説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】MISトランジスタに適当なしきい値電圧が与えられる一方、抵抗素子はシリコン膜からなる抵抗体層の異常成長を抑制して、シリコン膜の膜厚を安定化する。
【解決手段】半導体装置は、半導体基板10の上部に形成された素子分離領域12によって囲まれた第1の活性領域10a、第1の活性領域の上に形成された第1の高誘電体膜14aを有する第1のゲート絶縁膜27a、及び第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1のゲート電極28aとを有する第1導電型の第1のMISトランジスタ1aと、素子分離領域の上に形成された第2の高誘電体膜14x、及び該第2の高誘電体膜の上に形成されたシリコンからなる抵抗体層20xを有する抵抗素子1xとを備えている。第1の高誘電体膜と第2の高誘電体膜とは、互いに同一の高誘電体材料からなり、第1の高誘電体膜は第1の調整用金属を含み、第2の高誘電体膜は第1の調整用金属を含まない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、高誘電体を含むゲート絶縁膜を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体装置における高集積化及び高速化に伴い、MOS(metal oxide semiconductor)電界効果トランジスタ(MOS field effect transistor:MOSFET)の微細化が進められている。微細化に伴い、ゲート絶縁膜の薄膜化を進めると、トンネル電流によるゲートリーク電流の増大といった問題が顕在化することとなる。この問題を解決するために、酸化シリコン(SiO)又は窒化シリコン(Si)よりも高い比誘電率を有する酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ランタン(La)、酸化チタン(TiO)又は酸化タンタル(Ta)等からなる高誘電体膜(High−K膜)をゲート絶縁膜として用いることにより、ゲート絶縁膜の物理的膜厚を厚くすることが検討されている。また、ゲート電極に多結晶シリコン膜を用いると、多結晶シリコン膜に空乏化層が生じるため、メタルゲート電極を用いることにより、空乏化層の発生を防ぐことが検討されている。
【0003】
メタルゲート電極を用いる場合、消費電力を抑えるためにメタルゲート電極がn型MIS(metal insulator semiconductor)トランジスタ及びp型MISトランジスタにおいて適当なしきい値電圧を与える仕事関数をゲート絶縁膜との界面において示すことが必要となる。近年では、n型MISトランジスタではランタン(La)を含むゲート絶縁膜を形成する一方、p型MISトランジスタではアルミニウム(Al)を含むゲート絶縁膜を形成することにより、その要求を満たしている。
【0004】
以下、従来のHigh−K膜及びメタルゲート電極を用いた半導体装置の製造方法について図13〜図15を参照しながら説明する。
【0005】
まず、図13(a)に示すように、イオン注入法等により、シリコン(Si)からなる半導体基板101の上部にp型領域102及びn型領域103を形成する。続いて、p型領域102とn型領域103との境界領域に、シリコン酸化膜である素子分離膜104を形成する。
【0006】
次に、図13(b)に示すように、p型領域102、n型領域103及び素子分離膜104の上に、酸化シリコン(SiO)膜105A及び多結晶シリコン膜106Aを順次形成する。
【0007】
次に、図13(c)に示すように、エッチング法を用いて、SiO膜105A及び多結晶シリコン膜106Aからダミーゲート絶縁膜105及びダミーゲート電極106を形成する。
【0008】
次に、図13(d)に示すように、ダミーゲート電極106をマスクとして、p型領域102及びn型領域103のそれぞれにn型不純物及びp型不純物をイオン注入し、エクステンション層107、108をそれぞれ形成する。
【0009】
次に、図13(e)に示すように、半導体基板101、ダミーゲート絶縁膜105及びダミーゲート電極106を覆うように窒化シリコン(SiN)層を形成した後に、エッチバックすることによりゲート側壁絶縁膜109を形成する。
【0010】
次に、図13(f)に示すように、ダミーゲート電極106及びゲート側壁絶縁膜109をマスクとして、p型領域102の上部及びn型領域103のそれぞれにn型不純物及びp型不純物をイオン注入し、熱処理を行うことにより、ソースドレイン領域110、111を形成する。
【0011】
次に、図14(a)に示すように、公知のシリサイドの形成技術を用いて、ソースドレイン領域110、111の上部にコンタクトとしてニッケルシリコン(NiSi)からなるシリサイド層112、113を形成する。
【0012】
次に、図14(b)に示すように、半導体基板101、ダミーゲート電極106及びゲート側壁絶縁膜109を覆うように、SiOからなる層間絶縁膜114を形成し、その後、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)法等により、ダミーゲート電極106が露出するまで層間絶縁膜114を研磨する。
【0013】
次に、図14(c)に示すように、ドライエッチング法により、ダミーゲート電極106を選択的に除去する。続いて、ウェットエッチング法によりダミーゲート絶縁膜105を除去する。これにより、p型領域102の上に第1のゲート埋め込み溝部115を形成し、n型領域103の上に第2のゲート埋め込み溝部116を形成する。
【0014】
次に、図14(d)に示すように、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法により、第1のゲート埋め込み溝部115を埋め込み、且つ、第2のゲート埋め込み溝部116を埋め込まないように、層間絶縁膜114の上に、厚さが1μm程度のシリコン膜であるマスク膜117を形成する。
【0015】
次に、図14(e)に示すように、マスク膜117の上及びn型領域103の上における第2のゲート埋め込み溝部116の底部に、CVD法又はスパッタ法等を用いて、p型MISトランジスタ用のゲート絶縁膜118として、膜厚が約3nmであり、膜中のLaの濃度に対するAlの濃度の比の値が1.5であるアモルファスの酸化ランタンアルミニウム(LaAlO)膜を形成する。
【0016】
次に、図14(f)に示すように、Siからなるマスク膜117を除去した後に、ゲート絶縁膜118を形成した方法と同様にして、p型領域102の上における第1のゲート埋め込み溝部115の底部に、n型MISトランジスタ用のゲート絶縁膜119として、膜厚が約3nmであり、膜中のLaの濃度に対するAlの濃度の比の値が1.0であるアモルファスのLaAlO膜を形成する。その後、Siからなるマスク膜を除去する。
【0017】
次に、図15に示すように、公知の方法により、ゲート絶縁膜118、119の上に炭化タンタル(TaC)膜であるゲート電極120、121を形成することにより、従来の半導体装置が得られる。
【0018】
前記従来の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置は、p型MISトランジスタにおけるゲート絶縁膜のLaの濃度に対するAlの濃度の比の値を、n型MISトランジスタにおけるゲート絶縁膜中のLaの濃度に対するAlの濃度の比の値よりも大きくすることによって適当なしきい値電圧が得られる。
【0019】
このようなしきい値電圧を適当な大きさに調整するための調整用金属となるLaとAlとによってもたらされるしきい値電圧のシフト方向が逆となる現象は、LaとAlとによりゲート絶縁膜にもたらされる固定電荷の極性が逆であることに起因している。つまり、Alリッチの場合は、基板とゲート絶縁膜との界面に負の固定電荷が発生して、フラットバンド電圧を正側にシフトさせ、逆にLaリッチの場合は基板とゲート絶縁膜との界面に正の固定電荷が発生して、フラットバンド電圧を負側にシフトさせる。
【0020】
以上のメカニズムにより、ゲート絶縁膜のLaとAlとの濃度比を変更させることによって、適当なしきい値電圧を持つ半導体装置を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2009−117557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
