説明

スイッチ及びスイッチの制御方法

【課題】スイッチに接続される回路を保護することができるスイッチ及びスイッチの制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のスイッチ50は、ソースが共通端子18と接続され、ドレインが第1端子20と接続され、ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御されるFET1と、ソースが共通端子18と接続され、ドレインが第2端子22と接続され、ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御されるFET2と、を備え、FET1をオフするためにFET1のゲートに印加される電圧の絶対値は、FET2をオフするためにFET2のゲートに印加される電圧の絶対値に比べて小さいことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ及びスイッチの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、複数のキャリア信号を扱う携帯電話端末等に、電界効果型トランジスタ(Field Effect Transistor;FET)で構成する多端子の高周波スイッチ(Single Pole N−Through;SPNT、Nは端子数)等のスイッチが用いられている。例えば、特許文献1には、高周波振幅の大きい信号が入力する1段目のFETのゲート逆方向耐圧を大きくし、またはオフ容量を低減させることにより、高周波特性及び挿入損失の優れたスイッチ回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−278813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば高周波スイッチを備える携帯電話端末が、基地局が近い距離にある場合のように、電力の振幅が大きい不要な信号を受信する場合、高周波スイッチに接続された回路が壊れるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、スイッチに接続される回路を保護することが可能なスイッチ及びスイッチの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスイッチは、第1ソース及び第1ドレインのいずれか一方が共通端子と接続され、前記第1ソース及び前記第1ドレインの他方が第1端子と接続され、第1ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される第1FETと、第2ソース及び第2ドレインのいずれか一方が前記共通端子と接続され、前記第2ソース及び前記第2ドレインの他方が第2端子と接続され、第2ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される第2FETと、を備え、前記第1FETをオフするために前記第1ゲートに印加される電圧の絶対値は、前記第2FETをオフするために前記第2ゲートに印加される電圧の絶対値に比べて小さいことを特徴とする。本発明によれば、スイッチに接続される例えば受信用の低雑音増幅器等の回路を保護することができる。
【0007】
上記構成において、所定の電圧を電圧降下させる電圧降下手段を備え、前記第1FETをオフする場合、前記電圧降下手段により前記所定の電圧を電圧降下させた電圧が前記第1ゲートに印加され、前記第2FETをオフする場合、前記電圧降下手段を介さずに前記所定の電圧が前記第2ゲートに印加される構成とすることができる。
【0008】
上記構成において、前記電圧降下手段は、抵抗分割回路である構成とすることができる。
【0009】
上記構成において、第3ソース及び第3ドレインのいずれか一方が前記第2ソース及び前記第2ドレインの他方と接続され、第3ソース及び第3ドレインの他方が前記グランドと接続される第3FETを備え、前記第2FETをオンし、第3FETをオフする場合、前記第3FETをオフするために前記第3ゲートに印加される電圧の絶対値は、前記第2FETをオフする場合に前記第2ゲートに印加される電圧の絶対値に比べて小さい構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記第1ソース及び前記第1ドレインの他方が送信アンプの出力回路と接続され、前記第2ソース及び前記第2ドレインの他方が受信アンプの入力回路と接続される構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記第1FET及び前記第2FETは、窒化物半導体を用いたFETである構成とすることができる。
【0012】
本発明のスイッチの制御方法は、第1ソース及び第1ドレインのいずれか一方が共通端子と接続され、前記第1ソース及び前記第1ドレインの他方が第1端子と接続され、第1ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される第1FETと、第2ソース及び第2ドレインのいずれか一方が前記共通端子と接続され、前記第2ソース及び前記第2ドレインの他方が第2端子と接続され、第2ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される第2FETとを備えるスイッチに対して、前記第1FETをオフし、前記第2FETをオンする場合、または、前記第1FET及び前記第2FETをいずれもオフする場合、前記第1ゲートに印加される電圧の絶対値は、前記第2FETをオフするために前記第2ゲートに印加される電圧の絶対値に比べて小さいことを特徴とする。本発明によれば、スイッチに接続される例えば受信用の低雑音増幅器等の回路を保護することができる。
