半導体集積回路装置の製造方法
【課題】リモートプラズマクリーニングは、成膜時と異なりプラズマ励起に適合した条件でないため、局所的にプラズマを励起すること自体が困難であり、また、光を使う方法では検出窓の曇りと言うCVDプロセスでは不可避の問題があり、量産工程に適合していない。
【解決手段】これらの問題を解決するための本願発明の概要は反応室においてプラズマを用いて反応ガスを励起して所望の膜を堆積するステップと同反応室にリモートプラズマ励起室で励起されたクリーニングガスを導入して非プラズマ励起雰囲気で同反応室をリモート・プラズマ・クリーニングするステップを繰り返す半導体集積回路装置の製造方法において、容量結合型のプラズマ励起システムにより反応室または反応室の排気のための真空系に局所プラズマを生成し、そのプラズマの電気的特性をモニタすることにより、リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出するものである。
【解決手段】これらの問題を解決するための本願発明の概要は反応室においてプラズマを用いて反応ガスを励起して所望の膜を堆積するステップと同反応室にリモートプラズマ励起室で励起されたクリーニングガスを導入して非プラズマ励起雰囲気で同反応室をリモート・プラズマ・クリーニングするステップを繰り返す半導体集積回路装置の製造方法において、容量結合型のプラズマ励起システムにより反応室または反応室の排気のための真空系に局所プラズマを生成し、そのプラズマの電気的特性をモニタすることにより、リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路装置(または半導体装置)の製造方法におけるCVD技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
日本特開2002−033312号公報(特許文献1)または米国特許6592817号公報(特許文献2)には、プラズマCVD装置のリモート・プラズマ・クリーニングにおいて排気ラインの途中にティー字型アンテナを設け、それによって排気を励起することにより、その発光をモニタしてクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0003】
日本特開08−193271号公報(特許文献3)または米国特許5830310号公報(特許文献4)には、プラズマCVD装置のプラズマ・クリーニングにおいてCVDチャンバの電気的なプラズマモニタによりクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0004】
日本特開2002−270513号公報(特許文献5)には、プラズマCVD装置のクリーニングにおいて、排気をガスセンサによりガス分析することによりクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0005】
日本特開09−143742号公報(特許文献6)または米国特許5902403号公報(特許文献7)には、プラズマCVD装置のクリーニングにおいて排気を圧力モニタすることによりクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0006】
日本特開2002−151475号公報(特許文献8)には、プラズマCVD装置のリモート・プラズマ・クリーニングにおいて、排気ラインの途中を分岐した部分に誘導結合型のプラズマ放電機構を設け、それによって排気を励起することにより、そのプラズマを電気的にモニタしてクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0007】
日本特開2005−033173号公報(特許文献9)または米国特許公開2004−0253828号公報(特許文献10)には、プラズマCVD装置のリモート・プラズマ・クリーニングにおいて、CVDチャンバ内で微弱なプラズマ励起をして、そのプラズマを電気的にモニタしてクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0008】
日本特開2006−210415号公報(特許文献11)には、プラズマ装置において、各種のインピーダンス測定の方法が詳細に開示されている。
【0009】
日本特開2002−057149号公報(特許文献12)または米国特許7201174号公報(特許文献13)には、プラズマCVD装置のリモート・プラズマ・クリーニングにおいてチャンバの下部に局所的プラズマ励起部を設け、その発光をモニタしてクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2002−033312号公報
【特許文献2】米国特許6592817号公報
【特許文献3】特開08−193271号公報
【特許文献4】米国特許5830310号公報
【特許文献5】特開2002−270513号公報
【特許文献6】特開09−143742号公報
【特許文献7】米国特許5902403号公報
【特許文献8】特開2002−151475号公報
【特許文献9】特開2005−033173号公報
【特許文献10】米国特許公開2004−0253828号公報
【特許文献11】特開2006−210415号公報
【特許文献12】特開2002−057149号公報
【特許文献13】米国特許7201174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
一般に半導体集積回路装置または半導体装置の製造工程におけるプラズマCVD工程では、異物の低減や良好な成膜特性を確保するために、単位ウエハ(枚葉式では1枚)を処理するごとに処理室をクリーニング処理(処理室内に被処理ウエハがない状態で)することによって、先行するウエハに対する成膜時に処理室内にできた堆積膜を除去している。このクリーニング処理は、処理室内の電極その他の精密部品を損傷しないように、通常、処理室の外部でNF3等のクリーニングガスをプラズマ励起等して生成したフッ素ラジカル等を処理室に導いて(一般に「リモート・プラズマ・クリーニング」という)、付着した堆積膜を気相反応で除去することにより行われている。このクリーニングのときは、処理室には成膜用の高周波電力が供給されていないので、クリーニングの終点を見るには、局所的にクリーニング雰囲気を励起して、その発光を見るか、局所的に励起したプラズマを電気的に計測することが考えられる。
【0012】
しかし、実際に量産工程に適用すると種々の問題があることが、本願発明者らによって明らかにされた。第1に、成膜時と異なりプラズマ励起に適合した条件でないため、局所的にプラズマを励起すること自体が困難である。第2に、なんとかプラズマ励起ができたとしても、光を使う方法は検出窓の曇りと言うCVDプロセスでは不可避の問題があり、量産工程に適合していない。
【0013】
本発明の目的は、半導体集積回路装置の製造プロセスの量産に適合したリモート・プラズマ・クリーニングにおける終点検出技術を提供することにある。
【0014】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0016】
すなわち、本願発明は反応室においてプラズマを用いて反応ガスを励起して所望の膜を堆積するステップと同反応室にリモートプラズマ励起室で励起されたクリーニングガスを導入して非プラズマ励起雰囲気で同反応室をリモート・プラズマ・クリーニングするステップを繰り返す半導体集積回路装置(又は半導体装置)の製造方法において、容量結合型のプラズマ励起システムにより反応室または反応室の排気のための真空系に局所プラズマを生成し、そのプラズマの電気的特性をモニタすることにより、リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出するものである。
【発明の効果】
【0017】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0018】
すなわち、リモート・プラズマ・クリーニングの終点において、局所的なプラズマを利用するので、リモート・プラズマ・クリーニング自体に測定による擾乱を与えることなく、正確な終点検出が実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
〔実施の形態の概要〕
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
【0020】
1.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程。
【0021】
2.前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第3のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されている。
【0022】
3.前記2項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【0023】
4.前記2または3項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部。
【0024】
5.前記2から4項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0025】
6.前記1から5項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0026】
7.前記6項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0027】
8.前記2から7項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記真空排気系はターボ分子ポンプを有し、前記先端部は前記ウエハ処理室と前記ターボ分子ポンプ間の前記真空排気系内に挿入されている。
【0028】
9.前記4から8項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【0029】
10.前記4から8項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.5%未満である。
【0030】
11.前記4から8項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.3%未満である。
【0031】
12.前記4から8項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.1%未満である。
【0032】
13.前記4から12項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記接地電極部の面積より狭い。
【0033】
14.前記4から13項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部の正面はほぼ平坦である。
【0034】
15.前記4から14項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部は前記接地電極部により囲まれている。
【0035】
16.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程、
更にここで、前記第3のプラズマ励起システムは、モノポール型の励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されている。
【0036】
17.前記16項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【0037】
18.前記16または17項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0038】
19.前記18項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0039】
20.前記16から19項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記真空排気系はターボ分子ポンプを有し、前記先端部は前記ウエハ処理室と前記ターボ分子ポンプ間の前記真空排気系内に挿入されている。
【0040】
21.前記16から20項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部。
【0041】
22.前記16から21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【0042】
23.前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.5%未満である。
【0043】
24.前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.3%未満である。
【0044】
25.前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.1%未満である。
【0045】
26.前記21から25項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記接地電極部の面積より狭い。
【0046】
27.前記16から26項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部の正面はほぼ平坦である。
【0047】
28.前記21から27項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部は前記接地電極部により囲まれている。
【0048】
次に、本願において開示される発明のその他の実施の形態について概要を説明する。
【0049】
29.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの発光をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程、
ここで更に、前記第3のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されており、以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部、
更にここで、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【0050】
30.前記29項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.5%未満である。
【0051】
31.前記29項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.3%未満である。
【0052】
32.前記29項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.1%未満である。
【0053】
33.前記29から32項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【0054】
34.前記29から33項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0055】
35.前記29から34項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0056】
36.前記35項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0057】
37.前記29から36項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記真空排気系はターボ分子ポンプを有し、前記先端部は前記ウエハ処理室と前記ターボ分子ポンプ間の前記真空排気系内に挿入されている。
【0058】
38.前記29から37項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記接地電極部の面積より狭い。
【0059】
39.前記29から38項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部の正面はほぼ平坦である。
【0060】
40.前記29から39項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部は前記接地電極部により囲まれている。
【0061】
41.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)熱CVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、熱CVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記熱CVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第1のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第2のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程。
【0062】
42.前記41項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第2のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されている。
【0063】
43.前記42項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【0064】
44.前記42または43項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部。
【0065】
45.前記44項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0066】
46.前記41から45項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0067】
47.前記46項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0068】
48.前記42から47項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は前記ウエハ処理室と前記真空排気系内の一つ又は複数の真空ポンプの内の前記ウエハ処理室に最も近いポンプ間の前記真空排気系内に挿入されている。
【0069】
49.前記44から48項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【0070】
50.前記44から48項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.5%未満である。
【0071】
51.前記44から48項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.3%未満である。
【0072】
52.前記44から48項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.1%未満である。
【0073】
53.前記44から52項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記接地電極部の面積より狭い。
【0074】
54.前記44から53項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部の正面はほぼ平坦である。
【0075】
55.前記44から54項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部は前記接地電極部により囲まれている。
【0076】
