説明

三次元集積回路を作製する方法

【課題】集積回路を作製する新規なタイプの方法を提供する。
【解決手段】少なくとも第3の層がその間に配置された、少なくとも半導体の第1および第2の層を備える基板を作製するステップと、少なくとも第1のMOSデバイスを作製するステップであって、その活性領域が半導体の第1の層の少なくとも一部に形成される、ステップと、少なくとも第2のMOSデバイスを作製するステップであって、その活性領域が半導体の第2の層の少なくとも一部に形成され、第2のMOSデバイスの活性領域が第2のMOSデバイスのゲートと第1のMOSデバイスの活性領域との間に配置される、ステップとを少なくとも含む、集積電子回路を作製する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば単結晶の半導体材料から作製されたMOSデバイスを備え得る、たとえばCMOSタイプの三次元集積電子回路を作製する方法に関する。
【0002】
本発明は具体的には、MOSトランジスタ、またはフラッシュタイプのメモリセルを備える集積回路の作製に適用される。
【背景技術】
【0003】
半導体の単一の層から作製される従来型の集積回路と比較して、三次元集積回路、すなわちMOSトランジスタなど、電子デバイスがいくつか積層されたレベルを備えるものは、集積回路内の電子デバイスの集積化密度を増加し、また電子構成要素に接続された電気接続における信号の平均伝播時間を短縮することを可能にする。
【0004】
このような三次元集積回路は、様々なレベルの平行した集積化によって得ることができる。このような平行した集積化は、平行してかつ別々に、様々な基板からの集積回路の様々なレベルを実装し、次いでそれらを上下に接合することからなる。基板の間の接合は、トランジスタの活性領域のケイ化をもたらした後に、またはそれぞれの基板上の電気接続の第1の電気接続のレベルをもたらした後に実施することができる。様々な基板に共通の電気接続は、基板を一緒に接合した後に行われる。
【0005】
特許文献1(米国特許第6624046号)は、このような平行した集積化を実施することによって得られる三次元回路について述べている。異なる基板から別々に複数の回路が製造され、次いで積層され、垂直電気接続によって一緒に接続される。それぞれの新しい回路層は、先に作製された回路の積層体に移転され、積層体上に先に画定された電気的コンタクト領域に対向して新しい回路層を通って孔が形成される。次いでこの新しい回路層と、積層体の残りとの間の電気接続を作成するために、これらの孔の中に導電性材料が堆積される。
【0006】
このような平行した集積化時には、一定の数のリソグラフィレベルによって作製された電子構成要素を備える第2の基板の移転は、したがってやはり複数のリソグラフィレベルによって作製された電子構成要素を備える第1の基板上に移転される。したがって2つの基板を接合するステップは、第2の基板上に画定されたパターン(電子デバイス、電気的コンタクト領域など)が第1の基板上に画定されたパターンに対して適切に位置決めされるように、これら2つの基板を互いに対して整列することによって行われる。しかしこのような接合時の現在の整列性能は数ミクロンに限定され、それによりたとえば回路の密集領域での局所的電気接続を作成するのに、このような平行した集積化に頼れる可能性は排除される。
【0007】
したがってこのような手法を用いて達成することができる集積回路における電子デバイスの集積化の密度は限定される。
【0008】
これらの整列の問題に対する1つの解決策は、集積回路の電子構成要素の様々なレベルの順次的な集積化によって集積回路を作製することからなる。この場合、様々なレベルの電子デバイスは、順々に作製される。第1のレベルのトランジスタはたとえば、バルクまたはSOI(シリコンオンインシュレータ)タイプの第1の基板から常法により得られる。第2のレベルのトランジスタは、第1のレベルのトランジスタ上に移転された(特許文献2(仏国特許第2896620号)および特許文献3(米国特許出願公開第2008/0054359号)に記載のように)、または第1のレベルのトランジスタを保護する誘電体材料を貫通して形成された開口を通じてもたらされたエピタキシ(または再結晶化された多結晶堆積)(特許文献4(米国特許第4472729号)または特許文献5(米国特許出願公開第2009/0020817号)に記載のように)、によって得られる半導体材料の層から作製される。
【0009】
特許文献2では、集積回路は、シリコン基板から作製されたNMOSトランジスタを覆う平坦化された誘電体材料上にゲルマニウムの層を移転することによって得られるNMOSトランジスタ上への、PMOSトランジスタの積層を含む。次いでPMOSトランジスタは、ゲルマニウムの層内に実装される。2つのレベルのトランジスタの間の容量結合は、ここでは誘電体材料の平坦化の一様性に依存する。電気的コンタクトの作製時にエッチングされるべき誘電体の厚さは、下側レベルに対してよりも、上側レベルに対してはおよそ2倍大きい。しかしこれは上側レベルの電気的コンタクト領域の劣化、または下側レベルに対するエッチングの不足を生じ得る。1つの解決策は、電気的コンタクトを複数のステップで作成することからなり、これはそれにしたがって製造コストが増加する。
【0010】
集積回路が順次的な集積化によって作製される場合、1つまたは複数の上側レベルの電子デバイスの作製は、1つまたは複数の下側レベルの電子デバイスを劣化させないように、減少されたサーマルバジェット(thermal budgets)を伴わなければならない。
【0011】
これら複数のレベルのトランジスタの様々な集積化はまた、作製される電気接続レベルの輻輳に直面する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6624046号
【特許文献2】仏国特許第2896620号
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0054359号
【特許文献4】米国特許第4472729号
【特許文献5】米国特許出願公開第2009/0020817号
【特許文献6】仏国特許第2848725号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Y. Bogumilowiczら、「Chemical vapour etching of Si, SiGe and Ge with HCI; applications to the formation of thin relaxed SiGe buffers and to the revelation of threading dislocations」、Semicond. Science & Technology、(20) 2005年、127〜134頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の1つの目的は、集積回路の電気接続レベルの作製時の整列、遵守すべきサーマルバジェット、および誘電体のエッチングの問題がない三次元集積回路の作製を可能にし、従来技術の集積回路を作製する方法を用いたときに直面する電気接続レベルの輻輳の問題を克服することを可能にする、集積回路を作製する新規なタイプの方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的のために本発明は、
少なくとも材料の第3の層がその間に配置された、少なくとも半導体の第1および第2の層を備える基板を作製するステップと、
その活性領域が半導体の第1の層の少なくとも一部に形成される、少なくとも第1のMOSデバイスを作製するステップと、
少なくとも第2のMOSデバイスを作製するステップであって、その活性領域は半導体の第2の層の少なくとも一部に形成され、第2のMOSデバイスの活性領域は第2のMOSデバイスのゲートと第1のMOSデバイスの活性領域の間に配置される、ステップと
を少なくとも含む、集積電子回路を作製する方法を提案する。
【0016】
本発明は、
少なくとも材料の第3の層がその間に配置された、少なくとも半導体の第1および第2の層を備える基板を作製するステップと、次いで
その活性領域が半導体の第1の層の少なくとも一部に形成される、少なくとも第1のMOSデバイスを作製するステップと、次いで
少なくとも第2のMOSデバイスを作製するステップであって、その活性領域は半導体の第2の層の少なくとも一部に形成され、第2のMOSデバイスの活性領域は第2のMOSデバイスのゲートと第1のMOSデバイスの活性領域の間に配置される、ステップと
を少なくとも含む、集積電子回路を作製する方法を提案する。
【0017】
本発明によれば、少なくとも2つのレベルのMOSデバイスは、MOSデバイスの活性領域(MOSトランジスタのソース、ドレイン、およびチャネルに対応する)を作製するように働く少なくとも2つの半導体の層を備える、基板の両側に作製される。
【0018】
