説明

ゲート当たりトラップ位置を2つ有する電荷をトラップする不揮発性メモリおよびその動作方法

【課題】容易に製造され高密度の用途に対応する不揮発性メモリ用のメモリ技術を提供する。
【解決手段】マルチゲート型メモリセルは、半導体本体と、半導体本体上に直列に配列された複数のゲート50,51とを備える。半導体本体上の電荷蓄積構造体は、複数のゲート50,51におけるすべてまたはいくつかのゲートのそれぞれの下の2つの電荷トラップ位置を含む。ソース55およびドレイン56のバイアス電圧を、半導体本体の、直列における第1のゲート50および最後のゲート51の近くに伝える回路、ならびにゲートのバイアス電圧を複数のゲートに伝える回路が備えられる。マルチゲート型メモリセルは、直列における複数のゲート50,51の下の、連続したマルチゲートのチャネル領域58を含み、電荷蓄積位置がゲートのうちのいくつかまたはすべての間にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集積回路の不揮発性メモリデバイスに関し、より詳細には新規なメモリセルおよびそのようなデバイスの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
EEPROMおよびフラッシュメモリとして知られている電荷蓄積構造体に基づいた電気的にプログラム可能および消去可能な不揮発性メモリ技術は、現代のさまざまな用途において用いられている。EEPROMおよびフラッシュメモリには、多くのメモリセル構造体が用いられている。電荷トラップ誘電体層に基づいたメモリセル構造体は、スケーラビリティ(scalability)を有し製造工程が簡略化されているため、集積回路の寸法が縮小するに従って、生じる関心が大きくなっている。電荷トラップ誘電体層に基づいたメモリセル構造体は、例えば業界名NROM、SONOS、PHINESで知られている構造体を含む。このようなメモリセル構造体は、窒化ケイ素等の電荷トラップ誘電体層内に電荷をトラップすることによってデータを記憶する。負の電荷がトラップされると、メモリセルの閾値電圧は上がる。電荷トラップ層から負の電荷を除去することによって、メモリセルの閾値電圧は下がる。
【0003】
図1は、従来技術のSONOS型の電荷をトラップするメモリセルの略図である。基板は、ソース端子15およびドレイン端子16の役割を果たすnドープ領域と、端子15と16の間のpドープチャネル領域17とを含む。メモリセルの残りの部分は、基板上の底部誘電体14、底部誘電体14上の電荷トラップ材料13、電荷トラップ材料13上の頂部誘電体12、および頂部誘電体12上のゲート11を含む、電荷トラップ構造体を含む。代表的な頂部誘電体としては、厚さが約5から10ナノメートルの二酸化ケイ素および酸窒化ケイ素、または、例えばAlを含む、その他同様の高誘電率材料がある。代表的な底部誘電体としては、厚さが約3から10ナノメートルの二酸化ケイ素および酸窒化ケイ素、またはその他同様の高誘電率材料がある。このタイプの電荷トラップ構造体の代表的な電荷トラップ材料としては、厚さが約3から9ナノメートルの窒化ケイ素、または、酸窒化ケイ素、Al、HfO等の金属酸化物、およびその他を含む、その他同様の高誘電率材料がある。電荷トラップ材料は、電荷トラップ材料でできた不連続な1組のポケットまたは粒子であっても、図示のような連続層であってもよい。
【0004】
メモリセルの端子15、16は、メモリセルの読み出し、プログラム、および消去に用いるバイアス機構におけるソースおよびドレインの役割を果たす。端子15、16を形成するドープ領域は、通常、半導体基板に注入されてチャネル領域17と反対の導電型を有する導電端子を確立する不純物を備える。不純物を注入する手法の結果として注入不純物が半導体基板内に拡散し、それにより、リソグラフィによる縮小を用いて最小寸法として達成可能であれば直ちに(even as)、端子15と16との間のチャネルの長さを縮小する可能性が制限され得る。
【0005】
図2Aおよび図2Bは、メモリセルを高閾値状態にプログラムするための、基板から電荷トラップ構造体内へのファウラー−ノルトハイムトンネル効果を引き起こす、従来技術におけるバイアス機構のひとつを示す。図2Aは、この従来技術の機構に従って図2Bに示す電子トンネル効果がもたらされる、ゲートバイアス電圧Vg、ソースバイアス電圧Vs、ドレインバイアス電圧Vd、および基板バイアス電圧Vbを示す表である。
【0006】
図3は、選択されたセルをプログラムするための図示のバイアス機構を有する、NAND型アレイ構造体用に直列に配列された従来技術のSONOS型のセルを示す。図3の直列のセルは、nドープ領域20〜26、選択ゲートSLG1、SLG2、およびワード線WL〜WLを備える。ワード線WL〜WLの下で、ドープ領域21と22との間のチャネル領域31、ドープ領域22と23との間のチャネル領域32、ドープ領域23と24との間のチャネル領域33、およびドープ領域24と25との間のチャネル領域34の上に、それぞれ電荷蓄積構造体27〜30が設けられている。ドープ領域20、26は、それぞれビット線BL、BLまたはビット線BL、BLの接点の役割を果たす。それぞれ選択ゲートSLG1、SLG2、ドープ領域20、21、およびドープ領域25、26によって形成される選択トランジスタは、直列のメモリセルをビット線BL、BLに接続するよう、または直列のメモリセルをビット線BL、BLから隔離するよう、作用する。WLにおけるメモリセル等、この直列における選択されたメモリセルをプログラムするために、図示のようにバイアス機構が適用される。これにおいて、BLは、アースする(選択されたセルをFN注入によってプログラムするために)か電位Vccを供給する(選択されたセルのプログラムを禁止するために)かのどちらかになるように結合される。選択ゲートSLG1は、ビット線BLをドープ領域21に接続するために、供給電位Vccを受け取る。選択ゲートSLG2は、ビット線BLをドープ領域25から隔離するために、0Vすなわちアースを受け取る。選択されたセルのワード線、本例においてはWL、は約18Vの高電圧を受け取り、基板はアースされる。選択されないセルのワード線は約10Vの電圧を受け取る。これはそのそれぞれのチャネル領域において反転を引き起こすには十分であるが、かなりの電荷注入を引き起こすには不十分である。図3に示すように、それぞれのチャネル領域の間にドープ領域が形成される。
【0007】
従来のメモリセルの大きさに対する制限のひとつは、半導体基板においてソース端子およびドレイン端子用の拡散線を用いることから生じる。拡散線を形成するのに用いる不純物の拡散が、注入が行われる位置をわずかに越えて広がり、拡散領域の大きさが増大する。この拡散によって、より小さい最小寸法へと縮小するのが困難になり、突抜け現象防止のための最小チャネル長等、セルの大きさに対する他の制限が生じる。
【0008】
拡散線を用いることについての諸問題を克服する手法のひとつが、メモリセルにおいて電荷蓄積構造体に隣接する制御電極を用いて基板内に導電性反転領域を引き起こして(inducing)動的に確立された反転領域がソース端子およびドレイン端子の役割を果たすようにすることに基づいて開発されている。注入がないので、反転領域の寸法を、製造工程の最小フィーチャサイズに従ってより正確に制御することができる。Sasago他著「90-nm-node multi-level AG-AND type flash memory with cell size of true 2F2/bit and programming throughput of 10 MB/s,」IEDM, 2003, pages 823-826およびIshii他による米国特許出願公開第2004/0084714号を参照されたい。Sasago他のアシストゲート技法は、さまざまな形式のフローティングゲート型メモリデバイスに適用されるいわゆる「スプリットゲート」技術を拡張させたものと考えてもよい。スプリットゲート型デバイスに関する背景については、Changによる米国特許第5,408,115号を参照されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
容易に製造され高密度の用途に対応する不揮発性メモリ用のメモリ技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
マルチゲート型メモリセルに基づいた集積回路メモリデバイスを説明する。そのようなデバイスの一実施形態は、半導体本体と、半導体本体上に直列に配列された複数のゲートとを備える。半導体本体上の電荷蓄積構造体は、複数のゲートにおける1つよりも多くのゲートの下の電荷トラップ位置を含む。ソースおよびドレインのバイアス電圧をそれぞれ半導体本体の直列における第1のゲートおよび最後のゲートの近くの第1および第2の端子位置に伝える回路、ならびにゲートのバイアス電圧を複数のゲートに伝える回路が備えられる。マルチゲート型メモリセルは、直列における複数のゲートの下の、第1の端子位置と第2の端子位置との間の、連続したマルチゲートのチャネル領域を含む。いくつかの実施形態において、所与のマルチゲート型メモリセルについて直列におけるすべてのゲートの下に電荷トラップ位置が含まれ、そのすべてのゲートがデータ記憶用の制御ゲートとして用いられる。他の実施形態において、直列におけるゲートのすべてがデータ記憶用の制御ゲートとして用いられるわけではない。一例において、1つおきのゲートがデータ記憶用の制御ゲートに用いられ、直列における他のゲートは、メモリセルにおける蓄積位置同士の間の隔離を改善するのに用いられる。
【0011】
マルチゲート型メモリセル上の(on)実施形態において、直列における複数のゲートにおける、1つよりも多くの、またはすべてのゲートの下の2つの位置にデータが記憶され、それによって制御ゲート当たり2つの蓄積位置がデータ記憶に用いられる。
【0012】
実施形態において、ソースおよびドレインのバイアス電圧を伝える回路は、ビット線として配列された導電性材料を備え、ゲートのバイアス電圧を伝える回路は、ワード線として配列された導電性材料を備える。例えば半導体本体には、直列における第1のゲートに隣接する端子位置と直列における最後のゲートに隣接する端子位置とを提供する第1および第2のドープ領域が含まれる。ドープ領域は、半導体本体と反対の導電型を有し、ソース端子およびドレイン端子の役割を果たす。他の実施形態において、第1および第2の端子位置は、マルチゲート型メモリセルにおける蓄積位置へのアクセス中に基板に引き起こされる反転領域によって提供される。いくつかの実施形態において、第1および第2の端子位置のうちの少なくとも1つの役割を果たすドープ領域または反転領域をビット線に選択的に接続する、選択トランジスタ等のデバイスが含まれる。
【0013】
マルチゲート型メモリセルを含む集積回路デバイスは、ソースおよびドレインのバイアス電圧を伝える回路およびゲートのバイアス電圧を伝える回路を制御するコントローラを用いて実施することができ、それによりメモリセルの動作用のバイアス機構が確立される。一例において、このコントローラが提供するバイアス機構は、高閾値状態を確立するための、セル上の直列における選択されたゲートの下の電荷トラップ位置内への電子注入トンネル効果を引き起こす、プログラムバイアス機構を含む。プログラム中、チャネル領域において反転を引き起こして電子トンネル効果をサポートするのに十分な、選択されたゲートのバイアス電圧が、直列におけるもうひとつの制御ゲートまたは他のすべての制御ゲートに印加される。電子注入によるプログラムを含む例における、コントローラによって提供されるバイアス機構は、消去されている電荷蓄積位置内への電子放出または正孔注入を引き起こして低閾値状態を確立する、消去バイアス機構を含む。
【0014】
制御ゲート当たり2つの蓄積位置を利用する実施形態を含む、マルチゲート型メモリセルを含む集積回路の実施形態において、コントローラはソースおよびドレインのバイアス電圧を伝える回路およびゲートのバイアス電圧を伝える回路を制御して、直列における複数のゲートのうちの1つよりも多くのそれぞれのゲートの下の電荷トラップ位置にデータを記憶するためのバイアス機構を確立する。一例において、コントローラによって提供されるバイアス機構は、低閾値状態を確立するための、セル上の直列における選択されたゲートの下の2つの電荷蓄積位置のうちの選択された1つにおける電荷トラップ位置内へのホット正孔注入トンネル効果を引き起こす、プログラムバイアス機構を含む。選択された制御ゲートの下の選択された電荷蓄積位置のプログラム中、チャネル領域において反転を引き起こして正孔トンネル効果(hole tunneling)をサポートするのに十分なバイアス電圧が、直列におけるもうひとつのゲートまたは他のすべてのゲートに印加される。正孔注入によるプログラムを含む例における、コントローラによって提供されるバイアス機構は、消去されている電荷蓄積位置内への電子注入を引き起こして高閾値状態を確立する、消去バイアス機構を含む。制御ゲート当たり2つの蓄積位置を利用する実施形態を含む、マルチゲート型メモリセルを含む集積回路の実施形態において、コントローラは、マルチゲート型メモリセルにおける直列における選択されたゲートの下の蓄積位置は消去するが直列におけるもうひとつのゲートの下の蓄積位置は消去しないことを含む消去手続きに従って、いくつかの実施形態においてはホット正孔消去を含む消去のためのバイアス機構を適用する。
