説明

液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板及びその製造方法並びに液晶表示装置

【課題】 本発明の目的は、液晶配向の不良を減少させ、開口率を高めることにある。
【解決手段】 第1絶縁基板と、第1絶縁基板上部に形成されており、ゲート電極を有するゲート線と、ゲート線を覆うゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上部に形成されている半導体層と、半導体層上部に形成されているソース電極及びドレイン電極とソース電極に連結されており、ゲート線と交差するデータ線と、有機絶縁膜からなっており、ドレイン電極を露出する第1接触孔を有する保護膜と、第1接触孔を通じてドレイン電極と連結されている画素電極と、第1絶縁基板と対向する第2絶縁基板と、ゲート線またはデータ線と重なるブラックマトリックスと、第1絶縁基板と第2絶縁基板の間でブラックマトリックスと重なって位置し、写真エッチング工程で形成された基板スペーサとを含む液晶表示装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
 本発明は薄膜トランジスタ液晶表示装置に係り、より詳しくはブラックマトリックスが薄膜トランジスタ基板上に形成されている液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板及びその製造方法並びに液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
 平板表示装置として広く用いられている薄膜トランジスタ液晶表示装置は薄膜トランジスタ基板とカラーフィルター基板とからなる。ブラックマトリックスは隣接した画素の間の光漏れを防止するために用いられ、通常はカラーフィルター基板上に形成される。しかしながら、薄膜トランジスタ基板とカラーフィルター基板との整列誤差のためにブラックマトリックスが光漏れを防止するに限界がある。従って、最近にはブラックマトリックスを薄膜トランジスタ基板上に形成する方法が用いられている。かかる薄膜トランジスタ基板の製造方法はブラックマトリックスオン薄膜トランジスタ(BM on TFT ;black matrix on thin film transistor)と言われている。
【0003】
 図1は従来技術に従うブラックマトリックスオン薄膜トランジスタ方式の薄膜トランジスタ基板の断面図である。図1に示すように、透明な絶縁基板1上にゲート電極2および保持容量(storage capacitor) 電極3が形成されている。ゲート電極2および保持容量電極3上にはゲート絶縁膜4が形成されている。ゲート絶縁膜としては、通常の窒化シリコン(SiNx)膜を用いる。ゲート電極2に対応する位置のゲート絶縁膜4上に非晶質シリコン層5、エッチストップ(etch stop) 層6およびn+非晶質シリコン層7が順に形成されている。n+非晶質シリコン層7上にソース電極8とドレイン電極9とが形成されており、ソース電極8はデータ線(図示省略)と連結されている。薄膜トランジスタはゲート電極2、ゲート絶縁膜4、非晶質シリコン層5、n+非晶質シリコン層7、ソース電極8およびドレイン電極9からなる。かかる薄膜トランジスタとゲート絶縁膜4上に保護膜10が形成されており、薄膜トランジスタ上に形成されている保護膜10上にブラックマトリックス11が形成されている。画素領域には保護膜10上にITO(indium tin oxide)からなる画素電極12が形成されているが、この画素電極12は接触孔を通じてドレイン電極9と連結される。
【0004】
 画素電極12とデータ線はその一部が重なるように形成されていて液晶表示装置が駆動されるとき画素電極12とデータ線との間で結合容量(coupling capacitance)を発生することができ、この結合容量は液晶表示装置の画像信号を歪曲させる。さらに、ブラックマトリックス11が薄膜トランジスタ上に形成されていて薄膜トランジスタと画素電極との間の段差が大きくなり、これによって液晶配向の不良が発生して光漏れが発生する。かかる光漏れはブラックマトリックス幅を広げると解決することができるが、このようにする場合開口率が減少するという短所がある。
【0005】
 一方、液晶層の厚さであるセル間隔を一定に保持するため、薄膜トランジスタと画素電極との間に基板スペーサ(spacer)を挿入することが行われている。従来には主に大きさが一定の球形の基板スペーサを散布する方法が用いられた。しかしながら、画素電極と薄膜トランジスタとの段差のために均一のセル間隔をつくることができないし、画素電極12上にも基板スペーサが散布される。このように、セル間隔が不均一になると液晶層の厚さが均一でなくなり表示特性が低下される。また、液晶セルの画素電極12上に散布された基板スペーサにより液晶配向の不良および後面光(back light)の散乱が生じることがある。かかる配向の不良や後面光の散乱は液晶セルの透過率を減少させ、光漏れを発生させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
 従って、本発明は前記従来の問題点を解決するためのものであって、その目的は、画素電極とデータ線との間から発生する結合容量を減少させ、液晶配向の不良を減少させ、開口率を高めることにある。さらに、液晶セルの間隔を均一にし、基板スペーサに基づいた後面光の散乱を抑制して透過率の減少および光漏洩の問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
 前記課題を解決するため、本願第1発明は第1絶縁基板と、前記第1絶縁基板上部に形成されており、ゲート電極を有するゲート線と、前記ゲート線を覆うゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上部に形成されている半導体層と、前記半導体層上部に形成されているソース電極及びドレイン電極と前記ソース電極に連結されており、前記ゲート線と交差するデータ線と、有機絶縁膜からなっており、前記ドレイン電極を露出する第1接触孔を有する保護膜と、前記第1接触孔を通じて前記ドレイン電極と連結されている画素電極と、前記第1絶縁基板と対向する第2絶縁基板と、前記ゲート線または前記データ線と重なるブラックマトリックスと、前記第1絶縁基板と前記第2絶縁基板の間で前記ブラックマトリックスと重なって位置し、写真エッチング工程で形成された基板スペーサとを含む液晶表示装置を提供する。
【0008】
 本願第2発明は、本願第1発明において、前記保護膜の誘電率は2.4〜4.7の範囲内である液晶表示装置を提供する。
 本願第3発明は、本願第1発明において、前記保護膜の表面は平坦化されている液晶表示装置を提供する。
 本願第4発明は、本願第1発明において、前記画素電極は少なくとも前記データ線と重なる液晶表示装置を提供する。
【0009】
 本願第5発明は、本願第1発明において、前記ブラックマトリックスは前記保護膜の溝に詰められている液晶表示装置を提供する。
 本願第6発明は、本願第1発明において、前記半導体層と前記保護膜の間に形成されているエッチストッパーをさらに含む液晶表示装置を提供する。
 本願第7発明は、本願第1発明において、前記ゲート絶縁膜上部に形成された金属パターンをさらに含む液晶表示装置を提供する。
【0010】
 本願第8発明は、本願第7発明において、前記保護膜は前記金属パターンを露出する第2接触孔を有し、前記金属パターンは前記第2接触孔を通じて前記画素電極と連結されている液晶表示装置を提供する。
 本願第9発明は、透明な絶縁基板と、前記基板上に形成されているゲート電極と、前記ゲート電極上に形成されており有機絶縁剤からなるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に、かつ前記ゲート電極上部に形成されている窒化シリコン膜と、前記窒化シリコン膜上部に形成されている半導体層と、前記半導体層上部に前記半導体層を挟んで両側に形成されているソース電極及びドレイン電極と、を含む液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を提供する。
【0011】
 本願第10発明は、本願第9発明において、前記半導体層は非晶質シリコンからなる液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を提供する。
