説明

積層された層板を有する電動機を形成するための方法及び装置

【課題】 積層された層板を有する電動機を提供する。
【解決手段】 ステータと、ロータと、ステータ及びロータを支持するように適合されたハウジングとを含む電動機が提供される。ステータは、ステータコア、第1及び第2の層板積層体、貫通して延びる磁束管、及びステータコア上の巻線を含む。ロータは、内面を有するハブと、ハブ内面に結合された磁石と、軸の長手方向軸線回りにステータに対してロータが回転するようにステータコア内で受け止められる軸とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、電動機に関し、更に詳細には、積層された層板を有する電動機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動機の組み立てでは、ロータは、ステータに対して回転させるために、ロータ上の磁石がステータ上の1つ又はそれ以上の巻線とほぼ整列するように取り付ける必要がある。従来、これは、ロータの軸をステータに取り付けられるフレーム上に取り付けることによって行われる。ステータは、層板の積層体を含むことができる。軸は、ステータの軸回りに回転するようにステータによって受けられる。ステータ及びロータを封入するために、フレーム又は分離シェルを設けることができる。これらの基本的な電動機構成部品に加えて、制御構成部品も組み立てられる。電気的に整流される電動機は、様々な構成部品を取り付けるプリント回路基板を有することができる。電動機の組み立てには、巻線に回路基板構成部品を電気的に接続すること、及び外部電源に電気的に接続することが必要である。回路基板自体は、典型的には締結具によるステータへの取付けによって、或いは、溶接、半田付け、又は接着によって所定場所に固定される。これらの処置の多くは手作業によって行われ、かなりの関連する材料人件費を要する。
【0003】
電動機の構成部品の公差は、組立電動機の全てにおいて、ロータがステータに接触することなくステータに対して自由に回転することができるように管理されなければならない。ステータとロータ上の磁石との間の小さな空隙は、ロータとステータ間の磁束の移動を促進するため、並びにロータを回転させるために好ましいものである。幾つかの構成部品の寸法公差は、空隙の大きさに影響を与える可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動機は、一般的に、電動機のエンドユーザが所望するある特定の方法で作動するようにプログラムされる。例えば、電動機の速度、電動機始動前の遅延、及び他のパラメータといったある特定の動作パラメータをプリント回路基板構成部品にプログラムすることができる。量産用の電動機は、最も一般的には最終組み立ての前に同じ方法でプログラムされ、組み立て後には再プログラムすることができない。しかしながら、電動機のエンドユーザは、電動機の作動に関して異なる要件を有する場合がある。更に、エンドユーザは、電動機の所望の動作パラメータを変更する可能性がある。このような理由から、多彩な用途を満足するために、電動機、或いは少なくともプリント回路基板の大量の在庫が保管されている。
【0005】
電動機には数限りない用途があり、これには水が存在する状態で電動機を作動させる必要がある用途も含まれる。水は、電動機の作動及び寿命にとって悪影響をもたらすので、ステータ及び制御回路が水の溜まりがないように維持することは極めて重要である。ステータ及び他の構成部品を防水処理することはよく知られている。しかしながら、量産用の電動機では、電動機内の水の侵入及び蓄積を防止するためのコストを最小限に維持することは必須となっている。電動機が冷蔵の分野で使用される場合の別の懸念点は、電動機上に氷が形成されることである。回路基板に差し込まれた電気コネクタ上に氷が形成されることにより、電動機が電源と切断され、又は損傷を受けるのはまれなことではない。プリント回路基板と差し込み式コネクタとの間に形成される氷が、コネクタを押してプリント回路基板から引き離し、これにより切断、或いは基板又はコネクタの破損を生じる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様においては、電動機は、ステータと、ロータと、ステータ及びロータを支持するように適合されたハウジングとを含む。ステータは、ステータコアと、第1及び第2の層板積層体と、貫通して延びる磁束管と、ステータコア上の巻線とを含む。ロータは、内面を有するハブと、ハブ内面に結合された磁石と、軸の長手方向軸線回りにステータに対してロータが回転するようにステータコア内で受けられる軸とを含む。
【0007】
別の態様においては、電動機は、ステータと、ロータと、ステータ及びロータを支持するように適合されたハウジングとを含む。ステータは、ステータコアと、第1及び第2の層板積層体と、貫通して延びる磁束管と、ステータコア上の巻線とを含む。各層板積層体は、互いに積み重ねられるように構成された複数の層板を含む。各層板は、ステータコア中央開口部と整列され、且つ磁束管を受けるように構成された中央開口部と、層板外縁から軸方向に延びる複数の磁極片と、層板本体中央開口部から層板本体を貫通して層板本体外縁に延びるノッチとを含む。ロータは、ハブから半径方向外方に突出するファンブレードを有するハブと、内面と、ハブ内面と結合された磁石と、軸の長手方向軸線回りにステータに対してロータが回転するようにステータコア内で受けられる軸とを備える。
【0008】
別の態様においては、電動機を組み立てる方法が提供される。本方法は、ステータコアと、第1及び第2の層板積層体と、貫通して延びる磁束管と、ステータコア上の巻線とを含むステータを利用する。また、本方法は、軸と、磁石を有するハブとを有するロータを利用する。ロータは、ロータ軸の長手方向軸線回りにステータに対して回転するように取り付けられる。本方法は、ステータを形成する段階と、ロータを形成する段階と、ステータ及びロータを支持して少なくとも部分的に封入するように適合されたハウジングを形成する段階と、軸をステータに挿通させてロータ/ロータ部分組立体を形成することによってロータをステータ上に取り付ける段階と、ステータ/ロータ部分組立体をハウジングにスナップ接続する段階とを含む。
【0009】
対応する参照番号は、図面の幾つかの図全体を通じて対応する部品を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
ここで図面、特に図1及び図2を参照すると、本発明の原理に従って構成された電動機20は、ステータ22、ロータ24、及びハウジング26(参照番号はこれらの対象物を示す)を含む。図示された実施形態においては、電動機20は、ロータ磁石(以下に詳細に説明する)がステータの外側にある形式のものであり、ファンの形で示されている。従って、ロータ24は、ファンブレード30が一体的に形成されたハブ28を含み、該ファンブレードはハブから半径方向に突出する。ハブ28及びファンブレード30は、ポリマー材料の一体部品として形成される。ハブは、一方端が開放しており、ロータ軸32がハブの軸線上に取り付けられるキャビティを定める(図2)。軸32は、ハブとファンブレード30が形成されるときに軸端部と共に、ハブ内に成形されるインサート34によってハブ28に取り付けられる。ロータ磁石35は、鉄製の裏当てを有するか又は有さない磁気材料を含む。簡素化のために、ロータ磁石35は、図面では単一の材料として示されている。また、鉄製の裏当てを有するか又は有さない磁石は、ハブが形成される時にハブキャビティに成形されるか、又は、ハブに後付けされる。
【0011】
図1に示すステータは、封入されておらず、図2に示すステータは、封入されている。ステータ22は、以下で更に詳細に説明するが、実質的には熱可塑性材料内に封入される。また、封入材料は、ステータ22から軸方向に突出する脚部36を形成する。図1に示す実施形態については、環状リングが取付けのために使用される。脚部36は各々、脚の遠位端に形成されたキャッチ38を有する。40で全体的に示されているプリント回路基板は、組立電動機20内では脚部36間に受けられ、プリント回路基板上に実装された構成部品42を含み、少なくともその1つはプログラム可能である。プリント回路基板40から突出するフィンガ44は、回路基板がステータ22の脚部36の間に配置されるときに封入物の内側で受けられるHallデバイス46を取り付けるものである。組立電動機20においては、Hallデバイス46は、電動機の作動を制御するためにロータ位置を検出する際に使用するためロータ磁石35に近接している。また、ステータ22は、ブロンズ製軸受50が圧入された鋼管49を含む、48で全体的に示されている磁束管を含む。磁束管48は、循環する磁束の低減を促進するための、鋼管49に沿って軸方向に延びるスリット51(図示せず)を有する。磁束管は、一方端にリップを有する。他方端では、上側層板をステータ及び下側層板組立体に固定するためにクリップが使用される。磁束管48内のスリット51は、上側及び下側の層板組立体上に設けられたノッチと整列される。軸受50は、ステータ22を通るロータ軸32を受け、ロータ24をステータ上に取り付けて部分組立体を形成する。ロータ24は、ステータに挿通された後にロータの自由端に取り付けられるEクリップ52によってステータ22上に保持される。