56.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)CVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、CVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、気相クリーニングを実行する工程;
(e)前記気相クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記CVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に導入する工程;
(d2)容量結合型のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記気相クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記気相クリーニングを終了させる工程。
【0077】
57.前記56項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記プラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されている。
【0078】
58.前記57項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【0079】
59.前記57または58項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部。
【0080】
60.前記59項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0081】
61.前記56から60項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0082】
62.前記61項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0083】
63.前記57から62項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は前記ウエハ処理室と前記真空排気系内の一つ又は複数の真空ポンプの内の前記ウエハ処理室に最も近いポンプ間の前記真空排気系内に挿入されている。
【0084】
64.前記59から63項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【0085】
65.前記59から63項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.5%未満である。
【0086】
66.前記59から63項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.3%未満である。
【0087】
67.前記59から63項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.1%未満である。
【0088】
68.前記59から67項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記接地電極部の面積より狭い。
【0089】
69.前記59から68項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部の正面はほぼ平坦である。
【0090】
70.前記59から69項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部は前記接地電極部により囲まれている。
【0091】
71.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程、
ここで更に、前記第3のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記真空排気系内に挿入されており、以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部、
更にここで、前記励起電極部の励起電極寸法比は、50%以下である。
【0092】
72.前記71項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、30%以下である。
【0093】
73.前記71項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、20%以下である。
【0094】
74.前記71から73項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0095】
75.前記71から74項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0096】
76.前記75項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0097】
77.前記71から76項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部の前記先端部は前記排気配管の中央部またはその付近にある。
【0098】
78.前記71から77項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は同軸型である。
【0099】
79.前記71から78項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は無声放電によりプラズマを励起する。
【0100】
80.前記71から79項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記工程(d)は更に以下の下位工程を含む:
(d5)前記下位工程(d1)から(d3)の前に、前記励起アンテナ部の前記先端部の周辺に不活性ガスを流しながら、前記第3のプラズマ励起システムによってプラズマを励起することにより、前記先端部をクリーニングする工程。
【0101】
81.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマをモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程、
ここで更に、前記第3のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記真空排気系内に挿入されており、以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部、
更にここで、前記励起電極部の励起電極寸法比は、50%以下である。
【0102】
82.前記81項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、30%以下である。
【0103】
83.前記81項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、20%以下である。
【0104】
84.前記81から83項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0105】
85.前記81から84項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記局所的なプラズマをモニタは、前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量をモニタすることによって行われる。
【0106】
86.前記85項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0107】
87.前記81から86項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部の前記先端部は前記排気配管の中央部またはその付近にある。
【0108】
88.前記81から87項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は同軸型である。
【0109】
89.前記81から88項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は無声放電によりプラズマを励起する。
【0110】
90.前記81から89項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記工程(d)は更に以下の下位工程を含む:
(d5)前記下位工程(d1)から(d3)の前に、前記励起アンテナ部の前記先端部の周辺に不活性ガスを流しながら、前記第3のプラズマ励起システムによってプラズマを励起することにより、前記先端部をクリーニングする工程。
【0111】
91.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)CVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、CVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、気相クリーニングを実行する工程;
(e)前記気相クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記CVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に導入する工程;
(d2)容量結合型のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記気相クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記気相クリーニングを終了させる工程、
ここで更に、前記プラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されており、以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部、
更にここで、前記励起電極部の励起電極寸法比は、50%以下である。
【0112】
92.前記91項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、30%以下である。
【0113】
93.前記91項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、20%以下である。
【0114】
94.前記91から93項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0115】
95.前記91から94項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0116】
96.前記95項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0117】
97.前記91から96項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部の前記先端部は前記排気配管の中央部またはその付近にある。
【0118】
98.前記91から97項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は同軸型である。
【0119】
99.前記91から98項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は無声放電によりプラズマを励起する。
【0120】
100.前記91から99項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記工程(d)は更に以下の下位工程を含む:
(d5)前記下位工程(d1)から(d3)の前に、前記励起アンテナ部の前記先端部の周辺に不活性ガスを流しながら、前記プラズマ励起システムによってプラズマを励起することにより、前記先端部をクリーニングする工程。
【0121】
〔本願における記載形式・基本的用語・用法の説明〕
1.本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数の部分に分けて記載する場合もあるが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しを省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
【0122】
2.同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、A以外の要素を主要な構成要素のひとつとするものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。同様に、「酸化シリコン膜」と言っても、比較的純粋な非ドープ酸化シリコン(Undoped Silicon DioxideまたはNon-Doped Silicate Glass)だけでなく、FSG(Fluorosilicate Glass)、TEOSベース酸化シリコン(TEOS-based silicon oxide)、SiOC(Silicon Oxicarbide)またはカーボンドープ酸化シリコン(Carbon-doped Silicon oxide)またはOSG(Organosilicate glass)、PSG(Phosphorus Silicate Glass)、BPSG(Borophosphosilicate Glass)等の熱酸化膜、CVD酸化膜、SOG(Spin ON Glass)、ナノ・クラスタリング・シリカ(Nano-Clustering Silica:NSC)等の塗布系酸化シリコン、これらと同様な部材に空孔を導入したシリカ系Low-k絶縁膜(ポーラス系絶縁膜)、およびこれらを主要な構成要素とする他のシリコン系絶縁膜との複合膜等を含むことは言うまでもない。
【0123】
3.同様に、図形、位置、属性等に関して、好適な例示をするが、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、厳密にそれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0124】
4.さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
【0125】
5.「ウエハ」というときは、通常は半導体集積回路装置(半導体装置、電子装置も同じ)をその上に形成する単結晶シリコンウエハを指すが、エピタキシャルウエハ、絶縁基板と半導体層等の複合ウエハ等も含むことは言うまでもない。
6.「真空ポンプ」というときは、ドライポンプ、メカニカル・ブースター、ターボ・分子ポンプ、クライオ・ポンプなどを含む。
7.「排気系に」というときは、特にそうでない旨明示した場合、明らかにそうでない場合のほか、真空排気系の主排気路上のみに限定されるものではなく、そのバイパス、そこから分離、分留した分岐路なども含むものとする。
【0126】
〔実施の形態の詳細〕
実施の形態について更に詳述する。各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
【0127】
(実施の形態)
1.本実施の形態に使用する装置等の説明(主に図1から5)
図1により、本実施の形態に使用するリモートプラズマクリーニング機構100を有する誘導結合型(Inductively Coupled)プラズマCVD装置101(いわゆる高密度プラズマ炉に分類される)の構成を説明する。なお、本願発明は、熱CVD装置を用いたものでも適用できるし、プラズマ励起を用いないクリーニングを行うものにも適用できることは言うまでもない。
【0128】
図1において、まず、成膜時の各部の動作や働きを説明する。300φ単結晶シリコンウエハ等の被処理ウエハ1(第1のウエハ)は成膜処理室52内の下部電極54(静電チャックでありウエハサセプタでもある)に置かれる。下部電極54はバイアス電源95に接続されている。所定の真空度で反応ガス(通常、その他の添加ガスを含む)がトップ側成膜反応ガス供給口97aおよびサイド側成膜反応ガス供給口97b,97cから供給され、成膜用プラズマ励起システム102のRF電源56からマッチング・ボックス57を介してRF電力が励起コイル96a,96bに供給されると、誘導結合によりプラズマが生成され、それによって成膜反応が進行する。成膜は終わると、処理済のウエハ1は炉外へ出される。そのまま、次のウエハ1(第2のウエハ)を導入して処理をすると、先のウエハと同質の膜を形成することは一般に困難である。すなわち、先のウエハを処理したと同様な炉内の条件すなわち、炉内付着膜の状態を先のウエハを処理したときと同様の状態(初期状態)に戻してやる必要がある。これをクリーニングと呼ぶ。ただし、以下の図6に示す例では、真空度が比較的高い関係か、最初の成膜処理前には若干初期堆積物が付いた状態のほうがプロセスが安定化するようであり、上記の説明はロットの2番目以降のウエハについて、より正確に当てはまる。
【0129】
クリーニングを行うには、まず、先の成膜雰囲気をウエハ処理室用真空排気系103(一般にドライポンプまたはターボ分子ポンプをメインポンプとして処理室52の近傍に持っている)によって排気する。その後、リモート・プラズマ励起システム104のリモート・プラズマ発生室100において、プラズマ励起によりクリーニングガス(たとえばNF3などのフッ素含有無機ガス等を含むガス、フッ素含有有機系ガスでもよい)のラジカルを発生させて、それをウエハ処理室52(ウエハは収容されていない)に移送する。そうするとクリーニング反応が進行して、ウエハ処理室52が初期状態に戻る。このクリーニングの際、ウエハ処理室52を正確に初期状態に戻すためのクリーニング時間はその時々で変化する。したがって、毎回、ウエハ処理室内に付着した生成物がほぼ除去された時点を終点として検出して、クリーニングを終了する必要がある(後に示すように、必ずしも必須ではない)。これが、クリーニングの終点検出である。
【0130】
次にクリーニングの終点検出の方法を説明する。真空排気系103に終点検出用プラズマ励起システム70(終点検出用局所プラズマ励起&モニタシステム)を連結する(成膜室52内に設けてもよい)。すなわち、真空排気系103の排気流路壁55(金属製で接地されている)に励起アンテナ部71の先端部99が挿入されており、この励起アンテナ部71には、マッチングボックス73を介して、RF電源74からRF電力が供給される。そうすると、先端部99の正面部で局所的なプラズマが発生する。このプラズマの電気的な特性を高電圧モニタ72(プラズマ・インピーダンス・モニタ)で観測する。また、このように局所的プラズマであるために、励起アンテナ部71は処理室内励起アンテナ部71aのように、処理室52内に設けることもできる。
【0131】
クリーニングの終点は、プラズマ電圧等のモニタを用いるほか、分光器58で観測窓98を透過してきた局所的なプラズマの発光をモニタすることによっても可能である。また、プラズマ電圧等モニタによる終点検出の校正用として用いることもできる。発光のほうが一般に終点検出感度は高いが、量産的には窓の曇り等の問題がある。
【0132】
クリーニングを終了すると、次のウエハ1(第2のウエハ)をウエハ処理室52に導入して、先のウエハと等価な成膜処理を実行する。このようにして、ロット単位のウエハが全部処理完了するまで成膜・クリーニングの繰り返し、すなわち成膜・クリーニング循環プロセスを実行する。ロットの処理が完了したら、ロット前処理を実行し装置の状態を整える(図6または図15参照)。
【0133】
