説明

妨害物をかわす際に衝突を回避するおよび/または衝突の結果を軽くするための方法および装置

車両を妨害物に対してかわす際に衝突を回避しおよび/または衝突結果を軽くするための方法および装置が提案され、その際少なくとも1つの周辺センサを用いて少なくとも1つの妨害物(3)が識別されかつ妨害物のデータが求められる。更に妨害物のデータ並びに車両のデータに基づいて、妨害物をかわす過程を支援するのに有利な車両減速度が求められかつ車両が相応に減速される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来技術
本発明は、殊に自動車において、妨害物をかわす際に衝突を回避するおよび/または衝突の結果を軽くするための方法および装置に関する。
【0002】
自動車において電気的に制御可能なブレーキおよび操舵装置並びに車両周辺のあるかもしれない妨害物を捕捉検出するセンサの普及が増大するにつれて、妨害物との衝突を回避するおよび/または衝突の結果を軽くするためのシステムが可能になっている。
【0003】
周辺捕捉検出装置を用いて例えば、妨害物とのひょっとしたらあるかもしれない衝突を早期に識別することが可能である。この種の事故は運転者に適時に警告することによりまたは制御可能な制動並びに操舵装置を用いて車両運動に対して影響を及ぼすことにより回避することができる。更にクリチカルな状況においてブレーキシステムは非常ブレーキを用意しまたは乗員保護システムは事故に備えることができる。
【0004】
車両周辺の捕捉検出のためのセンサには、例えば超音波、レーダ、ライダーおよび/またはビデオシステムがある。アクティブな圧力形成に対するブレーキ装置の制御可能な部分システムとして、例えばESPシステムの液圧ユニット、アクティブにドライブ制御可能な制動力倍力装置、電気流体式ブレーキ装置または将来的な電気機械式ブレーキ装置が使用される。操舵に影響を及ぼすために、アクティブな操舵システムまたはステア・バイ・ワイアシステム(Steer-by-Wire System=SBW)が使用される。
【0005】
DE10118707A1に、衝突の危険がある際に車両減速作用はしないが、車両減速を準備する準備的な措置を講ずることが記載されている。
【0006】
更に、衝突回避のために警告装置も記載されているが、この装置の狙いは妨害物をかわそうとする操作の際にドライバーを支援することではない。
【0007】
衝突回避もしくは起こってしまった衝突(衝突の結果)を軽くするためのシステムはシステムにおけるアクティブな制動および/または操舵に対して介入操作を実施する。しかし制動介入操作の強さは妨害物をかわす際の操作の支援に対しては最適化されない。つまり例えばEP1300275A1およびEP0891903A2には、運転物理的な手段を尽くしてなお車両が妨害物との衝突をもはや回避することができないときにまさに車両を自動的に制動する装置が記載されている。最終的にシステムをトリガすることになる操作が配属されている個々のエスカレーション段はDE10220567A1に記載されている。自動的にガイドされる車両に対して妨害物をかわすためおよび衝突回避のためのシステムはDE3830790A1、EP0433322B1またはWO9002985A1に記載され、非自動的にガイドされる車両に対してこの種のシステムはWO0208010A1およびDE19831071A1に示され、その際後者は完全自動には作用せずに、ドライバーに操舵モーメントによりかわすための必要な軌跡を提案する。
【0008】
走行ダイナミック調整のための方法も示されているが、これらはドライバーに対して予め与えられる操舵を最適に変換するという目的を有しているにすぎない。しかしこれらの装置は周辺センソトロニークを使用せず、車両固有のセンソトロニークを使用しているだけである。その結果として制動介入操作は妨害物の状況に整合できず、走行状態の安定化を狙っているだけである。
【0009】
更にまだ公開されていないドイツ連歩共和国特許出願DE102004008894(2004年2月24日)には、適当な触覚的な予め与えられる操舵により妨害物をかわす操作を支援することができるシステムが記載されている。妨害物をかわすために必要な軌跡を最適化することに加えて車両を同時に制動することには着目されていない。
【0010】
発明の利点
以下に説明する手法により効果的に、自車並びに他車および妨害物の運動状態に関する情報に基づいて、妨害物をかわす際にドライバーを支援することにより、妨害物との事故の発生を回避もしくは事故の結果を軽くすることができる。
【0011】
有利な仕方において支援は妨害物をかわす過程の期間に自車を意図的に、時間的に制御されて減速することであり、こうしてドライバーが減速の行われない場合に比べて良好な妨害物をかわす操作で運転することができる。システムの実施例に応じて更に、ドライバーに予め定められている操舵も適当な操舵アクチュエータにより変えることができる。
【0012】
