説明

表示装置

【課題】表示装置の画素部に用いられる、高信頼性を有する、酸化物半導体膜を含むトランジスタを提供する。
【解決手段】第1のゲート電極と、第1のゲート電極の上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜の上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、ソース電極、ドレイン電極及び酸化物半導体膜の上に設けられた第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜の上に設けられた第2のゲート電極と、第2のゲート絶縁膜の上に設けられた平坦性を有する有機樹脂膜と、平坦性を有する有機樹脂膜の上に設けられた画素電極と、を有し、酸化物半導体膜は二次イオン質量分析法で検出される水素原子の濃度が1×1016cm−3未満である表示装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトランジスタを有する表示装置に関し、当該トランジスタのチャネルは酸化物半導体膜を有する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板上に、第1のゲート電極が形成され、該第1のゲート電極を覆うように第1のゲート絶縁層が形成され、該第1のゲート絶縁層の上に酸化物半導体からなる半導体層が形成され、該半導体層の上に第2のゲート絶縁層が形成され、該第2のゲート絶縁層の上に第2のゲート電極が形成され、前記半導体層と接続してドレイン電極及びソース電極が形成され、前記第2のゲート電極の厚さは前記第1のゲート電極の厚さ以上の厚さを有する薄膜トランジスタを開示する(請求項1)。特許文献1は、上記薄膜トランジスタは液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの駆動用の電界効果トランジスタに利用可能であるとしている(段落0114)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−176865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は薄膜トランジスタの伝達特性におけるハンプ(hump)の発現を抑制することができるとしている(段落0026)。
【0005】
しかしトランジスタの特性を改善するためには上記構成だけでは不十分である。そこで本発明の一態様は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置の画素部に用いられる、酸化物半導体膜を含むトランジスタに関し、高信頼性を有するトランジスタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の実験において、酸化物半導体膜を有するトランジスタに対して、水素が及ぼす影響を調査した。そして水素を除去することにより、トランジスタの特性を向上できることを見出し、上記課題を解決することができるという考えに至った。
【0007】
<実験.水素とトランジスタ特性>
図1に試作した酸化物半導体膜(非晶質In−Ga−Zn−O膜、本実験ではa−IGZOともいう)を有するトランジスタの模式図とそのトランジスタの特性を示す。図1(a)は層間膜にプラズマCVD法により作製したSiOx(PECVD−SiOxともいう)を用いた場合、図1(b)は層間膜にスパッタ法により作製したSiOx(Sputtered−SiOx又はSputtering−SiOxともいう)を用いた場合である。その他の作製方法は同じである。プラズマCVD法によるSiOx場合はノーマリ・オンのトランジスタ特性が得られた。また測定温度によるトランジスタ特性の変化が大きかった。一方、スパッタ法によるSiOxの場合は、ノーマリ・オフのトランジスタ特性が得られ、測定温度によるトランジスタ特性の変化は小さかった。この二つのトランジスタの水素濃度を二次イオン質量分析法で測定したところ、プラズマCVD SiOxの場合はトランジスタの中に水素を多量に含むが、スパッタSiOxの場合は水素が少ないことが明らかになった(図2)。
【0008】
またa−IGZOの電子的性質を解明するために第一原理計算による解析を行った。(A)化学量論比を満たすa−IGZO、(B)水素が添加されたa−IGZOを仮定し、その電子状態を計算した。84原子、組成比はIn:Ga:Zn:O=1:1:1:4、密度は5.9g/cmの単位セルを仮定し、古典分子動力学法によりアモルファス構造を再現し、さらに量子分子動力学法により構造の最適化を図り、その電子状態を計算した。
【0009】
計算結果を図3に示す。図3はa−IGZOのDOS(Density Of States、電子状態密度)を示す。Energyが0(ゼロ)を示す箇所が、フェルミ準位を表している。(A)の化学量論比を満たすa−IGZOはフェルミ準位が価電子帯に存在するが、(B)の水素が添加された場合は、伝導帯中にも電子が存在することがわかる。すなわち、a−IGZOにおいて水素はドナー準位を形成し、電子を供給することがわかる。
【0010】
水素を除去することは、酸化物半導体膜中のドナーを取り除くことになる。ドナーを取り除くことにより、酸化物半導体膜を、真性半導体又は実質的に真性な半導体にすることができる。
【0011】
トランジスタのチャネルが水素が低減された酸化物半導体膜を有する場合における、当該トランジスタ(チャネル長(L)=10.0μm、チャネル幅(W)=1m)のオフ電流を室温(25℃)にて、測定したところ、1×10−12A以下となった(図4)。W=1μmに換算した場合、オフ電流は1×10−18A以下となる。
【0012】
酸化物半導体膜に含まれる水素原子を極力少なくすることにより、酸化物半導体膜を真性又は実質的に真性な半導体にすることができる。これによりトランジスタの特性を向上でき、上記課題を解決することができる。
【0013】
本発明の一態様は、第1のゲート電極と、第1のゲート電極の上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜の上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、を有し、ソース電極及びドレイン電極は酸化物半導体膜に電気的に接続され、ソース電極、ドレイン電極及び酸化物半導体膜の上に設けられた第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜の上に設けられた第2のゲート電極と、を有し、第2のゲート電極は第1のゲート電極に電気的に接続され、第2のゲート絶縁膜の上に設けられた平坦性を有する有機樹脂膜と、平坦性を有する有機樹脂膜の上に設けられた画素電極と、を有し、画素電極は前記ソース電極及びドレイン電極の一方と電気的に接続され、第2のゲート電極及び画素電極の上に接して設けられた第1の配向膜と、第1の配向膜の上に設けられた液晶層と、液晶層の上に設けられた第2の配向膜と、第2の配向膜の上に設けられた対向電極と、対向電極の上に設けられた対向基板と、を有し、酸化物半導体膜は二次イオン質量分析法で検出される水素原子の濃度が1×1016cm−3未満である表示装置である。
【0014】
本発明の一態様は、第1のゲート電極と、第1のゲート電極の上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜の上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、を有し、ソース電極及びドレイン電極は酸化物半導体膜に電気的に接続され、ソース電極、ドレイン電極及び酸化物半導体膜の上に設けられた第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜の上に設けられた第2のゲート電極と、を有し、第2のゲート電極は第1のゲート電極に電気的に接続され、第2のゲート絶縁膜の上に設けられた平坦性を有する有機樹脂膜と、平坦性を有する有機樹脂膜の上に設けられた画素電極と、を有し、画素電極はソース電極及びドレイン電極の一方と電気的に接続され、画素電極上に設けられたEL層と、EL層の上に設けられた対向電極と、第2のゲート電極及び対向電極の上に接して設けられた封止材と、封止材の上に設けられた対向基板と、を有し、酸化物半導体膜は二次イオン質量分析法で検出される水素原子の濃度が1×1016cm−3未満である表示装置である。
【0015】
本発明の一態様は、第1のゲート電極と、第1のゲート電極の上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜の上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、を有し、ソース電極及びドレイン電極は酸化物半導体膜に電気的に接続され、ソース電極、ドレイン電極及び酸化物半導体膜の上に設けられた第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜の上に設けられた第2のゲート電極と、を有し、第2のゲート電極は第1のゲート電極に電気的に接続され、第2のゲート絶縁膜の上に設けられた平坦性を有する有機樹脂膜と、平坦性を有する有機樹脂膜の上に設けられた画素電極と、を有し、画素電極はソース電極及びドレイン電極の一方と電気的に接続され、第2のゲート電極及び画素電極の上に接して設けられた充填材と、を有し、充填材にはキャビティを含む球形粒子が設けられ、キャビティは黒色領域及び白色領域を有し、キャビティの周囲は液体で満たされ、酸化物半導体膜は二次イオン質量分析法で検出される水素原子の濃度が1×1016cm−3未満である表示装置である。
