説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】ロジック領域におけるトランジスタの上を応力を有する膜で覆って能力を向上させると共に、SRAM領域において、各トランジスタの能力のバランスを保持し、リーク電流の発生を抑制する事ができる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置では、N型ロジック領域NLにおけるトランジスタが引っ張り応力を有する膜50により覆われ、P型ロジック領域PLにおけるトランジスタが圧縮応力を有する膜55により覆われている。そして、P型SRAM領域PSにおけるトランジスタおよびN型SRAM領域NSにおけるトランジスタは、引っ張り応力を有する膜50aおよび圧縮応力を有する膜55aからなる積層膜により覆われている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置分野において急速な微細化による高速化および低消費電力化が進んでいる。そのため、トランジスタ能力向上が急務となっているが、微細化だけでは能力の向上が図れない状況になってきている。そこで、トランジスタにストレスを与えるなどの新規技術で能力向上を実現するケースが増加している。
【0003】
例えば、図13に示すように、Nチャネル型MISトランジスタ101を引っ張り応力の発生するLP−CVD(Low Pressure - Chemical Vapor Deposition)膜103で覆い、Pチャネル型MISトランジスタ102を圧縮応力の発生するプラズマCVD膜104で覆うことにより、各トランジスタの能力を向上する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−273240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の方法では次のような不具合が生じてしまう。
【0005】
SRAM部では、Nチャネル型MISトランジスタおよびPチャネル型MISトランジスタが密に形成されるため、これらのトランジスタの上に応力方向の異なる別々の膜を形成することは困難である。そのため、Nチャネル型MISトランジスタおよびPチャネル型MISトランジスタの上を、応力を有する一種類の膜でカバーすると、Nチャネル型MISトランジスタとPチャネル型MISトランジスタとの能力の差が大きくなってしまう。
【0006】
また、SRAM部において、Nチャネル型MISトランジスタとPチャネル型MISトランジスタとを応力方向の異なる別々の膜で覆うことが可能であるとしても、全体に応力を有する絶縁膜を形成した後に、どちらかのMISトランジスタの上に位置する部分を除去する際に、ゲート電極の側壁上に形成されたサイドウォールが後退してしまう。そのため、ゲート電極からソース・ドレイン領域に跨るシェアードコンタクトを形成すると、これらの間が短絡するおそれが生じる。
【0007】
そこで、本発明は、応力を有する絶縁膜が形成された構成で、NチャネルトランジスタおよびPチャネルトランジスタの能力のバランスを保つことができる半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、ロジック領域においてNチャネル型MISトランジスタ及びPチャネル型MISトランジスタの両方の能力を向上させると共に、SRAM領域において、Nチャネル型MISトランジスタおよびPチャネル型MISトランジスタの能力のバランスを保ちつつ、かつ、シェアードコンタクトを形成した場合にも、リーク電流の発生を抑制することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における一形態の半導体装置は、半導体層からなる第1の活性領域の上方に形成された第1のゲート電極と、前記第1の活性領域のうち前記第1のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第1のソース・ドレイン領域を有するNチャネル型の第1のMISトランジスタと、前記半導体層からなる第2の活性領域の上方に形成された第2のゲート電極と、前記第2の活性領域のうち前記第2のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第2のソース・ドレイン領域を有するPチャネル型の第2のMISトランジスタと、前記第1のゲート電極、前記第1の活性領域、前記第2のゲート電極および前記第2の活性領域を覆う、引っ張り応力を有する第1の絶縁膜と圧縮応力を有する第2の絶縁膜からなる積層膜と、前記積層膜上に形成された層間絶縁膜とを備える。
【0010】
本発明における一形態の半導体装置によると、第1のMISトランジスタおよび第2のMISトランジスタの上の積層膜により、第1のMISトランジスタと第2のMISトランジスタの能力を同程度にすることができる。よって、第1のMISトランジスタおよび第2のMISトランジスタが密接して形成されている場合など、別々の膜によって覆うのが困難である場合であっても、第1のMISトランジスタおよび第2のMISトランジスタのバランスを安定したものとすることができる。また、第1の絶縁膜は引っ張り歪みを有しており、第2の絶縁膜は圧縮歪みを有するため、第1のMISトランジスタおよび第2のMISトランジスタのそれぞれの応力をバランス良く緩和することができる。
【0011】
本発明における一形態の半導体装置では、前記第1のMISトランジスタ及び前記第2のMISトランジスタはSRAMを構成してもよい。
【0012】
本発明における一形態の半導体装置では、前記半導体層からなる第3の活性領域に形成された第3のゲート電極と、前記第3の活性領域のうち前記第3のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第3のソース・ドレイン領域を有するNチャネル型の第3のMISトランジスタと、前記第3のゲート電極および前記第3の活性領域を覆う、引っ張り応力を有する第3の絶縁膜とをさらに備え、前記第3の活性領域の上方には、前記第2の絶縁膜は形成されていなくてもよい。
【0013】
本発明における一形態の半導体装置では、前記第1の絶縁膜の膜厚は、前記第3の絶縁膜の膜厚よりも薄くてもよい。
