説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】 炭化珪素の半導体装置において、電極材料と、内部配線の材料とが異なるとき、これら異種金属の接触界面における不具合のおそれを無くして、長期間使用後にも高い信頼性を得ることができる、半導体装置等を提供する。
【解決手段】 炭化珪素14,18に接触する接触電極16と、該接触電極と導通する配線19とを備え、接触電極16が、チタン、アルミニウム、および珪素を含有する合金で形成され、配線19は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成され、該配線は接触電極と接触することで該接触電極と導通をとることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、より具体的には、半導体に炭化珪素を用い、長期間、低い電気抵抗を安定して維持できる、電極および配線を備えた半導体装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の高耐圧化、低損失化、高温環境下での使用などを可能とするため、炭化珪素(SiC)の半導体装置の開発が進められている。とくに大電流のスイッチング素子には、高耐圧性および低損失性が求められるので、炭化珪素を用いた縦型スイッチング素子、なかでも縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor) やJFET(Junction Field Effect Transistor)の開発が進められている。
縦型SiC・MOSFETでは、半導体、ゲート酸化膜等を含む基板材料の表面と裏面とに電極配線構造が形成される。電極の形成において、これまで膨大な使用実績のあるシリコンに比べて、SiCは、電極金属との接触抵抗を小さくできる材料を充分な種類見出せていない。この状況のなかで、n型SiCについては、Ni(ニッケル)系の電極材料を用い、合金化熱処理(約1000℃での熱処理)を行うことでシリサイド化したニッケルシリサイドとの接合によりオーミック接触を得ている。また、p型SiCについては、Ti(チタン)/Al(アルミニウム)、またはAlSi合金を用いることで接触抵抗を低く抑えることが可能とされている(非特許文献1)。
大電流の制御に用いられる縦型SiC・MOSFETは、n型SiCのソース領域に配置されるソース電極は、Ni系またはNiSi系材料を用いることで、オーミックコンタクトを実現する場合が多い。これは、上述の非特許文献に開示されていることと合致する。1個のチップには、MOSFETを形成する1ユニットが、多数、並列に配置され、内部配線によって、所定の電気回路が形成されている。従来のシリコン半導体装置では、たとえばAlをオーミック電極材料として用いると同時に内部配線としても共通に用いることが可能である。しかしながら、SiCの場合は、Alをオーミック電極と内部配線を共通に用いることは、Alの融点以下での良好なオーミック接触を得ることは困難であるため難しい。また、上記のNi系またはNiSi系材料は、電気抵抗がそれほど低いものではなく、また、Ni系またはNiSi系材料の適切な線材を得ることが困難である等の理由により、内部配線に用いられない。また、Ni系材料は、上記のように、p型SiCとは良好なオーミック接触が得られにくい。SiC半導体装置の場合、内部配線には、Al系(Al、AlSi、AlSiCuなど)材料を用いることが多い。この場合、長期間の使用において、内部配線に用いられる当該Al系材料と、電極に用いられるNi系またはNiSi系材料とで、電気抵抗の高い金属間化合物、たとえばNiAlなどを生じる可能性がある(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】谷本智、他4名、「SiCデバイスのオーミックコンタクト形成技術」、電子情報通信学会論文誌、社団法人電子情報通信学会、2003年4月、Vol.J86−C、No.4、p359−367
【非特許文献2】谷本智、他4名「Al配線を備えた半導体SiC高温高信頼コンタクトの実現」、応用物理学会秋季講演大会概要集5a−ZN−10、2007年9月、p.420
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、電極材料と、内部配線の材料とが異種金属である場合、異種金属材料が接触する界面抵抗、接触部の長期間使用の耐久性などについて問題を生じる可能性がある。本発明は、炭化珪素の半導体装置において、電極材料と、内部配線の材料とが異なるとき、これら異種金属の接触部における不具合のおそれを無くして、長期間使用後にも高い信頼性(当初の低い電気抵抗の維持など)を得ることができる、半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の半導体装置は、接触電極と、該接触電極と導通する配線とを備える、炭化珪素の半導体装置である。この半導体装置は、接触電極が、チタン、アルミニウム、および珪素を含有する合金で形成され、炭化珪素に接触し、配線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成され、接触電極と接触することで当該接触電極と導通をとることを特徴とする。
【0006】