次に、図2に基づいて励起アンテナ部71(容量結合型)の詳細構造を説明する。図2(a)は真空排気系103(排気流路)内側から見た正面図であり、図2(b)はA-A断面図である。励起電極部81(モノ・ポール・アンテナのドライブ電極を構成する)が電極間絶縁体83を介して接地電極部82に取り巻かれており、接地電極部82は排気流路壁55に連結されている。それぞれの部分はフランジ部でOリング86a,86b,86cを介して、シールされている。励起電極部81のドライブ電力はメタル・キャップ111で保持された高周波同軸コネクタ112から供給される(短波域13.56MHzまたは中波域400KHzが着火性、放電安定性の面から好適であるが、ACや直流電力も回路が簡単になるメリットがある)。ここに電力が供給されると励起アンテナ部71の先端部99の近傍に局所プラズマ85が発生する。先端部99の同心円の直径は、励起電極81、電極間絶縁体83、接地電極部82の各同心円外周の直径は、順にたとえば4ミリメートル、8ミリメートル、32ミリメートルである。そうすると励起電極の正面部分の露出面積(Sc)は約12.6平方ミリメートルで、接地電極部の先端部分99正面の露出面積(Sg)は約754平方ミリメートルであり、Sc/Sg=1.7%の関係(すなわち、ScはSgよりも小さい)となる。すなわち、ScはSgと比較して十分に小さい。これを非処理ウエハの単位主面の面積と比較する。200φウエハの主面の面積(S2)は約3,140平方ミリメートルである。300φウエハの主面の面積(S3)は約70,700平方ミリメートルである。Sc/S2は約0.4%であり、Sc/S3は約0.02%である。Scが小さいほど、プラズマは局所的になり、その結果、炉体に与える影響も小さくなり、励起電力も小さくすることができる。したがって、これらを対ウエハ面積(Sc/S2、Sc/S3)とすると、プラズマを局所的にするためには対ウエハ面積1%未満が望ましい。更にプラズマを十分に局所的にするためには対ウエハ面積0.5%未満が望ましい。また、励起電力を抑えたり、DC駆動を考えると0.3%未満が望ましい。更に、十分に励起電力を抑えるためには、0.1%未満が望ましい。このように、容量結合型であるために、誘導結合型等に比較して、微細な電力で、局所的にプラズマを励起することができる。これは、比較的厚い絶縁物で被励起領域が囲まれた誘導結合型と異なり、被励起領域と直接又は薄い誘電体を介して、比較的直接的に(物理的にはプラズマと励起電極間にできる容量を介して)結合しているからである。また、励起電極を微細にすることで励起されるプラズマの局在領域をきわめて狭い領域に限定することができる。また、微細な領域にプラズマが集中するので、局所プラズマが立つ部分に堆積物が堆積しないメリットがある。また、先端部分が平坦で、周辺の管壁とほぼ平坦な面を形成しているので、排気動作を邪魔しないばかりでなく、反応性ガスによるアタックも受けにくいメリットがある。
【0134】
図3に基づいて終点検出用局所プラズマ励起&モニタシステム70の構成の概要を説明する。このようなプラズマ・インピーダンス・モニタは高電圧プローブ72等として市販されており、一般に励起アンテナ部71(放電プローブ)とマッチングボックス73等の間の測定ノード124に接続して使用される。なお、測定ノード124に電流プローブ用のカレント・トランスフォーマを設置して、電流プローブ121でIpp(プラズマ電流)を測定するようにしてもよい。この場合は、測定ノード124での結合が電磁誘導結合で間接的なため、測定による局所プラズマへの影響が小さいメリットがある。これらのプローブ回路から得られた信号は、信号処理部123で処理されて、Vpp(プラズマ電圧)、Ipp(プラズマ電流)、Vdc(自己バイアス電圧)またはそれらに対応するアナログあるいはデジタル信号として、CVD装置制御系に出力される。なお、測定ノード124での単一周期内の電圧の最大値、最小値をVmax,Vminとすると、各プラズマに関する電気的パラメータ間にはVpp=Vmax−Vmin(関係1)、Vdc=(Vpp/2)−Vmin等の関係がある。従って、いずれか一つを見て、適宜、信号処理部122で所望のパラメータに変換してもよい。なお、自己バイアス電圧は、プラズマ電圧およびプラズマ電流よりも終点付近の変化がクリアである(図4参照)。これは局所プラズマ内のガスの状況をより直接的に反映しているためである。
【0135】
図4に基づいて、クリーニングの終点検出の原理を説明する。同図において、終点付近で両電圧ともに一定値に収束しているのがわかる。また、このことは分光器58によるフッ素と窒素の強度分布の時間変化でも同様に確認される(発光強度が急速に一定値に収束)。ここでは、自己バイアス電圧またはプラズマ電圧(プラズマ電流を含む)を測定する例を具体的に説明したが、基本的にはプラズマインピーダンスに対応して変化する物理量すなわち、インピーダンス自体、電圧(Vdc,Vpp)、電流等のいずれかを測定することで、終点を決定することができる。なお、必要に応じて、発光によっても終点を検出できることは言うまでもない。
【0136】
図5にリモート・プラズマ・クリーニングの際の放電プローブ・クリーニングを説明するためのタイムチャートを示す。放電プローブ71の先端部は、使用しておれば自然にクリーニングされるが、以下のような処理をすると、プローブ特性(着火性、放電安定性)を向上させる効果がある。同図に示すように、反応室52のクリーニングの際には、リモート・プラズマ生成室100と放電プローブ71でプラズマが励起される。反応室52では終始プラズマ励起は行われない。リモート・プラズマ生成室100と放電プローブ71でプラズマが励起されている状態で、不活性ガスを主要な成分とするガス、たとえばアルゴンガス(アルゴンを主要な成分とするガス)が反応室52およびリモート・プラズマ生成室100に流されて、そのガス流は放電プローブ71の近傍を通過して排気される。この際、放電プローブ71の先端部分99がクリーニングされる。その後、クリーニングガスを含むガスが流されて、反応室52のクリーニングが行われる(図5では表示の都合上、終点検出後もクリーニングを継続しているかのように示されているが、実際のリモート・プラズマ・クリーニングでは終点検出時点で自動的にクリーニング・シーケンスが終了することとなる)。この放電プローブ・クリーニングは通常、リモート・プラズマ・クリーニングの前のアルゴンパージ(5から10秒)中に実行してもよい(通常放電プローブ・クリーニング)。また、その時間を20から50秒程度、たとえば40秒(強化放電プローブ・クリーニング)とすると、放電プローブ71の先端の状態を大幅に回復することができる。したがって、ほぼ毎回(枚葉)通常放電プローブ・クリーニングを実行して、数度に一度、またはロットごとに、強化放電プローブ・クリーニングを実行してもよい。もちろん毎回、実行してもよい。ただし、電極の消耗に留意する必要がある。
【0137】
2.素子分離工程に適用したプロセスの説明(主に図6から10)
図6から図10により、STI(Shallow Trench Isolation)型の素子分離工程の素子分離溝埋め込み工程に適用したプロセスの説明を行う。この素子分離溝埋め込み工程はHDP-CVD法(High Density Plasma CVD)によって実施される。プラズマ炉としては、図1に説明した枚葉式のICP型の高密度プラズマCVD炉を用いる。この方式では一般に0.27Paから1.3Pa程度の真空領域が用いられる。反応ガスは一般にモノシランである。
【0138】
このHDP-CVDの装置運用手順を図6により説明する。まず、最初に装置のクリーン度を所定のレベルまで引き上げるためプリクリーニング工程31(被処理ウエハがない状態で)を実行する。次に処理室52の内面やその他部分に酸化膜を堆積するプリコート工程32(被処理ウエハがない状態で)を実行する。続いて、ウエハ1(第1のウエハ)を処理室52のウエハ・ステージ54にセットした状態で成膜処理33を実行する。成膜が完了するとウエハ1を処理室52の外に排出する。その後、処理室52の中に被処理ウエハがない状態で、リモート・プラズマ・クリーニング工程34を実行する。その後、先と同様にウエハ1(第2のウエハ)を処理室52のウエハ・ステージ54にセットした状態で先と同じ成膜処理33を実行する。その後は、所定のロットに属するウエハ全体の処理が完了するまで、リモート・プラズマ・クリーニング工程34および成膜処理33を繰り返す(成膜・クリーニング循環工程)。所定のロットに属するウエハ全体の処理が完了すると、次のロットを処理する前に、プリクリーニング工程31およびプリコート工程32を実行して、成膜・クリーニング循環工程に入る。なお、条件によっては、プリクリーニング工程31およびプリコート工程32の実行順序を逆にしてもよい(図15参照)。
【0139】
図6の成膜工程33を図7から10により詳しく説明する。図7は素子分離溝形成工程のデバイス断面図である。窒化シリコン膜2を対ドライエッチングマスクとしてシリコン・ウエハ(基板)1に素子分離溝3が形成される。
【0140】
図8は素子分離溝埋め込み工程を示す。先の素子分離溝3がCVDシリコン酸化膜4により、埋め込まれている(CVDプロセス1;HDP-CVD-1)。
【0141】
図9はCMP工程完了時のデバイス断面図である。ここでは素子分離溝3外のCVDシリコン酸化膜4が除去されている。
【0142】
図10は窒化シリコン膜除去工程を示す。ここでは、ウエット・エッチングによって、窒化シリコン膜2が除去される。
【0143】
3.アルミニウム配線工程に適用したプロセスの説明(主に図11から14)
セクション2で説明したクリーニング終点検出手法およびHDP-CVDの装置運用手順(図6)は、ほぼ同様にアルミニウム配線工程のILD膜(Inter-Layer Dielectric)形成のためのHDP-CVD等に適用できる。
【0144】
図11から図14によりILD膜形成工程を説明する。図11はアルミニウム配線パターニング工程のデバイス断面図である。下層のILD膜19上に形成されたアルミニウム配線は中間のアルミニウム合金層5と上下のTiN等のバリア・メタル層6からなる。一般に、アルミニウム配線パターニングはレジスト膜を対エッチング・マスクとしてドライ・エッチングで行われる。
【0145】
図12はHDP-CVD膜14の成膜(CVDプロセス2;HDP-CVD-2)の完了の状態を示す。その上に、図13に示すようにTEOS(Tetraethyl-orthosilicate)を用いたプラズマCVDシリコン酸化膜、すなわちP-TEOS SIO2膜7が形成される(CVDプロセス3;P-TEOS-1)。その後、CMPによる平坦化処理が施される。更に、CMP処理の後に50から100nm程度の薄いP-TEOS SIO2膜等が形成されることもある(CVDプロセス4;P-TEOS-2)。なお、これらのCVDプロセスにも、先と同様なクリーニング終点検出手法および装置運用手順(図6)が適用できる。図14は層間CMPプロセス完了時のデバイス断面図である。
【0146】
P-TEOSプロセスは一般に図1に示した炉と類似するが若干形式の異なった枚葉プラズマ炉(高密度型ではない)を用いて行われる。用いられる圧力領域は一般に67Paから2000Paである。
【0147】
4.プリ・メタル工程に適用したプロセスの説明(主に図15から19)
図15から図19により、プリ・メタル絶縁膜形成工程のNSG膜(Non-Doped silicate glass film)すなわちノン・ドープ・シリコン酸化膜の形成を大気圧(Atmospheric)すなわち1.0X105Pa前後、または準大気圧(Sub-Atmospheric)下で(約2,700Paから80,000Pa)のオゾンおよびTEOS(Tetraethyl-orthosilicate)を用いた熱CVD(Thermal CVD)により実行する場合について説明する(いわゆるオゾンTEOSシリコン酸化膜)。この場合の真空排気系は一般に単一ポンプ構成でメカニカル・ドライポンプをメインポンプとしている。一般に、大気圧下のものをAP-CVD(Atmospheric CVD)と呼び、準大気圧のものをSA-CVD(Sub-Atmospheric CVD)と呼ぶ。前者には一般にバッチ炉が、後者には図1に説明したものに類似した(プラズマ炉ではないが)枚葉炉が使用される。以下の説明は枚葉炉の場合を具体的に説明する。
【0148】
図15に先の図6と同様な装置運用手順の一例を示す。先の図とは、プリコート41とプリクリーニング42の順序が逆であるが、成膜工程43とクリーニング工程44は詳細条件以外は、ほぼ同様である。前処理の順序等はプロセスや装置の特性によって、適宜変更すればよいので、説明の繰り返しは避ける。以下図16から図19により、プロセスの詳細を説明する。
【0149】
図16はゲート電極パターン関係時のデバイス略断面図である。ゲート電極部分9とその周りの基板1の第1の主面(デバイス面)にソース又はドレイン領域8が形成されている。
【0150】
図17はNSG−CVD膜10を形成した後の断面構造である(CVDプロセス5;O3-TEOS-1)。図18はその上に同様の熱CVDによりBPSG膜11(Borophosphosilicate Glass Film)を形成したときのデバイス断面である(CVDプロセス6;O3-TEOS-2)。この場合、プロセスガスは一般にTMP(Trimethylphosphite),TEPO(Triethylphosphate),TMB(trimethylborate),TEB(Triethylborate)等が使用される。図19は更にその上に先と同様のP-TEOS SIO2膜12を形成(CVDプロセス7;P-TEOS-3)した後、プリ・メタル絶縁膜13に対するCMP完了時のデバイス断面を示す。
【0151】
5.対象デバイスの例示的な断面構造の説明(主に図20)
図20はセクション2から4に説明したプロセスおよび手法を適用して製造された4層アルミニウム配線を有するMOSまたはMIS型の半導体集積回路装置の一例を示す断面図である。アルミニウム配線間はTiN等からなるバリア・メタル層16で囲まれたタングステン・プラグ15によって接続されている。最上層の膜17はプラズマ・シリコン・ナイトライド等からなるファイナル・パッシベーション膜(CVDプロセス8;P-SiN-1)である。
【0152】
6.各CVDプロセスに対する反応室クリーニングおよび、その終点検出等の適用
セクション1に説明したクリーニング終点検出手順は、CVDプロセス1から8に適用できる。その際の装置の前処理は、CVDプロセス1から2については、セクション2の図6に説明したものに相当するものとなり、CVDプロセス3から8については、セクション4の図15に説明したものに相当するものとなる。なお、この装置前処理は、ロット(たとえば25枚とか12枚等)ごとに行っているが、量産上のロット単位にかかわらず、適切な枚数ごと(変動数、不定数を含む)に実施するようにしてもよい。
【0153】
また、プロセスの安定度が確保できる場合には、通常の反応室クリーニングを毎ウエハ処理ごとに行うことは必ずしも必須ではない。プロセスの安定度に基づいて、枚葉処理については、1枚ごと、2枚ごと、3枚ごと、4枚から12枚の適切な枚数ごと、またはロットごとに行うようにしてもよい。
【0154】
7.平板型励起アンテナ部の説明(主に図21から24)
励起アンテナ部71としては各種の形態が考えられる。以下、図21から図34により、励起アンテナ部71のバリエーションの説明をする。まず、図21から24により、先に図2で示した平板型の励起アンテナ部の各種バリエーションを説明する。
【0155】
まず、図2に説明したものと同等の形式(21図の例)を他との比較のために説明する。これでは先端部99の正面(装置の内側から見たときの)は、周辺の管壁まで含めてほぼ平坦であり、かつ、比較的微小な面積の励起電極部81は比較的広い接地電極部82により取り囲まれている。このような構造から、この局所プローブでは、ほとんど主排気配管壁と一体となっているので、構造が簡単で、耐久性があり、排ガス流速が小さいので不所望な堆積物も付きにくい。また、排気配管のコンダクタンスを下げることもほとんどない。一方、排ガス流速が小さいので反応室の情報の取得感度が若干落ちるという問題がある。これは、励起電極部が小さく、周辺に比較的大きな接地電極部があるので、励起されたプラズマが厚さが薄く、接地電極部面に沿って引き延ばされやすいので、相当の強力な電力を印加しても、プラズマが排気配管の中心部(ここでは、排気配管の内径を50ミリ・メートルとして説明する。以下同じ)まで伸びないためである。これらの長所・短所は平板型に基本的に共通している。
【0156】
図22の例は、励起電極部81が接地電極部82の正面から若干突出した点に特徴がある。これにより、着火性、放電の安定性の改善が見込まれるが、電極自体の耐久性(励起電極部の消耗が見られる)等の問題がある。
【0157】
図23の例は、逆に、励起電極部81が接地電極部82の正面から若干埋没した点に特徴がある。効果としては、図22のものとちょうど反対になる。すなわち、励起電極部の消耗は少ないが、着火性や放電の安定性に若干問題がある。
【0158】
図24の例は、基本的に図22と同じであるが、突出した励起電極部81を覆うように、電極間絶縁部83および接地電極部82の一部が同軸ケーブル様に(10ミリメートル程度)突出した励起電極部81と同じ高さまで立ち上がったものである(突出の程度以外は図25の同軸型とい同じ)。これにより、平板型とセクション8に説明する同軸型の中間的な特性を示す。
【0159】
8.同軸型励起アンテナ部の説明(主に図25から27)
図25から27は、同軸ケーブル型の励起アンテナ部の各例である。図25の例は、典型的な同軸タイプである。平板型と比較すると、排気配管の間壁から内部へ向けて15から20ミリメートル以上突出している(望ましくは、プローブの先端、すなわち、励起電極表面が排気配管の中心線上又はその近傍にある)。他の寸法は先の平板型とほぼ同じであるが、同軸の周辺電極(シールド)の厚さは、たとえば0.5ミリメートルである(プローブ先端部の直径は10ミリ・メートル程度である)。この長所は、排気流速の早い排気配管の中心軸の近傍にプラズマが生成するので、成膜反応室52の情報を得やすいことである。また、排気配管の内壁から遠いので、そこに堆積した堆積物からの情報を拾うことがないので、純粋に成膜反応室52の情報を収集することが可能となる。更に、接地電極部が薄いので、プラズマがあまり広がらないので、排気配管の中心軸の近傍を流れるガスに限定した情報を得る点で有利である。一方、堆積物が付きやすい。電極の消耗が見られる。排気の流れを若干阻害する。平板型と比較して若干作りにくい等の短所も見られる。これらの長所・短所は同軸型に基本的に共通している。
【0160】
図26の例は、励起電極部81が接地電極部82の正面から若干突出した点に特徴がある。これにより広い圧力範囲で着火性がよい。すなわち、比較的低い励起電力で安定したプラズマが励起可能である。しかし、ガス流の早い部分に電極が突出している分、電極の消耗が比較的激しいという問題がある。
【0161】
図27の例は、逆に、励起電極部81が接地電極部82の正面から若干埋没した点に特徴がある。これは、先の逆で、電極の消耗は同軸型の割には少ないが、着火性に若干問題がある。
【0162】
9.その他のタイプの励起アンテナ部の説明(主に図28から34)
その他のタイプの励起アンテナ部の構造を図28から34に示す。
【0163】
図28の例は、励起電極部81と接地電極部82の間の電極間絶縁部をほぼ取り除いた点に特徴がある。このメリットは着火性がよいこと、構造的に作りやすいことである。反面、堆積物が内部にたまると信号がとりにくいこと、狭い電極間で放電するため、反応室2とは、あまり関係のない放電プローブの電極間領域の情報を集めることになる等のデメリットがる。
【0164】
図29の例は、励起電極部81が接地電極部82がパラレル・ラインになっているところに特徴がある。同軸ではないので作りやすいメリットがある。反面、着火性が悪く、プラズマも変形したものとなるので、排気配管中央部のデータを安定に収集する目的では不利である。
【0165】
