説明

画像形成装置および画像形成方法ならびに部品実装装置

【課題】安定した3次元認識画像を形成して正しい部品認識結果を得ることができる画像形成装置および画像形成方法ならびに部品実装装置を提供する。
【解決手段】計測対象面への入射方向を挟んで対称に配置され受光面の計測対象面に対する傾斜角度が各対毎に相異なる2対の位置検出素子群25A,25Bを有し、走査光の計測対象面からの反射光の受光位置を検出する位置検出部25と、各位置検出素子が受光する光量が所定の範囲内にあるか否かを判定する受光量判定部34と、同一の位置検出素子群に属する位置検出素子による反射光の受光位置検出結果の差異の大きさが所定の基準値以下であるか否かを判定する受光位置検出結果判定部35とを備え、位置検出部25の受光位置検出結果に基づき受光量判定部34および受光位置検出結果判定部35の判定結果を加味して計測対象面の3次元認識画像を形成する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品などの計測対象物の3次元認識画像を形成する画像形成装置および画像形成方法ならびにこの画像形成装置を用いた部品実装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年電子機器の小型化・高機能化に伴い、電子部品の実装形態におけるファイン化・高密度化が急速に進展している。このため、基板に電子部品を実装する部品実装分野では、実装位置精度の更なる向上が求められており、電子部品の基板への搭載作業においては、実装ヘッドに保持された状態の電子部品の位置や形状を光学的に検出することが行われる(特許文献1参照)。この特許文献1に示す先行技術例においては、ヘッド部に保持された電子部品を3次元センサによって計測することにより3次元の形状検査を行い、この検査結果に基づいてリード曲がりやバンプの欠落などの電子部品の異常の有無を判定するとともに、電子部品を基板に搭載する際の位置補正を行うようにしている。
【0003】
そして3次元センサとして、ここではレーザ光をポリゴンミラーによって主走査方向に走査させた走査光を、副走査方向に移動する電子部品の計測対象面にfθレンズを介して入射させ、この反射光をPSD(位置検出素子)によって受光する構成を用いており、PSDの受光位置検出結果に基づいて高さ方向の情報を含む電子部品の3次元形状データを生成するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−51195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、PSDを用いた3次元センサにおいては、計測対象面によって反射されてPSDによって受光される光量が、使用されるPSDの特性やPSDから出力される信号を処理する電子回路の特性にマッチしていることが求められる。すなわち、PSDは受光により発生した電荷が端部電極に到達することによって生じる電気信号によって受光位置を検出する構成となっていることから、受光した光量がそのPSDの特性に対して過大である場合には、1つの走査動作によって発生した電荷が次の受光までに完全に出力されずに受光面に滞留することによる誤検出が生じる。
【0006】
例えば、QFPなどのリード部品のリードからの反射光を受光した光量が過大である場合には、抜けきれずに滞留した電荷が次の走査時に出力されることから、本来リードが存在しない部位を走査する際にリードの存在を示す検出信号がノイズとして出力される場合がある。反対に受光した光量が過小である場合にも同様に誤検出が生じ、本来リードが存在する部位を走査しているにも拘わらず、検出結果を示す認識画像においてリードが欠落した黒抜け部分として現れる現象が生じる。
【0007】
このような不具合は、部品の計測対象面の状態によって反射光の光量が大きく変化することに起因して発生するものであるため、使用するPSDを選定することのみによっては常に正しい検出結果を得ることは難しい。また複数のPSDを異なる受光角度で配置して、計測対象の部品の種類に応じてこれらを選択的に使い分けることも考えられるが、受光量が過大、過小のいずれの場合にも不具合が生じるため、常に適正な光量を保つことが難しい。このように、従来のPSDを用いた部品の3次元認識においては、受光量の変化に起因して安定した3次元認識画像を形成して正しい部品認識結果を得ることが困難であるという課題があった。
【0008】
そこで本発明は、安定した3次元認識画像を形成して正しい部品認識結果を得ることができる画像形成装置および画像形成方法ならびに部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、部品の計測対象面に対して照射された光の反射光を受光することにより、前記計測対象面の平面情報を示す2次元画像における各画素の輝度によって高さ情報を表す3次元認識画像を形成する画像形成装置であって、光発生手段によって発生された前記光を主走査方向に走査させる走査手段と、前記主走査方向と直交する副走査方向に相対移動する前記計測対象面に対して前記走査された走査光を所定の入射方向から入射させる走査光入射手段と、それぞれが前記入射方向を挟んで対称に配置された1対の位置検出素子より成る2つの位置検出素子群であって、前記位置検出素子の受光面の前記計測対象面に対する傾斜角度が各対毎に相異なって設定され前記傾斜角度がより小さい第1の位置検出素子群と前記傾斜角度がより大きい第2の位置検出素子群とを有し、前記走査光の計測対象面からの反射光の受光位置を前記2つの位置検出素子群の各位置検出素子によってそれぞれ検出する位置検出部と、前記各位置検出素子が受光する光量が所定の範囲内にあるか否かを判定する受光量判定部と、同一の位置検出素子群に属する位置検出素子による前記反射光の受光位置検出結果の差異の大きさが所定の基準値以下であるか否かを判定する受光位置検出結果判定部と、前記位置検出部の受光位置検出結果に基づき前記受光量判定部および受光位置検出結果判定部の判定結果を加味して計測対象面の前記3次元認識画像を形成する画像形成部とを備え、前記画像形成部は、前記第1の位置検出素子群の各位置検出素子がそれぞれ受光した前記光量が前記所定の範囲内にあると前記受光量判定部によって判定され、且つ第1の位置検出素子群における前記受光位置検出結果の差異の大きさが前記所定の基準値以内であると前記受光位置検出結果判定部によって判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として前記第1の位置検出素子群による受光位置検出結果を採用し、前記第1の位置検出素子群の各位置検出素子のいずれかがそれぞれ受光した前記光量が前記所定の範囲を超えると前記受光量判定部によって判定され、または前記第1の位置検出素子群における前記受光位置検出結果の差異の大きさが前記所定の基準値を超えると前記受光位置検出結果判定部によって判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として前記第2の位置検出素子群による受光位置検出結果を採用して前記3次元認識画像を形成する。
【0010】