【0013】
本発明のスイッチは、第1ソース及び第1ドレインのいずれか一方が共通端子と接続され、前記第1ソース及び前記第1ドレインの他方が第1端子と接続され、第1ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される第1FETと、第2ソース及び第2ドレインのいずれか一方が前記共通端子と接続され、前記第2ソース及び前記第2ドレインの他方が第2端子と接続され、第2ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される第2FETと、を備え、前記第1FETをオフし、前記第2FETをオンする場合、前記共通端子に入力される信号の1/4以上が前記第1FETにリークすることを特徴とする。本発明によれば、スイッチに接続される例えば受信用の低雑音増幅器等の回路を保護することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、スイッチに接続される回路を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、比較例に係る高周波スイッチ及びその周辺の構成の一例を示す回路図である。
【図2】図2は、比較例に係る高周波スイッチ及びその周辺の構成の一例を示す回路図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、比較例に係る高周波スイッチの動作の説明図である。
【図4】図4は、実施例1に係る高周波スイッチ及びその周辺の構成の一例を示す回路図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は、実施例1に係る高周波スイッチの動作の説明図である。
【図6】図6は、実施例1に係るFETの構成の一例を示す回路図である。
【図7】図7は、実施例2に係る高周波スイッチ及びその周辺の構成の一例を示す回路図である。
【図8】図8は、実施例2に係る高周波スイッチの動作の説明図である。
【図9】図9は、実施例3に係る高周波スイッチ及びその周辺の構成の一例を示す回路図である。
【図10】図10(a)及び図10(b)は、実施例3に係る高周波スイッチの動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、実施例との比較のため、比較例を説明する。図1は、比較例に係る高周波スイッチ10及びその周辺の構成の一例を示す回路図である。図1のように、高周波スイッチ10は、SP2Tであり、共通端子18、第1端子20及び第2端子22と接続される。共通端子18は、高周波スイッチ10とアンテナ16とに接続される。第1端子20は、高周波スイッチ10とパワーアンプ(Power Amplifier;PA)12とに接続される。第2端子22は、高周波スイッチ10と低雑音アンプ(Low Noise Amplifier;LNA)14とに接続される。
【0017】
アンテナ16は、高周波信号の送受信を行う。PA12は、入力端子Inから入力される信号を増幅して、例えばピークで35dBm程度の高い電力を第1端子20に出力する。LNA14は、アンテナ16が受信した信号を増幅して、出力端子Outへ出力する。LNA14には、例えばゲート長が短くゲート幅が狭い比較的小型のトランジスタが用いられる。
【0018】
高周波スイッチ10は、信号の経路を、入力端子InからPA12、第1端子20及び共通端子18を介してアンテナ16に至る第1の経路(図1の破線矢印11)並びに、アンテナ16から共通端子18、第2端子22及びLNA14を介して出力端子Outに至る第2の経路(図1の破線矢印13)のいずれかに切り替える。
【0019】
信号が第1の経路を流れる場合を説明する。信号は入力端子Inに入力される。信号は入力端子InからPA12に入力される。信号はPA12で増幅されて、第1端子20に出力される。信号は、第1端子20、高周波スイッチ10及び共通端子18を介して、アンテナ16に入力され、アンテナ16から送信される。
【0020】
信号が第2の経路を流れる場合を説明する。信号はアンテナ16で受信される。受信された信号は共通端子18に入力される。信号は、共通端子18、高周波スイッチ10及び第2端子22を介して、LNA14に入力される。信号は、LNA14で増幅されて、出力端子Outに出力される。
【0021】
図2を参照して、比較例に係る高周波スイッチ10及びその周辺の構成を詳細に説明する。図2は、比較例に係る高周波スイッチ10及びその周辺の構成の一例を示す回路図である。図2において、図1に示す構成と同一の構成について同一の符号を付して説明を省略する。
【0022】
図2のように、高周波スイッチ10は、FET1及びFET2、抵抗Rb1及びRb2並びに制御端子30及び32を備える。FET1は、ソースが共通端子18と接続され、ドレインが第1端子20と接続され、制御端子30と接続されるゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される。FET2は、ソースが共通端子18と接続され、ドレインが第2端子22と接続され、制御端子32と接続されるゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される。FET1及びFET2のゲートは、それぞれ抵抗Rb1及びRb2を介して制御端子30及び32と接続される。なお、FET1のソース及びドレインがそれぞれ第1端子20及び共通端子18と接続されるようにしてもよいし、FET2のソース及びドレインがそれぞれ第2端子22及び共通端子18と接続されるようにしてもよい。