抵抗素子を製造する場合、その抵抗体層は低抵抗化を防ぐために金属電極材料を除去し、多結晶シリコン膜又はアモルファスシリコン膜等からなるシリコン膜を形成する。しかしながら、前記従来の半導体装置の製造方法の場合、n型MISトランジスタに適当なしきい値電圧を与えるために、ゲート絶縁膜のHigh−K膜に調整用金属となるLaを含ませるため、抵抗素子領域のHigh−K膜にもLaが含まれることとなる。Laは容易に結晶化するため、Laを含むHigh−K膜の上に抵抗体層として直接に多結晶シリコンからなるシリコン膜を形成すると、結晶化したLaが核となって異常成長し、シリコン膜の膜厚が安定せず、安定した抵抗値を得られないという問題が生じる。また、この問題は抵抗素子だけでなく、フューズ素子又はゲート電極のパターニング時のリソグラフィ工程におけるアライメントマーク部においても抵抗素子と同様の構造として形成されるため、シリコン膜の膜厚が安定しないという問題が生じる。
【0023】
本発明は、前記の問題に鑑み、その目的は、MISトランジスタのゲート絶縁膜における高誘電体膜が調整用金属を含むことにより適当なしきい値電圧が与えられる一方、抵抗素子はシリコン膜からなる抵抗体層の下に設けられた高誘電体膜が結晶化し易い調整用金属を含まないことによりシリコン膜の異常成長を抑制して、シリコン膜の膜厚を安定化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記の目的を達成するために、本発明は半導体装置を、MISトランジスタは高誘電体膜を有するゲート絶縁膜が調整用金属を含む一方、抵抗素子はシリコン膜からなる抵抗体層が結晶化し易い調整用金属を含まない高誘電体膜上に接して形成されている構成とする。
【0025】
具体的に、本発明に係る半導体装置は、半導体基板の上部に形成された素子分離領域によって囲まれた半導体基板からなる第1の活性領域、該第1の活性領域の上に形成された第1の高誘電体膜を有する第1のゲート絶縁膜、及び該第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1のゲート電極を有する第1導電型の第1のMISトランジスタと、素子分離領域の上に形成された第2の高誘電体膜、及び該第2の高誘電体膜の上に形成されたシリコンからなる抵抗体層を有する抵抗素子とを備え、第1の高誘電体膜と第2の高誘電体膜とは、互いに同一の高誘電体材料を含み、第1の高誘電体膜は、さらに第1の調整用金属を含む一方、第2の高誘電体膜は、第1の調整用金属を含まない。
【0026】
本発明に係る半導体装置によると、トランジスタに適当なしきい値電圧が与えられると共に、抵抗素子における抵抗体層として用いられるシリコン膜の異常成長を防ぐことにより、シリコンからなる抵抗体層の膜厚を安定化することができる。
【0027】
本発明に係る半導体装置において、第1のゲート電極は、第1のゲート絶縁膜における第1の高誘電体膜の上に接して形成され、抵抗体層は、第2の高誘電体膜の上に接して形成されていることが好ましい。
【0028】
本発明に係る半導体装置において、抵抗体層は、素子分離領域の上にのみ形成されていてもよい。
【0029】
本発明に係る半導体装置は、抵抗体層の上に形成された保護絶縁膜をさらに備え、第1のゲート電極を含む第1の活性領域の上には、保護絶縁膜が形成されていなくてもよい。
【0030】
本発明に係る半導体装置において、第1のゲート電極は、第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1の金属膜と、該第1の金属膜の上に形成された第1のシリコン膜とを有していることが好ましい。
【0031】
本発明に係る半導体装置において、第1のゲート絶縁膜は、第1の活性領域の上に形成された第1の下地絶縁膜と、第1の下地絶縁膜の上に形成された第1の高誘電体膜とを有していることが好ましい。
【0032】
本発明に係る半導体装置は、第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極の側面上に形成された第1のサイドウォール絶縁膜と、第2の高誘電体膜及び抵抗体層の側面上に形成された第2のサイドウォール絶縁膜とをさらに備えていてもよい。
【0033】
本発明に係る半導体装置は、第1のゲート電極の上に形成されたシリサイド層をさらに備えていてもよい。
【0034】
本発明に係る半導体装置において、第1の調整用金属は、シリコンを異常成長させる金属であってもよい。
【0035】
本発明に係る半導体装置において、第1のMISトランジスタはn型MISトランジスタであり、抵抗体層はn型シリコンからなり、第1の調整用金属はランタンであることが好ましい。
【0036】
本発明に係る半導体装置は、半導体基板の上部に形成された前記素子分離領域によって囲まれた前記半導体基板からなる第2の活性領域、該第2の活性領域の上に形成された第3の高誘電体膜を有する第2のゲート絶縁膜、及び該第2のゲート絶縁膜の上に形成された第2のゲート電極を有する第2導電型の第2のMISトランジスタをさらに備え、第3の高誘電体膜は、第1の高誘電体膜及び第2の高誘電体膜と同一の前記高誘電体材料を含み、且つ、第2の調整用金属を含む一方、第1の調整用金属を含まないことが好ましい。
【0037】
本発明に係る半導体装置において、第2の高誘電体膜は、第2の調整用金属を含むことが好ましい。
【0038】
本発明に係る半導体装置において、第2のゲート絶縁膜は、第2の活性領域の上に形成された第2の下地絶縁膜と、該第2の下地絶縁膜の上に形成された第3の高誘電体膜と、該第3の高誘電体膜の上に形成された第2の調整用金属を含む第2の調整用金属含有膜とを有していることが好ましい。
【0039】
本発明に係る半導体装置において、第2のゲート電極は、第2のゲート絶縁膜の上に形成された第2の金属膜と、該第2の金属膜の上に形成された第2のシリコン膜とを有していることが好ましい。
【0040】
本発明に係る半導体装置において、第2のMISトランジスタはp型MISトランジスタであり、第2の調整用金属はアルミニウムであることが好ましい。
【0041】
本発明に係る半導体装置において、第2の高誘電体膜は、素子分離領域の上に形成された第3の下地絶縁膜を介して形成されていることが好ましい。
【0042】
本発明に係る半導体装置において、第2の高誘電体膜は、素子分離領域の上に接して形成されていることが好ましい。
【0043】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の上部に素子分離領域によって囲まれた半導体基板からなる第1の活性領域を形成する工程(a)と、工程(a)の後に、半導体基板の上に高誘電体膜を形成する工程(b)と、高誘電体膜における第1の活性領域の上に位置する部分に選択的に第1の調整用金属を導入することにより、第1の活性領域の上に第1の調整用金属を含む第1の高誘電体膜を形成する一方、素子分離領域の上に第1の調整用金属を含まない第2の高誘電体膜を形成する工程(c)と、第1の高誘電体膜及び第2の高誘電体膜の上に金属膜を形成する工程(d)と、第2の高誘電体膜の上の金属膜を除去する一方、第1の高誘電体膜の上の金属膜を残存させる工程(e)と、工程(e)の後に、金属膜及び第2の高誘電体膜の上にシリコン膜を形成する工程(f)と、シリコン膜、金属膜、第1の高誘電体膜及び第2の高誘電体膜をパターニングすることにより、第1の活性領域の上に第1の高誘電体膜を有する第1のゲート絶縁膜、並びに金属膜及びシリコン膜を有する第1のゲート電極を形成すると共に、素子分離領域の上に第2の高誘電体膜を介してシリコン膜からなる抵抗体層を形成する工程(g)とを備えている。
【0044】
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、トランジスタに適当なしきい値電圧が与えられると共に、抵抗素子における抵抗体層として用いられるシリコン膜の異常成長を防ぐことにより、シリコンからなる抵抗体層の膜厚を安定化することができる。
【0045】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(a)は、半導体基板の上部に素子分離領域によって囲まれた半導体基板からなる第2の活性領域を形成する工程を含み、工程(b)の後で且つ工程(c)の前に、高誘電体膜における第2の活性領域の上に位置する部分の上に第2の調整用金属を含む第2の調整用金属含有膜を形成する工程(g)を有し、工程(c)は、第2の活性領域の上に第1の調整用金属を含まない第3の高誘電体膜を形成する工程を含み、工程(d)は、第3の高誘電体膜の上に第2の調整用金属含有膜を介して金属膜を形成する工程を含み、工程(e)は、第3の高誘電体膜の上に金属膜を残存させる工程を含み、工程(g)は、前記シリコン膜、金属膜、第2の調整用金属含有膜及び第3の高誘電体膜をパターニングすることにより、第2の活性領域の上に第3の高誘電体膜及び第2の調整用金属含有膜を有する第2のゲート絶縁膜、並びに金属膜及びシリコン膜を有する第2のゲート電極を形成する工程を含むことが好ましい。
