説明

半導体記憶装置及びその製造方法

【課題】ビット線コンタクト部のトラップ膜の完全な除去とメモリセル部のゲート電極間の埋め込み充填絶縁膜の十分な残存量確保とを両立する。
【解決手段】複数のビット線拡散層と、複数のワード線と、一対のビット線拡散層、ゲート絶縁膜、及びゲート電極によって構成された複数のメモリ素子と、を含むメモリ領域を有する半導体記憶装置であって、各列における複数に分割された複数のビット線拡散層同士は、ビット線コンタクト拡散層を介して電気的に接続されており、ビット線コンタクト拡散層に隣り合って配置されたワード線に形成されたビット線コンタクト拡散層側の側壁絶縁膜の幅は、ビット線コンタクト拡散層側と反対側に形成された側壁絶縁膜の幅よりも狭い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体記憶装置及びその製造方法、特に、ビット線コンタクト部を介してビット線拡散層と上部のビット線とを電気的に接続する構造を備えた不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の形態の不揮発性半導体記憶装置が提案されている。例えば、拡散層からなるビット線とポリシリコン等の導電層からなるワード線とが交差する形で配置され、トラップ膜に電荷を蓄積する不揮発性半導体記憶素子は、容易に高集積化が可能であるため注目されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、従来の不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法について説明する。
【0004】
従来の不揮発性半導体記憶装置の構造は、図38に示す平面図及び図39(a)〜(e)の断面図に示されている。
【0005】
ここで、図39における(a)は図38の100a1−100a2線における断面図であり、(b)は図38の100b1−100b2線における断面図であり、(c)は図38の100c1−100c2線における断面図であり、(d)は図38の100d1−100d2線における断面図であり、(e)は図38の100e1−100e2線における断面図である。
【0006】
上記従来の不揮発性半導体記憶装置の構造を実現するその製造方法について、その製造工程順に図40(a)〜(e)、図41(a)〜(e)、図42(a)〜(d)、図43(a)〜(d)、図44(a)〜(d)、並びに、図45(a)及び(b)を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、各工程においてポイントとなる部分の断面図について説明する。
【0007】
まず、図40(a)(図38の100d1−100d2線の断面図)に示すように、シリコンからなる半導体基板101の主面上に、例えば厚さが80nm〜300nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜102Aを形成し、続いてレジスト膜103を堆積し、フォトリソグラフィにより開口部を形成する。
【0008】
次に、図40(b)(図38の100d1−100d2線の断面図)に示すように、開口部の、マスク形成膜102Aをエッチングし、レジスト膜103を除去した後、続いて半導体基板101をエッチングしてマスク膜102の開口部に溝を形成する。
【0009】
次に、図40(c)(図38の100d1−100d2線の断面図)に示すように、この溝部に酸化シリコン等の絶縁膜を充填し、CMP法にて、充填した酸化シリコンを平坦化させて、STI等からなる素子分離領域104を形成する。この際、素子分離領域104の表面の高さは、CMPによる平坦化により当初はマスク膜102と同じになっているため、あらかじめ、ウェットエッチング等の手法により、半導体基板1の表面より低くならないように調整しておく。この高さの調整は、後の工程のエッチング加工を簡便にするためであり、一般に良く用いられる手法である。
【0010】
次に、図40(d)(図38の100d1−100d2線の断面図)に示すように、全面にわたって、トラップ膜106を堆積し、続いて、例えば窒化シリコンからなるマスク形成膜107Aを堆積し、続いて、マスク形成膜107Aの上にレジスト膜108を塗布する。
【0011】
次に、図40(e)(図38の100b1−100b2線の断面図)に示すように、リソグラフィ法により、レジスト膜108に以降の工程でソース・ドレイン領域105を形成する領域を開口する開口パターンを形成する。
【0012】
次に、図41(a)(図38の100b1−100b2線の断面図)に示すように、レジスト膜108をマスクとして、マスク形成膜107Aに対してドライエッチングを行うことにより、マスク形成膜107Aからソース・ドレイン領域105を形成するための開口部を有するマスク膜107を形成する。その後、パターン化されたマスク膜107の開口部下のトラップ膜106を除去する。
【0013】
次に、図41(b)(図38の100b1−100b2線の断面図)に示すように、マスク膜107を用いて、例えばn型の不純物である砒素のイオン注入を行って、n型不純物拡散層からなるソース・ドレイン領域105を形成する。このソース・ドレイン領域105はビット線拡散層105として機能する。
【0014】
次に、図41(c)(図38の100b1−100b2線の断面図)に示すように、マスク膜107の開口部を埋め込むように、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜109Aを堆積する。
【0015】
次に、図41(d)(図38の100b1−100b2線の断面図)に示すように、マスク膜102の開口部に充填された部分以外の酸化シリコン膜109Aを選択的に除去する。
【0016】
次に、図41(e)(図38の100b1−100b2線の断面図)に示すように、マスク膜2のみを選択的に除去し、トラップ膜106を露出させると共に、絶縁膜109Aの上部をエッチングしてビット線埋め込み酸化膜109を形成する。ここで、ビット線埋め込み酸化膜109の半導体基板101からの高さを調整するため、マスク膜107の選択除去の前又は後にウェットエッチング法又はエッチバック法により、ビット線埋め込み酸化膜109の半導体基板101からの高さを低く調整する。この高さ調整は素子分離と同様に後の工程のエッチング加工を簡便にするために実施する。
【0017】
次に、図42(a)(図38の100d1−100d2線の断面図)及び(b)(図38の100e1−100e2線の断面図)に示すように、ワード線(ゲート電極)として機能する多結晶シリコン膜からなる導電膜110Aを堆積する。
【0018】
次に、図42(c)(図38の100d1−100d2線の断面図)及び(d)(図38の100e1−100e2線の断面図)に示すように、レジスト膜を塗布した後にリソグラフィ法により、互いに間隔をおいて配置されたソース・ドレイン形成領域105と交差する方向にワード線を形成するためのレジストパターン108を形成する。
【0019】
次に、図43(a)(図38の100d1−100d2線の断面図)及び(b)(図38の100e1−100e2線の断面図)に示すように、レジストパターン108をマスク膜として、ドライエッチングにて多結晶シリコン膜からなる導電膜110Aの所定領域を開口し、ゲート電極110を形成して開口部のトラップ膜106を露出させる。
【0020】
次に、図43(c)(図38の100d1−100d2線の断面図)及び(d)(図38の100e1−100e2線の断面図)に示すように、ワード線(ゲート電極)110間の開口部を充填するように、絶縁膜を堆積し、エッチバック法にてゲート電極110間の絶縁膜を残したままゲート電極110の上面部の絶縁膜109を除去して、埋め込み充填絶縁膜111を形成する。なお、ビット線コンタクト部113は、一定ワード線数間に配置され、ビット線の裏打ち配線となる上部のビット線とビット線拡散層105とを電気的に接続するビット線の裏打ちコンタクト領域として作用する。また、上記ワード線において、ビット線コンタクト部113に最近接のワード線はメモリセルトランジスタとして寄与しないダミーワード線となる。
【0021】
次に、図44(a)(図38の100d1−100d2線の断面図)及び(b)(図38の100e1−100e2線の断面図)に示すように、ビット線コンタクト部113を開口するマスク膜124を用いて、例えばn型の不純物である砒素のイオン注入を行って、n型不純物拡散層からなるビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層125を形成する。
【0022】
次に、図44(c)(図38の100d1−100d2線の断面図)及び(d)(図38の100e1−100e2線の断面図)に示すように、例えば真空蒸着法等により、半導体基板101の上に全面にわたって、コバルト又はニッケル等からなる金属膜を堆積し、その後、熱処理を施すことにより、ゲート電極110の上部及びビット線コンタクト領域125の上部に金属シリサイド層123を形成する。その後、半導体基板101上の全体に層間絶縁膜112を堆積する。
【0023】
次に、図45(a)に示すように、層間絶縁膜112に、ビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層125上の金属シリサイド層123を露出する接続孔を開口し、層間絶縁膜112の上に、例えば タングステン、タングステン化合物、チタン、若しくは窒化チタンなどのチタン化合物などの金属単層膜又は積層膜からなる導電膜を、各接続孔が埋まるように全面的に堆積してビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層125に接続するビット線コンタクト114を形成する。
【0024】
次に、図45(b)に示すように、導電膜115Aを堆積し、各ビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層125が相互に接続されるようにパターニングして、導電膜115Aからビット線115を形成する。
【0025】
上記従来の技術から更なる微細化及び高集積化を図る場合、ワード線ピッチの縮小を実施するだけでなく、ビット線コンタクト部113の縮小も行う必要がある。しかしながら、上記従来技術を使用した場合において、ビット線コンタクト部113の縮小は、電気抵抗の低減化という観点から困難であり、必然的にコンタクト部にも金属シリサイドを用いて抵抗低減を行うという技術が必要になる。
【0026】
このビット線コンタクト部113の金属シリサイド化を行う手法として、図43(c)及び(d)の段階で、サイドウォール形成時のオーバーエッチングを適切に制御することによって、ビット線コンタクト部113のトラップ膜106のみを除去してシリサイド化するという技術が提案されている(非特許文献1参照)。
【0027】
また、コンタクト部の縮小のみを目的とした構造としては、例えば、ゲート電極の側壁に対してコンタクト部の径を大きく開口し、自己整合的にコンタクトを開口させた構造となる半導体記憶素子が提案されている(特許文献2参照)。
【0028】
この特許文献2では、メモリセルのゲート電極上に絶縁膜を残すように形成した後に、シリコン基板上のコンタクト部の幅よりも大きな径のコンタクト穴を開口し、側壁及びゲート電極上の絶縁膜を適度に残存させることによる自己整合型コンタクト形成技術を用いている。この構造にすることにより、ゲート電極間の幅が狭くても、メモリセル部分には特に影響を及ぼさず、ソース・ドレイン部とコンタクトが形成でき、メモリセル面積の縮小が可能である。
【特許文献1】米国公開特許第2006/0214218号公報
【特許文献2】日本国公開特許2001−127174号公報
【非特許文献1】R. Koval et.al「Flash ETOX Virtual Ground Architecture:A Future Scaling Direction」 2005 Symposium on VLSI Technology 11B-1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
しかしながら、上記非特許文献1で提案された技術において、更なるビット線コンタクト部113の縮小を行う際には、以下の問題点が生じる。
【0030】
ビット線コンタクト部113に隣接するダミーワード線の横に形成される側壁部がビット線コンタクト部側に張り出すため、トラップ膜106を除去するためには、実際のトラップ膜の膜厚相当時間よりも更にオーバーエッチングを過剰に行う必要があるが、オーバーエッチングを過剰に行うことにより、埋め込み充填を行った埋め込み材料が相当量除去されてしまい、ワード線間に大きな凹凸が発生する。
【0031】
以下、非特許文献1に示された従来の不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法における新たな課題について説明する。
【0032】
従来の不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイにおけるビット線コンタクト部113が縮小された構造は、図46に示す平面図及び図47(a)〜(d)並びに図48(a)及び(b)の断面図に示されている。
【0033】
ここで、図47(a)は、図46の100a1−100a2線における断面図であり、(b)は、図46の100b1−100b2線における断面図であり、(c)は、図46の100c1−100c2線における断面図であり、(d)は、図46の100d1−100d2線における断面図である。また、図48(a)は、図46の100e1−100e2線における断面図であり、(b)は、図48(a)の領域Aの拡大図である。
【0034】
上記従来の不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイにおけるビット線コンタクト部113が縮小された構造である場合の製造方法について、図46に示す平面図及び図47(a)〜(d)並びに図48(a)及び(b)に示す断面図を用いて説明する。
【0035】
まず、図49(a)(図46の100d1−100d2線の断面図)に示すように、シリコンからなる半導体基板100の主面上に、例えば厚さが80nm〜300nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜102Aを形成し、続いてレジスト膜103を堆積し、フォトリソグラフィにより開口部を形成する。
【0036】
次に、図49(b)(図46の100d1−100d2線の断面図)に示すように、レジスト開口部下のマスク形成膜102Aをエッチングしてマスク膜102を開口し、レジストを除去した後、マスク膜102の開口部下の半導体基板1をエッチングして溝部を形成する。
【0037】
次に、図49(c)(図46の100d1−100d2線の断面図)に示すように、この溝部内に酸化シリコン等の絶縁膜を充填し、CMP法にて充填した酸化シリコンを平坦化させて、STI等からなる素子分離領域104を形成する。この際、素子分離領域104の表面の高さは、CMPによる平坦化により当初はマスク膜102と同じになっているため、あらかじめ、ウェットエッチング等の手法により、半導体基板101の表面より低くならない様に調整しておく。この高さ調整は、後の工程のエッチング加工を簡便にするためであり、一般に良く用いられる手法である。
【0038】
次に、図49(d)(図46の100d1−100d2線の断面図)に示すように、全面にわたって、トラップ膜106を堆積し、次に、例えば窒化シリコンからなるマスク形成膜107Aを堆積し、続いてマスク形成膜107Aの上にレジスト膜108を塗布する。
【0039】
次に、図49(e)(図46の100b1−100b2線の断面図)に示すように、リソグラフィ法により、レジスト膜108に以降の工程でソース・ドレイン領域105を形成する領域を開口する開口パターンを形成する。
【0040】
次に、図50(a)(図46の100b1−100b2線の断面図)に示すように、レジスト膜108をマスクとして、マスク形成膜107Aに対してドライエッチングを行うことにより、マスク形成膜107Aからソース・ドレイン領域105を形成するための開口部を有するマスク膜107を形成する。その後、パターン化されたマスク膜107の開口部下のトラップ膜106を除去する。
【0041】
次に、図50(b)(図46の100b1−100b2線の断面図)に示すように、マスク膜107を用いて、例えばn型の不純物である砒素のイオン注入を行って、n型不純物拡散層からなるソース・ドレイン領域105を形成する。このソース・ドレイン領域105はビット線拡散層105として機能する。
【0042】
次に、図50(c)(図46の100b1−100b2線の断面図)に示すように、マスク膜107の開口部を埋め込むように、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜109Aを堆積する。
【0043】
次に、図50(d)(図46の100b1−100b2線の断面図)に示すように、マスク膜107の開口部に充填された部分以外の酸化シリコン膜109Aを選択的に除去する。
【0044】
次に、図51(a)(図46の100b1−100b2線の断面図)及び(b)(図46の100b1−100b2線の断面図)に示すように、マスク膜107のみを選択的に除去し、トラップ膜106を露出させると共に、絶縁膜109Aの上部をエッチングしてビット線埋め込み酸化膜109を形成する。ここで、ビット線埋め込み酸化膜109の半導体基板101からの高さを調整するため、マスク膜107の選択除去の前又は後にウェットエッチング法又はエッチバック法により、ビット線埋め込み酸化膜109の半導体基板101からの高さを低く調整する。この高さ調整は素子分離と同様に後の工程のエッチング加工を簡便にするために実施する。
【0045】
次に、図51(c)(図46の100d1−100d2線の断面図)及び(d)(図46の100e1−100e2線の断面図)に示すように、ワード線(ゲート電極)となる導電膜110Aを堆積する。
【0046】
次に、図52(a)(図46の100d1−100d2線の断面図)及び(b)(図46の100e1−100e2線の断面図)に示すように、レジスト膜を塗布した後にリソグラフィ法により、互いに間隔をおいて配置されたソース・ドレイン形成領域105と交差する方向にワード線を形成するためのレジストパターン108を形成する。
【0047】
次に、図52(c)(図46の100d1−100d2線の断面図)及び(d)(図46の100e1−100e2線の断面図)に示すように、レジストパターン108をマスク膜として、ドライエッチングにて多結晶シリコン膜の所定領域を開口し、ゲート電極110を形成して開口部のトラップ膜106を露出させる。
【0048】
次に、図53(a)(図46の100d1−100d2線の断面図)及び(b)(図46の100e1−100e2線の断面図)に示すように、ワード線(ゲート電極)110間の開口部を充填するように、絶縁膜を堆積し、エッチバック法にてゲート電極110間に絶縁膜を残したままゲート電極110の上面上の絶縁膜を除去して、埋め込み充填絶縁膜111を形成する。このとき、図53(b)に示すように、ビット線コンタクト部の中央では、絶縁膜109がエッチング除去され、トラップ膜106が露出する。
【0049】
次に、図53(c)(図46の100d1−100d2線の断面図)及び(d)(図46の100e1−100e2線の断面図)に示すように、ビット線コンタクト部113にマスク膜124を用いて、例えばn型の不純物である砒素のイオン注入を行って、n型不純物拡散層からなるビット線コンタクト領域125を形成する。
【0050】
次に、図54(a)(図46の100d1−100d2線の断面図)及び(b)(図46の100e1−100e2線の断面図)に示すように、例えば真空蒸着法等により、半導体基板101の上に全面にわたって、コバルト又はニッケル等からなる金属膜を堆積し、その後、熱処理を施すことにより、ゲート電極110の上部及びビット線コンタクト部113の上部にそれぞれ金属シリサイド層123を形成する。その後、半導体基板101上の全体に層間絶縁膜112を堆積する。
【0051】
次に、図54(c)(図46の100d1−100d2線の断面図)に示すように、ビット線コンタクト114を形成する。
【0052】
次に、図54(d)(図46の100e1−100e2線の断面図)に示すように、ビット線115を形成する。
【0053】
上記の製造方法を用いた場合、図53(a)及び(b)における工程において、ゲート電極110間の埋め込み充填絶縁膜111の高さを十分に確保する程度の過小なオーバーエッチ量では、図53(b)に示す断面図において、ビット線コンタクト部113のトラップ膜106が完全には除去できず、部分的にトラップ膜106が残存する。これにより、後工程でのビット線コンタクト部113の高濃度不純物拡散層125が不完全に形成されてしまい、ビット線コンタクト部113の高濃度不純物拡散層125と拡散ビット線105との電気的接続が不完全になる。また、高濃度不純物拡散層25上の金属シリサイド23の形成も不完全となり、ビット線コンタクト114と金属シリサイド123との電気的接続が不完全になる。その結果、歩留まりを大きく落とす要因になる。
【0054】
一方で、図53(a)及び(b)における工程において、トラップ膜106を完全に除去できる過大なオーバーエッチ量では、図55(a)(図46の100d1−100d2線の断面図)及び(b)(図46の100e1−100e2線の断面図)に示す断面図のように、ゲート電極110間の埋め込み充填絶縁膜111が相当量除去されてしまい、ワード線間に激しい凹凸が残ってしまう。この状態でその後の工程を進めると、図54(a)及び(b)における工程で層間絶縁膜112を堆積する際に、図56(a)(図46の100d1−100d2線の断面図)及び(b)(図46の100e1−100e2線の断面図)に示す断面図のように、ゲート電極110間にボイド126が発生してしまう。
【0055】
従って、トラップ膜106の除去と埋め込み充填絶縁膜111の残存量を最適化できるエッチング条件に制御する必要があるため、エッチング制御そのものが極めて難しい。
【0056】
また、上記特許文献2で提案された自己整合型コンタクト形状を適用する技術を用いて、更なるビット線コンタクト部113の縮小を行う際には、以下の問題点が生じる。
【0057】
ゲート電極上に絶縁膜を残存させる手法を適用する場合、ゲート電極の抵抗を低減する方法であるゲート電極形成後の金属シリサイド化が困難であり、あらかじめゲート電極材料としてポリシリコンと例えばタングステンシリサイド膜のような金属シリサイドとの積層膜を採用する必要がある。しかしながら、微細化に伴い、金属シリサイドの抵抗率も上昇し、特に細い配線においてはコバルトやニッケルによるシリサイドの使用が必須になってくるため、この手法における微細化には限界がある。
