ研削・洗浄加工されたシリコン基盤面を吸着し、エアーナイフ8a上を通過させて半導体基板w下面の保護テープ面を乾燥させ、ついで、回転軸16e廻りに振り子駆動し、シリコン基盤面を上方に向けて研磨加工ステージ70の基板ホルダーテーブル70a上に半導体基板wを載置する。
【0052】
図1および図4に開示される研磨加工ステ−ジ70の研磨パッド73,73’は、モータM2により回動されるボールネジ78に螺合されている螺合体79がリニアーガイド80に沿って前後方向へ移動することにより研磨パッドを軸承する中空スピンドル74が基板ホルダーテーブル70a,70b上を直線揺動することにより仮想線で示される研磨パッド位置(待機位置)まで後退できる。中空スピンドル74の回転は、モータMの回転駆動をプーリー81が受け、ベルト82を介してプーリー83に伝え中空スピンドル74を回転させることにより行われる。中空スピンドル74の昇降はエアシリンダー84により行われる。この中空スピンドル74の中央には液供給管85が設けられ、ロータリージョイント86に接続され、更に洗浄液供給機構72あるいは研磨剤スラリー液供給機構72’に接続している。この中空スピンドル74内側と液供給管85外側で形成される空間87には前記ロータリージョイント86を経由して加圧空気供給管88が接続される。
【0053】
研磨剤スラリー液としては、コロイダルシリカ、酸化セリウム、アルミナ、ベーマイト、二酸化マンガンなどの砥粒を純水に分散したスラリーが用いられる。必要によりスラリーには界面活性剤、キレート剤、pH調整剤、酸化剤、防腐剤が配合される。研磨剤スラリーは50〜1,500cc/分の割合で研磨布面に供給される。
【0054】
洗浄液としては、純水、蒸留水、深層海水、脱イオン交換水、界面活性剤含有純水等が使用される。
【0055】
研磨ヘッド70a,70bの回転数は、10〜250rpm、基板ホルダーテーブル70a,70bの回転数は10〜150rpm、研磨パッドが基板に当てられる圧力は50〜300g/cm、好ましくは80〜250g/cmである。
【0056】
研磨ステージ70の第2インデックス型回転テーブル71の構造は、基板ホルダーテーブル70a,70bが2基である点を除けば研削ステージ20の第1インデックス型回転テール2の構造に類似する。即ち、図3において、基板ホルダーテーブル70a,70bは、ワークwの径と略同一径の穿孔(孔径は0.3〜1mm)されたセラミック製円板状載置台70a,70bを、非通気性材料製支持台92に穿孔セラミック製円板状載置台70a,70bの上面と非通気性材料製支持台92上面が面一となるよう載せ、この非通気性材料製支持台92を中空スピンドル95に上面凹状支持枠94を介して回転自在に軸承させるとともに、前記穿孔セラミック製円板状載置台下面にある前記非通気性材料製支持台の環状空所96を減圧するバキューム手段97を備える。基板ホルダーテーブル70a,70bは、スピンドル7に軸承され、スピンドルはモータMの駆動を受けて回転可能となっている。基板ホルダーテーブル(穿孔セラミック製円板状載置台)70a,70bは、研削ステージで用いたものと同種のポーラスセラミック製円板であってもよい。
【0057】
前記穿孔セラミック製円板状載置台70a,70bの外周壁面に接する非通気性材料製支持台92の環状内側壁部には、環状溝98が設けられ、この環状溝に冷却水99が供給される。非通気性材料製支持台92の下面は上面凹状支持枠94にボルトで固定され、上面凹状支持枠94下部を中空スピンドル95に軸承されている。中空スピンドル95の下部には、クラッチ板100a,100bが設けられ、下部のクラッチ板100bには駆動モータMが設置されている。クラッチ板100a,100bが接続されると駆動モータMの回転力を受けて中空スピンドル95は回転し、その回転駆動力を受けてスピンドル軸に軸承されている凹状支持枠94、および穿孔セラミック製円板状載置台70a,70bも回転する。
【0058】
前記バキューム手段97は、図示されていない真空ポンプと、これに連結する配管101と切換バルブ102とロータリ−ジョイント103と、このロータリージョイントに連結する中空スピンドル95内に配される管97より構成される。切換バルブ102には純水を供給する管104が連結されている。
