2自由度センサ
【課題】 小型であり、2自由度運動量を検出可能な、出力誤差の小さい2自由度センサを提供する。
【解決手段】 A、B2方向の運動量を検出する2自由度センサであって、可動部あるいは固定部に設置され、A方向から見て一定幅tAで配置される凹凸と、かつB方向から見て一定幅tBで配置される凹凸を持つ検出対象400と、前記検出対象の凹凸面に対向して設置され、B方向から見た検出面の幅がtBと等しく、かつA方向から見た幅がtAの2×m倍の対向面を持つ素子を有する第1の検出部402と、検出対象の凹凸面に対向して設置され、A方向から見た検出面の幅がtAと等しく、かつB方向から見た幅がtBの2×n倍の対向面を持つ素子を有する第2の検出部404と、前記第1、第2の検出部の出力変化からA方向運動量およびB方向運動量をそれぞれ算出する演算処理部とを有する。
【解決手段】 A、B2方向の運動量を検出する2自由度センサであって、可動部あるいは固定部に設置され、A方向から見て一定幅tAで配置される凹凸と、かつB方向から見て一定幅tBで配置される凹凸を持つ検出対象400と、前記検出対象の凹凸面に対向して設置され、B方向から見た検出面の幅がtBと等しく、かつA方向から見た幅がtAの2×m倍の対向面を持つ素子を有する第1の検出部402と、検出対象の凹凸面に対向して設置され、A方向から見た検出面の幅がtAと等しく、かつB方向から見た幅がtBの2×n倍の対向面を持つ素子を有する第2の検出部404と、前記第1、第2の検出部の出力変化からA方向運動量およびB方向運動量をそれぞれ算出する演算処理部とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2自由度アクチュエータにおける2自由度運動量を検知する2自由度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
図13に、従来の2自由度アクチュエータの構成を示す。同図において、100は、可動軸102が直線運動・回転運動可能な2自由度アクチュエータであり、
可動軸軸方向の移動量はリニアセンサ104、回転方向の回転角度量は回転センサ106によって検出され、コントローラ108にフィードバックされる。
コントローラ108はリニアセンサ104、回転センサ106のフィードバック信号をもとに可動軸102の位置・角度制御を行うように構成されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−65416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、図13に示すように、可動軸の直線運動量と回転運動量を検出するためにはリニアセンサと、回転センサがそれぞれ必要になる。従来では個々のセンサを組み合わせて使用するため、下記のような欠点が有った。
(1)可動軸の直線運動、回転運動によるセンサの出力誤差を発生させない構成が必要となる。例えば、リニアセンサは、測定対象が回転しても直線運動量を検出でき、かつ測定対象が直線運動せずに回転した場合に出力誤差を生じない必要がある。回転センサについても同様である。すなわち2種類のセンサが出力誤差を生じない工夫が必要であるため、センサの構成が複雑化するという問題が有った。
【0004】
また、(2)2種類のセンサの設置スペースが必要となるため、センサを含むアクチュエータ系が大型化するという問題がある。2自由度アクチュエータはマウンタ装置等に用いられ、複数台並べて設置されることがある。しかしセンサが要するスペースが大きい場合、装置における2自由度アクチュエータが占める空間も大きくなる。
(3)2自由度アクチュエータの可動軸の直線運動と回転運動に対し、それぞれ検出対象、検出部などが必要になるため、センサのコストが高くなるという問題も有った。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、小型であり、2自由度運動量を検出可能な、出力誤差の小さい2自由度センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、A、B2方向の運動量を検出する2自由度センサであって、可動部あるいは固定部に設置され、A方向から見て一定幅tAで配置される凹凸と、かつB方向から見て一定幅tBで配置される凹凸を持つ検出対象と、前記検出対象の凹凸面に対向して設置され、B方向から見た検出面の幅がtBと等しく、かつA方向から見た幅がtAの2×m倍の対向面を持つ素子を有する第1の検出手段と、検出対象の凹凸面に対向して設置され、A方向から見た検出面の幅がtAと等しく、かつB方向から見た幅がtBの2×n倍の対向面を持つ素子を有する第2の検出手段と、前記第1、第2の検出手段の出力変化からA方向運動量およびB方向運動量をそれぞれ算出する演算手段とを有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の2自由度センサにおいて、前記第1の検出手段は、M個×m組(Mは4以上の偶数、mは1以上の整数)の素子で構成され、かつm組目のM個に関して、検出対象の凹凸に対する位相角がB方向から見て0、2π・(1/M)、2π・(2/M)、…、2π・(M-1/M)である素子群から成るm組の第1の検出部a1、a2、…、amからなり、前記第2の検出手段は、N個×n組の素子で構成され、かつn組目のN個に関して、検出対象の凹凸に対する位相角がA方向から見て0、2π・(1/N)、 2π・(2/N)、…、2π・(N-1/N)である素子群から成るn組の第2の検出部b1、b2、…、bnからなり、前記演算手段は、m組の第1の検出部a1、a2、…、amおよびn組の第2の検出部b1、b2、…、bnの出力変化を演算処理し、前記検出対象のA方向運動量およびB方向運動量を算出することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の2自由度センサにおいて、前記第1の検出部及び第2の検出部は、コイルとヨークからなる素子で構成され、 前記演算手段は、前記第1の検出手段および第2の検出手段におけるインダクタンス変化を演算処理し、検出対象のA方向運動量をαa、βaおよびB方向の運動量をαb、βbの2相正弦波として算出することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3のいずれかに記載の2自由度センサにおいて、前記第1の検出部、第2の検出部を構成する検出素子は、受光量や受光位置により出力が変化する素子で構成され、検出対象の凸部には中空状に孔が設けられており、前記検出対象内に設置され、前記凸部に設けられた前記孔から光を出射するための1つ以上の光源を有し、前記演算手段は、前記第1の検出部と、第2の検出部の出力変化を演算処理し、A方向運動量およびB方向運動量を算出すること特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、前記第1の検出部、第2の検出部を構成する検出素子は、受光量や受光位置により出力が変化する素子であり、前記検出対象の前記凸部からの反射光を受光するようになっており、検出対象外に設置され、前記検出対象の凸部に光を照射するための1つ以上の光源を有し、前記演算手段は、前記第1の検出部と、第2の検出部の出力変化を演算処理し、A方向運動量およびB方向運動量を算出することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の2自由度センサにおいて、前記検出対象は、複数部品で構成されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の2自由度センサにおいて、前記検出部は、一体物で構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、各検出部が非検出方向の運動に影響されない2自由度センサを実現する事ができる。