【0012】
閉鎖される端ハウジング26(図2)の小さな開口部66によって工具(図示せず)をカップ部に挿入し、脚部36を動かして肩部64から取り外して、ステータ/ロータ部分組立体の接続をカップ部から解除することができる。従って、補修又は再構成(例えば、プリント回路基板40を交換することによってなど)のために電動機を破壊せずに分解することが可能である。電動機は、スナップ接続されるまで脚部36をハウジング26に単に再度挿入することによって再組立することができる。
【0013】
図示された実施形態における電動機20の1つの用途は、冷蔵ケース内の蒸発器ファンである。この実施形態においては、電動機は水に晒されることになる。例えば、ケースに水を吹き付けることによってこのケースを掃除することができる。図2に示す向きで、電動機の上側及び右側から水が電動機20に吹き付けられる傾向があり、電動機の構造に開口部又は結合部がある場合には常に潜在的に電動機に水が入る可能性がある。ステータ22が封入されることによって保護されるが、電動機に入る水の量を制限することが望ましい。水が入る可能性がある1つの場所は、ロータ及びステータ22のハブ28の接合部である。この接合部の拡大部分図を図4に示す。ステータを封入する熱可塑性材料は、この接合部で蛇行経路68を作るよう形成されている。更に、ステータから半径方向外方に延びるスカート70が形成されている。スカート70の外縁72は、右側から誘導された水が偏向されて接合部から離れるように傾斜が付けられている。
【0014】
ステータ/ロータ部分組立体の接続を解除可能にする開口部66は、潜在的に水がカップ部に入りやすく、ここで回路基板の動作に支障をきたす恐れがある。プリント回路基板40は、構成部品42を含み、水分から保護するために封入される。しかしながら、かなりの水がハウジング26に入ることはやはり望ましいものではない。従って、開口部66は、水の侵入を阻止するように構成される。ここで図5を参照すると、開口部66の1つの大きく拡大された図には、半径方向外側の縁部66aと半径方向内側の縁部66bが示されている。これらの縁部は、少なくとも約45°のロータ軸の長手方向軸線に略平行な平面P2に対してある角度をなす平面P1内にある。水は、45°より大きくない角度で電動機に吹き付けられると考えられる。従って、水には、45°以下の角度をなす経路を進むときに開口部66に入るための直接的な経路は存在しない。水は、カップ部54の側面に当たるか、又は、開口部の上を通過することになるが、開口部には入らない。
【0015】
また、ハウジング26は、電動機20が冷蔵環境で使用されるときにカップ部内での結氷によって引き起こされる可能性がある電動機の故障を防ぐように構成される。更に詳細には、プリント回路基板40は、回路基板上に取り付けられ、且つ回路基板から外方に突出する電源接点74を有する。これらの接点は、カップ部54内に形成されるプラグコンセント76の内端と整列する。図2を参照すると、コンセント76は、電動機から離れた位置にある電源に接続されたプラグ78(図示せず)を受ける。また、外部制御装置(図示せず)が、プラグ78を介してプリント回路基板40に接続される。コンセント76及びプラグ78は、対応する矩形の断面を有し、プラグが挿入されたときに実質的にプラグコンセントを閉じるようにする。
【0016】
プラグ78が完全にプラグコンセント76に挿入されたとき、プリント回路基板40上の電源接点74は、プラグ内で受けられるが、部分的に過ぎない。プラグコンセント76は、プラグ78と係合してコンセントへのプラグの挿入の深さを制限するタブ80(内端近傍に)をと共に形成される。その結果、プラグ78は、プラグコンセント76に完全に挿入されたときでさえもプリント回路基板40から離間している。好適な実施形態においては、その間隔は、約0.2インチである。しかしながら、約0.05インチの間隔であれば満足に機能すると考えられる。電源接点74はプラグ78内で部分的に受けられるが、電気的には接続される。金属製の電源接点74の露出した部分は、電動機20が特定の冷蔵環境で使用されたときには、結氷ができやすい傾向がある。しかしながら、プラグ78とプリント回路基板40が離間しているため、結氷してもプラグを押して回路基板から更に離し、電気的切断を生じるようなプラグと回路基板との間の圧力が形成されない。氷は、露出された電源接点74上に形成される可能性があり、更にこれから形成されることにもなるが、これにより、切断、或いはプリント回路基板40又はプラグ78への損傷を生じることはない。
【0017】
図6に示すように、プリント回路基板40はまた、電動機20をプログラムするために使用される個々の組の接点82を有する。これらの接点82は、ポート内で取り外し可能に受けられる止め具86によって通常は閉鎖される、ハウジング26内に形成された環状ポート84と整列する。ポートは、止め具86が取り外されたときにプローブ88を受けて、回路基板40上の接点82と接続される。プローブ88は、完全に組み立てられた後、マイクロプロセッサ又は同様のものなど(図示せず)に電動機の作動をプログラムし、又は、重要なことであるが、再プログラムするために接続される。例えば、電動機の速度を変更することができ、又は、始動前の遅延を変更することができる。冷蔵の関連における別の実施例は、電動機が、必要な霜取りが行われるときなどの異なる入力に対して作動するように電動機を再プログラムすることができることである。ポート84及び取り外し可能な止め具86があることによって、電動機の最終組み立て及び所与の用途での電動機の取付けの後で電動機を再プログラムすることができる。
【0018】
ポート84は、プローブを一方向にだけポートに挿入することができるようにキーが付いている。図5に示すように、キーは、ポート84の片側の溝として示されている。プローブは、プローブがこの溝に対して適切な方向で配向されたときに該溝内で受けられる対応するリッジを有する。このようにすると、プローブ88をプログラミング用接点に誤って接続することはあり得ない。プローブ88が適切に配向されなかった場合には、ポート84で受けられないことになる。
【0019】
図1及び図7から図10に示すように、ステータは、全体が92で示されるポリマー材料製のステータコア(又はボビン)、及びコアの周りに巻かれた巻線94を含む。巻線リード線は、ステータコア92と一体部品として形成される端子ポケット96において該端子ポケット内で受けられる端子ピン98(図示せず)により終端する。端子ピン98は、プリント回路基板40に対して半田付けなどによって(図2に図示)、適切な方法で取り付けられる。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく電気的に接続する他の方法を使用することができる点は理解されたい。半田付けが不要となるようにプラグイン形式の接続(図示せず)を使用することが想定される。
【0020】
例示的な実施形態においては、ステータ22の磁束を伝導するための強磁性材料が、全体的に100で示される8つの別個の磁極片によって、それぞれ、第1及び第2の層板積層体102及び104に設けられる。第1及び第2の層板積層体102及び104の各々は、それぞれ、少なくとも2つの層板106、108、110、及び112をそれぞれ含む。第1の積層体の層板106及び108は、ステータコア92と整列した状態で互いに積み重なるように構成される。同様に、第2の積層体の層板110及び112は、ステータコア92と整列した状態で互いに積み重なるように構成される。各層板106、108、110、及び112は、外縁116と、ステータコア中央開口部120と整列して貫通して延びる中央開口部118とを備える本体114を有する。例示的な実施形態においては、各層板106、108、110、及び112は、層板外縁116にて層板本体114に実質的に直角に軸方向に延びる4つの磁極片122を有する。第1の積層体の層板106及び108は、層板106上の磁極片122と機械的に互いに結合され、且つ層板108上の磁極片122と整列している(図11)。また、第2の積層体の層板110及び112は、層板110上の磁極片122と互いに機械的に結合され、且つ層板112上の磁極片122と整列している(図12)。また、各層板106、108、110、及び112は、ノッチ124を有する。
