説明

内燃機関の排ガス循環装置

【課題】電動過給機を用いて、触媒の活性化と排ガス浄化性能の早期向上を共に図ることが出来る内燃機関の排ガス循環装置を提供することにある。
【解決手段】電動過給機25を迂回させるバイパス路Rbを備えた吸気路Riと、バイパス通路Rbのバイパス流量制御弁V2と、排ガスを過給機の上流に合流させる排ガス還流路Rgと、排ガス流量調整弁V1と、過給ガスを下流合流部r2か分岐路Rsに導入しあるいは遮断するよう切換える過給ガス切換弁V3と、排ガス空燃比と触媒9温度に応じて過給ガス導入回転数Ncを設定する過給機回転数演算手段A4と、エンジン負荷ELが所定値以下であると、過給ガスを排気マニホールド5に導くようバイパス流量制御弁V2と排ガス流量調整弁V1と混合ガス切換弁V3とを切換え制御する排ガス制御手段A5と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気路に電動過給機を配し、排気路に触媒を配したエンジンにおける、触媒早期活性化と未処理排ガスの放出を早期に抑制できる内燃機関の排ガス循環装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関には、排気系に設けた触媒の活性化促進のため、新気を排気マニホールドに二次エアーポンプを用いて導入し、触媒温度の上昇を促進して早期活性化を図るという二次エアーポンプを用いた排気ガス浄化装置を装備したものが知られている。
この装置では、触媒温度の上昇が達成されるまでの間に触媒を通過した未処理排気ガスをそのまま外気に放出してしまうし、二次エアーポンプを排気系に取り付ける必要があり、スペース確保やコスト増を招くという問題がある。
【0003】
更に、内燃機関には、排気系から吸気系に排気ガスを再循環することで、燃費向上を図るという排気ガス再循環装置(EGR装置)を装備したものが知られている。
この装置では、運転域によっては燃焼悪化やドライバビリティーの不良を招くし、この再循環ガス(EGRガス)導入によっては触媒温度の昇温効果はない。
【0004】
更に、引用文献1(特開2006−336603号公報)には、排気浄化用触媒が活性化していない状態では、電動過給機からエンジンと排気浄化用触媒上流の排気通路とに高温の空気を供給することで、排気浄化用触媒の早期活性化を図るエンジンの排気装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−336603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、引用文献1のエンジンの排気装置では、エンジン本体や、排気浄化用触媒に電動過給機からの昇温させた新気を導入し、それらの昇温を図るが、排気浄化用触媒の活性化が図られるまでの間に触媒を通過した未処理排気ガスがそのまま外気に放出してしまう。このように、引用文献1のエンジンの排気装置では、排気浄化用触媒の活性化までの排気ガス浄化性能を向上させることができず、エンジンの未処理排気ガスの総排出量をより少なくすることができない。
【0007】
本発明は、電動過給機を用いて触媒の早期活性化と未処理排ガスを再度触媒で浄化処理することで、触媒の早期活性化と排ガス浄化性能の早期向上を共に図り、未処理排気ガスの総排出量をより少なくできる内燃機関の排ガス循環装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するため、請求項1に係る発明は、吸入した新気を電動機で駆動する電動過給機によって過給したうえでエンジンの吸気マニホールドに導く吸気路と、前記エンジンの排気マニホールドよりの排ガスを触媒により浄化して大気に排出する排気路と、前記吸気路に流入した新気を前記電動過給機の上流分岐部より下流合流部間まで迂回させるバイパス通路と、前記バイパス通路の新気流量を調節するバイパス流量制御弁と、前記触媒通過後の排ガスを前記上流分岐部と前記電動過給機の間の排気ガス合流部に合流させる排ガス還流路と、前記排ガス還流路の排ガス流量を調節する排ガス流量調整弁と、前記電動過給機から流出する過給ガスを前記下流合流部か前記排気マニホールドに連通する分岐路のいずれかに導入しあるいは該過給ガスの流れを遮断するよう切換える過給ガス切換弁と、前記エンジン負荷が所定値以下であると、前記エンジンの運転状態に応じて前記過給ガスを前記排気マニホールドに導くよう前記バイパス流量制御弁と前記排ガス流量調整弁と前記混合ガス切換弁とを切換え制御する排ガス制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の内燃機関の排ガス循環装置において、前記排ガスの空燃比と前記触媒の温度に応じて前記排気