また、検出対象に形成される凹凸を単に増やすだけで2自由度センサの検出範囲を広げることができる。
さらに、本発明によれば、複雑な構造を必要としないため、部品点数が少なくてすみ、小型化、低コスト化が図れる。
【0014】
また、本発明によれば、検出対象の凹凸に対し、たとえば位相角がπ/2ずつ異なる4つの検出部を設け、位相角がπ異なる検出部出力同士の差を取ることにより、定常出力分を除いた2相正弦波を得ることができる。
また、2相正弦波から逆正接によって位置を求めることにより、検出対象の寸法誤差や素子の温度変化の影響を少なくすることができる。
さらに、4つの検出部を複数組設け、それぞれ平均を取れば、更に精度良く測定を行うことができる。
【0015】
また、本発明によれば、コイルとヨークにより素子を構成できるので、低コスト化が可能となる。
さらに、PD(Photo Diode)やPSD(Position Sensitive Detector)を、検出部を構成する検出素子として使用できるので、2自由度アクチュエータに磁束変化の影響を与えることなく精度よく2方向の運動量の測定を行うことができる。
検出対象を非金属材料で構成しなければならない場合でも適用できる。
【0016】
また、本発明によれば、2自由度センサの検出対象や検出部を一体物または複数部品で構成することにより、加工費を削減する、部品点数を低減できる、2自由度アクチュエータヘのセンサ組込みを容易にする、センサを小型化できるなどの効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る2自由度センサの構成を図1に示す。本発明の第1実施形態に係る2自由度センサは、2自由度アクチュエータの可動軸の2方向(可動軸軸方向、回転方向)の運動量を検出する機能を有する。本発明の第1実施形態に係る2自由度センサは、2自由度アクチュエータの可動軸10に設けられた検出対象12と、複数の検出素子で構成される検出部40と、検出部40の出力に基づいて可動軸10の可動軸軸方向、回転方向の運動量を算出する演算処理部50とを有している。図1(a)は2自由度センサの腰部の構成を示す斜視図、図1(b)は図1(a)の正面図、図1(c)は図1(a)の側面図である。
【0019】
検出対象12は2自由度アクチュエータの可動部である可動軸10に設けられ、直径D、長さlの磁性材料で構成されている。
また、検出対象12は可動軸10の軸方向から見て一定幅t1の凹凸14と、可動軸10の回転方向である円周方向から見て一定幅t2の凹凸14を有している。
【0020】
検出部40は、可動軸10の回転方向の回転運動量を検出する検出素子群Aと、可動軸10の軸方向の直線運動量を検出する検出素子群Bを有している。
検出部40の各検出素子群A、Bは、それぞれ4つの検出素子20からなる。本実施形態での検出素子は、コの字形ヨークの2箇所にコイルを巻いたものであり、検出素子群Aの各検出素子20は、検出素子群Bの各検出素子に対して垂直に配置されている。
【0021】
検出素子群A、Bは、検出対象12における凸部との隙間がそれぞれ、dA,dBとなるよう配置され、図示していない2自由度センサのケースや2自由度アクチュエータの内側などに固定される。
検出素子群Aにおいて、4つの検出素子20はそれぞれ検出対象12における凸部と対面する部分がt1× (2・n・t2)の寸法を有する(ただしnは整数)。また、図1(b)に示すように検出対象の凹凸に対し,それぞれ異なる位相で配置される。
【0022】
また、検出素子群Bにおいて、4つの検出素子20はそれぞれ検出対象12における凸部と対面する部分がt2×(2・m・t1)の寸法を有する(ただしnは整数)。
また、図1(c)に示すように検出対象12における凹凸14に対し、それぞれ異なる位相で配置される。
【0023】
<回転運動量の検出>
図2に、検出対象12と検出素子群Aを直線状に展開した図を示す。同図において、検出素子群Aを構成する4つの検出素子20を区別するために、検出素子aθ、 bθ、 aθ'、 bθ'とする。検出素子aθ、 bθ、 aθ'、 bθ'は、図2(a)に示すように検出対象12に形成された凹凸に対して位相がt1/2づつ、ずらして配置されている。なお位相間係が成り立てば、検出素子同士は離れていても良く、また並び方が順不同であっても良い。
各検出素子aθ、 bθ、 aθ'、 bθ'の励磁コイルに磁束が強め合う向きの電流が流れると、検出素子と検出対象12間に磁気回路が形成される。
【0024】
今、図2(a)において、検出対象12が紙面右方向にl1=2×t1だけ移動した時、各検出素子aθ、 bθ、 aθ'、 bθ'のインダクタンスは、図3に示すように定常的なインダクタンスL1を持つ正弦波状に変化する。
なお、θ1は検出対象12の移動量l1を1周期(2π)とした場合の相当角度を表す。また、位相関係が図2(a)となるある位置を相当角度0とする。
図3(a)と図3(b)に示す検出素子aθと検出素子aθ'のインダクタンス、あるいは図3(c)と図3(d)に示す検出素子bθと検出素子bθ'のインダクタンス、それぞれの差を取ることにより、次式で表す2相正弦波出力を得ることができる。
【0025】
αθ=Laθ−La'θ=2・L2・sin (θ1) …(1)
βθ=Lbθ−Lb'θ=2・L2・sin (θ1+π/2)=2・L2-cos (θ1) …(2)
【0026】
一方、図2(b)において検出対象12が直線運動方向に移動した場合、各素子の検出対象12における凸部との対面の割合は変化しないため、各検出素子のインダクタンスは変化しない。そのため式(1)、(2)は回転運動量のみで決まる値となる。
式(1)、(2)より、回転運動量θは検出素子群Aの出力から次式で表すことができる。
【0027】
θ= (360°/Nθ){NC+tan −1 (αθ/βθ)/(2π)} …(3)
ここでNcは基準位置からの正弦波αθの周期数であり、Nθは図1(b)の凸部の数を表す。
【0028】
<直線運動量の検出>
図4に、検出対象12と検出素子群Bを一列上に並べた図を示す。なお、回転運動量検出の説明と重複する部分についての説明は省略する。
検出素子az、bz、 az'、 bz’は、図4(a)に示すように検出対象の凹凸に対して位相がt2/2づつ、ずらして配置されている。なお、検出素子は、図1(c)に示すように円周面上に配置しても構わない。
【0029】
図4(a)の検出対象12が紙面右方向にl2=2×t2だけ移動した時、各検出素子のインダクタンスは、図5に示すように定常的なインダクタンスL3を有する正弦波となる。なお、θ2は検出対象移動量l2を1周期とした場合の相当角度を表す。
図5(a)と図5(b)に示す、検出素子azと検出素子az'のインダクタンスあるいは図5(c)と図5(d)に示す検出素子bzと検出素子bz'のインダクタンス、それぞれの差を取ることにより、次式(4)、(5)で表す2相正弦波出力を得ることができる。これは、回転運動量検出の場合と同様に、直線運動量のみで決まる値となる。
【0030】
αz=Laz−Laz'=2・L4・sin (θ2) …(4)
βz=Lbz−Lbz'=2・L4・sin (θ2+π/2)=2・L4・cos (θ2) …(5)
式(4)、(5)より、直線運動量Zは、検出素子群Bの出力から次式で表すことができる。
Z=l2・{Nz+tan−1 (αz/βz)/(2π)} …(6)
ここでNzは基準位置からの正弦波αzの周期数である。
