説明

運転支援装置、運転支援方法および運転支援プログラム

【課題】スロットル制御が解除されたときに、運転者自身のアクセルペダルの踏み込み量から予測される車両の挙動と実際の車両の挙動とがスムーズに合致しないと感じることがあった。
【解決手段】自車両のアクセルペダルの位置と駆動源の出力の調整量とについて予め設定された対応関係を適用せずに前記調整量を制御し、前記対応関係を適用せずに前記調整量が制御されることによって前記自車両が基準車速で走行する基準車速走行区間の終了地点を、前記自車両が通過したか否かを判定し、前記自車両が前記終了地点を通過したと判定されると、通過した時点での実際の調整量に対して前記対応関係を適用した場合のアクセルペダルの位置と、通過した時点での実際のアクセルペダルの位置と、のずれを解消する方向に前記アクセルペダルを駆動するための制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転支援を行う運転支援装置、運転支援方法および運転支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者によってアクセルペダルの踏み込み操作がされているときに、スロットル制御(アクセルペダルの位置とスロットル開度とについて予め決められた対応関係とは無関係にスロットル開度を変える制御)を実施することによって車速を調節する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−50597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術においては、アクセルペダルの位置に対する実際のスロットル開度が、予め決められた対応関係に基づくスロットル開度と異なる状態であるときにこのスロットル制御を解除すると、運転者が違和感を感じることがあった。すなわち、当該スロットル制御が解除されたときに、運転者自身のアクセルペダルの踏み込み量から予測される車両の挙動と実際の車両の挙動とがスムーズに合致しないと感じることがあった。より具体的には例えば、アクセルペダルの位置に対する実スロットル開度を前記対応関係に基づくスロットル開度より小さくするスロットル制御が解除されたとき、運転者はアクセルペダルの踏み込み量を変化させていないのにも関わらず急に加速することがあり、運転者は違和感を感じることがあった。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、スロットル制御を終了する際に運転者が感じる違和感を低減することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明においては、自車両のアクセルペダルの位置と駆動源の出力の調整量とについて予め設定された対応関係を適用せずに前記調整量を制御することによって前記自車両を基準車速で走行させる基準車速走行区間の終了地点を、前記自車両が通過したか否かを判定し、前記自車両が前記終了地点を通過したと判定されると、通過した時点での実際の調整量に対して前記対応関係を適用した場合のアクセルペダルの位置と、通過した時点での実際のアクセルペダルの位置と、のずれを解消する方向に前記アクセルペダルを駆動するための制御を行う。この構成によると、前記対応関係を適用しない走行から前記対応関係を適用する走行に切り換わる際に、運転者が感じる違和感を低減することができる。すなわち、基準車速走行区間の終了地点を通過したときに、アクセルペダルの踏み込み量から予測される車両の挙動と実際の車両の挙動とが合致しないことに起因する違和感を低減することができる。
【0006】
調整量制御手段においては、自車両のアクセルペダルの位置と駆動源の出力の調整量とについて予め設定された対応関係を適用せずに前記調整量を制御することが少なくともできればよい。駆動源の出力の調整量は、車両を駆動するための駆動源の出力を調整するためのパラメータであり、例えば、エンジンのスロットル開度、車輪を駆動するモータにかける電圧等を想定してよい。調整量制御手段は、所謂ドライブ・バイ・ワイヤ方式の機構に適用されるものであり、前記対応関係に基づいてアクセルペダルの位置(踏み込み量)に対応する調整量を決定し、当該調整量にて駆動源を動作させる機能と、前記対応関係を適用せずに(アクセルペダルの位置とは無関係に)調整量を決定し当該調整量にて駆動源を動作させる機能とを備えている。
【0007】
走行位置判定手段においては、少なくとも、前記対応関係を適用せずに前記調整量が制御されることによって、自車両が基準車速で走行する基準車速走行区間の終了地点を、自車両が通過したか否かを判定することができればよい。基準車速走行区間はある基準車速にて車両を走行させる区間として予め定められた道路区間であり、自車両の現在位置を特定し、現在位置と当該道路区間を示す位置情報に基づいて基準車速走行区間の終了地点を通過したか否かを判定することができる。基準車速は、当該基準車速走行区間に対して予め対応付けられた基準車速を取得してもよいし、当該基準車速走行区間やその前後の道路を示す情報に基づいて基準車速を決定してもよい。また、基準車速は、一定の速度であってもよいし、一定でなくてもよい。後者の場合は、例えばある所定位置を目標とする車速で通過するために一定の加速度や減速度で加速あるいは減速する際の、所定位置までの各位置における車速として規定されたものであってもよい。