【0021】
磁極100は、各々、層板本体114がスタンピングによって形成された後に、層板本体114に対して実質的に直角に各磁極片122を曲げることによって形成されるのが好ましい。層板106、108、110、及び112は、入れ子又は機械的なインターロックによってなど、適切な方法で共に固定される。例示的な実施形態においては、第1の積層体の層板106は、第1の積層体の層板108よりも大きく、第2の積層体の層板110は、第2の積層体の層板112より大きい。これによって、層板106を層板108の上に積み重ねることができ、層板110を層板112の上に積み重ねることができる。
【0022】
また、磁極片100は、本発明の範囲から逸脱することなく磁気材料で成形することができる。ある低電力用途においては、金属(図示せず)からスタンピングされたものであるが、複数の(例えば、4つの)脚部が巻線全体にわたって軸方向に延びるように下方に曲がった磁極片を定める単一磁極片とすることができる。
【0023】
磁極片100は、ステータコア92及び全体的に48で示される(図1)磁束管によって保持され、位置決めされる。磁束管48は、外側鋼管49及び鋼管49内に圧入されるブロンズ製軸受50を含む。中央ボア51は、磁束管48を貫通して延び、ロータ軸32を受けるように構成されている。磁束管48は、ステータコア92と共に、第1の積層体の層板102及び104にそれぞれ整列するように構成される。
【0024】
図13は、内面204を有するハブ202と、ハブ内面204に結合される磁石206と、ステータに対してロータ200が回転するようにステータコア92(図1に図示)内で受けられるロータ軸134とを含むロータ200を示す。磁石206は、第1の端部208と、第2の端部210と、ステータ及びロータ軸134の一部が磁石206を貫通して延びるように磁石を貫通して延びるボア214を定める内面212と、外面216とを含む。例示的な実施形態においては、電動機20は、比較的低コストの電動機であり、従って、有利な位置決めであるパーキングとしても知られる、始動の目的のためのステータと相対的なロータは必要ではない。従って、例示的な実施形態においては、バーキングを助長するものではない滑らかな磁石内面212が示されている。しかしながら、パーキングの場合には、ステータと相対的なロータは、以下で論じるように望ましい特長があり、磁石内面212は、パーキングが提供されるように、ロータとステータ間の非均一的な空隙をもたらす非均一的な表面を備えるように設計することができる。
【0025】
磁石206の1つの実施形態においては(図14)、磁石内面212は、磁石の第1の端部208及び磁石の第2の端部210との間に延びる複数の突出部218を有する。突出部218は、磁石内面212から磁石ボア214に向かって磁石内面212に対して鈍角でそれぞれ延びる第1及び第2の側壁220及び222を含み、ここでノッチは予め定められた高さ224に構成される。
【0026】
磁石206の別の実施形態においては(図15)、磁石内面212は、磁石の第1の端部208と磁石の第2の端部210との間に延びる複数のノッチ226を有する。ノッチ226は、半径方向に沿って延びる第1の側壁228と、ノッチの底部に対して鈍角で延びる第2の側壁230とを含み、ノッチ226は、ノッチの下の磁石部分よりも小さい。
【0027】
磁石206の別の実施形態においては(図16)、磁石内面212は、磁石の第1の端部208と磁石の第2の端部210との間に延びる複数の鋸歯状部232を有する。鋸歯状部232は、それぞれ、磁石ボア214に向かって半径方向に沿って延びる第1及び第2の側壁234及び236を含む。
【0028】
磁石206の別の実施形態においては(図17)、磁石内面212は、磁石の第1の端部208と磁石の第2の端部210との間に延びる複数の傾斜した鋸歯状部238を有する。傾斜した鋸歯状部238は、傾斜した鋸歯状部238に沿って延びる角度付きの側壁240を含む。
【0029】
磁石206の別の実施形態においては(図18)、磁石外面216は、磁石の第1の端部208と磁石の第2の端部210との間に延びる複数の鋸歯状部242を有する。鋸歯状部242は、それぞれ、ロータハブ202に向かって半径方向に沿って延びる第1及び第2の側壁244及び246を含む。
【0030】
突出部218、ノッチ226、鋸歯状部232、傾斜した鋸歯状部238、及び磁石外面216上の鋸歯状部242は、ロータとステータとの間の空隙を変化させる。本明細書で示される磁石206の様々な実施形態によって、ロータは、空隙の非均一性によって生成されるトルクの結果として始動のために有利に位置決めすることが可能となる。非均一な空隙を生成するために、磁石206上で複数の様々な形状を用いることができる。本明細書で説明される形状に限定されるものではない。
【0031】
電動機20は、中程度の効率の定格を有する低コスト電動機であるように設計される。これは、層板積層体、ロータ磁石、ステータコア、及び磁束管組立体について上述した実施形態を通じて達成される。その結果として、1つの実施形態においては、電動機20は、比較的低コストで30%から60%の範囲の効率を達成することができる。別の実施形態においては、電動機20は、比較的低コストで35%から50%の範囲の効率を達成することができる。別の実施形態においては、電動機20は、比較的低コストで45%の効率を達成することができる。
【0032】
組み立て方法
電動機20の構造について説明したが、次に、組み立て方法の例示的な実施形態について説明する。初めに、電動機の構成部品について説明する。これらの構成部品の構成の正確な順序は重要ではなく、部品の一部又は全ては、遠隔の場所で作られ、最終組み立て場所に出荷されることは理解されるであろう。ロータ24は、磁石35と、型内で一方端にインサート34を有するロータ軸32とを配置することによって形成される。ハブ28及びファンブレード30は、ハブ上に固定して保持されるように磁石35及びロータ軸32の回りで成形される。プリント回路基板40は、従来の方法で構成部品42を基板へ接続することによって形成される。好適な実施形態においては、プログラミング接点82及び電源接点74は、半田付けによって取り付けられるのではなく、回路基板40に打ち込まれる(図2)。Hallデバイス46は、基板から延び且つ基板上の構成部品42に電気的に接続されたフィンガ44上に取り付けられる。
【0033】
ステータ22は、ステータ組み立て前に形成される幾つかの構成部品を含む。磁束管48(図1)は、ブロンズ製軸受50を鋼管49に圧入することによって形成される。その後、軸受50は、電動機20の寿命まで十分持続する潤滑油で含浸される。ステータコア92(すなわちボビン)が成形され、マグネットワイヤが巻かれてステータコア上の巻線94を形成する。磁極片100は、複数の薄い層板106、108、110及び112を鋼鉄のウェブからスタンピングし、層板本体114に対して実質的に直角に磁極片を曲げることによって形成される。1つの実施形態においては、層板は、上述したように2つの異なる形態で作られる。層板は、積み重ねられて共に結合され各磁極片100を形成する。
【0034】
ステータ22の構成部品は、プレス装置(図示せず)において組み立てられる。磁束管48は、必要とされる配向でプレス装置内に配置され、ステータコア92の中央開口部120を貫通して延びる。巻線を巻かれたステータコア92は、プレス装置内に事前に配置された磁極片上で全体が装置に配置される。他の4つの磁極片100は、ステータコア92の上方の装置内に配置されるが、組み立て完了時点で取るステータコアに対する角度位置と同じ角度位置に配置される。ステータコア92の上方の磁極片100は下方に開き、装置の底部にある磁極片の位置から45°ずれた位置に配置される。
【0035】
プレス装置は、閉じられた後、磁極片100をステータコア92に対して押すように起動される。磁極片100の半径方向の位置は、ステータ22とロータ24の機械的な干渉がなく磁極片とロータ磁石35間の空隙をできるだけ小さく維持するように綿密に制御されなければならない。磁石35は、ロータとステータとの間の空隙を変えるために様々な設計上の実施形態を有することができる。磁石35の様々な設計上の実施形態によって、ロータは、空隙が非均一であることによって生成されるトルクの結果として始動に有利な位置に停めることができる。