 本願第11発明は、透明な絶縁基板上にゲート線および前記ゲート線の分枝であるゲート電極を含むゲートパターンを形成する段階と、前記絶縁基板及びゲート電極上に流動性絶縁剤を回転コーティングし、平坦なゲート絶縁膜を形成する段階と、前記ゲート絶縁膜上の前記ゲート電極上部に窒化シリコン膜を形成する段階と、前記窒化シリコン膜上に半導体層を形成する段階と、前記半導体層上に、前記ゲート線と交差するデータ線、前記データ線の分枝であるソース電極およびドレイン電極を含むデータパターンを形成する段階と、を含む液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法を提供する。
【0012】
 本願第12発明は、本願第11発明において、有機絶縁剤を用いて前記ゲート絶縁膜を形成する、液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法を提供する。
 本願第13発明は、本願第11発明において、前記窒化シリコン膜を前記半導体層の下部に残すようにエッチングする段階をさらに含む、液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法を提供する。
【0013】
 本願第14発明は、本願第11発明において、前記半導体層を非晶質シリコンで形成する液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法を提供する。
 本願第15発明は、薄膜トランジスタ基板及びカラーフィルター基板からなるセルと、前記セルに注入された液晶と、前記セルを駆動する駆動回路とを有する液晶表示装置であって、前記カラーフィルター基板は、前記薄膜トランジスタ基板の薄膜トランジスタに対応する部分に位置し、かつ写真エッチング工程が可能な有機絶縁膜からなる基板スペーサを備えている液晶表示装置を提供する。
【0014】
 本願第16発明は、基板の上部に形成されているゲート電極と、前記ゲート電極の上部に形成されており、有機絶縁物質からなるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の上部に形成されている半導体層と、前記半導体層の上部に互いに分離されて形成されているソース電極とドレーン電極及び前記ソース電極と電気的に連結されているデータ線と、前記ドレーン電極を露出させる第1接触孔を有する保護膜と、前記第1接触孔を通じて前記ドレーン電極と電気的に連結されている画素電極と、を含む液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を提供する。
【0015】
 本願第17発明は、本願第16発明において、前記ゲート絶縁膜と前記半導体層との間に形成されている窒化シリコン膜をさらに含む液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を提供する。
 本願第18発明は、本願第17発明において、前記窒化シリコン膜はパターニングされている液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を提供する。
【0016】
 本願第19発明は、本願第16発明において、前記ゲート絶縁膜の上部にしま模様に形成されている金属パターンをさらに含むことを特徴とする液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を提供する。
 本願第20発明は、本願第19発明において、前記保護膜は有機絶縁物質からなることを特徴とする液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を提供する。
【0017】
 本願第21発明は、本願第20発明において、前記保護膜は前記金属パターンを露出させる第2接触孔を有し、前記金属パターンは前記第2接触孔を通じて前記画素電極と連結されていることを特徴とする液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を提供する。
 本願第22発明は、本願第19発明において、前記保護膜は前記金属パターンを露出させる第2接触孔を有し、前記金属パターンは前記第2接触孔を通じて前記画素電極と連結されていることを特徴とする液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を提供する。
【0018】
 保護膜は薄膜トランジスタ基板のゲート線、データ線および薄膜トランジスタの上部に平坦に形成されていて、保護膜上に形成されている画素電極と有機絶縁膜の下部のデータ線との間における信号の干渉を防ぐ役割をする。
 保持容量電極は、絶縁基板上に形成され、ゲート絶縁膜を挟んで画素電極の下方に位置している。
【0019】
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板において、有機ブラックホトレジストの表面抵抗が1010Ω/m2 以上である。本願発明は、前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板において、保持容量電極上部のゲート絶縁膜が保護膜に覆われている。
 保持容量電極は保護膜上部の画素電極と共に保持蓄電器をなすが、低い誘電率を有する保護膜により保持容量が減少することを防止するため、前記の構成とすることが好ましい。
【0020】
 液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板において、保持容量電極上の保護膜が他の部分の保護膜より薄く形成されている。前記と同様、低い誘電率を有する保護膜により保持容量が減少することを防止するため、保持容量電極上部の保護膜を除去するか厚さを薄くして保持容量が十分な値を有するようにする。
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板において、保持容量電極上のゲート絶縁膜が他の部分のゲート絶縁膜より薄く形成されている。前記と同様、保持容量を補償するためである。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板において、ゲート絶縁膜が互いに異なるエッチング選択比を有する2重層で形成されており、保持容量電極上のゲート絶縁膜が2重層のうちの一層で形成されている。
【0021】
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板において、保持容量電極上方に形成されており、画素電極と連結されている金属層をさらに含んでいる。前記と同様、保持容量を補償するためである。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板において、ゲート電極が絶縁基板上に形成され、ゲート絶縁膜がゲート電極上に形成され、半導体層が、ゲート絶縁膜上に形成され、かつゲート電極上方に位置し、半導体層上の両側に半導体層を挟んでソース電極およびドレイン電極がそれぞれ形成されている。
【0022】
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板において、ゲート絶縁膜が流動性の有機絶縁剤を用いて平坦に形成されている。ゲートパターン上部を平坦化しゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量を減少させるためにゲート絶縁膜として保護膜のような流動性絶縁膜を用いることが好適である。ゲート絶縁膜としての有機絶縁膜の厚さは2500〜5500Å程度が推奨される。
【0023】
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板において、ゲート絶縁膜上に窒化シリコン膜がさらに形成されている。薄膜トランジスタの半導体層に用いられる非晶質シリコン層との界面特性を確保するためである。有機絶縁膜上部に形成される窒化シリコン膜の厚さは500〜800Å程度が好ましい。