【0059】
また、中空スピンドル95内には、非通気性材料製支持台92の環状内側壁部に設けられた環状溝98に通じる管99が配置され、ロータリージョイント105、それに連結する管106を経由して冷却用の純水を供給するポンプ107に接続されている。
【0060】
前記バキューム手段を稼動させることにより穿孔セラミック製円板状載置台70a,70b上に載せられた半導体基板wはシリコン基盤面を上方に向けて穿孔セラミック製円板状載置台70a,70bに減圧固定される。バキューム手段の真空を止めた後、切換バルブ102を純水供給側へ切り換えると加圧純水が穿孔セラミック製円板状載置台70a,70bを洗浄する。
【0061】
研磨ステージ70の基板ローディング/アンローディング/仕上研磨ステージpsと粗研磨ステージps2は、第2インデックス型回転テーブル71上に設けられた仕切堰108の存在により飛散した研磨剤スラリー液や洗浄液が相手方研磨ステージ側へ飛散しない。
【0062】
図5に示す位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器150において、wは半導体基板、11はベース、15はセンタリング機構、120はスピンチャック、121はスラッジカバー、130は洗浄水供給ノズル、140は研磨テープ送り機構、141は研磨テープ送りリール、142は研磨テープ巻き取りリール、143は抑えローラ、144はテープ送りローラ、145はテープ押さえプッシャー、146は研磨テープである。スピンチャック120に載置され、回転されている半導体基板wのエッジ部に研磨テープ146をテープ押さえプッシャー145を左方向に移動させてエッジ部に当接させ、半導体基板のエッジ部をテープ研磨する。半導体基板のエッジ研磨は、3〜7秒で終えることができる。
【0063】
半導体基板の裏面研削前にシリコン基盤面のエッジ部面取りをテープ研磨で行うことによりシリコン基盤層の厚みが20〜70μmと薄くなってもその後の裏面研削工程、裏面研磨工程、半導体基板搬送工程においても半導体基板の割れやチッピングが生じる機会が極めて稀となる。研削砥石による半導体基板のエッジ部面取りでは、シリコン基盤の厚みが20〜70μmと薄いとエッジ部にチッピングが生じてしまう。
【0064】
図6に示す薬剤洗浄機器9は、洗浄槽910内にスピンチャック901を備え、このスピンチャックは半導体基板wを載置し、水平方向に回転させる。スピンチャック901は、中空回転軸902に軸承され、中空回転軸内に純水供給管903が設けられ、保護テープ面を洗浄するのに純水は使用される。前記中空回転軸902内側と純水供給管903外側とで減圧流体通路904を設けている。
【0065】
スピンチャック901の上方には、アルカリ洗浄液供給ノズル905がアーム905aによりスピンチャック901中心点Oを通過する軌道上に振り子回転運動するよう回転駆動機構905bより起立する支持竿905cに設けられ、また、酸洗浄液供給ノズル906がアーム906aによりスピンチャック901中心点Oを通過する軌道上に振り子回転運動するよう回転駆動機構906bより起立する支持竿906cに設けられている。また、ベース上からリンス液供給ノズル907がスピンチャック901中心点Oにリンス液が到達する角度に設けられている。
【0066】
アルカリ洗浄液としては、アンモニア水(SC1)、トリメチルアンモニウム水などが利用され、シリコン基盤面に付着した異物を取り除くのに利用される。また、酸液洗浄液としては、オゾン溶解水、過酸化水素水、フッ酸水溶液、フッ酸・過酸化水素・イソプロパノール混合水溶液、過酸化水素・塩酸・純水の混合液(SC2)などが使用され、酸化されたシリコン基盤表面(S2)をシリコン(S)に戻す役目をなす。
【0067】
リンス液としては、脱イオン交換水、蒸留水、深層海水などの純水が使用される。リン
ス液は、アルカリや酸が半導体基板面に残存しないよう洗い落とす役目をなす。半導体基板のシリコン基盤面の洗浄は、第一にアルカリ洗浄が、第二に酸洗浄が、第三にリンス洗浄が行われる。必要により、第一のアルカリ洗浄と第二の酸洗浄の間にリンス洗浄が加えられることもある。
【0068】
図1に示す基板用平坦化装置10を用い、半導体基板裏面のシリコン基盤面を薄肉化・平坦化する作業は、以下の工程を経て行われる。