本発明の画像形成方法は、部品の計測対象面に対して照射された光の反射光を受光することにより、前記計測対象面の平面情報を示す2次元画像における各画素の輝度によって高さ情報を表す3次元認識画像を形成する画像形成方法であって、光発生手段によって発生された前記光を主走査方向に走査させる走査工程と、前記主走査方向と直交する副走査方向に相対移動する前記計測対象面に対して前記走査された走査光を所定の入射方向から入射させる走査光入射工程と、それぞれが前記入射方向を挟んで対称に配置された1対の位置検出素子より成る2つの位置検出素子群であって、前記位置検出素子の受光面の前記計測対象面に対する傾斜角度が各対毎に相異なって設定され前記傾斜角度がより小さい第1の位置検出素子群と前記傾斜角度がより大きい第2の位置検出素子群とを有し、前記走査光の計測対象面からの反射光の受光位置を前記2つの位置検出素子群の各位置検出素子によってそれぞれ検出する位置検出部によって、前記走査光の計測対象面からの反射光の受光位置を検出する位置検出工程と、前記各位置検出素子が受光する光量が所定の範囲内にあるか否かを判定する受光量判定工程と、同一の位置検出素子群に属する位置検出素子による前記反射光の受光位置検出結果の差異の大きさが所定の基準値以下であるか否かを判定する受光位置検出結果判定工程と、前記位置検出工程における受光位置検出結果に基づき前記受光量判定工程および受光位置検出結果判定工程における判定結果を加味して計測対象面の前記3次元認識画像を形成する画像形成工程とを含み、前記受光量判定工程において前記第1の位置検出素子群の各位置検出素子がそれぞれ受光した前記光量が前記所定の範囲内にあると判定され、且つ前記受光位置検出結果判定工程において前記第1の位置検出素子群における前記受光位置検出結果の差異の大きさが前記所定の基準値以内であると判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として前記第1の位置検出素子群による受光位置検出結果を採用して前記3次元認識画像を形成し、前記受光量判定工程において前記第1の位置検出素子群の各位置検出素子のいずれかがそれぞれ受光した前記光量が前記所定の範囲を超えると判定され、且つ前記受光位置検出結果判定工程において前記第1の位置検出素子群における前記受光位置検出結果の差異の大きさが前記所定の基準値を超えると判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として前記第2の位置検出素子群による受光位置検出結果を採用して前記3次元認識画像を形成する。
【0011】
本発明の部品実装装置は、基板保持部に保持された基板に部品供給部から取り出された部品を実装する部品実装装置であって、実装ヘッドを移動させることにより前記部品供給部から部品を取り出して前記基板に実装する部品実装機構と、前記実装ヘッドに保持された前記部品の計測対象面に対して照射された光の反射光を受光することにより、前記計測対象面の平面情報を示す2次元画像における各画素の輝度によって高さ情報を表す3次元認識画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置によって形成された前記3次元認識画像に基づいて前記部品の電極部の位置および高さを認識する認識部と、前記部品実装機構および画像形成装置を制御する制御部とを備え、前記画像形成装置は、光発生手段によって発生された前記光を主走査方向に走査させる走査手段と、前記主走査方向と直交する副走査方向に相対移動する前記計測対象面に対して前記走査された走査光を所定の入射方向から入射させる走査光入射手段と、それぞれが前記入射方向を挟んで対称に配置された1対の位置検出素子より成る2つの位置検出素子群であって、前記位置検出素子の受光面の前記計測対象面に対する傾斜角度が各対毎に相異なって設定され前記傾斜角度がより小さい第1の位置検出素子群と前記傾斜角度がより大きい第2の位置検出素子群とを有し、前記走査光の計測対象面からの反射光の受光位置を前記2つの位置検出素子群の各位置検出素子によってそれぞれ検出する位置検出部と、前記各位置検出素子が受光する光量が所定の範囲内にあるか否かを判定する受光量判定部と、同一の位置検出素子群に属する位置検出素子による前記反射光の受光位置検出結果の差異の大きさが所定の基準値以下であるか否かを判定する受光位置検出結果判定部と、前記位置検出部の受光位置検出結果に基づき前記受光量判定部および受光位置検出結果判定部の判定結果を加味して計測対象面の前記3次元認識画像を形成する画像形成部とを備え、前記画像形成部は、前記第1の位置検出素子群の各位置検出素子がそれぞれ受光した前記光量が前記所定の範囲内にあると前記受光量判定部によって判定され、且つ第1の位置検出素子群における前記受光位置検出結果の差異の大きさが前記所定の基準値以内であると前記受光位置検出結果判定部によって判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として前記第1の位置検出素子群による受光位置検出結果を採用し、前記第1の位置検出素子群の各位置検出素子のいずれかがそれぞれ受光した前記光量が前記所定の範囲を超えると前記受光量判定部によって判定され、または前記第1の位置検出素子群における前記受光位置検出結果の差異の大きさが前記所定の基準値を超えると前記受光位置検出結果判定部によって判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として前記第2の位置検出素子群による受光位置検出結果を採用して前記3次元認識画像を形成する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、計測対象面への入射方向を挟んで対称に配置され受光面の計測対象面に対する傾斜角度が各対毎に相異なる2対の位置検出素子群を有し、走査光の計測対象面からの反射光の受光位置を検出する位置検出部と、各位置検出素子が受光する光量が所定の範囲内にあるか否かを判定する受光量判定部と、同一の位置検出素子群に属する位置検出素子による反射光の受光位置検出結果の差異の大きさが所定の基準値以下であるか否かを判定する受光位置検出結果判定部とを備え、位置検出部の受光位置検出結果に基づき受光量判定部および受光位置検出結果判定部の判定結果を加味して計測対象面の3次元認識画像を形成する構成とすることにより、受光量が大きく変化する場合にあっても安定した3次元認識画像を形成して正しい部品認識結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態の部品実装装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態の画像形成装置に用いられる3次元センサの構成説明図
【図3】本発明の一実施の形態の画像形成装置に用いられる3次元センサによる3次元計測の説明図
【図4】本発明の一実施の形態の画像形成装置により形成される3次元認識画像の説明図
【図5】本発明の一実施の形態の部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図
【図6】本発明の一実施の形態の画像形成装置における認識不良発生例の説明図
【図7】本発明の一実施の形態の画像形成装置に用いられる3次元センサにおけるデータ処理部の構成を示すブロック図
【図8】本発明の一実施の形態の画像形成装置に用いられる3次元センサにおけるデータ処理部のch選択モジュールの機能説明図
【図9】本発明の一実施の形態の画像形成装置に用いられる3次元センサにおけるデータ処理部のPSD角度選択モジュールの機能説明図
【図10】本発明の一実施の形態の画像形成装置による3次元画像形成処理を示すフロー図
【図11】本発明の一実施の形態の画像形成装置による3次元部品認識処理の説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず図1を参照して部品実装装置の構造を説明する。図1において、基台1aにはX方向(基板搬送方向)に基板搬送機構2が配設されている。基板搬送機構2は上流側装置から搬入された基板3を搬送し、搬送経路に設けられた基板保持部に位置決めして保持する。基板搬送機構2の両側には、部品供給部4A、4Bが配置されている。部品供給部4Aには部品トレイ6を供給するトレイフィーダ5が装着されており、部品供給部4Bには複数のテープフィーダ8が並設されている。
