説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】しきい値電圧のばらつきが小さい記憶素子部と、低消費電力で高速な論理素子部を有する半導体装置を可能にする。
【解決手段】記憶素子部12と論理素子部13とに素子分離領域14で分離された半導体層11の記憶素子部12の第1面S1側に第1ゲート電極23を有する第1電界効果トランジスタ21と、記憶素子部12の第2面S2側に第2ゲート電極33を有し、第1電界効果トランジスタ21とソース・ドレイン領域を共通とする第2電界効果トランジスタ31と、論理素子部13の第1面S1側に第3ゲート電極43を有する第3電界効果トランジスタ41と、第1面S1側に形成された第1絶縁膜51と、第2面S2側に形成された第2絶縁膜61を有し、第1、第2電界効果トランジスタ21、31は完全空乏型の電界効果トランジスタであり、第1、第2ゲート電極23、33は電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CPUをはじめとするロジックデバイスには、主たるメモリーとしてロジックプロセスの整合性の良いSRAMが使われており、デバイスの低消費電力化を達成するために低電圧で動作するSRAMが要求されている。
また一方、論理回路部では低電圧動作に加えて低負荷容量であることがデバイスの低消費電力化を実現するために重要な要因となっている。
微細化されたSRAMの低電圧動作マージンを決める最も大きな要素は不純物ばらつき起因のしきい値電圧のばらつきである。
しきい値電圧のばらつき、σVtは、下記(1)式(タウア・ニン著「最新VLSIの基礎」p.279参照。)で与えられる。
【0003】
σVt=q√(Na・Wdm0/(3LW))/Cox…(1)
【0004】
ただし、(1)式中、Lはトランジスタのゲート長、Wはトランジスタのゲート幅、Naはチャネル不純物濃度、Wdm0はチャネル空乏層幅である。また、Coxはゲート容量である。
【0005】
微細化されてゲート長Lおよびゲート幅Wが小さいMOSFETのしきい値電圧のばらつきσVtを抑制するためには以下のようにする。例えば、上記(1)式より、酸化ハフニウム(HfO2)、酸窒化ケイ化ハフニウム(HfSiON)等の高誘電体材料をゲート絶縁膜に使用して実効的なゲート絶縁膜の膜厚Toxを小さくする。もしくは、完全空乏型のSOIトランジスタ(Naでしきい値電圧Vtを決めるのではなくゲート電極材料の仕事関数でVtを決める)を使用する(例えば、非特許文献1参照。)。
しかし、たとえゲート絶縁膜にHigh−k膜を用いたとしても、大幅にToxを低減できる訳ではないので、スケーリングが進めばσVtはいずれ問題となる。
【0006】
上記非特許文献1には、完全空乏型SOI・FETを用いた6T型SRAMの例が示されている。このFETには高誘電率(High−k)ゲート絶縁膜とメタルゲートが用いられている。このように、High−k膜を使用してToxを実効的に小さくすることでσVtを小さくすることができる。
【0007】
非特許文献2には、トランジスタにFin型FETを用いた場合のSRAMセルレイアウト、回路図、およびトランジスタ構造の模式図が示されている。特にアクセストランジスタのゲートが左右独立となっていて、駆動力調整用ゲート端子でアクセストランジスタのVtを読み出し時(High Vt)と書き込み時(Low Vt)で変えることを特徴としている。上記Fin型FETは、縦型の完全空乏型ダブルゲートトランジスタであり、ゲート電極材料を適当に選べばチャネルの不純物濃度Naを小さな値にすることができ、結果としてσVtを小さくすることができる。
【0008】
しかし、トランジスタ構造が縦型であるため、微細なゲート電極の加工、イオン注入、拡散層の形成、サイドウォールスぺーサの形成、サリサイドの形成等が難しい。また、コンタクト部が細いSi端でのみで接続するので、コンタクト抵抗が大きくなっている。上記コンタクト抵抗を下げる手法として、Si柱の表面にSiをエピタキシャル成長させて、拡散層との接続部分のみ太らせる方法がある。しかし、ゲート電極と拡散層間の寄生容量が大きくなるので、トランジスタのスイッチングスピードが遅くなり、消費電力が大きくなる。
【0009】
別の従来例としては、上下のゲート電極でチャネル部分を挟み込み、下部ゲート電極にはDCバイアスが印加されていて、当該SOIトランジスタのしきい値電圧を可変制御するものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、SOI基板のBOX層の裏面に独立のコントロールゲートを設けてトランジスタ毎にしきい値電圧を調整する構成のため、しきい値電圧ばらつきを低減するには個々のトランジスタ毎に裏面ゲートバイアスを最適化する必要がある。このため、回路規模が大きくなる。
【0010】
また、別の従来例としては、2入力NAND回路のPFETを縦積にして集積度を向上させるものが開示されている。なお、2入力NOR回路の場合はNFETが縦積みとなる。そして、上下のゲート電極は全く独立に動作するものである(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、2入力の並列トランジスタを縦積みにして、集積度を向上させることを目的としているが、上下のトランジスタに異なる電位を与えるため、共通のチャネル部分の電位を安定させることができず、目的の性能を実現することが困難である。
【0011】
【非特許文献1】C.Fenouillet-Beranger,et al “Fully-Depleted SOI Technology using High-K and Single-Metal Gate for 32nm Node LSTP Applications featuring 0.179μm2 6T-SRAM bitcell” 2007 IEDM 10.7
【非特許文献2】http://www. sijapan.com/content/l_news/2007/09/news070918_0201.html、平成20年10月28日検索
【特許文献1】特開2001-127300号公報
【特許文献2】特開平08-288400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
解決しようとする問題点は、しきい値電圧のばらつきが小さい記憶素子部と、低電圧動作、低消費電力で、高速な論理素子部を有する半導体装置を実現することが困難な点である。
【0013】
本発明は、低電圧動作で負荷容量が低い論理素子部(論理回路部)のトランジスタと、しきい値電圧のばらつきが小さい記憶素子部のトランジスタを用いることで、低消費電力で高速な論理素子部を有する半導体装置を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の半導体装置は、半導体層と、前記半導体層に形成されていて前記半導体層を記憶素子部と論理素子部とに分離する素子分離領域と、前記半導体層の前記記憶素子部に形成されていて前記半導体層の第1面側に第1ゲート電極を有する第1電界効果トランジスタと、前記半導体層の前記記憶素子部に形成されていて、前記第1面とは反対の第2面側に第2ゲート電極を有し、前記第1電界効果トランジスタのソース・ドレイン領域と共通のソース・ドレイン領域を有する第2電界効果トランジスタと、前記半導体層の前記論理素子部に形成されていて、前記第2面側に第3ゲート電極を有する第3電界効果トランジスタと、前記第1電界効果トランジスタを被覆して前記半導体層に形成された第1絶縁膜と、前記第2電界効果トランジスタと前記第3電界効果トランジスタを被覆して前記半導体層に形成された第2絶縁膜を有し、前記第1電界効果トランジスタおよび前記第2電界効果トランジスタは完全空乏型の電界効果トランジスタであり、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極は電気的に接続されている。
【0015】
本発明の半導体装置では、第1絶縁膜と第2絶縁膜との間に半導体層が形成され、実質的に半導体層はSOI構造となっている。その半導体層に形成される第1電界効果トランジスタと第2電界効果トランジスタは、完全空乏型の電界効果トランジスタであり、動作時に半導体層に空乏化しない領域を残さない。つまりチャネル領域となる半導体層が完全に空乏化する。よって、メモリーセルトランジスタのリークを抑制しながら、チャネル濃度を薄くすることができ、しきい値電圧のばらつきであるσVthが大幅に低減される。
また、論理素子部に形成された第3電界効果トランジスタは、部分空乏型のシングルゲートの電界効果トランジスタとすることができ、低電圧動作で低負荷容量の電界効果トランジスタとなっている。
【0016】