【0031】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る2自由度センサの要部の構成を図6に示す。本発明の第2実施形態に係る2自由度センサは、検出対象を平面とし、直交する X軸、Y軸2方向に移動する検出対象の移動量を検出するように構成したものであり、他の構成は第1実施形態と同様であるので重複する説明は省略する。図6において、複数(本実施形態では4つ)の検出素子からなる検出素子群Aと、検出素子群Bが検出対象60に対面するように配置されている。第1実施形態と同様に検出素子群Aの各検出素子と、検出素子群Bの各検出素子は、互いに直交するように配置されている。
【0032】
本実施形態の場合、式(6)を用いて、検出素子群Aが検出対象60のX方向移動量を、検出素子群BがY方向移動量を検出する。
なお、本実施形態に係る2自由度センサは、検出対象が固定側で移動量を検出する、検出素子群A,Bを含む検出部が可動側となるように構成してもよい。
本発明の動作原理を用いることにより、2自由度アクチュエータによる平面運動の移動量を測定できる。
【0033】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る2自由度センサの構成を図7に示す。本実施形態に係る2自由度センサは、同一の検出方向について検出素子群を2組以上設置し、各検出素子群の出力の平均値を真値として求めるようにしたものである。
一例として、図7に2自由度アクチュエータの可動軸の円周方向に第1実施形態(図1)と同一構成の検出素子からなる検出素子群Aを2組、すなわち検出素子群A1,A2を配置した場合を示す。図7(a)は可動軸の円周上に2組設置した場合であり、図7(b)は可動軸10の軸方向に検出素子群A1,A2を2組、設置した例をそれぞれ示している。図7(a)、(b)において、検出素子1−1〜1−4は検出素子群A1に属し、検出素子2−1〜2−4は検出素子群A2に属している。
【0034】
検出素子群A1,A2の各検出素子は、第1実施形態に示したコの字形ヨークの2箇所に励磁コイルを巻いたものである。図7(a)において、素子群A1、A2の回転運動量θ1、θ2は、次式のように表される。
【0035】
θ1= (360°/Nθ){Nc+tan −1 (αθ1/βθ1)/(2π)}…(7)
θ2= (360°/Nθ){Nc+tan −1 (αθ2/βθ2)/(2π)}…(8)
平均回転運動量θ’=(θ1+θ2)/2を求めることにより、本発明の精度を上げることができる。
また、第1実施形態(図1)と同様に検出素子群Aの各検出素子と直交する方向に各検出素子が配置される検出素子群Bを2組以上設置し、第1実施形態と同様に各検出素子群の出力からそれぞれ、図示してない演算処理部において式(6)により直線運動量を算出し、2つの直線運動量の平均値を求めることにより、直線運動量Zの精度の向上が図れる。
【0036】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る2自由度センサは、第1〜第3実施形態では、2自由度センサの検出素子としてコの字形ヨークの2箇所に励磁コイルを巻いたものを使用したが、この検出素子の代わりに、検出部として渦電流式や静電容量式などの変位センサを用いるように構成したものである。
本発明の第4実施形態に係る2自由度センサの要部の構成を図8に示す。本実施形態に係る2自由度センサは、2自由度アクチュエータの可動部、例えば、第1実施形態と同様の直線運動と回転運動を行う可動軸10の運動量を検出する検出部として変位センサ70を配置したものである。
【0037】
本実施形態の場合、コイルとヨークからなる素子のインダクタンス変化ではなく、変位センサ70の電圧出力変化等を用いて式(3)から回転運動量を求めることができる。
例えば、検出対象を形成するのに磁性体を使用できない場合、非磁性体用の渦電流変位センサを用いることにより本発明の効果が得られる。
【0038】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係る2自由度センサは、第1〜第3実施形態では、2自由度センサの検出素子としてコの字形ヨークの2箇所に励磁コイルを巻いたものを使用したが、この検出素子の代わりに、検出素子として受光量や受光位置により出力が変化する素子、例えば、フォトダイオード(PD:Photo Diode)や、位置検出素子(PSD:Position Sensitve Detector)などを用いるように構成したものである。他の構成は第1、第3実施形態と同様であるので重複する説明は省略する。
【0039】
図9に、検出素子としてフォトダイオード(PD)を配置した例を示す。本実施形態では、2自由度アクチュエータの可動軸等に第1実施形態と同様に設けられた凹凸を有する検出対象200の凸部201には、中空状に孔202が形成されている。中空の検出対象200内に光源固定部材204に固定されたLEDなどの光源206を設置し、凸部201に設けられた孔202から光源206からの出射光が外部へ出るようにする。
【0040】
フォトダイオード(PD)80への入射光量は検出対象の移動量によって変化するため、フォトダイオード(PD)80の出力は検出対象200の移動量に応じた値となる。したがって、図9に示すように複数のフォトダイオード80を凹凸に対して位相関係を持つように配置し、複数のフォトダイオード80の出力変化を演算処理部(図示を省略してある。)により演算処理し、2方向の運動量を算出することができる。
したがって、第5実施形態に係る2自由度センサによれば、検出素子としてコアとヨークを用いた他の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、図10に、検出素子にフォトダイオードを用いた変形例を示す。本変形例の場合、図示しないセンサケースなどに固定される光源302とフォトダイオード304を、検出対象300の凸部301に反射した光がフォトダイオード304により受光できる位置に設置する。フォトダイオード304への入射光量は凸部301に反射した光量であり、検出対象300の位置によって変化する。そのためフォトダイオード304の出力は検出対象300の移動量に応じた値となる。
【0042】
したがって図9に示した第5実施形態と同様に、図10に示すように複数のフォトダイオード304を、検出対象300に形成された凹凸に対して位相関係を持つように配置し、複数のフォトダイオード304の出力変化を演算処理部(図示を省略してある。)により演算処理し、2方向の運動量を算出することにより、検出素子としてコアとヨークを用いた実施形態と同様の効果を得ることができる。
本変形例により、たとえば検出部の磁束が2自由度アクチュエータの駆動に有害な影響を与える場合や、検出対象を樹脂成形品などの非金属で構成しなければならない場合など、検出素子としてフォトダイオードなどを用いることにより本発明の効果が得られる。
【0043】
[第6実施形態]
これまでの第1実施形態〜第5実施形態及び変形例では1つの検出素子群に4つの検出素子を配置しているが、これに限らず、2自由度アクチュエータの可動部における各方向の運動量検出用に検出素子が1つ以上であれば良い。
本発明の第6実施形態に係る2自由度センサの構成を図11に概念的に示す。本実施形態に係る2自由度センサは、2方向の運動量を検出するのに、各方向について検出部として検出素子を一つ配置するように構成したものである。
本実施形態では、検出対象は、図6に示した平面状のものであり、検出素子は、図6に示した第2実施形態に係る2自由度センサと同様にコの字形ヨークの2箇所にコイルを巻いたものであるとする。
【0044】