【0015】
いくつかの例において、コントローラによって提供されるバイアス機構は、その下で選択された制御ゲートが読出し電圧を受け取り、他の蓄積位置の上の制御ゲートがマルチゲートのチャネル領域において反転を引き起こす電圧を受け取って選択されたメモリ位置の読出しをサポートする、読出しバイアス機構を含む。
【0016】
集積回路メモリデバイスを動作する方法もまた説明する。方法において、デバイスは上述のマルチゲート型メモリセルを備え、方法は通常オンチップコントローラによって制御される。方法は、選択されたゲートの下の位置においてデータを読み出すためのバイアス機構と、選択されたゲートの下の位置においてデータをプログラムするためのバイアス機構と、デバイスにおけるデータを消去するためのバイアス機構とを適用することを含む。方法の実施形態において、プログラムするためのバイアス機構は、
半導体本体のマルチゲートのチャネル領域に基板バイアス状態を適用し、
半導体本体の、直列における第1のゲートと最後のゲートのうちの一方の近くにソースバイアス状態を適用し、
半導体本体の、直列における第1のゲートと最後のゲートのうちのもうひとつの近くにドレインバイアス状態を適用し、および
直列における複数のゲートにゲートバイアス状態を適用することを含み、ゲートバイアス状態は、直列における選択されたゲートの上の、選択されたゲートの下の電荷トラップ位置内への電子注入電流を引き起こして高閾値状態を確立するのに十分な、基板バイアス状態を基準とするプログラム電圧と、直列における他のゲートの上の、上記他のゲートの下の電荷蓄積位置内にかなりの電子注入を行うことなく上記他のゲートの下のマルチゲートのチャネル領域において反転を引き起こすのに十分な、反転電圧とを含む。
【0017】
本方法の実施形態において、消去するためのバイアス機構は、半導体本体のマルチゲートのチャネル領域に基板バイアス状態を適用し、
半導体本体の、直列における第1のゲートと最後のゲートのうちの一方の近くにソースバイアス状態を適用し、
半導体本体の、直列における第1のゲートと最後のゲートのうちのもうひとつの近くにドレインバイアス状態を適用し、および
直列における複数のゲートにゲートバイアス状態を適用することであって、該ゲートバイアス状態は、直列におけるゲートの下の電荷トラップ位置から電子注出または正孔注入を引き起こして、それによって、低閾値状態を確立するのに十分な電圧を含む。
【0018】
別の例において、消去するためのバイアス機構は、
半導体本体のマルチゲートのチャネル領域に基板バイアス状態を適用し、
半導体本体の、直列における第1のゲートと最後のゲートのうちの一方の近くにソースバイアス状態を適用し、
半導体本体の、直列における第1のゲートと最後のゲートのうちのもうひとつの近くにドレインバイアス状態を適用し、および
直列における複数のゲートの下の1つまたは複数の選択された位置を消去するためにゲートバイアス状態を適用することを含み、ゲートバイアス状態は、直列における選択されたゲートの下の電荷トラップ位置への正孔注入を引き起こすのに十分な電圧と、直列における他のゲートの上の、上記他のゲートの下のマルチゲートのチャネル領域において反転を引き起こして選択されたゲートにおいて低閾値状態を確立するのに十分な、反転電圧とを含む。
【0019】
方法の実施形態による消去手続きは、
直列における複数のゲートにおける消去すべき1組のゲートを識別することであって、該1組のゲートは1つよりも多くの部材を有する、識別し、
1組のゲートにおける第1の選択されたゲートを消去するために上記ゲートバイアス状態を適用することであって、それによって、ソース側とドレイン側の一方または両方のバンド間トンネル効果によって引き起こされるホット正孔注入を、第1の選択されたゲートの下の電荷蓄積位置に引き起こし、および
1組のゲートにおける次の選択されたゲートを消去するために上記ゲートバイアス状態を適用することであって、それによって、ソース側とドレイン側の一方または両方のバンド間トンネル効果によって引き起こされるホット正孔注入を、次の選択されたゲートの下の電荷蓄積位置に引き起こすこと、および、1組におけるすべてのゲートに上記消去するためのゲートバイアス状態を適用するまで繰り返すこと
を含む。
【0020】
本方法の実施形態において、高閾値状態および低閾値状態によって表されるデータを特定するために読み出すためのバイアス機構は、半導体本体のマルチゲートのチャネル領域に基板バイアス状態を適用し、
半導体本体の、直列における第1のゲートと最後のゲートのうちの一方の近くにソースバイアス状態を適用し、
半導体本体の、直列における第1のゲートと最後のゲートのうちのもうひとつの近くにドレインバイアス状態を適用し、および
直列における複数のゲートにゲートバイアス状態を適用することであって、該ゲートバイアス状態は、直列における選択されたゲートの上の、基板バイアス状態を基準とする、低閾値状態用の閾値電圧よりも高い読出し電圧と、直列における他のゲートの上の、上記他のゲートの下のマルチゲートのチャネル領域において反転を引き起こすのに十分な、高閾値状態よりも高い反転電圧とを含む。
【0021】
本明細書において説明するマルチゲート型メモリセルは、少なくとも1つの行になったマルチゲート型メモリセルの複数のゲートに接続された複数のワード線と、複数のワード線に直交して配列され、複数の列のうちの1つまたは複数の列におけるマルチゲート型メモリセルに接続するよう配列された、複数のビット線と、少なくとも1つの行におけるそれぞれのマルチゲート型メモリセルを、選択ゲート制御信号に応答して複数のビット線における対応するビット線に接続するよう配列された、複数の選択ゲートと、少なくとも1つの行における複数の選択ゲートに接続されて選択ゲート制御信号を供給する、選択線とを含むアレイになるよう配列されている。さらに、複数のビット線、複数のワード線、および選択線をコントローラが制御して、ソースおよびドレインのバイアス電圧をアレイにおけるマルチゲート型メモリセルに伝え、ゲートのバイアス電圧を少なくとも1つの行におけるマルチゲート型メモリセルにおける複数のゲートに伝え、選択ゲート制御信号を供給する。
【0022】
いくつかの実施形態において、本明細書において説明するマルチゲート型メモリセルおよびマルチゲート型メモリセルのアレイは、
第1の導電型を有する半導体本体を設けること、
半導体本体上に電荷蓄積構造体を形成すること、
電荷蓄積構造体の上に第1のゲート導体層を堆積させること、
第1のゲート導体層をパターニングし、それによって、電荷蓄積構造体の上に第1の複数のゲートを画定する、パターニングすることであって、第1の複数のゲートは、半導体本体における第1の端子位置と第2の端子位置との間の、連続したマルチゲートのチャネル領域の上に、互いに間隔を置いて直列に配列される、パターニングすること
第1の複数のゲートの少なくとも側壁の上に材料の隔離層を形成すること、および
第1の複数のゲート同士の間の空間を含み(including in)隔離層によって第1の複数のゲートから隔離される第2のゲート導体層を隔離層の上に堆積させ、それによって、半導体本体の上に第2の複数のゲートを画定する、堆積させることであって、第1の複数のゲートと第2の複数のゲートとは、半導体本体における第1の端子位置と第2の端子位置との間の連続したマルチゲートのチャネル領域の上に直列に配列され、それによって、マルチゲート型メモリセルを形成する、堆積させること
を含む方法に従って製造される。
【0023】
本明細書において説明するマルチゲート型メモリセルの実施形態において、直列におけるゲートは、例えば前の段落において説明したように製造時に(manufactured)制御ゲートの側壁上の隔離層の厚さによって設定された小さな距離だけ互いから分離されている。そのような距離は、100ナノメートルよりも小さい距離を含む、連続したマルチゲートのチャネルにおける個々のゲートについてのゲート長よりも実質的に小さい。
【0024】
本発明の他の態様および利点は、以下の図面、詳細な説明、および特許請求の範囲を検討して理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図4ないし図51を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0026】
本明細書で一般に使用する場合には、プログラムとは、ビットごとに選択されたメモリ位置の閾値電圧を設定することを意味し、消去とは、メモリ位置の選択されたブロックまたは選択されたメモリ位置の閾値電圧を「消去状態」に設定することを意味し、アレイ全体またはアレイのセクタのフラッシュ消去を含む。本発明の実施形態において、データが書き込まれる手続きは、まず、指定ブロックについてそのブロックにおけるメモリ位置を消去閾値に設定する消去プロセスを含む。消去閾値は、通常高閾値状態または低閾値状態のうちの一方である。この消去プロセスの後に、そのブロックにおけるメモリ位置について選択されたメモリ位置をプログラム状態に設定し、そのブロックにおける選択されないメモリ位置は消去状態のままにしておく、プログラムプロセスがある。プログラム状態は、通常高閾値状態または低閾値状態のうちの他方である。本明細書において説明する技術の実施形態は、プログラムがメモリ位置の閾値電圧を上げることを意味し消去がメモリ位置の閾値電圧を下げることを意味する製品および方法と、プログラムがメモリ位置の閾値電圧を下げることを意味し消去がメモリ位置の閾値電圧を上げることを意味する製品および方法の両方を含む。
【0027】
図4は、選択された位置をプログラムするためのバイアス機構を示した、本発明によるダブルゲート型メモリセルを示す。ダブルゲート型メモリセルは、基板57における、それぞれ左および右の端子位置におけるnドープ領域によって形成される端子55、56、左および右のゲート50、51、ならびにチャネル領域58を備える。ドープ領域は、ダブルゲート型メモリセルをビット線または他の回路に接続してバイアス電圧を供給する端子55、56の役割を果たす。チャネル領域58は、左および右のゲート50、51の下のチャネル領域のセグメントを分離するドープ領域がないことに留意すべきである、基板における端子55と56との間の連続したp型領域である。代表的な厚さが約9nmである二酸化ケイ素等の頂部誘電体52、電荷トラップ層53、および代表的な厚さが約6nmである二酸化ケイ素等の底部誘電体54を含む電荷蓄積構造体が、ゲート50、51とp型基板におけるチャネル領域58との間に形成される。電荷トラップ層53は、厚さが約6nmの窒化ケイ素等の材料層、または、選択されたセルについてトラップされた電荷を直列における他の位置の閾値電圧に実質的に影響を及ぼす領域内に伝えることのない他の構造体を備える。いくつかの実施形態において、ゲート50、51は、n型またはp型のポリシリコンを備える。他の代表的なゲート材料としては、TiN、Pt、および仕事関数の大きい他の金属および材料がある。蓄積位置はそれぞれ、1ビットまたは複数ビットのデータを記憶することができる。複数ビットは、例えばそれぞれの位置において、そのような位置についての複数のプログラム閾値レベルを確立することによって、記憶することができる。
【0028】
図5は、図4に関して説明したものと同様のダブルゲート型メモリセルの概略記号を示し、ソースおよびドレインはそれぞれドープ領域端子55、56に対応し、制御ゲート1はゲート50に対応し、制御ゲート2はゲート51に対応する。
【0029】
図6は、図4に関して説明したものと同様のダブルゲート型メモリセルにおける選択されたメモリ位置をプログラムするためのバイアス機構を示す。このバイアス機構によれば、ドープ領域端子55、56のうちの一方がアースされ、他方がアースされているかフローティングのままかのどちらかである一方で、基板57をアースし、約18ボルトのVgをゲート50に印加し、約10ボルトをゲート51に印加することによって、ゲート50の下の電荷蓄積構造体における電子記号60によって表される位置において、FNトンネル効果が引き起こされる。
【0030】
図7Aないし図7Dは、図4に関して説明したものと同様のダブルゲート型メモリセルにおけるデータを読み出すためのバイアス機構を示す。図7Aおよび図7Bにおいて、ゲート電圧Vgを受け取るゲート50の下の電荷蓄積位置70において記憶される、ダブルゲート型メモリセルの「ビット1」に対応するデータが、ソース側またはドレイン側のいずれか2ボルトを受け取るほうで読み出される。図7Cおよび図7Dにおいて、ゲート電圧Vgを受け取るゲート51の下の電荷蓄積位置71において記憶される、ダブルゲート型メモリセルの「ビット2」に対応するデータが、ソース側またはドレイン側のいずれか2ボルトを受け取るほうで読み出される。
【0031】
図7Aは、端子56が正の2ボルトが印加された状態のドレインの役割を果たし、端子55がアースされた状態のソースの役割を果たす、蓄積位置70における「ビット1」を読み出すためのバイアス機構を示す。ゲート51に印加されたゲート電圧Vgは、端子55と56との間のチャネル領域において反転73を引き起こすのに十分高い。ゲート電圧Vgによって引き起こされる反転73は、ドレインまたはソースにおける電圧を、チャネルにおける蓄積位置70の近くの領域に接続する役割を果たす。ゲート50に印加されるゲート電圧Vgは、メモリセルについての低閾値状態より高くかつ高閾値状態より低く設定される。実施態様の一例は、約2ボルトのゲート電圧Vgを印加する。図7Bは、端子56および端子55についてのバイアスを反対にした状態の、蓄積位置70における同じ「ビット1」の読み出しを示す。