【0015】
部品トレイ6にはQFPやBGAなど、リードやバンプなど3次元形状を有する電極部が設けられたタイプの3次元部品が収納されている。部品トレイ6はマガジンなどの収納容器に複数が積層収納されており、トレイフィーダ5が部品トレイ6を所定の部品取出し位置に位置させることにより、3次元部品7は以下に説明する部品実装機構による部品ピックアップ位置に供給される。テープフィーダ8は実装対象の部品を保持したキャリアテープをピッチ送りすることにより、部品を部品実装機構による部品ピックアップ位置に供給する。
【0016】
基台1aのX方向の一端部には、リニアモータによるY方向駆動機構を備えたY軸移動テーブル9が配設されており、Y軸移動テーブル9には同様にリニアモータによるX方向駆動機構を備えたX軸移動テーブル10A、10BがY方向に移動自在に結合されている。X軸移動テーブル10A、10Bにはいずれも実装ヘッド11がX方向の移動自在に装着されている。実装ヘッド11は下端部に部品を吸着して保持する吸着ノズル12a(図2参照)を備えた複数の単位移載ヘッド12を備えており、Y軸移動テーブル9、X軸移動テーブル10A、10Bを駆動することにより実装ヘッド11は部品供給部4A、4Bと基板搬送機構2との間を移動し、部品供給部4A、4Bから取り出した部品を基板搬送機構2の基板保持部に保持された基板3に実装する。
【0017】
したがって、ヘッド移動機構であるY軸移動テーブル9、X軸移動テーブル10A、10Bおよび実装ヘッド11は、実装ヘッド11を移動させることにより部品供給部4A、4Bから部品を取り出して基板3に実装する部品実装機構を構成する。X軸移動テーブル10A、10Bには、実装ヘッド11と一体的に移動する基板カメラ13が装着されており、基板カメラ13を基板搬送機構2に保持された基板3の上方に移動させることにより、基板カメラ13は基板3の実装位置を撮像して認識する。
【0018】
基板搬送機構2と部品供給部4Aとの間には、部品カメラ14、3Dセンサ15、ノズルストッカ16が配設されており、基板搬送機構2と部品供給部4Bとの間には、部品カメラ14、ノズルストッカ16が配設されている。部品カメラ14はラインセンサを用いたラインカメラであり、部品供給部4A、4Bから部品を取り出した実装ヘッド11が部品カメラ14の上方で移動することにより、部品カメラ14は実装ヘッド11に保持された状態の部品を下方から撮像する。これにより、部品の位置や形状などの2次元情報が取得される。
【0019】
3Dセンサ15は、部品供給部4Aから取り出された3次元部品7を対象として、3次元画像を形成するための処理を行う。すなわち実装ヘッド11に保持された3次元部品7の計測対象面7P(図3参照)に対してレーザ光を照射し、照射されたレーザ光の反射光を受光することにより、計測対象面7Pの平面情報を示す2次元画像における各画素の輝度によって高さ情報を表す3次元認識画像を形成する画像形成装置としての機能を有している。
【0020】
次に図2を参照して3Dセンサ15の構造を説明する。なお、図2(a)、(b)は、3Dセンサ15のY方向、X方向の矢視をそれぞれ示しており、3Dセンサ15の上方では単位移載ヘッド12の吸着ノズル12aに保持された3次元部品7が、走査方向(X方向)に所定の走査速度で移動する。図2(b)において、上面に開口部20aが設けられた筐体20内の底部には、計測光であるレーザ光を発光するレーザ光源部21(光発生手段)が光軸を垂直上向きにして配置されており、レーザ光源部21の上方にはレーザ光を集光する集光レンズ22が配置されている。
【0021】
レーザ光源部21から発光された光は集光レンズ22によって集光されて上方へ照射され(矢印a)、さらにミラー27によって水平方向へ反射されて(矢印b)、多角反射面を有するポリゴンミラー23に入射する。反射面に入射した入射光は上方に反射されて上方に位置するfθレンズ24に入射し、垂直上方に投射される。このとき、ポリゴンミラー23を回転駆動部23a(図2(a))によって回転させる(矢印c)ことにより、ミラー27を介して投射される照射光は、矢印e1,e2,e3の順(矢印d方向)に、すなわち主走査方向に走査されながら、開口部20aの上方に位置する3次元部品7の計測対象面7P(図3(a)参照)に垂直下方から入射する。
【0022】
計測対象面7Pは、単位移載ヘッド12を移動させることにより、主走査方向であるY方向と直交する副走査方向に3Dセンサ15に対して相対移動する。上記構成において、回転駆動部23aによって回転するポリゴンミラー23は、レーザ光源部21によって発生したレーザ光を主走査方向に走査する走査手段となっている。そしてfθレンズ24は、単位移載ヘッド12を移動させることにより主走査方向と直交する副走査方向(X方向)に相対移動する計測対象面7Pに対して、走査されたレーザ光の走査光を所定の入射方向である垂直下方から入射させる走査光入射手段となっている。
【0023】
レーザ光の入射方向の両側部には、3次元部品7からの反射光を受光可能な斜め下方に位置して、1対の第1PSD25AR,25AL(第1の位置検出素子群25A)および1対の第2PSD25BR、25BL(第2の位置検出素子群25B)が、垂直な入射方向(図3に示す矢印h参照)を挟んで左右対称に、受光面25a(図3(b)参照)を斜め上向きにして配置されている。
【0024】
これらの第1の位置検出素子群25A、第2の位置検出素子群25Bの各PSDは、いずれも受光面25aに入射したスポット光の受光位置を検出する機能を有しており、この受光位置検出結果を用いることにより、三角測距法によって計測対象面7Pの計測対象部位の高さ位置を検出する。すなわちfθレンズ24を介して計測対象面7Pに入射した光は3次元部品7の下面の各部位によって下方に反射され、集光レンズ26によって集光されて2つの位置検出素子群25A,25Bの各PSDの受光面25aによって受光される(矢印f,g)。
【0025】
ここで第1の位置検出素子群25A、第2の位置検出素子群25Bに属するPSDの受光面25aの計測対象面7Pに対する傾斜角度は、第1の位置検出素子群25Aに属する第1PSD25AR,25ALが計測対象面7Pに対して傾斜している傾斜角度θ1よりも、第2の位置検出素子群25Bに属する第2PSD25BR,25BLが計測対象面7Pに対して傾斜している傾斜角度θ2の方が大きくなるように設定されている(図3(b)参照)。
【0026】
すなわち本実施の形態においては、3次元部品7からの反射光の受光位置を検出する位置検出部25は、それぞれが入射方向を挟んで対称に配置され傾斜角度がより小さい第1の位置検出素子群25Aと、傾斜角度がより大きい第2の位置検出素子群25Bとを有している。すなわち各位置検出素子群に属する各PSDの受光面25aの計測対象面7Pに対する傾斜角度は、各対毎に相異なって設定されている。走査光の計測対象面7Pからの反射光の受光位置は、2つの位置検出素子群25A,25Bの各PSDによってそれぞれ検出され、これらの各PSDが受光することによって取得されたデータはデータ処理部15aによってデータ処理され、後述する3次元画像形成処理が行われる。
【0027】
次に図3,図4を参照して、計測対象の3次元部品7の形状および3Dセンサ15の機能を説明する。図3(a)に示すように、実装対象となる3次元部品7は矩形状の本体部7aの4辺から複数のリード7bが延出した構造のリード付き部品である。リード7bの先端部は本体部7aの下面の底面7dよりも下方に位置して水平方向に屈曲したリード脚部7cとなっており、3次元部品7を基板3に実装した状態では、リード脚部7cの下面のリード当接面7eが基板3の回路電極に当接する。このような構成のリード付き部品の実装においては、リード脚部7cができるだけ同一平面内にあって実装状態においてすべてのリード7bが基板3の回路電極に均一に当接することが求められる。このため、3次元部品7を対象とする部品実装動作においては、リード7bの水平面内の平面形状に加えて高さ方向の形状異常(いわゆるリード浮き)を計測対象として、3Dセンサ15によって3次元部品7の3次元認識画像を取得するようにしている。