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板において、窒化シリコン膜が半導体層の下部に形成されている。本願発明は、前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板において、半導体層が非晶質シリコンを用いて形成されている。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板において、半導体層上に形成され、写真工程が可能な材料からなるエッチストップ層をさらに含んでいる。エッチストッパ構造を有する薄膜トランジスタ基板を用いる場合、エッチストップ層を写真工程が可能な絶縁膜に形成してドレイン電極とゲート電極との間の寄生容量を減少することができ、工程の単純化が可能になる。エッチストップ層としては有機絶縁膜を用いるのが好ましく、有機絶縁膜の厚さは3000〜5000Å程度が適当である。透明な絶縁基板と、基板上に形成されているゲート電極と、ゲート電極上に形成されているゲート絶縁膜と、窒化シリコン膜と、窒化シリコン膜上部に形成されている半導体層と、ソース電極及びドレイン電極とを含んでいる液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を提供する。窒化シリコン膜は、有機絶縁剤からなるゲート絶縁膜上に、かつゲート電極上部に形成されている。ソース電極及びドレイン電極は、半導体層上部に半導体層を挟んで両側に形成されている。
【0024】
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板において、半導体層に非晶質シリコンを用いている。透明な絶縁基板上にゲート線およびゲート線の分枝であるゲート電極を形成する段階と、ゲート電極および絶縁基板上に、有機絶縁剤を用いてゲート絶縁膜を形成する段階と、ゲート絶縁膜上に半導体層を形成する段階と、ゲート線と交差するデータ線、データ線の分枝であるソース電極およびドレイン電極を含むデータパターンを半導体層上に形成する段階と、ゲート絶縁膜及びデータパターンを平坦に覆う保護膜を形成する段階と、保護膜をエッチングしてドレイン電極を露出させる第1接触孔を形成する段階と、ゲート線とデータ線とで囲まれる画素領域の保護膜上に画素電極を形成する段階と、画素電極をマスクにして保護膜の一部をエッチングする段階と、保護膜がエッチングされた部分にブラックマトリックスを形成する段階とを含む、液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法を提供する。
【0025】
 保護膜上にITOなどからなる透明導電膜を蒸着しパタニングして画素領域に画素電極を形成し、画素電極をマスクに用いて保護膜を一定の深さにエッチングした後、そのエッチングされた部分に有機ブラックホトレジストを詰めてブラックマトリックスを平坦に形成する。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、流動性の有機絶縁剤を用いて保護膜を形成する。
【0026】
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、誘電常数が2.4〜3.7の有機絶縁剤を用いて保護膜を形成する。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、有機ブラックホトレジストを用いてブラックマトリックスを形成する。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、有機ブラックホトレジストとして表面抵抗が1010Ω/m2 以上のものを用いる。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、絶縁基板上にゲート線、ゲート電極及び保持容量電極を形成し、ゲート電極、絶縁基板及び保持容量電極上にゲート絶縁膜を形成する。
【0027】
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、保持容量電極上の保護膜をエッチングする段階をさらに含んでいる。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、保持容量電極上のゲート絶縁膜を一定の深さにエッチングする段階をさらに含んでいる。
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、互いに異なるエッチング選択比を有する2重層を形成し、2重層のうち上部層を除去してゲート絶縁膜を形成する。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、ゲート絶縁膜上に、かつ保持容量電極上部に金属層を形成する段階と、画素電極を金属層と連結するために、保護膜をエッチングして金属層を露出させる第2接触孔を形成する段階とをさらに含んでいる。
【0028】
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、ゲート絶縁膜をエッチングし、保持容量電極を露出させる第2接触孔を形成する段階をさらに含み、データパターンを形成する段階において、第2接触孔を通じて保持容量電極と連結される金属層をゲート絶縁膜上にさらに形成する。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、有機絶縁剤を用いてゲート絶縁膜を平坦に形成する。
【0029】
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、ゲート絶縁膜上に窒化シリコン膜を形成する段階をさらに含んでいる。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、窒化シリコン膜を半導体層の下部に残すようにエッチングする段階をさらに含んでいる。
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、非晶質シリコンを用いて半導体層を形成する。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、半導体層上に写真工程が可能な材料でエッチストップ層を形成する段階をさらに含んでいる。エッチストップ層を写真工程が可能な材料で形成する場合には半導体層の上部に写真工程が可能な材料をコーティングしパターニングする。
【0030】
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、エッチストップ層を形成する段階が、写真工程が可能な有機材料膜を半導体層上に形成する段階と、エッチストップ層パターンが形成されているマスクを用いて絶縁基板の正面において露光する段階と、有機材料膜を現像する段階とを含んでいる。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、絶縁基板の後面において露光した後、正面露光する。
【0031】
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、現像段階後に絶縁基板を熱処理する段階をさらに含んでいる。すなわち、エッチストップ層をパターニングするための好ましい過程は、写真工程が可能な材料をコーティングし後面露光した後、エッチストップ層を形成するためのマスクを用いて再び全面露光し現像した後、熱処理する段階からなる。次に、抵抗接触層、データパターンを順に形成した後保護膜に用いられる流動性絶縁膜をコーティングし、保持容量電極上部の保護膜をエッチングして厚さを縮小する。
【0032】
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、エッチストップ層をマスクにして半導体層をエッチングする段階をさらに含んでいる。透明な絶縁基板上にゲート線およびゲート線の分枝であるゲート電極を含むゲートパターンを形成する段階と、前記絶縁基板及びゲート電極上に流動性絶縁剤を回転コーティングし、平坦なゲート絶縁膜を形成する段階と、ゲート絶縁膜上のゲート電極上部に窒化シリコン膜を形成する段階と、窒化シリコン膜上に半導体層を形成する段階と、半導体層上にゲート線と交差するデータ線、前記データ線の分枝であるソース電極およびドレイン電極を含むデータパターンを形成する段階とを含む、液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法を提供する。
【0033】
 かかる薄膜トランジスタ基板を製造する時にはゲート線と保持容量電極とが形成されている基板上に、ゲート絶縁膜に用いられる流動性絶縁膜を回転コーティングし、その上に窒化シリコン膜を蒸着する。半導体層のパターンを形成した後、後述するように、窒化シリコン膜を半導体層の下部を除いて全面的にエッチングすることが好ましい。