したがってこのような方法は、たとえばMOSデバイスが互いに独立に作製され次いで互いに電気的に接続される場合、または第1のMOSデバイスが基板内に作製され次いで第1のMOSデバイスの上に第2のMOSデバイスが作製される場合に、様々なレベルのデバイスの平行した集積化時に直面する整列の問題を克服することを可能にする。さらに、基板の両側上に2つのレベルのMOSデバイスが作製されることを考えれば、電気接続も基板の両側上に作製することができ、それにより、これらの電気接続を作成するためにエッチングされるべき材料の厚さに関係する問題、および電気接続レベルの輻輳に関係する問題が解決される。
【0019】
最後に、順次的なタイプであるがこの方法は、サーマルバジェットに関して三次元でない集積回路に近い特性を有する各レベルのMOSデバイスを作製することを可能にする。
【0020】
2つのMOSデバイスの活性領域の間の距離、すなわちこれら2つのMOSデバイスの間の結合は、第3の層の選択された厚さによって選ばれる。
【0021】
第2のMOSデバイスの活性領域は、第2のMOSデバイスのゲートと第1のMOSデバイスの活性領域の間に配置され、これらの要素は同じ軸に沿って配置される。
【0022】
ここでは方法は2つのMOSデバイスを作製するものとして述べられるが、方法は有利には、複数の第1のMOSデバイスを備える第1のレベルのMOSデバイスと、複数の第2のMOSデバイスを備える第2のレベルのMOSデバイスとを作製するために実施される。
【0023】
第1および第2のMOSデバイスは、一方はNMOSタイプ、他方はPMOSタイプである相補的な導電性を有することができる。
【0024】
半導体の第1および第2の層の材料は、単結晶とすることができる。それによりMOSデバイスは、非常に良好な電気性能および低い電気消費を有することができる。
【0025】
半導体の第1の層、半導体の第2の層、および材料の第3の層は、エピタキシによって作製された単結晶半導体をベースとすることができる。このような構成ではこれら3つの層の材料は、同じ結晶方位を有する。さらに、一様性の問題を生じる堆積と化学機械的平坦化のステップを含みしたがってデバイス内に制御できない容量結合を生じる従来技術の方法と異なり、これらの層のそれぞれの厚さは完全に制御される。
【0026】
他の変形形態ではこれら3つの層は、多結晶半導体材料から構成することができる。このような変形形態は、具体的にはTFT(薄膜トランジスタ)タイプのトランジスタの作製を想定することができる。
【0027】
第3の層は、少なくともSiGeまたは多孔質シリコンから構成することができる。
【0028】
一変形形態では第3の層は、誘電体材料たとえば二酸化シリコンから構成されるものとすることが可能である。この場合はこの第3の層は、2つの誘電体層の分子結合の結果とすることができる。
【0029】
第1のMOSデバイスが作製されるときは、半導体の第1の層、および第3の層は、第1のMOSデバイスの活性領域に対応する同じパターンに従ってエッチングすることができる。
【0030】
第1のMOSデバイスが作製されるときは、半導体の第1および第2の層、および第3の層は、第1および第2のMOSデバイスの活性領域に対応する同じパターンに従ってエッチングすることができる。それにより第1および第2のトランジスタは、自己配列された活性領域を備える。
【0031】
方法はまた、第2のMOSデバイスが作製されるときに、
第1のMOSデバイスの活性領域に対応するパターンに従ってエッチングされた第3の層の残存部分を取り除くステップと、
少なくとも第1および第2のMOSデバイスの活性領域の間に、誘電体材料を堆積するステップと
の実施を含むことができる。
【0032】
この場合は第3の層は、たとえばこの犠牲材料を取り囲むMOSデバイスの横方向分離を形成する、誘電体材料に対して選択的にエッチングされ得る犠牲材料として働く。
【0033】
第3の層の残存部分を取り除くことにより、2つのMOSデバイスの第2のチャネルの間に配置された空洞が得られる。この空洞内に、誘電体材料(高Kまたはそうでないもの)、またはフローティングゲート(たとえば、CVDによって堆積することができる高K誘電体およびTiNから構成される)、またはそれによりフラッシュメモリを形成するONO(酸化物−窒化物−酸化物)積層体を配置することが可能であり、かつ/またはMOSデバイスの閾値電圧の調整を生じることが可能になる。
【0034】
方法はまた、第2のMOSデバイスが作製されるときに、
第1のMOSデバイスの活性領域に対応するパターンに従ってエッチングされた第3の層の残存部分を取り除くステップと、
第1および第2のMOSデバイスの活性領域の間に、2つの誘電体材料の部分の間に配置された導電性材料の一部分を備える積層体を作製するステップと
の実施を含むことができる。
【0035】
このようにして第1および第2の重ね合わされたMOSデバイスであって、これら2つのMOSデバイスの後ろからの制御を達成することを可能にするフローティングゲートを形成する電極を備えたMOSデバイスを作製することができる。このような導電性材料の一部分はまた、2つのMOSデバイスの間の容量結合を局所的に阻止することを可能にする。
【0036】
MOSデバイスは、トランジスタとすることができる。
【0037】
方法はまた、第2のMOSデバイスが作製されるときに、
第1のMOSデバイスの活性領域に対応するパターンに従ってエッチングされた第3の層の残存部分を取り除くステップと、
第1および第2のMOSデバイスの活性領域の間に、2つの誘電体材料の部分の間に配置された電荷の保持をもたらすことができる材料の一部分を備えるメモリ積層体を作製するステップと
の実施を含むことができ、第1および第2のMOSデバイスはメモリセルを形成することができる。
【0038】
この場合はメモリセルは、フラッシュタイプのものとすることができる。
【0039】
方法はまた、第1および第2のMOSデバイスを作製するステップの間に、
少なくとも第1のMOSデバイスを覆う誘電体材料を堆積するステップと、
前記誘電体材料を、第2の基板に対して固定するステップと
を含むことができる。
【0040】
誘電体材料を第2の基板に対して固定するステップは、第1のトランジスタの活性領域内に注入されたドーパントの熱的活性化の後に行うのが有利である。
【0041】
方法はまた、第2のMOSデバイスを作製するステップの後に、
第2のMOSデバイスを覆う誘電体材料を堆積するステップと、
少なくとも第2のMOSデバイスを覆う誘電体材料内に、少なくとも第1の電気接続のレベルと、前記第2のMOSデバイスを前記第1の電気接続レベルに電気的に接続する1つまたは複数のビアとを作製するステップであって、前記第2のMOSデバイスは前記第1の電気接続レベルと前記第1のMOSデバイスの間に配置される、ステップと
を含むことができる。
【0042】
「ビア」という用語は、たとえばMOSデバイスを、1つの電気接続レベルまたは2つの電気接続レベルに接続する垂直の電気接続を指す。ここでは1つまたは複数の第1の電気接続レベル、すなわち第2のトランジスタの上に配置された1つまたは複数の重ね合わされた電気接続レベルが作製される。
【0043】
方法はまた、第1の電気接続レベルを作製するステップの後に、
第2のMOSデバイスを覆う誘電体材料を、第3の基板に対して固定するステップと、
第2の基板を取り除くステップと、
少なくとも第1のMOSデバイスを覆う誘電体材料内に、少なくとも第2の電気接続レベルと、第1のMOSデバイスを第2の電気接続レベルに電気的に接続する1つまたは複数のビアとを作製するステップであって、第1のMOSデバイスは第2の電気接続レベルと第2のMOSデバイスの間に配置される、ステップと
を含むことができる。
【0044】
ここでは1つまたは複数の第2の電気接続レベル、すなわち第1のトランジスタの上に配置された1つまたは複数の重ね合わされた電気接続レベルが作製される。
【0045】
第1および第2のMOSデバイスに電気的に接続される電気接続レベルは、2つのMOSデバイスの活性領域を形成した後に作製される。したがって2つのMOSデバイスを作製するのに関係するサーマルバジェットは、これらの接続の存在のために制限されない。
【0046】
第1のMOSデバイスに電気的に接続される電気接続レベルは、第2の基板上への移転をもたらす前に作製することが可能である。この場合は第2のMOSデバイスの作製時のサーマルバジェットは、たとえば約500℃未満に制限される。
【0047】
また、第1および第2のMOSデバイスに電気的に接続された電気接続レベルを同時に作製することが可能である。
【0048】
また、第1の基板上への移転をもたらす前に、第1のMOSデバイスに電気的に接続された電気接続レベルの一部を作製することが可能である。第1のMOSデバイスに電気的に接続された電気接続レベルのこの部分は、接触されるべき領域のケイ化をもたらし、次いでケイ化された領域に接続された電気的コンタクトを作製することからなるものとすることができる。「金属1」レベルは、電気接続レベルを取り囲むことを目的とする材料(たとえばSiO)に対して、選択的にエッチングすることができる材料(たとえばSi)の堆積によって置き換えられる。第2のレベル(「金属2」)の接続が行われるときは、選択的エッチング可能な材料を除去し、それを銅などの導電性材料で置き換えるために、十分に広いビアが作製される。このような構成は、単一の電気接続レベルが第1のMOSデバイスに電気的に接続されるときに作製することができる。