【0036】
組み立てられたステータコア92、磁極片100、及び磁束管48は、型内に配置され、適切な耐火性熱可塑性材で実質的に封入される。幾つかの用途においては、型材料は、耐火性である必要がない可能性がある。軸受50の両端は、成形プロセスにおいて覆われ、封入材料がないままである。また、巻線94と電気的接続を行うための端子ピン98(図示せず)は、封入材料によって完全には覆われない(図2を参照)。スカート70及び脚部36は、ステータの残りの部分を封入する材料と同一の材料から形成される。脚部36は、比較的長尺であるのが好ましく、完成した封入ステータの長さの約1/3で構成される。この長さによって、脚部36をより堅牢な構造の厚みにすると共に、ハウジング26とのスナップ接続に必要とされる所用の弾性曲げが可能になる。脚部36及びスカート70に加えて、脚部と同じ方向で軸方向に突出し、且つ接続時にハウジング26に対してステータ22が特定の角度方位にあることが必要な2つの位置決め用タング(図示せず)が形成される。更にその上、プリント回路基板支持体が形成される。
【0037】
次いで、封入されたステータ22は、ロータ24と組み立てられて、ステータ/ロータ部分組立体を形成する。スラストワッシャ(図示せず)が、ロータ軸32上に置かれ、ハブ28内のロータ軸の固定端部に押し込められる。スラストワッシャは、振動を吸収することができるゴムタイプの材料を片側に有し、反対側にステータ22との摺動係合を容易にするための低摩擦材料を有する。スラストワッシャの低摩擦材料側は、ハブ28の開放端に向かって軸方向外方に面する。次いで、ステータ22は、ハブ28内に差し入れられて、ロータ軸32がステータの中心で軸受50を介して受けられる。軸受50の一方端は、スラストワッシャ250の低摩擦側と係合して、ハブ28が軸受に対して自由に回転することができるようにする。別のスラストワッシャ(図示せず)が軸受50の自由端に配置され、軸が戻って軸受を通過しないように、Eクリップ52(図2)がロータ軸32の端部上で形成される。このようにして、ロータ24がステータ22上に固定的に取り付けられる。
【0038】
プリント回路基板40は、ステータ/ロータ部分組立体に固定される。プリント回路基板40は、ステータ22の3つの脚部36の間に押し込められる。回路基板40のフィンガ44は、封入物内に形成された開口部で受けられてフィンガの端部上のHallデバイス46が不均衡な状態の磁極片100に隣接して封入内に位置決めされるようになるが、この磁極片100は、Hallデバイス用の空間が形成されるように片側の部分が無い状態に作られたものである。回路基板40の、ステータ22に最も近い側は、ステータから予め定められた離間した位置で回路基板を保持するブロック及び支柱と係合する。ステータ22から突出する端子ピン98は、回路基板40内の2つの開口部を介して受けられる。端子ピン98は、半田付けによるなどの適切な方法で、回路基板上の構成部品と電気的に接続される。基板40への端子ピン98の接続は、ステータ22へのプリント回路基板の唯一の固定接続である。
【0039】
次いで、ステータ/ロータ部分組立体及びプリント回路基板40はハウジング26に接続され、電動機の組み立てが完了する。ここで電動機10は、どのような締結具を使用することなく、スナップ構成によって共に完全に組み立てられる。
【0040】
プリント回路基板40は、ハウジング26との締まり嵌めによって所定位置に固定される。ステータ/ロータ組立体が前進してハウジング26に入ると、回路基板40の周辺縁部がハウジングと係合する。このようにしてプリント回路基板40は、どのような締結具をも使用することなく所定位置に固定される。プリント回路基板40の角度方位は、ステータ22からの端子ピン98への接続によって設定される。従って、プログラミング接点82は、ポート84と整列され(図6)、電源接点74は、ハウジング26内のプラグコンセント76と整列される。また、プリント回路基板40は、ハウジング26との締まり嵌めなしにステータ22に固定することが想定される。例えば、ステータ22に形成された支柱(図示せず)は、回路基板を貫通して延び、回路基板に接して押しナットを受けて、回路基板をステータ上に固定することができる。
【0041】
例示的な実施形態においては、電動機20は、電動機の最終組み立ての前にプログラム又は試験が行われていない。組み立て後、連動コネクタ(図示されていないが、本質的にはプローブ88及び電源プラグ78)が、ポート及びプラグコンセント76を介してプリント回路基板40に接続される。次いで、電動機は、回転数及び始動遅延を設定することなどによってプログラムされて試験される。回路基板40に欠陥があることが発見された場合、非破壊的に電動機を分解して、電動機の他の部品を捨てることなく回路基板を交換することが可能である。これは、工具(図示せず)をハウジング26の閉鎖端の開口部66に挿入して、キャッチ38を動かして肩部64から外すことによって行うことができる。電動機が品質保証試験に合格すると、止め具86がポート84に配置されて、電動機の出荷準備が整う。
【0042】
本発明の電動機については、電動機組み立て場所から出荷された後に電動機20を再プログラムすることが可能である。冷蔵ケースメーカーなどのエンドユーザは、止め具86をポート84から取り外して、ポートを介してプログラミング接点82にプローブ88を接続することができる。電動機は、電動機の作動上の仕様におけるエンドユーザによる変更に対応するように必要に応じて再プログラムすることができる。
【0043】
電動機20は、冷蔵された10ケース内などにおけるように、締結具(図示せず)をハウジング26に挿通してケース内に挿入することによって設置することができる。従って、ハウジング26は、電動機全体を支持することができる。電動機は、プラグ78をプラグコンセント76に取り付けることによって電源装置に接続される(図14)。プラグ78は、プリント回路基板40と係合する前に、完全に挿入された位置で、プラグがプリント回路基板から離間して配置されるようにプラグコンセント76の位置決めタブ80と係合する。その結果、電源接点74は、電気的に接続するためにプラグ78内に十分に深く挿入されるが、完全にプラグで受けるわけではない。従って、冷蔵されたケース環境では電源接点74上に氷が形成される可能性があるが、プラグ78と回路基板40との間に蓄積して切断及び/又は損傷を生じることにはならない。
【0044】
図19は、本発明によるマイクロプロセッサ制御の単相電動機500のブロック図である。電動機500は、AC電源501によって電力が供給される。電動機500は、単相巻線を有するステータ502を含む。電源501からの直流電力は、電源回路503を介して電源スイッチング回路に供給される。電源スイッチング回路は、DC電源501をステータ502の単相巻線に選択的に接続するための電源スイッチを有するHブリッジ504などの、ステータ502を整流するための任意の回路とすることができる。永久磁石ロータ506は、ステータと磁気結合の関係にあり、巻線の整流及びこれによって生成される磁界によって回転する。好ましくは電動機は、ステータがロータの内部にあり、外部のロータが内部のステータの周りを回転するインサイドアウト型電動機である。しかしながら、ロータは、外部のステータの内部に配置することも企図される。
【0045】
Hallセンサ508などのポジションセンサをステータ502上に配置して、巻線に対するロータ506の位置を検出し、該検出されたロータ506の位置を示す位置信号をライン510を介して供給する。参照番号512は、一般に、位置信号に応答し且つライン510を介して該位置信号を受け取るマイクロプロセッサ514を含む制御回路を示す。マイクロプロセッサ514は、Hブリッジ504に接続され、電源スイッチを選択的に整流してステータ502の単相巻線を位置信号の関数として整流する。
【0046】
マイクロプロセッサ514に対する電圧VDDは、電源回路503からライン516を介して供給される。低電圧リセット回路518は、マイクロプロセッサ514に印加されるライン516上の電圧VDDを監視する。リセット回路518は、ライン516を介してマイクロプロセッサに印加される電圧VDDが、所定の閾値未満から所定の閾値を上回るまで遷移したときに選択的にマイクロプロセッサ514をリセットする。閾値は、一般にマイクロプロセッサ514が動作する上で必要とされる最低電圧である。従って、リセット回路518の目的は、ライン516を介して供給された電圧VDDが低下して、マイクロプロセッサ514が動作する上で必要とされる予め設定された最小値を下回った場合に、マイクロプロセッサの動作を維持して動作を回復させることである。