【0069】
1)基板収納ステージ13の収納カセット内に保管されている半導体基板wを多関節型搬送ロボット14の吸着パッドに吸着し、位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器150のチャックテーブル上に搬送し、そこで半導体基板のセンタリング位置調整およびエッジ研磨加工を行う。前記多関節型搬送ロボット14のアームは、待機位置へ戻る。
【0070】
2)位置合わせされた半導体基板のシリコン基盤上面を第一天井吊り下げ型搬送パッド16aに吸着させ、ついで、第1インデックス型回転テーブル2に設けられた基板ローディング/基板アンローディングステージ(S)を構成する基板ホルダーテーブル30a上へと移送する。
【0071】
3)第1インデックス型回転テーブル2を時計回り方向に120度回転させることにより、基板ローディング/基板アンローディングステージ(S)位置の基板ホルダーテーブル30aに真空チャックされている半導体基板を粗研削ステージ(S)の基板ホルダーテーブル30b位置へと移送する。
【0072】
4)粗研削ステージ(S)で砥番砥番170〜330の粗研削カップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石(90a)を用いて半導体基板のシリコン基盤面を粗研削する。この間に、多関節型搬送ロボット14と第一天井吊り下げ型搬送パッド16aと位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器150を用い前記第1工程と第2工程を行い、新たな半導体基板wを基板ローディング/基板アンローディングステージ(S)上に搬送する。
【0073】
5)第1インデックス型回転テーブル2を時計回り方向に120度回転させることにより、粗研削された基板を仕上研削ステージ(S)の基板ホルダーテーブル30c位置へと移送するとともに基板ローディング/基板アンローディングステージ(S)位置の基板ホルダーテーブル30a上の半導体基板を粗研削ステージ(S)位置の基板ホルダーテーブル30b上へと移送する。
【0074】
6)仕上研削ステージ(S)で砥番1,800〜8,000のカップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石91aまたはカップホイール型ダイヤモンドビトリファイドボンド砥石91aを用いて粗研削加工された半導体基板のシリコン基盤面を仕上げ研削加工する。この間に、粗研削ステージ(S)では砥番170〜330のカップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石90aを用いて半導体基板のシリコン基盤面が粗研削されるとともに、多関節型搬送ロボット14と第一天井吊り下げ型搬送パッド16aと位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器150を用い前記の第1工程と第2工程を行うことにより新たな半導体基板wが基板ローディング/基板アンローディングステージ(S)位置の基板ホルダーテーブル30a上に搬送される。
【0075】
7)第1インデックス型回転テーブル2を時計回り方向に120度または逆時計回り方向に240度回転させることにより、仕上研削された半導体基板を基板ローディング/基板アンローディングステージ(S)の基板ホルダーテーブル30a位置へと移送するとともに粗研削された半導体基板を仕上研削ステージへ(S)と移送する。
【0076】