【0049】
第2の基板を取り除くステップは、第1のMOSデバイスにそれを終了するためにアクセスすることを可能にし、たとえば第1のMOSデバイスのソースおよびドレイン領域のケイ化をもたらす。それによりこれらのケイ化された領域は、2つのMOSデバイスを作製するために関係するサーマルバジェットを制限しない。
【0050】
第3の層は、異なる厚さの領域を備えることができ、それにより方法が複数の第1のMOSデバイスおよび複数の第2のMOSデバイスを作製するステップを含む場合に、上下に作製された第1および第2のMOSデバイスの活性領域の間の距離が、第3の層の異なる厚さに対応することができる。したがって互いに異なるように結合されたMOSデバイスを備える集積回路を作製することが可能である。具体的には、想定される用途に従って様々なMOSデバイスの閾値電圧を調整することが可能である。それにより、閾値電圧を低減することによって必要な電力が少ない用途に適した集積電子回路を作製すること、または反対に閾値電圧を増加することによってより大きな電力の用途に適した集積電子回路を作製することが可能である。
【0051】
異なる厚さを有する領域を備える第3の層は、第2の半導体層上に第3の層の材料のエピタキシの複数の引き続くステップを実施することによって得ることができ、それらのステップ時には第3の層の異なる厚さの領域を形成するために、エピタキシャル成長された層上にマスクが作製される。
【0052】
第1および/または第2のMOSデバイスがPMOSタイプの場合は、第1および/または第2のPMOSデバイスの作製は、第1および/または第2のPMOSデバイスの活性領域を形成することを目的とする第1および/または第2の半導体層の部分上へのSiGeのエピタキシャル成長の実施を含むことができる。
【0053】
第1のMOSデバイスがPMOSタイプの場合は、第1のPMOSデバイスを作製するステップは、第1のPMOSデバイスの活性領域を形成することを目的とする第1の半導体層の一部上へのSiGeのエピタキシャル成長を実施するステップを含むことができ、および/または第2のMOSデバイスがPMOSタイプの場合は、第2のPMOSデバイスを作製するステップは、第2のPMOSデバイスの活性領域を形成することを目的とする第2の半導体層の一部上へのSiGeのエピタキシャル成長を実施するステップを含むことができる。
【0054】
それによりPMOSデバイスを作製するために用いられる活性領域は、PMOSデバイス内のホールの移動度を最適化するSi−SiGe二重層から構成することができる。
【0055】
得られた集積回路を、所望の回路レベルの数に従って1つまたは複数の他の集積回路と結合することを想定することができる。
【0056】
本発明は、添付の図面を参照して、純粋に例示として、かつ何ら限定的でなく示される例示的実施形態の説明を読むことによってより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図2A】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図2B】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図3】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図4】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図5A】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図5B】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図6】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図7】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図8】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図9A】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図9B】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図9C】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図9D】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図9E】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図9F】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図9G】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図10】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図11】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図12A】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図12B】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図12C】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図13A】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図13B】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図14A】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図14B】第1の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図15A】第2の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図15B】第2の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図15C】第2の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図15D】第2の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図15E】第2の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図15F】第2の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図15G】第2の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図16A】第3の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図16B】第3の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図16C】第3の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図16D】第3の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図17A】第4の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図17B】第4の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図17C】第4の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図17D】第4の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図17E】第4の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図18A】第5の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図18B】第5の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図18C】第5の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図18D】第5の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図18E】第5の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図19A】第6の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図19B】第6の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図19C】第6の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【図19D】第6の実施形態による、本発明の主題である集積電子回路を作製する方法のステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下で述べられる様々な図の同一な、同様な、または等価な部分には、1つの図から他の図への移行を容易にするために、同一の参照番号が付される。