マニホールドに導入する過給ガス量相当の過給ガス導入回転数を設定する過給機回転数演算手段を備え、排ガス制御手段は、前記電動過給機を前記過給ガス導入回転数に保持すると共に、前記エンジンの運転状態に応じて前記過給ガスを前記排気マニホールドに導くよう前記バイパス流量制御弁と前記排ガス流量調整弁と前記混合ガス切換弁とを切換え制御することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の内燃機関の排ガス循環装置において、排ガス制御手段は前記触媒の温度が活性温度を下回ると、前記過給ガスを前記排気マニホールドに導くよう前記混合ガス切換弁を切換え前記バイパス流量制御弁と前記排ガス流量調整弁を開き、前記電動過給機を前記過給ガス導入回転数に保持することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1、2又は3記載の内燃機関の排ガス循環装置において、前記排ガス制御手段は前記触媒の温度が活性温度を上回ると、前記過給ガスを閉じるよう前記混合ガス切換弁を切換え前記バイパス流量制御弁を開き前記排ガス流量調整弁を閉じ、前記過給ガス導入回転数を空転に保持することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1又は2記載の内燃機関の排ガス循環装置において、前記排ガス制御手段は前記エンジン負荷が所定値を上回ると、前記過給ガスを前記吸気マニホールドに導くよう前記混合ガス切換弁を切換え前記バイパス流量制御弁と前記排ガス流量調整弁を閉じることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項2〜5のいずれか一つに記載の内燃機関の排ガス循環装置において、前記過給機回転数演算手段は前記排ガスの空燃比がリーン側にあるほど前記触媒温度が高温側にあるほど前記過給機回転数を低く設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、エンジン負荷が所定値以下であると、過給ガスを排気マニホールドに導くので、未処理排ガスを再度触媒に導き浄化処理を促進でき、触媒の活性化と排ガス浄化性能の早期向上を達成できる。
【0015】
請求項2の発明によればエンジン負荷が所定値以下で電動過給機を過給ガス導入回転数に保持した上で、過給ガスを排気マニホールドに導くので、適正量の過給ガスを触媒に供給して、触媒の早期活性化を図れ、未処理排ガスを再度触媒に導き浄化処理を促進でき、触媒の早期活性化と排ガス浄化性能の早期向上を共に達成できる。
【0016】
請求項3の発明によれば、触媒の温度が活性温度を下回る運転状態では、触媒への新気の供給による早期活性化と不活性状態の触媒を通過した未処理排ガスを再度触媒に導き浄化処理を促進でき、不活性触媒の早期活性化を促進して未処理排ガスの排出を早期に防止できる。
【0017】
請求項4の発明によれば、触媒の温度が活性温度を上回り触媒が活性域に入ると、過給ガスの排気マニホールドへの導入を停止し、バイパス流量制御弁を開いて新気をバイパス通路より吸気マニホールドに導くので、速やかに触媒活性化のための排ガス後処理運転を脱して定常運転に移行できる。
【0018】
請求項5の発明によれば、エンジン負荷が所定値を上回ると、給ガスを吸気マニホールドに導くので、速やかに過給運転に移行できる。
【0019】
請求項6の発明によれば、排気マニホールドに導入する過給ガス量を少量化するので、触媒活性化のための排ガス後処理運転を脱して定常運転に切換わる際の違和感を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態の内燃機関の排ガス循環装置が適用されたエンジンの全体構成図である。
【図2】図1の排ガス循環装置が用いるバイパス路及びバイパスバルブの拡大断面図である。
【図3】図1の排ガス循環装置が用いる排ガス還流管と排気バルブの拡大断面図である。
【図4】図1の排ガス循環装置が用いる二次バルブの拡大断面図である。
【0021】
【図5】図1の排ガス循環装置が用いるECUの制御機能を示すブロック図である。
【図6】図1の排ガス循環装置が行う排ガス後処理制御で用いる過給機回転数設定マップを示した。
【図7】図1の排ガス循環装置が行う排ガス後処理制御で用いる弁切換え設定用のマップを示した。
【図8】図1の排ガス循環装置が行う排気ガス後処理制御ルーチンのフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態の排ガス循環装置で用いる(a)排気バルブ、(b) 排気バルブ開度設定マップ、(c)排気バルブの制御機能部の排気ガス後処理制御ルーチンでの制御ステップである。
