説明

基板の破損及び移動中の基板のずれを動的に検出するセンサ

【課題】基板のずれ及び/又は破損を検出するのに必要なセンサの数を少なくし、比較的低コストで実施する。
【解決手段】移動中の基板106の少なくとも2つの平行な端部の長さに沿った、破損やずれ等の基板の欠陥の存在を検出する少なくとも2つのセンサ140A、140Bを組み込んだ装置及び方法を提供する。一実施形態において、装置は、基板の欠陥を検出するための、少なくとも2つの平行な端部近傍で、基板をセンシングするセンサ構成を含む。他の実施形態において、装置は、基板サポート表面を有するロボット114又は130と、基板の欠陥を検出するための、少なくとも2つの平行な端部近傍で、基板をセンシングするセンサ構成とを含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
(発明の分野)
本発明の実施形態は、概して、連続的且つ費用効果のあるやり方で、基板の破損及び移
動中の基板のずれを検出する装置及び方法に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
基板処理システムを用いて、集積回路デバイスの製造におけるケイ素ウェハや、フラッ
トパネルディスプレイの製造におけるガラスパネル等の基板が処理されている。典型的に
、1つ以上のロボットが、基板処理システムに配置されていて、基板を複数の処理チャン
バに搬送して、製造処理の一連の処理工程を行っている。通常、基板処理システムは、中
に搬送チャンバロボットが配置された、中心に位置する搬送チャンバと、搬送チャンバを
囲む複数の処理チャンバとを有するクラスターツールを含む。搬送チャンバは、工場イン
タフェースに結合されていることがあり、これには、工場インタフェースロボットと、夫
々が複数の基板を保持する複数の基板カセットとが収容されている。工場インタフェース
内の一般的な周囲環境と、搬送チャンバ内の真空環境間での基板の搬送を促すために、ポ
ンプダウンして中に真空を形成し、排気して、中を周囲条件とするロードロックチャンバ
が、工場インタフェースと搬送チャンバの間に配置されている。基板の処理においてロボ
ットを用いることは、汚染(例えば、基板取扱いによる汚染)を最小にして、高速且つ精
密で、欠陥を最小にし、高処理量システムを提供する、多くの異なるタイプの処理技術に
よる多数の基板の処理に必須である。
【0003】
動作中、工場インタフェースロボットは、カセットから、ロードロックチャンバの内部
まで、1枚以上の基板を搬送する。ロードロックチャンバは、ポンプダウンすると、真空
を形成する。すると、搬送チャンバロボットが、基板を、ロードロックから、1つ以上の
処理チャンバの内部まで搬送する。基板処理シーケンス完了後、搬送チャンバロボットが
、処理された基板をロードロックへ戻し、ロードロックが排気され、工場インタフェース
ロボットが、処理された基板をカセットへ搬送して、処理システムから後に取り出す。か
かる基板処理システムは、カリフォルニア州、サンタクララ(Santa Clara,California)のアプライドマテリアルズ社(Applied Materials,Inc.,)の完全所有子会社であるAKT社(AKT,Inc.,)より入手可能である。
【0004】
大きな基板及び小さなデバイスフィーチャーへと向かう傾向が増えるにつれ、低欠陥レ
ートで、デバイスを繰り返し製造するためには、様々な処理チャンバにおける、基板の正
確な位置精度が益々必要とされている。処理システム全体における基板の位置精度を向上
することは課題である。一例を挙げると、フラットパネルディスプレイ基板(例えば、ガ
ラス基板)は、処理システムの様々なチャンバを行き来するロボットのエンドエフェクタ
(例えば、ブレード又はフィンガー)で搬送される。フラットパネルディスプレイ基板を
、ロボットのエンドエフェクタにより適切に位置合わせし、位置合わせされたら、搬送中
の位置合わせの変化(即ち、ずれ)によって衝突することなく、基板が、ロードロック又
は処理チャンバのスロット又は他の障害物を通過できるようにするのは難しいことである
。衝突すると、フラットパネルディスプレイ基板の欠けや亀裂を生じるばかりでなく、ロ
ードロックや処理チャンバに異物が形成され、堆積する可能性がある。かかる異物の形成
の結果、ディスプレイや後に処理されるディスプレイに対する処理の欠陥やその他損傷と
なる。このように、異物が存在すると、汚染の可能性となる異物を完全に除去するために
、システム又はその一部のシャットダウンが必要となることが多い。更に、基板の寸法が
大きくなり、デバイスの密度が増大すると、各基板の価値も大幅に増す。従って、基板の
ずれによる基板への損傷や収量の損失は、コストの結果的な増大や処理量の減少のため、
極めて望ましくない。
【0005】
処理システム全体における基板の位置精度(即ち、位置合わせ)を向上するために、数
多くの方策が用いられてきた。例えば、搬送チャンバが、センサ構成において、各ロード
ロック及び処理チャンバの入口に近接する4つのセンサ群を備えていて、基板をチャンバ
にロボットが搬送する前に、位置合わせをセンシングするために、センサが、矩形ガラス
パネルの四隅の存在を同時に検出するようなものである。このように、4つのセンサは、
離れた位置で、搬送チャンバの基部に構成されて、4つのセンサ全てが、固定された基板
の四隅の下に同時に配置されている。各チャンバの前に、センサをこのように分散配置す
るには、搬送チャンバの基部全体の多くの場所に数多くのセンサを配置する必要がある。
搬送チャンバの基部全体に配置されるセンサの様々な構成が提案されてきた。
【0006】
従来のセンサ構成は十分に機能しているものの、動作中、センサのこれらの構成を与え
るのに関連したいくつかの固有の制限がある。実際には、センサは、一度に一枚の基板の
位置合わせしか検出しないため、搬送チャンバの基部全体のセンサの分散配置により、搬
送チャンバは、一度に1枚の基板しか処理/取扱いできない。このように、搬送チャンバ
ロボットは、事実上、単腕ロボットに制限され、処理システムの処理量が減じる結果とな
る。他の制限は、処理システムの処理量の減少にも寄与するものであるが、位置合わせの
センシング中、4つのセンサに配置される時に、基板が固定されることである。更に他の