【0016】
本発明の一態様は、第1のゲート電極と、第1のゲート電極の上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜の上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、を有し、ソース電極及びドレイン電極は酸化物半導体膜に電気的に接続され、ソース電極、ドレイン電極及び酸化物半導体膜の上に設けられた第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜の上に設けられた第2のゲート電極と、を有し、第2のゲート電極は第1のゲート電極に電気的に接続され、第2のゲート絶縁膜の上に設けられた平坦性を有する有機樹脂膜と、平坦性を有する有機樹脂膜の上に設けられた画素電極と、を有し、画素電極はソース電極及びドレイン電極の一方と電気的に接続され、第2のゲート電極及び画素電極の上に接して設けられた電子インク層と、を有し、電子インク層には、正に帯電した白い微粒子と負に帯電した黒い微粒子とが封入されたマイクロカプセルが設けられ、酸化物半導体膜は二次イオン質量分析法で検出される水素原子の濃度が1×1016cm−3未満である表示装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様では、チャネルが形成される酸化物半導体膜の、二次イオン質量分析法で検出される水素原子の濃度が1×1016cm−3未満である。これにより酸化物半導体膜は真性又は実質的に真性な半導体となる。当該酸化物半導体膜のキャリア密度は非常に少なくなる。トランジスタのオフ電流は非常に少なくなる。またアバランシェ降伏が発生しにくい。
【0018】
なお、水素原子の濃度に関する特許文献として特開2007−103918号公報が挙げられる。特開2007−103918号公報はIn又はZnを含むアモルファス酸化物膜からなるチャネル層を有する電界効果トランジスタであって、当該アモルファス酸化物膜が1016cm−3以上1020cm−3以下の水素原子又は重水素原子を含有していることを開示している。しかしこれらは水素原子を積極的に添加するという技術思想である。一方、本発明の一態様は水素原子を極力少なくするという技術思想である。したがって両者の技術思想は正反対であり、全く異なる。本発明の一態様では、酸化物半導体膜中の水素原子の濃度が1×1016cm−3未満であることにより、酸化物半導体膜を真性又は実質的に真性な半導体とすることができ、キャリア密度を非常に少なくすることができ、トランジスタのオフ電流は非常に少なくすることができる。
【0019】
本発明の一態様では、画素電極に電気的に接続されたトランジスタは平坦性を有する有機樹脂膜、画素電極に覆われていない。有機樹脂膜の水素原子がトランジスタに影響を与えることがない。画素電極に印加される電位がトランジスタに影響を与えることがない。
【0020】
本発明の一態様では、ソース電極及びドレイン電極の上には第2のゲート絶縁膜が設けられる。よってソース電極及びドレイン電極は第2のゲート絶縁膜によって保護される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】トランジスタの模式図とその特性を示す図
【図2】トランジスタの水素濃度プロファイルを示す図
【図3】計算結果を示す図
【図4】トランジスタ特性を示す図
【図5】表示装置を示す図
【図6】表示装置を示す図
【図7】トランジスタの断面を示す図
【図8】トランジスタのエネルギーバンドを示す図
【図9】トランジスタのエネルギーバンドを示す図
【図10】トランジスタのエネルギーバンドを示す図
【図11】表示装置の作製方法を示す図
【図12】表示装置の作製方法を示す図
【図13】表示装置の作製方法を示す図
【図14】表示装置を示す図
【図15】表示装置を示す図
【図16】表示装置を示す図
【図17】CV測定を説明する図
【図18】CV測定を説明する図
【図19】断面TEMを示す図
【図20】断面TEMを示す図
【図21】(A)は試料Aの表層部の拡大写真を示し、(B)は結晶領域の電子線回折パターンを示す
【図22】表示装置を示す図
【図23】携帯電話機及び携帯情報端末を示す図
【図24】テレビジョン装置及びデジタルフォトフレームを示す図
【図25】携帯型遊技機を示す図
【図26】電子書籍を示す図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態を説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお以下において、同一部分又は同様な機能を有する部分には、異なる図面において同一の符号を共通して用い、繰り返しの説明を省略することがある。
【0023】
(実施形態1)
本実施形態は、第1のゲート電極と、第1のゲート電極の上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜の上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、を有し、ソース電極及びドレイン電極は酸化物半導体膜に電気的に接続され、ソース電極、ドレイン電極及び酸化物半導体膜の上に設けられた第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜の上に設けられた第2のゲート電極と、を有し、第2のゲート電極は第1のゲート電極に電気的に接続され、第2のゲート絶縁膜の上に設けられた平坦性を有する有機樹脂膜と、平坦性を有する有機樹脂膜の上に設けられた画素電極と、を有し、画素電極はソース電極及びドレイン電極の一方と電気的に接続され、第2のゲート電極及び画素電極の上に接して設けられた表示媒体を有する表示装置を開示する。
【0024】
図5(A)(B)に示すように表示装置は画素20を有する。表示装置は画素20を複数有してよい。画素20はトランジスタ15を有する。トランジスタ15は、第1のゲート電極3と、第1のゲート絶縁膜4と、酸化物半導体膜5と、電極6A(ソース電極及びドレイン電極の一方)と、電極6B(ソース電極及びドレイン電極の他方)と、第2のゲート絶縁膜7と、第2のゲート電極8と、を有する。画素20はその他平坦性を有する有機樹脂膜9と、画素電極10と、を有する。図5(A)は画素20の上面図であり、図5(B)は図5(A)のA−B断面及びC−D断面を示す。
【0025】
トランジスタ15は基板1の上に設けられる。基板1の上には下地膜となる絶縁膜2が設けられる。絶縁膜2の上には第1のゲート電極3が設けられる。第1のゲート電極3の上には、第1のゲート絶縁膜4が第1のゲート電極3を覆うように設けられる。第1のゲート絶縁膜4の上には酸化物半導体膜5が設けられる。酸化物半導体膜5の上には電極6A、電極6Bが設けられる。電極6A、電極6B及び酸化物半導体膜5の上には第2のゲート絶縁膜7が設けられる。第2のゲート絶縁膜7は電極6A、電極6B及び酸化物半導体膜5を覆う。第2のゲート絶縁膜7の上には第2のゲート電極8が設けられる。
【0026】
図5(A)では第2のゲート電極8は第1のゲート電極3に電気的に接続されるが、第2のゲート電極8は第1のゲート電極3に電気的に接続されていなくてもよい(図6)。第2のゲート電極8が第1のゲート電極3と電気的に接続される場合は、第2のゲート電極8は第1のゲート電極3と同電位となる。一方、第2のゲート電極8が第1のゲート電極3に電気的に接続されない場合は、第2のゲート電極8は第1のゲート電極3と同電位にならないこともある。
【0027】
第1のゲート電極3は走査線駆動回路(図示しない)に電気的に接続される。走査線駆動回路からは選択信号が第1のゲート電極3に印加される。第1のゲート電極3が第2のゲート電極8に電気的に接続されている場合には、第2のゲート電極8にも同じ選択信号が印加される。第1のゲート電極3と、第2のゲート電極8とが電気的に接続されていない場合には、第2のゲート電極8は別の走査線駆動回路に電気的に接続され、当該走査線駆動回路から別の選択信号が印加される。
【0028】
電極6Aは信号線駆動回路(図示しない)に電気的に接続される。信号線駆動回路からは画像信号が電極6Aに印加される。
【0029】
第2のゲート絶縁膜7の上には平坦性を有する有機樹脂膜9が設けられる。有機樹脂膜9は第2のゲート電極8の上には設けられない。有機樹脂膜9の上には画素電極10が設けられる。第2のゲート電極8、第2のゲート絶縁膜7及び画素電極10の上には表示媒体が設けられる(図14、15、16、22)。
【0030】
本実施形態の表示装置には保持容量を設けていない。トランジスタ15のオフ電流は極めて低いため、電極6B及び画素電極10に印加された電位は低下することなく、保持される。したがって保持容量は不要となる。しかし保持容量を設けてよいことは言うまでもない。
【0031】
電極6A、電極6Bが設けられていない領域で、第1のゲート絶縁膜4と第2のゲート絶縁膜7とは接してもよい(図5(B)、図6(B)、図7)。第1のゲート絶縁膜4と第2のゲート絶縁膜7とが接することにより、酸化物半導体膜5は第1のゲート絶縁膜4と第2のゲート絶縁膜7によりカバーされるようになり、不純物が酸化物半導体膜5へ侵入するのを防止することができる。
【0032】