【0058】
また、上記特許文献2における半導体記憶装置は、SRAM(Static Random Access Memory)を想定したものであり、コンタクトを配置する間隔は広くすることができるが、不揮発性半導体記憶素子のように直鎖状にコンタクトを配置する記憶素子の場合は、コンタクト間隔を狭めて配置することになるため、この技術を用いた場合には、コンタクト間の短絡を招くという新たな課題が生じる。
【0059】
前記に鑑み、本発明の目的は、ビット線コンタクト部113のトラップ膜の完全な除去とメモリセル部のゲート電極間の埋め込み充填絶縁膜の十分な残存量確保とを両立できる不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0060】
上記の目的を達成するために、本発明の一形態の半導体記憶装置は、基板における上部に形成され、列方向に延伸する複数のビット線拡散層と、基板の上に形成され、行方向に延伸する複数のワード線と、隣り合う一対のビット線拡散層、基板上における一対のビット線拡散層間とワード線とに挟まれるように形成されたゲート絶縁膜、及び、ワード線におけるゲート絶縁膜上の部分からなるゲート電極によって構成され、行列状に配置された複数のメモリ素子と、含むメモリ領域を有する半導体記憶装置であって、複数のビット線拡散層の各々は列方向において複数に分割されており、各列における複数のビット線拡散層同士は、基板における上部に形成されたビット線コンタクト拡散層を介して電気的に接続されており、メモリ領域において、隣り合うワード間の領域は、当該隣り合うワード線の側面に形成された側壁絶縁膜同士で埋め込まれており、ビット線コンタクト拡散層に隣り合って配置されたワード線において、当該ワード線に形成された側壁絶縁膜のうちビット線コンタクト拡散層側に形成された側壁絶縁膜の幅は、当該ワード線に形成された側壁絶縁膜のうちビット線コンタクト拡散層側と反対側に形成された側壁絶縁膜の幅よりも狭い。
【0061】
本発明の一形態の半導体記憶装置において、ゲート電極は、複数のメモリ素子の各々に占有される下層膜と、下層膜の上に形成されたワード線を構成する上層膜とを含む積層膜からなり、ワード線方向において、隣り合う下層膜間におけるビット線拡散層上に形成された埋め込み絶縁膜の上面の高さは、下層膜の上面の高さと同等である。
【0062】
本発明の一形態の半導体記憶装置において、メモリ素子を構成するゲート絶縁膜は、電荷蓄積機能を有するトラップ膜を含む。
【0063】
本発明の一形態の半導体記憶装置において、ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜、電荷蓄積機能を有する窒化シリコン、及び酸化シリコンが下からこの順に形成された積層膜からなる。
【0064】
本発明の一形態の半導体記憶装置において、ゲート電極は、下層膜としての電荷蓄積機能を有する浮遊ゲート電極と、浮遊ゲート電極の上に形成された電極間絶縁膜と、電極間絶縁膜の上に形成され、上層膜としての制御ゲート電極との積層膜からなる。
【0065】
本発明の一形態の半導体記憶装置において、ビット線拡散層は、基板の導電型と反対導電型の第1の不純物拡散層と、第1の不純物拡散層の周囲に形成され、基板の導電型と同一導電型の第2の不純物拡散層とからなる。
【0066】
本発明の一形態の半導体記憶装置において、第1の不純物拡散層の不純物濃度は、第2の不純物拡散層の不純物濃度よりも高い。
【0067】
本発明の一形態の半導体記憶装置において、ゲート電極は、多結晶シリコン又は非結晶シリコンからなる。
【0068】
本発明の一形態の半導体記憶装置において、ゲート電極の上面上に形成された金属シリサイド層をさらに備えている。
【0069】
本発明の一形態の半導体記憶装置において、ゲート電極は、金属膜からなる。
【0070】
本発明の一形態の半導体記憶装置において、ゲート電極を構成する上層膜及び下層膜のうち、少なくとも上層膜は、金属膜からなる。
【0071】
本発明の一形態の半導体記憶装置において、ビット線コンタクト拡散層の上面上に形成された金属シリサイド層をさらに備えている。
【0072】
本発明の一形態の半導体記憶装置において、基板上におけるメモリ領域とは異なる領域に、周辺トランジスタを含む論理回路領域をさらに備えており、周辺トランジスタのゲート電極の材料は、メモリ素子のゲート電極の材料と同一である。
【0073】
本発明の第1の形態の半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上に、電荷保持機能を有するトラップ膜及びマスク絶縁膜をこの順に形成する工程(a)と、マスク絶縁膜を選択的に除去して開口部を形成した後、開口部を介して半導体基板中に不純物を導入することにより、列方向に延伸すると共に各列において複数に分割された複数のビット線拡散層を形成する工程(b)と、工程(b)の後、開口部内を第1の埋め込み絶縁膜で埋め込んだ後、マスク絶縁膜の上面を露出させる工程(c)と、工程(c)の後、マスク絶縁膜を除去すると共に、第1の埋め込み絶縁膜における上部の部分を除去する工程(d)と、工程(d)の後、半導体基板上に、第1の埋め込み絶縁膜を覆うように、導電膜を形成する工程(e)と、導電膜を選択的に除去して、トラップ膜の上面の一部及び第1の埋め込み絶縁膜の上面の一部を露出させると共に、行方向に延伸する、導電膜からなる複数のワード線を形成する工程(f)と、工程(f)の後、半導体基板上に、ワード線及びトラップ膜と第1の埋め込み絶縁膜における露出した上面を覆うように、絶縁膜を堆積した後、エッチバックすることにより、ワード線の側面に残存する絶縁膜からなる側壁絶縁膜が、隣り合うワード線間を埋め込んでなる第2の埋め込み絶縁膜を形成する工程(g)と、工程(g)の後、各列における複数のビット線拡散層同士を分割するビット線コンタクト拡散層形成領域を露出する開口部を有するマスクパターンを用いたエッチングにより、ビット線コンタクト拡散層形成領域に隣り合って配置されたワード線において、当該ワード線に形成された側壁絶縁膜のうちビット線コンタクト拡散層形成領域側に形成された側壁絶縁膜の側壁膜厚を減少させると共に、ビット線コンタクト拡散層形成領域に露出したトラップ膜を除去して半導体基板を露出させる工程(h)と、工程(h)の後、半導体基板の露出した部分に不純物を導入することにより、ビット線コンタクト拡散層形成領域にビット線コンタクト拡散層を形成する工程(i)とを備える、半導体記憶装置の製造方法。
【0074】
本発明の第1の形態の半導体記憶装置の製造方法において、導電膜は、多結晶シリコン膜、非結晶シリコン膜、金属膜、多結晶シリコン膜とシリサイド膜との積層膜、及び、非結晶シリコン膜とシリサイド膜との積層膜からなる群のうちから選択されるいずれか1つである。
【0075】
本発明の第2の形態の半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上に、電荷保持機能を有するトラップ膜、第1の導電膜及びマスク絶縁膜をこの順に形成する工程(a)と、マスク絶縁膜及び第1の導電膜を選択的に除去して開口部を形成した後、開口部を介して半導体基板中に不純物を導入することにより、列方向に延伸すると共に各列において複数に分割された複数のビット線拡散層を形成する工程(b)と、工程(b)の後、開口部内を第1の埋め込み絶縁膜で埋め込んだ後、マスク絶縁膜の上面を露出させる工程(c)と、工程(c)の後、マスク絶縁膜を除去して第1の導電膜の上面を露出すると共に、第1の埋め込み絶縁膜における上部を除去し、第1の埋め込み絶縁膜の高さを第1の導電膜の高さと同等にする工程(d)と、工程(d)の後、半導体基板上に、上面が露出した第1の導電膜上及び第1の埋め込み絶縁膜上を覆うように第2の導電膜を形成する工程(e)と、第1の導電膜及び第2の導電膜を選択的に除去し、トラップ膜の上面の一部及び第1の埋め込み絶縁膜の上面の一部を露出させると共に、行方向に延伸する、第2の導電膜からなる複数のワード線を形成する工程(f)と、工程(f)の後、半導体基板上に、ワード線及びトラップ膜と第1の埋め込み絶縁膜における露出した上面を覆うように、絶縁膜を堆積した後、エッチバックすることにより、ワード線の側面に残存する絶縁膜からなる側壁絶縁膜が、隣り合うワード線間を埋め込んでなる第2の埋め込み絶縁膜を形成する工程(g)と、工程(g)の後、各列における複数のビット線拡散層同士を分割するビット線コンタクト拡散層形成領域を露出する開口部を有するマスクパターンを用いたエッチングにより、ビット線コンタクト拡散層形成領域に隣り合って配置されたワード線において、当該ワード線に形成された側壁絶縁膜のうちビット線コンタクト拡散層形成領域側に形成された側壁絶縁膜の側壁膜厚を減少させると共に、ビット線コンタクト拡散層形成領域に露出したトラップ膜を除去して半導体基板を露出させる工程(h)と、工程(h)の後、半導体基板の露出した部分に不純物を導入することにより、ビット線コンタクト拡散層形成領域にビット線コンタクト拡散層を形成する工程(i)とを備える、半導体記憶装置の製造方法。
【0076】
本発明の第2の形態の半導体記憶装置の製造方法において、第2の導電膜は、多結晶シリコン膜、非結晶シリコン膜、金属膜、多結晶シリコン膜とシリサイド膜との積層膜、及び、非結晶シリコン膜とシリサイド膜との積層膜からなる群のうちから選択されるいずれか1つである。
【0077】
本発明の第1又は第2の形態の半導体記憶装置の製造方法において、工程(b)は、ビット線拡散層を形成する領域上のトラップ膜を残存させた状態で、トラップ膜を介して、半導体基板中に不純物を導入する工程を含む。
【0078】
本発明の第1又は第2の形態の半導体記憶装置の製造方法において、工程(b)は、ビット線拡散層を形成する領域上のトラップ膜を除去した状態で、半導体基板中に不純物を直接導入する工程を含む。
【0079】
本発明の第3の形態の半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上に、トンネル膜、第1の導電膜及びマスク絶縁膜をこの順に形成する工程(a)と、マスク絶縁膜及び第1の導電膜を選択的に除去して開口部を形成した後、開口部を介して半導体基板中に不純物を導入することにより、列方向に延伸すると共に各列において複数に分割された複数のビット線拡散層を形成する工程(b)と、工程(b)の後、開口部内を第1の埋め込み絶縁膜で埋め込んだ後、マスク絶縁膜の上面を露出させる工程(c)と、工程(c)の後、マスク絶縁膜を除去して第1の導電膜の上面を露出させると共に、第1の埋め込み絶縁膜の上部を除去することにより、第1の埋め込み絶縁膜の高さを第1の導電膜の高さと同等にする工程(d)と、工程(d)の後、半導体基板上に、上面が露出した第1の導電膜上及び第1の埋め込み絶縁膜上を覆うように、電極間絶縁膜及び第2の導電膜をこの順に形成する工程(e)と、第1の導電膜、電極間絶縁膜、及び第2の導電膜を選択的に除去して、トンネル膜の上面の一部及び第1の埋め込み絶縁膜の上面の一部を露出させると共に、行方向に延伸する、第2の導電膜からなる複数のワード線を形成する工程(f)と、工程(f)の後、半導体基板上に、ワード線、並びにトンネル膜及び第1の埋め込み絶縁膜における露出した上面を覆うように、絶縁膜を堆積した後、エッチバックすることにより、ワード線の側面に残存する絶縁膜からなる側壁絶縁膜が、隣り合うワード線間を埋め込んでなる第2の埋め込み絶縁膜を形成する工程(g)と、工程(g)の後、各列における複数のビット線拡散層同士を分割するビット線コンタクト拡散層形成領域を露出する開口部を有するマスクパターンを用いたエッチングにより、ビット線コンタクト拡散層形成領域に隣り合って配置されたワード線において、当該ワード線に形成された側壁絶縁膜のうちビット線コンタクト拡散層形成領域側に形成された側壁絶縁膜の側壁膜厚を減少させると共に、ビット線コンタクト拡散層形成領域に露出したトンネル膜を除去して半導体基板を露出させる工程(h)と、工程(h)の後、半導体基板の露出した部分に不純物を導入することにより、ビット線コンタクト拡散層形成領域にビット線コンタクト拡散層を形成する工程(i)とを備える。
【0080】
本発明の第3の形態の半導体記憶装置の製造方法において、第2の導電膜は、多結晶シリコン膜、非結晶シリコン膜、金属膜、多結晶シリコン膜とシリサイド膜との積層膜、及び、非結晶シリコン膜とシリサイド膜との積層膜からなる群のうちから選択されるいずれか1つである、半導体記憶装置の製造方法。
【0081】
本発明の第3の形態の半導体記憶装置の製造方法において、工程(b)は、ビット線拡散層を形成する領域上のトラップ膜を残存させた状態で、トラップ膜を介して、半導体基板中に不純物を導入する工程を含む。
【0082】
本発明の第3の形態の半導体記憶装置の製造方法において、工程(b)は、ビット線拡散層を形成する領域上のトラップ膜を除去した状態で、半導体基板中に不純物を直接導入する工程を含む。
【0083】
本発明の第1〜第3の形態の半導体記憶装置の製造方法において、工程(i)の後、ワード線の上面及びビット線コンタクト拡散層の上面をシリサイド化する工程をさらに備える、半導体記憶装置の製造方法。
【0084】
本発明の第1〜第3の形態の半導体記憶装置の製造方法において、工程(g)は、ワード線の高さと第2の埋め込み絶縁膜の高さとの差が100nm以下になるように、エッチバックを行う。
【0085】
本発明の第4の形態の半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上における互いに区画された領域に形成されたメモリ素子形成領域及び論理回路形成領域に、電荷保持機能を有するトラップ膜を形成する工程(a)と、論理回路形成領域上のトラップ膜を除去する工程(b)と、工程(b)の後、論理回路形成領域上にゲート絶縁膜を形成する工程(c)と、メモリ素子形成領域において、トラップ膜上にマスク絶縁膜を形成する工程(d)と、メモリ素子形成領域において、マスク絶縁膜を選択的に除去して開口部を形成した後、開口部を介して半導体基板中に不純物を導入することにより、列方向に延伸すると共に各列において複数に分割された複数のビット線拡散層を形成する工程(e)と、メモリ素子形成領域において、開口部内を第1の埋め込み絶縁膜で埋め込んだ後、マスク絶縁膜の上面を露出させる工程(f)と、工程(f)の後、メモリ素子形成領域において、マスク絶縁膜を除去すると共に、第1の埋め込み絶縁膜における上部の部分を除去する工程(g)と、工程(g)の後、メモリ素子形成領域では、第1の埋め込み絶縁膜を覆う一方で、論理回路形成領域では、ゲート絶縁膜を覆うように、導電膜を形成する工程(h)と、導電膜を選択的に除去することにより、メモリ素子形成領域では、トラップ膜の上面の一部及び第1の埋め込み絶縁膜の上面の一部を露出させると共に、行方向に延伸する、導電膜からなる複数のワード線を形成する一方で、論理回路形成領域では、導電膜からなるゲート電極を形成する工程(i)と、工程(i)の後、半導体基板上に、メモリ素子形成領域では、ワード線、並びにトラップ膜及び第1の埋め込み絶縁膜における露出した上面を覆う一方で、論理回路形成領域では、ゲート電極を覆うように、絶縁膜を堆積した後、エッチバックすることにより、メモリ素子形成領域では、ワード線の側面に残存する絶縁膜からなる第1の側壁絶縁膜が、隣り合うワード線間を埋め込んでなる第2の埋め込み絶縁膜を形成する一方で、論理回路形成領域では、ゲート電極の側面に残存する絶縁膜からなる第2の側壁絶縁膜を形成する工程(j)と、工程(j)の後、メモリ素子形成領域では、各列における複数のビット線拡散層同士を分割するビット線コンタクト拡散層形成領域を露出する開口部を有するマスクパターンを用いたエッチングにより、ビット線コンタクト拡散層形成領域に隣り合って配置されたワード線において、当該ワード線に形成された第1の側壁絶縁膜のうちビット線コンタクト拡散層形成領域側に形成された第1の側壁絶縁膜の側壁膜厚を減少させると共に、ビット線コンタクト拡散層形成領域に露出したトラップ膜を除去して半導体基板を露出させる工程(k)と、工程(k)の後、メモリ素子形成領域において、半導体基板の露出した部分に不純物を導入することにより、ビット線コンタクト拡散層形成領域にビット線コンタクト拡散層を形成する工程(l)とを備える。
【0086】
本発明の第5の形態の半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上における互いに区画された領域に形成されたメモリ素子形成領域及び論理回路形成領域に、電荷保持機能を有するトラップ膜を形成する工程(a)と、論理回路形成領域上のトラップ膜をする工程(b)と、工程(b)の後、論理回路形成領域上にゲート絶縁膜を形成する工程(c)と、メモリ素子形成領域におけるトラップ膜上及び論理回路形成領域におけるゲート絶縁膜上に第1の導電膜を形成する工程(d)と、メモリ素子形成領域において、第1の導電膜上にマスク絶縁膜を形成する工程(e)と、メモリ素子形成領域において、マスク絶縁膜及び第1の導電膜を選択的に除去して開口部を形成した後、開口部を介して半導体基板中に不純物を導入することにより、列方向に延伸すると共に各列において複数に分割された複数のビット線拡散層を形成する工程(f)と、メモリ素子形成領域において、開口部内を第1の埋め込み絶縁膜で埋め込んだ後、マスク絶縁膜の上面を露出させる工程(g)と、工程(g)の後、メモリ素子形成領域において、マスク絶縁膜を除去して第1の導電膜の上面を露出すると共に、第1の埋め込み絶縁膜における上部の部分を除去することにより、第1の埋め込み絶縁膜の高さを第1の導電膜の高さと同等にする工程(h)と、工程(h)の後、メモリ素子形成領域では、上面が露出した第1の導電膜上及び第1の埋め込み絶縁膜上を覆い、論理回路形成領域では、第1の導電膜を覆うように、第2の導電膜を形成する工程(i)と、第2の導電膜を選択的に除去することにより、メモリ素子形成領域では、トラップ膜の上面の一部及び第1の埋め込み絶縁膜の上面の一部を露出させると共に、行方向に延伸する、第2の導電膜からなる複数のワード線を形成する一方で、論理回路形成領域では、第1の導電膜及び第2の導電膜からなるゲート電極を形成する工程(j)と、工程(j)の後、半導体基板上に、メモリ素子形成領域では、ワード線、並びにトラップ膜及び第1の埋め込み絶縁膜における露出した上面を覆う一方で、論理回路形成領域では、ゲート電極を覆うように、絶縁膜を堆積した後、エッチバックすることにより、メモリ素子形成領域では、ワード線の側面に残存する絶縁膜からなる第1の側壁絶縁膜が、隣り合うワード線間を埋め込んでなる第2の埋め込み絶縁膜を形成する一方で、論理回路形成領域では、ゲート電極の側面に残存する絶縁膜からなる第2の側壁絶縁膜を形成する工程(k)と、工程(k)の後、メモリ素子形成領域では、各列における複数のビット線拡散層同士を分割するビット線コンタクト拡散層形成領域を露出する開口部を有するマスクパターンを用いたエッチングにより、ビット線コンタクト拡散層形成領域に隣り合って配置されたワード線において、当該ワード線に形成された第1の側壁絶縁膜のうちビット線コンタクト拡散層形成領域側に形成された第1の側壁絶縁膜の側壁膜厚を減少させると共に、ビット線コンタクト拡散層形成領域に露出したトラップ膜を除去して半導体基板を露出する工程(l)と、工程(l)の後、メモリ素子形成領域において、半導体基板の露出した部分に不純物を導入することにより、ビット線コンタクト拡散層形成領域にビット線コンタクト拡散層を形成する工程(m)とを備える。
【0087】
本発明の第5の形態の半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上における互いに区画された領域に形成されたメモリ素子形成領域及び論理回路形成領域に、電荷保持機能を有するトラップを形成する工程(a)と、論理回路形成領域上のトンネル膜を除去する工程(b)と、工程(b)の後、論理回路形成領域上にゲート絶縁膜を形成する工程(c)と、メモリ素子形成領域におけるトンネル膜上及び論理回路形成領域におけるゲート絶縁膜上に第1の導電膜を形成する工程(d)と、メモリ素子形成領域において、第1の導電膜上にマスク絶縁膜を形成する工程(e)と、メモリ素子形成領域において、マスク絶縁膜及び第1の導電膜を選択的に除去して開口部を形成した後、開口部を介して半導体基板中に不純物を導入することにより、列方向に延伸すると共に各列において複数に分割された複数のビット線拡散層を形成する工程(f)と、メモリ素子形成領域において、開口部内を第1の埋め込み絶縁膜で埋め込んだ後、マスク絶縁膜の上面を露出する工程(g)と、工程(g)の後、メモリ素子形成領域において、マスク絶縁膜を除去して第1の導電膜の上面を露出させると共に、第1の埋め込み絶縁膜における上部の部分を除去することにより、第1の埋め込み絶縁膜の高さを第1の導電膜の高さと同等にする工程(h)と、工程(h)の後、メモリ素子形成領域上及び論理回路形成領域上に電極間絶縁膜を形成した後、論理回路形成領域上の電極間絶縁膜を除去する工程(i)と、工程(i)の後、メモリ素子形成領域では、電極間絶縁膜を覆う一方で、論理回路形成領域では、第1の導電膜を覆うように、第2の導電膜を形成する工程(j)と、第2の導電膜を選択的に除去することにより、メモリ素子形成領域では、トラップ膜の上面の一部及び第1の埋め込み絶縁膜の上面の一部を露出させると共に、行方向に延伸する、第2の導電膜からなる複数のワード線を形成する一方で、論理回路形成領域では、第1の導電膜及び第2の導電膜からなるゲート電極を形成する工程(k)と、工程(k)の後、半導体基板上に、メモリ素子形成領域では、ワード線、並びにトラップ膜及び第1の埋め込み絶縁膜における露出した上面を覆う一方で、論理回路形成領域では、ゲート電極を覆うように、絶縁膜を堆積した後、エッチバックすることにより、メモリ素子形成領域では、ワード線の側面に残存する絶縁膜からなる第1の側壁絶縁膜が、隣り合うワード線間を埋め込んでなる第2の埋め込み絶縁膜を形成する一方で、論理回路形成領域では、ゲート電極の側面に残存する絶縁膜からなる第2の側壁絶縁膜を形成する工程(l)と、工程(l)の後、メモリ素子形成領域では、各列における複数のビット線拡散層同士を分割するビット線コンタクト拡散層形成領域を露出する開口部を有するマスクパターンを用いたエッチングにより、ビット線コンタクト拡散層形成領域に隣り合って配置されたワード線において、当該ワード線に形成された第1の側壁絶縁膜のうちビット線コンタクト拡散層形成領域側に形成された第1の側壁絶縁膜の側壁膜厚を減少させると共に、ビット線コンタクト拡散層形成領域に露出したトラップ膜を除去して半導体基板を露出させる工程(m)と、工程(m)の後、メモリ素子形成領域において、半導体基板の露出した部分に不純物を導入することにより、ビット線コンタクト拡散層形成領域にビット線コンタクト拡散層を形成する工程(n)とを備える。