制限は、1枚の基板の位置合わせをセンシングするのに少なくとも4つのセンサが必要な
ことである。最後に、他の制限は、4つのセンサが、基板の隅でしか、基板の欠陥(例え
ば、基板の欠け)を検出しないことである。
【0007】
本発明の装置及び方法によれば、比較的単純な構成、並びに、基板のずれ及び/又は破
損を検出するのに必要なセンサの数を少なくし、本発明を比較的低コストで実施すること
ができる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、概して、移動中の基板の破損やずれ等の基板の欠陥の存在を検出する少なく
とも2つのセンサを組み込んだ装置及び方法を提供する。一実施形態において、基板の欠
陥を検出する装置は、基板の第1の端部近傍で基板をセンシングするために配置された第
1のセンサと、基板の前記第1の端部に平行な第2の端部近傍で基板をセンシングするた
めに配置された第2のセンサとを含み、基板が第1及び第2のセンサを通過する。他の実
施形態において、基板の欠陥を検出する装置は、基板をサポートするための少なくとも1
つの基板サポート表面を有するロボットと、基板の第1の端部近傍で基板をセンシングす
るために配置された第1のセンサと、少なくとも1つの基板サポート表面での基板の搬送
中、基板の第1の端部に平行な第2の端部近傍で基板をセンシングするために配置された
第2のセンサとを含むセンサ構成とを含む。更に他の実施形態において、基板の破損及び
ずれを検出する装置は、少なくとも1つのビューウィンドウを有する搬送チャンバと、搬
送チャンバ内で、エンドエフェクタにサポートされた基板と、少なくとも1つのビューウ
ィンドウの外部又は近傍に装着された少なくとも2つのセンサを含むセンサ構成であって
、少なくとも2つのセンサの夫々のセンシング機構が、少なくとも1つのビューウィンド
ウを通過するように構成されたセンサ構成とを含み、少なくとも2つのセンサが、基板の
少なくとも2つの平行な端部近傍で、基板を連続的にセンシングするように適合されて、
エンドエフェクタが、少なくとも2つのセンサの夫々のセンシング機構を通って基板を移
動する際に、基板の欠け、亀裂又は少なくとも2つの平行な端部のずれの存在を検出する
。更なる実施形態において、基板の欠陥を連続的に検出する方法は、少なくとも2つのセ
ンサを配置して、基板が少なくとも2つのセンサの夫々を通過する際に、少なくとも2つ
のセンサが、基板の少なくとも2つの平行な端部近傍の基板を連続的にセンシングする工
程と、少なくとも2つのセンサの夫々からの信号を、コントローラに送信して、少なくと
も2つのセンサからの信号を連続的にモニターして、基板の欠陥の存在を検出する工程と
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の上述の構成が詳細に理解できるように、上に簡単にまとめた本発明について、
いくつかは添付図面に示した実施形態を参照して、より具体的に説明する。しかしながら
、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎないため、その範囲を限定するもの
とは解釈されず、本発明はその他の等しく有効な実施形態も含み得ることに留意すべきで
ある。
【0010】
【図1】本発明の一実施形態により構成されたセンサを含む処理システムの一実施形態の平面図である。
【図2】チャンバ内での処理前後での基板の破損及びずれを検出する処理チャンバの入口/出口ポート近傍に構成されたセンサ構成を示す処理システムの拡大部分断面図である。
【図3A】〜
【図3B】工場インタフェースの周囲環境内でのセンサ構成を示す図1の線3−3に沿った処理システムの拡大部分断面図であり、図3Aは3つのスロットへ出し入れされる基板の破損及びずれを検出する3スロットのロードロックチャンバ近傍のセンサ構成を示し、図3Bは4スロットロードロックチャンバ近傍のセンサ構成を示す。
【図4A】〜
【図4E】2つのセンサを移動する基板の平面図及び対応のセンサ信号を示す図であり、図4Aは適切に位置合わせされた欠陥のない基板を示し、図4B及び図4Dは欠けた基板を示し、図4Cは亀裂の入った基板を示し、図4Eはずれた基板を示す。
【図5】ロードロックチャンバの外部に装着された2つのセンサで、工場インタフェースロボットのブレード上を移動中の基板の平面図及び対応のセンサ信号を示す図である。
【詳細な説明】
【0011】
本発明は、概して、少なくとも2つのセンサを組み込んだ装置及び方法を提供するもの
であり、これらセンサは、移動中の基板の2つの平行な端部に沿った基板の欠け、亀裂及
び/又はずれの存在を連続的に検出する。図1は、約25,000cmを超える上部表
面積を有する大面積基板106(例えば、ガラス又はポリマー基板)、例えば、約40,
000cm(2.2m×1.9m)の上部表面積を有するガラス基板を処理するのに好
適な処理システム100の一実施形態の平面図である。処理システム100は、典型的に
、少なくとも1つのロードロックチャンバ160により、搬送チャンバ120に結合され
た工場インタフェース110を含む。図1に示す通り、ロードロックチャンバ160は、
工場インタフェース110と、搬送チャンバ120の間に配置されていて、工場インタフ
ェース110で維持される実質的に周囲環境と、搬送チャンバ120で維持される真空環
境の間での基板の搬送を促している。
【0012】
工場インタフェース110は、概して、複数の基板収容カセット112と、少なくとも
1つの大気ロボット114(前述では、工場インタフェースロボットと称した)とを含む
。カセット112は、夫々、複数の基板を保持し、典型的に、工場インタフェース110
の片側に形成された複数の区画116に取り外し可能に配置されている。大気ロボット1
14は、基板106を、カセット112とロードロックチャンバ160の間で搬送するべ
く適合されている。典型的に、工場インタフェース110は、大気圧又はそれより僅かに
高く維持される。ろ過された空気が、通常、工場インタフェース110の内部に供給され
て、基板表面の微粒子汚染につながる工場インタフェース内の粒子の濃縮を最小にする。
【0013】
基部122、側壁124及び上部蓋126(図1には図示せず)を有する搬送チャンバ
120は、通常、搬送チャンバ120の基部122に配置される、少なくとも1つの真空