表示装置の特徴を以下に説明する。チャネルが形成される酸化物半導体膜5に含まれる水素原子の濃度は1×1016cm−3未満であり、真性又は実質的に真性な半導体である。これについては後述する。
【0033】
電極6A、電極6Bは第2のゲート絶縁膜7で覆われる。電極6A、電極6Bは第2のゲート絶縁膜7により保護される。
【0034】
図5および図6に示すように、トランジスタ15の上には有機樹脂膜9及び画素電極10が設けられない。有機樹脂膜9の水素原子がトランジスタ15に影響を与えることがない。画素電極10に印加される電位がトランジスタ15に影響を与えることがない。
【0035】
次に表示装置の各構成を説明する。
【0036】
まず酸化物半導体膜5について説明する。酸化物半導体膜5にはチャネルが形成される。酸化物半導体膜5は2nm−200nmの厚さを有すればよい。
【0037】
(組成)
酸化物半導体膜5としては、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−Oや、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn−O、In−Sn−Zn−O、In−Al−Zn−O、Sn−Ga−Zn−O、Al−Ga−Zn−O、Sn−Al−Zn−Oや、二元系金属酸化物であるIn−Zn−O、Sn−Zn−O、Al−Zn−O、Zn−Mg−O、Sn−Mg−O、In−Mg−Oや、In−O、Sn−O、Zn−Oなどの酸化物半導体を用いることができる。また、上記酸化物半導体はSiOを含んでもよい。
【0038】
また、酸化物半導体膜5は、InMO(ZnO)(m>0)で表記される薄膜を用いることができる。ここで、Mは、Ga、Al、MnおよびCoから選ばれた一または複数の金属元素を示す。例えばMとして、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、またはGa及びCoなどがある。InMO(ZnO)(m>0)で表記される構造の酸化物半導体膜5のうち、MとしてGaを含む構造の酸化物半導体を、上記したIn−Ga−Zn−O酸化物半導体とよび、その薄膜をIn−Ga−Zn−O膜ともよぶこととする。
【0039】
(水素濃度)
酸化物半導体膜5では、二次イオン質量分析法で検出される水素濃度が1×1016cm−3未満である。好ましくは1×1014cm−3未満である。上記のように水素が低減された酸化物半導体膜5は真性又は実質的に真性な半導体となる。なお酸化物半導体膜5はドナー準位、アクセプタ準位を形成する不純物元素を含まないことが好ましい。
【0040】
二次イオン質量分析法は、その原理上、試料表面近傍や、材質が異なる膜との積層界面近傍のデータを正確に得ることが困難であることが知られている。そこで、膜中における水素濃度の厚さ方向の分布を、二次イオン質量分析法で分析する場合、水素濃度は、対象となる膜の存在する範囲において、極端な変動が無く、ほぼ一定の強度が得られる領域における平均値を採用する。また、測定の対象となる膜の厚さが小さい場合、隣接する膜内の水素濃度の影響を受けて、ほぼ一定の強度の得られる領域を見いだせない場合がある。この場合、当該膜の存在する領域における、最大値又は最小値を、水素濃度として採用する。さらに、当該膜の存在する領域において、最大値を有する山型のピーク、最小値を有する谷型のピークが存在しない場合、変曲点の値を水素濃度として採用する。
【0041】
酸化物半導体膜5に含まれる水素原子はゼロであることが好ましい。水素原子の濃度は0cm−3以上、1×1016cm−3未満である。しかし水素原子がゼロであることを二次イオン質量分析法で検出することは困難である。したがって少なくとも水素原子の濃度は二次イオン質量分析法で検出限界以下であることが好ましい。
【0042】
(キャリア密度)
上記水素原子濃度を有する酸化物半導体膜5のキャリア密度は300Kにおいて1×1012cm−3未満となる。酸化物半導体膜5のキャリア密度は300Kにおいて1×1012cm−3未満がよい。好ましくは酸化物半導体膜5のキャリア密度は300Kにおいて1×1010cm−3未満である。キャリア密度はホール測定等により見積もることができるが、ここで用いた測定方法については実施例にて説明する。
【0043】
ここで、酸化物半導体の真性キャリア密度について説明する。真性キャリア密度とは真性半導体のキャリア密度をいう。
【0044】
半導体に含まれる真性キャリア密度nは、フェルミ・ディラック統計によるフェルミ・ディラック分布をボルツマン分布の式(数式1参照)で近似することで、求められる。
【0045】
【数1】

【0046】
近似式により求められる真性キャリア密度nは、伝導帯における実効状態密度Nc、価電子帯における実効状態密度Nv、及びバンドギャップEgの関係式であり、上記数式からシリコンの真性キャリア密度nは1.4×1010cm−3、酸化物半導体(ここでは、In−Ga−Zn−O膜)の真性キャリア密度nは1.2×10−7cm−3となる。シリコンと比較して、酸化物半導体の真性キャリア密度が極端に低いことが分かる。
【0047】
上記水素原子濃度を有する酸化物半導体膜5のキャリア密度は極端に低く、酸化物半導体膜5を有するトランジスタ15のオフ電流は極めて低くなる。
【0048】
次に酸化物半導体膜5以外の構成を説明する。
【0049】
基板1は、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有する。基板1としては、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板を用いる。また基板1は、セラミック基板、石英基板、サファイア基板、結晶化ガラス基板などの絶縁体でなる基板でもよい。後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していれば、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムなどを用いてもよい。
【0050】
絶縁膜2は酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜などを用いる。絶縁膜2には水素、水酸基または水分などの水素原子を含む物質が含まれないようにすることが好ましい。絶縁膜2は10nm−200nmの厚さを有すればよい。絶縁膜2は基板1に含まれる不純物が第1のゲート絶縁膜4や酸化物半導体膜5へ侵入するのを防止する。基板1に含まれる不純物を考慮する必要がないのであれば絶縁膜2を設けなくてもよい。
【0051】
第1のゲート電極3はモリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成する。第1のゲート電極3には水素、水酸基または水分などの水素原子を含む物質が含まれないようにすることが好ましい。第1のゲート電極3は10nm−200nmの厚さを有すればよい。
【0052】
第1のゲート絶縁膜4は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、ハフニウムシリケート(HfSiO)膜、Nが添加されたHfSi膜、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAlO)膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜を単層でまたは積層して形成する。ハフニウムシリケート(HfSiO)膜、Nが添加されたHfSi膜、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAlO)膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜などのhigh−k材料を用いることでゲートリークを低減できる。第1のゲート絶縁膜4には水素、水酸基または水分などの水素原子を含む物質が含まれないようにすることが好ましい。第1のゲート絶縁膜4は10nm−500nmの厚さを有すればよい。
【0053】
第1のゲート絶縁膜4にハロゲン元素(例えば、フッ素または塩素)を5×1018−1×1020cm−3程度含ませてもよい。ハロゲン元素により酸化物半導体膜5、または第1のゲート絶縁膜4と酸化物半導体膜5との界面に存在しうる、水素、水分、水酸基又は水素化物などの水素原子を含む物質を排除することができる。例えば第1のゲート絶縁膜4として、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の積層膜にする場合は、酸化物半導体膜5に接する側を、上記濃度でハロゲン元素を含む酸化シリコン膜とするとよい。窒化シリコン膜が水素、水分、水酸基又は水素化物(水素化合物ともいう)などの不純物が酸化シリコン膜に侵入することを防止する。
【0054】
電極6A(ソース電極及びドレイン電極の一方)、電極6B(ソース電極及びドレイン電極の他方)はモリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム、イットリウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料、又はインジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いて、単層でまたは積層して形成する。電極6A、電極6Bには水素、水酸基または水分が含まれないようにすることが好ましい。電極6A、電極6Bは10nm−500nmの厚さを有すればよい。