【発明の効果】
【0088】
本発明の不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法によると、ビット線コンタクト部のトラップ膜の完全な除去とメモリセル部の埋め込み充填絶縁膜の十分な残存量確保とを両立できる。その結果、ビット線コンタクト部を縮小しても、上部のビット線とビット線拡散層との電気的接続を良好に保ち、且つ、メモリ素子上部にボイドが形成されない不揮発性半導体記憶装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0089】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0090】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の平面図であり、図2(a)は、図1のa1−a2線における断面図であり、(b)は、図1のb1−b2線における断面図であり、(c)は、図1のc1−c2線における断面図であり、(d)は、図1のd1−d2線における断面図であり、(e)は、図1のe1−e2線における断面図である。
【0091】
まず、図1に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板1の上部には、複数のSTIからなる素子分離領域4が形成されている。また、図1、図2(a)及び(b)に示すように、この半導体基板1の上部には、複数のn型不純物拡散層からなるソース・ドレイン領域5が互いに間隔をおいて形成されており、図1に示すように、ソース・ドレイン領域5と接続しているビット線コンタクト部13の高濃度不純物拡散層領域25は、素子分離領域4によって分離されている。
【0092】
また、図2(b)及び図2(c)に示すように、各ソース・ドレイン領域5の上には、ビット線埋め込み酸化膜9が形成されている。更に、各ソース・ドレイン領域5の間にある活性領域の上には、例えば酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)及び酸化シリコン(SiO)の積層膜(いわゆるONO膜)からなり、電荷の捕獲サイトを有するトラップ膜6がそれぞれ形成されている。各トラップ膜6の上には、n型不純物である例えば燐が導入された多結晶シリコンからなるワード線となるゲート電極10がビット線埋め込み酸化膜9と交差するように形成されている。ソース・ドレイン領域5は、図2(e)に示すように、ビット線コンタクト部13に形成された高濃度不純物拡散層領域25と接続され、高濃度不純物拡散層領域25は、図1及び図2(e)に示すように、コンタクト14と接続され、金属からなるビット線15と接続される。
【0093】
以下、上記のように構成された不揮発性半導体記憶装置の製造方法について、図3〜図9を参照しながら説明する。また、以下の説明では、各工程においてポイントとなる部分の断面図について説明する。
【0094】
まず、図3(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)に示すように、シリコンからなる半導体基板1の主面上に、例えば厚さが80nm〜300nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜2Aを形成し、続いて、レジスト膜3を堆積し、フォトリソグラフィにより開口部を形成する。
【0095】
次に、図3(b)(図1のd1−d2線に対応する断面)に示すように、レジスト開口部下のマスク形成膜2Aをエッチングしてマスク膜2を開口し、レジストを除去した後、マスク膜2の開口部下の半導体基板1をエッチングして溝部を形成する。
【0096】
次に、図3(c)(図1のd1−d2線に対応する断面)に示すように、この溝部内に酸化シリコン等の絶縁膜を充填し、CMP法にて充填した酸化シリコンを平坦化させて、STI等からなる素子分離領域4を形成する。この際、素子分離領域4の表面の高さは、CMPによる平坦化により当初はマスク膜2と同じになっているため、あらかじめ、ウェットエッチング等の手法により、半導体基板1の表面より低くならないように調整しておく。この高さ調整は、後の工程のエッチング加工を簡便にするためであり、一般に良く用いられる手法である。
【0097】
次に、図3(d)(図1のd1−d2線に対応する断面)に示すように、半導体基板1上の全面にわたって、ONO膜よりなり電荷の捕獲サイトを有する厚さが20nmのトラップ膜6を堆積する。続いて、例えば化学的気相堆積(CVD)法により、厚さが50nm〜200nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜7Aを堆積する。続いて、マスク形成膜7Aの上にレジスト膜8を塗布する。
【0098】
次に、図3(e)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、リソグラフィ法により、ソース・ドレイン領域5となる部分が開口されたレジスト膜8よりなるレジストパターン8を形成する。ここで、開口幅は100nmであり、これがソース・ドレイン領域5となる領域の幅となり、ビット線拡散層の幅に相当する。一方、レジストの幅は150nmとなっており、これはメモリセルトランジスタが形成された際のチャネル幅に相当する。
【0099】
次に、図3(d)(図1のd1−d2線に対応する断面)に示すように、半導体基板1上の全面にわたって、ONO膜よりなり電荷の捕獲サイトを有する厚さが20nmのトラップ膜6を堆積する。続いて、例えば化学的気相堆積(CVD)法により、厚さが50nm〜200nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜7Aを堆積する。
【0100】
次に、図3(e)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、マスク形成膜7Aの上にレジスト膜を塗布した後、リソグラフィ法により、レジスト膜にソース・ドレイン領域5となる部分を開口するレジストパターン8を形成する。ここで、開口幅は100nmであり、これがソース・ドレイン領域5となる領域の幅となり、ビット線拡散層の幅に相当する。一方、レジストの幅は150nmとなっており、これはメモリセルトランジスタが形成された際のチャネル幅に相当する。
【0101】
次に、図4(a)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、レジストパターン8をマスクとして、マスク形成膜7Aに対してドライエッチングを行うことにより、マスク形成膜7Aからソース・ドレイン領域5を形成するための開口部を有するマスク膜7を形成する。その後、パターン化されたマスク膜7の開口部下のトラップ膜6を除去する。但し、トラップ膜6は薄いため、除去せずにイオン注入のための保護膜として用いても良い。
【0102】
次に、図4(b)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、マスク膜7を用いて、例えばn型の不純物である砒素を、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm−2〜1×1017cm−2の注入条件で1回又は2回以上のイオン注入を行って、n型不純物拡散層からなるソース・ドレイン領域5を形成する。このソース・ドレイン領域5はビット線拡散層5として機能する。
【0103】
次に、図4(c)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、マスク膜7の開口部に、例えば高密度プラズマ式化学的気相堆積(HDPCVD)法や減圧化学的気相堆積(LPCVD)法等により、絶縁膜である酸化シリコン膜9Aを堆積する。
【0104】
次に、図4(d)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、例えば化学機械研磨(CMP)法又はエッチバック法により、マスク膜7の開口部に充填された部分以外の酸化シリコン膜9Aを選択的に除去する。
【0105】
次に、図5(a)(図1のb1−b2線に対応する断面)及び(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、ウェットエッチング法又はエッチバック法により、マスク膜7のみを選択的に除去し、トラップ膜6を露出させると共に、ビット線埋め込み酸化膜9を形成する。ここで、ビット線埋め込み酸化膜9の半導体基板1からの高さを調整するため、マスク膜7の選択除去の前又は後にウェットエッチング法又はエッチバック法により、ビット線埋め込み酸化膜9の半導体基板1からの高さを50nm程度に調整する。この高さ調整は素子分離と同様に後の工程のエッチング加工を簡便にするために実施する。
【0106】
次に、図5(c)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、例えば減圧化学的気相堆積(LPCVD)法により、トラップ膜6及びビット線埋め込み酸化膜9の上に、燐が1×1018cm−3〜1×1022cm−3程度にn型にドープされた多結晶シリコン膜を堆積する。
【0107】
次に、図6(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、レジスト膜を塗布した後にリソグラフィ法により、互いに間隔をおいて配置されたソース・ドレイン形成領域5と交差する方向に、ワード線を形成するためのレジストパターン8を形成する。
【0108】
次に、図6(c)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、レジストパターンをマスク膜として、ドライエッチングにて多結晶シリコン膜の所定領域を開口し、ゲート電極10を形成して、開口部のトラップ膜6を露出させる。ここで、図6(c)及び(d)では、ゲート電極10の側壁形状を半導体基板1の基板面に対して90±1°程度の角度になるように形成しているが、上部のみ側壁を84°程度の角度にテーパー形状又は丸み形状に傾斜させても良い。
【0109】
次に、図7(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、レジスト膜を除去した後、ゲート電極10間の開口部を充填するように、例えばLPCVD法により、酸化シリコン又は窒化シリコンからなる絶縁膜を堆積し、エッチバック法にてゲート電極10間に絶縁膜11を残したままゲート電極10の上面上の絶縁膜を除去すると共に、ビット線コンタクト部13上の絶縁膜の一部及び絶縁膜下のトラップ膜6の一部を除去する。
【0110】
ここで、絶縁膜のエッチング量はゲート電極10の上面上の絶縁膜量(絶縁膜膜厚)を除去するだけの時間に設定することにより、ゲート電極10間に埋め込まれた絶縁膜は殆ど除去されないため、メモリセル上の凹凸は大きくならない。望ましいエッチング時間の設定は、ゲート電極10の上面が露出した時点を発光強度変化等の手法にて終点検知して行うことが望ましい。更に、ゲート電極10の上面の露出後にビット線コンタクト上の絶縁膜の一部及び絶縁膜下のトラップ膜6の一部を除去するように適量のオーバーエッチを実施することが望ましい。具体的なエッチング量の一例としては、ゲート電極10上面とゲート電極10間に埋め込まれた絶縁膜の上面の差が100nm以内になるようにエッチング終点検知及びオーバーエッチを設定することが望ましい。この値の範囲内であれば、後の工程にて層間絶縁膜の形成の際にボイドの発生がない。
【0111】
次に、図7(c)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、ビット線コンタクト領域に最近接の端部ワード線の側壁絶縁膜11及びトラップ膜6を選択的に露出するようにレジストパターン24を形成する。
【0112】
次に、図8(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、ドライエッチングを用いてレジストパターン24の開口部のトラップ膜6を除去すると共に、端部ワード線の側壁絶縁膜11の一部をエッチングする。この工程により、端部ワード線の側壁絶縁膜11は、トラップ膜6を除去するエッチングが進行するに伴いその幅が縮小するように、言い換えれば開口部における半導体基板1の開口領域が拡がるように加工される。
【0113】
次に、図8(c)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、例えばn型の不純物である砒素を、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm−2〜1×1017cm−2の注入条件で1回又は2回以上のイオン注入を行って、n型不純物拡散層からなるビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層25を形成する。この高濃度不純物拡散層25は、ビット線埋め込み酸化膜9の下に形成されたソース・ドレイン領域5と電気的に接続される。
【0114】
次に、図9(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、レジストパターン24を除去した後に、例えば真空蒸着法等により、半導体基板1の上に全面にわたって、コバルト又はニッケル等からなる金属膜を堆積し、その後、熱処理を施すことにより、ゲート電極10の上部及びビット線コンタクト部13の上部にそれぞれ金属シリサイド層23を形成する。続いて、例えば高密度プラズマ式化学的気相堆積(HDPCVD)法や常圧化学的気相堆積(APCVD)法、プラズマ式化学的気相堆積(PECVD)法などにより全面に酸化シリコンからなる絶縁膜を堆積し、例えば化学機械研磨(CMP)法又はドライエッチバック法などにより、表面を平坦化して層間絶縁膜12を形成する。
【0115】
次に、図9(c)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、ビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層25上の金属シリサイド層23を露出する接続孔を開口し、層間絶縁膜12の上に、例えば タングステン、タングステン化合物、チタン、若しくは窒化チタンなどのチタン化合物などの金属単層膜又は積層膜からなる導電膜を、各接続孔が埋まるように全面的に堆積してコンタクト14を形成する。
【0116】
次に、図9(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、堆積した導電膜に対して、各ビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層25が相互に接続されるようにパターニングして、導電膜からビット線15を形成する。
【0117】
以上のように、本実施形態によると、メモリセル部のゲート電極10間の絶縁膜が殆ど除去されないため、該当部の凹凸量が少ない。したがって、層間絶縁膜12を形成する際に、メモリセル部においてボイドが発生することがない。また、ビット線コンタクト部13のトラップ膜6は選択的に除去されるため、コンタクト14を形成する際に高濃度不純物拡散層24との電気的接続が確実に実現される。このため、本実施形態においては、従来技術よりも、ビット線コンタクト領域の幅を狭くした場合でも、ゲート電極10間の層間絶縁膜12にボイドが発生することがなく、且つ、コンタクト14を高濃度不純物拡散層24と電気的に確実に接続することができ、微細な半導体装置を歩留まり良く実現することができる。
【0118】
また、本実施形態においては、ソース・ドレイン領域5を形成するためのマスク膜2に窒化シリコンを用いたが、窒化シリコンに代えて、酸化シリコン等のシリコン化合物からなる絶縁膜を用いてもよい。また、ソース・ドレイン領域を形成する際には、シリコン化合物からなるマスク膜を用いずに、レジスト材料をマスクとして用いても構わない。
【0119】
また、本実施形態においては、電荷の捕獲サイトを有するトラップ膜6として、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸化シリコンからなる積層膜を用いたが、これに代えて、酸窒化シリコンからなる単層膜、窒化シリコンからなる単層膜又は半導体基板側から順次堆積された、酸化シリコンと窒化シリコン膜との積層膜、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸化シリコンを順次堆積した積層膜を用いてもよい。
【0120】
また、本実施形態においては、一例としてトラップ膜6の膜厚を20nmとしたが、トランジスタの特性が最適化されるように、10nm〜30nmの範囲で膜厚を適宜調整してもよい。
【0121】
また、本実施形態においては、埋め込み酸化膜9の高さを一例として50nmとしたが、ゲート電極とソース・ドレイン間のリーク電流が最適化されるように、20nm〜100nmの範囲で高さを適宜調整してもよい。
【0122】
また、本実施形態においては、一例としてn型不純物拡散層の幅を100nmとしたが、トランジスタの特性を最適化することによって、50nm〜300nmの範囲で適宜調整してもよい。
【0123】
また、本実施形態においては、多結晶シリコン膜10Aのドライエッチングのマスクとしてレジスト材料を用いたが、高度に集積化する過程において、高いエッチング選択比が必要になることが想定され、その場合は、シリコン酸化膜によるマスクやシリコン窒化膜やそれらとレジスト材料との積層マスクとしてもよい。
【0124】
また、本実施形態においては、ゲート電極を構成する多結晶シリコン膜10Aは、ドープトポリシリコンとして堆積しているが、不純物がドープされない非ドープの多結晶シリコンを堆積した後に、不純物注入を行ってドープしてもよい。また、ゲート電極材料としての多結晶シリコン膜は一例に過ぎず、多結晶シリコン、非晶質(アモルファス)シリコン、タンタルやチタンなどの融点が600℃以上である高融点金属、金属化合物若しくは金属シリサイドからなる単層膜又はこれらの積層膜に置き換えることができる。また、ワード線9を構成する多結晶シリコン膜10Aを金属によりシリサイド化してもよい。
【0125】
また、本実施形態においては、一例としてワード線9間を埋め込み充填する膜としてCVD法によるシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を用いたが、これに限定されるものではなく、ステップカバレッジが良好であり、且つ、プラズマを用いない成膜方法で形成できる絶縁膜であれば適用可能である。但し、常圧CVD法のような、後工程で高温による焼成が必要な膜はその扱いが困難であり、高度に精密化した成膜条件及び焼成条件が必要である。
【0126】
また、本実施形態においては、ソース・ドレイン領域がn型であるメモリ素子を用いたが、p型のメモリ素子であっても構わない。
【0127】
また、本実施形態においては、各ソース・ドレイン領域5を構成するn型不純物拡散層は、側面及び底面を覆うように、該n型不純物拡散層の不純物濃度よりも低濃度のp型不純物拡散層10が形成されていても良い。この構成をとることにより、n型不純物拡散層の不純物の拡散に起因する短チャネル効果をp型不純物拡散層10によって抑制することができ、一対のソース・ドレイン領域5の間隔を小さくすることができるため、ゲート長を短縮することができ、不揮発性半導体記憶装置の一層の微細化を実現できる。
【0128】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0129】
図10(a)〜(e)は、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の断面図であり、(a)は、図1のa1−a2線における断面図であり、(b)は、図1のb1−b2線における断面図であり、(c)は、図1のc1−c2線における断面図であり、(d)は、図1のd1−d2線における断面図であり、(e)は、図1のe1−e2線における断面図である。なお、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の平面図は、上記第1の実施形態で用いた平面図と同じである。
【0130】
まず、図1に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板1の上部には、複数のSTIからなる素子分離領域4が形成されている。また、図1、図10(a)及び(b)に示すように、この半導体基板1の上部には、複数のn型不純物拡散層からなるソース・ドレイン領域5が互いに間隔をおいて形成されており、図1に示すように、ソース・ドレイン領域5と接続しているビット線コンタクト部13の高濃度不純物拡散層領域25は、素子分離領域4によって分離されている。
【0131】
また、図10(a)及び図10(b)に示すように、各ソース・ドレイン領域5の上には、ビット線埋め込み酸化膜9が形成されている。更に、各ソース・ドレイン領域5の間にある活性領域の上には、例えば酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)及び酸化シリコン(SiO)の積層膜(いわゆるONO膜)からなり、電荷の捕獲サイトを有するトラップ膜6がそれぞれ形成されている。各トラップ膜6の上には、n型不純物である例えば燐が導入された2層の多結晶シリコン(第1及び第2の多結晶シリコン膜10a、10b)からなるワード線となるゲート電極10(10a、10b)がビット線埋め込み酸化膜9と交差するように形成されている。ソース・ドレイン領域5は、図10(e)に示すように、ビット線コンタクト部13に形成された高濃度不純物拡散層領域25と接続され、高濃度不純物拡散層領域25は、図1及び図10(e)に示すように、コンタクト14と接続され、金属からなるビット線15と接続される。
【0132】
以下、上記のように構成された不揮発性半導体記憶装置の製造方法について、図3、図11〜図17を参照しながら説明する。また、以下の説明では、各工程においてポイントとなる部分の断面図について説明する。
【0133】