【0014】
本発明における一形態の半導体装置では、前記第3のトランジスタはロジック部に設けられていてもよい。
【0015】
本発明における一形態の半導体装置では、前記第1のゲート電極の側面上には第1のサイドウォールが形成され、前記積層膜は、前記第1のソース・ドレイン領域、前記第1のサイドウォールおよび前記第1のゲート電極を覆い、前記層間絶縁膜および前記積層膜を貫通して前記第1のソース・ドレイン領域、前記第1のサイドウォールおよび前記第1のゲート電極に到達する第1のシェアードコンタクトとをさらに備えていてもよい。
【0016】
本発明における一形態の半導体装置では、前記半導体層からなる第4の活性領域に形成された第4のゲート電極と、前記第4の活性領域のうち前記第4のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第4のソース・ドレイン領域を有するPチャネル型の第4のMISトランジスタと、前記第4のゲート電極および前記第4の活性領域を覆う、圧縮応力を有する第4の絶縁膜とをさらに備え、前記第4の活性領域の上方には、前記第1の絶縁膜は形成されていなくてもよい。
【0017】
本発明における一形態の半導体装置では、前記第2の絶縁膜の膜厚は、前記第4の絶縁膜の膜厚よりも薄くてもよい。
【0018】
本発明における一形態の半導体装置では、前記第4のトランジスタはロジック部に設けられていてもよい。
【0019】
本発明における一形態の半導体装置では、前記第2のゲート電極の側面上には第2のサイドウォールが形成され、前記積層膜は、前記第2のソース・ドレイン領域、前記第2のサイドウォールおよび前記第2のゲート電極を覆い、前記層間絶縁膜および前記積層膜を貫通して前記第2のソース・ドレイン領域、前記第2のサイドウォールおよび前記第2のゲート電極に到達する第2のシェアードコンタクトとをさらに備えていてもよい。
【0020】
本発明における一形態の半導体装置の製造方法は、半導体層からなる第1の活性領域の上方に形成された第1のゲート電極と前記第1の活性領域のうち前記第1のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第1のソース・ドレイン領域とを有するNチャネル型の第1のMISトランジスタと、前記半導体層からなる第2の活性領域の上方に形成された第2のゲート電極と前記第2の活性領域のうち前記第2のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第2のソース・ドレイン領域とを有するPチャネル型の第2のMISトランジスタとを備えた半導体装置の製造方法であって、前記第1のゲート電極、前記第1の活性領域、前記第2のゲート電極および前記第2の活性領域を覆う、引っ張り応力を有する第1の絶縁膜と圧縮応力を有する第2の絶縁膜からなる積層膜を形成する工程(a)と、前記積層膜上に層間絶縁膜を形成する工程(b)とを備えている。
【0021】
本発明における一形態の製造方法では、第1のMISトランジスタおよび第2のMISトランジスタの上を第1の絶縁膜および第2の絶縁膜により覆うことにより、第1のMISトランジスタおよび第2のMISトランジスタの能力を同程度にすることができる。よって、第1のMISトランジスタおよび第2のMISトランジスタを密接させて形成する場合など、別々の膜によって覆うのが困難である場合であっても、第1のMISトランジスタおよび第2のMISトランジスタのバランスを安定したものとすることができる。また、第1の絶縁膜は引っ張り歪みを有しており、第2の絶縁膜は圧縮歪みを有するため、第1のMISトランジスタおよび第2のMISトランジスタのそれぞれの応力をバランス良く緩和することができる。
【0022】
本発明における一形態の半導体装置の製造方法において、前記工程(a)では、前記第1の絶縁膜を形成した後、前記第1の絶縁膜上に前記第2の絶縁膜を形成することにより前記積層膜を形成してもよい。
【0023】
本発明における一形態の半導体装置の製造方法において、前記工程(a)では、前記第2の絶縁膜を形成した後、前記第2の絶縁膜上に前記第1の絶縁膜を形成することにより前記積層膜を形成してもよい。
【0024】
本発明における一形態の半導体装置の製造方法において、前記半導体層からなる第3の活性領域に形成された第3のゲート電極と、前記第3の活性領域のうち前記第3のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第3のソース・ドレイン領域とを有するNチャネル型の第3のMISトランジスタとをさらに備え、前記工程(a)では、前記第3のゲート電極および前記第3の活性領域を覆う、前記第1の絶縁膜と共通の膜からなる引っ張り応力を有する第3の絶縁膜を形成し、前記工程(b)では、前記層間絶縁膜形成前の前記第3の活性領域の上方には前記第2の絶縁膜が形成されておらず、前記第3の絶縁膜上に前記層間絶縁膜を形成してもよい。
【0025】
本発明における一形態の半導体装置の製造方法において、前記工程(a)は、前記第1の絶縁膜の膜厚を前記第3の絶縁膜よりも薄くする工程をさらに有していてもよい。
【0026】
本発明における一形態の半導体装置の製造方法において、前記半導体層からなる第4の活性領域に形成された第4のゲート電極と、前記第4の活性領域のうち前記第4のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第4のソース・ドレイン領域とを有するPチャネル型の第4のMISトランジスタとをさらに備え、前記工程(a)では、前記第4のゲート電極および前記第4の活性領域を覆う、前記第2の絶縁膜と共通の膜からなる圧縮応力を有する第4の絶縁膜を形成し、前記工程(b)では、前記層間絶縁膜形成前の前記第4の活性領域の上方には前記第1の絶縁膜が形成されておらず、前記第4の絶縁膜上に前記層間絶縁膜を形成してもよい。
【0027】
本発明における一形態の半導体装置の製造方法において、前記工程(a)は、前記第2の絶縁膜の膜厚を前記第4の絶縁膜よりも薄くする工程をさらに有していてもよい。
【0028】
本発明における一形態の半導体装置の製造方法において、前記第1のMISトランジスタおよび前記第2のMISトランジスタはSRAMを構成してもよい。