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、ゲート絶縁膜に有機絶縁剤を用いている。前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、窒化シリコン膜を前記半導体層の下部に残すようにエッチングする段階をさらに含んでいる。
【0034】
 前記液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法において、半導体層を非晶質シリコンで形成する段階をさらに含んでいる薄膜トランジスタ基板及びカラーフィルター基板からなるセルと、前記セルに注入された液晶と、前記セルを駆動する駆動回路とを有する液晶表示装置である。カラーフィルター基板は、薄膜トランジスタ基板の薄膜トランジスタに対応する部分に位置する、かつ写真エッチング工程が可能な有機絶縁膜からなる基板スペーサを有している。
【0035】
 薄膜トランジスタ基板とこれに対応するカラーフィルター基板との間のセル間隔を保持するため、前記基板スペーサをカラーフィルター基板上に形成する。また、基板スペーサを前記薄膜トランジスタ基板の薄膜トランジスタに対応する部分にのみ設けるので、光漏洩や透過率の減少を防止できる。
【発明の効果】
【0036】
 本発明を用いれば、画素電極とデータ線との間から発生する結合容量を減少させ、液晶配向の不良を減少させ、開口率を高めることができる。さらに、液晶セルの間隔を均一にし、基板スペーサに基づいた後面光の散乱を抑制して透過率の減少および光漏洩の問題を解決することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。図面において各構成要素は必要に従い実際比率と異にして示す。本発明の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板(以下薄膜トランジスタ基板という)は薄膜トランジスタ基板とカラーフィルター基板とからなるセル、このセルに注入される液晶および駆動回路を含む液晶表示装置に用いることができる。
【0038】
 図2は本発明の実施例1に従う薄膜トランジスタ基板の構造を示す平面図であり、図3は図2のIII −III'線に沿い示す断面図である。図2および図3に示す薄膜トランジスタ基板においては、ガラスなどの透明な絶縁基板10上には外部から走査信号を伝達するゲート線21、その分枝であるゲート電極20およびゲート線21に平行した保持容量電極30が形成されており、ゲート絶縁膜40がこれらを覆っている。ゲート絶縁膜40上にはゲート線21と垂直に交差し外部からの画像信号を伝達するデータ線81が形成されている。ゲート電極20上部のゲート絶縁膜40上には非晶質シリコン層50が形成されており、その上にはエッチストップ層60およびn+ 非晶質シリコンからなる抵抗接触層71、72が順に形成されている。抵抗接触層71、72上にはそれぞれソース電極80およびドレイン電極90が形成されており、ソース電極80はデータ線81と連結されている。
【0039】
 薄膜トランジスタはゲート電極20、ソース電極80、ドレイン電極90、ゲート絶縁膜40、抵抗接触層71、72および非晶質シリコン層50からなり、ソース電極80とドレイン電極90との間の非晶質シリコン層50は薄膜トランジスタのチャネル部になる。すなわち、ゲート線21を通じてゲート電極20に走査信号が印加されると、薄膜トランジスタがターンオンされ、これに従いデータ線81を通じてソース電極80に印加された画像信号が非晶質シリコン層50を通過してドレイン電極に伝達される。
【0040】
 保護膜100が薄膜トランジスタとゲート絶縁膜40とを覆い平坦に形成されている。この保護膜100は流動性を有する有機絶縁剤からなり平坦に形成されており、2.4〜3.7程度の低い誘電常数および2.0〜4.0μm程度の厚さを有する。有機絶縁膜の透過率を従来に保護膜として用いていた窒化シリコン膜の場合と比較してみると、膜の厚さが10倍以上になる場合においても薄い厚さの窒化シリコン膜と同一の程度の高い透過率を現す。具体的に、2.5μmの有機絶縁膜の透過率は大部分の可視光波長領域において0.2μmの窒化シリコン膜と同一の透過率を現す。
【0041】
 流動性有機絶縁剤としては、ダーケミカル社(Dow Chemical Co. )のPhoto−BCB,BCB,PFCBまたはJSR社のホトレジスト系列のアクリル系またはポリイミド系などの有機材料を用いることができ、SOG(spin on glass) なども使用可能である。保護膜100は保持容量電極30上部においてその厚さが小さくなりトレンチ120をなすか除去されてゲート絶縁膜40が露出されることができ、ドレイン電極90を露出させる接触孔130を有している。ゲート線21とデータ線81との交差と定義される画素領域にITO膜からなる画素電極140が保護膜100上に形成されているが、この画素電極140は接触孔130を通じてドレイン電極90と連結され画像信号が印加されて液晶分子を駆動させる。
【0042】
 画素電極140で覆われていない薄膜トランジスタとゲート線21およびデータ線81上部の保護膜100は一定の深さで掘られて溝をなしており、溝内には有機ブラックホトレジストからなるブラックマトリックス110が詰められて平坦に形成されている。ブラックマトリックス110の厚さは0.5〜1.7μmで形成し2.5以上の光密度を有することにより、十分な遮光特性を確保することができる。ブラックマトリックスの厚さはブラックマトリックスをなす物質の特性に従い変化することができ、特に構成物質の光密度に関係されるが光密度が高い材料を用いることになるとブラックマトリックスの厚さを縮小することができる。画素電極140と保護膜100とが互いに連結されているためブラックマトリックス110の抵抗を大きくすることが好ましく、表面抵抗は1010Ω/m2 以上であることが好ましい。
【0043】
 ブラックマトリックスを形成する物質としては有機ブラックホトレジストが好ましく、具体的には炭素を主にする有機材料と顔料タイプの有機材料などを用いることができるが、炭素を主にする有機材料の方がさらに高い光密度を現しているためこれを用いることが好ましい。黒鉛タイプの材料は高い光密度を有しているが、表面抵抗が低くてブラックマトリックスの材料としては適切でない。
【0044】
 ここで、保持容量電極30と画素電極140は保持蓄電器の役割をするが、2つの電極の間に厚い保護膜100が形成されると保持容量が減少されるため、これを補償するために保持容量電極30と画素電極140との間のゲート絶縁膜を覆う保護膜100を除去するか厚さを薄くして2つの電極間の距離を縮小させる。
 かかる薄膜トランジスタ基板は保持容量を補償するために各種の形態を有することができる。図4ないし図6は保持容量を補償するために改善された本発明の実施例2ないし4に従う薄膜トランジスタ基板の構造を示す断面図である。本発明の実施例2に従う薄膜トランジスタ基板は図4に示すように、保持容量電極30上の保護膜100以外にもゲート絶縁膜40を一定の深さでエッチングして除去した形態である。この場合、ゲート絶縁膜40を均一の深さでエッチングするため、互いに異なるエッチング比を有する2重層に形成して上部層のみを除去することができる。
【0045】
 本発明の実施例3に従う薄膜トランジスタ基板においては図5に示すように、保持容量電極30上部のゲート絶縁膜40上に金属層31が形成されている。この金属層31は接触孔32を通じて保持容量電極30と連結され、金属層31は保護膜100で覆われている。本発明の実施例4に従う薄膜トランジスタ基板は図6に示すように、保持容量電極30上部のゲート絶縁膜40上に金属層31が形成されており、金属層31上の保護膜100は除去されて画素電極140が金属層31を覆っている。
【0046】
 このように、低い誘電常数を有する有機保護膜100が画素電極140とデータ線81との間に形成されているので、画素電極140とデータ線81との間で発生する結合容量が減少され、これに従い画素電極140をデータ線81およびゲート線21と重畳するように形成することができる。従って、ブラックマトリックス110が占有する面積を縮小し、画素電極140が占有する面積を広げることにより薄膜トランジスタ基板の開口率を増加させることができる。
【0047】