図11において、本実施形態に係る2自由度センサは、A、B2方向の運動量を検出する2自由度センサであり、可動部あるいは固定部に設置され、A方向から見て一定幅tAで配置される凹凸と、かつB方向から見て一定幅tBで配置される凹凸を持つ検出対象400を有している。
【0045】
検出対象400の凹凸面に対向して設置され、B方向から見た検出面の幅がtBと等しく、かつA方向から見た幅がtAの2×m倍の対向面を持つ素子を有する第1の検出部402と、検出対象400の凹凸面に対向して設置され、A方向から見た検出面の幅がtAと等しく、かつB方向から見た幅がtBの2×n倍の対向面を持つ素子を有する第2の検出部404と、第1、第2の検出部402、404の出力変化からA方向運動量およびB方向運動量をそれぞれ算出する演算処理部(図示せず)とを有している。第1の検出部402は本発明の第1の検出手段に、第2の検出部404は本発明の第2の検出手段に、演算処理部は本発明の演算手段にそれぞれ相当する。
【0046】
この場合、演算処理部は、例えば、コンパレータ等により第1の検出部402、第2の検出部404の出力である矩形波を波形成形して、パルス数をカウントして移動量を求めるようになっている。
また、各検出方向A,Bにそれぞれ2つの検出素子を用意し、検出対象400の凹凸に対し位相がπ異なるように配置してそれらの検出素子の出力である矩形波を波形成形すれば、高分解能化に加えて移動方向も検出することができる。
以上のように、色々な構成を取ることが可能である。
【0047】
[第7実施形態]
これまでの各実施形態及び変形例では検出対象を一体物として構成しているが、複数部品から構成されていても良い。また、複数の検出素子を含む検出部(検出素子群)を、複数部品で構成されるのではなく一体物(一体的に構成されたもの)であっても良い。図12に、本発明の第7実施形態に係る2自由度センサの構成を示す。すなわち検出対象を場合と、検出素子を一体物で構成した場合の構成例を示す。
【0048】
図12(a)は検出対象を複数部品で構成した場合を示しており、検出対象を軸方向に対して垂直方向に所定幅で切断した形状の積層板500を複数用意し、この複数の積層板500を積層させて検出対象を構成するようにしたものである。
また、図12(b)は、枠体522の内側に複数の検出素子521を一体的に設け、かつ2自由度アクチュエータの可動部(例えば、可動軸)510に嵌装可能に構成したものであり、検出部520を一体物(1部品)で構成した例を示している。図12(a)に示す構成では、検出対象の各部品をプレスなどで加工可能であるため、コストの低減が図れる。
また図12(b)に示す構成では、検出素子をそのまま2自由度アクチュエータの1部品として組込めるため、設計の手間が省け、2自由度センサの小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態に係る2自由度センサの構成を示す図。
【図2】図1における検出対象と検出素子群Aを直線状に展開した図。
【図3】図2に示した各検出素子のインダクタンスの変化を示す特性図。
【図4】図1における検出対象と検出素子群Bを直線状に展開した図。
【図5】図4に示した各検出素子のインダクタンスの変化を示す特性図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る2自由度センサの要部の構成を示す図。
【図7】本発明の第3実施形態に係る2自由度センサの構成を示す図。
【図8】本発明の第4実施形態に係る2自由度センサの要部の構成を示す図。
【図9】本発明の第5実施形態に係る2自由度センサの要部の構成を示す図。
【図10】本発明の第5実施形態に係る2自由度センサの変形例を示す図。
【図11】本発明の第6実施形態に係る2自由度センサの構成を概念的に示す図。
【図12】本発明の第7実施形態に係る2自由度センサの構成を示す図。
【図13】従来の2自由度アクチュエータの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0050】
10…可動軸、12、60、200、300、400…検出対象、14…凹凸、20…検出素子、22…励磁コイル、24…ヨーク、40…検出部、50…演算処理部、70…変位センサ、80、304…フォトセンサ、202…孔、204…光源固定部材、206、302…光源、301…凸部、402…第1の検出部、404…第2の検出部、500…積層板、510…2自由度アクチュエータの可動部、520…検出部、521…検出素子、522…枠体
【技術分野】
【0001】
本発明は、2自由度アクチュエータにおける2自由度運動量を検知する2自由度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
図13に、従来の2自由度アクチュエータの構成を示す。同図において、100は、可動軸102が直線運動・回転運動可能な2自由度アクチュエータであり、
可動軸軸方向の移動量はリニアセンサ104、回転方向の回転角度量は回転センサ106によって検出され、コントローラ108にフィードバックされる。
コントローラ108はリニアセンサ104、回転センサ106のフィードバック信号をもとに可動軸102の位置・角度制御を行うように構成されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−65416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、図13に示すように、可動軸の直線運動量と回転運動量を検出するためにはリニアセンサと、回転センサがそれぞれ必要になる。従来では個々のセンサを組み合わせて使用するため、下記のような欠点が有った。
(1)可動軸の直線運動、回転運動によるセンサの出力誤差を発生させない構成が必要となる。例えば、リニアセンサは、測定対象が回転しても直線運動量を検出でき、かつ測定対象が直線運動せずに回転した場合に出力誤差を生じない必要がある。回転センサについても同様である。すなわち2種類のセンサが出力誤差を生じない工夫が必要であるため、センサの構成が複雑化するという問題が有った。
【0004】
また、(2)2種類のセンサの設置スペースが必要となるため、センサを含むアクチュエータ系が大型化するという問題がある。2自由度アクチュエータはマウンタ装置等に用いられ、複数台並べて設置されることがある。しかしセンサが要するスペースが大きい場合、装置における2自由度アクチュエータが占める空間も大きくなる。
(3)2自由度アクチュエータの可動軸の直線運動と回転運動に対し、それぞれ検出対象、検出部などが必要になるため、センサのコストが高くなるという問題も有った。