【0028】
3Dセンサ15による3次元部品7の3次元認識においては、前述の走査手段によってレーザ光を主走査方向(Y方向)に走査させるとともに、3次元部品7を実装ヘッド11によってX方向に移動させることにより計測対象面7Pに対してレーザ光を2次元的に走査させる。すなわち、図4(a)に示すように、前述の走査手段によってレーザ光を走査線SLに沿って主走査方向(Y方向)に走査させながら(矢印k)、実装ヘッド11によって3次元部品7を副走査方向(X方向)に所定の走査速度で移動させる(矢印l)ことにより、走査線SLを所定の走査線間隔で移動させる。
【0029】
図3(a)は、このようにして走査させたレーザ光の入射光が垂直下方の入射方向(矢印h)から1つのリード7bのリード当接面7eに入射した状態を示している。この入射光の反射光(矢印i1)は集光レンズ26を介して第1PSD25Aの受光面によって受光され、このとき第1PSD25Aの両端部の端部電極A,Bからそれぞれ出力される電気信号をデータ処理部15aが受信することにより、受光面における受光位置d1が検出される。なおここでは第1PSD25AR,25ALの場合についてのみ図示して説明したが、第2PSD25BR,25BLについても同様である。
【0030】
ここで第1PSD25AR、25AL、第2PSD25BR、25BLをそれぞれ入射光軸に関して対配置して位置検出素子群として用いているのは、計測光の入射点近傍に微小突起など不均一な反射光を発生する要因が存在して特定方向への反射光が遮られるような場合にも、他方向への反射光を確実に受光して正常な計測結果を得るようにするためである。すなわち、本実施の形態においてはそれぞれの位置検出素子群にはR/Lの2つの信号取得チャンネル(以下、Rch,Lchと略記する)が設けられており、Rch,Lchによって取得された信号データを適宜選択または組み合わせて画像形成用のデータとして用いるようにしている。
【0031】
このようにして検出された受光位置d1に基づき、三角測距法によって入射位置のリード脚部7cの高さが求められる。破線で示すリード7bは低い位置にある状態を示しており、この場合には反射光(矢印i2)が受光されることにより第1PSD25AR、25ALの受光面25aにおいて受光位置d1と異なる受光位置d2が検出され、これにより破線で示すリード7bの高さが求められる。このようにして計測対象面7Pの全範囲についてレーザ光を走査させながら各走査点毎の高さを求めることにより、計測対象面7Pにおける3次元部品7の3次元形状を示す高さ情報を検出することができる。そして本実施の形態においては、計測対象面7Pの平面情報を示す2次元画像における各画素の輝度によって、図4(b)に示す各走査点の高さ情報を表す3次元認識画像を形成するようにしている。
【0032】
図4(b)において、3次元認識画像を示す認識画面29には、暗像で表される背景部29a中に、底面7d、リード裏面7f、リード当接面7eの平面形状が、それぞれの高さに応じて異なる輝度で表示される。すなわち最も下方に位置するリード当接面7eが最も高輝度で表されれ、底面7d、リード裏面7fの順に低い輝度で表される。このようにして形成された3次元認識画像を画像認識処理することにより、3次元部品7の位置や形状を検査する部品認識において、リード7bの延出長さaやリード幅b、リードピッチpなどの水平面内での形状・位置不良の有無に加えて、リード浮きhなどの高さ方向の形状、すなわち3次元形状における不良の有無を検出することができる。
【0033】
ここで図3(b)を参照して、3Dセンサ15における第1の位置検出素子群25A、第2の位置検出素子群25Bに属するPSDの配置姿勢とそれぞれの受光面25aが受光する受光量との関係を説明する。ここでは、第1PSD25AR、第2PSD25BRについて説明するが、第1PSD25AL、第2PSD25BLについても同様である。
【0034】
第1PSD25ARは計測対象面7Pに対して所定の傾斜角度θ1(例えば15°)で配置されており、第2PSD25BRは計測対象面7Pに対して傾斜角度θ1よりも大きい傾斜角度θ2(例えば35°)で配置されている。このため、上方の計測対象物からの反射光(矢印j1,j2)が受光面25aに入光する際の入射角は、第1PSD25ARにおける入射角α1よりも第2PSD25BRにおける入射角α2の方が小さくなる。したがって、第1PSD25AR、第2PSD25BRにおいて受光面25aが単位面積あたりに受光する光量は、入射する反射光の強度が同じならば傾斜角度θ1の小さい第1PSD25ARの方が第2PSD25BRよりも大きくなる。
【0035】
そして受光面25aが受光する光量は、反射状態によっても大きく変動するため、受光面25aが単位面積あたりに受光する光量は、走査対象部位の表面性状、すなわち入射した光を特定方向に反射する全反射の状態か、あるいは入射した光をランダムな方向に反射する乱反射の状態かによって大きく変動する。このような受光面25aが受光する光量の変動が、第1PSD25AR、25AL、第2PSD25BR,25BLの作動特性によって規定される所定の光量範囲からはずれている場合には、これらのPSDから出力される高さ情報は必ずしも計測対象面7Pの3次元形状を正しく反映させたものとはならず、局部的に誤った情報を含む3次元認識画像が形成される。この光量の過大・過小に起因する不具合の発生態様および本実施の形態におけるその対応策については後述する。
【0036】
次に図5を参照して制御系の構成を説明する。制御装置30(制御部)は部品実装機構、すなわち基板搬送機構2、Y軸移動テーブル9、X軸移動テーブル10A、X軸移動テーブル10Bよりなるヘッド駆動機構および部品供給部4A、部品供給部4Bを制御することにより、部品供給部4A、部品供給部4Bから取り出した部品を基板3に実装する部品実装動作が実行される。認識部31は制御装置30によって制御されて、基板カメラ13,部品カメラ14、3Dセンサ15により取得された認識画像を認識処理する。基板カメラ13によって取得された認識画像を認識処理することにより、基板3における部品実装点の位置が認識される。
【0037】
部品カメラ14によって取得された認識画像を認識処理することにより、実装ヘッド11に保持された状態の部品の識別や位置ずれ状態が検出される。3Dセンサ15によって取得された3次元認識画像を認識処理することにより、3Dセンサ15に保持された状態の3次元部品7の3次元形状部分を有する部品の部品状態が検出される。すなわち、認識部31は、画像形成装置としての3Dセンサ15によって形成された3次元認識画像に基づいて、3次元部品7の電極部(図3に示すリード7b参照)の位置および高さを認識する処理を行う。
【0038】
3Dセンサ15は、第1の位置検出素子群25A(第1PSD25AR、25AL)、第2の位置検出素子群25B(第2PSD25BR,25BL)を有する位置検出部25からの出力信号をデータ処理するデータ処理部15aを備えている。データ処理部15aは、これらの出力信号をデータ処理することにより、3次元部品7の計測対象面7Pの3次元画像を形成する。記憶部32は、部品実装作業を実行するための必要な各種のプログラムやデータに加えて、部品カメラ14、3Dセンサ15による部品検査における異常の有無判定のための検査データを記憶する。入出力部33は、キーボードやタッチパネルなどによる操作指令やデータを入力する入力処理、表示パネルに画面を表示させる出力処理を行う。