【0029】
本発明における一形態の半導体装置の製造方法において、前記工程(a)の前に、前記第1のゲート電極の側面上に第1のサイドウォールを形成する工程(c)と、前記工程(b)の後に、前記層間絶縁膜及び前記積層膜を貫通して、前記第1のMISトランジスタにおける前記第1のゲート電極、前記第1のサイドウォールおよび前記第1の活性領域に到達する第1のシェアードコンタクトを形成する工程(d)とをさらに備えていてもよい。
【0030】
本発明における一形態の半導体装置の製造方法において、前記工程(a)の前に、前記第2のゲート電極の側面上に第2のサイドウォールを形成する工程(c)と、前記工程(b)の後に、前記層間絶縁膜及び前記積層膜を貫通して、前記第2のMISトランジスタにおける前記第2のゲート電極、前記第2のサイドウォールおよび前記第2の活性領域に到達する第2のシェアードコンタクトを形成する工程(d)とをさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明によると、半導体装置におけるバランスを安定したものとすることができる。また、シェアードコンタクトを形成した場合にリークの発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の半導体装置およびその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の半導体装置では、ロジック用Nチャネル型MISトランジスタを形成するN型ロジック領域NL、ロジック用Pチャネル型MISトランジスタを形成するP型ロジック領域PL、SRAM用Pチャネル型MISトランジスタを形成するP型SRAM領域PSおよびSRAM用Nチャネル型MISトランジスタを形成するN型SRAM領域NSが配置している。各領域NL、PL、PS、NSはシャロートレンチ素子分離2によって互いに電気的に分離されている。
【0034】
N型ロジック領域NLには、半導体基板1の上に、ゲート絶縁膜11を挟んでゲート電極12が形成されている。そして、ゲート電極12の側面上には、オフセットサイドウォール13aと、オフセットサイドウォール13aの外側に配置するサイドウォール13bとが形成されている。半導体基板1のうちオフセットサイドウォール13a及びサイドウォール13bの下に位置する領域には、N型エクステンション領域14が形成され、N型エクステンション領域14の下に位置する領域にはP型ポケット領域15が形成されている。また、半導体基板1のうちサイドウォール13bの外側に位置する領域には、N型ソース・ドレイン領域16が形成されている。また、ゲート電極12およびN型ソース・ドレイン領域16の上にはシリサイド層17が形成されている。
【0035】
N型ロジック領域NLにおけるゲート電極12、オフセットサイドウォール13a、サイドウォール13bおよびN型ソース・ドレイン領域16の上には、LP−CVD法によるシリコン窒化膜からなる引っ張り応力を有する引っ張り応力含有絶縁膜50が形成されている。なお、本実施形態における引っ張り応力とは、ゲート電極下に位置するチャネル領域のゲート長方向に対して印加される応力を意味するものである。
【0036】
P型ロジック領域PLには、半導体基板1の上に、ゲート絶縁膜21を挟んでゲート電極22が形成されている。そして、ゲート電極22の側面上には、オフセットサイドウォール23aと、オフセットサイドウォール23aの外側に配置するサイドウォール23bとが形成されている。半導体基板1のうちオフセットサイドウォール23a及びサイドウォール23bの下に位置する領域には、P型エクステンション領域24が形成され、P型エクステンション領域24の下に位置する領域にはN型ポケット領域25が形成されている。また、半導体基板1のうちサイドウォール23bの外側に位置する領域にはP型ソース・ドレイン領域26が形成されている。また、ゲート電極22およびP型ソース・ドレイン領域26の上にはシリサイド層27が形成されている。
【0037】
P型ロジック領域PLにおけるゲート電極22、オフセットサイドウォール23a、サイドウォール23bおよびP型ソース・ドレイン領域26の上には、プラズマCVD法によるシリコン窒化膜からなる圧縮応力を有する圧縮応力含有絶縁膜55が形成されている。なお、本実施形態における圧縮応力とは、ゲート電極下に位置するチャネル領域のゲート長方向に対して印加される応力を意味するものである。
【0038】
また、P型SRAM領域PSには、半導体基板1の上に、ゲート絶縁膜31を挟んでゲート電極32が形成されている。そして、ゲート電極32の側面上には、オフセットサイドウォール33aと、オフセットサイドウォール33aの外側に配置するサイドウォール33bとが形成されている。半導体基板1のうちサイドウォール33bの下に位置する領域には、P型エクステンション領域34が形成され、P型エクステンション領域34の下に位置する領域には、N型ポケット領域35が形成されている。また、半導体基板1のうちサイドウォール33bの外側に位置する領域には、P型ソース・ドレイン領域36が形成されている。また、ゲート電極32およびP型ソース・ドレイン領域36の上にはシリサイド層37が形成されている。
【0039】
P型SRAM領域PSにおけるゲート電極32、オフセットサイドウォール33a、サイドウォール33bおよびP型ソース・ドレイン領域36の上には、LP−CVD法によるシリコン窒化膜からなる引っ張り応力を有する引っ張り応力含有薄膜絶縁膜50aと、プラズマCVD法によるシリコン窒化膜からなる圧縮応力を有する圧縮応力含有薄膜絶縁膜55aとが積層されている。ここで、引っ張り応力含有薄膜絶縁膜50aの膜厚は、N型ロジック領域NLにおける引っ張り応力含有絶縁膜50の膜厚よりも薄く、圧縮応力含有薄膜絶縁膜55aは、P型ロジック領域PLにおける圧縮応力含有絶縁膜55よりも薄い。
【0040】
