説明

ハイブリッド車両とその制御方法

【課題】燃料コストおよびCO2発生を抑えるハイブリッド車両を提供する。
【解決手段】発電機関(1、2)もしくは蓄電装置(11)から供給される電力によって、駆動モータ(4)で車両を駆動するハイブリッド車において、地図データを記憶するデータ記憶手段(54、55)と、前記地図データ内の目的地を設定する目的地設定手段(50、57)と、前記目的地までの経路を演算する経路演算手段(62)と、前記地図データに基づいて、前記経路上で車両に必要な要求電力を演算する要求電力演算手段(S2)と、前記発電機関の複数の発電レベルを設定する発電レベル設定手段(14)と、前記要求電力が蓄電装置の放電可能電力を超える場合、車両に前記要求電力を供給できる前記発電機関の最低の発電レベルを選択する発電レベル選択手段(S5−S7)と、を備えることを特徴とするハイブリッド車。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両とその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、低燃費の要求に応える車両として、ハイブリッド車が注目されている。ハイブリッド車は、電動機、発電機、エンジン及び蓄電装置を搭載している。発電機はエンジンにより駆動されることで電力を発生し、発電された電力により蓄電装置が充電される。また、回生制動時にも蓄電装置が充電され、これにより高いエネルギー効率を得る。そして、蓄えた電力を蓄電装置が放電し、この電力を用いて電動機が車両推進力を発生する。電動機出力とエンジン出力の両方を車両推進力とすることもある。
【0003】
ハイブリッド車では、放電と充電の切り替えにより、蓄電装置の充電量を制御することができる。蓄電装置は、回生制動時に発生した電力を十分に受け入れることができ、また、要求に応じて直ちに十分な電力を電動機に供給できる状態にあることが望まれる。そのため、蓄電装置の充電量(残量)は、一例として、充電量SOCを30%〜70%に収める制御がされている。 このハイブリッド車がある目的地に到着した時の蓄電装置の充電量SOCは30%以上であることになる。また、ハイブリッド車は、蓄電装置に対して外部からの充電を充電器で可能とするシステムを備え、夜間電力等の低価格電力で蓄電装置を充電し、燃料コストおよびCO2発生を抑える場合もある。
【0004】
従来技術のハイブリッド車として、走行において、蓄電装置の蓄電量を使い切らない範囲で、蓄電装置の電力を積極的に利用し、燃料コスト低減とCO2排出低減をはかるものがある(特開2004-7969号公報参照)。このハイブリッド車は、燃料を用いて駆動する駆動機関と、蓄電装置に充電された電力によってモータを駆動するモータ駆動装置の両方を備えており、その制御装置は、出発地と目的地まで走行中の各位置に於ける目標蓄電装置残量SOCを算出し、前記目標蓄電装置残量SOCに基づき、前記駆動機関及び前記モータ駆動装置を制御する。
【特許文献1】特開2004-7969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来技術において、蓄電装置の蓄電量SOCによって制御を行っているため、蓄電量SOCの低下により走行ルートを走行するために必要な電力を蓄電装置が供給できない問題点がある。特に、蓄電装置の蓄電量SOCで放電可能電力が変化する二次電池、特にリチウムイオン電池において問題が発生する。また、温度によって出力特性が変化する二次電池においても同様な問題が発生する。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑ねなされたものであり、発電機の発電量を最小限に設定し、目的地での蓄電装置充電を最大限に行い、燃料コストおよびCO2発生を抑えることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
燃料を用い発電を行う発電機関と、蓄電装置と、車両の現在位置を検出して目的地に至る経路に従い車両の走行案内を行う機能を有するナビゲーション装置を備えており、発電機関もしくは蓄電装置から供給される電力によって、駆動モータで車両を駆動するハイブリッド車において、地図データを記憶するデータ記憶手段と、前記地図データ内の目的地を設定する目的地設定手段と、前記目的地までの経路を演算する経路演算手段と、前記地図データに基づいて、前記経路上で車両に必要な要求電力を演算する要求電力演算手段と、前記発電機関の複数の発電レベルを設定する発電レベル設定手段と、前記要求電力が蓄電装置の放電可能電力を超える場合、車両に前記要求電力を供給できる前記発電機関の最低の発電レベルを選択する発電レベル選択手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
出発地から目的地までの駆動電力を予測し、駆動動力を満たせるよう発電機の発電量を最小限に設定し、目的地での蓄電装置充電を最大限に行い、燃料コストおよびCO2発生を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の第一実施形態を図1A、図1Bを用いて説明する。