【0032】
図7Cは、端子56が正の2ボルトが印加された状態のドレインの役割を果たし、端子55がアースされた状態のソースの役割を果たす、蓄積位置71における「ビット2」を読み出すためのバイアス機構を示す。ゲート50に印加されたゲート電圧Vgは、端子55と56との間のチャネル領域において反転74を引き起こすのに十分高い。ゲート電圧Vgによって引き起こされる反転74は、ドレインまたはソースにおける電圧を、チャネルにおける蓄積位置71の近くの領域に接続する役割を果たす。ゲート51に印加されるゲート電圧Vgは、メモリセルについての低閾値状態より高くかつ高閾値状態より低く設定される。実施態様の一例は、約2ボルトのゲート電圧Vgを印加する。図7Dは、端子56および端子55についてのバイアスを反対にした状態の、蓄積位置71における同じ「ビット2」の読み出しを示す。
【0033】
図8および図9は、マルチゲート型セルにおいて制御ゲート当たり1ビットで動作し、図6のプログラムバイアス機構と組み合わせて用いるのに好適な、図4と同様のメモリセルにおいてデータを消去するための別のバイアス機構を示す。図8に示すように、制御ゲート50の下の蓄積位置において「ビット1」を消去するための消去バイアス機構は、端子55をアースして端子56に約5ボルトを印加する一方で、約−5ボルトのゲート電圧Vgをゲート50に、約10ボルトのゲート電圧Vgをゲート51に印加することを含む。これによってゲート51の下に反転領域75が作り出され、ゲート50の下の基板においてホットホール76が引き起こされる。このようなホットホールは「ビット1」の蓄積位置に注入され、電子を移動させて、ゲート50の下の蓄積位置についての閾値電圧を下げる。
【0034】
図9に示すように、制御ゲート50の下の蓄積位置における「ビット1」を消去するための他の消去バイアス機構は、端子56をアースして端子55に約5ボルトを印加する一方で、約−5ボルトのゲート電圧Vgをゲート50に、約10ボルトのゲート電圧Vgをゲート51に印加することを含む。これによってゲート51の下に反転領域77が作り出され、ゲート50の下の基板においてホットホール78が引き起こされる。このようなホットホールは「ビット1」の蓄積位置に注入され、電子を移動させて、ゲート50の下の蓄積位置についての閾値電圧を下げる。いくつかの実施形態において、「ビット1」は、まず図8のバイアス機構を、次に図9のバイアス機構を適用することによって消去することができ、これは蓄積位置における電荷分布のバランスをとるのに役立つ場合がある。
【0035】
図10は、図4に示す実施形態を基板100における単一の連続したチャネル領域の上のN個のゲートに拡張して、マルチゲート型メモリセルにおいて2つよりも多くのゲートがある一実施形態を示す。図10におけるマルチゲート型セルは、基板100への埋込拡散によって実施された第1の端子101および第2の端子102を含む。頂部誘電体105、電荷トラップ層106、および底部誘電体107を備える電荷蓄積構造体の上に、複数の制御ゲート103−1〜103−Nがある。端子101と102との間の連続したチャネル領域において、基板の上に電荷トラップ層106内の電荷蓄積位置104−1〜104−Nがある。図に示すように、バイアス機構が、ゲート電圧Vg〜Vgを制御ゲート103−1〜103−Nに、ソース電圧Vsを端子101に、およびドレイン電圧Vdを端子102に印加する。もちろん、ソース電圧とドレイン電圧とはそれぞれ端子102、101に反対に印加してもよい。
【0036】
図10に示す、単一のマルチゲート型メモリセルにおける制御ゲートの数Nは、個々の実施の必要に適合するよう選択してよい。例えば、一実施形態においてNは8に等しい。他の実施形態において、Nは8より大きくても小さくてもよい。
【0037】
図11は、図10に関して説明したものと同様のマルチゲート構造体の概略記号を示し、ソースおよびドレインはそれぞれ端子101、102に対応し、制御ゲート1はゲートゲート103−1に対応し、制御ゲートNはゲート103−Nに対応する。
【0038】
図12は、図10に関して説明したものと同様のマルチゲート型メモリセルにおける選択されたメモリ位置をプログラムするためのバイアス機構を示す。このバイアス機構によれば、端子101、102のうちの一方がアースされ、他方がアースされているかフローティングのままかのどちらかである一方で、基板100をアースし、18ボルトのVgをゲート103−2に印加し、約10ボルトをゲート103−1および103−3〜103−Nに印加することによって、ゲート103−2の下の電荷蓄積構造体における電子記号110によって表される位置において、FNトンネル効果が引き起こされる。
【0039】
図13は、端子102が正の2ボルトが印加された状態のドレインの役割を果たし、端子101がアースされた状態のソースの役割を果たす、蓄積位置104−5において「ビット5」を読み出すためのバイアス機構の一例を示す。ゲート電圧Vg〜VgおよびVg〜Vgは、端子101と102との間のチャネル領域において反転120、121を引き起こすのに十分高い。ゲート電圧Vg〜VgおよびVg〜Vgによって引き起こされる反転120、121は、ドレインまたはソースにおける電圧を、チャネルにおける蓄積位置104−5の近くの領域に接続する役割を果たす。ゲート103−5に印加されるゲート電圧Vgは、メモリセルについての低閾値状態より高くかつ高閾値状態より低く設定される。図示の例において、約2ボルトのゲート電圧Vgを印加する。
【0040】
図14および図15は、マルチゲート型セルにおいて制御ゲート当たり1ビットで動作し、図12のプログラムバイアス機構と組み合わせて用いるのに好適な、図10と同様のメモリセルにおいてデータを消去するための別のバイアス機構を示す。図14に示すように、制御ゲート103−3の下の蓄積位置において「ビット3」を消去するための消去バイアス機構は、端子101をアースして端子102に約5ボルトを印加する一方で、約−5ボルトのゲート電圧Vgをゲート103−3に、約10ボルトのゲート電圧Vg〜VgおよびVg〜Vgをゲート103−3に印加することを含む。これによってゲート103−1、103−2の下に反転領域125が、ゲート103−4〜103−Nの下に反転領域126が作り出され、ゲート103−3の下の基板においてホットホール130が引き起こされる。このようなホットホールは「ビット3」の蓄積位置に注入され、電子を移動させて、ゲート103−3の下の蓄積位置についての閾値電圧を下げる。
【0041】
図15に示すように、制御ゲート103−3の下の蓄積位置において「ビット3」を消去するための別の消去バイアス機構は、端子102をアースして端子101に約5ボルトを印加する一方で、約−5ボルトのゲート電圧Vgをゲート103−3に、約10ボルトのゲート電圧Vg〜VgおよびVg〜Vgをゲート103−3に印加することを含む。これによってゲート103−1、103−2の下に反転領域127が、ゲート103−4〜103−Nの下に反転領域128が作り出され、ゲート103−3の下の基板においてホットホール131が引き起こされる。このようなホットホールは「ビット3」の蓄積位置に注入され、電子を移動させて、ゲート103−3の下の蓄積位置についての閾値電圧を下げる。
【0042】
いくつかの実施形態において、「ビット3」または他の選択されたビットは、まず図14のバイアス機構を、次に図15のバイアス機構を適用することによって消去することができ、これは蓄積位置における電荷分布のバランスをとるのに役立つ場合がある。
【0043】
図16は、図14および図15のバイアス機構とともに用いるのに好適な消去手続きを示す。この手続きは、それぞれのビット位置を別個にバイアスしてそのようなビット位置の近傍にホットホールを引き起こすのに必要である。手続きは、図10に示すメモリセル等のメモリセルにおけるデータすべてを消去するコマンドで開始する(ブロック250)。手続きにおける一段階は、指数i=1を設定することを含む(ブロック251)。ただし指数iはメモリセル内のゲート番号1ないしNに対応する。現在のビットについてバイアス機構が適用される(ブロック252)。適用されるバイアス機構は、図14の機構、図15の機構、または他のバイアス機構であってもよい。次に手続きは、指数i=Nかどうかを調べることによって、セルにおけるすべてのビット位置が消去されたかどうかを判定する(ブロック253)。指数iがNでない場合には、プロセスはブロック254に進み、指数iをインクリメントして、ブロック251においてセルにおける次のビット位置にバイアス機構を適用する。指数iがNである場合には、本例においては消去ベリファイ(verify)手続きが実行される(ブロック255)。次にプロセスは、消去ベリファイ手続きでメモリセルがパスしたかどうかを調べる(ブロック256)。パスしなかった場合には、本実施形態においては手続きはブロック251において最初からやり直す。セルが消去ベリファイにパスした場合には、手続きは完了する(ブロック257)。他の実施形態は、同じ1組のビット線を共用する1組のセル等の複数のセルを並行して消去する手続きを含む。手続きの実施形態は、ブロック252の後で指数iをインクリメントする前にベリファイを行い、ベリファイにパスしない場合にはブロック252を再試行することによって、それぞれのビット位置について消去ベリファイおよび再試行プロセスを適用してもよい。
【0044】
図17は、枠150、151で表す、ソースおよびドレインのバイアス電圧を、半導体本体の、セルの直列のゲートにおける第1のゲート103−1および最後のゲート103−Nの近くの端子位置に伝える回路を有する、図10と同様のマルチゲート型メモリセルの一実施形態を示す。回路150、151は、多くの方法で実施することができる。例えば、電圧を供給する導体に接触する図10の端子101、102のようなドープ領域端子を用いる。端子101、102は、金属層または集積回路のその他の層において、図示しない相互接続された構造体が配置されて端子との接触を確立する、局所的な(local)接点として実施できる。または、端子101、102は、一列のマルチゲート型メモリセルによって共用され、その列に沿ったどこに対しても電圧を供給する回路に接続された、導電ライン(conductive lines)として実施できる。
【0045】
図18は、ソースおよびドレインのバイアス電圧を半導体本体に伝える回路の別の実施形態を示す。本実施形態において、ゲート201、端子位置202におけるドープ領域、および端子位置203におけるドープ領域を備える第1の選択ゲートトランジスタと、ゲート209、端子位置205におけるドープ領域、および端子位置206におけるドープ領域を備える第2の選択ゲートトランジスタとが含まれている。端子位置202、206におけるドープ領域は、バイアス電圧をそれぞれの端子に送るグローバルビット線またはその他のビット線構造体に接続される。ゲート201、209に印加された制御電圧SLG1、SLG2に応答して、バイアス電圧は、端子位置203、205におけるドープ領域に接続される。端子202と203との間のチャネル領域の上には、二酸化ケイ素の単層等のゲート誘電体207がある。同様に、端子205と206との間のチャネル領域の上には、ゲート誘電体208がある。
【0046】
図19は、ソースおよびドレインのバイアス電圧を半導体本体に伝える回路の別の実施形態を示す。本実施形態において、第1の選択ゲート210および第2の選択ゲート211は、それぞれ半導体本体およびゲート誘電体214、215の上で実施される。第1および第2の選択ゲート210、211はそれぞれ、端子位置212と213との間の、直列のゲートおよびマルチゲート型メモリセルにおける電荷蓄積位置の下の連続したチャネル領域の両端に配置されている。図19は、端子位置203、205におけるドープ領域をなくしている点で図18の実施形態と異なる。第1の選択ゲート210および第2の選択ゲート211の下に反転領域を引き起こすことによって、端子位置212、213を介してバイアス電圧が印加され、反転領域によって、端子212、213からマルチゲート型メモリセルにおける電荷蓄積位置の下の連続したチャネル領域に電圧が伝えられる。
【0047】
図20は、ソースおよびドレインのバイアス電圧を半導体本体に伝える回路のさらに別の実施形態を示す。図20の実施形態は、頂部誘電体105、電荷トラップ層106、および底部誘電体層107を含む電荷蓄積構造体が第1の選択ゲート220および第2の選択ゲート221を覆って延びているので、図19のものとは異なる。
【0048】
図21は、ソースおよびドレインのバイアス電圧を半導体本体における端子位置に伝える回路のさらに別の実施形態を示す。図21の実施形態は、頂部誘電体105、電荷トラップ層106、および底部誘電体層107を含む電荷蓄積構造体がドープ領域端子101、102を覆って延びているので、図10のものとは異なる。
【0049】