【0008】
ずれ解消制御手段においては、自車両が前記終了地点を通過したと判定されると、通過した時点での実際の調整量に対して前記対応関係を適用した場合のアクセルペダルの位置と、通過した時点での実際のアクセルペダルの位置と、のずれを解消する方向にアクセルペダルを駆動するための制御を行う。すなわち、ずれ解消制御手段においては、アクセルペダルの位置を運転者の踏み込みに応じて変化させるのではなくて、前記ずれを解消するために、運転者の踏み込みに反してあるいは運転者の踏み込みと無関係に、アクセルペダルの位置を変化させる。ずれ解消制御手段は、前記ずれが解消するとアクセルペダルを駆動する制御を終了し、それ以降運転者がアクセルペダルを通常通り操作できるようにする。アクセルペダルの位置が変化するように制御するアクセルペダル駆動部は、例えば、アクセルペダルの位置を検出する位置センサや、アクセルペダルを駆動するアクチュエータなどを備えている。
【0009】
さらに本発明において、前記調整量制御手段は、自車両が前記終了地点を通過したと判定されると、通過した時点での実際のアクセルペダルの位置に対して前記対応関係を適用した場合の調整量と、通過した時点での実際の調整量と、の差分を解消する方向に前記調整量を制御してもよい。この構成によると、調整量も前記差分を解消する方向に増加または減少させるように制御するので、アクセルペダルの駆動速度が同じであればアクセルペダルだけ前記ずれを解消する方向に駆動する場合より、早くずれおよび差分を解消できる。なおかつ、ずれが解消するまでずれ解消制御手段によって駆動されるアクセルペダルの駆動量を少なくすることができるため、違和感を少なくスムーズにずれを解消させることができる。
【0010】
さらに本発明において、前記ずれ解消制御手段は、自車両が前記終了地点を通過した時点での実際のアクセルペダルの位置が、アクセルペダルが踏み込まれていない状態での初期位置を基準にしてより遠い位置であるほど、アクセルペダルの駆動速度を大きくしてもよい。すなわち、終了地点を通過した時点でのアクセルペダルの踏み込み量が多いときは、当該時点でのアクセルペダルの踏み込み量が少ないときより、アクセルペダルを速く動作させる。当該時点でのアクセルペダルの踏み込み量が少ないときは、当該時点でのアクセルペダルの踏み込み量が多いときよりゆっくりアクセルペダルを動作させてずれを解消させる。これは、アクセルペダルを駆動してずれを解消する動作が運転者に与える違和感をなるべく低減するためである。なお、さらに、終了地点を通過した時点での実際のアクセルペダルの位置と、通過した時点での実際の調整量に対して前記対応関係を適用した場合のアクセルペダルの位置と、のずれが大きいほど、すなわち、実際のアクセルペダルの位置に対して前記対応関係を適用した場合のスロットル開度と、実際のスロットル開度との差分が大きいほど、駆動速度を大きくするようにしてもよい。
【0011】
さらに本発明において、前記走行位置判定手段は、自車両が前記基準車速走行区間の開始地点を通過したか否かを判定してもよい。この場合、運転支援装置はさらに、自車両が前記開始地点を通過する以前に、自車両が前記基準車速にまで減速するように前記調整量を制御させる減速制御手段と、自車両が前記開始地点を通過後、前記基準車速走行区間を走行する間は、前記基準車速で自車両が走行するように前記調整量を制御させる基準車速走行制御手段と、を備えてもよい。すなわち、基準車速走行区間までは調整量制御手段による駆動源の出力の調整量の制御により自車両を基準車速にまで減速させ、基準車速走行区間においても調整量制御手段の制御により自車両を基準速度で走行させ、基準車速走行区間の終了地点を通過した時点から、上述のように前記ずれや前記差分を解消させることにより、基準車速走行区間およびその前後の道路の走行に際して、スムーズに減速、速度維持、加速を行うことができる。
【0012】
さらに本発明において、前記基準車速走行区間はカーブ区間であってもよく、この場合、前記基準車速は一定の車速であってもよい。カーブ区間を一定の車速で走行するために駆動源の出力の調整量が前記対応関係と無関係に制御されている状態で、当該カーブ区間の終了地点を過ぎたとき、アクセルペダルの踏み込み量から予測される車両の挙動と実際の車両の挙動とが合致しないことに起因する違和感を低減することができる。
【0013】
なお、本発明のように、実際の調整量に対して前記対応関係を適用した場合のアクセルペダルの位置と、実際のアクセルペダルの位置と、のずれを解消する方向にアクセルペダルを駆動する手法は、この処理を行うプログラムや方法としても適用可能である。また、以上のような運転支援装置、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、運転支援装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーション装置の構成:
(2)運転支援処理:
(3)他の実施形態:
【0015】
(1)ナビゲーション装置の構成:
図1は、本発明にかかる運転支援装置を含むナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20と記憶媒体30とを備えており、記憶媒体30やROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとしてナビゲーションプログラム21を実施可能であり、当該ナビゲーションプログラム21は、その機能の一つとして、カーブ区間の走行に際した運転支援を実施する機能を備えている。
【0016】
自車両(ナビゲーション装置10が搭載された車両)には、ナビゲーションプログラム21による上記の機能を実現するために、GPS受信部40、車速センサ41、ジャイロセンサ42、アクセルペダル駆動部43、変速部44、制動部45、スロットル制御部46が備えられており、これらの各部と制御部20とが協働することによってナビゲーションプログラム21による機能を実現する。
【0017】
GPS受信部40は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して自車両の現在位置を算出するための信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して自車両の現在位置を取得する。車速センサ41は、自車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、自車両の速度を取得する。ジャイロセンサ42は、自車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、自車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、自車両の走行方向を取得する。車速センサ41およびジャイロセンサ42は、GPS受信部40の出力信号から特定される自車両の現在位置を補正するためなどに利用される。また、自車両の現在位置は、後述する地図情報30aと照合することにより適宜補正される。
【0018】
アクセルペダル駆動部43は、アクセルペダルの位置を検出する位置センサや、アクセルペダルを当該ペダルの可動範囲内において駆動するアクチュエータなどを備えている。アクセルペダル駆動部43は、検出したアクセルペダルの位置を示す情報を出力する。制御部20は、この情報を取得し、アクセルペダルの位置(踏み込み量)を特定する。また、アクセルペダル駆動部43は、制御部20からアクセルペダルの位置を変化させる指示を受けると、アクチュエータを制御して指示された位置にアクセルペダルを駆動する。
【0019】
変速部44は、例えば前進について計6速、後進について計1速等の複数の変速段を有する自動変速機を備えており、各変速段に対応した変速比で回転数を調整しながらエンジンの駆動力を自車両の車輪に伝達することができる。制御部20は図示しないインタフェースを介して変速段を切り換えるための制御信号を出力し、変速部44は当該制御信号を取得して変速段を切り換えることが可能である。本実施形態においては、前進1速〜前進6速のように変速段がハイギアになるにつれて変速比が小さくなるように構成されている。
【0020】
制動部45は、自車両の車輪に搭載されたブレーキによる減速の程度を調整するホイールシリンダの圧力を制御する装置を含み、制御部20は当該制動部45に対して制御信号を出力してホイールシリンダの圧力を調整させることが可能である。従って、制御部20が当該制動部45に対して制御信号を出力してホイールシリンダの圧力を増加させると、ブレーキによる制動力が増加し、自車両が減速される。
【0021】
スロットル制御部46は、自車両に搭載されたエンジンに供給する空気の量を調整するためのスロットルバルブを制御する装置を含み、アクセルペダル駆動部43が検出したアクセルペダルの位置に対応してスロットルバルブの開度(以下、スロットル開度という)を調整する。スロットル制御部46は、所謂ドライブ・バイ・ワイヤ方式でスロットル開度を調整可能であり、制御部20が当該スロットル制御部46に対して出力した制御信号に基づいてスロットル開度を調整することができる。従って、制御部20が当該スロットル制御部46に対して制御信号を出力して吸気量を増加させると、エンジンの回転数が増加する。なお、制御部20は変速部44およびスロットル制御部46に対する制御指示を行う構成であるため、当該制御部20においては変速部44によって設定された現在の変速比とスロットル制御部46によって設定された現在のスロットル開度を取得することができる。
【0022】
制御部20は、ナビゲーションプログラム21を実行することにより、GPS受信部40の出力情報や後述する地図情報等に基づいて車両の経路探索等を行い、図示しない表示部やスピーカを介して経路案内等を行う。また、カーブ区間の走行に際した運転支援を実現するため、ナビゲーションプログラム21は走行位置判定部21aと減速制御部21bと基準車速走行制御部21cとずれ解消制御部21dと調整量制御部21eとを備えている。
【0023】
また、記憶媒体30には、ナビゲーションプログラム21による上述の機能を実施するため地図情報30aが記憶されている。地図情報30aは、車両が走行する道路上に設定されたノードを示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ、道路やその周辺に存在する地物を示すデータ等を含み、自車両の現在位置の特定や、目的地までの経路探索、目的地への経路案内、カーブ区間の走行に際した運転支援等に利用される。