【0046】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、第1の活性領域の上には、第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極を有するn型MISトランジスタを形成し、素子分離領域の上には、抵抗体層を有する抵抗素子を形成し、第1の調整用金属としてランタンを用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0047】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、トランジスタに適当なしきい値電圧が与えられると共に、抵抗素子における抵抗体層として用いられるシリコン膜の異常成長を防ぐことにより、シリコンからなる抵抗体層の膜厚を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図4】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【図8】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図9】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図10】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図11】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図12】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図13】(a)〜(f)従来の半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図14】(a)〜(f)従来の半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図15】従来の半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図1、図2(a)〜(c)、図3(a)〜(c)、図4(a)〜(c)、図5(a)〜(c)及び図6(a)、(b)を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図2(a)〜図6(b)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。各図面において、左側にはn型MISトランジスタが形成されるn型MISトランジスタ領域1aを示し、右側にはn型抵抗素子が形成される抵抗素子領域1xを示している。なお、n型MISトランジスタ領域1a及び抵抗素子領域1xにおける半導体基板は同一の半導体基板である。
【0050】
まず、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構造について図1を参照しながら説明する。
【0051】
n型MISトランジスタは、図1に示すように、半導体基板10におけるn型MISトランジスタ領域1aの上部に形成されたp型ウェル等からなるp型領域11aと、p型領域11aの上部に形成された素子分離領域12と、素子分離領域12に囲まれた半導体基板10からなる活性領域10aと、活性領域10a上に形成されたゲート絶縁膜27aと、ゲート絶縁膜27aの上に形成されたゲート電極28aと、ゲート電極28a及びゲート絶縁膜27aの側面上に形成されたサイドウォール絶縁膜21aとを備えている。さらに、n型MISトランジスタは、活性領域10aにおけるゲート電極28aの側方下に形成された浅いn型ソースドレイン領域(エクステンション領域)22axと、活性領域10aにおけるサイドウォール絶縁膜21aの外側方下に形成された深いn型ソースドレイン領域22ayと、ゲート電極28a(シリコン膜20a)及び深いn型ソースドレイン領域22ayの上に形成されたシリサイド層25と、ゲート電極28a及びサイドウォール絶縁膜21aを覆うように活性領域10aの上に形成された層間絶縁膜26とを備えている。ゲート絶縁膜27aは、活性領域10aの上に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜からなる下地絶縁膜13aと、下地絶縁膜13aの上に形成されたn型MISトランジスタの調整用金属となるLaを含むLa含有高誘電体膜14aとにより構成されている。Laからなる調整用金属は、高誘電体膜への添加によりn型MISトランジスタの実効仕事関数を低下させる金属であり、n型MISトランジスタの調整用金属としては、上述のLaの他には、例えばLa以外のランタノイド系元素、スカンジウム(Sc)、ストロンチウム(Sr)又はマグネシウム(Mg)等を用いることができる。これにより、n型MISトランジスタの実効仕事関数を調整用金属が添加されていない状態と比べて低くすることができる。ゲート電極28aは、ゲート絶縁膜27aの上に形成された窒化チタン(TiN)からなる金属膜18aと、金属膜18aの上に形成されたn型多結晶シリコンからなるシリコン膜20aとにより構成されている。
【0052】
抵抗素子は、半導体基板10における抵抗素子領域1xの上部に形成されたp型ウェル等からなるp型領域11xと、p型領域11xの上部に形成された素子分離領域12と、素子分離領域12の上に形成された下部絶縁膜27xと、下部絶縁膜27xの上に接して形成されたn型多結晶シリコンからなる抵抗体層20xと、抵抗体層20x及び下部絶縁膜27xの側面上に形成されたサイドウォール絶縁膜21xと、抵抗体層20x及びサイドウォール絶縁膜21xを覆うように形成されたシリコン酸化膜からなる保護絶縁膜23と、保護絶縁膜23の上に形成された層間絶縁膜26とを備えている。下部絶縁膜27xは、素子分離領域12の上に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜からなる下地絶縁膜13xと、下地絶縁膜13xの上に形成されたLaを含まない非La含有高誘電体膜14xとにより構成されている。非La含有高誘電体膜14xは、La含有高誘電体膜14aと同じ高誘電体材料(例えば、ハフニウム酸化物)からなる一方、La含有高誘電体膜14aが含む調整用金属であるLaを含まない。なお、下部絶縁膜27xのうち、下地絶縁膜13xは必ずしも形成される必要はなく、非La含有高誘電体膜14xのみが形成されていてもよい。また、半導体基板10における抵抗素子領域1xには、p型領域11xが必ずしも形成されている必要はない。
【0053】
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置によると、n型MISトランジスタのゲート絶縁膜27aにおけるLa含有高誘電体膜14aには調整用金属(La)が含まれているため、n型MISトランジスタの実効仕事関数を低下させることができ、適当なしきい値電圧を得ることができる。一方、抵抗素子の下部絶縁膜27xにおける非La含有高誘電体膜14xには調整用金属(La)が含まれていないため、非La含有高誘電体膜14xの上に接して形成される多結晶シリコンからなる抵抗体層20xの異常成長を防ぐので、安定した抵抗値を得ることができる。
【0054】
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図2〜図6を参照しながら説明する。
【0055】
なお、本実施形態では、n型MISトランジスタを形成すると共に、n型抵抗素子を形成する場合について説明する。また、n型MISトランジスタ領域1a及び抵抗素子領域1xにおける半導体基板は同一の半導体基板である。
【0056】