まず、上記図3(a)〜(c)を用いた説明と同様に行う。すなわち、図3(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板1の主面上に、例えば厚さが80nm〜300nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜2Aを形成し、続いてレジスト膜3を堆積し、フォトリソグラフィにより開口部を形成する。次に、図3(b)に示すように、レジスト開口部下のマスク形成膜2Aをエッチングしてマスク膜2を開口し、レジストを除去した後、マスク膜2の開口部下の半導体基板1をエッチングして溝部を形成する。次に、図3(c)に示すように、この溝部内に酸化シリコン等の絶縁膜を充填し、CMP法にて充填した酸化シリコンを平坦化させて、STI等からなる素子分離領域4を形成する。この際、素子分離領域4の表面の高さは、CMPによる平坦化により当初はマスク膜2と同じになっているため、あらかじめ、ウェットエッチング等の手法により、半導体基板1の表面より低くならない様に調整しておく。この高さ調整は、後の工程のエッチング加工を簡便にするためであり、一般に良く用いられる手法である。
【0134】
次に、図11(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)に示すように、半導体基板1上の全面にわたって、ONO膜よりなり電荷の捕獲サイトを有する厚さが20nmのトラップ膜6を堆積する。続いて、例えば化学的気相堆積(CVD)法により、厚さが20nm〜80nm程度の第1の多結晶ポリシリコン膜10aを形成し、続いて、10nm程度の薄い酸化シリコン膜(図示せず)を堆積した後、例えば化学的気相堆積(CVD)法により、厚さが50nm〜200nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜7Aを堆積する。なお、上記の薄い酸化シリコン膜(図示せず)は、後工程においてマスク形成膜7Aを選択的に除去する際に多結晶ポリシリコン膜10を保護するために形成するものであり、マスク形成膜7Aの除去プロセス条件を高精度化すれば省略することができる。また、この薄い酸化シリコン膜はビットライン埋め込み絶縁膜の高さ調整に引き続き除去するため、その後のワードライン形成工程には影響を及ぼさない。続いて、マスク形成膜7Aの上にレジスト膜8を塗布する。
【0135】
次に、図11(b)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、リソグラフィ法により、ソース・ドレイン領域となる部分が開口されたレジスト膜8よりなるレジストパターン8を形成する。ここで、開口幅は100nmであり、これがソース・ドレイン領域となる領域の幅となり、ビット線の幅に相当する。一方、レジストの幅は150nmとなっており、メモリセルトランジスタが形成された際のチャネル幅に相当する。
【0136】
次に、図11(c)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、レジストパターン8をマスクとして、マスク形成膜7Aに対してドライエッチングを行うことにより、マスク形成膜7Aからソース・ドレイン領域を形成するための開口部を有するマスク膜7を形成する。その後、パターン化されたマスク膜7の開口部下の酸化シリコン膜(図示せず)、第1の多結晶ポリシリコン膜10a及びトラップ膜6を除去する。但し、トラップ酸化膜6は薄いため、除去せずイオン注入時の保護膜として利用してもよい。
【0137】
次に、図11(d)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、マスク膜7を用いて、例えばn型の不純物である砒素を、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm−2〜1×1017cm−2の注入条件で1回又は2回以上のイオン注入を行って、n型不純物拡散層からなるソース・ドレイン領域5を形成する。このソース・ドレイン領域5はビット線拡散層5として機能する。
【0138】
次に、図12(a)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、マスク膜7の開口部に、例えば高密度プラズマ式化学的気相堆積(HDPCVD)法や減圧化学的気相堆積(LPCVD)法等により、埋め込み絶縁膜である酸化シリコン膜9Aを堆積する。
【0139】
次に、図12(b)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、例えば化学機械研磨(CMP)法又はエッチバック法により、マスク膜7の開口部に充填された部分以外の酸化シリコン膜9Aを選択的に除去する。
【0140】
次に、図12(c)(図1のb1−b2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、ウェットエッチング法又はエッチバック法により、充填された酸化シリコン膜の高さを第1の多結晶ポリシリコン膜10aとほぼ同じ高さに調整する。次に、ウェットエッチング法又はエッチバック法により、マスク膜7のみを選択的に除去し、続いて酸化シリコン膜(図示せず)を除去して、ビット線埋め込み酸化膜を形成する。これにより、ビット線埋め込み酸化膜の高さは第1の多結晶ポリシリコン膜10aとほぼ同じ高さに調整される。この高さ調整工程は、マスク膜7の選択除去の前に行っているが、より高精度にする場合は、マスク膜7の選択除去の前後に併せて行うことが望ましい。この高さ調整は素子分離と同様に後の工程のエッチング加工を簡便にするために実施する。
【0141】
次に、図13(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、例えばLPCVD法により、第1の多結晶ポリシリコン膜10a及びビット線埋め込み酸化膜9の上に、燐が1×1018cm−3〜1×1022cm−3程度にn型にドープされた第2の多結晶シリコン膜10bを堆積する。この時、第1の多結晶シリコン膜10aと第2の多結晶シリコン膜10bとの界面には1nm程度の薄い自然酸化膜が形成される場合があるが、第1の多結晶シリコン膜10aと第2の多結晶シリコン膜10bとは電気的に接続されており、ゲート電極として使用する上で問題はない。
【0142】
次に、図13(c)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、レジスト膜を塗布した後にリソグラフィ法により、互いに間隔をおいて配置されたソース・ドレイン形成領域5と交差する方向に、ワード線を形成するためのレジストパターン8を形成する。
【0143】
次に、図14(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、レジストパターン8をマスク膜として、ドライエッチングにて第1及び第2の多結晶シリコン膜10a及び10bの所定領域を開口し、ゲート電極10(10a、10b)を形成して、開口部のトラップ膜6を露出させる。ここで、図14(a)及び(b)では、ゲート電極10の側壁形状を半導体基板1の基板面に対して90±1°程度の角度になるように形成しているが、上部ゲート電極10bのみ側壁を84°程度の角度にテーパー形状又は丸み形状に傾斜させても良い。
【0144】
次に、図14(c)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、レジストパターン8膜を除去した後、ゲート電極10間の開口部を充填するように、例えばLPCVD法により、酸化シリコン又は窒化シリコンからなる絶縁膜を堆積し、エッチバック法にてゲート電極10間に絶縁膜11を残したままゲート電極10の上面上の絶縁膜を除去すると共に、ビット線コンタクト部13上の絶縁膜の一部及びトラップ膜6の一部を除去する。
【0145】
ここで、絶縁膜のエッチング量はゲート電極10の上面上の絶縁膜量(絶縁膜膜厚)を除去するだけの時間に設定することにより、ゲート電極10間に埋め込まれた絶縁膜は殆ど除去されないため、メモリセル上の凹凸は大きくならない。望ましいエッチング時間の設定は、ゲート電極10の上面が露出した時点を発光強度変化等の手法にて終点検知して行うことが望ましい。更に、ゲート電極10の上面の露出後にビット線コンタクト上の絶縁膜の一部及び絶縁膜下のトラップ膜6の一部を除去するように適量のオーバーエッチを実施することが望ましい。具体的なエッチング量の一例としては、ゲート電極10上面とゲート電極10間に埋め込まれた絶縁膜の上面の差が100nm以内になるようにエッチング終点検知及びオーバーエッチを設定することが望ましい。この値の範囲内であれば、後の工程にて層間絶縁膜の形成の際にボイドの発生がない。
【0146】
次に、図15(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、ビット線コンタクト領域に最近接の端部ワード線の側壁絶縁膜11及びトラップ膜6を選択的に露出するようにレジストパターン24を形成する。
【0147】
次に、図15(c)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、ドライエッチングを用いてレジストパターン24の開口部のトラップ膜6を除去すると共に、端部ワード線の側壁絶縁膜11の一部をエッチングする。この工程により、端部ワード線の側壁絶縁膜11は、トラップ膜6を除去するエッチングが進行するに伴いその幅が縮小するように、言い換えれば開口部における半導体基板1の開口領域が拡がるように加工される。
【0148】
次に、図16(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、例えばn型の不純物である砒素を、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm−2〜1×1017cm−2の注入条件で1回又は2回以上のイオン注入を行って、n型不純物拡散層からなるビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層25を形成する。この高濃度不純物拡散層25は、ビット線埋め込み酸化膜9の下に形成されたソース・ドレイン領域5と電気的に接続される。
【0149】
次に、図16(c)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、レジストパターン24を除去した後に、例えば真空蒸着法等により、半導体基板1の上に全面にわたって、コバルト又はニッケル等からなる金属膜を堆積し、その後、熱処理を施すことにより、ゲート電極10の上部及びビット線コンタクト部13の上部にそれぞれ金属シリサイド層23を形成する。続いて、例えば高密度プラズマ式化学的気相堆積(HDPCVD)法や常圧化学的気相堆積(APCVD)法、プラズマ式化学的気相堆積(PECVD)法などにより、全面に酸化シリコンからなる絶縁膜を堆積し、例えば化学機械研磨(CMP)法又はドライエッチバック法などにより、表面を平坦化して層間絶縁膜12を形成する。
【0150】
次に、図17(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)に示すように、ビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層25上の金属シリサイド層23を露出する接続孔を開口し、層間絶縁膜12の上に、例えば タングステン、タングステン化合物、チタン、若しくは窒化チタンなどのチタン化合物などの金属単層膜又は積層膜からなる導電膜を、各接続孔が埋まるように全面的に堆積してコンタクト14を形成する。
【0151】
次に、図17(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、堆積した導電膜に対して、各ビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層24が相互に接続されるようにパターニングして、導電膜からビット線15を形成する。
【0152】
以上のように、本実施形態によると、メモリセル部のゲート電極10間の絶縁膜が殆ど除去されないため、該当部の凹凸量が少ない。したがって、層間絶縁膜12を形成する際に、メモリセル部においてボイドが発生することがない。また、ビット線コンタクト部13のトラップ膜6は選択的に除去されるため、コンタクト14を形成する際に高濃度不純物拡散層24との電気的接続が確実に実現される。このため、本実施形態においては、従来技術よりも、ビット線コンタクト領域の幅を狭くした場合でも、ゲート電極10間の層間絶縁膜12にボイドが発生することがなく、且つ、コンタクト14を高濃度不純物拡散層24と電気的に確実に接続することができ、微細な半導体装置を歩留まり良く実現することができる。
【0153】
また、本実施形態においては、あらかじめ第1の多結晶シリコン膜10aを形成した状態においてビット線埋め込み酸化膜9を形成するので、第1の実施形態に比べ、高さを揃えやすく、より高度に歩留まりをコントロールすることが可能となる。
【0154】
また、本実施形態においては、ソース・ドレイン領域5を形成するためのマスク膜2に窒化シリコンを用いたが、窒化シリコンに代えて、酸化シリコン等のシリコン化合物からなる絶縁膜を用いてもよい。また、ソース・ドレイン領域5を形成する際には、シリコン化合物からなるマスク膜を用いずに、レジスト材料をマスクとして用いても構わない。
【0155】
また、本実施形態においては、電荷の捕獲サイトを有するトラップ膜6として、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸化シリコンからなる積層膜を用いたが、これに代えて、酸窒化シリコンからなる単層膜、窒化シリコンからなる単層膜、又は、半導体基板側から順次堆積された、酸化シリコンと窒化シリコン膜との積層膜、若しくは、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸化シリコンを順次堆積した積層膜を用いてもよい。
【0156】
また、本実施形態においては、一例としてトラップ膜6の膜厚を20nmとしたが、トランジスタの特性が最適化されるように、10nm〜30nmの範囲で膜厚を適宜調整してもよい。
【0157】
また、本実施形態においては、第1の多結晶シリコン膜10a及び埋め込み酸化膜9の高さを一例として50nmとしたが、ゲート電極10とソース・ドレイン間のリーク電流が最適化されるように、20nm〜100nmの範囲で高さを適宜調整してもよい。
【0158】
また、本実施形態においては、一例としてn型不純物拡散層の幅を100nmとしたが、トランジスタの特性を最適化することによって、50nm〜300nmの範囲で適宜調整してもよい。
【0159】
また、本実施形態においては、第1及び第2の多結晶シリコン膜10a、10bのドライエッチングのマスクとしてレジスト材料を用いたが、高度に集積化する過程において、高いエッチング選択比が必要になることが想定され、その場合は、シリコン酸化膜によるマスクやシリコン窒化膜やそれらとレジスト材料との積層マスクとしてもよい。
【0160】
また、本実施形態においては、ゲート電極10を構成する第2の多結晶シリコン膜10bは、ドープトポリシリコンとして堆積しているが、不純物がドープされない非ドープの多結晶シリコンを堆積した後に、不純物注入を行ってドープしてもよい。また、ゲート電極材料としての多結晶シリコン膜は一例に過ぎず、多結晶シリコン、非晶質(アモルファス)シリコン、タンタルやチタンなどの融点が600℃以上である高融点金属、金属化合物若しくは金属シリサイドからなる単層膜又はこれらの積層膜に置き換えることができる。また、ワード線9を構成する第2の多結晶シリコン膜10bを金属によりシリサイド化してもよい。
【0161】
また、本実施形態においては、一例としてワード線間を埋め込み充填する膜としてCVD法によるシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を用いたが、これに限定されるものではなく、ステップカバレッジが良好であり、且つ、プラズマを用いない成膜方法で形成できる絶縁膜であれば適用可能である。但し、常圧CVD法のような、後工程で高温による焼成が必要な膜は扱いが困難であり、高度に精密化した成膜条件及び焼成条件が必要である。
【0162】
また、本実施形態においては、ソース・ドレイン領域5がn型であるメモリ素子を用いたが、p型のメモリ素子であっても構わない。
【0163】
また、本実施形態においては、各ソース・ドレイン領域5を構成するn型不純物拡散層は、側面及び底面を覆うように、該n型不純物拡散層の不純物濃度よりも低濃度のp型不純物拡散層10が形成されていても良い。この構成をとることにより、n型不純物拡散層の不純物の拡散に起因する短チャネル効果をp型不純物拡散層10によって抑制することができ、一対のソース・ドレイン領域5の間隔を小さくすることができるため、ゲート長を短縮することができ、不揮発性半導体記憶装置の一層の微細化を実現できる。
【0164】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0165】
図18(a)〜(e)は、本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の断面図であり、(a)は、図1のa1−a2線における断面図であり、(b)は、図1のb1−b2線における断面図であり、(c)は、図1のc1−c2線における断面図であり、(d)は、図1のd1−d2線における断面図であり、(e)は、図1のe1−e2線における断面図である。なお、本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の平面図は、上記第1の実施形態で用いた平面図と同じである。
【0166】
まず、図1に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板1の上部には、複数のSTIからなる素子分離領域4が形成されている。また、図1、図18(a)及び(b)に示すように、この半導体基板1の上部には、複数のn型不純物拡散層からなるソース・ドレイン領域5が互いに間隔をおいて形成されており、図1に占め宇勝因、ソース・ドレイン領域5と接続しているビット線コンタクト部13の高濃度不純物拡散層領域25は、素子分離領域4によって分離されている。
【0167】
また、図18(a)及び図18(b)に示すように、各ソース・ドレイン領域5の上には、ビット線埋め込み酸化膜9が形成されている。更に、各ソース・ドレイン領域5の間の活性領域の上には、例えば酸化シリコン膜(いわゆるトンネル膜17)が形成されている。トンネル膜17の上には、n型不純物である例えば燐が導入された多結晶シリコン(第1の多結晶シリコン膜10a)からなる浮遊ゲート電極が形成されている。第1の多結晶シリコン膜10aからなる浮遊ゲート電極上には例えば酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)及び酸化シリコン(SiO)の積層膜(いわゆるONO膜)からなる電極間絶縁膜が形成されている。更に、n型不純物である例えば燐が導入された多結晶シリコン(第2の多結晶シリコン膜10b)からなるワード線(制御ゲート電極)がビット線埋め込み酸化膜9と交差するように形成されている。ソース・ドレイン領域5は、図18(e)に示すように、ビット線コンタクト部13に形成された高濃度不純物拡散層領域25と接続され、高濃度不純物拡散層領域25は、図1及び図18(e)に示すように、コンタクト14と接続され、金属からなるビット線15と接続される。
【0168】
以下、上記のように構成された不揮発性半導体記憶装置の製造方法について、図3、図19〜図25を参照しながら説明する。また、以下の説明では、各工程においてポイントとなる部分の断面図について説明する。
【0169】
まず、上記図3(a)〜(c)を用いた説明と同様に行う。すなわち、図3(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板1の主面上に、例えば厚さが80nm〜300nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜2Aを形成し、続いて、レジスト膜3を堆積し、フォトリソグラフィにより開口部を形成する。次に、図3(b)に示すように、レジスト開口部下のマスク形成膜2Aをエッチングしてマスク膜2を開口し、レジストを除去した後、マスク膜2の開口部下の半導体基板1をエッチングして溝部を形成する。次に、図3(c)に示すように、この溝部内に酸化シリコン等の絶縁膜を充填し、CMP法にて充填した酸化シリコンを平坦化させて、STI等からなる素子分離領域4を形成する。この際、素子分離領域4の表面の高さは、CMPによる平坦化により当初はマスク膜2と同じになっているため、あらかじめ、ウェットエッチング等の手法により、半導体基板1の表面より低くならない様に調整しておく。この高さ調整は、後の工程のエッチング加工を簡便にするためであり、一般に良く用いられる手法である。
【0170】
次に、図19(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)に示すように、半導体基板1上の全面にわたって、酸化シリコン等による厚さが10nmのトンネル膜17を堆積する。続いて、例えば化学的気相堆積(CVD)法により、厚さが20nm〜80nm程度の第1の多結晶ポリシリコン膜10aを形成し、続いて、10nm程度の薄い酸化シリコン膜(図示せず)を堆積した後、例えば化学的気相堆積(CVD)法により、厚さが50nm〜200nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜7Aを堆積する。なお、上記の薄い酸化シリコン膜(図示せず)は、後工程においてマスク形成膜7Aを選択的に除去する際に多結晶ポリシリコン膜10aを保護するために形成するものであり、マスク形成膜7Aの除去プロセス条件を高精度化すれば省略することができる。また、この薄い酸化シリコン膜はビットライン埋め込み絶縁膜の高さ調整に引き続き除去するため、その後のワードライン形成工程には影響を及ぼさない。
【0171】
次に、図19(b)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、マスク形成膜7Aの上にレジスト膜8を塗布した後、リソグラフィ法により、レジスト膜にソース・ドレイン領域となる部分が開口されたレジスト膜8よりなるレジストパターン8を形成する。ここで、開口幅は100nmであり、これがソース・ドレイン領域となる領域の幅となり、ビット線の幅に相当する。一方、レジストの幅は150nmとなっており、メモリセルトランジスタが形成された際のチャネル幅に相当する。
【0172】
次に、図19(c)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、レジストパターン8をマスクとして、マスク形成膜7Aに対してドライエッチングを行うことにより、マスク形成膜7Aからソース・ドレイン領域を形成するための開口部を有するマスク膜7を形成する。その後、パターン化されたマスク膜7の開口部下の酸化シリコン膜(図示せず)、第1の多結晶ポリシリコン膜10a及びトンネル酸化膜17を除去する。但し、トンネル酸化膜17は、除去せずイオン注入時の保護膜として利用してもよい。