【0010】
図1Aにおいて、太い実線は機械力の伝達経路を示し、太い破線は電力線を示す。また、細い実線は制御線を示す。この車両のパワートレインは、駆動モータ4、無段変速機5、差動装置6および駆動輪7から構成される。駆動モータ4が車両の推進源となる。
【0011】
発電モータ1、駆動モータ4は、三相同期電動機または三相誘導電動機などの交流機であり、発電モータ1は主としてエンジン始動と発電に用いられ、駆動モータ4は主として車両の推進と制動に用いられる。
【0012】
発電モータ1、駆動モータ4は、それぞれ、インバーター8、9により駆動される。インバーター8、9は共通のDCリンク10を介して蓄電装置11に電気的に接続されており、蓄電装置11の直流放電電力を交流電力に変換して発電モータ1、駆動モータ4へ供給する。発電モータ1は、エンジン2により駆動されて発電し、発電モータ1とエンジン2とで燃料を用い発電を行う発電機関が構成される。発電モータ1の交流発電電力は、インバーター8、DCリンク10(直流配線)、インバーター9を介して、駆動モータ4を駆動する。発電モータ1、駆動モータ4の交流発電電力を直流電力に変換して蓄電装置11を充電する。なお、インバーター8、9は互いにDCリンク10を介して接続されているので、回生運転中のモータにより発電された電力を、蓄電装置11を介さずに直接、力行運転中のモータへ供給することができる。また、蓄電装置11はDCリンク10を介しDC/DCコンバーター12に接続され、車両の補機13に電力を供給する。
【0013】
コントローラ14は、中央演算処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力インターフェース等から構成される。メモリには、後述のマップ等が格納される。コントローラ14は、エンジン2の回転速度、出力およびトルク、発電モータ1、駆動モータ4の回転速度およびトルク、蓄電装置11の充放電などを制御する。コントローラ14には、蓄電装置11の温度TBを検出する温度センサ15、蓄電装置11の端子電圧VBを検出する電圧センサ16、蓄電装置11の電流値IBを検出する電流センサ17、外気温度を検出する外気温度センサ23、車速を検出する車速センサ53からの信号が入力される。コントローラ14は、公知の方法により電流値IB等から蓄電装置11の残容量(蓄電量)SOCを演算する機能を有する。
【0014】
また、コントローラ14は、蓄電装置11の温度TBと蓄電装置11の残容量SOCに対する蓄電装置11の放電可能電力のマップデータをROM等のメモリに記憶し、計測された蓄電装置温度TBと蓄電装置残容量SOCから蓄電装置の放電可能電力を演算できるように構成されている。
【0015】
本発明では、車両の出発時点から目的地まで蓄電装置の放電可能電力を予測する必要があるため、以下に蓄電装置の放電可能電力を予測する方法を述べる。
【0016】
図2のマップは、蓄電装置残容量SOCと蓄電装置電圧E、及び、蓄電装置残容量SOCと蓄電装置温度が25℃における内部抵抗R25との関係を表す。図3に蓄電装置温度と、蓄電装置温度25℃の時の値を1とした時の温度係数とを示す。車両の出発地(現在位置)において計測された蓄電装置温度TBと、蓄電装置残容量SOCから、蓄電装置の放電可能電力を演算できる。蓄電装置の放電可能電力の演算方法として、まず、蓄電装置の残容量SOCから図2のマップを参照して、蓄電装置電圧Eと蓄電装置内部抵抗R25を求め、蓄電装置温度TBから図3のマップを参照して温度係数KTを求める。蓄電装置の放電可能電力Pow_BATは、以下の式(1)により求められる。
【0017】
【数1】

【0018】
ここで、Vminは蓄電装置の下限電圧であり、放電した時に起こる内部抵抗による電圧低下が許される値である。
【0019】
目的地まで蓄電装置の残容量SOCは、電流値Iを使って、以下の式(2)により予測できる。
【0020】
【数2】

【0021】
ここで、SOC(n)は、放電からn(整数)×Δt秒後の残容量であり、SOC(n-1)とI(n-1)は、放電から(n−1)×Δt秒後の残容量と電流であり、Ahは蓄電装置のクーロン容量、Δtは、所定の時間である。
【0022】
電流Iは、式(3)により内部抵抗Rと車両要求電力Prから求められる。なお、車両要求電力Prについては、後述する。
【0023】
【数3】

【0024】
従って、I(n-1)は、式(4)により求められる。
【0025】
【数4】

【0026】
ここで、E(n-1)は、放電から(n−1)×Δt秒後の開放電圧であり、SOC(n-1)から図2のマップを参照して求められる。SOC(n) から蓄電装置の放電可能電力Pow_BAT(n)を式(5)により演算できる。
【0027】
【数5】

【0028】
コントローラ14は、発電モータ1とエンジン2による発電電力を制御することができ、駆動モータ4に供給する電力における蓄電装置11から供給する電力と発電モータ1から供給される電力の分担を制御することができる。
【0029】