まず、図2(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板10の上部に深さが約300nmの溝部を形成し、その後に、形成した溝部に、化学気相成長(CVD)法及び化学機械研磨(CMP)法等を用いて、シリコン酸化膜等からなる分離絶縁膜を埋め込む、所謂埋め込み素子分離(Shallow Trench Isolation:STI)法により素子分離領域12を形成する。これにより、半導体基板10におけるn型MISトランジスタ領域1aには、素子分離領域12に囲まれた半導体基板10からなる活性領域10aが形成される。その後、半導体基板10の上部に、イオン注入法等により、素子分離領域12よりも拡散深さの深いp型ウェル等からなるp型領域11a、11xを形成する。このとき、半導体基板10における抵抗素子領域1xには、p型領域11xを必ずしも形成する必要はない。その後に、n型MISトランジスタ領域1aにおけるp型領域11aの上部に、しきい値電圧を制御するためのp型の不純物層(図示せず)を形成する。
【0057】
次に、図2(b)に示すように、半導体基板10の上にシリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜からなる下地絶縁膜13及び膜厚が2nm程度の高誘電体膜14を順次形成する。下地絶縁膜13は、少なくとも活性領域10aと高誘電体膜14との間に形成されていればよく、素子分離領域12の上には必ずしも形成する必要はない。例えば、下地絶縁膜13として、急速熱酸化(Rapid Thermal Oxidation:RTO)法等により膜厚が1nm以下のシリコン酸化膜を形成した場合、シリコンが露出している半導体基板10における活性領域10aの上にシリコン酸化膜が選択的に形成される一方、シリコンが露出していない素子分離領域12の上にはシリコン酸化膜が形成されない。このため、素子分離領域12の上にはシリコン酸化膜からなる下地絶縁膜13が形成されず、高誘電体膜14が素子分離領域12の上に直接に形成される。また、高誘電体膜14の材料としては、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜よりも比誘電率が高い、例えば比誘電率が10以上となる、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)又はイットリウム(Y)等の金属の酸化物、酸窒化物、シリケート又は窒素含有シリケートを用いることができる。より具体的には、ハフニウムシリケート(HfSiO)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ハフニウムアルミニウム(HfAlO)、酸化ジルコニウム(ZrO)又は酸化イットリウム(Y)等が挙げられる。これらの膜は、原子層成長(Atomic Layer Deposition:ALD)法、化学気相成長(CVD)法又は物理気相成長(Physical Vapor Deposition:PVD)法等によって形成することができる。
【0058】
次に、図2(c)に示すように、高誘電体膜14の上に金属マスク膜15を形成する。金属マスク膜15は、例えばTiN膜をALD法、CVD法又はPVD法等により、膜厚が10nm程度になるように形成するのが良い。
【0059】
次に、図3(a)に示すように、金属マスク膜15の上に、n型MISトランジスタ領域1aに開口を有し、抵抗素子領域1xを覆うレジスト膜16を形成する。続いて、レジスト膜16をマスクとして、ウェットエッチング法又はドライエッチング法により、n型MISトランジスタ領域1aにおける金属マスク膜15を除去する一方、抵抗素子領域1xに金属マスク膜15を残存させる。
【0060】
次に、図3(b)に示すように、公知の灰化処理等によりレジスト膜16を除去した後に、例えば、スパッタ法等を用いて、半導体基板10の上の全面に、n型MISトランジスタの調整用金属となるLaを含む、例えば酸化ランタン(La)からなるLa含有膜17を形成する。これにより、La含有膜17は、n型MISトランジスタ領域1aにおける高誘電体膜14の上には直接に形成される一方、抵抗素子領域1xにおける高誘電体膜14の上には直接に形成されず、金属マスク膜15の上に形成される。
【0061】
次に、図3(c)に示すように、例えば700℃で120分のアニール処理をすることにより、n型MISトランジスタ領域1aの高誘電体膜14にのみ調整用金属であるLaがLa含有膜17から拡散されて、Laを含む高誘電体膜(La含有高誘電体膜)14Aが形成される。このとき、抵抗素子領域1xの高誘電体膜14には、金属マスク膜15が拡散防止膜となるためLa含有膜17からLaが拡散されることはなく、Laを含まない高誘電体膜(非La含有高誘電体膜)14Xが残存する。なお、非La含有高誘電体膜14Xは、高誘電体膜14と同じものである。その後に、ウェットエッチング法により、残存するLa含有膜17及び金属マスク膜15を除去する。
【0062】
次に、図4(a)に示すように、La含有高誘電体膜14A及び非La含有高誘電体膜14Xの上に、ゲート電極の一部となる金属膜18を形成する。このとき、例えばALD法、CVD法又はPVD法等により、金属膜18として、膜厚が15nm程度のTiN膜を形成するとよい。
【0063】
次に、図4(b)に示すように、金属膜18の上に抵抗素子領域1xに開口を有し、n型MISトランジスタ領域1aを覆うレジスト膜19を形成した後に、レジスト膜19をマスクとして、ウェットエッチング法又はドライエッチング法により、抵抗素子領域1xの金属膜18を除去する。これにより、n型MISトランジスタ領域1aにおけるLa含有高誘電体膜14Aの上に金属膜18を残存させる一方、抵抗素子領域1xにおける非La含有高誘電体膜14Xの上の金属膜18を除去する。
【0064】
次に、図4(c)に示すように、公知の灰化処理等によりレジスト膜19を除去した後に、例えばCVD法により、半導体基板10の上の全面に膜厚が100nm程度の多結晶シリコンからなるシリコン膜20を形成する。これにより、n型MISトランジスタ領域1aには、La含有高誘電体膜14Aの上に金属膜18を介してシリコン膜20が形成される一方、抵抗素子領域1xには非La含有高誘電体膜14Xの上にシリコン膜20が直接に形成される。
【0065】
次に、図5(a)に示すように、リソグラフィ法により、シリコン膜20の上に、ゲート電極パターン形状及び抵抗素子パターン形状を有するレジスト膜(図示せず)を形成する。その後、レジスト膜をマスクとして、ドライエッチング法により、シリコン膜20、金属膜18、La含有高誘電体膜14A、非La含有高誘電体膜14X及び下地絶縁膜13を順次パターニングした後、レジスト膜を除去する。これにより、n型MISトランジスタ領域1aには、活性領域10aの上に、下地絶縁膜13a及びLa含有高誘電体膜14aからなるゲート絶縁膜27a、並びに、金属膜18a及びシリコン膜20aからなるゲート電極28aが形成される。一方、抵抗素子領域1xには、素子分離領域12の上に、下地絶縁膜13x及び非La含有高誘電体膜14xからなる下部絶縁膜27x、及び抵抗体層20xが形成される。このとき、抵抗素子の抵抗体層20xを素子分離領域12の上に形成することにより、パターニングの際の基板掘れを防ぐことができる。その後、ゲート電極28aをマスクとして、イオン注入法により、活性領域10aにn型不純物を注入することにより、活性領域10aにおけるゲート電極28aの側方下に浅いn型ソースドレイン領域22axを自己整合的に形成する。このとき、抵抗体層20xにもn型不純物を注入することにより、n型の抵抗体層20xを形成する。
【0066】
次に、図5(b)に示すように、半導体基板10の上の全面に絶縁膜を形成した後、エッチバック法を用いて絶縁膜をエッチングすることにより、ゲート電極28a及びゲート絶縁膜27aの側面上にサイドウォール絶縁膜21aを形成する一方、抵抗体層20x及び下部絶縁膜27xの側面上にサイドウォール絶縁膜21xを形成する。サイドウォール絶縁膜21a、21xは、酸化シリコン又は窒化シリコンからなる単層膜又は積層膜であってもよい。例えば、サイドウォール絶縁膜21a、21xは、ゲート電極28a、抵抗体層20xの側面上に形成された断面形状がL字状の酸化シリコンからなる内側サイドウォールと、内側サイドウォールの上に形成された窒化シリコンからなる外側サイドウォールとにより構成されていてもよい。その後、ゲート電極28a及びサイドウォール絶縁膜21aをマスクとして、イオン注入法により、活性領域10aにn型不純物を注入することにより、活性領域10aにおけるサイドウォール絶縁膜21aの外側方下に深いn型ソースドレイン領域22ayを自己整合的に形成する。このとき、抵抗体層20xにもn型不純物を注入することにより、n型の抵抗体層20xを形成する。なお、本実施形態では、抵抗体層20xに対して、浅いn型ソースドレイン領域22axを形成するためのイオン注入、及び深いn型ソースドレイン領域22ayを形成するためのイオン注入の2回実施しているが、どちらか一方のイオン注入でもよく、又は、上記2回のイオン注入は行なわず、別途n型不純物のイオン注入を実施してもよい。