【0173】
次に、図19(d)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、マスク膜7を用いて、例えばn型の不純物である砒素を、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm−2〜1×1017cm−2の注入条件で1回又は2回以上のイオン注入を行って、n型不純物拡散層からなるソース・ドレイン領域5を形成する。このソース・ドレイン領域5はビット線拡散層5として機能する。
【0174】
次に、図20(a)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、マスク膜7の開口部に、例えば高密度プラズマ式化学的気相堆積(HDPCVD)法や減圧化学的気相堆積(LPCVD)法等により、埋め込み絶縁膜である酸化シリコン膜9Aを堆積する。
【0175】
次に、図20(b)(図1のb1−b2線に対応する断面)に示すように、例えば化学機械研磨(CMP)法又はエッチバック法により、マスク膜7の開口部に充填された部分以外の酸化シリコン膜9Aを選択的に除去する。
【0176】
次に、図20(c)(図1のb1−b2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、ウェットエッチング法又はエッチバック法により、充填された酸化シリコン膜の高さを第1の多結晶ポリシリコン膜10aとほぼ同じ高さに調整する。続いて、ウェットエッチング法又はエッチバック法により、マスク膜7のみを選択的に除去し、続いて、酸化シリコン膜(図示せず)を除去して、ビット線埋め込み酸化膜を形成する。これにより、ビット線埋め込み酸化膜の高さは第1の多結晶ポリシリコン膜10aとほぼ同じ高さに調整される。この高さ調整工程は、マスク膜7の選択除去の前に行っているが、より高精度にする場合は、マスク膜7の選択除去の前後に併せて行うことが望ましい。
【0177】
次に、図21(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、第1の多結晶ポリシリコン膜10a及びビット線埋め込み酸化膜9の上に、例えば減圧化学的気相堆積(LPCVD)法により、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸化シリコンの積層膜(ONO膜)からなる電極間絶縁膜18を堆積し、続いて、例えばLPCVD法により、燐が1×1018cm−3〜1×1022cm−3程度にn型にドープされた第2の多結晶シリコン膜10bを堆積する。
【0178】
次に、図21(c)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、レジスト膜を塗布した後にリソグラフィ法により、互いに間隔をおいて配置されたソース・ドレイン形成領域5と交差する方向に、ワード線を形成するためのレジストパターン8を形成する。
【0179】
次に、図22(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、レジストパターン8をマスク膜として、ドライエッチングにて第1及び第2の多結晶シリコン膜10a及び10b並びに電極間絶縁膜18の所定領域を開口し、第1の多結晶シリコン膜10aよりなる上層の制御ゲート電極と第2の多結晶シリコン膜10bよりなる下層の浮遊ゲート電極を形成して、開口部のトンネル酸化膜17を露出させる。ここで、図22(a)及び(b)では、上層の制御ゲート電極と下層の浮遊ゲート電極の側壁形状を半導体基板1の基板面に対して90±1°程度の角度になるように形成しているが、上層の制御ゲート電極10bのみ側壁を84°程度の角度にテーパー形状又は丸み形状に傾斜させても良い。
【0180】
次に、図22(c)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、レジストパターン8を除去した後、隣り合う制御ゲート電極及び浮遊ゲート電極間の開口部を充填するように、例えばLPCVD法により、酸化シリコン又は窒化シリコンからなる絶縁膜を堆積し、エッチバック法にてゲート電極10間に絶縁膜11を残したままゲート電極10の上面上の絶縁膜を除去すると共に、ビット線コンタクト部上のトンネル酸化膜17の一部を除去する。
【0181】
ここで、絶縁膜のエッチング量はゲート電極10の上面上の絶縁膜量(絶縁膜膜厚)を除去するだけの時間に設定することにより、ゲート電極10間に埋め込まれた絶縁膜は殆ど除去されないため、メモリセル上の凹凸は大きくならない。具体的なエッチング量の一例としては、ゲート電極10上面とゲート電極10間に埋め込まれた絶縁膜の上面の差が100nm以内になるように設定することが望ましい。
【0182】
次に、図23(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、ビット線コンタクト領域に最近接の端部ワード線の側壁絶縁膜11及びトラップ膜6を選択的に露出するようにレジストパターン24を形成する。
【0183】
次に、図23(c)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、ドライエッチングを用いてレジストパターン24の開口部のトンネル酸化膜17を除去すると共に、端部ワード線の側壁絶縁膜11の一部をエッチングする。この工程により、端部ワード線の側壁絶縁膜11は、トンネル酸化膜17を除去するエッチングが進行するに伴いその幅が縮小するように、言い換えれば開口部における半導体基板1の開口領域が拡がるように加工される。
【0184】
次に、図24(a)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、例えばn型の不純物である砒素を、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm−2〜1×1017cm−2の注入条件で1回又は2回以上のイオン注入を行って、n型不純物拡散層からなるビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層25を形成する。この高濃度不純物拡散層25は、ビット線埋め込み酸化膜9の下に形成されたソース・ドレイン領域5と電気的に接続される。
【0185】
次に、図24(c)(図1のd1−d2線に対応する断面)及び(d)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、レジストパターン24を除去した後に、例えば真空蒸着法等により、半導体基板1の上に全面にわたって、コバルト又はニッケル等からなる金属膜を堆積し、その後、熱処理を施すことにより、ゲート電極10の上部及びビット線コンタクト部13の上部にそれぞれ金属シリサイド層23を形成する。続いて、例えば高密度プラズマ式化学的気相堆積(HDPCVD)法や常圧化学的気相堆積(APCVD)法、プラズマ式化学的気相堆積(PECVD)法などにより全面に酸化シリコンからなる絶縁膜を堆積し、例えば化学機械研磨(CMP)法又はドライエッチバック法などにより、表面を平坦化して層間絶縁膜12を形成する。
【0186】
次に、図25(a)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、ビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層25上の金属シリサイド層23を露出する接続孔を開口し、層間絶縁膜12の上に、例えば タングステン、タングステン化合物、チタン若しくは窒化チタンなどのチタン化合物などの金属単層膜又は積層膜からなる導電膜を、各接続孔が埋まるように全面的に堆積してコンタクト14を形成する。
【0187】
次に、図25(b)(図1のe1−e2線に対応する断面)に示すように、堆積した導電膜に対して、各ビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層25が相互に接続されるようにパターニングして、導電膜からビット線15を形成する。
【0188】
以上のように、本実施形態によると、メモリセル部のゲート電極10間の絶縁膜が殆ど除去されないため、該当部の凹凸量が少ない。したがって、層間絶縁膜12を形成する際に、メモリセル部においてボイドが発生することがない。また、ビット線コンタクト部13のトンネル膜17は選択的に除去されるため、コンタクト14を形成する際に高濃度不純物拡散層25との電気的接続を確実に実現することができる。このため、本実施形態においては、従来技術よりもビット線コンタクト領域の幅を狭くした場合でも、ゲート電極10間の層間絶縁膜12にボイドが発生することがなく、且つ、コンタクト14を高濃度不純物拡散層25と電気的に確実に接続することができ、微細な半導体装置を歩留まり良く実現することができる。
【0189】
また、本実施形態においては、浮遊ゲート電極と制御ゲート電極を自己整合的に形成できるため、両者を独立に形成する場合よりも容易に実現可能である。この方法により、更なる微細化が実現できる。
【0190】
また、本実施形態においては、あらかじめ第1の多結晶シリコン膜10aを形成した状態においてビット線埋め込み酸化膜9を形成するので、第1の実施形態に比べ、高さを揃えやすく、より高度に歩留まりをコントロールすることが可能となる。
【0191】
また、本実施形態においては、ソース・ドレイン領域5を形成するためのマスク膜2に窒化シリコンを用いたが、窒化シリコンに代えて、酸化シリコン等のシリコン化合物からなる絶縁膜を用いてもよい。また、ソース・ドレイン領域5を形成する際には、シリコン化合物からなるマスク膜を用いずに、レジスト材料をマスクとして用いても構わない。
【0192】
また、本実施形態においては、一例としてトンネル膜17の膜厚を10nmとしたが、記憶素子の特性が最適化されるように、5nm〜30nmの範囲で膜厚を適宜調整してもよい。
【0193】
また、本実施形態においては、第1の多結晶シリコン膜10a及び埋め込み酸化膜9の高さを一例として50nmとしたが、ゲート電極10とソース・ドレイン間のリーク電流や電荷蓄積量が最適化されるように、20nm〜100nmの範囲で高さを適宜調整してもよい。
【0194】
また、本実施形態においては、一例としてn型不純物拡散層の幅を100nmとしたが、トランジスタの特性を最適化することによって、50nm〜300nmの範囲で適宜調整してもよい。
【0195】
また、本実施形態においては、第1及び第2の多結晶シリコン膜10a、10bのドライエッチングのマスクとしてレジスト材料を用いたが、高度に集積化する過程において、高いエッチング選択比が必要になることが想定され、その場合は、シリコン酸化膜によるマスクやシリコン窒化膜やそれらとレジスト材料との積層マスクとしてもよい。
【0196】
また、本実施形態においては、ゲート電極10を構成する第2の多結晶シリコン膜10bは、ドープトポリシリコンとして堆積しているが、不純物がドープされない非ドープの多結晶シリコンを堆積した後に、不純物注入を行ってドープしてもよい。また、ゲート電極材料としての多結晶シリコン膜は一例に過ぎず、多結晶シリコン、非晶質(アモルファス)シリコン、タンタルやチタンなどの融点が600℃以上である高融点金属、金属化合物若しくは金属シリサイドからなる単層膜又はこれらの積層膜に置き換えることができる。また、ワード線9を構成する第2の多結晶シリコン膜10bを金属によりシリサイド化してもよい。
【0197】
また、本実施形態においては、一例としてワード線間を埋め込み充填する膜としてLPCVD法によるシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を用いたが、これに限定されるものではなく、ステップカバレッジが良好な成膜方法で形成できる絶縁膜であれば適用可能である。但し、浮遊ゲート電極を備えた半導体記憶素子の場合、高度に集積化した場合の浮遊ゲート電極間の容量増加による特性劣化が顕著であり、この場合は低誘電率の材料による埋め込み充填が必要となる。
【0198】
また、本実施形態においては、ソース・ドレイン領域5がn型であるメモリ素子を用いたが、p型のメモリ素子であっても構わない。
【0199】
また、本実施形態においては、各ソース・ドレイン領域5を構成するn型不純物拡散層は、側面及び底面を覆うように、該n型不純物拡散層の不純物濃度よりも低濃度のp型不純物拡散層10が形成されていても良い。この構成をとることにより、n型不純物拡散層の不純物の拡散に起因する短チャネル効果をp型不純物拡散層10によって抑制することができ、一対のソース・ドレイン領域5の間隔を小さくすることができるため、ゲート長を短縮することができ、不揮発性半導体記憶装置の一層の微細化を実現できる。
【0200】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法について、図26〜図19を参照しながら説明する。
【0201】
本発明の第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1の実施形態に係るメモリセルトランジスタを有するメモリ素子部Aと、周辺回路等を含む論理回路部Bとを有する構成である。
【0202】
まず、図26(a)に示すシリコンからなる半導体基板1の主面上に、図26(b)に示すように、例えば厚さが100nm〜300nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜2Aを形成する。
【0203】
次に、図26(c)に示すように、半導体基板1の主面をSTI等からなる素子分離領域4によって、メモリ素子部Aと論理回路部Bとに区画する。論理回路部Bは、通常、nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタとを含むが、両トランジスタは互いの不純物イオンの導電型が異なるのみであるため、ここでは、nチャネルトランジスタのみを示している。
【0204】
次に、図26(d)に示すように、全面にわたって、ONO膜よりなり、電荷の捕獲サイトを有する、厚さが20nmのトラップ膜6を堆積する。この際、ONO膜の最上層酸化膜は、後の工程の論理回路部Bのゲート酸化膜と同時形成する場合にはゲート酸化膜の膜厚相当分だけ薄く形成していても良い。続いて、論理回路部Bに堆積されたトラップ膜6を除去し、全面に厚さが3nmのゲート酸化膜19を形成する。
【0205】
次に、図26(e)に示すように、例えば低圧化学的気相堆積(LPCVD)法により、厚さが50nm〜200nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜7Aを堆積する。続いて、マスク形成膜7Aの上にレジスト膜7Bを塗布した後、リソグラフィ法により、レジスト膜にソース・ドレイン領域5となる部分を開口する開口パターンを形成する。ここで、開口幅は100nmであり、即ちソース・ドレイン領域5となる領域の幅となる。一方、レジスト7Bの幅は150nmとなっており、メモリセルトランジスタが形成された際のチャネル幅になる。
【0206】
次に、図27(a)に示すように、レジスト膜7B(図示せず)をマスクとして、マスク形成膜7Aに対してドライエッチングを行うことにより、マスク形成膜7Aからソース・ドレイン領域5を形成するための開口部を有するマスク膜7を形成し、連続して開口部のトラップ膜6を除去する。続いて、マスク膜7を用いて、例えばn型の不純物である砒素を、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm−2〜1×1017cm−2の注入条件で1回又は2回以上のイオン注入を行って、メモリ素子部Aのn型不純物拡散層からなるソース・ドレイン領域5を形成する。その後、レジスト膜を除去する。
【0207】
次に、図27(b)に示すように、マスク膜7の開口部に、例えば高密度プラズマ式化学的気相堆積(HDPCVD)法や減圧化学的気相堆積(LPCVD)法などにより、酸化シリコンからなる絶縁膜(埋め込み酸化膜)9を埋め込み堆積し、続いて、例えば化学機械研磨(CMP)法又はエッチバック法により、マスク膜7の開口部に充填された部分以外の酸化シリコン膜を選択的に除去する。
【0208】
次に、図27(c)に示すように、ウェットエッチング法又はドライエッチバック法により、埋め込み酸化膜9の半導体基板1からの高さを50nmに調整する。
【0209】
次に、図27(d)に示すように、ウェットエッチング法又はエッチバック法により、マスク膜7のみを選択的に除去し、メモリ素子部Aではトラップ膜6を露出させると共に埋め込み酸化膜9を形成する。同時に、論理回路部Bではゲート酸化膜19を露出する。
【0210】
次に、図27(e)に示すように、例えばLPCVD法により、トラップ膜6及び埋め込み酸化膜9及びゲート酸化膜19の上に、燐が1×1018cm−3〜1×1022cm−3程度にn型にドープされた多結晶シリコン膜10Aを堆積する。
【0211】
次に、図28(a)に示すように、レジスト膜(図示せず)を塗布した後にリソグラフィ法により、メモリ素子部Aには互いに間隔をおいて配置されたソース・ドレイン形成領域と交差するワード線方向にレジストパターン10を形成する。同時に、論理回路部Bには論理回路のレジストパターン10が形成される。続いて、レジストパターン10をマスク膜として、ドライエッチングにて多結晶シリコン膜10Aの所定領域を開口して、メモリ素子部Aでは開口部のトラップ膜6を露出させ、論理回路部Bではゲート酸化膜19を露出させる。このとき、図28(a)では、ゲート電極10の側壁形状は90±1°程度の角度になるように図示しているが、上部のみ側壁を84°程度の角度に傾斜させても良い。その後、レジスト膜を除去する。
【0212】
次に、図28(b)に示すように、半導体基板1の論理回路部Bに対して、半導体基板1の上に論理回路部Bを露出する開口パターンを持つレジスト膜(図示せず)を形成し、形成したレジスト膜、ゲート電極10をマスクとしてn型の不純物イオンをイオン注入することにより、半導体基板1のゲート電極10の両側方の領域に低濃度不純物拡散層20を形成する。その後、レジスト膜を除去する。
【0213】
次に、図28(c)に示すように、CVD法により、半導体基板1の上に全面にわたって、例えば膜厚が5nm〜100nm程度のシリコン酸化膜と30nm〜100nm程度のシリコン窒化膜を堆積し、エッチバック法にてゲート電極10の側面部の絶縁膜を残したままゲート電極10の上面部上の絶縁膜を除去すると共に、論理回路部Bにおいては、ゲート酸化膜19を除去し、メモリ素子部Aにおいては、ビット線コンタクト部13の上の絶縁膜の一部及びトラップ膜6の一部を除去する。これにより、論理回路部Bにおけるゲート電極10の両側面上に側壁絶縁膜21を形成すると共に、メモリ素子部Aのワード線間に埋め込み充填膜11を形成する。
【0214】
このとき、エッチング量はゲート電極10の上面部の絶縁膜及び論理回路部Bにおけるゲート酸化膜19を除去するだけの時間で行う。このことにより、メモリ素子部Aにおけるゲート電極10間に埋め込まれた絶縁膜は殆ど除去されないため、メモリセル上の凹凸が大きくならない。また、論理回路部Bにおけるオーバーエッチング量が適正であるため、側壁絶縁膜21の幅のばらつき量が少なくなり、トランジスタの特性ばらつきを抑えることができる。エッチング量の一例としては、メモリ素子部Aにおけるゲート電極10上面とゲート電極10間に埋め込まれた絶縁膜の上面の差が100nm以内であることが望ましい。
【0215】
次に、図28(d)に示すように、メモリ素子部Aに対してビット線コンタクト領域に最近接の端部ワード線の側壁絶縁膜(埋め込み充填膜11)及びトラップ膜6を選択的に露出するようにレジストパターン24を形成する。
【0216】
次に、図29(a)に示すように、ドライエッチングを用いてレジストパターン24の開口部のトラップ膜6を除去すると共に、端部ワード線の側壁絶縁膜(埋め込み充填膜11)の一部をエッチングする。この工程により、端部ワード線の側壁絶縁膜(埋め込み充填膜11)は、トラップ膜6を除去するエッチングが進行するに伴いその幅が縮小するように、言い換えれば開口部における半導体基板1の開口領域が拡がるように加工される。
【0217】
次に、図29(b)に示すように、例えばn型の不純物である砒素を、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm−2〜1×1017cm−2の注入条件で1回又は2回以上のイオン注入を行って、n型不純物拡散層からなるビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層25を形成する。この高濃度不純物拡散層25は、ビット線埋め込み酸化膜9の下に形成されたソース・ドレイン領域5と電気的に接続される。この後、レジストパターン24は除去する。
【0218】
次に、図29(c)に示すように、論理回路部Bに対して、半導体基板1の上に論理回路部Bを露出する開口パターンを持つレジスト膜(図示せず)を形成し、形成したレジスト膜、ゲート電極10及び側壁絶縁膜21をマスクとして、半導体基板1に対してn型の不純物イオンを選択的にイオン注入して、ドレイン領域又はソース領域となる高濃度不純物拡散層22を形成する。ここで、論理回路部Bの高濃度不純物拡散層22の形成は、図28(d)〜図29(b)に示すメモリ素子部Aのビット線コンタクト部13における高濃度不純物拡散層24の形成の前に実施しても構わない。
【0219】
次に、図29(d)に示すように、例えば真空蒸着法等により、半導体基板1の上に全面にわたって、コバルト又はニッケル等からなる金属膜を堆積し、その後、熱処理を施すことにより、メモリ素子部におけるワード線10及びビット線コンタクト部13の高濃度不純物拡散層25の上部に金属シリサイド層23を形成すると共に、論理回路部Bにおけるゲート電極10の上部及び高濃度不純物拡散層22の上部にそれぞれ金属シリサイド層23を形成する。
【0220】
以降の高低は、図示はしないが、第1の実施形態で説明したように、例えばCVD法により、半導体基板1の上の全面に酸化シリコンからなる層間絶縁膜を堆積し、その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、層間絶縁膜において各ビット線コンタクト部上の金属シリサイド層を露出する複数の接続孔を選択的に形成する。
【0221】
次に、層間絶縁膜の上に各接続孔を埋めるように全面にわたって、タングステン、タングステン化合物、チタン若しくは窒化チタンなどのチタン化合物などの金属単層膜又は積層膜からなる導電膜を堆積する。続いて、堆積した導電膜に対して、行方向に配置された各ソース・ドレイン領域が相互に接続されるようにパターニングして、導電膜からビット線を形成する。