N型SRAM領域NSには、半導体基板1の上に、ゲート絶縁膜41を挟んでゲート電極42が形成されている。そして、ゲート電極42の側面上には、オフセットサイドウォール43aと、オフセットサイドウォール43aの外側に配置するサイドウォール43bとが形成されている。半導体基板1のうちオフセットサイドウォール43a及びサイドウォール43bの下に位置する領域には、N型エクステンション領域44が形成され、N型エクステンション領域44の下に位置する領域には、P型ポケット領域45が形成されている。また、半導体基板1のうちサイドウォール43bの外側に位置する領域には、N型ソース・ドレイン領域46が形成されている。また、ゲート電極42およびN型ソース・ドレイン領域46の上にはシリサイド層47が形成されている。
【0041】
N型SRAM領域NSにおけるゲート電極42、オフセットサイドウォール43a、サイドウォール43bおよびN型ソース・ドレイン領域46の上には、LP−CVD法によるシリコン窒化膜からなる引っ張り応力を有する引っ張り応力含有薄膜絶縁膜50aと、プラズマCVD法によるシリコン窒化膜からなる圧縮応力を有する圧縮応力含有薄膜絶縁膜55aとが積層されている。ここで、引っ張り応力含有薄膜絶縁膜50aの膜厚は、N型ロジック領域NLにおける引っ張り応力含有絶縁膜50の膜厚よりも薄く、圧縮応力含有薄膜絶縁膜55aは、P型ロジック領域PLにおける圧縮応力含有絶縁膜55よりも薄い。
【0042】
そして、各領域NL、PL、PS、NSにおいて、引っ張り応力含有絶縁膜50、圧縮応力含有絶縁膜55、引っ張り応力含有薄膜絶縁膜50aおよび圧縮応力含有薄膜絶縁膜55aの上は、層間絶縁膜3によって覆われている。そして、各領域NL、PL、PS、NSには、引っ張り応力含有絶縁膜50、圧縮応力含有絶縁膜55、引っ張り応力含有薄膜絶縁膜50a、圧縮応力含有薄膜絶縁膜55aおよび層間絶縁膜3を貫通してシリサイド層17、27、37、47に到達するコンタクト電極4が形成されている。また、P型SRAM領域PSにおいて、ゲート電極32の上に位置するシリサイド層37から、オフセットサイドウォール33a、サイドウォール33bおよびP型ソース・ドレイン領域36の上に位置するシリサイド層37までに亘って、シェアードコンタクト電極5が接触して形成されている。
【0043】
次に、本実施形態における半導体装置の製造方法について、図2(a)〜図7(b)を参照しながら説明する。図2(a)〜図7(b)は、第1の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0044】
本発明の製造方法では、まず図2(a)に示す工程で、半導体基板1に形成されたシャロートレンチ素子分離領域2によって区画されたN型ロジック領域NL、P型ロジック領域PL、P型SRAM領域PS、N型SRAM領域NSの半導体基板1からなる各活性領域上に、ゲート絶縁膜11、21、31、41およびゲート電極12、22、32、42を形成する。次に、ゲート電極12、22、32、42の側面上に、オフセットサイドウォール13a、23a、33a、43aを形成する。
【0045】
続いて、N型ロジック領域NLおよびN型SRAM領域NSに、N型不純物である例えばヒ素イオンを、加速エネルギー3KeV、ドーズ量1.5×1015個/cm2、TILT角0度の条件で注入し、N型エクステンション領域14、44を形成する。次に、P型不純物である例えばボロンイオンを、加速エネルギー10KeV、ドーズ量8.0×1012個/cm2、TILT角25度の条件で4回転注入(ウェハを回転させて4方向から注入)し、P型ポケット領域15、45を形成する。このP型ポケット領域15、45は、N型エクステンション領域14、44の底面を覆うように形成する。
【0046】
次に、P型ロジック領域PLおよびP型SRAM領域PSに、P型不純物である例えばボロンイオンを、加速エネルギー0.5KeV、ドーズ量3.0×1014個/cm2、TILT角0度の条件で注入し、P型エクステンション領域24、34を形成する。次に、N型不純物である例えばリンイオンを、加速エネルギー30KeV、ドーズ量7.0×1012個/cm2、TILT角25度の条件で4回転注入し、N型ポケット領域25、35を形成する。このN型ポケット領域25、35は、P型エクステンション領域24、34の底面を覆うように形成する。
【0047】
次に、基板上の全面に、LP−CVD法によるシリコン窒化膜を形成する。その後、エッチバック法によりシリコン窒化膜をエッチングして、各ゲート電極12、22、32、42の側壁上に、サイドウォール13b、23b、33b、43bを形成する。その後、N型ロジック領域NLおよびN型SRAM領域NSに、N型不純物である例えば砒素イオンを、加速エネルギー20KeV、ドーズ量4.0×1015個/cm2、TILT角0度の条件で注する。さらに、N型不純物である例えばリンイオンを、加速エネルギー10KeV、ドーズ量1.0×1015個/cm2、TILT角7度の条件で注入する。これにより、N型ソース・ドレイン領域16、46を形成する。
【0048】
次に、P型ロジック領域PLおよびP型SRAM領域PSに、P型不純物である例えばボロンイオンを、加速エネルギー2KeV、ドーズ量4.0×1015個/cm2、TILT角7度の条件で注入し、P型ソース・ドレイン領域26、36を形成する。
【0049】
次に、各ゲート電極12、22、32、42の上およびソース・ドレイン領域16、26、36、46の上に、サリサイド技術を用いてシリサイド層17、27、37、47を選択的に形成する。
【0050】
次に、図2(b)に示す工程で、基板上の全面に、LP−CVD法によるシリコン窒化膜からなる引っ張り応力を有する引っ張り応力含有絶縁膜50を膜厚50nmで形成する。
【0051】
次に、図3(a)に示す工程で、基板上に、N型ロジック領域NL、N型SRAM領域NS及びP型SRAM領域PSを覆い、P型ロジック領域PLに開口52を有するレジストからなる第1のマスク51を形成する。その後、第1のマスク51をエッチングマスクにしてエッチングを行うことにより、P型ロジック領域PLにおける引っ張り応力含有絶縁膜50を除去する。
【0052】
次に、図3(b)に示す工程で、第1のマスク51を除去する。
【0053】
次に、図4(a)に示す工程で、基板上に、N型ロジック領域NL及びP型ロジック領域PLを覆い、N型SRAM領域NS及びP型SRAM領域PSに開口54を有するレジストからなる第2のマスク53を形成する。その後、第2のマスク53をエッチングマスクにして、N型SRAM領域NSおよびP型SRAM領域PSにおける引っ張り応力含有絶縁膜50を厚さ30nm程度エッチングして、厚さ20nm程度まで薄膜化された引っ張り応力含有薄膜絶縁膜50aを形成する。
