説明

プラズマ処理装置

【課題】被処理基板に対して均一なプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理装置を提供すること。
【解決手段】プラズマ処理装置は、チャンバ2と、チャンバ内で基板Gが載置される、下部電極として機能する基板載置台3と、基板載置台3と対向するように設けられ、高周波電力が印加される上部電極15と、チャンバ2内に処理ガスを導入するシャワーヘッド5と、チャンバ2内を排気する排気装置28とを具備する。上部電極15は、2つの電極部材16、17からなり、これら電極部材16、17に高周波電力が印加された際に各電極部材に定在波が形成され、電極部材16、17に形成された複数の定在波の総和によって前記電極平面に形成される電圧分布が均一になるように、電極部材16、17の配置またはこれらに形成される定在波の分布が調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶ディスプレイ(LCD)に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造過程では、被処理体である矩形のガラス基板に対してドライエッチング、アッシング、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の種々のプラズマ処理が行なわれる。また、太陽電池パネルに用いられるアモルファスシリコン膜やマイクロクリスタリンシリコン膜の成膜にもプラズマ処理が用いられる。
【0003】
このようなプラズマ処理を行うプラズマ処理装置としては、チャンバ内に、被処理基板を載置する下部電極と、下部電極に対向する上部電極の一対の平板電極を配置し、これらの一方に高周波電力を印加してこれらの間に高周波電界を形成し、この高周波電界により励起される容量結合プラズマを用いるものが多用されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−325759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近時、FPD用のガラス基板等の被処理基板は大型化の一途をたどり、高周波電力を印加する平板電極も大型化している。このように平板電極が大型化すると、高周波電力を印加した際に、電力伝送路である平板電極上に定在波が生じる。このような定在波が生じると、電極上の電位や電流分布が不均一となり、印加した高周波電力によって励起されるプラズマも不均一となり、大型の被処理基板に対して均一なプラズマ処理を行うことが困難となる。
【0006】
本発明は、被処理基板に対して均一なプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、被処理基板を収容する処理容器と、前記処理容器内で被処理基板を支持し、第1の電極として機能する基板支持部材と、前記基板支持部材に対向するように設けられ、高周波電力が印加される第2の電極と、前記処理容器内に処理ガスを導入するガス導入機構と、前記処理容器内を排気する排気機構とを具備し、前記第2の電極に高周波電力を印加することにより、前記第1の電極と前記第2の電極に高周波電界を形成して、前記ガス導入機構から導入された処理ガスをプラズマ化して被処理基板に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、前記第2の電極は、一つの電極平面を構成するように配置された複数の電極部材からなり、前記複数の電極部材に高周波電力が印加された際に各電極部材に定在波が形成され、これら複数の電極部材に形成された複数の定在波の総和によって前記電極平面に形成される電圧分布が均一になるように、前記複数の電極部材の配置または前記複数の電極部材に形成される定在波の分布が調整されることを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プラズマを形成するための高周波電力が印加される第2の電極が、一つの電極平面を構成するように配置された複数の電極部材からなり、前記複数の電極部材は高周波電力が印加された際に定在波が形成され、これら定在波の総和によって前記電極平面に形成される電圧分布が均一になるように配置されるので、第2の電極に高周波電力を供給した際に、各電極部材に形成された定在波が均されて均一な電圧分布が得られ、均一なプラズマを形成することができる。このため、被処理基板に対して均一なプラズマ処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。
【図2】図1のプラズマ処理装置に用いられる上部電極を示す平面図である。
【図3】図1のプラズマ処理装置に用いられる上部電極および上部グランドとして機能するシャワーヘッドの一部を拡大して示す部分断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における電極部材の長手方向の位置とその位置での電圧との関係を示す図であり、電極部材の定在波分布を示すものである。
【図5】本発明の第1の実施形態の他の例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態における上部電極を示す平面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態における電極部材の長手方向の位置とその位置での電圧との関係を示す図であり、電極部材の定在波分布を示すものである。
【図9】本発明の第4の実施形態における上部電極の一例を示す平面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態における上部電極の他の例を示す平面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態における電極部材の長手方向の位置とその位置での電圧との関係を示す図であり、電極部材の定在波分布を示すものである。
【図12】本発明の第5の実施形態における上部電極の一例を示す平面図である。
【図13】本発明の第5の実施形態の上部電極において、インピーダンス調整部による電圧分布の位相の変化を説明するための図である。
【図14】本発明の第6の実施形態におけるプラズマ処理装置の一例の一部を示す断面図である。
【図15】図14のプラズマ処理装置の上部電極部分を示す底面図である。
【図16】図14の上部電極およびシャワーヘッドを拡大して示す断面図である。
【図17】本発明の第6の実施形態におけるプラズマ処理装置の他の例の一部を示す断面図である。
【図18】図17の上部電極およびシャワーヘッドを拡大して示す断面図である。
【図19】本発明の第7の実施形態における上部電極の一つの電極部材を示す平面図である。
【図20】図20は、本発明の第8の実施形態における上部電極を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