図22および図23は、1つおきのゲートのみが蓄積位置の上にあってデータを読み出し書き込むための制御ゲートの役割を果たす、マルチゲート型メモリセルの実施形態を示す。図示の実施形態において、それぞれの制御ゲート同士の間で選択ゲートが実施される。図22および図23に示すもののような実施形態においては、マルチゲート型セルの直列のゲートに含まれるゲートの数が奇数であることが好ましい場合がある。したがって、直列における最後のゲートはゲート番号「N+1」であると考えることができる。図22の実施形態において、偶数番目のゲートはデータ記憶用の制御ゲートの役割を果たす。電荷蓄積構造体は、すべてのゲート同士の間で連続していてもよく、図に示すように分割して、データ記憶用の制御ゲートの下のみにあるようにしてもよい。したがって、ゲート173−2、173−4、173−6、・・・173−Nは電荷蓄積位置184−2、184−4、184−6、・・・184−Nの上にあり、ゲート174−1、174−3、174−5、・・・174−N+1は、マルチゲート型メモリセルのプログラムおよび読出しを制御するための反転領域を引き起こす選択ゲートとして用いられる。
【0050】
図23の実施形態において、奇数番目のゲートはデータ記憶用の制御ゲートの役割を果たす。電荷蓄積構造体は、すべてのゲート同士の間で連続していてもよく、図に示すように分割して、データ記憶用の制御ゲートの下のみにあるようにしてもよい。したがって、ゲート173−1、173−3、173−5、・・・173−N+1は電荷蓄積位置184−1、184−3、184−5、・・・184−N+1の上にあり、ゲート174−2、174−4、174−6、・・・174−Nは、マルチゲート型メモリセルのプログラムおよび読出しを制御するための反転領域を引き起こす選択ゲートとして用いられる。
【0051】
図24Aないし図24Fは、図10のものと同様のマルチゲート型メモリセルの製造の一方法を示す。図24Aに示すように、工程は、p型シリコン基板またはその他の半導体基板等の半導体基板300を設けることで開始する。本発明の実施形態において、基板300はいわゆるトリプルウェル技法を用いて隔離され、半導体基板300はn型領域に埋め込んだp型領域を備え、そのn型領域が今度は別のp型領域に埋め込まれている。基板の、その上にマルチゲート型メモリセルが実施される区域において、底部酸化物層301、電荷トラップ層302、および頂部酸化物層303が形成される。このような層は、熱酸化膜成長(thermal oxide growth)、CVD(chemical vapor deposition)、プラズマCVD、高密度プラズマCVD、原子層堆積(atomic layer deposition)、ならびにその他既知のおよび新興の技術を含む、当該技術分野において既知のさまざまな技法を用いて形成してもよい。
【0052】
図24Bに示すように、底部酸化物層301、電荷トラップ層302、および頂部酸化物層303の形成後、基板上の、マルチゲート型メモリセルが実施される区域を覆って、ポリシリコンまたはその他導電性ゲート材料の層304を堆積させる。ポリシリコンは、さまざまな既知の技術を用いて堆積させてもよい。
【0053】
図24Cに示すように、ポリシリコン層304はあるパターンにエッチングされて、ゲート電極304xを形成する。いくつかの実施形態において、ゲート電極はワード線構造体によって実施され、これらのワード線構造体は、互いに平行な線になって、セルが実施される区域を横切って図の紙面と垂直な方向に延びる。
【0054】
図24Dに示すように、次の段階で、側壁を含む複数のゲート電極304xが、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、またはその他の絶縁材料等の誘電材料でできた隔離層305で覆われる。誘電材料でできた層305は、ゲート電極304xの側壁を覆って、ゲート電極304xを、間隙を満たす隣接するゲートから隔離する。ゲート電極の側壁上の隔離層305の厚さは、一実施形態において100nmよりも薄い。最小フィーチャサイズFを有する実施形態においては、厚さは好ましくは0.1Fよりも薄い。一般に、隔離層の厚さはこの状況においてできるだけ薄く、実質的にゲート電極304xの長さよりも小さい。
【0055】
図24Eに示すように、第2のポリシリコン堆積が行われてゲート電極304x同士の間にゲート電極306xを形成する。第2のポリシリコン堆積は、間隙を効果的に(effectively)満たすCVDまたはその他の技法を用いて実施してもよい。図示のように、ゲート電極306xの高さはゲート電極304xと同じである。他の実施形態において、電極同士は同じ高さでなくてもよい。いくつかの実施形態において、他の平坦化技法として化学的機械的研磨技法を用いてもよい。
【0056】
ゲート電極304x、306xは、当該技術分野において既知のように、導電率を改善するためにケイ化物または金属でできた頂層を含んでもよい。
【0057】
最後に、図24Fに示すように、底部酸化物層301、電荷トラップ層302、頂部酸化物層303、およびポリシリコン層を含む電荷蓄積構造体がパターニングおよびエッチングされて、基板300基板内の注入領域を露出し、端子位置にn型不純物が注入されて、ソース端子307およびドレイン端子308を形成する。図24Aないし図24Fの工程段階の結果、図10に示すものと同様のマルチゲート型メモリセルが実施される。本質的に同じ一連の段階を適用して、そのようなメモリセルのアレイを実施することができる。同様に、当該技術分野において既知の技法を用いて、この構造体に対する変形を容易に実施することができる。
【0058】
図25は、底部酸化物層301、電荷トラップ層302、および頂部酸化物層303がメモリセル上のソース端子317およびドレイン端子318用の注入領域において除去されない、工程の一実施形態の一段階を示す。したがって、注入手続きは、図24Fの段階の代替として変更され、注入が、電荷トラップ構造体を実施するのに用いられる材料の層を貫いて行われるようになっている。
【0059】
図26Aないし図26Dは、図22と同様のマルチゲート型メモリセルの製造の一方法を示す。前のものと同様に、工程は、図24Aおよび図24Bに示すように、半導体基板300を設けることで開始する。基板の、その上にマルチゲート型メモリセルが実施される区域において、底部酸化物層301、電荷トラップ層302、および頂部酸化物層303が形成される。図26Aは、図22に示す、メモリセルにおける偶数番号のついたゲートの下に蓄積位置を有するメモリセルを実施する工程における、次の段階を示す。図26Aないし図26Dの工程において、図24Bの構造体がパターニングされ、図24Cにおいてなされているように頂部酸化物層303のところで停止せずにエッチングされる。より正確には、エッチングは、電荷蓄積位置を作成するのに用いる材料層(301、302、303)を貫いて進み基板300に達し、ポリシリコンの制御ゲートの下の電荷蓄積位置を含む多層スタック351〜356を残す。図26Bに示す段階において、二酸化ケイ素等の絶縁体層340が形成され、多層スタック351〜356を隔離し空間341〜347にゲート誘電体を設ける。図26Cに示す段階は、空間341〜347をポリシリコンで満たすことを含む。図26Dに示す段階において、端子位置においてソースおよびドレインの注入349、350が行われ、メモリセルを完成する。
【0060】
図27は、本発明の一実施形態による集積回路の概略ブロック図である。集積回路450は、半導体基板上の、マルチゲート型の、局所的な電荷をトラップするメモリセルを用いて実施されるメモリアレイ400を含む。行デコーダ401が、複数のワード線402とマルチゲート型メモリセルの選択ゲート線とに接続され、メモリアレイ400における行に沿って配列されている。列デコーダ403が、メモリアレイ400における列に沿って配列された、ソース電圧およびドレイン電圧を送りアレイ400におけるマルチゲート型メモリセルからデータを読み出すための複数のビット線404に接続される。列デコーダ403および行デコーダ401には、バス405上でアドレスが供給される。列デコーダ403には、データバス407を介してブロック406におけるセンスアンプおよびデータイン(data-in)構造体が接続される。データイン線411を介して集積回路450上の入出力ポートから、もしくは集積回路450の内部または外部の他のデータソースから、データがブロック406におけるデータイン構造体に提供される。データアウト線412を介してブロック406におけるセンスアンプから、集積回路450上の入出力ポートに、もしくは集積回路450の内部または外部の他のデータ出力先(destinations)に、データが提供される。
【0061】
本例においてバイアス機構のステートマシン409を用いて実施されるコントローラが、読出し、プログラム、消去、消去ベリファイ、およびプログラムベリファイの電圧等、バイアス機構供給電圧408の印加を制御する。当該技術分野において既知のように、コントローラは、専用論理回路を用いて実施してもよい。他の実施形態において、コントローラは、同じ集積回路上で実施してもよい汎用プロセッサを備え、このプロセッサは、デバイスの動作を制御するコンピュータプログラムを実行する。さらに他の実施形態において、専用論理回路と汎用プロセッサとの組合せを利用してコントローラを実施してもよい。
【0062】
図28は、2つの制御ゲート501、502を有するセルについて、それぞれの制御ゲートの下に2つのデータ蓄積位置がある一実施形態を示す。図示のセルは、メモリセルのソースおよびドレインの役割を果たすn型端子503およびn型端子504を有する半導体基板500を備える。4ビットの電荷蓄積位置を示し、ビット1−1およびビット1−2は制御ゲート501の下にあり、ビット2−1およびビット2−2は制御ゲート502の下にある。ゲート501、502にはそれぞれバイアス電圧Vg、Vgが印加される。いくつかの実施形態において、メモリセルにおけるそれぞれのゲートの下の2つの蓄積位置のそれぞれには、1つよりも多くのビットを記憶することができる。どちらの端子がこのメモリセルのソースの役割を果たしており、どちらの端子がドレインの役割を果たしているかによって、端子503、504のうちの一方にはバイアス電圧Vsが印加され、端子504、503の他方にはバイアス電圧Vdが印加される。基板500にはバイアス電圧Vbが印加される。バイアス機構は、電荷蓄積位置におけるデータのプログラム、消去、および読出しに適用される。
【0063】
図29および図30は、特定のゲートの下の蓄積位置を消去するための他のバイアス機構を示す。図29のバイアス機構において、本例において約8ボルトの正のゲート電圧Vgをゲート501に印加し、約0Vをゲート502に印加し、約−10ボルトをソース端子503、ドレイン端子504、および基板500のそれぞれに印加することによって、基板500とゲート501の下の電荷蓄積位置との間で、ファウラー−ノルトハイム(FN)トンネル効果(記号505で示す)が引き起こされる。このFNトンネル効果によってセルの閾値電圧が上がり、高閾値消去状態が確立される。図30のバイアス機構において、ソース端子503およびドレイン端子504をそれぞれ浮遊させる一方で、本例において約−8ボルトの負のゲート電圧Vgをゲート501に印加し、約0Vをゲート502に印加し、正の約10ボルトを基板500に印加することによって、ゲート501とゲート501の下の電荷蓄積位置との間でFNトンネル効果(記号506で示す)が引き起こされる。このFNトンネル効果によってセルの閾値電圧が上がり、高閾値消去状態が確立される。
【0064】
図29および図30のもののような消去バイアス機構と組み合わせて用いるのに好適な、メモリセルにおけるそれぞれのゲートの下の2つの電荷蓄積位置をプログラムするためのバイアス機構を、ホット正孔注入に基づいて図31ないし図34に示す。図31に示すように、図示のもののようなバイアス機構を用いるホット正孔注入によって、ビット1−1をプログラムすることができ、この場合、ゲート501はVg=−5ボルトを受け取り、ゲート502はVg=+10ボルトを受け取り、端子503はVs=+5ボルトを受け取り、端子504はVd=0ボルトを受け取り、基板はVb=0ボルトを受け取る。バイアス機構は、ゲート502に印加される電圧が比較的高いためにゲート502の下で反転510を引き起こす。また、端子503の役割を果たすn注入領域に隣接するチャネル領域において引き起こされるホットホールは、記号511で示すように電荷蓄積構造体に注入され、電子を移動させて、ビット1−1についての電荷蓄積位置におけるメモリセルの閾値を下げる。
【0065】
図32に示すように、図示のもののようなバイアス機構を用いるホット正孔注入によって、ビット1−2をプログラムすることができ、この場合、ゲート501はVg=−5ボルトを受け取り、ゲート502はVg=+10ボルトを受け取り、端子503はVs=0ボルトを受け取り、端子504はVd=+5ボルトを受け取り、基板はVb=0ボルトを受け取る。バイアス機構は、ゲート502に印加される電圧が比較的高いためにゲート502の下で反転512を引き起こす。また、反転領域512に隣接するチャネル領域において引き起こされるホットホールは、記号513で示すように電荷蓄積構造体に注入され、電子を移動させて、ビット1−2についての電荷蓄積位置におけるメモリセルの閾値を下げる。
【0066】