本発明の半導体装置の製造方法(第1製造方法)は、基板と絶縁層とシリコン層が積層されたSOI基板の該シリコン層の記憶素子部となる表面に第1ゲート絶縁膜を介して第1電界効果トランジスタの第1ゲート電極を形成する工程と、前記シリコン層の表面に前記第1ゲート電極を被覆する第1絶縁膜を形成し、さらに該第1絶縁膜上に支持基板を形成する工程と、前記基板と前記絶縁層を除去して前記シリコン層の裏面を露出させる工程と、前記シリコン層に前記記憶素子部と論理素子部を分離する素子分離領域を形成する工程と、前記シリコン層の前記記憶素子部となる裏面で前記第1ゲート電極に対向する位置に第2ゲート絶縁膜を介して第2電界効果トランジスタの第2ゲート電極を形成し、かつ前記シリコン層の前記論理素子部となる裏面に第3ゲート絶縁膜を介して第3電界効果トランジスタの第3ゲート電極を形成する工程と、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極の両側の前記シリコン層に前記第1電界効果トランジスタと前記第2電界効果トランジスタの共通のソース・ドレイン領域となる第1ソース・ドレイン領域を形成し、前記第3ゲート電極の両側の前記シリコン層に前記第3電界効果トランジスタの第3ソース・ドレイン領域を形成する工程と、前記素子分離領域に前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とを接続するコンタクト部を形成する工程と、前記シリコン層の裏面に、前記第2ゲート電極および前記第3ゲート電極を被覆する第2絶縁膜を形成する工程を有し、前記第1電界効果トランジスタと前記第2電界効果トランジスタを完全空乏型の電界効果トランジスタに形成する。
【0017】
本発明の半導体装置の製造方法(第2製造方法)は、基板と絶縁層とシリコン層が積層されたSOI基板の該シリコン層に記憶素子部と論理素子部を分離する素子分離領域を形成する工程と、前記シリコン層の前記記憶素子部となる表面に第2ゲート絶縁膜を介して第2電界効果トランジスタの第2ゲート電極と、前記シリコン層の前記論理素子部となる表面に第3電界効果トランジスタの第3ゲート電極を形成する工程と、前記第2ゲート電極の両側の前記シリコン層に前記第2電界効果トランジスタの第2ソース・ドレイン領域を形成し、前記第3ゲート電極の両側の前記シリコン層に前記第3電界効果トランジスタの第3ソース・ドレイン領域を形成する工程と、前記シリコン層の表面に前記第2ゲート電極と前記第3ゲート電極を被覆する第2絶縁膜を形成し、さらに該第2絶縁膜上に支持基板を形成する工程と、前記基板と前記絶縁層を除去して前記シリコン層の裏面を露出させる工程と、前記シリコン層の前記記憶素子部となる裏面で前記第2ゲート電極に対向する位置に、第1ゲート絶縁膜を介して第1電界効果トランジスタの第1ゲート電極を形成する工程と、前記素子分離領域に前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とを接続するコンタクト部を形成する工程と、前記シリコン層の裏面側に、前記第1ゲート電極を被覆する第1絶縁膜を形成する工程を有し、前記第1電界効果トランジスタと前記第2電界効果トランジスタを完全空乏型の電界効果トランジスタに形成する。
【0018】
本発明の半導体装置の第1、第2製造方法では、シリコン層の両面に第1、第2絶縁膜が形成されるので、実質的にシリコン層はSOI構造に形成される。そのシリコン層に形成される第1、第2電界効果トランジスタは、完全空乏型の電界効果トランジスタとして形成されるので、動作時にシリコン層に空乏化しない領域を残さない。つまりチャネル領域となるシリコン層が完全に空乏化する。よって、メモリーセルトランジスタのリークを抑制しながら、チャネル濃度を薄くすることができ、しきい値電圧のばらつきであるσVthが大幅に低減される。また、論理素子部に形成された第3電界効果トランジスタは、部分空乏型のシングルゲートの電界効果トランジスタとすることができ、低電圧動作で低負荷容量の電界効果トランジスタとなっている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の半導体装置は、記憶素子部の電界効果トランジスタのσVthが大幅に低減でき、論理素子部の電界効果トランジスタが低電圧動作で低負荷容量の電界効果トランジスタとなっているので、低消費電力で高速動作が可能となる。
【0020】
本発明の半導体装置の第1、第2製造方法は、記憶素子部の電界効果トランジスタのσVthが大幅に低減でき、論理素子部の電界効果トランジスタが低電圧動作で低負荷容量の電界効果トランジスタとなるので、低消費電力で高速動作が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<1.第1の実施の形態>
[半導体装置の構成の第1例]
本発明の第1実施の形態に係る半導体装置の構成の第1例を、図1の概略構成断面図によって説明する。図1では、一例として、論理素子部の論理素子回路のトランジスタと、記憶素子部としてSRAMセルのNチャネルトランジスタを示している。
【0022】
図1に示すように、半導体層11を備え、この半導体層11には、記憶素子部12と論理素子部13を分離する素子分離領域14が形成されている。
上記半導体層11は、例えばシリコン層で形成されている。上記素子分離領域14は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)構造であり、上記半導体層11に形成された素子分離溝に酸化シリコンを埋め込んで形成されている。
【0023】
上記半導体層11の上記記憶素子部13には、上記半導体層11の第1面S1(表面)側に第1ゲート電極23を有する第1電界効果トランジスタ21が形成されている。
また上記半導体層11の上記記憶素子部12には、上記第1面S1とは反対の第2面S2(裏面)側に第2ゲート電極33を有する第2電界効果トランジスタ31が形成されている。この第2電界効果トランジスタ31は上記第1電界効果トランジスタ21の第1ソース・ドレイン領域24、25と共通のソース・ドレイン領域を有する。また、第1ゲート電極23と第2ゲート電極33は、第1ゲート絶縁膜22、半導体層11、第2ゲート絶縁膜32を挟んで対向する位置に形成されている。
また、上記第1電界効果トランジスタ21および上記第2電界効果トランジスタ31は完全空乏型の電界効果トランジスタである。
さらに上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33は、図示はしていないが電気的に接続されている。
【0024】
さらに、上記半導体層11の上記論理素子部13には、上記半導体層11の第2面S2側に第3ゲート電極43を有する第3電界効果トランジスタ41が形成されている。
この第3電界効果トランジスタ41は、部分空乏型の電界効果トランジスタである。
【0025】
また、上記半導体層11の第1面S1には上記第1電界効果トランジスタ21を被覆する第1絶縁膜51が形成されている。この第1絶縁膜51は、例えば数百nmの厚さもしくはそれよりも厚い厚さに形成され、その表面は平坦化されている。さらに、この第1絶縁膜51上に支持基板100が形成されている。
さらに、上記半導体層11の第2面S2には上記第2電界効果トランジスタ31と上記第3電界効果トランジスタ41を被覆する第2絶縁膜61が形成されている。
【0026】
さらに、上記第1、第2、第3電界効果トランジスタ21、31、41を詳しく説明する。
上記第1電界効果トランジスタ21は、上記半導体層11の上記第1面S1に第1ゲート絶縁膜22を介して上記第1ゲート電極23が形成され、この第1ゲート電極23の両側の上記半導体層11に第1ソース・ドレイン領域24、25が形成されたものである。
したがって、上記第1ソース・ドレイン領域24、25間の上記半導体層11の部分が、上記第1電界効果トランジスタ21のチャネル領域となる。
上記第1ゲート絶縁膜22は、例えば、化学式HfO2、HfSiON、ZrO2、ZrSiON等で表される、いわゆる高誘電率(High−k)膜、もしくは熱酸化窒化膜と上記高誘電率膜の複合膜で形成されている。
上記第1ゲート電極23は、例えば、窒化チタン、炭化タンタル、タングステンもしくはポリシリコンで形成されている。
【0027】
上記第2電界効果トランジスタ31は、上記半導体層11の上記第2面S2に第2ゲート絶縁膜32を介して上記第2ゲート電極33が形成され、この第2ゲート電極33の両側の上記半導体層11に第2ソース・ドレイン領域34、35が形成されたものである。
したがって、上記第2ソース・ドレイン領域34、35間の上記半導体層11の部分が、上記第1電界効果トランジスタ21と共通の上記第2電界効果トランジスタ31のチャネル領域となる。また、上記第2ソース・ドレイン領域34、35は、上記第1ソース・ドレイン領域24、25と共通の拡散層で形成されている。
上記第2ゲート絶縁膜33は、例えば、化学式HfO2、HfSiON、ZrO2、ZrSiON等で表される、いわゆる高誘電率(High−k)膜、もしくは熱酸化窒化膜と上記高誘電率膜の複合膜で形成されている。