【図10】本発明の他の実施形態の排ガス循環装置で用いる(a)排気バルブ、(b)排気バルブ開度設定マップ、(c)排気バルブの制御機能部の排気ガス後処理制御ルーチンでの制御ステップである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の第1の実施の形態である内燃機関の排ガス循環装置について説明する。
図1は、本発明の内燃機関の排ガス循環装置を適用したエンジン1の全体構成図である。このエンジン1は、不図示の自動車(車両)に搭載され、例えば、理論空燃比(ストイキ)での運転やリッチ空燃比での運転(リッチ空燃比運転)の他、リーン空燃比での運転(リーン空燃比運転)が実現可能である。
このエンジン1はエンジン本体2の上部のシリンダヘッド3の左右側壁面に吸気マニホールド4及び排気マニホールド5が一体結合される。吸気マニホールド4には電動過給機25を配備した吸気路Riが、排気マニホールド5には排ガス浄化手段である三元触媒(以後単に触媒と記す)9を配備した排気路Reが接続される。
【0023】
エンジン本体2内に配備される4つの燃焼室6にはそれぞれ点火プラグ7と共に電磁式の燃料噴射弁8が取り付けられる。
点火プラグ7には高電圧を出力する点火ユニット11が接続されている。この点火ユニット11は不図示のタイミング制御回路と高圧電源回路と点火コイルとで構成され、電子コントロールユニット(以下、ECUと記す)12の点火信号に応じて点火コイルに高電圧を発生し、所定点火時期に点火処理を行う。
燃料噴射弁8には燃圧調整手段801を介して燃料供給源802に接続される。燃圧調整手段801はECU12からの燃圧信号を受けて所定燃圧の燃料を燃料噴射弁8に供給する。各燃料噴射弁8はECU12からの噴射信号に応じて燃焼室6内に向けて所定の燃圧で燃料噴射する。
【0024】
エンジン本体2は不図示の動弁系により駆動される吸排バルブ13、14の開閉駆動により、燃焼室6に対して吸気路Ri側の吸気ポート15及び排気通路Re側の排気ポート16をそれぞれ開閉制御し、吸気及び排気作動を行う。
吸気路Riはエアクリーナ17からの新気をスロットルバルブ18を備えた吸気管19、吸気マニホールド4、吸気ポート15を介し燃焼室6内に流入させる。なお、スロットルバルブ18はその不図示の電磁アクチュエータを介してECU12に電気的に接続されている。
【0025】
エアクリーナ17内には、吸入吸気量Qa情報を得るエアフローセンサ21が配備され、その情報はECU12に出力される。さらに、スロットルバルブ18にはスロットル開度センサ22が配備され、同センサのスロットル開度θs情報がECU12に出力される。またエンジン本体2の水温Tw情報を検出する水温センサ23が配備され、その検出信号はECU12に出力されている。
ここで、吸気路Riの途中には電動機24で駆動する電動過給機25が配備され、この電動過給機25にはバイパス路Rbが並列状に配備される。
バイパス路Rbはその上流分岐部r1で吸気路Riと分岐し、下流合流部r2で吸気路Riと合流している。更に、バイパス路Rbを成すバイパス管26にはバイパス路Rbの新気流量を調節するバイパス流量制御弁27(V2)が配備される。
【0026】
図2に示すように、バイパス流量制御弁(以下バイパスバルブとも記す)27は常開のバタフライ弁であり、そのバルブ本体271と一体の回転軸272にはリンク部材273を介して電動アクチュエーター28が接続される。この電動アクチュエーター28は3段のソレノイド281、282、283を備えた電磁弁である。この電動アクチュエーター28がECU12の弁開度出力を受けて、バルブ本体271を全開位置P1と半開位置P2と全閉位置P3とに切換え駆動する。
【0027】
一方、吸気路Riの上流側の上流分岐部r1でバイパス路Rbと分岐した吸気路Ri側の流路の途中には電動過給機25が配備される。吸気路Riの上流分岐部r1と電動過給機25の流入口251までの流路部分、即ち、上流分岐部r1と電動過給機25の間には排気ガス合流部r3が形成される。この排気ガス合流部r3には、排気路Re側の排ガスを合流させる排ガス還流路Rgを成す排ガス還流管29の下流端が接続されている。
【0028】
排ガス還流管29はパイプ部材であり、排気路Re側の触媒9を通過した後の排ガスを分岐して電動過給機25の吸引力により排気ガス合流部r3側である吸気路Re側に吸入する。
図3に示すように、排ガス還流管29はその途中に排ガス流量調整弁(以後排気バルブとも記す)31(V1)を備え、これにより排ガス還流路Rgの排ガス流量を調節する。ここで、排気バルブ31はバタフライ弁を成すバルブ本体311と、そのバルブ本体311と一体の回転軸312と、リンク部材313とを備え、リンク部材313には電動アクチュエーター32が接続される。この電動アクチュエーター32はこれが接続されるECU12の弁開度出力を受けて、バルブ本体311を全開位置q1と全閉位置q2とに選択的に切換え保持可能に形成されている。