ロボット130(前述では、搬送チャンバロボットと称した)を収容している。搬送チャ
ンバ120は、排気可能な室内容積を画定しており、この室内容積を通して、処理チャン
バ150での処理又はロードロックチャンバ160への分配の前に、真空ロボット130
が、基板106を搬送する。側壁124は、処理チャンバ150とロードロックチャンバ
160の夫々に近接した開口部又はポート(図示せず)を有しており、これを通して、基
板106は、真空ロボット130により、チャンバ150、160の夫々の内部に搬送さ
れる。典型的に、搬送チャンバ120は、処理チャンバ150内で大気圧以下の条件と同
様の真空条件に維持されて、その間での各基板搬送後に、搬送チャンバ120内の圧力及
び個々の処理チャンバ150内の圧力を調整する必要性を最小にする、又は排除する。各
処理チャンバ150の内部は、スリットバルブ(図示せず)を用いることにより、搬送チ
ャンバ120の内部からは選択的に分離されていて、各処理チャンバ150に近接する搬
送チャンバ120の側壁124のポートを選択的に密閉する。
【0014】
処理チャンバ150は、典型的に、搬送チャンバ120の外部にボルト締めされている
。異なる処理チャンバ150を、搬送チャンバ120に取り付けて、基板表面に所定の構
造又はフィーチャーを形成するのに必要な処理シーケンスにより基板を処理できるように
してもよい。好適な処理チャンバ150としては、化学蒸着(CVD)チャンバ、物理蒸
着(PVD)チャンバ、イオン注入チャンバ、エッチングチャンバ、配向チャンバ、平坦
化チャンバ、リソグラフィーチャンバ及び基板の処理に用いるその他チャンバが例示され
る。任意で、処理チャンバ150の1つは、予熱チャンバであってもよく、システム10
0の処理量を高めるために、処理前に、基板を熱処理してもよい。
【0015】
ロードロックチャンバ160は、搬送チャンバ120内の真空を失うことなく、搬送チ
ャンバ120の真空環境と、工場インタフェース110の実質的に周囲環境間での基板の
搬送を促す。工場インタフェース110に近接するロードロックチャンバ160の側壁に
おいて、ロードロックチャンバ160は、1つ以上の入口/出口(図示せず)を有してお
り、大気ロボット114が、基板106を、ロードロックチャンバ160に出し入れして
搬送する。同様に、ロードロックチャンバ160は、ロードロックチャンバ160の反対
の側壁に同数の入口/出口スロットを有していて、そこを通って真空ロボット130が、
ロードロックチャンバ160と搬送チャンバ120の内部間で基板106を搬送する。ロ
ードロックチャンバ160の入口/出口スロットは、夫々、スリットバルブ(図示せず)
により選択的に密閉されて、ロードロックチャンバ160の内部を、工場インタフェース
110及び搬送チャンバ120の内部から分離している。
【0016】
大気ロボット114及び真空ロボット130は、搬送中、基板106を直接サポートす
るブレード118やフィンガー136等のエンドエフェクタを夫々備えている。ロボット
114、130は夫々、独立に制御可能なモータ(例えば、双腕ロボット)に結合された
1つ以上のエンドエフェクタを有している、又は、例えば、共通連結部により、ロボット
114、130に結合された2つのエンドエフェクタを有していてもよい。図1に示す通
り、真空ロボット130は、基板106(点線で示してある)をサポートするフィンガー
136を有する上部エンドエフェクタ134に接続された第1の腕132と、搬送チャン
バ120内で別の基板をサポート及び移動するフィンガーを備えた下部エンドエフェクタ
(図示せず)に接続された第2の腕138とを有する双腕ロボットである。処理量を増や
すために、双腕真空ロボット130は、様々な処理チャンバ150への出し入れと、ロー
ドロックチャンバ160への出し入れについて、2枚の基板を同時に搬送してもよい。処
理量を増やすには、ロボット114、130が夫々、2つのエンドエフェクタを備えてい
るのが好ましい。
【0017】
搬送チャンバ120の基部122は、処理チャンバ150とロードロックチャンバ16
0の夫々に近接したポートに隣接配置された複数のビューウィンドウ128を含む。各ポ
ートに隣接した少なくとも2つのセンサ140A、140Bは、2つのウィンドウ128
の外部又はその近傍に装着されていて、少なくとも2つのセンサ140A、140Bは夫
々、ポートを通過する前に、基板106の端部を見る(即ち、センシングする)。好まし
くは、センサ140A、140Bは、ウィンドウ128の外部(即ち、搬送チャンバの外
部)に配置されていて、センサ140A、140Bは、周囲から分離されていて、搬送チ
ャンバ120内の高温に対して潜在的に穏やかである。ウィンドウ128は、石英又はそ
の他材料(例えば、ガラス、プラスチック)で製造されていて、センサの検出機構、例え
ば、ウィンドウ128を通して、放出され、センサ140A(又は140B)に反射して
戻った光のビームを実質的に妨害しないものである。
【0018】
図2は、搬送チャンバ120の拡大部分断面図であり、処理チャンバ150とロードロ
ックチャンバ160の夫々に近接する搬送チャンバ120の側壁124にある入口/出口
ポート(図示せず)に隣接配置されたセンサ140A、140Bの1つの構成を示してい
る。センサの1つ、例えば、図1の処理チャンバ150の1つに隣接するセンサ140A
を参照すると、センサ140Aは、通常、ウィンドウ128の外部又は近傍に配置された
トランスミッタ144とレシーバ148を含む。対応のリフレクタ142Aが、搬送チャ
ンバ蓋126の内側又はその近傍に装着されている。リフレクタ142Aは、本質的に、
鏡型デバイスであるため、典型的に、あまり感温性ではなく、搬送チャンバ120の真空
及び中温環境で動作する。センシング動作中、トランスミッタ144により放出された光
のビームは、ビーム経路146に沿ってウィンドウ128を通して、リフレクタ142A
へ進み、リフレクタ142Aに反射されて、他のビーム経路147に沿って、ウィンドウ
128を通してレシーバ148へ戻る。ガラス基板が、ビーム経路146、147と交差
すると、レシーバ148が受信するビームの強度は減衰する。経路146、147に沿っ
て生じる、各ガラス/空気界面でのビームの反射からの信号が失われるためであり、これ
は基板106の存在を示している。センサ140A、140Bは、コントローラ129に