8)第1インデックス型回転テーブル2の基板ローディング/基板アンローディングステージ(S)位置にある基板ホルダーテーブル30a上の仕上研削された半導体基板のシリコン基盤面に回転洗浄ブラシ38aを下降させ、洗浄液をシリコン基盤面に供給しながらシリコン基盤面を洗浄し、次いで第二天井吊り下げ型搬送パッド16bの吸着パッド面に研削・洗浄された半導体基板のシリコン基盤面を吸着したのち、第二天井吊り下げ型搬送パッド16bを第一の乾燥空気吹きつけ機器(エアーナイフ)8a上を通過させて半導体基板面(保護テープ面)を空気洗浄させ、しかる後に第2インデックス型回転テーブル71に設けられた基板ローディング/アンローディング/仕上研磨ステージ(ps1)に位置する基板ホルダーテーブル70a上へと移送する。この半導体基板の移送の間に第1インデックス型回転テーブル2の基板ローディング/基板アンローディングステージ(S)位置にある基板ホルダーテーブル30a上面は回転式セラミック製チャッククリーナ38bにより洗浄される。その後、多関節型搬送ロボット14と第一天井吊り下げ型搬送パッド14aと位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器150を用い前述の第1工程と第2工程を行うことにより新たな半導体基板wが第1インデックス型回転テーブル2の基板ローディング/基板アンローディングステージ(S)位置の基板ホルダーテーブル30a上に搬送される。また、この間に、第1インデックス型回転テーブル2の粗研削ステージ(S)に位置する基板ホルダーテーブル30b上の半導体基板には、前述の第4工程の粗研削加工が行われるとともに、第1インデックス型回転テーブル2の仕上研削ステージ(S)に位置する基板ホルダーテーブル30c上の基板には前述の第6工程の仕上研削加工が行われる。
【0077】
9)第2インデックス型回転テーブル71に設けられた粗研磨ステージ(ps)に位置する基板ホルダーテーブル70b上に保持された半導体基板のシリコン基盤上面に回転する粗研磨パッドが下降され、シリコン基盤面を摺擦する。このシリコン基盤と粗研磨パッド摺擦の際、研磨砥粒を水に分散させた研磨剤スラリー液が研磨剤スラリー液供給機構から直接基板上面にまたは粗研磨パッドを経由して半導体基板のシリコン基盤面に供給されるとともに粗研磨パッドは該シリコン基盤面上で前後に摺擦揺動される。同時平行して前述の第8工程が実行される。
【0078】
10)第2インデックス型回転テーブル71は時計回り方向または逆時計回り方向に180度回転され、粗研磨加工された半導体基板は第2インデックス型回転テーブル71の基板ローディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージ(ps)位置へと移動される。同時平行して第1インデックス型回転テーブル2を120度回転させることにより、仕上研削された半導体基板を基板ローディング/基板アンローディングステージ(S)上へと移送、粗研削された半導体基板を仕上研削ステージ(S)へと移送する。
【0079】
11)第2インデックス型回転テーブル71の基板ローディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージ(ps)では、基板ホルダーテーブル70a上に保持された粗研磨加工基板上面に仕上研磨パッド73が回転しつつ下降され、半導体基板のシリコン基盤面を摺擦する。このシリコン基盤と仕上研磨パッドを摺擦する際、研磨砥粒を含有しない洗浄液が洗浄液供給機構から直接半導体基板のシリコン基盤面にまたは仕上研磨パッド73の研磨布またはウレタン発泡製シートパッドを経由して半導体基板のシリコン基盤面に供給されるとともに仕上研磨パッドは前後に摺擦揺動される。一方、同時平行して第2インデックス型回転テーブル71の粗研磨ステージ(ps)および第1インデックス型回転テーブル2の基板ローディング/基板アンローディングステージ(S)、粗研削ステージおよび仕上研削ステージでは、前述の第9工程の粗研磨加工、半導体基板の移送、粗研削加工が実行される。
【0080】
12)仕上研磨加工された半導体基板は、第三の基板搬送パッド16cにより把持され、ついで薬剤洗浄機器9のチャックテーブル(スピンチャック)901上へ移送される。ついで、チャックテーブル901上の半導体基板のシリコン基盤面をアルカリ洗浄、酸洗浄、リンス洗浄の3通りの洗浄を行った後、第三の基板搬送パッド16cにより再び把持され、第二の乾燥空気吹きつけ機器8b上を通過させて半導体基板の保護テープ面を空気洗浄したのち、次工程の加工ステージ(保護テープ剥離工程)300へと移送される。一方、前記第1インデックス型回転テーブル2の各ステージおよび第2インデックス型回転テーブル71の各ステージでは、前述の第10工程が実行される。
【0081】