【0054】
次に、図4(b)に示す工程で、第2のマスク53を除去する。
【0055】
次に、図5(a)に示す工程で、基板上の全面に、プラズマCVD法によるシリコン窒化膜からなる圧縮応力を有する圧縮応力含有絶縁膜55を膜厚50nmで形成する。
【0056】
続いて、図5(b)に示す工程で、基板上に、P型ロジック領域PL、P型SRAM領域PS及びN型SRAM領域NSを覆い、N型ロジック領域NLに開口57を有するレジストからなる第3のマスク56を形成する。その後、第3のマスク56をエッチングマスクにしてエッチングを行うことにより、N型ロジック領域NLにおける圧縮応力含有絶縁膜55を除去する。
【0057】
次に、図6(a)に示す工程で、第3のマスク56(図5(b)に示す)を除去した後、基板の上全体に、N型ロジック領域NL及びP型ロジック領域PLを覆い、P型SRAM領域PS及びN型SRAM領域NSに開口59を有するレジストからなる第4のマスク58を形成する。その後、第4のマスク58をエッチングマスクにして、N型SRAM領域NSおよびP型SRAM領域PSにおける圧縮応力含有絶縁膜55を厚さ30nm程度エッチングして、厚さ20nm程度まで薄膜化された圧縮応力含有薄膜絶縁膜55aを形成する。
【0058】
次に、図6(b)に示す工程で、第4のマスク58を除去する。
【0059】
次に、図7(a)に示す工程で、基板上の全面に層間絶縁膜3を形成した後、リソグラフィー法およびエッチング法を用いて、層間絶縁膜3、引っ張り応力含有絶縁膜50、引っ張り応力含有薄膜絶縁膜50a、圧縮応力含有絶縁膜55及び圧縮応力含有薄膜絶縁膜55aをエッチングして、シリサイド層17、27、37、47に到達するコンタクトホール4aおよびシェアードコンタクトホール5aを形成する。
【0060】
次に、図7(b)に示す工程で、コンタクトホール4aおよびシェアードコンタクトホール5aに、埋め込みコンタクト電極4およびシェアードコンタクト電極5を形成する。なお、埋め込みコンタクト電極4およびシェアードコンタクト電極5は、TiNなどのバリア膜とタングステンなどの金属膜によって構成されている。以上の工程により、本実施形態の半導体装置が形成される。
【0061】
本実施形態の半導体装置によると、N型ロジック領域NLにおけるゲート電極12及びN型ソース・ドレイン領域(活性領域)16は、引っ張り応力含有絶縁膜50で覆っている。この構成によって、N型ロジック領域NLにおけるロジック用Nチャネル型MISトランジスタのトランジスタ能力(駆動能力)を向上することができる。また、P型ロジック領域PLにおけるゲート電極22及びP型ソース・ドレイン領域(活性領域)26は、圧縮応力含有絶縁膜55で覆っている。この構成によって、P型ロジック領域PLにおけるロジック用Pチャネル型MISトランジスタのトランジスタ能力(駆動能力)を向上することができる。
【0062】
また、P型SRAM領域PSにおけるゲート電極32及びP型ソース・ドレイン領域(活性領域)36とN型SRAM領域NSにおけるゲート電極42及びN型ソース・ドレイン領域(活性領域)46は、引っ張り応力含有薄膜絶縁膜50aおよび圧縮応力含有薄膜絶縁膜55aからなる積層膜で覆っている。この構成によれば、引っ張り応力含有薄膜絶縁膜50aの引っ張り応力と圧縮応力含有薄膜絶縁膜55aの圧縮応力によって互いの応力に対して相殺作用が生じる。このため、P型SRAM領域PSにおける活性領域及びN型SRAM領域NSにおける活性領域に対して印加される応力が、どちらか一方の絶縁膜で覆う場合に比べて低減される。したがって、N型SRAM領域NSにおけるSRAM用Nチャネル型MISトランジスタと、P型SRAM領域PSにおけるSRAM用Pチャネル型MISトランジスタとを同程度の能力にすることができる。よって、SRAM領域におけるMISトランジスタを、応力を有する一種類の膜で覆う場合と比較して、SRAM全体のバランスを安定したものとすることができる。
【0063】
さらに、引っ張り応力含有薄膜絶縁膜50aおよび圧縮応力含有薄膜絶縁膜55aの膜厚を、N型ロジック領域NLにおける引っ張り応力含有絶縁膜50およびP型ロジック領域PLにおける圧縮応力含有絶縁膜55よりも薄くすることにより、基板等に及ぼす応力をSRAM部のトランジスタに適した量に調整することができる。
【0064】
また、本実施形態の製造方法では、図7(a)に示す工程で、サイドウォール33bを引っ張り応力含有薄膜絶縁膜50aおよび圧縮応力含有薄膜絶縁膜55aで覆った状態で、シェアードコンタクトホール5aを形成している。したがって、これらの膜を形成しない従来と比較して、サイドウォール33bの後退を抑制することができ、ゲート電極32とP型ソース・ドレイン領域36との間にリークが発生するのを防止することができる。
【0065】
なお、本実施形態では、P型SRAM領域PSおよびN型SRAM領域NSにおいて、引っ張り応力含有薄膜絶縁膜50aの上に圧縮応力含有薄膜絶縁膜55aがそれぞれ形成されている場合について説明した。しかしながら、これらは逆の順番で積層されていてもよい。この場合にも上述した効果と同様の効果が得られる。
【0066】
なお、本実施形態ではSRAM領域を形成する場合について説明した。一般に、SRAMを構成する各トランジスタには均一な能力が要求されるため、本発明を適用すると効果的である。しかしながら、本発明が適用できるのはSRAM領域に限られない。つまり、P型MISトランジスタとN型MISトランジスタが1つの基板上に形成されている場合に、これらのトランジスタの上に上述の積層膜を形成すれば、トランジスタ同士のバランスを安定したものとすることができる。特に、P型MISトランジスタとN型MISトランジスタとが密接して形成されている場合には、これらのトランジスタを別々の膜で覆うことは困難であるため、この方法を適用すると効果的である。