ここでは、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネセンス(Electro Luminescence;EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP)に代表されるFPD用のガラス基板、太陽電池等の大型基板に対してプラズマCVD等のプラズマ処理を行うプラズマ処理装置について説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るプラズマ処理装置を示す断面図、図2はその上部電極を示す平面図、図3はその上部電極および上部グランドとして機能するシャワーヘッドの一部を拡大して示す部分断面図である。
【0012】
このプラズマ処理装置1は、枚葉式のプラズマ処理装置として構成され、例えば表面がアルマイト処理(陽極酸化処理)されたアルミニウムからなる角筒形状に成形されたチャンバ(処理容器)2を有している。このチャンバ2内の底部には矩形状をなす大型の基板Gを載置(支持)するための基板載置台(基板支持部材)3が設けられている。
【0013】
基板載置台3は、アルミニウム等の金属からなり、絶縁部材4を介してチャンバ2の底部に支持されている。基板載置台3は下部電極(第1の電極)として機能し、接地されている。また、基板載置台3の内部には、絶縁体を介してヒータを埋設しておいてもよい。また、チャンバ2の底壁、絶縁部材4および載置台3を貫通するように、基板Gのローディングおよびアンローディングを行うための昇降ピン(図示せず)が昇降可能に挿通されている。
【0014】
チャンバ2の天壁には、基板載置台3に対向するように、基板Gと対応する大きさの矩形状のシャワーヘッド5が設けられている。シャワーヘッド5は金属製であり、接地されていて上部グランドとして機能する。
【0015】
シャワーヘッド5の内部にはガス空間6が形成されており、チャンバ2の天壁中央およびシャワーヘッド5の上部中央を貫通してガス空間6に達するようにガス導入孔7が形成されている。また、シャワーヘッド5の下面には多数のガス吐出孔8が形成されている。
【0016】
ガス導入孔7にはガス供給機構10から延びるガス供給配管9が接続されており、ガス供給機構10からプラズマ処理のための処理ガスがガス供給配管9を介してシャワーヘッド5のガス空間6に供給されるようになっている。そして、ガス空間6に供給された処理ガスは、ガス吐出孔8から基板Gに向けて吐出されるようになっている。ガス供給配管9にはバルブ11とガス流量制御器(図示せず)が設けられている。
【0017】
シャワーヘッド5の直下には、銅やアルミニウム等の低抵抗の導体で形成された上部電極(第2の電極)15が設けられている。上部電極15は、図2に示すように、2つの櫛歯状の電極部材16、17からなっており、これら櫛歯状の電極部材16、17により一つの電極平面が形成されている。これら電極部材16、17は、いずれも複数の短冊状の櫛歯31を有し、これらが等間隔で平行に延びており、これら複数の櫛歯31の一端が連結部32により連結され、他端が終端となっている。また、連結部32には給電部33が形成されている。そして、これら電極部材16、17は、同じ側に給電部33が位置し、また、同じ側に終端が位置するように、かつ、電極部材16の櫛歯31と電極部材17の櫛歯31とが交互にかつ等間隔になるように配置されている。上部電極15には、給電線18により整合器19を介して高周波電源20が接続されている。給電に際しては、1つの高周波電源20から2つの電極部材16および17の給電部33に給電されるようになっている。また、電極部材16の終端は接地されており、電極部材17の終端は開放終端となっている。なお、この例では、電極部材16、17は、給電部近傍で互いに交差しており、交差部では上下に離隔しているが、基板Gの配置部分では平面状に配置されている。
【0018】
上部電極15は、絶縁部材21に支持されている。すなわち、上部グランドとして機能するシャワーヘッド5と上部電極15との間は絶縁部材21により絶縁されている。絶縁部材21は、電極部材16、17に対応して櫛歯状に設けられている。
【0019】
図3に拡大して示すように、電極部材16、17の内部にはガス空間23が形成されている。また、電極部材16、17の下面にはガス空間23に接続するように多数のガス吐出孔24が形成されている。ガス空間23にはガス供給機構10から延びるガス供給配管22が接続されており、ガス供給機構10からプラズマ処理のための処理ガスがガス供給配管22を介して電極部材16、17のガス空間23に供給されるようになっている。そしてガス空間23に供給された処理ガスは、ガス吐出孔24から基板Gに向けて吐出されるようになっている。ガス供給配管22にはバルブ25とガス流量制御器(図示せず)が設けられている。
【0020】
このように、シャワーヘッド5の他、基板Gに近接した上部電極15の電極部材16、17からも処理ガスを吐出することにより、基板Gに対してより均一に処理ガスを供給することが可能となっている。
【0021】
電極部材16、17には、高周波電力が給電されることにより定在波が形成される。電極の大型化に伴い、高周波電力の伝搬波長に電極サイズが近づくことにより、電極上に定在波が生じる。このように定在波が形成されることにより、電極部材16、17には電圧分布が生じる。しかし、これら電極部材16、17に形成される複数の定在波の分布を制御することにより、これら複数の定在波の総和によって電極平面内に形成される電圧分布を均一にすることができる。
【0022】
電極部材16および17の定在波は、電極部材16および17のインピーダンス特性により変化し、これらのインピーダンス特性を調整することによって、定在波を制御することができる。本実施形態では、電極部材16の終端を接地、電極部材17の終端を開放としており、高周波電源20から印加される高周波電力の周波数を、電極部材上に生じる定在波の波長をλとし、上部電極15の長さ、すなわち電極部材16、17の櫛歯31の長さを線長Lとした場合に、線長L=(λ/4)×n(nは整数)となるような周波数とする。これにより、電極平面で均一な電圧分布を形成することができる。
【0023】
図4は、線長Lの電極部材16および17の長手方向の位置とその位置での電圧(絶対値)との関係を示すものであり、図4(a)は上記式でn=1の場合、すなわちL=λ/4となる周波数を印加した場合を示し、図4(b)はn=2の場合、すなわちL=λ/2となる周波数を印加した場合を示す。つまり、図4は、電極部材上に形成される定在波分布を示すものである。図4に示すように、電極部材16の定在波の電圧V1と電極部材17の定在波の電圧V2との和V1+V2は、電極部材の長手方向においてほぼ均一になる。電極部材16の櫛歯31と電極部材17の櫛歯31は、交互にかつ等間隔になるように配置されていることから、電極部材16と電極部材17の定在波による電圧分布の偏りは、電極部材16、17により形成される電極平面内では平均化され、電極平面内の電圧分布は全体として均一となる。
【0024】
チャンバ2の互いに対向する側壁のシャワーヘッド5と上部電極15との間の高さ位置には、排気孔26が形成されており、この排気孔26には排気管27が接続され、排気管27には排気装置28が接続されている。排気装置28はターボ分子ポンプなどの真空ポンプを備えており、これによりチャンバ2内を所定の減圧雰囲気まで真空引き可能なように構成されている。排気装置28により、供給された処理ガスは上部電極15とシャワーヘッド5との間の空間から横方向に速やかに排気されるので、処理ガスのチャンバ2内における滞在時間を短くすることができる。
