説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】非選択のメモリセルトランジスタへの情報の誤書き込みの発生を低減することができる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】フローティングゲート30aとコントロールゲート34aとソース/ドレイン拡散層36a、36bと有するメモリセルトランジスタMTと、セレクトゲート30bとソース/ドレイン拡散層36b、36cとを有する選択トランジスタSTとを有し、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層36aは、第1の不純物拡散層36aと、第1の不純物拡散層36aよりも深い第2の不純物拡散層36aと、第2の不純物拡散層36a内に形成され、第2の不純物拡散層36aよりも浅い第3の不純物拡散層36aとを有し、第2の不純物拡散層36aの不純物濃度は、第3の不純物拡散層36aの不純物濃度よりも低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に係り、特にメモリセルを有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、選択トランジスタとメモリセルトランジスタとを有するメモリセルを備えた半導体装置が提案されている。
【0003】
このような半導体装置では、ビット線、ワード線、ソース線等を列デコーダや行デコーダにより適宜選択することにより、メモリセルが選択され、選択されたメモリセルに対して情報の読み出し、書き込み、消去等が行われる。
【0004】
提案されている半導体装置では、メモリセルに情報を書き込む際に、メモリセルトランジスタのソースに接続されたソース線及びメモリセルトランジスタのコントロールゲートにそれぞれ高電圧を印加する。これによりホットエレクトロンを発生させ、その一部をメモリセルトランジスタのフローティングゲートに注入することにより、メモリセルトランジスタに情報が書き込まれる。
【特許文献1】特表2007−511084号公報
【特許文献2】特開平07−193148号公報
【特許文献3】特開昭61−127179号公報
【特許文献4】特許2685506号公報
【特許文献5】特開平07−094609号公報
【特許文献6】特開2000−306390号公報
【特許文献7】特開平11−177068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、提案されている半導体装置では、ソース線が、複数のメモリセルトランジスタのソースに共通に接続されている。このため、情報を書き込む際には、書き込み対象として選択されたメモリセルトランジスタ以外のメモリセルトランジスタのソースにも高電圧が印加されることになる。このため、書き込み対象として選択されていない非選択のメモリセルトランジスタに情報が誤って書き込まれる誤書き込みを必ずしも十分に防止し得ないことが考えられる。
【0006】
本発明の目的は、非選択のメモリセルトランジスタへの情報の誤書き込みの発生を低減することができる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一観点によれば、半導体基板上にトンネル絶縁膜を介して形成されたフローティングゲートと、前記フローティングゲート上に絶縁膜を介して形成されたコントロールゲートと、前記フローティングゲートの両側の前記半導体基板内にチャネル領域を挟んで形成されたソース及びドレインと有するメモリセルトランジスタと、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたセレクトゲートと、前記セレクトゲートの両側の前記半導体基板内に形成されたソース及びドレインとを有する選択トランジスタとを有し、前記メモリセルトランジスタの前記ドレインに前記選択トランジスタの前記ソースが接続され、前記メモリセルトランジスタの前記ソースは、N型の第1の不純物拡散層と、前記第1の不純物拡散層よりも深いN型の第2の不純物拡散層と、前記第2の不純物拡散層内に形成され、前記第2の不純物拡散層よりも浅いN型の第3の不純物拡散層とを有し、前記第2の不純物拡散層の不純物濃度は、前記第3の不純物拡散層の不純物濃度よりも低い半導体装置が提供される。
【0008】
また、実施形態の他の観点によれば、半導体基板上に、第1の絶縁膜を介して第1の導電膜を形成する工程と、前記第1の導電膜上に第2の絶縁膜を介して第2の導電膜を形成する工程と、前記第1の導電膜、前記第2の絶縁膜及び前記第2の導電膜をパターニングすることにより、前記第1の導電膜のフローティングゲートと前記フローティングゲート上に前記第2の絶縁膜を介して形成された前記第2の導電膜のコントロールゲートとを有する積層体を形成し、前記フローティングゲートに並行して、前記第1の導電膜のセレクトゲートとを形成する工程と、前記フローティングゲートとコントロールゲートとを有するメモリセルトランジスタのソースとなる領域の前記半導体基板内に、N型の第1の不純物拡散層を形成する工程と、前記積層体の側壁部分及び前記セレクトゲートの側壁部分に、第1のサイドウォール絶縁膜を形成する工程と、前記メモリセルトランジスタの前記ソースとなる領域の前記半導体基板内に、前記第1の不純物拡散層よりも深いN型の第2の不純物拡散層を形成する工程と、前記第1のサイドウォール絶縁膜が形成された前記積層体の側壁部分及び前記セレクトゲートの側壁部分に、第2のサイドウォール絶縁膜を形成する工程と、前記第2の不純物拡散層内に、前記第2の不純物拡散層よりも浅く、前記第2の不純物拡散層よりも不純物濃度が高いN型の第3の不純物拡散層を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
開示の半導体装置及びその製造方法によれば、メモリセルトランジスタのソース下端部における電界を緩和することができる。これにより、非選択のメモリセルトランジスタへの情報の誤書き込みの発生を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図35は、提案されている半導体装置のメモリセルアレイを示す回路図である。
【0011】
図35に示すように、提案されている半導体装置では、メモリセルMCが、選択トランジスタSTと、選択トランジスタSTに直列に接続されたメモリセルトランジスタMTとを有している。選択トランジスタSTのソースは、メモリセルトランジスタMTのドレインに接続されている。
【0012】
複数のメモリセルMCは、マトリクス状に配列されている。マトリクス状に配列された複数メモリセルMCにより、メモリセルアレイ200が形成されている。
【0013】
メモリセルMCの選択トランジスタSTのドレインは、同一の行において隣接する一方のメモリセルMCの選択トランジスタSTのドレインと接続されている。また、メモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのソースは、同一の行において隣接する他方のメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのソースに接続されている。
【0014】
同一の列に存在する複数の選択トランジスタSTのドレインは、ビット線BLにより共通接続されている。かかるビット線BLは、互いに隣接する2つの列の組に対応して1本ずつ設けられており、各行において互いに接続された選択トランジスタSTのドレインを共通接続している。
【0015】
同一の行に存在する複数のメモリセルトランジスタMTのコントロールゲートは、第1のワード線WL1により共通接続されている。
【0016】
同一の行に存在する複数の選択トランジスタSTのセレクトゲートは、第2のワード線WL2により共通接続されている。
【0017】
同一の行に存在する複数のメモリセルトランジスタMTのソースは、ソース線SLにより共通接続されている。
【0018】
選択トランジスタSTのドレインを共通接続する複数のビット線BLは、複数のビット線BLの電位を制御するための列デコーダ(図示せず)に接続されている。
【0019】
メモリセルトランジスタMTのコントロールゲートを共通接続する複数の第1のワード線WL1は、複数の第1のワード線WL1の電位を制御するための第1の行デコーダ(図示せず)に接続されている。
【0020】
選択トランジスタSTのセレクトゲートを共通接続する複数の第2のワード線WL2は、複数の第2のワード線WL2の電位を制御するための第2の行デコーダ(図示せず)に接続されている。
【0021】
メモリセルトランジスタMTのソースを共通接続する複数のソース線SLは、複数のソース線SLの電位を制御するための第3の行デコーダ(図示せず)に接続されている。
【0022】
図36は、提案されている半導体装置のメモリセルMCを示す断面図である。
【0023】
図36に示すように、半導体基板202上には、トンネル絶縁膜204aを介してフローティングゲート206aが形成されている。
【0024】
フローティングゲート206a上には、絶縁膜208aを介してコントロールゲート210aが形成されている。同一の行に存在するメモリセルトランジスタMTのコントロールゲート210aは、共通接続されている。換言すれば、フローティングゲート206a上には、絶縁膜208aを介して、コントロールゲート210aを共通接続する第1のワード線WL1が形成されている。
【0025】
半導体基板上202には、フローティングゲート206aと平行して、ゲート絶縁膜204bを介して選択トランジスタSTのセレクトゲート206bが形成されている。同一の行に存在する選択トランジスタSTのセレクトゲート206bは、共通接続されている。換言すれば、半導体基板202上には、ゲート絶縁膜204bを介して、セレクトゲート206bを共通接続する第2のワード線WL2が形成されている。
【0026】
セレクトゲート206b上には、絶縁膜208bを介してポリシリコン層210bが形成されている。
【0027】
フローティングゲート206aの両側の半導体基板202内、及び、セレクトゲート206bの両側の半導体基板202内には、N型の不純物拡散層212a、212b、212cが形成されている。メモリセルトランジスタMTのソースは、不純物拡散層212aにより形成されている。メモリセルトランジスタMTのドレインと選択トランジスタSTのソースとは、同一の不純物拡散層212bにより形成されている。選択トランジスタSTのドレインは、不純物拡散層212cにより形成されている。
【0028】
こうして、半導体基板202上に、フローティングゲート206aとコントロールゲート210aとソース/ドレイン拡散層212a、212bとを有するN型のメモリセルトランジスタMTが形成されている。同一の行に存在する複数のメモリセルトランジスタMTのソース拡散層212aは、ソース線SLにより共通接続されている。
【0029】
また、半導体基板202上に、セレクトゲート206aとソース/ドレイン拡散層212b、212cとを有するN型の選択トランジスタSTが形成されている。同一の列に存在する複数の選択トランジスタSTのドレイン拡散層212cは、ビット線BLにより共通接続されている。
【0030】
このようなメモリセルMCに情報を書き込む際には、各部の電位を図37に示すように設定する。
【0031】
即ち、選択すべきメモリセルMCに接続されているビット線BLの電位を例えば0Vとする。また、選択されたビット線BL以外のビット線BLの電位を例えば2.3Vの電源電圧とする。
【0032】
また、選択すべきメモリセルMCに接続されているソース線SLの電位を例えば5.5Vとする。一方、選択されたソース線SL以外のソース線SLの電位を例えば0Vとする。
【0033】
また、選択すべきメモリセルMCに接続されている第1のワード線WL1の電位を例えば8.5Vとする。一方、選択された第1のワード線WL1以外の第1のワード線WL1の電位を例えば0Vとする。
【0034】
また、選択すべきメモリセルMCに接続されている第2のワード線WL2の電位を例えば2.3Vの電源電圧とする。一方、選択された第2のワード線WL2以外の第2のワード線WL2の電位を例えば0Vとする。
【0035】
各部の電位を上記のように設定すると、図36に示すように、選択されたメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのソース拡散層212aの近傍に電子・正孔対(e、h)が生成される。電子は、電界により加速されてホットエレクトロンとなり、その一部がフローティングゲート206aに注入される。これにより、メモリセルトランジスタMTのフローティングゲート206aに電荷が蓄積される。こうして、選択されたメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTに情報が書き込まれることとなる。
【0036】
このように、提案されている半導体装置では、選択されたメモリセルMCが接続されたソース線SLに高電圧を印加し、メモリセルトランジスタMTのフローティングゲートにホットエレクトロンの一部をソース側から注入することにより情報が書き込まれる。
【0037】
ここで、ソース線SLは、同一の行に存在する複数のメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのソースを共通接続している。このため、情報を書き込む際には、選択されたメモリセルMCと同一のソース線SLに接続された非選択のメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのソースにも高電圧が印加されることとなる。
【0038】
このように非選択のメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのソースにも高電圧が印加される結果、選択されたメモリセルMCと同一のソース線SLに接続された非選択のメモリセルMCに情報が誤って書き込まれる誤書き込みが発生する場合がある。かかる情報の誤書き込みは、選択されたメモリセルMCと同一のソース線SLに接続された非選択のメモリセルMCのすべてにおいて一律に発生するのではなく、ランダムに発生することが分かっている。このランダムに発生する誤書き込みは、ソース拡散層が形成されるシリコン基板の結晶欠陥が一因となっていると考えられる。
