説明

パターン欠陥検査装置及び検査方法

【課題】画素分解能を高め、また、放射線によるノイズを排除することで、欠陥検出能力の高いパターン欠陥検査装置及び検査方法を提供する。
【解決手段】第1の方向に沿って第1の画素ピッチで配列した複数の第1の画素を有し、被検査体の光学像の第1の画像データを出力する第1のセンサと、第1の方向と略直交する第2の方向に並列して設けられ、第1の方向に沿って第1の画素ピッチで配列し且つ第1の方向において第1の画素位置から第1の画素ピッチの1/N(Nは1以上の整数)だけずれた位置に配置された複数の第2の画素を有し、被検査体の光学像の第2の画像データを出力する第2のセンサと、第1の画像データ及び第2の画像データに基づいて被検査体の欠陥を検出する欠陥検出部と、を備えたことを特徴とするパターン欠陥検査装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置等に用いられるフォトマスク等を検査するパターン欠陥検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の微細化に伴い、半導体装置の製造に用いられるフォトマスクの欠陥を検査するパターン欠陥検査装置に対して、パターン上の微細欠陥をより高分解能で検出することが要求される。
【0003】
パターン欠陥検査装置では、ラインセンサやTDI(Time Delay Integration)センサ等のセンサ上に、光学系によってパターンの拡大光学像を結像し、センサで得られた電気的な画像信号を処理して、検査を行っている。高分解能で高精度の検査を実現するためには、紫外域の短波長の照明光とNA(開口数)が高い光学系を用いて高解像度の光学像を得ることと共に、センサの画素分解能を上げて高分解能の画像信号を得ることが必要である。
【0004】
最近では、半導体装置用のフォトマスクのパターン線幅は200nm以下になっており、また、OPC(Optical Proximity Correction)やSRAF(Sub-resolution Assist Feature)などの近接補正パターンによる10nmの桁の大きさの段差や100nm以下の微細パターンが存在している場合がある。このようにフォトマスク上のパターンが微細化するに従い、フォトマスクの欠陥検査では、光学系の解像度と共に、センサで得られる画像の分解能が不足し、欠陥を検出するに必要なS/Nを確保できず、欠陥検出能力が不足する問題が発生している。
【0005】
光学系の解像度の向上に対しては、検査波長の短波長化と光学系のNAを上げることによる改善が検討されている。一方、センサ画像の分解能の向上に対して、単に光学倍率を上げる手法では、光量が不足し、十分な出力レベルを確保できず、かつ画像の入力に必要なセンサの動作速度も不十分になる。
【0006】
さらに、センサの感度が向上するに従い、自然界に存在する放射線、宇宙線による影響で、センサで得た画像中にノイズ事象が発生する確率が増加し、パターン欠陥検査で本来検出すべきでないノイズ事象を、擬似的な欠陥として検出してしまう問題がある。
【0007】
なお、カメラ等に使用されるレンズの描画性能の評価装置として、2つのラインセンサを画素ピッチの2分の1だけずらして設けたレンズ性能評価装置が提案されている(特許文献1)
【特許文献1】特開2002−48678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、センサの画素分解能を高め、また、放射線等によるノイズを排除することで、欠陥検出能力の高いパターン欠陥検査装置及び検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、第1の方向に沿って第1の画素ピッチで配列した複数の第1の画素を有し、被検査体の光学像を電気的な画像信号に変換して第1の画像データを出力する第1のセンサと、前記第1のセンサからみて前記第1の方向と略直交する第2の方向に並列して設けられ、前記第1の方向に沿って前記第1の画素ピッチで配列し且つ前記第1の方向において前記第1の画素の配列位置から前記第1の画素ピッチの1/N(Nは1以上の整数)だけずれた位置に配置された複数の第2の画素を有し、前記被検査体の光学像を電気的な画像信号に変換して第2の画像データを出力する第2のセンサと、前記第1の画像データ及び前記第2の画像データに基づいて前記被検査体の欠陥を検出する欠陥検出部と、を備えたことを特徴とするパターン欠陥検査装置が提供される。
【0010】
本発明の別の一態様によれば、第1の方向に沿って第1のピッチで配列した複数の第1の検出位置で被検査体の光学像を検出して第1の画像データを生成し、前記複数の第1の検出位置からみて前記第1の方向と略直交する第2の方向に並列して設けられ、前記第1の方向に沿って前記第1のピッチで配列し且つ前記第1の方向において前記第1の検出位置から前記第1のピッチの1/N(Nは1以上の整数)だけずれた位置に配置された複数の第2の検出位置で前記被検査体の光学像を検出して第2の画像データを生成し、前記第1の画像データ及び前記第2の画像データに基づいて前記被検査体の欠陥を検出することを特徴とするパターン欠陥検査方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、センサの画素分解能を高め、また、放射線等によるノイズを排除することで、欠陥検出能力の高いパターン欠陥検査装置及び検査方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、本願明細書及び各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置の構成を例示する模式図である。
図1に表したように、第1の実施の形態に係るパターン欠陥検査装置10は、被検査体(フォトマスク)150の光学像を電気的な信号に変換するセンサ200と、センサ200から得られたセンサデータ(画像データ)に基づいて欠陥を検出する欠陥検出部400を備える。
【0014】
センサ200は、第1の方向に沿って第1のピッチで配列した複数の第1の画素を有し、被検査体150の光学像155を電気的な画像信号に変換して、第1の画像データ212を出力する第1のセンサ210を有する。また、センサ200は、被検査体150の光学像155を電気的な画像信号に変換して第2の画像データ222を出力する第2のセンサ220をさらに有する。第2のセンサ220は、第1のセンサ210からみて、第1の方向と略直交する第2の方向に並列して設けられ、第1の画素の配列方向に、第1の画素の配列位置とピッチの1/N(Nは1以上の整数)の距離ずれた位置に、第1の画素のピッチと同じピッチで配列された複数の第2の画素を有する。
そして、欠陥検出部400は、上記の第1の画像データ212及び第2の画像データ222に基づいて被検査体150の欠陥を検出し、パターン欠陥検査結果480を出力する。
【0015】
なお、図1に表したように、照明部130により被検査体150のパターン面を照明し、その像を結像光学系140によりセンサ200のセンサ面に結像することにより、被検査体150の光学像155がセンサ200に入射する。
照明部130には、例えば、紫外波長のレーザ光を発生するレーザ光源110、及び、レーザ光源110から出射された光から照明光122を生成し、照明光122を被検査体150に照射する照明光学系120を用いることができる。
結像光学系140は、被検査体150からの出射光をセンサ200(第1のセンサ210、第2のセンサ220)の上に結像する。
また、被検査体150を保持し、被検査体150と照明光122との相対的位置を変化(スキャン)させるXYテーブル160、被検査体150の位置を測定するレーザ干渉計530を設けることができる。
【0016】
第1の画像データ212及び第2の画像データ222は、それぞれ、第1のAD変換回路170及び第2のAD変換回路180によって、AD変換される。そして、第1のAD変換回路170の出力である第1の画像デジタルデータ213、及び、第2のAD変換回路180の出力である第2の画像デジタルデータ223は、単独事象検出回路300及び平均化回路350に入力される。そして、単独事象検出回路300の出力である単独事象データ(単独事象検出フラグ)302、及び、平均化回路350の出力である平均化データ352(センサデータ178)が、欠陥検出部400に入力される。
なお、本願明細書においては、上記の第1の画像データ212と第1の画像デジタルデータ213を含めて、広義の第1の画像データ171と言う。また、同様に、上記の第2の画像データ222と第2の画像デジタルデータ223を含めて、広義の第2の画像データ181と言う。
【0017】