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、小型であり、2自由度運動量を検出可能な、出力誤差の小さい2自由度センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、A、B2方向の運動量を検出する2自由度センサであって、可動部あるいは固定部に設置され、A方向から見て一定幅tAで配置される凹凸と、かつB方向から見て一定幅tBで配置される凹凸を持つ検出対象と、前記検出対象の凹凸面に対向して設置され、B方向から見た検出面の幅がtBと等しく、かつA方向から見た幅がtAの2×m倍の対向面を持つ素子を有する第1の検出手段と、検出対象の凹凸面に対向して設置され、A方向から見た検出面の幅がtAと等しく、かつB方向から見た幅がtBの2×n倍の対向面を持つ素子を有する第2の検出手段と、前記第1、第2の検出手段の出力変化からA方向運動量およびB方向運動量をそれぞれ算出する演算手段とを有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の2自由度センサにおいて、前記第1の検出手段は、M個×m組(Mは4以上の偶数、mは1以上の整数)の素子で構成され、かつm組目のM個に関して、検出対象の凹凸に対する位相角がB方向から見て0、2π・(1/M)、2π・(2/M)、…、2π・(M-1/M)である素子群から成るm組の第1の検出部a1、a2、…、amからなり、前記第2の検出手段は、N個×n組の素子で構成され、かつn組目のN個に関して、検出対象の凹凸に対する位相角がA方向から見て0、2π・(1/N)、 2π・(2/N)、…、2π・(N-1/N)である素子群から成るn組の第2の検出部b1、b2、…、bnからなり、前記演算手段は、m組の第1の検出部a1、a2、…、amおよびn組の第2の検出部b1、b2、…、bnの出力変化を演算処理し、前記検出対象のA方向運動量およびB方向運動量を算出することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の2自由度センサにおいて、前記第1の検出部及び第2の検出部は、コイルとヨークからなる素子で構成され、 前記演算手段は、前記第1の検出手段および第2の検出手段におけるインダクタンス変化を演算処理し、検出対象のA方向運動量をαa、βaおよびB方向の運動量をαb、βbの2相正弦波として算出することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3のいずれかに記載の2自由度センサにおいて、前記第1の検出部、第2の検出部を構成する検出素子は、受光量や受光位置により出力が変化する素子で構成され、検出対象の凸部には中空状に孔が設けられており、前記検出対象内に設置され、前記凸部に設けられた前記孔から光を出射するための1つ以上の光源を有し、前記演算手段は、前記第1の検出部と、第2の検出部の出力変化を演算処理し、A方向運動量およびB方向運動量を算出すること特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、前記第1の検出部、第2の検出部を構成する検出素子は、受光量や受光位置により出力が変化する素子であり、前記検出対象の前記凸部からの反射光を受光するようになっており、検出対象外に設置され、前記検出対象の凸部に光を照射するための1つ以上の光源を有し、前記演算手段は、前記第1の検出部と、第2の検出部の出力変化を演算処理し、A方向運動量およびB方向運動量を算出することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の2自由度センサにおいて、前記検出対象は、複数部品で構成されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の2自由度センサにおいて、前記検出部は、一体物で構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、各検出部が非検出方向の運動に影響されない2自由度センサを実現する事ができる。
また、検出対象に形成される凹凸を単に増やすだけで2自由度センサの検出範囲を広げることができる。
さらに、本発明によれば、複雑な構造を必要としないため、部品点数が少なくてすみ、小型化、低コスト化が図れる。
【0014】
また、本発明によれば、検出対象の凹凸に対し、たとえば位相角がπ/2ずつ異なる4つの検出部を設け、位相角がπ異なる検出部出力同士の差を取ることにより、定常出力分を除いた2相正弦波を得ることができる。
また、2相正弦波から逆正接によって位置を求めることにより、検出対象の寸法誤差や素子の温度変化の影響を少なくすることができる。
さらに、4つの検出部を複数組設け、それぞれ平均を取れば、更に精度良く測定を行うことができる。
【0015】
また、本発明によれば、コイルとヨークにより素子を構成できるので、低コスト化が可能となる。
さらに、PD(Photo Diode)やPSD(Position Sensitive Detector)を、検出部を構成する検出素子として使用できるので、2自由度アクチュエータに磁束変化の影響を与えることなく精度よく2方向の運動量の測定を行うことができる。
検出対象を非金属材料で構成しなければならない場合でも適用できる。
【0016】
また、本発明によれば、2自由度センサの検出対象や検出部を一体物または複数部品で構成することにより、加工費を削減する、部品点数を低減できる、2自由度アクチュエータヘのセンサ組込みを容易にする、センサを小型化できるなどの効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る2自由度センサの構成を図1に示す。本発明の第1実施形態に係る2自由度センサは、2自由度アクチュエータの可動軸の2方向(可動軸軸方向、回転方向)の運動量を検出する機能を有する。本発明の第1実施形態に係る2自由度センサは、2自由度アクチュエータの可動軸10に設けられた検出対象12と、複数の検出素子で構成される検出部40と、検出部40の出力に基づいて可動軸10の可動軸軸方向、回転方向の運動量を算出する演算処理部50とを有している。図1(a)は2自由度センサの腰部の構成を示す斜視図、図1(b)は図1(a)の正面図、図1(c)は図1(a)の側面図である。
【0019】
検出対象12は2自由度アクチュエータの可動部である可動軸10に設けられ、直径D、長さlの磁性材料で構成されている。
また、検出対象12は可動軸10の軸方向から見て一定幅t1の凹凸14と、可動軸10の回転方向である円周方向から見て一定幅t2の凹凸14を有している。
【0020】
検出部40は、可動軸10の回転方向の回転運動量を検出する検出素子群Aと、可動軸10の軸方向の直線運動量を検出する検出素子群Bを有している。
検出部40の各検出素子群A、Bは、それぞれ4つの検出素子20からなる。本実施形態での検出素子は、コの字形ヨークの2箇所にコイルを巻いたものであり、検出素子群Aの各検出素子20は、検出素子群Bの各検出素子に対して垂直に配置されている。
【0021】
検出素子群A、Bは、検出対象12における凸部との隙間がそれぞれ、dA,dBとなるよう配置され、図示していない2自由度センサのケースや2自由度アクチュエータの内側などに固定される。
検出素子群Aにおいて、4つの検出素子20はそれぞれ検出対象12における凸部と対面する部分がt1× (2・n・t2)の寸法を有する(ただしnは整数)。また、図1(b)に示すように検出対象の凹凸に対し,それぞれ異なる位相で配置される。
【0022】
また、検出素子群Bにおいて、4つの検出素子20はそれぞれ検出対象12における凸部と対面する部分がt2×(2・m・t1)の寸法を有する(ただしnは整数)。
また、図1(c)に示すように検出対象12における凹凸14に対し、それぞれ異なる位相で配置される。
【0023】
<回転運動量の検出>
図2に、検出対象12と検出素子群Aを直線状に展開した図を示す。同図において、検出素子群Aを構成する4つの検出素子20を区別するために、検出素子aθ、 bθ、 aθ'、 bθ'とする。検出素子aθ、 bθ、 aθ'、 bθ'は、図2(a)に示すように検出対象12に形成された凹凸に対して位相がt1/2づつ、ずらして配置されている。なお位相間係が成り立てば、検出素子同士は離れていても良く、また並び方が順不同であっても良い。
各検出素子aθ、 bθ、 aθ'、 bθ'の励磁コイルに磁束が強め合う向きの電流が流れると、検出素子と検出対象12間に磁気回路が形成される。
【0024】