【0023】
FET1及びFET2の閾値電圧は例えば−2Vである。電圧生成回路26は、例えば0V及び−25Vの2種類の電圧を生成して、デコーダロジック24に出力する。デコータロジック24は、入力されるロジック信号に応じて、制御端子30及び32に0V及び−25Vのいずれかの信号を出力する。例えば、ロジック信号が0の場合、デコータロジック24は、制御端子30及び32にそれぞれ0V及び−25Vの信号を出力する。このとき、FET1及びFET2はそれぞれオン及びオフして、図1に示す第1の経路11のように信号が流れる。ロジック信号が1の場合、デコータロジック24は、制御端子30及び32にそれぞれ−25V及び0Vの信号を出力する。このときFET1及びFET2はそれぞれオフ及びオンして、図1に示す第2の経路13のように信号が流れる。
【0024】
PA12は、FET5及びPA出力整合回路40を備える。FET5は、ゲートが入力端子Inと接続され、ソースがグランドと接続され、ドレインがPA出力整合回路40の入力と接続される。FET5は、入力端子Inから入力された信号を増幅してPA出力整合回路40に出力する。PA出力整合回路40は、PA12が出力する信号のインピーダンスを整合して、第1端子20へ出力する。
【0025】
LNA14は、FET6及びLNA入力整合回路42を備える。FET6は、ゲートがLNA入力整合回路42の出力と接続され、ソースがグランドと接続され、ドレインが出力端子Outと接続される。PA出力整合回路40は、第2端子22から入力される信号のインピーダンスを整合してFET6に出力する。FET6は信号を増幅して出力端子Outへ出力する。
【0026】
図3(a)及び図3(b)を参照して、比較例に係る高周波スイッチ10の動作を説明する。図3(a)及び図3(b)は、比較例に係る高周波スイッチ10の動作の説明図であって、図2を簡略化した図である。図3(a)及び図3(b)において、図1及び図2に示す構成と同一の構成について同一の符号を付して説明を省略する。
【0027】
図3(a)は、FET1及びFET2がそれぞれオン及びオフの状態を示している。図3(a)のように、制御端子30には、0Vが入力される。この場合、FET1のゲートには抵抗Rb1を介してほぼ0Vが印加される。よって、FET1はオンする。制御端子32には、−25Vが入力される。この場合、FET2のゲートには抵抗Rb2を介してほぼ−25Vが印加される。よって、FET2はオフする。
【0028】
図3(b)は、FET1及びFET2がそれぞれオフ及びオンの状態を示している。図3(b)のように、制御端子30には、−25Vが入力される。この場合、FET1のゲートには抵抗Rb2を介してほぼ−25Vが印加される。よって、FET1はオフする。制御端子32には、0Vが入力される。この場合、FET2のゲートには抵抗Rb2を介してほぼ0Vが印加される。よって、FET2はオンする。
【0029】
アンテナ16が受信する信号の電力振幅が小さい場合、LNA14が壊れることはほとんどない。ところが、例えば、高周波スイッチ10を備えた携帯電話端末が基地局から近い距離にある場合、アンテナ16が、電力の振幅が大きい不要な大信号を受信する場合がある。そのような場合、高周波スイッチ10に接続されたLNA14が壊れる場合がある。例えば、LNA14が備えるFET6は、振幅の小さい信号が入力されることを想定してゲート長が短くゲート幅が狭いため、壊れやすい。
【実施例1】
【0030】
以下、図面を参照して、上記課題を解決する本発明の実施例について説明する。図4は、実施例1に係る高周波スイッチ50及びその周辺の構成の一例を示す回路図である。実施例1に係る高周波スイッチ50は、比較例に係る高周波スイッチ10と比較して、FET1と制御端子30とが、抵抗Rb1、Rb3及びRb4から構成される抵抗分割回路を介して接続されている点が異なる。その他の構成は、図1から図3に示す構成と同様のため、説明を省略する。
【0031】
図5(a)及び図5(b)を参照して、高周波スイッチ50の動作の一例を説明する。図5(a)及び図5(b)は、実施例1に係る高周波スイッチ50の動作の説明図であって、図4を簡略化した図である。
【0032】
図5(a)は、FET1及びFET2がそれぞれオン及びオフの状態を示している。図5(a)のように、制御端子30には、0Vが入力される。この場合、制御端子30と、抵抗Rb3の一端と接続されたグランドと、の間で電位差は生じないため、FET1のゲートには抵抗分割回路を介してほぼ0Vが印加される。よって、FET1はオンする。制御端子32には、−25Vが入力される。この場合、FET2のゲートには抵抗Rb2を介してほぼ−25Vが印加される。よって、FET2はオフする。
【0033】
図5(b)は、FET1及びFET2がそれぞれオフ及びオンの状態を示している。図5(b)のように、制御端子32には、0Vが入力される。この場合、FET2のゲートには抵抗Rb2を介してほぼ0Vが印加される。よって、FET2はオンする。一方、制御端子30には、−25Vが印加される。この場合、FET1のゲートには、抵抗分割回路により分割した電圧である−5Vが印加される。よって、通常はFET1はオフする。