【0047】
任意選択的に、節電のために、マイクロプロセッサ514が制御するHallストロボ520によってHallセンサ508に間欠的に給電して、Hallセンサに印加される電力をパルス幅変調することができる。
【0048】
マイクロプロセッサ514は、電動機500の制御に影響を与える信号を受け取るための制御入力522を有する。例えば、マイクロプロセッサが、ステータを2つ又はそれ以上の離散的回転数にて整流するようロータを作動させてプログラムされた場合に、信号は回転数選択信号とすることができる。或いは、電動機は、温度に従って連続的に変化する回転数又はトルクにて制御することができる。例えば、Hallセンサ508の代わりに、又は、Hallセンサ508に加えて、電動機回りの周囲温度を検出するために任意選択的に温度センサ524を設けることができる。この実施形態は特に、ロータ506が、コンデンサによって発生した熱を取り除くために空気をコンデンサに送るか、冷却のために空気を蒸発器に送るファンを駆動する場合に有用である。
【0049】
1つの実施形態においては、プロセッサインターバルクロックは、電動機の回りを移動する空気の温度に相当し、及び検出された温度を示す温度信号の供給に対応する。ファンがコンデンサに空気を送風するコンデンサ用途においては、温度は周囲温度を示し、速度(空気流)は、熱伝達プロセスを最適化するために、測定された温度にて最小の必要空気流をもたらすように調整される。ファンがコンデンサ上の空気を引き込むと、温度は、周囲温度プラス空気流によってコンデンサから取り除かれた熱により付加される温度変化(Δt)を示す。この場合、電動機速度は、合算した温度(速度は、電動機トルクを大きくし、即ち、電源装置オフ時間PDOFFTIM(図29を参照)を小さくすることによって増大する。)の上昇に応答して増大する。更に、電動機の速度は、所与のファン静圧状態において別個の一定空気流となる異なる空気流が得られるように、異なる温度帯に対して設定することができる。同様に、コンデンサ用途においては、所望の速度で電動機を稼動させるために必要とされるトルクは、電動機の静荷重を示す。制約された環境での設置、即ち、組み込み型として設置された冷蔵庫によって、或いは、コンデンサ空気流が埃の蓄積又は残渣によって制限されることにより、より高い静荷重が生じる可能性がある。これらの状態のいずれも空気流/速度の増大の原因となることができる。
【0050】
同様に、蒸発器用途においては、静圧の増加は、蒸発器の結氷、又は冷却されている製品の集積密度の増大を示すことができる。
【0051】
商業用の冷蔵用途の1つにおいては、蒸発器ファンは、空気をエアカーテン及び食物を冷却する出口空気から引き出す。ファンのこのような排気は、蒸発器を介して送風される。入口空気温度は、エアカーテン及び食物出口空気温度を示す。ファン速度は、所望の温度を維持するように適切に調整される。
【0052】
或いは、マイクロプロセッサ514は、可変の速度率でスイッチを整流して、ロータ506に接続されたファンによって移動される空気の実質的に一定の空気流量を維持することができる。この場合、マイクロプロセッサ514は、電動機が作動しているときの一定の空気流量に対応する所望の回転数を電動機の速度が上回るときに、アラーム528を起動することによってアラーム信号を供給する。所望のトルクの場合と同様に、所望の速度は、電動機の初期静荷重及び経時的な静荷重の変化の関数としてマイクロプロセッサにより決定することができる。
【0053】
図26は、マイクロプロセッサ514がフロー図に従ってプログラムされる本発明の1つの例示的な実施形態を示す。特に、図26のフロー図は、電動機が、共振点を除くテーブルによって定義される回転数及びトルクに対応する一定の空気流量にて整流されるモードを示す。例えば、ロータがファンを駆動してコンデンサ上の空気を移動させる場合、共振が発生し振動及び/又は音響ノイズが増大する、ある一定の速度を有する。このような振動及び/又はノイズが発生する速度は、通常、同一又は類似のものであり、電動機及びその関連のファンがかなり狭い公差によって製造される場合には予測可能である。従って、振動及びノイズは、これらが発生する、ある一定の速度又は速度範囲内で動作することを避けるようにマイクロプロセッサをプログラムすることによって最小限に抑えることができる。図26に示すように、マイクロプロセッサ514は、以下の方法で動作することになる。始動後、マイクロプロセッサは、ステップ550で、一定の空気流量を定める初期始動速度ポインタに対応する目標変数Iを設定する。例えば、I=0である。次に、マイクロプロセッサは、ステップ552に進み、対応する速度設定ポイント(SSP)、最低電力のための対応する電源装置オフ時間(PDOFFTIM=Pmin)、及び最大電力のための対応する電源装置オフ時間(PDOFFTIM=Pmax)に変数レベル0からnまでの各々を相関付けるテーブルから速度設定ポイント(SSP)を選択する。
【0054】
尚、PDOFFTIMが大きくなるにつれて、制御電源スイッチは各整流間隔の間により長い期間にわたってオフなるために電動機電力は小さくなる。従って、図26のフロー図は、この手法に特有のものである。他の当業者であれば、電動機電力を制御するための他の代替方法があることが分かるであろう。
【0055】
ステップ554で電動機を安定させるために遅延させた後、マイクロプロセッサ514は、テーブルから最小電力レベル(Pmin)のPDOFFTIMを選択し、最小電力レベルを変数Iの選択されたレベルに相関関係づけることによって電流制御を行う。ステップ558で、マイクロプロセッサは、テーブルから最大電力レベル(Pmax)のPDOFFTIMを選択し、最大電力レベルを選択された変数レベルIと相関関係づけることによって電流制御を行う。
【0056】
ステップ560で、マイクロプロセッサは、実際の電力レベルを表す実際のPDOFFTIMをこのIにおける最小PDOFFTIM(Pmin)と比較する。実際のPDOFFTIMが最小PDOFFTIMより大きい(PDOFFTIM>Pmin)場合には、マイクロプロセッサはステップ562に進み、変数レベルIを最大値nと比較する。Iがn以上である場合、マイクロプロセッサはステップ564に進み、I=nを設定する。そうでない場合は、IはIの最大値より小さいはずであるので、マイクロプロセッサ514はステップ566に進み、Iを1ステップ増加させる。
【0057】
ステップ560で、マイクロプロセッサ514が、実際のPDOFFTIMは最小PDOFFTIM以下である(PDOFFTIM≦Pmin)と判定すると、マイクロプロセッサはステップ568に進み、実際の電力レベルを表す実際のPDOFFTIMをこのIにおける最大PDOFFTIM(Pmax)と比較する。実際のPDOFFTIMが最大PDOFFTIMよりも小さい(PDOFFTIM<Pmax)場合には、マイクロプロセッサはステップ570に進み、変数レベルIを最小値0と比較する。Iが0以下である場合には、マイクロプロセッサはステップ572に進み、I=0を設定する。そうでない場合は、Iは、Iの最小値より大きいはずであるので、マイクロプロセッサ514はステップ574に進み、Iを1ステップ減少させる。
【0058】
ステップ560及び568の両方の答えが「いいえ」であるように、実際のPDOFFTIMが最小値以下であり、且つ最大値以上である場合、電動機は所望の空気流を与えるのに必要とされる速度及び電力で作動しているので、マイクロプロセッサは、ステップ552に戻って、その作動を維持する。
【0059】
或いは、マイクロプロセッサ514は、スイッチが整流される可変の比率を定めるアルゴリズムでプログラムすることができる。この可変の比率は、予め定義された速度範囲S1±S2が予め設定された範囲から除外される点を除いて、少なくとも最低速度Sminと最大速度Smaxより大きくない予め設定された範囲の間で連続的に変動することができる。その結果、S1−S2とS1との間の回転数については、マイクロプロセッサはS1−S2で電動機を作動させ、S1とS1+S2との間の速度については、マイクロプロセッサは回転数S1+S2で電動機を作動させる。
【0060】