【0025】
また、チャンバ2の側壁には基板搬入出口29が設けられており、この基板搬入出口29はゲートバルブ30により開閉可能となっている。そして、このゲートバルブ30を開にした状態で搬送装置(図示せず)により基板Gが基板搬入出口29を介して搬入出されるようになっている。
【0026】
このプラズマ処理装置1は、各構成部を制御するマイクロプロセッサ(コンピュータ)を含む制御部40を有しており、各構成部がこの制御部40に接続されて制御される構成となっている。
【0027】
次に、このように構成されるプラズ処理装置1における処理動作について説明する。
まず、ゲートバルブ30を開いて、基板Gを搬送アーム(図示せず)により基板搬入出口29を介してチャンバ2内へと搬入し、基板載置台3上に載置する。
【0028】
その後、ゲートバルブ30を閉じ、排気装置28によって、チャンバ2内を所定の真空度まで真空引きする。その後、処理ガス供給機構10から処理ガスを所定の流量で、処理ガス供給配管9、22、シャワーヘッド5および上部電極15の電極部材16、17を介してチャンバ2内に供給し、チャンバ2内を所定圧力に制御する。この状態で、高周波電源20から整合器19を介してプラズマ生成用の高周波電力を上部電極15に印加し、下部電極としての基板載置台3との間に高周波電界を生じさせて、処理ガスのプラズマを生成し、このプラズマにより基板Gにプラズマ処理、例えばプラズマCVD処理を施す。
【0029】
従来は、上部電極として平板状のものを用いており、基板の大型化にともなって上部電極が大型化すると、高周波電力を印加した際に、電力伝送路である電極上に定在波が生じ、これにより、電極上の電圧分布が不均一となり、印加した高周波電力によって励起されるプラズマも不均一となって、均一なプラズマ処理を行うことが困難であった。
【0030】
これに対して本実施形態では、櫛歯状の電極部材16および電極部材17を、一つの電極平面が形成されるように、また、電極部材16の櫛歯31と電極部材17の櫛歯31とが交互にかつ等間隔になるように配置して上部電極15を構成し、これら電極部材16、17に形成される複数の定在波の分布を制御することにより、これら複数の定在波の総和によって電極平面内に形成される電圧分布が均一になるようにする。具体的には、電極部材16の終端を接地、電極部材17の終端を開放とし、高周波電源20から印加される高周波電力の周波数を、電極部材上に生じる定在波の波長をλとした場合に、線長L=(λ/4)×n(nは整数)となるような周波数とすることにより、図4に示すように、電極平面内で均一な電圧分布を形成する。
【0031】
このように電極平面で均一な電圧分布が形成されるので、上部電極15と下部電極である基板載置台3との間の電界分布が均一なものとなり、均一なプラズマを形成することができる。このため、基板Gに対して均一なプラズマ処理を行うことができる。
【0032】
また、プラズマ処理の際に、シャワーヘッド5と上部電極15の電極部材16、17から処理ガスを吐出させるので、基板Gに対して均一に処理ガスを供給することができ、より均一なプラズマ処理を行うことができる。
【0033】
さらに、チャンバ2のシャワーヘッド5と電極15との間の高さ位置には、排気孔26が形成され、これら排気孔26から排気装置28によりチャンバ2内が排気されるので、上部電極15とシャワーヘッド5との間の空間から、供給された処理ガスが横方向に速やかに排気され、処理ガスのチャンバ2内での滞在時間を短くすることができ、処理ガスを過剰に解離させてプラズマ処理に関与しない粒子を増加させることを有効に防止することができる。このため、良好なプラズマ処理を行うことができる。例えば、マイクロクリスタリンシリコン(μc−Si)のプラズマCVDに適用する場合、処理ガスであるSiHガスを過剰に解離させると、微結晶化が阻害され、高品質の膜を得ることが難しいが、本実施形態のようにシャワーヘッド5と上部電極15との間の空間から横方向へ速やかに排気することにより、チャンバ2内での処理ガスの滞在時間を短くすることができ、処理ガスの過剰な解離を抑制して高品質の膜を形成することができる。
【0034】
以上のようにして、基板Gに対してプラズマ処理を行った後、高周波電力の印加を停止し、処理ガスの供給を停止する。その後、チャンバ2内の排気を行った後、ゲートバルブ30を開いて基板Gをチャンバ2から搬出する。
【0035】
なお、上記第1の実施形態において、上部グランドであるシャワーヘッド5と上部電極15との間に絶縁部材21を設けたが、図5に示すように、上部グランドであるシャワーヘッド5と上部電極15との距離dを十分に大きくすれば、絶縁部材21は設けなくてもよい。この場合には、基板Gと下部電極である基板載置台3との距離をDとすると、D<dとすることが好ましい。
【0036】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、複数の基板に対してプラズマ処理を行うバッチ式のプラズマ処理装置に本発明を適用したものである。
【0037】
図6は、本発明の第2の実施形態に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。このプラズマ処理装置1′は、5枚の基板Gを一度に処理するものであり、図1の装置と基本的に同じ構成のプラズマ処理装置であって、例えば表面がアルマイト処理(陽極酸化処理)されたアルミニウムからなる角筒形状に成形されたチャンバ(処理容器)51を有している。このチャンバ51内の底部には最下段の基板Gを載置するための基板載置台52が設けられている。基板載置台52は、アルミニウム等の金属からなり、絶縁部材53を介してチャンバ51の底部に支持されている。基板載置台52は最下段の基板Gのプラズマ処理のための下部電極として機能し、接地されている。また、基板載置台52の内部には、絶縁体を介してヒータを埋設しておいてもよい。
【0038】
基板載置台52の上方には、2〜5段目の基板Gの載置台としても機能する4つの載置台付きシャワーヘッド54が等間隔で配置されており、最上段の載置台付きシャワーヘッド54の上方には、同じ間隔をおいてチャンバ51の天壁に支持されたシャワーヘッド55が設けられている。載置台付きシャワーヘッド54およびシャワーヘッド55は接地されている。
【0039】
4つの載置台付きシャワーヘッド54は、1〜4段目の基板Gに対して処理ガスを吐出する機能、1〜4段目の基板Gに対する上部グランドとしての機能、2〜5段目の基板Gに対する載置台としての機能、2〜5段目の基板Gに対する下部電極としての機能を有する。
【0040】
基板載置台52と最下段の載置台付きシャワーヘッド54との間には、最下段の基板Gのための上部電極15が設けられ、4つの載置台付きシャワーヘッド54の隣接するもの同士の間には、2〜4段目の基板Gのための上部電極15が設けられ、最上段の載置台付きシャワーヘッド54とシャワーヘッド55との間には、5段目(最上段)の基板Gのための上部電極15が設けられている。
【0041】
載置台付きシャワーヘッド54は、下半部が図1のシャワーヘッド15と同様にガス空間57とガス吐出孔58を有し、上半部が基板載置台52と同様、内部に絶縁体を介して基板Gを加熱するためのヒータを埋設しておいてもよい。また、シャワーヘッド55は、シャワーヘッド5と全く同様にガス空間57とガス吐出孔58を有している。