【0059】
図に示される様々な部分は、図を見やすくするために必ずしも一様な尺度で示されていない。
【0060】
互いに排他的ではなく、互いに組み合わせることもできるものとして、様々な可能性(変形形態および実施形態)が理解されなければならない。
【0061】
最初に、第1の実施形態による、本発明の主題である集積回路100を作製する方法のステップを示す図1から14Bを参照する。これらの図には、集積回路100の2つの異なるレベルにわたって分散された、ここではトランジスタである、2つのMOSデバイス140および172のみが示されるが、用いられる方法は、集積回路100の2つの異なるレベルにわたって分散された、複数の第1のMOSデバイスおよび複数の第2のMOSデバイスを備える集積回路100を作製することを可能にする。
【0062】
図1に示されるように、本方法は、たとえばシリコンから構成される半導体支持層102と、その上に配置されたたとえばSiOから構成される埋め込み誘電体層104と、半導体の表面層106である、たとえば厚さが約10μm未満、好ましくは約100nm未満のシリコンの薄い層とを備える、絶縁体上半導体タイプ、たとえばSOIの基板を用いて実施される。たとえばSiGeから構成される犠牲層108が、たとえばエピタキシによってシリコンの表面層106上に形成され、次いで犠牲層108上に、たとえばシリコンから構成され、たとえばエピタキシによって形成された半導体の別の層110が形成される。以降において、層110を半導体の第1の層と称し、層106を半導体の第2の層と称する。犠牲層108は、半導体の第1および第2の層108、110の間に配置された第3の層を形成する。
【0063】
SiGeの犠牲層108は、たとえば約2nmから100nmの間の厚さを有する。さらに犠牲層108は、約10%から60%のゲルマニウム、たとえば20%のゲルマニウムから構成することができる。犠牲層108のゲルマニウム濃度は具体的には、応力緩和なしのエピタキシによって成長し得るシリコンの厚さが特に犠牲層108の材料のゲルマニウム濃度に依存することを考えれば、たとえば2nmから100nmの間である半導体の第1の層110の厚さに従って選択される。非特許文献1は、SiGeの層のゲルマニウム濃度と、SiGeの層上のエピタキシによって得ることができるシリコンの厚さとの関係についてより詳しく述べている。
【0064】
層106および110は、集積回路100のMOSトランジスタの活性領域の後続する作製に役立つために、半導体から構成される。犠牲層108のSiGeはまた、半導体の層106および110のシリコンに対して選択的にエッチングされ得る利点を有する。犠牲層108のゲルマニウム濃度はまた、層106および110のシリコンに対するSiGeのエッチングの選択性に影響を与えることになる。
【0065】
しかし層106および/または層110はSiGeから構成することも可能であり、または層108は、層106および110の半導体材料に対して選択的にエッチングすることができない材料から構成することが可能である。この場合は、方法の間に後続して行われることになる犠牲材料の層108の除去は、層106および110のマスクまたは保護物を用いて実行することができる。
【0066】
3つの層106、108、および110は、単結晶材料から構成することが有利である。このようにしてSi−SiGe−Si単結晶積層体が得られる。
【0067】
一変形形態では犠牲層108は、多孔質シリコンから構成することができる。
【0068】
たとえばSiOから構成され、厚さが約5nmから30nmである酸化物の層112は、たとえば半導体の第1の層110上の堆積によって形成される。たとえば窒化シリコンから構成され、厚さが約10nmから50nmである窒化物の層114は、たとえば酸化物の層112上への堆積によって形成される。
【0069】
図2Aおよび2Bに示されるように(図2Aは図2Bに示される軸AAに沿った断面図を示し、図2Bは平面図を示す)、第1のMOSトランジスタ140の活性領域を画定するパターンに従って、層108、110、112、および114のフォトリソグラフィおよびエッチングのステップが行われ、この活性領域は、半導体の第1の層110の残存部分に対応するシリコンの一部分120を用いて作製されよう意図されている。エッチングは半導体の第2の層106上で停止する。層108、110、112、および114の残存部分118、120、122、および124によって形成されるパターンは、第1のMOSトランジスタ140の後のソース、ドレイン、およびチャネル領域に対応する。
【0070】
次いで誘電体材料たとえばSiOが、残存部分118、120、122、および124の周りに配置され、第1のMOSトランジスタの将来の活性領域を横方向に分離する(STIすなわち「浅いトレンチ分離(Shallow Trench Isolation)」に対応する)誘電体部分126を形成する(図3)。これらの誘電体部分126は、たとえば残存部分118、120、122、および124の積層体および半導体の第2の層106を覆う酸化物を堆積し、次いで窒化物の残存部分124上で停止するこの酸化物の化学機械的平坦化を実施することによって得られる。横方向電気的分離の役割とは別に、これらの誘電体部分126はまた、特に、後続して実施されることになるゲートエッチングのステップ時に、半導体の第2の層106を保護する。誘電体部分126は、約20nmから100nmの間の、層108、110、112、および114の厚さの合計に対応する厚さを有することができる。
【0071】
図4に示されるように、酸化物および窒化物の残存部分122および124は除去され、第1のMOSトランジスタ140の活性領域を形成するよう意図されたシリコンの残存部分120を露出する。
【0072】
図5Aおよび5Bに示されるように、第1のMOSトランジスタ140のゲートが作製される。最初にゲート誘電体128(たとえばSiO、HfO、HfSiONなど)、次いでゲート材料130(たとえばポリシリコン)、および最後にハードマスク132が堆積され、次いでこれらの材料は必要なゲートパターンに従ってリソグラフィおよびエッチングによって形成される。次いで先に作製されたゲートの周りにゲートスペーサ134が作製され、部分120のシリコンは、ゲートスペーサ134が作製されるときにエッチング停止層として働く。次いで、第1のMOSトランジスタ140のLDD(軽くドープされたドレイン(Light Doped Drain))、およびLDS(軽くドープされたソース(Light Doped Source))領域を形成するために、ゲートによって覆われていないシリコンの残存部分120の部分にドーパントが注入される。
【0073】
ドーパントは、第1のMOSトランジスタ140のタイプ(たとえばPMOS)に従ってn型またはp型となる。
【0074】
図6に示されるように、第1のスペーサ134の周りに第2のゲートスペーサ136が作製される。そこでまた、部分120のシリコンは、第2のゲートスペーサ136が作製されるときにエッチング停止層として働く。一変形形態では、ゲートの周りに単一のゲートスペーサを作製することも可能である。
【0075】
次いで第1のMOSトランジスタ140のソース138aおよびドレイン138b領域が、たとえばシリコンのエピタキシおよび原位置でのドーピング、またはゲートによって覆われていない部分120の部分へのドーパントの注入によって作製される。次いでソース138aおよびドレイン138b領域のドーパントを活性化するアニーリングが行われる。このドーパント活性化アニーリングは、単一のステップで2つのMOSトランジスタのドーパントを活性化するために、2つのトランジスタを作製した後に行うことが可能である。
【0076】
第2のMOSトランジスタ172を作製するために実施されるステップのサーマルバジェットを制限しないように、第2のMOSトランジスタ172を作製した後に、後続してソース138aおよびドレイン138bのケイ化を行うことが好ましい。
【0077】