図25は、本発明による電源スイッチを有する電源スイッチング回路を構成するHブリッジ504の概略図であるが、米国特許第5,859,519号のシングルエンド又はHブリッジ構成の2つの巻線のような他の構成を使用することができ、該特許は引用により本明細書に組み込まれる。DC入力電圧は、線路600を介して入力スイッチQ1及びQ2に供給される。出力スイッチQ3は、スイッチQ2及びステータ502を接地線路602に選択的に接続することによって1つの回路を完成する。出力スイッチQ4は、スイッチQ1及び電動機502を接地線路602に選択的に接続することによって別の回路を完成する。ダイオードD7及びD8は、Q1、Q2、Q3及びQ4を同時にオフさせることができるように構成される。
【0061】
ステータ502の単相巻線は、第1の端子F及び第2の端子Sを有する。その結果、スイッチQ1は、端子Sと線路600を介して供給される電源との間に接続される第1の入力スイッチを構成する。スイッチQ3は、端子Sと接地線路602との間に接続される第1の出力スイッチを構成する。スイッチQ2は、端子Fと線路600を介して供給される電源との間に接続される第2の入力スイッチを構成する。スイッチQ4は、端子Fと接地線路602との間に接続される第2の出力スイッチを構成する。その結果、マイクロプロセッサは、電動機を通る電流が図30に示す整流期間の最初の90°の間に供給されるように、第1の入力スイッチQ1及び第2の入力スイッチQ2並びに第1の出力スイッチQ3及び第2の出力スイッチQ4を制御する。PDOFFTIMは、ソフトウェア出力制御アルゴリズムで使用される用語である。第1の出力スイッチQ3が開いているとき、第1の入力スイッチQ1は閉じている。同様に、第2の入力スイッチQ2は第2の出力スイッチに接続されて、第2の出力スイッチQ4が閉じているときに第2の入力スイッチQ2が開いているように応答する。また、第2の出力スイッチQ4が開いているとき、第2の入力スイッチQ2は閉じている。これは、図30に示されており、ここで、どのような瞬間においても、Q1の状態はQ3の状態の反対であり、Q2の状態はQ4の状態の反対であることが示されている。
【0062】
図29は、PDOFFTIM対電動機速度の設定によって決定される電流最大値による起動モードを示すタイミングフロー図である。このモードにおいては、電源装置は、電動機を始動させるために連続モードでソフトウェアによってパルス幅変調される。本発明の始動アルゴリズムは、始動モードで8つの整流に入り、次いで稼動モードに移行する。同様のアルゴリズムは、PDOFFTIM対速度に対して正しい設定値を選択することによって、一定の加速度に近づけることができる。ステップ650で、値HALLINは、Hallデバイス読み取り値の開始値を定める定数である。実際のHallデバイス読み取り値(HALLOLD)がステップ652で変化すると、HALLINはステップ654にてHALLOLDと等しくなるように設定され、PDOFFTIMは、RPMに応じてステップ656で変更される。
【0063】
図28は、ストロボホール効果出力(HS3)の状態が変化したときの電動機を制御するマイクロプロセッサ出力(BQ5及びBQ8)を示している。この実施例においては、BQSは、HS3が0の間はパルス幅変調されている。HS3(ストロボ)が1に変化すると、マイクロプロセッサが磁気変化を認識するためのある有限の期間(LATENCY)があり、この期間後に、BQ5はオフ状態であり、BQ8はパルス幅変調を開始するようになる(PWNTIMの間)。
【0064】
図27は、マイクロプロセッサが、電流検出の必要がなく稼動モードの安全な作動区域内で作動する本発明の別の態様を示す。特に、図27によれば、マイクロプロセッサ514は、各パルス幅変調期間の間の最小期間(PDOFFTIM)において各入力スイッチが開いた、すなわちオフであるように入力スイッチQ1からQ4を制御し、これにより電流検出を行うことなく過剰温度保護が行われる。具体的には、最小期間をロータの速度の関数とすることができ、これにより、電流検出なしに経過時間における合計電流を制限することによって過剰温度保護が行われる。図27に示すように、速度が最小値より大きい(即ち、A<165の場合)場合、Aは165に設定され、SQA制限は、迂回されて必要とされない。速度が最小値より小さい(又は等しい)(即ち、A≧165の場合)の場合、図27のルーチンによって、電流を制限するために最小期間にわたってスイッチが確実にオフとなる。「A」は、変数であり、所与の速度におけるPDOFFTIM最小値を表す方程式によって計算される(速度は、定数×1/TINPS、ここで、TINPSは電動機周期である)。次に、PDOFFTIM<Aである場合、PDOFFTIMはAに設定され、電動機電流が電動機の稼動している速度で所望の最大値に維持されるようにする。
【0065】
図21に示すように、電動機は、電源Vddの電圧が所定の閾値未満から所定の閾値を上回るまで遷移したときに選択的にマイクロプロセッサをリセットするためのリセット回路512を含む。特に、スイッチQ6は、抵抗器R16とR17との分割電圧が所定の閾値を下回ったときに、ポートMCLR/VPPを介してマイクロプロセッサを不能にする。マイクロプロセッサは、電圧が所定の閾値を上回るように回復し、これによってスイッチQ6が閉となったときに、再起動されてリセットされる。
【0066】
図22は、Hallセンサ508用ストロボ回路520の例示的な実施形態を示す。マイクロプロセッサは、図22に示すようにスイッチQ7を間欠的に閉じて、電圧VB2をラインHS1を介してHallセンサ508に供給することによって、Hallセンサ508に間欠的に電力を供給するパルス幅変調信号GP5を発生させる。
【0067】
図20は、Hブリッジ504を介してステータ単相巻線に通電するための電圧Vinを供給し、また、Hブリッジ504を制御し、且つマイクロプロセッサ514を駆動するための他の種々の電圧を供給する電源回路503の概略図である。特に、マイクロプロセッサ駆動用のVDD、Hallセンサ508駆動用のHS2、及び、必ずしも入力AC又はDC電圧に対する基準ではない制御回路基準接地であるVSSを含む低い駆動電圧は、無損失インライン直列コンデンサC1を介して入力電圧Vinから供給される。コンデンサC1の両端の電圧は、25ボルト以下に維持され、出力は、47Ω抵抗器R2及び19ボルトダイオードD5を含む。また、図20は、D1、D2、D3及びD4を含むダイオードブリッジを示す。
【0068】
図23は、マイクロプロセッサ514の入力及び出力を示す。特に、出力スイッチQ3及び入力スイッチQ1を制御するためにスイッチQ5に印加される制御信号BQ5の状態を制御し、出力スイッチQ4及び入力スイッチQ2を制御するためにスイッチQ8に印加される制御信号BQ8の状態を制御する情報を供給するために、ポジションセンサからの単一の入力GP4のみが使用される。入力GP2は、電動機速度又は他の機能を選択するための任意選択的な入力であり、又は、サーミスタ524と組み合わせて使用される場合に温度入力比較器出力を受け取るために接続することができる。
【0069】
図31は、電源装置が電流制御される稼動モードの1つの好適な実施形態のフロー図を示す。このモードでは、以下の動作パラメータが適用される。
【0070】
電動機稼動電源装置(電流)制御
各整流終了時において時間電源装置は、次に整流期間が計算されるときにオフになる。
【0071】
OFFTIM=TINP/2(整流期間/2=90°)。始動ルーチン中、同様に計算される。
【0072】
8回の整流後(1回の電動機回転)及び始動ルーチンを出た時に、PWMTIMが計算され、すなわち、
PMWTIM=OFFTIM/4
である。
【0073】
各整流期間の始めに、カウンタ(COUNT8)は、この整流中に電源装置が4回オンになることができるように、5に設定される。
PWMSUM=PWMTIM
PDOFFSUM=PWNTIM−PDOFTIM
TIMER=0
(PDOFFTIMは、電動機の電流量を制御するために使用され、制御アルゴリズム(SPEED、TORQUE、CFMなど)において調整される。
【0074】
整流時間は各ストロボホール変化時に0に設定され、HALLOLDは保存されたホールストロボ値である。
【0075】
電動機の稼動中、図31のフロー図は、各整流期間の間に実行される。特に、ステップ702で、最初に、電動機がこの電動機位置にいる時間期間が長すぎないか(この場合は32mS)どうか確認するために整流時間をチェックする。長すぎる場合には、ロータがロックされたことを示しており、プログラムはステップ704のロックロータルーチンに進む。そうでない場合は、次にプログラムは、ステップ706にて整流時間がOFFTIMより大きいかどうかをチェックし、大きい場合には、整流期間は90°電気角より大きいので、プログラムはステップ708に分岐して、低電源装置をオフにしてステップ710でルーチンから出る。次に、整流時間は、ステップ712にてPWNSUMと比較される。PWMSUMより小さい場合には、整流時間がPDOFFSUM以下であるかどうか確認するためにステップ714にて整流時間をチェックし、真である場合、ステップ716にてルーチンから出る。そうでない場合は、ルーチンはステップ708に分岐する(ステップ714が「はい」である場合)。