【0039】
本願発明者等は、かかる情報の誤書き込みを低減するべく鋭意検討した結果、以下のような半導体装置及びその製造方法を想到した。
【0040】
[第1実施形態]
第1実施形態による半導体装置及びその製造方法について図1乃至図30を用いて説明する。
【0041】
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置について図1乃至図6を用いて説明する。図1は、本実施形態による半導体装置を示す回路図である。
【0042】
図1に示すように、本実施形態による半導体装置では、メモリセルMCが、選択トランジスタSTと、選択トランジスタSTに直列に接続されたメモリセルトランジスタMTとを有している。選択トランジスタSTのソースは、メモリセルトランジスタMTのドレインに接続されている。より具体的には、選択トランジスタSTのソースとメモリセルトランジスタMTのドレインとは、1つの不純物拡散層により一体に形成されている。
【0043】
複数のメモリセルMCは、マトリクス状に配列されている。マトリクス状に配列された複数メモリセルMCにより、メモリセルアレイ10が形成されている。
【0044】
同一の列に存在する複数の選択トランジスタSTのドレインは、ビット線BLにより共通接続されている。
【0045】
同一の行に存在する複数のメモリセルトランジスタMTのコントロールゲートは、第1のワード線WL1により共通接続されている。
【0046】
同一の行に存在する複数の選択トランジスタSTのセレクトゲートは、第2のワード線WL2により共通接続されている。
【0047】
同一の行に存在する複数のメモリセルトランジスタMTのソースは、ソース線SLにより共通接続されている。
【0048】
選択トランジスタSTのドレインを共通接続する複数のビット線BLは、列デコーダ12に接続されている。列デコーダ12は、選択トランジスタSTのドレインを共通接続する複数のビット線BLの電位を制御するためのものである。列デコーダ12には、ビット線BLに流れる電流を検出するためのセンスアンプ13が接続されている。列デコーダ12は、比較的低い電圧で動作する低電圧回路により構成されている。低電圧回路は、耐圧が比較的低い一方、高速で動作し得る回路である。低電圧回路のトランジスタ(図示せず)のゲート絶縁膜(図示せず)は、比較的薄く形成されている。このため、列デコーダ12に用いられている低電圧回路のトランジスタは比較的高速で動作し得る。本実施形態において列デコーダ12に低電圧回路を用いているのは、選択トランジスタSTのドレインには高電圧を印加する必要がない一方、メモリセルトランジスタMTに書き込まれた情報を読み出す際に選択トランジスタSTを高速で動作させることが必要なためである。本実施形態では、列デコーダ12に低電圧回路が用いられているため、選択トランジスタSTを比較的高速で動作させることができ、ひいては読み出し速度の速い不揮発性半導体記憶装置を提供することが可能となる。
【0049】
メモリセルトランジスタMTのコントロールゲートを共通接続する複数の第1のワード線WL1は、第1の行デコーダ14に接続されている。第1の行デコーダ14は、メモリセルトランジスタMTのコントロールゲートを共通接続する複数の第1のワード線WL12の電位を制御するためのものである。第1の行デコーダ14は、高電圧回路(高耐圧回路)により構成されている。高電圧回路は、動作速度が比較的遅い一方、耐圧が比較的高い回路である。高電圧回路のトランジスタ(図示せず)のゲート絶縁膜(図示せず)は、十分な耐圧を確保すべく、比較的厚く形成されている。このため、高電圧回路のトランジスタは、低電圧回路のトランジスタと比較して、動作速度が遅い。本実施形態において第1の行デコーダ14に高電圧回路を用いているのは、メモリセルトランジスタMTに情報を書き込む際やメモリセルトランジスタMTに書き込まれた情報を消去する際に、第1のワード線WL1に高電圧を印加する必要があるためである。なお、後述するように、メモリセルトランジスタMTに書き込まれた情報を読み出す際には、第1のワード線WL1には常に電源電圧VCCが印加されている。このため、第1の行デコーダ14に用いられている高電圧回路の動作速度が比較的遅くても、特段の問題はない。
【0050】
選択トランジスタSTのセレクトゲートを共通接続する複数の第2のワード線WL2は、第2の行デコーダ16に接続されている。第2の行デコーダ16は、選択トランジスタSTのセレクトゲートを共通接続する複数の第2のワード線WL2の電位を制御するためのものである。第2の行デコーダ16は、低電圧回路(低耐圧回路)により構成されている。本実施形態において第2の行デコーダ16に低電圧回路を用いているのは、選択トランジスタSTのセレクトゲートには高電圧を印加する必要がない一方、選択トランジスタSTを高速で動作させることが重要なためである。本実施形態では、第2の行デコーダ16に低電圧回路が用いられているため、選択トランジスタSTを比較的高速で動作させることができ、ひいては読み出し速度の速い不揮発性半導体記憶装置を提供することが可能となる。
【0051】
メモリセルトランジスタMTのソースを共通接続する複数のソース線SLは、第3の行デコーダ18に接続されている。第3の行デコーダ18は、メモリセルトランジスタMTのソースを共通接続する複数のソース線SLの電位を制御するためのものである。第3の行デコーダ18は、高電圧回路(高耐圧回路)により構成されている。本実施形態において第3の行デコーダ18に高電圧回路を用いているのは、メモリセルトランジスタMTに情報を書き込む際に、ソース線SLに高電圧を印加する必要があるためである。なお、後述するように、メモリセルトランジスタMTに書き込まれた情報を読み出す際には、ソース線SLは常に接地されている。このため、第3の行デコーダ18の動作速度が比較的遅くても、特段の問題はない。
【0052】
次に、本実施形態による半導体装置のメモリセルアレイの構造を図2乃至図6を用いて説明する。図2は、本実施形態による半導体装置のメモリセルアレイを示す平面図である。図3は、図2のA−A′断面図である。図4は、図2のB−B′断面図である。図5は、図2のC−C′断面図である。図6は、本実施形態による半導体装置のメモリセルトランジスタ及び選択トランジスタを示す拡大断面図である。
【0053】
半導体基板20には、素子領域21を画定する素子分離領域22が形成されている。半導体基板20としては、例えばP型のシリコン基板が用いられている。素子分離領域22は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により形成されている。
【0054】
素子分離領域22が形成された半導体基板20内には、N型の埋め込み拡散層24が形成されている。N型の埋め込み拡散層24の上側の部分は、P型ウェル26となっている。
【0055】
半導体基板20上には、トンネル絶縁膜28aを介してフローティングゲート30aが形成されている。フローティングゲート30aは、各々の素子領域21毎に電気的に分離されている。
【0056】
フローティングゲート30a上には、絶縁膜32aを介してコントロールゲート34aが形成されている。同一の行に存在するメモリセルトランジスタMTのコントロールゲート34aは、共通接続されている。換言すれば、フローティングゲート30上には、絶縁膜32aを介して、コントロールゲート34aを共通接続する第1のワード線WL1が形成されている。
【0057】
半導体基板20上には、フローティングゲート30aと並行して、選択トランジスタSTのセレクトゲート30bが形成されている。同一の行に存在する選択トランジスタSTのセレクトゲート30bは、共通接続されている。換言すれば、半導体基板20上には、ゲート絶縁膜28bを介して、セレクトゲート30bを共通接続する第2のワード線WL2が形成されている。選択トランジスタSTのゲート絶縁膜28bの膜厚は、メモリセルトランジスタMTのトンネル絶縁膜28aの膜厚と等しくなっている。
【0058】
セレクトゲート30b上には、絶縁膜32bを介して、ポリシリコン層34bが形成されている。
【0059】
フローティングゲート30aの両側の半導体基板20内、及び、セレクトゲート30bの両側の半導体基板20内には、N型の不純物拡散層36a、36b、36cが形成されている。メモリセルトランジスタMTのソースは、不純物拡散層36aにより形成されている。メモリセルトランジスタMTのドレインと選択トランジスタSTのソースとは、同一の不純物拡散層36bにより形成されている。選択トランジスタSTのドレインは、不純物拡散層36cにより形成されている。
【0060】
不純物拡散層36a、即ちメモリセルトランジスタMTのソース拡散層36aは、N型の第1の不純物拡散層36a、N型の第2の不純物拡散層36a及びN型の第3の不純物拡散層36aにより形成されている。ソース拡散層36aと、不純物拡散層36b、即ちメモリセルトランジスタMTのドレイン拡散層36bとは、P型のチャネル領域33を挟んで半導体基板20内に配置されている。ソース拡散層36aのチャネル領域33側には、P型の不純物拡散層によりポケット領域35が形成されている。ソース拡散層36aを形成する第1乃至第3の不純物拡散層36a、36a、36a、及びポケット領域35の詳細については後述する。
【0061】
不純物拡散層36c、即ち選択トランジスタSTのドレイン拡散層36cは、N型の不純物拡散層36c、36cにより形成されている。
【0062】
フローティングゲート30aとコントロールゲート34aとを有する積層体の側壁部分には、サイドウォール絶縁膜37が形成されている。
【0063】
また、セレクトゲート30bとポリシリコン層34bとを有する積層体の側壁部分には、サイドウォール絶縁膜37が形成されている。
【0064】
メモリセルトランジスタMTのソース拡散層36a上、選択トランジスタSTのドレイン拡散層36c上、コントロールゲー34aの上部、及び、ポリシリコン層34bの上部には、例えばコバルトシリサイドより成るシリサイド層38a〜38dがそれぞれ形成されている。ソース拡散層36a上のシリサイド層38aは、ソース電極として機能する。ドレイン拡散層36c上のシリサイド層38cは、ドレイン電極として機能する。
【0065】
こうして、半導体基板20上に、フローティングゲート30aとコントロールゲート34aとソース/ドレイン拡散層36a、36bとを有するN型のメモリセルトランジスタMTが形成されている。
【0066】
また、半導体基板20上に、セレクトゲート30bとソース/ドレイン拡散層36b、36cとを有する選択トランジスタSTが形成されている。選択トランジスタSTは、NMOSトランジスタである。本実施形態では、選択トランジスタとして、PMOSトランジスタより動作速度が速いNMOSトランジスタが用いられているため、動作速度の向上に寄与することができる。
【0067】
メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタSTが形成された半導体基板20上には、シリコン窒化膜(図示せず)とシリコン酸化膜(図示せず)とから成る層間絶縁膜40が形成されている。
【0068】
層間絶縁膜40には、ソース電極38a、ドレイン電極38bにそれぞれ達するコンタクトホール42が形成されている。
【0069】
コンタクトホール42内には、例えばタングステンより成る導体プラグ44が埋め込まれている。
【0070】
導体プラグ44が埋め込まれた層間絶縁膜40上には、配線(第1金属配線層)46が形成されている。
【0071】
配線46が形成された層間絶縁膜40上には、層間絶縁膜48が形成されている。
【0072】
層間絶縁膜48には、配線46に達するコンタクトホール50が形成されている。
【0073】
コンタクトホール50内には、例えばタングステンより成る導体プラグ52が埋め込まれている。
【0074】
導体プラグ52が埋め込まれた層間絶縁膜48上には、配線(第2金属配線層)54が形成されている。
【0075】
配線54が形成された層間絶縁膜48上には、層間絶縁膜56が形成されている。
【0076】
層間絶縁膜56には、配線54に達するコンタクトホール58が形成されている。
【0077】
コンタクトホール58内には、例えばタングステンより成る導体プラグ60が埋め込まれている。
【0078】
導体プラグ60が埋め込まれた層間絶縁膜56上には、配線(第3金属配線層)62が形成されている。
【0079】
こうして、本実施形態による半導体装置のメモリセルアレイ10(図1参照)が構成されている。
【0080】
次に、本実施形態による半導体装置のメモリセルMCにおける不純物拡散層について図6を用いて説明する。図6は、本実施形態による半導体装置のメモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタSTを示す拡大断面図である。
【0081】
半導体基板20上には、トンネル絶縁膜28aを介してフローティングゲート30aが形成されている。フローティングゲート30a上には、絶縁膜32aを介してコントロールゲート34aが形成されている。フローティングゲート30aとコントロールゲート34aとを有する積層体の側壁部分には、サイドウォール絶縁膜37が形成されている。サイドウォール絶縁膜37は、例えば、積層体の側壁部分に形成されたシリコン酸化膜82と、シリコン酸化膜82の側壁部分に形成されたシリコン窒化膜84と、シリコン窒化膜84の側壁部分に形成されたシリコン酸化膜93とにより形成されている。
【0082】
また、半導体基板20上には、フローティングゲート30aと並行して、選択トランジスタSTのセレクトゲート30bが形成されている。セレクトゲート30b上には、絶縁膜32bを介して、ポリシリコン層34bが形成されている。また、セレクトゲート30bとポリシリコン層34bとを有する積層体の側壁部分には、サイドウォール絶縁膜37が形成されている。サイドウォール絶縁膜37は、例えば、積層体の側壁部分に形成されたシリコン酸化膜82と、シリコン酸化膜82の側壁部分に形成されたシリコン窒化膜84と、シリコン窒化膜84の側壁部分に形成されたシリコン酸化膜93とにより形成されている。
【0083】