【0029】
吸気路Riの上流分岐部r1と排気ガス合流部r3との間の流路には逆止弁33が配備される。この逆止弁33は排気ガス合流部r3側である電動過給機25の流入口251側に達した排ガスが電動過給機25の停止時等にバイパス路Rb側に逆流することを阻止するよう機能する。
ここでの電動過給機25は吸気路Riの新気と、後述する排気路Reから分流されてくる排ガスを選択的に吸入加圧し、過給ガスとして排出するよう機能する。この電動過給機25は電動機24で駆動する容積型の過給機であり、駆動制御はECU12により行われる。ECU12は車両の運転状態等に基づいて電動過給機25の駆動の可否を決定してモータコントローラ121に駆動信号を送り、この駆動信号に基づいて過給機駆動回路121が電源122の電力を電動機24に供給して行われる。
【0030】
吸気路Ri上であって電動過給機25の流出口252とバイパス路Rbとの合流位置である排気ガス合流部r3の間の流路には過給ガス切換弁(以後二次バルブとも記す)34が配備される。
二次バルブ34は電動過給機25から流出する過給ガスを下流合流部r2側である吸気マニホールド4か、排気マニホールド5に連通する分岐路Rsのいずれかに導入し、あるいは過給ガスの流れを遮断するよう切換える機能を備える。
【0031】
この二次バルブ34はその電動アクチュエーター341がECU12に接続されており、図4に示すように、ECU12からの弁開度出力によりケーシング341に支持された3層構造の弁体342が切換え制御される。即ち、弁体342が第1の切換え位置(実線の位置)に切換え保持されると電動過給機25の流出口252を下流合流部r2に連通させ、第二の切換え位置(弁体342が実線の位置より1層上段に切換えられた状態)に切換え保持されると流出口252を排気マニホールド5に連通させ、第三の切換え位置(弁体342が実線の位置より1層下段に切換えられた状態)に切換え保持されると流出口252を遮断に保持する。
【0032】
次に、排気通路Reを説明する。
図1に示すように、排気通路Reは排気マニホールド5とその合流部501より延びる排気管30とその途中に配備された触媒(三元触媒)9とその下流のマフラー36とその下流のテールパイプ37とで形成される。
排気マニホールド5はその合流部501の側壁に二次バルブ34より延び分岐路Rsを形成する分岐パイプ35の下流端が接続され、その下流端の開口から流出する過給ガスが排気通路Reに流入できる。この合流部501には排気通路Reの排ガスの空燃比を検出する空燃比センサ(A/Fセンサー)38が配備され、この検出された空燃比A/F情報がECU12に入力される。
【0033】
排気通路Reの途中の触媒9は三元触媒の機能を備えるもので、例えば、コージェライトでハニカム形状に形成された担体171を備え、これに活性貴金属として銅(Cu)、コバルト(Co)、銀(Ag)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)のいずれかを担持し、排ガスの空燃比がストイキオ域に保持される運転域で排ガス中に含まれる有害物質である、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)を同時に除去する。なお、触媒9には触媒温度センサ20が設けられ、この温度信号はECU12に入力されている。
なお、ECU12は定常運転時には、A/Fセンサー38の空燃比A/F信号を取り込み、これがストイキオに保持されるよう燃料噴射弁8による燃料供給量を増減調整し、排ガスの浄化処理を促進するように制御している。
【0034】
排気管30の触媒(三元触媒)9の下流位置には酸素濃度センサ(Oセンサー)39が配備される。このOセンサー39の出力はECU12に入力され、これにより排気ガス中の残留するO濃度を求め、排気ガス浄化処理制御に用いている。
マフラー36の下流のテールパイプ37には、排ガス還流管29の排気ガス吸入口側が接続される。この排ガス還流管29は排気路Reの排気ガスを分岐して吸入し、吸気路Ri側の排気ガス合流部r3に排気ガスを還流させることを可能としている。
【0035】
図1に示すように、ECU12は、入出力装置121、122、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)123、CPU124、等を備えており、このECU12によりエンジン1を含めた排出ガス循環装置の制御が行われる。
【0036】