【0024】
本実施形態においては、基準車速走行区間としてのカーブ区間(一定半径の区間)を通過する以前に基準車速(本実施形態では一定の車速)まで減速し、カーブ区間では当該基準車速を維持するように走行するように構成されている。そのため、カーブ区間およびその前後の道路を示す情報が地図情報30aに含まれている。図2は、カーブ区間Zrの例を示す図であり、自車両Cが破線で示すカーブ区間Zrに向かって走行している状態を示している。本実施形態においては、カーブ区間Zrの開始地点Rsに相当するノードデータに当該カーブ区間Zrの開始地点Rsであることを示す情報が対応付けられ、カーブ区間Zrの終了地点Reに相当するノードデータに当該カーブ区間Zrの終了地点Reであることを示す情報が対応付けられている。また、当該開始地点Rsと終了地点Reとの間の道路形状を示す形状補間データはカーブ区間Zrの円弧上の位置を示すデータであり、当該形状補間データに基づいてカーブ区間Zrにおける一定の半径Rおよび当該半径Rの区間を一定の車速で走行する際の車速(基準車速Vreq)を特定することができる。本実施形態においては、カーブ区間Zrの開始地点Rsと終了地点Reとその間の形状補間点を示す情報をカーブ区間情報30a1と呼ぶ。
【0025】
また、上述のカーブ区間Zr以前の区間においては、当該カーブ区間Zrを通過する前に減速を行うための減速区間Zd(図2において一点鎖線で示す区間)が設定されており、本実施形態においては、減速区間Zdの開始地点Caに相当するノードデータに当該減速区間Zdの開始地点Caであることを示す情報が対応付けられている。なお、本実施形態において、減速区間Zdの終了地点はカーブ区間Zrの開始地点Rsと一致し、減速区間Zdの開始地点Caとカーブ区間Zrの開始地点Rs(減速区間Zdの終了地点)との間の形状は形状補間データによって示される。また、減速区間Zdの開始地点Caと終了地点Rsとの位置を示す情報に基づいて減速区間Zdの距離Lを特定することができる。本実施形態においては、減速区間Zdの開始地点Caと終了地点Rsと、それらの間の道路形状を示す形状補間データを示す情報を減速区間情報30a2と呼ぶ。
【0026】
走行位置判定部21aは、自車両の進路上にあるカーブ区間に対する自車両の位置を判定する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、自車両の現在位置を特定し、自車両がカーブ区間Zrの手前の減速区間Zdの開始地点Caを通過したかどうか、そして、カーブ区間Zrの開始地点Rsを通過したかどうか、さらに、カーブ区間Zrの終了地点Reを通過したかどうかを判定する機能を有する。
【0027】
調整量制御部21eは、自車両のアクセルペダルの位置と駆動源の出力の調整量としてのスロットル開度とについて予め設定された対応関係を適用せずにスロットル開度を制御する機能を制御部20に実現させるモジュールである。図3は、この対応関係の一例を示すグラフであってスロットル開度(%)とアクセルペダルの位置(%)の対応関係を示している。横軸のアクセルペダルの位置は、右に行くほど踏み込み量が多く、0%はアクセルペダルが踏み込まれていない状態でアクセルペダルが初期位置にあることを示している。縦軸のスロットル開度は、0%で全閉を100%で全開を示している。図3に示すように、スロットル開度とアクセルペダルの位置との対応関係には、アクセルペダルの操作に対して反応しない若干の余裕領域(あそび)が設定されている。調整量制御部21eは、前記対応関係を参照してアクセルペダルの位置(踏み込み量)に対応するスロットル開度を取得し、当該スロットル開度を示す情報をスロットル制御部46に出力し、エンジンの回転数を調整する機能と、前記対応関係を適用せずにスロットル開度を決定し当該スロットル開度にてエンジンの回転数を調整する機能とを備えている。
【0028】
減速制御部21bは、カーブ区間の開始地点を通過する以前に、自車両が基準車速にまで減速するように調整量制御部21eにスロットル開度を制御させる機能を制御部20に実現させるモジュールである。本実施形態では、減速区間Zdの開始地点Caを通過した後、カーブ区間Zrの開始地点Rsまでの減速区間Zdにて自車両を基準車速まで減速させる。本実施形態においては、その減速の際に、少なくとも前述の調整量制御部21eによるスロットル制御(全閉あるいはスロットル開度を減速制御開始以前より小さくする)を実施する。もちろん、制御部20は変速部44や制動部45に減速指示を出力して、変速機のシフトダウンやブレーキによる制動が併用されてもよい。
【0029】
基準車速走行制御部21cは、自車両がカーブ区間を走行する間は、基準車速で自車両が走行するように調整量制御部21eにスロットル開度を制御させる機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、地点Rsを通過後、地点Reまでのカーブ区間Zrを走行する間は、前述の調整量制御部21eによるスロットル制御を実施することによって、基準車速を維持するように車両を走行させる。
【0030】