フローティングゲート30aの両側の半導体基板20内には、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層36a及びドレイン拡散層36bが形成されている。また、セレクトゲート30bの両側の半導体基板20内には、選択トランジスタSTのソース拡散層36b及びドレイン拡散層36cが形成されている。
【0084】
上述のように、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層36aは、N型の第1乃至第3の不純物拡散層36a、36a、36aにより形成されている。また、メモリセルトランジスタMTのドレイン拡散層36bと選択トランジスタSTのソース拡散層36bとは、同一のN型の不純物拡散層36bにより形成されている。また、選択トランジスタSTのドレイン拡散層36cは、N型の不純物拡散層36cと、不純物拡散層36cよりも深く不純物濃度が高い不純物拡散層36cとにより形成されている。
【0085】
第1の不純物拡散層36aのフローティングゲート30a側端部は、フローティングゲート30aの下方領域内に位置している。こうして、第1の不純物拡散層36aとフローティングゲート30aとが重なり合っている。第1の不純物拡散層36aの深さは、不純物拡散層36b、36cの深さと同じになっている。また、第1の不純物拡散層36aのフローティングゲート30a側端部における不純物濃度は、不純物拡散層36b、36cの不純物濃度と同じになっている。
【0086】
第2の不純物拡散層36aは、第1の不純物拡散層36aよりも深く形成されている。また、第2の不純物拡散層36aのフローティングゲート30a側端部は、フローティングゲート30aの下方領域内に位置し、かつ第1の不純物拡散層36aのフローティングゲート30a側端部よりもフローティングゲート30aの周縁部側に位置している。すなわち、第2の不純物拡散層36aのフローティングゲート30a側端部とチャネル領域33との間に、第1の不純物拡散層36aのフローティングゲート30a側端部が位置している。こうして、第2の不純物拡散層36aとフローティングゲート30aとが重なり合っている。第2の不純物拡散層36aとフローティングゲート30aとが重なり合う領域の面積は、第1の不純物拡散層36aとフローティングゲート30aとが重なり合う領域の面積よりも小さくなっている。第2の不純物拡散層36aのうちの第1の不純物拡散層36aよりも深く、第3の不純物拡散層36aが形成されていない部分の不純物濃度は、第1の不純物拡散層36aのフローティングゲート30a側端部における不純物濃度よりも低くなっている。すなわち、第2の不純物拡散層36aのうちの第3の不純物拡散層36aよりも深い部分の不純物濃度は、第1の不純物拡散層36aのフローティングゲート30a側端部における不純物濃度よりも低くなっている。
【0087】
第3の不純物拡散層36aは、第3の不純物拡散層36aよりも不純物濃度の低い第2の不純物拡散層36a内に形成されている。第3の不純物拡散層36aは、第1の不純物拡散層36aよりも深く、第2の不純物拡散層36aよりも浅く形成されている。第3の不純物拡散層36aのフローティングゲート30a側端部は、サイドウォール絶縁膜37のシリコン酸化膜93の下方領域内に位置している。第3の不純物拡散層36aの不純物濃度は、第1の不純物拡散層36aのフローティングゲート30a側端部における不純物濃度よりも高くなっている。また、第3の不純物拡散層36aの不純物濃度は、第2の不純物拡散層36aのうちの第1の不純物拡散層36aよりも深く、第3の不純物拡散層36aが形成されていない部分の不純物濃度よりも高くなっている。すなわち、第3の不純物拡散層36aの不純物濃度は、第2の不純物拡散層36aのうちの第3の不純物拡散層36aよりも深い部分の不純物濃度よりも高くなっている。また、第3の不純物拡散層36aは、不純物拡散層36cと同じ不純物濃度及び同じ深さで形成されている。
【0088】
なお、第3の不純物拡散層36aは、第2の不純物拡散層36aよりも浅いだけでなく、第1の不純物拡散層36aよりも浅く形成されていてもよい。
【0089】
このように、深さ及び不純物濃度が互いに異なる第1乃至第2の不純物拡散層36a、36a、36aによりメモリセルトランジスタMTのソース拡散層36aが形成されている。メモリセルトランジスタMTでは、半導体基板20内に、P型のチャネル領域33を挟んで、ソース拡散層36aとドレイン拡散層36bとが非対称に形成されている。
【0090】
ソース拡散層36aにおける第1の不純物拡散層36aのチャネル領域33側には、P型不純物拡散層によりP型のポケット領域35が形成されている。ポケット領域35は、第1の不純物拡散層36aよりも浅く形成されている。
【0091】
本実施形態による半導体装置では、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層36aが、第1及び第3の不純物拡散層36a、36aよりも深く形成された第2の不純物拡散層36aを有している。この第2の不純物拡散層36aのうちの第3の不純物拡散層36aよりも深い部分の不純物濃度は、第1の不純物拡散層36aのフローティングゲート30a側端部における不純物濃度及び第3の不純物拡散層36aよりも低くなっている。
【0092】
このように、本実施形態による半導体装置では、ソース拡散層36aにおいて、第1及び第3の不純物拡散層36a、36aよりも深く、不純物濃度が比較的に低濃度の第2の不純物拡散層36aが形成されている。このため、ソース拡散層36aの下端部における電界を緩和することができる。これにより、選択されたメモリセルトランジスタMTに情報を書き込む際に、同一のソース線SLに接続された非選択のメモリセルトランジスタMTのソース拡散層36aの近傍において、キャリア(電子)の発生を低減することができる。したがって、非選択のメモリセルトランジスタMTのフローティングゲート30aに電子が注入されるのを抑制することができる。こうして、本実施形態によれば、非選択のメモリセルトランジスタMTへの情報の誤書き込みを低減することができる。
【0093】
さらに、本実施形態による半導体装置では、第1の不純物拡散層36aのチャネル領域33側に、第1の不純物拡散層36aよりも浅いP型のポケット領域35が形成されている。P型のポケット領域35が形成されていることで、N型のソース拡散層36aからの空乏層の拡がりが抑制される。N型のソース拡散層36aからの空乏層の拡がりが抑制されると、N型のソース拡散層36aの近傍において電界強度が強くなり、N型のソース拡散層36aのチャネル領域33側においてキャリアを急激に加速することが可能となる。本実施形態では、キャリアを急激に加速することができるため、選択されたメモリセルトランジスタMTへの情報の書き込み速度を向上させることができる。
【0094】
しかも、P型のポケット領域35が第1の不純物拡散層36aよりも浅く形成されているため、ポケット領域35に起因してソース拡散層36aの下端部における電界強度が強くなることはない。したがって、本実施形態によれば、非選択のメモリセルトランジスタMTへの情報の誤書き込みを低減しつつ、選択されたメモリセルトランジスタMTへの情報の書き込み速度を向上させることができる。
【0095】
(半導体装置の動作)
次に、本実施形態による半導体装置の動作方法について図7を用いて説明する。図7は、本実施形態による半導体装置の読み出し方法、書き込み方法及び消去方法を示す図である。図7において括弧内は非選択線の電位を示している。また、図7においてFはフローティングを示している。
【0096】
(読み出し方法)
まず、本実施形態による半導体装置の読み出し方法について図7を用いて説明する。
【0097】
メモリセルトランジスタMTに書き込まれた情報を読み出す際には、各部の電位を以下のように設定する。即ち、選択すべきメモリセルMCに接続されているビット線BLの電位をVCCとする。一方、選択されたビット線以外のビット線BLの電位を0Vとする。ソース線SLの電位は、いずれも0Vとする。第1のワード線WL1の電位は、読み出し待機時において、いずれも常時VCCとする。選択すべきメモリセルMCに接続されている第2のワード線WL2の電位をVCCとする。一方、選択された第2のワード線WL2以外の第2のワード線WL2の電位を0Vとする。ウェル26の電位はいずれも0Vとする。本実施形態では、ソース線SLの電位が読み出し待機時において0Vに設定されており、第1のワード線WL1の電位が読み出し待機時において常時VCCに設定されているため、ビット線BLの電位と第2のワード線WL2の電位とを制御するだけで、メモリセルトランジスタMTに書き込まれた情報を読み出すことが可能である。本実施形態では、ビット線BLの電位を制御する列デコーダ12が上述したように低電圧回路により構成されているため、ビット線BLが高速で制御される。また、第2のワード線WL2の電位を制御する第2の行デコーダ16が上述したように低電圧回路により構成されているため、第2のワード線WL2が高速で制御される。このため、本実施形態によれば、メモリセルトランジスタMTに書き込まれた情報を高速で読み出すことができる。
【0098】
メモリセルトランジスタMTに情報が書き込まれている場合、即ち、メモリセルトランジスタMTの情報が“1”の場合には、メモリセルトランジスタMTのフローティングゲート30aに電荷が蓄積されている。この場合には、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層36aと選択トランジスタSTのドレイン拡散層36cとの間に電流が流れず、選択された一のビット線BLには電流が流れない。この場合には、メモリセルトランジスタMTの情報は“1”であると判断される。
【0099】
一方、メモリセルトランジスタMTに書き込まれた情報が消去されている場合、即ち、メモリセルの情報が“0”の場合には、メモリセルトランジスタMTのフローティングゲート30aに電荷が蓄積されていない。この場合には、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層36aと選択トランジスタSTのドレイン拡散層36cとの間に電流が流れ、選択された一のビット線BLに電流が流れる。選択された一のビット線BLに流れる電流は、センスアンプ13により検出される。この場合には、メモリセルトランジスタMTの情報が“0”であると判断される。
【0100】
(書き込み方法)
次に、本実施形態による半導体装置の書き込み方法について図7を用いて説明する。
【0101】
メモリセルトランジスタMTに情報を書き込む際には、各部の電位を以下のように設定する。即ち、選択すべきメモリセルMCに接続されているビット線BLの電位を0Vとする。一方、選択されたビット線BL以外のビット線BLの電位をフローティングとする。また、選択すべきメモリセルMCに接続されているソース線SLの電位を例えば5V(第2の電位)とする。一方、選択されたソース線SL以外のソース線SLの電位を0V又はフローティングとする。また、選択すべきメモリセルMCに接続されている第1のワード線WL1の電位を例えば9V(第3の電位)とする。一方、選択された第1のワード線WL1以外の第1のワード線WL1の電位を0V又はフローティングとする。また、選択すべきメモリセルMCに接続された第2のワード線WL2の電位をVCC(第1の電位)とする。一方、選択された第2のワード線WL2以外の第2のワード線WL2の電位をフローティングとする。ウェルの電位はいずれも0Vとする。
【0102】
各部の電位を上記のように設定すると、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層36aと選択トランジスタSTのドレイン拡散層36cとの間に電子が流れ、メモリセルトランジスタMTのフローティングゲート30a内に電子がソース側から注入される。これにより、メモリセルトランジスタMTのフローティングゲート30aに電荷が蓄積され、メモリセルトランジスタMTに情報が書き込まれることとなる。
【0103】
本実施形態では、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層36aにおいて、第1及び第3の不純物拡散層36a、36aよりも深く、不純物濃度が比較的に低濃度の第2の不純物拡散層36aが形成されている。このため、ソース拡散層36aの下端部における電界を緩和することができる。これにより、選択されたメモリセルトランジスタMTに情報を書き込む際に、同一のソース線SLに接続された書き込み対象でない他のメモリセルトランジスタMTのソース拡散層36aの近傍において、キャリア(電子)の発生を低減することができる。したがって、書き込み対象でない他のメモリセルトランジスタMTのフローティングゲート30aに電子が注入されるのを抑制することができる。こうして、本実施形態によれば、書き込み対象でない他のメモリセルトランジスタMTへの情報の誤書き込みを低減することができる。
【0104】
さらに、本実施形態では、第1の不純物拡散層36aのチャネル領域側に、第1の不純物拡散層36aよりも浅いP型のポケット領域35が形成されている。P型のポケット領域35が形成されていることで、N型のソース拡散層36aからの空乏層の拡がりが抑制される。N型のソース拡散層36aからの空乏層の拡がりが抑制されると、N型のソース拡散層36aの近傍において電界強度が強くなり、N型のソース拡散層36aのチャネル領域側においてキャリアを急激に加速することが可能となる。本実施形態では、キャリアを急激に加速することができるため、メモリセルトランジスタMTへの情報の書き込み速度を向上させることができる。
【0105】
しかも、P型のポケット領域35が第1の不純物拡散層36aよりも浅く形成されているため、ソース拡散層36aの下端部における電界強度が強くなることはない。したがって、本実施形態によれば、情報の誤書き込みを低減しつつ、メモリセルトランジスタMTへの情報の書き込み速度を向上させることができる。
【0106】
(消去方法)
次に、本実施形態による半導体装置の消去方法について図7を用いて説明する。
【0107】
メモリセルアレイ10に書き込まれた情報を消去する際には、各部の電位を以下のように設定する。即ち、ビット線BLの電位はいずれもフローティングとする。ソース線SLの電位はいずれもフローティングとする。第1のワード線WLの電位は、いずれも例えば−9Vとする。第2のワード線WL2の電位は、いずれもフローティングとする。ウェル26の電位は、いずれも例えば+9Vとする。