【0034】
しかしながら、FET1のゲートに印加される−5Vという電圧は、図3(b)においてFET1のゲートに印加される−25Vと比べて、閾値電圧である−2Vに近い電圧である。そのため、例えば共通端子18に不要な大信号が流れる等、共通端子18に入力する信号の電力の振幅が所定の値より大きい場合に、FET1のゲート−ソース間の電位差が小さくなり、FET1のドレイン−ソース間がオフ状態を保持できなくなりオン状態となる。すなわち、共通端子18に入力する信号の電力の振幅が所定の値より大きい場合に、信号はFET2側に流れるだけでなく、信号の一部はFET1のオン抵抗を通過して第一端子側にも流れる。これにより、不要な大信号は、第1端子20と接続するPA12へ流れ、PA出力整合回路40を介してFET5のソースと接続されたグランドへリークする。
【0035】
FET5のドレインは、増幅に必要な大電流を流せるように十分な配線幅及びゲート幅を有し、ドレイン−ソース間のチャネルにより低インピーダンスでグランドと接続されている。そのため、FET5は、不要な大信号が入力した場合であっても、熱損等を起こすことなく不要な大信号をグランドへリークすることができる。よって、PA12は壊れにくい。なお、FET1のゲートと抵抗分割回路との間の抵抗が大きいため、不要な大信号はFET1のゲートから抵抗分割回路へはリークしない。
【0036】
例えば、FET1とFET2が同じサイズの場合に、共通端子18に入力する信号の電力の振幅が所定の値より大きいと、信号の約半分に相当する約3dBがFET1側へリークする。これにより、第2端子22と接続されたLNA14への振幅の大きい信号の流入を低減することができる。よって、高周波スイッチ50と接続されたLNA14を保護することができる。なお、FET1側のリークは、上記のように共通端子18に入力する信号の約半分である場合だけに限らず、共通端子18に入力する信号の1/4以上であることが、回路保護に有効である。
【0037】
実施例1によれば、第1FETであるFET1をオフするために第1ゲートであるFET1のゲートに印加される電圧(−5V)の絶対値(5V)は、第2FETであるFET2をオフするために第2ゲートであるFET2のゲートに印加される電圧(−25V)の絶対値(25V)に比べて小さい。これにより、共通端子18に入力する信号の振幅が所定の値より大きい場合に、第2端子22を介さずに、共通端子18からFET1及び第1端子20を介して、PA14が備えるFET5のソースと接続されたグランドへ信号がリークする。よって、高周波スイッチ50に接続されるLNA14を保護することができる。ここで、所定の値とは、例えば図5(b)のように、共通端子18からオフ状態であるFET1のソース(又はドレイン)に信号が供給された場合に、FET1のドレイン−ソース間に電流が流れるような信号の振幅のことである。信号の電力の振幅は、信号の振幅の一例であって、例えば信号の電圧の振幅としてもよい。
【0038】
実施例1によれば、高周波スイッチ50が第1FETであるFET1、第2FETであるFET2及び図2に示すような抵抗Rb1、Rb3及びRb4により構成される抵抗分割回路のような電圧降下手段を有するリーク手段を備える。電圧降下手段が、共通端子18に入力する信号の振幅が所定の値より大きい場合に、第2端子22を介さずに、共通端子18からFET1及び第1端子20を介して、PA14が備えるFET5のソースと接続されたグランドへ信号のリークを発生させ、信号が所定の値より小さい場合に信号のリークを発生させない。これにより、高周波スイッチ50に接続されるLNA14を保護することができる。
【0039】
実施例1によれば、図4に示すような抵抗Rb1、Rb3及びRb4により構成される抵抗分割回路のような電圧降下手段が、FET1及びFET2がそれぞれオフ及びオンして、共通端子18に入力する信号の振幅が大きい場合に、FET1及びFET2がそれぞれオン及びオフする場合のFET2のゲートに印加される電圧(−25V)より高い電圧(−5V)をFET1のゲートに印加する。すなわち、FET1及びFET2がそれぞれオン及びオフする場合にFET1のゲートに印加される電圧は、FET1の閾値電圧(−2V)に近い電圧である。これにより、共通端子18に入力する信号の振幅が大きい場合に、FET1のドレイン−ソース間に電流が流れるため、共通端子18に入力する信号の一部をFET1側へリークさせることができる。よって、高周波スイッチ50のFET2側に接続されるLNA14を保護することができる。
【0040】
実施例1によれば、図4に示すような抵抗Rb1、Rb3及びRb4により構成される抵抗分割回路のような電圧降下手段が、電圧生成回路26が生成する所定の電圧(−25V)を電圧降下させる。FET1をオフする場合、電圧降下手段により所定の電圧(−25V)を電圧降下手段により電圧降下させた電圧(−5V)がFET1のゲートに印加され、FET2をオフする場合、電圧降下手段を介さずに所定の電圧(−25V)がFET2のゲートに印加される。図5(a)及び図5(b)で説明したように、FET1及びFET2のゲートに印加される電圧は、0V、−5V及び−25Vの3種類であるが、抵抗Rb1、Rb3及びRb4による抵抗分割回路のような電圧降下手段により、−25Vを−5Vに電圧降下させることができる。したがって、電圧生成回路26が生成する電圧を0V及び−25Vの2種類にすることができる。よって、電圧生成回路26のコストを低減することができる。抵抗分割回路は、電圧降下手段の一例であって、他の回路を用いて電圧生成回路が生成する電圧を電圧降下させるようにしてもよい。抵抗分割回路は、図4のような抵抗Rb1、Rb3及びRb4による構成以外の構成でもよい。電圧降下手段は、外部から制御端子30及び32に印加される電圧を電圧降下させてもよい。