図5に示すように、ECU12は、燃焼室6に燃料を供給する燃料供給手段A1と、吸気通路Riの吸気流量Qiを制御する流量制御手段A2と、点火プラグ7の点火時期を制御する点火時期制御手段A3と、過給ガス導入回転数Ncを設定する過給機回転数演算手段A4と、エンジン1の運転状態に応じて過給ガスを排気マニホールド5に導くようバイパスバルブ27と排気バルブ31と二次バルブ34とを切換え制御する排ガス制御手段A5との各制御機能を備える。
【0037】
燃料供給手段A1は、暖機時、定常時、過渡時等の各運転モードに沿って吸入空気量Qa、エンジン回転数Ne相当の基本噴射量(噴射時間に相当する)Tbを求め、これに水温Tw補正値を加算して燃料噴射量Tinjを求め、運転状態に応じた燃圧信号で燃圧調整手段801を駆動する。これにより、ECU12からの噴射指令に応じて駆動回路802を介して各燃料噴射弁8が駆動し、燃料供給源803からの燃料を所定の燃圧に調整したうえで、燃焼室6内に燃料噴射できる。
流量制御手段A2は、アクセル開度θa、エンジン回転数Ne、アクセル開度θaの変化速度dvθa等に応じた吸気流量Qiを求め、それに応じたスロットル開度θsを求め、スロットル開度センサ22の信号を用いスロットルバルブ18をスロットル開度θsに調整する。
【0038】
点火時期制御手段A3はエンジン回転数Ne相当の基本点火時期をノック信号の発生状況に応じて所定の遅角処理を行い点火時期θpを決定し、その点火時期θpを基に点火ユニット11により各気筒の点火処理を行う。
過給機回転数演算手段A4は排ガスの空燃比A/Fと触媒の温度に応じて排気マニホールドに導入する過給ガス量相当の過給ガス導入回転数NCdを設定する。ここで過給機回転数演算手段は、排ガスの空燃比A/Fがリーン側にあるほど触媒温度Tcが高温側にあるほど過給機回転数NCを低く設定する。なお。この過給機回転数設定マップm0の特性線図を図6に示した。
【0039】
排ガス制御手段A5はエンジン負荷ELが所定値以下であると、電動過給機25を過給ガス導入回転数NCdに保持すると共に、エンジン1の運転状態に応じて過給ガスを排気マニホールド5に導くようバイパスバルブ27と排気バルブ31と二次バルブ34とを切換え制御する。
特に、排ガス制御手段A5は触媒9の温度Tcが活性温度Tc1を下回る運転域を検出すると、その場合、過給ガスを排気マニホールド5に導くよう二次バルブ34を切換え、バイパスバルブ27と排気バルブ31とを共に開き、電動過給機25を過給ガス導入回転数NCdに保持するよう制御する。
この運転域では触媒9を早期活性化させ、同時に、排気バルブ31を開き、排気路Re側の触媒9を通過した後の排ガスを排ガス還流管29によりの吸気路Re側に電動過給機25の吸引力によりに吸入し、再度、排気ガスを新気と混合して過給ガスとして排気マニホールド5に導くことを可能としている。
【0040】
なお、ここでは、バイパスバルブ27と排気バルブ31とを共に全開に保持してエンジン1の回転安定化と排気ガスの排気マニホールド5への還流量の確保を図ることができ、装置の構成が比較的簡素化される。
更に、排ガス制御手段A5はバイパスバルブ27のみを半開位置p2に保持して、混合ガス中の新気比率をより高め、早期活性化を図ることも可能である。
更に、排ガス制御手段A5は触媒の温度Tcが活性温度Tc1を上回る運転域を検出すると、過給ガスを閉じるよう二次バルブ34を切換え、バイパスバルブ27を開き排気バルブ31を閉じるよう制御する。
【0041】
更に、排ガス制御手段A5はエンジン負荷ELが所定値EL1(走行域を判断する値)を上回ると、過給ガスを吸気マニホールド4に導くよう二次バルブ34を切換え、バイパスバルブ27と排気バルブ31を閉じ、定常走行域に入るよう制御する。
なお、このような排ガス制御手段A5が行う、バイパスバルブ27と排気バルブ31と二次バルブ34とを切換え制御する排ガス後処理制御で用いる弁切換え設定用のマップm3を図7に示した。
次に、エンジン1の冷間始動時における電動過給機25の制御について説明する。またECU12は触媒9を早期活性化させるための制御を実行するので、関連するバイパスバルブ27、排気バルブ31、二次バルブ34、の切換え制御についてECU12の作動と共に説明する。
【0042】
冷間始動時における電動過給機25の過給圧制御は電動過給機25の回転数を制御することによって行う。電動過給機25の回転数は電動過給機25に設けた回転センサ253により検出する。なお、電動過給機25は容積型の過給機であるので、過給圧は回転数に略比例し、また回転数は電動機24に供給する電流値に略比例する。そこで、予め電流値と回転数との関係を求めておき、回転数を検出することなく電動機24に供給する電流値の大きさを制御してもよい。