次いで先に作製された組立体(第1のMOSトランジスタ140+誘電体部分126)は、誘電体材料142、たとえばSiOなどの酸化物によって覆われ、これは堆積され次いでたとえばCMP(化学機械的平坦化)を用いて平坦化される。また、電気的コンタクトが作製されるときに後続のエッチングを停止するために用いられるエッチング停止層をオプションとして組み込んだ、複数の誘電体材料(たとえば半導体酸化物および/または窒化物)で、先に作製した組立体を覆うことが可能である。
【0078】
得られた組立体は次いで反転され、誘電体材料142は、シリコンから構成され、一方の面上で誘電体材料142の側にたとえばSiOから構成される酸化物の層146を備える第2の基板144に固定される。次いで誘電体材料142と酸化物層146の間の接合が実施される(図7)。この固定の前に、特許文献6(仏国特許第2848725号)に述べられているように、後続して実施されるリソグラフィを整列するためのマークを作製することが可能である。
【0079】
シリコン支持層102および埋め込み誘電体層104は、たとえば、部分的機械研磨(支持層102の主な部分を除去する)により、次いで層104の誘電体に対する選択的なシリコンの化学エッチング(たとえばTMAH溶液を用いて)により、および最後に、半導体の第2の層106上で停止する埋め込み誘電体層104の化学エッチングによって除去される。
【0080】
図8に示されるように半導体の第2の層106は、たとえば層112および114と同様な、酸化物の層148および窒化物の層150で覆われる。
【0081】
次いで層106、148、および150は、第2のMOSトランジスタ172の活性領域のパターンに対応するパターンに従ってエッチングされる。このエッチングは、SiGeの残存部分118上で、および誘電体部分126上で停止される。これらの層の残存部分152、154、および156が得られ、そのパターンは、第2のMOSトランジスタ172の活性領域のパターンに対応する(図9Aを参照)。
【0082】
図9Bから9Gは、第2のMOSトランジスタ172の活性領域のパターンに対応する、部分156のパターンの異なる実施例を示す。
【0083】
これらの図に示されるSiGeの部分118のパターンは、第1のMOSトランジスタ140の活性領域のパターンに対応する。図9Bに示される第1の実施例では、2つのMOSトランジスタの活性領域はほぼ同様な寸法を有する。SiGeの残存部分118はエッチングされることを目的とすることを考えれば、残存部分152、154、および156のパターンは、SiGeの残存部分118の少なくとも一部が等方性エッチングによってアクセス可能になるものとすることができる。図9Bの実施例では、SiGeの残存部分118は、第1のMOSトランジスタ140の活性領域に対して90°回転して方向付けられた(たとえばソース、チャネル、およびドレインの配列軸に対応する方向)、第2のMOSトランジスタ172の活性領域を形成することによって、エッチングに対してアクセス可能となる。
【0084】
図9Cおよび9Dの実施例では、2つのトランジスタの活性領域は、ほぼ同様な寸法を有し、同じ方向に方向付けられる。SiGeの部分118のエッチングに対するアクセス可能性は、2つの活性領域の互いに対する部分的オフセット(図9C、活性領域は部分的に重なる)、または完全なオフセット(図9D、活性領域は重ならない)によって得られる。
【0085】
図9Eの実施例では、第2のMOSトランジスタ172の活性領域の寸法、および具体的にはチャネルの幅は、第1のMOSトランジスタ140の活性領域より大きい。図9Bにおける実施例のように、SiGeの部分118のエッチングに対するアクセス可能性は、2つのトランジスタの活性領域の互いに対する90°の回転によって得られる。第2のMOSトランジスタ172の活性領域の寸法が、第1のMOSトランジスタ140の活性領域の寸法よりずっと大きい場合は(図9Fを参照)、90°の回転に加えて2つのトランジスタの活性領域を互いに対してオフセットさせることが可能である。
【0086】
第2のMOSトランジスタ172の活性領域の寸法(チャネル幅)が、第1のMOSトランジスタ140の活性領域の寸法より小さい場合は、この場合はSiGeの部分118は残存部分152、154、および156によって完全に覆われないので、2つのトランジスタの活性領域を互いに対してオフセットしない、または回転を設けないことが可能である。
【0087】
本明細書では以下では図9Aおよび9Bに示される構成(同様な寸法を有し、互いに直角に方向付けられた活性領域)が実施されるものと見なす。図10に示されるように、SiGeの残存部分118は除去され、第1のMOSトランジスタ140の活性領域を形成するシリコンの部分120が露出される。
【0088】
次いで誘電体材料158が堆積され、これはたとえば酸化シリコン、窒化シリコン、またはHfOから構成され、前にSiGeの残存部分118によって占められていた空間内、およびまた残存部分152、154、および156の周囲、したがって第2のMOSトランジスタ172の後の活性領域の周り、さらに誘電体部分126を覆う、CVD堆積によって得られる。次いでこの誘電体材料158は、窒化物の残存部分156上で停止する平坦化が行われる(図11)。したがって誘電体材料158は、後の第2のトランジスタの活性領域の周りにSTIタイプの横方向分離を形成し、2つのトランジスタの活性領域を互いに電気的に分離する。
【0089】
誘電体材料158は、有利には2つのMOSトランジスタのチャネル内に、これらのチャネル内のキャリアの移動度を最適化するために力を発生する性質のものである。このような誘電体材料158は、たとえばPMOSトランジスタの場合は張力を伴うSiN(張力を受けた)、MOSトランジスタ(同じ導電型を有するMOSデバイスの積層体)の場合は圧縮力を受けたSiNである。
【0090】
次いで酸化物の残存部分154および窒化物の残存部分156は除去され、第2のMOSトランジスタ172の活性領域を形成するよう意図されたシリコンの部分152を露出する。
【0091】
次いで第2のMOSトランジスタ172のゲートが形成される。この目的のためにゲート誘電体160(たとえばSiO、HfO、HfSiONなど)、ゲート材料162(たとえばポリシリコン)、およびハードマスク164が堆積される。次いでこれらの材料は、必要なゲートパターンに従ってリソグラフィおよびエッチングによって成形される。次いで先に作製されたゲートの周りに、第1のゲートスペーサ166が形成される。ソースおよびドレイン領域にて原位置でドープされた第1のエピタキシが実施され、LDS167aおよびLDD167bの領域を形成する。ドーパントは、第2のMOSトランジスタ172のタイプ(たとえばNMOS)に従ってn型またはp型となる。
【0092】
第1のスペーサ166の周りに、第2のゲートスペーサ168が作製される。次いで第2のMOSトランジスタ172のソース170aおよびドレイン170b領域にてもう1つのシリコンエピタキシが行われる。次いで第2のMOSトランジスタ172のソース170aおよびドレイン170b領域内に位置するドーパントを活性化するアニーリング(これは場合によっては、第1のMOSトランジスタ140のドーパントを活性化し得る)が行われる。次いで最後に、ソース170aおよびドレイン170b領域のケイ化が行われる。このケイ化は、たとえばNiSi、NiPtSi、NiSi−SiGe、またはNiPtSi−SiGeをベースとし、ソース170aおよびドレイン170b領域へのアクセス抵抗を低減する。このようにして第2のMOSトランジスタ172が得られる(図12A、12B、および12Cを参照すると、図12Aおよび12Cはそれぞれ図12Bに示される軸AAおよびBBに沿った断面の図を示す)。
【0093】
2つのMOSトランジスタ140、172が、互いに電気的に接続された活性領域を有することを目的とする場合(たとえばインバータの場合)は、2つのトランジスタの活性領域を隔てる誘電体材料158の一部をエッチングすることが可能であり、それによりケイ化金属が堆積されたときに、この金属はエッチングされた空間にも堆積され、2つの活性領域の間、たとえば2つのトランジスタの一方のドレインと、2つのトランジスタの他方のソースとの間の電気的コンタクトがもたらされる。
【0094】
次いで第2のMOSトランジスタ172に接続される電気接続が行われる。これらの接続は、たとえばタングステンから構成され、第2のMOSトランジスタ172のソースおよびドレイン領域ならびにゲートに電気的に接続された、コンタクト174によって形成される。次いで、たとえば銅から構成される第1の電気接続レベル176および178が作製され、コンタクト174に電気的に接続され、これらのレベルはビア180によって一緒に接続される。これらの電気接続要素は、第2のレベルのトランジスタ172の全体を覆う誘電体材料182から作製される(図13Aおよび13B)。
【0095】