【0076】
整流時間がPWMSUM以上である場合、ステップ718で、PWMSUM及びPDOFFSUMは、次のパルス幅変調期間の準備をするためにPWNTIMが付加され、変数Aは、COUNT8から1に設定される。
【0077】
Aがステップ720にてゼロに等しい場合、この整流時間のパルス幅変調(4パルス)は完全なものであり、プログラムは、ステップ708に分岐して、低電源装置をオフにしてこのルーチンから出る。Aがゼロに等しくない場合、COUNT8(整流当たりのPWMの数を定める変数)がステップ722にてAに設定される。適切な低電源装置がオンにされて、ステップ716にてこのルーチンから出る。プロセッサの速度が速いほど、多くの整流期間当たりのPWNカウントを実行することができる。4つの整流期間当たりのPWMは、遅いプロセッサには好適であり、一方、8つの整流期間当たりのPWMは速いプロセッサに好適である。
【0078】
例示的なタイミング図を図30に示す。ステップ704のロックロータルーチンに入ると、低電源装置は、1.8秒間オフされ、その後、通常の始動試行が行われる。
【0079】
本発明を様々な特定の実施形態に関して説明したが、当業者であれば、本発明を請求項の精神及び範囲内で変更して実施することができることを理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】ファンの形の電動機の分解立面図。
【図2】組立電動機の垂直断面図。
【図3】右側から見た図1のシュラウドの拡大部分図。
【図4】ロータとステータの接合部における電動機の拡大分解図及び磁束管とロータ軸軸受の側面図。
【図5】シュラウドとのステータ/ロータ部分組立体のスナップ接続を示す電動機の拡大部分図。
【図6】プリント回路基板を破線で示し、シュラウド及び止め具におけるプリント回路基板へのプローブの接続を示す図3の線13−13を含む面で見た断面図。
【図7】大きな層板の立面図。
【図8】小さな層板の立面図。
【図9】別の大きな層板の立面図。
【図10】別の小さな層板の立面図。
【図11】図8に示す小さな層板上に積み重ねられた図7に示す大きな層板の立面図。
【図12】図10に示す小さな層板上に積み重ねられた図9に示す大きな層板の立面図。
【図13】ファンの形の電動機のロータの分解立面図。
【図14】図1に示す電動機内で使用される磁石の1つの実施形態の平面図。
【図15】図1に示す電動機内で使用される磁石の別の実施形態の平面図。
【図16】図1に示す電動機内で使用される磁石の第3の実施形態の平面図。
【図17】図1に示す電動機内で使用される磁石の第4の実施形態の平面図。
【図18】図1に示す電動機内で使用される磁石の第5の実施形態の平面図。
【図19】本発明によるマイクロプロセッサ制御式単相電動機のブロック図。
【図20】本発明による図16の電動機の電源の概略図。或いは、電源回路は、DC入力又は非倍加AC入力用に変更することができる。
【図21】本発明による図19の電動機のマイクロプロセッサ用低電圧リセットの概略図。
【図22】本発明による図19の電動機のHallセンサ用ストロボの概略図。
【図23】本発明による図19の電動機のマイクロプロセッサの概略図。
【図24】本発明による図19の電動機のHallセンサの概略図。
【図25】本発明による図19の電動機のステータを整流するためのスイッチのHブリッジアレイの概略図。
【図26】共振点を除くテーブルによって定義される回転数及びトルクで一定の空気流量で電動機が整流されるモードにおいて、本発明の電動機のマイクロプロセッサの動作を示すフロー図。
【図27】各電源スイッチの最小オフ時間、すなわちロータの速度に依存する最小オフ時間を有することによって、電流検出が行われなくても電動機の安全な作動区域が維持される稼動モード(始動後)における本発明の電動機のマイクロプロセッサの動作を示すフロー図。
【図28】速度に基づいて安全作動区域(SQA)を与える起動モードを示すタイミング図。
【図29】速度に基づいて安全作動区域(SQA)を与える起動モードを示す、図28のタイミング図を実施する1つの好適な実施形態のフロー図。
【図30】速度に基づいて安全作動区域(SQA)を与える起動モードを示す、rUNアップモードを示すタイミング図。
【図31】起動モードでの予め設定された整流数の後に開始された稼動モードでの本発明の電動機のマイクロプロセッサの動作を示すフロー図であり、ランモードでは、マイクロプロセッサは、一定の整流期間でのN回の整流が行われるようにスイッチを整流し、整流期間は、ロータの回転数、トルク、又は一定の空気流量の関数としてM回の整流毎に調整される。
【符号の説明】
【0081】
20 電動機
22 ステータ
24 ロータ
26 ハウジング
28 ハブ
30 ファンブレード
32 ロータ軸
35 ロータ磁石
40 プリント回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコアと、第1及び第2の層板積層体と、貫通して延びる磁束管と、前記ステータコア上の巻線とを含むステータと、
内面を有するハブと、前記ハブ内面に結合された磁石と、長手方向軸線回りに前記ステータに対してロータが回転するように前記ステータコア内で受けられる軸とを含むロータと、
前記ステータ及び前記ロータを支持するように適合されたハウジングと、
を備える電動機。
【請求項2】
前記ロータハブは、前記ハブの1つの軸方向の端部にキャビティ開口部を定め、且つ該開口部で前記ステータの一部を受け、前記ロータ軸は、少なくとも部分的に前記キャビティ内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項3】
前記磁石は、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるボアを定める内面とを備え、前記ロータの一部と前記ロータ軸とが前記磁石ボアに延びるようになり、前記磁石は更に外面を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項4】
前記磁石内面は、前記磁石の第1及び第2の端部間に延びる複数の突起部を備えることを特徴とする請求項3に記載の電動機。
【請求項5】
前記磁石内面は、前記磁石の第1及び第2の端部間に延びる複数のノッチを備えることを特徴とする請求項3に記載の電動機。
【請求項6】
前記磁石内面は、前記磁石の第1及び第2の端部間に延びる複数の鋸歯状部を備えることを特徴とする請求項3に記載の電動機。
【請求項7】
前記磁石内面は、前記磁石の第1及び第2の端部間に延びる複数の傾斜した鋸歯状部を備えることを特徴とする請求項3に記載の電動機。
【請求項8】
前記磁石外面は、前記磁石の第1及び第2の端部間に延びる複数の鋸歯状部を備えることを特徴とする請求項3に記載の電動機。
【請求項9】
前記ステータコア及び巻線は、熱可塑性封入材料料内に実質的に封入され、該熱可塑性封入材料料が前記封入されたステータコアから半径方向外方に突出するほぼ環状スカートで形成され、前記スカートは、前記ロータと近接して外部ロータ/ステータ接合部を定め、前記スカートは、前記接合部から離れるよう水を偏向して前記ロータとステータとの間の水の侵入を防止するための斜面縁部を有することを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項10】
前記巻線に電気的に接続され、且つ前記ステータへの他の接続のないプリント回路基板を更に備え、前記プリント回路基板は、前記ハウジングとの締まり嵌めを有し、且つ前記ハウジングへの他の接続がないことを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項11】
前記層板積層体は各々、互いに積み重ねられるように構成された複数の層板を備え、の前記層板は各々、
外縁を有する本体と、
前記層板本体を貫通し、且つステータコア中央開口部と整列する中央開口部と、
層板外縁から軸方向に延びる複数の磁極片と、
前記層板本体中央開口部から前記層板本体を貫通して前記層板本体外縁に延びるノッチと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項12】