上記の構成によれば、チタン、アルミニウムおよび珪素を含む合金(以下、TiAlSi合金と記す)と、アルミニウムまたはアルミニウム合金(AlSi、AlSiCuなど)とが、直接接触することで、接触電極と配線とが導通状態となる。TiAlSi合金と、Al、AlSiまたはAlSiCuとは、電気抵抗を増大させる金属間化合物を形成しにくい。炭化珪素は、耐熱性に富むことから大電流を対象にして、自己の発熱によりまたは他の要因により、高温環境下で使用される場合が多い。このため、電極材料と配線材料との組み合わせによっては、電気抵抗を増大させる金属間化合物が生じる場合があった。上記の電極材料と配線材料との組み合わせによれば、高温下で長期間使用しても、電気抵抗を増大させる金属間化合物の生成のおそれがなく、低い電気抵抗を維持し、安定して使用を続けることができる。
ここで、TiAlSi合金は、その他にCなど、製造途中に混入する元素を含むことができる。
【0007】
接触電極と配線とが直接接触しないように、該接触電極と該配線との間にバリア層を介在させ、配線および接触電極は、該バリア層に接触することで導通をとることができる。上記のように、上記の電極材料と、配線材料とは、電気抵抗を増大させる金属間化合物は生じにくいが、接触電極と配線との間に導電性のバリア層を介在させることで、不安定要因をさらに減少させることができる。また、密着性を向上させるTi等の数nm程度の薄いバリア層を形成することで、接触電極と配線との密着性を向上させることもできる。換言すれば、密着性向上のために設けられる極薄層についても、バリア層に含めることとする。
【0008】
上記のバリア層を、{チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、チタン窒化物、タンタル窒化物、タングステン窒化物、ニオブ窒化物、バナジウム窒化物、ジルコニウム窒化物、チタン珪化物、タンタル珪化物、タングステン珪化物、ニオブ珪化物、バナジウム珪化物、ジルコニウム珪化物}のうちのいずれかとすることができる。これらの材料をバリア層に用いることで、金属間化合物の生成をもたらす、電極材料または配線材料の元素の拡散をブロックする作用の他に、次の(1)〜(4)のいずれかの作用を得ることができる。
(1)接触電極と配線との密着性の向上(この場合、バリア層は数nm〜数十nmという薄い膜厚とすることが多い)
(2)異方性エッチングの選択性の向上による加工性の向上
(3)熱膨張率の相違に起因する歪みの緩和
(4)耐エレクトロマイグレーション性の向上
【0009】
上記の接触電極は、炭化珪素にオーミック接触することができる。これによって、所定の炭化珪素領域に接触電極を、低い接触抵抗のもとで配置することができる。
【0010】
接触電極は、炭化珪素のn型領域およびp型領域の両方にオーミック接触することができる。これによって、導電型の相違する領域に応じてレジストパターンを複数回形成する工数を、1回のレジストパターンの形成で済ますことができる。このため、複数回のレジストパターンの形成に起因する寸法誤差を縮小することができ、寸法精度向上、歩留まり向上などを得ることができる。
【0011】
上記の半導体装置が、MOSFETであり、接触電極がソース電極またはドレイン電極であり、該接触電極がソース電極の場合、ソース電極は、ソース領域および該ソース領域と反対導電型の反転部形成領域へのコンタクト領域の両方に接触するものであり、配線がソース内部配線またはドレイン配線である構成とすることができる。これによって、長期間にわたって高い信頼性を維持することができ、かつレジストパターンの形成に起因する寸法誤差を縮小することができ、寸法精度向上、歩留まり向上などを得ることができる。
【0012】
半導体装置がJFETであり、接触電極が、ソース電極、ゲート電極、およびドレイン電極であり、配線が、ソース配線、ゲート配線、およびドレイン配線である構成をとることができる。これによって、ソース、ゲートおよびドレインのすべてに、共通の接触電極材料および配線材料を用いることができる。この結果、レジストパターンを形成する工数を削減して製造コストを低減することができる。また、複数回のレジストパターン形成に起因する寸法誤差を縮小することができ、寸法精度向上、歩留まり向上などを得ることができる。
【0013】
本発明の半導体装置の製造方法は、基板を準備する工程と、基板上に、炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程と、炭化珪素エピタキシャル層上に、チタン、アルミニウム、およびケイ素を含有する合金の電極をオーミック接触するように形成する工程と、電極に接触して、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成された配線を設けることを特徴とする。
【0014】
上記の方法によれば、配線と、低い接触抵抗の電極との接合部を、低い電気抵抗のまま長期間にわたって、維持することができる。すなわち、電極材料と配線材料とが反応して電気抵抗を増大させる金属間化合物の生成を防止することができる。
【0015】
電極を形成する工程では、炭化珪素エピタキシャル層上に、チタン層を形成し、次いで該チタン層上にアルミニウム層を形成し、さらに該アルミニウム層上に珪素層を形成した上で、または、チタン、アルミニウムおよび珪素の積層体、または、チタン、アルミニウムおよび珪素の混合層、を形成した上で、熱処理をして合金化することができる。これによって、炭化珪素との接触抵抗が低い電極を確実に得ることができる。