図33に示すように、図示のもののようなバイアス機構を用いるホット正孔注入によって、ビット2−1をプログラムすることができ、この場合、ゲート501はVg=+10ボルトを受け取り、ゲート502はVg=−5ボルトを受け取り、端子503はVs=+5ボルトを受け取り、端子504はVd=0ボルトを受け取り、基板はVb=0ボルトを受け取る。バイアス機構は、ゲート501に印加される電圧が比較的高いためにゲート501の下で反転514を引き起こす。また、反転領域514に隣接するチャネル領域において引き起こされるホットホールは、記号515で示すように電荷蓄積構造体に注入され、電子を移動させて、ビット2−1についての電荷蓄積位置におけるメモリセルの閾値を下げる。
【0067】
図34に示すように、図示のもののようなバイアス機構を用いるホット正孔注入によって、ビット2−2をプログラムすることができ、この場合、ゲート501はVg=+10ボルトを受け取り、ゲート502はVg=−5ボルトを受け取り、端子503はVs=0ボルトを受け取り、端子504はVd=+5ボルトを受け取り、基板はVb=0ボルトを受け取る。バイアス機構は、ゲート501に印加される電圧が比較的高いためにゲート501の下で反転516を引き起こす。また、端子504の役割を果たすn注入領域に隣接するチャネル領域において引き起こされるホットホールは、記号517で示すように電荷蓄積構造体に注入され、電子を移動させて、ビット2−2についての電荷蓄積位置におけるメモリセルの閾値を下げる。
【0068】
図29および図30のもののような消去バイアス機構および図31ないし図34のもののようなプログラムバイアス機構と組み合わせて用いるのに好適な、メモリセルにおけるそれぞれのゲートの下の2つの電荷蓄積位置を読み出すためのバイアス機構を、図35ないし図38に示す。図35に示すように、図示のもののような反転(reverse)読出しバイアス機構を用いてビット1−1を読み出すことができ、この場合、ゲート501はVg=2ボルトを受け取り、ゲート502はVg=+10ボルトを受け取り、端子503はVs=0ボルトを受け取り、端子504はVd=+2ボルトを受け取り、基板はVb=0ボルトを受け取る。バイアス機構は、ゲート502に印加される電圧が比較的高いためにゲート502の下で反転510を引き起こす。この反転読出しバイアス機構についてのメモリセルの閾値は、ビット1−1の位置に蓄積される電荷によって決まる。ビット1−1における電荷蓄積位置が消去されて高閾値状態が確立する場合には、電流は読出しバイアス機構の下を流れない。または、ビット1−1における電荷蓄積位置がプログラムされて低閾値状態が確立する場合には、電流はメモリセルのチャネルを通って読出しバイアス機構の下を流れる。
【0069】
図36に示すように、図示のもののような反転読出しバイアス機構を用いてビット1−2を読み出すことができ、この場合、ゲート501はVg=+2ボルトを受け取り、ゲート502はVg=+10ボルトを受け取り、端子503はVs=+2ボルトを受け取り、端子504はVd=0ボルトを受け取り、基板はVb=0ボルトを受け取る。バイアス機構は、ゲート502に印加される電圧が比較的高いためにゲート502の下で反転512を引き起こす。ビット1−2における電荷蓄積位置が消去されて高閾値状態が確立する場合には、電流は読出しバイアス機構の下を流れない。または、ビット1−2における電荷蓄積位置がプログラムされて低閾値状態が確立する場合には、電流はメモリセルのチャネルを通って読出しバイアス機構の下を流れる。
【0070】
図37に示すように、図示のもののような反転読出しバイアス機構を用いてビット2−1を読み出すことができ、この場合、ゲート501はVg=+10ボルトを受け取り、ゲート502はVg=+2ボルトを受け取り、端子503はVs=0ボルトを受け取り、端子504はVd=+2ボルトを受け取り、基板はVb=0ボルトを受け取る。バイアス機構は、ゲート501に印加される電圧が比較的高いためにゲート502の下で反転514を引き起こす。ビット2−1における電荷蓄積位置が消去されて高閾値状態が確立する場合には、電流は読出しバイアス機構の下を流れない。または、ビット2−1における電荷蓄積位置がプログラムされて低閾値状態が確立する場合には、電流はメモリセルのチャネルを通って読出しバイアス機構の下を流れる。
【0071】
図38に示すように、図示のもののような反転読出しバイアス機構を用いてビット2−2を読み出すことができ、この場合、ゲート501はVg=+10ボルトを受け取り、ゲート502はVg=+2ボルトを受け取り、端子503はVs=+2ボルトを受け取り、端子504はVd=0ボルトを受け取り、基板はVb=0ボルトを受け取る。バイアス機構は、ゲート501に印加される電圧が比較的高いためにゲート501の下で反転516を引き起こす。ビット2−2における電荷蓄積位置が消去されて高閾値状態が確立する場合には、電流は読出しバイアス機構の下を流れない。または、ビット2−2における電荷蓄積位置がプログラムされて低閾値状態が確立する場合には、電流はメモリセルのチャネルを通って読出しバイアス機構の下を流れる。
【0072】
2つのゲートとそれぞれのゲートに関連する2つの蓄積位置とを有する図28のセル構造体は、N個のゲートを有する図39に示す一実施形態に拡張される。ただしNは2よりも大きい。図39のマルチゲート型メモリセルは、p型不純物を有する半導体本体600において形成される。n型端子601、602は、マルチゲート型メモリセルのソースおよびドレインの役割を果たす。端子601と602との間の連続したチャネル領域の上に、頂部誘電体605、電荷トラップ誘電体606、および底部誘電体607を備える電荷蓄積構造体がある。電荷蓄積構造体およびチャネル領域の上に、制御ゲート603−1〜603−Nがある。図示の実施形態によれば、制御ゲート603−1〜603−Nのそれぞれに関連して電荷蓄積位置が2つある。したがって図示のように、ゲート603−1には電荷蓄積位置604−1−1、604−1−2が関連する。ゲート603−2には、電荷蓄積位置604−2−1、604−2−2が関連する。ゲート603−3には、電荷蓄積位置604−3−1、604−3−2が関連する。ゲート603−4には、電荷蓄積位置604−4−1、604−4−2が関連する。ゲート603−5には、電荷蓄積位置604−5−1、604−5−2が関連する。ゲート603−6には、電荷蓄積位置604−6−1、6046−2が関連する。ゲート603−(N−1)には、電荷蓄積位置604−(N−1)−1、604−(N−1)−2が関連する。ゲート603−Nには、電荷蓄積位置604−N−1、604−N−2が関連する。メモリセルに関連する回路は、電荷蓄積位置において記憶されるデータのプログラム、消去、および読出しのためのバイアス電圧を印加する。バイアス電圧は、それぞれ制御ゲート603−1〜603−NにおけるVg〜Vgを含む。バイアス電圧は、端子601に印加されるVsおよび端子602に印加されるVdを含む。最後にバイアス電圧は、半導体本体600に印加されるVbを含む。半導体本体600は、上述のように、いくつかの実施形態においてより大きな半導体基板における隔離領域を備える。
【0073】
図39のメモリセルの消去、プログラム、および読出しのための代表的なバイアス機構を、図40ないし図45に関して説明する。
【0074】
図40および図41に、他の消去バイアス機構を示す。図40において、マルチゲート型メモリセルにおける選択されたゲートの下の電荷蓄積位置を消去するために、正のゲート電圧のFNトンネル効果のバイアス機構を用いる。したがって、図40に示すバイアス機構によれば、約+8ボルトのVg、Vg、Vg、Vg、Vg(N−1)、Vg、約0ボルトのVg、Vg、および約−10ボルトのVs、Vd、Vbを印加することによって、選択されたゲート603−1、603−3、603−4、603−6、603−(N−1)、603−Nが消去される。このバイアス機構は、基板から、選択されたゲート603−1、603−3、603−4、603−6、603−(N−1)、603−Nの下の記号610−1、610−3、610−4、610−6、610−(N−1)、610−Nで示す電荷蓄積構造体への、電子トンネル効果を引き起こす。この電子トンネル効果によって、それぞれの選択されたゲートに関連する両方の蓄積位置について、閾値電圧が目標消去閾値状態まで上がる。選択されないゲート603−2、603−5は約0ボルトのゲート電圧を受け取る。これは、選択されないメモリセルにおいてあらかじめ確立された閾値状態を著しく乱すのに十分な電子のトンネル効果を引き起こすには、不十分である。
【0075】
図41は、図40のバイアス機構の代替として、負のゲート電圧のFNトンネル効果のバイアス機構を示す。図40に示すバイアス機構によれば、約−8ボルトのVg、Vg、Vg、Vg、Vg(N−1)、Vg、約0ボルトのVg、Vg、および約−10ボルトのVs、Vd、Vbを印加することによって、選択されたゲート603−1、603−3、603−4、603−6、603−(N−1)、603−Nが消去される。このバイアス機構は、選択された制御ゲート603−1、603−3、603−4、603−6、603−(N−1)、603−Nから、610−1、610−3、610−4、610−6、610−(N−1)、610−Nで示す電荷蓄積構造体への、電子トンネル効果を引き起こす。この電子トンネル効果によって、それぞれの選択されたゲートに関連する両方の蓄積位置について、閾値電圧が目標消去閾値状態まで上がる。選択されないゲート603−2、603−5は約0ボルトのゲート電圧を受け取る。これは、選択されないメモリセルにおいてあらかじめ確立された閾値状態を著しく乱すのに十分な電子のトンネル効果を引き起こすには、不十分である。
【0076】
図42および図43は、図39のメモリセルについての、バンド間トンネル効果によって引き起こされるホット正孔注入による、左側および右側のプログラムを示す。左側の蓄積位置、例えばゲート603−5の下の蓄積位置604−5−1、をプログラムするには、図42に示すバイアス機構が用いられる。図42のバイアス機構によれば、選択されないゲート603−1〜603−4および603−6〜603−Nは、約+10ボルト等の高電圧を受け取り、選択されたゲート603−5は約−5ボルトのVgを受け取る。端子601は約+5ボルトに等しいVsを受け取り、端子602は約0ボルトに等しいVdを受け取る。同様に、基板は約0ボルトのVbを受け取る。選択されないゲートに印加される電圧が比較的高いために、反転領域615、616が引き起こされ、それによって端子601、602がゲート603−5の下のチャネル領域に接続される。記号617で示す、バンド間トンネル効果によって引き起こされるホットホールは、反転領域615の、制御ゲート603−5の下の縁において引き起こされ、電荷蓄積位置604−5−1に注入される。これは、選択されたゲート603−5に関連する左側の蓄積位置の閾値電圧を目標プログラム状態まで下げるのに十分である。
【0077】
図43は、選択されたゲートに関連する右側の蓄積位置をプログラムするためのバイアス機構を示す。右側の蓄積位置、例えばゲート603−3の下の蓄積位置604−3−2、をプログラムするには、図43に示すバイアス機構が用いられる。図43のバイアス機構によれば、選択されないゲート603−1、603−2および603−4〜603−Nは、約+10ボルト等の高電圧を受け取り、選択されたゲート603−3は約−5ボルトのVgを受け取る。端子601は約0ボルトに等しいVsを受け取り、端子602は約+5ボルトに等しいVdを受け取る。同様に、基板は約0ボルトのVbを受け取る。選択されないゲートに印加される電圧が比較的高いために、反転領域625、626が引き起こされ、それによって端子601、602がゲート603−3の下のチャネル領域に接続される。記号627で示す、バンド間トンネル効果によって引き起こされるホットホールは、反転領域626の、制御ゲート603−3の下の縁において引き起こされ、電荷蓄積位置604−3−2に注入される。これは、選択されたゲート603−3に関連する右側の蓄積位置の閾値電圧を目標プログラム状態まで下げるのに十分である。
【0078】
図44および図45は、図39のメモリセルについての左側および右側の反転読出しバイアス機構を示す。左側の蓄積位置、例えばゲート603−5の下の蓄積位置604−5−1、を読み出すのに、図44に示すバイアス機構が用いられる。図44のバイアス機構によれば、選択されないゲート603−1〜603−4および603−6〜603−Nは、約+10ボルト等の高電圧を受け取り、選択されたゲート603−5は約+2ボルトのVgを受け取る。端子601は約0ボルトに等しいVsを受け取り、端子602は約+2ボルトに等しいVdを受け取る。同様に、基板は約0ボルトのVbを受け取る。選択されないゲートに印加される電圧が比較的高いために、反転領域635、636が引き起こされ、それによって端子601、602がゲート603−5の下のチャネル領域に接続される。電荷蓄積位置604−5−1が高閾値状態を有する(消去される)場合には、端子601と602との間の電流の流れは阻止される。または、電荷蓄積位置604−5−1が低閾値状態を有する(プログラムされる)場合には、端子601と602との間で電流が流れる。この電流の流れを検出して、電荷蓄積位置604−5−1において記憶されているデータを表示する(indicate)ことができる。
【0079】