これにより妨害物をかわす支援するためにいずれの場合も制動に作用するようにして、ドライバーがより効果的な妨害物をかわすために必要な軌跡を走行することができるようにされる。しかし衝突が制動と操舵とを正しく組み合わせることによってしか回避することができなくなる時点で介入される。すなわち有利な仕方で、衝突がまだ回避可能であるときにドライバーはアクティブに支援される。これにより有利にも、衝突が回避できないときにようやく介入操作するシステムに比べて、時間的な著しい利点が生じる。
【0013】
さらなる利点は、以下の実施例の説明ないし従属請求項から明らかになる。
【0014】
図面
次に、添付の図面を参照しながら実施例に基づき本発明について詳しく説明する。
図1は妨害物に接近というシナリオでの、種々の運転ストラテジーの運転軌跡を略示している。
図2は種々のストラテジーにより衝突を回避することができる、妨害物に対する距離を略示している。
図3はシーケンスを略示ている。
図4は図3のシーケンスを実施する装置を示している。
【0015】
実施例の説明
次に、運転物理的な限界での妨害物をかわそうとする究極の操作は操舵と制動動作の組み合わせにあるという認識に基づいている、自動車のドライバー用アシストシステムについて説明する。運転物理的な限界はタイヤと走行路との間で伝達可能な力がその絶対値により制限されていることによって特徴付けられている。以下に「究極の運転操作」と表す運転物理的な限界は、力の大きさがいずれの時点においても実現可能な限界の大きさに相応していることによって特徴付けられている。すなわち力は文献から公知の「カム円(Kammscher Kreis)」上にあり、その際力の方向は任意の時間的な特性経過を有していることができる。力は、車両長手方向軸線に対して平行である成分(制動もしくは「アクセル操作」による長手方向加速度)と車両長手方向軸線を横断する方向にある(車両長手方向軸線に対して垂直である成分)(操舵による横方向加速度)とに分解することができる。例えば究極の制動操作において(「ブルブレーキング」)は車両長手方向における一定の成分しか(「制動力しか」)作用しない。これに対して究極の操舵操作(「究極の円走行」)においては車両長手方向に対して垂直である一定の成分しか(「操舵力しか」)働かない。
【0016】
車両(自車)が所定の相対速度vrefで妨害物に連続的に接近していく場合、制動による衝突回避は計算可能な限界距離dBremsenまでしか可能ではない。この距離を下回ると(d<dBremesen)、衝突回避のための唯一の手段としてかわそうとする操作が残っている。この形式の妨害物をかわす操作が運転物理的な限界の枠内において可能であるかどうかは、相対速度の他に、自車および妨害物の拡がり(とりわけ幅)にも依存している。物体の拡がりは有限なので必ず、それより上であればかわそうとする操作による衝突回避が回避制動操作より僅かな妨害物間隔dAusweichenまで(dAusweichen<dBremsen)可能であるという限界相対速度vref>vrefAuswがあることが分かっている。距離dBremsenと類似して、限界距離dAusweichenは、物理的な限界での妨害物をかわそうとする究極の操作によりその距離までは衝突が回避可能であるという距離を表す。その際「妨害物をかわそうとする究極の操作」として、運転物理的な限界での運転操作は次のように定義されている。つまり、所定の相対速度および妨害物距離(場合によっては妨害物加速度であることもある)において妨害物のある場所での自車の本来の運動方向に対して垂直方向における可能な最大のずれ(y方向における可能な最大の道程)を作り出す操作である。このような妨害物をかわそうとする究極の操作で運転することができるようにするために、自車において長手方向および横方向加速度(ブレーキングする/操舵する)の最適な時間的な特性経過を計算することが必要である。妨害物をかわそうとする究極の操作を実施するためには制動を用いた著しい成分の長手方向加速度を供給する必要があることが分かっている。妨害物をかわそうとする究極の操作を実施するためのこの必要な制動操作こそ、ここに説明するアシスタントシステムが根本的に着目していることである。殊に、制動操作により妨害物をかわそうとする究極の操作により実現可能なy方向のずれ(y方向は走行方向に対して横断している)が操舵のみによる(横方向加速度だけ)妨害物をかわそうとする操作の場合よりも大きいということに基づいてこの効果が発揮される。dAusweichen<dLenkenが成り立ち、ここでdLenkenは、ここまでは操舵操作だけで衝突を回避できるという限界距離である。
【0017】
すなわち、衝突は確かに運転物理的に回避可能であるが、操舵操作だけでも制動操作だけでも回避可能ではないという距離および相対速度領域が存在しているということである。以下に説明する機能ではまさにこの領域に着目する。
【0018】