図30の例は、基本的に図21のものと同じであるが、励起電極部81の先端部が薄い絶縁部材91(たとえば100から200マイクロメータ程度の厚さのアルミナセラミックス、チタニア)によって被覆されているところに特徴がある(無声放電型)。これは、電極の消耗がほとんどない特徴がある。また、印加電力が低周波(DC、ACから100KHz程度)でも、放電が可能である。一方、印加電圧は若干高くなる傾向にある。また、同軸型の各放電プローブの励起電極部に同様のコーティングを施すと、それら固有の効果とともに、ここに説明したように無声放電(コロナ放電、沿面放電を含む)特有の効果が得られる。更に、その他の各放電プローブに適用しても同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0166】
図31の例は、基本的に図25の例と同じであるが、先端部99に磁界がかけられているところに特徴がある(磁場印加方式)。着火性がよく、低電圧で動作可能であり、放電安定性が同軸型、平板型よりもよい。電圧の経時変化も少ない。ただし、排気を阻害する可能性が高い。堆積物が付着しやすい。構造が複雑で製作に手間がかかり、費用も比較的大きい。印加電力が低周波(DCから100KHz程度)では、放電が不安定になる可能性がある等である。
【0167】
図32の例は、平行平板型(たとえば円板状で直径25ミリメートル以下、電極間隔5ミリメータ以下たとえば1ミリメートル程度)である。構造が簡単で、着火性、放電安定性はよい。印加電力が低周波(DC、ACから100KHz程度)でも、放電が可能である。しかし、排気を阻害する可能性が高い。堆積物が付着しやすい。
【0168】
図33の例は、カソード・フォロア型である点にある。サイズおよび特徴は図32とほぼ同じである。
【0169】
図34の例は、マイクロは励起のモノ・ポール型である点に特徴がある。先端はたとえば直径40ミリメートル程度の円板状で、ロッド部の径は10ミリメートル程度である。着火性、放電安定性もよく、広い圧力範囲で放電可能である(特に低圧域で安定性高い)。また、印加電力が低周波(DCから100KHz程度)でも、放電が安定である。しかし、排気を阻害する可能性が高い。堆積物が付着すると放電特性が変化しやすい。構造が複雑で高価ある。
【0170】
10.放電プローブ先端部についての留意点
以上説明した放電プローブ先端部については、以下の点に留意する必要がある。生成される観測用局所プラズマの直径または差し渡し寸法は励起電極の直径または長手方向の差し渡し寸法(「励起電極寸法」という)に第一義的に依存する。したがって、できるだけ排気配管(ここでは先の説明と同様に放電プローブ近傍の排気配管の内径すなわち「排気配管寸法」を50ミリメートルの場合を例にとる)の中央部を流れるガスをのみを励起することが、反応室(成膜質)のクリーニング状況を正確に把握する上で、望ましい。そのためには、排気配管の中央部に励起電極がある場合には、排気配管内壁にプラズマの周端部がとどかないように、励起電極寸法比(励起電極寸法/排気配管寸法)を50%以下(図25を同軸型の例にとると放電プローブ先端部の励起電極の直径25ミリメートル以下)とする必要がある。流速が早い排気配管の中央部のみの情報を取得するためには、30%以下(図25を例にとると放電プローブ先端部の励起電極の直径15ミリメートル以下)とすることが望ましい。更に、流速が早い排気配管の中央部のみの情報を高精度かつ高いレスポンスで取得するためには、20%以下(図25を例にとると放電プローブ先端部の励起電極の直径10ミリメートル以下)とすることが望ましい。
【0171】
ここでの励起電極寸法比に関する説明は、放電プローブ先端部が排気配管の間壁近傍にある場合にも、ほぼ同様に当てはまる。これは、図2や図21(平板型)のように放電プローブ先端部が排気配管の間壁近傍にある場合、一般に局所プラズマの横方向の広がりは、接地電極によりある程度制限されるので、主に放電プローブの軸方向の局所プラズマの広がりが問題となるからである。すなわち、排気配管の対向する内壁(プラズマの揺らぎを考慮すると斜め前方の内壁も含む)に届かないことが重要だからである。壁部分に届くと、現在とは時間差のある過去の時点における堆積物の情報をノイズとして拾うことになるからである。
【0172】
以上のことは、放電プローブ先端部を排気配管内に設置した場合のほか、成膜室52内に設置した場合にも当てはまる。この場合は、局所プラズマが大きすぎると、検出精度にも影響を与えるほか、クリーニング特性や成膜室それ自体へも悪影響を及ぼす恐れがある。
【0173】
11.サマリ
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0174】
例えば、前記実施の形態ではシリコン酸化膜のCVDプロセスを主体に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、SiNその他の絶縁膜、タングステンその他のメタル膜、チタン・ナイトライドその他のメタル窒化物膜、酸化ルテニウムその他のメタル酸化膜等のCVDプロセスへも適用できることは言うまでもない。
【0175】
また、前記実施の形態ではリモートプラズマ(クリーニングガスはNF3)によるクリーニング終点に関して説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、プラズマ励起しないクリーニングガス(ClF3など)を処理室に導いて、クリーニングをするものにも適用できることは言うまでもない。
【0176】
また、プラズマ炉の形式については、ICP型(Inductively Coupled Plasma furnace)の枚葉炉(Single Wafer Processing Furnace)を例にとり詳しく説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、サイクロトロン型や平行平板型のものにも適用できることは言うまでもない。また、非プラズマで成膜を行う熱CVD炉やバッチ方式のCVD炉にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置の模式側断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の局所プラズマ励起アンテナ部の模式側断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の局所プラズマの電気的特性モニタ回路の回路図である。
【図4】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスにおけるクリーニング終点検出方法の原理を示す測定図である。
【図5】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスにおけるリモート・プラズマ・クリーニングの際の放電プローブクリーニングを説明するためのタイムチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例を示す装置処理フロー図である。
【図7】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例である素子分離工程の内の素子分離溝形成工程を表すデバイス断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例である素子分離工程の内の素子分離溝埋め込み工程を表すデバイス断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例である素子分離工程の内の素子分離CMP工程を表すデバイス断面図である。
【図10】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例である素子分離工程の内の窒化シリコン素子分離パターニング膜除去工程を表すデバイス断面図である。
【図11】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例であるアルミニウム配線工程の内の配線パターン形成工程を表すデバイス断面図である。
【図12】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例であるアルミニウム配線工程の内の配線パターン埋め込み工程1を表すデバイス断面図である。
【図13】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例であるアルミニウム配線工程の内の配線パターン埋め込み工程2を表すデバイス断面図である。
【図14】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例であるアルミニウム配線工程の内の配線層間絶縁膜CMP工程を表すデバイス断面図である。
【図15】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いる熱CVDプロセスの一例を示す装置処理フロー図である。
【図16】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いる熱CVDプロセスの一例であるゲート形成・プリメタル工程の内のゲート形成工程を表すデバイス断面図である。
【図17】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いる熱CVDプロセスの一例であるゲート形成・プリメタル工程の内のゲート上NSG膜形成工程を表すデバイス断面図である。
【図18】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いる熱CVDプロセスの一例であるゲート形成・プリメタル工程の内のゲート上BPSG膜形成工程を表すデバイス断面図である。
【図19】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いる熱CVDプロセスの一例であるゲート形成・プリメタル工程の内のCMP工程を表すデバイス断面図である。
【図20】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法によって製造されたデバイスの一例を示すデバイス断面図である。
【図21】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の平板型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図22】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の平板型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図23】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の平板型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図24】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の平板型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図25】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の同軸型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図26】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の同軸型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図27】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の同軸型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図28】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図29】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図30】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図31】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図32】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図33】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図34】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【符号の説明】
【0178】
1 ウエハ(被処理ウエハ)
52 ウエハ処理室(CVD反応室)
70 局所プラズマ励起システム(終点検出用プラズマ励起システム)
100 リモート・プラズマ発生室(クリーニングガス・プラズマ励起室)
101 プラズマCVD装置
102 成膜用プラズマ励起システム(CVD用プラズマ励起システム)
103 ウエハ処理室用真空排気系(CVD用真空排気系)
104 リモート・プラズマ発生用プラズマ励起システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路装置(または半導体装置)の製造方法におけるCVD技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
日本特開2002−033312号公報(特許文献1)または米国特許6592817号公報(特許文献2)には、プラズマCVD装置のリモート・プラズマ・クリーニングにおいて排気ラインの途中にティー字型アンテナを設け、それによって排気を励起することにより、その発光をモニタしてクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0003】
日本特開08−193271号公報(特許文献3)または米国特許5830310号公報(特許文献4)には、プラズマCVD装置のプラズマ・クリーニングにおいてCVDチャンバの電気的なプラズマモニタによりクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0004】
日本特開2002−270513号公報(特許文献5)には、プラズマCVD装置のクリーニングにおいて、排気をガスセンサによりガス分析することによりクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0005】
日本特開09−143742号公報(特許文献6)または米国特許5902403号公報(特許文献7)には、プラズマCVD装置のクリーニングにおいて排気を圧力モニタすることによりクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0006】
日本特開2002−151475号公報(特許文献8)には、プラズマCVD装置のリモート・プラズマ・クリーニングにおいて、排気ラインの途中を分岐した部分に誘導結合型のプラズマ放電機構を設け、それによって排気を励起することにより、そのプラズマを電気的にモニタしてクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0007】
日本特開2005−033173号公報(特許文献9)または米国特許公開2004−0253828号公報(特許文献10)には、プラズマCVD装置のリモート・プラズマ・クリーニングにおいて、CVDチャンバ内で微弱なプラズマ励起をして、そのプラズマを電気的にモニタしてクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0008】
日本特開2006−210415号公報(特許文献11)には、プラズマ装置において、各種のインピーダンス測定の方法が詳細に開示されている。
【0009】
日本特開2002−057149号公報(特許文献12)または米国特許7201174号公報(特許文献13)には、プラズマCVD装置のリモート・プラズマ・クリーニングにおいてチャンバの下部に局所的プラズマ励起部を設け、その発光をモニタしてクリーニングの終点を検出することが開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2002−033312号公報
【特許文献2】米国特許6592817号公報
【特許文献3】特開08−193271号公報
【特許文献4】米国特許5830310号公報
【特許文献5】特開2002−270513号公報
【特許文献6】特開09−143742号公報
【特許文献7】米国特許5902403号公報
【特許文献8】特開2002−151475号公報
【特許文献9】特開2005−033173号公報
【特許文献10】米国特許公開2004−0253828号公報
【特許文献11】特開2006−210415号公報
【特許文献12】特開2002−057149号公報
【特許文献13】米国特許7201174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
一般に半導体集積回路装置または半導体装置の製造工程におけるプラズマCVD工程では、異物の低減や良好な成膜特性を確保するために、単位ウエハ(枚葉式では1枚)を処理するごとに処理室をクリーニング処理(処理室内に被処理ウエハがない状態で)することによって、先行するウエハに対する成膜時に処理室内にできた堆積膜を除去している。このクリーニング処理は、処理室内の電極その他の精密部品を損傷しないように、通常、処理室の外部でNF3等のクリーニングガスをプラズマ励起等して生成したフッ素ラジカル等を処理室に導いて(一般に「リモート・プラズマ・クリーニング」という)、付着した堆積膜を気相反応で除去することにより行われている。このクリーニングのときは、処理室には成膜用の高周波電力が供給されていないので、クリーニングの終点を見るには、局所的にクリーニング雰囲気を励起して、その発光を見るか、局所的に励起したプラズマを電気的に計測することが考えられる。
【0012】
しかし、実際に量産工程に適用すると種々の問題があることが、本願発明者らによって明らかにされた。第1に、成膜時と異なりプラズマ励起に適合した条件でないため、局所的にプラズマを励起すること自体が困難である。第2に、なんとかプラズマ励起ができたとしても、光を使う方法は検出窓の曇りと言うCVDプロセスでは不可避の問題があり、量産工程に適合していない。
【0013】
本発明の目的は、半導体集積回路装置の製造プロセスの量産に適合したリモート・プラズマ・クリーニングにおける終点検出技術を提供することにある。
【0014】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0016】
すなわち、本願発明は反応室においてプラズマを用いて反応ガスを励起して所望の膜を堆積するステップと同反応室にリモートプラズマ励起室で励起されたクリーニングガスを導入して非プラズマ励起雰囲気で同反応室をリモート・プラズマ・クリーニングするステップを繰り返す半導体集積回路装置(又は半導体装置)の製造方法において、容量結合型のプラズマ励起システムにより反応室または反応室の排気のための真空系に局所プラズマを生成し、そのプラズマの電気的特性をモニタすることにより、リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出するものである。
【発明の効果】
【0017】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0018】
すなわち、リモート・プラズマ・クリーニングの終点において、局所的なプラズマを利用するので、リモート・プラズマ・クリーニング自体に測定による擾乱を与えることなく、正確な終点検出が実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
〔実施の形態の概要〕
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
【0020】
1.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程。
【0021】