蓄電装置11には、充放電回路18が取り付けられていて、充電プラグ19を介して、図示しない外部の充電器からの充電が可能な構成となっている。充放電回路18は、コントローラ14の指令信号を受けて、充電電力の制御を行うことができる。充放電回路18は、一般的なものであってよい。例えば、充放電回路18には、コントローラ14のオン・オフ指令信号に基づいてオン・オフして充電器からの電流を通過させるトランジスタ等からなるチョッパ回路(昇降圧可能)であって、当該オン・オフ指令信号に基づいて充電電流を制御できるチョッパ回路が設けられる。外部の充電器が交流電力を供給するものであれば、充放電回路18は整流回路を備える。また、充放電回路18は、プラグ19を介して、蓄電装置11から外部に電流を放電でき、充電電力と同様に放電電力を制御できる。コントローラ14は、携帯電話21からの信号を受けて、充放電回路18を制御できる。或いは、コントローラ14は、ナビゲーションシステム20が受信する携帯電話21からの信号を受けて、充放電回路18を制御できる。コントローラ14又はナビゲーションシステム20は、携帯電話21からの信号を受信する受信機を備える。コントローラ14は、ナビゲーションシステム20又は携帯電話21からの信号を充放電回路18のチョッパ回路への指令信号に変換し、充電電流や充電電力を制御できる。
【0030】
図1Bに、ナビゲーションシステム20の概略図を示す。ナビゲーションシステム20は、演算部50、GPS受信機51、ジャイロセンサ52、車速センサ53、データ記憶装置54、モニタ56、入力装置(ユーザインターフェース)57、ビーコン受信機58から構成される。
【0031】
GPS受信機51は、アンテナにより複数のGPS(グローバルポジショニングシステム)衛星からの電波を受信し、三次元測位処理又は二次元測位処理を行って、車両の絶対位置及び方位を計算し、これらを測位時刻とともに出力する。ジャイロセンサ52は、車両の方位変化量(回転角速度)を検出する。車速センサ53は、車両に通常設けられるもので、例えば、車輪の回転速度から車速を検出する。
【0032】
ビーコン受信機58は、道路交通情報通信システム(VICS)が提供する渋滞、事故、規制等の道路交通情報や道路の所定区間(リンク)を通過するのに要する時間(旅行時間)などの外部情報(VICS情報)を受信する。
【0033】
データ記憶装置(データ記憶手段)54は、地図データを記憶している記憶媒体55とその駆動装置から構成される。記憶される地図データには、道路形状に関するデータ、道路の各地点での勾配、制限速度などが含まれる。道路の各地点での勾配は、地図データ中の高度データから計算して、記憶しておくこともできる。また、地図データには、目的地までの移動時間(所要時間)の計算に使用する、道路上の各地点の日時ごとの平均車速を含めることができる。ここで各地点は所定間隔おきに設定され、この所定間隔は記憶媒体55の容量をデータ量が超えない範囲で短く設定されることが好ましい。各地点の日時ごとの平均車速は、過去に道路の各地点を通過した場合の車速を記憶媒体55に記憶して、演算部50で平均処理したものを平均車速として記憶媒体55に再記憶されておけばよい。このように目的地までの経路の道路状況と運転者の運転履歴とに基づいて車速パターンを推定する技術は、特開2000−333305等に記載されている。現在の道路状況、特に所定の交差点間の道路(リンク)ごとの通過所要時間(旅行時間)が外部からVICS情報として送信されてくる場合、リンク長をリンクの旅行時間で除算して平均車速を求め、記憶媒体55に記憶しておくこともできる。また、過去のVICS情報を統計処理して、日時ごとの平均車速を予め記憶媒体55に記憶しておくこともできる。なお、VICS情報から車速パターンを推定する技術は、特開平7−129893、特開2006−184084等に記載されている。
【0034】
モニタ56には、地図データ、地図データ上の車両の現在位置、目的地までの経路等が表示可能である。車両の運転者は、入力装置57を使用して、出発地、目的地などを演算部50に入力できる。
【0035】
演算部50は、中央演算処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、入出力インターフェース等から構成され、車両の現在位置を検出する現在位置検出部61、車両の経路を演算する経路演算部(経路演算手段)62、経路を記憶する経路記憶部63(RAM)等を有する。現在位置検出部61は、GPS受信機52、ジャイロセンサ53、車速センサ58の信号から得た車両の軌跡と地図データの道路形状を比較して、地図データ上の車両の現在位置を位置座標として検出する。経路演算部62は、検出された車両の現在位置(出発地)から目的地までの移動距離を最小にする条件下や目的地までの移動時間を最小にする条件下などで、車両の現在位置(出発地)から目的地までの最適経路を検索する演算を行う。なお、車両の運転者が、入力装置57を使用して出発地を設定する場合には、設定された出発地から目的地までの最適経路を検索演算してもよい。なお、経路演算部62は、車両の現在位置座標が演算した経路上にあるか否か判定することにより目的地までの経路から実際の走行が外れたことを判断でき、実際の走行が外れたと判断された場合には、外れた地点から目的地までの経路を再演算する。また、経路記憶部63は、検索された経路を記憶する。