 また、ブラックマトリックス110が薄膜トランジスタ基板上に形成されて後面光の反射に基づいた光誘導電流(photo induced leakage current) を抑制することができ、基板10の表面が平坦に形成されているため液晶配向工程において発生する基板10に形成されたパターン間の段差に基づいた配向不良の問題点を解決することができ、均一にラビングすることができる。結局、光誘導電流が抑制され、液晶配向の不良が減少して光漏洩を抑制することができる。
【0048】
 図7は本発明の実施例5に従う薄膜トランジスタ基板の構造を示す断面図である。本発明の実施例5においてはエッチバック構造の薄膜トランジスタが形成されている薄膜トランジスタ基板に有機絶縁膜で保護膜を形成し、薄膜トランジスタ上部の保護膜に溝を形成し、有機ブラックホトレジストを詰めてブラックマトリックスを形成した。
 図7に示すように、本発明の実施例5に従う薄膜トランジスタ基板においてはガラスなどの透明な絶縁基板10上にゲート電極20および保持容量電極30が形成されており、ゲート絶縁膜40がこれらを覆っている。ゲート電極20上部のゲート絶縁膜40上には非晶質シリコン層50が形成されており、その上にはn+非晶質シリコンからなる抵抗接触層71、72が形成されている。抵抗接触層71、72上にはそれぞれソース電極80とドレイン電極90とが形成されており、ソース電極80はデータ線(図示省略)と連結されている。
【0049】
 保護膜100が薄膜トランジスタとゲート絶縁膜40とを覆い平坦に形成されており、保持容量電極30上部においてその厚さが小さくなりトレンチ120をなすか除去されてゲート絶縁膜40を露出することができ、ドレイン電極90を露出させる接触孔130を有している。画素領域にはITO膜からなる画素電極140が保護膜100上に形成されており、接触孔130を通じてドレイン電極90と連結されている。
【0050】
 薄膜トランジスタ上部の保護膜100は一定の深さで掘られて溝をなしており、溝内には有機ブラックホトレジストからなるブラックマトリックス110が詰められて平坦に形成されている。保護膜に用いられる流動性絶縁膜やブラックマトリックスをなす有機ブラックホトレジストの種類や性質、厚さなどは本発明の実施例1の場合と同様である。
 エッチバック構造の薄膜トランジスタを有する基板の場合、エッチストッパ構造の場合とは異なり、薄膜トランジスタのチャネル部と有機絶縁膜とが直接接触することになるが、この場合においても薄膜トランジスタの性能の低下は発生しないことが確認された。本発明の実施例5に従う薄膜トランジスタ基板においても本発明の実施例2ないし実施例4での同様に保持容量を補償するための異なる形態を有することができる。この異なる形態を有する薄膜トランジスタ基板は薄膜トランジスタの構造を除いては本発明の実施例2ないし4に従う薄膜トランジスタ基板の構造と同様である。
【0051】
 一方、ゲートパターン上に形成されるゲート絶縁膜を平坦に形成するためゲート絶縁膜に流動性絶縁膜を用いることができる。本発明の実施例6においてはゲート絶縁膜を流動性絶縁膜と窒化シリコン膜との2重膜で形成する。図8は本発明の実施例6に従う薄膜トランジスタ基板の構造を示す断面図である。透明な絶縁基板10上にゲート線(図示省略)およびその分枝であるゲート電極20とゲート線に平行した保持容量電極30が形成されており、その上に2500〜5500Å厚さの流動性絶縁膜41が覆われている。ゲート電極20上部の流動性絶縁膜41上には500〜800Å厚さの窒化シリコン膜42が形成されており、その上には非晶質シリコン層50が形成されている。
【0052】
 ゲート絶縁膜に流動性有機絶縁膜を用いる場合、平坦化を容易にすることができる一方で、流動性絶縁膜のみを用いるとその上に形成される非晶質シリコン層の膜特性が低下することがある。従って、従来の窒化シリコン膜をゲート絶縁膜に用いた場合と同一の膜特性を得るために、流動性絶縁膜の上部に窒化シリコン膜を蒸着して2重膜に形成する。このようにする場合、その上に形成される非晶質シリコン層の厚さを1000Å以下に薄くすることができ、光誘導電流を減少することができる。しかしながら、窒化シリコン膜41は必要に従い形成しなくともよく、窒化シリコン膜41を形成しなくてもゲート絶縁膜の平坦化には何らの支障を与えない。
【0053】
 図8において窒化シリコン膜42は非晶質シリコン層50の下方にのみ形成されている。窒化シリコン膜42が全面に形成されている場合、その上に保護膜を形成することになるとゲートパッド部には、流動性絶縁膜41、窒化シリコン膜42および流動性絶縁膜を順次積層した3重膜を形成する。この場合、ゲートパッド部に接触孔103を形成する過程において流動性絶縁膜と窒化シリコン膜のエッチング選択比の差異によりエッチングが容易に行われないことがある。従って、非晶質シリコン層50の下方を除いた残りの部分の窒化シリコン膜を予め除去することにより、ゲートパッド部の接触孔103を形成する過程を容易に行なうことができる。
【0054】
 非晶質シリコン層50上にはn+ 非晶質シリコンからなる抵抗接触層71、72が形成されており、抵抗接触層71、72上にはソース電極80およびドレイン電極90が形成されている。ソース電極80はゲート絶縁膜に用いられる流動性絶縁膜41上にゲート線と垂直に交差するように形成されているデータ線(図示省略)と連結されている。
 ここで、ゲート電極20、ソース電極80、ドレイン電極90、流動性絶縁膜41と窒化シリコン膜42との2重膜からなるゲート絶縁膜40および非晶質シリコン層50は薄膜トランジスタをなし、ソース電極80とドレイン電極90との間の非晶質シリコン層50は薄膜トランジスタのチャネル部になる。その他の構造は実施例1と同様であり、保護膜に用いられる流動性絶縁膜100の厚さおよび誘電常数とブラックマトリックス110の厚さ、光密度および表面抵抗も本発明の実施例1に従う薄膜トランジスタ基板の場合と同様である。
【0055】
 また、実施例7として図9に示すように、本発明の実施例4における改善された構造のように保持容量を大きくするため保持容量電極30上に金属層を形成することができる。図9には保持容量電極30上部のゲート絶縁膜をなす流動性絶縁膜41上に金属層31が形成されており、金属層31上の保護膜100は除去されて画素電極140が金属層31を覆っている本発明の実施例7に従う薄膜トランジスタ基板が示されている。
【0056】
 図10に示すように本発明の実施例8においてはエッチストッパ構造を有する薄膜トランジスタ基板においてエッチストップ層を有機絶縁剤を用いて形成する。図10は本発明の実施例8に従う薄膜トランジスタ基板の構造を示す断面図である。本発明の実施例8においては本発明の実施例6に示すようにゲート絶縁膜を流動性絶縁膜と窒化シリコン膜との2重膜に形成し、エッチストッパ構造を取っている。
【0057】
 透明な絶縁基板10上にゲート線(図示省略)およびその分枝であるゲート電極20と保持容量電極30とが形成されており、その上には2500〜5500Å厚さの流動性絶縁膜41が覆われている。ゲート電極20上部の流動性絶縁膜41上には500〜800Å厚さの窒化シリコン膜42が形成されており、その上には非晶質シリコン層50が形成されている。
【0058】
 非晶質シリコン層50上には写真工程が可能な有機絶縁剤からなるエッチストップ層61が形成されている。このようにエッチストップ層61に有機絶縁剤を用いて形成する場合誘電常数が低いため、ゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量を減少させることができてこれによるキックバック(kickback)を縮めることができる。また、写真工程でエッチストップ層をパターニングし、これを用いてその下方の非晶質シリコン層50および窒化シリコン膜42をエッチングすることができて工程を単純化することができる。
【0059】
 エッチストップ層61上にはn+ 非晶質シリコンからなる抵抗接触層71、72が形成されており、抵抗接触層71、72上にはソース電極80およびドレイン電極90が形成されている。ソース電極80はゲート絶縁膜の役割をする流動性絶縁膜41上にゲート線と垂直に交差するように形成されているデータ線(図示省略)と連結されている。
 その他の構造は本発明の実施例6の場合と同様であり、流動性保護膜100の厚さおよび誘電常数とブラックマトリックス110の厚さ、光密度および表面抵抗は本発明の実施例1の場合と同様である。図11に示す実施例9は、前記した構造に本発明の第4実施例でのように保持容量を大きくするための金属層を形成した例を示している。保持容量電極30上部のゲート絶縁膜をなす流動性絶縁膜41上に金属層31が形成されており、金属層31上の保護膜100は除去されて画素電極140が金属層31を覆っている。