【0016】
上記の合金電極の形成の後、配線を設ける前に、合金電極に接触して、バリア層を形成する工程を備え、配線はバリア層に接触するように設けることができる。バリア層が無くても、(電極/配線)の界面抵抗を長期間にわたって充分低くすることができるが、上記のようにバリア層を設けることで、金属間化合物の生成をもたらす、電極材料または配線材料の元素の拡散をブロックすることができる。バリア層に、チタン、チタン窒化物等の特定の材料を用いることで、(1)電極と配線との密着性の向上(この場合、バリア層は数nm〜数十nmという薄い膜厚とすることが多い)、(2)異方性エッチングの選択性の向上による加工性の向上、(3)熱膨張率の相違に起因する歪みの緩和、(4)耐エレクトロマイグレーション性の向上、のうちの少なくとも一つの作用を向上させることができる。
【0017】
炭化珪素エピタキシャル層の形成時に、または該炭化珪素エピタキシャル層の形成後で、合金電極の形成前に、炭化珪素エピタキシャル層に、該炭化珪素のn型領域およびp型領域を形成し、合金電極を、n型領域およびp型領域の両方にオーミック接触するように形成することができる。これによって、製造工程数を削減しながら、レジストパターン形成に付随する寸法精度の劣化を回避することができる。この結果、製造コスト低減、寸法精度の向上、製造歩留まり向上などを得ることができる。
【0018】
合金電極が2つ以上あり、炭化珪素エピタキシャル層の形成後で、合金電極の形成前に、炭化珪素エピタキシャル層に、該炭化珪素のn型領域およびp型領域の両方を形成し、n型領域にオーミック接触する第1の合金電極およびp型領域にオーミック接触する第2の合金電極を同じ処理機会に同じ材料で形成することができる。これによって、上記したように、製造コストを低減しながら、寸歩精度の向上、製造歩留まり向上などを得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、炭化珪素の半導体装置において、電極材料と、内部配線の材料とが異なるとき、これら異種金属の接触界面における不具合のおそれを無くして、長期間使用後にも高い信頼性(当初の低い電気抵抗の維持など)を得ることができる、半導体装置等を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1における半導体装置のMOSFETを示す断面図である。
【図2】図1のMOSFETの製造方法のフローチャートである。
【図3】炭化珪素にオーミック接触する接触電極および配線の製造方法のフローチャートである。
【図4】図1のMOSFETの製造において、ゲート酸化膜となる熱酸化膜上にゲート電極を形成した状態を示す図である。
【図5】層間絶縁膜を堆積した状態を示す図である。
【図6】レジストパターンを形成したあと、選択エッチングによってソース接触電極が形成される領域の層間絶縁膜および熱酸化膜を除去し、そのあとソース接触電極を形成した状態を示す図である。
【図7】レジストパターンを除去した後、SiC基板の裏面にドレイン電極を形成し、そのあと、合金化処理を行った状態を示す図である。
【図8】ソース接触電極に接してソース内部配線を形成した状態を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2における半導体装置のMOSFETを示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3における半導体装置のJFETを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における半導体装置のMOSFETを示す断面図である。本実施の形態におけるMOSFETは、半導体に炭化珪素(SiC)を用いており、n型SiC基板11と、その上にエピタキシャル成長されたn型SiC層(ドリフト層)12とを備える。n型SiC層(ドリフト層)12の厚みは、たとえば10μm、n型不純物濃度は1×1016cm−3程度とするのがよい。SiCエピタキシャル層12の表面12aの側に、pボディ13、nSiCのソース領域14と、そのソース領域14に接して設けられたpSiC領域18とが位置する。pボディ13は、(nソース領域14/p領域18)と、ドリフト領域12との間に介在する。
【0022】
ソース領域14およびp領域18の両方に接触するように、ソース接触電極16が設けられる。このソース接触電極16に接してソース内部配線19が設けられる。ソース領域14/pボディ13を含むSiCエピタキシャル層の表面12aの上に、ゲート酸化膜15が位置している。このゲート酸化膜15の上に、不純物添加された導電性を持つポリシリコンのゲート電極17が位置し、そのゲート電極17を層間絶縁膜21が覆って、絶縁している。層間絶縁膜21の上には、ソース接触電極16と導通するソース内部配線19が設けられている。ソース内部配線19をパッシベーション保護膜29が覆って、全体を保護している。後で説明するが、ゲート酸化膜15の直下のpボディ13内にn型の反転層Rを形成し、または消滅して、(ソース接触電極16−反転層R−ドリフト領域12−ドレイン電極20)を経路とする大電流のオンオフを制御する。pボディ13への電圧印加は、p領域18を通して行われる。p領域18は、反転層形成領域13へのコンタクト領域とみることができる。