今、図2(a)において、検出対象12が紙面右方向にl1=2×t1だけ移動した時、各検出素子aθ、 bθ、 aθ'、 bθ'のインダクタンスは、図3に示すように定常的なインダクタンスL1を持つ正弦波状に変化する。
なお、θ1は検出対象12の移動量l1を1周期(2π)とした場合の相当角度を表す。また、位相関係が図2(a)となるある位置を相当角度0とする。
図3(a)と図3(b)に示す検出素子aθと検出素子aθ'のインダクタンス、あるいは図3(c)と図3(d)に示す検出素子bθと検出素子bθ'のインダクタンス、それぞれの差を取ることにより、次式で表す2相正弦波出力を得ることができる。
【0025】
αθ=Laθ−La'θ=2・L2・sin (θ1) …(1)
βθ=Lbθ−Lb'θ=2・L2・sin (θ1+π/2)=2・L2-cos (θ1) …(2)
【0026】
一方、図2(b)において検出対象12が直線運動方向に移動した場合、各素子の検出対象12における凸部との対面の割合は変化しないため、各検出素子のインダクタンスは変化しない。そのため式(1)、(2)は回転運動量のみで決まる値となる。
式(1)、(2)より、回転運動量θは検出素子群Aの出力から次式で表すことができる。
【0027】
θ= (360°/Nθ){NC+tan −1 (αθ/βθ)/(2π)} …(3)
ここでNcは基準位置からの正弦波αθの周期数であり、Nθは図1(b)の凸部の数を表す。
【0028】
<直線運動量の検出>
図4に、検出対象12と検出素子群Bを一列上に並べた図を示す。なお、回転運動量検出の説明と重複する部分についての説明は省略する。
検出素子az、bz、 az'、 bz’は、図4(a)に示すように検出対象の凹凸に対して位相がt2/2づつ、ずらして配置されている。なお、検出素子は、図1(c)に示すように円周面上に配置しても構わない。
【0029】
図4(a)の検出対象12が紙面右方向にl2=2×t2だけ移動した時、各検出素子のインダクタンスは、図5に示すように定常的なインダクタンスL3を有する正弦波となる。なお、θ2は検出対象移動量l2を1周期とした場合の相当角度を表す。
図5(a)と図5(b)に示す、検出素子azと検出素子az'のインダクタンスあるいは図5(c)と図5(d)に示す検出素子bzと検出素子bz'のインダクタンス、それぞれの差を取ることにより、次式(4)、(5)で表す2相正弦波出力を得ることができる。これは、回転運動量検出の場合と同様に、直線運動量のみで決まる値となる。
【0030】
αz=Laz−Laz'=2・L4・sin (θ2) …(4)
βz=Lbz−Lbz'=2・L4・sin (θ2+π/2)=2・L4・cos (θ2) …(5)
式(4)、(5)より、直線運動量Zは、検出素子群Bの出力から次式で表すことができる。
Z=l2・{Nz+tan−1 (αz/βz)/(2π)} …(6)
ここでNzは基準位置からの正弦波αzの周期数である。
【0031】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る2自由度センサの要部の構成を図6に示す。本発明の第2実施形態に係る2自由度センサは、検出対象を平面とし、直交する X軸、Y軸2方向に移動する検出対象の移動量を検出するように構成したものであり、他の構成は第1実施形態と同様であるので重複する説明は省略する。図6において、複数(本実施形態では4つ)の検出素子からなる検出素子群Aと、検出素子群Bが検出対象60に対面するように配置されている。第1実施形態と同様に検出素子群Aの各検出素子と、検出素子群Bの各検出素子は、互いに直交するように配置されている。
【0032】
本実施形態の場合、式(6)を用いて、検出素子群Aが検出対象60のX方向移動量を、検出素子群BがY方向移動量を検出する。
なお、本実施形態に係る2自由度センサは、検出対象が固定側で移動量を検出する、検出素子群A,Bを含む検出部が可動側となるように構成してもよい。
本発明の動作原理を用いることにより、2自由度アクチュエータによる平面運動の移動量を測定できる。
【0033】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る2自由度センサの構成を図7に示す。本実施形態に係る2自由度センサは、同一の検出方向について検出素子群を2組以上設置し、各検出素子群の出力の平均値を真値として求めるようにしたものである。
一例として、図7に2自由度アクチュエータの可動軸の円周方向に第1実施形態(図1)と同一構成の検出素子からなる検出素子群Aを2組、すなわち検出素子群A1,A2を配置した場合を示す。図7(a)は可動軸の円周上に2組設置した場合であり、図7(b)は可動軸10の軸方向に検出素子群A1,A2を2組、設置した例をそれぞれ示している。図7(a)、(b)において、検出素子1−1〜1−4は検出素子群A1に属し、検出素子2−1〜2−4は検出素子群A2に属している。
【0034】
検出素子群A1,A2の各検出素子は、第1実施形態に示したコの字形ヨークの2箇所に励磁コイルを巻いたものである。図7(a)において、素子群A1、A2の回転運動量θ1、θ2は、次式のように表される。
【0035】
θ1= (360°/Nθ){Nc+tan −1 (αθ1/βθ1)/(2π)}…(7)
θ2= (360°/Nθ){Nc+tan −1 (αθ2/βθ2)/(2π)}…(8)
平均回転運動量θ’=(θ1+θ2)/2を求めることにより、本発明の精度を上げることができる。
また、第1実施形態(図1)と同様に検出素子群Aの各検出素子と直交する方向に各検出素子が配置される検出素子群Bを2組以上設置し、第1実施形態と同様に各検出素子群の出力からそれぞれ、図示してない演算処理部において式(6)により直線運動量を算出し、2つの直線運動量の平均値を求めることにより、直線運動量Zの精度の向上が図れる。
【0036】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る2自由度センサは、第1〜第3実施形態では、2自由度センサの検出素子としてコの字形ヨークの2箇所に励磁コイルを巻いたものを使用したが、この検出素子の代わりに、検出部として渦電流式や静電容量式などの変位センサを用いるように構成したものである。
本発明の第4実施形態に係る2自由度センサの要部の構成を図8に示す。本実施形態に係る2自由度センサは、2自由度アクチュエータの可動部、例えば、第1実施形態と同様の直線運動と回転運動を行う可動軸10の運動量を検出する検出部として変位センサ70を配置したものである。
【0037】
本実施形態の場合、コイルとヨークからなる素子のインダクタンス変化ではなく、変位センサ70の電圧出力変化等を用いて式(3)から回転運動量を求めることができる。
例えば、検出対象を形成するのに磁性体を使用できない場合、非磁性体用の渦電流変位センサを用いることにより本発明の効果が得られる。
【0038】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係る2自由度センサは、第1〜第3実施形態では、2自由度センサの検出素子としてコの字形ヨークの2箇所に励磁コイルを巻いたものを使用したが、この検出素子の代わりに、検出素子として受光量や受光位置により出力が変化する素子、例えば、フォトダイオード(PD:Photo Diode)や、位置検出素子(PSD:Position Sensitve Detector)などを用いるように構成したものである。他の構成は第1、第3実施形態と同様であるので重複する説明は省略する。
【0039】
