説明

表示装置用基板、表示装置及び表示装置用基板の製造方法

【課題】表示装置用基板において十分な遮光性を有する多層配線構造を提供する。
【解決手段】画素電極と、これを駆動するためにゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えた薄膜トランジスタと、各電極の層及び各電極を接続する配線の層で構成される多層配線とを形成した表示装置用基板であって、多層配線は、第1配線層6と、その上に配された第2配線層15と、両配線層6,15の間に配され且つ両配線層から層間絶縁膜7,9で絶縁された金属遮光層8とを含む。第1配線層6と第2配線層15は、層間絶縁膜7,9を貫通して形成されたコンタクトホールを介して互いに電気的に接続している。コンタクトホールは、その側壁に露出した金属遮光層8の端面を電気的に絶縁被覆するためにサイドウォール13aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素電極とこれを駆動する薄膜トランジスタとが集積形成された表示装置用基板に関する。より詳しくは、表示装置用基板の配線構造並びに遮光構造に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置用の基板は、マトリクス状に配列した画素電極と、各画素電極を駆動するためにゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えた薄膜トランジスタと、これらの電極の層及びこれらの電極を接続する配線の層で構成される多層配線とが形成されている。この様な多層配線に薄膜トランジスタの遮光機能を追加した構成が、例えば以下の特許文献1及び2に記載されている。
【特許文献1】特許第3728755号
【特許文献2】特開2005‐189274公報
【0003】
特許文献1は相互に層間絶縁膜で隔てられた配線層を上下に複数重ねて多層配線としている。多層配線の一部は遮光層を兼ねている。上下の配線層を電気的に接続するため層間絶縁膜中にコンタクトホールが開口している。上下で接続すべき配線層の間に中間の遮光層がある場合、遮光層をコンタクトホールの周囲から避ける様にパターニングしなければならない。
【0004】
特許文献2に記載された多層配線も、配線層の一部を遮光層に利用している。遮光層を間にして上下の配線層を接続する場合、中間の遮光層のパターンから切り離してランド配線を形成している。上下の配線層はこのランド配線を介してコンタクトホールにより接続される。上側の配線とランド配線との間及びランド配線と下側の配線との間でコンタクトホールがスタックする構成となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶パネルによって代表される表示装置は種々の用途がある。液晶パネルは、例えばプロジェクタのライトバルブに使われる。この場合液晶パネルにプロジェクタの光源光が入射する。表示装置用基板に形成された薄膜トランジスタの誤動作を防止するため、遮光構造が重要である。しかしながら、上述した特許文献1や特許文献2に記載された遮光性能は不十分であり、解決すべき課題となっている。
【0006】
従来の表示装置用基板では、配線を兼ねた遮光層を形成している。多層配線の場合、遮光層の一部にコンタクトホールを通すため、パターニング用マスクの位置合わせマージンを確保する観点から、コンタクトホールの直径よりも大きな開口を遮光層に設ける必要がある。この開口は光が入り込む余地があり、プロジェクタの光源光量が大きくなった場合には遮光性が不足し、誤動作の原因になる恐れがある。
【0007】
多層配線中に一層遮光層を導入することにより工程数が増える。そこで通常の遮光層は配線を兼ねている。多層の配線を重ね合わせることで全体的な遮光性を確保するようにしているが、必ずしも十分な遮光性を得ることができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した従来の技術の課題に鑑み、本発明は表示装置用基板において十分な遮光性を有する多層配線構造を提供することを目的とする。かかる目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち本発明は、画素電極と、これを駆動するためにゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えた薄膜トランジスタと、各電極の層及び各電極を接続する配線の層で構成される多層配線とを形成した表示装置用基板であって、前記多層配線は、第1配線層と、その上に配された第2配線層と、両配線層の間に配され且つ両配線層から層間絶縁膜で絶縁された金属遮光層とを含み、前記第1配線層と前記第2配線層は、該層間絶縁膜を貫通して形成されたコンタクトホールを介して互いに電気的に接続しており、前記コンタクトホールは、その側壁に露出した該金属遮光層の端面を電気的に絶縁被覆するためにサイドウォールが形成されていることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記多層配線をシリコン基板上に形成する。また外光を反射する光反射層が形成されている。また前記金属遮光層は、タングステン膜からなる。