SiC基板11はドレイン領域を形成しており、nSiC基板11の裏面11bには、ドレイン電極20が設けられている。
【0023】
ソース接触電極14は、TiとAlとSiとを含む合金(TiAlSi合金)によって形成される。また、ソース内部配線19は、AlまたはAl合金(AlSi合金、AlSiCu合金など)によって形成される。従来のように、ソース接触電極16にニッケル(Ni)を用いた場合、長時間の使用により、内部配線に通常用いられるAlまたはAl合金中のAlと反応してNiAlなどの高電気抵抗の金属間化合物を生成する危険性があった。本実施の形態におけるように、ソース接触電極16にTiAlSi合金を用いることで、ソース内部配線19にAlまたはAl合金を用いても、電気抵抗の高い金属間化合物を生成するおそれはない。このため、長期間、高い信頼性を維持することができる。
【0024】
DMOS構造のMOSFETでは、nソース領域14と、pボディ13とは同電位に保つ必要がある。そのため、ソース接触電極16に対しては、接触抵抗を低減しつつ、nソース領域14およびp領域18の両方に電気的に接続することが求められる。さらに、MOSFET10においては、オン抵抗を低減するために、nソース領域14とソース接触電極16との接触抵抗をできるだけ低くする要請がある。本実施の形態では、ソース接触電極16に上述のTiAlSi合金を用いて、nソース領域14およびp領域18の両方に対してオーミック接触することで、この要請を満たしている。この結果、MOSFET10は、レジストパターン形成回数を減らすことができ、寸法精度を向上させることができる。この結果、製造工程の簡単化、歩留まり向上、集積度の向上等を得ることができる。
【0025】
MOSFET10は、次のように大電流をオンオフ制御する。ゲート電極17に閾値以下の電圧を印加した状態では、ゲート酸化膜15の直下のpボディ13に反転電子は誘起されず、非導通(オフ)状態である。ゲート電極17に閾値を超える電圧を印加してゆくと、pボディ13のゲート酸化膜15に接する部分(薄層)にn型の反転層Rが形成される。このn型反転層Rを通って、nソース領域14と、n型SiCドリフト領域12とを結ぶ電子流路が形成される。この結果、ソース−ドレイン間に大電流を流すことができる。
【0026】
図2は、本実施の形態における半導体装置のMOSFET10の製造方法を示すフローチャートである。また、図3は、ソース接触電極16およびソース内部配線19の製造方法を示すフローチャートである。n型SiC基板11基板の準備(工程S1)からゲート絶縁膜15の形成にいたる工程は、周知の製造方法を用いて行うことができる。n型SiC基板11の準備(工程S1)→n型SiC基板11上へのドリフト層となるn型SiCエピタキシャル層12の成膜(工程S2)→n型SiCエピタキシャル層12が形成されていた領域へのpボディ13の形成(工程S3)→ソース領域となるn型領域14の形成(工程S4)→p型領域18の形成(工程S5)→アルゴン(Ar)雰囲気で1700℃程度に加熱し、30分間程度保持する活性化アニール処理(工程S6)→ゲート絶縁膜(熱酸化膜)15aの形成(工程S7)
上記の熱酸化膜15aの形成(工程S7)の際にn型SiC基板11の裏面11b上に熱酸化膜23が形成される。この熱酸化膜23は、n型SiC基板11の保護膜として機能する。
【0027】
このあと、図4に示すように、ゲート電極17を形成する(工程S8)。ゲート電極17は、ポリシリコン、Alなどからなり、ゲート酸化膜となる熱酸化膜15aを介在させて一方のソース領域14から他方のソース領域14上にわたって延在する。ゲート電極の素材としてポリシリコンを用いる場合、電子導電性を確保するため、Pなどの不純物が1×1020cm−3を超える高い濃度となるようにする。堆積するポリシリコン膜の厚みは50nm程度とするのがよい。
このあと、図5に示すように、層間絶縁膜21を形成する(工程S9)。層間絶縁膜21は、ゲート電極17および酸化膜15aを覆うように、たとえばCVD法によって、厚み約1μmのSiO膜によって形成される。次いで、図6に示すように、ソース接触電極16を形成する領域に開口部を有するレジストパターン91を形成する。そのレジストパターン91をマスクとして用いて、たとえばRIEによって、ソース接触電極を形成する領域の層間絶縁膜21およびゲート酸化膜15aを部分的に除去して、ソース接触電極を形成する部分のエピタキシャル層の表面領域16,18を露出させる。
【0028】
このあと、図6に示すように、ソース接触電極16を形成する(工程S10)。次いで、レジストパターン91を除去すると、ソース接触電極形成時に堆積されたレジスト膜上の層はリフトオフされる。次いで、n型SiC基板11の裏面11bを露出させて清浄化した後、図7に示すように、ドレイン電極20を、ソース接触電極16と同じ材料によって形成する(工程S11)。
上記の両方の電極16,20ともに、TiAlSi合金の電極を形成する。図3は、このTiAlSi合金の電極を製造するためのより詳しいフローチャートである。図3のS10aまたはS11a〜S10cまたはS11cに示すように、Ti膜、Al膜、およびSi膜を、SiCエピタキシャル層12の表面12a、およびSiC基板11の裏面11bの両方の面に、上記3種類の層を上記順序で積層する。積層方法は、スパッタリング法などを用いるのがよい。次いで、たとえばソース接触電極16を形成するときは、上述のように、レジスト膜91を除去することで、レジスト膜上に積層されていた、Ti膜、Al膜,Si膜を除去(リフトオフ)する。これによって、図7に示すように、ゲート酸化膜15から露出するSiCエピタキシャル層12の表面12a、およびSiC基板11の裏面11b、の面上に、Ti膜、Al膜、Si膜からなる3層膜が残る。