図9に、検出素子としてフォトダイオード(PD)を配置した例を示す。本実施形態では、2自由度アクチュエータの可動軸等に第1実施形態と同様に設けられた凹凸を有する検出対象200の凸部201には、中空状に孔202が形成されている。中空の検出対象200内に光源固定部材204に固定されたLEDなどの光源206を設置し、凸部201に設けられた孔202から光源206からの出射光が外部へ出るようにする。
【0040】
フォトダイオード(PD)80への入射光量は検出対象の移動量によって変化するため、フォトダイオード(PD)80の出力は検出対象200の移動量に応じた値となる。したがって、図9に示すように複数のフォトダイオード80を凹凸に対して位相関係を持つように配置し、複数のフォトダイオード80の出力変化を演算処理部(図示を省略してある。)により演算処理し、2方向の運動量を算出することができる。
したがって、第5実施形態に係る2自由度センサによれば、検出素子としてコアとヨークを用いた他の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、図10に、検出素子にフォトダイオードを用いた変形例を示す。本変形例の場合、図示しないセンサケースなどに固定される光源302とフォトダイオード304を、検出対象300の凸部301に反射した光がフォトダイオード304により受光できる位置に設置する。フォトダイオード304への入射光量は凸部301に反射した光量であり、検出対象300の位置によって変化する。そのためフォトダイオード304の出力は検出対象300の移動量に応じた値となる。
【0042】
したがって図9に示した第5実施形態と同様に、図10に示すように複数のフォトダイオード304を、検出対象300に形成された凹凸に対して位相関係を持つように配置し、複数のフォトダイオード304の出力変化を演算処理部(図示を省略してある。)により演算処理し、2方向の運動量を算出することにより、検出素子としてコアとヨークを用いた実施形態と同様の効果を得ることができる。
本変形例により、たとえば検出部の磁束が2自由度アクチュエータの駆動に有害な影響を与える場合や、検出対象を樹脂成形品などの非金属で構成しなければならない場合など、検出素子としてフォトダイオードなどを用いることにより本発明の効果が得られる。
【0043】
[第6実施形態]
これまでの第1実施形態〜第5実施形態及び変形例では1つの検出素子群に4つの検出素子を配置しているが、これに限らず、2自由度アクチュエータの可動部における各方向の運動量検出用に検出素子が1つ以上であれば良い。
本発明の第6実施形態に係る2自由度センサの構成を図11に概念的に示す。本実施形態に係る2自由度センサは、2方向の運動量を検出するのに、各方向について検出部として検出素子を一つ配置するように構成したものである。
本実施形態では、検出対象は、図6に示した平面状のものであり、検出素子は、図6に示した第2実施形態に係る2自由度センサと同様にコの字形ヨークの2箇所にコイルを巻いたものであるとする。
【0044】
図11において、本実施形態に係る2自由度センサは、A、B2方向の運動量を検出する2自由度センサであり、可動部あるいは固定部に設置され、A方向から見て一定幅tAで配置される凹凸と、かつB方向から見て一定幅tBで配置される凹凸を持つ検出対象400を有している。
【0045】
検出対象400の凹凸面に対向して設置され、B方向から見た検出面の幅がtBと等しく、かつA方向から見た幅がtAの2×m倍の対向面を持つ素子を有する第1の検出部402と、検出対象400の凹凸面に対向して設置され、A方向から見た検出面の幅がtAと等しく、かつB方向から見た幅がtBの2×n倍の対向面を持つ素子を有する第2の検出部404と、第1、第2の検出部402、404の出力変化からA方向運動量およびB方向運動量をそれぞれ算出する演算処理部(図示せず)とを有している。第1の検出部402は本発明の第1の検出手段に、第2の検出部404は本発明の第2の検出手段に、演算処理部は本発明の演算手段にそれぞれ相当する。
【0046】
この場合、演算処理部は、例えば、コンパレータ等により第1の検出部402、第2の検出部404の出力である矩形波を波形成形して、パルス数をカウントして移動量を求めるようになっている。
また、各検出方向A,Bにそれぞれ2つの検出素子を用意し、検出対象400の凹凸に対し位相がπ異なるように配置してそれらの検出素子の出力である矩形波を波形成形すれば、高分解能化に加えて移動方向も検出することができる。
以上のように、色々な構成を取ることが可能である。
【0047】
[第7実施形態]
これまでの各実施形態及び変形例では検出対象を一体物として構成しているが、複数部品から構成されていても良い。また、複数の検出素子を含む検出部(検出素子群)を、複数部品で構成されるのではなく一体物(一体的に構成されたもの)であっても良い。図12に、本発明の第7実施形態に係る2自由度センサの構成を示す。すなわち検出対象を場合と、検出素子を一体物で構成した場合の構成例を示す。
【0048】
図12(a)は検出対象を複数部品で構成した場合を示しており、検出対象を軸方向に対して垂直方向に所定幅で切断した形状の積層板500を複数用意し、この複数の積層板500を積層させて検出対象を構成するようにしたものである。
また、図12(b)は、枠体522の内側に複数の検出素子521を一体的に設け、かつ2自由度アクチュエータの可動部(例えば、可動軸)510に嵌装可能に構成したものであり、検出部520を一体物(1部品)で構成した例を示している。図12(a)に示す構成では、検出対象の各部品をプレスなどで加工可能であるため、コストの低減が図れる。
また図12(b)に示す構成では、検出素子をそのまま2自由度アクチュエータの1部品として組込めるため、設計の手間が省け、2自由度センサの小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態に係る2自由度センサの構成を示す図。
【図2】図1における検出対象と検出素子群Aを直線状に展開した図。
【図3】図2に示した各検出素子のインダクタンスの変化を示す特性図。
【図4】図1における検出対象と検出素子群Bを直線状に展開した図。
【図5】図4に示した各検出素子のインダクタンスの変化を示す特性図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る2自由度センサの要部の構成を示す図。
【図7】本発明の第3実施形態に係る2自由度センサの構成を示す図。
【図8】本発明の第4実施形態に係る2自由度センサの要部の構成を示す図。
【図9】本発明の第5実施形態に係る2自由度センサの要部の構成を示す図。
【図10】本発明の第5実施形態に係る2自由度センサの変形例を示す図。
【図11】本発明の第6実施形態に係る2自由度センサの構成を概念的に示す図。
【図12】本発明の第7実施形態に係る2自由度センサの構成を示す図。
【図13】従来の2自由度アクチュエータの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0050】
10…可動軸、12、60、200、300、400…検出対象、14…凹凸、20…検出素子、22…励磁コイル、24…ヨーク、40…検出部、50…演算処理部、70…変位センサ、80、304…フォトセンサ、202…孔、204…光源固定部材、206、302…光源、301…凸部、402…第1の検出部、404…第2の検出部、500…積層板、510…2自由度アクチュエータの可動部、520…検出部、521…検出素子、522…枠体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A、B2方向の運動量を検出する2自由度センサであって、
可動部あるいは固定部に設置され、A方向から見て一定幅tAで配置される凹凸と、かつB方向から見て一定幅tBで配置される凹凸を持つ検出対象と、