【0108】
各部の電位を上記のように設定すると、メモリセルトランジスタMTのフローティングゲート30aから電荷が引き抜かれる。これにより、メモリセルトランジスタMTのフローティングゲート30aに電荷が蓄積されていない状態となり、メモリセルトランジスタMTの情報が消去されることとなる。
【0109】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図8乃至図29を用いて説明する。図8乃至図29は、本実施形態による不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程断面図である。図8(a)、図9(a)、図10(a)、図11(a)、図12(a)、図13(a)、図14(a)、図15(a)、図16(a)、図17(a)、図18(a)、図19(a)、図20(a)、図21(a)、図22(a)、図23(a)、図24、図26及び図28は、メモリセルアレイ領域(コア領域)2を示している。図8(a)、図9(a)、図10(a)、図11(a)、図12(a)、図13(a)、図14(a)、図15(a)、図16(a)、図17(a)、図18(a)、図19(a)、図20(a)、図21(a)、図22(a)、図23(a)、図24、図26及び図28の紙面左側の図は、図2のC−C′断面に対応している。図8(a)、図9(a)、図10(a)、図11(a)、図12(a)、図13(a)、図14(a)、図15(a)、図16(a)、図17(a)、図18(a)、図19(a)、図20(a)、図21(a)、図22(a)、図23(a)、図24、図26及び図28の紙面右側は、図2のA−A′断面に対応している。図8(b)、図9(b)、図10(b)、図11(b)、図12(b)、図13(b)、図14(b)、図15(b)、図16(b)、図17(b)、図18(b)、図19(b)、図20(b)、図21(b)、図22(b)、図23(b)、図25、図27及び図29は、周辺回路領域4を示している。図8(b)、図9(b)、図10(b)、図11(b)、図12(b)、図13(b)、図14(b)、図15(b)、図16(b)、図17(b)、図18(b)、図19(b)、図20(b)、図21(b)、図22(b)、図23(b)、図25、図27及び図29の紙面左側は、高耐圧トランジスタが形成される領域6を示している。高耐圧トランジスタが形成される領域6のうちの紙面左側は高耐圧Nチャネルトランジスタが形成される領域6Nを示しており、高耐圧トランジスタが形成される領域6のうちの紙面右側は高耐圧Pチャネルトランジスタが形成される領域6Pを示している。図8(b)、図9(b)、図10(b)、図11(b)、図12(b)、図13(b)、図14(b)、図15(b)、図16(b)、図17(b)、図18(b)、図19(b)、図20(b)、図21(b)、図22(b)、図23(b)、図25、図27及び図29の紙面右側は、低電圧トランジスタが形成される領域8を示している。低電圧トランジスタが形成される領域8のうちの紙面左側は低電圧Nチャネルトランジスタが形成される領域8Nを示しており、低電圧トランジスタが形成される領域8のうちの紙面右側は低電圧Pチャネルトランジスタが形成される領域8Pを示している。
【0110】
まず、半導体基板20を用意する。かかる半導体基板20としては、例えばP型のシリコン基板を用意する。
【0111】
次に、全面に、例えば熱酸化法により、膜厚15nmの熱酸化膜64を形成する。
【0112】
次に、全面に、例えばCVD法により、膜厚150nmのシリコン窒化膜66を形成する。
【0113】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0114】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜に開口部(図示せず)を形成する。かかる開口部は、シリコン窒化膜66をパターニングするためのものである。
【0115】
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、シリコン窒化膜66をパターニングする。これにより、シリコン窒化膜より成るハードマスク66が形成される。
【0116】
次に、ドライエッチングにより、ハードマスク66をマスクとして、半導体基板20をエッチングする。これにより、半導体基板20に溝68が形成される(図8参照)。半導体基板20に形成する溝68の深さは、半導体基板20の表面から例えば400nmとする。
【0117】
次に、熱酸化法により、半導体基板20のうちの露出している部分を酸化する。これにより、半導体基板20のうちの露出している部分にシリコン酸化膜(図示せず)が形成される。
【0118】
次に、図9に示すように、全面に、高密度プラズマCVD法により、膜厚700nmのシリコン酸化膜22を形成する。
【0119】
次に、図10に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)法により、シリコン窒化膜66の表面が露出するまでシリコン酸化膜22を研磨する。こうして、シリコン酸化膜により素子分離領域22が形成される。
【0120】
次に、素子分離領域22を硬化させるための熱処理を行う。熱処理条件は、例えば窒素雰囲気中で900℃、30分とする。
【0121】
次に、メモリセルアレイ領域2に、チャネルドーピングを行う(図示せず)。
【0122】
次に、例えば熱燐酸を用いたウエットエッチングにより、シリコン窒化膜66を除去する。
【0123】
次に、図11に示すように、熱酸化法により、半導体基板20の表面に犠牲酸化膜69を成長する。
【0124】
次に、図12に示すように、メモリセルアレイ領域2に、N型のドーパント不純物を深く注入することにより、N型の埋め込み拡散層24を形成する。埋め込み拡散層24の上部は、P型のウェル26となる。この際、高耐圧Nチャネルトランジスタが形成される領域6Nにも、N型のドーパント不純物を深く注入することにより、N型の埋め込み拡散層24を形成する。
【0125】
次に、高耐圧Nチャネルトランジスタが形成される領域6Nに、N型の埋め込み拡散層70を枠状に形成する。かかる枠状の埋め込み拡散層70は、半導体基板20の表面から埋め込み拡散層24の周縁部に至るように形成する。埋め込み拡散層24と埋め込み拡散層70とにより囲まれた領域は、P型のウェル72Pとなる。
【0126】
次に、高耐圧Pチャネルトランジスタが形成される領域6Pに、N型のドーパント不純物を導入することにより、N型のウェル72Nを形成する。
【0127】
次に、高耐圧Nチャネルトランジスタが形成される領域6Nと、高耐圧Pチャネルトランジスタが形成される領域6Pとに、チャネルドーピングを行う(図示せず)。
【0128】
次に、半導体基板20の表面に存在する犠牲酸化膜69をエッチング除去する。
【0129】
次に、全面に、熱酸化法により、膜厚10nmのトンネル絶縁膜28を形成する。
【0130】
次に、全面に、例えばCVD法により、膜厚90nmのポリシリコン膜30を形成する。かかるポリシリコン膜30としては、不純物がドープされたポリシリコン膜を形成する。
【0131】
次に、周辺回路領域4に存在するポリシリコン膜30をエッチング除去する。
【0132】
次に、全面に、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とシリコン酸化膜とを順次積層して成る絶縁膜(ONO膜)32を形成する。かかる絶縁膜32は、フローティングゲート30aとコントロールゲート34aとを絶縁するためのものである(図13参照)。
【0133】
次に、図14に示すように、低電圧Nチャネルトランジスタが形成される領域8Nに、P型のドーパント不純物を導入することにより、P型のウェル74Pを形成する。
【0134】
次に、低電圧Pチャネルトランジスタが形成される領域8Pに、N型のドーパント不純物を導入することにより、N型のウェル74Nを形成する。
【0135】
次に、低電圧Nチャネルトランジスタが形成される領域8Nと、低電圧Pチャネルトランジスタが形成される領域8Pとに、チャネルドーピングを行う(図示せず)。
【0136】
次に、周辺回路領域4に存在する絶縁膜(ONO膜)32をエッチング除去する。
【0137】
次に、全面に、熱酸化法により、例えば膜厚15nmのゲート絶縁膜76を形成する。
【0138】
次に、ウエットエッチングにより、低電圧トランジスタが形成される領域8に存在するゲート絶縁膜76を除去する。
【0139】
次に、全面に、熱酸化法により、例えば膜厚3nmのゲート絶縁膜78を形成する。これにより、低電圧トランジスタが形成される領域8においては、例えば膜厚3nmのゲート絶縁膜が形成される。一方、高耐圧トランジスタが形成される領域6においては、ゲート絶縁膜76の膜厚は例えば16nm程度となる。
【0140】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚180nmのポリシリコン膜34を形成する。
【0141】
次に、全面に、反射防止膜80を形成する(図15参照)。
【0142】
次に、図16に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、反射防止膜80、ポリシリコン膜34、絶縁膜32及びポリシリコン膜30をドライエッチングする。これにより、ポリシリコンのフローティングゲート30aと、ポリシリコンのコントロールゲート34aとを有する積層体が、メモリセルアレイ領域2内に形成される。また、ポリシリコンのセレクトゲート30bと、ポリシリコン膜34bとを有する積層体がメモリセルアレイ領域2内に形成される。
【0143】
次に、配線(第1金属配線)46とセレクトゲート30bとを接続すべき領域において、ポリシリコン膜34bをエッチング除去する(図示せず)。
【0144】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0145】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層が形成される領域を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0146】
次に、図17に示すように、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層が形成される領域の上部に、フローティングゲート30aの下方領域内まで延在するように、ポケット領域となるP型の不純物拡散層35が形成される。不純物拡散層35は、例えば、ドーパント不純物としてBFを、基板の法線に対するチルト角を0°、ツイスト角を0/180°、加速エネルギーを30keV、ドーズ量を1.2×1014cm−2としてイオン注入することにより形成する。ドーパント不純物としてBFを用いることにより、ドーパント不純物としてBを用いる場合と比較して、P型の不純物拡散層35を浅く形成することができる。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0147】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、メモリセルアレイ領域2を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0148】
次に、図18に示すように、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、フローティングゲート30aの両側の半導体基板20内、及びセレクトゲート30bの両側の半導体基板20内に、N型の第1の不純物拡散層36a及びN型の不純物拡散層36b、36cが形成される。第1の不純物拡散層36a及び不純物拡散層36b、36cは、例えば、ドーパント不純物としてAsを、基板の法線に対するチルト角を0°、ツイスト角を0/180°、加速エネルギーを20keV、ドーズ量を6.0×1012cm−2としてイオン注入することにより形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0149】
次に、熱酸化法により、フローティングゲート30aの側壁部分、コントロールゲート34bの側壁部分、セレクトゲート30bの側壁部分及びポリシリコン膜34bの側壁部分に、シリコン酸化膜82を形成する。
【0150】
次に、例えばCVD法により、例えば膜厚50nmのシリコン窒化膜84を形成する。
【0151】
次に、ドライエッチングにより、シリコン窒化膜84を異方性エッチングすることにより、シリコン窒化膜のサイドウォール絶縁膜84を形成する。この際、反射防止膜80がエッチング除去されることとなる(図19参照)。
【0152】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0153】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層が形成される領域を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0154】
次に、図20に示すように、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層が形成される領域に、N型の第2の不純物拡散層36aが形成される。第2の不純物拡散層36aは、例えば、ドーパント不純物としてPを、基板の法線に対するチルト角を7°、加速エネルギーを20keV、ドーズ量を7.0×1013cm−2として4方向からイオン注入することにより形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0155】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、高耐圧トランジスタが形成される領域6と低電圧トランジスタが形成される領域8のポリシリコン膜34をパターニングする。これにより、ポリシリコン膜34より成る高耐圧トランジスタのゲート電極34cが形成される。また、ポリシリコン34より成る低電圧トランジスタのゲート電極34dが形成される。