【0222】
これにより、論理回路部Bと、第1の実施形態と同様の構成のメモリ素子部Aとを有する不揮発性半導体記憶装置を得ることができる。
【0223】
このように、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置によると、第1の実施形態において記載した種々の効果と同様の効果を得ることができる。
【0224】
更に、メモリ素子部Aを構成するワード線(ゲート電極)10と、論理回路部Bを構成するトランジスタのゲート電極10とを同一工程で形成できるため、工程数を削減することができる。
【0225】
また、論理回路部Bを構成するトランジスタのゲート電極10の側壁絶縁膜21の幅のばらつき量を抑制することが可能となり、トランジスタの特性ばらつきを抑えることができるため、高歩留まりを実現できる。
【0226】
また、本実施形態においては、多結晶シリコン膜のドライエッチングステップとして、開口部の高さが埋め込み酸化膜の高さと同じになった時点でステップの切換を行うとしたが、埋め込み酸化膜の高さから上下30nm程度の範囲内で切り換えるのであれば、実質的にエッチング残渣は除去可能であり、問題ない。
【0227】
また、本実施形態においては、メモリ素子部Aにおけるワード線10及び論理回路部Bにおけるゲート電極10を構成する多結晶シリコン膜10は、ドープトポリシリコンとして堆積しているが、不純物がドープされない非ドープの多結晶シリコンを堆積した後に、不純物注入を行ってドープしてもよい。また、多結晶シリコン膜10は一例に過ぎず、多結晶シリコン、非晶質(アモルファス)シリコン、タンタルやチタンなどの融点が600℃以上である高融点金属、金属化合物若しくは金属シリサイドからなる単層膜又はこれらの積層膜に置き換えることができる。また、ワード線10を構成する多結晶シリコン膜10Aを金属によりシリサイド化してもよい。
【0228】
また、本実施形態においては、一例としてワード線間を埋め込み充填する膜としてCVD法によるシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を用いたが、これによらず、ステップカバレッジが良好であり、且つ、プラズマを用いない成膜方法が望ましい。但し、論理回路部Bにおける自己整合式側壁形成によるソース・ドレイン形成に必要な形状にて堆積される膜であることが望ましい。
【0229】
また、本実施形態においては、記憶素子のソース・ドレイン領域5におけるビット線コンタクトと接する部分の表面を金属によりシリサイド化しても構わない。
【0230】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法について、図30〜図39を参照しながら説明する。
【0231】
本発明の第5の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、第2の実施形態に係るメモリセルトランジスタを有するメモリ素子部Aと、周辺回路等を含む論理回路部Bとを有する構成である。
【0232】
まず、図30(a)に示すシリコンからなる半導体基板1の主面上に、図30(b)に示すように、例えば厚さが100nm〜300nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜2Aを形成する。
【0233】
次に、図30(c)に示すように、半導体基板1の主面をSTI等からなる素子分離領域4によって、メモリ素子部Aと論理回路部Bとに区画する。また、論理回路部Bは、通常、nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタとを含むが、両トランジスタは互いの不純物イオンの導電型が異なるのみであるため、ここでは、nチャネルトランジスタのみを示す。
【0234】
次に、図30(d)に示すように、全面にわたって、ONO膜よりなり電荷の捕獲サイトを有する、厚さが20nmのトラップ膜6を堆積する。この際、ONO膜の最上層酸化膜は、後の工程の論理回路部Bのゲート酸化膜19と同時形成する場合にはゲート酸化膜19の膜厚相当分だけ薄く形成していても良い。続いて、論理回路部Bに堆積されたトラップ膜6を除去し、全面に厚さが3nmのゲート酸化膜19を形成する。
【0235】
次に、図30(e)に示すように、例えば化学的気相堆積(CVD)法により、厚さが20nm〜80nm程度の第1の多結晶シリコン膜10aを形成し、続いて、10nm程度の薄い酸化シリコン膜(図示せず)を堆積した後、厚さが50nm〜200nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜7Aを堆積する。続いて、マスク形成膜7Aの上にレジスト膜7Bを塗布した後、リソグラフィ法により、レジスト膜7Bにソース・ドレイン領域5となる部分を開口する開口パターンを形成する。ここで、開口幅は100nmであり、即ちソース・ドレイン領域となる領域の幅となる。一方、レジスト7Bの幅は150nmとなっており、メモリセルトランジスタが形成された際のチャネル幅になる。
【0236】
次に、図31(a)に示すように、レジスト膜7B(図示せず)をマスクとして、マスク形成膜7Aに対してドライエッチングを行うことにより、マスク形成膜7Aからソース・ドレイン領域5を形成するための開口部を有するマスク膜7を形成し、連続して開口部の酸化シリコン膜(図示せず)、第1の多結晶ポリシリコン膜10a及びトラップ膜6を除去する。但し、トラップ酸化膜6は薄いため、除去せずイオン注入時の保護膜として利用してもよい。続いて、マスク膜7を用いて、例えばn型の不純物である砒素を、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm−2〜1×1017cm−2の注入条件で1回又は2回以上のイオン注入を行って、メモリ素子部Aのn型不純物拡散層からなるソース・ドレイン領域5を形成する。その後、レジスト膜を除去する。
【0237】
次に、図31(b)に示すように、マスク膜7の開口部に、例えば高密度プラズマ式化学的気相堆積(HDPCVD)法や減圧化学的気相堆積(LPCVD)法などにより、酸化シリコンからなる埋め込み絶縁膜9を堆積し、続いて、例えば化学機械研磨(CMP)法又はエッチバック法により、マスク膜7の開口部に充填された部分以外の酸化シリコン膜を選択的に除去する。
【0238】
次に、図31(c)に示すように、ウェットエッチング法又はエッチバック法により、充填された酸化シリコン膜の高さを第1の多結晶ポリシリコン膜10aとほぼ同じ高さに調整する。
【0239】
次に、図31(d)に示すように、ウェットエッチング法又はエッチバック法により、マスク膜7のみを選択的に除去し、酸化シリコン膜(図示せず)を除去して、ビット線埋め込み酸化膜9を形成する。これにより、ビット線埋め込み酸化膜9の高さは第1の多結晶ポリシリコン膜10aとほぼ同じ高さに調整される。この高さ調整工程は、マスク膜7の選択除去の前に行っているが、より高精度にする場合は、マスク膜7の選択除去の前後に併せて行うことが望ましい。
【0240】
次に、図31(d)に示すように、例えばLPCVD法により、埋め込み酸化膜9及び第1の多結晶シリコン膜10aの上に、燐が1×1018cm−3〜1×1022cm−3程度にn型にドープされた第2の多結晶シリコン膜10bを堆積する。この時、第1の多結晶シリコン膜10aと第2の多結晶シリコン膜10bとの界面には1nm程度の薄い自然酸化膜が形成される場合があるが、第1の多結晶シリコン膜10aと第2の多結晶シリコン膜10bとは電気的に接続されており、ゲート電極として使用する上で問題はない。
【0241】
次に、図32(a)に示すように、レジスト膜(図示せず)を塗布した後にリソグラフィ法により、メモリ素子部Aには互いに間隔をおいて配置されたソース・ドレイン形成領域と交差するワード線方向にレジストパターンを形成する。同時に、論理回路部Bには論理回路のレジストパターンが形成される。次に、そのレジストパターンをマスク膜として、ドライエッチングを用いて第1及び第2の多結晶シリコン膜10a及び10bの所定領域を開口して、メモリ素子部Aでは開口部のトラップ膜6を露出させ、論理回路部Bではゲート酸化膜19を露出させる。このとき、図32(a)ではゲート電極10a、10bは90±1°程度の角度になるように図示しているが、ゲート電極10bの側壁形状は、84°程度の角度に傾斜させても良い。その後、レジスト膜を除去する。
【0242】
次に、図32(b)に示すように、半導体基板1の論理回路部Bに対して、半導体基板1の上に論理回路部Bを露出する開口パターンを持つレジスト膜(図示せず)を形成し、形成したレジスト膜、ゲート電極10a、10bをマスクとしてn型の不純物イオンをイオン注入することにより、半導体基板1のゲート電極10の両側方の領域に低濃度不純物拡散層20を形成する。その後、レジスト膜を除去する。
【0243】
次に、図32(c)に示すように、CVD法により、半導体基板1の上に全面にわたって、例えば膜厚が5nm〜100nm程度のシリコン酸化膜と30nm〜100nm程度のシリコン窒化膜を堆積し、エッチバック法にてゲート電極10a、10bの側面部の絶縁膜を残したままゲート電極10bの上面部上の絶縁膜を除去すると共に、論理回路部Bにおいては、ゲート酸化膜19を除去し、メモリ素子部Aにおいては、ビット線コンタクト部13の上の絶縁膜の一部及びトラップ膜6の一部を除去する。これにより、論理回路部Bにおけるゲート電極10a、10bの両側面上に側壁絶縁膜21を形成すると共に、メモリ素子部Aのワード線間に埋め込み充填膜11を形成する。
【0244】
このとき、エッチング量はゲート電極10a、10bの上面部の絶縁膜及び論理回路部Bにおけるゲート酸化膜19を除去するだけの時間で行う。このことにより、メモリ素子部Aにおけるゲート電極10a、10b間に埋め込まれた絶縁膜は殆ど除去されないため、メモリセル上の凹凸が大きくならない。また、論理回路部Bにおけるオーバーエッチング量が適正であるため、側壁絶縁膜21の幅のばらつき量が少なくなり、トランジスタの特性ばらつきを抑えることができる。エッチング量の一例としては、メモリ素子部Aにおけるゲート電極10上面とゲート電極10間に埋め込まれた絶縁膜の上面の差が100nm以内であることが望ましい。
【0245】
次に、図32(d)に示すように、メモリ素子部Aに対してビット線コンタクト領域に最近接の端部ワード線の側壁絶縁膜(埋め込み充填膜11)及びトラップ膜6を選択的に露出するようにレジストパターン24を形成する。
【0246】
次に、図33(a)に示すように、ドライエッチングを用いてレジストパターン24の開口部のトラップ膜6を除去すると共に、端部ワード線の側壁絶縁膜(埋め込み充填膜11)の一部をエッチングする。この工程により、端部ワード線の側壁絶縁(埋め込み充填膜11)膜は、トラップ膜6を除去するエッチングが進行するに伴いその幅が縮小するように、言い換えれば開口部における半導体基板1の開口領域が拡がるように加工される。
【0247】
次に、図33(b)に示すように、例えばn型の不純物である砒素を、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm−2〜1×1017cm−2の注入条件で1回又は2回以上のイオン注入を行って、n型不純物拡散層からなるビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層25を形成する。この高濃度不純物拡散層25は、ビット線埋め込み酸化膜9の下に形成されたソース・ドレイン領域5と電気的に接続される。この後、レジストパターン24は除去する。
【0248】
次に、図33(c)に示すように、論理回路部Bに対して、半導体基板1の上に論理回路部Bを露出する開口パターンを持つレジスト膜(図示せず)を形成し、形成したレジスト膜、ゲート電極10a、10b及び側壁絶縁膜21をマスクとして、半導体基板1に対してn型の不純物イオンを選択的にイオン注入して、ドレイン領域又はソース領域となる高濃度不純物拡散層22を形成する。ここで、論理回路部Bの高濃度不純物拡散層22の形成は、図32(d)〜図33(b)に示すメモリ素子部Aのビット線コンタクト部13の高濃度不純物拡散層25の形成の前に実施しても構わない。
【0249】
次に、図33(d)に示すように、例えば真空蒸着法等により、半導体基板1の上に全面にわたって、コバルト又はニッケル等からなる金属膜を堆積し、その後、熱処理を施すことにより、メモリ素子部Aにおける第1のワード線(第1の多結晶シリコン膜10a)、第2のワード線(第2に多結晶シリコン膜10b)及びビット線コンタクト部13の高濃度不純物拡散層25の各上部に金属シリサイド層23を形成すると共に、論理回路部Bにおけるゲート電極10bの上部及び高濃度不純物拡散層22の上部にそれぞれ金属シリサイド層23を形成する。
【0250】
以降は、図示はしないが、第2の実施形態で説明したように、例えばCVD法により、半導体基板1の上の全面に酸化シリコンからなる層間絶縁膜を堆積し、その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、層間絶縁膜において各ビット線コンタクト部上の金属シリサイド層を露出する複数の接続孔を選択的に形成する。
【0251】
次に、層間絶縁膜の上に各接続孔を埋めるように全面にわたって、タングステン、タングステン化合物、チタン若しくは窒化チタンなどのチタン化合物などの金属単層膜又は積層膜からなる導電膜を堆積する。続いて、堆積した導電膜に対して、行方向に配置された各ソース・ドレイン領域が相互に接続されるようにパターニングして、導電膜からビット線を形成する。
【0252】
これにより、論理回路部Bと、第2の実施形態と同様の構成のメモリ素子部Aとを有する不揮発性半導体記憶装置を得ることができる。
【0253】
このように、本実施形態によると、第2の実施形態において記載した種々の効果と同様の効果を得ることができる。
【0254】
更に、メモリ素子部Aを構成するワード線(ゲート電極)10a、10bと、論理回路部Bを構成するトランジスタのゲート電極10a、10bとを同一工程で形成できるため、工程数を削減することができる。
【0255】
また、論理回路部Bを構成するトランジスタのゲート電極10a、10bの側壁絶縁膜21の幅のばらつき量を抑制することが可能となり、トランジスタの特性ばらつきを抑えることができるため、高歩留まりを実現できる。
【0256】
また、本実施形態においては、多結晶シリコン膜のドライエッチングステップとして、開口部の高さが埋め込み酸化膜の高さと同じになった時点でステップの切換を行うとしたが、埋め込み酸化膜の高さから上下30nm程度の範囲内で切り換えるのであれば、エッチング残渣は除去可能であり、問題ない。
【0257】
また、本実施形態においては、メモリ素子部Aにおけるワード線及び論理回路部Bにおけるゲート電極を構成する多結晶シリコン膜10bは、ドープトポリシリコンとして堆積しているが、不純物がドープされない非ドープの多結晶シリコンを堆積した後に、不純物注入を行ってドープしてもよい。また、多結晶シリコン膜10a、10bは一例に過ぎず、多結晶シリコン、非晶質(アモルファス)シリコン、タンタルやチタンなどの融点が600℃以上である高融点金属、金属化合物若しくは金属シリサイドからなる単層膜又はこれらの積層膜に置き換えることができる。また、ワード線を構成する第2の多結晶シリコン膜10bを金属によりシリサイド化してもよい。
【0258】
また、本実施形態においては、一例としてワード線間を埋め込み充填する膜としてCVD法によるシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を用いたが、これによらず、ステップカバレッジが良好であり、且つ、プラズマを用いない成膜方法が望ましい。但し、論理回路部Bにおける自己整合式側壁形成によるソース・ドレイン形成に必要な形状にて堆積される膜であることが望ましい。
【0259】
また、本実施形態においては、記憶素子のソース・ドレイン領域におけるビット線コンタクトと接する部分の表面を金属によりシリサイド化しても構わない。
【0260】
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法について図34〜図37を参照しながら説明する。
【0261】
本発明の第6の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、第3の実施形態に係るメモリセルトランジスタを有するメモリ素子部Aと、周辺回路等を含む論理回路部Bとを有する構成である。
【0262】
まず、図34(a)に示すシリコンからなる半導体基板1の主面上に、図34(b)に示すように、例えば厚さが100nm〜300nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜2Aを形成する。
【0263】
次に、図34(c)に示すように、半導体基板1の主面をSTI等からなる素子分離領域4によって、メモリ素子部Aと論理回路部Bとに区画する。また、論理回路部Bは、通常、nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタとを含むが、両トランジスタは互いの不純物イオンの導電型が異なるのみであるため、ここではnチャネルトランジスタのみを示す。
【0264】
まず、図34(d)に示すように、全面にわたって、シリコン酸化膜よりなり、厚さが10nmのトンネル膜17を堆積する。この際、トンネル膜17は、積層膜からなり、論理回路部Bのゲート酸化膜19と同時形成する場合にはゲート酸化膜19の膜厚相当分だけ薄く形成していても良い。続いて、論理回路部Bに堆積されたトンネル膜17を除去し、全面に厚さが3nmのゲート酸化膜19を形成する。
【0265】
次に、図34(e)に示すように、例えば化学的気相堆積(CVD)法により、厚さが20nm〜80nm程度の第1の多結晶シリコン膜10aを形成し、続いて、10nm程度の薄い酸化シリコン膜(図示せず)を堆積した後、厚さが50nm〜200nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜7Aを堆積する。続いて、マスク形成膜7Aの上にレジスト膜7Bを塗布した後、リソグラフィ法により、レジスト膜7Bにソース・ドレイン領域5となる部分を開口する開口パターンを形成する。ここで、開口幅は100nmであり、即ちソース・ドレイン領域5となる領域の幅となる。一方、レジスト7Bの幅は150nmとなっており、メモリセルトランジスタが形成された際のチャネル幅になる。
【0266】
次に、図35(a)に示すように、レジスト膜7B(図示せず)をマスクとして、マスク形成膜7Aに対してドライエッチングを行うことにより、マスク形成膜7Aからソース・ドレイン領域5を形成するための開口部を有するマスク膜7を形成し、連続して開口部の酸化シリコン膜(図示せず)、第1の多結晶ポリシリコン膜10a及びトンネル膜17を除去する。但し、トンネル酸化膜17は薄いため、除去せずイオン注入時の保護膜として利用してもよい。続いて、マスク膜7を用いて、例えばn型の不純物である砒素を、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm−2〜1×1017cm−2の注入条件で1回又は2回以上のイオン注入を行って、メモリ素子部Aのn型不純物拡散層からなるソース・ドレイン領域5を形成する。その後、レジスト膜を除去する。
【0267】
次に、図35(b)に示すように、マスク膜7の開口部に、例えば高密度プラズマ式化学的気相堆積(HDPCVD)法や減圧化学的気相堆積(LPCVD)法などにより、酸化シリコンからなる埋め込み絶縁膜9を堆積し、続いて、例えば化学機械研磨(CMP)法又はエッチバック法により、マスク膜7の開口部に充填された部分以外の酸化シリコン膜を選択的に除去する。
【0268】
次に、図35(c)に示すように、ウェットエッチング法又はエッチバック法により、充填された酸化シリコン膜の高さを第1の多結晶ポリシリコン膜10aとほぼ同じ高さに調整する。
【0269】
次に、図35(d)に示すように、ウェットエッチング法又はエッチバック法により、マスク膜7のみを選択的に除去し、酸化シリコン膜(図示せず)を除去して、ビット線埋め込み酸化膜9を形成する。これにより、ビット線埋め込み酸化膜9の高さは第1の多結晶ポリシリコン膜10aとほぼ同じ高さに調整される。この高さ調整工程は、マスク膜7の選択除去の前に行っているが、より高精度にする場合は、マスク膜7の選択除去の前後に併せて行うことが望ましい。
【0270】
続いて、図35(e)に示すように、埋め込み酸化膜9及び第1の多結晶ポリシリコン膜10aの上に、例えば減圧化学的気相堆積(LPCVD)法により、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸化シリコンの積層膜(ONO膜)からなる電極間絶縁膜18を堆積し、その後、論理回路部Bにおいてこの電極間絶縁膜18を選択的に除去する。更に、メモリ素子部A上及び論理回路部B上に、例えばLPCVD法により、燐が1×1018cm−3〜1×1022cm−3程度にn型にドープされた第2の多結晶シリコン膜10bを堆積する。
【0271】
次に、図36(a)に示すように、レジスト膜(図示せず)を塗布した後にリソグラフィ法により、メモリ素子部Aには互いに間隔をおいて配置されたソース・ドレイン形成領域5と交差するワード線方向にレジストパターンを形成する。同時に、論理回路部Bには論理回路Bのレジストパターンが形成される。次に、そのレジストパターンをマスク膜として、ドライエッチングを用いて第1及び第2の多結晶シリコン膜10a及び10b並びに電極間絶縁膜18の所定領域を開口して、メモリ素子部Aでは開口部のトラップ膜6を露出させ、論理回路部Bではゲート酸化膜19を露出させる。このとき、図36(a)ではゲート電極10a、10bは90±1°程度の角度になるように形成しているが、ゲート電極10bの側壁形状は、84°程度の角度に傾斜させても良い。その後、レジスト膜を除去する。
【0272】
次に、図36(b)に示すように、半導体基板1の論理回路部Bに対して、半導体基板1の上に論理回路部Bを露出する開口パターンを持つレジスト膜(図示せず)を形成し、形成したレジスト膜、ゲート電極10a、10bをマスクとしてn型の不純物イオンをイオン注入することにより、半導体基板1のゲート電極10の両側方の領域に低濃度不純物拡散層20を形成する。その後、レジスト膜を除去する。
【0273】
