説明

携帯型情報端末

【課題】筐体の傾き角度の情報を出力する携帯型情報端末を提供する。
【解決手段】2軸ヒンジを介して、折り畳みによる開閉と下側ユニットに対する上側ユニットの回動とが可能である。開閉角度と回動角度は開閉検出部13と回転角度検出部14により検出される。検出された角度の情報は、表示部9に画像で表示される。また、検出された角度に従い各種機能(発信の電話番号の選択、着信音の種類の選択、着信音量の設定、画面の明るさ、ズーム倍率、警告の報知)が制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型情報端末に関し、特に、端末自体の傾きを検出する機能を有する携帯型情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、折り畳み型携帯情報端末、特に折り畳み型携帯電話端末においては、ストレートタイプよりもコンパクトに収納することが可能であり、また操作部のキー操作が誤って行なわれることがないとの利点がある。
【0003】
また、携帯電話端末では、単に電話機としての通話機能のみでなく、インターネット等のブラウザ、電子メール送受信機能、スケジュール管理機能などの各種の機能を備える。これら機能により文字や画像などの多量の情報が表示されるので、表示情報を確認しやすい大きいサイズの表示画面を有するものが好まれている。この点に関しても、1個の筐体の主面に操作部と表示部とが搭載されたストレートタイプよりも、複数筐体のうちの1つの筐体の主面全面を表示画面専用とすることが可能な折り畳み型携帯電話端末の方が有利である。このようなメリットを重視するユーザは、ストレートタイプよりも折り畳み型携帯電話端末を好む。
【0004】
しかしながら、折り畳み型携帯電話端末では、筐体どうしの開閉操作が煩わしい、表示画面は筐体の形状ゆえに縦長となる場合には表示に関する制約(横一行の表示文字数、横長の画像の表示における制約)、デザイン(意匠)上の制約などがある。
【0005】
これらの制約を解決するため、折り畳み型携帯電話端末では、筐体どうしを開閉するのみならず、開いた状態で一方の筐体に対して他方の筐体を回動自在に結合するものも提案されている。たとえば、この種の折り畳み型携帯電話端末については、特許文献1〜4に開示されている。
【特許文献1】特開2003−258979号公報
【特許文献2】特開2004−120513号公報
【特許文献3】特開2004−140434号公報
【特許文献4】特開2004−165826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜4に開示の折り畳み型携帯電話端末では、筐体どうしが開閉状態または、開状態における一方の筐体に対する他方の筐体の回動状態を検出して、開閉または回動の角度の検出結果に基づきアプリケーションプログラム(応答の保留、動作モード切替、カメラの動作切替、アンテナの切替)を制御する機能を有する。しかしながら、ユーザには開閉角度または回動角度についての変位情報が示されないために、どの程度の角度で所望モードに切替えることができるかは、開閉操作または回動操作を繰返しながら試行錯誤のうちに見つけ出すしかないので、操作性に優れない。
【0007】
それゆえに、本発明の目的は、筐体の傾き角度の情報を出力する携帯型情報端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のある局面に従うと、携帯型情報端末は、表示部を有する筐体と、筐体の姿勢の標準状態に対する変位を検出するための姿勢変位検出部と、姿勢変位検出部により検出された変位を表示部に表示する変位表示手段とを備える。
【0009】
したがって、携帯型情報端末の筐体の姿勢の変位が検出されて、筐体の表示部の表示されるので、ユーザは携帯する情報端末の姿勢の変位を視覚的に確認することができる。
【0010】
好ましくは、変位表示手段は、表示部に、変位のためのスケールバーと、検出された変位の情報をスケールバー上において表示する。したがって、姿勢の変位を尺度を用いて表示することができる。
【0011】
好ましくは、姿勢変位検出手段は、筐体の姿勢の標準状態に対する傾きの角度を、変位として検出するための角度検出部を有する。
【0012】
したがって、携帯する情報端末の姿勢の変位を、姿勢の標準状態からの筐体の傾き角度の変化として、具体的に表示することができる。
【0013】
好ましくは、筐体は、表示部を有する第1筐体と、第2筐体とを有し、携帯型情報端末は、第1筐体と第2筐体を回転自在に接合するためのヒンジ部をさらに備えて、姿勢変位検出部は、第1筐体の第2筐体に対するヒンジ部を介した相対姿勢の、標準状態に対する変位を検出する。
【0014】
したがって、携帯する情報端末が第1筐体および第2筐体を含む複数の筐体がヒンジ部を介して回転自在に接続されて構成される場合には、第1筐体の第2筐体に対するヒンジ部を介した相対姿勢の、標準状態に対する変位を検出して表示することができる。
【0015】
好ましくは、携帯情報端末に搭載された機能を、検出され変位に従い制御する。
好ましくは、姿勢変位検出部により検出された変位に対応して予め登録された電話番号を用いて発信する発信手段をさらに備える。したがって、ユーザは携帯する情報端末の筐体の傾きを変化させて、所望する姿勢とすれば、当該姿勢の標準状態からの変位に対応の電話番号の相手に発信することができる。
【0016】
好ましくは、姿勢変位検出部により検出された変位に対応して予め登録された着信音を出力する着信音出力手段をさらに備える。したがって、ユーザは携帯する情報端末の筐体の傾きを変化させて、所望する姿勢とすれば、着信があった場合には、当該姿勢の標準状態からの変位に対応する種別の着信音を出力させることができる。
【0017】
好ましくは、姿勢変位検出部により検出された変位に従う音量で着信音を出力する着信音出力手段をさらに備える。
【0018】
したがって、着信音量を、携帯する情報端末の姿勢の変位に連動して変化させることができる。
【0019】
好ましくは、ズーム部を有して被写体を撮影した画像をズーム部で拡大して出力するカメラと、姿勢変位検出部により検出された変位に従い、ズーム部の拡大の倍率を決定する。
【0020】
したがって、情報端末が備えるカメラが撮影する被写体像の拡大(ズームイン)または縮小(ズームアウト)の倍率を、情報端末の姿勢の変位に連動して変化させることができる。
【0021】
好ましくは、ズーム部は、光学レンズによる光学ズーム部と、画像のデータを処理するズーム処理部とを有する。
【0022】
したがって、カメラが撮影する被写体像の拡大(ズームイン)または縮小(ズームアウト)の倍率を、光学レンズを用いて、または画像データの処理を用いて、または両方を用いて、調整することができる。
【0023】
好ましくは、表示部の画面の明度を、姿勢変位検出部により検出された変位に従い決定する。したがって、携帯する情報端末の画面の明るさを、情報端末の姿勢の変位に連動して変化させることができる。
【0024】
好ましくは、姿勢変位検出部により検出された変位が、所定範囲の変位を超えるときには、警告を報知する。
【0025】
したがって、ユーザが携帯する情報端末の姿勢を操作して、その変位が所定範囲を超えるほどにまで大きくなると、過度の変位による外的な負荷が、情報端末自体に加わり損傷するおそれがある。このように変位が所定範囲を超える場合には、ユーザに警告が報知されるて過度の変位となるような操作を抑止することができて、情報端末自体が損傷するのを防止できる。
【0026】
好ましくは、ヒンジ部は、直交する2本の軸のそれぞれに平行の第1および第2のヒンジを含み、第1のヒンジを介して第2の筐体に対して第1の筐体が開閉自在に接続されて、第2のヒンジを介して第1の筐体に対して第2のヒンジが回動自在に接続されて、角度は、開閉の角度および回動の角度を含む。
【0027】
したがって、携帯する情報端末が第1筐体および第2筐体を含む複数の筐体がヒンジ部を介して回転自在に接続されて構成される場合には、第1筐体の第2筐体に対する開閉の角度と回動の角度とを検出して表示することができる。
【発明の効果】
【0028】
発明によれば、携帯型情報端末の筐体の姿勢の変位が検出されて、筐体の表示部の表示されるので、ユーザは携帯する情報端末の姿勢の変位を視覚的に確認することができる。
【0029】