【0067】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。図8に示すように、本実施形態の半導体装置では、N型SRAM領域NSおよびP型SRAM領域PSにおける引っ張り応力含有絶縁膜60の膜厚が、N型ロジック領域NLにおける引っ張り応力含有絶縁膜60の膜厚と実質的に同じである。同様に、N型SRAM領域NSおよびP型SRAM領域PSにおける圧縮応力含有絶縁膜63の膜厚も、P型ロジック領域PLにおける圧縮応力含有絶縁膜63の膜厚と実質的に同じである。それ以外の構造は第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。なお、「膜厚が実質的に同じ」範囲には、同一条件で膜を形成した場合に、場所によって生じる膜厚のばらつきの範囲を含む。
【0068】
図9(a)〜図12(b)は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。本実施形態における製造方法では、図9(a)に示す工程で、第1の実施形態で述べた方法と同様の方法によりゲート電極12、22、32、42等を形成する。その後、基板の上全体に、LP―CVD法によるシリコン窒化膜からなる引っ張り応力を有する引っ張り応力含有絶縁膜60を膜厚30nmで形成する。
【0069】
次に、図9(b)に示す工程で、基板上に、N型ロジック領域NL、N型SRAM領域NS及びP型SRAM領域PSを覆い、P型ロジック領域PLに開口62を有するレジストからなる第1のマスク61を形成する。その後、第1のマスク61をエッチングマスクにしてエッチングを行うことにより、P型ロジック領域PLにおける引っ張り応力含有絶縁膜60を除去する。
【0070】
次に、図10(a)に示す工程で、第1のマスク61を除去する。
【0071】
次に、図10(b)に示す工程で、基板上の全面に、プラズマCVD法によるシリコン窒化膜からなる圧縮応力を有する圧縮応力含有絶縁膜63を膜厚30nmで形成する。
【0072】
次に、図11(a)に示す工程で、基板上に、P型ロジック領域PL、P型SRAM領域PS及びN型SRAM領域NSを覆い、N型ロジック領域NLに開口65を有するレジストからなる第2のマスク64を形成する。その後、第2のマスク64をエッチングマスクにしてエッチングを行うことにより、N型ロジック領域NLにおける圧縮応力含有絶縁膜63を除去する。
【0073】
次に、図11(b)に示す工程で、第2のマスク64を除去する。
【0074】
次に、図12(a)に示す工程で、基板上の全面に層間絶縁膜3を形成した後、リソグラフィー法およびエッチング法を用いて、層間絶縁膜3、引っ張り応力含有絶縁膜60及び圧縮応力含有絶縁膜63をエッチングして、シリサイド層17、27、37、47に到達するコンタクトホール4aおよびシェアードコンタクトホール5aを形成する。
【0075】
次に、図12(b)に示す工程で、コンタクトホール4aおよびシェアードコンタクトホール5aに、埋め込みコンタクト電極4およびシェアードコンタクト電極5を形成する。以上の工程により、本実施形態の半導体装置が形成される。
【0076】
本実施形態の半導体装置によると、N型ロジック領域NLにおけるゲート電極12及びN型ソース・ドレイン領域(活性領域)16は、引っ張り応力含有絶縁膜60で覆っている。この構成によって、N型ロジック領域NLにおけるロジック用Nチャネル型MISトランジスタのトランジスタ能力(駆動能力)を向上することができる。また、P型ロジック領域PLにおけるゲート電極22及びP型ソース・ドレイン領域(活性領域)26は、圧縮応力含有絶縁膜63で覆っている。この構成によって、P型ロジック領域PLにおけるロジック用Pチャネル型MISトランジスタのトランジスタ能力(駆動能力)を向上することができる。
【0077】
また、P型SRAM領域PSにおけるゲート電極32及びP型ソース・ドレイン領域(活性領域)36とN型SRAM領域NSにおけるゲート電極42及びN型ソース・ドレイン領域(活性領域)46は、引っ張り応力含有絶縁膜60および圧縮応力含有絶縁膜63からなる積層膜で覆っている。この構成によれば、引っ張り応力含有絶縁膜60の引っ張り応力と圧縮応力含有絶縁膜63の圧縮応力によって互いの応力に対して相殺作用が生じる。このため、P型SRAM領域PSにおける活性領域及びN型SRAM領域NSにおける活性領域に対して印加される応力が、どちらか一方の絶縁膜で覆う場合に比べて低減される。したがって、N型SRAM領域NSにおけるSRAM用Nチャネル型MISトランジスタと、P型SRAM領域PSにおけるSRAM用Pチャネル型MISトランジスタとを同程度の能力にすることができる。よって、SRAM領域におけるMISトランジスタを、応力を有する一種類の膜で覆う場合と比較して、SRAM全体のバランスを安定したものとすることができる。
【0078】
また、本実施形態の製造方法では、図12(a)に示す工程で、サイドウォール33bを引っ張り応力含有絶縁膜60および圧縮応力含有絶縁膜63で覆った状態で、シェアードコンタクトホール5aを形成している。したがって、これらの膜を形成しない従来と比較して、サイドウォール33bの後退を抑制することができ、ゲート電極32とP型ソース・ドレイン領域36との間にリークが発生するのを防止することができる。
【0079】
なお、本実施形態では、P型SRAM領域PSおよびN型SRAM領域NSにおいて、引っ張り応力含有絶縁膜60の上に圧縮応力含有絶縁膜63がそれぞれ形成されている場合について説明した。しかしながら、これらは逆の順番で積層されていてもよい。この場合にも上述した効果と同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上のように、本発明は、Nチャネル型MISトランジスタおよびPチャネル型MISトランジスタを有する半導体装置における絶縁膜の応力緩和等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。
【図2】(a)、(b)は、第1の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図3】(a)、(b)は、第1の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図4】(a)、(b)は、第1の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図5】(a)、(b)は、第1の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図6】(a)、(b)は、第1の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図7】(a)、(b)は、第1の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。