次に、図36(c)に示すように、CVD法により、半導体基板1の上に全面にわたって、例えば膜厚が5nm〜100nm程度のシリコン酸化膜と30nm〜100nm程度のシリコン窒化膜を堆積し、エッチバック法にてゲート電極10a、10bの側面部の絶縁膜を残したままゲート電極10bの上面部上の絶縁膜を除去すると共に、論理回路部Bにおいては、ゲート酸化膜19を除去し、メモリ素子部Aにおいては、ビット線コンタクト部13の上の絶縁膜の一部及びトンネル膜17の一部を除去する。これにより、論理回路部Bにおけるゲート電極10a、10bの両側面上に側壁絶縁膜21を形成すると共に、メモリ素子部Aのワード線間に埋め込み充填膜11を形成する。
【0274】
このとき、エッチング量はゲート電極10a、10bの上面部の絶縁膜及び論理回路部Bにおけるゲート酸化膜19を除去するだけの時間で行う。このことにより、メモリ素子部Aにおけるゲート電極10a、10b間に埋め込まれた絶縁膜は殆ど除去されないため、メモリセル上の凹凸が大きくならない。また、論理回路部Bにおけるオーバーエッチング量が適正であるため、側壁絶縁膜21の幅のばらつき量が少なくなり、トランジスタの特性ばらつきを抑えることができる。エッチング量の一例としては、メモリ素子部Aにおけるゲート電極10上面とゲート電極10間に埋め込まれた絶縁膜の上面の差が100nm以内であることが望ましい。
【0275】
次に、図36(d)に示すように、メモリ素子部Aに対してビット線コンタクト領域に最近接の端部ワード線の側壁絶縁膜(埋め込み充填膜11)及びトラップ膜6を選択的に露出するようにレジストパターン24を形成する。
【0276】
次に、図37(a)に示すように、ドライエッチングを用いてレジストパターン24の開口部のトンネル膜17を除去すると共に、端部ワード線の側壁絶縁膜(埋め込み充填膜11)の一部をエッチングする。この工程により、端部ワード線の側壁絶縁膜(埋め込み充填膜11)は、トンネル膜17を除去するエッチングが進行するに伴いその幅が縮小するように、言い換えれば開口部における半導体基板1の開口領域が拡がるように加工される。
【0277】
次に、図37(b)に示すように、例えばn型の不純物である砒素を、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm−2〜1×1017cm−2の注入条件で1回又は2回以上のイオン注入を行って、n型不純物拡散層からなるビット線コンタクト領域の高濃度不純物拡散層25を形成する。この高濃度不純物拡散層25は、ビット線埋め込み酸化膜9の下に形成されたソース・ドレイン領域5と電気的に接続される。その後、レジストパターン24は除去する。
【0278】
次に、図36(c)に示すように、論理回路部Bに対して、半導体基板1の上に論理回路部Bを露出する開口パターンを持つレジスト膜(図示せず)を形成し、形成したレジスト膜、ゲート電極10a、10b及び側壁絶縁膜21をマスクとして、半導体基板1に対してn型の不純物イオンを選択的にイオン注入して、ドレイン領域又はソース領域となる高濃度不純物拡散層22を形成する。ここで、論理回路部Bにおける高濃度不純物拡散層22の形成は、図36(d)〜図37(b)に示すメモリ素子部Aのビット線コンタクト部13の高濃度不純物拡散層25の形成の前に実施しても構わない。
【0279】
次に、図37(d)に示すように、例えば真空蒸着法等により、半導体基板1の上に全面にわたって、コバルト又はニッケル等からなる金属膜を堆積し、その後、熱処理を施すことにより、メモリ素子部Aにおける第1のワード線10a、第2のワード線10b及びビット線コンタクト部高濃度不純物拡散層25の各上部に金属シリサイド層23を形成すると共に、論理回路部Bにおけるゲート電極10bの上部及び高濃度不純物拡散層22の上部にそれぞれ金属シリサイド層23を形成する。
【0280】
以降は、図示はしないが、第3の実施形態で説明したように、例えばCVD法により、半導体基板1の上の全面に酸化シリコンからなる層間絶縁膜を堆積し、その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、層間絶縁膜において各ビット線コンタクト部上の金属シリサイド層を露出する複数の接続孔を選択的に形成する。
【0281】
次に、層間絶縁膜の上に各接続孔を埋めるように全面にわたって、タングステン、タングステン化合物、チタン若しくは窒化チタンなどのチタン化合物などの金属単層膜又は積層膜からなる導電膜を堆積する。続いて、堆積した導電膜に対して、行方向に配置された各ソース・ドレイン領域が相互に接続されるようにパターニングして、導電膜からビット線を形成する。
【0282】
これにより、論理回路部Bと、第3の実施形態と同様の構成のメモリ素子部Aとを有する不揮発性半導体記憶装置を得ることができる。
【0283】
このように、本実施形態によると、第3の実施形態において記載した種々の効果と同様の効果を得ることができる。
【0284】
更に、メモリ素子部Aを構成するワード線(ゲート電極)10a、10bと、論理回路部Bを構成するトランジスタのゲート電極10a、10bとを同一工程で形成できるため、工程数を削減することができる。
【0285】
また、論理回路部Bを構成するトランジスタのゲート電極10a、10bの側壁絶縁膜21の幅のばらつき量を抑制することが可能となり、トランジスタの特性ばらつきを抑えることができるため、高歩留まりを実現できる。
【0286】
また、第6の実施形態においては、一例として論理回路部のゲート絶縁膜19の膜厚を3nmとしたが、トランジスタの種類や特性が最適化されるように、1nm〜30nmの範囲で膜厚を適宜調整してもよく、2種以上の膜厚のゲート絶縁膜を混在させても良い。
【0287】
また、本実施形態においては、多結晶シリコン膜のドライエッチングステップとして、開口部の高さが埋め込み酸化膜の高さと同じになった時点でステップの切換を行うとしたが、埋め込み酸化膜の高さから上下30nm程度の範囲内で切り換えるのであれば、エッチング残渣は除去可能であり、問題ない。
【0288】
また、本実施形態においては、メモリ素子部Aにおけるワード線及び論理回路部Bにおけるゲート電極を構成する第2の多結晶シリコン膜10bは、ドープトポリシリコンとして堆積しているが、不純物がドープされない非ドープの多結晶シリコンを堆積した後に、不純物注入を行ってドープしてもよい。また、第1及び第2の多結晶シリコン膜10a、10bは一例に過ぎず、多結晶シリコン、非晶質(アモルファス)シリコン、タンタルやチタンなどの融点が600℃以上である高融点金属、金属化合物若しくは金属シリサイドからなる単層膜又はこれらの積層膜に置き換えることができる。また、ワード線を構成する第2の多結晶シリコン膜10bを金属によりシリサイド化してもよい。
【0289】
また、本実施形態においては、一例としてワード線間を埋め込み充填する膜としてCVD法によるシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を用いたが、これによらず、ステップカバレッジが良好であり、且つ、プラズマを用いない成膜方法が望ましい。但し、論理回路部Bにおける自己整合式側壁形成によるソース・ドレイン形成に必要な形状にて堆積される膜であることが望ましい。
【0290】
また、本実施形態においては、記憶素子のソース・ドレイン領域におけるビット線コンタクトと接する部分の表面を金属によりシリサイド化しても構わない。
【0291】
なお、以上の実施形態においてはいずれもフラッシュメモリと称される不揮発性半導体記憶装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、同様のビット線及びワード線が交差する形状の高度に集積化された不揮発性半導体記憶装置、さらにはDRAM等の揮発性半導体記憶装置やMRAM、RRAM、FRAM等の不揮発性半導体記憶装置においても、構造を適正化することにより同様の構成を採用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0292】
以上に説明したように、本発明の半導体記憶装置及びその製造方法は、ビット線コンタクト領域を狭小化する際に、ビット線コンタクトとビット線拡散層との電気的接続を確実に行うと共に、ゲート電極間のボイドの発生を抑制することを両立できるものであり、特に、ビット線コンタクト部13を介してビット線拡散層と上部のビット線とを電気的に接続する構造を備えた不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0293】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の平面図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の断面図である。
【図3】(a)〜(e)は、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図6】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図7】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図8】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図9】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図10】(a)〜(e)は、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の断面図である。
【図11】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図12】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図13】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図14】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図15】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図16】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図17】(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図18】(a)〜(e)は、本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の断面図である。
【図19】(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図20】(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図21】(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図22】(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図23】(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図24】(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図25】(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置
【図26】(a)〜(e)は、本発明の第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図27】(a)〜(e)は、本発明の第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図28】(a)〜(d)は、本発明の第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図29】(a)〜(d)は、本発明の第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図30】(a)〜(e)は、本発明の第5の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図31】(a)〜(e)は、本発明の第5の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図32】(a)〜(d)は、本発明の第5の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図33】(a)〜(d)は、本発明の第5の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図34】(a)〜(e)は、本発明の第6の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図35】(a)〜(e)は、本発明の第6の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図36】(a)〜(d)は、本発明の第6の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図37】(a)〜(d)は、本発明の第6の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図38】従来に係る不揮発性半導体記憶装置を示す平面図である。
【図39】(a)〜(e)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図40】(a)〜(e)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図41】(a)〜(e)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図42】(a)〜(d)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図43】(a)〜(d)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図44】(a)〜(d)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図45】(a)及び(b)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図46】従来に係る不揮発性半導体記憶装置を示す平面図である。
【図47】(a)〜(e)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置を示す断面図である。
【図48】(a)〜(e)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図49】(a)〜(e)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図50】(a)〜(e)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図51】(a)〜(d)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図52】(a)〜(d)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図53】(a)〜(d)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図54】(a)〜(d)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図55】(a)及び(d)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【図56】(a)及び(d)は、従来に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0294】
1 半導体基板
2 (素子分離形成)マスク形成膜
3 レジスト膜
4 素子分離領域
5 ソース・ドレイン領域(n型不純物拡散層)
6 トラップ膜
7 (ソース・ドレイン形成)マスク膜
7A マスク形成膜
8 レジストパターン
9 ビット線埋め込み酸化膜
10 ワード線(ゲート電極)
10a 第1の多結晶シリコン膜(第1のワード線、第1のゲート電極)
10b 第2の多結晶シリコン膜(第2のワード線、第2のゲート電極)
10A 多結晶シリコン膜
11 埋め込み充填膜
12 層間絶縁膜
13 ビット線コンタクト部
14 コンタクト
15 ビット線
16 p型不純物拡散層
17 トンネル膜
18 電極間絶縁層
19 ゲート絶縁膜(ゲート酸化膜)
20 低濃度不純物拡散層
21 側壁絶縁膜
22 高濃度不純物拡散層
23 金属シリサイド層
24 レジストパターン
25 ビット線コンタクト部の高濃度不純物拡散層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板における上部に形成され、列方向に延伸する複数のビット線拡散層と、
前記基板の上に形成され、行方向に延伸する複数のワード線と、
隣り合う一対の前記ビット線拡散層、前記基板上における前記一対のビット線拡散層間と前記ワード線とに挟まれるように形成されたゲート絶縁膜、及び、前記ワード線における前記ゲート絶縁膜上の部分からなるゲート電極によって構成され、行列状に配置された複数のメモリ素子と、
を含むメモリ領域を有する半導体記憶装置であって、
前記複数のビット線拡散層の各々は前記列方向において複数に分割されており、
各列における複数の前記ビット線拡散層同士は、前記基板における上部に形成されたビット線コンタクト拡散層を介して電気的に接続されており、
前記メモリ領域において、隣り合う前記ワード間の領域は、当該隣り合うワード線の側面に形成された側壁絶縁膜同士で埋め込まれており、
前記ビット線コンタクト拡散層に隣り合って配置された前記ワード線において、当該ワード線に形成された前記側壁絶縁膜のうち前記ビット線コンタクト拡散層側に形成された側壁絶縁膜の幅は、当該ワード線に形成された前記側壁絶縁膜のうち前記ビット線コンタクト拡散層側と反対側に形成された側壁絶縁膜の幅よりも狭い、半導体記憶装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体記憶装置において、
前記ゲート電極は、前記複数のメモリ素子の各々に占有される下層膜と、前記下層膜の上に形成された前記ワード線を構成する上層膜とを含む積層膜からなり、
前記ワード線方向において、隣り合う前記下層膜間における前記ビット線拡散層上に形成された埋め込み絶縁膜の上面の高さは、前記下層膜の上面の高さと同等である、半導体記憶装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体記憶装置において、
前記メモリ素子を構成する前記ゲート絶縁膜は、電荷蓄積機能を有するトラップ膜を含む、半導体記憶装置。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体記憶装置において、
前記ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜、電荷蓄積機能を有する窒化シリコン、及び酸化シリコンが下からこの順に形成された積層膜からなる、半導体記憶装置。
【請求項5】
請求項2に記載の半導体記憶装置において、
前記ゲート電極は、
前記下層膜としての電荷蓄積機能を有する浮遊ゲート電極と、
前記浮遊ゲート電極の上に形成された電極間絶縁膜と、
前記電極間絶縁膜の上に形成され、前記上層膜としての制御ゲート電極との積層膜からなる、半導体記憶装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の半導体記憶装置において、
前記ビット線拡散層は、
前記基板の導電型と反対導電型の第1の不純物拡散層と、
前記第1の不純物拡散層の周囲に形成され、前記基板の導電型と同一導電型の第2の不純物拡散層とからなる、半導体記憶装置。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体記憶装置において、
前記第1の不純物拡散層の不純物濃度は、前記第2の不純物拡散層の不純物濃度よりも高い、半導体記憶装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の半導体記憶装置において、
前記ゲート電極は、多結晶シリコン又は非結晶シリコンからなる、半導体記憶装置。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体記憶装置において、
前記ゲート電極の上面上に形成された金属シリサイド層をさらに備えている、半導体記憶装置。
【請求項10】
請求項1に記載の半導体記憶装置において、
前記ゲート電極は、金属膜からなる、半導体記憶装置。
【請求項11】
請求項2に記載の半導体記憶装置において、
前記ゲート電極を構成する前記上層膜及び前記下層膜のうち、少なくとも前記上層膜は、金属膜からなる、半導体記憶装置。
【請求項12】
請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載の半導体記憶装置において、
前記ビット線コンタクト拡散層の上面上に形成された金属シリサイド層をさらに備えている、半導体記憶装置。
【請求項13】
請求項1〜12のうちのいずれか1項に記載の半導体記憶装置において、
前記基板上における前記メモリ領域とは異なる領域に、周辺トランジスタを含む論理回路領域をさらに備えており、
前記周辺トランジスタのゲート電極の材料は、前記メモリ素子のゲート電極の材料と同一である、半導体記憶装置。
【請求項14】
半導体基板上に、電荷保持機能を有するトラップ膜及びマスク絶縁膜をこの順に形成する工程(a)と、
前記マスク絶縁膜を選択的に除去して開口部を形成した後、前記開口部を介して前記半導体基板中に不純物を導入することにより、列方向に延伸すると共に各列において複数に分割された複数のビット線拡散層を形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後、前記開口部内を第1の埋め込み絶縁膜で埋め込んだ後、前記マスク絶縁膜の上面を露出させる工程(c)と、
前記工程(c)の後、前記マスク絶縁膜を除去すると共に、前記第1の埋め込み絶縁膜における上部の部分を除去する工程(d)と、
前記工程(d)の後、前記半導体基板上に、前記第1の埋め込み絶縁膜を覆うように、導電膜を形成する工程(e)と、