また、携帯情報端末に搭載された機能を、検出され変位に従い制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
各実施の形態では、携帯情報端末の一例として携帯型電話端末(以下、携帯電話という)を示しているが、これに限定されない。たとえば、PDA(personal digital assistant)、ノート型パーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0031】
図1を参照して携帯電話100は、通信のためのアンテナ1および通信部2、外部から操作して各種情報を入力するための操作部3、外部から着脱自在に装着される記憶媒体4、携帯電話100の各種機能を制御するための制御部5、音を出力するためのスピーカ6および6A、マイク7、被写体を撮像するためのデジタルカメラ(以下、カメラという)8、情報を外部に表示するための表示部9および各種情報を記憶するための設定情報記憶部10を備える。マイク7とスピーカ6は通話のための音声の入出力に用いられて、スピーカ6Aは、着信などを報じるための音の出力に用いられる。
【0032】
制御部5は、通話や電子メールの着信を制御する着信制御部11、通話や電子メールなどの送信を制御する発信制御部12、開閉検出部13、回転角度検出部14、着信などの各種情報を外部に報じるための報知制御部15、表示部9に情報を表示するための表示制御部16、カメラ8を制御するためのカメラ制御部17、携帯電話100の動作モードを判定するための動作モード判定部18、電話番号設定部19、着信音設定部20、表示部9の明度(明るさ)を制御するための明度制御部21、カメラ8のズーム機能を制御するためのズーム制御部22および警告制御部23を有する。制御部5は携帯電話100に搭載されたコンピュータのOS(オペレーティングシステム)と、当該OSを利用して実行されるアプリケーションプログラムからなり、制御部5の各部は当該アプリケーションプログラムとして予め準備されて、プログラムが実行されることで対応の各部の機能が実現されている。
【0033】
図2を参照して、携帯電話100は、制御部5に対応のCPU(Central Processing Unit)60、ROM(Read Only Memory)62およびRAM(Random Access Memory)63からなるメモリ61、表示部9に対応のLCD(Liquid Crystal Display)64、外部から記憶媒体4が着脱自在に装着されて、装着された記憶媒体4をCPU60の制御の下にアクセスしてデータの読み書きをするための記憶媒体駆動部65、開閉センサ67および回転センサ68を備える。LCD64は、バックライトコントローラ69を有する。バックライトコントローラ69はLCD64が有する図示のないバックライトから照射される光による画面の明るさを、明度制御部21からの制御の下に調整する。カメラ8は、レンズ部66を有する。設定情報記憶部10はメモリ61に対応する。また、制御部5内の各部に対応の各種プログラムはメモリ61に格納されており、CPU60が当該プログラムを読出し実行することにより、各部の機能が実現される。
【0034】
図3(A)〜(E)には、携帯電話100の外観が、筐体どうしの開閉状態および回動状態と関連して示されている。図示されるように携帯電話100は2つの筐体からなり、操作部3を有する一方の筐体である下側ユニット101、表示部9に対応のLCD64を有する他方の筐体である上側ユニット102、下側ユニット101と上側ユニット102を回動および回転自在に結合するための可動接合部材(スイベルヒンジ部)である2軸ヒンジから構成される。2軸ヒンジは、図中のX軸方向に並行して設けられたヒンジ105aと、X軸に直交するY軸方向に並行して設けられたヒンジ105bからなる。
【0035】
下側ユニット101および上側ユニット102は所定厚みで略同じ大きさの扁平な長方形状(略直方体形状)を有しており2軸ヒンジ(ヒンジ105aおよび105bからなるヒンジ)を介して機構的に結合され、上側ユニット102が2軸ヒンジを中心にして下側ユニット101に対して回転・回動自在な構造となっている。また、下側ユニット101および上側ユニット102は、2軸ヒンジの部分を経由して適宜の接続のための配線によって電気的に接続されている。
【0036】
図3(A)〜(E)に示すように、携帯電話100は上側ユニット102および下側ユニット101がそれぞれの基端部において、独立して回動可能な直交する2つの回動軸(X軸およびY軸)を含んで構成される2軸ヒンジ(ヒンジ105aおよび105b)によって結合された構造となっている。
【0037】
下側ユニット101の片面(操作面)には携帯電話100の有する機能を利用するために複数のキーを有する操作部3が配設される。さらに同じ操作面の端部には、マイク7のための開口部が設けられている。
【0038】
上側ユニット102の片面(表示面)には略矩形をしたLCD64の画面が縦長に配設されている。表示面の背面にはカメラ8のレンズ部66と、スピーカ6Aが配設される。また、表示面の端部には、スピーカ6が配設される。
【0039】
下側ユニット101に対して上側ユニット102は、矢印123方向に従い回転するヒンジ105aを介して開閉自在である。図3(E)は図3(A)の状態から上側ユニット102をヒンジ105aを介して180度だけ下側ユニット101方向に閉じた状態(折畳まれた状態ともいう)を指す。図3(E)の閉じた状態では、上側ユニット102の表示面は下側ユニット101の操作面と向合わせになっている。図3(E)の状態から、上側ユニット102を下側ユニット101に対して開く操作をすることで、たとえば、図3(B)のように開いた状態となる。開いた状態とは、図3(E)の折り畳まれた状態以外の状態をさす。
【0040】
また、折畳まれた状態以外であるときには、上側ユニット102は、下側ユニット101に対して、たとえば図3(C)に示されるように、矢印122方向に回転するヒンジ105bを介して回動可能である。図3(D)は、図3(A)の状態から矢印122の時計回りに180度だけ上側ユニット102がヒンジ105bを介して回動して、操作面と平行な面は、LCD64の表示面から上側ユニット102の背面(LCD64とは反対の面)に切り替わる。当該背面にはレンズ部66とスピーカ6Aが設けられる。
【0041】
図3(D)の開いた状態から、上側ユニット102をヒンジ105aを介して下側ユニット101の操作面方向に180度動かすと、閉じた状態となる。この場合には、図3(E)とは異なり、表示面が外部に露出して、操作面と表示面の背面とが合わされた状態となる。
【0042】
操作部3は図3(A)に示されるように、携帯電話100の動作モードを切換えるために操作されるモードキー35、携帯電話100の電源のON/OFFを指示するために操作される電源キー36、発信を指示するために操作される発信キー37を有する。さらに、操作入力部3は図示されないが、英字/かな/漢字/数字を入力するためのキー、LCD64に表示されるカーソル操作を行なうための上下左右/確定キー、操作を終了させるための終了キー、などを含む。
【0043】
携帯電話100は、下側ユニット101と上側ユニット102が2軸ヒンジを介して開閉・回動操作されることにより、さまざまな相互の位置関係(相対姿勢)をとることができる。本実施の形態では、上側ユニット102がヒンジ105aを介して回動することによる上側ユニット102と下側ユニット101とが為す角度αが示す開閉角度を検出するために、上側ユニット102に設けられたマグネット(永久磁石)29およびマグネット29からの磁気を検出するための下側ユニット101に磁気センサ32を備える。また、上側ユニット102がヒンジ105bを介して回動することによる上側ユニット102と下側ユニット101とが為す角度βが示す回動の角度を検出するために、上側ユニット102の下側ユニット101方向の端部にはマグネット30および31が設けられ、下側ユニット101の上側ユニット102方向の端部には、マグネット30および31それぞれの磁気を検出するための磁気センサ33および34を備える。
【0044】