【0156】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0157】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、高耐圧Nチャネルトランジスタが形成される領域6Nを露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0158】
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、高耐圧Nチャネルトランジスタのゲート電極34cの両側の半導体基板20内に、N型の低濃度拡散層86が形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0159】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0160】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、高耐圧Pチャネルトランジスタが形成される領域6Pを露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0161】
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、高耐圧Pチャネルトランジスタのゲート電極34cの両側の半導体基板20内に、P型の低濃度拡散層88が形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0162】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0163】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、低電圧Nチャネルトランジスタが形成される領域8Nを露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0164】
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、低電圧Nチャネルトランジスタのゲート電極34dの両側の半導体基板20内に、N型の低濃度拡散層90が形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0165】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0166】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、低電圧Pチャネルトランジスタが形成される領域8Pを露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0167】
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、低電圧Pチャネルトランジスタのゲート電極34dの両側の半導体基板20内に、P型の低濃度拡散層92が形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0168】
こうして、図21に示すように、周辺回路領域4に、ゲート電極34c、34d及び低濃度拡散層86、88、90、92が形成される。
【0169】
次に、例えばCVD法により、例えば膜厚100nmのシリコン酸化膜93を形成する。
【0170】
次に、ドライエッチングにより、シリコン酸化膜93を異方性エッチングする。これにより、フローティングゲート30aとコントロールゲート34aとを有する積層体の側壁部分に、シリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜93が形成される。また、セレクトゲート30bとポリシリコン膜34bとを有する積層体の側壁部分に、シリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜93が形成される。また、ゲート電極34cの側壁部分にシリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜93が形成される。また、ゲート電極34dの側壁部分にシリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜93が形成される。
【0171】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0172】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、メモリセルアレイ領域2を露出する開口部(図示せず)、高耐圧Nチャネルトランジスタが形成される領域6Nを露出する開口部(図示せず)、及び低電圧Nチャネルトランジスタが形成される領域8Nを露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0173】
次に、図22に示すように、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層が形成される領域に、N型の第3の不純物拡散層36aが形成される。また、選択トランジスタSTのドレイン拡散層が形成される領域に、N型の不純物拡散層36cが形成される。また、高耐圧Nチャネルトランジスタのゲート電極34cの両側の半導体基板20内に、N型の高濃度拡散層94が形成される。また、低電圧Nチャネルトランジスタのゲート電極34dの両側の半導体基板20内に、N型の高濃度拡散層102が形成される。第3の不純物拡散層36a、不純物拡散層36c及び高濃度拡散層94、102は、例えば、ドーパント不純物としてPを、基板の法線に対するチルト角を7°、加速エネルギーを15keV、ドーズ量を2.0×1015cm−2として4方向からイオン注入することにより形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0174】
こうして、フローティングゲート30aとコントロールゲート34aとソース/ドレイン拡散層36a、36bとを有するメモリセルトランジスタMTが形成される。ソース拡散層36aは、第1乃至第3の不純物拡散層36a、36a、36aにより形成される。また、セレクトゲート30bとソース/ドレイン拡散層36b、36cとを有する選択トランジスタSTが形成される。ドレイン拡散層36cは、不純物拡散層36c、36cにより形成される。
【0175】
また、N型の低濃度拡散層86とN型の高濃度拡散層94とにより、LDD構造のN型のソース/ドレイン拡散層96が形成される。こうして、ゲート電極34cとソース/ドレイン拡散層96とを有する高耐圧Nチャネルトランジスタ110Nが形成される。高耐圧Nチャネルトランジスタ110Nは、高電圧回路(高耐圧回路)に用いられる。
【0176】
また、N型の低濃度拡散層90とN型の高濃度拡散層102とにより、LDD構造のN型のソース/ドレイン拡散層104が形成される。こうして、ゲート電極34dとソース/ドレイン拡散層104とを有する低電圧Nチャネルトランジスタ112Nが形成される。低電圧Nチャネルトランジスタ112Nは、低電圧回路に用いられる。
【0177】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0178】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、高耐圧Pチャネルトランジスタが形成される領域6Pを露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0179】
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、高耐圧Pチャネルトランジスタのゲート電極34cの両側の半導体基板20内に、P型の高濃度拡散層98が形成される。P型の低濃度拡散層88とP型の高濃度拡散層98とにより、LDD構造のP型のソース/ドレイン拡散層100が形成される。こうして、ゲート電極34cとソース/ドレイン拡散層100とを有する高耐圧Pチャネルトランジスタ110Pが形成される。高耐圧Pチャネルトランジスタ110Pは、高電圧回路(高耐圧回路)に用いられる。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0180】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0181】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、低電圧Pチャネルトランジスタが形成される領域8Pを露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0182】
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、低電圧Pチャネルトランジスタのゲート電極34dの両側の半導体基板20内に、P型の高濃度拡散層106が形成される。P型の低濃度拡散層92とP型の高濃度拡散層106とにより、LDD構造のP型のソース/ドレイン拡散層108が形成される。こうして、ゲート電極34dとソース/ドレイン拡散層108とを有する低電圧Pチャネルトランジスタ112Pが形成される。低電圧Pチャネルトランジスタ112Pは、低電圧回路に用いられる。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0183】
次に、例えばスパッタリング法により、全面に、例えば膜厚10nmのコバルト膜を形成する。
【0184】
次に、熱処理を行うことにより、半導体基板20の表面のシリコン原子とコバルト膜中のコバルト原子とを反応させる。また、コントロールゲート34cの表面のシリコン原子とコバルト膜中のコバルト原子とを反応させる。また、ポリシリコン膜34dの表面のシリコン原子とコバルト膜中のコバルト原子とを反応させる。また、ゲート電極34c、34dの表面のシリコン原子とコバルト膜中のコバルト原子とを反応させる。こうして、ソース/ドレイン拡散層36a、36c上にコバルトシリサイド膜38a、38bが形成される(図23参照)。また、コントロールゲート34a上にコバルトシリサイド膜38cが形成される。また、ポリシリコン膜34b上にコバルトシリサイド膜38dが形成される。また、ソース/ドレイン拡散層96、100、104、108上にコバルトシリサイド膜38eが形成される。また、ゲート電極34c、34d上にコバルトシリサイド膜38fが形成される。
【0185】
次に、未反応のコバルト膜をエッチング除去する。
【0186】
選択トランジスタSTのドレイン拡散層36c上に形成されたコバルトシリサイド膜38bは、ドレイン電極として機能する。
【0187】
メモリセルトランジスタMTのソース拡散層36a上に形成されたコバルトシリサイド膜38aは、ソース電極として機能する。
【0188】
高耐圧トランジスタ110N、110Pのソース/ドレイン拡散層96、100上に形成されたコバルトシリサイド膜38eは、ソース/ドレイン電極として機能する。
【0189】
低電圧トランジスタ112N、112Pのソース/ドレイン拡散層104、108上に形成されたコバルトシリサイド膜38eは、ソース/ドレイン電極として機能する。
【0190】
次に、図24及び図25に示すように、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚20nmのシリコン窒化膜114を形成する。シリコン窒化膜114は、エッチングストッパとして機能するものである。
【0191】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚1600nmのシリコン酸化膜(BPSG膜)116を形成する。こうして、シリコン窒化膜114とシリコン酸化膜116とを有する層間絶縁膜40が形成される。
【0192】
次に、CMP法により、層間絶縁膜40の表面を平坦化する。
【0193】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ソース/ドレイン電極38a、38bに達するコンタクトホール42、ソース/ドレイン拡散層38eに達するコンタクトホール42、及び、コバルトシリサイド膜38fに達するコンタクトホール42を形成する(図26、図27参照)。
【0194】
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚30nmのTi膜と、例えば膜厚20nmのTiN膜とを順次積層し、これらの積層膜によりバリア層(図示せず)を形成する。
【0195】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚300nmのタングステン膜44を形成する。
【0196】
次に、CMP法により、層間絶縁膜40の表面が露出するまでタングステン膜44及びバリア層を研磨する。こうして、コンタクトホール42内に、例えばタングステンの導体プラグ44が埋め込まれる。
【0197】
次に、例えばスパッタリング法により、導体プラグ44が埋め込まれた層間絶縁膜40上に、例えば、膜厚60nmのTi膜と、膜厚30nmのTiN膜と、膜厚360nmのAl膜と、膜厚5nmのTi膜と、膜厚70nmのTiN膜を順次積層する。こうして、これらの積層膜46が形成される。
【0198】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積層膜46をパターニングする。こうして、積層膜により配線(第1金属配線層)46が形成される。
【0199】
次に、図28及び図29に示すように、例えば高密度プラズマCVD法により、例えば膜厚700nmのシリコン酸化膜118を形成する。
【0200】
次に、TEOSCVD法により、シリコン酸化膜120を形成する。シリコン酸化膜118とシリコン酸化膜120とにより層間絶縁膜48が形成される。
【0201】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、配線46に達するコンタクトホール50を層間絶縁膜48に形成する。