13)以後、前述の第11工程および第12工程を繰り返し、半導体基板wのシリコン基盤面を研削・洗浄・研磨・洗浄する半導体基板の薄肉化・平坦化作業を連続的に行う。
【実施例】
【0082】
実施例1図1に示す基板平坦化装置10を用い、300mm径のシリコン基板の上にプリント配線した半導体基板(厚み775μm)の裏面(シリコン基盤面)を750μm除去し、厚み25μmとする研削加工と、研削加工面5μmの取り代の研磨加工を行った。粗研削加工は、砥番230のカップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石を用いて775μmから75μmまでの厚みへ薄肉化(700μmの取り代)、仕上研削加工は、砥番2,300のカップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石を用いて75μmから25μmまでの厚みへ薄肉化(50μmの取り代)を行った。
【0083】
厚み775μmの半導体基板のプリント面は、積水化学工業の2mm厚みの加熱発泡型接着剤テープを貼付することで保護して用いた。
【0084】
研削加工ステージS,Sにおける各々のカップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石の回転速度は全て3,000rpmで、基板ホルダーテーブル(バキュームチャック)30の回転速度は、粗研削加工時200rpm、仕上研削加工時120rpmとした。また、基板ローディング/アンローディング/仕上研磨ステージps位置での研磨パッド73の回転数は240rpm、研磨ヘッドの回転数は180rpmで、研磨ヘッドの加圧は250g/cm、および粗研磨ステージps位置での研磨パッド73’および研磨ヘッドの回転数は200rpmで、研磨ヘッドの加圧は250g/cmで行った。
【0085】
アルカリ洗浄液はアンモニア水を、酸洗浄液は希薄フッ酸水溶液を、純水は脱イオン交換水を用いた。
【0086】
半導体基板の平坦化加工のスループットは、27枚/時であった。また、200枚連続平坦化加工時に半導体基板にチッピングや割れは生じなかった。さらに、平坦化加工された半導体基板の表面に付着する粒径1μm未満の異物の数は89個であった。
【0087】
実施例2 実施例1において、300mm径のシリコン基板の上にプリント配線した半導体基板(厚み775μm)の裏面(シリコン基盤面)を、粗研削加工は砥番325のカップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石を用いて775μmから厚み75μmまでにする粗研削加工を行い、仕上研削加工は砥番2,100のカップホイール型ダイヤモンドビトリファイドボンド砥石を用いて厚み55μmとする仕上研削加工を行い、研磨加工は研削加工面を5μm取り代の研磨加工を行って厚み50μmの半導体基板とする外は同様にして厚み50μmの半導体基板を製造した。平坦化加工のスループットは、31枚/時であった。また、200枚連続平坦化加工時に半導体基板にチッピングや割れは生じなかった。さらに、平坦化加工された半導体基板の表面に付着する粒径1μm未満の異物の数は82個であった。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の半導体基板の平坦化装置は、半導体基板裏面のシリコン基盤面の研削・研磨加工を高スループットで行うことが可能である。また、異物の付着個数の少ない極薄の半導体基板を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】基板平坦化装置の平面図である。
【図2】第1インデックス型回転テーブルに設けられた基板ホルダーテーブルの一部を切り欠いた断面図である。
【図3】非接触厚み測定機器のシステムを説明する図である。
【図4】研磨ステージの一部を切り欠いた側面図である。
【図5】位置決め機構を兼ね備えた基板エッジ研磨機器の正面図である。(公知)
【図6】薬剤洗浄機器の断面図である。(公知)
【図7】別態様の平坦化装置の斜視図である。(公知)
【符号の説明】
【0090】