2.前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第3のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されている。
【0022】
3.前記2項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【0023】
4.前記2または3項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部。
【0024】
5.前記2から4項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0025】
6.前記1から5項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0026】
7.前記6項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0027】
8.前記2から7項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記真空排気系はターボ分子ポンプを有し、前記先端部は前記ウエハ処理室と前記ターボ分子ポンプ間の前記真空排気系内に挿入されている。
【0028】
9.前記4から8項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【0029】
10.前記4から8項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.5%未満である。
【0030】
11.前記4から8項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.3%未満である。
【0031】
12.前記4から8項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.1%未満である。
【0032】
13.前記4から12項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記接地電極部の面積より狭い。
【0033】
14.前記4から13項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部の正面はほぼ平坦である。
【0034】
15.前記4から14項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部は前記接地電極部により囲まれている。
【0035】
16.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程、
更にここで、前記第3のプラズマ励起システムは、モノポール型の励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されている。
【0036】
17.前記16項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【0037】
18.前記16または17項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0038】
19.前記18項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0039】
20.前記16から19項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記真空排気系はターボ分子ポンプを有し、前記先端部は前記ウエハ処理室と前記ターボ分子ポンプ間の前記真空排気系内に挿入されている。
【0040】
21.前記16から20項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部。
【0041】
22.前記16から21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【0042】
23.前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.5%未満である。
【0043】
24.前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.3%未満である。
【0044】
25.前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.1%未満である。
【0045】
26.前記21から25項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記接地電極部の面積より狭い。
【0046】
27.前記16から26項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部の正面はほぼ平坦である。
【0047】
28.前記21から27項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部は前記接地電極部により囲まれている。
【0048】
次に、本願において開示される発明のその他の実施の形態について概要を説明する。
【0049】
29.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの発光をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程、
ここで更に、前記第3のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されており、以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部、
更にここで、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【0050】
30.前記29項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.5%未満である。
【0051】
31.前記29項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.3%未満である。
【0052】
32.前記29項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.1%未満である。
【0053】
33.前記29から32項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【0054】
34.前記29から33項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0055】
35.前記29から34項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0056】
36.前記35項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0057】
37.前記29から36項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記真空排気系はターボ分子ポンプを有し、前記先端部は前記ウエハ処理室と前記ターボ分子ポンプ間の前記真空排気系内に挿入されている。
【0058】
38.前記29から37項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記接地電極部の面積より狭い。
【0059】
39.前記29から38項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部の正面はほぼ平坦である。
【0060】
40.前記29から39項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部は前記接地電極部により囲まれている。
【0061】
41.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)熱CVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、熱CVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記熱CVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第1のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第2のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程。
【0062】
42.前記41項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第2のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されている。
【0063】
43.前記42項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【0064】
44.前記42または43項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部。
【0065】
45.前記44項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0066】
46.前記41から45項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0067】
47.前記46項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0068】
48.前記42から47項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は前記ウエハ処理室と前記真空排気系内の一つ又は複数の真空ポンプの内の前記ウエハ処理室に最も近いポンプ間の前記真空排気系内に挿入されている。
【0069】
49.前記44から48項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【0070】
50.前記44から48項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.5%未満である。
【0071】
51.前記44から48項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.3%未満である。
【0072】
52.前記44から48項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.1%未満である。
【0073】
53.前記44から52項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記接地電極部の面積より狭い。
【0074】
54.前記44から53項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部の正面はほぼ平坦である。
【0075】
55.前記44から54項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部は前記接地電極部により囲まれている。
【0076】
56.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)CVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、CVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、気相クリーニングを実行する工程;
(e)前記気相クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記CVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に導入する工程;
(d2)容量結合型のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記気相クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記気相クリーニングを終了させる工程。
【0077】
57.前記56項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記プラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されている。
【0078】
58.前記57項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【0079】
59.前記57または58項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部。
【0080】
60.前記59項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0081】
61.前記56から60項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0082】
62.前記61項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0083】
63.前記57から62項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は前記ウエハ処理室と前記真空排気系内の一つ又は複数の真空ポンプの内の前記ウエハ処理室に最も近いポンプ間の前記真空排気系内に挿入されている。
【0084】
64.前記59から63項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【0085】
65.前記59から63項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.5%未満である。
【0086】
66.前記59から63項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.3%未満である。
【0087】
67.前記59から63項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.1%未満である。
【0088】
68.前記59から67項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記接地電極部の面積より狭い。
【0089】
69.前記59から68項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部の正面はほぼ平坦である。
【0090】
70.前記59から69項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部は前記接地電極部により囲まれている。
【0091】
71.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程、
ここで更に、前記第3のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記真空排気系内に挿入されており、以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部、
更にここで、前記励起電極部の励起電極寸法比は、50%以下である。
【0092】
72.前記71項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、30%以下である。
【0093】
73.前記71項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、20%以下である。
【0094】
74.前記71から73項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0095】
75.前記71から74項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0096】
76.前記75項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0097】
77.前記71から76項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部の前記先端部は前記排気配管の中央部またはその付近にある。
【0098】
78.前記71から77項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は同軸型である。
【0099】
79.前記71から78項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は無声放電によりプラズマを励起する。
【0100】
80.前記71から79項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記工程(d)は更に以下の下位工程を含む:
(d5)前記下位工程(d1)から(d3)の前に、前記励起アンテナ部の前記先端部の周辺に不活性ガスを流しながら、前記第3のプラズマ励起システムによってプラズマを励起することにより、前記先端部をクリーニングする工程。
【0101】
81.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマをモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程、
ここで更に、前記第3のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記真空排気系内に挿入されており、以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部、
更にここで、前記励起電極部の励起電極寸法比は、50%以下である。
【0102】
82.前記81項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、30%以下である。
【0103】
83.前記81項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、20%以下である。
【0104】
84.前記81から83項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0105】
85.前記81から84項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記局所的なプラズマをモニタは、前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量をモニタすることによって行われる。
【0106】
86.前記85項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0107】
87.前記81から86項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部の前記先端部は前記排気配管の中央部またはその付近にある。
【0108】
88.前記81から87項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は同軸型である。
【0109】
89.前記81から88項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は無声放電によりプラズマを励起する。
【0110】