【0202】
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜とTiN膜とを順次積層し、これらの積層膜によりバリア層(図示せず)を形成する。
【0203】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚300nmのタングステン膜52を形成する。
【0204】
次に、CMP法により、層間絶縁膜48の表面が露出するまでタングステン膜52及びバリア膜を研磨する。こうして、コンタクトホール50内に、例えばタングステンの導体プラグ52が埋め込まれる。
【0205】
次に、例えばスパッタリング法により、導体プラグ52が埋め込まれた層間絶縁膜48上に、例えば、Ti膜とTiN膜とAl膜とTi膜とTiN膜とを順次積層する。こうして、これらの積層膜54を形成する。
【0206】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積層膜54をパターニングする。こうして、積層膜により配線(第2金属配線層)54が形成される。
【0207】
次に、例えば高密度プラズマCVD法により、シリコン酸化膜122を形成する。
【0208】
次に、TEOSCVD法により、シリコン酸化膜124を形成する。シリコン酸化膜122とシリコン酸化膜124とにより層間絶縁膜56が形成される。
【0209】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、配線54に達するコンタクトホール58を層間絶縁膜56に形成する。
【0210】
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜とTiN膜とを順次積層し、これらの積層膜によりバリア層(図示せず)を形成する。
【0211】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚300nmのタングステン膜60を形成する。
【0212】
次に、CMP法により、層間絶縁膜56の表面が露出するまでタングステン膜60及びバリア層を研磨する。こうして、コンタクトホール58内に、例えばタングステンの導体プラグ60(図29参照)が埋め込まれる。
【0213】
次に、例えばスパッタリング法により、導体プラグ60が埋め込まれた層間絶縁膜56上に、積層膜62を形成する。
【0214】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積層膜62をパターニングする。こうして、積層膜により配線(第3金属配線層)62が形成される。
【0215】
次に、例えば高密度プラズマCVD法により、シリコン酸化膜126を形成する。
【0216】
次に、TEOSCVD法により、シリコン酸化膜128を形成する。シリコン酸化膜126とシリコン酸化膜128とにより層間絶縁膜130が形成される。
【0217】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、配線62に達するコンタクトホール132を層間絶縁膜130に形成する。
【0218】
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜とTiN膜とを順次積層し、これらの積層膜によりバリア層(図示せず)を形成する。
【0219】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚300nmのタングステン膜134を形成する。
【0220】
次に、CMP法により、層間絶縁膜130の表面が露出するまでタングステン膜134及びバリア層を研磨する。こうして、コンタクトホール132内に、例えばタングステンの導体プラグ(図示せず)134が埋め込まれる。
【0221】
次に、例えばスパッタリング法により、導体プラグ134が埋め込まれた層間絶縁膜130上に、積層膜136を形成する。
【0222】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積層膜136をパターニングする。こうして、積層膜により配線(第4金属配線層)136が形成される。
【0223】
次に、例えば高密度プラズマCVD法により、シリコン酸化膜138を形成する。
【0224】
次に、TEOSCVD法により、シリコン酸化膜140を形成する。シリコン酸化膜138とシリコン酸化膜140とにより層間絶縁膜142が形成される。
【0225】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、配線136に達するコンタクトホール143を層間絶縁膜142に形成する。
【0226】
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜とTiN膜とを順次積層し、これらの積層膜によりバリア層(図示せず)を形成する。
【0227】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚300nmのタングステン膜144を形成する。
【0228】
次に、CMP法により、層間絶縁膜142の表面が露出するまでタングステン膜144及びバリア層を研磨する。こうして、コンタクトホール143内に、例えばタングステンの導体プラグ144が埋め込まれる。
【0229】
次に、例えばスパッタリング法により、導体プラグ144が埋め込まれた層間絶縁膜142上に、積層膜145を形成する。
【0230】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積層膜145をパターニングする。こうして、積層膜により配線(第5金属配線層)145が形成される。
【0231】
次に、例えば高密度プラズマCVD法により、シリコン酸化膜146を形成する。
【0232】
次に、例えばプラズマCVD法により、例えば膜厚1μmのシリコン窒化膜148を形成する。
【0233】
こうして本実施形態による半導体装置が製造される。
【0234】
(評価結果)
次に、本実施形態による半導体装置の評価結果について図30を用いて説明する。図30は、実施例1、2及び比較例による半導体装置について、誤書き込みが発生した不良数をカウントした結果を示すグラフである。不良数を示すグラフ縦軸の目盛は、対数目盛となっている。なお、不良数は、比較例による半導体装置について発生した不良数を1として、実施例1、2による半導体装置について発生した不良数を規格化している。
【0235】
実施例1による半導体装置は、本実施形態による半導体装置の製造方法により製造したものである。
【0236】
比較例による半導体装置は、P型の不純物拡散層35を形成するためのイオン注入の条件が実施例1による半導体装置とは異なっている。具体的には、比較例による半導体装置では、P型の不純物拡散層35は、ドーパント不純物としてBを、基板の法線に対するチルト角を0°、ツイスト角を0/180°、加速エネルギーを20keV、ドーズ量を6.3×1013cm−2としてイオン注入することにより形成した。また、比較例による半導体装置は、第2の不純物拡散層36aを形成するためのイオン注入を行っていない点で実施例1による半導体装置と異なっている。これらの点を除き、比較例による半導体装置は、実施例1による半導体装置と同様にして製造した。
【0237】
なお、実施例2による半導体装置は、本実施形態とは第2の不純物拡散層36aを形成するタイミングが異なる後述の第2実施形態による半導体装置の製造方法により製造された半導体装置である。
【0238】
図30に示すグラフから明らかなように、実施例1による場合の不良数は、比較例による場合の不良数の1/10に低減されていることが分かる。このことから、本実施形態によれば、誤書き込みを低減し得ることが分かる。
【0239】
[第2実施形態]
第2実施形態による半導体装置及びその製造方法について図31乃至図34、及び前述した図30を用いて説明する。図31乃至図34は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。なお、図1乃至図29に示す第1実施形態による半導体装置及びその製造方法と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0240】
本実施形態による半導体装置の構成は、第1実施形態による半導体装置の構成とほぼ同様である。
【0241】
本実施形態による半導体装置の製造方法は、第2の不純物拡散層36aを形成するタイミングが、第1実施形態による半導体装置の製造方法と異なっている。以下、本実施形態による半導体装置の製造方法について図31乃至図34を用いて説明する。
【0242】
まず、図8乃至図19に示す第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、シリコン窒化膜のサイドウォール絶縁膜84までを形成する(図31参照)。
【0243】
なお、本実施形態では、第1実施形態と比較してサイドウォール絶縁膜84を厚く形成する。すなわち、本実施形態では、例えばCVD法により、第1実施形態におけるシリコン窒化膜84の膜厚と比較して例えば20nm厚い例えば膜厚70nmのシリコン窒化膜84を形成する。次に、ドライエッチングにより、このように第1実施形態と比較して比較して厚く形成したシリコン窒化膜84を異方性エッチングすることにより、第1実施形態と比較して厚いシリコン窒化膜のサイドウォール絶縁膜84を形成する。
【0244】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、高耐圧トランジスタが形成される領域6と低電圧トランジスタが形成される領域8のポリシリコン膜34をパターニングする。これにより、ポリシリコン膜34より成る高耐圧トランジスタのゲート電極34cが形成される。また、ポリシリコン34より成る低電圧トランジスタのゲート電極34dが形成される。
【0245】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0246】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、高耐圧Nチャネルトランジスタが形成される領域6Nを露出する開口部(図示せず)及びメモリセルトランジスタMTのソース拡散層が形成される領域を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0247】
次に、図32に示すように、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、高耐圧Nチャネルトランジスタのゲート電極34cの両側の半導体基板20内に、N型の低濃度拡散層86が形成される。また、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層が形成される領域に、N型の第2の不純物拡散層36aが形成される。低濃度拡散層86及び第2の不純物拡散層36aは、例えば、ドーパント不純物としてPを、基板の法線に対するチルト角を0°、加速エネルギーを35keV、ドーズ量を4.0×1013cm−2としてイオン注入することにより形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0248】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0249】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、高耐圧Pチャネルトランジスタが形成される領域6Pを露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0250】
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、高耐圧Pチャネルトランジスタのゲート電極34cの両側の半導体基板20内に、P型の低濃度拡散層88が形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0251】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0252】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、低電圧Nチャネルトランジスタが形成される領域8Nを露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0253】
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、低電圧Nチャネルトランジスタのゲート電極34dの両側の半導体基板20内に、N型の低濃度拡散層90が形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0254】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0255】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、低電圧Pチャネルトランジスタが形成される領域8Pを露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0256】
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、低電圧Pチャネルトランジスタのゲート電極34dの両側の半導体基板20内に、P型の低濃度拡散層92が形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0257】
こうして、図33に示すように、周辺回路領域4に、ゲート電極34c、34d及び低濃度拡散層86、88、90、92が形成される。
【0258】
次に、例えばCVD法により、例えば膜厚100nmのシリコン酸化膜93を形成する。
【0259】