【0036】
演算部50は、検索された経路上の各地点での制限車速や平均車速に関する車速情報と道路の勾配に関する勾配情報をデータ記憶装置55からコントローラ14へ送る。コントローラ14は、車速情報と勾配情報に基づいて、検索された経路上で蓄電装置が車両を駆動させるために必要な電力を演算することができる。また、発電モータ1、即ち発電機を作動させた時に蓄電装置に要求される蓄電装置要求電力を演算することができる。
【0037】
図5に、第一実施形態の制御フローチャートを示す。ステップS1で、運転者が、出発地、途中の目的地、最終目的地を、入力装置57により入力して、演算部50のRAMに記憶・設定する(目的地設定手段)。ナビゲーションシステム20の経路演算部62は、途中の目的地を通過するように出発地から最終目的地までの最適経路を選択する。最終目的地は充電が確実にできる自宅に設定する。あるいは、運転者が最終目的地は設定せず、あらかじめ自宅となるようにする。出発地は運転者が設定せずに、ナビゲーションシステム20の演算部50が、現在位置検出部61により検出された車両の現在位置を出発地として自動的に設定してもよい。図6に示すように、途中の目的地は、運転者が1地点を設定する。さらに、運転者は、入力装置57を介して、途中の目的地、最終目的地で充電が可能か否かを設定する。本実施形態では、途中の目的地では充電不可能であり、最終目的地でのみで充電が可能である場合について説明する。
【0038】
ステップS2において、車両の走行中に要求される車両要求電力Prを求める。ステップS2は、車両要求電力演算手段を構成する。まず、コントローラ14は、ナビゲーションシステム20からの車速情報、勾配情報により、出発地から最終目的地までEV走行した場合の車両駆動電力を演算する。なお、EV走行とは、発電モータ1で発電せず蓄電装置のみで電力を供給する車両走行のことをいう。車両の駆動に必要な電力である車両駆動電力Pdは、一般的な式、例えば、式(6)により演算する。
【0039】
【数6】

【0040】
ここで、VSPは車速[m/sec]であり、ACCは車両の加速度[m/sec2] であり車速変化量から演算され、Mは車重[kg] であり、μは転がり抵抗係数であり、ρは空気密度[kg/m3] であり、Cdは空気抵抗係数であり、Sは前影投影面積[m2] であり、gは重力加速度[m/sec2] であり、θは道路勾配[rad] である。また、上式の{}内の第1項は転がり抵抗を、第2項は空気抵抗を、第3項は加速抵抗を、第4項は勾配抵抗をそれぞれ表す。なお、車両が停止する可能性のある交差点等の前後の所定区間では車両駆動電力を実験的に求めた平均的な値とすることもできる。車速は、車両の走行日時に対応する、記憶媒体55に記憶された平均車速とする。設定された経路上のある地点において平均車速が記憶されていない場合は、制限車速の所定パーセント(例えば、制限車速の80%等)に設定できる。なお、出発地から目的地までの車速パターンの設定方法は、特開2000−333305、特開平7−129893、特開2006−184084など様々なものが提案されているので、現実の車両駆動電力を最も正確に再現できるものを実験等により選択すれば良い。最近では、VICS対応のナビゲーションシステムにおいて、目的地までの経路案内や渋滞情報を取り入れた到着時間予測の精度が上がっている。この精度向上により、出発地から目的地までに必要な駆動電力を正確に予測できると考えられる。
【0041】
また、コントローラ14は、補機13の消費電力である補機消費電力Paを演算する。補機消費電力のうちエアコン消費電力が通常最大であるため、ここでは、補機消費電力Paとして、エアコン消費電力を演算する。外気温度によってエアコン消費電力が異なるので、外気温度センサ23により検出された外気温度に応じた標準的なエアコン消費電力Paを図7のマップを参照して演算する。図7のマップは、外気温度とエアコン消費電力の関係を示す。車両駆動電力Pdと補機消費電力Paから、EV走行中に蓄電装置が放電しなければならない車両要求電力Prを演算する。ここでは、出発地から目的地まで車両の走行中に要求される車両要求電力Prを車両駆動電力Pdと補機消費電力Paの和(Pd+Pa)とする。
【0042】
図8に、目的地から最終目的地までのEV走行において、蓄電装置が放電しなければならない蓄電装置要求電力(即ち車両要求電力Pr)、蓄電装置が放電可能な電力である蓄電装置放電可能電力の演算結果を走行時間に対して示す。出発地からの走行時間は、平均速度が定められる地点の前述の所定間隔を平均速度で除算したものを積算することにより求められる。蓄電装置放電可能電力の演算は、前述のように蓄電装置充電量SOCとその充電量SOCにおける蓄電装置内部抵抗から演算する。
【0043】