マグネット29および磁気センサ32により開閉センサ67が構成され、マグネット30および31ならびに磁気センサ33および34により回転センサ68が構成される。磁気センサ32はマグネット29の磁気レベルを検出して、検出した磁気レベルに応じたレベルの電圧信号をCPU60に出力する。また、磁気センサ33および34のマグネット30および31から検出した磁気レベルに応じたレベルの電圧信号をCPU60に出力する。
【0045】
CPU60は、磁気センサから与えられる電圧信号のレベルに基づき、ヒンジ105aを介した開閉角度およびヒンジ105bを介した回動角度を検出する。開閉角度および回動角度の検出は、開閉検出部13および回転角度検出部14によりなされる。開閉検出部13は、磁気センサ32から与えられた電圧信号が示す電圧レベルに基づき、所定の計算式に従い開閉角度を算出する。または、予め準備された磁気センサ32の出力する電圧信号のレベルと開閉角度とが関連付けされて登録されたテーブルを有し、当該テーブルを、磁気センサ32から与えられた電圧信号が示す電圧レベルに基づき検索することで、関連付けされた開閉角度を読出す。同様に、回転角度検出部14は、磁気センサ33および34から与えられた電圧信号のレベルを用いて所定の計算式に従い回動角度を算出する。または、磁気センサ33および34から与えられた電圧信号のレベルと回動角度とが関連付けされて登録されたテーブルを有し、当該テーブルを、磁気センサ33および34から与えられた電圧信号が示す電圧レベルに基づき検索することで、関連付けされた回動角度を読出す。
【0046】
ここでは、図3(A)のように下側ユニット101に対して上側ユニット102のLCD64の表示面が最大角度となるように開いた状態を標準状態とする。標準状態では、上側ユニット102と下側ユニット101との相対姿勢において、開閉角度は0度および回動角度は0度とする。
【0047】
図3(B)は図3(A)の状態から上側ユニット102を下側ユニット101に対して開閉方向へ60度閉じた状態を示している。本実施の形態では、図4に示されるように上側ユニット102を下側ユニット101に対して標準状態(開閉角度0度)から、閉じた状態の180度まで角度調整することができる。
【0048】
図3(C)は図3(B)の状態から上側ユニット102を下側ユニット101に対して回動方向へ30度回転させた状態を示している。
【0049】
図3(D)は、上側ユニット102を下側ユニット101に対して図3(A)の標準状態から回動方向へ180度回転させた状態を示す。図3(A)の標準状態から、上側ユニット102を下側ユニット101に対して開閉方向へ180度閉じると図3(E)の状態となる。
【0050】
各実施の形態では、携帯電話100は、標準状態からの相対姿勢の変位(傾きの角度)を検出して、検出した筐体の傾きの角度(相対姿勢の変位)を、表示部に表示するとともに、傾き角度(相対姿勢の変位)に対応した電話番号を用いた発信、傾き角度(相対姿勢の変位)に対応した着信音の報知、傾き角度(相対姿勢の変位)に対応したズーム倍率によるズーム機能の制御、傾き角度(相対姿勢の変位)に対応したバックライトの明るさ調整、着信音の調整などが行なわれる。
【0051】
図1に戻り、着信制御部11は、上側ユニット102の開閉操作・回動操作に対応した着信音の制御動作を可能としている。発信制御部12は上側ユニット102の開閉操作・回動操作に対応した発信制御動作を可能としている。明度制御部21は、上側ユニット102の開閉操作・回動操作に対応したLCD64のバックライトの明るさ制御を可能としている。ズーム制御部22は、上側ユニット102の開閉操作・回動操作に対応したカメラ8のズーム制御動作を可能としている。警告制御部23、上側ユニット102の開閉操作・回動操作に対応した警告の報知動作を可能としている。
【0052】
動作モード判定部18は、携帯電話100の動作モード(通話モード、撮影モード、コンテンツ再生モード、電話番号設定モード、着信音設定モード、着信音量設定モード、バックライト調整モード)を判別する。表示制御部16は表示部9における、電子メールなどの通信により送受信される情報の表示の制御をするとともに、回転角度検出部14および開閉検出部13の検出結果を反映させた情報の表示を制御する。
【0053】
図5には、設定情報記憶部10の内容例が示される。設定情報記憶部10には、電話番号テーブル71、着信音テーブル72、携帯電話100についての着信音量のデフォルトを示すための着信音量デフォルトデータ73、LCD64のバックライトの明度のデフォルトを示すバックライト明度デフォルトデータ74、ユーザが設定した着信音量を示すことのできる着信音量設定データ75、ユーザが設定したバックライトの明度を示すことのできるバックライト明度設定データ76、警告音ファイル77、現在の回動角度および開閉角度を示す現在回動角度データ79Aおよび現在開閉角度データ79B、許容角度データ79C、着信音の候補となる複数の着信音ファイル78、デフォルト着信音ファイル78A、ズームデフォルトデータ80Aおよびズーム設定データ80が格納される。設定情報記憶部10において、着信ファイル78はヘッダにファイル名を有し、当該ファイル名に基づき検索されて読出される。
【0054】
報知制御部15は、着信音量設定データ75に基づき、当該データで指示される音量となるようにスピーカ6Aからの音の出力を制御する。
【0055】
明度制御部21はバックライトコントローラ69をバックライト明度設定データ76に基づき制御する。したがって、LCD64のバックライトは、その照明光レベルが、バックライト明度設定データ76で指示される明るさとなるように駆動される。たとえば、バックライトがR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色LED(Light Emitting Diode)からなる場合には、各LEDに供給される電流レベルが、バックライト明度設定データ76が指示するレベルとなるように制御される。また、バックライトが1または複数の白色LEDからなる場合には、各白色LEDに供給される電流レベルが、バックライト明度設定データ76が指示するレベルとなるように制御される。
【0056】
現在回動角度データ79Aおよび現在開閉角度データ79Bは、回転角度検出部14および開閉検出部13により出力される角度データを用いて、制御部5により定期的に更新される(上書きされる)ので、最新の角度を指示することが可能である。
【0057】
着信音量デフォルトデータ73、バックライト明度デフォルトデータ74、許容角度データ79C、デフォルト着信音ファイル78Aおよびズームデフォルトデータ80Aは携帯電話100の工場出荷時などに設定情報記憶部10に格納されるデータである。
【0058】
着信音ファイル78は、アンテナ1および通信部2を介して外部の所定のサイトからダウンロードしたメロディまたは楽曲のファイル、または工場出荷時などに格納されているメロディまたは楽曲のファイルである。なお、携帯電話100の工場出荷時には、着信音量設定データ75、バックライト明度設定データ76およびズーム設定データ80は着信音量デフォルトデータ74、バックライト明度デフォルトデータ74およびズームデフォルトデータ80Aと同じ値が設定されているものとする。
【0059】
ユーザが操作部3を操作することで、着信音量設定データ75、バックライト明度設定データ76およびズーム設定データ80を、着信音量デフォルトデータ74、バックライト明度デフォルトデータ74およびズームデフォルトデータ80Aにより上書き(更新)することができる。
【0060】
図6(A)には、電話番号テーブル71が示されて、図6(B)には着信音テーブル72が示される。電話番号テーブル71は、1または複数のレコードRAを有する。各レコードRAは、電話番号データRA1、開閉角度データRA2および回動角度データRA3を対応付けて有する。着信音テーブル72は、1または複数のレコードRBを有する。各レコードRBは、着信音の種類ごとの着信音ファイル78のファイル名RB1、開閉角度データRB2および回動角度データRB3を対応付けて含む。各レコードのデータは対応付けされて格納されていればよく、格納の形式はレコードを用いたものに限定されない。
【0061】
(実施の形態1:角度表示機能)
上側ユニット102と下側ユニット101との開閉および回動の変位情報を表示する機能について説明する。
【0062】