2 第1インデックス型回転テーブル 8a,8b 空気洗浄機器 9 薬剤洗浄機器 10 基板平坦化装置 w 半導体基板 S 基板ローディング/基板アンローディングステージ S 粗研削ステージ S 仕上研削ステージ S ステージ 13 基板収納ステージ 14 多関節型搬送ロボット 150 基板エッジ研磨機器 16a,16b,16c 移動型搬送パッド 20 研削加工ステージ30a,30b,30c 基板ホルダーテーブル 70 研磨加工ステージ 71 第2インデックス型回転テーブル ps 基板ローディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージ ps 粗研磨ステージ 70a,70b 基板ホルダーテーブル 73 仕上研磨パッド 73’ 粗研磨パッド 90a 粗研削砥石 91a 仕上研削砥石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板収納ステージを室外に、多関節型搬送ロボット、位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器、研削加工ステージ、一対の天井吊り下げ型移動型搬送パッド、研磨加工ステージ、基板薬剤洗浄ステージおよびを室内に備える基板用平坦化装置において、 該平坦化装置の正面側から背面側に向かって、室外の右側に基板収納ステージを設け、 室内においては、室内の前列目に前記基板収納ステージ近傍の右側位置に多関節型搬送ロボットを、その多関節型搬送ロボットの左側の中央位置に研磨ステージを、その研磨ステージの左側の左側位置に基板薬剤洗浄ステージを設け、および前記多関節型搬送ロボットと研磨ステージの間に第一の乾燥空気吹きつけ機器を設け、前記多関節型搬送ロボットの後列右側に位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器を、および前記多関節型搬送ロボットの後列中央側に時計廻り方向に基板ローディング/基板アンローディングステージ、粗研削ステージ、および、仕上研削ステージの3つのステージを構成する3台の基板ホルダーテーブルを第1インデックス型回転テーブルに同心円上に配置した研削加工ステージを設けるとともに、前記関節型搬送ロボットおよび基板ローディング/基板アンローディングステージを挟む位置に天井吊り下げ型基板搬送パッドの一対を設け、かつ、前記基板薬剤洗浄ステージの後列であって前記研磨ステージの左側位置に第三の基板搬送パッドと第二の乾燥空気吹きつけ機器を並設させ、 前記基板ローディング/基板アンローディングステージを構成する基板ホルダーテーブル上方に、基板ホルダーテーブル上面を洗浄する回転式チャッククリーナおよび仕上げ研削加工された基板面を洗浄する回転式洗浄ブラシ一対を備える洗浄機器を基板ホルダーテーブル上面に対し垂直方向および平行方向に移動可能に設け、 前記粗研削ステージを構成する基板ホルダーテーブル上方に粗研削カップホイール型ダイヤモンド砥石を備えるスピンドルを基板ホルダーテーブル上面に対し昇降可能に設け、および、前記仕上研削ステージを構成する基板ホルダーテーブル上方に仕上研削カップホイール型ダイヤモンド砥石を備えるスピンドルを基板ホルダーテーブル上面に対し昇降可能に設け、 前記基板ホルダーテーブルと多関節型搬送ロボットと一対の天井吊り下げ型基板搬送パッドと回転式チャッククリーナおよび回転式洗浄ブラシを備える洗浄機器とで基板ローディング/基板アンローディングステージを構成し、前記基板ホルダーテーブルと前記粗研削カップホイール型ダイヤモンド砥石と2点式インプロセスゲージとで粗研削ステージを構成し、前記基板ホルダーテーブルと前記仕上研削カップホイール型ダイヤモンド砥石と非接触型基板厚み測定機器とで仕上研削ステージを構成し、 前記研磨ステージは、基板ローディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージを構成する基板ホルダーテーブルと、粗研磨ステージを構成する基板ホルダーテールを第2インデックス型回転テーブルに同心円上に配置した研磨加工ステージとして設け、 