通常走行時において、加速要求を検出したときには、駆動しているエンジン1に供給する空気量を増量させる。このとき、バイパスバルブ27の開閉はECU1によって電動過給機25の駆動に関連付けて制御する。加速要求の検出は、アクセル開度θaを検出するアクセル開度センサ41の検出信号等に基づいて行う。
【0043】
次に、エンジン13の冷間始動時におけるバイパスバルブ27、排気バルブ31、二次バルブ34の制御について図8の排気ガス後処理制御ルーチンを参照して説明する。
不図示のメインルーチンではエンジン1が冷間始動時にあると、運転情報に応じた吸気流量Qi相当のスロットル開度θsを求め、同開度にスロットルバルブ18を調整し、更に、始動時相当の点火時期θpを決定し、その点火時期θpに各気筒の点火処理を行うよう制御を継続する。同時に、エンジン1の冷間始動時におけるアイドル運転実行中に図8の排気ガス後処理制御ルーチンに達したとする。
ここで、ステップs1に達すると、ここではエンジン運転情報である、エンジン回転数Ne、吸入空気量Qa、エンジン負荷EL、O2濃度、空燃比A/F、触媒温度Tc、水温Tw、等が対応する各センサの出力より読み込まれ、所定エリアにストアされる。
【0044】
次いで、ステップs2では過給機回転数演算手段A4として機能し、すなわち、現在の空燃比A/F、触媒温度Tcから排気マニホールドに導入する過給ガス量相当の過給ガス導入回転数NCdを図6の過給機回転数NC設定マップmaで算出し、設定する。
ここでは、現在の排ガスの空燃比A/Fがリッチ側で触媒温度Tcが低い低温始動時には排気マニホールドに導入する過給ガス量相当の過給ガス導入回転数NCdを大きく設定し、これにより触媒9の早期活性化を図り、排気ガス吸入量を大きく保持して、未処理排気ガスを再度触媒に戻して浄化処理を行い、冷態始動時における未処理排気ガスの低減を図り、冷態始動時における未処理排気ガスの総排出量を低減するよう制御する。この冷態始動時に触媒温度Tcが高温側に進み、排ガスの空燃比A/Fがリーン側に変移するに従い、過給ガス量相当の過給ガス導入回転数NCdを小さくし、吸気系への過給ガスより新気に切換えられる時点に達した際の切換え時における違和感の低減を図る。
【0045】
次いで、ステップs3に達すると、運転域が始動直後か否か判断し、初めはステップs4に進み、次の制御周期ではステップs5に進む。
初めに、ステップs4に達すると、水温Twが暖気判定用の水温Tw1を上回るか否か判断し、暖気完了後の再スタート時のような場合は、ここでの制御を終了させ、メインルーチンにリターンし、そうでないとステップs6において、バイパスバルブ(V2)27を開、排気バルブ(V1)31を閉、二次バルブ(V3)34を遮断位置に切換え、始動時モードに保持する。これにより新気を吸気マニホールド4に導き、始動容易化を図る。更に、ステップs11に進む。
【0046】
ステップs11では現在の排ガスの空燃比A/Fと触媒の温度Tcに応じて、過給機回転数NC設定マップm0を用いて現在の過給機回転数NCdを算出し、同値を目標値として目標値への修正制御をし、この回の制御を終了する。
【0047】
次の制御周期にステップs5に進んだとする。
ここではエンジン負荷ELであるアクセル開度θaが所定値θa1以下であるとすなわち、アイドル運転域にあると、ステップs8に、そうでないと、すなわち走行域に入ったような場合、ステップs7に進む。
ステップs8では触媒温度Tcは活性温度Tc1を上回るか判断し、上回る場合は、ステップs9に、そうでないとステップs10に進む。
【0048】
ステップs10では、冷態始動時で、触媒が活性する前にあるとして、バイパスバルブ(V2)27を開、排気バルブ(V1)31を開、二次バルブ(V3)34を過給ガスを排気マニホールドに導入する位置2切換え、ステップs11に進んで、過給ガス量相当の過給ガス導入回転数NCdを設定し、この回の制御を終了する。
これにより電動過給機25が新気と排ガスを吸入し、過給ガスを排気マニホールド5の触媒上流に導入する。この際、バイパスバルブ(V2)27は全開し、エンジン1のアイドル運転が進み、同時に、新気の一部が分流し、排気路Reの排ガスの一部が分流し、これらの混合気が電動過給機25の吸引力で吸引され、過給ガスが排気マニホールドに導入されるが、そのときの新気と排ガスの混合比は吸気路Riと排ガス還流路Rgとの流路抵抗に応じた比率となる。この比率はエンジン1のアイドル回転の容易化、触媒の早期活性化を図れる範囲で排ガスの戻り量を増加できるという比率が適宜設定される。
【0049】