前記ステータコアは、前記ステータコアの中央開口部に向かって半径方向内方に突出し、且つ前記磁極片に係合するリブを含み、前記磁極片は、少なくとも1つの前記リブの半径方向の厚みが小さくなるように、前記磁極片及び前記ステータコアを有する磁束管を組み立てた時に前記リブの少なくとも1つの材料を剪断することを特徴とする請求項11に記載の電動機。
【請求項13】
各層板本体は4つの磁極片を備え、前記磁極片は、前記層板本体がスタンピングによって形成された後に、前記層板本体に対してほぼ直角に各磁極片を曲げることによって形成されることを特徴とする請求項11に記載の電動機。
【請求項14】
前記ステータは、前記第1の層板積層体と、前記ステータコアと、前記第2の層板積層体とを貫通して延びる磁束管を更に備え、前記磁束管は、前記磁束管に圧入されるブロンズ製軸受と、貫通して延びる前記ロータ軸を受けるように構成された中央ボアと、前記磁束管に沿って軸方向に延びるスリットとを備えることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項15】
前記電動機の動作を制御するように構成されたプログラム可能構成部品を有するプリント回路基板を更に備え、前記プリント回路基板は、前記ハウジング内に位置決めされ、且つ前記プリント回路基板上に電気的接点を有し、前記ハウジングには、前記プリント回路基板上の接点とほぼ整列するポートが形成され、前記接点はマイクロプロセッサと接続するため該ポートを介してアクセス可能であるようにされることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項16】
前記巻線に電気的に接続され、且つ全体的に前記ハウジング内に配置されるプリント回路基板を更に備え、前記プリント回路基板は、前記巻線用の電力を受けるために取り付けられた電源接点を有し、前記ハウジングは、外部電源からのプラグを受けて前記電源接点と接続するためのプラグコンセントを有して形成され、前記電源接点は、前記プラグが前記電源接点と接続されたときに前記プラグ内に位置付けられ、前記ハウジングは、前記接点が前記プラグに接続されたときに前記プラグ内に一部のみが受けられるように、前記電源接点に対して前記プラグを位置決めするためのプラグ位置決め器を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項17】
前記電動機は、約30パーセントと60パーセントとの間の効率を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項18】
前記電動機は、約35パーセントと50パーセントとの間の効率を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項19】
前記電動機は、約45パーセントの効率を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項20】
ステータコアと、第1及び第2の層板積層体と、前記第1及び第2の層板積層体を貫通して延びる磁束管と、前記ステータコア上の巻線とを含むステータを備える電動機であって、
前記層板積層体は各々、互いに積み重ねられるように構成された複数の層板を含み、前記層板は各々、外縁を有する本体と、前記ステータコア中央開口部と整列され且つ前記磁束管を受けるように構成された中央開口部と、前記層板外縁から軸方向に延びる複数の磁極片と、前記層板本体中央開口部から前記層板本体を貫通して前記層板本体外縁に延びるノッチとを有し、
前記電動機が、更に
ハブと、内面と、前記ハブ内面に結合された磁石と、軸の長手方向軸線回りでステータに対してロータが回転するように前記ステータコア内で受けられる軸とを有するロータと、
前記ステータ及び前記ロータを支持するように適合されたハウジングと、
を備える電動機。
【請求項21】
前記磁石は、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるボアを前記ステータの一部と前記ロータ軸が前記磁石ボアを貫通するように定める内面とを備えることを特徴とする請求項20に記載の電動機。
【請求項22】
前記磁石内面は、前記磁石の第1の端部と前記磁石の第2の端部との間に延びる複数の突出部と、前記磁石の第1の端部と前記磁石の第2の端部との間に延びる複数のノッチと、前記磁石の第1の端部と前記磁石の第2の端部との間に延びる複数の鋸歯状部と、前記磁石の第1の端部と前記磁石の第2の端部との間に延びる複数の傾斜した鋸歯状部とのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項20に記載の電動機。
【請求項23】
前記磁石外面は、前記磁石の第1の端部と前記磁石の第2の端部との間に延びる複数の鋸歯状部を備えることを特徴とする請求項20に記載の電動機。
【請求項24】
前記電動機は、約30パーセントと60パーセントとの間の効率を有することを特徴とする請求項20に記載の電動機。
【請求項25】
前記電動機は、約35パーセントと50パーセントとの間の効率を有することを特徴とする請求項20に記載の電動機。
【請求項26】
電動機を組み立てる方法であって、
ステータコアと第1及び第2の層板積層体と貫通して延びる磁束管と前記ステータコア上の巻線とを含むステータをハウジング内に少なくとも部分的に挿入する段階と、
軸と磁石を有するハブとを含み、前記ロータ軸の長手方向軸線回りで前記ステータに対して回転するように取り付けられるロータを前記ステータ内に少なくとも部分的に挿入してステータ/ロータ部分組立体を形成する段階と、
前記ステータ/ロータ部分組立体を前記ハウジングにスナップ接続する段階と、
を含む方法。
【請求項27】
前記ロータは、第1の端部と、第2の端部と、これらの間を延びるボアを前記ステータの一部と前記ロータ軸が前記磁石ボアを貫通して延びるように定める内面とを備えることを特徴とする請求項26に記載の電動機を組み立てる方法。
【請求項28】
前記ステータの巻線に電気的に接続することによってプリント回路基板を前記ステータ上に組み込む段階を更に含み、前記プリント回路基板は、前記ステータに対する他のどのような固定的な接続部がないことを特徴とする請求項26に記載の電動機を組み立てる方法。
【請求項29】
前記ステータは、
各層板が半径方向に延びる複数の磁極片を有するように各層板をスタンピングする段階と、
各磁極片を前記層板本体に対して実質的に直角に曲げる段階と、
各磁極片が整列するように前記積層を互いの上に機械的に結合することによって各層板積層体を形成する段階と、
によって形成されることを特徴とする請求項26に記載の電動機を組み立てる方法。
【請求項30】
前記ステータを挿入する段階が、前記ステータコアの中央開口部内で受けることができる磁束管から前記ステータコアの中央長手方向軸線に対して、強磁性材料製の第1及び第2の層板積層体を半径方向に位置決めする段階を含むことを特徴とする請求項29に記載の電動機を組み立てる方法。
【請求項31】
前記第1及び第2の層板積層体を位置決めする段階は、前記第1及び第2の層板積層体を前記磁束管と前記ステータコアとの間の空間内の中央開口部に押し込める段階を含むことを特徴とする請求項30に記載の電動機を組み立てる方法。
【請求項32】
電動機の制御回路であって、
ダイオードブリッジと、抵抗器及びツェナーダイオードに接続されたコンデンサとを含む電源回路と、
前記電動機のステータを整流するための電源スイッチング回路と、
を備え、
前記電源スイッチング回路が、DC電源を該電源スイッチング回路を介して前記ステータの巻線に選択的に接続するための電源スイッチを含むことを特徴とする制御回路。
【請求項33】
前記電源スイッチング回路は、前記電源スイッチの位置を調整するように構成された1対のダイオードを含むことを特徴とする請求項32に記載の制御回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公表番号】特表2006−519576(P2006−519576A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553536(P2004−553536)
【出願日】平成14年10月9日(2002.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2002/032340
【国際公開番号】WO2004/057724
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】