左側の蓄積位置、例えばゲート603−3の下の蓄積位置604−3−2、を読み出すのに、図45に示すバイアス機構が用いられる。図45のバイアス機構によれば、選択されないゲート603−1、603−2および603−4〜603−Nは、約+10ボルト等の高電圧を受け取り、選択されたゲート603−3は約+2ボルトのVgを受け取る。端子601は約+2ボルトに等しいVsを受け取り、端子602は約0ボルトに等しいVdを受け取る。同様に、基板は約0ボルトのVbを受け取る。選択されないゲートに印加される電圧が比較的高いために、反転領域645、646が引き起こされ、それによって端子601、602がゲート603−3の下のチャネル領域に接続される。電荷蓄積位置604−3−2が高閾値状態を有する(消去される)場合には、端子601と602との間の電流の流れは阻止される。または、電荷蓄積位置604−3−2が低閾値状態を有する(プログラムされる)場合には、端子601と602との間で電流が流れる。この電流の流れを検出して、電荷蓄積位置604−3−2において記憶されているデータを表示することができる。
【0080】
図46ないし図52は、図11に示すマルチゲート型セルについての記号を用いて、本明細書において説明するマルチゲート型メモリセルについてのアレイレイアウトの代表的な実施形態を概略的に示す。図示のアレイレイアウトは、セル当たり1ビットの(single bit per cell)実施形態およびセル当たり複数ビットの(multiple bits per cell)実施形態とともに用いることができ、上でより詳細に説明した、それぞれの制御ゲートに関連するそれぞれの蓄積位置において1つよりも多くのビットが記憶される実施形態もこれに含まれる。
【0081】
図46は、第1のレイアウトの実施形態を示す。図46において、図18に示す構造体を有するマルチゲート型メモリセル700〜706が、ビット線BLN−3〜BLN+3とともにレイアウトされている。マルチゲート型メモリセルにおける対応するゲートに並行してバイアス電圧Vg〜Vgを送るよう、ワード線が配列されている。ビット線BLN−3〜BLN+3は、バイアス電圧Vs、Vdのうちの一方を選択ゲート710〜716を通じてそれぞれマルチゲート型メモリセル700〜706の底部端子に送るよう配列されている。選択ゲート710〜716のゲートは、ワード線と平行に配列され制御信号SLG2を搬送するバイアス線に接続される。また、ビット線BLN−3〜BLN+3は、バイアス電圧Vs、Vdのうちの他方を選択ゲート720〜726を通じてそれぞれマルチゲート型メモリセル700〜706の頂部端子に送るよう配列されている。選択ゲート720〜726のゲートは、ワード線と平行に配列され制御信号SLG1を搬送するバイアス線に接続される。ビット線BLN−3〜BLN+3は、通常集積回路上の金属層を用いて実施され、コンタクトバイア(contact vias)718、728等のコンタクトバイアを用いて、選択ゲート710〜716または720〜726のソース端子またはドレイン端子に接続される。図示のアレイレイアウトにおいて、マルチゲート型メモリセル706は、選択ゲート716、726を介してそれぞれビット線BLN+3、BLN+2に接続される。マルチゲート型メモリセル705は、選択ゲート715、725を介してそれぞれビット線BLN+1、BLN+2に接続される。マルチゲート型メモリセル704は、選択ゲート714、724を介してそれぞれビット線BLN+1、BLに接続される。マルチゲート型メモリセル703は、選択ゲート713、723を介してそれぞれビット線BLN−1、BLに接続される。マルチゲート型メモリセル702は、選択ゲート712、722を介してそれぞれビット線BLN−1、BLN−2に接続される。マルチゲート型メモリセル701は、選択ゲート711、721を介してそれぞれビット線BLN−3、BLN−2に接続される。マルチゲート型メモリセル700は、選択ゲート710、720を介してそれぞれビット線BLN−3、BLN−4(図示せず)に接続される。図46の実施形態において、マルチゲート型メモリセルは互いに平行に配列されており、アレイにおける単一のマルチゲート型メモリセルのビット線への接続は、2つの選択ゲートによって制御されている。2つの隣接する互いに平行なセルのソース同士は一緒に接続され、単一のビット線に接続される。同様に、2つの隣接する互いに平行なセルのドレイン同士は一緒に接続され、単一のビット線に接続される。
【0082】
図47は、別のレイアウトの実施形態を示す。図47において、図18に示す構造体を有するマルチゲート型メモリセル700〜706が、ビット線BLN−3〜BLN+3とともにレイアウトされている。マルチゲート型メモリセルにおける対応するゲートに並行してバイアス電圧Vg〜Vgを送るよう、ワード線が配列されている。ビット線BLN−3〜BLN+3は、バイアス電圧Vdを選択ゲート720〜726を通じてそれぞれマルチゲート型メモリセル700〜706の頂部端子に送るよう配列されている。また、埋め込んだ(buried)ドープ領域でまたは金属層で実施される水平なソース線719は、バイアス電圧Vsを選択ゲート710〜716を通じてそれぞれマルチゲート型メモリセル700〜706の底部端子に送るよう配列されている。選択ゲート710〜716のゲートは、ワード線と平行に配列され制御信号SLG2を搬送するバイアス線に接続される。ビット線BLN−3〜BLN+3は、通常集積回路上の金属層を用いて実施され、コンタクトバイア728等のコンタクトバイアを用いて、選択ゲート720〜726のドレイン端子に接続される。図示のアレイレイアウトにおいて、マルチゲート型メモリセル706は、選択ゲート716、726を介してそれぞれビット線BLN+3およびソース線719に接続される。マルチゲート型メモリセル705は、選択ゲート725を介してそれぞれビット線BLN+2およびソース線719に接続される。マルチゲート型メモリセル704は、選択ゲート724を介してそれぞれビット線BLN+1およびソース線719に接続される。マルチゲート型メモリセル703は、選択ゲート723を介してそれぞれビット線BLおよびソース線719に接続される。マルチゲート型メモリセル702は、選択ゲート722を介してそれぞれビット線BLN−1およびソース線719に接続される。マルチゲート型メモリセル701は、選択ゲート721を介してそれぞれビット線BLN−2およびソース線719に接続される。マルチゲート型メモリセル700は、選択ゲート720を介してそれぞれビット線BLN−3およびソース線719に接続される。図47の実施形態において、セクタにおける互いに平行なセルすべてのソース同士は一緒に接続され、ビット線の方向に直交する水平なソース線に接続される。それぞれのマルチゲート型メモリセルのドレインは単一のビット線に接続され、このビット線は隣接するビット線とは共用(shared)されていない。
【0083】
図48は、図46のレイアウトと同様の別のレイアウトの実施形態を示す。図48の実施形態において、選択ゲート720〜726および710〜716は、それによって一度にマルチゲート型メモリセルを1つだけビット線に接続することができる、復合(decoding:デコード)機能を提供するよう配列されている。特に、選択ゲート721、723、725のゲート端子は制御信号SLG1に接続され、選択ゲート720、722、724、726のゲートは制御信号SLG2に接続される。同様に、選択ゲート711、713、715のゲート端子は制御信号SLG4に接続され、選択ゲート710、712、714、716のゲートは制御信号SLG3に接続される。その他の点では、この機構は図46において説明したものと同様である。図48の実施形態において、単一のマルチゲート型メモリセルへのビット線の接続は、2つの選択ゲートによって制御されている。2つの隣接する互いに平行なセルのソース同士は一緒に接続され、単一のビット線に接続される。同様に、2つの隣接する互いに平行なセルのドレイン同士は一緒に接続され、単一のビット線に接続される。選択ゲートは、上記隣接する互いに平行なセル同士が共用ビット線に同時に接続されないよう制御される。
【0084】
図49は、第3の他のレイアウトの実施形態を示す。図49において、図20に示す構造体を有するマルチゲート型メモリセル740〜746が、ビット線BLN−3〜BLN+3とともにレイアウトされている。マルチゲート型メモリセルにおける対応するゲートに平行してバイアス電圧Vg〜Vgを送るよう、ワード線が配列されている。ビット線BLN−3〜BLN+3は、バイアス電圧Vs、Vdのうちの一方をマルチゲート型メモリセル740〜746の頂部端子のそれぞれに送るよう配列されている。マルチゲート型メモリセルにおける頂部制御ゲート750〜756は、ワード線と平行に配列され制御信号SLG1を搬送するバイアス線に接続される。また、ビット線BLN−3〜BLN+3は、バイアス電圧Vs、Vdのうちの他方をマルチゲート型メモリセル740〜746の底部端子に送るよう配列されている。底部制御ゲート760〜766は、ワード線と平行に配列され制御信号SLG2を搬送するバイアス線に接続される。ビット線BLN−3〜BLN+3は、通常集積回路上の金属層を用いて実施され、コンタクトバイア748、749等のコンタクトバイアを用いて、選択ゲート710〜716または720〜726のソース端子またはドレイン端子に接続される。図示のアレイレイアウトにおいて、マルチゲート型メモリセル746は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLN+3、BLN+2に接続される。マルチゲート型メモリセル745は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLN+1、BLN+2に接続される。マルチゲート型メモリセル744は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLN+1、BLに接続される。マルチゲート型メモリセル743は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLN−1、BLに接続される。マルチゲート型メモリセル742は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLN−1、BLN−2に接続される。マルチゲート型メモリセル741は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLN−3、BLN−2に接続される。マルチゲート型メモリセル740は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLN−3、BLN−4(図示せず)に接続される。それぞれのセルにおける頂部および底部制御ゲートは、低閾値状態において底部制御ゲートと関連する蓄積位置を維持するよう動作され、図46のアレイの実施形態における選択ゲート710〜716および720〜726のような選択ゲートの代わりに用いることができるようになっている。図49の実施形態において、マルチゲート型メモリセルは互いに平行に配列されており、アレイにおける単一のマルチゲート型メモリセルのビット線への接続は、2つの選択ゲートによって制御されている。2つの隣接する互いに平行なセルのソース同士は一緒に接続され、単一のビット線に接続される。同様に、2つの隣接する互いに平行なセルのドレイン同士は一緒に接続され、単一のビット線に接続される。
【0085】
図50は、第4の他のレイアウトの実施形態を示す。図50において、図20に示す構造体を有するマルチゲート型メモリセル740〜746が、ビット線BLN−3〜BLN+3とともにレイアウトされている。ワード線は、マルチゲート型メモリセルにおける対応するゲートに平行してバイアス電圧Vg〜Vgを送るように配列されている。ビット線BLN−3〜BLN+3は、バイアス電圧Vdをそれぞれマルチゲート型メモリセル740〜746の頂部端子に送るよう配列されている。マルチゲート型メモリセルにおける頂部制御ゲート750〜756は、ワード線と平行に配列され制御信号SLG1を搬送するバイアス線に接続される。また、埋め込んだドープ領域でまたは金属層で実施される水平なソース線769は、バイアス電圧Vsをマルチゲート型メモリセル740〜746の底部端子に送るよう配列されている。底部制御ゲート760〜766は、ワード線と平行に配列され制御信号SLG2を搬送するバイアス線に接続される。ビット線BLN−3〜BLN+3は、通常集積回路上の金属層を用いて実施され、コンタクトバイア758等のコンタクトバイアを用いて、マルチゲート型メモリセルのドレイン端子に接続される。図示のアレイレイアウトにおいて、マルチゲート型メモリセル746は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLN+3およびソース線769に接続される。マルチゲート型メモリセル745は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLN+2およびソース線769に接続される。マルチゲート型メモリセル744は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLN+1およびソース線769に接続される。マルチゲート型メモリセル743は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLおよびソース線769に接続される。マルチゲート型メモリセル742は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLN−1およびソース線769に接続される。マルチゲート型メモリセル741は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLN−2およびソース線769に接続される。マルチゲート型メモリセル740は、その頂部制御ゲートおよび底部制御ゲート上の信号SLG1、SLG2に応答して、それぞれビット線BLN−3およびソース線769に接続される。それぞれのセルにおける頂部および底部制御ゲートは、低閾値状態において頂部および底部制御ゲートと関連する蓄積位置を維持するよう動作され、図47のアレイの実施形態における選択ゲート710〜716および720〜726のような選択ゲートの代わりに用いることができるようになっている。図50の実施形態において、セクタにおける互いに平行なセルすべてのソース同士は一緒に接続され、ビット線の方向に直交する水平なソース線に接続される。それぞれのマルチゲート型メモリセルのドレインは単一のビット線に接続され、このビット線は隣接するビット線とは共用されていない。