上記第2ゲート電極33は、例えば、窒化チタン、炭化タンタル、タングステンもしくはポリシリコンで形成されている。
なお、第1ゲート電極23のゲート長は、第2ソース・ドレイン領域34、35の第1面S1側の間隔に合わせて形成され、例えば第2ゲート電極33のゲート長より長く形成されていてもよい。もちろん、第1ソース・ドレイン領域24、25(第2ソース・ドレイン領域34、35)の第1面S1側の間隔および第2面S2側の間隔が同じ場合には、第1ゲート電極23と第2ゲート電極33のゲート長は同じ長さに形成される。
【0028】
上記第3電界効果トランジスタ41は、上記半導体層11の上記第2面S2に第3ゲート絶縁膜42を介して上記第3ゲート電極43が形成され、この第3ゲート電極43の両側の上記半導体層11に第3ソース・ドレイン領域44、45が形成されたものである。
したがって、上記第3ソース・ドレイン領域44、45間の上記半導体層11の部分が、上記第3電界効果トランジスタ41のチャネル領域となる。
上記第3ゲート絶縁膜42は、例えば、化学式HfO2、HfSiON、ZrO2、ZrSiON等で表される、いわゆる高誘電率(High−k)膜、もしくは熱酸化窒化膜と上記高誘電率膜の複合膜で形成されている。
上記第3ゲート電極43は、例えば、窒化チタン、炭化タンタル、タングステンもしくはポリシリコンで形成されている。
したがって、上記半導体層11の第1面S1側には、論理素子部13の電界効果トランジスタは存在しない。
【0029】
さらに、上記第2絶縁膜61には、上記第2ソース・ドレイン領域34、35に接続するコンタクト部62、63、上記第3ソース・ドレイン領域44、45に接続するコンタクト部64、65が形成されている。さらに上記コンタクト部62〜65には、それぞれに接続する配線66〜69が形成されている。
以下、図示はしていないが、第N層(N≧2)の配線と、第N層の配線と第N−1層の配線を接続する第N−1のコンタクト部が形成される。すなわち、上記配線は多層配線で形成されている。
上記コンタクト部62〜65は、例えばチタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、銅等の金属材料で形成されている。
【0030】
次に、上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33の電気的に接続されている構成の一例を説明する。
図示はしていないが、上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33は、上記半導体層11に形成された素子分離領域14側に引き出されて形成されている。例えば、図2の断面図に示すように、この素子分離領域14に引き出された上記第1ゲート電極23、第2ゲート電極33は、素子分離領域14に形成されたコンタクトホール15を埋め込んで形成されたコンタクト部16によって接続されている。すなわち、上記第1ゲート電極23の下面側と上記第2ゲート電極33の一側面および下面側が上記コンタクト部16によって接続されている。
上記コンタクト部16は、例えばチタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、銅等の金属材料で形成されている。
【0031】
上記半導体装置1では、上記第1電界効果トランジスタ21の第1ゲート電極23と上記第2電界効果トランジスタ31の第2ゲート電極33とが電気的に接続されていることから、上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33とに同電位が与えられる。このため、上記第1電界効果トランジスタ21と上記第2電界効果トランジスタ31の共通のチャネル部分の電位を安定させることができ、目的の性能を実現することができる。
【0032】
なお、図面には、上記第1電界効果トランジスタ21と上記第2電界効果トランジスタ31が示されているが、上記記憶素子部12は複数の電界効果トランジスタで構成されている。その一部が上記第1電界効果トランジスタ21と上記第2電界効果トランジスタ31である。
【0033】
上記半導体装置1では、第1絶縁膜51と第2絶縁膜61との間に半導体層11が形成され、実質的に半導体層11はSOI構造となっている。その半導体層11に形成される第1電界効果トランジスタ21および第2電界効果トランジスタ31は、完全空乏型の電界効果トランジスタであり、動作時に半導体層に空乏化しない領域を残さない。つまりチャネル領域となる半導体層11が完全に空乏化する。
よって、メモリーセルトランジスタのリークを抑制しながら、チャネル濃度を薄くすることができ、しきい値電圧のばらつきであるσVthが大幅に低減される。
また、論理素子部13に形成された第3電界効果トランジスタ41は、部分空乏型のシングルゲートの電界効果トランジスタとすることができ、低電圧動作で低負荷容量の電界効果トランジスタとなっている。
よって、記憶素子部12の第1、第2電界効果トランジスタ21、31のσVthが大幅に低減でき、論理素子部13の第3電界効果トランジスタ43が低電圧動作で低負荷容量の電界効果トランジスタとなっているので、低消費電力で高速動作が可能となる。
【0034】
上記半導体装置1は、例えば図3の回路図および図4のレイアウト図に示すようなSRAMに適用できる。
半導体層11の上面側に形成された第1電界効果トランジスタ21の第1ゲート電極23と上記半導体層11の下面側に形成された第2電界効果トランジスタ31の第2ゲート電極33は、平面レイアウト上、いずれか一方が他方の内側に配置されている。図面では、一例として、平面レイアウト上、第2ゲート電極33が第1ゲート電極23の内側に配置されている。その際、第2ゲート電極33と第1ゲート電極23との合わせずれを考慮しても、平面レイアウト上、第2ゲート電極33が第1ゲート電極23の内側に配置されている。
【0035】
そして、図5の前記図4中のA−A’線断面図に示すように、上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33は、上記半導体層11に形成された素子分離領域14を貫通して形成されたコンタクト部16によって電気的に接続されている。
【0036】
<2.第2の実施の形態>
[半導体装置の構成の第2例]
本発明の第2実施の形態に係る半導体装置の構成の第2例を、図6の概略構成断面図によって説明する。図6では、一例として、論理素子部の論理素子回路のトランジスタと、記憶素子部としてSRAMセルのNチャネルトランジスタを示している。
【0037】
図6に示すように、半導体層11を備え、この半導体層11には、記憶素子部12と論理素子部13を分離する素子分離領域14が形成されている。
上記半導体層11は、例えばシリコン層で形成されている。上記素子分離領域14は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)構造であり、上記半導体層11に形成された素子分離溝に酸化シリコンを埋め込んで形成されている。
【0038】
上記半導体層11の上記記憶素子部13には、上記半導体層11の第1面S1(裏面)側に第1ゲート電極23を有する第1電界効果トランジスタ21が形成されている。
上記第1電界効果トランジスタ21は、上記半導体層11の上記第1面S1に第1ゲート絶縁膜22を介して上記第1ゲート電極23が形成され、この第1ゲート電極23の両側の上記半導体層11に第1ソース・ドレイン領域24、25が形成されたものである。
したがって、上記第1ソース・ドレイン領域24、25間の上記半導体層11の部分が、上記第1電界効果トランジスタ21のチャネル領域となる。
上記第1ゲート絶縁膜22、上記第1ゲート電極23は、前記第1実施の形態で説明したのと同様な材料で形成されている。
【0039】
また、上記半導体層11の上記記憶素子部12には、上記第1面S1とは反対の第2面S2(表面)側に第2ゲート電極33を有する第2電界効果トランジスタ31が形成されている。
上記第2電界効果トランジスタ31は、上記半導体層11の上記第2面S2に第2ゲート絶縁膜32を介して上記第2ゲート電極33が形成され、この第2ゲート電極33の両側の上記半導体層11に第2ソース・ドレイン領域34、35が形成されたものである。
したがって、上記第2ソース・ドレイン領域34、35間の上記半導体層11の部分が、上記第1電界効果トランジスタ21と共通の上記第2電界効果トランジスタ31のチャネル領域となっている。また、上記第2ソース・ドレイン領域34、35は、上記第1ソース・ドレイン領域24、25と共通の拡散層で形成されている。また、第1ゲート電極23と第2ゲート電極33は、第1ゲート絶縁膜22、半導体層11、第2ゲート絶縁膜32を挟んで対向する位置に形成されている。
上記第2ゲート絶縁膜33、上記第2ゲート電極33は、前記第1実施の形態で説明したのと同様な材料で形成されている。