【0055】
第2のゲート絶縁膜7は第1のゲート絶縁膜4と同じ材料で形成することができる。例えば酸化シリコン膜を用いる。第2のゲート絶縁膜7には水素、水酸基または水分が含まれないようにすることが好ましい。第2のゲート絶縁膜7は10nm−200nmの厚さを有すればよい。なお酸化シリコン膜に代えて、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などを用いることもできる。
【0056】
また第2のゲート絶縁膜7は欠陥を有していてもよい。欠陥は酸化物半導体膜5に含まれる水素原子を捕獲することができる。これにより酸化物半導体膜5中の水素原子をさらに低減させることができる。
【0057】
第2のゲート絶縁膜7にハロゲン元素(例えば、フッ素または塩素)を5×1018−1×1020cm−3程度含ませてもよい。ハロゲン元素により酸化物半導体膜5、または第2のゲート絶縁膜7と酸化物半導体膜5との界面に存在しうる、水素、水分、水酸基又は水素化物などの不純物を排除することができる。
【0058】
第2のゲート電極8はモリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成する。第2のゲート電極8には水素、水酸基または水分などの水素原子を含む物質が含まれないようにすることが好ましい。第2のゲート電極8は10nm−200nmの厚さを有すればよい。第2のゲート電極8は第1のゲート電極3の厚さ以上の厚さを有してもよい。第2のゲート電極8は第1のゲート電極3と同じ材料で形成してもよい。
【0059】
有機樹脂膜9は例えば平坦性を有するアクリル樹脂膜、ポリイミド樹脂膜などを用いる。有機樹脂膜9は1.0μm−2.0μmの厚さを有すればよい。
【0060】
画素電極10は、代表的には、アルミニウム、銅、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素でなる単体、上述の元素を成分とする合金、上述の元素を成分とする化合物(酸化物や窒化物)などの反射性または遮光性を有する導電材料を用いることができる。また、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また、これらの材料を含む積層構造を適用することもできる。画素電極10は50nm−500nmの厚さを有すればよい。
【0061】
次に、エネルギーバンド図を用いて、酸化物半導体膜5を有するトランジスタ15の動作を説明する。
【0062】
図7は、酸化物半導体膜を用いた逆スタガー型の薄膜トランジスタの一般的な縦断面図を示す。ゲート電極(GE)上に第1のゲート絶縁膜(GI)を介して酸化物半導体膜(OS)が設けられる。酸化物半導体膜及び第1のゲート絶縁膜の上にソース電極(S)及びドレイン電極(D)が設けられている。ソース電極及びドレイン電極の上にパッシベーション絶縁膜(PI)が設けられる。ソース電極及びドレイン電極が設けられていない領域で第1のゲート絶縁膜とパッシベーション絶縁膜とは接する。
【0063】
図8は、図7に示すA−A’断面におけるエネルギーバンド図(模式図)を示す。図8(A)はソースとドレインの間の電圧を等電位(VD=0V)とした場合を示し、図8(B)はソースに対しドレインに正の電位(VD>0)を加えた場合を示す。
【0064】
図9は、図7におけるB−B’の断面におけるエネルギーバンド図(模式図)である。図9(A)はゲート(GE)に正の電位(+VG)が印加された状態であり、ソース電極とドレイン電極との間にキャリア(電子)が流れるオン状態を示している。また、図9(B)は、ゲート(GE)に負の電位(−VG)が印加された状態であり、オフ状態(少数キャリアは流れない)である場合を示す。
【0065】
図10は、真空準位と金属の仕事関数(φ)、酸化物半導体の電子親和力(χ)の関係を示す。
【0066】
金属は縮退しているため、伝導子帯とフェルミ準位とは一致する。一方、従来の酸化物半導体は一般にn型であり、その場合のフェルミ準位(Ef)は、バンドギャップ中央に位置する真性フェルミ準位(Ei)から離れて、伝導帯寄りに位置している。なお、酸化物半導体において水素はドナーであり、酸化物半導体をn型化する一つの要因である。
【0067】
これに対して本実施形態に係る酸化物半導体膜は、n型不純物である水素原子を酸化物半導体膜から除去し、酸化物半導体膜の主成分以外の不純物が極力含まれないように高純度化することにより真性(i型)とし、または真性型とせんとしたものである。すなわち、不純物を添加してi型化するのでなく、水素原子を極力除去したことにより、高純度化されたi型(真性半導体)またはそれに近づけることを特徴としている。そうすることにより、フェルミ準位(Ef)は真性フェルミ準位(Ei)と同じレベルにまですることができる。
【0068】
酸化物半導体のバンドギャップ(Eg)が3.15eVである場合、電子親和力(χ)は4.3eVと言われている。例えばチタンを用いてソース電極及びドレイン電極を形成すると、チタンの仕事関数は、酸化物半導体の電子親和力(χ)とほぼ等しい。この場合、金属−酸化物半導体界面において、電子に対してショットキー型の障壁は形成されない。
【0069】
すなわち、金属の仕事関数(φ)と酸化物半導体の電子親和力(χ)が等しい場合、両者が接触すると図8(A)で示すようなエネルギーバンド図(模式図)が示される。
【0070】
図8(B)において黒丸(●)は電子を示す。ドレインに正の電位が印加されると、電子はバリア(h)を越えて酸化物半導体膜に注入され、ドレインに向かって流れる。この場合、バリア(h)の高さは、ゲート電圧とドレイン電圧に依存して変化するが、正のドレイン電圧が印加された場合には、電圧印加のない図8(A)のバリアの高さ、すなわちバンドギャップ(Eg)の1/2よりもバリアの高さ(h)は小さい値となる。
【0071】
このとき電子は、図9(A)で示すようにゲート絶縁膜と高純度化された酸化物半導体膜との界面における、酸化物半導体膜側のエネルギー的に安定な最低部を移動する。
【0072】
また、図9(B)において、ゲート電極(GE)に負の電位(逆バイアス)が印加されると、少数キャリアであるホールは実質的にゼロであるため、電流は限りなくゼロに近い値となる。
【0073】
また酸化物半導体のバンドギャップ(Eg)が3.15eVである場合、シリコンのEgよりも3倍程度の大きさになる。このようなEgを有する酸化物半導体はアバランシェ降伏が生じにくい。水素原子が低減された酸化物半導体膜を用いたトランジスタではドレイン電極に印加する電圧を、水素原子が低減されていない酸化物半導体膜を用いたトランジスタやシリコンを用いたトランジスタよりも大きくすることができる。
【0074】
以上のように、水素原子が低減された酸化物半導体膜5はトランジスタ15の動作を良好にする。
【0075】
次に表示装置の作製方法を説明する。
【0076】
プラズマCVD法またはスパッタリング法等により、基板1の上に下地膜となる絶縁膜2を形成する(図11(A))。絶縁膜2中に水素が多量に含まれないようにするためにスパッタリング法で成膜することが好ましい。
【0077】
例えば酸化珪素膜を形成する場合を説明する。水素、水、水酸基または水素化物(水素化合物ともいう。)などが除去された高純度酸素を含むスパッタガスを導入しシリコン半導体のターゲットを用いて、基板1上に酸化珪素膜を成膜する。基板1の温度は室温でもよいし、基板1を加熱していてもよい。
【0078】
その他、石英(好ましくは合成石英)を用い、基板温度108℃、ターゲットと基板の間の距離を60mm、圧力0.4Pa、高周波電源1.5kW、酸素及びアルゴン(酸素流量25sccm:アルゴン流量25sccm=1:1)雰囲気下でRFスパッタリング法により酸化珪素膜を成膜する。スパッタガスとして酸素または、酸素及びアルゴンの混合ガスを用いる。
【0079】
成膜室内の残留水分を除去しつつ絶縁膜2を成膜することが好ましい。絶縁膜2に水素、水、水酸基または水素化物などが含まれないようにするためである。
【0080】
処理室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素、水、水酸基または水素化物などが排気されるため、当該成膜室で成膜し絶縁膜2に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0081】
スパッタガスは水素、水、水酸基または水素化物などの不純物が、濃度ppm程度、濃度ppb程度まで除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0082】
スパッタリング法にはスパッタ用電源に高周波電源を用いるRFスパッタリング法と、DCスパッタリング法があり、さらにパルス的にバイアスを与えるパルスDCスパッタリング法もある。RFスパッタリング法は主に絶縁膜を成膜する場合に用いられ、DCスパッタリング法は主に金属膜を成膜する場合に用いられる。
【0083】
材料の異なるターゲットを複数設置できる多元スパッタ装置もある。多元スパッタ装置は、同一チャンバーで異なる材料膜を積層成膜することも、同一チャンバーで複数種類の材料を同時に放電させて成膜することもできる。
【0084】
チャンバー内部に磁石機構を備えたマグネトロンスパッタリング法を用いるスパッタ装置や、グロー放電を使わずマイクロ波を用いて発生させたプラズマを用いるECRスパッタリング法を用いるスパッタ装置がある。
【0085】