図14Aおよび14Bに示されるように、次いで2つのトランジスタ140および172を備える組立体は、バルクタイプで一方の表面上に誘電体材料182との接合界面として働く、たとえばSiOから構成される酸化物の層186を備えた、第3のシリコン基板184上に移転される。次いで第2の基板144が除去される。次いで酸化物の層146上に、たとえば酸化物の堆積によって誘電体材料187が形成される。電気的コンタクトホールが、誘電体材料187を貫通して作製される。これらのコンタクトホールは、第1のレベルのトランジスタ140のソースおよびドレイン領域へのアクセスを形成する。次いでコンタクトホールを通して、これらの領域のケイ化がもたらされる。一変形形態では、第2の基板144に固定する前に、窒化物および接合酸化物層を堆積することが可能であり、次いでこれは第2の基板144に固定される前に平坦化される。第3の基板184上への移転の後に接合酸化物は、たとえば窒化物上で停止する等方性エッチング(HF)によって除去される。次いで窒化物は、シリコンに対して選択的なドライエッチングによって取り除かれる。次いで第1のレベルのトランジスタ140のソースおよびドレイン領域のケイ化を行うことが可能である。
【0096】
次いで、第1のMOSトランジスタ140のソースおよびドレイン領域に、およびゲートに電気的に接続された第2の電気接続レベル188が、先に実施された第1の電気接続レベルと同様のやり方で作製され、第2のMOSトランジスタ172に電気的に接続される。
【0097】
また第1および第2のレベルのトランジスタの電気接続レベルが電気的に接続されるように、電気接続190が作成される。
【0098】
図1から14Bに関連して述べた第1の実施形態では、SiGeから構成された犠牲層108は、ほぼ一定の厚さを有する。したがって層106、108、および110の積層体から、第1のMOSトランジスタの活性領域は、第2のMOSトランジスタの活性領域に対して一定の距離を置いて配置される。第2の実施形態では、異なる厚さの領域を備えるように犠牲層108を作製することが可能である。したがって互いに対向するように作製された第1および第2のMOSトランジスタの活性領域を隔てる距離を調整し、したがってこれら2つのトランジスタの間の容量結合の調整をもたらすことが可能である。
【0099】
この目的のために図15Aに示されるように、厚さがたとえば約5nmから30nmの犠牲層108の第1の部分108aを形成するSiGeの第1のエピタキシが、シリコン支持層102、誘電体層104、およびシリコンの第2の層106を備えるSOI基板から行われる。
【0100】
犠牲層108がそこでは第1の部分108aの厚さと等しい厚さを有することが望まれる、基板の部分の境界をそのパターンが定める第1のマスク202aが、犠牲層の第1の部分108a上に作製される。次いでSiGeの第2のエピタキシ108bが行われ、第1のマスク202aの周りに犠牲層108の第2の部分108bを形成し、その厚さはたとえば約5nmから30nmである(図15Bを参照)。
【0101】
犠牲層108がそこでは第1の部分108aと第2の部分108bの厚さの合計に等しい厚さを有することが望まれる、基板の部分の境界をそのパターンが定める第2のマスク202bが、犠牲層の第2の部分108b上に作製される。次いでSiGeの第3のエピタキシ108cが実施され、第1のマスク202aおよび第2のマスク202bの周りに犠牲層108の第3の部分108cを形成し、その厚さはたとえば5nmから30nmである(図15Cを参照)。
【0102】
層108a、108b、および108cが30%のSiGeから構成される場合は、これらの層の合計の厚さは、これらの層の応力緩和に関係する欠陥を避けるために約100nm以下とすることができる。
【0103】
図15Dに示されるように次いでマスク202a、202bは取り除かれ、次いでたとえばシリコンエピタキシによって、不定の厚さの犠牲層108上に適合するように半導体の第1の層110が堆積され、それにより犠牲層108の様々な厚さに整合する。
【0104】
ここで述べた実施例では犠牲層108は、3つの異なる厚さを有する。一般論として犠牲層108の異なる厚さの数は、3つでなくてもよく、第1のMOSデバイスと第2のMOSデバイスの間に作製することが望まれる異なる調整の数に対応する。
【0105】
図15Eに示されるように、次いで酸化物112および窒化物114の層が、半導体の第1の層110上に作製される。層112および114は、平坦な上面を形成するように不定の厚さを有する。第1のMOSトランジスタの活性領域を画定するパターンに従って、層108、110、112、および114のフォトリソグラフィおよびエッチングが行われる。エッチングは半導体の第2の層106上で停止される。
【0106】
次いで残存部分118、120、122、および124の周りに誘電体材料が堆積され、第1のMOSトランジスタの後の活性領域を横方向に分離(STI)する、誘電体部分126を形成する(図15F)。これらの横方向分離126は、たとえば第1の実施形態のように作製される。
【0107】
次いで集積回路200は、前述した集積回路100と同様のやり方で完成される。図15Gに示されるように集積回路200は、部分204を備え、そこでは第1のMOSトランジスタ140は、第2のMOSトランジスタ172(第1の部分108aの厚さに等しい厚さの犠牲層108の部分118に作製されたトランジスタ)と高度の容量結合を有し、互いに対して閾値電圧を調整することを可能にする。集積回路200はまた、部分206を備え、そこでは第1のMOSトランジスタ140は、第2のMOSトランジスタ172(第1の部分108aと第2の部分108bの合計の厚さに等しい厚さの犠牲層108の部分118に作製されたトランジスタ)と中度の容量結合を有し、ならびに部分208を備え、そこでは第1のMOSトランジスタ140は、第2のMOSトランジスタ172(第1の部分108a、第2の部分108b、および第3の部分108cの合計に等しい厚さの犠牲層108の一部分118に作製されたトランジスタ)と低度の容量結合を有する。
【0108】
次に図16Aから16Dに関連して、第3の実施形態による三次元集積回路300の作製について述べる。
【0109】
図1から4に関連して前述したステップが初めに行われ、誘電体部分126によって境界が定められた第1のMOSトランジスタの後の活性領域が形成される。
【0110】
次いでNMOSタイプの第1のトランジスタの将来の活性領域は、窒化物302の堆積、窒化物302のフォトリソグラフィおよびエッチングをもたらすことによってマスクされる(図16A)。次いでSiGeのエピタキシ304は、シリコンのマスクされていない部分120上にもたらされ、これはしたがって第1のPMOSトランジスタの将来の活性領域に対応する(図16Bを参照)。
【0111】
集積回路300は、第1の実施形態と同様のやり方で完成される。図16Cに示されるように、得られた集積回路300は第1のMOSトランジスタを備え、具体的にはその活性領域が部分120の半導体から構成される第1のNMOSトランジスタ140aと、その活性領域が部分120の半導体、および部分120の半導体上のエピタキシによって得られるSiGe304から構成される第1のPMOSトランジスタ140bとを備える。
【0112】
一変形形態では、PMOSタイプのものは部分120の半導体のみから構成された活性領域を備え、NMOSタイプのものは部分120の半導体、および部分120の半導体上のエピタキシによって得られるSiGe304から構成された活性領域を備える、第1のMOSトランジスタを作製することが可能である。他の変形形態ではSiGeのエピタキシは、第1のNMOSおよび第1のPMOSトランジスタの両方に対してもたらすことが可能である。
【0113】
他の変形形態ではSiGeのエピタキシは、第1のMOSトランジスタの活性領域に対しては行われないが、第2のMOSトランジスタの少なくとも一部に対しては行われるようにすることが可能である。この変形形態では図1から11に関連して前述したステップが前述のように実施される。次いで酸化物154および窒化物156の残存部分は除去され、第2のトランジスタの活性領域を形成することを目的とするシリコンの部分152を露出する。次いで将来の第2のNMOSトランジスタのシリコンの部分152がマスクされる。次いで将来の第2のPMOSトランジスタのシリコンの部分152上に、SiGeのエピタキシ352が行われる。得られた集積回路350は図16Dに示され、第1のMOSトランジスタ140と、その活性領域が部分152の半導体から構成された第2のNMOSトランジスタ172aと、その活性領域が部分152の半導体、および部分152の半導体上のエピタキシによって得られるSiGe352から構成された第2のPMOSトランジスタ172bとを備える。
【0114】
前述の集積回路300と同様に、第2のPMOSトランジスタは部分152の半導体のみから構成された活性領域を備え、第2のNMOSトランジスタはその活性領域が部分152の半導体および部分152の半導体上のエピタキシによって得られるSiGeから構成されるように、第2のトランジスタを作製することが可能である。他の変形形態ではSiGeのエピタキシは、第2のNMOSおよびPMOSトランジスタの両方に対して行うことが可能である。
【0115】
次に図17Aから17Eに関連して、第4の実施形態による三次元集積回路400の作製について述べる。
【0116】