なお、第2ゲート電極33のゲート長は、第1ソース・ドレイン領域24、25の第2面S2側の間隔に合わせて形成され、例えば第1ゲート電極23のゲート長より長く形成されていてもよい。もちろん、第1ソース・ドレイン領域24、25(第2ソース・ドレイン領域34、35)の第1面S1側の間隔および第2面S2側の間隔が同じ場合には、第1ゲート電極23と第2ゲート電極33のゲート長は同じ長さに形成される。
上記第1電界効果トランジスタ21および上記第2電界効果トランジスタ31は完全空乏型の電界効果トランジスタである。
さらに上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33は電気的に接続されている。
【0040】
さらに、上記半導体層11の上記論理素子部13には、上記半導体層11の第2面S2側に第3ゲート電極43を有する第3電界効果トランジスタ41が形成されている。
上記第3電界効果トランジスタ41は、上記半導体層11の上記第2面S2に第3ゲート絶縁膜42を介して上記第3ゲート電極43が形成され、この第3ゲート電極43の両側の上記半導体層11に第3ソース・ドレイン領域44、45が形成されたものである。
したがって、上記第3ソース・ドレイン領域44、45間の上記半導体層11の部分が、上記第3電界効果トランジスタ41のチャネル領域となる。
上記第3ゲート絶縁膜42、上記第3ゲート電極43は、前記第1実施の形態で説明したのと同様な材料で形成されている。
この第3電界効果トランジスタ41は、部分空乏型の電界効果トランジスタである。
なお、上記半導体層11の第1面S1側には、論理素子部13の電界効果トランジスタは存在しない。
【0041】
また、上記半導体層11の第1面S1には上記第1電界効果トランジスタ21を被覆する第1絶縁膜51が形成されている。この第1絶縁膜51は、例えば数百nmの厚さもしくはそれよりも厚い厚さに形成され、その表面は平坦化されている。
さらに、上記半導体層11の第2面S2には上記第2電界効果トランジスタ31と上記第3電界効果トランジスタ41を被覆する第2絶縁膜61が形成されている。
また、この第2絶縁膜61上に支持基板100が形成されている。
【0042】
さらに、上記第1絶縁膜51には、上記第1ソース・ドレイン領域24、25に接続するコンタクト部52、53、上記第3ソース・ドレイン領域44、45に接続するコンタクト部54、55が形成されている。さらに上記コンタクト部52〜55には、それぞれに接続する配線56〜59が形成されている。
以下、図示はしていないが、第N層(N≧2)の配線と、第N層の配線と第N−1層の配線を接続する第N−1のコンタクト部が形成される。すなわち、上記配線は多層配線で形成されている。
上記コンタクト部52〜55は、例えばチタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、銅等の金属材料で形成されている。
【0043】
また、図示はしていないが、上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33とは電気的に接続されている。その構成の一例は、前記図2の断面図において、180度反転させたのと同様の構成となる。
【0044】
上記半導体装置2では、上記第1電界効果トランジスタ21の第1ゲート電極23と上記第2電界効果トランジスタ31の第2ゲート電極33とが電気的に接続されていることから、上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33とに同電位が与えられる。このため、上記第1電界効果トランジスタ21と上記第2電界効果トランジスタ31の共通のチャネル部分の電位を安定させることができ、目的の性能を実現することができる。
【0045】
なお、図面には、上記第1電界効果トランジスタ21と上記第2電界効果トランジスタ31が示されているが、上記記憶素子部12は複数の電界効果トランジスタで構成されている。その一部が上記第1電界効果トランジスタ21と上記第2電界効果トランジスタ31である。
【0046】
上記半導体装置1では、第1絶縁膜51と第2絶縁膜61との間に半導体層11が形成され、実質的に半導体層11はSOI構造となっている。その半導体層11に形成される第1電界効果トランジスタ21および第2電界効果トランジスタ31は、完全空乏型の電界効果トランジスタであり、動作時に半導体層に空乏化しない領域を残さない。つまりチャネル領域となる半導体層11が完全に空乏化する。
よって、メモリーセルトランジスタのリークを抑制しながら、チャネル濃度を薄くすることができ、しきい値電圧のばらつきであるσVtが大幅に低減される。
また、論理素子部13に形成された第3電界効果トランジスタ41は、部分空乏型のシングルゲートの電界効果トランジスタとすることができ、低電圧動作で低負荷容量の電界効果トランジスタとなっている。
よって、記憶素子部12の第1、第2電界効果トランジスタ21、31のσVthが大幅に低減でき、論理素子部13の第3電界効果トランジスタ43が低電圧動作で低負荷容量の電界効果トランジスタとなっているので、低消費電力で高速動作が可能となる。
【0047】
上記半導体装置2は、例えば前記図3の回路図および前記図4のレイアウト図に示したようなSRAMに適用できる。
半導体層11の上面側に形成された第1電界効果トランジスタ21の第1ゲート電極23と上記半導体層11の下面側に形成された第2電界効果トランジスタ31の第2ゲート電極33は、平面レイアウト上、いずれか一方が他方の内側に配置されている。図面では、一例として、平面レイアウト上、第2ゲート電極33が第1ゲート電極23の内側に配置されている。その際、第2ゲート電極33と第1ゲート電極23との合わせずれを考慮しても、平面レイアウト上、第2ゲート電極33が第1ゲート電極23の内側に配置されている。
【0048】
また、前記図5の前記図4中のA−A’線断面図において、180度反転させたのと同様の構成となる。すなわち、上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33は、上記半導体層11に形成された素子分離領域14を貫通して形成されたコンタクト部16によって電気的に接続されている。
【0049】
<3.第3の実施の形態>
[半導体装置の構成の第3例]
本発明の第3実施の形態に係る半導体装置の構成の第3例を、図7の概略構成断面図によって説明する。図7では、一例として、論理素子部の論理素子回路のトランジスタと、記憶素子部としてDRAMセルのNチャネルトランジスタを示している。
【0050】
図7に示すように、半導体装置3は、前記図6によって説明した半導体装置2の構成において、第2ソース・ドレイン領域34、35にコンタクト部85を介して接続されたDRAMのキャパシタ81を、半導体層11の第2面S2側上方に形成したものである。
【0051】
すなわち、半導体層11を備え、この半導体層11には、記憶素子部12と論理素子部13を分離する素子分離領域14が形成されている。
【0052】
上記半導体層11の上記記憶素子部13には、上記半導体層11の第1面S1(裏面)側に第1ゲート電極23を有する第1電界効果トランジスタ21が形成されている。
上記第1電界効果トランジスタ21は、上記半導体層11の上記第1面S1に第1ゲート絶縁膜22を介して上記第1ゲート電極23が形成され、この第1ゲート電極23の両側の上記半導体層11に第1ソース・ドレイン領域24、25が形成されたものである。
【0053】
また上記半導体層11の上記記憶素子部12には、上記第1面S1とは反対の第2面S2(表面)側に第2ゲート電極33を有する第2電界効果トランジスタ31が形成されている。
上記第2電界効果トランジスタ31は、上記半導体層11の上記第2面S2に第2ゲート絶縁膜32を介して上記第2ゲート電極33が形成され、この第2ゲート電極33の両側の上記半導体層11に第2ソース・ドレイン領域34、35が形成されたものである。
この第2ソース・ドレイン領域34、35は、上記第1ソース・ドレイン領域24、25と共通の拡散層で形成されている。また、第1ゲート電極23と第2ゲート電極33は、第1ゲート絶縁膜22、半導体層11、第2ゲート絶縁膜32を挟んで対向する位置に形成されている。
また、上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33は、図示はしていないが、電気的に接続されている。
【0054】
さらに、上記半導体層11の上記論理素子部13には、上記半導体層11の第2面S2側に第3ゲート電極43を有する第3電界効果トランジスタ41が形成されている。
上記第3電界効果トランジスタ41は、上記半導体層11の上記第2面S2に第3ゲート絶縁膜42を介して上記第3ゲート電極43が形成され、この第3ゲート電極43の両側の上記半導体層11に第3ソース・ドレイン領域44、45が形成されたものである。
この第3電界効果トランジスタ41は、部分空乏型の電界効果トランジスタである。