【0042】
上記5つの上部電極15は、第1の実施形態の上部電極15と全く同じ構成を有している。すなわち、上部電極15は、2つの櫛歯状の電極部材16、17からなっており、これら櫛歯状の電極部材16、17により一つの電極平面が形成されている。そして、上部電極15に給電した際に、電極部材16、17に形成される複数の定在波を制御することにより、これら複数の定在波の総和によって電極平面で均一な電圧分布が形成されるようにされる。また、第1の実施形態と同様、電極16、17に対応するように、絶縁部材21が櫛歯状に設けられている。5つの上部電極15には、給電線61により一つの整合器62を介して一つの高周波電源63が接続されている。
【0043】
また、第1の実施形態と同様、シャワーヘッド55および載置台付きシャワーヘッド54には、ガス供給配管64が接続されており、上部電極15には、ガス供給配管65が接続されている。そして、ガス供給機構70から、ガス供給配管64、65を介してシャワーヘッド55および載置台付きシャワーヘッド54、ならびに上部電極15の電極部材16、17に処理ガスを供給し、第1の実施形態と同様、それらからチャンバ51内に処理ガスを吐出するようになっている。なお、ガス供給配管64にはバルブ66とガス流量制御器(図示せず)が設けられており、ガス供給配管65にはバルブ67とガス流量制御器(図示せず)が設けられている。
【0044】
チャンバ51のシャワーヘッド55または載置台付きシャワーヘッド54と上部電極15との間の高さ位置には、排気孔71が形成されており、この排気孔71には排気管72が接続され、排気管72には排気装置(図示せず)が接続されており、排気装置を作動させることにより、チャンバ51内が所定の減圧雰囲気まで真空引き可能となっている。第1の実施形態と同様、供給された処理ガスは、シャワーヘッド55または載置台付きシャワーヘッド54と上部電極15との間の空間から横方向に速やかに排気されるので、処理ガスのチャンバ51内での滞在時間を短くすることができる。
【0045】
チャンバ51の側壁には、5枚の基板Gを一括して搬入出可能な基板搬入出口(図示せず)が設けられており、この基板搬入出口はゲートバルブ(図示せず)により開閉可能となっている。そして、ゲートバルブを開にした状態で搬送装置(図示せず)により5枚の基板Gが一括して基板搬入出口を介して搬入出される。
【0046】
このプラズマ処理装置1′は、各構成部を制御するマイクロプロセッサ(コンピュータ)を含む制御部80を有しており、各構成部がこの制御部80に接続されて制御される構成となっている。
【0047】
このように構成されるプラズ処理装置1′におけるプラズマ処理に際しては、5枚の基板Gをチャンバ51内に搬入し、基板載置台52および4つの載置台付きシャワーヘッド54に載置した後、チャンバ51内を所定の真空度まで真空引きする。その後、処理ガス供給機構70から処理ガスを所定の流量で、処理ガス供給配管64、65、シャワーヘッド55および載置台付きシャワーヘッド54、ならびに上部電極15の電極部材16、17を介してチャンバ51内に供給し、チャンバ51内を所定圧力に制御する。この状態で、高周波電源63から整合器62を介してプラズマ生成用の高周波電力を上部電極15に印加し、下部電極としての基板載置台52および載置台付きシャワーヘッド54と上部電極15との間に高周波電界を生じさせて、処理ガスのプラズマを生成し、このプラズマにより基板Gにプラズマ処理、例えばプラズマCVD処理を施す。
【0048】
これにより、第1の実施形態と同様、電極平面で均一な電圧分布が形成されるので、上部電極15と下部電極である基板載置台52および載置台付きシャワーヘッド54との間の電界分布が均一なものとなり、均一なプラズマを形成することができる等の第1の実施形態と同じ効果が得られる他、一度に複数枚の基板Gに対してプラズマ処理を行うことができるので、極めて処理効率が高いという効果が付加される。
【0049】
なお、第2の実施形態では、5枚の基板を一括して処理するプラズマ処理装置を例示したが、一括して処理できる基板の枚数はこれに限らず、2枚以上の任意の数であってよい。
【0050】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
ここでは、上部電極の他の例を示す。図7は、本発明の第3の実施形態における上部電極を示す平面図である。
本実施形態における上部電極95は、図7に示すように、2つの櫛歯状の電極部材96、97からなっており、これら櫛歯状の電極部材96、97により一つの電極平面が形成されている。これら電極部材96、97は第1の実施形態の電極部材16、17と同様、複数の短冊状の櫛歯31を有し、これらが等間隔で平行に延びており、これら複数の櫛歯31の一端が連結部32により連結され、他端が終端となっている。また、連結部32には給電部33が形成されている。そして、これら電極部材96、97は、向き合うように、かつ、電極部材96の櫛歯と電極部材97の櫛歯とが、交互にかつ等間隔になるように配置されている。電極部材96の給電部33には給電線92aにより第1の整合器93aを介して第1の高周波電源94aが接続されている。また、電極部材97の給電部33には給電線92bにより第2の整合器93bを介して第2の高周波電源94bが接続されている。もちろん、同一の高周波電源から2つの電極部材96、97に給電するようにしてもよい。そして、電極部材96の各櫛歯31の終端は開放終端であり、電極部材97の各櫛歯の終端は接地されている。
【0051】
上記電極部材16、17と同様、電極部材96、97には、高周波電力が給電されることにより定在波が形成される。これら電極部材96、97に形成される複数の定在波の分布を制御することにより、これら複数の定在波の総和によって電極平面に形成される電圧分布を均一になるようにすることができる。
【0052】
電極部材96および97の定在波は、電極部材96および97のインピーダンス特性により変化し、これらの終端の状態を調整してインピーダンス特性を調整することによって、この定在波の分布を制御することができる。本実施形態では、電極部材96の終端を開放、電極部材97の終端を接地としており、第1および第2の高周波電源94aおよび94bから印加される高周波電力の周波数を、電極部材上に生じる定在波の波長をλとし、上部電極95の長さ、すなわち電極部材96、97の櫛歯31の長さを線長Lとした場合に、線長L=(λ/2)×n(nは整数)となるような周波数とする。これにより、電極平面で均一な電圧分布を形成することができる。
【0053】
図8は、線長Lの電極部材96および97の長手方向の位置とその位置での電圧(絶対値)との関係を示すものであり、図8(a)は上記式でn=1の場合、すなわちL=λ/2となる周波数を印加した場合を示し、図8(b)はn=2の場合、すなわちL=λとなる周波数を印加した場合を示す。つまり、図8は、電極部材96および97上の定在波分布を示すものである。図8に示すように、電極部材96の定在波の電圧V1と電極部材97の定在波の電圧V2との和V1+V2が電極部材の長手方向においてほぼ均一になる。
【0054】