ずれ解消制御部21dは、カーブ区間を通過した時点での実際のスロットル開度に対して前記対応関係を適用した場合のアクセルペダルの位置と、通過した時点での実際のアクセルペダルの位置と、のずれを解消する方向にアクセルペダルを駆動させる機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、ずれ解消制御部21dにおいては、アクセルペダルの位置を運転者の踏み込みに応じて変化させるのではなくて、前記ずれを解消するために、アクセルペダル駆動部43を制御して、運転者の踏み込みに反してあるいは運転者の踏み込みと無関係に、アクセルペダルの位置を変化させる。また、ずれ解消制御部21dでは、前記ずれが解消するとアクセルペダル駆動部43に対する駆動制御を終了し、それ以降運転者がアクセルペダルを通常通り踏み込めるようにする。
以上、ナビゲーション装置10の構成を説明した。
【0031】
(2)運転支援処理:
次に、以上の構成においてナビゲーション装置10が実施する運転支援処理を説明する。ナビゲーション装置10によってナビゲーションプログラム21が実行されているとき、当該ナビゲーションプログラム21が備える各モジュールの機能によって図4に示す運転支援処理が実行される。図4に示す処理は、所定時間経過ごとに繰り返し制御部20によって実行される。
【0032】
はじめに、制御部20は、走行位置判定部21aの処理を実行することにより、自車両の現在位置と現在車速Vcとを取得し(ステップS100)、地図情報30aを参照して自車両の現在位置から前方の所定範囲の道路情報を取得し(ステップS105)、取得した道路情報に基づいて減速区間Zdの開始地点Caを通過したか否かを判定する(ステップS109)。減速区間Zdの開始地点Caを通過したと判定されると、制御部20は、カーブ区間Zrの開始地点Rsを通過したか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、制御部20は、GPS受信部40等の出力信号に基づいて自車両の現在位置を取得し、道路情報を参照して現在位置の前方の所定範囲にカーブ区間が存在するか検索する。そして、カーブ区間が存在する場合には、そのカーブ区間に関するカーブ区間情報30a1、減速区間情報30a2を取得する。そして、これらのカーブ区間情報30a1と減速区間情報30a2とを参照して、減速区間Zdの開始地点Caの位置と、カーブ区間Zrの開始地点Rsの位置を取得し、自車両が減速区間Zdの開始地点Caを通過したか否かを判定し、通過した場合はさらにカーブ区間Zrの開始地点Rsの位置を通過したか否かを判定する。自車両が減速区間Zdの開始地点Caを未通過である場合は、ステップS110に進まずに一旦運転支援処理が終了し所定時間経過後に再びステップS100から処理が実行される。
【0033】
ステップS110にて自車両が地点Rsを通過したと判定されない場合は、制御部20は減速制御部21bの処理を実行することにより、カーブ区間Zrを走行する際の基準車速Vreqを取得し(ステップS115)、地点Rs通過時の車速が基準車速Vreqになるように減速制御を実施する(ステップS120)。具体的には、カーブ区間情報30a1を参照してカーブ区間Zrの半径Rを特定し、当該半径Rの区間を、予め設定された横加速度Gt(例えば、0.2G)にて一定車速で走行するための車速(Gt・R)1/2を基準車速Vreqとして取得する。そして、例えば、現在位置と地点Rsまでの距離Lcにて自車両の現在車速Vcを基準車速Vreqとするための必要減速度Gr(自車両の進行方向を正とした場合の負の加速度)を、例えば、等加速度運動を想定し、Gr=(Vreq−Vc)/(2Lc)などとして取得する。そして必要減速度Grで示される減速動作に自車両の実際の減速動作が近似するように自車両を減速させる。
【0034】
ステップS110にて自車両が地点Rsを通過したと判定された場合、制御部20は走行位置判定部21aの処理により、カーブ区間Zrの終了地点Reを自車両が通過したか否かを判定する(ステップS125)。ステップS125にて地点Reを通過したと判定されない場合、制御部20は、基準車速走行制御部21cの処理(基準車速走行制御処理)を実行する(ステップS130)。
【0035】
図5は、基準車速走行制御処理を示すフローチャートである。まず、制御部20は、アクセルペダルが踏み込まれている状態か否かを判定し(ステップS200)、踏み込まれている状態でなければ基準車速走行制御処理を終了する。具体的には、制御部20はアクセルペダルの位置を示す情報を取得し、アクセルペダルが踏み込まれているか否かを判定する。ステップS200にてアクセルペダルが踏み込まれていると判定された場合、制御部20は、自車両の現在車速Vcが基準車速Vreqを超えているか否かを判定し(ステップS205)、超えている場合は、調整量制御部21eの処理を実行することによりスロットル開度を全閉させ(ステップS210)、超えていない場合は、調整量制御部21eの処理を実行することによりスロットル開度を基準車速に基づく開度に設定する(ステップS215)。
【0036】