【図9】(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図10】(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図11】(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図12】(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図13】従来のトランジスタの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 半導体基板
2 シャロートレンチ素子分離領域
3 層間絶縁膜
4 コンタクト電極
4a コンタクトホール
5 シェアードコンタクト電極
5a シェアードコンタクトホール
11、21、31、41 ゲート絶縁膜
12、22、32、42 ゲート電極
13a、23a、33a、43a オフセットサイドウォール
13b、23b、33b、43b サイドウォール
14、44 N型エクステンション領域
15、45 P型ポケット領域
16、46 N型ソース・ドレイン領域
17、27、37、47 シリサイド層
24、34 P型エクステンション領域
25、35 N型ポケット領域
26、36 P型ソース・ドレイン領域
50 引っ張り応力含有絶縁膜
50a 引っ張り応力含有薄膜絶縁膜
51 第1のマスク
52 開口
53 第2のマスク
54 開口
55 圧縮応力含有絶縁膜
55a 圧縮応力含有薄膜絶縁膜
56 第3のマスク
57 開口
58 第4のマスク
59 開口
60 引っ張り応力含有絶縁膜
61 第1のマスク
62 開口
63 圧縮応力含有絶縁膜
64 第2のマスク
65 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層からなる第1の活性領域の上方に形成された第1のゲート電極と、前記第1の活性領域のうち前記第1のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第1のソース・ドレイン領域を有するNチャネル型の第1のMISトランジスタと、
前記半導体層からなる第2の活性領域の上方に形成された第2のゲート電極と、前記第2の活性領域のうち前記第2のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第2のソース・ドレイン領域を有するPチャネル型の第2のMISトランジスタと、
前記第1のゲート電極、前記第1の活性領域、前記第2のゲート電極および前記第2の活性領域を覆う、引っ張り応力を有する第1の絶縁膜と圧縮応力を有する第2の絶縁膜からなる積層膜と、
前記積層膜上に形成された層間絶縁膜とを備える、半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記第1のMISトランジスタ及び前記第2のMISトランジスタはSRAMを構成する、半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体装置であって、
前記半導体層からなる第3の活性領域に形成された第3のゲート電極と、前記第3の活性領域のうち前記第3のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第3のソース・ドレイン領域を有するNチャネル型の第3のMISトランジスタと、
前記第3のゲート電極および前記第3の活性領域を覆う、引っ張り応力を有する第3の絶縁膜とをさらに備え、
前記第3の活性領域の上方には、前記第2の絶縁膜は形成されていない、半導体装置。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体装置であって、
前記第1の絶縁膜の膜厚は、前記第3の絶縁膜の膜厚よりも薄い、半導体装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の半導体装置であって、
前記第3のトランジスタはロジック部に設けられている、半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記第1のゲート電極の側面上には第1のサイドウォールが形成され、
前記積層膜は、前記第1のソース・ドレイン領域、前記第1のサイドウォールおよび前記第1のゲート電極を覆い、
前記層間絶縁膜および前記積層膜を貫通して前記第1のソース・ドレイン領域、前記第1のサイドウォールおよび前記第1のゲート電極に到達する第1のシェアードコンタクトとをさらに備える、半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記半導体層からなる第4の活性領域に形成された第4のゲート電極と、前記第4の活性領域のうち前記第4のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第4のソース・ドレイン領域を有するPチャネル型の第4のMISトランジスタと、
前記第4のゲート電極および前記第4の活性領域を覆う、圧縮応力を有する第4の絶縁膜とをさらに備え、
前記第4の活性領域の上方には、前記第1の絶縁膜は形成されていない、半導体装置。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体装置であって、
前記第2の絶縁膜の膜厚は、前記第4の絶縁膜の膜厚よりも薄い、半導体装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の半導体装置であって、
前記第4のトランジスタはロジック部に設けられている、半導体装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記第2のゲート電極の側面上には第2のサイドウォールが形成され、