【0060】
 図12に本発明の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板とともに用いられ、本発明の液晶表示装置を構成するカラーフィルター基板の一実施例の断面構造を示す。同図に示すように、カラーフィルター基板は透明な絶縁基板150上にカラーフィルター160が形成されており、カラーフィルター160上に保護膜170が形成されており、保護膜170上に共通電極180が形成されている。
【0061】
 図13に、本発明に係る液晶表示装置における液晶セルの断面構造を示す。この液晶セルは、本発明の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板及び前記カラーフィルター基板を用いて構成され、前記実施例と同様の要素については同じ符号を用いて示してある。薄膜トランジスタ基板とカラーフィルター基板との間のセル間隔を保持するため、柱形状の基板スペーサ190がカラーフィルター基板上に形成されている。この基板スペーサ190は写真工程が可能な有機絶縁膜で形成されており、薄膜トランジスタ基板において薄膜トランジスタのチャネル部上に置かれている。この場合、薄膜トランジスタチャネル上部は一定の厚さを有する平坦化した膜からなっているので、その上に基板スペーサ190が形成されても薄膜トランジスタが損傷されない。
【0062】
 図14Aは基板スペーサ190が形成されたカラーフィルター基板の平面図であり、図14Bは図14AのXIV −XIV'部分に対する断面図である。同図において、R,G,Bはそれぞれ赤色、緑色および青色のカラーフィルターを現す。かかるカラーフィルター160は中間に図10でのように凹部分200を有し基板スペーサはこの部分に形成される。
 カラーフィルター基板においては基板スペーサ190が写真エッチング工程が可能な有機絶縁膜で形成されるので、セル間隔の調節が容易で所望する位置に基板スペーサ190を形成することができる。従って、基板スペーサを薄膜トランジスタ基板の画素電極に対応するカラーフィルター160上に形成せず前記薄膜トランジスタ基板の薄膜トランジスタのチャネルに対応する部分にのみ形成することにより、段差によるセル間隔の不良を減少することができ、基板スペーサ190が開口部に位置することによって発生される光漏れおよび透過率の減少の問題を防止することができる。また、セル間隔を一定に保持するためにはR,G,Bカラーフィルターすべてを同一の厚さで形成しなければならない従来の基板とは異なり、R,G,Bそれぞれのカラーフィルターが互いに異なる厚さを有するように形成しても一定のセル間隔の保持に影響を与えないので、カラーフィルターの色座標および透過率の調整が容易になる。
【0063】
 かかる基板スペーサ190は一定の高さを有するので、これにより陰影領域が発生する。一般的に、かかる陰影領域はラビング工程において液晶配向の不良を起こす。しかしながら、前記した場合の陰影領域は薄膜トランジスタのチャネル部より狭く形成されてブラックマトリックスにより覆われるため、配向膜の塗布およびラビング不良に基づいたディスプレー不良が起こりにくい。
【0064】
 以下、本発明の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法について図面を参照して説明する。図15、図17および図19は本発明の実施例に従う薄膜トランジスタ基板の製造方法を示す平面図であり、図16、図18および図20はそれぞれ図15のXV−XV' 、図17のXVI −XVI'および図19のXVII−XVII' 線に沿い示す断面図である。
 図15,図16に示すように、透明な絶縁基板10上に3000Å程度厚さの金属層を蒸着しパターニングしてゲート電極20、ゲート線21および保持容量電極30を形成する。次いで、化学気相蒸着法を用いて基板10上部に窒化シリコンなどからなるゲート絶縁膜40、非晶質シリコン層50およびエッチストップ層60を形成するための窒化シリコン膜を続けて形成する。このとき、ゲート絶縁膜40の厚さは3000〜6000Å程度であり、非晶質シリコン層の厚さは500〜1000Å、エッチストップ層に用いられる窒化シリコン膜の厚さは1000〜2000Åである。次に、窒化シリコン膜上にホトレジストを蒸着した後、基板10の後面において露光してホトレジストパターンを形成する。前記ホトレジストをマスクにして窒化膜をエッチングしエッチストップ層60を形成する。次いで、高濃度でドーピングされたn+非晶質シリコン層を蒸着し、非晶質シリコン層と共にエッチングする。次に、基板10上部に3000Å程度の金属を蒸着しパターニングしてソース電極80、ドレイン電極90およびデータ線81を形成し、これをマスクにしてn+ 非晶質シリコン層からなる抵抗接触層71、72をエッチングする。薄膜トランジスタはゲート電極20、ソース電極80、ドレイン電極90、ゲート絶縁膜40、抵抗接触層71、72および非晶質シリコン層50からなる。
【0065】
 次に、図17および図18に示すように、基板10上部に低い誘電常数と高い光透過率を有する流動性絶縁膜からなる保護膜100を形成する。保護膜100は回転コーティング方法で形成して平坦化する。保護膜100は2.4〜3.7程度の誘電常数を有する有機材料からなり、2.0〜4.0μm程度の厚さを有することが最も好ましい。保護膜100の一部をエッチングし、ドレイン電極90上に接触孔130を形成し保持容量電極30上部にトレンチ120を形成する。このとき、接触孔を形成する過程は一般的な写真エッチング工程を用いて形成するものであって、O2 、SF6 およびCF4 などを用いた乾式エッチング方法で形成することができる。そして、このときに用いられる有機材料が写真工程が可能な材料である場合であると、別途のホトレジストを塗布する必要なしにマスクを用いて露光し、現像する過程のみにもパターン形成が可能になる。
【0066】
 次に、図19および図20に示すように、基板10上部にITO膜を蒸着しパターニングしてゲート線21とデータ線81との交差により定義されるそれぞれの画素領域に画素電極140を形成する。次に、図2および図3に示すように、画素電極140をマスクに用いて保護膜100を一定の深さでエッチングし、そのエッチングされた部分に有機性ブラックホトレジストを詰めてブラックマトリックス110を平坦に形成する。このとき、好ましいエッチング深さは0.5〜1.7μmであり、有機性ブラックホトレジストの表面抵抗は1010Ω/m2 以上の値を有する。このように形成されたブラックマトリックス110は2.5以上の光密度を有する。
【0067】
 かかる薄膜トランジスタ基板は保持容量を増加させるため、幾つの異なる形態を有することができる。図4ないし図6を参照して互いに異なる保持容量電極30を有する薄膜トランジスタ基板の製造方法について説明する。本発明の実施例2に従う薄膜トランジスタ基板は図4に示すように、保護膜100をエッチングしてトレンチ120を形成した後保持容量電極30上のゲート絶縁膜40の一部を乾式エッチング方法を用いてエッチングする。従って、保持容量電極30上のゲート絶縁膜40の厚さが縮小して保持容量が増加される。このとき、ゲート絶縁膜40を均一の深さでエッチングするために互いに異なるエッチング比を有する2重層で形成し、上部層のみを除去することができる。
【0068】
 本発明の実施例3に従う薄膜トランジスタ基板は、図5に示すように、ゲート絶縁膜40の一部をエッチングして保持容量電極30上に接触孔32を形成する。次に、ソース電極80を形成するとき保持容量電極30上部に金属層31を形成する。この金属層31は接触孔32を通じて保持容量電極30と連結される。本発明の実施例4に従う薄膜トランジスタ基板は、図6に示すように、ソース電極80が形成されるとき保持容量電極30上部に金属層31を形成する。この場合、金属層31は以後に形成される画素電極140と連結される。
【0069】