【0041】
実施例1によれば、高周波スイッチ50は、デコーダロジック24を備える。デコーダロジック24は、電圧生成回路26が生成する所定の電圧(−25V)を、図4に示すような抵抗Rb1、Rb3及びRb4により構成される抵抗分割回路のような電圧降下手段により電圧降下させた電圧(−5V)をFET1のゲートに印加するか及び電圧生成回路26が生成する所定の電圧(−25V)を電圧降下手段を介さずにFET2のゲートに印加するかのいずれかを選択する。これにより、制御端子30及び32に印加される電圧を、簡易な構成で選択することができる。デコーダロジック24は、制御回路の一例であり、その他の回路としてもよい。
【0042】
実施例1によれば、FET1のドレイン(又はソース)が第1端子20を介してPA12と接続され、FET2のドレイン(又はソース)が第2端子22を介してLNA14と接続される。これにより、共通端子18に入力する信号の振幅が所定の値より大きい場合に、FET1側に信号の一部をリークさせて、LNA14を保護することができる。PA12及びLNA14は、それぞれ送信アンプ及び受信アンプの一例であり、その他の回路としてもよい。受信アンプは、送信アンプに比べて、振幅の小さい信号が入力されることを想定してゲート長が短くゲート幅が狭いため、壊れやすい。実施例1のような構成により、受信アンプを保護することができる。
【0043】
実施例1において、FET1及びFET2は、窒化物半導体を用いたFETとすることが好ましい。FET1及びFET2を窒化物半導体を用いたFETとすることにより、ゲートに印加される電圧を例えば100V以上の高い電圧とすることができる。窒化物半導体を用いたFETでは、ゲートに印加される電圧を、例えばハイレベルでは0V、ロウレベルでは−20〜−30Vと大きくすることができるため、大きなパワーを扱うことができる。このようなFET1及びFET2を備える高周波スイッチ50において、共通端子18に入力する信号の振幅が所定の値より大きい場合であっても、実施例1のような構成により、高周波スイッチ50と接続されたLNA14を保護することができる。実施例1の構成により、例えば複数のFETを直列に接続して電圧を分圧させるような構成が不要となるため、コストを低減することができる。なお、FET1及びFET2は、GaAsを用いたFETとしてもよい。GaAsを用いたFETは、閾値電圧が−2V、耐電圧が10〜20Vであるため、ハイレベルでは0V、ロウレベルでは−5〜−8V程度の電圧をゲートに印加することができる。FET1及びFET2は、例えばHEMT(High Electron Mobility Transistor)等でもよい。
【0044】
実施例1によれば、FET1及びFET2のゲートに印加される電圧は、0V、−5V及び−25Vの3種類であり、FET1及びFET2の閾値電圧は−2Vであるが、これらは一例であって他の電圧値でもよい。FET1及びFET2がオンする電圧は、閾値電圧より高い電圧であればよい。例えば、FET1及びFET2がオンする電圧の絶対値は、閾値電圧の絶対値より大きければよい。FET2がオフする電圧であって、共通端子18から振幅が所定の値より大きい信号が入力する場合であっても、FET2のオフ状態が維持される電圧は、閾値電圧より十分低い電圧であればよい。例えば、FET2のオフ状態が維持される電圧の絶対値は、閾値電圧の絶対値より十分小さい電圧であればよい。FET1がオフする電圧であって、共通端子18から振幅が所定の値より大きい信号が入力する場合に、FET1のソース−ドレイン間に電流が流れる電圧は、閾値電圧より低く、FET2がオフする電圧より高い電圧であって、閾値電圧に近い電圧であればよい。例えば、FET1のソース−ドレイン間に電流が流れる電圧の絶対値は、閾値電圧の絶対値より小さく、FET2がオフする電圧の絶対値より大きければよい。
【0045】
実施例1によれば、高周波スイッチ50は、2つの端子(第1端子20及び第2端子22)を備えるSP2Tである。例えば3つの端子を備えるSP3T等の3以上の端子を備える高周波スイッチについても、実施例1と同様の構成を適用してもよい。その場合、例えば、3以上の各端子に接続される各FETのゲートのそれぞれに、抵抗分割回路のような電圧降下手段を設けて、電圧降下手段を介して電圧が印加されるようにしてもよい。
【0046】
実施例1において、FET1を、例えば図6のように、複数のFETを直列に接続した構成としてもよい。図6は、実施例1に係るFETの構成の一例を示す回路図である。図6において、破線34で囲む部分は、図4に示すFET1及び抵抗Rb1を置き換えた構成を示している。破線34で囲む部分以外の構成は、図4と同様のため、説明を省略する。図6のように、FET11、FET12、FET13・・・FET nは、ソースとドレインが直列に接続され、FET11のソースが共通端子18に接続され、FET nのドレインが第1端子20に接続されている。FET11、FET12、FET13・・・FET nのゲートは、それぞれ抵抗Rb11、Rb12、Rb13・・・Rb nとRb4を介して制御端子30に接続される。抵抗Rb11、Rb12、Rb13・・・Rb nと抵抗Rb3及びRb4とが抵抗分割回路を構成する。FET2を図6と同様に構成してもよい。
【0047】