このように本実施形態の上部電極95を用いることにより、第1の実施形態と同様、均一なプラズマを形成することができる。このため、基板Gに対して均一なプラズマ処理を行うことができる。
なお、この実施形態の上部電極は、第1の実施形態の枚葉式の装置でも第2の実施形態のバッチ式の装置でも適用可能であることはいうまでもない。
【0055】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
ここでは、上部電極のさらに他の例を示す。図9は本発明の第4の実施形態における上部電極の一例を示す平面図、図10は他の例を示す平面図である。
【0056】
本実施形態における上部電極105は、図9に示すように、2つの櫛歯状の電極部材106、107からなっており、これら櫛歯状の電極部材106、107により一つの電極平面が形成されている。これら電極部材106、107は、第1の実施形態の電極部材16、17と同様、複数の短冊状の櫛歯31を有し、これらが等間隔で平行に延びており、これら複数の櫛歯31の一端が連結部32により連結され、他端が終端となっている。また、連結部32には給電部33を有している。そして、これら電極部材106、107は、向き合うように、かつ、電極部材106の櫛歯31と電極部材107の櫛歯31とが、交互にかつ等間隔になるように配置されている。電極部材106の給電部33には給電線102aにより第1の整合器103aを介して第1の高周波電源104aが接続されている。また、電極部材107の給電部33には給電線102bにより第2の整合器103bを介して第2の高周波電源104bが接続されている。これら高周波電源104a、104bの周波数は同一である。もちろん、同一の高周波電源から2つの電極部材106、107に給電するようにしてもよい。そして、電極部材106の各櫛歯31の終端と電極部材107の各櫛歯31の終端とは同じ状態となっている。図9の例ではいずれの終端も接地である。図10の例は電極部材106の終端も電極部材107の終端も開放である。
【0057】
上記電極部材16、17と同様、電極部材106、107には、高周波電力が給電されることにより複数の定在波が形成される。電極部材106および107の各定在波は、電極部材106および107のインピーダンス特性により変化し、これらの終端の状態を調整してインピーダンス特性を調整することによって、この定在波の分布を制御することができる。本実施形態では、電極部材106と電極部材107の終端の状態を同じにして、電極部材106と電極部材107に同じ定在波分布が形成されるようにし、これらを向かい合わせで対称に配置することにより、これら複数の定在波の総和によって電極平面に形成される電圧分布を均一になるようにすることができる。
【0058】
図11は、線長Lの電極部材106および107の長手方向の位置とその位置での電圧(絶対値)との関係、すなわち電極部材上の定在波分布を示すものであり、図11(a)は電極部材106および107(櫛歯31)の終端が接地の場合であり、図11(b)は電極部材106および107(櫛歯31)の終端が開放の場合である。図11に示すように、同じ定在波分布を有している電極部材106および107を対称に配置し、定在波分布が線長Lの中央線(L/2)に対して線対称となっていることから、電極部材106の定在波の電圧V1と電極部材107の定在波の電圧V2との和V1+V2が電極部材の長手方向においてほぼ均一になる。このような定在波分布は、これに対応する周波数の高周波電力を、高周波電源104a、104bから印加することにより実現することができる。
【0059】
このように本実施形態の上部電極105を用いることにより、第1の実施形態と同様、均一なプラズマを形成することができる。このため、基板Gに対して均一なプラズマ処理を行うことができる。
なお、この実施形態の上部電極も、第1の実施形態の枚葉式の装置でも第2の実施形態のバッチ式の装置でも適用可能であることはいうまでもない。
【0060】
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
ここでは、上部電極のさらにまた他の例を示す。図12は本発明の第5の実施形態における上部電極の一例を示す平面図である。
本実施形態における上部電極115は、図12に示すように、2つの櫛歯上の電極部材116、117からなっており、これら櫛歯状の電極部材116、117により一つの電極平面が形成されている。これら電極部材116、117は、第1の実施形態の電極部材16、17と同様、複数の短冊状の櫛歯31を有し、これらが等間隔で平行に延びており、これら複数の櫛歯31の一端が連結部32により連結され、他端が終端となっている。また、連結部32には給電部33を有している。そして、これら電極部材116、117は、向き合うように、かつ、電極部材116の櫛歯31と電極部材117の櫛歯31とが、交互にかつ等間隔になるように配置されている。電極部材116の給電部33には給電線112aにより第1の整合器113aを介して第1の高周波電源114aが接続されている。また、電極部材117の給電部33には給電線112bにより第2の整合器113bを介して第2の高周波電源114bが接続されている。これら高周波電源114a、114bの周波数は同一である。もちろん、同一の高周波電源から2つの電極部材116、117に給電するようにしてもよい。電極部材116の櫛歯31の終端および電極部材117の櫛歯31の終端には、インピーダンス調整部118が設けられている。インピーダンス調整部118は、コイル(L終端)またはコンデンサ(C終端)を有している。
【0061】
上記電極部材16、17と同様、電極部材116、117には、高周波電力が給電されることにより定在波が形成される。このように定在波が形成されることにより、電極部材116、117には電圧分布が生じているが、これら電極部材116、117に形成される複数の定在波の分布を制御することにより、これら複数の定在波の総和によって電極平面に形成される電圧分布を均一になるようにすることができる。
【0062】
電極部材116および117の定在波は、電極部材116および117のインピーダンス特性により変化し、これらの終端の状態を調整してインピーダンス特性を調整することによって、この定在波の分布を制御することができる。本実施形態では、電極部材116と電極部材117の終端のインピーダンスをインピーダンス調整部118によって調整する。
【0063】
上部電極115に印加する高周波電力の周波数と電極部材116、117の線長Lのミスマッチにより、単にこれら電極部材の終端を接地または開放にしてもこれら電極部材上に所望の分布の定在波を形成することができない場合があるが、本実施形態のように、電極部材116、117の終端にインピーダンス調整部118を設けて終端をコイルまたはコンデンサーとすることにより、定在波の位相を変化させて所望の定在波分布を得ることができる。
【0064】
図13は、横軸に電極部材116の線長Lの櫛歯の長手方向の位置と電圧(絶対値)との関係、すなわち電極部材上の定在波分布を示すものであり、図13(a)は電極部材116の終端が接地の場合とインピーダンス調整部118としてコイルを設けたもの場合を示し、図13(b)は電極部材116の終端が接地の場合とインピーダンス調整部118としてコンデンサーを設けた場合を示す。図13に示すように、コイル接続時は接地終端に対して位相が進み、コンデンサー接続時には接地終端に対し位相が遅れ、定在波分布を線長Lの中央線(L/2)の点に対して点対称とすることができる。したがって、電極部材116と電極部材117を向かい合わせで対称に配置することにより、第4の実施形態と同様、定在波分布を線長Lの中央線(L/2)に対して線対称とすることができ、電極部材116の定在波の電圧V1と電極部材117の定在波の電圧V2との和V1+V2が電極部材の長手方向においてほぼ均一になる。