結合されており、センサ140A及び140Bのレシーバ148が受信するビーム信号を
連続的に、記録、モニター及び比較するように構成されている。コントローラ129は、
通常、CPU、メモリ及びサポート回路を含む。
【0019】
数多くのその他のセンサ構成を用いて、基板106の存在をセンシングしてもよい。例
えば、リフレクタ142Aは、搬送チャンバ120の上蓋126に配置された他のウィン
ドウ(図示せず)の外側に装着されてもよい。同様に、他の実施例において、センサ14
0Aは、ウィンドウ128を通して、搬送チャンバ120の上蓋126に配置された他の
ウィンドウ(図示せず)の外側に配置された第2のセンサ(図示せず)へ進むビームを放
出する。或いは、センサが露出されるチャンバ120内の環境が、特定のセンサの動作範
囲(例えば、熱動作範囲)内にある限りは、搬送チャンバ120内をはじめとする他の場
所をセンサ140Aに利用してもよい。
【0020】
センサ140A又は140Bは、別個の放出又は受信ユニットを含んでいてもよい、或
いは、「スルービーム」及び「反射」センサ又は基板の存在を検出するのに好適な他のタ
イプのセンシング機構などを内蔵していてもよい。本発明の少なくとも一実施形態におい
て、例えば、加熱された基板が、搬送チャンバ120内を搬送される時、フィルタ又は同
様の機構を用いて、リフレクタ142Aを、熱エネルギー(例えば、赤外波長)が到達/
加熱するのをブロックしてもよい。かかる加熱は、特定のリフレクタの反射特性に影響す
る恐れがあるためである。例えば、トランスミッタ144により放出される波長は通すが
、赤外波長は反射するフィルタを、リフレクタ142A近くに配置してもよい。
【0021】
一例において、トランスミッタ114及びレシーバ148は、イリノイ州シャウボーグ
(Scaumburg,Illinois)のオムロン(登録商標)エレクトロニクスLL
C(Omron Eletronics LLC)製の660nmで動作するE3X−D
A6増幅器/トランスミッタ/レシーバを有するオムロン(Omron)(登録商標)型番
E32−R16センサヘッドであってよい。リフレクタ142Aは、例えば、ケンタッキ
ー州、フローレンス(Florence,Kentucky)のバルーフ社(Ballu
ff、Inc.,)製のバルーフ(Balluff)型番BOS R−14リフレクタ又
はオムロン(Omron)(登録商標)型番E39−R1リフレクタであってもよい。オム
ロン(Omron)(登録商標)E32−R16センサは、約4インチ以上の寸法を有する
、基板の欠陥(即ち、破損やずれ)を検出するのに用いる発光ダイオード(LED)を有
している。他の例において、トランスミッタ144及びレシーバ148は、増幅器型番E
3C−LDA11、E3C−LDA21及びリフレクタ型番E39−R12により動作す
るオムロン(Omron)(登録商標)型番E3C−LR11レーザーセンサヘッドであっ
てよい。オムロン(Omron)(登録商標)E3C−LR11レーザーセンサヘッドを用
いて、約1mm以上の寸法を有する基板の欠陥を検出することができる。他のセンサ、リ
フレクタ、増幅器、トランスミッタ、レシーバ、波長等を用いてもよい。更に、異なるセ
ンシング機構、例えば、超音波を有する他のセンサを利用してもよい。
【0022】
図1に戻ると、ロードロックチャンバ160はまた、工場インタフェース110に近接
するロードロックの入口/出口スロット(図示せず)に隣接した少なくとも2つのセンサ
140A、140Bも備えている。ロードロックチャンバ160は、1つ以上の垂直に積
み重ねた、周囲から分離可能な基板搬送チャンバを有しているのが好ましい。これらは、
別個にポンプダウンして、真空を保持し、排気して、周囲条件を入れる。1つ以上の垂直
に積み重ねた、周囲から分離可能なチャンバは、夫々、1つ以上の入口/出口スロットを
有していて、基板を通すことができる。これらのセンサ140A、140Bの構成によっ
て、基板106が、ロードロックチャンバ160に入る前に、基板の破損及び/又は基板
のずれを検出して、後に搬送チャンバ120への搬送及び処理を行うことができる。セン
サ140A及び140Bは、間隔を離して装着されていて、ロードロックチャンバ160
のスロットへ出し入れされる基板の搬送中、基板が、センサを通過すると、センサ140
A、140Bから放出される各ビームが、平行な端部近傍で基板を通過するようになって
いる。この間隔の離れたセンサ構成は、任意の数のスロットを有する任意のサイズのロー
ドロックチャンバ160に適用可能である。
【0023】
図3A及び3Bに、図1の線3−3に沿ったセンサ140A、140Bの構成の拡大部
分断面図を示す。センサ140A、140B及び対応のリフレクタ142A、142Bは
夫々、一般的に、ブラケット(例えば、図5に示すようなセンサブラケット540及びリ
フレクタブラケット542)等のファスナ又はフレームを用いて、ロードロックチャンバ
160、170の外部162、172に装着されており、センサ/リフレクタを固定位置
に固定している。図3Aに示す一例において、センサ140A、140Bは、ロードロッ
クチャンバ160の3つのスロット164、166、168の上に装着され、対応のリフ
レクタ142A、142Bは、3つのスロットの下に装着されている。3つのスロットを
有するロードロックチャンバ160は、1つ以上の周囲から分離可能なチャンバ、例えば
、トリプルシングルスロットロードロックチャンバ(図3Aに図示)、シングルトリプル
スロットロードロックチャンバ、夫々がシングルスロットを有する3つの垂直に積み重ね
たロードロックチャンバ又はロードロックチャンバのその他の組み合わせを含むことがで
きる。同様に、他の例において、図3Bは、4スロットロードロックチャンバ170近傍
のセンサ140A、140Bの構成の側面図を示す。センサ140A、140Bは、ロー
ドロックチャンバの4つのスロット174、176、178、180の下に装着され、対
応のリフレクタ142A、142Bは、4つのスロットの上に装着されている。4つのス
ロットを有するロードロックチャンバ170は、1つ以上の周囲から分離可能なチャンバ
、例えば、ダブルデュアルスロットロードロック(DDSL)チャンバ、クアドラプルシ
ングルスロットロードロックチャンバ、シングルクアドアプルスロットロードロックチャ