【0086】
図51は、図46に示すセクタのような、マルチゲート型メモリセルの複数のセクタを備える、メモリブロックのレイアウトを示す。このレイアウトは、図47ないし図50に示すセクタ構造体にもまた利用してもよい。図51において、第1のセクタ800および第2のセクタ801を示す。第1のセクタ800と第2のセクタ801とは、両者の間の接点(contacts)802、803、804、805を共用している。第1のセクタ800は、同一のレイアウトを有するその上のセクタと、接点806、807、808を共用している。同様に、第2のセクタは、同一のレイアウトを有するその下のセクタと、接点809、810、811を共用している。セクタが繰り返されてメモリブロックを形成し、ブロックが繰り返されて、集積回路上に大型のアレイを形成する。別の実施形態において、第1のセクタ800と第2のセクタ801とは、両者が共用する接点の周りで鏡像になるようにレイアウトしてもよい。図51に示す複数のメモリブロックを含むアレイは、図27に示すもの等の高密度メモリデバイスにおいて利用される。
【0087】
図46ないし図48および図51に示す実施形態における選択ゲートの対のそれぞれの間にはマルチゲート型メモリセルが1つしかないが、他の実施形態は選択ゲート同士の間に1つよりも多くのマルチゲート型メモリセルを含む。同様に、図48および図49は、ビット線へのまたは水平なソース線におけるビット線への接点同士の間に直列における単一のマルチゲート型メモリセルを有するアレイを示す。他の実施形態においては、直列における頂部マルチゲート型メモリセルの頂部ゲートが頂部選択ゲートの役割を果たし、直列における底部マルチゲート型メモリセルの底部ゲートが底部選択ゲートの役割を果たす、直列になった複数のマルチゲート型メモリセルがあってもよい。
【0088】
本明細書において説明する技術は、簡単な工程を用いて製造することができる、セル当たり複数ビットを記憶することができる高密度メモリを提供する。さらに、プログラムおよび消去の動作を比較的低電力で行うことができる。
【0089】
本発明を、上に詳述した好ましい実施形態および例を参照して開示するが、このような例は限定的な意味ではなく例示的な意味に意図されるということが理解されなければならない。当業者には、変更および組合せが容易に理解される、ということが意図され、このような変更および組合せは、本発明の精神および特許請求の範囲内になる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】先行技術の電荷をトラップするメモリセルの図である。
【図2A】FNトンネル効果を引き起こすことによって先行技術の電荷をトラップするメモリセルをプログラムするためのバイアス機構を示す。
【図2B】FNトンネル効果を引き起こすことによって先行技術の電荷をトラップするメモリセルをプログラムするためのバイアス機構を示す。
【図3】直列NAND構成における、直列における選択されたセルをプログラムするためのバイアス機構を有する、直列の電荷をトラップするメモリセルの先行技術の機構を示す。
【図4】2つの制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図5】図4と同様のマルチゲート型メモリセルの概略記号である。
【図6】直列における選択されたセルの下の蓄積位置をプログラムするためのバイアス機構を有する、直列の2つの制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図7A】直列における選択されたセルの下の蓄積位置を読み出すためのバイアス機構をそれぞれ有する、直列の2つの制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図7B】直列における選択されたセルの下の蓄積位置を読み出すためのバイアス機構をそれぞれ有する、直列の2つの制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図7C】直列における選択されたセルの下の蓄積位置を読み出すためのバイアス機構をそれぞれ有する、直列の2つの制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図7D】直列における選択されたセルの下の蓄積位置を読み出すためのバイアス機構をそれぞれ有する、直列の2つの制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図8】直列における選択されたセルの下の蓄積位置を消去するためのバイアス機構を有する、直列の2つの制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図9】直列における選択されたセルの下の蓄積位置を消去するための別のバイアス機構を有する、直列の2つの制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図10】N個の制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図11】図4と同様のマルチゲート型メモリセルの概略記号である。
【図12】直列における選択されたセルの下の蓄積位置をプログラムするためのバイアス機構を有する、直列のN個の制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図13】直列における選択されたセルの下の蓄積位置を読み出すためのバイアス機構を有する、直列のN個の制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図14】直列における選択されたセルの下の蓄積位置を消去するためのバイアス機構を有する、直列のN個の制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図15】直列における選択されたセルの下の蓄積位置を消去するための別のバイアス機構を有する、直列のN個の制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図16】図14または図15のバイアス機構を適用する消去手続きの概略フローチャートである。
【図17】ソース電圧およびドレイン電圧を、半導体本体の、直列における第1のゲートおよび最後のゲートの近くに伝えるための回路を有する、直列のN個の制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図18】ソース電圧およびドレイン電圧を、半導体本体の、直列における第1のゲートおよび最後のゲートの近くに伝えるための選択ゲートトランジスタを有する、直列のN個の制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図19】ソース電圧およびドレイン電圧を、半導体本体の、直列における第1のゲートおよび最後のゲートの近くに伝えるための選択ゲートの別の実施態様を有する、直列のN個の制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図20】ソース電圧およびドレイン電圧を、半導体本体の、直列における第1のゲートおよび最後のゲートの近くに伝えるための選択ゲートのもうひとつの別の実施態様を有する、直列のN個の制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図21】ソース電圧およびドレイン電圧を、半導体本体の、直列における第1のゲートおよび最後のゲートの近くに伝えるための別の実施態様の回路を有する、直列のN個の制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図22】直列における偶数番号のついたゲートがデータ記憶用の制御ゲートの役割を果たす、直列の奇数N+1個の制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図23】直列における奇数番号のついたゲートがデータ記憶用の制御ゲートの役割を果たす、直列の奇数N+1個の制御ゲートを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図24A】マルチゲート型メモリセルの製造工程を示す。
【図24B】マルチゲート型メモリセルの製造工程を示す。
【図24C】マルチゲート型メモリセルの製造工程を示す。
【図24D】マルチゲート型メモリセルの製造工程を示す。
【図24E】マルチゲート型メモリセルの製造工程を示す。
【図24F】マルチゲート型メモリセルの製造工程を示す。
【図25】ソースおよびドレインの注入が電荷蓄積構造体内に行われる、図24Aないし図24Fの工程と同様のマルチゲート型メモリセルの製造工程における一段階を示す。
【図26A】図22または図23のマルチゲート型メモリセルと同様のマルチゲート型メモリセルの製造工程における一段階を示す。
【図26B】図22または図23のマルチゲート型メモリセルと同様のマルチゲート型メモリセルの製造工程における一段階を示す。
【図26C】図22または図23のマルチゲート型メモリセルと同様のマルチゲート型メモリセルの製造工程における一段階を示す。
【図26D】図22または図23のマルチゲート型メモリセルと同様のマルチゲート型メモリセルの製造工程における一段階を示す。
【図27】マルチゲート型メモリセルのアレイを含む集積回路のブロック図である。
【図28】2つの制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図29】選択された制御ゲートの下のデータを消去するためのバイアス機構を有する、2つの制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図30】選択された制御ゲートの下のデータを消去するための別のバイアス機構を有する、2つの制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図31】第1の制御ゲートの下の左側のビット1−1をプログラムするためのバイアス機構を有する、2つの制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図32】第1の制御ゲートの下の右側のビット1−2をプログラムするためのバイアス機構を有する、2つの制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図33】第2の制御ゲートの下の左側のビット2−1をプログラムするためのバイアス機構を有する、2つの制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図34】第2の制御ゲートの下の右側のビット2−2をプログラムするためのバイアス機構を有する、2つの制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図35】第1の制御ゲートの下の左側のビット1−1を読み出すためのバイアス機構を有する、2つの制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図36】第1の制御ゲートの下の右側のビット1−2を読み出すためのバイアス機構を有する、2つの制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図37】第2の制御ゲートの下の左側のビット2−1を読み出すためのバイアス機構を有する、2つの制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図38】第2の制御ゲートの下の右側のビット2−2を読み出すためのバイアス機構を有する、2つの制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図39】N個の制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図40】選択された制御ゲートの下のデータを消去するためのバイアス機構を有する、N個の制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図41】選択された制御ゲートの下のデータを消去するための他のバイアス機構を有する、N個の制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図42】選択された制御ゲートの下の左側のビットをプログラムするためのバイアス機構を有する、N個の制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図43】選択された制御ゲートの下の右側のビットをプログラムするためのバイアス機構を有する、N個の制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図44】選択された制御ゲートの下の左側のビットを読み出すためのバイアス機構を有する、N個の制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図45】選択された制御ゲートの下の右側のビットを読み出すためのバイアス機構を有する、N個の制御ゲートとそれぞれの制御ゲートに関連する2つの蓄積位置とを有するマルチゲート型メモリセルを示す。