ステップS3で、出発地から目的地までのEV走行が可能であるか判断する。出発地から目的地までのEV走行が可能であるかの判断方法は、図8のように、EV走行時に蓄電装置に要求される蓄電装置要求電力(即ち車両要求電力Pr)と、蓄電装置放電可能電力とを各走行時間にて比較し、蓄電装置放電可能電力が蓄電装置要求電力Prより小さくなると、EV走行不可能と判断する。EV走行時に蓄電装置に要求される蓄電装置要求電力は、車両に必要な車両要求電力Prである。出発地から最終目的地までに必要な蓄電装置消費電力量と、現時点で蓄電装置残容量を比較して判断することが考えられるが、電力で比較した方が車両の動力性能を考慮した走行可能判断となり、運転者への不安を与えずに走行が可能となるため、蓄電装置放電可能電力で判断する。
【0044】
ステップS3でEV走行可能と判断された場合には、ステップS4へ進み、EV走行を開始する。ステップS3でEV走行不可能と判断された場合には、ステップS5へ進む。
【0045】
ステップS5では、発電モータ1、即ち、発電機の運転条件を設定する。図9、図10のマップに、発電モータ1の発電レベルを示す。本実施形態では、各車速、勾配に対して発電モータ1の発電レベルi(整数)を1〜5までマップに設定する(発電レベル設定手段)。
【0046】
図9のマップのように、車速に対する発電レベルの一例としては、車速が100km/hrで、車速発電電力比Kvel (道路勾配が零の場合における発電モータ1の発電電力の最大発電電力に対する比)を0.2に設定する。平坦路の走行抵抗は、車速の2乗に比例するので、車速発電電力比Kvelは、車速の二乗に比例するように設定する。また、図10のマップのように、勾配に対する発電レベルの一例としては、勾配が10%で、勾配発電電力比Kslop(車速発電電力比Kvelを1と仮定した場合における発電モータ1の発電電力の最大発電電力に対する比)を5.0に設定する。勾配を登るための電力は、勾配の1乗に比例するので、勾配発電電力比Kslopは、勾配に比例させて増加させる。このように、発電機の発電電力制御を車速と道路勾配に応じて行うので、発電機作動音を最小限にできる。
【0047】
図9、図10のマップを参照して、車速と勾配、及び、選択された発電レベルに応じてKveloとKslopが求まり、発電モータ1の発電電力Peは、(発電モータ1の最大電力)×Kvelo×Kslopで求められる。従って、発電モータ1の発電電力Peは、車速の二乗に比例し、道路勾配に比例する。このように、発電レベルi(整数)は、車速、勾配に応じた発電モータ1の発電電力の大きさを示すものであり、車速と勾配が同じでも発電レベルの増加により発電電力が大きく設定されることになる。
【0048】
ステップS6において、発電モータ1の発電レベルを1として、車速と勾配に応じて、経路上での蓄電装置要求電力を演算する。ここでの蓄電装置要求電力は、車両駆動電力Pdと補機消費電力Paの和である車両要求電力Pr(=Pd+Pa)から発電モータ1の発電電力Peを引いたもの(Pd+Pa-Pe)となる。ステップS7において、走行可能かどうか判断する。判断方法は、ステップS6で求めた蓄電装置要求電力(Pd+Pa-Pe)と、蓄電装置放電可能電力Pow_BATとを比較する。蓄電装置放電可能電力Pow_BATが蓄電装置要求電力(Pd+Pa-Pe)より大きければ、車両要求電力Prが発電モータ1と蓄電装置11から供給可能であり走行可能と判断し(Pow_BAT>Pd+Pa-Pe)、ステップS8へ進み、発電レベル1で走行を開始する。ステップS7で走行不可能と判断された場合、つまり蓄電装置放電可能電力Pow_BATが蓄電装置要求電力(Pd+Pa-Pe)より小さい場合には、ステップS9へ進み、発電モータ1の発電レベルを1つだけ上げ、ステップS6で再度蓄電装置要求電力を演算する。ステップS7で走行可能と判断されるまで、ステップS9、ステップS6を繰り返す(発電レベル選択手段)。ステップS7で走行可能と判断されたならば、ステップS8へ進み走行を開始する。図11に蓄電装置要求電力と蓄電装置放電可能電力の比較を示す。発電モータ1の発電レベルが大きくなり、蓄電装置要求電力が低下する。一方、蓄電装置放電可能電力は増加し、蓄電装置要求電力が蓄電装置放電可能電力より小さくなる。このようになると、走行が可能と判断される。
このように、出発地から目的地までの駆動電力や補機消費電力を予測し、駆動動力を満たせるよう発電機の発電量を最小限に設定し、目的地での蓄電装置充電を最大限に行い、燃料コストおよびCO2発生を抑えることができる。
【0049】
なお、設定された経路から実際の走行が外れたと判断された場合には、外れた地点から目的地までの経路を再演算して、ステップS2以降の制御を行う。これにより、出発地から目的地までの当初の設定経路からはずれた場合にも、燃料コストの低減とCO2発生の低減が可能となる。
【0050】
次に、第二の実施形態の形態を、図12A、図12Bを参照して説明する。本実施形態は、図12Aに示すように途中の目的地が複数地点設定された場合の実施形態である。運転者は、出発地、途中の目的地A地点、他の途中の目的地B地点、最終目的地が設定し、途中の目的地Aでは充電が不可能、途中の目的地Bでは充電が可能、最終目的地での充電が可能であると設定する。
【0051】