【0010】
本発明はまた、一対の基板と両者の間に保持された液晶とからなる表示装置であって、片方の基板には、画素電極と、これを駆動するためにゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えた薄膜トランジスタと、各電極の層及び各電極を接続する配線の層で構成される多層配線とが形成されており、前記多層配線は、第1配線層と、その上に配された第2配線層と、両配線層の間に配され且つ両配線層から層間絶縁膜で絶縁された金属遮光層とを含み、前記第1配線層と前記第2配線層は、該層間絶縁膜を貫通して形成されたコンタクトホールを介して互いに電気的に接続しており、前記コンタクトホールは、その側壁に露出した該金属遮光層の端面を電気的に絶縁被覆するためにサイドウォールが形成されていることを特徴とする。
【0011】
更に本発明は、画素電極と、これを駆動するためにゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えた薄膜トランジスタと、各電極の層及び各電極を接続する配線の層で構成される多層配線とが形成され、前記多層配線は、第1配線層と、その上に配された第2配線層と、両配線層の間に配され且つ両配線層から層間絶縁膜で絶縁された金属遮光層とを含み、前記第1配線層と前記第2配線層は、該層間絶縁膜を貫通して形成されたコンタクトホールを介して互いに電気的に接続しており、前記コンタクトホールは、その側壁に露出した該金属遮光層の端面を電気的に絶縁被覆するためにサイドウォールが形成されている表示装置用基板の製造方法であって、基板上に第1配線層を形成する工程と、該第1配線層の上に第1層間絶縁膜を介して金属遮光層を形成する工程と、該金属遮光層の上に第2層間絶縁膜を介して第2配線層を形成する工程と、該第2配線層、金属遮光層及び第1配線層を貫通して第1配線層に達するコンタクトホールを開口する工程と、該コンタクトホールの側壁に露出した金属遮光層の端面を被覆する絶縁物質からなるサイドウォールを形成する工程と、該第2層間絶縁膜の上に導電物質を堆積して該コンタクトホールを埋めるとともに堆積した導電物質をパターニングして第2配線層に加工する工程とを行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、多層配線は、上下の配線層とその間に層間絶縁膜で絶縁された金属遮光層とを含む。上下の配線層は層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールで互いに電気的に接続している。このコンタクトホールはサイドウォールが形成されており、コンタクトホールの側壁に露出した金属遮光層の断面を電気的に絶縁被覆している。かかる構成により、中間の金属遮光層が上下の配線層に短絡する恐れがなくなる。従来のようにコンタクトホールから金属遮光層のパターンを退避させる必要がないので、コンタクトホールの周囲になんら外光が入り込む隙間が生じない。これによって高い遮光性を得ることができ、薄膜トランジスタの誤動作を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。まず最初に図1を参照して、遮光層の必要性について説明する。図1は基板0の上に形成された多層配線を示す模式的な断面図である。この多層配線には遮光層が形成されていない。
【0014】
図示するように基板0の上に形成された多層配線は、下側の第1配線層6と、その上に配された第2配線層15と、両者の間に配された2層の層間絶縁膜7,9とからなる。上側の第2配線層15と下側の第1配線層6は、層間絶縁膜9,7を貫通して形成されたコンタクト1を介して互いに電気的に接続している。
【0015】