【図46】マルチゲート型メモリセルのセクタのレイアウトの概略図である。
【図47】マルチゲート型メモリセルのセクタの第1の別のレイアウトの概略図である。
【図48】マルチゲート型メモリセルのセクタの第2の別のレイアウトの概略図である。
【図49】マルチゲート型メモリセルのセクタの第3の別のレイアウトの概略図である。
【図50】マルチゲート型メモリセルのセクタの第4の別のレイアウトの概略図である。
【図51】複数のセクタを含むマルチゲート型メモリセルのブロックのレイアウトを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体本体と、
該半導体本体上に直列に配列された複数のゲートであって、前記直列における第1のゲートと前記直列における最後のゲートとを含み、絶縁部材が前記直列におけるゲートを前記直列における隣接するゲートから隔離する、複数のゲートと、
前記半導体本体上の電荷蓄積構造体であって、前記直列における前記複数のゲートのうちの1つよりも多くのゲートの下に電荷トラップ位置を含む、電荷蓄積構造体と、
前記半導体本体の、前記直列における前記第1のゲートの近くおよび前記最後のゲートの近くに、ソースおよびドレインのバイアス電圧を伝える回路と、
ゲートのバイアス電圧を前記複数のゲートに伝える回路と
を備える集積回路メモリデバイスであって、
前記半導体本体は、前記直列における前記複数のゲートの下に連続したマルチゲートのチャネル領域を含み、
該マルチゲートのチャネル領域は、
n型とp型のうちの一方の導電性を有し、
前記ソースおよびドレインのバイアス電圧を伝える回路および前記ゲートのバイアス電圧を伝える回路を制御して、それによって、前記直列における前記複数のゲートのうちの前記1つよりも多くのそれぞれの下の、2つの電荷トラップ位置にデータを記憶するためのバイアス機構を確立する(establish)、コントローラを含む
集積回路メモリデバイス。
【請求項2】
前記直列におけるすべての前記ゲートの下に2つの電荷トラップ位置を含む、請求項1に記載の集積回路メモリデバイス。
【請求項3】
前記ソースおよびドレインのバイアス電圧を伝える回路は、ビット線として配列された導電性材料を備え、前記ゲートのバイアス電圧を伝える回路は、ワード線として配列された導電性材料を備える、請求項1に記載の集積回路メモリデバイス。
【請求項4】
前記ソースおよびドレインのバイアス電圧を伝える回路は、ビット線として配列された導電性材料と、前記半導体本体の、前記直列における前記第1のゲートに隣接する第1の端子位置と、前記半導体本体の、前記直列における前記最後のゲートに隣接する第2の端子位置とを備え、前記第1および第2の端子位置は、n型とp型のうちの他方の導電性を有し、前記第1および第2の端子位置のうちの少なくとも1つを前記ビット線に選択的に接続するようになっているデバイスを有する、請求項1に記載の集積回路メモリデバイス。
【請求項5】
前記ソースおよびドレインのバイアス電圧を前記半導体本体に伝える回路は、前記半導体本体の、前記直列における前記第1のゲートに隣接する第1の端子位置と、前記半導体本体の、前記直列における前記最後のゲートに隣接する第2の端子位置とを備え、前記第1および第2の端子位置は、n型とp型のうちの他方の導電性を有する、請求項1に記載の集積回路メモリデバイス。
【請求項6】
前記ソースおよびドレインのバイアス電圧を伝える回路は、前記直列における前記第1のゲートに隣接し前記マルチゲートのチャネル領域の上にあるさらなるゲートを含むビット線を備え、該さらなるゲートは、復号回路に接続され、選択されると前記マルチゲートのチャネル領域を前記ビット線に接続する、請求項1に記載の集積回路メモリデバイス。
【請求項7】
前記ソースおよびドレインのバイアス電圧を伝える回路は、前記直列における前記第1のゲートに隣接し前記マルチゲートのチャネル領域の上にある第1のさらなるゲートと、前記直列における前記最後のゲートに隣接し前記マルチゲートのチャネル領域の上にある第2のさらなるゲートとを含む、第1および第2のビット線を備え、前記第1および第2のさらなるゲートは、復号回路に接続され、選択されると前記マルチゲートのチャネル領域を前記第1および第2のビット線に接続する、請求項1に記載の集積回路メモリデバイス。
【請求項8】
前記電荷蓄積構造体は、底部誘電体層と、電荷トラップ誘電体層と、頂部誘電体層とを含む誘電体スタックを備える、請求項1に記載の集積回路メモリデバイス。
【請求項9】
前記電荷蓄積構造体は、底部誘電体層と、電荷トラップ誘電体層と、頂部誘電体層とを含む誘電体スタックを備え、前記電荷トラップ誘電体層は窒化ケイ素を備える、請求項1に記載の集積回路メモリデバイス。
【請求項10】
前記直列の(series)ゲートは2つよりも多くのゲートを含み、前記電荷蓄積構造体は前記直列のゲートのうちの2つよりも多くのゲートの下に電荷トラップ位置を含む、請求項1に記載の集積回路メモリデバイス。
【請求項11】
前記コントローラは、プログラム手続き、消去手続き、および読出し手続きを適用し、前記プログラム手続きは低閾値状態を確立することを含み、前記消去手続きは高閾値状態(high threshold state)を確立することを含む、請求項1に記載の集積回路メモリデバイス。
【請求項12】
半導体本体と、
該半導体本体を横切って延びる複数のワード線と、
前記半導体本体を横切って前記複数のワード線に略直交して配列された複数のビット線と、
前記半導体本体上にあり、前記複数のワード線および前記複数のビット線に接続された、復号回路と、
前記複数のワード線および前記複数のビット線に接続されたマルチゲートの記憶素子のアレイであって、該マルチゲートの記憶素子はそれぞれ、
直列に配列され前記複数のワード線におけるそれぞれのワード線に接続された、複数のゲートであって、前記直列における第1のゲートと前記直列における最後のゲートとを含み、絶縁部材が前記直列におけるゲートを前記直列における隣接するゲートから隔離する、複数のゲートと、
前記半導体本体上の電荷蓄積構造体であって、前記直列における前記複数のゲートのうちの1つよりも多くのゲートの下に電荷トラップ位置を含む、電荷蓄積構造体と、
前記直列における前記複数のゲートの下に、n型とp型のうちの一方の導電性を有するマルチゲートのチャネル領域と、
前記直列における前記第1のゲートおよび前記最後のゲートの近くのソースおよびドレイン端子であって、該ソースおよびドレイン端子のうちの少なくとも1つは前記複数のビット線におけるビット線に接続されている、ソースおよびドレイン端子と
を含む、マルチゲートの記憶素子のアレイと、
前記ソースおよびドレインのバイアス電圧を伝える回路および前記ゲートのバイアス電圧を伝える回路を制御して、それによって、前記直列における前記複数のゲートのうちの前記1つよりも多くのそれぞれの下の2つの電荷トラップ位置にデータを記憶するためのバイアス機構を確立する、コントローラであって、前記直列における前記複数のゲートのうちの前記1つよりも多くのそれぞれの下の前記2つの電荷トラップ位置について、プログラム手続き、消去手続き、および読出し手続きを制御するよう配列されている、コントローラと
を備える集積回路メモリデバイス。
【請求項13】
半導体本体と、該半導体本体上に直列に配列された複数のゲートであって、前記直列における第1のゲートと前記直列における最後のゲートとを含み、絶縁部材が前記直列におけるゲートを前記直列における隣接するゲートから隔離する、複数のゲートと、前記半導体本体上の電荷蓄積構造体であって、前記直列における前記複数のゲートのうちの1つよりも多くのゲートの下に電荷トラップ位置を含む、電荷蓄積構造体とを備え、前記半導体本体は、前記直列における前記複数のゲートの下に、連続したマルチゲートのチャネル領域を含み、該マルチゲートのチャネル領域は、n型とp型のうちの一方の導電性を有する、集積回路メモリデバイスを動作する方法であって、該方法は、
選択されたゲートにおいてデータをプログラムするためのバイアス機構を適用することであって、該バイアス機構は、前記直列における選択されたゲートの下の選択された電荷トラップ位置をプログラムするためのものであり、
前記半導体本体の前記マルチゲートのチャネル領域に基板バイアス状態を適用し、
前記半導体本体の、前記直列における前記第1のゲートと前記最後のゲートのうちの一方の近くにソースバイアス状態を適用し、
前記半導体本体の、前記直列における前記第1のゲートと前記最後のゲートのうちの他方の近くにドレインバイアス状態を適用し、および
前記直列における前記複数のゲートにゲートバイアス状態を適用すること
を含み、
前記ゲートバイアス状態は、前記ソースおよびドレインのバイアス電圧を前記選択されたゲートの下の前記領域に伝えるための、前記直列における選択されたゲートの上の前記基板バイアス状態を基準とするプログラム電圧を含み、前記ソースおよびドレイン状態は、前記選択されたゲートの下の前記2つの電荷トラップ位置のうちの前記一方への正孔注入電流を引き起こして低閾値状態を確立するのに十分な、前記半導体本体であるソースおよびドレイン電圧と、前記直列における他のゲートの上の、該他のゲートの下の電荷蓄積位置内にかなりの電子または正孔の注入を行うことなく前記他のゲートの下の前記マルチゲートのチャネル領域において反転を引き起こすのに十分な、反転電圧とを含む、
メモリデバイスを動作する方法。
【請求項14】
前記半導体本体の前記マルチゲートのチャネル領域に基板バイアス状態を適用し、
前記半導体本体の、前記直列における前記第1のゲートと前記最後のゲートのうちの一方の近くにソースバイアス状態を適用し、
前記半導体本体の、前記直列における前記第1のゲートと前記最後のゲートのうちのもうひとつの近くにドレインバイアス状態を適用し、および
前記直列における前記複数のゲートにゲートバイアス状態を適用することであって、該ゲートバイアス状態は、前記直列における選択されたゲートの上の、前記基板バイアス状態を基準とする、前記低閾値状態用の閾値電圧よりも高い読出し電圧と、前記直列における前記他のゲートの上の、該他のゲートの下の前記マルチゲートのチャネル領域において反転を引き起こすのに十分な、前記高閾値状態よりも高い反転電圧とを適用し、
読み出すためのバイアス機構を適用することをさらに含む、請求項13に記載のメモリデバイスを動作する方法。
【請求項15】
前記半導体本体の前記マルチゲートのチャネル領域に基板バイアス状態を適用し、
前記半導体本体の、前記直列における前記第1のゲートと前記最後のゲートのうちの一方の近くにソースバイアス状態を適用し、
前記半導体本体の、前記直列における前記第1のゲートと前記最後のゲートのうちのもうひとつの近くにドレインバイアス状態を適用し、および
前記直列における前記複数のゲートにゲートバイアス状態を適用することであって、該ゲートバイアス状態は、前記直列における1つまたは複数のゲートの下の前記電荷トラップ位置に電子注入を引き起こして、それによって、前記高閾値状態を確立するのに十分な電圧を適用し、
消去するためのバイアス機構を適用することをさらに含む、請求項14に記載のメモリデバイスを動作する方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24A】
image rotate

【図24B】
image rotate

【図24C】
image rotate

【図24D】
image rotate

【図24E】
image rotate

【図24F】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26A】
image rotate

【図26B】
image rotate

【図26C】
image rotate

【図26D】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate


【公開番号】特開2006−24930(P2006−24930A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−194520(P2005−194520)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(599129074)旺宏電子股▲ふん▼有限公司 (27)
【Fターム(参考)】