Ausweichen<=d<dLenkenである距離でのところでドライバーが操舵だけで妨害物を回避しようとすれば、これでは衝突が起こることになる。このことは、衝突を回避する、妨害物をかわす操作のために必要である制動加速度の時間的な特性経過を計算しかつ自動的に自車における操舵操作が開始されるようにするシステムによって識別される。間接的に、この制動操作を介して、横方向加速度の時間的な特性経過も一緒に影響を受けるようにされる。理想の場合にはドライバーはこれにより究極のまたは究極に準ずる妨害物をかわそうとする操作で運転することができ、このことは車両の減速を伴わない予め定められている操舵だけは可能ではない。
【0019】
別の実施例において、システムは自車の操舵にも介入して、妨害物をかわそうとする操作に関した横方向加速度も一段と最適化されるようにすることができる。
【0020】
ここまで説明してきたシナリオが図1および図2に図示されている。図1は、妨害物3に速度v0で接近する車両1が図示されている。衝突を回避するもしくは衝突結果を軽くするために、ドライバーは制動および操舵操作を介入する余地がある。2で、制動操作だけが行われる場合に生じる軌跡が示されている。妨害物までの距離が著しく僅かであれば、衝突は回避されない。相応のことは妨害物が相応の拡がりを有しているとしてy方向における操舵介入操作だけ(軌跡4)にも当てはまる。軌跡5は制動および操舵操作が行われる状況を示している。そこでは状況次第で、衝突を回避することが可能である。
【0021】
衝突が回避可能または回避不可能であるという条件が図2に示されている。ここでも妨害物3に接近する車両1が図示されている。その際水平方向に距離dがプロットされている。車両は速度v0で移動する。6は制動介入操作の場合の軌跡を示し、7は操舵介入操作の場合の軌跡を示しかつ8は組み合わせされた操舵および制動介入操作の場合の軌跡を示している。距離d1(dBremsen)まで、唯一の措置としてのフルブレーキングにおいて衝突を回避できるもしくはその結果を僅かに抑えることができる。距離d2(dLenken)を下回ると、このことは操舵介入操作だけで実現される。その際d2はd1より短い。距離d3(dAusweichen)を下回ると、組み合わされた制動および操舵介入操作において衝突を回避できるもしくはその結果を僅かに抑えることができる。その際距離は自車の速度、妨害物の速度並びに自車および妨害物の拡がりに依存している。更に自車の制動およびタイヤ状態も関係してくる。それぞれの状況に対して相応の距離が計算される。1形態において制動介入操作とはフルブレーキ介入操作とされ、操舵介入操作は物理的な限界での操舵介入操作とされる。別の形態において計算のために所定の減速度を持った制動介入操作、所定の横方向加速度を持った操舵介入操作が仮定され、例えばドライバーが危険に際して通例調整設定することができる値が仮定される。
【0022】
図3に示されているシーケンス図は、後で説明するドライバーアシストシステムの装置の計算機のプログラムの枠内で上に説明してきた手法の実施形態例を示すものである。
【0023】
図示のプログラムは予め定めた時間間隔において実行される。これは次の基本的なモジュールを有している。1つのモジュールは、制動だけではもはや妨害物との衝突をいつ回避できなくなるかを識別する。別のモジュールは、操舵だけではもはや妨害物との衝突をいつ回避できなくなるかを識別する。
【0024】
更に別のモジュールは、物体の規定の運動パラメータにおいて操舵および制動のいずれのストラテジーが有利であるかを計算する。
【0025】
妨害物との衝突がもはや操舵だけまたは制動だけでは回避できない場合、操舵介入操作に相応して、最適なまたは予め定めた車両減速が調整設定されかつ連続的に、変化する運動パラメータに整合される。これによりドライバーは、衝突を回避する意味において減速が行われないときよりも有利な軌跡を走行することができる。
【0026】
システム形態次第で、ドライバーに対して予め定めた操舵を適当な操舵アクチュエータを介して、求められたより有利な値に整合することができる。システムの有利な形態は、システムによる操舵支援を、妨害物をかわそうとする意図を識別させる、ドライバーの先行するハンドル操作に依存して行うことである。これによりドライバーには、別のストラテジーより妨害物との正面衝突を選ぶという可能性が残されている。
【0027】
ドライバーが妨害物をかわすというストラテジーを追求すべきでなければ、システムによりいずれの場合にも運動エネルギーが取り除かれかつこれにより事故の結果が軽くされる。
【0028】
更に場合によっては後置接続されている非常ブレーキシステムの利用効率が、ブレーキ装置においてブレーキ液が既に満たされかつブレーキシステムにおいて必要なポンプ圧力が形成されていることによって高められる。これにより一層高い制動作用を実現することができる。というのはシステムは、衝突が同時の制動および操舵介入操作によりまだ確実に回避することができるが、操舵または制動単独ではもはや回避できないという時点で非常ブレーキシステムにも拘わらずアクティブになるからである。
【0029】