【0065】
このように本実施形態の上部電極115を用いることにより、第1の実施形態と同様、均一なプラズマを形成することができる。このため、基板Gに対して均一なプラズマ処理を行うことができる。
なお、この実施形態の上部電極も、第1の実施形態の枚葉式の装置でも第2の実施形態のバッチ式の装置でも適用可能であることはいうまでもない。
【0066】
<第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
ここでは、上部グランドとして機能するシャワーヘッドおよび上部電極の他の構造例を示す。図14は本発明の第6の実施形態におけるプラズマ処理装置の一例の一部を示す断面図、図15はその上部電極部分を示す底面図である。
【0067】
本実施形態のプラズマ処理装置においては、シャワーヘッドおよび上部電極の構造が第1の実施形態と異なる他は、第1の実施形態と同様に構成されている。
【0068】
チャンバ2の天壁には、基板載置台2に対向するように、基板Gと対応する大きさの矩形状のシャワーヘッド120が設けられている。シャワーヘッド120は、金属製であり、接地されていて上部グランドとして機能する。そして、下方に延びるように設けられた複数の横グランド121を有している。
【0069】
シャワーヘッド120の直下には、上部電極125が設けられている。上部電極125は、図15に示すように、2つの櫛歯状の電極部材126、127からなっており、これら櫛歯状の電極部材126、127により一つの電極平面が形成されている。これら電極部材126、127は、いずれも断面が縦長矩形状をなし、直線状に延びる複数の櫛歯31aを有し、これらが等間隔で平行に延びており、これら複数の櫛歯31aの一端が連結部32aにより連結され、他端が終端となっている。また、連結部32aには給電部33aが形成されている。そして、これら電極部材126、127は、向き合うように、かつ、電極部材126の櫛歯31aと電極部材127の櫛歯31aとが、交互にかつ等間隔になるように配置されている。電極部材126および127の給電部33aには図示はしていないが、給電線により整合器を介して高周波電源が接続されている。
【0070】
上記横グランド121は、図14、15に示すように、隣接する櫛歯31aの間に挿入されるように設けられている。
【0071】
図16の拡大図に示すように、シャワーヘッド120の内部にはガス空間131が形成されており、ガス供給機構からガス供給配管(いずれも図示せず)を介して処理ガスがその中へ供給されるようになっている。また、ガス空間131に連続するように横グランド121の内部にガス空間132が形成されており、横グランド121の先端部の両側にはガス空間132に連続するように複数のガス吐出孔133が形成されている。そして、ガス空間131に供給された処理ガスが、ガス空間132およびガス吐出孔133を介して横方向に吐出されてチャンバ2内に供給されるようになっている。
【0072】
また、電極部材126、127の内部にはガス空間141が形成されている。また、電極部材126、127の側面にはガス空間141に接続するように複数のガス吐出孔142が形成されている。ガス空間142には、ガス供給機構およびガス供給配管(いずれも図示せず)を介して処理ガスが供給されるようになっている。そして、ガス空間141に供給された処理ガスがガス吐出孔142を介して横方向に吐出されてチャンバ2内に供給されるようになっている。
【0073】
このように、横グランド121を電極部材126、127を構成する櫛歯31aに対向して設けることにより、上部電極125を構成する電極部材126、127は、下部電極である基板載置台3にカップリングする他、横グランド121ともカップリングしてプラズマを形成する。このため、従来の構造に比べて、基板とプラズマとの距離を離すことができる。このため、基板Gに対して過剰なプラズマ作用が及ぼされることを防止することができる。例えばμc−Si膜の成膜においては、基板上での過剰な反応を抑制して、高品質の膜を得ることができる。
【0074】
また、横グランド121の先端部に形成されたガス吐出孔133および電極部材126、127に形成されたガス吐出孔142から横方向に処理ガスが吐出され、排気孔26から横方向に排気されるので、第1の実施形態よりもさらに速やかに処理ガスを排気することができ、処理ガスのチャンバ2内での滞在時間を一層短くすることができる。このため、処理ガスを過剰に解離させてプラズマ処理に関与しない粒子を増加させることを一層有効に防止することができる。例えば、アモルファスシリコン(a−Si)やマイクロクリスタリンシリコン(μc−Si)のプラズマCVDに適用する場合、処理ガスであるSiHガスのチャンバ2内での処理ガスの滞在時間を著しく短くすることができ、処理ガスの過剰な解離を極めて有効に抑制して形成される膜の膜質をより一層良好にすることができる。
【0075】
図17は本発明の第6の実施形態におけるプラズマ処理装置の他の例の一部を示す断面図、図18はシャワーヘッドおよび上部電極を拡大して示す断面図である。
【0076】
この例では、図14〜16の例と同様に横グランドが形成されている例を示す。シャワーヘッド150の下方に断面半円状の窪みを形成するように横グランド151が設けられている。また、上部電極155として、図14〜16の例と同様に櫛歯状をなす電極部材156、157が向かい合うように設けられている点は、上部電極125と同様であるが、電極部材156、157の櫛歯が円筒状をなしている点が異なっている。そして、電極部材156、157の櫛歯31bは、隣接する横グランド151の間の半円状の凹部に位置している。また、図18の拡大図に示すように、シャワーヘッド150の内部にはガス空間161が形成されており、ガス供給機構からガス供給配管(いずれも図示せず)を介して処理ガスがその中へ供給されるようになっている。また、ガス空間161に連続するように横グランド151の内部に半円状の凹部に沿って半円状のガス空間162が形成されており、横グランド151には、半円状の凹部に沿ってガス空間162に連続するように複数のガス吐出孔163が形成されている。そして、ガス空間161に供給された処理ガスが、ガス空間162およびガス吐出孔163を介して吐出されてチャンバ2内に供給されるようになっている。
【0077】
また、電極部材156、157の内部には断面円形のガス空間171が形成されている。また、電極部材156、157の外周全面にガス空間171に接続するように複数のガス吐出孔172が形成されている。ガス空間171には、ガス供給機構およびガス供給配管(いずれも図示せず)を介して処理ガスが供給されるようになっている。そして、ガス空間171に供給された処理ガスがガス吐出孔172を介して全方向に吐出されてチャンバ2内に供給されるようになっている。
【0078】