 次に、本発明の実施例6に従う薄膜トランジスタ基板の製造方法について説明する。図2121に示すように、透明な絶縁基板10上に金属を蒸着しパターニングしてゲート電極20、ゲート線(図示省略)および保持容量電極30を形成する。次いで、2500〜5500Å厚さの流動性絶縁膜41を形成し、化学気相蒸着法を用いて500〜800Å厚さの窒化シリコン膜42を蒸着する。窒化シリコン膜42上に1000Å以下の非晶質シリコン層50および高濃度でドーピングされたn+非晶質シリコン層70を順に蒸着する。次に、ホトレジストを蒸着した後露光してホトレジストパターンを形成する。前記ホトレジストをマスクにして高濃度でドーピングされたn+ 非晶質シリコン層70、非晶質シリコン層50および窒化シリコン膜42を順にエッチングする。このとき、ゲート絶縁膜の一部である窒化シリコン膜42も同一のパターンで全面的にエッチングする。次に、図22R>2に示すように、基板10上部に金属を蒸着しパターニングしてソース電極80、ドレイン電極90およびデータ線(図示省略)を形成し、これをマスクにして接触層71、72をエッチングする。薄膜トランジスタはゲート電極20、ソース電極80、ドレイン電極90、ゲート絶縁膜40、抵抗接触層71、72、および非晶質シリコン層50からなる。
【0070】
 以後の工程は本発明の実施例1の場合と同一である。本発明の実施例7に従う薄膜トランジスタ基板は、ソース電極80を形成する段階において、図9に示すように、保持容量電極30上部に金属層31を形成する。この場合、金属層31は以後に形成される画素電極140と連結される。図23および図24には、本発明の実施例8におけるエッチストッパ構造を有する薄膜トランジスタの製造方法が示されている。
【0071】
 図23に示すように、透明な絶縁基板10上に金属を蒸着しパターニングしてゲート電極20、ゲート線(図示省略)および保持容量電極30を形成する。次いで、ゲート絶縁膜の一部に用いられる4000〜5500Å厚さの有機絶縁膜41を形成し、化学気相蒸着法を用いて500〜800Å厚さの窒化シリコン膜42を蒸着する。窒化シリコン膜42上に1000Å以下の非晶質シリコン層50を形成し、その上に写真工程が可能な陽性(positive type) の有機絶縁膜61を3000〜5000Å厚さで形成する。このとき、有機絶縁膜61にはホトBCB、写真工程が可能なアクリル系重合体などが好ましく用いられる。次に、写真工程が可能な有機絶縁膜を200〜600mJ程度に後面露光し、エッチストップ層を露出させるマスクを用いて50〜100mJで全面露光し現像する。そして200〜230℃においてN2 雰囲気中でエッチストップ層を熱処理(annealing) する。このようにするとエッチストッパパターンが完成される。
【0072】
 このパターンをマスクにして非晶質シリコン層50および窒化シリコン膜42をエッチングする。このとき、窒化シリコン膜42を全面的にエッチングするのは本発明の実施例6の場合と同一である。次に、図24に示すように高濃度でドーピングされたn+非晶質シリコン層71、72を蒸着する。その上に金属を蒸着しパターニングしてソース電極80、ドレイン電極90およびデータ線(図示省略)を形成し、ソース電極80およびドレイン電極90をマスクにして接触層70をエッチングする。薄膜トランジスタはゲート電極20、ソース電極80、ドレイン電極90、ゲート絶縁膜40、抵抗接触層71、72および非晶質シリコン層50からなる。
【0073】
 以後の工程は本発明の実施例1の場合と同一である。本発明の実施例9に従う薄膜トランジスタ基板は、ソース電極80を形成するとき、図11に示すように保持容量電極30上部に金属層31を形成する。この場合、金属層31は以後に形成される画素電極140と連結される。一方、図12および図13を参照して本発明の実施例に従うカラーフィルター基板の製造方法について説明する。図12に示すように、透明な基板150上にカラーレジストを塗布し写真エッチング工程を通じてカラーフィルター160を形成する。かかるカラーフィルター160は基板スペーサが形成される領域を十分に提供するため、部分的に除去された形態を有することができる。カラーフィルター160上に保護膜170を形成し、ITO膜を用いて保護膜170上に共通電極180を形成する。
【0074】
 次に、図13でのように、基板150上に有機絶縁膜を塗布し写真エッチング工程を通じて柱形状の基板スペーサ190を形成する。基板スペーサ190は前記薄膜トランジスタ基板において薄膜トランジスタのチャネル部にのみ置かれている。前記薄膜トランジスタ基板とカラーフィルター基板とを結合して液晶セルをつくり、ここに液晶を注入し付加回路を取付けて薄膜トランジスタ液晶表示装置をつくる。
【0075】
 前記のように、本発明の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板は、低い誘電常数を有する有機絶縁膜からなる保護膜を用いて平坦化したブラックマトリックスオン薄膜トランジスタ基板である。従って、カラーフィルター基板上にブラックマトリックスが形成されたときに発生する後面光の反射を除去して光誘導電流を減少させることができる。また、画素電極パターンを用いてブラックマトリックスを形成するので開口率を最大化することができ、液晶配向工程において基板に形成されたパターン間の段差に基づいた配向不良を減少させることができる。
【0076】
 ゲート絶縁膜として有機絶縁膜と窒化シリコン膜との2重膜を用いることにより、基板を平坦化すると同時に良好な電気的な特性を得ることができる。エッチストッパ方式の薄膜トランジスタを形成する場合エッチストップ層に有機絶縁膜を用いることにより、ゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量を減少させることができ、工程を単純化することができる。
【0077】
 一方、写真エッチング工程が可能な有機絶縁膜に基板スペーサを形成するので、カラーフィルター上に基板スペーサが存在しないように形成してカラーフィルターの段差に基づいたセル間隔の不良を減少させることができ、カラーフィルターの色座標および透過率の調整が容易になる。また、基板スペーサが薄膜トランジスタのチャネル部にのみ存在するので、基板スペーサが開口部に位置するに従い発生する光漏洩および透過率の減少の問題を防止することができ、基板スペーサの陰影領域が薄膜トランジスタのチャネル部の面積より小さいので、配向膜の塗布およびラビング不良に基づいたディスプレーにおける不良を減少させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
 本発明を用いれば、画素電極とデータ線との間から発生する結合容量を減少させ、液晶配向の不良を減少させ、開口率を高めることができる。さらに、液晶セルの間隔を均一にし、基板スペーサに基づいた後面光の散乱を抑制して透過率の減少および光漏洩の問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】従来のブラックマトリックスオン薄膜トランジスタ基板の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例1に従う薄膜トランジスタ基板の構造を示す平面図である。
【図3】図2のIII −III'線に沿い示す断面図である。
【図4】実施例2における薄膜トランジスタ基板の断面構造図。
【図5】実施例3における薄膜トランジスタ基板の断面構造図。
【図6】実施例4における薄膜トランジスタ基板の断面構造図。
【図7】実施例5における薄膜トランジスタ基板の断面構造図。
【図8】実施例6における薄膜トランジスタ基板の断面構造図。
【図9】実施例7における薄膜トランジスタ基板の断面構造図。
【図10】実施例8における薄膜トランジスタ基板の断面構造図。
【図11】実施例9における薄膜トランジスタ基板の断面構造図。
【図12】本発明の薄膜トランジスタ基板とともに用いられるカラーフィルター基板の構造の一例を示す断面図。
【図13】本発明の薄膜トランジスタ基板を用いた液晶セルの構造の一例を示す断面図。
【図14A】図12のカラーフィルター基板において基板スペーサが形成された部分に対する平面図。
【図14B】図14AにおけるXIV −XIV'線に沿い示す断面図。
【図15】本発明の実施例1における薄膜トランジスタ基板の製造方法を示す平面図。
【図16】図15のXV−XV' 線に沿い示す断面図。
【図17】本発明の実施例1における薄膜トランジスタ基板の製造方法を示す平面図。
【図18】図17のXVI −XVI'線に沿い示す断面図。
【図19】本発明の実施例1における薄膜トランジスタ基板の製造方法を示す平面図。
【図20】図19のXVII−XVII' 線に沿い示す断面図。
【図21】本発明の実施例6における薄膜トランジスタ基板の製造方法を示す断面図。