次に、Arなどの不活性雰囲気中で、550℃〜1200℃の温度域、好ましくは900℃〜1100℃の温度域に、10分間以下の時間保持する。たとえば1000℃程度に2分間程度保持する(合金化処理)。この合金化処理によって、ソース接触電極の側については、Ti膜、Al膜、Si膜およびSiCエピタキシャル層12が合金化され、当該ソース接触電極16が形成される(工程S10d)。また、ドレイン電極の側については、Ti膜、Al膜、Si膜、およびSiC基板11が合金化され、当該ドレイン電極20が形成される(工程S11d)。図7は、合金化処理を行って、ソース接触電極14およびドレイン電極20を形成する材料をTiAlSi合金としたあとの状態を示す。
【0029】
次いで、図8に示すように、ソース内部配線19を形成する(工程S12)。この場合、たとえば蒸着法によって、導電金属の、AlまたはAl合金のソース内部配線19を、TiAlSi合金のソース接触電極16上に形成する。合金化処理によってTiAlSi合金は良好な導電性を有する導電体とされており、良好な導電性のAlまたはAl合金との接触によって、低い接触抵抗の電気的接続を得ることができる。すなわち、(TiAlSi合金/AlまたはAl合金)の接触は、低い電気抵抗の接触を実現することができる。しかも、従来のように、n型SiC領域とオーミック接触するNiを、ソース接触電極の材料に用いていない。このため、Ni/AlまたはNi/Al合金、の接触のように、使用中にNiAl等の高い電気抵抗を有する金属間化合物を生成しない。この結果、長期間にわたって、低い接触抵抗を維持することができるソース接触電極16とソース内部配線19との組み合わせを得ることができる。
図8の状態のウエハにパッシベーション保護膜29を堆積すると、図1の半導体装置10を得ることができる。
【0030】
上述のように、本実施の形態におけるSiC・MOSFET10は、次の利点を有する。
(1)TiAlSi合金によるソース接触電極16と、そのソース接触電極16に導通をとる、AlまたはAl合金のソース内部配線19との組み合わせによって、長期間使用しても、電気抵抗の増大をもたらす金属間化合物は生じない。この結果、低い電気抵抗のソース電極22を長期間、安定して維持することができる。
(2)TiAlSi合金という1種類のソース接触電極16によって、ソースnSiC領域14およびp型領域18の両方にオーミック接触することができるので、製造工程を簡単化することができ、さらにレジスト膜の形成回数の減少による寸法精度の向上による利点(集積度の向上、歩留まり向上、品質向上)を得ることができる。
n型ドレイン電極20についても、ソース接触電極16と、同じ機会に並行して、TiAlSi合金によって形成することができる。これによる製造工程の簡単化も得ることができる。本実施の形態では、nチャネルが形成されるように導電型を定めたが、pチャネルが形成されるように導電型を上述した内容と逆に定めてもよい。また、MOSFET10におけるnSiC基板11の導電性をpとしたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であってもよい。
【0031】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における半導体装置であるSiC・MOSFETを示す図である。実施の形態1との相違は、ソース接触電極16と、ソース内部配線19との間に、バリア層25を介在させた点にある。その他の構成は、実施の形態1と同じである。本発明においては、ソース接触電極16はTiAlSi合金で形成され、ソース内部配線19はAlまたはAl合金で形成されるので、両者の金属が反応して電気抵抗が高い金属間化合物を生成することはないので、バリア層25は、両者の元素の拡散をブロックする必要度は小さい。このため、バリア層25を、ソース接触電極16およびソース内部配線19の密着性向上を主目的として、数nm程度の厚みのTi層としてもよい。また、使用環境の高温化などに対処するために、ソース接触電極16とソース内部配線19との反応を、より確実に防止することを目的に、数十nm〜数千nmの厚みの次の材料の層であってもよい。すなわち、{チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、チタン窒化物、タンタル窒化物、タングステン窒化物、ニオブ窒化物、バナジウム窒化物、ジルコニウム窒化物、チタン珪化物、タンタル珪化物、タングステン珪化物、ニオブ珪化物、バナジウム珪化物、ジルコニウム珪化物}の少なくとも一種の層であってもよい。
【0032】
製造方法は、実施の形態1のMOSFETの製造工程において、次の変形をする。ゲート電極17の形成(工程S8)→層間絶縁膜21の形成(工程S9)→ソース接触電極16(およびドレイン電極20)の形成(工程S10、S11)のあと、レジストパターンを形成して、バリア層25をソース接触電極16上に形成する。成膜法は、材料にもよるが、金属の場合はスパッタリングで成膜するのがよい。また、窒化物または珪化物の場合は、CVD法によるのがよい。このバリア層25の上、および層間絶縁膜21を覆うように、ソース内部配線19を設けることができる。