ンバ、夫々がシングルスロットを有する4つの垂直に積み重ねたロードロックチャンバ又
はロードロックチャンバのその他の組み合わせを含むことができる。図3A及び3Bに示
す通り、センサ140A、140Bは、ロードロックチャンバ160、170のスロット
の上又は下に装着されてもよい。
【0024】
図3A及び3Bにおいて、センサ140A、140Bの夫々、及び対応のリフレクタ1
42A、142Bは、図2で説明したように、一緒に動作するが、環境設備を工場インタ
フェース側に作成する必要がないため、センサを周囲から分離するためのビューウィンド
ウを設ける必要はない。このように、センサ140A(又は140B)のトランスミッタ
により放出される光のビームは、経路(点線で示してある)に沿って、対応のリフレクタ
142A(又は142B)へ移動して、他の経路(同じく点線で示してある。経路の側部
での分離は、この図では分からない)に沿って、リフレクタ142Aにより、センサ14
0A(又は140B)のレシーバまで反射する。
【0025】
動作中、基板の破損及び基板のずれは、図4A〜4Eに図示する通り、処理チャンバ1
50又はロードロックチャンバ160の1つに近接するポートに隣接した搬送チャンバ1
20に配置された一対のセンサ140A、140Bにより、放出された光のビームを基板
106が通過する時に検出される。基板106の端部近傍の点線は、基板端部近傍の経路
を示しており、移動中のガラス基板が、基板の下に位置するセンサ104A、140Bに
より放出されたビームと交差する。
【0026】
図4Aに、適切に位置合わせされた、エンドエフェクタ134で搬送されている欠陥の
ない(即ち、欠けや亀裂のない)基板106の平面図を示す。基板400A、400Bを
センシングする前に、センサ140A、140Bの夫々のレシーバ148は、基板の上に
位置する対応のリフレクタ142A、142B(図示せず)から反射された全ビーム信号
401A、401Bを検出する。基板106が、ポイント402A、402Bでビーム経
路に入ると(即ち、中断させると)、レシーバ148から受けるビーム信号403A、4
03Bは、基板106のガラス/空気界面での信号損失のために、減少する。これは、基
板106の存在を示している。基板106は、基板106の長さに沿ってビームを横断し
続けるため(点線で示してある)、ビーム信号405A、405Bは、低いままである。
基板406A、406Bの端部がビームを通って移動すると同時に、ビーム信号407A
、407Bは、元の中断されていない全ビーム信号409A、409Bに戻って増加する
。同様に、欠陥のない基板が、適切に位置合わせされたエンドエフェクタ上で、処理チャ
ンバ150(又はロードロックチャンバ160)から出て移動して戻ると、基板が、ポイ
ント406A、406Bでビームの経路にまず入ってから、ポイント402A、402B
でビームを出る、即ち、前の説明と逆の順番で同様の信号が得られる。
【0027】
図4B、4C及び4Dを参照すると、基板106が、一対のセンサ140A、140B
により放出された光のビームを通過する時に、基板の破損が検出される。図4Bに、適切
に位置合わせされた、エンドエフェクタ134で搬送されている基板の一端近傍に端部欠
けのある基板106の平面図を示す。基板400A、400Bをセンシングする前に、セ
ンサ140A、140Bの夫々のレシーバ148は、全ビーム信号401A、401Bを
検出する。基板が、ポイント402A、402Bでビーム経路に入ると、レシーバ148
から受けるビーム信号403A、403Bは減少する。これは、基板106の存在を示し
ている。基板は、基板の長さに沿ってビームを横断し続けるため(点線で示してある)、
ビーム信号405A、405Bは、低いままである。しかしながら、基板の欠け410B
が、ビーム経路に入り始めると、信号は、元の中断されていない全ビーム信号411Bに
戻って増加し、欠け412Bの長さにわたって、基板413Bの不在を検出し続ける。基
板の欠け414Bの端部がビームを通過する際、ビーム信号415Bは再び減少する。こ
れは、基板406Bの端部がビームを通過するまでの基板405Bの存在を示している。
【0028】
図4Cに、適切に位置合わせされた、エンドエフェクタ134で搬送されている基板の
一端近傍に亀裂のある基板106の平面図を示す。基板をセンシングする前に、センサ1
40A、140Bの夫々のレシーバ148は、全ビーム信号401A、401Bを検出す
る。基板が、ポイント402A、402Bでビーム経路に入ると、レシーバ148から受
けるビーム信号403A、403Bは減少する。これは、基板106の存在を示している
。基板は、基板の長さに沿ってビームを横断し続けるため、ビーム信号405A、405
Bは、低いままである。しかしながら、基板の亀裂420Bが、ビーム経路に入り始める
と、信号は、中断されていない全ビーム信号421Bに戻って増加し、亀裂422Bの長
さにわたって、基板423Bの不在を検出し続ける。基板の欠け424Bの端部がビーム
を通過する際、ビーム信号425Bは再び減少する。これは、基板406Bの端部がビー
ムを通過するまでの基板405Bの存在を示している。
【0029】
図4Dに、適切に位置合わせされた、エンドエフェクタ134で搬送されている基板の
一端近傍に隅端部欠けのある基板106の平面図を示す。基板400A、400Bをセン
シングする前に、センサ140A、140Bの夫々のレシーバ148は、基板の上に位置
する対応のリフレクタ142A、142B(図示せず)から反射された全ビーム信号40
1A、429Bを検出する。基板が、ポイント402Aで、センサ140Aのビーム経路
に入ると、ビーム信号403Aは減少する。これは、基板106の存在を示している。し
かしながら、同時に、ポイント430Bで、センサ140Bのビーム経路は、隅部欠けの
存在のために中断されないままであり、信号429Bは、高いままである。中断されてい
ない全信号429Bは継続し、一方、センサ140Bからのビームは、隅部欠けの長さ4
32Bを横断する。欠け434Bの端部に達すると、ポイント435Bで、信号は減少す
る。これは、基板406Bの端部がビームを通過するまでの基板437Bの存在を示して
いる。基板の欠けのために、センサ140Bは、センサ140Aによりセンシングされた