図7(A)〜(C)には、表示制御部16により表示部9に表示される開閉角度および回動角度を示す画面例が示される。表示部9のLCD64の画面には開閉角度表示バー108および回動角度表示バー109が表示され、開閉角度表示バー108上では角度アイコン110を用いて上側ユニット102の下側ユニット101に対する現在の開閉角度が示される。回動角度表示バー109上では角度アイコン111を用いて上側ユニット102の下側ユニット101に対する回動角度が示される。開閉角度表示バー108は矩形の表示画面の長手方向の一方端に平行に開閉角度の棒状のスケール(0度〜180度)を一端に開閉角度の最大値(180度)および他端に最小値(0度)とともに表示し、回動角度表示バー109は矩形の表示画面の短手方向の一方端に平行に回動角度の棒状のスケール(0度〜180度)を一端に回動角度の最大値(180度)および他端に最小値(0度)とともに表示する。角度アイコン110は開閉角度表示バー108上において、開閉検出部13により検出される現在の開閉角度に応じた位置に表示される。角度アイコン111は回動角度表示バー109上において、回転角度検出部14により検出される現在の回動角度に応じた位置に表示される。図7(A)〜(C)の角度表示の画像は、LCD64に常時表示されるようにしてもよく、または、操作部3のキー操作により表示と消去が所望に応じて切替えられてもよい。
【0063】
図7(A)において、開閉角度表示バー108上の角度アイコン110は0度を示し、回動角度表示バー109上の角度アイコン110は0度を示している。したがって、図7(A)の画像は図3(A)の標準状態において表示される。
【0064】
図7(B)は図3(B)の状態における表示画面を示す。図7(B)において、表示画面の開閉角度表示バー108上の角度アイコン110は60度を示し、回動角度表示バー109上の角度アイコン111は0度を示している。
【0065】
図7(C)は図3(C)の状態における表示画面を示す。図7(C)において、開閉角度表示バー108上の角度アイコン110は60度を示し、回動角度表示バー109上の角度アイコン111は30度を示している。
【0066】
ここでは、角度アイコン110と111のスケール上の位置を用いて角度を表示するようにしているが、それぞれの角度を数値表示してもよい。
【0067】
図8は、上側ユニット102と下側ユニット101の相対姿勢の変動に連動して表示される画像に関連付けて、図1の制御部5の動作を示すフローチャートである。図8の処理フローチャートは、携帯電話100の電源がONされている期間は、定期的に繰り返し実行される。ここでは携帯電話100の電源がONされている状態においては常に開閉角度と回動角度の表示がされると想定し、設定情報記憶部10には、現在回動角度データ79Aおよび現在開閉角度データ79Bが制御部5により設定(更新)されていると想定する。なお、制御部5が現在回動角度データ79Aおよび現在開閉角度データ79Bを定期的に更新する間隔よりも、表示制御部16が図7(A)〜図7(C)の画像の表示を定期的に更新する間隔の方が短いと想定する。
【0068】
まず、表示制御部16は開閉検出部13と回転角度検出部14により検出された現在の開閉角度と回動角度を入力して、設定情報記憶部10に既に格納されている現在開閉角度データ79Bおよび現在回動角度データ79Aが示す角度を読出す。そして入力した角度と読出した角度とを比較する(ステップS(以下、単にSという)3、S9)。比較結果、開閉角度に関して(入力角度>読出し角度)であれば(S3で‘開く’)、表示制御部16は開閉角度表示バー108上において角度アイコン110の表示位置を、開閉角度の入力角度と読出し角度の差分に相当する分だけ角度が増加する方向に移動させる(S5)。比較結果、開閉角度に関して(入力角度<読出し角度)であれば(S3で‘閉じる’)、表示制御部16は開閉角度表示バー108上において角度アイコン110の表示位置を、開閉角度の入力角度と読出し角度の差分に相当する分だけ角度が減少する方向に移動させる(S7)。比較結果、開閉角度に関して(入力角度=読出し角度)であれば(S3で‘変化なし’)、表示制御部16は開閉角度表示バー108上において角度アイコン110の表示位置を変化させない、すなわち何ら処理を行なわず、次のS9に移行する。
【0069】
比較結果、回動角度に関して(入力角度>読出し角度)であれば(S9で‘時計回り’)、表示制御部16は回動角度表示バー109上において角度アイコン111の表示位置を、回動角度の入力角度と読出し角度の差分に相当する分だけ角度が増加する方向に移動させる(S11)。比較結果、回動角度に関して(入力角度<読出し角度)であれば(S9で‘反時計回り’)、表示制御部16は回動角度表示バー109上において角度アイコン111の表示位置を、回動角度の入力角度と読出し角度の差分に相当する分だけ角度が減少する方向に移動させる(S13)。比較結果、回動角度に関して(入力角度=読出し角度)であれば(S9で‘変化なし’)、表示制御部16は回動角度表示バー109上において角度アイコン111の表示位置を変化させない、すなわち何ら処理を行なわず、次のS15に移行する。
【0070】
制御部5は電源キー36により電源OFF操作がされたかを判定する(S15)。OFF操作がされなければ(S15でNO)、処理はS3に戻されるが、OFF操作される(S15でYES)と一連の処理は終了する。
【0071】
なお、表示制御部16は、角度の差分を算出して、その差分に基づく開閉角度表示バー108および回動角度表示バー109上の角度アイコン110と111の移動方向と移動距離は、所定の計算手順に従い算出すると想定する。
【0072】
上述したように、携帯電話100の状態において、ユーザが操作して、上側ユニット102を下側ユニット101に対してヒンジ105aを中心に開く方向へ姿勢を変動させた場合、開閉角度表示バー108上の角度アイコン110が示す角度は増加する。逆に、上側ユニット102を下側ユニット101に対してヒンジ105aを中心に閉じる方向へ姿勢を変動させた場合、開閉角度表示バー108上の角度アイコン110が示す角度は減少する。また、上側ユニット102を下側ユニット101に対してヒンジ105bを中心に時計回り方向へ回動させた場合、回動角度表示バー109上の角度アイコン111が示す角度は増加する。逆に、上側ユニット102を下側ユニット101に対してヒンジ105bを中心に反時計回り方向へ回動させた場合、回動角度表示バー109上の角度アイコン111が示す角度は減少する。
【0073】
(実施の形態2:発信機能)
上側ユニット102と下側ユニット101との開閉および回動変位情報に基づき、その相対姿勢に対応した電話番号を用いて発信する機能について説明する。
【0074】
まず、ユーザは所望の電話番号に対して、所望するように下側ユニット102と下側ユニット101との相対姿勢、すなわち開閉および回動の角度値を関連付けする。関連付けされた情報は、電話番号設定部19により設定情報記憶部10の電話番号テーブル71に格納される。
【0075】
その後、上側ユニット102と下側ユニット101が予め設定した上側ユニット102と下側ユニット101との開閉および回動の角度値にある相対姿勢をとった状態で、ユーザが操作部3の発信キー37を操作すると、制御部5は設定情報記憶部10の電話番号テーブル71を当該開閉および回動の角度値に基づき検索して、対応の電話番号を読出して発信制御部12に与えるので、発信制御部12は与えられる電話番号を用いて発信動作する。これにより、ユーザは発信時には所望する相対姿勢をとるように操作することで、所望する電話番号を用いて発信することができる。
【0076】
図9は、下側ユニット102と下側ユニット101の相対姿勢の変動に連動した電話番号発信機能に関して、図1の制御部5の動作例を示すフローチャートである。図9の処理フローチャートは、携帯電話100の電源がONされている期間は、定期的に繰り返し実行される。
【0077】
図9を参照して、上側ユニット102と下側ユニット101の開閉または回動の操作をして、所望の開閉角度および回転角度とする(S19)。所望の開閉角度または回動角度になったことは、LCD64に表示される角度アイコン110と111表示位置で確認することができる。
【0078】