【0055】
また、上記半導体層11の第1面S1には上記第1電界効果トランジスタ21を被覆する第1絶縁膜51が形成されている。
さらに、上記半導体層11の第2面S2には上記第2電界効果トランジスタ31と上記第3電界効果トランジスタ41を被覆する第2絶縁膜61が形成されている。
【0056】
さらに、上記第1絶縁膜51には、上記第2ソース・ドレイン領域34、35に接続するコンタクト部52、53、上記第3ソース・ドレイン領域44、45に接続するコンタクト部54、55、および上記コンタクト部52〜55にそれぞれに接続する配線56〜59が形成されている。
【0057】
上記第2絶縁膜61上にDRAMのキャパシタ81が形成されている。このキャパシタ81は、第1電極82と、第1電極82表面にキャパシタ絶縁膜83を介して形成された第2電極84とからなる。
そして、例えば上記第2ソース・ドレイン領域25と上記第1電極82とが上記第2絶縁膜61を貫通して形成されたコンタクト部85によって電気的に接続されている。
さらに、上記第2絶縁膜61上には上記キャパシタ81を被覆する第3絶縁膜91が形成され、この第3絶縁膜91上に支持基板100が形成されている。
【0058】
上記説明では、DRAMの記憶素子としてキャパシタ81を採用したが、例えばTMR素子、GMR素子等の磁気抵抗効果素子、磁気スピンバブル記憶素子等の磁気記憶素子を用いることもできる。
【0059】
上記半導体装置3では、前記第2実施の形態で説明した半導体装置2と同様な作用効果を得ることができる。
【0060】
<4.第4の実施の形態>
[半導体装置の製造方法の第1例]
本発明の第4実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第1例を、図8〜図10の製造工程断面図によって説明する。図8〜図10では、一例として、論理素子部の論理素子回路のトランジスタと、記憶素子部としてSRAMセルのNチャネルトランジスタを製造する工程を示している。
【0061】
図8に示すように、基板111と絶縁層112とシリコン層113(前記第1実施の形態の半導体層11に相当。)が積層されたSOI基板110を用意する。
そして上記シリコン層11の記憶素子部12となる表面(第1面S1)に第1ゲート絶縁膜22を介して第1電界効果トランジスタの第1ゲート電極23を形成する。
上記基板111には導電性を有する半導体基板を用いる。また上記絶縁層112は、埋め込み酸化シリコン層(いわゆるBOX(Buried Oxide)層)で形成されている。
上記第1ゲート絶縁膜22には、例えば、熱酸化、プラズマ酸化、プラズマ窒化法で形成された熱酸化窒化膜を用いることができる。または、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)、原子層蒸着法(ALD法)等で形成された、化学式HfO2、HfSiON、ZrO2、ZrSiON等で表される、いわゆる高誘電率(High−k)膜で形成される。または、上記熱酸化窒化膜と上記高誘電率膜の複合膜で形成される。
また、上記第1ゲート電極23は、例えば窒化チタン、炭化タンタル、タングステンもしくはポリシリコンで形成される。その形成方法は、例えば、レジストマスクを用いたエッチングによる。
上記表面(第1面S1)側には、記憶素子部12の第1電界効果トランジスタ21が設けられるが、論理素子部13(ロジック部)の電界効果トランジスタは存在しない。
【0062】
次いで、上記シリコン層113の表面に上記第1ゲート電極23を被覆する第1絶縁膜51を形成し、さらに上記第1絶縁膜51上に支持基板100を形成する。
上記第1絶縁膜51は、例えば酸化シリコン膜で形成され、例えば数百nm以上の膜厚に形成される。そして、その表面は、例えば化学的機械研磨(CMP)によって平坦化される。もしくは、有機絶縁膜で形成することもできる。
上記支持基板100は、半導体基板を用いても、樹脂基板を用いてもよい。
【0063】
次いで、上記基板111と上記絶縁層112を除去して上記シリコン層113の裏面(第2面S2)を露出させる。このとき、シリコン層113の裏面側全面が露出される。
なお、図面では、上記基板111と上記絶縁層112を除去する直前の状態を示した。
【0064】
次に、図9に示すように、上記シリコン層113に上記記憶素子部12と論理素子部13を分離する素子分離領域14を形成する。この素子分離領域14は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)構造に形成される。すなわち、上記シリコン層113に素子分離溝を形成した後、この素子分離溝に例えば酸化シリコンを埋め込んで形成される。
【0065】
次いで、上記シリコン層113の上記記憶素子部12となる裏面(第2面S2)で上記第1ゲート電極23に対向する位置に第2ゲート絶縁膜32を介して第2電界効果トランジスタの第2ゲート電極33を形成する。同時に、上記シリコン層113の上記論理素子部13となる裏面(第2面S2)に第3ゲート絶縁膜42を介して第3電界効果トランジスタの第3ゲート電極43を形成する。
上記第2ゲート絶縁膜32および第3ゲート絶縁膜42は、前記第1ゲート絶縁膜22と同様な材料で、同様な方法で形成される。また上記第2ゲート電極33および第3ゲート電極43は、前記第1ゲート電極23と同様な材料で、同様な方法で形成される。
【0066】
次に、図10に示すように、上記第2ゲート電極33の両側の上記シリコン層113に上記第2電界効果トランジスタ31の第2ソース・ドレイン領域34、35を形成する。この第2ソース・ドレイン領域34、35は、上記第1電界効果トランジスタ21の第1ソース・ドレイン領域24、25と共通のソース・ドレイン領域となる。同時に、上記第3ゲート電極43の両側の上記シリコン層113に上記第3電界効果トランジスタ41の第3ソース・ドレイン領域44、45を形成する。
【0067】
上記第2ソース・ドレイン領域34、35は、上記第2ゲート電極33と上記素子分離領域14をマスクにしたイオン注入法によって上記シリコン層113に形成される。同様に、上記第3ソース・ドレイン領域44、45は、上記第3ゲート電極43と上記素子分離領域14をマスクにしたイオン注入法によって上記シリコン層113に形成される。
なお、上記第2ソース・ドレイン領域34、35と上記第3ソース・ドレイン領域44、45を同一仕様で形成する場合には同時に形成できるが、異なる仕様で形成する場合には、レジストマスクを用いて、作り分けを行う。すなわち、仕様の異なる一方側にレジストマスクを形成し、例えばイオン注入によって他方側にソース・ドレイン領域を形成する。
次いで、上記レジストマスクを除去した後、仕様の異なる他方側にレジストマスクを形成し、例えばイオン注入によって他方側にソース・ドレイン領域を形成する。
【0068】
また、上記記憶素子部12の同一面側に複数の電界効果トランジスタが形成される場合で、例えばnチャネル電界効果トランジスタとpチャネル電界効果トランジスタが形成される場合にも、レジストマスクを用いて、作り分けを行う。すなわち、pチャネル電界効果トランジスタ側にレジストマスクを形成し、例えばイオン注入によってnチャネル電界効果トランジスタ側のソース・ドレイン領域を形成する。
次いで、上記レジストマスクを除去した後、nチャネル電界効果トランジスタ側にレジストマスクを形成し、例えばイオン注入によってpチャネル電界効果トランジスタ側のソース・ドレイン領域を形成する。もちろん、pチャネル電界効果トランジスタ側を先に形成し、nチャネル電界効果トランジスタ側を後に形成してもよい。
【0069】
また、上記論理素子部13の同一面側に複数の電界効果トランジスタが形成される場合で、例えばnチャネル電界効果トランジスタとpチャネル電界効果トランジスタが形成される場合にも、レジストマスクを用いて、作り分けを行う。
【0070】
さらに、図示はしないが、上記素子分離領域14に上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33とを接続する、例えば前記図2において180度反転させたのと同様なコンタクト部16を形成する。したがって、上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33とは、同一方向の上記素子分離領域14側に引き出した状態に形成しておく。上記コンタクト部16は、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、銅等の金属材料で形成される。
【0071】
次いで、上記シリコン層113の裏面(第2面S2)に、上記第2ゲート電極33および上記第3ゲート電極43を被覆する第2絶縁膜61を形成する。この第2絶縁膜61は、例えば酸化シリコン膜で形成される。もしくは、有機絶縁膜で形成することもできる。
【0072】