基板405Aの長さに比べて、短い長さの基板437Bを検出する。センサ140Bによ
り検出される基板の長さは、距離432B短く、基板106が、ポイント435Bで検出
される前の遅延433Bとなる。
【0030】
図4Eに、ずれたエンドエフェクタ134で搬送されている基板106の平面図を示す
。基板422A、422Bをセンシングする前に、センサ140A、140Bの夫々のレ
シーバ148は、基板の上に位置する対応のリフレクタ142A、142B(図示せず)
から反射された全ビーム信号443A、443Bを検出する。基板が、ポイント444A
で、センサ140Aのビーム経路に入ると、対応のレシーバ148により受けられるビー
ム信号445Aは減少する。これは、基板106の存在を示している。しかしながら、同
時に、センサ140Bのビーム経路は、位置合わせの変化(即ち、ずれ)のために、更な
る長さ444Bについて中断されないままである。中断されていない全信号443Bは継
続し、一方、ビームは、ずれ444Bの長さを横断する。基板が、ポイント446Bで、
センサ140Bのビーム経路を中断すると、信号447Bは減少する。これは、基板10
6Bの存在を示している。その後、ポイント448Aで、センサ140Aのビーム経路が
、基板の端部を検出し、対応のレシーバ148が、全長449Aまで増加し、一方、セン
サ140Bのビーム経路は、450Bでの基板の端部まで、基板の存在を検出し続ける。
そこでは、信号451Bが、元の中断されていない全ビーム信号453Bに戻って増加す
る。ずれのために、センサ140Aと140Bは両方とも、短い長さの基板447A、4
49Bを検出する。センサ140Aにより検出される基板の長さは、距離450A短く、
適切に位置合わせされた基板に比べて、ポイント449Aでの信号が早期に増大すること
となる。同様に、センサ140Bにより検出される基板の長さは、距離444B短く、ポ
イント447Bで基板が検出される前の遅延となる。
【0031】
本発明のセンサ構成によって、基板を双腕ロボットにサポート及び搬送しながら、基板
の破損(例えば、欠け、亀裂)及びずれを検出でき、有利である。双腕ロボットの使用に
より、処理システムの処理量が増大する。処理量の増大に寄与する他の利点は、ロボット
のエンドエフェクタで、たとえ高速の搬送速度(例えば、1000mm/s)であっても
、移動しながら、基板のずれや破損を検出できる能力である。本発明の更に他の利点は、
基板の破損やずれを検出するのに必要なセンサが2つと少ないことである。最後に、本発
明の他の利点は、基板がセンサを通過して動く際に、基板の全長に沿って、基板のずれや
破損を検出できる能力である。更に、基板のずれや破損の検出は、通常のロボット搬送動
作中に(即ち、イン・サイチュで)実施でき、基板をセンシングするのに、追加の、又は
不必要なロボットの動き(基板を固定するための停止と開始を含めた)の必要性が排除さ
れる。
【0032】
本発明の1つの利点は、基板の破損及びずれが、たとえ高速の搬送速度であっても、基
板の移動中に検出できることである。欠陥のセンシング中、基板は、約100mm/s〜
約2000mm/sの搬送速度で移動している(例えば、ロボットのエンドエフェクタで
搬送されている)のが好ましい。LED又はレーザーシステムにより検出できる最小サイ
ズのかけ、亀裂、又は最少程度の基板のずれは、基板の上又は下表面に衝突する時の放出
されたビームのビームサイズ(即ち、スポットサイズ又は直径)と、基板の搬送速度の両
方に応じて異なる。通常、放出されたビームの直径が小さければ小さいほど、検出される
欠陥フィーチャーは細かく、小さくなる。例えば、好適なレーザーセンサは、約0.5m
m〜約3mmの直径を有するレーザービームを放出する。しかしながら、1mmと小さな
サイズ(即ち、約1mmを超える)の基板のかけや亀裂を検出するには、例えば、ビーム
が基板の表面に衝突する時の放出されたレーザービームの直径は、約1mm未満であるの
が好ましい。このように、基板は、用いる特定のセンサの作動距離内に配置される。これ
は、基板の上又は下表面に衝突するビーム直径が、検出を必要とする最小のサイズの基板
のかけ、亀裂又はずれを検出できるよう十分に小さくするためである。
【0033】
レーザーシステムにより検出される欠陥のサイズはまた、例えば、ロボットのエンドエ
フェクタで搬送されている間に、常に受けるような移動中の基板の振動の結果としての基
板の搬送速度によっても影響される。通常、基板の搬送速度又は速さが早くなればなるほ
ど、基板の受ける振動が大きくなる。振動によって、基板の端部が上下に動く傾向がある
。その結果、移動中の基板の上又は下表面に、基板の端部から内側の公称距離で、放出さ
れたビームが衝突するように、センサは配置される。そうでないと、振動する基板の最端
に指向するビームは、振動のために、基板端部がビームに出し入れされて動く度に、基板
の不在を常にセンシングしてしまう。このように、基板が振動すればするほど、基板の端
部から更に内側に入射ビームが指向する。例えば、約0.5mm〜約3mmの放出された
ビーム直径を有するレーザーセンサ及び約100m/s〜約2000mm/sの搬送速度
で移動する基板については、基板の上(又は下)表面での衝突ビームが、基板の端部から
約1mm〜約10mmの距離に配置されるように、レーザービームは指向される。
【0034】
(実施例)
一例において、約1000mmまでの作動距離(即ち、約40インチ未満の作動距離)
で、ビーム直径が約0.8mm未満のオムロン(Omron)(登録商標)型番E3C−L
R11レーザーセンサを用いて、双腕ロボットのエンドエフェクタにサポートされた基板
がセンサを通過するにつれて、2つの平行な端部に沿って基板をセンシングする。約10
00mm/sの基板搬送速度で、約3mm以上のサイズの欠陥が検出可能であった。各セ
ンンサからの衝突ビームの中心を、基板の端部から内側に約3mmの距離で配置した。約
100mm/sの基板搬送速度で、約1mm以上のサイズの欠陥が検出可能であり、約2
000mm/sの基板搬送速度で、約10mm以上のサイズの欠陥が検出可能であった。
このように、約100mm/s〜約2000mm/sの範囲の速度で搬送される基板をセ
ンシングするための2つの衝突ビームは、基板端部から内側に、夫々、約1mm〜約10