【0039】
次に図6を参照して、上述構成の3Dセンサ15を用いた画像形成に際してPSDが受光する光量の過大・過小に起因して、3次元画像に生じる不具合例について説明する。図6(a)は認識対象の3次元部品7の一部を示しており、ここでは楕円で示す部位(イ)(ロ)内のリード当接面7eが認識対象となる場合に生じる誤認識について説明する。3次元部品7を対象とする3次元認識においては、部位(イ)(ロ)内はそれぞれ走査線SL1、走査線SL2のように走査され、各走査点が図3(a)にて示す高さ情報の取得対象となる。
【0040】
図6(b)は、上述の走査処理における第1PSD25AR(または25AL)、第2PSD25BR(または25BL)のそれぞれの受光量を示しており、受光量グラフ(イ)、(ロ)は、それぞれ図6(a)に示す部位(イ)(ロ)を対象とする走査によって取得される受光量データを示している。ここで受光量曲線L1,L2は、それぞれ第1PSD25AR(または25AL)、第2PSD25BR(または25BL)によって個別に受光された受光量を示している。また受光量グラフ(イ)、(ロ)にて設定された第1閾値TH1、第2閾値TH2は、第1PSD25AR(または25AL)、第2PSD25BR(または25BL)によって正常な受光位置検出結果を得ることができる光量を規定する閾値である。すなわち、上限値を第1閾値TH1とし下限値を第2閾値TH2とする所定の範囲内の光量を受光している場合にのみ、第1PSD25AR(または25AL)、第2PSD25BR(または25BL)は正常に受光位置を検出する。
【0041】
図6(b)に示す例では、受光量グラフ(イ)において、受光量曲線L1は第1閾値TH1、第2閾値TH2によって規定される適正範囲内にあり、受光量曲線L2は、第2閾値TH2よりも少ない値を示している。換言すれば、図6(a)に示す部位(イ)については、受光量が適正範囲内の受光量曲線L1を与える第1PSD25AR(または25AL)による受光位置検出結果は正常であるものの、受光量が適正範囲からはずれた受光量曲線L2を与える第2PSD25BR(または25BL)による受光位置検出結果は正しくないことを示している。
【0042】
すなわち、第1PSD25AR(または25AL)による受光位置検出結果によれば、図4(b)に示すように、底面7d、リード裏面7f、リード当接面7eの平面形状が、それぞれの高さに応じて異なる輝度で表示された3次元認識画像を得ることができる。これに対し第2PSD25BR(または25BL)による受光位置検出結果を用いると、受光量が閾値範囲からはずれて過小であることに起因して、図6(c)の画像例(イ)に示すように、本来高輝度部分として表れるべきリード当接面7eの範囲が部分的に欠損して暗像範囲に含まれる黒抜け部E1となって現れる。
【0043】
また受光量グラフ(ロ)においては、受光量曲線L1は部分的に第1閾値TH1を超えた大きな値となって規定の閾値範囲から部分的にはみ出しており、受光量曲線L2は、第1閾値TH1、第2閾値TH2によって規定される閾値範囲内にある場合の例を示している。換言すれば、図6(a)に示す部位(ロ)については、受光量が閾値範囲内にある受光量曲線L2を与える第2PSD25BR(または25BL)による受光位置検出結果は正常であるものの、受光量が閾値範囲からはずれた受光量曲線L1を与える第1PSD25AR(または25BL)による受光位置検出結果は正しくないことを示している。
【0044】
すなわち、第2PSD25BR(または25BL)による受光位置検出結果によれば、図4(b)に示すように、底面7d、リード裏面7f、リード当接面7eの平面形状が、それぞれの高さに応じて異なる輝度で表示された3次元認識画像を得ることができる。これに対し第1PSD25AR(または25AL)による受光位置検出結果を用いると、受光量が閾値範囲からはずれて過大であることに起因して、図6(c)の画像例(ロ)に示すように、高輝度部分として表れるリード当接面7eの範囲が後続走査線側の暗像範囲に部分的にはみ出したノイズ部E2となって現れる。この現象は、受光量が過大であるために1回の走査の受光による電荷が、次の走査までに端部電極A,B(図3(a))から完全に抜けきれずに滞留し、この滞留分が誤差となることによって発生する。
【0045】
このような位置検出素子が受光する光量の過不足に起因する検出不具合を防止するため、本実施の形態では、3Dセンサ15に用いられる位置検出部25を、同一部位から反射された光を異なる光量で受光することが可能な2対の位置検出素子群(第1の位置検出素子群25A、第2の位置検出素子群25B)を有する構成において、以下に説明するように、適正な光量範囲で取得されたデータのみを採用するとともに、同一の位置検出素子群に属する2つのPSDによる受光位置検出結果の差異が基準値以内である場合にのみ、当該データを3次元画像形成のためのデータとして採用するようにしている。
【0046】
以下、このような検出不具合を防止するために本実施の形態において、データ処理部15aが備えた構成について、図7、図8、図9を参照して説明する。図7に示すように、データ処理部15aは、位置検出部25を構成する各PSDからの出力を受信して所定のデータ処理を行う受光量判定部34、受光位置検出結果判定部35、画像形成部36を有しており、さらに画像形成部36は、処理機能モジュールとして高さ計算モジュール37、ch選択モジュール38、PSD角度選択モジュール39および画像形成モジュール40を備えている。
【0047】
受光量判定部34は、位置検出部25を構成する各PSDが受光する光量が所定の範囲内にあるか否かを判定する処理を行う。受光位置検出結果判定部35は、同一の位置検出素子群に属するPSDによる反射光の受光位置検出結果の差異の大きさが、所定の基準値以下であるか否かを判定する処理を行う。なお受光位置検出結果判定部35による判定は、受光量判定部34によって受光する光量が所定の範囲内であると判定された場合にのみ実行される。画像形成部36は、位置検出部25の受光位置検出結果に基づき、受光量判定部34および受光位置検出結果判定部35の判定結果を加味して、計測対象面7Pの3次元認識画像を形成する処理を行う。
【0048】
高さ計算モジュール37は、位置検出部25の受光位置検出結果に基づき、図3(a)に示す方法により計測対象部位の高さを求める処理を行う。ch選択モジュール38は、位置検出部25から出力されるRch、Lchの信号データのうちいずれを採用するかを、受光量判定部34、受光位置検出結果判定部35の判定結果に基づいて選択する処理機能を有している。PSD角度選択モジュール39は、傾斜角度が異なる第1の位置検出素子群25A、第2の位置検出素子群25Bのいずれに属するPSDからの信号データを選択する機能を有するものである。画像形成モジュール40は、このようにしてch選択がなされ、さらに位置検出素子群の選択がなされて特定されたPSDからの信号データを用いて、高さ計算モジュール37によって計算された高さ計算結果に基づき、計測対象面7Pの3次元画像を形成する処理を行う。
【0049】
ch選択モジュール38によるデータ選択機能について、図8を参照して説明する。図8に示す判定対応表において、R側光量上限判定欄38Ra、R側光量下限判定欄38Rb、L側光量上限判定欄38La、L側光量下限判定欄38Lbはいずれも受光量判定部34による判定結果に対応しており、R側位置検出差異判定欄38Rc、L側位置検出差異判定欄38Lcは受光位置検出結果判定部35による判定結果に対応している。
【0050】