【0033】
上記したように、バリア層25を、ソース接触電極16とソース内部配線19との間に介在させることで、次の利点を得ることができる。
(1)薄いTi膜等を用いることで、密着性の向上
(2)RIE等におけるエッチング選択性の向上による加工性向上
(3)ソース接触電極16とソース内部配線19の熱膨張差の緩和
【0034】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3における半導体装置である接合型電界効果トランジスタJFET(Junction Field Effect Transistor)30を示す断面図である。SiC・JFET30は、次のエピタキシャル積層構造を持つ。(n型基板31/第1のp型層32/n型層33/第2のp型層34)
第1のp型層32は、たとえば厚み10μm程度、p型不純物濃度は7.5×1015cm−3程度とするのがよい。n型層33は、たとえば厚み0.45μm程度、n型不純物濃度2×1017cm−3程度とするのがよい。第2のp型層34は、たとえば厚み0.25μm程度、p型不純物濃度2×1017cm−3程度とするのがよい。
第2のp型層34の表面34aから、当該第2のp型層を貫通して、n型層33に突き出る領域35,36,37を備える。突き出た領域35,36,37の底部先端と、第1のp型層32との間には、十分な厚みのn型層33が介在するようにする。
中央部において下方に(SiC基板31に向かって)突き出る領域は、p型ゲート領域36であり、ゲート接触電極41/ゲート内部配線46と電気的に接続されている。ゲート接触電極41/ゲート内部配線46によってゲート電極62が形成される。また、nドレイン領域37は、ドレイン接触電極/ドレイン内部配線47に電気的に接続されている。ドレイン接触電極/ドレイン内部配線47によって、ドレイン電極63が形成される。nソース領域35は、ソース接触電極39/ソース内部配線45と電気的に接続される。
ソース領域35およびnドレイン領域37においては、たとえばn型不純物濃度1×1020cm−3であり、n型層33のn型不純物濃度よりも数オーダー高い。pゲート領域36においては、たとえばp型不純物濃度1×1018cm−3であり、第1のp型層32および第2のp型層34のp型不純物濃度よりも数オーダー高い。
【0035】
また、JFET30は、nソース領域35の端側に溝部71が設けられ、溝部71の底部71aからn型層33を貫通して第1のp型層32の突き出るp電位保持領域43を備える。p電位保持領域43の底部先端とn型基板31との間には、充分な厚みの第1のp型層32が介在するものとする。p電位保持領域43は、電位保持接触電極44/ソース内部配線45と電気的に接続されている。p電位保持領域43では、たとえばp型不純物濃度は、1×1018cm−3である。ソース接触電極39と、電位保持接触電極44と、ソース内部配線45とによって、ソース電極61が形成される。このソース電極61の構造によれば、n型ソース領域35と、p型電位保持領域43とは、同電位に保たれる。
接触電極44,39,41,42の間は、酸化膜38によって被覆され、接触電極間の絶縁性が確保されている。内部配線45,46,47の間は、パッシベーション膜64、たとえばSiO膜によって被覆、充填され、絶縁性が確保されている。パッシベーション膜64は、内部配線45,46,47の間の絶縁だけでなく、外部との絶縁をし、かつJFET30を外部環境から保護する。
【0036】
上記の接触電極、すなわちソース接触電極39、電位保持領域の接触電極44、ゲート接触電極41、およびドレイン接触電極42は、すべて、上述の、TiAlSi合金で形成されている。pドレイン領域36はp導電型であり、nソース領域35およびnドレイン領域37は、n導電型であるので、従来のように、n型領域とp型領域とを異なる材料の電極で形成する場合、非常に多くの工数を要する。たとえば、ソース接触電極39およびドレイン接触電極42を、Niで形成し、ゲート接触電極41をTi/Alで形成する場合、以下のような問題が生じる。すなわち、ソース接触電極39およびドレイン接触電極42を形成するためのマスクを形成した後、これらの接触電極39,42を蒸着等によって形成する。その後、そのマスクを除去した上で、ゲート接触電極41を形成するためのマスクを形成し、この接触電極41を蒸着等によって形成する必要がある。このような製造プロセスを採用した場合、工程数が増大するとともに、二回にわたるマスク形成における位置合わせの誤差が生じる。これによって、歩留まり低下、集積度の劣化等が生じる。これに対して、上記のように、すべての接触電極39,41,42,44を同じTiAlSi合金により形成することができる。このため1回のマスク形成によって一括して接触電極39,41,42,44を形成することができる。これによって、寸法精度の向上、歩留まり向上、集積度の向上などを得ることができる。
また、ソース内部配線45、ゲート内部配線46、およびドレイン内部配線47は、すべて、同一のAlまたはAl合金で形成されている。これによって、すべての接触電極39,41,42,44と、内部配線45,46,47との組み合わせにおいて、長期間使用しても、電気抵抗を増大させる金属間化合物などを生じない。