mmの範囲の距離で配置されるのが好ましい。レーザーを用いて3mmより小さなサイズ
の欠陥フィーチャーを検出するのは、基板の速度を下げることによってなされる。基板の
速度を下げると、基板の受ける振動が少なくなり、その結果、より小さな欠陥について解
決される。反対に、基板の速度を上げると、基板の振動が多くなり、より大きな欠陥を検
出できる。
【0035】
他の例において、2つのオムロン(Omron)(登録商標)型番E32−R16LED
センサ及び2つのバルーフ(Balluff)型番BOS R−14リフレクタを用いて
、図3Aに示す構成で、3スロットロードロックチャンバへ、ロボットのエンドエフェク
タにサポートされた基板が搬送される際に、その2つの端部に沿って基板をセンシングす
る。上スロットの上に装着されたLEDセンサは、LEDセンサの作動距離内に配置され
たリフレクタのビーム経路に沿って動くビームを放出する。約1000mm/sの基板搬
送速度で、約4インチ以上のサイズの基板の欠け及び約2.6度以上のずれが、各スロッ
トに搬送された基板で検出可能であった。
【0036】
更に他の例において、2つのオムロン(Omron)(登録商標)型番E3C−LR11
レーザーセンサ及びオムロン(Omron)(登録商標)型番E39−R12リフレクタを
用いて、図3Bに示す構成で、DDSLチャンバへ、ロボットのエンドエフェクタにサポ
ートされた基板が搬送される際に、その2つの端部に沿って基板をセンシングする。下ス
ロットの下に装着されたレーザーセンサは、レーザーセンサの作動距離内に配置されたリ
フレクタへの4つの各スロットを通るビーム経路に沿って動くビームを放出する。約3m
m以上の基板の欠け及び約0.18度以上の基板のずれが、ロードロックチャンバの4つ
の各スロットに約1000mm/sの速度で搬送された基板で検出可能であった。
【0037】
実際、処理チャンバ150とロードロックチャンバ160の入口/出口ポートの夫々に
配置された各対のセンサ140A、140B(及び対応のリフレクタ)は、処理チャンバ
内での処理前後に、又は、ロードロックチャンバを通過する際に、基板の破損及びずれを
検出する。基板の破損又はずれのセンシングの際、センサに結合されたコントローラの構
成を、アラームを始動し、欠陥のある基板の移動/搬送を即時に訂正するようにして、例
えば、基板の破損又はずれの原因を判断し、欠けた/亀裂の入った基板を交換し、ずれた
基板の位置合わせを是正することにより、損傷又はずれを修復するようにする。欠けた基
板の検出には、場合によっては、移動チャンバ及び/又は処理チャンバを開けて、欠けに
より生成された汚染の可能性がある異物を完全に清浄にする必要がある。本発明のセンサ
構成によれば、基板の欠陥を早期に検出することができ、システム100のダウンタイム
を最小にし、全体の処理量を増大することができる。例えば、図5に、ロードロックチャ
ンバ160に、工場インタフェースロボット114のエンドエフェクタ118で搬送され
る基板の一端近傍の端部の欠けのある基板106の平面図を示す。基板の端部近傍の点線
は、移動中の基板が、基板106と、夫々、対応の信号A、Bの上に配置されたセンサ1
40A、140Bにより放出されるビームと交差する。ポイント510Aで、基板の欠け
のセンシング開始時に、対応の信号511Aが増え、エンドエフェクタ118が、ロード
ロックチャンバ160に更に移動するのを、コントローラにより即時に停止する。欠けた
基板を評価して、基板106を更に処理するのが望ましいかどうか判断する。
【0038】
基板の破損及びずれの例示した検出では、少なくとも2つのセンサ140A、140B
を用いて、端部近傍での基板の全長をセンシングして、欠けの長さ及び/又はずれの程度
についての情報を与えているが、追加のセンサを用いて、基板106の内部の長さをセン
シングして、追加の情報を与えてもよい。例えば、センサ140Aと140Bの間に配置
された追加のセンサは、基板の欠けの寸法(例えば、欠けの側方深さや幅)やずれの程度
(例えば、位置合わせの変化の程度)についての追加の情報を与える。更に、追加の対の
センサ140A、140Bを、処理システム100全体の他の位置に配置して、センサ1
40A、140Bを用いて、一度に1枚の基板をセンシングしてもよい。センサは、移動
中の基板の移動経路上(又は下)で、処理システムの実質的に内側及び/又は外側表面に
装着してよい。従って、搬送チャンバ120の各ポートに隣接する3つ以上のビューウィ
ンドウがあってもよい。例えば、基部122は、任意の数のビューウィンドウを有してい
て、追加のセンサを収容し、且つ/又はセンサ140A、140Bの離れた異なる構成を
収容していて、異なるサイズの基板をセンシングして、センサ140A、140Bから放
出されたビームを指向させて、基板の少なくとも2つの端部近傍の通過する基板と交差す
るようにする。或いは、チャンバに近接するポートに隣接する複数のビューウィンドウ1
28を用いる代わりに、1つの長いビューウィンドウ、例えば、ポートの長さに近い長い
矩形のウィンドウを、基部122に据え付けて、1つの長いビューウィンドウの外部近傍
に装着された複数のセンサで、通過する基板をセンシングしてもよい。最後に、例示した
基板の破損及びずれの検出は、例証の処理システム100を参照して説明したが、説明は
例示に過ぎず、本方法は、移動中の基板の破損又はずれの検出を行いたいところであれば
どこで行ってもよい。
【0039】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の更なる実施形態はその基本
的範囲を逸脱することなしに創作でき、その範囲は特許請求の範囲に基づいて定められる


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の欠陥を検出する装置であって、
第1のセンサと、
第2のセンサとを含み、
前記第1のセンサ及び第2のセンサが、直線基板移動経路と交差するように配置されており、前記基板が前記直線基板移動経路に沿って移動する際に、基板の平行な端部をセンシングする装置。
【請求項2】
前記第1及び第2のセンサがチャンバの通路に隣接配置されていて、前記通路に入る前、又は前記基板が前記通路から出た後に、前記基板をセンシングする請求項1記載の装置。
【請求項3】
複数のビューウィンドウを含み、