前記検出対象の凹凸面に対向して設置され、B方向から見た検出面の幅がtBと等しく、かつA方向から見た幅がtAの2×m倍の対向面を持つ素子を有する第1の検出手段と、
検出対象の凹凸面に対向して設置され、A方向から見た検出面の幅がtAと等しく、かつB方向から見た幅がtBの2×n倍の対向面を持つ素子を有する第2の検出手段と、
前記第1、第2の検出手段の出力変化からA方向運動量およびB方向運動量をそれぞれ算出する演算手段と、
を有することを特徴とする2自由度センサ。
【請求項2】
前記第1の検出手段は、M個×m組(Mは4以上の偶数、mは1以上の整数)の素子で構成され、かつm組目のM個に関して、検出対象の凹凸に対する位相角がB方向から見て0、2π・(1/M)、2π・(2/M)、…、2π・(M-1/M)である素子群から成るm組の第1の検出部a1、a2、…、amからなり、
前記第2の検出手段は、N個×n組の素子で構成され、かつn組目のN個に関して、検出対象の凹凸に対する位相角がA方向から見て0、2π・(1/N)、 2π・(2/N)、…、2π・(N-1/N)である素子群から成るn組の第2の検出部b1、b2、…、bnからなり、
前記演算手段は、m組の第1の検出部a1、a2、…、amおよびn組の第2の検出部b1、b2、…、bnの出力変化を演算処理し、前記検出対象のA方向運動量およびB方向運動量を算出することを特徴とする請求項1に記載の2自由度センサ。
【請求項3】
前記第1の検出部及び第2の検出部は、コイルとヨークからなる素子で構成され、
前記演算手段は、前記第1の検出手段および第2の検出手段におけるインダクタンス変化を演算処理し、検出対象のA方向運動量をαa、βaおよびB方向の運動量をαb、βbの2相正弦波として算出することを特徴とする請求項2に記載の2自由度センサ。
【請求項4】
前記第1の検出部、第2の検出部を構成する検出素子は、受光量や受光位置により出力が変化する素子で構成され、
検出対象の凸部には中空状に孔が設けられており、
前記検出対象内に設置され、前記凸部に設けられた前記孔から光を出射するための1つ以上の光源を有し、
前記演算手段は、前記第1の検出部と、第2の検出部の出力変化を演算処理し、A方向運動量およびB方向運動量を算出すること特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の2自由度センサ。
【請求項5】
前記第1の検出部、第2の検出部を構成する検出素子は、受光量や受光位置により出力が変化する素子であり、前記検出対象の前記凸部からの反射光を受光するようになっており、
検出対象外に設置され、前記検出対象の凸部に光を照射するための1つ以上の光源を有し、
前記演算手段は、前記第1の検出部と、第2の検出部の出力変化を演算処理し、A方向運動量およびB方向運動量を算出することを特徴とする2自由度センサ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の2自由度センサにおいて、前記検出対象は、複数部品で構成されることを特徴とする2自由度センサ。
【請求項7】
前記検出部は、一体物で構成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の2自由度センサ。
【請求項1】
A、B2方向の運動量を検出する2自由度センサであって、
可動部あるいは固定部に設置され、A方向から見て一定幅tAで配置される凹凸と、かつB方向から見て一定幅tBで配置される凹凸を持つ検出対象と、
前記検出対象の凹凸面に対向して設置され、B方向から見た検出面の幅がtBと等しく、かつA方向から見た幅がtAの2×m倍の対向面を持つ素子を有する第1の検出手段と、
検出対象の凹凸面に対向して設置され、A方向から見た検出面の幅がtAと等しく、かつB方向から見た幅がtBの2×n倍の対向面を持つ素子を有する第2の検出手段と、
前記第1、第2の検出手段の出力変化からA方向運動量およびB方向運動量をそれぞれ算出する演算手段と、
を有することを特徴とする2自由度センサ。
【請求項2】
前記第1の検出手段は、M個×m組(Mは4以上の偶数、mは1以上の整数)の素子で構成され、かつm組目のM個に関して、検出対象の凹凸に対する位相角がB方向から見て0、2π・(1/M)、2π・(2/M)、…、2π・(M-1/M)である素子群から成るm組の第1の検出部a1、a2、…、amからなり、
前記第2の検出手段は、N個×n組の素子で構成され、かつn組目のN個に関して、検出対象の凹凸に対する位相角がA方向から見て0、2π・(1/N)、 2π・(2/N)、…、2π・(N-1/N)である素子群から成るn組の第2の検出部b1、b2、…、bnからなり、
前記演算手段は、m組の第1の検出部a1、a2、…、amおよびn組の第2の検出部b1、b2、…、bnの出力変化を演算処理し、前記検出対象のA方向運動量およびB方向運動量を算出することを特徴とする請求項1に記載の2自由度センサ。
【請求項3】
前記第1の検出部及び第2の検出部は、コイルとヨークからなる素子で構成され、
前記演算手段は、前記第1の検出手段および第2の検出手段におけるインダクタンス変化を演算処理し、検出対象のA方向運動量をαa、βaおよびB方向の運動量をαb、βbの2相正弦波として算出することを特徴とする請求項2に記載の2自由度センサ。
【請求項4】
前記第1の検出部、第2の検出部を構成する検出素子は、受光量や受光位置により出力が変化する素子で構成され、
検出対象の凸部には中空状に孔が設けられており、
前記検出対象内に設置され、前記凸部に設けられた前記孔から光を出射するための1つ以上の光源を有し、
前記演算手段は、前記第1の検出部と、第2の検出部の出力変化を演算処理し、A方向運動量およびB方向運動量を算出すること特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の2自由度センサ。
【請求項5】
前記第1の検出部、第2の検出部を構成する検出素子は、受光量や受光位置により出力が変化する素子であり、前記検出対象の前記凸部からの反射光を受光するようになっており、
検出対象外に設置され、前記検出対象の凸部に光を照射するための1つ以上の光源を有し、
前記演算手段は、前記第1の検出部と、第2の検出部の出力変化を演算処理し、A方向運動量およびB方向運動量を算出することを特徴とする2自由度センサ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の2自由度センサにおいて、前記検出対象は、複数部品で構成されることを特徴とする2自由度センサ。
【請求項7】
前記検出部は、一体物で構成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の2自由度センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−349377(P2006−349377A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−172604(P2005−172604)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(000002059)神鋼電機株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(000002059)神鋼電機株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】
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