図12Bのフローチャートにおいて、ステップS1で、出発地、途中の目的地A地点、他の途中の目的地B地点、最終目的地のそれぞれに対して充電が可能であるか否か判断される。さらに、最初に充電が可能な地点が判定される。ここで、出発地、途中の目的地A地点、他の途中の目的地B地点、最終目的地のそれぞれに対して充電が可能であるか否かが、運転者により予め入力され、経路記憶部63に記憶されている。なお、地図データ中に充電可能な地点についての情報を予め含ませておき、途中の目的地、最終目的地が地図データ中の充電可能な地点に合致する場合、演算部50が、途中の目的地、最終目的地で充電が可能であると判断してもよい。
【0052】
ステップS2で、出発地から最初に充電が可能な途中の目的地Bまでの経路に関して、車両に要求される車両要求電力を演算する。ステップS3で出発地から目的地BまでのEV走行が可能であるか判断する、すなわち、出発地から目的地Bまでにおいて、蓄電装置の放電可能電力Pow_BATが車両要求電力Prより大きいか否か判断する。
【0053】
ステップS3でEV走行が不可能と判断された場合には、ステップS5〜7へ進み、出発地から途中の目的地Bまで走行が可能な発電レベルに設定し走行を行う。
【0054】
ステップS3でEV走行可能と判断された場合には、ステップS4へ進み、EV走行を開始する。続いて、ステップS10において、検出された車両の現在位置に基づいて、車両が充電可能な途中の目的地Bに到着したか否か、即ち、検出された車両の現在位置の座標が途中の目的地Bの座標と略一致するか否か判断する。到着していない場合、ステップS4に戻る。到着した場合、ステップS2で、車両の現在位置(目的地B)から次の充電可能な目的地(最終目的地)まで車両の走行中に要求される車両要求電力Prを演算する、つまり、充電可能な目的地Bと最終目的地間の車両の走行中に要求される車両要求電力Prを演算する。車両要求電力Prは、発電モータ1が発電しない場合には、蓄電装置が放電しなければならない蓄電装置要求電力である。続いて、ステップS3で、目的地Bから最終目的地までのEV走行が可能であるか判断する。充電可能な目的地Bと最終目的地間で、車両要求電力Prが、蓄電装置放電可能電力より小さくなれば、EV走行が可能であると判断される。
【0055】
ステップS3でEV走行可能と判断された場合には、ステップS4へ進み、EV走行を行う。ステップS3でEV走行不可能と判断された場合には、ステップS5〜7へ進み、出発地から最終目的地まで走行が可能な発電レベルに設定し走行を行う。
【0056】
なお、上記において、出発地、途中の目的地A地点、他の途中の目的地B地点、最終目的地のそれぞれに対して夜間電力が利用できる夜間電力料金時間帯等の低価格電力で充電が可能であるか否かが、運転者により予め入力され、記憶媒体55に記憶されていてもよい。そして、ステップS2以降で、出発地から最初に低価格電力で充電が可能な地点までの経路に関して、車両に要求される車両要求電力を演算して、制御を行ってもよい。これにより、低価格電力での充電が優先されコスト的に有利となる。また、夜間電力料金時間帯の充電によりCO2の削減につながる。
【0057】
次に、第三実施形態の形態を説明する。出発地、途中目的地、最終目的地での充電が不可能である場合について説明する。どの地点においても蓄電装置の充電が不可能な場合は、発電モータの発電レベルを3に設定し走行を行い、蓄電装置の充電量SOCがある規定値を超えたら、発電モータの発電レベルを2に設定し走行を行う。あるいは、発電モータの発電レベルを3に設定し走行を行い、蓄電装置の充電量SOCがある規定値を下回ったら、発電モータの発電レベルを4に設定し走行を行う。
【0058】
次に、第四実施形態の形態を説明する。車両の経路として使用する頻度が最も高いのは、図13に示すように出発地が自宅で充電が可能であり、目的地が勤務先の会社である場合の経路である。この場合、ステップS1で、運転者が出発地を自宅、途中の目的地を会社、最終目的地を自宅と設定する。あるいは、ナビゲーションシステム20の経路記憶部63において、予め、デフォルト(標準設定)としてこの経路は設定されており、運転者から設定が無い場合には、この経路となるようにしておく。つまり、途中の目的地、最終目的地が、頻繁に通過する又は頻繁に出かける目的地としてあらかじめ記憶された目的地に設定される。ステップS2以降は、第一の実施形態と同じように処理し走行を行う。
【0059】
次に、第五実施形態の形態を説明する。この実施形態では、コントローラ14が携帯電話21からの指令を受けて、外部の充電器からの充電電力値を制御できる構成としたものである。充電可能地で充電器をセットした後、急に運転者が長距離運転の必要に迫られた場合等に、携帯電話21は、運転者等が携帯電話21に入力した充電電力値に相当する信号をコントローラ14に送信する。コントローラ14は、携帯電話21からの電波を受信するアンテナ(受信機)を備える。コントローラ14は、携帯電話21からの充電電力値に相当する信号を充電電力値に変換する。コントローラ14は、充放電回路18の出力電圧値で充電電力値を除算して充電電流値を求め、充電電流値を実現するオン・オフ指令信号を充放電回路18のチョッパ回路へ送出する。