実施例1によれば、高周波スイッチ50は高周波信号を扱うスイッチである。高周波スイッチ50はスイッチの一例であって、高周波信号以外の信号を扱うスイッチに実施例1のような構成を適用してもよい。実施例1において、PA12及びLNA14の構成は一例であって、他の構成でもよい。実施例1において、電圧生成回路26が生成する電圧は、制御端子30及び32に印加される電圧の一例であって、制御端子30及び32に外部から印加される電圧が制御端子30及び32に印加されてもよい。
【0048】
実施例1によれば、高周波スイッチ50の制御方法において、FET1をオフし、FET2をオンする場合、FET1のゲートに印加される電圧(−5V)の絶対値(5V)は、FET2をオフするためにFET2のゲートに印加される電圧(−25V)の絶対値(25V)に比べて小さい。これにより、共通端子18に入力する信号の振幅が所定の値より大きい場合に、第2端子22を介さずに、共通端子18からFET1及び第1端子20を介して、PA14が備えるFET5のソースと接続されたグランドへ信号がリークする。よって、高周波スイッチ50と接続されるLNA14を保護することができる。
【0049】
実施例1によれば、FET1をオフし、FET2をオンする場合、共通端子18に入力される信号の1/4以上がFET1にリークするようにすると、回路保護に有効である。これにより、高周波スイッチ50と接続されるLNA14を保護することができる。
【実施例2】
【0050】
実施例2は、実施例1に示す高周波スイッチ50の変形例である。図7は、実施例2に係る高周波スイッチ60及びその周辺の構成の一例を示す回路図である。実施例2に係る高周波スイッチ60は、実施例1に係る高周波スイッチ10と比較して、抵抗Rb5を備え、抵抗Rb5の一端が共通端子18、FET1のソース及びFET2のソースと接続され、抵抗Rb5の他端がグランドと接続されている点が異なる。図7において、その他の構成は図4と同様のため、説明を省略する。
【0051】
図8を参照して、実施例2に係る高周波スイッチ60の動作の一例を説明する。図8は、実施例2に係る高周波スイッチ60の動作の説明図であって、図7を簡略化した図である。図8は、FET1及びFET2がいずれもオフの状態を示している。
【0052】
図8のように、制御端子32には、−25Vが入力される。この場合、FET2のゲートには抵抗Rb2を介してほぼ−25Vが印加される。よって、FET2はオフする。同様に、制御端子30には、−25Vが印加される。この場合、FET1のゲートには、制御端子30の電圧を抵抗Rb1、Rb3及びRb4で構成された抵抗分割回路により分割した電圧である−5Vが印加される。よって、図5(b)の場合と同様に、FET1は通常はオフの状態となるが、共通端子18に入力する信号の電力の振幅が所定の値より大きい場合に、FET1のゲート−ソース間の電位差が小さくなり、FET1のドレイン−ソース間に電流が流れる状態となる。すなわち、共通端子18に入力する信号の電力の振幅が所定の値より大きい場合に、信号はFET2側に流れるだけでなく、信号の一部はFET1側にリークする。これにより、不要な大信号は、第1端子20と接続するPA12へ流れ、PA出力整合回路40を介してFET5のソースと接続されたグランドへリークする。
【0053】
このように、共通端子18に入力する信号の電力の振幅が所定の値より大きい場合に、第2端子22を介さずに、共通端子18からFET1及び第1端子20を介して、PA14が備えるFET5のソースと接続されたグランドへ信号がリークし、共通端子18に入力する信号の電力の振幅が所定の値より小さい場合に信号はFET1側へリークしない。例えば、FET1とFET2とが同じサイズの場合、信号の約90%がFET1側へリークする。これにより、実施例1と同様に、第2端子22と接続されたLNA14への振幅の大きい信号の流入を低減することができる。よって、高周波スイッチ60と接続されたLNA14を保護することができる。
【0054】
実施例2によれば、第1FETであるFET1をオフするために第1ゲートであるFET1のゲートに印加される電圧(−5V)の絶対値(5V)は、第2FETであるFET2をオフするために第2ゲートであるFET2のゲートに印加される電圧(−25V)の絶対値(25V)に比べて小さい。これにより、不要な大信号は、第1端子20と接続するPA12へ流れ、PA出力整合回路40を介してFET5のソースと接続されたグランドへリークするため、高周波スイッチ60と接続されたLNA14を保護することができる。
【0055】
実施例2によれば、抵抗Rb5は、一端が共通端子18、FET1のソース及びFET2のソースと接続され、他端がグランドと接続される。これにより、FET1及びFET2がいずれもオフとなる場合に、FET1及びFET2のソースに印加される電圧を定めることができる。
【0056】
実施例2によれば、図5に示すような抵抗Rb1、Rb3及びRb4により構成される抵抗分割回路のような電圧降下手段により、FET1及びFET2がいずれもオフする場合、FET2のゲートに印加される電圧(−25V)より高い電圧(−5V)がFET1のゲートに印加される。すなわち、FET1及びFET2がいずれもオフする場合にFET1のゲートに印加される電圧は、FET1の閾値電圧(−2V)に近い電圧である。これにより、実施例1と同様に、高周波スイッチ60と接続されるLNA14を保護することができる。
【0057】