前記仕上研磨ステージを構成する基板ホルダーテーブル上方に、洗浄液供給機構および研磨パッドを回転可能に軸承するスピンドルを前記基板ホルダーテーブル上面に対し昇降可能および平行に揺動可能に設け、この基板ホルダーテーブルと研磨パッドと洗浄液供給機構と前記移動型搬送パッドと多関節型搬送ロボットまたは別の搬送パッドまたは多関節型搬送ロボットとで基板ローディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージを構成し、 前記粗研磨ステージを構成する基板ホルダーテーブル上方に、研磨剤スラリー液供給機構および研磨パッドを回転可能に軸承するスピンドルを前記基板ホルダーテーブルと研磨パッドとで基板粗研磨ステージを構成することを特徴とする、半導体基板の平坦化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体基板用平坦化装置を用い、以下の工程を経て半導体基板裏面の平坦化を行うことを特徴とする、半導体基板裏面の薄肉平坦化方法。 1)基板収納ステージの収納カセット内に保管されている半導体基板を多関節型搬送ロボットの吸着パッドに吸着し、位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器のチャックテーブル上に搬送し、そこで半導体基板のセンタリング位置調整およびエッジ研磨加工を行う。前記多関節型搬送ロボットのアームは、待機位置へ戻る。 2)位置合わせされた半導体基板のシリコン基盤上面を第一天井吊り下げ型搬送パッドに吸着させ、ついで、第1インデックス型回転テーブルに設けられた基板ローディング/基板アンローディングステージを構成する基板ホルダーテーブル上へと移送する。 3)第1インデックス型回転テーブルを回転させることにより、基板ローディング/基板アンローディングステージ位置の基板ホルダーテーブルに真空チャックされている半導体基板を粗研削ステージの基板ホルダーテーブル位置へと移送する。 4)粗研削ステージで砥番170〜330のカップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石を用いて半導体基板のシリコン基盤面を粗研削する。この間に、多関節型搬送ロボットと第一天井吊り下げ型搬送パッドと位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器を用い前記第1工程と第2工程を行い、新たな半導体基板が基板ローディング/基板アンローディングステージ上に搬送される。 5)第1インデックス型回転テーブルを回転させることにより、粗研削された基板を仕上研削ステージの基板ホルダーテーブル位置へと移送するとともに基板ローディング/基板アンローディングステージ位置の基板ホルダーテーブル上の半導体基板を粗研削ステージへと移送する。 6)仕上研削ステージで砥番1,800〜8,000のカップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石またはカップホイール型ダイヤモンドビトリファイドボンド砥石を用いて粗研削加工された半導体基板のシリコン基盤面を仕上げ研削する。この間に、粗研削ステージでは砥番170〜330のカップホイール型ダイヤモンドレジンボンド砥石を用いて半導体基板のシリコン基盤面が粗研削されるとともに、多関節型搬送ロボットと第一天井吊り下げ型搬送パッドと位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器を用い前記第1工程と第2工程を行うことにより新たな半導体基板が基板ローディング/基板アンローディングステージ位置の基板ホルダーテーブル上に搬送される。 7)第1インデックス型回転テーブルを回転させることにより、仕上げ研削された半導体基板を基板ローディング/基板アンローディングステージの基板ホルダーテーブル位置へと移送するとともに粗研削された半導体基板を仕上研削ステージへと移送する。 8)第1インデックス型回転テーブルの基板ローディング/基板アンローディングステージ位置にある基板ホルダーテーブル上の仕上研削された半導体基板のシリコン基盤面に回転洗浄ブラシを下降させ、洗浄液をシリコン基盤面に供給しながらシリコン基盤面を洗浄し、次いで第二天井吊り下げ型搬送パッドの吸着パッド面に研削・洗浄された半導体基板のシリコン基盤面を吸着したのち、第二天井吊り下げ型搬送パッドを第一の乾燥空気吹きつけ機器上を通過させて半導体基板面を空気洗浄させ、しかる後に第2インデックス型回転テーブルに設けられた基板ローディング/アンローディング/仕上研磨ステージに位置する基板ホルダーテーブル上へと移送する。