このように、横グランド151を電極部材156、157を構成する櫛歯31bに対向して設けることにより、図14〜16の例と同様、上部電極155を構成する電極部材156、157は、下部電極である基板載置台3にカップリングする他、横グランド151ともカップリングしてプラズマを形成する。また、上部電極155を構成する電極部材156、157の櫛歯を円筒状とし、上部グランドとして機能するシャワーヘッド150の横グランド151を含む壁部も曲面化したので、角部への電界集中等を緩和することができ、より効率的に上部電極155と横グランド151とをカップリングすることができる。これにより、下部電極である基板載置台3とのカップリングが相対的に減少するため、基板Gとプラズマの距離をさらに離すことができる。このため、基板Gに対するプラズマ作用を一層低下させることができる。
【0079】
また、横グランド151の半円状の凹部に形成されたガス吐出孔163および円筒状の電極部材156、157の全周に形成されたガス吐出孔172から処理ガスが吐出され、例えば排気孔26(図1参照)から横方向に排気されるので、曲面化により排気コンダクタンスが改善する。このため、上記図14〜16の例よりもさらに速やかに処理ガスを排気することができ、処理ガスのチャンバ2内での滞在時間をさらに一層短くすることができる。
【0080】
なお、この実施形態は、第1の実施形態の枚葉式の装置に限らず、第2の実施形態のバッチ式の装置でも適用可能であることはいうまでもない。
【0081】
<第7の実施形態>
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
ここでは、好ましい給電を行える上部電極構造について示す。図19は、本発明の第7の実施形態における上部電極の一つの電極部材を示す平面図である。
【0082】
本実施形態における上部電極175の電極部材176は櫛歯状をなし、他の実施形態と同様、他の電極部材との組み合わせにより、一つの電極平面が形成されるようになっている。
【0083】
電極部材176は、所定間隔をおいて平行に配置された8本の櫛歯181を有しており、これら櫛歯181の基端側は2本ずつ第1の連結部182により連結されている。そして、隣接する第1の連結部182同士が中央で第2の連結部183により連結されており、2つの第2の連結部183が中央で第3の連結部184により連結されている。第3の連結部184の中央には給電部185が設けられており、給電部185には給電線172により整合器173を介して高周波電源174が接続されている。
【0084】
本実施形態における上部電極175では、電極部材176の給電部185が第3の連結部184の中央部に位置し、高周波電力が給電部185から第3の連結部184の両側に分岐した後、等距離で2つの第2の連結部183の中央に至り、さらに第2の連結部183の両側に分岐して、等距離で第1の連結部182の中央に至り、さらに第1の連結部182の両側に分岐して等距離で各櫛歯181に至るため、給電部185から各櫛歯181へ電気的に等長となるように給電される。このため、各櫛歯181に均一に高周波電力を給電することができる。
【0085】
なお、本実施形態の上部電極は、第1、3〜6の実施形態のいずれにも適用することができ、また、第1の実施形態の枚葉式の装置でも第2の実施形態のバッチ式の装置でも適用可能であることはいうまでもない。
【0086】
<第8の実施形態>
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
ここでは、好ましい給電を行った際のスペースを考慮した上部電極構造について示す。図20は、本発明の第8の実施形態における上部電極を示す斜視図である。
【0087】
本実施形態における上部電極205は、図20(a)に示すように、2つの櫛歯状の電極部材206、207からなっており、これら櫛歯状の電極部材206、207により一つの電極平面が形成されている。
【0088】
電極部材206、207は、いずれも等間隔に平行に配置された円筒状の8本の櫛歯211を有している。これら電極部材206、207は、向き合うように、かつ、電極部材206の櫛歯211と電極部材207の櫛歯211とが、交互にかつ等間隔になるように配置されている。電極部材206、207において、櫛歯211の基端側は2本ずつ第1の連結部212により連結されている。そして、隣接する第1の連結部212同士が中央で第2の連結部213により連結されており、2つの第2の連結部213が中央で第3の連結部214により連結されている。第3の連結部214の中央には給電部215が設けられている。そして、給電部215には給電線により整合器を介して高周波電源が接続されている(いずれも図示せず)。
【0089】
第2の連結部213は、第1の連結部212に接続され、第1の連結部212の中央から後方および下方に延びる2つの鉤状部221と、第2の連結部213の下方位置で2つの鉤状部221に繋がる水平部222とを有している。また第3の連結部214は、中央に給電部215が設けられた水平部223と、水平部223の両端から鉛直下方に延び、第2の連結部213における水平部222の中央に連結される鉛直部224を有する。
【0090】
また、第1の連結部212、第2の連結部213および第3の連結部214は、いずれも扁平状をなしており、第1の連結部212、鉤状部221、鉛直部224は広面が鉛直面となり、水平部222、223は広面が水平面となるように形成されている。
【0091】
このような構成の上部電極205においては、上記第7の実施形態と同様、電極部材206、207の給電部215が第3の連結部214の中央部に位置し、高周波電力が給電部215から第3の連結部214の両側に分岐した後、等距離で2つの第2の連結部213の中央に至り、さらに第2の連結部213の両側に分岐して、等距離で第1の連結部212の中央に至り、さらに第1の連結部212の両側に分岐して等距離で各櫛歯211に至るため、給電部215から各櫛歯211へ電気的に等長となるように給電される。このため、各櫛歯211に均一に高周波電力を給電することができる。
【0092】
また、上記第7の実施形態では、第1〜第3の連結部212、213、214が平面的に設けられているため、高周波伝送路の干渉を考慮すると、これらを十分な距離をもって設ける必要があり、大きなスペースを必要とするが、本実施形態では、第3の連結部214の第2の連結部213への接続部分を鉛直部224としたので、水平方向で接続した場合に比較して、給電部分のスペースを小さくすることができる。また、第2の連結部213の第1の連結部212への接続部分を鉤状部221としたので、その鉛直成分によってさらに給電部分のスペースを小さくすることができる。
【0093】
また、図20(b)に示すように、給電部分の中で最もチャンバ2の壁部に近い第2の連結部213の鉤状部221が、広い面をチャンバ壁部に面するように配置されており、また、最も基板載置台(下部電極)3に近い第2の連結部213の水平部222が、広い面を基板載置台3に面するように配置されており、さらに、最もシャワーヘッド(上部グランド;本図では図示せず)に近い第3の連結部214の水平部223が、広い面をシャワーヘッドに面するように配置されているので、給電部分に生じる誘導電界と、チャンバ壁部、下部電極、上部グランド等との容量結合を抑制し、伝送効率を上げることができる。