さらに、通常の配線形成技術によって、上記第2絶縁膜61に、上記第2ソース・ドレイン領域34、35に接続するコンタクト部62、63、上記第3ソース・ドレイン領域44、45に接続するコンタクト部64、65を形成する。さらに上記コンタクト部62〜65に接続する配線66〜69を形成する。
以下、図示はしていないが、第N層(N≧2)の配線と、第N層の配線と第N−1層の配線を接続する第N−1のコンタクト部を形成する。すなわち、多層配線を形成する。
上記コンタクト部62〜65は、例えばチタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、銅等の金属材料で形成される。
【0073】
このようにして、上記第1電界効果トランジスタ21と上記第2電界効果トランジスタ31は完全空乏型の電界効果トランジスタに形成され、上記第3電界効果トランジスタ41は部分空乏型の電界効果トランジスタに形成される。
【0074】
上記半導体装置1の製造方法では、シリコン層113の両面に第1絶縁膜51と第2絶縁膜61が形成されるので、実質的にシリコン層113はSOI構造となっている。そのシリコン層113に形成される第1電界効果トランジスタ21および第2電界効果トランジスタ31は、完全空乏型の電界効果トランジスタとして形成されるので、動作時にシリコン層に空乏化しない領域を残さない。つまりチャネル領域となるシリコン層が完全に空乏化する。
よって、メモリーセルトランジスタのリークを抑制しながら、チャネル濃度を薄くすることができ、しきい値電圧のばらつきであるσVthが大幅に低減される。
また、論理素子部13に形成された第3電界効果トランジスタ41は、部分空乏型のシングルゲートの電界効果トランジスタとすることができ、低電圧動作で低負荷容量の電界効果トランジスタとなっている。
よって、記憶素子部12の第1、第2電界効果トランジスタ21、31のσVthが大幅に低減でき、論理素子部13の第3電界効果トランジスタ41が低電圧動作で低負荷容量の電界効果トランジスタとなるので、低消費電力で高速動作が可能となる。
【0075】
<5.第5の実施の形態>
[半導体装置の製造方法の第2例]
本発明の第5実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第2例を、図11〜図12の製造工程断面図によって説明する。
【0076】
図11に示すように、基板111と絶縁層112とシリコン層113(前記第1実施の形態の半導体層11に相当。)が積層されたSOI基板110を用意する。
次いで、上記シリコン層113に上記記憶素子部12と論理素子部13を分離する素子分離領域14を形成する。上記素子分離領域14は、前記製造方法の第1例と同様に、例えばSTI構造に形成される。
【0077】
次いで、上記シリコン層113の上記記憶素子部12となる表面(第2面S2)に第2ゲート絶縁膜32を介して第2ゲート電極33を形成する。同時に、上記シリコン層113の上記論理素子部13となる表面(第2面S2)に第3ゲート絶縁膜42を介して第3ゲート電極43を形成する。
上記第2ゲート絶縁膜32および第3ゲート絶縁膜42は、前記第1ゲート絶縁膜22と同様な材料で、同様な方法で形成される。上記第2ゲート電極33および第3ゲート電極43は、前記第1ゲート電極23と同様な材料で、同様な方法で形成される。
【0078】
次に、上記第2ゲート電極33の両側の上記シリコン層113に上記第2電界効果トランジスタの第2ソース・ドレイン領域34、35を形成する。この第2ソース・ドレイン領域34、35は、後に形成される第1電界効果トランジスタの第1ソース・ドレイン領域と共通のソース・ドレイン領域となる。同時に、上記第3ゲート電極43の両側の上記シリコン層113に上記第3電界効果トランジスタ41の第3ソース・ドレイン領域44、45を形成する。
上記各ソース・ドレイン領域の形成方法は、前記製造方法の第1例と同様である。
【0079】
次いで、上記シリコン層113の表面(第2面S2)に、上記第2ゲート電極33および上記第3ゲート電極43を被覆する第2絶縁膜61を形成し、その表面を平坦化する。この第2絶縁膜61は、例えば酸化シリコン膜で形成され、例えば数百nm以上の膜厚に形成される。もしくは、有機絶縁膜で形成することもできる。上記平坦化は、例えば化学的機械研磨により行う。
さらに上記第1絶縁膜51上に支持基板100を形成する。上記支持基板100は、半導体基板を用いても、樹脂基板を用いてもよい。
【0080】
その後、上記基板111と上記絶縁層112を除去して上記シリコン層113の裏面(第2面S2)を露出させる。このとき、シリコン層113の裏面側全面が露出される。
なお、図面では、上記基板111と上記絶縁層112を除去する直前の状態を示した。
【0081】
次に、図12に示すように、上記シリコン層113の記憶素子部12となる裏面(第1面S1)で上記第2ゲート電極33に対向する位置に、第1ゲート絶縁膜22を介して第1電界効果トランジスタ21の第1ゲート電極23を形成する。この形成方法は、前記製造方法の第1例と同様である。
【0082】
さらに、図示はしないが、上記素子分離領域14に上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33とを接続するコンタクト部を形成する。したがって、上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33とは、同一方向の上記素子分離領域14側に引き出した状態に形成しておく。
【0083】
次いで、上記シリコン層113の裏面(第1面S1)に上記第1ゲート電極23を被覆する第1絶縁膜51を形成する。上記第1絶縁膜51は、例えば酸化シリコン膜で形成される。もしくは、有機絶縁膜で形成することもできる。
【0084】
さらに、通常の配線形成技術によって、上記第1絶縁膜51に、上記第1ソース・ドレイン領域24、25に接続するコンタクト部52、53、上記第3ソース・ドレイン領域44、45に接続するコンタクト部54、55を形成する。さらに上記コンタクト部52〜55に接続する配線56〜59を形成する。
以下、図示はしていないが、第N層(N≧2)の配線と、第N層の配線と第N−1層の配線を接続する第N−1のコンタクト部を形成する。すなわち、多層配線を形成する。
上記コンタクト部52〜55は、例えばチタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、銅等の金属材料で形成される。
【0085】
このようにして、上記第1電界効果トランジスタ21と上記第2電界効果トランジスタ31は完全空乏型の電界効果トランジスタに形成され、上記第3電界効果トランジスタ41は部分空乏型の電界効果トランジスタに形成される。
【0086】
上記半導体装置2の製造方法では、前記半導体装置1の製造方法と同様なる作用効果を奏する。
【0087】
<6.第6の実施の形態>
[半導体装置の製造方法の第3例]
本発明の第6実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第3例を、図13〜図15の製造工程断面図によって説明する。
【0088】
図13に示すように、基板111と絶縁層112とシリコン層113(前記第1実施の形態の半導体層11に相当。)が積層されたSOI基板110を用意する。
次いで、上記シリコン層113に上記記憶素子部12と論理素子部13を分離する素子分離領域14を形成する。上記素子分離領域14は、前記製造方法の第1例と同様に、例えばSTI構造に形成される。
【0089】
次いで、上記シリコン層113の上記記憶素子部12となる表面(第2面S2)に第2ゲート絶縁膜32を介して第2電界効果トランジスタ31の第2ゲート電極33を形成する。同時に、上記シリコン層113の上記論理素子部13となる表面(第2面S2)に第3ゲート絶縁膜42を介して第3電界効果トランジスタ41の第3ゲート電極43を形成する。
上記第2ゲート絶縁膜32および第3ゲート絶縁膜42は、前記第1ゲート絶縁膜22と同様な材料で、同様な方法で形成される。また、上記第2ゲート電極33および第3ゲート電極43は、前記第1ゲート電極23と同様な材料で、同様な方法で形成される。
【0090】
次に、上記第2ゲート電極33の両側の上記シリコン層113に上記第2電界効果トランジスタ31の第2ソース・ドレイン領域34、35を形成する。この第2ソース・ドレイン領域34、35は、後に形成される第1電界効果トランジスタの第1ソース・ドレイン領域と共通のソース・ドレイン領域となる。同時に、上記第3ゲート電極43の両側の上記シリコン層113に上記第3電界効果トランジスタ41の第3ソース・ドレイン領域44、45を形成する。
上記各ソース・ドレイン領域の形成方法は、前記製造方法の第1例と同様である。
【0091】
また、論理素子部13に形成される第3電界効果トランジスタ41の第3ソース・ドレイン領域44、45はLDD構造を有していてもよい。