そして、図1に例示したパターン欠陥検査装置10は、Die to Die検査方式の一例であり、平均化データ352は、参照データ生成回路500(データ遅延回路)に入力される。また、参照データ生成回路500には、レーザ干渉計530による位置データ532が入力され、平均化データ352から被検査体150のスキャン位置(検査位置)に同期した位置の参照データ522を生成する。すなわち、参照データ生成回路500は、データ遅延回路の機能を有す。そして、参照データ生成回路500の出力である参照データ522が欠陥検出部400に入力される。
【0018】
欠陥検出部400は、第1の画像データ212(171)及び第2の画像データ222(181)に基づいて、すなわち、単独事象データ302、平均化データ352(センサデータ178)及び参照データ522に基づいて、被検査体150のパターン欠陥を検出する。
【0019】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられるセンサの構成を例示する模式平面図である。
図2(a)は、パターン欠陥検査装置10の第1のセンサ210及び第2のセンサ220として、TDIセンサ(蓄積型センサ)を用いた場合を例示している。第1のセンサ210においては、TDI方向(遅延段方向)がY軸方向とされ、複数の第1の画素211が、所定の(第1の)画素ピッチでX軸方向(第1の方向)に複数配列している。また、第2のセンサ220は、第1のセンサ210からみてX軸方向とは略直交するY軸方向(第2の方向)に並列しており、第2のセンサ220においても、TDI方向(遅延段方向)がY軸方向とされ、複数の第2の画素221が、所定の画素ピッチでX軸方向に複数配列している。そして、複数の第2の画素221は、複数の第1の画素221の配列方向、すなわちX軸方向に、第1の画素211の配列位置と画素ピッチの1/N(Nは1以上の整数)の距離ずれた位置に、配列されている。
【0020】
図2(a)に示す例は、Nが2の場合である。すなわち、複数の第2の画素221は、複数の第1の画素221と画素ピッチの1/2の距離(0.5画素ピッチ)ずれた位置に配列されている。
なお、第2の画素221は、第1の画素211に対して、第1の画素211の配列方向(X軸方向)と実質的に直交する方向(Y軸方向)に、画素ピッチ×(M+1/N)の距離(Mは任意の整数)ずれた位置に配置されている。すなわち、第1のセンサ210と第2のセンサ220とのY軸方向の配置位置は、画素ピッチ×(M+1/N)の距離ずれている。ここで、Mは、技術的に可能な任意の整数である。ここで、技術的に可能な任意の整数とは、例えば、第1のセンサ210と第2のセンサ220とが重ならず、また、それぞれのセンサの配線領域を設けることが可能な技術的可能性を含む。
【0021】
また、図2(b)は、パターン欠陥検査装置10の第1のセンサ210及び第2のセンサ220として、ラインセンサを用いた場合を例示している。第1のセンサ210(第1のラインセンサ250)においては、複数の第1の画素211(第1のラインセンサ画素251)が、所定の画素ピッチでX軸方向に複数配列している。また、第2のセンサ220(第2のラインセンサ252)は、第1のセンサ210に並列しており、第2のセンサ220においても、複数の第2の画素221(第2のラインセンサ画素253)が、所定の画素ピッチでX軸方向に複数配列している。そして、この場合も、複数の第2の画素221は、複数の第1の画素221の配列方向、すなわちX軸方向に、第1の画素211の配列位置と画素ピッチの1/N(Nは1以上の整数)の距離ずれた位置に、配列されている。
図2(b)に示す例は、同様に、Nが2の場合であり、複数の第2の画素221は、複数の第1の画素221と画素ピッチの1/2の距離ずれた位置に配列されている。また、同様に、第1のセンサ210と第2のセンサ220とのY軸方向の配置位置は、画素ピッチ×(M+1/N)の距離ずれている。
図2(a)、(b)において、Nが2である場合を例示したが、これには制限されず、Nは1以上の任意の整数とすることができる。
【0022】
このように、本実施形態のパターン欠陥検査装置10においては、2つのセンサ(第1のセンサ210と第2のセンサ)の間の相対位置が、X軸方向(横)に画素ピッチ/N、Y軸方向(縦)に画素ピッチ×(M+1/N)ずれて、並列して配置されている。
【0023】
このように、本実施形態のパターン欠陥検査装置10では、センサ200として、複数のセンサを用いることにより、後述するように、それぞれのセンサの一方のみで検出される単独事象を検出できる。すなわち、放射線等によるノイズに起因した単独事象を排除することができる。また、複数のセンサが、画素ピッチ/Nずれて配置されており、Nが2以上の整数の場合、センサ200の実効的な画素ピッチが、画素ピッチ/Nとなるので、センサの画素分解能がN倍に向上する。
これにより、本実施形態のパターン欠陥検査装置10によって、センサの画素分解能を高め、また、放射線等によるノイズを排除することで、欠陥検出能力の高いパターン欠陥検査装置が提供できる。
【0024】
以下、センサ200に用いるセンサがTDIセンサである場合で、またNが2である場合を例にして、さらに説明する。
【0025】
図3は、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられるセンサの構成を例示する模式平面図である。
すなわち、図3は、TDIセンサの構造を例示する平面図である。
図3に表したように、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置10に用いられるTDIセンサ230は、縦横方向(Y軸方向、X軸方向)に配列された複数の受光部231(画素)を有している。受光部231のX軸方向の数Pは、例えば、1024個であるが、これには限定されない。そして、受光部231で光電変換された各電荷を蓄積段方向(Y軸方向)に積算しながら転送する蓄積段方向の垂直転送レジスタ232、及び、垂直転送レジスタからの電荷を画素方向(X軸方向)に転送する2組の水平転送レジスタ233、234を有する。さらに、センサ出力信号を読み出す2組のセンサ出力部、すなわち、センサ出力1を上方向に出力するセンサ出力1上側出力部271、及び、センサ出力2を上方向に出力するセンサ出力2上側出力部272、並びに、センサ出力1を下方向に出力するセンサ出力1下側出力部273、及び、センサ出力2を下方向に出力するセンサ出力2下側出力部274、を有している。このように、TDIセンサ230は、上方向と下方向のそれぞれに読み出し部を設けることができる。すなわち、上方向の読み出し部が、センサ出力1上側出力部271とセンサ出力2上側出力部272であり、下方向の読み出し部が、センサ出力1下側出力部273とセンサ出力2下側出力部274である。
【0026】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられるセンサの構成を例示する模式平面図である。
図4に表したように、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置10は、図3に例示した複数の出力段を有するTDIセンサ230からなる、第1のセンサ210と第2のセンサ220を有している。
【0027】
第1のセンサ210は、複数の第1の画素211を有しており、また、センサ出力11を上方向に出力するセンサ出力11上側出力部261、センサ出力12を上方向に出力するセンサ出力12上側出力部262、及び、センサ出力11を下方向に出力するセンサ出力11下側出力部263、センサ出力12を下方向に出力するセンサ出力12下側出力部264、を有している。
【0028】
一方、第2のセンサ220は、複数の第2の画素221を有しており、また、センサ出力21を上方向に出力するセンサ出力21上側出力部265、センサ出力22を上方向に出力するセンサ出力22上側出力部266、及び、センサ出力21を下方向に出力するセンサ出力21下側出力部267、センサ出力22を下方向に出力するセンサ出力22下側出力部268、を有している。
【0029】
これら出力部261〜268は、被検査体150のスキャン方向に対応するTDIセンサ230の蓄積段方向(Y軸方向)に対応して、第1の画像データ171及び第2の画像データ181を、上方向、または、下方向から出力することができる。
【0030】
図5は、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる単独事象検出回路の構成を例示する模式図である。
図5に表したように、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置10に用いられる単独事象検出回路300は、第1の画像データ171を処理する、第1の周辺2×2画素出力部320、第1のレベル差算出部322、第1の最大・最小レベル差算出部324及び第1の単独事象判定回路326を有する。さらに、第2の画像データ181を処理する、第2の周辺2×2画素出力部330、第2のレベル差算出部332、第2の最大・最小レベル差算出部334及び第2の単独事象判定回路336を有する。