【図22】本発明の実施例6における薄膜トランジスタ基板の製造方法を示す断面図。
【図23】本発明の実施例8における薄膜トランジスタ基板の製造方法を示す断面図。
【図24】本発明の実施例8における薄膜トランジスタ基板の製造方法を示す断面図。
【符号の説明】
【0080】
10 絶縁基板
20 ゲート電極
21 ゲート線
30 保持容量電極
31 金属層
40 ゲート絶縁膜
41 流動性絶縁膜
42 窒化シリコン膜
50 非晶質シリコン層
60 エッチストップ層
71、72 抵抗接触層
80 ソース電極
81 データ線
90 ドレイン電極
100 保護膜
110 ブラックマトリックス
120 トレンチ
130 接触孔
140 画素電極
160 カラーフィルター
190 基板スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
 第1絶縁基板と、
 前記第1絶縁基板上部に形成されており、ゲート電極を有するゲート線と、
 前記ゲート線を覆うゲート絶縁膜と、
 前記ゲート絶縁膜上部に形成されている半導体層と、
 前記半導体層上部に形成されているソース電極及びドレイン電極と前記ソース電極に連結されており、前記ゲート線と交差するデータ線と、
 有機絶縁膜からなっており、前記ドレイン電極を露出する第1接触孔を有する保護膜と、
 前記第1接触孔を通じて前記ドレイン電極と連結されている画素電極と、
 前記第1絶縁基板と対向する第2絶縁基板と、
 前記ゲート線または前記データ線と重なるブラックマトリックスと、
 前記第1絶縁基板と前記第2絶縁基板の間で前記ブラックマトリックスと重なって位置し、写真エッチング工程で形成された基板スペーサと、
 を含む液晶表示装置。
【請求項2】
 前記保護膜の誘電率は2.4〜4.7の範囲内である、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
 前記保護膜の表面は平坦化されている、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
 前記画素電極は少なくとも前記データ線と重なる、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
 前記ブラックマトリックスは前記保護膜の溝に詰められている、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
 前記半導体層と前記保護膜の間に形成されているエッチストッパーをさらに含む、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
 前記ゲート絶縁膜上部に形成された金属パターンをさらに含む、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
 前記保護膜は前記金属パターンを露出する第2接触孔を有し、前記金属パターンは前記第2接触孔を通じて前記画素電極と連結されている、請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
 透明な絶縁基板と、
 前記基板上に形成されているゲート電極と、
 前記ゲート電極上に形成されており有機絶縁剤からなるゲート絶縁膜と、
 前記ゲート絶縁膜上に、かつ前記ゲート電極上部に形成されている窒化シリコン膜と、
 前記窒化シリコン膜上部に形成されている半導体層と、
 前記半導体層上部に前記半導体層を挟んで両側に形成されているソース電極及びドレイン電極と、
 を含む液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板。
【請求項10】
 前記半導体層は非晶質シリコンからなる、請求項9に記載の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板。
【請求項11】
 透明な絶縁基板上にゲート線および前記ゲート線の分枝であるゲート電極を含むゲートパターンを形成する段階と、
 前記絶縁基板及びゲート電極上に流動性絶縁剤を回転コーティングし、平坦なゲート絶縁膜を形成する段階と、
 前記ゲート絶縁膜上の前記ゲート電極上部に窒化シリコン膜を形成する段階と、
 前記窒化シリコン膜上に半導体層を形成する段階と、
 前記半導体層上に、前記ゲート線と交差するデータ線、前記データ線の分枝であるソース電極およびドレイン電極を含むデータパターンを形成する段階と、
 を含む液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項12】
 有機絶縁剤を用いて前記ゲート絶縁膜を形成する、請求項11に記載の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項13】
 前記窒化シリコン膜を前記半導体層の下部に残すようにエッチングする段階をさらに含む、請求項11に記載の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項14】
 前記半導体層を非晶質シリコンで形成する請求項11に記載の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項15】
 薄膜トランジスタ基板及びカラーフィルター基板からなるセルと、前記セルに注入された液晶と、前記セルを駆動する駆動回路とを有する液晶表示装置であって、
前記カラーフィルター基板は、前記薄膜トランジスタ基板の薄膜トランジスタに対応する部分に位置し、かつ写真エッチング工程が可能な有機絶縁膜からなる基板スペーサを備えている液晶表示装置。
【請求項16】
 基板の上部に形成されているゲート電極と、
前記ゲート電極の上部に形成されており、有機絶縁物質からなるゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜の上部に形成されている半導体層と、
前記半導体層の上部に互いに分離されて形成されているソース電極とドレーン電極及び前記ソース電極と電気的に連結されているデータ線と、
前記ドレーン電極を露出させる第1接触孔を有する保護膜と、
前記第1接触孔を通じて前記ドレーン電極と電気的に連結されている画素電極と、
を含む液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板。
【請求項17】
 前記ゲート絶縁膜と前記半導体層との間に形成されている窒化シリコン膜をさらに含む請求項16に記載の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板。
【請求項18】
 前記窒化シリコン膜はパターニングされていることを特徴とする請求項17に記載の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板。
【請求項19】
 前記ゲート絶縁膜の上部にしま模様に形成されている金属パターンをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板。
【請求項20】
 前記保護膜は有機絶縁物質からなることを特徴とする請求項19に記載の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板。
【請求項21】
 前記保護膜は前記金属パターンを露出させる第2接触孔を有し、前記金属パターンは前記第2接触孔を通じて前記画素電極と連結されていることを特徴とする請求項20に記載の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板。
【請求項22】
 前記保護膜は前記金属パターンを露出させる第2接触孔を有し、前記金属パターンは前記第2接触孔を通じて前記画素電極と連結されていることを特徴とする請求項19に記載の液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2004−110054(P2004−110054A)
【公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−362036(P2003−362036)
【出願日】平成15年10月22日(2003.10.22)
【分割の表示】特願平9−325008の分割
【原出願日】平成9年11月26日(1997.11.26)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【Fターム(参考)】