所望の角度(所望の相対姿勢)になったことを確認して、当該相対姿勢に対応して電話番号を登録しておきたいとユーザが希望した場合には、ユーザはモードキー35を操作して携帯電話100を電話番号設定モードに移行させる(S21でYES)。これにより、動作モード判定部18は電話番号設定モードであることを判定して、電話番号設定部19を起動する。そしてユーザが操作部3の数字キーを操作して所望する電話番号を入力して確定キーを操作すると(S22)、電話番号設定部19は現在の相対姿勢と入力した電話番号とを対応付けてレコードRAとして電話番号テーブル71に格納する(S23)。登録される現在の相対姿勢とは、開閉検出部13と回転角度検出部14から入力した現在の開閉角度および回動角度で示される。したがって、格納されるレコードRAには、入力した電話番号、現在の開閉角度および回動角度が、電話番号データRA1、開閉角度データRA2および回動角度データRA3として対応付けされて格納される。
【0079】
一方、ユーザはモードキー35を操作して携帯電話100を電話番号設定モードに移行させる操作ではなく、発信キー37を操作すると(S21でNO、S27)、制御部5は、開閉検出部13と回転角度検出部14から入力した現在の開閉角度および回動角度に基づき電話番号テーブル71を検索して、当該開閉角度および回動角度に一致する角度を示す開閉角度データRA2および回動角度データRA3を格納しているレコードRAを読出すことができるか否かを判定する(S29)。該当するレコードRAが電話番号テーブル71に格納されておらず検索できなかった場合には(S29でNO)、処理は後述のS35に移行する。
【0080】
一方、該当するレコードRAが電話番号テーブル71から検索できた場合には(S29でYES)、制御部5は検索した該当レコードRAから電話番号データRA1を読出して、発信制御部12に与えて発信を指示するので、発信制御部12は、与えられる電話番号を用いて発信動作する(S31)。これにより、通信部2とアンテナ1を介して当該電話番号の通信相手装置が呼出される。
【0081】
発信して通話をし、通話が終了すると(S33)、制御部5は電源キー36により電源OFF操作がされたかを判定する(S35)。OFF操作がされなければ(S35でNO)、処理はS19に戻されるが、OFF操作されると(S35でYES)一連の処理は終了する。
【0082】
なお、ここでは、発信キー37が操作されると電話番号テーブル71に格納された電話番号データRA1が検索されて、該当するものが読み出しできなかった場合には、処理を終了するようにしているが、これに限定されない。たとえば、電話番号テーブル71から該当する電話番号データRA1の読出しができなかった場合には、ユーザに対して操作部3から、発信に用いる相手先の電話番号を入力してもらうように促してもよい。
【0083】
このように、ユーザは任意の電話番号(所望の電話番号)に対して、任意の(所望の)上側ユニット102と下側ユニット101との開閉および回動角度値を関連付けるための操作をして、関連付けされた情報を電話番号テーブル70に予め格納しておけば、発信時には上側ユニット102と下側ユニット101を操作して所望の開閉および回動角度となった状態で発信キー37を操作するだけで、所望する電話番号を用いて発信動作することができる。
【0084】
(実施の形態3:着信音の出力機能)
上側ユニット102と下側ユニット101との相対姿勢に係る開閉角度および回動角度の変位情報に基づきその変位位置に対応した種類の着信音を鳴らす機能について説明する。図10は、上側ユニット102と下側ユニット101の相対姿勢に係る開閉角度および回動角度の変動に連動して着信(電話着信、電子メールの着信)を報知する音の種類を選択して、選択した種類の着信音を鳴動させる機能に関して、制御部5の動作を示すフローチャートである。図10の処理フローチャートは、携帯電話100の電源がONされている期間は、定期的に繰り返し実行される。
【0085】
まず、ユーザは所望の相対姿勢(所望の開閉角度および回転角度)となるように上側ユニット102および下側ユニット101を操作するので、開閉検出部13および回転角度検出部14は現在の開閉角度および回動角度を検出する(S37)。検出された角度は図7(A)〜(C)に示すように表示されるので、ユーザは所望の角度(相対姿勢)になったことを容易に確認することができる。
【0086】
ユーザは当該所望の相対姿勢について所望の着信音を対応付けたい場合には、モードキー35を操作して着信音設定モードに移行させる。動作モード判定部18は、着信音設定モードに切替えられたことを判定すると(S39でYES)、着信音設定部20を起動するが、切替えされないと判定すると(S39でNO)、処理は後述のS43に移行する。
【0087】
着信音設定モードに移行すると、ユーザは着信音のファイルを選択的に指定する(S40)。具体的には、着信音設定部20は、着信音ファイル78のファイル名を設定情報記憶部10から読出し、表示部9に一覧表示するので、ユーザは表示された一覧から所望のファイル名を操作部3のキー操作をして選択的に指定して入力する。
【0088】
着信音設定部20は、指定された着信音ファイル78の名称と、S37で検出されている現在の開閉角度および回動角度を、着信音ファイル名RB1、開閉角度データRB2および回動角度データRB3として対応付けてレコードRBに格納して、当該レコードRBを着信音テーブル72に格納する(S41)。
【0089】
その後、制御部5は、アンテナ1および通信部2を経由した着信の検出が、着信制御部11によりなされたか否かを判定する(S43)。着信が検出されないと判定すると(S43でNO)、処理は後述するS57に移行する。
【0090】
一方、着信が検出されたと判定されると(S43でYES)、制御部5は、開閉検出部13と回転角度検出部14から入力した現在の開閉角度および回動角度に基づき着信音テーブル72を検索して、当該開閉角度および回動角度に一致する角度を示す開閉角度データRB2および回動角度データRB3を格納しているレコードRBを読出すことができるか否かを判定する(S47)。該当するレコードRBが着信音テーブル72から検索できた場合には(S47でYES)、制御部5は検索できたレコードRBの着信音ファイル名RB1を読出し、読出した着信音ファイル名RB1に基づき設定情報記憶部10を検索して該当する着信音ファイル78を読出し、報知制御部15に与えて報知動作するように指示するので、報知制御部15は与えられた着信音ファイル78の音データに基づきスピーカ6Aから音を出力する(S49)。その後、処理は後述のS53に移行する。
【0091】
一方、該当するレコードRBが着信音テーブル72に格納されておらず検索できなかった場合には(S47でNO)、設定情報記憶部10からデフォルト着信音ファイル78Aを読出し、報知制御部15に与えて報知動作するように指示するので、報知制御部15は与えられたデフォルト着信音ファイル78Aの音データに基づきスピーカ6Aから音を出力する(S51)。
【0092】
スピーカ6Aから鳴動する着信音を確認して、着信に対する応答のためにユーザが操作部3の発信キー37を操作して通信を開始する(S53)。その後、通信が終了したことが通話部2により検出されて、制御部5に通知されると(S55)、制御部5は電源キー36により電源OFF操作がされたかを判定する(S57)。OFF操作がされなければ(S57でNO)、処理はS37に戻されるが、OFF操作されると(S57でYES)一連の処理は終了する。
【0093】
このように、ユーザは任意の着信音(所望の着信音)に対して、任意の(所望の)上側ユニット102と下側ユニット101との開閉および回動角度値を関連付けるための操作をして、関連付けされた情報を着信音テーブル72に予め格納しておけば、着信時には、その時の上側ユニット102と下側ユニット101の開閉および回動角度で鳴動することが所望されている音により着信が報知される。
【0094】
(実施の形態4:着信音量の設定機能)
上側ユニット102と下側ユニット101との回動角度の変位情報に基づき、その変位位置に対応した着信音量を設定する機能について説明する。図11は、上側ユニット102と下側ユニット101の相対姿勢の変動に連動した着信音量制御のためのフローチャートである。図11のフローチャートは、ユーザはモードキー35を操作して、着信音量設定モードに切替えされたことが動作モード判定部18により検出されると、制御部5は着信音量設定モードに移行して、以下の処理を実行する。
【0095】