この半導体基板の移送の間に第1インデックス型回転テーブルの基板ローディング/基板アンローディングステージ位置にある基板ホルダーテーブル上面は回転式セラミック製チャッククリーナにより洗浄される。その後、多関節型搬送ロボットと第一天井吊り下げ型搬送パッドと位置合わせ機能付エッジ面取りテープ研磨機器を用い前記第1工程と第2工程を行うことにより新たな半導体基板が第1インデックス型回転テーブルの基板ローディング/基板アンローディングステージ位置の基板ホルダーテーブル上に搬送される。また、この間に、第1インデックス型回転テーブルの粗研削ステージに位置する基板ホルダーテーブル上の半導体基板には、前述の第4工程の粗研削加工が行われるとともに、第1インデックス型回転テーブルの仕上研削ステージに位置する基板ホルダーテーブル上の基板には前述の第6工程の仕上研削加工が行われる。 9)第2インデックス型回転テーブルに設けられた粗研磨ステージに位置する基板ホルダーテーブル上に保持された基板上面に回転する粗研磨パッドが下降され、基板面を摺擦する。この基板と粗研磨パッド摺擦の際、研磨砥粒を水に分散させた研磨剤スラリー液が研磨剤スラリー液供給機構から直接基板上面にまたは粗研磨パッドを経由して半導体基板のシリコン基盤面に供給されるとともに粗研磨パッドは該シリコン基盤面上で前後に摺擦揺動される。同時平行して前述の第8工程が実行される。 10)第2インデックス型回転テーブルは時計回り方向または逆時計回り方向に180度回転され、粗研磨加工された半導体基板は第2インデックス型回転テーブルの基板ローディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージ位置へと移動される。同時平行して第1インデックス型回転テーブルを回転させることにより、仕上研削された半導体基板を基板ローディング/基板アンローディングステージ上へと移送、粗研削された半導体基板を仕上研削ステージへと移送する。 11)第2インデックス型回転テーブルの基板ローディング/基板アンローディング/仕上研磨ステージでは、基板ホルダーテーブル上に保持された粗研磨加工基板上面に仕上研磨パッドが回転しつつ下降され、半導体基板のシリコン基盤面を摺擦する。このシリコン基盤と仕上研磨パッドを摺擦する際、研磨砥粒を含有しない洗浄液が洗浄液供給機構から直接半導体基板のシリコン基盤面にまたは仕上研磨パッドの研磨布またはウレタン発泡製シートパッドを経由して半導体基板のシリコン基盤面に供給されるとともに仕上研磨パッドは前後に摺擦揺動される。一方、同時平行して第2インデックス型回転テーブルの粗研磨ステージおよび第1インデックス型回転テーブルの基板ローディング/基板アンローディングステージ、粗研削ステージおよび仕上研削ステージでは、前述の第9工程が実行される。 12)仕上研磨加工された半導体基板は、第三の基板搬送パッドにより把持され、ついで薬剤洗浄機器のチャックテーブル上へ移送される。ついで、チャックテーブル上の半導体基板のシリコン基盤面を薬剤洗浄、リンス洗浄した後、第三の基板搬送パッドにより再び把持され、第二の乾燥空気吹きつけ機器上を通過させて半導体基板を空気洗浄したのち、次工程の加工ステージへと移送される。一方、前記第1インデックス型回転テーブルの各ステージおよび第2インデックス型回転テーブルの各ステージでは、前述の第10工程が実行される。 13)以後、前述の第11工程および第12工程を繰り返し、半導体基板のシリコン基盤面を研削・洗浄・研磨・洗浄する半導体基板の薄肉化・平坦化作業を連続的に行う。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−23119(P2010−23119A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183398(P2008−183398)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(391011102)株式会社岡本工作機械製作所 (161)
【Fターム(参考)】