次に、ドライエッチングにより、シリコン酸化膜93を異方性エッチングする。これにより、フローティングゲート30aとコントロールゲート34aとを有する積層体の側壁部分に、シリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜93が形成される。また、セレクトゲート30bとポリシリコン膜34bとを有する積層体の側壁部分に、シリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜93が形成される。また、ゲート電極34cの側壁部分にシリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜93が形成される。また、ゲート電極34dの側壁部分にシリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜93が形成される。
【0260】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0261】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、メモリセルアレイ領域2を露出する開口部(図示せず)、高耐圧Nチャネルトランジスタが形成される領域6Nを露出する開口部(図示せず)、及び低電圧Nチャネルトランジスタが形成される領域8Nを露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0262】
次に、図34に示すように、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板20内に導入する。これにより、メモリセルトランジスタMTのソース拡散層が形成される領域に、N型の第3の不純物拡散層36aが形成される。また、選択トランジスタSTのドレイン拡散層が形成される領域に、N型の不純物拡散層36cが形成される。また、高耐圧Nチャネルトランジスタのゲート電極34cの両側の半導体基板20内に、N型の高濃度拡散層94が形成される。また、低電圧Nチャネルトランジスタのゲート電極34dの両側の半導体基板20内に、N型の高濃度拡散層102が形成される。第3の不純物拡散層36a、不純物拡散層36c及び高濃度拡散層94、102は、例えば、ドーパント不純物としてPを、基板の法線に対するチルト角を7°、加速エネルギーを15keV、ドーズ量を2.0×1015cm−2として4方向からイオン注入することにより形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0263】
こうして、フローティングゲート30aとコントロールゲート34aとソース/ドレイン拡散層36a、36bとを有するメモリセルトランジスタMTが形成される。ソース拡散層36aは、第1乃至第3の不純物拡散層36a、36a、36aにより形成される。また、セレクトゲート30bとソース/ドレイン拡散層36b、36cとを有する選択トランジスタSTが形成される。ドレイン拡散層36cは、不純物拡散層36c、36cにより形成される。
【0264】
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、周辺回路領域4において、P型の高濃度拡散層98及びP型の高濃度拡散層106を順次形成する。
【0265】
以後の工程は、図23乃至図29に示す第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
【0266】
本実施形態のように、1回のイオン注入により、高耐圧Nチャネルトランジスタの低濃度拡散層86と、メモリセルトランジスタMTの第2の不純物拡散層36aとを同時に形成してもよい。このように、低濃度拡散層86と第2の不純物拡散層36aとを同時に形成することにより、工程数を削減し、低コストに半導体装置を製造することができる。
【0267】
次に、本実施形態による半導体装置の評価結果について前述した図30を用いて説明する。
【0268】
実施例2による半導体装置は、本実施形態による半導体装置の製造方法により製造したものである。
【0269】
図30に示すグラフから明らかなように、実施例2による場合の不良数は、実施例1による場合の不良数の1/30に低減されていることが分かる。このことから、本実施形態によれば、誤書き込みを更に低減し得ることが分かる。
【0270】
なお、書き込み特性については、実施例2による半導体装置は、実施例1による半導体装置と同等であることが確認されている。
【0271】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0272】
例えば、上記実施形態では、第1乃至第3の不純物拡散層36a、36a、36a、ポケット領域35等の不純物拡散層を形成するためのイオン注入の条件として具体的な値を示して説明したが、イオン注入の条件は上記に記載の値に限定されるものではない。また、イオン注入に用いるドーパント不純物も、上記に記載の具体例に限定されるものではなく、種々のドーパント不純物を用いることができる。
【0273】
また、上記実施形態では、情報の読み出し、書き込み及び消去を行う際の各部の電圧として具体的な値を示して説明したが、かかる電圧は上記実施形態に記載の値に限定されるものではない。情報の読み出し、書き込み及び消去を行う際の各部の電圧は、半導体装置の構造や世代等に応じて適宜設定することが望ましい。
【0274】
また、上記実施形態において説明した半導体装置は、様々な電気機器、輸送機器等に適宜用いることができる。
【0275】
以上の第1及び第2実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0276】
(付記1) 半導体基板上にトンネル絶縁膜を介して形成されたフローティングゲートと、前記フローティングゲート上に絶縁膜を介して形成されたコントロールゲートと、前記フローティングゲートの両側の前記半導体基板内にチャネル領域を挟んで形成されたソース及びドレインと有するメモリセルトランジスタと、
前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたセレクトゲートと、前記セレクトゲートの両側の前記半導体基板内に形成されたソース及びドレインとを有する選択トランジスタとを有し、
前記メモリセルトランジスタの前記ドレインに前記選択トランジスタの前記ソースが接続され、
前記メモリセルトランジスタの前記ソースは、N型の第1の不純物拡散層と、前記第1の不純物拡散層よりも深いN型の第2の不純物拡散層と、前記第2の不純物拡散層内に形成され、前記第2の不純物拡散層よりも浅いN型の第3の不純物拡散層とを有し、
前記第2の不純物拡散層の不純物濃度は、前記第3の不純物拡散層の不純物濃度よりも低い
ことを特徴とする半導体装置。
【0277】
(付記2) 付記1記載の半導体装置において、
前記メモリセルトランジスタと前記選択トランジスタとを有するメモリセルが、マトリクス状に複数配列されているメモリセルアレイと、
同一の列に存在する複数の前記選択トランジスタの前記ドレインを共通接続する複数のビット線と、
同一の行に存在する複数の前記メモリセルトランジスタの前記コントロールゲートを共通接続する複数の第1のワード線と、
同一の行に存在する複数の前記選択トランジスタの前記セレクトゲートを共通接続する複数の第2のワード線と、
同一の行に存在する複数の前記メモリセルトランジスタの前記ソースを共通接続する複数のソース線とを更に有する
ことを特徴とする半導体装置。
【0278】
(付記3) 付記1又は2記載の半導体装置において、
前記第1の不純物拡散層よりも浅く、前記第1の不純物拡散層の前記チャネル領域側に形成されたP型のポケット領域を更に有する
ことを特徴とする半導体装置。
【0279】
(付記4) 付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第1の不純物拡散層の前記フローティングゲート側端部は、前記フローティングゲートの下方領域内に位置している
ことを特徴とする半導体装置。
【0280】
(付記5) 付記1乃至4のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第2の不純物拡散層のうちの前記第3の不純物拡散層よりも深い部分の不純物濃度は、前記第1の不純物拡散層の前記フローティングゲート側端部における不純物濃度よりも低い
ことを特徴とする半導体装置。
【0281】
(付記6) 付記1乃至5のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第2の不純物拡散層の前記フローティングゲート側端部と前記チャネル領域との間に、前記第1の不純物拡散層の前記フローティングゲート側端部が位置している
ことを特徴とする半導体装置。
【0282】
(付記7) 付記1乃至6のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第1の不純物拡散層は、前記メモリセルトランジスタの前記ドレインを形成する第4の不純物拡散層と同じ深さである
ことを特徴とする半導体装置。
【0283】
(付記8) 付記7記載の半導体装置において、
前記選択トランジスタの前記ソースは、前記第4の不純物拡散層により形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
【0284】
(付記9) 半導体基板上に、第1の絶縁膜を介して第1の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜上に第2の絶縁膜を介して第2の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜、前記第2の絶縁膜及び前記第2の導電膜をパターニングすることにより、前記第1の導電膜のフローティングゲートと前記フローティングゲート上に前記第2の絶縁膜を介して形成された前記第2の導電膜のコントロールゲートとを有する積層体を形成し、前記フローティングゲートに並行して、前記第1の導電膜のセレクトゲートとを形成する工程と、
前記フローティングゲートとコントロールゲートとを有するメモリセルトランジスタのソースとなる領域の前記半導体基板内に、N型の第1の不純物拡散層を形成する工程と、
前記積層体の側壁部分及び前記セレクトゲートの側壁部分に、第1のサイドウォール絶縁膜を形成する工程と、
前記メモリセルトランジスタの前記ソースとなる領域の前記半導体基板内に、前記第1の不純物拡散層よりも深いN型の第2の不純物拡散層を形成する工程と、
前記第1のサイドウォール絶縁膜が形成された前記積層体の側壁部分及び前記セレクトゲートの側壁部分に、第2のサイドウォール絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の不純物拡散層内に、前記第2の不純物拡散層よりも浅く、前記第2の不純物拡散層よりも不純物濃度が高いN型の第3の不純物拡散層を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0285】
(付記10) 付記9記載の半導体装置の製造方法において、
前記積層体及び前記セレクトゲートを形成する工程の後、前記第1の不純物拡散層を形成する工程の前に、前記メモリセルトランジスタの前記ソースとなる領域の上部に、前記フローティングゲートの下方領域内まで延在するように、前記第1の不純物拡散層よりも浅いP型の第4の不純物拡散層を形成する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0286】
(付記11) 付記9又は10記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の不純物拡散層の前記フローティングゲート側端部は、前記フローティングゲートの下方領域内に位置している
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0287】
(付記12) 付記9乃至11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の不純物拡散層のうちの前記第3の不純物拡散層よりも深い部分の不純物濃度は、前記第1の不純物拡散層の前記フローティングゲート側端部における不純物濃度よりも低い
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0288】
(付記13) 付記9乃至12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体基板の周辺回路領域に、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の両側の前記半導体基板内に形成されたN型の第5の不純物拡散層を有するトランジスタを形成する工程を更に有し、
前記第2の不純物拡散層を形成する工程では、前記第2の不純物拡散層とともに前記第5の不純物拡散層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0289】
(付記14) 付記9乃至13のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の不純物拡散層を形成する工程では、前記第1の不純物拡散層を形成するとともに、前記メモリセルトランジスタのドレイン及び前記セレクトゲートを有する選択トランジスタのソースとなる領域の前記半導体基板内に、N型の第6の不純物拡散層を形成し、前記選択トランジスタのドレインとなる領域の前記半導体基板内に、N型の第7の不純物拡散層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0290】
【図1】図1は、第1実施形態による半導体装置を示す回路図である。
【図2】図2は、第1実施形態による半導体装置のメモリセルアレイを示す平面図である。
【図3】図3は、図2のA−A′線断面図である。
【図4】図4は、図2のB−B′線断面図である。
【図5】図5は、図2のC−C′線断面図である。
【図6】図6は、第1実施形態による半導体装置のメモリセルトランジスタ及び選択トランジスタを示す拡大断面図である。
【図7】図7は、第1実施形態による半導体装置の読み出し方法、書き込み方法及び消去方法を示す図である。