90.前記81から89項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記工程(d)は更に以下の下位工程を含む:
(d5)前記下位工程(d1)から(d3)の前に、前記励起アンテナ部の前記先端部の周辺に不活性ガスを流しながら、前記第3のプラズマ励起システムによってプラズマを励起することにより、前記先端部をクリーニングする工程。
【0111】
91.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)CVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、CVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、気相クリーニングを実行する工程;
(e)前記気相クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記CVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に導入する工程;
(d2)容量結合型のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記気相クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記気相クリーニングを終了させる工程、
ここで更に、前記プラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されており、以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部、
更にここで、前記励起電極部の励起電極寸法比は、50%以下である。
【0112】
92.前記91項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、30%以下である。
【0113】
93.前記91項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、20%以下である。
【0114】
94.前記91から93項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【0115】
95.前記91から94項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【0116】
96.前記95項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【0117】
97.前記91から96項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部の前記先端部は前記排気配管の中央部またはその付近にある。
【0118】
98.前記91から97項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は同軸型である。
【0119】
99.前記91から98項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は無声放電によりプラズマを励起する。
【0120】
100.前記91から99項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記工程(d)は更に以下の下位工程を含む:
(d5)前記下位工程(d1)から(d3)の前に、前記励起アンテナ部の前記先端部の周辺に不活性ガスを流しながら、前記プラズマ励起システムによってプラズマを励起することにより、前記先端部をクリーニングする工程。
【0121】
〔本願における記載形式・基本的用語・用法の説明〕
1.本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数の部分に分けて記載する場合もあるが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しを省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
【0122】
2.同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、A以外の要素を主要な構成要素のひとつとするものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。同様に、「酸化シリコン膜」と言っても、比較的純粋な非ドープ酸化シリコン(Undoped Silicon DioxideまたはNon-Doped Silicate Glass)だけでなく、FSG(Fluorosilicate Glass)、TEOSベース酸化シリコン(TEOS-based silicon oxide)、SiOC(Silicon Oxicarbide)またはカーボンドープ酸化シリコン(Carbon-doped Silicon oxide)またはOSG(Organosilicate glass)、PSG(Phosphorus Silicate Glass)、BPSG(Borophosphosilicate Glass)等の熱酸化膜、CVD酸化膜、SOG(Spin ON Glass)、ナノ・クラスタリング・シリカ(Nano-Clustering Silica:NSC)等の塗布系酸化シリコン、これらと同様な部材に空孔を導入したシリカ系Low-k絶縁膜(ポーラス系絶縁膜)、およびこれらを主要な構成要素とする他のシリコン系絶縁膜との複合膜等を含むことは言うまでもない。
【0123】
3.同様に、図形、位置、属性等に関して、好適な例示をするが、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、厳密にそれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0124】
4.さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
【0125】
5.「ウエハ」というときは、通常は半導体集積回路装置(半導体装置、電子装置も同じ)をその上に形成する単結晶シリコンウエハを指すが、エピタキシャルウエハ、絶縁基板と半導体層等の複合ウエハ等も含むことは言うまでもない。
6.「真空ポンプ」というときは、ドライポンプ、メカニカル・ブースター、ターボ・分子ポンプ、クライオ・ポンプなどを含む。
7.「排気系に」というときは、特にそうでない旨明示した場合、明らかにそうでない場合のほか、真空排気系の主排気路上のみに限定されるものではなく、そのバイパス、そこから分離、分留した分岐路なども含むものとする。
【0126】
〔実施の形態の詳細〕
実施の形態について更に詳述する。各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
【0127】
(実施の形態)
1.本実施の形態に使用する装置等の説明(主に図1から5)
図1により、本実施の形態に使用するリモートプラズマクリーニング機構100を有する誘導結合型(Inductively Coupled)プラズマCVD装置101(いわゆる高密度プラズマ炉に分類される)の構成を説明する。なお、本願発明は、熱CVD装置を用いたものでも適用できるし、プラズマ励起を用いないクリーニングを行うものにも適用できることは言うまでもない。
【0128】
図1において、まず、成膜時の各部の動作や働きを説明する。300φ単結晶シリコンウエハ等の被処理ウエハ1(第1のウエハ)は成膜処理室52内の下部電極54(静電チャックでありウエハサセプタでもある)に置かれる。下部電極54はバイアス電源95に接続されている。所定の真空度で反応ガス(通常、その他の添加ガスを含む)がトップ側成膜反応ガス供給口97aおよびサイド側成膜反応ガス供給口97b,97cから供給され、成膜用プラズマ励起システム102のRF電源56からマッチング・ボックス57を介してRF電力が励起コイル96a,96bに供給されると、誘導結合によりプラズマが生成され、それによって成膜反応が進行する。成膜は終わると、処理済のウエハ1は炉外へ出される。そのまま、次のウエハ1(第2のウエハ)を導入して処理をすると、先のウエハと同質の膜を形成することは一般に困難である。すなわち、先のウエハを処理したと同様な炉内の条件すなわち、炉内付着膜の状態を先のウエハを処理したときと同様の状態(初期状態)に戻してやる必要がある。これをクリーニングと呼ぶ。ただし、以下の図6に示す例では、真空度が比較的高い関係か、最初の成膜処理前には若干初期堆積物が付いた状態のほうがプロセスが安定化するようであり、上記の説明はロットの2番目以降のウエハについて、より正確に当てはまる。
【0129】
クリーニングを行うには、まず、先の成膜雰囲気をウエハ処理室用真空排気系103(一般にドライポンプまたはターボ分子ポンプをメインポンプとして処理室52の近傍に持っている)によって排気する。その後、リモート・プラズマ励起システム104のリモート・プラズマ発生室100において、プラズマ励起によりクリーニングガス(たとえばNF3などのフッ素含有無機ガス等を含むガス、フッ素含有有機系ガスでもよい)のラジカルを発生させて、それをウエハ処理室52(ウエハは収容されていない)に移送する。そうするとクリーニング反応が進行して、ウエハ処理室52が初期状態に戻る。このクリーニングの際、ウエハ処理室52を正確に初期状態に戻すためのクリーニング時間はその時々で変化する。したがって、毎回、ウエハ処理室内に付着した生成物がほぼ除去された時点を終点として検出して、クリーニングを終了する必要がある(後に示すように、必ずしも必須ではない)。これが、クリーニングの終点検出である。
【0130】
次にクリーニングの終点検出の方法を説明する。真空排気系103に終点検出用プラズマ励起システム70(終点検出用局所プラズマ励起&モニタシステム)を連結する(成膜室52内に設けてもよい)。すなわち、真空排気系103の排気流路壁55(金属製で接地されている)に励起アンテナ部71の先端部99が挿入されており、この励起アンテナ部71には、マッチングボックス73を介して、RF電源74からRF電力が供給される。そうすると、先端部99の正面部で局所的なプラズマが発生する。このプラズマの電気的な特性を高電圧モニタ72(プラズマ・インピーダンス・モニタ)で観測する。また、このように局所的プラズマであるために、励起アンテナ部71は処理室内励起アンテナ部71aのように、処理室52内に設けることもできる。
【0131】
クリーニングの終点は、プラズマ電圧等のモニタを用いるほか、分光器58で観測窓98を透過してきた局所的なプラズマの発光をモニタすることによっても可能である。また、プラズマ電圧等モニタによる終点検出の校正用として用いることもできる。発光のほうが一般に終点検出感度は高いが、量産的には窓の曇り等の問題がある。
【0132】
クリーニングを終了すると、次のウエハ1(第2のウエハ)をウエハ処理室52に導入して、先のウエハと等価な成膜処理を実行する。このようにして、ロット単位のウエハが全部処理完了するまで成膜・クリーニングの繰り返し、すなわち成膜・クリーニング循環プロセスを実行する。ロットの処理が完了したら、ロット前処理を実行し装置の状態を整える(図6または図15参照)。
【0133】
次に、図2に基づいて励起アンテナ部71(容量結合型)の詳細構造を説明する。図2(a)は真空排気系103(排気流路)内側から見た正面図であり、図2(b)はA-A断面図である。励起電極部81(モノ・ポール・アンテナのドライブ電極を構成する)が電極間絶縁体83を介して接地電極部82に取り巻かれており、接地電極部82は排気流路壁55に連結されている。それぞれの部分はフランジ部でOリング86a,86b,86cを介して、シールされている。励起電極部81のドライブ電力はメタル・キャップ111で保持された高周波同軸コネクタ112から供給される(短波域13.56MHzまたは中波域400KHzが着火性、放電安定性の面から好適であるが、ACや直流電力も回路が簡単になるメリットがある)。ここに電力が供給されると励起アンテナ部71の先端部99の近傍に局所プラズマ85が発生する。先端部99の同心円の直径は、励起電極81、電極間絶縁体83、接地電極部82の各同心円外周の直径は、順にたとえば4ミリメートル、8ミリメートル、32ミリメートルである。そうすると励起電極の正面部分の露出面積(Sc)は約12.6平方ミリメートルで、接地電極部の先端部分99正面の露出面積(Sg)は約754平方ミリメートルであり、Sc/Sg=1.7%の関係(すなわち、ScはSgよりも小さい)となる。すなわち、ScはSgと比較して十分に小さい。これを非処理ウエハの単位主面の面積と比較する。200φウエハの主面の面積(S2)は約3,140平方ミリメートルである。300φウエハの主面の面積(S3)は約70,700平方ミリメートルである。Sc/S2は約0.4%であり、Sc/S3は約0.02%である。Scが小さいほど、プラズマは局所的になり、その結果、炉体に与える影響も小さくなり、励起電力も小さくすることができる。したがって、これらを対ウエハ面積(Sc/S2、Sc/S3)とすると、プラズマを局所的にするためには対ウエハ面積1%未満が望ましい。更にプラズマを十分に局所的にするためには対ウエハ面積0.5%未満が望ましい。また、励起電力を抑えたり、DC駆動を考えると0.3%未満が望ましい。更に、十分に励起電力を抑えるためには、0.1%未満が望ましい。このように、容量結合型であるために、誘導結合型等に比較して、微細な電力で、局所的にプラズマを励起することができる。これは、比較的厚い絶縁物で被励起領域が囲まれた誘導結合型と異なり、被励起領域と直接又は薄い誘電体を介して、比較的直接的に(物理的にはプラズマと励起電極間にできる容量を介して)結合しているからである。また、励起電極を微細にすることで励起されるプラズマの局在領域をきわめて狭い領域に限定することができる。また、微細な領域にプラズマが集中するので、局所プラズマが立つ部分に堆積物が堆積しないメリットがある。また、先端部分が平坦で、周辺の管壁とほぼ平坦な面を形成しているので、排気動作を邪魔しないばかりでなく、反応性ガスによるアタックも受けにくいメリットがある。
【0134】
図3に基づいて終点検出用局所プラズマ励起&モニタシステム70の構成の概要を説明する。このようなプラズマ・インピーダンス・モニタは高電圧プローブ72等として市販されており、一般に励起アンテナ部71(放電プローブ)とマッチングボックス73等の間の測定ノード124に接続して使用される。なお、測定ノード124に電流プローブ用のカレント・トランスフォーマを設置して、電流プローブ121でIpp(プラズマ電流)を測定するようにしてもよい。この場合は、測定ノード124での結合が電磁誘導結合で間接的なため、測定による局所プラズマへの影響が小さいメリットがある。これらのプローブ回路から得られた信号は、信号処理部123で処理されて、Vpp(プラズマ電圧)、Ipp(プラズマ電流)、Vdc(自己バイアス電圧)またはそれらに対応するアナログあるいはデジタル信号として、CVD装置制御系に出力される。なお、測定ノード124での単一周期内の電圧の最大値、最小値をVmax,Vminとすると、各プラズマに関する電気的パラメータ間にはVpp=Vmax−Vmin(関係1)、Vdc=(Vpp/2)−Vmin等の関係がある。従って、いずれか一つを見て、適宜、信号処理部122で所望のパラメータに変換してもよい。なお、自己バイアス電圧は、プラズマ電圧およびプラズマ電流よりも終点付近の変化がクリアである(図4参照)。これは局所プラズマ内のガスの状況をより直接的に反映しているためである。
【0135】
図4に基づいて、クリーニングの終点検出の原理を説明する。同図において、終点付近で両電圧ともに一定値に収束しているのがわかる。また、このことは分光器58によるフッ素と窒素の強度分布の時間変化でも同様に確認される(発光強度が急速に一定値に収束)。ここでは、自己バイアス電圧またはプラズマ電圧(プラズマ電流を含む)を測定する例を具体的に説明したが、基本的にはプラズマインピーダンスに対応して変化する物理量すなわち、インピーダンス自体、電圧(Vdc,Vpp)、電流等のいずれかを測定することで、終点を決定することができる。なお、必要に応じて、発光によっても終点を検出できることは言うまでもない。
【0136】
図5にリモート・プラズマ・クリーニングの際の放電プローブ・クリーニングを説明するためのタイムチャートを示す。放電プローブ71の先端部は、使用しておれば自然にクリーニングされるが、以下のような処理をすると、プローブ特性(着火性、放電安定性)を向上させる効果がある。同図に示すように、反応室52のクリーニングの際には、リモート・プラズマ生成室100と放電プローブ71でプラズマが励起される。反応室52では終始プラズマ励起は行われない。リモート・プラズマ生成室100と放電プローブ71でプラズマが励起されている状態で、不活性ガスを主要な成分とするガス、たとえばアルゴンガス(アルゴンを主要な成分とするガス)が反応室52およびリモート・プラズマ生成室100に流されて、そのガス流は放電プローブ71の近傍を通過して排気される。この際、放電プローブ71の先端部分99がクリーニングされる。その後、クリーニングガスを含むガスが流されて、反応室52のクリーニングが行われる(図5では表示の都合上、終点検出後もクリーニングを継続しているかのように示されているが、実際のリモート・プラズマ・クリーニングでは終点検出時点で自動的にクリーニング・シーケンスが終了することとなる)。この放電プローブ・クリーニングは通常、リモート・プラズマ・クリーニングの前のアルゴンパージ(5から10秒)中に実行してもよい(通常放電プローブ・クリーニング)。また、その時間を20から50秒程度、たとえば40秒(強化放電プローブ・クリーニング)とすると、放電プローブ71の先端の状態を大幅に回復することができる。したがって、ほぼ毎回(枚葉)通常放電プローブ・クリーニングを実行して、数度に一度、またはロットごとに、強化放電プローブ・クリーニングを実行してもよい。もちろん毎回、実行してもよい。ただし、電極の消耗に留意する必要がある。
【0137】
2.素子分離工程に適用したプロセスの説明(主に図6から10)
図6から図10により、STI(Shallow Trench Isolation)型の素子分離工程の素子分離溝埋め込み工程に適用したプロセスの説明を行う。この素子分離溝埋め込み工程はHDP-CVD法(High Density Plasma CVD)によって実施される。プラズマ炉としては、図1に説明した枚葉式のICP型の高密度プラズマCVD炉を用いる。この方式では一般に0.27Paから1.3Pa程度の真空領域が用いられる。反応ガスは一般にモノシランである。
【0138】
このHDP-CVDの装置運用手順を図6により説明する。まず、最初に装置のクリーン度を所定のレベルまで引き上げるためプリクリーニング工程31(被処理ウエハがない状態で)を実行する。次に処理室52の内面やその他部分に酸化膜を堆積するプリコート工程32(被処理ウエハがない状態で)を実行する。続いて、ウエハ1(第1のウエハ)を処理室52のウエハ・ステージ54にセットした状態で成膜処理33を実行する。成膜が完了するとウエハ1を処理室52の外に排出する。その後、処理室52の中に被処理ウエハがない状態で、リモート・プラズマ・クリーニング工程34を実行する。その後、先と同様にウエハ1(第2のウエハ)を処理室52のウエハ・ステージ54にセットした状態で先と同じ成膜処理33を実行する。その後は、所定のロットに属するウエハ全体の処理が完了するまで、リモート・プラズマ・クリーニング工程34および成膜処理33を繰り返す(成膜・クリーニング循環工程)。所定のロットに属するウエハ全体の処理が完了すると、次のロットを処理する前に、プリクリーニング工程31およびプリコート工程32を実行して、成膜・クリーニング循環工程に入る。なお、条件によっては、プリクリーニング工程31およびプリコート工程32の実行順序を逆にしてもよい(図15参照)。
【0139】
図6の成膜工程33を図7から10により詳しく説明する。図7は素子分離溝形成工程のデバイス断面図である。窒化シリコン膜2を対ドライエッチングマスクとしてシリコン・ウエハ(基板)1に素子分離溝3が形成される。