図1から9Gに関連して前述したステップが最初に行われ、第1のMOSトランジスタと、第2のMOSトランジスタの後の活性領域とが形成される。この第4の実施形態では、第1および第2のMOSトランジスタの少なくとも一部は、フラッシュタイプのメモリセルによって置き換えられる。この目的のために、トランジスタとして保持することが望まれる第2のMOSトランジスタ(および第2のトランジスタに対向して配置された第1のMOSトランジスタ)は、オプションとしてマスク402で覆われる(図17A)。
【0117】
次に図17Bに示されるように、メモリセルを形成することを目的とするMOSデバイスにて、SiGeの部分118がエッチングされる。酸化物の第1の層404が、先に作製された組立体上に適合するように堆積され、具体的には第1のMOSデバイスの活性領域を形成するシリコンの部分120、ならびに材料の部分152、154、および156の積層体を覆う。次いで酸化物の第1の層404を覆うように、窒化物の第2の層406が堆積される(図17C)。
【0118】
図17Dに示されるように、次いで層404および406がエッチングされ、シリコンの部分152と、第1のMOSデバイスの活性領域を形成するシリコンとの間に位置するこれらの層の部分のみが維持され、ONOタイプ(酸化物−窒化物−酸化物で、窒化物の部分はデータの記憶に対応する電荷の保持をもたらすことを目的とする)のメモリ積層体408が形成される。
【0119】
次いで集積回路400は、第1の実施形態による集積回路100と同様のやり方で完成される(図17E)。集積回路400は、第1のMOSトランジスタ140と、第2のMOSトランジスタ172と、それぞれが2つのMOSレベル内に作製されたMOSデバイスおよびメモリ積層体408を備えるフラッシュタイプのメモリセル410とを備える。
【0120】
一変形形態では、集積回路400はフラッシュタイプのメモリセルのみを備えることが可能である。この場合は図17Aに関して前述したマスキングステップは実施されない。
【0121】
次に図18Aから18Eに関連して、第1および第2のトランジスタの少なくとも一部が互いに対して自己配列された活性領域を有する、第5の実施形態による三次元集積回路500の作製について述べる。
【0122】
図1、2A、および2Bに関連して前述したステップが最初に行われる。次いで、それらの活性領域が互いに対して自己配列されることを目的としない将来の第1および第2のMOSトランジスタはマスクされる。次いで半導体の第2の層106は、層108、110、112、および114のパターンと同じパターンに従ってエッチングされる。それにより第2のトランジスタの活性領域は、第1のトランジスタの領域のパターンと同様なパターンを有する。
【0123】
次いで図3から8に関連して前述したステップが同様のやり方で実施され、結果として図18Bに示される構造体を生じる。
【0124】
SiGeの部分118のパターンが半導体の部分152のパターンと同様であることを考えれば、先の実施形態と異なり、第2のトランジスタのゲート材料を作製しエッチングする前に、または等方性エッチングによって第2のトランジスタのゲートスペーサを作製した後に、このSiGeの部分をエッチングすることはできない。次いで図18Cに示されるように、図5Aおよび5Bに関連して前述したものと同様なステップ(ゲート誘電体、ゲート材料、ハードマスク、1つまたは複数のスペーサなどの堆積およびエッチング)を実施することによって、第2のトランジスタのゲートが作製される。第1および第2のトランジスタの活性領域が同様なパターンにて互いに重ね合わされることを考えれば、第1および第2のトランジスタのゲートは整列することができ、同様なパターンを有する。
【0125】
図18Dに示されるように誘電体部分126の一部は、犠牲材料の部分118の横方向側面の少なくとも一部を露出するためにエッチングされる。次いでこのSiGeの部分118は、等方性エッチングによってエッチングされる。
【0126】
次いで、犠牲材料の部分118をエッチングすることによって得られる、第1および第2のトランジスタの活性領域を形成する半導体の部分120と152の間の空間は、誘電体材料の堆積および次いで脱酸素をもたらすことによって充填され、そのパターンが半導体の部分120および152のパターンと同様な誘電体部分502だけを残す(図18E)。次いで集積回路500は、前述した集積回路100と同様のやり方で完成される。
【0127】
活性領域が自己配列のやり方で作製されるかどうかに関わらず、第2のトランジスタのゲートのエッチングを行った後に、または第2のトランジスタのゲートの周りのスペーサのエッチングを完了した後にのみ、SiGeの部分118を除去することが可能である。
【0128】
次に図19Aから19Dに関連して、第6の実施形態による三次元集積回路600の作製について述べる。
【0129】
図1から9Gに関連して前述したステップが最初に行われ、第1のMOSデバイス140、および第2のMOSデバイス172の将来の活性領域を形成する。この第6の実施形態では、第1および第2のMOSデバイスの少なくとも一部は、グランドプレーンすなわちフローティングゲートを備えることを目的とする。この目的のために、このようなグランドプレーンを受け入れることを目的としない第2のMOSデバイス172(およびこれらの第2のMOSデバイスに対向して配置された第1のMOSデバイス)は、オプションとしてマスク602によって覆われる(図19A)。
【0130】
次に図19Bに示されるように、グランドプレーンを備えることを目的とするMOSデバイスにてSiGeの部分118がエッチングされる。酸化物154および窒化物156の部分も除去される。
【0131】
次にマスク602が除去される。次いで第2のMOSトランジスタ174のゲート誘電体を形成することを目的とする誘電体材料604の堆積、および第2のMOSトランジスタ174のゲートを形成することを目的とするゲート材料606の堆積がもたらされる。グランドプレーンを備えることを目的とするMOSデバイスでは、犠牲材料の部分118がエッチングされており、誘電体材料604はまた半導体の部分120の部分を覆い、半導体の部分152の部分を取り囲み、ゲート材料606は、前にSiGeの部分118によって占められていた残りの空間を埋める(図19C)。
【0132】
図19Dに示されるようにゲート材料606のリソグラフィおよびエッチング(剥ぎ取り)が実行され、第2のMOSトランジスタ172のゲート608が形成されるが、またゲート材料から構成され、第2のMOSトランジスタ172の活性領域を形成することを目的とする半導体の部分152のパターンに対応するパターンに従ってエッチングされたグランドプレーン610も形成される。次いで集積回路600は、前述した集積回路100と同様のやり方で完成される。
【0133】
上述の実施形態では集積電子回路の2つのMOSデバイスは、互いに対して約90°の回転角度を有して示された。しかし2つのMOSデバイスは、互いに対して角度をなさずに、互いに対して完全に整列させることもできる。
【符号の説明】
【0134】
100 集積回路
102 半導体支持層
104 埋め込み誘電体層、誘電体層
106 半導体の第2の層
108 犠牲層
108a 犠牲層の第1の部分
108b 犠牲層の第2の部分
108c 犠牲層の第3の部分
110 半導体の第1の層
112 酸化物の層
114 窒化物の層
118 SiGeの残存部分
120 シリコンの残存部分
122 酸化物の残存部分
124 窒化物の残存部分
126 誘電体部分
128 ゲート誘電体
130 ゲート材料
132 ハードマスク
134 第1のゲートスペーサ
136 第2のゲートスペーサ
138a ソース
138b ドレイン
140 第1のMOSデバイス、第1のMOSトランジスタ
142 誘電体材料
144 第2の基板
146 酸化物の層
148 酸化物の層
150 窒化物の層
152 シリコンの残存部分
154 酸化物の残存部分
156 窒化物の残存部分
158 誘電体材料
160 ゲート誘電体
162 ゲート材料
164 ハードマスク
166 第1のゲートスペーサ
167a LDS、軽くドープされたソース
167b LDD、軽くドープされたドレイン
168 第2のゲートスペーサ
170a ソース
170b ドレイン
172 第2のMOSデバイス、第2のMOSトランジスタ
174 コンタクト
176 第1の電気接続レベル
178 第1の電気接続レベル
180 ビア
182 誘電体材料
184 第3の基板
186 酸化物の層
187 誘電体材料
188 第2の電気接続レベル
190 電気接続
200 集積回路
202a 第1のマスク
202b 第2のマスク
204 第1のMOSトランジスタが第2のMOSトランジスタと高度の容量結合を有する部分
206 第1のMOSトランジスタが第2のMOSトランジスタと中度の容量結合を有する部分
208 第1のMOSトランジスタが第2のMOSトランジスタと低度の容量結合を有する部分
300 集積回路
302 窒化物
304 SiGeのエピタキシ
350 集積回路
352 SiGeのエピタキシ
400 集積回路
402 マスク
404 酸化物の第1の層