実施例2によれば、高周波スイッチ60の制御方法において、FET1及びFET2をいずれもオフする場合、FET1のゲートに印加される電圧(−5V)の絶対値(5V)は、FET2をオフするためにFET2のゲートに印加される電圧(−25V)の絶対値(25V)に比べて小さい。これにより、実施例1と同様に、高周波スイッチ60と接続されるLNA14を保護することができる。
【実施例3】
【0058】
実施例3は、実施例2と同様に、実施例1に示す高周波スイッチ50の変形例である。図9は、実施例3に係る高周波スイッチ70及びその周辺の構成の一例を示す回路図である。実施例3に係る高周波スイッチ70は、実施例1に係る高周波スイッチ10と比較して、FET3及びFET4並びに抵抗Rb6及びRb7を備える点が異なる。FET3は、ドレインが第2端子22及びFET2のドレイン(又はソース)と接続され、ソースがグランドと接続され、ゲートが抵抗Rb3、Rb4及びRb7から構成される抵抗分割回路を介して制御端子30と接続されるシャントFETである。制御端子30に印加される電圧を、抵抗Rb3、Rb4及びRb7から構成される抵抗分割回路により分割した電圧が、FET3のゲートに印加される。FET4は、ドレインが第1端子20及びFET1のドレイン(又はソース)と接続され、ソースがグランドと接続され、ゲートが抵抗Rb6を介して制御端子32と接続されるシャントFETである。図9において、その他の構成は図4と同様のため、説明を省略する。
【0059】
図10(a)及び図10(b)を参照して、実施例3に係る高周波スイッチ70の動作の一例を説明する。図10(a)及び図10(b)は、実施例3に係る高周波スイッチ70の動作の説明図であって、図9を簡略化した図である。
【0060】
図10(a)は、FET1、FET2、FET3及びFET4がそれぞれオン、オフ、オン及びオフの状態を示している。図10(a)のように、制御端子30には、0Vが印加される。制御端子30と、抵抗Rb3の一端と接続されたグランドと、の間で電位差は生じないため、FET1のゲートには抵抗Rb1、Rb3及びRb4から構成される抵抗分割回路を介してほぼ0Vが印加される。よって、FET1はオンする。同様に、FET3はオンする。制御端子32には、−25Vが入力される。この場合、FET2のゲートには抵抗Rb2を介してほぼ−25Vが印加される。よって、FET2はオフする。同様に、FET4はオフする。
【0061】
図10(b)は、FET1、FET2、FET3及びFET4がそれぞれオフ、オン、オフ及びオンの状態を示している。図10(b)のように、制御端子32には、0Vが印加される。この場合、FET2のゲートには抵抗Rb2を介してほぼ0Vが印加される。よって、FET2はオンする。同様に、FET4はオンする。一方、制御端子30には、−25Vが印加される。この場合、FET1のゲートには、制御端子30の電圧を抵抗Rb1、Rb3及びRb4で構成された抵抗分割回路により分割した電圧である−5Vが印加される。よって、図5(b)の場合と同様に、FET1は通常はオフの状態となるが、共通端子18に入力する信号の電力の振幅が所定の値より大きい場合に、FET1のゲート−ソース間の電位差が小さくなり、FET1のドレイン−ソース間に電流が流れる状態となる。同様に、FET3のドレイン−ソース間に電流が流れる状態となる。これにより、共通端子18に入力する信号の電力の振幅が所定の値より大きい場合に、信号はFET2側に流れるだけでなく、信号の一部はFET1側にリークする。このとき、信号は、FET1を介して、FET4のソースと接続されたグランドへリークする。さらに、FET2側に流れる信号の一部は、第2端子22を介さずに、FET3を介して、FET3のソースと接続されたグランドへ信号がリークする。これにより、第2端子22と接続されたLNA14への振幅の大きい信号の流入を低減することができる。よって、高周波スイッチ70と接続されたLNA14を保護することができる。
【0062】
実施例3によれば、高周波スイッチ70は、ソースがFET2のソースと接続され、ドレインがグランドと接続される第3FETであるFET3を備える。FET2をオンし、FET3をオフする場合、FET3をオフするために第3ゲートであるFET3のゲートに印加される電圧(−5V)の絶対値(5V)は、FET2をオフするために第2ゲートであるFET2のゲートに印加される電圧(−25V)の絶対値(25V)に比べて小さい。これにより、FET2側に流れる信号の一部は、第2端子22を介さずに、FET3を介して、FET3のソースと接続されたグランドへ信号がリークする。よって、高周波スイッチ70と接続されたLNA14を保護することができる。
【0063】
実施例3によれば、FET1、FET2及びFET3がそれぞれオフ、オン及びオフして、共通端子18に入力する信号の振幅が所定の値より大きい場合、抵抗Rb3、Rb4及びRb7で構成された抵抗分割回路により、FET1、FET2及びFET3がそれぞれオン、オフ及びオンする場合のFET2のゲートに印加される電圧(−25V)より高い電圧(−5V)がFET3のゲートに印加される。これにより、共通端子18からFET3のソースと接続されたグランドへ信号がリークする。よって、高周波スイッチ70と接続されたLNA14を保護することができる。
【0064】
実施例3によれば、図10(b)のように、共通端子18に入力する信号の電力の振幅が所定の値より大きい場合に、制御端子30に印加される−25Vを分割した−5Vが、FET1及びFET3のゲートにそれぞれ印加される。これにより、共通端子18に入力する信号の一部をFET1側にリークさせて、さらに、FET2側に流れる信号の一部は、第2端子22を介さずに、FET3を介して、FET3のソースと接続されたグランドへ信号をリークさせることができる。図10(b)において、制御端子30に−25Vが印加される場合、FET3のゲートには抵抗分割回路により−25Vを分割した−5Vが印加されるようにして、FET1のゲートには抵抗分割回路を介さずほぼ−25Vが印加されるようにしてもよい。