【0031】
そして、単独事象検出回路300には、第1の画像データ171、及び、図2に例示した画素ピッチ×Mの距離分、第2の画像データ181を遅延回路310で遅延したデータが入力される。そして、第1の画像データ171に第2の画像データ181で発生していない単独事象があるかどうかを検出して、第1の単独事象検出フラグ328を出力する。また、同様に、第2の画像データ181に第1の画像データ171で発生していない単独事象があるかどうかを検出して、第2の単独事象検出フラグ338を出力する。
【0032】
図6は、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる単独事象検出回路の動作を例示する模式図である。
図6は、第1の画像データ171の注目画素601と、第2の画像データ181の注目画素601の周辺2×2画素602と、を比較し、第1の画像データ171に発生している単独事象を第1の単独事象検出フラグ328として出力する方法を表している。また、同図は、第2の画像データ181の注目画素603と、第1の画像データ171の、注目画素603の周辺2×2画素604と、を比較し、第2の画像データ181に発生している単独事象を第2の単独事象検出フラグ338として出力する方法を表している。
【0033】
図6に表したように、第1の画像データ171に発生している単独事象を検出するには、最初に、第1の画像データ171の注目画素601と、注目画素601の画像の位置を中心とした第2の画像データ181の周辺2×2画素602の4個の画素の出力レベルの差を、第1の差算出部322で算出する。そして、第1の最大・最小レベル差算出部324により、第1の最大レベル差MAX1と、第1の最小レベル差MIN1と、を算出する。
【0034】
次に、第1の単独事象判定回路326により、予め設定された第1の最大しきい値よりも第1の最大レベル差MAX1が大きいか、が判定される。また、予め設定された第1の最小しきい値よりも第1の最小レベル差MIN1が小さいか、が判定される。そして、第1の最大レベル差MAX1と第1の最大しきい値との差、及び、第1の最小レベル差MIN1と第1の最小しきい値との差、の正負の符号が異なるか、同じか、が検出される。
そして、第1の論理績回路327によって、第1の最大レベル差MAX1のしきい値判定結果、及び、第1の最小レベル差MIN1のしきい値判定結果の論理和と、極性反転の結果との論理積を算出する。これにより、第1の最大レベル差MAX1と第1の最小レベル差MIN1のいずれかのしきい値判定の結果が有効で、かつ、第1の最大レベル差MAX1と第1の最大しきい値の差の符号、及び、第1の最小レベル差MIN1と第1の最小しきい値の差の符号、が同じ時に、第1の単独事象検出フラグ328が出力される。
【0035】
一方、第2の画像データ181に発生している単独事象を検出するには、最初に、第2の画像データ181の注目画素603と、注目画素603の画像の位置を中心とした第1の画像データ171の周辺2×2画素604の4個の画素の出力レベルの差を、第2の差算出部332で算出する。そして、第2の最大・最小算出部334により、第2の最大レベル差MAX2と、第2の最小レベル差MIN2と、を算出する。
次に、第2の単独事象判定回路336により、予め設定された第2の最大しきい値よりも第2の最大レベル差MAX2が大きいか、が判定される。また、予め設定された第2の最小しきい値よりも第2の最小レベル差MIN2が小さいか、が判定される。そして、第2の最大レベル差MAX2と第2の最大しきい値との差、及び、第2の最小レベル差MIN2と第2の最小しきい値との差、の正負の符号が異なるか、同じか、が検出される。
【0036】
そして、第2の論理績回路337によって、第2の最大レベル差MAX2のしきい値判定結果、及び、第2の最小レベル差MIN2のしきい値判定結果の論理和と、極性反転の結果との論理積を算出する。これにより、第2の最大レベル差MAX2と第2の最小レベル差MIN2のいずれかのしきい値判定の結果が有効で、かつ、第2の最大レベル差MAX2と第2の最大しきい値の差の符号、及び、第2の最小レベル差MIN2と第2の最小しきい値の差の符号、が同じ時に、第2の単独事象検出フラグ338が出力される。
【0037】
具体例を説明する。
図7〜図9は、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる単独事象検出回路の動作を例示する模式図である。
なお、図7〜図9では、説明を簡略化するため、第1の画像データ171に発生する第1の単独事象を検出する動作を例示しており、第2の画像データ181に発生する第2の単独事象を検出する動作は示されていないが、第2の単独事象の検出も第1の単独事象の検出と同様に行うことができる。
そして、図7は、放射線等による単独のノイズイベントがある場合の動作を例示し、図8は、被検査体150のパターンに検出されるべき欠陥がある場合の動作を例示し、図9は、画像の輝度が変化する被検査体150のパターンのエッジ部での動作を例示している。
【0038】
図7に表したように、第1のセンサ210によって被検査体150の光学像を得た時に、放射線等による単独事象(単独のノイズイベント)が発生し、第1の画像データ171には、周辺の画素よりも輝度が高いノイズイベント部620が発生している。一方、この放射線等によるノイズイベントは、第2のセンサ220によって被検査体150の光学像を得た時には発生しないため、第1の画像データ171のノイズイベント部620の位置に対応する第2の画像データ181の画素の輝度は、周辺の画素の輝度と同一である。
【0039】
このため、第1の画像データ171のノイズイベント部620の輝度と、ノイズイベント部620の位置に対応する、第2の画像データ181の周辺2×2画素602の輝度に、ノイズイベントによる輝度差が発生する。すなわち、周辺2×2画素602の4つの画素は、共に、ノイズイベント部620の輝度よりも相対的に低くなる。その結果、第1のレベル差算出部322と第1の最大・最小レベル差算出部324によって算出された第1の最大レベル差MAX1と第1の最小レベル差MIN1は、第1の単独事象判定回路326によって、両方共、しきい値よりも大きいと判定される。これにより、第1の論理績回路327の出力、すなわち、第1の単独事象検出フラグ328は「ON」となり、第1の画像データ171に発生し、第2の画像データ181には発生していない、単独事象(第1の単独事象)が検出される。
【0040】
一方、図8に表したように、被検査体150のパターンに欠陥がある場合は、第1の画像データ171及び第2の画像データ181の両方に、欠陥に起因した周囲よりも輝度が明るい欠陥部630が発生する。その結果、第1の最大レベル差MAX1は、第1の最大しきい値よりも大きいと判定され、第1の最小レベル差MIN1は、第1の最小しきい値よりも小さいと判定される。これにより、第1の単独事象検出フラグ328は「OFF」となる。
なお、この場合、第2の画像データ181の周辺2×2画素602の4つの画素の中には、欠陥部630が含まれていない場合があり、第1の最大レベル差MAX1はしきい値以上になるが、第1の最小レベル差MIN1は、零前後からマイナス側になり、しきい値以下となるため、単独事象として検出されることはない。
【0041】
また、図9に表したように、被検査体150のパターンのエッジ部640では、周辺の画素に比べて輝度の変化がある。この時、第1の画像データ171と、第2の画像データ181の周辺2×2画素602と、の間の第1の最大レベル差MAX1は第1の最大しきい値以上になる場合もあるが、第1の最小レベル差MIN1は、零前後からマイナス側になり、第1の最小しきい値以下となるため、単独事象として検出されることはない。このため、第1の単独事象検出フラグ328は「OFF」となる。
【0042】
このようにして、単独事象検出回路300によって、ノイズイベント部620を欠陥部630やエッジ部640と区別でき、放射線等による単独事象を検出することが可能となる。
なお、第2の画像データ181に発生した単独事象も、上記と同様の動作によって検出することができる。
【0043】
図10は、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる欠陥検出部の構成を例示する模式図である。
図10に表したように、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置10に用いられる欠陥検出部400は、第1の画像データ171及び第2の画像データ181を基にした平均化データ352(センサデータ178)と、参照データ522と、を比較して、被検査体150のパターン欠陥を検出する。欠陥検出部400は、第1の画像データ171及び第2の画像データ181を基にしたセンサデータ178(平均化データ352)と、参照データ522と、の位置合わせを行うアライメント回路410を有す。そして、さらに、レベル比較回路420、微分比較回路430等の、2組の画像データの比較を行う回路を有す。レベル比較回路420は、センサデータ178(例えば平均化データ352)と参照データ522との間のレベルの差を求め、その結果を所定のしきい値と比較判定して欠陥部を検出する機能がある。