前記第1及び第2のセンサが、夫々、ビューウィンドウの外部又は近傍に装着されており、前記第1及び第2のセンサの夫々のビーム経路が、前記ビューウィンドウを通過する請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記基板をサポートし、前記基板を前記第1及び第2のセンサの夫々のビーム経路を通して搬送するエンドエフェクタに接続された第1の腕と、
他の基板を同時にサポート及び移動する他のエンドエフェクタに接続された第2の腕とを有するロボットを含む請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記基板をサポートし、前記基板を、前記第1及び第2のセンサの夫々のビーム経路を通して搬送する少なくとも1つのエンドエフェクタを含む請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記第1及び第2のセンサの夫々が、
レーザー又は発光ダイオードを含むトランスミッタと、
レシーバと、
リフレクタとを含み、
前記トランスミッタ及びレシーバは前記基板の前記端部の下に配置されており、前記リフレクタは前記基板の前記端部の上に配置されている請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記トランスミッタがレーザーであり、光のレーザービームが前記基板の上又は下表面に衝突するときに、直径が約3ミリメートル未満の光のレーザービームを放出する請求項6記載の装置。
【請求項8】
基板の欠陥を検出する装置であって、
基板をサポートするための少なくとも1つの基板サポート表面を有し、直線基板移動経路の少なくとも一部を画定する方向に移動可能なロボットと、
第1のセンサと第2のセンサとを含み、前記基板が前記直線基板移動経路に沿って移動する際に、前記基板の平行な端部をセンシングするセンサシステムとを含む装置。
【請求項9】
前記第1及び第2のセンサがチャンバの通路に隣接配置されており、前記通路に入る前、又は前記基板が通路を出た後に、前記基板をセンシングする請求項8記載の装置。
【請求項10】
複数の複数のビューウィンドウを含み、
前記第1センサ及び第2センサの夫々は複数のビューウィンドウの外部又は近傍に装着されていて、前記第1及び第2のセンサの夫々のビーム経路が、前記ビューウィンドウを通過するような構成である請求項8記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの基板サポート表面がエンドエフェクタを含み、前記エンドエフェクタは前記基板をサポートし、前記基板を、前記前記第1及び第2のセンサの夫々のビーム経路を通して搬送するよう構成されていることを含む請求項8記載の装置。
【請求項12】
基板の欠陥及びずれを検出する装置であって、
搬送チャンバと、
前記搬送チャンバ内の可動エンドエフェクタであって、基板をサポートするサポート表面を有し、直線基板移動経路の少なくとも一部を画定する動作の範囲内で可動の可動エンドエフェクタと、
前記搬送チャンバに結合した少なくとも2つのセンサを含むセンサシステムであって、前記基板が前記移動経路に沿って移動する際に、前記少なくとも2つのセンサの夫々のビーム経路が、前記基板の少なくとも2つの平行な端部を連続的にセンシングするセンサシステムとを含む装置。
【請求項13】
前記少なくとも2つのセンサが搬送チャンバの通路に隣接配置されており、前記通路に入る前、又は前記基板が前記通路を出た後に、前記基板をセンシングする請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記エンドエフェクタが、前記少なくとも2つのセンサの夫々の前記ビーム経路を通して、1秒当たり約100ミリメートル〜1秒当たり約2000ミリメートルの範囲の速度で、前記基板を移動する請求項12記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも2つのセンサの夫々が、
レーザー又は発光ダイオードを含むトランスミッタと、
レシーバと、
対応のリフレクタとを含み、
前記トランスミッタ及びレシーバは前記基板の端部の下に配置されており、前記リフレクタは前記基板の前記端部の上に配置されている請求項12記載の装置。
【請求項16】
矩形基板の欠陥及びずれを検出する装置であって、
基板搬送ポートを有するチャンバと、
基板をサポートするためのサポート表面を有し、前記基板搬送ポートを通る基板移動経路の少なくとも一部を画定する動作の範囲内で可動な可動ロボットと、
前記チャンバに結合されたセンサシステムであって、前記基板が前記基板移動経路に沿って動く際に、前記基板の第1の端部及び前記基板の反対の端部を連続的にモニターするように配置されたビーム経路を含むセンサシステムとを含む装置。
【請求項17】
前記センサシステムが、
前記搬送ポートの近接する反対の側部に配置された少なくとも第1のセンサ及び第2のセンサを含み、
前記第1のセンサが前記第1の端部をモニターし、前記第2のセンサが前記矩形基板の前記反対の端部をモニターする請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記第1のセンサ及び第2のセンサが、夫々、トランスミッタとレシーバとを含む請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記トランスミッタから信号を受信し、前記信号の少なくとも一部を前記レシーバに戻すように適合されたリフレクタを含む請求項18記載の装置。
【請求項20】
前記ビーム経路が、前記基板の面に直交する角度で指向される請求項16記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−139074(P2011−139074A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2531(P2011−2531)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【分割の表示】特願2008−551233(P2008−551233)の分割
【原出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】