スパッタリング法を用いる成膜方法として、成膜中にターゲット物質とスパッタガス成分とを化学反応させてそれらの化合物薄膜を形成するリアクティブスパッタリング法や、成膜中に基板にも電圧をかけるバイアススパッタリング法もある。
【0086】
本明細書のスパッタリングにおいては、上記したスパッタリング装置及びスパッタリング方法を適宜用いることができる。
【0087】
絶縁膜2として窒化珪素膜と酸化珪素膜とを積層する場合、窒化珪素膜と酸化珪素膜を同じ成膜室において、共通のシリコンターゲットを用いて成膜する。先に窒素を含むスパッタガスを導入して、成膜室内に装着されたシリコンターゲットを用いて窒化珪素膜を形成し、次に酸素を含むスパッタガスに切り替えて同じシリコンターゲットを用いて酸化珪素膜を成膜する。窒化珪素膜と酸化珪素膜とを大気に曝露せずに連続して形成することができるため、窒化珪素膜表面に水素、水、水酸基または水素化物などの不純物が吸着することを防止することができる。
【0088】
絶縁膜2上に導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いてエッチングして第1のゲート電極3を形成する(図11(A))。導電膜に水素、水酸基または水分が含まれないようにするためスパッタリング法で成膜することが好ましい。第1のゲート電極3の端部はテーパ形状であると、後に積層する第1のゲート絶縁膜4の被覆性が向上するため好ましい。
【0089】
第1のゲート電極3の上に第1のゲート絶縁膜4を形成する。第1のゲート絶縁膜4に水素、水酸基または水分が含まれないようにするためスパッタリング法で成膜することが好ましい。そのために成膜の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室で第1のゲート電極3が形成された基板1を予備加熱し、基板1に吸着した水素、水、水酸基または水素化物などの不純物を脱離し排気することが好ましい。なお、予備加熱の温度としては、100℃以上400℃以下好ましくは150℃以上300℃以下である。なお、予備加熱室に設ける排気手段はクライオポンプが好ましい。なお、この予備加熱の処理は省略することもできる。
【0090】
例えば第1のゲート絶縁膜4として酸化シリコン膜を成膜する場合には、ターゲットとしてシリコンターゲットまたは石英ターゲットを用い、スパッタガスとして酸素または、酸素及びアルゴンの混合ガスを用いて行う。
【0091】
第1のゲート絶縁膜4上に酸化物半導体膜をスパッタリング法により形成する。スパッタリング法により成膜する前に、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、第1のゲート絶縁膜4の表面に付着している粉状物質(パーティクル、ゴミともいう)を除去することが好ましい。逆スパッタとは、ターゲット側に電圧を印加せずに、アルゴン雰囲気下で基板側に高周波電源を用いて電圧を印加して基板にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。
【0092】
酸化物半導体のターゲットを用いる。例えば、酸化亜鉛を主成分とする金属酸化物のターゲットを用いる。金属酸化物のターゲットの他の例としては、In、Ga、及びZnを含む酸化物半導体ターゲット(組成比として、In:Ga:ZnO=1:1:1[mol%]、すなわち、In:Ga:Zn=1:1:0.5[atom%])を用いることができる。また、In、Ga、及びZnを含む酸化物半導体ターゲットとして、In:Ga:Zn=1:1:1[atom%]、またはIn:Ga:Zn=1:1:2[atom%]の組成比を有するターゲットを用いることもできる。酸化物半導体ターゲットの充填率は90%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9%以下である。充填率の高い酸化物半導体ターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体膜は緻密な膜となる。SiOを2重量%以上10重量%以下含むターゲットを用いてもよい。
【0093】
希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、または希ガス(代表的にはアルゴン)及び酸素雰囲気下において、酸化物半導体膜を成膜する。
【0094】
スパッタガスは水素、水、水酸基または水素化物などの不純物が、濃度ppm程度、濃度ppb程度まで除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0095】
減圧状態に保持された成膜室内に基板1を保持し、成膜室内の残留水分を除去しつつ水素、水、水酸基または水素化物などの不純物が除去されたスパッタリングガスを導入し、上記ターゲットを用いて酸化物半導体膜を成膜する。成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子、水(HO)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物の濃度を低減できる。また、酸化物半導体膜成膜時に基板1を、例えば400℃未満の温度に加熱してもよい。
【0096】
成膜条件の一例としては、基板1の温度を室温とし、基板とターゲットの間の距離を110mm、圧力0.4Pa、直流(DC)電源0.5kW、酸素及びアルゴン(酸素流量15sccm:アルゴン流量30sccm)雰囲気下の条件が適用される。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、パーティクルが軽減でき、膜厚分布も均一となるために好ましい。酸化物半導体膜は好ましくは2nm以上200nm以下とする。なお、適用する酸化物半導体材料により適切な膜厚は異なり、材料に応じて適宜膜厚を選択すればよい。
【0097】
次に、酸化物半導体膜をフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いてエッチングを行い、酸化物半導体膜5を形成する(図11(A))。なお、酸化物半導体膜のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。
【0098】
ドライエッチングに用いるエッチングガスとしては、塩素を含むガス(塩素系ガス、例えば塩素(Cl)、塩化硼素(BCl)、塩化珪素(SiCl)、四塩化炭素(CCl)など)が好ましい。
【0099】
また、フッ素を含むガス(フッ素系ガス、例えば四弗化炭素(CF)、六弗化硫黄(SF)、三弗化窒素(NF)、トリフルオロメタン(CHF)など)、臭化水素(HBr)、酸素(O)、これらのガスにヘリウム(He)やアルゴン(Ar)などの希ガスを添加したガス、などを用いることができる。
【0100】
ドライエッチング法としては、平行平板型RIE(Reactive Ion Etching)法や、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いることができる。
【0101】
ウェットエッチングに用いるエッチング液としては、燐酸と酢酸と硝酸を混ぜた溶液又はアンモニア過水(31重量%過酸化水素水:28重量%アンモニア水:水=5:2:2)などを用いることができる。また、ITO07N(関東化学社製)を用いてもよい。
【0102】
酸化物半導体膜5に加熱処理(第1の加熱処理ともいう)を行ってもよい。加熱処理の温度は400℃以上750℃以下、好ましくは400℃以上、基板1の歪み点未満とする。加熱処理の時間は0.5時間−5時間でよい。加熱処理によって酸化物半導体膜5に含まれる水素原子を除去することができる。例えば電気炉にて酸化物半導体膜5に対して窒素雰囲気下450℃において1時間、又は650℃1時間の加熱処理を行った後、大気に触れさせないことで、酸化物半導体膜5への水素原子の再浸入を防ぐことができる。なお第1の加熱処理により、酸化物半導体膜5は結晶化する場合がある。650℃1時間の加熱処理を行った場合のTEM分析を実施例2に示す。
【0103】
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、酸化物半導体膜5を加熱する装置を備えていてもよい。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、酸化物半導体膜5を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。気体には、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって酸化物半導体膜5と反応しない不活性気体が用いられる。
【0104】
GRTAは酸化物半導体膜5を650℃〜700℃の高温に加熱した不活性ガス雰囲気にて2−5分間加熱する。GRTAを用いると短時間での高温加熱処理が可能となる。
【0105】
加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水素、水、水酸基または水素化物などが含まれないことが好ましい。または、加熱処理装置に導入する窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
【0106】