まず、制御部5は、回転角度検出部14により検出された現在の回動角度を入力して、設定情報記憶部10に既に格納されている現在回動角度データ79Aが示す回動角度を読出す。そして入力した角度と読出した角度とを比較する(S61)。比較結果、回動角度に関して(入力角度>読出し角度)であれば(S61で‘時計回り’)、制御部5は設定情報記憶部10の着信音量設定データ75を、着信音量が増加するような値のデータに更新し(S63)、後述のS67の処理に移行する。比較結果、回動角度に関して(入力角度<読出し角度)であれば(S61で‘反時計回り’)、制御部5は設定情報記憶部10の着信音量設定データ75を、着信音量が減少するような値のデータに更新し(S65)、後述のS67の処理に移行する。比較結果、回動角度に関して(入力角度=読出し角度)であれば(S61で‘変化なし’)、制御部5は、何ら処理を行なわず、すなわち着信音量設定データ75の更新はされずに、処理はS67に移行する。
【0096】
S67においては、制御部5は電源キー36により電源OFF操作がされたかを判定する。OFF操作がされなければ(S67でNO)、処理はS61に戻されるが、OFF操作される(S67でYES)と一連の処理は終了する。
【0097】
着信が検出された報知制御部15によりスピーカ6Aを介して着信音が出力されるとき、報知制御部15は、設定情報記憶部10から読出した着信音量設定データ75に基づく音量の着信音を出力するようにスピーカ6Aを制御する。したがって、ユーザは着信音量を上側ユニット102と下側ユニット101に相対姿勢を調整して設定(切替え)することができる。
【0098】
(実施の形態5:ズーム機能)
上側ユニット102と下側ユニット101との開閉および回動変位情報に連動させて、携帯電話100のカメラ8のズーム機能を制御する場合について説明する。
【0099】
図12は、携帯電話100におけるズーム機能を制御するためのブロック図である。図12を参照して、携帯電話100では、ズーム機能を制御するために、カメラ8はレンズ部60、撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)40およびDSP(Digital Signal Processor)41を含む。レンズ部60は、被写体を撮影するための光学系に含まれる変倍レンズ群50、変倍レンズ群50を駆動して移動させるためのレンズ駆動モータ51、およびレンズ駆動モータ51に対しモータの回転を制御するためのレンズ駆動回路52を有する。
【0100】
また、RAM63は、撮影してDSP41から出力された画像データを格納して(蓄えて)おくための画像メモリ44、一時的に画像データなどの各種データを蓄えるための一時メモリ45、および画像データを拡大処理するために用いられる拡大用メモリ46を有する。携帯電話100は、LCD64に関連してLCD64に表示するためのデータを蓄える表示用メモリ42を有する。
【0101】
また、制御部5は、変倍レンズ群50を用いて光学ズームを機能させるための光学ズーム処理部47、一時メモリ45および拡大用メモリ46を用いてデジタル方式により電子的にズーム処理するためのデジタルズーム処理部48、および光学ズームとデジタルズームを混合して機能させるための混合ズーム処理部49を備える。これら処理部47〜49によりズーム制御部22に対応する。処理部47〜49の手順についての詳細は後述する。
【0102】
被写体を撮影するとき、すなわちモードキー35が操作されて撮影モードが指定されると動作モード判定部18は撮影モードであることを判定して、カメラ8を起動する。起動したカメラ8においては、光学系を介してCCD40の受光面に結像した被写体からの反射光による像はCCD40から画像信号として読出されて、読出された画像信号はDSP41においてデジタル処理可能なように処理されて画像データとして出力される。撮影に並行して出力される画像データは表示可能なように表示用メモリ42に格納されて、LCD64には表示用メモリ42のデータに基づき画像が表示される。したがって、撮影時に被写体を確認するファインダとしてLCD64の表示画面を利用することができる。これにより、最適のアングルまたは撮影倍率になったことをLCD64の表示画像で確認したときに、操作部3の図示しないシャッタキーを操作すると、そのときカメラ8から出力された画像データは画像メモリ44に格納される。
【0103】
図13には、図12の変倍レンズ群50を含む光学系とその周辺部分の概略構成が示される。図13を参照して、光学系は被写体からの反射光が入射する順に配置された、位置が固定の1群のレンズ501、自在に移動する変倍レンズ群50に対応の2群のレンズ502および3群のレンズ503を有し、これらレンズ群を通過した被写体からの反射光による被写体像はCCD40の受光面に結像するので、結像した被写体像の信号はCCD40から読出されてDSP41に与えられて、DSP41において所定処理されて画像データとして出力される。光学系に入射する光の光軸は1群〜3群のレンズ501〜503の各レンズの中心を通過する。
【0104】
1群〜3群のレンズ501〜503に関連してホームポジションHPには図示されないフォトセンサが設けられている。フォトセンサは、レンズの位置を検出して検出信号を制御部5に出力する。この検出信号に基づき制御部5のズーム制御部22が何らかの要因でレンズの位置がずれたことを検出すると、基準位置(ホームポジションHP)に基づき次回の撮影動作時に所定の基準の位置にレンズを戻すような制御信号をレンズ駆動回路52に出力する。レンズ駆動回路52は与えられた制御信号に従いレンズ駆動モータ51の回転(回転の量、速度および方向など)を制御する。
【0105】
レンズ駆動回路52から与えられた制御信号に従いモータ51は回転駆動されるので、モータ51の回転に連動して2群のレンズ502または3群のレンズ503は図示されない駆動軸を介して1群のレンズ501とCCD40の受光面間を移動する。ここでは説明を簡単にするために2群のレンズ502のみが移動し3群のレンズ503は移動しないと想定する。
【0106】
本実施の形態では、2群のレンズ502自体はレンズ駆動モータ51の回転に連動して駆動軸を介してリニアに移動する。ここでは、機構上の制限からで、2群のレンズ502は倍率が1倍と2倍の位置で変更することができる。たとえば、光学1倍モードから光学2倍モードに拡大(望遠)ズームする際の動作について説明する。光学ズーム処理部47はズーム設定データ80により、そのとき指定されている倍率に基づき拡大ズームを行なう場合には、レンズ駆動回路52に対してモータ51を2群のレンズ502が1群のレンズ501方向へ光学1倍から光学2倍の倍率になる位置まで移動するように駆動するための制御信号を送る。また、そのとき指定されている倍率に基づき光学2倍モードから光学1倍モードに広角ズームする際には、光学ズーム処理部47は広角ズームを行なうための命令を受理すると、レンズ駆動回路52に対してモータ51を2群のレンズ502が3群のレンズ503の方向へ光学2倍から光学1倍の倍率になるまで移動するように駆動するための制御信号を送る。
【0107】
次に、デジタルズーム処理部48の手順について説明する。デジタルズーム処理部48によるデジタルズームにおいては、CCD40の受光面中央部分で結像した像の画像データを、設定情報記憶部10から読み出したズーム設定データ80により指定されている倍率に基づき電子的なデータ処理により拡大、すなわち補間処理を行なうことによって広角/望遠という撮影倍率を切換えることができる。デジタルズームのためのデータ処理手順を、簡単に説明する。
【0108】
まず、デジタルズーム処理部48は、CCD40の受光面に結像した画像の中央部分の部分画像データをトリミングして読出して一時メモリ45に格納し、一時メモリ45に格納された部分画像データを読出し標準の画像の大きさと同じ大きさとなるように拡大用メモリ46を用いて引伸ばしのデータ処理を施す。画像の引伸ばしでは、ズーム設定データ80により指示される倍率に従い、たとえば一時メモリ45から同一画素のデータを複数回読出し、隣接画素を埋めるように拡大用メモリ46に格納する。拡大用メモリ46に格納された画像データは読出されて表示用メモリ42に格納されるので、LCD64にはデジタルズーム処理された画像が表示される。
【0109】