この場合、予め、第3ゲート電極43を形成するときに、第3ゲート電極43上に絶縁膜46を形成しておく。このとき、第2ゲート電極33上にも、同様な絶縁膜46が形成される。そして絶縁膜46および第3ゲート電極43をマスクにして、論理素子部13のみを開口したレジスト膜(図示せず)をマスクにして、例えばイオン注入法によってLDD領域(図示せず)を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。
次に、第3ゲート電極43の側壁にサイドウォール絶縁膜47を形成する。このとき、第2ゲート電極33の側壁にもサイドウォール絶縁膜47が形成される。
その後、第2、第3ゲート電極33、43およびサイドウォール絶縁膜47、47をマスクにして、例えばイオン注入法によって、上記第3ソース・ドレイン領域44、45、第2ソース・ドレイン領域34、35を形成すればよい。
なお、図面では、記憶素子部12の第2ゲート電極33に隣接して形成される別の第2ゲート電極33はその一部が、レイアウト上、素子分離領域14上に形成されている。図面ではこの部分が示されている。
【0092】
次に、図14に示すように、上記シリコン層113の表面(第2面S2)に、上記第2ゲート電極33および上記第3ゲート電極43を被覆する第2絶縁膜61を形成し、その表面を平坦化する。第2絶縁膜61は、例えば酸化シリコン膜で形成される。もしくは、有機絶縁膜で形成することもできる。上記平坦化は、例えば化学的機械研磨により行う。
【0093】
次に、上記第2絶縁膜61に、上記第2ソース・ドレイン領域35に達するコンタクトホール86を形成する。
次いで、上記コンタクトホール86を埋め込む用に上記第2絶縁膜61上に導電膜を形成する。
その後、上記第2絶縁膜61上の余剰な導電膜を除去し、上記コンタクトホール86内に導電膜からなるコンタクト部(記憶ノードコンタクト)85を形成する。上記導電膜は、例えば、例えばチタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、銅等の金属材料で形成される。
【0094】
次に、上記第2絶縁膜61上にDRAMのキャパシタ81を形成する。
以下に上記キャパシタ81の形成方法の一例を説明する。
【0095】
まず、上記第2絶縁膜61上に、第1絶縁膜61とは異なる材質の絶縁膜を形成した後、キャパシタ81が形成される領域に開口部(図示せず)を形成する。続いて、キャパシタ81の第1電極になる導電膜(図示せず)を、上記開口部の内面を含む上記絶縁膜上に形成する。この導電膜は、例えば、窒化チタン、窒化タンタル等の導電性金属化合物、ルテニウム、タングステン等の金属で形成される。次いで、例えば化学的機械研磨によって、上記絶縁膜上に形成された上記導電膜を除去し、上記開口部内にのみ上記導電膜を残す。次に上記絶縁膜を除去することで、上記導電膜からなる円筒形状の第1電極(記憶ノード電極)82が形成される。
【0096】
次に、上記第1電極82の表面を被覆するように、キャパシタ絶縁膜83を形成する。このキャパシタ絶縁膜83は、例えば、窒化シリコン、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化チタン(TiO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸バリウムストロンチウム〔(Ba,Sr)TiO3〕等の高誘電体膜あるいはこれらの複合膜で形成されている。
さらに第2電極84(プレート電極)を形成する。この第2電極84は、例えば窒化チタン、窒化タンタル等の導電性金属化合物、タングステン、ルテニウム等の金属で形成される。
次いで、レジストマスク(図示せず)を用いて上記第2電極84、キャパシタ絶縁膜83をエッチングによりパターニングする。これによって、第1電極82と、第1電極82の表面を被覆するキャパシタ絶縁膜83と、キャパシタ絶縁膜83の表面を被覆する第2電極84からなるキャパシタ81が完成する。
【0097】
次に、上記キャパシタ81を被覆する第3絶縁膜91を形成する。この第3絶縁膜91は、例えば酸化シリコン膜で形成され、数百nmの膜厚に形成される。そして、第3絶縁膜91の表面は、例えば化学的機械研磨によって平坦化されている。
さらに上記第3絶縁膜91上に支持基板100を形成する。上記支持基板100は、半導体基板を用いても、樹脂基板を用いてもよい。例えば、上記第3絶縁膜91表面に上記支持基板100を接着する。
【0098】
その後、上記基板111と上記絶縁層112を除去して上記シリコン層113の裏面(第2面S2)を露出させる。このとき、シリコン層113の裏面側全面が露出される。
なお、図面では、上記基板111と上記絶縁層112を除去する直前の状態を示した。
【0099】
次に、図15に示すように、上記シリコン層11の記憶素子部12となる裏面(第1面S1)で上記第2ゲート電極33に対向する位置に、第1ゲート絶縁膜22を介して第1電界効果トランジスタ21の第1ゲート電極23を形成する。この形成方法は、前記製造方法の第1例と同様である。
【0100】
さらに、図示はしないが、上記素子分離領域14に上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33とを接続するコンタクト部を形成する。したがって、上記第1ゲート電極23と上記第2ゲート電極33とは、同一方向の上記素子分離領域14側に引き出した状態に形成しておく。
また、上記第1ゲート電極23は、平面レイアウト上、上記第2ゲート電極33が内部になるように形成される。
【0101】
次いで、上記シリコン層113の裏面(第1面S1)に上記第1ゲート電極23を被覆する第1絶縁膜51を形成する。上記第1絶縁膜51は、例えば酸化シリコン膜で形成される。もしくは、有機絶縁膜で形成することもできる。
【0102】
さらに、通常の配線形成技術によって、上記第1絶縁膜51に、前記図13で説明した第2ソース・ドレイン領域34、35と共通の上記第1ソース・ドレイン領域24、25に接続するコンタクト部52、53、上記第3ソース・ドレイン領域44、45に接続するコンタクト部54、55を形成する。
さらに上記コンタクト部52〜55に接続する配線56〜59を形成する。
以下、図示はしていないが、第N層(N≧2)の配線と、第N層の配線と第N−1層の配線を接続する第N−1のコンタクト部を形成する。すなわち、多層配線を形成する。
また上記コンタクト部52〜55は、例えばチタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、銅等の金属材料で形成される。
【0103】
このようにして、上記第1電界効果トランジスタ21と上記第2電界効果トランジスタ31は完全空乏型の電界効果トランジスタに形成され、上記第3電界効果トランジスタ41は部分空乏型の電界効果トランジスタに形成される。
上記半導体装置3は、記憶素子部12がDRAMで構成されている。そして、上記第2電界効果トランジスタ31がDRAMのアクセストランジスタとなる。
【0104】
上記説明では、DRAMの記憶素子としてキャパシタ81を採用したが、例えばTMR素子、GMR素子等の磁気抵抗効果素子、磁気スピンバブル記憶素子等の磁気記憶素子を形成することもできる。
【0105】
上記半導体装置3の製造方法では、前記半導体装置1の製造方法と同様なる作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る半導体装置の第1例を示した概略構成断面図である。
【図2】第1、第2ゲート電極間のコンタクト部を示した概略構成断面図である。
【図3】本発明を適用したSRAMの一例を示した回路図である。
【図4】本発明を適用したSRAMの一例を示した平面レイアウト図である。
【図5】図4中のA−A’線断面を示した断面図である。
【図6】本発明の第2実施の形態に係る半導体装置の第2例を示した概略構成断面図である。
【図7】本発明の第3実施の形態に係る半導体装置の第3例を示した概略構成断面図である。
【図8】本発明の第4実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第1例を示した製造工程断面図である。
【図9】本発明の第4実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第1例を示した製造工程断面図である。
【図10】本発明の第4実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第1例を示した製造工程断面図である。
【図11】本発明の第5実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第2例を示した製造工程断面図である。
【図12】本発明の第5実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第2例を示した製造工程断面図である。