【0044】
そして、図10に表したように、欠陥検出部400は、欠陥判定を行う欠陥判定回路440、450、及び、それらの論理和を算出する論理和回路460をさらに有す。そして、さらに、論理和回路460の結果と、第1、第2の単独事象検出フラグ328、338との論理積(AND)をとる論理積回路470を有す。
【0045】
これにより、欠陥判定回路440、450の結果と、第1、第2の単独事象欠陥フラグ328、338とのとの論理積が算出され、単独事象の場合に欠陥判定を無効にすることができる。すなわち、第1の画像データ171、第2の画像データ181の片方のみに現れる単独事象が発生した場合に、発生した単独事象を画素単位で除外することできる。
これにより、本実施形態に係るパターン欠陥検査装置10は、放射線等によるノイズを排除することで、欠陥検出能力の高いパターン欠陥検査装置が提供できる。
【0046】
ここで、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる微分比較回路430について説明する。
図11は、本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる微分比較回路の構成を例示する模式図である。
図11に表したように、微分比較回路430は、センサデータ178(例えば平均化データ352)を微分する微分回路431を有す。これにより、センサデータ178は、例えば、X方向、Y方向、+45°方向、−45°方向の合計4つの方向に空間微分され、セレクタ432に出力される。そして、微分比較回路430は、さらに、参照データ522からエッジ方向を検出するエッジ方向検出回路433、参照データ522から周辺画素のエッジ方向のデータを微分する周辺画素エッジ方向微分回路434、最大値検出回路435、及び、セレクタ432と最大値検出回路435の結果を比較演算する比較演算回路436を有す。
【0047】
これにより、微分比較回路430は、例えば、参照データ522からエッジ方向を検出し、そのエッジ方向と同一方向でセンサデータ178を微分した絶対値より、同一方向で微分した参照データ522から求めた周囲画素の微分値の絶対値の最大値を差し引き、その結果をしきい値と比較判定して欠陥部を検出することができ、微分比較データ438を出力する。そして、微分比較データ438が、図10に例示した欠陥判定回路450に入力され、欠陥の判定が行われる。
【0048】
(比較例)
以下、比較例について説明する。
図12は、比較例のパターン欠陥検査装置の構成を例示する模式図である。
図12に表したように、比較例のパターン欠陥検査装置91では、被検査体(フォトマスク)150の光学像を電気的な信号に変換するセンサ290と、センサ290から得られたセンサデータ(画像データ)に基づいて欠陥を検出する欠陥検出部400を備える。
【0049】
比較例の場合、センサ290は、1つのTDIセンサ230、または、1つのラインセンサからなり、センサ290により得られた画像データはAD変換され、センサデータ198となる。そして、このセンサデータ198が、欠陥検出部490と参照データ生成回路500に入力される。また、センサ290が1つのセンサから構成されるため、第1の実施形態の図1に例示した単独事象検出回路300及び平均化回路350は設けられていない。
【0050】
図13は、比較例のパターン欠陥検査装置に用いられる欠陥検出部の構成を例示する模式図である。
図13に表したように、比較例のパターン欠陥検査装置91に用いられる欠陥検出部490は、センサデータ198と参照データ522との位置合わせを行うアライメント回路410と、レベル比較回路420、微分比較回路430、欠陥判定回路440、450を有する。そして、第1の実施形態の図10で説明した論理積回路470は有していない。
【0051】
このように、比較例のパターン欠陥検査装置91は、センサ290が1つのセンサから構成されるため、放射線等に起因したノイズを排除することができず、検出した異常データが検出されるべき欠陥であるか、それともノイズであるのかが判別できないため、欠陥検出能力が劣る。また、センサの画素分解能は、センサ290を構成する画素ピッチで決まり、画素分解能を高めることはできない。
【0052】
なお、比較例のパターン欠陥検査装置91において、被検査体150を複数回検査すれば、放射線等に起因したノイズを排除することが可能であるが、検査時間が長くなるので現実的ではない。
【0053】
これに対し、第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置10では、センサ200として、複数のセンサを用いることにより、単独事象を検出でき、放射線等によるノイズに起因した単独事象を排除することができる。また、複数のセンサが、画素ピッチ/Nずれて配置されており、Nが2以上の整数の場合、センサの画素ピッチを実質的に高めることになり、センサの画素分解能が向上する。
【0054】
また、本実施形態のパターン欠陥検査装置10では、複数のセンサが、並列して、隣接して設けられているので、複数のセンサで得られた複数の画像データの比較が容易になり、欠陥の検出の効率が高まる。また、複数のセンサの画素の位置のずれが、画素ピッチのN(整数)分の1であるので、後述するように、例えば、画素の間のデータを補間して求める演算等のように、複数のセンサによる複数の画像データの演算処理が容易となる。そして、Nが2以上の整数の場合は、実効的な画素分解能をN倍に向上できる。
【0055】
なお、Nが無限大の整数である場合、第2の画素221のX軸方向の配列位置は、第1の画素211のX軸方向の配列位置と実質的に同じであり、両者にずれがないが、この場合にも単独事象の排除が可能であり、本実施形態の効果を発揮できる。すなわち、X軸方向の位置のずれがない場合にも、Y軸方向には、画素ピッチ×M(Mは技術的に可能な任意の整数)の距離離れて、第1の画素211と第2の221とは配置される。このため、被検査体150の特定部分を第1の画素211で撮像する時刻と第2の画素221で撮像する時刻には、画素ピッチ×Mの距離をスキャンする時間分の差があるため、単独事象が発生した場合でも、これを効率的に検出できる。
【0056】
また、第1の画素211と第2の画素221との位置関係は相互の関係であるので、本願明細書を通じて、「第1」と「第2」は入れ替えが可能である。
【0057】
(第2の実施の形態)
図14は、本発明の第2の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられるセンサの構成を例示する模式平面図である。
図14に表したように、本発明の第2の実施形態に係るパターン欠陥検査装置は、図3に例示した複数の出力段を有するTDIセンサ230からなる、第1のセンサ210と第2のセンサ220を有している。このセンサ部分以外は、第1の実施形態のパターン欠陥検査装置10と同様とすることができるので、説明を省略する。
【0058】
そして、第1のセンサ210の下側の読み出し部(センサ出力11下側出力部263とセンサ出力12下側出力部264)と第2のセンサ220の上側の読み出し部(センサ出力21上側出力部265とセンサ出力22上側出力部266)に接続されたマルチプレクサ(MUX)281、282を有している。すなわち、隣接して配置してある第1のセンサ210と第2のセンサ220の読み出し部が共通化されている。そして、各センサの出力は、必要に応じて切換えられ、センサデバイスが実装されているセンサパッケージの共通の信号出力ピンから、第1の画像データ212と第2の画像データ222が出力される。
【0059】
図15は、本発明の第2の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられるセンサの動作を例示する模式平面図である。
図15(a)に表したように、それぞれのセンサの出力を上方向(奥方向)201から読み出す場合は、第1のセンサ210の出力は、センサ出力11上側出力部261とセンサ出力12上側出力部262から読み出され、また第2のセンサ220の出力は、MUX281の出力部291、及び、MUX282の出力部292から読み出される。
【0060】
また、図15(b)に表したように、それぞれのセンサの出力を下方向(手前側)202から読み出す場合は、第1のセンサ210の出力は、MUX281の出力部291、及び、MUX282の出力部292から読み出し、第2のセンサ220の出力は、センサ出力21下側出力部267とセンサ出力22下側出力部268から読み出される。
【0061】