【0067】
次に、図5(c)に示すように、例えばCVD法により、半導体基板10の上の全面に、ゲート電極28a、抵抗体層20x及びサイドウォール絶縁膜21a、21xを覆うようにシリコン酸化膜からなる保護絶縁膜23を形成する。
【0068】
次に、図6(a)に示すように、保護絶縁膜23の上に、シリサイド形成領域であるn型MISトランジスタ領域1aにおける活性領域10aの上に開口を有し、非シリサイド形成領域である抵抗素子領域1xを覆うレジスト膜24を形成した後に、ウェットエッチング法によりシリサイド形成領域の保護絶縁膜23を除去する。これにより、n型MISトランジスタ領域1aではゲート電極28aを含む活性領域10aの上の保護絶縁膜23が除去される一方、抵抗素子領域1xには抵抗体層20xの上を覆うように保護絶縁膜23が残存する。
【0069】
次に、図6(b)に示すように、公知の灰化処理等によりレジスト膜24を除去した後に、サリサイド技術と呼ばれる公知の自己整合的にシリサイドを形成する技術を用いて、ゲート電極28aにおけるシリコン膜20aの上部及び深いn型ソースドレイン領域22ayの上部にシリサイド層25を形成する。なお、抵抗素子領域1xにおいては、図示しないが、抵抗体層20xにおけるコンタクト形成領域の保護絶縁膜23を除去して、シリサイド層を形成することも可能である。
【0070】
その後、図1に示すように、半導体基板10の上に、ゲート電極28aを含む活性領域10a及び抵抗体層20xを覆うように層間絶縁膜26を形成する。その後、コンタクトプラグ及び配線を形成する工程に進むが、これらの工程は一般の半導体装置の製造方法であるため、説明を省略する。
【0071】
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法によると、n型MISトランジスタのゲート絶縁膜27aにおけるLa含有高誘電体膜14aには調整用金属となるLaが含まれているため、適当なしきい値電圧を得ることができると共に、抵抗素子の下部絶縁膜27xにおけるは非La含有高誘電体膜14xには異常成長の原因となるLaが含まれていないため、その上に形成するシリコン膜からなる抵抗体層20xの異常成長を防ぐことができるので、安定した抵抗値を得ることが可能な半導体装置を得ることができる。
【0072】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。なお、第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法と相違する点を中心に説明し、共通する点については適宜省略して説明する。
【0073】
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図7、図8(a)〜(c)、図9(a)〜(c)、図10(a)〜(c)、図11(a)〜(c)及び図12(a)〜(c)を参照しながら説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図8(a)〜図12(c)は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。各図面において、左側にはn型MISトランジスタが形成されるn型MISトランジスタ領域1aを示し、中央にはp型MISトランジスタが形成されるp型MISトランジスタ領域1bを示し、右側にはn型抵抗素子が形成される抵抗素子領域1xを示している。なお、n型MISトランジスタ領域1a、p型MISトランジスタ領域1b及び抵抗素子領域1xにおける半導体基板は同一の半導体基板である。なお、図7及び図8(a)〜図12(c)において、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、第1の実施形態における図1及び図2(a)〜図6(b)に示す符号と同一の符号を付している。
【0074】
まず、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構造について図7を参照しながら説明する。
【0075】
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置は、図7に示すように、n型MISトランジスタ領域1aに形成されるn型MISトランジスタ、及び抵抗素子領域1xに形成される抵抗素子は、第1の実施形態における図1に示すn型MISトランジスタ及び抵抗素子と同じ構成を有しているので、ここでの説明は省略する。
【0076】
p型MISトランジスタは、図7に示すように、半導体基板10におけるp型MISトランジスタ領域1bの上部に形成されたn型ウェル等からなるn型領域11bと、n型領域11bの上部に形成された素子分離領域12と、素子分離領域12に囲まれた半導体基板10からなる活性領域10bと、活性領域10bの上に形成されたゲート絶縁膜27bと、ゲート絶縁膜27bの上に形成されたゲート電極28bと、ゲート電極28b及びゲート絶縁膜27bの側面上に形成されたサイドウォール絶縁膜21bとを備えている。さらに、p型MISトランジスタは、活性領域10bにおけるゲート電極28bの側方下に形成された浅いp型ソースドレイン領域(エクステンション領域)22bxと、活性領域10bにおけるサイドウォール絶縁膜21bの外側方下に形成された深いp型ソースドレイン領域22byと、ゲート電極28b(シリコン膜20b)及び深いp型ソースドレイン領域22byの上に形成されたシリサイド層25と、ゲート電極28b及びサイドウォール絶縁膜21bを覆うように活性領域10bの上に形成された層間絶縁膜26とを備えている。
【0077】
ゲート絶縁膜27bは、活性領域10bの上に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜からなる下地絶縁膜13bと、下地絶縁膜13bの上に形成されたp型MISトランジスタの調整用金属となるAlを含むAl含有高誘電体膜14bと、Al含有高誘電体膜14bの上に形成された調整用金属となるAlを含む酸化アルミニウム(Al)からなるAl含有膜29bとにより構成されている。p型MISトランジスタの調整用金属は、高誘電体膜への添加によりp型MISトランジスタの実効仕事関数を増加させる金属であり、調整用金属としては、上述のAlに限定されるものではない。これにより、p型MISトランジスタの実効仕事関数を調整用金属が添加されていない状態に比べて高くすることができる。
【0078】
ゲート電極28bは、ゲート絶縁膜27bの上に形成された窒化チタン(TiN)からなる金属膜18bと、金属膜18bの上に形成されたp型多結晶シリコンからなるシリコン膜20bとにより構成されている。なお、Al含有高誘電体膜14bは、n型MISトランジスタの調整用金属であるLaを含まない。また、Al含有膜29bは、Al含有高誘電体膜14bの上に必ずしも残存させる必要はなく、Al含有高誘電体膜14bがあればよい。また、Al含有高誘電体膜14bとAl含有膜29bとが相互に混ざり合ってAl含有高誘電体膜14bを構成してもよい。この場合、Al含有高誘電体膜14bとAl含有膜29bとの境界はなく、Al含有高誘電体膜14bにおけるAl濃度が下部領域(下地絶縁膜13b側)と比べて上部領域(ゲート電極28b側)の方が高くなる。
【0079】
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置によると、n型MISトランジスタのゲート絶縁膜27aにおけるLa含有高誘電体膜14aにはn型MISトランジスタの調整用金属となるLaが含まれ、p型MISトランジスタのゲート絶縁膜27bにおけるAl含有高誘電体膜14bにはp型MISトランジスタの調整用金属となるAlが含まれているため、それぞれ適当なしきい値電圧を得ることができる。それと共に、抵抗素子の下部絶縁膜27xにおける非La含有高誘電体膜14xには異常成長の原因となるLaが含まれていないため、その上に接して形成するシリコン膜からなる抵抗体層20xの異常成長を防ぐので、安定した抵抗値を得ることが可能な半導体装置を得ることができる。なお、非La含有高誘電体膜14xに、p型MISトランジスタの調整用金属であるAlが含まれていてもLaのようなシリコン膜の異常成長は生じないため特に問題はない。
【0080】
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図8〜図12を参照しながら説明する。