本実施の形態では、混合ズーム処理部49により混合ズームが行なわれる。混合ズームは、光学ズームとデジタルズームを併用することで実現可能な倍率の種類を増やすことができる。とえば、光学1倍のズームを行ない、さらにデジタルズームで1.2倍の拡大を行なうことにより、ズーム設定データ80により指示される1.2倍の画像を表示させることができる。また、光学2倍とデジタル1.22倍を併用することにより、ズーム設定データ80により指示される2.44倍などのより細かい倍率を表現することが可能となる。
【0110】
図14のフローチャートは、撮影モードに移行してカメラ8が起動すると実行される。なお、カメラ8の起動時は、ズーム制御部22の光学ズーム処理部47のみが機能しており、光学ズーム処理部47はズームデフォルトデータ80Aを読出し、読出したズームデフォルトデータ80Aに従う倍率(たとえば、光学1.0倍)となるように、レンズ駆動回路52およびレンズ駆動モータ51を制御して、変倍レンズ部50のレンズの位置を調整する。
【0111】
まず、撮影モードに移行すると制御部5は、回転角度検出部14により検出された現在の回動角度を入力して、設定情報記憶部10に既に格納されている現在回動角度データ79Aが示す回動角度を読出す。そして入力した角度と読出した角度とを比較する(S71)。比較結果、回動角度に関して(入力角度>読出し角度)であれば(S71で‘時計回り’)、制御部5は設定情報記憶部10のズーム設定データ80を、倍率が増加(ズームイン)するような値のデータに更新し、ズームインの制御が行なわれて(S73)、後述のS77の処理に移行する。比較結果、回動角度に関して(入力角度<読出し角度)であれば(S71で‘反時計回り’)、制御部5は設定情報記憶部10のズーム設定データ80を、倍率が減少(ズームアウト)するような値のデータに更新、ズームアウトが行なわれて(S75)、後述のS77の処理に移行する。比較結果、回動角度に関して(入力角度=読出し角度)であれば(S71で‘変化なし’)、制御部5では、何ら処理を行なわず、すなわちズーム設定データ80の更新はされずに、また、ズームインもズームアウトも行なわれずに、処理はS77に移行する。
【0112】
S77においては、制御部5はモードキー35が操作されて撮影モードが終了したかを判定する。終了操作がされなければ(S77でNO)、処理はS71に戻されるが、撮影モードの終了操作がされると(S77でYES)一連の処理は終了する。なお、撮影モードが終了すると、ズーム設定データ80は、ズームデフォルトデータ80Aを用いて上書き(更新)される。
【0113】
S73のズームインでは、たとえば、入力角度と読出し角度の差分が30度変わるごとに、0.2倍ずつ倍率が増加し、S75のズームアウトでは、同様に、たとえば30度変わるごとに、0.2倍ずつ倍率が減少するように、ズーム設定データ80が更新される。なお、倍率の最大値、および最小値は予め設定されており、この最大値〜最小値の範囲で倍率が更新されるものとする。
【0114】
ここでは、ズームインおよびズームアウトの処理は、混合ズーム処理部49で行なうとしているが、光学ズーム処理部47のみにより行なう、またはデジタルズーム処理部48のみにより行なうとしても良い。
【0115】
(実施の形態6:バックライト明るさの制御機能)
上側ユニット102と下側ユニット101との開閉および回動変位情報を、上側ユニット102が有するLCD64のバックライト明度に連動させる機能について説明する。
【0116】
図15は、上側ユニット102と下側ユニット101の相対姿勢の変動に連動したバックライトの明るさの制御に関して、制御部5の動作例を示すフローチャートである。
【0117】
まず、ユーザはモードキー35を操作してバックライト調整モードに切替えると、バックライト調整モードに移行する。動作モード判定部18はバックライト調整モードに移行したことを検出すると、明度制御部21を起動する。
【0118】
明度制御部21は開閉検出部13により検出された現在の開閉角度を入力して、設定情報記憶部10に既に格納されている現在開閉角度データ79Bが示す開閉角度を読出す。そして入力した角度と読出した角度とを比較する(S81)。比較結果、開閉角度に関して(入力角度>読出し角度)であれば(S81で‘開く’)、明度制御部21は(入力角度−読出し角度)の差分を算出して、算出した差分に従い、設定情報記憶部10のバックライト明度設定データ76の示す明度を増加するように更新する。そして、更新後のバックライト明度設定データ76に従いバックライトコントローラ69を介してバックライトの明るさを制御して、処理は後述のS87に移行する。これにより、LCD64の標示画面は明るくなる。
【0119】
比較結果、開閉角度に関して(入力角度<読出し角度)であれば(S85で‘閉じる’)、明度制御部21は(入力角度−読出し角度)の差分を算出して、算出した差分に従い、設定情報記憶部10のバックライト明度設定データ76の示す明度を減少するように更新する。そして、更新後のバックライト明度設定データ76に従いバックライトコントローラ69を介してバックライトの明るさを制御して、処理は後述のS87に移行する。これによりLCD64の表示画面は暗くなる。
【0120】
比較結果、開閉角度に関して(入力角度=読出し角度)であれば(S85で‘変化なし’)、明度制御部21による処理は何らされずに、処理はS67に移行する。したがって、LCD67の画面の明るさは変わらない。
【0121】
S87では、制御部5は電源キー36により電源OFF操作がされたかを判定する。OFF操作がされなければ(S87でNO)、処理はS81に戻されるが、OFF操作される(S87でYES)と一連の処理は終了する。
【0122】
このように閉じる方向に操作すると、すなわち図3(A)→図3(B)→図3(E)というように、使用中の開いた状態から、使用が終了し閉じた状態(未使用状態)となるときには、徐々にLCD64の画面は暗くなるから、使用の態様に従い消費電力を低減できる。
【0123】
(実施の形態7:警告報知の機能)
上側ユニット102と下側ユニット101との開閉および回動操作により、上側ユニット102と下側ユニット101との開閉および回動角度が、設定情報記憶部10の許容角度データ79Cで指示される許容範囲外となる場合には、スピーカ6Aから警告音を鳴らす機能について図16のフローチャートを参照して説明する。
【0124】
ここでは携帯電話100の電源がONされている状態においては図16の手順に従い許容範囲を超える開閉角度または回動角度にまで操作されると、携帯電話100の損傷を防止するために警告音が鳴る。当該処理は携帯電話100の電源がONされている間は定期的に繰り返し実行される。
【0125】
まず、警告制御部23は、開閉検出部13と回転角度検出部14により検出された現在の開閉角度と回動角度を入力して、設定情報記憶部10に既に格納されている現在回動角度データ79Aと現在開閉角度データ79Bが示す現在の開閉角度と回動角度とを読出して入力した角度と読出した角度とを比較する(S91、S97)。
【0126】
比較結果、開閉角度に関して(入力角度>読出し角度)であれば(S91で‘開く’)、警告制御部23は、設定情報記憶部10に既に格納されている許容角度データ79Cが示す許容される開閉角度(たとえば、180度)を読出して、両者を比較して、比較結果に基づき現在の開閉角度が許容される開閉角度を超えるか否かを、すなわち入力角度は180度より大きい角度であるか否かを判定する(S93)。
【0127】
許容される角度を超えると判定されると(S93でYES)、警告制御部23は、設定情報記憶部10から警告音ファイル77を読出し、報知制御部15に与えるとともに、警告音を出力するように指示するので、報知制御部15は、与えられた警告音ファイル77のデータに基づきスピーカ6Aから警告音を出力させる(S95)。その後、処理はS91に戻る。
【0128】
一方、開閉角度に関して(入力角度>読出し角度)でなければ、すなわち閉じる操作または操作がされていない場合には(S91で‘閉じる’または‘変化なし’)、または許容される角度を超えていないと判定されると(S93でNO)、処理はS97に移行する。
【0129】
回動角度に関して(入力角度>読出し角度)であれば(S97で‘時計回り’)、警告制御部23は、入力回動角度が設定情報記憶部10から読出した許容角度データ79Cが示す回動角度の上限角度(たとえば、180度)を超えるか否かを判定する(S103)。超えると判定される、すなわち入力した回動角度が180度よりも大きいと判定されると(S103でYES)、上述のS95の手順と同様にして警告音が出力されて(S105)、処理はS91に戻る。