【0060】
次に、第六実施形態の形態を説明する。図14に第六実施形態の制御に関するフローチャートを示す。ステップS21で、車両の走行が終了したことを検出すると制御を開始する。例えば、検出された車両の現在位置の座標が目的地の座標と略一致して、車速がゼロであれば車両の走行が終了したと判断できる。ステップS22で、車両が出発地から現時点まで走行に要した車両電力量Wh_VをRAMに記憶する。例えば、出発地から現時点までにおいて、電圧センサ16で検出した蓄電装置11の端子電圧VBと蓄電装置11の電流値IBの積を時間積算したものと、発電モータ1の発電電力を時間積算したものとの和を計算しておけば、現時点の当該和の値が車両電力量Wh_Vとして求まる。ステップS23で、蓄電装置の充電可能電力量Wh_CHGmaxを演算又は設定する。充電可能電力量Wh_CHGmaxは、予めメモリに記憶していたものを使用すればよい。
【0061】
ステップS24で蓄電装置の現在の残容量Wh_BATを記憶する。残容量Wh_BATは、現在のSOCを電力量に換算したもので、残容量SOC(%)×Ah×3.6×(充電回路の出力定格電圧)、で求められる。ステップS25で、充電器が車両にセットされる。ステップS26で、運転者が携帯電話21等を介して蓄電装置の充電電力量を設定したか否か判断する。設定していない場合は、ステップS27に進む。ステップS27において、蓄電装置の充電電力量Wh_CHGをWh_Vに設定し、ステップS29に進む。ステップS27は、第一の充電電力量設定手段を構成する。蓄電装置への充電電力量を、出発地から目的地までに車両で使用された電力量Wh_Vに設定することにより、蓄電装置の残容量が低く保たれ、蓄電装置の寿命が低下しない。特に、蓄電装置がリチウムイオン電池である場合、高いSOCに比例して寿命が低下するので、蓄電装置への充電電力量を、出発地から目的地までに車両で使用された電力量に設定することが適切となる。
【0062】
ステップS26で、運転者が蓄電装置の充電電力量を設定したと判断した場合は、ステップS28へ進み、蓄電装置の充電電力量Wh_CHGをWh_DRVに設定し、ステップS29へ進む。ステップS28は、第二の充電電力量設定手段を構成する。次の走行が以前の走行に比べ長距離になる場合は、運転者が蓄電装置の充電電力量をWh_DRVに設定することで、低価格かつ低CO2発生の電気エネルギーの利用ができる。ステップS29で、蓄電装置の充電電力量Wh_CHGと蓄電装置の現在の残容量Wh_BATが比較される。Wh_CHGがWh_BATより大きい場合は、ステップS30で、蓄電装置の充電電力量Wh_CHGと、蓄電装置の充電可能電力量Wh_CHGmaxを比較し、Wh_CHGがWh_CHGmaxより小さい場合には、ステップS33へ進み、蓄電装置の充電を開始する。ステップS30で、Wh_CHGがWh_CHGmaxより大きい場合には、ステップS31で蓄電装置の充電電力量Wh_CHGをWh_CHGmaxに設定し、ステップS33へ進み、蓄電装置の充電を開始する。ステップS29で、Wh_CHGがWh_BATより小さい場合には、ステップS12で蓄電装置を(Wh_BAT-Wh_CHG)の電力量を放電する。これにより、充放電回路18を介して、充電電力の供給元に前記蓄電装置の一部を戻して、蓄電装置の残容量が高くなった場合に、蓄電装置の寿命が低下しないように蓄電装置の残容量を下げる。
【0063】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1A】本発明に係るハイブリッド車両の構成を示す概略構成図である。
【図1B】ナビゲーションシステムの構成を示す概略構成図である。
【図2】蓄電装置の残容量SOCと蓄電装置電圧の関係を示すマップである。
【図3】蓄電装置の温度と温度係数の関係を示すマップである。
【図4】蓄電装置の残容量SOCと蓄電装置放電可能電力の関係を示すグラフである。
【図5】第一の実施形態に係る制御フローチャートである。
【図6】第一の実施形態の走行経路を示す図である。
【図7】外気温度とエアコン消費電力の関係を示すマップである。
【図8】EV走行時の蓄電装置要求電力(即ち、車両要求電力)予測値と蓄電装置放電可能電力予測値を車両走行時間に対して示すグラフである。
【図9】車速発電電力比と車速の関係を示すマップであり、車速に対する発電モータ(発電機)の発電レベルを示す図である。
【図10】勾配発電電力比と道路勾配の関係を示すマップであり、勾配に対する発電モータの発電レベルを示す図である。
【図11】発電モータを運転した場合の蓄電装置要求電力予予測値と蓄電装置放電可能電力予測値を車両走行時間に対して示すグラフである。
【図12A】第二の実施形態の走行経路を示す図である。
【図12B】第二の実施形態に係る制御フローチャートである。
【図13】第四の実施形態の走行経路を示す図である。
【図14】第六の実施形態に係る制御フローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1 発電モータ
2 エンジン
4 駆動モータ
11 蓄電装置
13 補機
14 コントローラ