上述したように加熱処理の条件、または酸化物半導体膜の材料によっては、酸化物半導体膜は結晶化し、微結晶膜または多結晶膜となる場合もある。例えば、結晶化率が90%以上、または80%以上の微結晶の酸化物半導体膜となる場合もある。また、第1の加熱処理の条件、または酸化物半導体膜の材料によっては、結晶成分を含まない非晶質の酸化物半導体膜となる場合もある。また、非晶質の酸化物半導体の中に微結晶部(粒径1nm以上20nm以下(代表的には2nm以上4nm以下))が混在する酸化物半導体膜となる場合もある。
【0107】
また上記加熱処理の後に、水素、水、水酸基または水素化物などが含まれない酸素雰囲気下又は水素、水、水酸基または水素化物などが含まれない窒素及び酸素雰囲気下で、第2の加熱処理を行ってもよい。上記加熱処理により酸化物半導体膜5より酸素が除去される場合があるため、第2の加熱処理により酸化物半導体膜5に酸素を導入することができる。
【0108】
なお、次工程の導電膜を形成する前に逆スパッタを行い、酸化物半導体膜5及び第1のゲート絶縁膜4の表面に付着しているレジスト残渣などを除去することが好ましい。
【0109】
酸化物半導体膜5及び第1のゲート絶縁膜4上に導電膜をスパッタリング法にて形成する。導電膜に水素、水酸基及び水分がなるべく含まれないようにするために、成膜前に上記の前処理を行うことが好ましい。導電膜をフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いてエッチングを行い、電極6A(ソース電極及びドレイン電極の一方)、電極6B(ソース電極及びドレイン電極の他方)を形成する(図11(B))。
【0110】
次に、NO、N、またはArなどのガスを用いたプラズマ処理によって露出している酸化物半導体膜5の表面に付着した吸着水などを除去する。または酸素とアルゴンの混合ガスを用いてプラズマ処理を行う。
【0111】
プラズマ処理後、大気に触れることなく、酸化物半導体膜5、電極6A、電極6Bの上に第2のゲート絶縁膜7を形成する(図11(C))。酸化物半導体膜5が電極6A、電極6Bと接する領域以外の領域において、酸化物半導体膜5と第2のゲート絶縁膜7とが接する。また第2のゲート絶縁膜7は電極6A、電極6Bを覆う。
【0112】
第2のゲート絶縁膜7は、基板1を室温または100℃未満の温度に加熱した状態で、水素及び水分が除去された高純度酸素を含むスパッタガスを導入し、シリコン半導体のターゲットを用いて、例えば欠陥を含む酸化シリコン膜を成膜する。
【0113】
例えば、純度が6Nであり、ボロンがドープされたシリコンターゲット(抵抗値0.01Ωcm)を用い、ターゲットと基板の間の距離を89mm、圧力0.4Pa、直流(DC)電源6kW、酸素(酸素流量比率100%)雰囲気下でパルスDCスパッタリング法により酸化シリコン膜を成膜する。シリコンターゲットに代えて石英(好ましくは合成石英)を、酸化シリコン膜を成膜するためのターゲットとして用いることができる。スパッタガスとして酸素または、酸素及びアルゴンの混合ガスを用いて行う。
【0114】
この場合において、処理室内の残留水分を除去しつつ第2のゲート絶縁膜7を成膜することが好ましい。酸化物半導体膜5及び第2のゲート絶縁膜7に水素、水酸基または水分が含まれないようにするためである。処理室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。
【0115】
第2のゲート絶縁膜7と酸化物半導体膜5が接した状態で100℃乃至400℃で加熱処理を行ってもよい。第2のゲート絶縁膜7は欠陥を多く含む。加熱処理によって酸化物半導体膜5中に含まれる水素、水分、水酸基または水素化物などの不純物を第2のゲート絶縁膜7に拡散させ、酸化物半導体膜5中に含まれる水素原子をより低減させることができる。
【0116】
第2のゲート絶縁膜7の上に導電膜を形成する。フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて導電膜をエッチングして第2のゲート電極8を形成する(図11(C))。導電膜に水素、水酸基または水分が含まれないようにするためスパッタリング法で成膜することが好ましい。第2のゲート電極8と第1のゲート電極3とを電気的に接続する場合は、導電膜を形成する前に第2のゲート絶縁膜7及び第1のゲート絶縁膜4にコンタクトホールを形成する。コンタクトホールは第1のゲート電極3に達する。コンタクトホールを形成後、導電膜を形成する。導電膜から第2のゲート電極8を形成する。
【0117】
第2のゲート絶縁膜7上に平坦化膜として有機樹脂膜を形成する。有機樹脂膜はスピンコート法等により形成する。有機樹脂膜を選択的にエッチングして有機樹脂膜9を形成する(図12(A))。
【0118】
有機樹脂膜9及び第2のゲート絶縁膜7に電極6Bに達する開口を形成する。その開口に、画素電極10を形成する(図12(B))。画素電極10は電極6Bと電気的に接続する。
【0119】
画素電極10、第2のゲート電極8及び第2のゲート絶縁膜7の上には表示媒体が設けられる(図14(A)、15(A)、16(A)、22(A))。
【0120】
第2のゲート電極8及び第2のゲート絶縁膜7の上に、パッシベーション膜となる絶縁膜21を10nm−200nmの厚さで形成してもよい(図13)。絶縁膜21には酸化珪素膜、窒化珪素膜などを用いることができる。絶縁膜21は、基板1を室温または100℃未満の温度に加熱した状態で、水素及び水分が除去された高純度酸素を含むスパッタガスを導入しシリコン半導体のターゲットを用いて酸化珪素膜、窒化珪素膜などを成膜する。
【0121】
絶縁膜21上に平坦化膜として有機樹脂膜9を形成する。有機樹脂膜9、絶縁膜21及び第2のゲート絶縁膜7に電極6Bに達する開口を形成する。その開口に、画素電極10を形成する(図13)。画素電極10、絶縁膜21の上には表示媒体が設けられる(図14(B)、15(B)、16(B)、22(B))。
【0122】
以下、表示媒体として、液晶、EL、電子ペーパーを説明する。なお表示媒体は液晶、EL、電子ペーパーに限定されることはない。
【0123】
<液晶>
図14(A)は表示媒体が液晶の場合を示す。画素電極10の上に第1の配向膜22が設けられる。第1の配向膜22は第2のゲート電極8、第2のゲート絶縁膜7の上にも接して設けられる。第1の配向膜22の上には液晶層23が設けられる。液晶層23の上には第2の配向膜24が設けられる。液晶層23は第1の配向膜22及び第2の配向膜24に挟持される。第2の配向膜24の上には対向電極となる電極25が設けられ、電極25の上には対向基板となる基板26が設けられる。第1の配向膜22及び第2の配向膜24を設けなくても液晶層23が配向されるのであれば、第1の配向膜22及び第2の配向膜24を設けなくてもよい。セルギャップを維持するためにスペーサを設けてもよい。
【0124】
液晶表示に用いるモードはTN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。その他ブルー相モードを用いてもよい。
【0125】
第1の配向膜22、第2の配向膜24、電極25、基板26は公知の材料を用いる。
【0126】
第1の配向膜22、液晶層23、第2の配向膜24、電極25は公知の方法で作製する。
【0127】
上述のようにパッシベーション膜となる絶縁膜21を形成してもよい(図14(B))。絶縁膜21及び画素電極10の上に接して第1の配向膜22が設けられる。
【0128】
<EL>
図15(A)は表示媒体がELの場合を示す。画素電極10の上にEL層31が設けられる。EL層31の上には対向電極として電極32が設けられる。EL層31及び電極32は第2のゲート電極8及び第2のゲート絶縁膜7の上には設けなくてよい。第2のゲート電極8、第2のゲート絶縁膜7及び電極32の上には封止材33が接して設けられる。封止材33の上には封止基板として基板34が設けられる。
【0129】
EL層は有機EL層又は無機EL層に分類される。無機EL層の場合はさらに分散型無機ELと薄膜型無機ELに分類される。
【0130】
有機EL層の場合、EL層31は例えば正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等からなる。発光層にはホスト材料にドーパント材料が添加される。ドーパント材料にはリン光発光材料又は蛍光発光材料が用いられる。
【0131】
分散型無機ELの場合、EL層31は発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有する。薄膜型無機ELの場合、EL層31は発光層を誘電体層で挟み込む構成となる。
【0132】
封止材33としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。
【0133】
EL層31、電極32、封止材33、基板34は公知の材料が用いられる。またEL層31、電極32、封止材33は公知の方法で作製される。
【0134】
上述のようにパッシベーション膜となる絶縁膜21を形成してもよい(図15(B))。絶縁膜21及び電極32の上に接して封止材33が設けられる。
【0135】
<電子ペーパー>
図16(A)は表示媒体が電子ペーパーの場合を示す。図16(A)では、ツイストボール表示方式を用いている。ツイストボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を表示素子に用い、画素電極10及び電極44の間に配置し、画素電極10及び電極44に電位差を生じさせての球形粒子の向きを制御することにより、表示を行う方法である。
【0136】