上側の第1配線層15は格子状にパターニングされて反射型の画素電極を構成している。下側の配線層6は個々の画素電極に給電するためにやはり所定の形状にパターニングされている。上側の第1配線層15のパターンギャップ15aは、下側の第2配線層6のパターンギャップと平面的に見て重なっておらず、上下の配線層15,6は一応上方もしくは下方から入射した光に対して遮光構造を提供している。しかしながら実際には上側の配線層15のパターンギャップ15aから入射した光は層間絶縁膜9,7を横方向に反射拡散して、下側の配線層6のパターンギャップを通過し、基板0に予め集積形成されている薄膜トランジスタに到達する恐れがある。この時には薄膜トランジスタの誤動作が生じる恐れがある。
【0016】
以上の説明から明らかなように、上下の配線層のパターンを重ね合わせて遮光構造としても、実際には層間絶縁膜を介した光の散乱反射があり、遮光性能は不十分である。特に強い光源光の照射を受けるプロジェクタ用の液晶パネルの場合、より強固な遮光構造を形成する必要がある。そこで本発明は、多層配線の層間絶縁膜中に遮光層を導入する新構造を提案するものである。以下図2〜図11を参照して、この新構造の表示装置用基板の製造方法を詳細に説明する。まず図2に示すように、基板0の上に第1配線層6を形成する。なお基板0には予め薄膜トランジスタや画素容量が集積形成されている。薄膜トランジスタはゲート電極、ソース電極、ドレイン電極などを含んでおり、これらを結線するために第1配線層6が所定の形状にパターニングされる。この第1配線層6を被覆するようにHDP膜(高密度プラズマ膜)などの層間絶縁膜7を形成する。
【0017】
続いて図3に示すように、層間絶縁膜7の上に金属タングステンのような高融点金属に代表される遮光性の有る物質を薄い層で成膜する。この様にして成膜された層は、遮光性を確保する厚さでなければならない。タングステンを用いた場合その厚みは100〜200nmであり、十分な遮光性を有する遮光層8が得られる。
【0018】
続いて図4に示すように、金属遮光層8の上にCVD(化学気相成長)にてTEOS膜9を成膜し、平坦化のためにCMP(化学機械研磨)を行う。平坦化されたTEOS膜9の上にCVDにてSiN膜10を積層する。このSiN膜10はTEOS膜9などのSiO膜よりも硬いため、後工程でエッチングストッパーとして機能する。なおこの様にして成膜されたTEOS膜9及びSiN膜10は層間絶縁膜となる。
【0019】
次に図5に示すように、SiN膜10の上にフォトレジスト11を塗布する。このフォトレジスト11にフォトリソグラフィーをかけ、所定のマスク形状となるようにパターニングする。このマスクを介してドライエッチングを行い、第1配線層6に達するコンタクトホール12を開口する。
【0020】
次に図6に示すように使用済みとなったフォトレジストをアッシングで除去した後、サイドウォール形成のためにCVDにてTEOS膜で代表される絶縁膜13を堆積する。この絶縁膜13は先に開口したコンタクトホール12を完全に埋め込むように堆積する。
【0021】
絶縁膜13を堆積した後、図7に示すようにそのエッチバックを行い、サイドウォール13aを形成する。この様にしてコンタクトホール12には、その側壁に露出した金属遮光層8の端面を電気的に絶縁被覆するためにサイドウォール13aが形成される。サイドウォール13aの厚みは金属遮光層8の端面に対する耐圧が十分確保できる寸法にする。表示装置用基板の駆動電圧に応じてサイドウォール13aの厚みを最適化することが望ましい。なお絶縁膜13のエッチバック時、SiN膜10はエッチングストッパーの役割を果たす。
【0022】
次に図8に示すようにサイドウォール13aが形成されたコンタクトホール12にタングステンなどの金属をCVDにて埋め込み、コンタクト1を形成する。
【0023】
この後図9に示すようにエッチングストッパー10の上に堆積したタングステンをCMP(化学機械研磨)もしくはエッチバックにて除去し、コンタクト1のみをコンタクトホール13に残す。
【0024】
続いて図10に示すようにSiN膜10の上に上側の配線層15を積層する。
【0025】
最後に図11に示すように、配線層15の上にフォトレジスト16を塗布し、これをフォトリソグラフィーで所定の形状にパターニングしてマスクとする。マスクを介して配線層15をエッチングし、所定の形状にパターニングする。この様にしてパターニングされた上側の配線層15は例えば画素電極となる。上側配線層15をパターニングする際、SiN膜10はやはりエッチングストッパーとして機能する。
【0026】
図12は、以上のような工程を経て作成された表示装置用基板の完成状態を表している。図示するように、上側の配線層15のパターンギャップから光が層間絶縁膜9,10に侵入するが、これはほとんどが遮光層8で遮断され、これより下方へは進入しない。
【0027】