【0130】
回動角度に関して(入力角度<読出し角度)であれば(S97で‘反時計回り’)、警告制御部23は、入力した回動角度が設定情報記憶部10から読出した許容角度データ79Cが示す回動角度の下限角度(たとえば、0度)をさらに下まわるか否かを判定する(S99)。入力した回動角度が0度未満と判定されると(S93でYES)、上述のS95の手順と同様にして警告音が出力されて(S105)、処理はS91に戻る。
【0131】
S97で回動角度が変化していない、またはS99で回動角度が下限角度(0度)以上であると判定される、またはS103で回動角度が上限角度(180度)を超えないと判定されると、処理はS107に移行する。
【0132】
S107では、制御部5は電源キー36により電源OFF操作がされたかを判定する。OFF操作がされなければ(S107でNO)、処理はS91に戻されるが、OFF操作されると(S107でYES)、一連の処理は終了する。
【0133】
本実施の形態では、上側ユニット102と下側ユニット101が2軸ヒンジを介して操作される場合に、過度の角度になるまで開閉操作または回動操作がされた場合には、警告音が出力されるので、機器が無理な姿勢をとるために損傷することを防止できる。
【0134】
以上説明したように各実施の形態では、上面および下面のいずれかに表示画面を持つ下側ユニット102と、上面および下面のいずれかに操作面を持つ下側ユニット101とが開閉および回動自在に結合された折り畳み型携帯電話100において、下側ユニット102と下側ユニット101との相対姿勢の変動を検出し、検出結果をLCD64の画面に表示することでユーザに相対姿勢を角度で明示できるだけでなく、検出した角度が示す相対姿勢を応用した各種機能(またはアプリケーションプログラム)の実行が可能となる。
【0135】
なお、各実施の形態では、携帯電話100は、複数の筐体(ユニット)を備えて折り畳み可能としているが、単一の筐体からなる、いわゆるフラットタイプであってもよい。その場合には、地磁気センサを備えて、地面に対する筐体の傾きの角度を、地磁気センサが検出する地磁気のレベルに基づき検出する。または、筐体の地面に対してとるある相対姿勢を標準状態として、標準状態からの相対姿勢の変位(傾きの角度)を検出する。これら検出した筐体の傾きの角度(相対姿勢の変位)を、表示部に表示するとともに、傾き角度(相対姿勢の変位)に対応した電話番号を用いた発信、傾き角度(相対姿勢の変位)に対応した着信音の報知、傾き角度(相対姿勢の変位)に対応したズーム倍率によるズーム機能の制御、傾き角度(相対姿勢の変位)に対応したバックライトの明るさ調整、着信音の調整などが行なわれるとしてもよい。
【0136】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】各実施の形態に係る携帯電話の機能構成図である。
【図2】各実施の形態に係る携帯電話のハードウェア構成図である。
【図3】(A)〜(E)は、携帯電話の外観を、筐体の開閉状態および回動状態と関連して示す図である。
【図4】携帯電話の開閉角度を説明する図である。
【図5】設定情報記憶部の内容例を示す図である。
【図6】(A)と(B)は電話番号テーブルと着信音テーブルを示す図である。
【図7】(A)〜(C)は、開閉角度および回動角度の画面表示例を示す図である。
【図8】携帯電話の相対姿勢の変動に連動した画像を表示するためのフローチャートである。
【図9】携帯電話の相対姿勢の変動に連動した電話番号発信機能のためのフローチャートである。
【図10】携帯電話の相対姿勢の変動に連動した種類の着信音を出力するためのフローチャートである。
【図11】携帯電話の相対姿勢の変動に連動した着信音量制御のためのフローチャートである。
【図12】携帯電話におけるズーム機能を制御するためのブロック図である。
【図13】変倍レンズ群を含む光学系とその周辺部分の概略構成図である。
【図14】携帯電話の相対姿勢の変動に連動したズーム制御のためのフローチャートである。
【図15】携帯電話の相対姿勢の変動に連動したバックライトの明度制御のためのフローチャートである。
【図16】携帯電話の相対姿勢の変動に連動した警告報知のためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0138】
3 操作部、5 制御部、9 表示部、10 設定情報記憶部、11 着信制御部、12 発信制御部、13 開閉検出部、14 回転角度検出部、15 報知制御部、16 表示制御部、17 カメラ制御部、18 動作モード判定部、19 電話番号設定部、20 着信音設定部、21 明度制御部、22 ズーム制御部、23 警告制御部、100 携帯電話。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する筐体と、
前記筐体の姿勢の標準状態に対する変位を検出するための姿勢変位検出部と、
前記姿勢変位検出部により検出された前記変位を前記表示部に表示する変位表示手段とを備える、携帯型情報端末。
【請求項2】
前記変位表示手段は、
前記表示部に、前記変位のためのスケールバーと、検出された前記変位の情報を前記スケールバー上において表示することを特徴とする、請求項1に記載の携帯型情報端末。
【請求項3】
前記姿勢変位検出手段は、
前記筐体の姿勢の標準状態に対する傾きの角度を、前記変位として検出するための角度検出部を有する、請求項1に記載の携帯型情報端末。
【請求項4】
前記筐体は、前記表示部を有する第1筐体と、第2筐体とを有し、
前記携帯型情報端末は、前記第1筐体と前記第2筐体を回転自在に接合するためのヒンジ部をさらに備えて、
前記姿勢変位検出部は、前記第1筐体の前記第2筐体に対する前記ヒンジ部を介した相対姿勢の、前記標準状態に対する変位を検出することを特徴とする、請求項1に記載の携帯型情報端末。
【請求項5】
前記携帯情報端末が有する機能を、検出され前記変位に従い制御することを特徴とする、請求項1に記載の携帯型情報端末。
【請求項6】
前記姿勢変位検出部により検出された前記変位に対応して予め登録された電話番号を用いて発信する発信手段をさらに備える、請求項1に記載の携帯型情報端末。
【請求項7】
前記姿勢変位検出部により検出された前記変位に対応して予め登録された着信音を出力する着信音出力手段をさらに備える、請求項1に記載の携帯型情報端末。
【請求項8】
前記姿勢変位検出部により検出された前記変位に従う音量で着信音を出力する着信音出力手段をさらに備える、請求項1に記載の携帯型情報端末。
【請求項9】
ズーム部を有し、被写体を撮影した画像を前記ズーム部で拡大して出力するカメラと、
前記姿勢変位検出部により検出された前記変位に従い、前記ズーム部の拡大の倍率を決定することを特徴とする、請求項1に記載の携帯型情報端末。
【請求項10】
前記ズーム部は、光学レンズによる光学ズーム部と、前記画像のデータを処理するズーム処理部とを有する、請求項9に記載の携帯型情報端末。
【請求項11】
前記表示部の画面の明度を、前記姿勢変位検出部により検出された前記変位に従い決定することを特徴とする、請求項1に記載の携帯型情報端末。
【請求項12】
前記姿勢変位検出部により検出された前記変位が、所定範囲の変位を超えるときには、警告を報知することを特徴とする、請求項1に記載の携帯型情報端末。
【請求項13】
前記ヒンジ部は、直交する2本の軸のそれぞれに平行の第1および第2のヒンジを含み、
前記第1のヒンジを介して前記第2筐体に対して前記第1筐体が開閉自在に接続されて、前記第2のヒンジを介して前記第1筐体に対して前記第2ヒンジが回動自在に接続されて、
前記角度は、前記開閉の角度および前記回動の角度を含む、請求項4に記載の携帯型情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−129317(P2007−129317A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−318418(P2005−318418)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】