前記積層膜は、前記第2のソース・ドレイン領域、前記第2のサイドウォールおよび前記第2のゲート電極を覆い、
前記層間絶縁膜および前記積層膜を貫通して前記第2のソース・ドレイン領域、前記第2のサイドウォールおよび前記第2のゲート電極に到達する第2のシェアードコンタクトとをさらに備える、半導体装置。
【請求項11】
半導体層からなる第1の活性領域の上方に形成された第1のゲート電極と前記第1の活性領域のうち前記第1のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第1のソース・ドレイン領域とを有するNチャネル型の第1のMISトランジスタと、前記半導体層からなる第2の活性領域の上方に形成された第2のゲート電極と前記第2の活性領域のうち前記第2のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第2のソース・ドレイン領域とを有するPチャネル型の第2のMISトランジスタとを備えた半導体装置の製造方法であって、
前記第1のゲート電極、前記第1の活性領域、前記第2のゲート電極および前記第2の活性領域を覆う、引っ張り応力を有する第1の絶縁膜と圧縮応力を有する第2の絶縁膜からなる積層膜を形成する工程(a)と、
前記積層膜上に層間絶縁膜を形成する工程(b)とを備える、半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記工程(a)では、前記第1の絶縁膜を形成した後、前記第1の絶縁膜上に前記第2の絶縁膜を形成することにより前記積層膜を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記工程(a)では、前記第2の絶縁膜を形成した後、前記第2の絶縁膜上に前記第1の絶縁膜を形成することにより前記積層膜を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項11〜13のうちいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記半導体層からなる第3の活性領域に形成された第3のゲート電極と、前記第3の活性領域のうち前記第3のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第3のソース・ドレイン領域とを有するNチャネル型の第3のMISトランジスタとをさらに備え、
前記工程(a)では、前記第3のゲート電極および前記第3の活性領域を覆う、前記第1の絶縁膜と共通の膜からなる引っ張り応力を有する第3の絶縁膜を形成し、
前記工程(b)では、前記層間絶縁膜形成前の前記第3の活性領域の上方には前記第2の絶縁膜が形成されておらず、前記第3の絶縁膜上に前記層間絶縁膜を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記工程(a)は、前記第1の絶縁膜の膜厚を前記第3の絶縁膜よりも薄くする工程をさらに有する、半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項11〜15のうちいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記半導体層からなる第4の活性領域に形成された第4のゲート電極と、前記第4の活性領域のうち前記第4のゲート電極の側方に位置する領域に形成された第4のソース・ドレイン領域とを有するPチャネル型の第4のMISトランジスタとをさらに備え、
前記工程(a)では、前記第4のゲート電極および前記第4の活性領域を覆う、前記第2の絶縁膜と共通の膜からなる圧縮応力を有する第4の絶縁膜を形成し、
前記工程(b)では、前記層間絶縁膜形成前の前記第4の活性領域の上方には前記第1の絶縁膜が形成されておらず、前記第4の絶縁膜上に前記層間絶縁膜を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項16に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記工程(a)は、前記第2の絶縁膜の膜厚を前記第4の絶縁膜よりも薄くする工程をさらに有する、半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項11〜17のうちいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1のMISトランジスタおよび前記第2のMISトランジスタはSRAMを構成する、半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項11〜18のうちいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記工程(a)の前に、前記第1のゲート電極の側面上に第1のサイドウォールを形成する工程(c)と、
前記工程(b)の後に、前記層間絶縁膜及び前記積層膜を貫通して、前記第1のMISトランジスタにおける前記第1のゲート電極、前記第1のサイドウォールおよび前記第1の活性領域に到達する第1のシェアードコンタクトを形成する工程(d)とをさらに備える、半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項11〜18のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記工程(a)の前に、前記第2のゲート電極の側面上に第2のサイドウォールを形成する工程(c)と、
前記工程(b)の後に、前記層間絶縁膜及び前記積層膜を貫通して、前記第2のMISトランジスタにおける前記第2のゲート電極、前記第2のサイドウォールおよび前記第2の活性領域に到達する第2のシェアードコンタクトを形成する工程(d)とをさらに備える、半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−59473(P2007−59473A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−240085(P2005−240085)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】