前記導電膜を選択的に除去して、前記トラップ膜の上面の一部及び前記第1の埋め込み絶縁膜の上面の一部を露出させると共に、行方向に延伸する、前記導電膜からなる複数のワード線を形成する工程(f)と、
前記工程(f)の後、前記半導体基板上に、前記ワード線及び前記トラップ膜と前記第1の埋め込み絶縁膜における露出した上面を覆うように、絶縁膜を堆積した後、エッチバックすることにより、前記ワード線の側面に残存する前記絶縁膜からなる側壁絶縁膜が、隣り合う前記ワード線間を埋め込んでなる第2の埋め込み絶縁膜を形成する工程(g)と、
前記工程(g)の後、各列における複数の前記ビット線拡散層同士を分割するビット線コンタクト拡散層形成領域を露出する開口部を有するマスクパターンを用いたエッチングにより、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域に隣り合って配置された前記ワード線において、当該ワード線に形成された前記側壁絶縁膜のうち前記ビット線コンタクト拡散層形成領域側に形成された側壁絶縁膜の側壁膜厚を減少させると共に、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域に露出した前記トラップ膜を除去して前記半導体基板を露出させる工程(h)と、
前記工程(h)の後、前記半導体基板の露出した部分に不純物を導入することにより、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域にビット線コンタクト拡散層を形成する工程(i)とを備える、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記導電膜は、多結晶シリコン膜、非結晶シリコン膜、金属膜、多結晶シリコン膜とシリサイド膜との積層膜、及び、非結晶シリコン膜とシリサイド膜との積層膜からなる群のうちから選択されるいずれか1つである、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項16】
半導体基板上に、電荷保持機能を有するトラップ膜、第1の導電膜及びマスク絶縁膜をこの順に形成する工程(a)と、
前記マスク絶縁膜及び前記第1の導電膜を選択的に除去して開口部を形成した後、前記開口部を介して前記半導体基板中に不純物を導入することにより、列方向に延伸すると共に各列において複数に分割された複数のビット線拡散層を形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後、前記開口部内を第1の埋め込み絶縁膜で埋め込んだ後、前記マスク絶縁膜の上面を露出させる工程(c)と、
前記工程(c)の後、前記マスク絶縁膜を除去して前記第1の導電膜の上面を露出させると共に、前記第1の埋め込み絶縁膜における上部を除去し、前記第1の埋め込み絶縁膜の高さを前記第1の導電膜の高さと同等にする工程(d)と、
前記工程(d)の後、前記半導体基板上に、上面が露出した前記第1の導電膜上及び前記第1の埋め込み絶縁膜上を覆うように第2の導電膜を形成する工程(e)と、
前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜を選択的に除去し、前記トラップ膜の上面の一部及び前記第1の埋め込み絶縁膜の上面の一部を露出させると共に、行方向に延伸する、前記第2の導電膜からなる複数のワード線を形成する工程(f)と、
前記工程(f)の後、前記半導体基板上に、前記ワード線及び前記トラップ膜と前記第1の埋め込み絶縁膜における露出した上面を覆うように、絶縁膜を堆積した後、エッチバックすることにより、前記ワード線の側面に残存する前記絶縁膜からなる側壁絶縁膜が、隣り合う前記ワード線間を埋め込んでなる第2の埋め込み絶縁膜を形成する工程(g)と、
前記工程(g)の後、各列における複数の前記ビット線拡散層同士を分割するビット線コンタクト拡散層形成領域を露出する開口部を有するマスクパターンを用いたエッチングにより、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域に隣り合って配置された前記ワード線において、当該ワード線に形成された前記側壁絶縁膜のうち前記ビット線コンタクト拡散層形成領域側に形成された前記側壁絶縁膜の側壁膜厚を減少させると共に、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域に露出した前記トラップ膜を除去して前記半導体基板を露出させる工程(h)と、
前記工程(h)の後、前記半導体基板の露出した部分に不純物を導入することにより、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域にビット線コンタクト拡散層を形成する工程(i)とを備える、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項17】
請求項16に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記第2の導電膜は、多結晶シリコン膜、非結晶シリコン膜、金属膜、多結晶シリコン膜とシリサイド膜との積層膜、及び、非結晶シリコン膜とシリサイド膜との積層膜からなる群のうちから選択されるいずれか1つである、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項18】
請求項14〜17のうちのいずれか1項に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記工程(b)は、前記ビット線拡散層を形成する領域上の前記トラップ膜を残存させた状態で、前記トラップ膜を介して、前記半導体基板中に前記不純物を導入する工程を含む、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項19】
請求項14〜17のうちのいずれか1項に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記工程(b)は、前記ビット線拡散層を形成する領域上の前記トラップ膜を除去した状態で、前記半導体基板中に前記不純物を直接導入する工程を含む、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項20】
半導体基板上に、トンネル膜、第1の導電膜及びマスク絶縁膜をこの順に形成する工程(a)と、
前記マスク絶縁膜及び前記第1の導電膜を選択的に除去して開口部を形成した後、前記開口部を介して前記半導体基板中に不純物を導入することにより、列方向に延伸すると共に各列において複数に分割された複数のビット線拡散層を形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後、前記開口部内を第1の埋め込み絶縁膜で埋め込んだ後、前記マスク絶縁膜の上面を露出させる工程(c)と、
前記工程(c)の後、前記マスク絶縁膜を除去して前記第1の導電膜の上面を露出させると共に、前記第1の埋め込み絶縁膜の上部を除去することにより、前記第1の埋め込み絶縁膜の高さを前記第1の導電膜の高さと同等にする工程(d)と、
前記工程(d)の後、前記半導体基板上に、上面が露出した前記第1の導電膜上及び前記第1の埋め込み絶縁膜上を覆うように、電極間絶縁膜及び第2の導電膜をこの順に形成する工程(e)と、
前記第1の導電膜、前記電極間絶縁膜、及び前記第2の導電膜を選択的に除去して、前記トンネル膜の上面の一部及び前記第1の埋め込み絶縁膜の上面の一部を露出させると共に、行方向に延伸する、前記第2の導電膜からなる複数のワード線を形成する工程(f)と、
前記工程(f)の後、前記半導体基板上に、前記ワード線、並びに前記トンネル膜及び前記第1の埋め込み絶縁膜における露出した上面を覆うように、絶縁膜を堆積した後、エッチバックすることにより、前記ワード線の側面に残存する前記絶縁膜からなる側壁絶縁膜が、隣り合う前記ワード線間を埋め込んでなる第2の埋め込み絶縁膜を形成する工程(g)と、
前記工程(g)の後、各列における複数の前記ビット線拡散層同士を分割するビット線コンタクト拡散層形成領域を露出する開口部を有するマスクパターンを用いたエッチングにより、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域に隣り合って配置された前記ワード線において、当該ワード線に形成された前記側壁絶縁膜のうち前記ビット線コンタクト拡散層形成領域側に形成された側壁絶縁膜の側壁膜厚を減少させると共に、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域に露出した前記トンネル膜を除去して前記半導体基板を露出させる工程(h)と、
前記工程(h)の後、前記半導体基板の露出した部分に不純物を導入することにより、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域にビット線コンタクト拡散層を形成する工程(i)とを備える、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項21】
請求項20に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記第2の導電膜は、多結晶シリコン膜、非結晶シリコン膜、金属膜、多結晶シリコン膜とシリサイド膜との積層膜、及び、非結晶シリコン膜とシリサイド膜との積層膜からなる群のうちから選択されるいずれか1つである、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項22】
請求項20又は21に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記工程(b)は、前記ビット線拡散層を形成する領域上の前記トラップ膜を残存させた状態で、前記トラップ膜を介して、前記半導体基板中に前記不純物を導入する工程を含む、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項23】
請求項20又は21に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記工程(b)は、前記ビット線拡散層を形成する領域上の前記トラップ膜を除去した状態で、前記半導体基板中に前記不純物を直接導入する工程を含む、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項24】
請求項14〜23のうちのいずれか1項に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記工程(i)の後、前記ワード線の上面及び前記ビット線コンタクト拡散層の上面をシリサイド化する工程をさらに備える、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項25】
請求項14〜23のうちのいずれか1項に記載の半導体記憶装置の製造方法において、
前記工程(g)は、前記ワード線の高さと前記第2の埋め込み絶縁膜の高さとの差が100nm以下になるように、前記エッチバックを行う、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項26】
半導体基板上における互いに区画された領域に形成されたメモリ素子形成領域及び論理回路形成領域に、電荷保持機能を有するトラップ膜を形成する工程(a)と、
前記論理回路形成領域上の前記トラップ膜を除去する工程(b)と、
前記工程(b)の後、前記論理回路形成領域上にゲート絶縁膜を形成する工程(c)と、
前記メモリ素子形成領域において、前記トラップ膜上にマスク絶縁膜を形成する工程(d)と、
前記メモリ素子形成領域において、前記マスク絶縁膜を選択的に除去して開口部を形成した後、前記開口部を介して前記半導体基板中に不純物を導入することにより、列方向に延伸すると共に各列において複数に分割された複数のビット線拡散層を形成する工程(e)と、
前記メモリ素子形成領域において、前記開口部内を第1の埋め込み絶縁膜で埋め込んだ後、前記マスク絶縁膜の上面を露出させる工程(f)と、
前記工程(f)の後、前記メモリ素子形成領域において、前記マスク絶縁膜を除去すると共に、前記第1の埋め込み絶縁膜における上部の部分を除去する工程(g)と、
前記工程(g)の後、前記メモリ素子形成領域では、前記第1の埋め込み絶縁膜を覆う一方で、前記論理回路形成領域では、前記ゲート絶縁膜を覆うように、導電膜を形成する工程(h)と、
前記導電膜を選択的に除去することにより、前記メモリ素子形成領域では、前記トラップ膜の上面の一部及び前記第1の埋め込み絶縁膜の上面の一部を露出させると共に、行方向に延伸する、前記導電膜からなる複数のワード線を形成する一方で、前記論理回路形成領域では、前記導電膜からなるゲート電極を形成する工程(i)と、
前記工程(i)の後、前記半導体基板上に、前記メモリ素子形成領域では、前記ワード線、並びに前記トラップ膜及び前記第1の埋め込み絶縁膜における露出した上面を覆う一方で、前記論理回路形成領域では、前記ゲート電極を覆うように、絶縁膜を堆積した後、エッチバックすることにより、前記メモリ素子形成領域では、前記ワード線の側面に残存する前記絶縁膜からなる第1の側壁絶縁膜が、隣り合う前記ワード線間を埋め込んでなる第2の埋め込み絶縁膜を形成する一方で、前記論理回路形成領域では、前記ゲート電極の側面に残存する前記絶縁膜からなる第2の側壁絶縁膜を形成する工程(j)と、
前記工程(j)の後、前記メモリ素子形成領域では、各列における複数の前記ビット線拡散層同士を分割するビット線コンタクト拡散層形成領域を露出する開口部を有するマスクパターンを用いたエッチングにより、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域に隣り合って配置された前記ワード線において、当該ワード線に形成された前記第1の側壁絶縁膜のうち前記ビット線コンタクト拡散層形成領域側に形成された前記第1の側壁絶縁膜の側壁膜厚を減少させると共に、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域に露出した前記トラップ膜を除去して前記半導体基板を露出させる工程(k)と、
前記工程(k)の後、前記メモリ素子形成領域において、前記半導体基板の露出した部分に不純物を導入することにより、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域にビット線コンタクト拡散層を形成する工程(l)とを備える、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項27】
半導体基板上における互いに区画された領域に形成されたメモリ素子形成領域及び論理回路形成領域に、電荷保持機能を有するトラップ膜を形成する工程(a)と、
前記論理回路形成領域上の前記トラップ膜を除去する工程(b)と、
前記工程(b)の後、前記論理回路形成領域上にゲート絶縁膜を形成する工程(c)と、
前記メモリ素子形成領域における前記トラップ膜上及び前記論理回路形成領域における前記ゲート絶縁膜上に第1の導電膜を形成する工程(d)と、
前記メモリ素子形成領域において、前記第1の導電膜上にマスク絶縁膜を形成する工程(e)と、
前記メモリ素子形成領域において、前記マスク絶縁膜及び前記第1の導電膜を選択的に除去して開口部を形成した後、前記開口部を介して前記半導体基板中に不純物を導入することにより、列方向に延伸すると共に各列において複数に分割された複数のビット線拡散層を形成する工程(f)と、
前記メモリ素子形成領域において、前記開口部内を第1の埋め込み絶縁膜で埋め込んだ後、前記マスク絶縁膜の上面を露出させる工程(g)と、
前記工程(g)の後、前記メモリ素子形成領域において、前記マスク絶縁膜を除去して前記第1の導電膜の上面を露出させると共に、前記第1の埋め込み絶縁膜における上部の部分を除去することにより、前記第1の埋め込み絶縁膜の高さを前記第1の導電膜の高さと同等にする工程(h)と、
前記工程(h)の後、前記メモリ素子形成領域では、上面が露出した前記第1の導電膜上及び前記第1の埋め込み絶縁膜上を覆い、前記論理回路形成領域では、前記第1の導電膜を覆うように、第2の導電膜を形成する工程(i)と、
前記第2の導電膜を選択的に除去することにより、前記メモリ素子形成領域では、前記トラップ膜の上面の一部及び前記第1の埋め込み絶縁膜の上面の一部を露出させると共に、行方向に延伸する、前記第2の導電膜からなる複数のワード線を形成する一方で、前記論理回路形成領域では、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜からなるゲート電極を形成する工程(j)と、
前記工程(j)の後、前記半導体基板上に、前記メモリ素子形成領域では、前記ワード線、並びに前記トラップ膜及び前記第1の埋め込み絶縁膜における露出した上面を覆う一方で、前記論理回路形成領域では、前記ゲート電極を覆うように、絶縁膜を堆積した後、エッチバックすることにより、前記メモリ素子形成領域では、前記ワード線の側面に残存する前記絶縁膜からなる第1の側壁絶縁膜が、隣り合う前記ワード線間を埋め込んでなる第2の埋め込み絶縁膜を形成する一方で、前記論理回路形成領域では、前記ゲート電極の側面に残存する前記絶縁膜からなる第2の側壁絶縁膜を形成する工程(k)と、
前記工程(k)の後、前記メモリ素子形成領域では、各列における複数の前記ビット線拡散層同士を分割するビット線コンタクト拡散層形成領域を露出する開口部を有するマスクパターンを用いたエッチングにより、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域に隣り合って配置された前記ワード線において、当該ワード線に形成された前記第1の側壁絶縁膜のうち前記ビット線コンタクト拡散層形成領域側に形成された前記第1の側壁絶縁膜の側壁膜厚を減少させると共に、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域に露出した前記トラップ膜を除去して前記半導体基板を露出する工程(l)と、
前記工程(l)の後、前記メモリ素子形成領域において、前記半導体基板の露出した部分に不純物を導入することにより、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域にビット線コンタクト拡散層を形成する工程(m)とを備える、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項28】
半導体基板上における互いに区画された領域に形成されたメモリ素子形成領域及び論理回路形成領域に、電荷保持機能を有するトラップを形成する工程(a)と、
前記論理回路形成領域上の前記トンネル膜を除去する工程(b)と、
前記工程(b)の後、前記論理回路形成領域上にゲート絶縁膜を形成する工程(c)と、
前記メモリ素子形成領域における前記トンネル膜上及び前記論理回路形成領域における前記ゲート絶縁膜上に第1の導電膜を形成する工程(d)と、
前記メモリ素子形成領域において、前記第1の導電膜上にマスク絶縁膜を形成する工程(e)と、
前記メモリ素子形成領域において、前記マスク絶縁膜及び前記第1の導電膜を選択的に除去して開口部を形成した後、前記開口部を介して前記半導体基板中に不純物を導入することにより、列方向に延伸すると共に各列において複数に分割された複数のビット線拡散層を形成する工程(f)と、
前記メモリ素子形成領域において、前記開口部内を第1の埋め込み絶縁膜で埋め込んだ後、前記マスク絶縁膜の上面を露出させる工程(g)と、
前記工程(g)の後、前記メモリ素子形成領域において、前記マスク絶縁膜を除去して前記第1の導電膜の上面を露出させると共に、前記第1の埋め込み絶縁膜における上部の部分を除去することにより、前記第1の埋め込み絶縁膜の高さを前記第1の導電膜の高さと同等にする工程(h)と、
前記工程(h)の後、前記メモリ素子形成領域上及び前記論理回路形成領域上に電極間絶縁膜を形成した後、前記論理回路形成領域上の前記電極間絶縁膜を除去する工程(i)と、
前記工程(i)の後、前記メモリ素子形成領域では、前記電極間絶縁膜を覆う一方で、前記論理回路形成領域では、前記第1の導電膜を覆うように、第2の導電膜を形成する工程(j)と、
前記第2の導電膜を選択的に除去することにより、前記メモリ素子形成領域では、前記トラップ膜の上面の一部及び前記第1の埋め込み絶縁膜の上面の一部を露出させると共に、行方向に延伸する、前記第2の導電膜からなる複数のワード線を形成する一方で、前記論理回路形成領域では、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜からなるゲート電極を形成する工程(k)と、
前記工程(k)の後、前記半導体基板上に、前記メモリ素子形成領域では、前記ワード線、並びに前記トラップ膜及び前記第1の埋め込み絶縁膜における露出した上面を覆う一方で、前記論理回路形成領域では、前記ゲート電極を覆うように、絶縁膜を堆積した後、エッチバックすることにより、前記メモリ素子形成領域では、前記ワード線の側面に残存する前記絶縁膜からなる第1の側壁絶縁膜が、隣り合う前記ワード線間を埋め込んでなる第2の埋め込み絶縁膜を形成する一方で、前記論理回路形成領域では、前記ゲート電極の側面に残存する前記絶縁膜からなる第2の側壁絶縁膜を形成する工程(l)と、
前記工程(l)の後、前記メモリ素子形成領域では、各列における複数の前記ビット線拡散層同士を分割するビット線コンタクト拡散層形成領域を露出する開口部を有するマスクパターンを用いたエッチングにより、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域に隣り合って配置された前記ワード線において、当該ワード線に形成された前記第1の側壁絶縁膜のうち前記ビット線コンタクト拡散層形成領域側に形成された前記第1の側壁絶縁膜の側壁膜厚を減少させると共に、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域に露出した前記トラップ膜を除去して前記半導体基板を露出させる工程(m)と、
前記工程(m)の後、前記メモリ素子形成領域において、前記半導体基板の露出した部分に不純物を導入することにより、前記ビット線コンタクト拡散層形成領域にビット線コンタクト拡散層を形成する工程(n)とを備える、半導体記憶装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【公開番号】特開2010−10260(P2010−10260A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165617(P2008−165617)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】