すなわち、R側光量上限判定欄38Ra、L側光量上限判定欄38Laにおいて光量上限:OK(NG)とは、図6(b)に示す受光量が予め設定された第1閾値TH1以下(超過)であることを示しており、R側光量下限判定欄38Rb、L側光量下限判定欄38Lbにおいて光量下限:OK(NG)とは、光量が予め設定された第2閾値TH2以上(未満)であることを示している。そしてR側位置検出差異判定欄38Rc、L側位置検出差異判定欄38Lcにおいて、|R−L|:OK(NG)とは、Rch、Lchの信号データに基づくそれぞれの受光位置の差異の絶対値が、予め正常な状態であるとして定められた基準値以内(超過)であることを示している。なお、光量上限:OK、光量下限:OKの条件が満たされていない場合には、R側位置検出差異判定欄38Rc、L側位置検出差異判定欄38Lcの判定は行われない。
【0051】
そしてこれらの受光量判定結果、受光位置検出結果判定結果に基づき、Rch、Lchの信号データのいずれを採用するかが決定される。すなわち、Rch、Lchのいずれにおいても受光量が適正範囲内で光量上限:OK、光量下限:OKの条件が満たされ、且つ受光位置の差異の絶対値が基準値以内(|R−L|:OK)である場合には、図8の(イ)に示すように、Rch、Lchの信号データを平均した値が画像形成用のデータとして採用される。
【0052】
これに対し、Lchにおいては光量上限:OK、光量下限:OKの条件が満たされているものの、Rchにおいては光量上限:OK、光量下限:OKの条件が満たされていない場合には、図8の(ロ)に示すように、Lchの信号データが画像形成用のデータとして採用される。反対に、Rchにおいては光量上限以下、光量下限以上の条件が満たされているものの、Lchにおいては光量上限以下、光量下限以上の条件が満たされていない場合には、図8の(ハ)に示すように、Rchの信号データが画像形成用のデータとして採用される。
【0053】
なお図8において正常に信号データが出力される(イ)(ロ)(ハ)以外の場合については、以下のように取り扱われる。まずRch、Lchのいずれかにおいて、光量上限:OK、光量下限:OKの条件が満たされてはいるものの、|R−L|:NGの場合には、当該チャンネルからの信号データは出力しない。また、Rch、Lchのいずれにおいても光量上限:NG、光量下限:OKとなっている場合には、光量が過大な特異点であることを示す固定データ値(1023)を出力する。そしてそれ以外の場合、すなわちRch、Lchのいずれにおいても|R−L|:NGの場合、またはRch、Lchのいずれかにおいて光量上限:OK、光量下限:NGの場合には、固定データ値(0)を出力するようにしている。このような取り扱いは便宜上設定されるものであり、実際の運用上適当と考えられる範囲内で適宜変更可能である。
【0054】
次にPSD角度選択モジュール39によるデータ選択機能について、図9を参照して説明する。ここでは、ch選択モジュール38によるch選択が行われた後に、傾斜角度の相異なる第1の位置検出素子群25A、第2の位置検出素子群25Bのいずれから出力される信号データを採用するかを選択するものである。PSD角度選択モジュール39においても、受光量判定部34による受光量判定結果に基づいて、採用するPSDが選択される。すなわち図9に示す判定対応表において、受光量判定結果組合わせ欄39a、39bは、それぞれ第1の位置検出素子群25A(第1PSD)、第2の位置検出素子群25B(第2PSD)について、Rch、Lchのそれぞれにおける受光量判定結果の組み合わせの種類を示している。ここで、Rch、LchについてOKとは、図8に示す光量上限:OK、光量下限:OKの条件がいずれも満たされて光量が適正範囲にある場合を示している。そしてRch、LchについてNGとは、上述以外の場合であって光量が適正範囲をはずれて過大・または過小となっている場合を示す。
【0055】
そしてこれらの受光量判定結果の組み合わせに基づき、第1の位置検出素子群25Aから出力される信号データ(第1PSDデータ)、第2の位置検出素子群25Bから出力される信号データ(第2PSDデータ)のいずれを選択するかが決定される。すなわち、第1PSD、第2PSDのいずれにおいてもRch:OK且つLch:OKの条件が満たされている場合には、図9の(ニ)に示すように、第1PSDデータ、第2PSDデータを平均した値が画像形成用のデータとして採用される。なおこの場合において、第1PSDデータを単独で用いるようにしてもよい。
【0056】
また第1PSDにおいてRch:OK且つLch:OKの条件が満たされているものの、第2PSDにおいてRchまたはLchの少なくとも1つがNGの場合には、図9の(ホ)に示すように、第1PSDデータが画像形成用のデータとして採用される。また第2PSDにおいてRch:OK且つLch:OKの条件が満たされているものの、第1PSDにおいてRchまたはLchの少なくとも1つがNGの場合には、図9の(ヘ)に示すように、第2PSDデータが画像形成用のデータとして採用される。なお上述の(ニ)(ホ)(ヘ)の場合には、Rch、Lchの信号データを平均した値が画像形成用のデータとして用いられる。
【0057】
そして第2PSDにおいてRch:OK且つLch:NGの場合には、図9の(ト)に示すように、第2PSDデータであってRchの信号データが画像形成用のデータとして採用される。さらに第2PSDにおいてRch:NG且つLch:OKの場合には、図9の(チ)に示すように、第2PSDデータであってLchの信号データが画像形成用のデータとして採用される。そしてそれ以外の場合、すなわち第1PSD、第2PSDのいずれかにおいて、Rch:NG且つLch:NGとなっている場合には、固定データ値(0)を出力する。
【0058】
すなわち上記構成において、画像形成部36は、第1の位置検出素子群25Aの各位置検出素子(第1PSD25AR,25AL)がそれぞれ受光した光量が、第1閾値TH1、第2閾値TH2によって規定される所定の範囲内にある(光量上限:OK且つ光量下限:OK)と受光量判定部34によって判定され、且つ第1の位置検出素子群25Aにおける受光位置検出結果の差異の大きさが所定の基準値以内である(|R−L|:OK)と受光位置検出結果判定部35によって判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として第1の位置検出素子群25Aによる受光位置検出結果(第1PSDデータ)を採用して3次元認識画像を形成する(図9において(ニ)(ホ)にて示す第1PSDデータ参照)。
【0059】
そして第1の位置検出素子群25Aの各位置検出素子(第1PSD25AR,25AL)のいずれかがそれぞれ受光した光量が、第1閾値TH1、第2閾値TH2によって規定される所定の範囲を超える(光量上限:NGまたは光量下限:NG)と受光量判定部34によって判定され、または第1の位置検出素子群25Aにおける受光位置検出結果の差異の大きさが所定の基準値を超える(|R−L|:NG)と受光位置検出結果判定部35によって判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として第2の位置検出素子群25Bによる受光位置検出結果(第2PSDデータ)を採用して3次元認識画像を形成する。(図9において(へ)(ト)(チ)にて示す第1PSDデータ参照)。
【0060】
次に本実施の形態の画像形成装置による3次元画像形成方法について、図10のフローに則して図11を参照して説明する。ここでは、部品の計測対象面に対して照射された光の反射光を受光することにより、計測対象面の平面情報を示す2次元画像における各画素の輝度によって高さ情報を表す3次元認識画像を形成する。
【0061】