このように、本実施形態のパターン欠陥検査装置においては、第1のセンサ210の出力段(読み出し部)と、第2のセンサ220の出力段(読み出し部)に接続されたマルチプレクサ(MUX)281、282を有しているので、回路構成が簡単になり、回路ノイズが低減する。これにより、欠陥検出能力がさらに高いパターン欠陥検査装置を提供することができる。
【0062】
(第3の実施の形態)
図16は、本発明の第3の実施形態に係るパターン欠陥検査装置の構成を例示する模式図である。
第3の実施形態に係るパターン欠陥装置は、被検査体150の設計データから電気的に生成した参照データを用いて検査を行うDie to Database検査方法の装置である。
図16に表したように、第3の実施の形態に係るパターン欠陥検査装置30は、被検査体150の設計データ510をデータ展開するデータ展開回路520を有している。そして、参照データ生成回路501には、図1で例示したセンサデータ178の代わりに、データ展開回路520の出力であるデータ展開データ521が出力される。これ以外の部分は、図1に例示した第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置10と同様とすることができるので、説明を省略する。
【0063】
ここで、パターン欠陥検査方法について説明する。
図17は、本発明の実施形態に係るパターン欠陥検査装置の検査方法例示する模式図である。
図17(a)、(b)は、本発明の実施形態に用いられる、Die to Die検査方法(DD比較)とDie to Database検査方法(DB比較)の構成を、それぞれ例示している。
【0064】
図17(a)に表したように、Die to Die検査方法では、センサで得られたマスクパターン(被検査体150のパターン)の光学像と、同じパターンの繰り返し部分で得られたマスクパターンの光学像と、を比較して検査を行う。図1に例示したパターン欠陥検査装置10は、この方法を採用している。
一方、図17(b)に表したように、Die to Database検査方法では、センサで得られたマスクパターンの光学像と、マスクの設計データ510、すなわち、CAD(Computer Aided Design)データから電気的に生成した参照データと、を比較して検査を行う。図16に例示したパターン欠陥検査装置30は、この方法を採用している。
【0065】
このように、Die to Database検査方法を採用した本実施形態に係るパターン欠陥検査装置30も、Die to Die検査方法を採用したパターン欠陥検査装置10と同様に、センサの画素分解能を高め、また、放射線等によるノイズを排除することで、欠陥検出能力の高いパターン欠陥検査装置が提供できる。
【0066】
(第4の実施の形態)
図18は、本発明の第4の実施形態に係るパターン欠陥検査装置の構成を例示する模式図である。
図18に表したように、本発明の第4の実施形態に係るパターン欠陥検査装置40は、図1に例示した平均化回路350に代えて、補間回路360を有する。また、Die to Database検査方法を採用している。補間回路360以外は、図16に例示した第3の実施形態に係るパターン欠陥検査装置と同様なので説明を省略する。
【0067】
図19は、本発明の第4の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる補間回路の構成を例示する模式図である。
図19に表したように、本発明の第4の実施形態に係るパターン欠陥検査装置40に用いられる補間回路360は、遅延回路361、第1の画像データ171を補間する第1のXY方向補間回路363、第2の画像データ181を補間する第2のXY方向補間回路364、及び、これらのデータを補間する補間データマージ回路365を有する。第1の画像データ171は、第1のXY方向補間回路363に直接入力されるが、第2の画像データ181は、遅延回路361によって、図2に例示した2つのセンサの設置位置のY軸方向のずれM×画素ピッチの距離分、遅延されて、第2のXY方向補間回路364に入力される。そして、第1、第2のXY方向補間回路363、364の出力が、補間データマージ回路365に入力され、補間されたセンサデータ178が出力される。
【0068】
図20は、本発明の第4の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる補間回路の動作を例示する模式図である。
すなわち、図20(a)、(b)は、それぞれ、図19に例示した第1、第2のXY補間回路363、364において行われる補間方法を例示しており、図20(a)は、第1の画像データ171における2×2画素A〜Dの補間方法を例示し、1図20(b)は、第2の画像データ181における2×2画素E〜Hの補間方法を例示している。
【0069】
図20(a)、(b)に例示したように、第2の画像データ181は、M×画素ピッチの距離分、遅延回路361で遅延されているので、第1の画像データ171の2×2画素A〜Dと第2の画像データ181の2×2画素E〜Hの位置関係は、1/N画素分(ここでは1/2画素分)、XY方向にずれている。
【0070】
そして、第1の画像データ171の2×2画素A〜Dの中間の位置の画素ab、ac、bd、cdは、それぞれ、ab=(A+B)/2、ac=(A+C)/2、bd=(B+D)/2、cd=(C+D)/2により、2×2画素A〜Dの値のそれぞれ中間の値として算出する。
また、第2の画像データ181の2×2画素E〜Hの中間の位置の画素ef、eg、fh、ghは、それぞれ、ef=(E+F)/2、eg=(E+G)/2、fh=(F+H)/2、gh=(G+H)/2により、2×2画素E〜Hの値のそれぞれ中間の値として算出する。
【0071】
図21は、本発明の第4の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる補間回路におけるデータマージ方法を例示する模式図である。
図21の左側と中央の図は、図20(a)、(b)に例示した第1の画像データ171と第2の画像データ181の、それぞれの画素位置と補間データを示しており、図21の右側の図は、それぞれの補間データを重ね合わせた図である。そして、図21の右側の図において、画素A〜Dは、第1の画像データ171の画素の位置に対応し、画素E〜Hは、第2の画像データ181の画素の位置に対応する。
【0072】
図21に表したように、画素α、βは、第1の画像データの画素bd、cdに対応する位置であり、そして、第2の画像データの画素ef、egに対応する位置である。従って、画素α、βの補間データのマージ後の値は、第1、第2の画像データ171、181の補間データの平均の値として算出する。すなわち、α=(B+D+E+F)/4、β=(C+D+E+G)/4とする。
【0073】
図22は、本発明の第4の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる補間回路における補間方法とデータマージ方法の具体例を示す模式図である。
図22に表したように、第1、第2の画像データ171と181の補間は、図20で説明した方法で行い、第1、第2の画像データ171、181の補間データのマージは、図21で説明した方法で行う。そして、画素A=100、画素B=60、画素C=60、画素D=40、画素E=60、画素F=20、画素G=20、画素H=10の場合、画素αは、(B+D+E+F)/4=(60+40+60+20)/4=45となり、画素βは、(C+D+E+G)/4=(60+40+60+20)/4=45となる。
なお、図22の右側の図に例示した補間マージ後の空白の画素の部分は、第1の画像データ171の画素A〜Dの周囲の画素の値と、第2の画像データ181の画素E〜Hの周囲の画素の値から、上記と同様の方法によって算出することができる。
【0074】
以上説明した方法で、相対的に1/N画素(例えば1/2画素)ずらした位置に配置した2つのセンサのセンサデータを補間することで、光学分解能はそのままで、実効的な画素分解能が画素の分解能のN倍(例えば2倍)とする高画素分解能の画像を得ることが可能となる。これにより、光学系の倍率を上げることで生ずる光量の不足、センサ感度、動作速度が不足する問題を回避することができる。
【0075】
このように、本発明の第4の実施形態に係るパターン欠陥検査装置40では、補間回路360を設けることにより、通常の平均化回路350を用いた場合に比べて精度良く各画素間のデータを補間でき、センサの画素分解能をさらに高め、また、放射線等によるノイズを排除することで、欠陥検出能力のさらに高いパターン欠陥検査装置が提供される。
【0076】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置10においては、図5に例示したように単独事象検出回路300が周辺2×2画素のデータを取り扱うのに対し、本実施形態のパターン欠陥検査装置では、単独事象検出回路が周辺3×3画素のデータを取り扱うことが異なっている。そして、その他の部分は、第1の実施形態と同様とすることができるので、以下、単独事象検出回路についてのみ説明し、その他の部分については説明を省略する。