【0081】
なお、本実施形態では、n型MISトランジスタ及びp型MISトランジスタと共に、n型抵抗素子を形成する場合について説明する。なお、n型MISトランジスタ領域1a、p型MISトランジスタ領域1b及び抵抗素子領域1xにおける半導体基板は同一の半導体基板である。
【0082】
まず、図8(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板10の上部に、STI法により素子分離領域12を形成する。これにより、半導体基板10におけるn型MISトランジスタ領域1aには、素子分離領域12に囲まれた半導体基板10からなる活性領域10aが形成され、半導体基板10におけるp型MISトランジスタ領域1bには、素子分離領域12に囲まれた半導体基板10からなる活性領域10bが形成される。その後、n型MISトランジスタ領域1a及び抵抗素子領域1xにおける半導体基板10の上部に、イオン注入法等により、素子分離領域12よりも拡散深さの深いp型ウェル等からなるp型領域11a、11xを形成する。このとき、半導体基板10における抵抗素子領域1xには、p型領域11xを必ずしも形成する必要はない。同様に、p型MISトランジスタ領域1bにおける半導体基板10の上部に、イオン注入法等により、素子分離領域12よりも拡散深さの深いn型ウェル等からなるn型領域11bを形成する。その後に、n型MISトランジスタ領域1aにおけるp型領域11aの上部に、しきい値電圧を制御するためのp型の不純物層(図示せず)を形成する一方、p型MISトランジスタ領域1bにおけるn型領域11bの上部に、しきい値電圧を制御するためのn型の不純物層(図示せず)を形成する。
【0083】
次に、図8(b)に示すように、半導体基板10の上にシリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜からなる下地絶縁膜13及び膜厚が2nm程度の高誘電体膜14を順次形成する。下地絶縁膜13は、少なくとも活性領域10a、10bと高誘電体膜14との間に形成すればよく、素子分離領域12の上には必ずしも形成する必要はない。例えば、下地絶縁膜13として、RTO等により膜厚が1nm以下のシリコン酸化膜を形成する場合、シリコンが露出している半導体基板10における活性領域10a、10bの上にシリコン酸化膜が選択的に形成される一方、シリコンが露出していない素子分離領域12の上にはシリコン酸化膜が形成されない。このため、素子分離領域12の上にはシリコン酸化膜からなる下地絶縁膜13が形成されず、高誘電体膜14が素子分離領域12の上に直接に形成される。また、高誘電体膜14の材料としては、第1の実施形態と同様の材料を用いることができる。
【0084】
次に、図8(c)に示すように、高誘電体膜14の上に、p型MISトランジスタの調整用金属となるAlを含む、例えば酸化アルミニウム(Al)からなるAl含有膜29及び金属マスク膜15を順次形成する。このとき、Al含有膜29はスパッタ法等を用いて、形成することが好ましく、また、金属マスク膜15は、例えば膜厚が10nm程度のTiN膜を、ALD法、CVD法又はPVD法等により形成するのが良い。
【0085】
次に、図9(a)に示すように、金属マスク膜15の上に、n型MISトランジスタ領域1aに開口を有し、p型MISトランジスタ領域1b及び抵抗素子領域1xを覆うレジスト膜16を形成する。続いて、レジスト膜16をマスクとして、ウェットエッチング法又はドライエッチング法により、n型MISトランジスタ領域1aにおける金属マスク膜15を除去する一方、p型MISトランジスタ領域1b及び抵抗素子領域1xに金属マスク膜15を残存させる。これにより、n型MISトランジスタ領域1aのAl含有膜29を露出する。
【0086】
次に、図9(b)に示すように、公知の灰化処理等によりレジスト膜16を除去した後に、金属マスク膜15をマスクにして、n型MISトランジスタ領域1aにおけるAl含有膜29をウェットエッチング法により除去する一方、p型MISトランジスタ領域1b及び抵抗素子領域1xにおけるAl含有膜29を残存させる。これにより、n型MISトランジスタ領域1aの高誘電体膜14を露出する。
【0087】
次に、図9(c)に示すように、例えば、スパッタ法等を用いて、半導体基板10の上の全面に、n型MISトランジスタの調整用金属となるLaを含む、例えば酸化ランタン(La)からなるLa含有膜17を形成する。これにより、La含有膜17は、n型MISトランジスタ領域1aにおける高誘電体膜14の上には直接に形成される一方、p型MISトランジスタ領域1b及び抵抗素子領域1xにおける高誘電体膜14の上には直接に形成されず、金属マスク膜15の上に形成される。
【0088】
次に、図10(a)に示すように、例えば700℃で120分のアニール処理をすることにより、n型MISトランジスタ領域1aの高誘電体膜14にのみ調整用金属であるLaがLa含有膜17から拡散されて、Laを含む高誘電体膜(La含有高誘電体膜)14Aが形成される。このとき、p型MISトランジスタ領域1b及び抵抗素子領域1xの高誘電体膜14には、金属マスク膜15が拡散防止膜となるためLaがLa含有膜17から拡散されることはなく、Laを含まない高誘電体膜(非La含有高誘電体膜)14Xが残存する。なお、非La含有高誘電体膜14Xは、高誘電体膜14と同じものである。その後に、ウェットエッチング法により、残存するLa含有膜17及び金属マスク膜15を除去する。
【0089】
次に、図10(b)に示すように、n型MISトランジスタ領域1aのLa含有高誘電体膜14Aの上、及びp型MISトランジスタ領域1b及び抵抗素子領域1xのAl含有膜29の上に、ゲート電極の一部となる金属膜18を形成する。このとき、例えばALD法、CVD法又はPVD法等により、金属膜18として、膜厚が15nm程度のTiN膜を形成するとよい。
【0090】
次に、図10(c)に示すように、金属膜18の上に抵抗素子領域1xに開口を有し、n型MISトランジスタ領域1a及びp型MISトランジスタ領域1bを覆うレジスト膜19を形成した後に、レジスト膜19をマスクとして、ウェットエッチング法又はドライエッチング法により、抵抗素子領域1xの金属膜18及びAl含有膜29を除去する。これにより、n型MISトランジスタ領域1aにおけるLa含有高誘電体膜14Aの上に金属膜18を残存させ、p型MISトランジスタ領域1bにおける非La含有高誘電体膜14Xの上にAl含有膜29及び金属膜18を残存させる一方、抵抗素子領域1xにおける非La含有高誘電体膜14Xの上のAl含有膜29及び金属膜18を除去する。このとき、抵抗素子領域1xにおける非La含有高誘電体膜14Xの上のAl含有膜29は必ずしも除去する必要はなく残存させてもよい。この場合、抵抗素子領域1xにおける非La含有高誘電体膜14Xの上にAl含有膜29が残存するが、Al含有膜29の上に抵抗体層となるシリコン膜を形成してもLaのような異常成長は見られず、特に問題はない。
【0091】
次に、図11(a)に示すように、公知の灰化処理等によりレジスト膜19を除去した後に、例えばCVD法により、半導体基板10の上の全面に膜厚が100nm程度の多結晶シリコンからなるシリコン膜20を形成する。これにより、n型MISトランジスタ領域1aにはLa含有高誘電体膜14Aの上に金属膜18を介してシリコン膜20が形成され、p型MISトランジスタ領域1bには非La含有高誘電体膜14Xの上にAl含有膜29及び金属膜18を介してシリコン膜20が形成される一方、抵抗素子領域1xには非La含有高誘電体膜14Xの上にシリコン膜20が直接に形成される。
【0092】