本実施形態においてナビゲーション装置10は、基準車速とされる車速ごとに、変速段と当該車速で車両を走行させる際のスロットル開度との関係を示す情報を有している。図6は、変速段と、自車両を基準車速Vreqで走行させる場合に必要なスロットル開度と、の関係の例を示したグラフである。例えば、図6に示すスロットル開度Xth%は、カーブ区間Zrの開始地点Rsを通過した時点の変速段が4速である場合に、カーブ区間Zrを4速で基準車速Vreqを維持して走行するために必要なスロットル開度であることを示しており、この場合にステップS215では、Xth%だけスロットルバルブが開かれる。図7は、以上のような基準車速走行制御処理が所定時間経過ごとに繰り返される結果、カーブ区間Zrにて、スロットル開度0%(全閉)とXth%とが繰り返されることによって、自車両の車速Vcが基準車速Vreq±所定範囲の間で推移することを示した図である。
以上、基準車速走行制御処理について説明した。運転支援処理の説明に戻る。
【0037】
次に、ステップS125にて自車両が地点Rsを通過したと判定された場合、制御部20は、ずれ解消制御部21dの処理(ずれ解消制御処理)を実行する(ステップS135)。図8は、ずれ解消制御処理を示すフローチャートである。まず、制御部20は、アクセルペダルの位置を取得し、現在のアクセルペダルの位置に基づいてアクセルペダルの駆動速度を決定する(ステップS300)。次に制御部20は、当該駆動速度にてアクセルペダルを駆動して位置のずれを解消する方向にペダル位置を戻すとともに、調整量制御部21eの処理によりスロットルバルブをスロットル開度の差分を解消する方向に戻す(ステップS305)。そして、制御部20は実際のアクセルペダルの位置に対応したスロットル開度と実際のスロットル開度とが一致したか否かを判定し(ステップS310)、一致するまでステップS305の処理を繰り返す。一致した場合はずれ解消制御処理を終了するとともに運転支援処理の実行も終了される。その結果、一致して以降は、運転者の踏み込み操作によって変化するペダル位置と実際のスロットル開度について前記対応関係が適用される。なお、このずれ解消制御処理が実行される間は、アクセルペダル駆動部43によってアクセルペダルの位置を制御するため、運転者がアクセルペダルを踏み込む動作やアクセルペダルを離す動作をしても、それらの動作に従ったアクセルペダルの位置変化がおきないように制御される。
【0038】
図9Aおよび図9Bは、自車両が地点Reを通過する前後における実際のスロットル開度の推移(二点鎖線で示す)と、実際のアクセルペダルの位置に対して図3に示す対応関係を適用した場合のスロットル開度の推移(一点鎖線で示す)の例を示す図である。図7に示すように、制御部20は、カーブ区間Zrにおいてはスロットル開度を0%とXth%とで繰り返すことにより、車速Vcを基準車速Vreqで維持するようにしているので、図9Aおよび図9Bに示すように、地点Re通過以前では実際のスロットル開度(二点鎖線)と、実際のアクセルペダルの位置に対して前記対応関係を適用した場合のスロットル開度(一点鎖線)とに差分が生じている。
【0039】
図9Aの例は、地点Reを通過した時点での実際のアクセルペダルの位置が図3に示すYp%であり、当該時点での実際のスロットル開度がXth%であることを示している。図9Bの例は、地点Reを通過した時点での実際のアクセルペダルの位置が図3に示すZp%であり、当該時点での実際のスロットル開度がXth%であることを示している。ステップS300において、制御部20は、地点Reを通過した時点での実際のアクセルペダルの位置に基づいて駆動速度を決定する。本実施形態においては、アクセルペダルの位置が初期位置から遠い位置であるほど、大きい駆動速度(単位時間あたりのアクセルペダルの位置変化量)が選択される。図9Aの例と図9Bの例とを比較した場合、地点Re通過時点での実際のアクセルペダルの位置は、図9Bの場合の方が初期位置を基準にしてより遠い(図3参照)。すなわち図9Bの方が図9Aより地点Reにおいてはアクセルペダルをより多く踏み込んでいる。そのため、図9Bの場合の駆動速度は図9Aの場合の駆動速度より大きい値が選択される。その結果、アクセルペダルの踏み込み量が多いときは、アクセルペダルの踏み込み量が少ないときより、アクセルペダルを速く動作させ、アクセルペダルの踏み込み量が少ないときは、アクセルペダルの踏み込み量が多いときよりゆっくりアクセルペダルを動作させてずれを解消させる。これは、アクセルペダルを駆動してずれを解消する動作が運転者に与える違和感をなるべく低減するためである。具体的には、アクセルペダルが多く踏み込まれているときは、運転者は速く加速したいという意志を持っていると判断できるため、その場合は速くずれを解消して速度制御の主導権を速く運転者に移すようにするためである。
なお、予め決められた所定時間を基準にずれ解消制御を行うようにし、地点Reを通過してから当該時間経過したときに速度制御の主導権を運転者に移すようにしてもよい。例えば、ずれ解消制御時間を図9Bの場合も図9Aと同じ時間幅にしてもよい。図9Aと同じ時間幅のずれ解消制御時間とする場合、同じにしない場合の図9Bにおける駆動速度よりも、駆動速度が小さく(傾きが緩やかに)なるが、アクセルペダルの踏み込み量の多少によらず速度制御の主導権を移すタイミングが同じになる。また、予め決められた所定距離を基準にずれ解消制御を行うようにし、地点Reを通過後、地点Reから当該距離前方の地点において速度制御の主導権を運転者に移すようにしてもよい。
【0040】