【0140】
図8は素子分離溝埋め込み工程を示す。先の素子分離溝3がCVDシリコン酸化膜4により、埋め込まれている(CVDプロセス1;HDP-CVD-1)。
【0141】
図9はCMP工程完了時のデバイス断面図である。ここでは素子分離溝3外のCVDシリコン酸化膜4が除去されている。
【0142】
図10は窒化シリコン膜除去工程を示す。ここでは、ウエット・エッチングによって、窒化シリコン膜2が除去される。
【0143】
3.アルミニウム配線工程に適用したプロセスの説明(主に図11から14)
セクション2で説明したクリーニング終点検出手法およびHDP-CVDの装置運用手順(図6)は、ほぼ同様にアルミニウム配線工程のILD膜(Inter-Layer Dielectric)形成のためのHDP-CVD等に適用できる。
【0144】
図11から図14によりILD膜形成工程を説明する。図11はアルミニウム配線パターニング工程のデバイス断面図である。下層のILD膜19上に形成されたアルミニウム配線は中間のアルミニウム合金層5と上下のTiN等のバリア・メタル層6からなる。一般に、アルミニウム配線パターニングはレジスト膜を対エッチング・マスクとしてドライ・エッチングで行われる。
【0145】
図12はHDP-CVD膜14の成膜(CVDプロセス2;HDP-CVD-2)の完了の状態を示す。その上に、図13に示すようにTEOS(Tetraethyl-orthosilicate)を用いたプラズマCVDシリコン酸化膜、すなわちP-TEOS SIO2膜7が形成される(CVDプロセス3;P-TEOS-1)。その後、CMPによる平坦化処理が施される。更に、CMP処理の後に50から100nm程度の薄いP-TEOS SIO2膜等が形成されることもある(CVDプロセス4;P-TEOS-2)。なお、これらのCVDプロセスにも、先と同様なクリーニング終点検出手法および装置運用手順(図6)が適用できる。図14は層間CMPプロセス完了時のデバイス断面図である。
【0146】
P-TEOSプロセスは一般に図1に示した炉と類似するが若干形式の異なった枚葉プラズマ炉(高密度型ではない)を用いて行われる。用いられる圧力領域は一般に67Paから2000Paである。
【0147】
4.プリ・メタル工程に適用したプロセスの説明(主に図15から19)
図15から図19により、プリ・メタル絶縁膜形成工程のNSG膜(Non-Doped silicate glass film)すなわちノン・ドープ・シリコン酸化膜の形成を大気圧(Atmospheric)すなわち1.0X105Pa前後、または準大気圧(Sub-Atmospheric)下で(約2,700Paから80,000Pa)のオゾンおよびTEOS(Tetraethyl-orthosilicate)を用いた熱CVD(Thermal CVD)により実行する場合について説明する(いわゆるオゾンTEOSシリコン酸化膜)。この場合の真空排気系は一般に単一ポンプ構成でメカニカル・ドライポンプをメインポンプとしている。一般に、大気圧下のものをAP-CVD(Atmospheric CVD)と呼び、準大気圧のものをSA-CVD(Sub-Atmospheric CVD)と呼ぶ。前者には一般にバッチ炉が、後者には図1に説明したものに類似した(プラズマ炉ではないが)枚葉炉が使用される。以下の説明は枚葉炉の場合を具体的に説明する。
【0148】
図15に先の図6と同様な装置運用手順の一例を示す。先の図とは、プリコート41とプリクリーニング42の順序が逆であるが、成膜工程43とクリーニング工程44は詳細条件以外は、ほぼ同様である。前処理の順序等はプロセスや装置の特性によって、適宜変更すればよいので、説明の繰り返しは避ける。以下図16から図19により、プロセスの詳細を説明する。
【0149】
図16はゲート電極パターン関係時のデバイス略断面図である。ゲート電極部分9とその周りの基板1の第1の主面(デバイス面)にソース又はドレイン領域8が形成されている。
【0150】
図17はNSG−CVD膜10を形成した後の断面構造である(CVDプロセス5;O3-TEOS-1)。図18はその上に同様の熱CVDによりBPSG膜11(Borophosphosilicate Glass Film)を形成したときのデバイス断面である(CVDプロセス6;O3-TEOS-2)。この場合、プロセスガスは一般にTMP(Trimethylphosphite),TEPO(Triethylphosphate),TMB(trimethylborate),TEB(Triethylborate)等が使用される。図19は更にその上に先と同様のP-TEOS SIO2膜12を形成(CVDプロセス7;P-TEOS-3)した後、プリ・メタル絶縁膜13に対するCMP完了時のデバイス断面を示す。
【0151】
5.対象デバイスの例示的な断面構造の説明(主に図20)
図20はセクション2から4に説明したプロセスおよび手法を適用して製造された4層アルミニウム配線を有するMOSまたはMIS型の半導体集積回路装置の一例を示す断面図である。アルミニウム配線間はTiN等からなるバリア・メタル層16で囲まれたタングステン・プラグ15によって接続されている。最上層の膜17はプラズマ・シリコン・ナイトライド等からなるファイナル・パッシベーション膜(CVDプロセス8;P-SiN-1)である。
【0152】
6.各CVDプロセスに対する反応室クリーニングおよび、その終点検出等の適用
セクション1に説明したクリーニング終点検出手順は、CVDプロセス1から8に適用できる。その際の装置の前処理は、CVDプロセス1から2については、セクション2の図6に説明したものに相当するものとなり、CVDプロセス3から8については、セクション4の図15に説明したものに相当するものとなる。なお、この装置前処理は、ロット(たとえば25枚とか12枚等)ごとに行っているが、量産上のロット単位にかかわらず、適切な枚数ごと(変動数、不定数を含む)に実施するようにしてもよい。
【0153】
また、プロセスの安定度が確保できる場合には、通常の反応室クリーニングを毎ウエハ処理ごとに行うことは必ずしも必須ではない。プロセスの安定度に基づいて、枚葉処理については、1枚ごと、2枚ごと、3枚ごと、4枚から12枚の適切な枚数ごと、またはロットごとに行うようにしてもよい。
【0154】
7.平板型励起アンテナ部の説明(主に図21から24)
励起アンテナ部71としては各種の形態が考えられる。以下、図21から図34により、励起アンテナ部71のバリエーションの説明をする。まず、図21から24により、先に図2で示した平板型の励起アンテナ部の各種バリエーションを説明する。
【0155】
まず、図2に説明したものと同等の形式(21図の例)を他との比較のために説明する。これでは先端部99の正面(装置の内側から見たときの)は、周辺の管壁まで含めてほぼ平坦であり、かつ、比較的微小な面積の励起電極部81は比較的広い接地電極部82により取り囲まれている。このような構造から、この局所プローブでは、ほとんど主排気配管壁と一体となっているので、構造が簡単で、耐久性があり、排ガス流速が小さいので不所望な堆積物も付きにくい。また、排気配管のコンダクタンスを下げることもほとんどない。一方、排ガス流速が小さいので反応室の情報の取得感度が若干落ちるという問題がある。これは、励起電極部が小さく、周辺に比較的大きな接地電極部があるので、励起されたプラズマが厚さが薄く、接地電極部面に沿って引き延ばされやすいので、相当の強力な電力を印加しても、プラズマが排気配管の中心部(ここでは、排気配管の内径を50ミリ・メートルとして説明する。以下同じ)まで伸びないためである。これらの長所・短所は平板型に基本的に共通している。
【0156】
図22の例は、励起電極部81が接地電極部82の正面から若干突出した点に特徴がある。これにより、着火性、放電の安定性の改善が見込まれるが、電極自体の耐久性(励起電極部の消耗が見られる)等の問題がある。
【0157】
図23の例は、逆に、励起電極部81が接地電極部82の正面から若干埋没した点に特徴がある。効果としては、図22のものとちょうど反対になる。すなわち、励起電極部の消耗は少ないが、着火性や放電の安定性に若干問題がある。
【0158】
図24の例は、基本的に図22と同じであるが、突出した励起電極部81を覆うように、電極間絶縁部83および接地電極部82の一部が同軸ケーブル様に(10ミリメートル程度)突出した励起電極部81と同じ高さまで立ち上がったものである(突出の程度以外は図25の同軸型とい同じ)。これにより、平板型とセクション8に説明する同軸型の中間的な特性を示す。
【0159】
8.同軸型励起アンテナ部の説明(主に図25から27)
図25から27は、同軸ケーブル型の励起アンテナ部の各例である。図25の例は、典型的な同軸タイプである。平板型と比較すると、排気配管の間壁から内部へ向けて15から20ミリメートル以上突出している(望ましくは、プローブの先端、すなわち、励起電極表面が排気配管の中心線上又はその近傍にある)。他の寸法は先の平板型とほぼ同じであるが、同軸の周辺電極(シールド)の厚さは、たとえば0.5ミリメートルである(プローブ先端部の直径は10ミリ・メートル程度である)。この長所は、排気流速の早い排気配管の中心軸の近傍にプラズマが生成するので、成膜反応室52の情報を得やすいことである。また、排気配管の内壁から遠いので、そこに堆積した堆積物からの情報を拾うことがないので、純粋に成膜反応室52の情報を収集することが可能となる。更に、接地電極部が薄いので、プラズマがあまり広がらないので、排気配管の中心軸の近傍を流れるガスに限定した情報を得る点で有利である。一方、堆積物が付きやすい。電極の消耗が見られる。排気の流れを若干阻害する。平板型と比較して若干作りにくい等の短所も見られる。これらの長所・短所は同軸型に基本的に共通している。
【0160】
図26の例は、励起電極部81が接地電極部82の正面から若干突出した点に特徴がある。これにより広い圧力範囲で着火性がよい。すなわち、比較的低い励起電力で安定したプラズマが励起可能である。しかし、ガス流の早い部分に電極が突出している分、電極の消耗が比較的激しいという問題がある。
【0161】
図27の例は、逆に、励起電極部81が接地電極部82の正面から若干埋没した点に特徴がある。これは、先の逆で、電極の消耗は同軸型の割には少ないが、着火性に若干問題がある。
【0162】
9.その他のタイプの励起アンテナ部の説明(主に図28から34)
その他のタイプの励起アンテナ部の構造を図28から34に示す。
【0163】
図28の例は、励起電極部81と接地電極部82の間の電極間絶縁部をほぼ取り除いた点に特徴がある。このメリットは着火性がよいこと、構造的に作りやすいことである。反面、堆積物が内部にたまると信号がとりにくいこと、狭い電極間で放電するため、反応室2とは、あまり関係のない放電プローブの電極間領域の情報を集めることになる等のデメリットがる。
【0164】
図29の例は、励起電極部81が接地電極部82がパラレル・ラインになっているところに特徴がある。同軸ではないので作りやすいメリットがある。反面、着火性が悪く、プラズマも変形したものとなるので、排気配管中央部のデータを安定に収集する目的では不利である。
【0165】
図30の例は、基本的に図21のものと同じであるが、励起電極部81の先端部が薄い絶縁部材91(たとえば100から200マイクロメータ程度の厚さのアルミナセラミックス、チタニア)によって被覆されているところに特徴がある(無声放電型)。これは、電極の消耗がほとんどない特徴がある。また、印加電力が低周波(DC、ACから100KHz程度)でも、放電が可能である。一方、印加電圧は若干高くなる傾向にある。また、同軸型の各放電プローブの励起電極部に同様のコーティングを施すと、それら固有の効果とともに、ここに説明したように無声放電(コロナ放電、沿面放電を含む)特有の効果が得られる。更に、その他の各放電プローブに適用しても同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0166】
図31の例は、基本的に図25の例と同じであるが、先端部99に磁界がかけられているところに特徴がある(磁場印加方式)。着火性がよく、低電圧で動作可能であり、放電安定性が同軸型、平板型よりもよい。電圧の経時変化も少ない。ただし、排気を阻害する可能性が高い。堆積物が付着しやすい。構造が複雑で製作に手間がかかり、費用も比較的大きい。印加電力が低周波(DCから100KHz程度)では、放電が不安定になる可能性がある等である。
【0167】
図32の例は、平行平板型(たとえば円板状で直径25ミリメートル以下、電極間隔5ミリメータ以下たとえば1ミリメートル程度)である。構造が簡単で、着火性、放電安定性はよい。印加電力が低周波(DC、ACから100KHz程度)でも、放電が可能である。しかし、排気を阻害する可能性が高い。堆積物が付着しやすい。
【0168】
図33の例は、カソード・フォロア型である点にある。サイズおよび特徴は図32とほぼ同じである。
【0169】
図34の例は、マイクロは励起のモノ・ポール型である点に特徴がある。先端はたとえば直径40ミリメートル程度の円板状で、ロッド部の径は10ミリメートル程度である。着火性、放電安定性もよく、広い圧力範囲で放電可能である(特に低圧域で安定性高い)。また、印加電力が低周波(DCから100KHz程度)でも、放電が安定である。しかし、排気を阻害する可能性が高い。堆積物が付着すると放電特性が変化しやすい。構造が複雑で高価ある。
【0170】
10.放電プローブ先端部についての留意点
以上説明した放電プローブ先端部については、以下の点に留意する必要がある。生成される観測用局所プラズマの直径または差し渡し寸法は励起電極の直径または長手方向の差し渡し寸法(「励起電極寸法」という)に第一義的に依存する。したがって、できるだけ排気配管(ここでは先の説明と同様に放電プローブ近傍の排気配管の内径すなわち「排気配管寸法」を50ミリメートルの場合を例にとる)の中央部を流れるガスをのみを励起することが、反応室(成膜質)のクリーニング状況を正確に把握する上で、望ましい。そのためには、排気配管の中央部に励起電極がある場合には、排気配管内壁にプラズマの周端部がとどかないように、励起電極寸法比(励起電極寸法/排気配管寸法)を50%以下(図25を同軸型の例にとると放電プローブ先端部の励起電極の直径25ミリメートル以下)とする必要がある。流速が早い排気配管の中央部のみの情報を取得するためには、30%以下(図25を例にとると放電プローブ先端部の励起電極の直径15ミリメートル以下)とすることが望ましい。更に、流速が早い排気配管の中央部のみの情報を高精度かつ高いレスポンスで取得するためには、20%以下(図25を例にとると放電プローブ先端部の励起電極の直径10ミリメートル以下)とすることが望ましい。
【0171】
ここでの励起電極寸法比に関する説明は、放電プローブ先端部が排気配管の間壁近傍にある場合にも、ほぼ同様に当てはまる。これは、図2や図21(平板型)のように放電プローブ先端部が排気配管の間壁近傍にある場合、一般に局所プラズマの横方向の広がりは、接地電極によりある程度制限されるので、主に放電プローブの軸方向の局所プラズマの広がりが問題となるからである。すなわち、排気配管の対向する内壁(プラズマの揺らぎを考慮すると斜め前方の内壁も含む)に届かないことが重要だからである。壁部分に届くと、現在とは時間差のある過去の時点における堆積物の情報をノイズとして拾うことになるからである。
【0172】
以上のことは、放電プローブ先端部を排気配管内に設置した場合のほか、成膜室52内に設置した場合にも当てはまる。この場合は、局所プラズマが大きすぎると、検出精度にも影響を与えるほか、クリーニング特性や成膜室それ自体へも悪影響を及ぼす恐れがある。
【0173】
11.サマリ
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0174】
例えば、前記実施の形態ではシリコン酸化膜のCVDプロセスを主体に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、SiNその他の絶縁膜、タングステンその他のメタル膜、チタン・ナイトライドその他のメタル窒化物膜、酸化ルテニウムその他のメタル酸化膜等のCVDプロセスへも適用できることは言うまでもない。
【0175】
また、前記実施の形態ではリモートプラズマ(クリーニングガスはNF3)によるクリーニング終点に関して説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、プラズマ励起しないクリーニングガス(ClF3など)を処理室に導いて、クリーニングをするものにも適用できることは言うまでもない。
【0176】
また、プラズマ炉の形式については、ICP型(Inductively Coupled Plasma furnace)の枚葉炉(Single Wafer Processing Furnace)を例にとり詳しく説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、サイクロトロン型や平行平板型のものにも適用できることは言うまでもない。また、非プラズマで成膜を行う熱CVD炉やバッチ方式のCVD炉にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置の模式側断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の局所プラズマ励起アンテナ部の模式側断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の局所プラズマの電気的特性モニタ回路の回路図である。
【図4】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスにおけるクリーニング終点検出方法の原理を示す測定図である。
【図5】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスにおけるリモート・プラズマ・クリーニングの際の放電プローブクリーニングを説明するためのタイムチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例を示す装置処理フロー図である。
【図7】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例である素子分離工程の内の素子分離溝形成工程を表すデバイス断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例である素子分離工程の内の素子分離溝埋め込み工程を表すデバイス断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例である素子分離工程の内の素子分離CMP工程を表すデバイス断面図である。
【図10】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例である素子分離工程の内の窒化シリコン素子分離パターニング膜除去工程を表すデバイス断面図である。
【図11】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例であるアルミニウム配線工程の内の配線パターン形成工程を表すデバイス断面図である。
【図12】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例であるアルミニウム配線工程の内の配線パターン埋め込み工程1を表すデバイス断面図である。
【図13】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例であるアルミニウム配線工程の内の配線パターン埋め込み工程2を表すデバイス断面図である。
【図14】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVDプロセスの一例であるアルミニウム配線工程の内の配線層間絶縁膜CMP工程を表すデバイス断面図である。
【図15】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いる熱CVDプロセスの一例を示す装置処理フロー図である。