次に、図11(b)に示すように、例えばリソグラフィ法により、シリコン膜20の上に、ゲート電極のパターン形状及び抵抗素子のパターン形状を有するレジスト膜(図示せず)を形成する。その後、レジスト膜をマスクとして、ドライエッチング法により、シリコン膜20、金属膜18、Al含有膜29、La含有高誘電体膜14A、非La含有高誘電体膜14X及び下地絶縁膜13を順次パターニングした後、レジスト膜を除去する。これにより、n型MISトランジスタ領域1aには、活性領域10aの上に、下地絶縁膜13a及びLa含有高誘電体膜14aからなるゲート絶縁膜27a、並びに金属膜18a及びシリコン膜20aからなるゲート電極28aが形成される。また、p型MISトランジスタ領域1bには、活性領域10bの上に、下地絶縁膜13b、非La含有高誘電体膜14x及びAl含有膜29bからなるゲート絶縁膜27b、並びに金属膜18b及びシリコン膜20bからなるゲート電極28bが形成される。一方、抵抗素子領域1xには、素子分離領域12の上に、下地絶縁膜13x及び非La含有高誘電体膜14xからなる下部絶縁膜27x、並びに抵抗体層20xが形成される。このとき、抵抗素子の抵抗体層20xを素子分離領域12の上に形成することにより、パターニングの際の基板掘れを防ぐことができる。その後、n型MISトランジスタ領域1aにおいて、ゲート電極28aをマスクとして、イオン注入法により、活性領域10aに選択的にn型不純物を注入することにより、活性領域10aにおけるゲート電極28aの側方下に浅いn型ソースドレイン領域22axを自己整合的に形成する。このとき、抵抗体層20xにもn型不純物を注入することにより、n型の抵抗体層20xを形成する。また、p型MISトランジスタ領域1bにおいて、ゲート電極28bをマスクとして、イオン注入法により、活性領域10bに選択的にp型不純物を注入することにより、活性領域10bにおけるゲート電極28bの側方下に浅いp型ソースドレイン領域22bxを自己整合的に形成する。
【0093】
次に、図11(c)に示すように、半導体基板10の上の全面に絶縁膜を形成した後、エッチバック法を用いて絶縁膜をエッチングすることにより、ゲート電極28a及びゲート絶縁膜27aの側面上にサイドウォール絶縁膜21aを形成し、ゲート電極28b及びゲート絶縁膜27bの側面上にサイドウォール絶縁膜21bを形成し、抵抗体層20x及び下部絶縁膜27xの側面上にサイドウォール絶縁膜21xを形成する。サイドウォール絶縁膜21a、21b、21xは、酸化シリコン又は窒化シリコンからなる単層膜又は積層膜であってもよい。その後、n型MISトランジスタ領域1aにおいて、ゲート電極28a及びサイドウォール絶縁膜21aをマスクとして、イオン注入法により、活性領域10aにn型不純物を注入することにより、活性領域10aにおけるサイドウォール絶縁膜21aの外側方下に深いn型ソースドレイン領域22ayを自己整合的に形成する。このとき、抵抗体層20xにもn型不純物を注入することにより、n型の抵抗体層20xを形成する。また、p型MISトランジスタ領域1bにおいて、ゲート電極28b及びサイドウォール絶縁膜21bをマスクとして、イオン注入法により、活性領域10bにp型不純物を注入することにより、活性領域10bにおけるサイドウォール絶縁膜21bの外側方下に深いp型ソースドレイン領域22byを自己整合的に形成する。なお、本実施形態では、抵抗体層20xに対して、浅いn型ソースドレイン領域22axを形成するためのイオン注入、及び深いn型ソースドレイン領域22ayを形成するためのイオン注入を2回実施しているが、どちらか一方のみのイオン注入を実施してもよく、また、上記2回のイオン注入は行なわず、別途n型不純物のイオン注入を実施してもよい。このとき、深いn型ソースドレイン領域22ay及び深いp型ソースドレイン領域22byの不純物を活性化するための熱処理によって、p型MISトランジスタ領域1bの非La含有高誘電体膜14xにのみp型MISトランジスタの調整用金属であるAlがAl含有膜29から拡散されて、Alを含む高誘電体膜(Al含有高誘電体膜)14bが形成される。
【0094】
次に、図12(a)に示すように、例えばCVD法により、半導体基板10の上の全面に、ゲート電極28a、28b、抵抗体層20x及びサイドウォール絶縁膜21a、21b、21xを覆うようにシリコン酸化膜からなる保護絶縁膜23を形成する。
【0095】
次に、図12(b)に示すように、保護絶縁膜23の上に、シリサイド形成領域であるn型MISトランジスタ領域1aにおける活性領域10aの上、及びp型MISトランジスタ領域1bにおける活性領域10bの上に開口を有し、非シリサイド形成領域である抵抗素子領域1xを覆うレジスト膜24を形成した後に、ウェットエッチング法によりシリサイド形成領域の保護絶縁膜23を除去する。これにより、n型MISトランジスタ領域1aではゲート電極28aを含む活性領域10aの上、及びp型MISトランジスタ領域1bではゲート電極28bを含む活性領域10bの上の保護絶縁膜23が除去される一方、抵抗素子領域1xには抵抗体層20xの上を覆うように保護絶縁膜23が残存する。
【0096】
次に、図12(c)に示すように、公知の灰化処理等によりレジスト膜24を除去した後に、サリサイド技術と呼ばれる公知の自己整合的にシリサイドを形成する技術を用いて、ゲート電極28aにおけるシリコン膜20a、深いn型ソースドレイン領域22ay、ゲート電極28bにおけるシリコン膜20b及び深いp型ソースドレイン領域22byの各上部にシリサイド層25を形成する。なお、抵抗素子領域1xにおいては、図示しないが、抵抗体層20xにおけるコンタクト形成領域の保護絶縁膜23を除去して、シリサイド層を形成することも可能である。
【0097】
その後、図7に示すように、半導体基板10の上に、ゲート電極28aを含む活性領域10a、ゲート電極28bを含む活性領域10b及び抵抗体層20xを覆うように層間絶縁膜26を形成する。その後、コンタクトプラグ及び配線を形成する工程に進むが、これらの工程は一般の半導体装置の製造方法であるため説明を省略する。
【0098】
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法によると、n型MISトランジスタのゲート絶縁膜27aにおけるLa含有高誘電体膜14aにはn型MISトランジスタの調整用金属となるLaが含まれているため、適当なしきい値電圧を得ることができる。また、p型MISトランジスタのゲート絶縁膜27bにおけるAl含有高誘電体膜14bにはp型MISトランジスタの調整用金属となるAlが含まれているため、適当なしきい値電圧を得ることができる。さらに、抵抗素子の下部絶縁膜27xにおけるは非La含有高誘電体膜14xには異常成長の原因となるLaが含まれていないため、その上に接して形成するシリコン膜からなる抵抗体層20xの異常成長を防ぐことができるので、安定した抵抗値を得ることが可能な半導体装置を得ることができる。
【0099】
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態では、受動素子である抵抗素子を用いて説明したが、抵抗素子の代わりにフューズ素子、及びゲート電極パターニング時のアライメントマーク等も同様の方法により形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法は、トランジスタに適当なしきい値電圧が与えられると共に、抵抗素子の抵抗体層として用いられるシリコン膜の異常成長を防ぐことにより、抵抗体層の膜厚を安定化することができ、特に、高誘電体からなるゲート絶縁膜を有する半導体装置及びその製造方法等に有用である。
【符号の説明】
【0101】
1a n型MISトランジスタ領域
1b p型MISトランジスタ領域
1x 抵抗素子領域
10 半導体基板
10a、10b 活性領域
11a、11x p型領域
11b n型領域
12 素子分離領域
13、13a、13b、13x 下地絶縁膜
14 高誘電体膜
14A、14a La含有高誘電体膜
14b Al含有高誘電体膜
14X、14x 非La含有高誘電体膜
15 金属マスク膜
16、19、24 レジスト膜
17 La含有膜
18 金属膜
20、20a、20b シリコン膜
20x 抵抗体層
21a、21b、21x サイドウォール絶縁膜
22ax 浅いn型ソースドレイン領域
22ay 深いn型ソースドレイン領域
22bx 浅いp型ソースドレイン領域
22by 深いp型ソースドレイン領域
23 保護絶縁膜
25 シリサイド層
26 層間絶縁膜
27a、27b ゲート絶縁膜
27x 下部絶縁膜
28a、28b ゲート電極
29、29b Al含有膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の上部に形成された素子分離領域によって囲まれた前記半導体基板からなる第1の活性領域、該第1の活性領域の上に形成された第1の高誘電体膜を有する第1のゲート絶縁膜、及び該第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1のゲート電極を有する第1導電型の第1のMISトランジスタと、
前記素子分離領域の上に形成された第2の高誘電体膜、及び該第2の高誘電体膜の上に形成されたシリコンからなる抵抗体層を有する抵抗素子とを備え、
前記第1の高誘電体膜と前記第2の高誘電体膜とは、互いに同一の高誘電体材料を含み、