まず3D部品(3次元部品7)の認識が開始される(ST1)。すなわち、部品供給部4Aにて部品トレイ6から3次元部品7を取り出したX軸移動テーブル10Aが3Dセンサ15の上方へ移動する。次いで部品スキャンが実行される(ST2)。すなわち、光発生手段であるレーザ光源部21によって発生したレーザ光をポリゴンミラー23によって主走査方向(Y方向)に走査させながら(走査工程)、3次元部品7を保持したX軸移動テーブル10Aを副走査方向(X方向)へ所定の走査速度で相対移動させる(図4(a)参照)。次いで3次元部品7の計測対象面7Pに対して、走査光を所定の入射方向から入射させる(走査光入射工程)。
【0062】
そして受光位置検出が行われる(ST4)。すなわち入射した走査光の計測対象面7Pからの反射光の受光位置を、前述構成の位置検出部25によって検出する(位置検出工程)。これにより、第1の位置検出素子群25A、第2の位置検出素子群25Bに属する各PSDによってそれぞれ計測対象面7Pの各部位の高さ情報を含む3次元画像データの基となる各部位毎の受光位置が取得される。このとき、図11(a)において楕円で示す部位(イ)(ロ)についても、図6(a)に示す例と同様に、走査が実行される。
【0063】
次に受光量判定が行われる(ST5)。すなわち第1の位置検出素子群25A、第2の位置検出素子群25Bに属する各PSDが受光する光量が所定の範囲内にあるか否かを受光量判定部34によって判定する(受光量判定工程)。次いで受光位置検出結果判定が行われる(ST6)。すなわち、同一の位置検出素子群に属する位置検出素子による反射光の受光位置検出結果の差異の大きさ(|R−L|)が、所定の基準値以下であるか否かを、受光位置検出結果判定部35によって判定する(受光位置検出結果判定工程)。
【0064】
次に画像形成が行われる(ST7)。すなわち位置検出工程における位置検出部25による受光位置検出結果に基づき、受光量判定工程における受光量判定部34の判定結果および受光位置検出結果判定工程における受光位置検出結果判定部35による受光位置検出結果判定結果を加味して、計測対象面7Pの3次元認識画像を形成する(画像形成工程)。
【0065】
この画像形成においては、図8,図9にて説明したように、受光量判定工程において第1の位置検出素子群25Aの各位置検出素子(第1PSD25AR,25AL)がそれぞれ受光した光量が所定の範囲内にある(光量上限:OK且つ光量下限:OK)と判定され、且つ第1の位置検出素子群25Aにおける受光位置検出結果の差異の大きさが所定の基準値以内である(|R−L|:OK)と判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として第1の位置検出素子群25Aによる受光位置検出結果(第1PSDデータ)を採用して3次元認識画像を形成する。
【0066】
そして第1の位置検出素子群25Aの各位置検出素子のいずれかがそれぞれ受光した光量が所定の範囲を超える(光量上限:NGまたは光量下限:NG)と判定され、または第1の位置検出素子群25Aにおける受光位置検出結果の差異の大きさが所定の基準値を超える(|R−L|:NG)と判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として第2の位置検出素子群25Bによる受光位置検出結果(第2PSDデータ)を採用して3次元認識画像を形成する。
【0067】
画像形成に際してこのようなデータ処理を行うことにより、画像形成モジュール40が画像形成に採用するPSDデータ、すなわち第1PSDデータ、第2PSDデータから選択された画像形成用データについては、当該データの基になる入射光の受光量が常に適正範囲内にあることが担保される。すなわち図11(b)に示すように、当該データの受光量を示す受光量曲線Lは、常に第1閾値TH1〜第1閾値TH2の間にある。したがって、部位(イ)(ロ)のいずれの部位の走査においても、図6(c)にて例示した光量の過大・過小に起因する不具合を招くことなく、図11(c)に示すように、底面7d、リード裏面7f、リード当接面7eの平面形状が、それぞれの高さに応じて異なる輝度で表示された正しい3次元認識画像を得ることができる。
【0068】
そしてこのようにして形成された3次元認識画像を認識部31によって認識処理することにより、部品状態検査が行われる(ST8)。すなわち、検査対象の3次元部品7について、図4(b)に示すリード7bの延出長さaやリード幅b、リードピッチpなどの水平面内での形状やリード浮きhなどの3次元形状が検査される。そしてこの検査結果を記憶部32に記憶された検査データと比較することにより、部品状態が正常であるか否かが判定される(ST9)。そして部品状態が正常であると判定されたならば、3D部品認識を終了し(ST11)、部品実装動作のための次の動作ステップに移行する。また(ST8)にて部品状態が正常でないと判定されたならば、入出力部33の報知手段によってエラー報知を行う(ST10)。
【0069】
上記説明したように、本実施の形態に示す3次元部品を対象とする3次元画像形成においては、計測対象面7Pへの入射方向を挟んで対称に配置され受光面の計測対象面に対する傾斜角度が各対毎に相異なる2対の位置検出素子群25A,25Bを有し、走査光の計測対象面からの反射光の受光位置を検出する位置検出部25と、各位置検出素子が受光する光量が所定の範囲内にあるか否かを判定する受光量判定部34と、同一の位置検出素子群に属する位置検出素子による反射光の受光位置検出結果の差異の大きさが所定の基準値以下であるか否かを判定する受光位置検出結果判定部35とを備え、位置検出部25の受光位置検出結果に基づき受光量判定部34および受光位置検出結果判定部35の判定結果を加味して計測対象面7Pの3次元認識画像を形成する構成としたものである。これにより、受光量が大きく変化する場合にあっても安定した3次元認識画像を形成して正しい部品認識結果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の画像形成装置および画像形成方法ならびに部品実装装置は、安定した3次元認識画像を形成して正しい部品認識結果を得ることができるという効果を有し、基板に電子部品を実装する部品実装装置において電子部品の形状検査や位置補正を行う用途に有用である。
【符号の説明】
【0071】
1 部品実装装置
2 基板搬送機構
3 基板
4A,4B 部品供給部
5 トレイフィーダ
6 部品トレイ
7 3次元部品
7a 本体部
7b リード
7P 計測対象面
11 実装ヘッド
15 3Dセンサ
21 レーザ光源部
23 ポリゴンミラー
24 fθレンズ
25 位置検出部
25A 第1の位置検出素子群
25B 第2の位置検出素子群
25AR、25AL 第1PSD
25BR、25BL 第2PSD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品の計測対象面に対して照射された光の反射光を受光することにより、前記計測対象面の平面情報を示す2次元画像における各画素の輝度によって高さ情報を表す3次元認識画像を形成する画像形成装置であって、
光発生手段によって発生された前記光を主走査方向に走査させる走査手段と、
前記主走査方向と直交する副走査方向に相対移動する前記計測対象面に対して前記走査された走査光を所定の入射方向から入射させる走査光入射手段と、
それぞれが前記入射方向を挟んで対称に配置された1対の位置検出素子より成る2つの位置検出素子群であって、前記位置検出素子の受光面の前記計測対象面に対する傾斜角度が各対毎に相異なって設定され前記傾斜角度がより小さい第1の位置検出素子群と前記傾斜角度がより大きい第2の位置検出素子群とを有し、前記走査光の計測対象面からの反射光の受光位置を前記2つの位置検出素子群の各位置検出素子によってそれぞれ検出する位置検出部と、