【0077】
図23は、本発明の第5の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる単独事象検出回路の構成を例示する模式図である。
図23に表したように、本発明の第5の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる単独事象検出回路301は、第1の画像データ171を処理する、第1の周辺3×3画素出力部321、第1のレベル差算出部322、第1の最大・最小レベル差算出部324及び第1の単独事象判定回路326を有する。さらに、第2の画像データ181を処理する、第2の周辺3×3画素出力部331、第2のレベル差算出部332、第2の最大・最小レベル差算出部334及び第2の単独事象判定回路336を有する。
【0078】
そして、単独事象検出回路301には、第1の画像データ171、及び、図2に例示したM×画素ピッチの距離分、第2の画像データ181を遅延回路310で遅延したデータが入力される。そして、第1の画像データ171に発生し、第2の画像データ181で発生していない第1の単独事象があるかどうかを検出して、第1の単独事象検出フラグ328を出力する。また、同様に、第2の画像データ181に発生し、第1の画像データ171で発生していない第2の単独事象があるかどうかを検出して、第2の単独事象検出フラグ338を出力する。
【0079】
図24は、本発明の第5の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる単独事象検出回路の動作を例示する模式図である。
図24は、第1の画像データ171の注目画素601と、第2の画像データ181の注目画素601の周辺3×3画素605と、を比較し、第1の単独事象を検出して第1の単独事象検出フラグ328として出力する方法を表している。また、同図は、第2の画像データ181の注目画素603と、第2の画像データ181の注目画素603の周辺3×3画素606と、を比較し、第2の単独事象を検出して第2の単独事象検出フラグ338として出力する方法を表している。
【0080】
図24に表したように、第1の画像データ171に発生している単独事象を検出するには、最初に、第1の画像データ171の注目画素601と、注目画素601の画像の位置を中心とした第2の画像データ181の周辺3×3画素605の9個の画素の出力レベルの差を、第1の差算出部322で算出する。そして、第1の最大・最小レベル差算出部324により、第1の最大レベル差MAX1と、第1の最小レベル差MIN1と、を算出する。
【0081】
次に、第1の単独事象判定回路326により、予め設定された第1の最大しきい値よりも第1の最大レベル差MAX1が大きいか、が判定される。また、予め設定された第1の最小しきい値よりも第1の最小レベル差MIN1が小さいか、が判定される。そして、第1の最大レベル差MAX1と第1の最大しきい値との差、及び、第1の最小レベル差MIN1と第1の最小しきい値との差、の正負の符号が異なるか、同じか、が検出される。
【0082】
そして、第1の論理績回路327によって、第1の最大レベル差MAX1のしきい値判定結果、及び、第1の最小レベル差MIN1のしきい値判定結果の論理和と、極性反転の結果との論理積を算出する。これにより、第1の最大レベル差MAX1と第1の最小レベル差MIN1のいずれかのしきい値判定の結果が有効で、かつ、第1の最大レベル差MAX1と第1の最大しきい値の差の符号、及び、第1の最小レベル差MIN1と第1の最小しきい値の差の符号、が同じ時に、第1の単独事象検出フラグ328が出力される。
【0083】
一方、第2の画像データ181に発生している単独事象を検出するには、最初に、第2の画像データ181の注目画素603と、注目画素603の画像の位置を中心とした第1の画像データ171の周辺3×3画素606の9個の画素の出力レベルの差を、第2の差算出部332で算出する。そして、第2の最大・最小算出部334により、第2の最大レベル差MAX2と、第2の最小レベル差MIN2と、を算出する。
【0084】
次に、第2の単独事象判定回路336により、予め設定された第2の最大しきい値よりも第2の最大レベル差MAX2が大きいか、が判定される。また、予め設定された第2の最小しきい値よりも第2の最小レベル差MIN2が小さいか、が判定される。そして、第2の最大レベル差MAX2と第2の最大しきい値との差、及び、第2の最小レベル差MIN2と第2の最小しきい値との差、の正負の符号が異なるか、同じか、が検出される。
【0085】
そして、第2の論理績回路337によって、第2の最大レベル差MAX2のしきい値判定結果、及び、第2の最小レベル差MIN2のしきい値判定結果の論理和と、極性反転の結果との論理積が算出される。これにより、第2の最大レベル差MAX2と第2の最小レベル差MIN2のいずれかのしきい値判定の結果が有効で、かつ、第2の最大レベル差MAX2と第2の最大しきい値の差の符号、及び、第2の最小レベル差MIN2と第2の最小しきい値の差の符号、が同じ時に、第2の単独事象検出フラグ338が出力される。
【0086】
このように、本実施形態のパターン欠陥検査装置では、単独事象検出回路301が周辺3×3画素のデータを取り扱うことによっても、単独事象が検出でき、センサの画素分解能を高め、また、放射線等によるノイズを排除することで、欠陥検出能力の高いパターン欠陥検査装置が提供される。
【0087】
このように、注目画素の周辺の周辺Q×Q画素(Qは2以上の整数)のデータにより、効果的に単独事象を検出することができる。
【0088】
なお、上に説明した実施形態では、2つのセンサを相対的に0.5画素(1/2画素)ずらしたセンサを用いて補間データを生成する方法を説明したが、相対的に1/N画素(Nは1以上の整数)ずらした複数のセンサを用いて補間データを生成しても良い。また、エリアセンサを用いた場合は、被検査体150のスキャン位置を画素ピッチの1/Nずらして得た2枚の画像を用いて補間データを生成しても良い。
【0089】
(第6の実施の形態)
図25は、本発明の第6の実施形態に係るパターン欠陥検査装置の構成を例示する模式図である。
図25に表したように、本発明の第6の実施形態に係るパターン欠陥検査装置60は、Die to Die検査方式の一例であり、また、第1の画像データ171と第2の画像データ181を補間する補間回路360を有している。そして、センサデータ178(補間データ362)は、参照データ生成回路500(データ遅延回路)に入力される。
【0090】
このように、補間回路360を有したDie to Die検査方式の本実施形態に係るパターン欠陥検査装置60でも、センサの画素分解能を高め、また、放射線等によるノイズを排除することで、欠陥検出能力の高いパターン欠陥検査装置が提供できる。
【0091】
(第7の実施の形態)
図26は、本発明の第7の実施形態に係るパターン欠陥検査方法を例示するフローチャート図である。
図26に表したように、本発明の第7の実施形態に係るパターン欠陥検査方法では、まず、第1の方向に沿って第1のピッチで配列した複数の第1の検出位置で、被検査体150の光学像155を検出して第1の画像データ212(171)を生成する(ステップS110)。すなわち、被検査体150の光学像155を撮像して、第1の画像データ212(171)を導出する。
これには、例えば、図2(a)、(b)に例示した、TDIセンサやラインセンサからなる第1のセンサ210を用いることができる。すなわち、第1のセンサ210の複数の第1の画素211の位置が、複数の第1の検出位置となる。そして、複数の第1の検出位置は、例えばX方向に一定の画素ピッチの距離で配列している。
【0092】
次に、上記の複数の第1の検出位置からみて第1の方向と略直交する第2の方向に並列して設けられ、第1の方向に沿って第1のピッチで配列し且つ第1の方向において上記の第1の検出位置から上記の第1ピッチの1/N(Nは1以上の整数)だけずれた位置に配置された複数の第2の検出位置で、被検査体150の光学像155を検出して第2の画像データ222(181)を生成する(ステップS120)。すなわち、被検査体150の光学像155を撮像して、第2の画像データ222(181)を導出する。
これには、同様に、TDIセンサやラインセンサからなる第2のセンサ220を用いることができる。すなわち、第2のセンサ220の複数の第2の画素221の位置が、複数の第2の検出位置となる。これにより、複数の第2の検出位置は、第1の検出位置と、1/N画素ピッチずれた位置となる。
【0093】
そして、第1の画像データ212(171)及び第2の画像データ222(181)に基づいて、被検査体150の欠陥を検出する(ステップS130)。