画素電極10、第2のゲート電極8及び第2のゲート絶縁膜7の上に樹脂等の充填材43が接して設けられる。充填材43中には、キャビティ42を含む球形粒子が設けられる。キャビティ42は黒色領域41及び白色領域40を有する。充填材43の上には対向電極となる電極44が設けられる。電極44の上には対向基板となる基板45が設けられる。
【0137】
ツイストボール表示方式の代わりに、電気泳動表示方式を用いることも可能である(図22(A))。画素電極10、第2のゲート電極8及び第2のゲート絶縁膜7の上に電子インク層51が接して設けられる。電子インク層51の中には、正に帯電した白い微粒子と負に帯電した黒い微粒子とを封入した直径10μm〜200μm程度のマイクロカプセル52が設けられる。電子インク層51の上には対向電極となる電極53が設けられ、電極53の上には対向基板となる基板54が設けられる。
【0138】
充填材43、キャビティ42、電極44、基板45、電子インク層51、マイクロカプセル52、電極53、基板54は公知の材料を用いる。また充填材43、キャビティ42、電極44、電子インク層51、マイクロカプセル52、電極53は公知の方法で作製する。
【0139】
上述のようにパッシベーション膜となる絶縁膜21を形成してもよい(図16(B)、図22(B))。絶縁膜21及び画素電極10の上に接して充填材43又は電子インク層51が設けられる。
【0140】
表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0141】
図23(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機1100は、筐体1101に組み込まれた表示部1102の他、操作ボタン1103、外部接続ポート1104、スピーカ1105、マイク1106などを備えている。そして表示部1102には上記表示装置が設けられる。
【0142】
図23(B)は携帯型情報端末の一例である。携帯型情報端末は、筐体2800及び筐体2801の二つの筐体で構成されている。筐体2800には、表示パネル2802、スピーカ2803、マイクロフォン2804、ポインティングデバイス2806、カメラ用レンズ2807、外部接続端子2808などを備え、筐体2801には、キーボード2810、外部メモリスロット2811などを備えている。また、アンテナは筐体2801内部に内蔵されている。そして表示パネル2802には上記表示装置が設けられる。
【0143】
図24(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置9600は、筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601を支持した構成を示している。
【0144】
テレビジョン装置9600の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機9610により行うことができる。リモコン操作機9610が備える操作キー9609により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9603に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機9610に、当該リモコン操作機9610から出力する情報を表示する表示部9607を設ける構成としてもよい。そして表示部9603及び表示部9607には上記表示装置が設けられる。
【0145】
図24(B)は、デジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、デジタルフォトフレーム9700は、筐体9701に表示部9703が組み込まれている。表示部9703は、各種画像を表示することが可能であり、例えばデジタルカメラなどで撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。そして表示部9703には上記表示装置が設けられる。
【0146】
図25は携帯型遊技機であり、筐体9881と筐体9891の2つの筐体で構成されており、連結部9893により、開閉可能に連結されている。筐体9881には表示部9882が組み込まれ、筐体9891には表示部9883が組み込まれている。そして表示部9883には上記表示装置が設けられる。
【0147】
図26は、電子書籍の一例を示している。例えば、電子書籍2700は、筐体2701および筐体2703の2つの筐体で構成されている。筐体2701および筐体2703は、軸部2711により一体とされており、該軸部2711を軸として開閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0148】
筐体2701には表示部2705が組み込まれ、筐体2703には表示部2707が組み込まれている。表示部2705および表示部2707は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図26では表示部2705)に文章を表示し、左側の表示部(図26では表示部2707)に画像を表示することができる。
【0149】
また、図26では、筐体2701に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐体2701において、電源2721、操作キー2723、スピーカ2725などを備えている。操作キー2723により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングデバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、またはACアダプタおよびUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。さらに、電子書籍2700は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0150】
表示部2705及び表示部2707には上記表示装置が設けられる。
【実施例1】
【0151】
本実施例では、酸化物半導体膜のキャリア密度の求め方について、図17及び図18を用いて説明する。
【0152】
はじめに、CV(Capacitance−Voltage)測定に用いた試料の構造について、図17を用いて説明する。
【0153】
ガラス基板501上に厚さ300nmのチタン膜503をスパッタリング法により形成し、その上に厚さ100nmの窒化チタン膜505をスパッタリング法により形成した。
【0154】
窒化チタン膜505上に水素原子を低減した酸化物半導体膜507として、厚さ2000nmのIn−Ga−Zn−O膜をスパッタリング法により形成した。このときの堆積条件は、スパッタガスとして流量30sccmのAr、流量15sccmの酸素を用い、ターゲット及び基板間隔を60mmとし、直流(DC)電源0.5kW、堆積雰囲気温度を室温とした。
【0155】
次に、CVD法により厚さ300nmの酸化窒化シリコン膜509を形成し、その上に厚さ300nmの銀膜511を形成した。
【0156】
次に、当該試料を300KにおいてCV測定した結果を図18(A)に示し、図18(A)に示す測定結果から電圧に対するC−2の曲線を図18(B)に示す。ここで、試料の弱反転状態でのC−2の曲線の傾きを数式2に代入することで、キャリア密度を求めることができる。なお、図18(B)においてC−2の曲線を実線で示し、弱反転状態でのC−2の傾きを破線で示す。傾きは−1.96×1018−2−1であった。
【0157】
【数2】

【0158】
なお、eは電子一つあたりの電荷量、εは比誘電率、εは真空の誘電率、Nはキャリア密度である。
【0159】
数式2から、本実施例の酸化物半導体のキャリア密度は、6×1010cm−3であった。このことから、本実施例に示す酸化物半導体のキャリア密度が極めて低いことがわかる。
【実施例2】
【0160】
本実施例では、加熱処理により水素原子を低減した酸化物半導体膜について、TEM分析法を用いて解析した結果を説明する。
【0161】
はじめに試料の作製方法を説明する。
【0162】
基板601上にスパッタリング法により酸化物半導体膜を成膜した。
【0163】
ここでは、基板601として、EagleXG基板(コーニング社製)を用いた。酸化物半導体膜は、In:Ga:ZnO=1:1:1の酸化物半導体ターゲットを使用して、In−Ga−Zn−O膜603を堆積した。当該試料を比較例である試料Bとする。試料Bは水素原子が低減されていない。
【0164】
次に、In−Ga−Zn−O膜603に対して、電気炉を用い窒素ガス雰囲気中で650℃、1時間の加熱処理を行って水素原子を低減させた。加熱処理を行ったIn−Ga−Zn−O膜を酸化物半導体膜605とする。当該試料を試料Aとする。
【0165】
それぞれの試料の断面を高分解能透過電子顕微鏡(日立製作所製「H9000−NAR」:TEM)で加速電圧を300kVとし、結晶状態の観察を行った。図19に試料Aの断面写真を示し、図20に試料Bの断面写真を示す。なお、図19(A)、図20(A)は低倍写真(200万倍)、図19(B)、図20(B)は高倍写真(400万倍)である。
【0166】
図19に示す650℃で1時間、電気炉での加熱処理を行った試料Aは、その断面において、表層部に連続した格子像が観察された。特に図19(B)の高倍写真では、白枠で囲んだ領域に明瞭な格子像が観察され、揃った結晶の存在が示唆されている。このことから、650℃で1時間、電気炉での加熱処理においてIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜の表層部は結晶化し、結晶領域を有するようになることが明らかとなった。なお、表層部を除くその他の領域においては、連続した明瞭な格子像は観察されず、非晶質領域の所々に微結晶粒子が浮いている様子が確認された。微結晶の粒子サイズは2nm以上4nm以下であった。