更にこの種のクリチカルな状況においてドライバーに対して光学的、音響的または触覚的に警告することができる。可逆的な安全システムを早期に活性化するまたは調整設定パラメータを整合させることができる。
【0030】
図示のシステムは車両の意図した減速により妨害物をかわす際にドライバーを支援する。その際減速は物体(自車および妨害物)の状況および運動パラメータに整合される。システムは車両の減速により衝突の結果を軽くする。システムは周辺センソトロニーク(レーダ、ライダー、ビデオ、赤外線、超音波などのセンサの少なくとも1つ)を利用する。次の付加的なシステム形態が考えられる:ドライバーの予め定められた操舵を適当な操舵アクチュエータによって変更することができ、こうしてよりよい妨害物をかわすために必要な軌跡が実現されるようにする。衝突が回避できない場合には、自動的な非常ブレーキングを実施することができる。ドライバーはクリチカルな状況に関して警告されかつ通報される。可逆的な保護手段がトリガされる。可逆的(ブレーキアシスタント)および非可逆的な保護手段(エアバック)は再パラメータ化される。
【0031】
周辺センソトロニーク10(例えばビデオ、レーダ、ライダー、超音波および/または純赤外線センサが含まれている)から第1および第2のモジュール14,16に、妨害物の相対速度、距離、拡がりなどのような量が供給される。例えば操舵角、制動操作、ヨーレートなどを検出する車両状態センソトロニーク12はモジュール14おおよび16に相応の量を供給する。これらの量からモジュール14もしくは16は制動による減速および横方向加速度に関して予め定めた値を考慮して、それを下回ると制動だけもしくは操舵だけでは衝突の回避はもはや可能でなくなる距離値を計算する。適当な車両モデルに基づいて、最後の可能な制動および最後の可能な操舵操作に対する妨害物までの距離を、モデルを走行安定性限界で2つの操作に対して動かすことによって比較的簡単に突き止めることができる。その際モデルの複雑さが2つの計算される距離のQに対して決定的な影響を与える。最も簡単な場合このことは、車両と走行路との間の摩擦係数過大推定および質量点モデルにより行うことができる。1gの最大伝達可能な加速度から出発すると、最後の可能な距離は妨害物幅をqとして運動方程式に基づいて非常に簡単に計算される(VEgo=自車の速度、VHindernis=妨害物の速度、Δχ=最後の可能な距離):
【0032】
【数1】

【0033】
それからその時点での距離と比較することによって、衝突は制動だけもしくは操舵だけでは回避できないことが識別される。
【0034】
制動だけでも操舵だけでも衝突を回避することができないことが識別されると、モジュール18において距離、相対速度、予め定めた減速度および横方向加速度に基づいて衝突回避ストラテジーが求められる。車両および妨害物運動に対する質量点モデルから出発して、極値問題は次のように表される:
【0035】
【数2】

【0036】
時間tが消去され、その結果関数Δx=f(ax,ay)が得られる。それからこの関数の最小値が妨害物に対して長手方向にある最初の、まさにまだ衝突回避できる距離を供給し、ひいては横方向および長手方向加速度ax,ayに対する解析的な解に行き当たる。実際の車両の振る舞いを考慮するために、計算された解がより詳細化された車両モデルに基づいて相応に修正されかつ最適化される。それから横方向および長手方向加速度の既知の経過特性から、対応する操舵および制動介入操作が突き止められる。その場合適当なストラテジーは少なくとも、計算された特性経過内での制動介入操作であり、必要に応じて対応する操舵介入操作で支援されている。
【0037】
次のステップ20において計算された減速(遅延)が実施される。このことは、例えば減速度調整回路の枠内におけるブレーキ装置の意図した制御により行われる。減速に対して付加的に、ドライバーに対する光学的、音響的および/または触覚的なシグナリング22、既存の保護システムへの介入操作、例えば駆動モーメントを低減するための機関制御部26への介入操作および/または非常ブレーキの操作開始もしくはブレーキングアシスタント28の再パラメータ化が行われる。更に付加的にまたは択一的に、ステップ30におけるドライバーの妨害物をかわそうという意志を求め(例えば操舵角に基づいて)かつそれに依存してドライバー介入操作を強めるために操舵アクチュエータ32をドライブ制御するようにすることができる。
【0038】
図4には上で説明した仕方を実施するための装置が示されている。その際入力構成要素56に周辺センサ52ないし54の信号が供給される制御ユニット50が設けられている。これらのセンサは形態に応じて1つまたは複数のセンサ、例えばビデオ、レーダ、超音波センサである。制御ユニット50は実質的に入力構成要素56、計算機58および出力構成要素58から成っている。これらの構成要素はバスシステムを用いて相互に接続されている。出力構成要素を介してアクチュエータ62ないし64、例えばブレーキおよび/またはハンドル部がドライブ制御される。上で説明したプログラムは計算機58において実行され、上に述べた入力および出力信号は構成要素56および60を介して導かれる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】妨害物に接近というシナリオでの、種々の運転ストラテジーの運転軌の略図