次の制御周期において、ステップs8に達し、触媒温度Tcが活性温度Tc1を上回り、活性化がなされると、ステップs9に進む。ここでは、冷態始動時であるが触媒が活性したとして、バイパスバルブ(V2)27を開、排気バルブ(V1)31を閉、二次バルブ(V3)34を遮断し、新気をすべて吸気マニホールド4に流入させる。ステップs9よりステップs12に進むと、アイドル時の電動過給機25の制御を止め、空転に保持し、この回の制御を終了する。
この場合、過給ガスの排気マニホールドへの導入を停止し、バイパスバルブ(V2)27を開いて新気をバイパス通路より吸気マニホールド4に導くので、速やかに触媒活性化のための排ガス後処理運転を脱して定常運転に移行する状態に保持できる。
【0050】
次の制御周期において、走行域に入ったような場合にステップs7に達するとする。
この場合、冷態始動時で、触媒が活性していない場合でも、エンジン負荷ELが所定値を上回ると、走行優先となり、過給ガスを吸気マニホールド4に導入する位置となるように二次バルブ(V3)34を切換え、バイパスバルブ(V2)27を閉、排気バルブ(V1)31を閉に切換え、ステップs13に進むと、アイドル時の電動過給機25の制御を止め、エンジン回転数Neとエンジン負荷EL相当の回転数Ncに保持し、この回の制御を終了する。
この場合、エンジン負荷ELが所定値を上回る、すなわち、走行域への移行時であると、新気のみの過給ガスを吸気マニホールド4に導くので、速やかに過給運転に移行できる。
【0051】
第2実施形態について説明する。
本実施形態のシステムの構成は排気バルブ31a(V1)のみが相違し、その他の構造は第1実施形態と同様であり、重複説明を省略する。
ここで、図9(a)に示すように、排気路Reと吸気路Riを結ぶ排ガス還流管29はその途中に排気バルブに代えて電動アクチュエーターとしてのデュ−ティー制御弁51で駆動するバタフライ弁であるバルブ本体311aを備える。バルブ本体311aの回転軸311bにはリンク部材311cを介してデュ−ティー制御弁51が接続される。デュ−ティー制御弁51はECU12aの弁開度出力を受けて、バルブ本体311aを全開位置q1から全閉位置q2の間の変動領域eにおいて開度を切換え保持可能に形成されている。
【0052】
この場合、ECU12aは、図9(b)に示す開度マップm1に沿って制御出力を発する。すなわち、触媒温度センサ20(図1参照)で取り込んだ触媒温度Tcが低温から高温に変化するに応じて、排気バルブ31aを実線で示すように全開から全閉に順次目標開度を切換え設定する。これにより、ECU12aは上述のステップs10の制御に代えて、図9(c)に示すステップs10aに示すように制御する。
【0053】
この場合、ステップs10aでは、冷態始動時で、触媒が活性する前にあるとして、バイパスバルブ(V2)27を開、二次バルブ(V3)34を過給ガスを排気マニホールドに導入する位置2に切換へ、特に、ここでは、排気バルブ(V1)31aの開度を、低温始動初期にあると、排気ガスの還流比率を大きく保持して、触媒通過の未処理排気ガスを触媒9に戻して、浄化率を高め、未処理排ガスの放出を抑える。更に、触媒温度Tcが上昇するのに応じて、新気の導入を進め、触媒9の早期活性化を進める。これにより、未処理排気ガスの総排出量を抑えると共に触媒の早期活性を促進できる。
【0054】
更に、第3実施形態について説明する。
本実施形態のシステムの構成は排気バルブ31のみが相違し、その他の構造は第1実施形態と同様であり、重複説明を省略する。
ここで、図10(a)に示すように、排気路Reと吸気路Riを結ぶ排ガス還流管29はその途中に中間開度を保持できる排気バルブ31b(V1)を備える。排気バルブ31b(V1)はバルブ本体611aの回転軸611bがリンク部材611cに接続される。このリンク部材611cが電動アクチュエーターである3段のソレノイド611、612、613を備えた電磁弁61に連結される。この電磁弁61がECU12bの弁開度出力を受けて全閉位置U0より、半開位置U1と全開位置U2とに切換え駆動する。
【0055】
この場合、ECU12bは、図10(b)に示す開度マップm2に沿って制御出力を発する。ECU12bは上述のステップs10の制御に代えて、図10(c)に示すステップs10bに示すように制御する。
この場合、ステップs10bでは、冷態始動時で、触媒が活性する前にあるとして、バイパスバルブ(V2)27を開、二次バルブ(V3)34を過給ガスを排気マニホールドに導入する位置2に切換える。特に、ここでは、排気バルブ31b(V1)の開度を、触媒温度Tcが低温で全開に保持し、活性半ばである所定の中間温度Tcnでは排気バルブ31b(V1)を半開に切換え、触媒温度Tcが活性済みとなると、全閉に切換えている。この場合、制御の簡素化を図れる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0056】