【0037】
図10において、p型ゲート領域36と、n型ドレイン領域37とに挟まれた領域には、第1のp型層32との間のn型層33内に、ドリフト領域が形成される。また、pゲート領域36と、第1のp型層32との間は、チャネル領域となる。ゲート接触電極62の電圧が0Vのとき、pn接合に逆バイアス電圧が充分かからず、ドリフト領域およびチャネル領域は空乏化されず、nソース領域35と、nドレイン領域37とは、電気的に接続した状態である(オン状態)。したがってnソース領域35からnドレイン領域37に向かって電子が移動する。
ゲート接触電極41に負電圧を印加してゆくと、pゲート領域36とn型層33との界面であるpn接合に逆バイアス電圧が充分かかり、空乏層が、不純物濃度が低いほうのn型層33に広がってゆく。この結果、チャネル領域およびドリフト領域は空乏化され、nソース領域35とnドレイン領域37とは電気的に遮断され、電流は流れない(オフ状態)。
JFET30は、上記の機構によって、電流のオンオフ制御を行う。
【0038】
図10のJFET30は、周知の半導体装置の製造工程を経て製造される。
溝部71は、実施の形態1のMOSFET10にはなかった構造であるが、たとえば溝部71に対応する部分に開口を有するマスク層を、第2のp型層34の表面34aに設けて、SFガスを用いたドライエッチングによって形成することができる。
このあとnソース領域等のイオン注入による形成を行う。たとえば、nソース領域35およびnドレイン領域37は、実施の形態1で説明したように、酸化膜パターンの形成→n型不純物のイオン注入、により形成される。pゲート領域36およびp電位保持領域43についても、不純物の種類が異なるだけで、酸化膜パターンをマスクとして用いてイオン注入する点では同じである。ただし、溝部に形成されるp電位保持領域43の深さがpゲート領域36よりも浅い場合には、機会を分けてイオン注入することになる。このあと、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で1700℃×30分間程度の活性化アニール処理を行うことは、実施の形態1,2と同様である。
酸化膜38は、活性化アニール処理後に、酸素雰囲気中で1300℃×30分間の処理により、フィールド酸化膜として形成される。
【0039】
このあと、4つの接触電極39,41,42,44に対応する部分に開口を有するレジストパターンを酸化膜38の上に形成して、レジストパターンをマスクとして用いて、RIE等によって開口位置の酸化膜38を除去する。その後、Tiと、Alと、Siとを同時にスパッタリングする混合スパッタリングによってTiAlSi混合膜を形成する。実施の形態1、2では、Ti膜/Al膜/Si膜を積層した。レジスト膜の除去によって、レジスト膜上のTiAlSi混合膜をリフトオフし、次いで、TiAlSi混合膜をTiAlSi合金とするための合金化処理を行う。合金化処理では、アルゴンなどの不活性雰囲気中で、550℃〜1200℃の温度域、好ましくは900℃〜1100℃の温度域に加熱する。たとえば1000℃に加熱して、10分間以下、たとえば2分間保持する。上記の処理によって、1回のレジストパターンの形成によって、下地の半導体層とすべてオーミック接触する、4つの接触電極39,41,42,44が形成される。
次いで、ソース配線61、ゲート配線46、ドレイン配線47を形成する。これらの配線は、各配線を形成する部分に開口を有するレジストパターンを形成し、AlまたはAl合金を蒸着することで、形成する。AlまたはAl合金を蒸着後に、レジストパターンを除去することで、レジストパターン上のAlまたはAl合金をリフトオフする。
上記の製造方法によれば、4種類の接触電極39,41,42,44は、すべてTiAlSi合金で形成し、配線45,46,47はAlまたはAl合金で形成する。このため、NiAlのような電気抵抗が高い金属間化合物が生じることがない。
【0040】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明によれば、炭化珪素の半導体装置において、電極材料と、内部配線の材料とが異なるとき、これら異種金属の接触界面における不具合のおそれを無くして、長期間使用後にも高い信頼性(接触部での当初の低い電気抵抗の維持)を得ることができる、半導体装置等を得ることができる。また、接触電極に用いるTiAlSi合金は、p型SiCにもn型SiCにもオーミック接触することができるので、導電型別に接触電極材料を変える場合に比べて、レジストパターンの形成回数を減ずることができる。この結果、レジストパターンの形成に付随する寸法精度の劣化を抑制することができ、寸法精度の向上、製造歩留まりの向上等を得ることができる。
【符号の説明】
【0042】
10 MOSFET、11 n型SiC基板、11b SiC基板裏面、12 n型SiCエピタキシャル層、12a n型SiCエピタキシャル層の表面、13 pボディ、14 n型ソース領域、15 ゲート酸化膜、16 ソース接触電極、17 ゲート電極、18 p反転層コンタクト領域、19 ソース内部配線、20 ドレイン電極、21 層間絶縁膜、23 SiC基板裏面の熱酸化膜、29 パッシベーション保護膜、30 JFET、31 SiC基板、32 第1のp型層、33 n型層、34 第2のp型層、35 nソース領域、36 pゲート領域、37 nドレイン領域、38 酸化膜、39 ソース接触電極、41 ゲート接触電極、42 ドレイン接触電極、43 p+電位保持領域、44 電位保持領域への接触電極、45 ソース配線、46 ゲート配線、47 ドレイン配線、61 ソース電極、62 ゲート電極、63 ドレイン電極、64 パッシベーション膜、71 溝部、71a 溝部底壁、71b 溝部側壁、91 レジストパターン、R 反転層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触電極と、該接触電極と導通する配線とを備える、炭化珪素の半導体装置であって、