この際、上記で説明したDie to Die検査方法(DD比較)とDie to Database検査方法(DB比較)を用いることができ、また、第1、第2の画像データ171、181の平均化データ352や補間データ362を用いることができる。また、第1、第2の画像データ171、181のいずれかのみに発生する単独事象を除外して検査を行うことができる。
【0094】
これにより、本実施形態のパターン欠陥検査方法によって、センサの画素分解能を高め、また、放射線等によるノイズを排除することで、欠陥検出能力の高いパターン欠陥検査方法が提供される。
【0095】
なお、図26に例示したステップS110とステップS120の順序は任意であり、また、ステップS110とステップS120とを同時に行うこともできる。
【0096】
また、上記の第2の検出位置は、第1の検出位置から、上記の第2の方向(第1の検出位置の配列方向(X軸方向)と実質的に直交する方向(Y方向))に、第1のピッチ×(M+1/N)の距離(Mは任意の整数)ずれた位置に配置することができる。
【0097】
(第8の実施の形態)
図27は、本発明の第8の実施形態に係るパターン欠陥検査方法で行われる単独事象の検出方法を例示するフローチャート図である。
既に説明したように、単独事象とは、第1の画像データ171に発生し第2の画像データ181には発生しない第1の単独事象と、第2の画像データ181に発生し第1の画像データ171には発生しない第2の単独事象と、のことであるが、以下では、第1の単独事象について説明する。
【0098】
図27に表したように、本発明の第8の実施形態に係るパターン欠陥検査方法で行われる単独事象の検出方法では、まず、2つの画像データの一方を遅延する(ステップS210)。ここでは、第2の画像データ181を遅延する。この際、図2に例示した画素ピッチ×Mの距離分、第2の画像データ181を遅延する。
【0099】
そして、第1の画像データ171の注目画素601と、注目画素601の画像の位置を中心とした第2の画像データ181の周辺Q×Q画素602と、の出力レベルの差を算出する(ステップS220)。
ここで、Qは2以上の整数であり、例えば、Qが2の時のデータ処理は、図5と図6で説明したように実施され、Qが3の時のデータ処理は、図23と図24で説明したように実施される。
【0100】
そして、第1の最大レベル差MAX1と第1の最小レベル差MIN1とを算出する(ステップS230)。
【0101】
そして、予め設定された第1の最大しきい値に対する第1の最大レベル差MAX1の大小を判定し、また、予め設定された第1の最小しきい値に対する第1の最小レベル差MIN1の大小を判定する(ステップS240)。
そして、第1の最大レベル差MAX1と第1の最大しきい値との差、及び、第1の最小レベル差MIN1と第1の最小しきい値との差、の正負の符号が異なるか、同じか、も検出する。
【0102】
そして、第1の最大レベル差MAX1のしきい値判定結果、及び、第1の最小レベル差MIN1のしきい値判定結果の論理和と、極性反転の結果との論理積を算出する(ステップS250)。
これにより、第1の最大レベル差MAX1と第1の最小レベル差MIN1のいずれかのしきい値判定の結果が有効で、かつ、第1の最大レベル差MAX1と第1の最大しきい値の差の符号、及び、第1の最小レベル差MIN1と第1の最小しきい値の差の符号、が同じ時に、第1の単独事象が検出される。
また、第2の単独事象についても、上記と同様の方法で検出できる。
【0103】
これにより、本実施形態のパターン欠陥検査方法により、効率的に放射線等によるノイズを排除することができ、欠陥検出能力の高いパターン欠陥検査方法が提供される。
【0104】
なお、図27に例示したステップS210〜ステップS250の順序は、技術的に可能な限り任意であり、ステップS210〜ステップS250のいずれか2つ以上を同時に行うこともできる。
【0105】
(第9の実施の形態)
図28は、本発明の第9の実施形態に係るパターン欠陥検査方法で行われる画像データの補間方法を例示するフローチャート図である。
図28に表したように、本発明の第9の実施形態に係るパターン欠陥検査方法で行われる画像データの補間方法では、まず、第1の画像データ171から補間データを得る(ステップS310)。これには、例えば、図20で例示した方法を用いることができる。
【0106】
そして、第2の画像データ181から補間データを得る(ステップS320)。これにも、例えば、図20で例示した方法を用いることができる。
【0107】
そして、これら第1の画像データ171より得られた補間データと第2の画像データ181より得られた補間データをマージする(ステップS330)。これには、例えば、図21で例示した方法を用いることができる。
【0108】
これにより、本実施形態に係るパターン欠陥検査方法により、精度良く各画素間(検出位置間)のデータを補間でき、センサの画素分解能を高めることができ、欠陥検出能力の高いパターン欠陥検査装置が提供される。
【0109】
なお、以上説明した本発明の実施形態のパターン欠陥検査装置及び検査方法は、半導体装置に用いられるフォトマスクだけではなく、MEMS( Micro-electro-mechanical System)や磁性体素子などの種々の微細構造体の製造に用いられる種々のフォトマスクのパターン欠陥の検査に用いることができる。
【0110】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、パターン欠陥検査装置及び検査方法を構成する各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述したパターン欠陥検査装置及び検査方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのパターン欠陥検査装置及び検査方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置の構成を例示する模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられるセンサの構成を例示する模式平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられるセンサの構成を例示する模式平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられるセンサの構成を例示する模式平面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる単独事象検出回路の構成を例示する模式図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる単独事象検出回路の動作を例示する模式図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる単独事象検出回路の動作を例示する模式図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる単独事象検出回路の動作を例示する模式図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる単独事象検出回路の動作を例示する模式図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる欠陥検出部の構成を例示する模式図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる微分比較回路の構成を例示する模式図である。
【図12】比較例のパターン欠陥検査装置の構成を例示する模式図である。
【図13】比較例のパターン欠陥検査装置に用いられる欠陥検出部の構成を例示する模式図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられるセンサの構成を例示する模式平面図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられるセンサの動作を例示する模式平面図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係るパターン欠陥検査装置の構成を例示する模式図である。
【図17】本発明の実施形態に係るパターン欠陥検査装置の検査方法例示する模式図である。
【図18】本発明の第4の実施形態に係るパターン欠陥検査装置の構成を例示する模式図である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる補間回路の構成を例示する模式図である。
【図20】本発明の第4の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる補間回路の動作を例示する模式図である。