さらに本実施形態においては、ステップS305において、アクセルペダルを駆動するとともに実際のスロットル開度も、実際のアクセルペダルの位置に対して前記対応関係を適用した場合のスロットル開度と実際のスロットル開度との差分を解消する方向に制御する。すなわち、スロットル開度の方も前記差分を解消する方向に増加させるように制御するので、アクセルペダルの駆動速度が同じであればアクセルペダルだけ前記ずれを解消する方向に駆動する場合より、早くずれおよび差分を解消できる。なおかつ、ずれが解消するまでずれ解消制御部21dの制御によって駆動されるアクセルペダルの駆動量を少なくすることができるため、違和感を少なくずれを解消させることができる。その結果、アクセルペダルの位置およびスロットル開度を、前記対応関係を適用した状態にスムーズに移行させることができる。
以上、ずれ解消制御処理について説明した。
【0041】
このように、カーブ区間Zrまでは減速制御部21bおよび調整量制御部21eのスロットル制御により自車両を基準車速Vreqにまで減速させ、カーブ区間Zrにおいては基準車速走行制御部21cおよび調整量制御部21eの処理により自車両を基準車速Vreqで走行させる。そしてカーブ区間Zrの終了地点Reを通過した時点から、上述のように前記ずれや前記差分が解消するようにアクセルペダルの駆動とスロットル開度の制御を行う。すなわち、地点Reを通過して以降、前記対応関係を適用しない走行を終了し前記対応関係を適用する走行に切り換えるので、本実施形態によるとこのときに、運転者が感じる実際のアクセルペダルの踏み込み量の感覚と車速とをスムーズに合致させることができ、運転者が感じる違和感(アクセルペダルの踏み込み量の感覚と車速とが合致しないことに起因する違和感)を低減することができる。その結果、運転者は、カーブ区間Zrおよびその前後の道路の走行に際して、スムーズに減速、速度維持、加速を行うことができる。
【0042】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、駆動源の出力の実際の調整量に対して前記対応関係を適用した場合のアクセルペダルの位置と、実際のアクセルペダルの位置と、のずれを解消する方向にアクセルペダルを駆動する限りにおいて他にも種々の実施形態を採用可能である。
【0043】
例えば、上記実施形態では、実際のアクセルペダルの位置に対して前記対応関係を適用した場合のスロットル開度よりも実際のスロットル開度が小さくなっている状態から、前者と後者を一致させるようにすることを説明したが、その逆の場合に本発明が適用されてもよい。すなわち、実際のアクセルペダルの位置に対して前記対応関係を適用した場合のスロットル開度よりも実際のスロットル開度が大きくなっている状態から、前者と後者を一致させるようにしてもよい。実際のアクセルペダルの位置に対して前記対応関係を適用した場合のスロットル開度よりも実際のスロットル開度が大きくなっている状況としては、例えば、運転者のアクセルペダルの踏み込み量による加速よりもさらに大きく加速させたい状況などが想定される。
【0044】
上記実施形態では、基準車速走行区間としてカーブ区間を例に説明したが、例えば制限車速が予め決められている道路区間の終了地点について本発明が適用されてもよい。また、基準車速は一定の車速でなくてもよい。例えばある所定位置をある目標となる車速で通過するために一定の加速度や減速度で減速あるいは加速する際の、所定位置までの各位置における車速として規定されたものであってもよい。その場合、請求項に記載の基準車速走行区間は、減速区間や加速区間にあたる。
【0045】
さらに、ずれ解消制御手段においては、実際のアクセルペダルの位置と、実際の調整量に対して前記対応関係を適用した場合のアクセルペダルの位置と、のずれが大きいほど、駆動速度を大きくするようにしてもよい。換言すると、実際のアクセルペダルの位置に対して前記対応関係を適用した場合のスロットル開度と、実際のスロットル開度との差分が大きいほど、駆動速度を大きくしてもよい。図9Aの場合と図10の場合とを比較すると、地点Re通過時点でのスロットル開度の差分は、図10の場合の方が大きい。したがって図9Aの場合の駆動速度より図10の場合の駆動速度の方を大きくしてよい。
【0046】
なお、上記実施形態においては、駆動源をエンジンとし、駆動源の出力の調整量をスロットル開度として説明したが、車両を駆動するための駆動源の出力を調整するためのパラメータとしては他にも種々の構成を採用可能である。例えばハイブリッドカーや電気自動車の場合には、駆動源の出力の調整量としては例えば車輪を駆動するモータにかける電圧などを想定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】ナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】カーブ区間と減速区間を示す模式図である。
【図3】アクセルペダルの位置とスロットル開度との対応関係を示すグラフである。
【図4】運転支援処理を示すフローチャートである。
【図5】基準車速走行制御処理を示すフローチャートである。
【図6】変速段とスロットル開度との関係を示したグラフである。
【図7】車速と実際のスロットル開度の推移例を示すグラフである。
【図8】ずれ解消制御処理を示すフローチャートである。
【図9】図9Aおよび図9Bは、実際のスロットル開度の推移と、実際のアクセルペダルの位置に対して対応関係を適用した場合のスロットル開度の推移の例を示す図である。