遮光層8を越えて光が進入する唯一の経路はサイドウォール13aである。しかしながらこのサイドウォール13aはその厚みが非常に薄く光の進入経路は狭い。よって追加の配線層などを増やすことなく一層の遮光層8を挿入するだけで十分な遮光性を確保することができる。またSiN膜10の界面にて、進入してくる光の一部を反射することもでき、入射光量を抑える効果がある。
【0028】
図13は、本発明にかかる表示装置用基板の全体構成を示す模式的な断面図である。前述したように、本表示装置用基板は、基板0の上に多層配線を形成している。この多層配線は配線層6とその上に配された別の配線層15と、両配線層6,15の間に配され且両配線層6,15から層間絶縁膜7,9,10で絶縁された金属遮光層8とを含む。下側の配線層6と上側の配線層15は層間絶縁膜7,9,10を貫通して形成されたコンタクト1を介して互いに電気的に接続している。コンタクト1が埋め込まれるコンタクトホール13は、その両側に露出した金属遮光層8の端面を電気的に絶縁被覆するためにサイドウォール13aが形成されている。
【0029】
本実施形態では、基板1はシリコン基板30を土台にしており、その上に複数の配線層が形成されたものとなっている。本実施形態では、シリコン基板30の上に合計4層の配線層が重なった多層配線となっている。金属遮光層8は一番上の配線層15とその下の配線層6との間に挿入されている。但し本発明はこれに限られるものではなく、金属遮光層は目的に応じ必要な箇所に挿入することができる。
【0030】
シリコン基板30には熱シリコン酸化膜(LOCOS)が形成されており、シリコン基板30の表面をキャパシタ部とトランジスタ部とに分けている。トランジスタ部は、多結晶シリコン膜32に上にゲート絶縁膜を介してゲート電極33を重ねた構造となっている。ゲート電極33は例えばタングステンシリサイド(WSi)で形成することができる。同様にキャパシタ部に形成された画素容量は、多結晶シリコンからなる下側の電極32と、WSiからなる上側の電極33と両者の間に挟まれた誘電体膜とで構成されている。かかる構成を有するトランジスタ部及びキャパシタ部はPSG膜(リンを含有させたシリコン酸化膜)34で被覆され、さらにその上をLP‐Si膜(低圧条件下でプラズマ成長させたチッ化シリコン膜)35で被覆されている。さらにその上をBPSG膜(ボロンとリンを含有させたシリコン酸化膜)36で被覆している。
【0031】
このBPSG膜36の上に最下層の配線層37が形成されている。この配線層37にはコンタクト1を介してトランジスタの電極や画素容量の電極が接続している。この配線層37は、例えばAl‐Cu配線からなり、上下からTi/TiNなどのバリアメタルで被覆されている。
【0032】
最下層の配線層37の上には層間絶縁膜38,39を介して下から2番目の配線層40が形成されている。層間絶縁膜38はHDP膜(高密度プラズマCVD膜)からなる。その上の層間絶縁膜39は例えばP−TEOS膜(プラズマCVDで成膜されたTEOS系酸化膜)からなる。一番下の配線層37とその上の配線層40は同じく層間絶縁膜38,39を貫通したコンタクト1により電気接続されている。
【0033】
下から2番目の配線層40の上には層間絶縁膜41,42を介して下から3番目(上から2番目)の配線層6が形成されている。この配線層6とその下の配線層40とは同じく層間絶縁膜41,42を通ったコンタクト1で相互に接続されている。この配線層6の上には前述したように層間絶縁膜7を介して金属遮光層8が形成され、その上に層間絶縁膜9,10を介して最上部の配線層15が形成されている。本実施形態の場合、この最上部の配線層15は画素電極であり、これはその下3層の配線層を通じてコンタクトを介しつつトランジスタ部のドレイン電極に接続している。なおこの画素電極は光反射層からなり、外光を反射して表示を行う。よって本表示装置は、反射型の液晶パネルである。
【0034】
図14は、本発明にかかる表示装置用基板を用いて組み立てられた表示装置の一例を示す模式的な斜視図である。図示するように、本表示装置は一対の絶縁基板101,102と両者の間に保持された電気光学物質103とを備えたパネル構造を有する。一対の絶縁基板101,102の内、下側の絶縁基板101がシリコン基板からなり、本発明にしたがって製造された表示装置用基板である。電気光学物質103としては液晶材料が広く用いられている。下側の絶縁基板101には画素アレイ部104と駆動回路部とが集積形成されている。駆動回路部は垂直駆動回路105と水平駆動回路106とに分かれている。また、絶縁基板101の周辺部上端には外部接続用の端子部107が形成されている。端子部107は配線108を介して垂直駆動回路105及び水平駆動回路106に接続している。画素アレイ部104には行状のゲート配線109と列状の信号配線110が形成されている。両配線の交差部には光反射性の画素電極111とこれを駆動する薄膜トランジスタ112が形成されている。薄膜トランジスタ112のゲート電極は対応するゲート配線109に接続され、ドレイン領域は対応する画素電極111に接続され、ソース領域は対応する信号配線110に接続している。ゲート配線109は垂直駆動回路105に接続する一方、信号配線110は水平駆動回路106に接続している。この様にして反射型の液晶パネル(LCOS)を作ることができる。