【図16】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いる熱CVDプロセスの一例であるゲート形成・プリメタル工程の内のゲート形成工程を表すデバイス断面図である。
【図17】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いる熱CVDプロセスの一例であるゲート形成・プリメタル工程の内のゲート上NSG膜形成工程を表すデバイス断面図である。
【図18】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いる熱CVDプロセスの一例であるゲート形成・プリメタル工程の内のゲート上BPSG膜形成工程を表すデバイス断面図である。
【図19】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いる熱CVDプロセスの一例であるゲート形成・プリメタル工程の内のCMP工程を表すデバイス断面図である。
【図20】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法によって製造されたデバイスの一例を示すデバイス断面図である。
【図21】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の平板型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図22】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の平板型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図23】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の平板型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図24】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の平板型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図25】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の同軸型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図26】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の同軸型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図27】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用の同軸型の局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図28】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図29】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図30】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図31】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図32】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図33】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【図34】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法に用いるプラズマCVD装置のクリーニング終点検出用のその他のタイプの局所プラズマ励起アンテナ部の一例を示す模式側断面図である。
【符号の説明】
【0178】
1 ウエハ(被処理ウエハ)
52 ウエハ処理室(CVD反応室)
70 局所プラズマ励起システム(終点検出用プラズマ励起システム)
100 リモート・プラズマ発生室(クリーニングガス・プラズマ励起室)
101 プラズマCVD装置
102 成膜用プラズマ励起システム(CVD用プラズマ励起システム)
103 ウエハ処理室用真空排気系(CVD用真空排気系)
104 リモート・プラズマ発生用プラズマ励起システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程。
【請求項2】
前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第3のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されている。
【請求項3】
前記2項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【請求項4】
前記3項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部。
【請求項5】
前記4項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【請求項6】
前記5項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【請求項7】
前記6項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【請求項8】
前記5項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記真空排気系はターボ分子ポンプを有し、前記先端部は前記ウエハ処理室と前記ターボ分子ポンプ間の前記真空排気系内に挿入されている。
【請求項9】
前記8項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【請求項10】
前記8項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.5%未満である。
【請求項11】
前記8項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.3%未満である。
【請求項12】
前記8項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.1%未満である。
【請求項13】
以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)熱CVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、熱CVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記熱CVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第1のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第2のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程。
【請求項14】
前記13項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第2のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されている。
【請求項15】
前記14項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【請求項16】
前記14項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部。
【請求項17】
前記16項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【請求項18】
前記13項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【請求項19】
前記16項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【請求項20】
以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程、
ここで更に、前記第3のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記真空排気系内に挿入されており、以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部、
更にここで、前記励起電極部の励起電極寸法比は、50%以下である。
【請求項21】
前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、30%以下である。
【請求項22】
前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、20%以下である。
【請求項23】
前記23項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【請求項24】
前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【請求項25】
前記25項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【請求項26】
前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部の前記先端部は前記排気配管の中央部またはその付近にある。
【請求項27】
前記27項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は同軸型である。
【請求項28】
前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は無声放電によりプラズマを励起する。
【請求項29】
前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記工程(d)は更に以下の下位工程を含む:
(d5)前記下位工程(d1)から(d3)の前に、前記励起アンテナ部の前記先端部の周辺に不活性ガスを流しながら、前記第3のプラズマ励起システムによってプラズマを励起することにより、前記先端部をクリーニングする工程。
【請求項1】
以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程。
【請求項2】
前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第3のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されている。
【請求項3】
前記2項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【請求項4】
前記3項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部。
【請求項5】
前記4項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【請求項6】
前記5項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【請求項7】
前記6項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【請求項8】
前記5項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記真空排気系はターボ分子ポンプを有し、前記先端部は前記ウエハ処理室と前記ターボ分子ポンプ間の前記真空排気系内に挿入されている。
【請求項9】
前記8項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【請求項10】
前記8項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.5%未満である。
【請求項11】
前記8項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.3%未満である。
【請求項12】
前記8項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の0.1%未満である。
【請求項13】
以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)熱CVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、熱CVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記熱CVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第1のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第2のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室内又は前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程。
【請求項14】
前記13項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第2のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記ウエハ処理室内又は前記真空排気系内に挿入されている。
【請求項15】
前記14項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は、前記真空排気系内に挿入されている。
【請求項16】
前記14項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記先端部は以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部。
【請求項17】
前記16項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【請求項18】
前記13項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【請求項19】
前記16項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極部の面積は前記第1のウエハの単一主面の面積の1%未満である。
【請求項20】
以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)第1のプラズマ励起システムを有するプラズマCVD装置のウエハ処理室内に、第1のウエハを導入する工程;
(b)前記ウエハ処理室内に導入された前記第1のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによってプラズマCVD処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記第1のウエハを前記ウエハ処理室内から外部に排出する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記ウエハ処理室に対して、リモート・プラズマ・クリーニングを実行する工程;
(e)前記リモート・プラズマ・クリーニングが実行された前記ウエハ処理室内に、第2のウエハを導入する工程;
(f)前記ウエハ処理室内に導入された前記第2のウエハに対して、前記第1のプラズマ励起システムによって、プラズマ励起することによって前記プラズマCVD処理を実行する工程、
ここで、前記工程(d)は以下の下位工程を含む:
(d1)前記ウエハ処理室の外に設けられたリモート・プラズマ発生室において、第2のプラズマ励起システムによりクリーニングガスをプラズマ励起して、励起された前記クリーニングガスを前記ウエハ処理室内に移送する工程;
(d2)容量結合型の第3のプラズマ励起システムによって、前記クリーニングガスをプラズマ励起することで、前記ウエハ処理室を排気するための真空排気系内に、局所的なプラズマを生成させる工程;
(d3)前記局所的なプラズマの電気的な特性をモニタすることによって、前記リモート・プラズマ・クリーニングの終点を検出する工程;
(d4)前記下位工程(d3)の結果に基づいて、前記リモート・プラズマ・クリーニングを終了させる工程、
ここで更に、前記第3のプラズマ励起システムは、励起アンテナ部を有し、この励起アンテナ部の先端部は、前記真空排気系内に挿入されており、以下を含む:
(i)実質的に露出した励起電極部;
(ii)前記励起電極部と近接し、且つ電気的に分離して設けられ実質的に露出した接地電極部、
更にここで、前記励起電極部の励起電極寸法比は、50%以下である。
【請求項21】
前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、30%以下である。
【請求項22】
前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起電極寸法比は、20%以下である。
【請求項23】
前記23項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部はモノ・ポール型である。
【請求項24】
前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電気的な特性は前記局所的なプラズマのインピーダンスまたはそれに対応する物理量である。
【請求項25】
前記25項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記インピーダンスまたはそれに対応する物理量は前記局所的なプラズマのプラズマ電圧、自己バイアス電圧またはプラズマ電流である。
【請求項26】
前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部の前記先端部は前記排気配管の中央部またはその付近にある。
【請求項27】
前記27項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は同軸型である。
【請求項28】
前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記励起アンテナ部は無声放電によりプラズマを励起する。
【請求項29】
前記21項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記工程(d)は更に以下の下位工程を含む:
(d5)前記下位工程(d1)から(d3)の前に、前記励起アンテナ部の前記先端部の周辺に不活性ガスを流しながら、前記第3のプラズマ励起システムによってプラズマを励起することにより、前記先端部をクリーニングする工程。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2009−38102(P2009−38102A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−199135(P2007−199135)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
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