【図21】本発明の第4の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる補間回路におけるデータマージ方法を例示する模式図である。
【図22】本発明の第4の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる補間回路における補間方法とデータマージ方法の具体例を示す模式図である。
【図23】本発明の第5の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる単独事象検出回路の構成を例示する模式図である。
【図24】本発明の第5の実施形態に係るパターン欠陥検査装置に用いられる単独事象検出回路の動作を例示する模式図である。
【図25】本発明の第6の実施形態に係るパターン欠陥検査装置の構成を例示する模式図である。
【図26】本発明の第7の実施形態に係るパターン欠陥検査方法を例示するフローチャート図である。
【図27】本発明の第8の実施形態に係るパターン欠陥検査方法で行われる単独事象の検出方法を例示するフローチャート図である。
【図28】本発明の第9の実施形態に係るパターン欠陥検査方法で行われる画像データの補間方法を例示するフローチャート図である。
【符号の説明】
【0112】
10、30、40、60、91 パターン欠陥検査装置
110 レーザ光源
120 照明光学系
122 照明光
130 照明部
140 結像光学系
150 被検査体(フォトマスク)
155 光学像
160 XYテーブル
170 第1のAD変換回路
171、212 第1の画像データ
178、198 センサデータ
180 第2のAD変換回路
181、222 第2の画像データ
200、290 センサ
201 上方向(奥方向)
202 下方向(手前方向)
210 第1のセンサ
211 第1の画素
213 第1の画像デジタルデータ
220 第2のセンサ
221 第2の画素
223 第2の画像デジタルデータ
230 TDIセンサ
231 受光部(画素)
232 垂直転送レジスタ
233、234 水平転送レジスタ
250 第1のラインセンサ(第1のセンサ)
251 第1のラインセンサ画素(第1の画素)
252 第2のラインセンサ(第2のセンサ)
253 第2のラインセンサ画素(第2の画素)
261〜268、271〜274 出力部
281、282 マルチプレクサ(MUX)
291、292 出力
300、301 単独事象検出回路
302 単独事象データ(単独事象検出フラグ)
310 遅延回路
320 第1の周辺2×2画素出力部
321 第1の周辺3×3画素出力部
322 第1のレベル差算出部
324 第1の最大・最小レベル差算出部
326 第1の単独事象判定回路
327 第1の論理績回路
328 第1の単独事象転出フラグ
330 第2の周辺2×2画素出力部
331 第2の周辺3×3画素出力部
332 第2のレベル差算出部
334 第2の最大・最小レベル差算出部
336 第2の単独事象判定回路
337 第2の論理績回路
338 第2の単独事象転出フラグ
350 平均化回路
352 平均化データ
360 補間回路
361 遅延回路
363 第1のXY方向補間回路
364 第2のXY方向補間回路
365 補間データマージ回路
400、490 欠陥検出部
410 アライメント回路
420 レベル比較回路
430 微分比較回路
431 微分回路
432 セレクタ
433 エッジ方向検出回路
434 周辺画素エッジ方向微分回路
435 最大値検出回路
436 比較演算回路
438 微分比較データ
440、450 欠陥判定回路
460 論理和回路
470 論理積回路
480 パターン欠陥検査結果
500、501 参照データ生成回路
510 設計データ
520 データ展開回路
521 データ展開データ
522 参照データ
530 レーザ干渉計
532 位置データ
601、603 注目画素
602、604 周辺2×2画素
605、606 周辺3×3画素
620 ノイズイベント部
630 欠陥部
640 エッジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に沿って第1の画素ピッチで配列した複数の第1の画素を有し、被検査体の光学像を電気的な画像信号に変換して第1の画像データを出力する第1のセンサと、
前記第1のセンサからみて前記第1の方向と略直交する第2の方向に並列して設けられ、前記第1の方向に沿って前記第1の画素ピッチで配列し且つ前記第1の方向において前記第1の画素の配列位置から前記第1の画素ピッチの1/N(Nは1以上の整数)だけずれた位置に配置された複数の第2の画素を有し、前記被検査体の光学像を電気的な画像信号に変換して第2の画像データを出力する第2のセンサと、
前記第1の画像データ及び前記第2の画像データに基づいて前記被検査体の欠陥を検出する欠陥検出部と、
を備えたことを特徴とするパターン欠陥検査装置。
【請求項2】
前記第2の画素は、前記第1の画素の配置位置から、前記第2の方向に、前記第1の画素ピッチ×(M+1/N)(Mは任意の整数)だけずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載のパターン欠陥検査装置。
【請求項3】
前記第1の画像データに発生し前記第2の画像データには発生しない第1の単独事象を検出し、前記第2の画像データに発生し前記第1の画像データには発生しない第2の単独事象を検出する単独事象検出回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のパターン欠陥検査装置。
【請求項4】
前記欠陥検出部は、前記第1の単独事象の検出結果と、前記第2の単独事象の検出結果と、前記第1の画像データの第1の欠陥検出結果と、前記第2の画像データの第2の欠陥検出結果と、の論理績を導出する論理績回路を有することを特徴とする請求項3記載のパターン欠陥検査装置。
【請求項5】
前記第1のセンサと前記第2のセンサは、TDIセンサであり、前記第1の画像データと前記第2の画像データは、共通の出力端子から出力可能とされたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のパターン欠陥検査装置。
【請求項6】
前記第1のセンサの第1の読み出し部と、前記第2のセンサの第2の読み出し部と、に接続されたマルチプレクサをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のパターン欠陥検査装置。
【請求項7】
前記第1の画像データと前記第2の画像データとを用いて、前記第1の画素の間と、前記第2の画素の間と、の補間データを求めるデータ補間回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のパターン欠陥検査装置。
【請求項8】
第1の方向に沿って第1のピッチで配列した複数の第1の検出位置で被検査体の光学像を検出して第1の画像データを生成し、
前記複数の第1の検出位置からみて前記第1の方向と略直交する第2の方向に並列して設けられ、前記第1の方向に沿って前記第1のピッチで配列し且つ前記第1の方向において前記第1の検出位置から前記第1のピッチの1/N(Nは1以上の整数)だけずれた位置に配置された複数の第2の検出位置で前記被検査体の光学像を検出して第2の画像データを生成し、
前記第1の画像データ及び前記第2の画像データに基づいて前記被検査体の欠陥を検出することを特徴とするパターン欠陥検査方法。
【請求項9】
前記第2の検出位置は、前記第1の検出位置から、前記第2の方向に、前記第1のピッチ×(M+1/N)(Mは任意の整数)だけずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項8記載のパターン欠陥検査方法。
【請求項10】
前記欠陥の検出は、前記第1の画像データに発生し前記第2の画像データには発生しない第1の単独事象と、前記第2の画像データに発生し前記第1の画像データには発生しない第2の単独事象と、を除外することを含むことを特徴とする請求項8または9に記載のパターン欠陥検査方法。
【請求項11】
前記欠陥の検出は、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを用いて補間された補間データを用いて行うことを含むことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1つに記載のパターン欠陥検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−293957(P2009−293957A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145032(P2008−145032)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】