前記第1の高誘電体膜は、さらに第1の調整用金属を含む一方、前記第2の高誘電体膜は、前記第1の調整用金属を含まないことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極は、前記第1のゲート絶縁膜における前記第1の高誘電体膜の上に接して形成され、
前記抵抗体層は、前記第2の高誘電体膜の上に接して形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体装置において、
前記抵抗体層は、前記素子分離領域の上にのみ形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記抵抗体層の上に形成された保護絶縁膜をさらに備え、
前記第1のゲート電極を含む前記第1の活性領域の上には、前記保護絶縁膜が形成されていないことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極は、前記第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1の金属膜と、該第1の金属膜の上に形成された第1のシリコン膜とを有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート絶縁膜は、前記第1の活性領域の上に形成された第1の下地絶縁膜と、前記第1の下地絶縁膜の上に形成された前記第1の高誘電体膜とを有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極の側面上に形成された第1のサイドウォール絶縁膜と、
前記第2の高誘電体膜及び抵抗体層の側面上に形成された第2のサイドウォール絶縁膜とをさらに備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極の上に形成されたシリサイド層をさらに備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1の調整用金属は、シリコンを異常成長させる金属であることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のMISトランジスタはn型MISトランジスタであり、
前記抵抗体層はn型シリコンからなり、
前記第1の調整用金属はランタンであることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記半導体基板の上部に形成された前記素子分離領域によって囲まれた前記半導体基板からなる第2の活性領域、該第2の活性領域の上に形成された第3の高誘電体膜を有する第2のゲート絶縁膜、及び該第2のゲート絶縁膜の上に形成された第2のゲート電極を有する第2導電型の第2のMISトランジスタをさらに備え、
前記第3の高誘電体膜は、前記第1の高誘電体膜及び第2の高誘電体膜と同一の前記高誘電体材料を含み、且つ、第2の調整用金属を含む一方、前記第1の調整用金属を含まないことを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置において、
前記第2の高誘電体膜は、前記第2の調整用金属を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項11又12に記載の半導体装置において、
前記第2のゲート絶縁膜は、前記第2の活性領域の上に形成された第2の下地絶縁膜と、該第2の下地絶縁膜の上に形成された前記第3の高誘電体膜と、該第3の高誘電体膜の上に形成された前記第2の調整用金属を含む第2の調整用金属含有膜とを有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項11〜13のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第2のゲート電極は、前記第2のゲート絶縁膜の上に形成された第2の金属膜と、該第2の金属膜の上に形成された第2のシリコン膜とを有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
請求項11〜14のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第2のMISトランジスタはp型MISトランジスタであり、
前記第2の調整用金属はアルミニウムであることを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
請求項1〜15のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第2の高誘電体膜は、前記素子分離領域の上に形成された第3の下地絶縁膜を介して形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項17】
請求項1〜15のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第2の高誘電体膜は、前記素子分離領域の上に接して形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項18】
半導体基板の上部に素子分離領域によって囲まれた前記半導体基板からなる第1の活性領域を形成する工程(a)と、
前記工程(a)の後に、前記半導体基板の上に高誘電体膜を形成する工程(b)と、
前記高誘電体膜における前記第1の活性領域の上に位置する部分に選択的に第1の調整用金属を導入することにより、前記第1の活性領域の上に前記第1の調整用金属を含む第1の高誘電体膜を形成する一方、前記素子分離領域の上に前記第1の調整用金属を含まない第2の高誘電体膜を形成する工程(c)と、
前記第1の高誘電体膜及び第2の高誘電体膜の上に金属膜を形成する工程(d)と、
前記第2の高誘電体膜の上の前記金属膜を除去する一方、前記第1の高誘電体膜の上の前記金属膜を残存させる工程(e)と、
前記工程(e)の後に、前記金属膜及び第2の高誘電体膜の上にシリコン膜を形成する工程(f)と、
前記シリコン膜、金属膜、第1の高誘電体膜及び第2の高誘電体膜をパターニングすることにより、前記第1の活性領域の上に前記第1の高誘電体膜を有する第1のゲート絶縁膜、並びに前記金属膜及びシリコン膜を有する第1のゲート電極を形成すると共に、前記素子分離領域の上に前記第2の高誘電体膜を介して前記シリコン膜からなる抵抗体層を形成する工程(g)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項18に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(a)は、前記半導体基板の上部に前記素子分離領域によって囲まれた前記半導体基板からなる第2の活性領域を形成する工程を含み、
前記工程(b)の後で且つ前記工程(c)の前に、前記高誘電体膜における前記第2の活性領域の上に位置する部分の上に第2の調整用金属を含む第2の調整用金属含有膜を形成する工程(g)を有し、
前記工程(c)は、前記第2の活性領域の上に前記第1の調整用金属を含まない第3の高誘電体膜を形成する工程を含み、
前記工程(d)は、前記第3の高誘電体膜の上に前記第2の調整用金属含有膜を介して前記金属膜を形成する工程を含み、
前記工程(e)は、前記第3の高誘電体膜の上に前記金属膜を残存させる工程を含み、
前記工程(g)は、前記シリコン膜、金属膜、第2の調整用金属含有膜及び第3の高誘電体膜をパターニングすることにより、前記第2の活性領域の上に前記第3の高誘電体膜及び第2の調整用金属含有膜を有する第2のゲート絶縁膜、並びに前記金属膜及びシリコン膜を有する第2のゲート電極を形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項18又は19に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の活性領域の上には、前記第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極を有するn型MISトランジスタを形成し、
前記素子分離領域の上には、前記抵抗体層を有する抵抗素子を形成し、
前記第1の調整用金属としてランタンを用いることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−166114(P2011−166114A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245591(P2010−245591)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】