【図13】本発明の第6実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第3例を示した製造工程断面図である。
【図14】本発明の第6実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第3例を示した製造工程断面図である。
【図15】本発明の第6実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第3例を示した製造工程断面図である。
【符号の説明】
【0107】
1…半導体装置、11…半導体層、12…記憶素子部、13…論理素子部、14…素子分離領域、21…第1電界効果トランジスタ、22…第1ゲート絶縁膜、23…第1ゲート電極、24,25…第1ソース・ドレイン領域、31…第2電界効果トランジスタ、32…第2ゲート絶縁膜、33…第2ゲート電極、34,35…第2ソース・ドレイン領域、41…第3電界効果トランジスタ、42…第3ゲート絶縁膜、43…第3ゲート電極、44,45…第3ソース・ドレイン領域、51…第1絶縁膜、61…第2絶縁膜、100…支持基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層と、
前記半導体層に形成されていて前記半導体層を記憶素子部と論理素子部とに分離する素子分離領域と、
前記半導体層の前記記憶素子部に形成されていて前記半導体層の第1面側に第1ゲート電極を有する第1電界効果トランジスタと、
前記半導体層の前記記憶素子部に形成されていて、前記第1面とは反対の第2面側に第2ゲート電極を有し、前記第1電界効果トランジスタのソース・ドレイン領域と共通のソース・ドレイン領域を有する第2電界効果トランジスタと、
前記半導体層の前記論理素子部に形成されていて、前記第2面側に第3ゲート電極を有する第3電界効果トランジスタと、
前記第1電界効果トランジスタを被覆して前記半導体層に形成された第1絶縁膜と、
前記第2電界効果トランジスタと前記第3電界効果トランジスタを被覆して前記半導体層に形成された第2絶縁膜を有し、
前記第1電界効果トランジスタおよび前記第2電界効果トランジスタは完全空乏型の電界効果トランジスタであり、
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極は電気的に接続されている
半導体装置。
【請求項2】
前記第1電界効果トランジスタは、
前記半導体層の前記第1面に第1ゲート絶縁膜を介して形成された前記第1ゲート電極と、
前記第1ゲート電極の両側の前記半導体層に形成された第1ソース・ドレイン領域を有し、
前記第2電界効果トランジスタは、
前記半導体層の前記第2面に第2ゲート絶縁膜を介して形成された前記第2ゲート電極と、
前記第2ゲート電極の両側の前記半導体層に形成された第2ソース・ドレイン領域を有し、
前記第3電界効果トランジスタは、
前記半導体層の前記第2面に第3ゲート絶縁膜を介して形成された前記第3ゲート電極と、
前記第3ゲート電極の両側の前記半導体層に形成された第3ソース・ドレイン領域を有し、
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極は対向する位置に形成され、
前記第1ソース・ドレイン領域と前記第2ソース・ドレイン領域は共通のソース・ドレイン領域からなる
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記記憶素子部は複数の電界効果トランジスタで構成され、その一部が前記第1電界効果トランジスタと前記第2電界効果トランジスタである
請求項1または請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第3電界効果トランジスタは部分空乏型の電界効果トランジスタである
請求項1、請求項2または請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極は、平面レイアウト上、いずれか一方が他方の内側に配置されている
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極は、前記素子分離領域を貫通して形成されたコンタクト部によって電気的に接続されている
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1ソース・ドレイン領域に記憶素子が接続されている
請求項2記載の半導体装置。
【請求項8】
基板と絶縁層とシリコン層が積層されたSOI基板の該シリコン層の記憶素子部となる表面に第1ゲート絶縁膜を介して第1電界効果トランジスタの第1ゲート電極を形成する工程と、
前記シリコン層の表面に前記第1ゲート電極を被覆する第1絶縁膜を形成し、さらに該第1絶縁膜上に支持基板を形成する工程と、
前記基板と前記絶縁層を除去して前記シリコン層の裏面を露出させる工程と、
前記シリコン層に前記記憶素子部と論理素子部を分離する素子分離領域を形成する工程と、
前記シリコン層の前記記憶素子部となる裏面で前記第1ゲート電極に対向する位置に第2ゲート絶縁膜を介して第2電界効果トランジスタの第2ゲート電極を形成し、かつ前記シリコン層の前記論理素子部となる裏面に第3ゲート絶縁膜を介して第3電界効果トランジスタの第3ゲート電極を形成する工程と、
前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極の両側の前記シリコン層に前記第1電界効果トランジスタと前記第2電界効果トランジスタの共通のソース・ドレイン領域となる第1ソース・ドレイン領域を形成し、前記第3ゲート電極の両側の前記シリコン層に前記第3電界効果トランジスタの第3ソース・ドレイン領域を形成する工程と、
前記素子分離領域に前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とを接続するコンタクト部を形成する工程と、
前記シリコン層の裏面に、前記第2ゲート電極および前記第3ゲート電極を被覆する第2絶縁膜を形成する工程を有し
前記第1電界効果トランジスタと前記第2電界効果トランジスタを完全空乏型の電界効果トランジスタに形成する
半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1絶縁膜を形成した後に、
前記第1絶縁膜上に前記第1ソース・ドレイン領域に接続する記憶素子を形成する工程と、
前記記憶素子を被覆する第3絶縁膜を形成する工程を行い、
その後、前記第3絶縁膜上に前記支持基板を形成する
請求項8記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
基板と絶縁層とシリコン層が積層されたSOI基板の該シリコン層に記憶素子部と論理素子部を分離する素子分離領域を形成する工程と、
前記シリコン層の前記記憶素子部となる表面に第2ゲート絶縁膜を介して第2電界効果トランジスタの第2ゲート電極と、前記シリコン層の前記論理素子部となる表面に第3電界効果トランジスタの第3ゲート電極を形成する工程と、
前記第2ゲート電極の両側の前記シリコン層に前記第2電界効果トランジスタの第2ソース・ドレイン領域を形成し、前記第3ゲート電極の両側の前記シリコン層に前記第3電界効果トランジスタの第3ソース・ドレイン領域を形成する工程と、
前記シリコン層の表面に前記第2ゲート電極と前記第3ゲート電極を被覆する第2絶縁膜を形成し、さらに該第2絶縁膜上に支持基板を形成する工程と、
前記基板と前記絶縁層を除去して前記シリコン層の裏面を露出させる工程と、
前記シリコン層の前記記憶素子部となる裏面で前記第2ゲート電極に対向する位置に、第1ゲート絶縁膜を介して第1電界効果トランジスタの第1ゲート電極を形成する工程と、
前記素子分離領域に前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とを接続するコンタクト部を形成する工程と、
前記シリコン層の裏面側に、前記第1ゲート電極を被覆する第1絶縁膜を形成する工程を有し、
前記第1電界効果トランジスタと前記第2電界効果トランジスタを完全空乏型の電界効果トランジスタに形成する
半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記第2絶縁膜を形成した後に、
前記第2絶縁膜上に前記第2ソース・ドレイン領域に接続する記憶素子を形成する工程と、
前記記憶素子を被覆する第3絶縁膜を形成する工程を行い、
その後、前記第3絶縁膜上に前記支持基板を形成する
請求項10記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−135585(P2010−135585A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310667(P2008−310667)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】