18 充電回路
20 ナビゲーションシステム
50 演算部
51 GPS受信機
52 ジャイロセンサ
53 車速センサ
54 データ記憶装置
55 記憶媒体
56 モニタ
57 入力装置(ユーザインターフェース)
58 ビーコン受信機
61 現在位置検出部
62 経路演算部
63 経路記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を用い発電を行う発電機関と、蓄電装置と、車両の現在位置を検出して目的地に至る経路に従い車両の走行案内を行う機能を有するナビゲーション装置を備えており、
発電機関もしくは蓄電装置から供給される電力によって、駆動モータで車両を駆動するハイブリッド車において、
地図データを記憶するデータ記憶手段と、
前記地図データ内の目的地を設定する目的地設定手段と、
前記目的地までの経路を演算する経路演算手段と、
前記地図データに基づいて、前記経路上で車両に必要な要求電力を演算する要求電力演算手段と、
前記発電機関の複数の発電レベルを設定する発電レベル設定手段と、
前記要求電力が蓄電装置の放電可能電力を超える場合、車両に前記要求電力を供給できる前記発電機関の最低の発電レベルを選択する発電レベル選択手段と、
を備えることを特徴とするハイブリッド車。
【請求項2】
前記地図データが、道路上での車速に関する情報と、道路の勾配に関する情報とを含み、
前記要求電力が、前記経路上での車速、及び、前記経路上での勾配に応じて演算されることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車。
【請求項3】
各発電レベルにおいて、車速と勾配に応じた発電電力で発電機関の運転が行われることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車。
【請求項4】
目的地までの前記経路から実際の走行が外れたことを判断する手段を備え、
実際の走行が外れたと判断された場合には、外れた地点から目的地までの経路を再演算することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車。
【請求項5】
夜間電力料金時間帯の蓄電装置への充電を優先する手段を有することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車。
【請求項6】
目的地設定手段が、頻繁に出かける目的地としてあらかじめ記憶された目的地に前記目的地を設定することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車。
【請求項7】
さらに、携帯電話からの指令に応じて前記蓄電装置への充電電力の制御を行う充電回路を備えることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車。
【請求項8】
前記目的地設定手段が、充電可能な地点に前記目的地を設定し、
前記目的地において充電する前記蓄電装置への充電電力量を、出発地から前記目的地までに車両で使用された電力量に設定する充電電力量設定手段を備えることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車。
【請求項9】
前記目的地設定手段が、充電可能な地点に前記目的地を設定し、
前記目的地において車両の運転者が前記蓄電装置に充電する充電電力量を設定できるようにする充電電力量設定手段を備えることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車。
【請求項10】
さらに、前記蓄電装置から車両外部への放電電力を制御できる充放電回路を備え、
前記目的地において、前記充放電回路を介して、充電電力の供給元に前記蓄電装置の一部を戻すことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車。
【請求項11】
燃料を用い発電を行う発電機関と、蓄電装置と、車両の現在位置を検出して目的地に至る経路に従い車両の走行案内を行う機能を有するナビゲーション装置を備えており、発電機関もしくは蓄電装置から供給される電力によって、駆動モータで車両を駆動するハイブリッド車に使用する制御方法であって、
記憶された地図データ内の目的地を設定するステップと、
前記目的地までの経路を演算するステップと、
前記地図データに基づいて、前記経路上で車両に必要な要求電力を演算するステップと、
前記発電機関の複数の発電レベルを設定するステップと、
前記要求電力が蓄電装置の放電可能電力を超える場合、車両に前記要求電力を供給できる前記発電機関の最低の発電レベルを選択するステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−87719(P2008−87719A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−273422(P2006−273422)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】