前記接触電極が、チタン、アルミニウム、および珪素を含有する合金で形成され、前記炭化珪素に接触し、
前記配線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成され、前記接触電極と接触することで該接触電極と前記導通をとることを特徴とする、半導体装置。
【請求項2】
前記接触電極と前記配線とが直接接触しないように、該接触電極と該配線との間にバリア層を介在させ、前記配線および接触電極は、該バリア層に接触することで前記導通をとることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記バリア層が、{チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、チタン窒化物、タンタル窒化物、タングステン窒化物、ニオブ窒化物、バナジウム窒化物、ジルコニウム窒化物、チタン珪化物、タンタル珪化物、タングステン珪化物、ニオブ珪化物、バナジウム珪化物、ジルコニウム珪化物}のうちのいずれかであることを特徴とする、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記接触電極は、前記炭化珪素にオーミック接触することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記接触電極は、前記炭化珪素のn型領域およびp型領域の両方にオーミック接触することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体装置が、MOSFETであり、前記接触電極が、ソース電極またはドレイン電極であり、該接触電極がソース電極の場合、該ソース電極は、ソース領域および該ソース領域と反対導電型の反転部形成領域へのコンタクト領域の両方に接触するものであり、前記配線が、ソース内部配線またはドレイン配線であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体装置が、JFETであり、前記接触電極が、ソース電極、ゲート電極、およびドレイン電極であり、前記配線が、ソース配線、ゲート配線、およびドレイン配線であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
基板を準備する工程と、
前記基板上に、炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程と、
前記炭化珪素エピタキシャル層上に、チタン、アルミニウム、およびケイ素を含有する合金の電極をオーミック接触するように形成する工程と、
前記電極に接触して、アルミニウムまたはアルミニウム合金の配線を設けることを特徴とする、半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記電極を形成する工程では、前記炭化珪素エピタキシャル層上に、(1)チタン層を形成し、次いで該チタン層上にアルミニウム層を形成し、さらに該アルミニウム層上に珪素層を形成した上で、または、(2)チタン、アルミニウムおよび珪素の混合層を形成した上で、熱処理をして合金化することを特徴とする、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記合金電極の形成の後、前記配線を設ける前に、前記合金電極に接触して、バリア層を形成する工程を備え、前記配線は前記バリア層に接触するように設けることを特徴とする、請求項8または9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記炭化珪素エピタキシャル層の形成後で、前記合金電極の形成前に、前記炭化珪素エピタキシャル層に、該炭化珪素のn型領域およびp型領域を形成し、前記合金電極を、前記n型領域およびp型領域の両方にオーミック接触するように形成することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記合金電極が2つ以上あり、前記炭化珪素エピタキシャル層の形成後で、前記合金電極の形成前に、前記炭化珪素エピタキシャル層に、該炭化珪素のn型領域およびp型領域の両方を形成し、前記n型領域にオーミック接触する第1の合金電極およびp型領域にオーミック接触する第2の合金電極を同じ処理機会に同じ材料で形成することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−272766(P2010−272766A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124617(P2009−124617)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】