【0065】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
10、50、60、70 高周波スイッチ
12 パワーアンプ(PA)
14 低雑音アンプ(LNA)
16 アンテナ
18 共通端子
20 第1端子
22 第2端子
24 デコーダロジック
26 電圧生成回路
30、32 制御端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ソース及び第1ドレインのいずれか一方が共通端子と接続され、前記第1ソース及び前記第1ドレインの他方が第1端子と接続され、第1ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される第1FETと、
第2ソース及び第2ドレインのいずれか一方が前記共通端子と接続され、前記第2ソース及び前記第2ドレインの他方が第2端子と接続され、第2ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される第2FETと、
を備え、前記第1FETをオフするために前記第1ゲートに印加される電圧の絶対値は、前記第2FETをオフするために前記第2ゲートに印加される電圧の絶対値に比べて小さいことを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
所定の電圧を電圧降下させる電圧降下手段を備え、
前記第1FETをオフする場合、前記電圧降下手段により前記所定の電圧を電圧降下させた電圧が前記第1ゲートに印加され、前記第2FETをオフする場合、前記電圧降下手段を介さずに前記所定の電圧が前記第2ゲートに印加されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記電圧降下手段は、抵抗分割回路であることを特徴とする請求項2に記載のスイッチ。
【請求項4】
第3ソース及び第3ドレインのいずれか一方が前記第2ソース及び前記第2ドレインの他方と接続され、第3ソース及び第3ドレインの他方が前記グランドと接続される第3FETを備え、
前記第2FETをオンし、第3FETをオフする場合、前記第3FETをオフするために前記第3ゲートに印加される電圧の絶対値は、前記第2FETをオフする場合に前記第2ゲートに印加される電圧の絶対値に比べて小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ。
【請求項5】
前記第1ソース及び前記第1ドレインの他方が送信アンプと接続され、前記第2ソース及び前記第2ドレインの他方が受信アンプと接続されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のスイッチ。
【請求項6】
前記第1FET及び前記第2FETは、窒化物半導体を用いたFETであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のスイッチ。
【請求項7】
第1ソース及び第1ドレインのいずれか一方が共通端子と接続され、前記第1ソース及び前記第1ドレインの他方が第1端子と接続され、第1ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される第1FETと、第2ソース及び第2ドレインのいずれか一方が前記共通端子と接続され、前記第2ソース及び前記第2ドレインの他方が第2端子と接続され、第2ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される第2FETとを備えるスイッチに対して、
前記第1FETをオフし、前記第2FETをオンする場合、または、前記第1FET及び前記第2FETをいずれもオフする場合、前記第1ゲートに印加される電圧の絶対値は、前記第2FETをオフするために前記第2ゲートに印加される電圧の絶対値に比べて小さいことを特徴とするスイッチの制御方法。
【請求項8】
第1ソース及び第1ドレインのいずれか一方が共通端子と接続され、前記第1ソース及び前記第1ドレインの他方が第1端子と接続され、第1ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される第1FETと、
第2ソース及び第2ドレインのいずれか一方が前記共通端子と接続され、前記第2ソース及び前記第2ドレインの他方が第2端子と接続され、第2ゲートに印加される電圧によってオンオフ制御される第2FETと、
を備え、前記第1FETをオフし、前記第2FETをオンする場合、前記共通端子に入力される信号の1/4以上が前記第1FETにリークすることを特徴とするスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−74890(P2012−74890A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217671(P2010−217671)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000154325)住友電工デバイス・イノベーション株式会社 (291)
【Fターム(参考)】