【図8】図8は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図9】図9は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図10】図10は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図11】図11は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図12】図12は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図13】図13は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図14】図14は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その7)である。
【図15】図15は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その8)である。
【図16】図16は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その9)である。
【図17】図17は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その10)である。
【図18】図18は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その11)である。
【図19】図19は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その12)である。
【図20】図20は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その13)である。
【図21】図21は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その14)である。
【図22】図22は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その15)である。
【図23】図23は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その16)である。
【図24】図24は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その17)である。
【図25】図25は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その18)である。
【図26】図26は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その19)である。
【図27】図27は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その20)である。
【図28】図28は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その21)である。
【図29】図29は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その22)である。
【図30】図30は、実施形態による半導体装置の評価結果を示すグラフである。
【図31】図31は、第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図32】図32は、第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図33】図30は、第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図34】図31は、第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図35】図35は、提案されている半導体装置のメモリセルアレイを示す平面図である。
【図36】図36は、提案されている半導体装置のメモリセルを示す断面図である。
【図37】図37は、提案されている半導体装置における情報を書き込む際の各部の電圧を示す平面図である。
【符号の説明】
【0291】
2…メモリセルアレイ領域
4…周辺回路領域
6…高耐圧トランジスタが形成される領域
6N…高耐圧Nチャネルトランジスタが形成される領域
6P…高耐圧Pチャネルトランジスタが形成される領域
8…低電圧トランジスタが形成される領域
8N…低電圧Nチャネルトランジスタが形成される領域
8P…低電圧Pチャネルトランジスタが形成される領域
10…メモリセルアレイ
12…列デコーダ
13…センスアンプ
14…第1の行デコーダ
16…第2の行デコーダ
18…第3の行デコーダ
20…半導体基板
21…素子領域
22…素子分離領域
24…埋め込み拡散層
26…ウェル
28a…トンネル絶縁膜
28b…ゲート絶縁膜
30a…フローティングゲート
30b…セレクトゲート
32a、32b…絶縁膜
33…チャネル領域
34a…コントロールゲート
34b…ポリシリコン膜
34c、34d…ゲート電極
35…ポケット領域、不純物拡散層
36a…不純物拡散層、ソース拡散層
36a…第1の不純物拡散層
36a…第2の不純物拡散層
36a…第3の不純物拡散層
36b…不純物拡散層
36c…不純物拡散層、ドレイン拡散層
36c…不純物拡散層
36c…不純物拡散層
38a…シリサイド層、ソース電極
38b…シリサイド層、ドレイン電極
38c〜38f…シリサイド層
40…層間絶縁膜
42…コンタクトホール
44…導体プラグ
46…配線(第1金属配線層)
48…層間絶縁膜
50…コンタクトホール
52…導体プラグ
54…配線(第2金属配線層)
56…層間絶縁膜
58…コンタクトホール
60…導体プラグ
62…配線(第3金属配線層)
64…熱酸化膜
66…シリコン窒化膜
68…溝
70…埋め込み拡散層
72P…P型ウェル
72N…N型ウェル
74P…P型ウェル
74N…N型ウェル
76…ゲート絶縁膜
78…ゲート絶縁膜
80…反射防止膜
82…シリコン酸化膜
84…シリコン窒化膜、サイドウォール絶縁膜
86…低濃度拡散層
88…低濃度拡散層
90…低濃度拡散層
92…低濃度拡散層
93…シリコン酸化膜、サイドウォール絶縁膜
94…高濃度拡散層
96…ソース/ドレイン拡散層
98…高濃度拡散層
100…ソース/ドレイン拡散層
102…高濃度拡散層
104…ソース/ドレイン拡散層
106…高濃度拡散層
108…ソース/ドレイン拡散層
110N…高耐圧Nチャネルトランジスタ
110P…高耐圧Pチャネルトランジスタ
112N…低電圧Nチャネルトランジスタ
112P…低電圧Pチャネルトランジスタ
114…シリコン窒化膜
116…シリコン酸化膜
118…シリコン酸化膜
120…シリコン酸化膜
122…シリコン酸化膜
124…シリコン酸化膜
126…シリコン酸化膜
128…シリコン酸化膜
130…層間絶縁膜
132…コンタクトホール
134…導体プラグ
136…配線(第4金属配線層)
138…シリコン酸化膜
140…シリコン酸化膜
142…層間絶縁膜
143…コンタクトホール
144…導体プラグ
145…配線
146…シリコン酸化膜
148…シリコン窒化膜
ST…選択トランジスタ
MT…メモリセルトランジスタ
MC…メモリセル
BL…ビット線
WL1…第1のワード線
WL2…第2のワード線
SL…ソース線
200…メモリセルアレイ
202…半導体基板
204a…トンネル絶縁膜
204b…ゲート絶縁膜
206a…フローティングゲート
206b…セレクトゲート
208a、208b…絶縁膜
210a…コントロールゲート
210b…ポリシリコン層
212a、212b、212c…不純物拡散層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にトンネル絶縁膜を介して形成されたフローティングゲートと、前記フローティングゲート上に絶縁膜を介して形成されたコントロールゲートと、前記フローティングゲートの両側の前記半導体基板内にチャネル領域を挟んで形成されたソース及びドレインと有するメモリセルトランジスタと、
前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたセレクトゲートと、前記セレクトゲートの両側の前記半導体基板内に形成されたソース及びドレインとを有する選択トランジスタとを有し、
前記メモリセルトランジスタの前記ドレインに前記選択トランジスタの前記ソースが接続され、
前記メモリセルトランジスタの前記ソースは、N型の第1の不純物拡散層と、前記第1の不純物拡散層よりも深いN型の第2の不純物拡散層と、前記第2の不純物拡散層内に形成され、前記第2の不純物拡散層よりも浅いN型の第3の不純物拡散層とを有し、
前記第2の不純物拡散層の不純物濃度は、前記第3の不純物拡散層の不純物濃度よりも低い
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記メモリセルトランジスタと前記選択トランジスタとを有するメモリセルが、マトリクス状に複数配列されているメモリセルアレイと、
同一の列に存在する複数の前記選択トランジスタの前記ドレインを共通接続する複数のビット線と、
同一の行に存在する複数の前記メモリセルトランジスタの前記コントロールゲートを共通接続する複数の第1のワード線と、
同一の行に存在する複数の前記選択トランジスタの前記セレクトゲートを共通接続する複数の第2のワード線と、
同一の行に存在する複数の前記メモリセルトランジスタの前記ソースを共通接続する複数のソース線とを更に有する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体装置において、
前記第1の不純物拡散層よりも浅く、前記第1の不純物拡散層の前記チャネル領域側に形成されたP型のポケット領域を更に有する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1の不純物拡散層の前記フローティングゲート側端部は、前記フローティングゲートの下方領域内に位置している
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第2の不純物拡散層のうちの前記第3の不純物拡散層よりも深い部分の不純物濃度は、前記第1の不純物拡散層の前記フローティングゲート側端部における不純物濃度よりも低い
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
半導体基板上に、第1の絶縁膜を介して第1の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜上に第2の絶縁膜を介して第2の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜、前記第2の絶縁膜及び前記第2の導電膜をパターニングすることにより、前記第1の導電膜のフローティングゲートと前記フローティングゲート上に前記第2の絶縁膜を介して形成された前記第2の導電膜のコントロールゲートとを有する積層体を形成し、前記フローティングゲートに並行して、前記第1の導電膜のセレクトゲートとを形成する工程と、
前記フローティングゲートとコントロールゲートとを有するメモリセルトランジスタのソースとなる領域の前記半導体基板内に、N型の第1の不純物拡散層を形成する工程と、
前記積層体の側壁部分及び前記セレクトゲートの側壁部分に、第1のサイドウォール絶縁膜を形成する工程と、
前記メモリセルトランジスタの前記ソースとなる領域の前記半導体基板内に、前記第1の不純物拡散層よりも深いN型の第2の不純物拡散層を形成する工程と、
前記第1のサイドウォール絶縁膜が形成された前記積層体の側壁部分及び前記セレクトゲートの側壁部分に、第2のサイドウォール絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の不純物拡散層内に、前記第2の不純物拡散層よりも浅く、前記第2の不純物拡散層よりも不純物濃度が高いN型の第3の不純物拡散層を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の半導体装置の製造方法において、
前記積層体及び前記セレクトゲートを形成する工程の後、前記第1の不純物拡散層を形成する工程の前に、前記メモリセルトランジスタの前記ソースとなる領域の上部に、前記フローティングゲートの下方領域内まで延在するように、前記第1の不純物拡散層よりも浅いP型の第4の不純物拡散層を形成する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項6又は7記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の不純物拡散層の前記フローティングゲート側端部は、前記フローティングゲートの下方領域内に位置している
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の不純物拡散層のうちの前記第3の不純物拡散層よりも深い部分の不純物濃度は、前記第1の不純物拡散層の前記フローティングゲート側端部における不純物濃度よりも低い
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体基板の周辺回路領域に、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の両側の前記半導体基板内に形成されたN型の第5の不純物拡散層を有するトランジスタを形成する工程を更に有し、
前記第2の不純物拡散層を形成する工程では、前記第2の不純物拡散層とともに前記第5の不純物拡散層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2010−40995(P2010−40995A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205534(P2008−205534)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】