【0035】
図15は、画像表示部として図14に示した反射型液晶パネルを用いた反射型プロテクタ装置の一例を示す構成図である。。図15に図解した反射型プロジェクタ装置は、3原色光、すなわち、青色、緑色、赤色を提供する光源として、白色光を出力するランプ201と、コリメータレンズ202と、フライアイ(蠅の目)レンズ203、204と、入射光の例えばP偏光成分の光をS偏光に変換して出力するPS変換手段205と、メインコンデンサレンズ206と、青色反射ダイクロッイクミラー207と、緑赤色反射ダイクロイックミラー208と、全反射ミラー209、210と、緑反射ダイクロイックミラー211とを有する。
【0036】
反射型プロジェクタ装置はさらに、クロスプリズム224と、このクロスプリズム224の周囲に配設された、3個の偏光ビームスプリッタ(PBS)、すなわち、第1偏光ビームスプリッタ(PBS)218、第2PBS219、第3PBS223を有する。反射型プロジェクタ装置は、クロスプリズム224を挟んで、第2PBS219と対向する側に投射レンズ225を有する。第2PBS219の一方の面側には、コンデンサレンズ212が配設され、他方の面に緑色用液晶反射パネル213と1/4波長板214とが配設されている。第1PBS218の一方の面側には、コンデンサレンズ215が配設され、他方の面に赤色用液晶反射パネル217と1/4波長板216とが配設されている。第3PBS223の一方の面側には、コンデンサレンズ220が配設され、他方の面に緑色用液晶反射パネル222と1/4波長板221とが配設されている。
【0037】
光源からは3原色光、すなわち、青色光、緑色光、赤色光が下記のごとく出力される。赤色光は、メインコンデンサレンズ206から出力された白色光が緑赤色反射ダイクロイックミラー208で反射され、全反射ミラー209で反射され、緑反射ダイクロイックミラー211を透過し、コンデンサレンズ215に入射する。緑色光は、メインコンデンサレンズ206から出力された白色光が緑赤色反射ダイクロイックミラー208で反射され、全反射ミラー209で反射され、緑反射ダイクロックミラー211で反射され、コンデンサレンズ212に入射する。青色光は、メインコンデンサレンズ206から出力された白色光が青色反射ダイクロックミラー207で反射され、全反射ミラー210で反射され、コンデンサレンズ220に入射する。
【0038】
コンデンサレンズ212に入射された緑色光は、第2PBS219で反射されて1/4波長板214を透過して緑色用液晶反射パネル213に入射し、そこで変調されると第2PBS219を透過してクロスプリズム224に入射して投射レンズ225から、その前方に位置するスクリーン(図示せず)に投射される。コンデンサレンズ215に入射された赤色光は、第1PBS218で反射されて1/4波長板216を透過して赤色用液晶反射パネル217に入射し、そこで変調されると第1PBS218を透過してクロスプリズム224に入射して投射レンズ225から、その前方に位置するスクリーン(図示せず)に投射される。コンデンサレンズ220に入射された緑色光は、第3PBS223で反射されて1/4波長板221を透過して緑色用液晶反射パネル222に入射し、そこで変調されると第3PBS223を透過してクロスプリズム224に入射して投射レンズ225から、その前方に位置するスクリーン(図示せず)に投射される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】表示装置用基板の参考例を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明にかかる表示装置用基板の製造工程を示す断面図である。
【図3】同じく製造工程を示す断面図である。
【図4】同じく製造工程を示す断面図である。
【図5】同じく製造工程を示す断面図である。
【図6】同じく製造工程を示す断面図である。
【図7】同じく製造工程を示す断面図である。
【図8】同じく製造工程を示す断面図である。
【図9】同じく製造工程を示す断面図である。
【図10】同じく製造工程を示す断面図である。
【図11】同じく製造工程を示す断面図である。