【図2】種々のストラテジーにより衝突を回避することができる、妨害物に対する距離の略図
【図3】シーケンスの略図
【図4】図3のシーケンスを実施する装置のブロック図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)を妨害物(3)に対してかわす際に衝突を回避しおよび/または衝突結果を軽くするための方法であって、少なくとも1つの周辺センサ(52ないし54)を用いて少なくとも1つの妨害物(3)が識別され、妨害物(3)のデータが求められるという形式の方法において、
妨害物(3)のデータ並びに車両(1)のデータに基づいて、妨害物をかわす過程を支援するために有利な車両減速度が求められかつ車両(1)が相応に減速される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記データから、妨害物(3)との衝突がブレーキングだけで回避可能であるかが求められかつ衝突がブレーキングだけで回避可能でないときは車両(1)の減速が行われる
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記データから、妨害物(3)との衝突が操舵だけで回避可能であるかが求められかつ衝突が操舵だけで回避可能でないときは車両(1)の減速が行われる
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記データは妨害物(3)の運動パラメータおよび/または拡がりパラメータである
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
車両(1)の前記データは車両(1)の固有運動のデータ、殊に速度(V0)である
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
付加的に適当な操舵アクチュエータ(62,64)によりドライバーに対する予め定められた操舵を変更して、衝突回避を考慮して妨害物をかわすによりよい軌跡が実現されるようにする
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
操舵支援はドライバーの先行するハンドル操作に依存している
請求項6記載の方法。
【請求項8】
少なくとも車両(1)、有利にはすべての関与する物体の運転物理的な運動可能性を考慮して衝突が回避されるようにすることができる
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
付加的に自動的な非常ブレーキングを実施する
請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
付加的にドライバーに、光学的、音響的および/または触覚的に通報もしくは警告する
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
付加的に例えばベルトテンショナーのような可逆的保護システムの操作を行う
請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
付加的に、可逆的および/または非可逆的な保護システムまたは別の安全システム(例えばエアバック、ブレーキアシスタント)の再パラメータ化を行う
請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
車両(1)を妨害物(3)に対してかわす際に衝突を回避しおよび/または衝突結果を軽くするための装置であって、少なくとも1つの周辺センサ(52ないし54)からの信号を受信しかつ該信号に基づいて妨害物(3)を識別しかつ該妨害物(3)のデータを求める制御ユニット(50)を備えている形式のものにおいて、
前記制御ユニット(50)は、該制御ユニットが前記妨害物(3)のデータ並びに車両(1)のデータに基づいて妨害物をかわす過程を支援するために有利な車両減速度を求めかつ車両(1)を相応に減速する制御信号を生成するように構成されている
ことを特徴とする装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2008−529867(P2008−529867A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551658(P2007−551658)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2006/050188
【国際公開番号】WO2006/079589
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】