1 エンジン
4 吸気マニホールド
5 排気マニホールド
6 燃焼室
7 点火プラグ
9 触媒
24 電動機
25 電動過給機
27 バイパスバルブ(バイパス流量制御弁)
29 排ガス還流管
31 排気バルブ(排ガス流量調整弁)
34 二次バルブ(過給ガス切換弁)
r1 上流分岐部
r2 下流合流部間
r3 排気ガス合流部
A1 燃料供給手段
A2 流量制御手段
A3 点火時期制御手段
A4 過給機回転数演算手段
A5 排ガス制御手段
EL エンジン負荷
Nc 過給機回転数
NCd 過給ガス導入回転数
Qi 吸気流量
Rb バイパス路
Ri 吸気路
Re 排気路
Tc 触媒温度
A/F 排ガスの空燃比
Rg 排ガス還流路
Rs 分岐路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入した新気を電動機で駆動する電動過給機によって過給したうえでエンジンの吸気マニホールドに導く吸気路と、
前記エンジンの排気マニホールドよりの排ガスを触媒により浄化して大気に排出する排気路と、
前記吸気路に流入した新気を前記電動過給機の上流分岐部より下流合流部間まで迂回させるバイパス通路と、
前記バイパス通路の新気流量を調節するバイパス流量制御弁と、
前記触媒通過後の排ガスを前記上流分岐部と前記電動過給機の間の排気ガス合流部に合流させる排ガス還流路と、
前記排ガス還流路の排ガス流量を調節する排ガス流量調整弁と、
前記電動過給機から流出する過給ガスを前記下流合流部か前記排気マニホールドに連通する分岐路のいずれかに導入しあるいは該過給ガスの流れを遮断するよう切換える過給ガス切換弁と、
前記エンジン負荷が所定値以下であると、前記エンジンの運転状態に応じて前記過給ガスを前記排気マニホールドに導くよう前記バイパス流量制御弁と前記排ガス流量調整弁と前記混合ガス切換弁とを切換え制御する排ガス制御手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の排ガス循環装置。
【請求項2】
請求項1記載の内燃機関の排ガス循環装置において、
前記排ガスの空燃比と前記触媒の温度に応じて前記排気マニホールドに導入する過給ガス量相当の過給ガス導入回転数を設定する過給機回転数演算手段を備え、
排ガス制御手段は、前記電動過給機を前記過給ガス導入回転数に保持すると共に、前記エンジンの運転状態に応じて前記過給ガスを前記排気マニホールドに導くよう前記バイパス流量制御弁と前記排ガス流量調整弁と前記混合ガス切換弁とを切換え制御することを特徴とする内燃機関の排ガス循環装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の内燃機関の排ガス循環装置において、
排ガス制御手段は前記触媒の温度が活性温度を下回ると、前記過給ガスを前記排気マニホールドに導くよう前記混合ガス切換弁を切換え前記バイパス流量制御弁と前記排ガス流量調整弁を開き、前記電動過給機を前記過給ガス導入回転数に保持することを特徴とする内燃機関の排ガス循環装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載の内燃機関の排ガス循環装置において、
前記排ガス制御手段は前記触媒の温度が活性温度を上回ると、前記過給ガスを閉じるよう前記混合ガス切換弁を切換え前記バイパス流量制御弁を開き前記排ガス流量調整弁を閉じ、前記過給ガス導入回転数を空転に保持することを特徴とする内燃機関の排ガス循環装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の内燃機関の排ガス循環装置において、
前記排ガス制御手段は前記エンジン負荷が所定値を上回ると、前記過給ガスを前記吸気マニホールドに導くよう前記混合ガス切換弁を切換え前記バイパス流量制御弁と前記排ガス流量調整弁を閉じることを特徴とする内燃機関の排ガス循環装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか一つに記載の内燃機関の排ガス循環装置において、
前記過給機回転数演算手段は前記排ガスの空燃比がリーン側にあるほど前記触媒温度が高温側にあるほど前記過給機回転数を低く設定することを特徴とする内燃機関の排ガス循環装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−77706(P2012−77706A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225132(P2010−225132)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】