【図12】本発明にかかる表示装置用基板の完成状態を示す断面図である。
【図13】本発明にかかる表示装置用基板の全体構成を示す断面図である。
【図14】本発明にかかる表示装置の一例を示す模式的な斜視図である。
【図15】図14に示した表示装置を組み込んだ反射型プロジェクタを示す模式図である。
【符号の説明】
【0040】
0・・・基板、1・・・コンタクト、6・・・第1配線層、7・・・層間絶縁膜、8・・・金属遮光層、9・・・層間絶縁膜、10・・・層間絶縁膜、12・・・コンタクトホール、13a・・・サイドウォール、15・・・第2配線層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素電極と、これを駆動するためにゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えた薄膜トランジスタと、各電極の層及び各電極を接続する配線の層で構成される多層配線とを形成した表示装置用基板であって、
前記多層配線は、第1配線層と、その上に配された第2配線層と、両配線層の間に配され且つ両配線層から層間絶縁膜で絶縁された金属遮光層とを含み、
前記第1配線層と前記第2配線層は、該層間絶縁膜を貫通して形成されたコンタクトホールを介して互いに電気的に接続しており、
前記コンタクトホールは、その側壁に露出した該金属遮光層の端面を電気的に絶縁被覆するためにサイドウォールが形成されていることを特徴とする
表示装置用基板。
【請求項2】
前記多層配線をシリコン基板上に形成したことを特徴とする請求項1記載の表示装置用基板。
【請求項3】
外光を反射する光反射層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の表示装置用基板。
【請求項4】
前記金属遮光層は、タングステン膜からなる請求項1記載の表示装置用基板。
【請求項5】
一対の基板と両者の間に保持された液晶とからなる表示装置であって、
片方の基板には、画素電極と、これを駆動するためにゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えた薄膜トランジスタと、各電極の層及び各電極を接続する配線の層で構成される多層配線とが形成されており、
前記多層配線は、第1配線層と、その上に配された第2配線層と、両配線層の間に配され且つ両配線層から層間絶縁膜で絶縁された金属遮光層とを含み、
前記第1配線層と前記第2配線層は、該層間絶縁膜を貫通して形成されたコンタクトホールを介して互いに電気的に接続しており、
前記コンタクトホールは、その側壁に露出した該金属遮光層の端面を電気的に絶縁被覆するためにサイドウォールが形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
画素電極と、これを駆動するためにゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えた薄膜トランジスタと、各電極の層及び各電極を接続する配線の層で構成される多層配線とが形成され、
前記多層配線は、第1配線層と、その上に配された第2配線層と、両配線層の間に配され且つ両配線層から層間絶縁膜で絶縁された金属遮光層とを含み、
前記第1配線層と前記第2配線層は、該層間絶縁膜を貫通して形成されたコンタクトホールを介して互いに電気的に接続しており、
前記コンタクトホールは、その側壁に露出した該金属遮光層の端面を電気的に絶縁被覆するためにサイドウォールが形成されている表示装置用基板の製造方法であって、
基板上に第1配線層を形成する工程と、
該第1配線層の上に第1層間絶縁膜を介して金属遮光層を形成する工程と、
該金属遮光層の上に第2層間絶縁膜を介して第2配線層を形成する工程と、
該第2配線層、金属遮光層及び第1配線層を貫通して第1配線層に達するコンタクトホールを開口する工程と、
該コンタクトホールの側壁に露出した金属遮光層の端面を被覆する絶縁物質からなるサイドウォールを形成する工程と、
該第2層間絶縁膜の上に導電物質を堆積して該コンタクトホールを埋めるとともに堆積した導電物質をパターニングして第2配線層に加工する工程とを行う
表示装置用基板の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2009−104027(P2009−104027A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277362(P2007−277362)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】