前記各位置検出素子が受光する光量が所定の範囲内にあるか否かを判定する受光量判定部と、
同一の位置検出素子群に属する位置検出素子による前記反射光の受光位置検出結果の差異の大きさが所定の基準値以下であるか否かを判定する受光位置検出結果判定部と、
前記位置検出部の受光位置検出結果に基づき前記受光量判定部および受光位置検出結果判定部の判定結果を加味して計測対象面の前記3次元認識画像を形成する画像形成部とを備え、
前記画像形成部は、前記第1の位置検出素子群の各位置検出素子がそれぞれ受光した前記光量が前記所定の範囲内にあると前記受光量判定部によって判定され、且つ第1の位置検出素子群における前記受光位置検出結果の差異の大きさが前記所定の基準値以内であると前記受光位置検出結果判定部によって判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として前記第1の位置検出素子群による受光位置検出結果を採用し、
前記第1の位置検出素子群の各位置検出素子のいずれかがそれぞれ受光した前記光量が前記所定の範囲を超えると前記受光量判定部によって判定され、または前記第1の位置検出素子群における前記受光位置検出結果の差異の大きさが前記所定の基準値を超えると前記受光位置検出結果判定部によって判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として前記第2の位置検出素子群による受光位置検出結果を採用して前記3次元認識画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
部品の計測対象面に対して照射された光の反射光を受光することにより、前記計測対象面の平面情報を示す2次元画像における各画素の輝度によって高さ情報を表す3次元認識画像を形成する画像形成方法であって、
光発生手段によって発生された前記光を主走査方向に走査させる走査工程と、
前記主走査方向と直交する副走査方向に相対移動する前記計測対象面に対して前記走査された走査光を所定の入射方向から入射させる走査光入射工程と、
それぞれが前記入射方向を挟んで対称に配置された1対の位置検出素子より成る2つの位置検出素子群であって、前記位置検出素子の受光面の前記計測対象面に対する傾斜角度が各対毎に相異なって設定され前記傾斜角度がより小さい第1の位置検出素子群と前記傾斜角度がより大きい第2の位置検出素子群とを有し、前記走査光の計測対象面からの反射光の受光位置を前記2つの位置検出素子群の各位置検出素子によってそれぞれ検出する位置検出部によって、前記走査光の計測対象面からの反射光の受光位置を検出する位置検出工程と、
前記各位置検出素子が受光する光量が所定の範囲内にあるか否かを判定する受光量判定工程と、
同一の位置検出素子群に属する位置検出素子による前記反射光の受光位置検出結果の差異の大きさが所定の基準値以下であるか否かを判定する受光位置検出結果判定工程と、
前記位置検出工程における受光位置検出結果に基づき前記受光量判定工程および受光位置検出結果判定工程における判定結果を加味して計測対象面の前記3次元認識画像を形成する画像形成工程とを含み、
前記受光量判定工程において前記第1の位置検出素子群の各位置検出素子がそれぞれ受光した前記光量が前記所定の範囲内にあると判定され、且つ前記受光位置検出結果判定工程において前記第1の位置検出素子群における前記受光位置検出結果の差異の大きさが前記所定の基準値以内であると判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として前記第1の位置検出素子群による受光位置検出結果を採用して前記3次元認識画像を形成し、
前記受光量判定工程において前記第1の位置検出素子群の各位置検出素子のいずれかがそれぞれ受光した前記光量が前記所定の範囲を超えると判定され、且つ前記受光位置検出結果判定工程において前記第1の位置検出素子群における前記受光位置検出結果の差異の大きさが前記所定の基準値を超えると判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として前記第2の位置検出素子群による受光位置検出結果を採用して前記3次元認識画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項3】
基板保持部に保持された基板に部品供給部から取り出された部品を実装する部品実装装置であって、
実装ヘッドを移動させることにより前記部品供給部から部品を取り出して前記基板に実装する部品実装機構と、
前記実装ヘッドに保持された前記部品の計測対象面に対して照射された光の反射光を受光することにより、前記計測対象面の平面情報を示す2次元画像における各画素の輝度によって高さ情報を表す3次元認識画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって形成された前記3次元認識画像に基づいて前記部品の電極部の位置および高さを認識する認識部と、前記部品実装機構および画像形成装置を制御する制御部とを備え、
前記画像形成装置は、光発生手段によって発生された前記光を主走査方向に走査させる走査手段と、前記主走査方向と直交する副走査方向に相対移動する前記計測対象面に対して前記走査された走査光を所定の入射方向から入射させる走査光入射手段と、
それぞれが前記入射方向を挟んで対称に配置された1対の位置検出素子より成る2つの位置検出素子群であって、前記位置検出素子の受光面の前記計測対象面に対する傾斜角度が各対毎に相異なって設定され前記傾斜角度がより小さい第1の位置検出素子群と前記傾斜角度がより大きい第2の位置検出素子群とを有し、前記走査光の計測対象面からの反射光の受光位置を前記2つの位置検出素子群の各位置検出素子によってそれぞれ検出する位置検出部と、
前記各位置検出素子が受光する光量が所定の範囲内にあるか否かを判定する受光量判定部と、同一の位置検出素子群に属する位置検出素子による前記反射光の受光位置検出結果の差異の大きさが所定の基準値以下であるか否かを判定する受光位置検出結果判定部と、
前記位置検出部の受光位置検出結果に基づき前記受光量判定部および受光位置検出結果判定部の判定結果を加味して計測対象面の前記3次元認識画像を形成する画像形成部とを備え、前記画像形成部は、前記第1の位置検出素子群の各位置検出素子がそれぞれ受光した前記光量が前記所定の範囲内にあると前記受光量判定部によって判定され、且つ第1の位置検出素子群における前記受光位置検出結果の差異の大きさが前記所定の基準値以内であると前記受光位置検出結果判定部によって判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として前記第1の位置検出素子群による受光位置検出結果を採用し、
前記第1の位置検出素子群の各位置検出素子のいずれかがそれぞれ受光した前記光量が前記所定の範囲を超えると前記受光量判定部によって判定され、または前記第1の位置検出素子群における前記受光位置検出結果の差異の大きさが前記所定の基準値を超えると前記受光位置検出結果判定部によって判定されたならば、当該走査部位についての受光位置検出結果として前記第2の位置検出素子群による受光位置検出結果を採用して前記3次元認識画像を形成することを特徴とする部品実装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−229964(P2012−229964A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97802(P2011−97802)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】