406 窒化物の第2の層
408 メモリ積層体
410 メモリセル
500 集積回路
502 誘電体部分
600 集積回路
602 マスク
604 誘電体材料
606 ゲート材料
608 ゲート
610 グランドプレーン、導電性材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第3の層(108)がその間に配置された、少なくとも半導体の第1(110)および第2(106)の層を備える基板を作製するステップと、次いで
少なくとも第1のMOSデバイス(140)を作製するステップであって、その活性領域が前記半導体の第1の層(110)の少なくとも一部(120)に形成される、ステップと、次いで
少なくとも第2のMOSデバイス(172)を作製するステップであって、その活性領域が前記半導体の第2の層(106)の少なくとも一部(152)に形成され、前記第2のMOSデバイス(172)の前記活性領域が前記第2のMOSデバイス(172)のゲート(162)と前記第1のMOSデバイス(140)の前記活性領域との間に配置される、ステップと
を少なくとも含む、集積電子回路(100〜600)を作製する方法。
【請求項2】
前記半導体の第1の層(110)、前記半導体の第2の層(106)、および前記材料の第3の層(108)が、エピタキシによって作製された単結晶半導体をベースとする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3の層(108)が、少なくともSiGeまたは多孔質シリコンから構成される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のMOSデバイス(140)を作製するときに、前記半導体の第1の層(110)および前記第3の層(108)を、前記第1のMOSデバイス(140)の前記活性領域に対応する同一のパターンに従ってエッチングする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のMOSデバイス(140)を作製するときに、前記半導体の第1(110)および第2(106)の層、ならびに前記第3の層(108)を、前記第1(140)および第2(172)のMOSデバイスの前記活性領域に対応する同一のパターンに従ってエッチングする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のMOSデバイス(172)を作製するときに、
前記第1のMOSデバイス(140)の前記活性領域に対応する前記パターンに従ってエッチングされた前記第3の層(108)の残存部分(118)を取り除くステップと、
少なくとも前記第1(140)および第2(172)のMOSデバイスの前記活性領域の間に、誘電体材料(158)を堆積するステップと
の実施をさらに含む、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のMOSデバイス(172)を作製するときに、
前記第1のMOSデバイス(140)の前記活性領域に対応する前記パターンに従ってエッチングされた前記第3の層(108)の残存部分(118)を取り除くステップと、
前記第1(140)および第2(172)のMOSデバイスの前記活性領域の間に、2つの誘電体材料の部分(604)の間に配置された導電性材料(610)の一部分を備える積層体を作製するステップと
の実施をさらに含む、請求項4または5に記載の方法。
【請求項8】
前記MOSデバイス(140、172)がトランジスタである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のMOSデバイス(172)を作製するときに、
前記第1のMOSデバイス(140)の前記活性領域に対応する前記パターンに従ってエッチングされた前記第3の層(108)の残存部分(118)を取り除くステップと、
前記第1(140)および第2(172)のMOSデバイスの前記活性領域の間に、2つの誘電体材料(404)の部分の間に配置された電荷の保持をもたらすことができる材料の一部分(406)を備えるメモリ積層体(408)を作製するステップと
の実施をさらに含み、
前記第1(140)および第2(172)のMOSデバイスはメモリセルを形成する、請求項4または5に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のMOSデバイス(140)を作製するステップと前記第2のMOSデバイス(172)を作製するステップとの間に、
少なくとも前記第1のMOSデバイス(140)を覆う誘電体材料(142)を堆積するステップと、
前記誘電体材料(142)を、第2の基板(144)に対して固定するステップと
をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のMOSデバイス(172)を作製するステップの後に、
前記第2のMOSデバイス(172)を覆う誘電体材料(182)を堆積するステップと、
少なくとも前記第2のMOSデバイス(172)を覆う前記誘電体材料(182)内に、少なくとも第1レベルの電気接続(176、178)と、前記第2のMOSデバイス(172)を前記第1の電気接続レベル(176、178)に電気的に接続する1つまたは複数のビア(174、180)とを作製するステップであって、前記第2のMOSデバイス(172)が前記第1の電気接続のレベル(176、178)と前記第1のMOSデバイス(140)との間に配置される、ステップと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の電気接続レベル(176、178)を作製するステップの後に、
前記第2のMOSデバイス(172)を覆う前記誘電体材料(182)を、第3の基板(184)に対して固定するステップと、
前記第2の基板(144)を取り除くステップと、
少なくとも前記第1のMOSデバイス(140)を覆う誘電体材料(187)内に、少なくとも第2の電気接続レベル(188)と、前記第1のMOSデバイス(140)を前記第2の電気接続レベル(188)に電気的に接続する1つまたは複数のビアとを作製するステップであって、前記第1のMOSデバイス(140)が前記第2の電気接続レベル(188)と前記第2のMOSデバイス(172)との間に配置される、ステップと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が複数の第1のMOSデバイス(140)および複数の第2のMOSデバイス(172)を作製するステップを含む場合に、上下に作製された第1(140)および第2(172)のMOSデバイスの前記活性領域の間の距離が、前記第3の層(108)の様々な厚さに対応するように、前記第3の層(108)が異なる厚さを有する領域(108a、108b、108c)を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
異なる厚さの領域(108a、108b、108c)を備える前記第3の層(108)が、前記半導体の第2の層(106)上に前記第3の層(108)の材料のエピタキシの複数の連続したステップ(108a、108b、108c)を実施することによって得られ、そのステップの間に、前記第3の層(108)の異なる厚さの領域を形成するために、前記エピタキシャル成長した層(108a、108b)上にマスク(202a、202b)を作製する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1(140)のMOSデバイスがPMOSタイプの場合には、前記第1(140)のPMOSデバイスを作製するステップが、前記第1のPMOSデバイス(140)の活性領域を形成するよう意図された前記半導体の第1の層(110)の一部(120)上へのSiGe(304)のエピタキシャル成長を実施するステップを含み、かつ/または前記第2のMOSデバイス(172)がPMOSタイプの場合には、前記第2のPMOSデバイス(172)を作製するステップが、前記第2のPMOSデバイス(172)の活性領域を形成するよう意図された前記半導体の第2の層(106)の一部(152)上へのSiGe(352)のエピタキシャル成長を実施するステップを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図15F】
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【図15G】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図17E】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【公開番号】特開2013−46074(P2013−46074A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−185069(P2012−185069)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】