【図10】実際のスロットル開度の推移と、実際のアクセルペダルの位置に対して対応関係を適用した場合のスロットル開度の推移の例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10:ナビゲーション装置、20:制御部、21:ナビゲーションプログラム、21a:走行位置判定部、21b:減速制御部、21c:基準車速走行制御部、21d:ずれ解消制御部、21e:調整量制御部、30:記憶媒体、30a:地図情報、30a1:カーブ区間情報、30a2:減速区間情報、40:GPS受信部、41:車速センサ、42:ジャイロセンサ、43:アクセルペダル駆動部、44:変速部、45:制動部、46:スロットル制御部、46:スロットル制御部、C:自車両、Ca:減速区間Zdの開始地点、Gr:必要減速度、Gt:横加速度、L:距離、Lc:距離、R:半径、Re:カーブ区間Zrの終了地点、Rs:カーブ区間Zrの開始地点、Vc:現在車速、Vreq:基準車速、Zd:減速区間、Zr:カーブ区間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両のアクセルペダルの位置と駆動源の出力の調整量とについて予め設定された対応関係を適用せずに前記調整量を制御する調整量制御手段と、
前記対応関係を適用せずに前記調整量が制御されることによって前記自車両が基準車速で走行する基準車速走行区間の終了地点を、前記自車両が通過したか否かを判定する走行位置判定手段と、
前記自車両が前記終了地点を通過したと判定されると、通過した時点での実際の調整量に対して前記対応関係を適用した場合のアクセルペダルの位置と、通過した時点での実際のアクセルペダルの位置と、のずれを解消する方向に前記アクセルペダルを駆動するための制御を行うずれ解消制御手段と、
を備える運転支援装置。
【請求項2】
前記調整量制御手段は、前記自車両が前記終了地点を通過したと判定されると、通過した時点での実際のアクセルペダルの位置に対して前記対応関係を適用した場合の調整量と、通過した時点での実際の調整量と、の差分を解消する方向に前記調整量を制御する、
請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記ずれ解消制御手段は、前記自車両が前記終了地点を通過した時点での実際のアクセルペダルの位置が、前記アクセルペダルが踏み込まれていない状態での初期位置を基準にしてより遠い位置であるほど、前記アクセルペダルの駆動速度を大きくする、
請求項1または請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記走行位置判定手段は、前記自車両が前記基準車速走行区間の開始地点を通過したか否かを判定し、
前記自車両が前記開始地点を通過する以前に、前記自車両が前記基準車速にまで減速するように前記調整量を制御させる減速制御手段と、
前記自車両が前記開始地点を通過後、前記基準車速走行区間を走行する間は、前記基準車速で前記自車両が走行するように前記調整量を制御させる基準車速走行制御手段と、を備える、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記基準車速走行区間はカーブ区間であり、
前記基準車速は一定の車速である、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の運転支援装置。
【請求項6】
自車両のアクセルペダルの位置と駆動源の出力の調整量とについて予め設定された対応関係を適用せずに前記調整量を制御する調整量制御工程と、
前記対応関係を適用せずに前記調整量が制御されることによって前記自車両が基準車速で走行する基準車速走行区間の終了地点を、前記自車両が通過したか否かを判定する走行位置判定工程と、
前記自車両が前記終了地点を通過したと判定されると、通過した時点での実際の調整量に対して前記対応関係を適用した場合のアクセルペダルの位置と、通過した時点での実際のアクセルペダルの位置と、のずれを解消する方向に前記アクセルペダルを駆動するための制御を行うずれ解消制御工程と、
を含む運転支援方法。
【請求項7】
自車両のアクセルペダルの位置と駆動源の出力の調整量とについて予め設定された対応関係を適用せずに前記調整量を制御する調整量制御機能と、
前記対応関係を適用せずに前記調整量が制御されることによって前記自車両が基準車速で走行する基準車速走行区間の終了地点を、前記自車両が通過したか否かを判定する走行位置判定機能と、
前記自車両が前記終了地点を通過したと判定されると、通過した時点での実際の調整量に対して前記対応関係を適用した場合のアクセルペダルの位置と、通過した時点での実際のアクセルペダルの位置と、のずれを解消する方向に前記アクセルペダルを駆動するための制御を行うずれ解消制御機能と、
をコンピュータに実現させる運転支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−221941(P2009−221941A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−66763(P2008−66763)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】