【0167】
一方、図20(試料B)の断面写真からは膜厚方向のどの領域においても明瞭な格子像は観察されず、非晶質であることが確認された。
【0168】
次に、650℃で1時間、電気炉での加熱処理を行った試料Aの表層部の拡大写真を図21(A)に示し、結晶領域の電子線回折パターンを図21(B)に示す。表層部の拡大写真である図21(A)には、格子像が並ぶ方向を示した1〜5の矢印が示してあり、膜の表面に垂直に針状の結晶が成長していることがわかる。図21(B)、(C)、(D)、(E)、(F)に示す電子線回折パターンはそれぞれ、矢印番号の1、2、3、4、5の位置で観測されたもので、C軸方向の配向が確認されている。
【0169】
以上の解析結果により、650℃で1時間、電気炉での加熱処理を行った試料は、その表層部に結晶領域が存在することが確認できた。
【符号の説明】
【0170】
1 基板
2 絶縁膜
3 第1のゲート電極
4 第1のゲート絶縁膜
5 酸化物半導体膜
6A 電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)
6B 電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)
7 第2のゲート絶縁膜
8 第2のゲート電極
9 有機樹脂膜
10 画素電極
15 トランジスタ
20 画素
21 絶縁膜
22 第1の配向膜
23 液晶層
24 第2の配向膜
25 電極
26 基板
31 EL層
32 電極
33 封止材
34 基板
40 白色領域
41 黒色領域
42 キャビティ
43 充填材
44 電極
45 基板
51 電子インク層
52 マイクロカプセル
53 電極
54 基板
501 ガラス基板
503 チタン膜
505 窒化チタン膜
507 酸化物半導体膜
509 酸化窒化シリコン膜
511 銀膜
601 基板
603 In−Ga−Zn−O膜
605 酸化物半導体膜
1100 携帯電話機
1101 筐体
1102 表示部
1103 操作ボタン
1104 外部接続ポート
1105 スピーカ
1106 マイク
2700 電子書籍
2701 筐体
2703 筐体
2705 表示部
2707 表示部
2711 軸部
2721 電源
2723 操作キー
2725 スピーカ
2800 筐体
2801 筐体
2802 表示パネル
2803 スピーカ
2804 マイクロフォン
2806 ポインティングデバイス
2807 カメラ用レンズ
2808 外部接続端子
2810 キーボード
2811 外部メモリスロット
9600 テレビジョン装置
9601 筐体
9603 表示部
9605 スタンド
9607 表示部
9609 操作キー
9610 リモコン操作機
9700 デジタルフォトフレーム
9701 筐体
9703 表示部
9881 筐体
9891 筐体
9893 連結部
9882 表示部
9883 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のゲート電極と、
前記第1のゲート電極の上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体膜と、
前記酸化物半導体膜の上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、を有し、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は前記酸化物半導体膜に電気的に接続され、
前記ソース電極、前記ドレイン電極及び前記酸化物半導体膜の上に設けられた第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜の上に設けられた第2のゲート電極と、を有し、
前記第2のゲート絶縁膜の上に設けられた平坦性を有する有機樹脂膜と、
前記平坦性を有する有機樹脂膜の上に設けられた画素電極と、を有し、前記画素電極は前記ソース電極及び前記ドレイン電極の一方と電気的に接続され、
前記第2のゲート電極及び前記画素電極の上に接して設けられた第1の配向膜と、
前記第1の配向膜の上に設けられた液晶層と、
前記液晶層の上に設けられた第2の配向膜と、
前記第2の配向膜の上に設けられた対向電極と、
前記対向電極の上に設けられた対向基板と、を有し、
前記酸化物半導体膜は二次イオン質量分析法で検出される水素原子の濃度が1×1016cm−3未満であることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
第1のゲート電極と、
前記第1のゲート電極の上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体膜と、
前記酸化物半導体膜の上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、を有し、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は前記酸化物半導体膜に電気的に接続され、
前記ソース電極、前記ドレイン電極及び前記酸化物半導体膜の上に設けられた第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜の上に設けられた第2のゲート電極と、を有し、
前記第2のゲート絶縁膜の上に設けられた平坦性を有する有機樹脂膜と、
前記平坦性を有する有機樹脂膜の上に設けられた画素電極と、を有し、前記画素電極は前記ソース電極及び前記ドレイン電極の一方と電気的に接続され、
前記画素電極上に設けられたEL層と、
前記EL層の上に設けられた対向電極と、
前記第2のゲート電極及び前記対向電極の上に接して設けられた封止材と、
前記封止材の上に設けられた対向基板と、を有し、
前記酸化物半導体膜は二次イオン質量分析法で検出される水素原子の濃度が1×1016cm−3未満であることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
第1のゲート電極と、
前記第1のゲート電極の上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体膜と、
前記酸化物半導体膜の上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、を有し、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は前記酸化物半導体膜に電気的に接続され、
前記ソース電極、前記ドレイン電極及び前記酸化物半導体膜の上に設けられた第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜の上に設けられた第2のゲート電極と、を有し、
前記第2のゲート絶縁膜の上に設けられた平坦性を有する有機樹脂膜と、
前記平坦性を有する有機樹脂膜の上に設けられた画素電極と、を有し、前記画素電極は前記ソース電極及び前記ドレイン電極の一方と電気的に接続され、
前記第2のゲート電極及び前記画素電極の上に接して設けられた充填材と、を有し、前記充填材にはキャビティを含む球形粒子が設けられ、前記キャビティは黒色領域及び白色領域を有し、前記キャビティの周囲は液体で満たされ、
前記酸化物半導体膜は二次イオン質量分析法で検出される水素原子の濃度が1×1016cm−3未満であることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
第1のゲート電極と、
前記第1のゲート電極の上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体膜と、
前記酸化物半導体膜の上に設けられたソース電極及びドレイン電極と、を有し、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は前記酸化物半導体膜に電気的に接続され、
前記ソース電極、前記ドレイン電極及び前記酸化物半導体膜の上に設けられた第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜の上に設けられた第2のゲート電極と、を有し、
前記第2のゲート絶縁膜の上に設けられた平坦性を有する有機樹脂膜と、
前記平坦性を有する有機樹脂膜の上に設けられた画素電極と、を有し、前記画素電極は前記ソース電極及び前記ドレイン電極の一方と電気的に接続され、
前記第2のゲート電極及び前記画素電極の上に接して設けられた電子インク層と、を有し、前記電子インク層には、正に帯電した白い微粒子と負に帯電した黒い微粒子とが封入されたマイクロカプセルが設けられ、
前記酸化物半導体膜は二次イオン質量分析法で検出される水素原子の濃度が1×1016cm−3未満であることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−139047(P2011−139047A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266450(P2010−266450)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】