【0094】
さらに、図20(c)に示すように、第2の連結部213の水平部222と、第3の連結部214の水平部223とが、鉛直方向に十分な間隔をおき、かつ広い面同士が向き合うように配置され、第2の連結部212の鉤状部221と第3の連結部213の鉛直部とが、水平方向に十分な間隔をおき、かつ広い面同士が向き合うように配置されているので、これら伝送路の間での干渉が抑制されている。また、第1の連結部212と第2の連結部213の水平部222との鉛直方向の間隔は、第2の連結部213の水平部222と第3の連結部214の水平部223との間隔よりも狭く、かつ第1の連結部212と水平部222とは広い面同士が向き合っていないが、第1の連結部212と水平部222とは鉤状部221で連結されており、第1の連結部212と水平部222とは、鉛直方向のみならず、水平方向にも離隔しているため、これらの間は十分な間隔を確保することができ、この間の干渉も抑制される。
【0095】
以上のように、本実施形態では、高周波給電する際に、伝送路とチャンバ壁や下部電極、上部グランドとの間の干渉や、伝送路同士の干渉を抑制しつつ、均一で効率の良い給電を行うことができ、省スペース化も図ることができる。
【0096】
なお、本実施形態の上部電極は、第1、3〜6の実施形態のいずれにも適用することができ、また、第1の実施形態の枚葉式の装置でも第2の実施形態のバッチ式の装置でも適用可能であることはいうまでもない。
【0097】
特に、干渉の影響は基板が大面積になるほど大きいため、本実施形態は大型の基板の処理に適している。また、このような省スペースの効果は、第2の実施形態における基板を多段に配置して処理するバッチ式の処理装置の場合に特に大きい。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、2つの櫛歯状の電極部材により上部電極を構成したが、電極平面に均一な電圧分布が形成されれば、櫛歯状に限らない。また、2つに限らず3つ以上の電極部材を用いてもよい。また、電極部材の形状は櫛歯状に限らず、均一な電圧分布が得られる限り、種々の形状を用いることができる。さらに、上記実施形態では、本発明をFPD用のガラス基板や太陽電池用基板のプラズマ処理に適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、他の種々の基板に対して適用可能である。
【符号の説明】
【0099】
1;プラズ処理装置
2、51;チャンバ
3、52;基板載置台(基板支持部材;下部電極(第2の電極))
5、55、120、150;シャワーヘッド(上部グランド)
10、70;ガス供給機構
15、95、105、115、125、155、175、205;上部電極(第2の電極)
16、17、96、97、106、107、116、117、126、127、156、157、176、206、207;電極部材
31、31a、31b、181、211;櫛歯
20、63、94a、94b、104a、104b、114a、114b、174;高周波電源
32、32a、32b;連結部
54;載置台付きシャワーヘッド
118;インピーダンス調整部
121、151;横グランド
182、212;第1の連結部
183、213;第2の連結部
184、214;第3の連結部
185、215;給電部
G;基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板を収容する処理容器と、
前記処理容器内で被処理基板を支持し、第1の電極として機能する基板支持部材と、
前記基板支持部材に対向するように設けられ、高周波電力が印加される第2の電極と、
前記処理容器内に処理ガスを導入するガス導入機構と、
前記処理容器内を排気する排気機構と
を具備し、
前記第2の電極に高周波電力を印加することにより、前記第1の電極と前記第2の電極に高周波電界を形成して、前記ガス導入機構から導入された処理ガスをプラズマ化して被処理基板に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、
前記第2の電極は、一つの電極平面を構成するように配置された複数の電極部材からなり、前記複数の電極部材に高周波電力が印加された際に各電極部材に定在波が形成され、これら複数の電極部材に形成された複数の定在波の総和によって前記電極平面に形成される電圧分布が均一になるように、前記複数の電極部材の配置または前記複数の電極部材に形成される定在波の分布が調整されることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
前記処理容器内に、前記第1の電極として機能する基板支持部材が複数積層して設けられ、前記複数の基板支持部材に対向するように前記第2の電極が設けられ、複数の被処理基板を前記複数の基板支持部材に支持させて一括してプラズマ処理することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記第2の電極は、櫛歯状をなす2つの電極部材を有しており、前記各電極部材は、複数の櫛歯の一方側に高周波電力が給電される給電部を有し、他方側が終端となっており、前記複数の櫛歯が等間隔で平行に設けられ、これら電極部材が、一方の電極部材の櫛歯と他方の電極部材の櫛歯とが交互にかつ等間隔になるように配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記2つの電極部材は、同じ側に給電部が位置し、同じ側に終端が位置するように配置され、一方の電極部材の櫛歯の終端を接地終端、他方の電極部材の櫛歯の終端を開放終端とし、電極部材の線長をL、電極上に生じる定在波の波長をλとした場合に、L=(λ/4)×n(nは整数)となる周波数の高周波電力が前記2つの電極部材に印加されることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記2つの電極部材は、給電部を外側にして向き合うように配置され、一方の電極部材の櫛歯の終端を接地終端、他方の電極部材の櫛歯を開放終端とし、電極部材の線長をL、電極上に生じる定在波の波長をλとした場合に、L=(λ/2)×n(nは整数)となる周波数の高周波電力が前記2つの電極部材に印加されることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記2つの電極部材は、給電部を外側にして向き合うように配置され、一方の電極部材の櫛歯の終端と、他方の電極部材の櫛歯の終端とを同じ状態とし、前記2つの電極部材に同じ周波数の高周波電力を印加することを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記2つの電極部材は、給電部を外側にして向き合うように配置され、前記2つの電極部材の櫛歯の終端にインピーダンス調整部を有し、前記インピーダンス調整部により前記各電極部材の定在波を制御することを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記インピーダンス調整部は、コイルまたはコンデンサーを有することを特徴とする請求項7に記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
前記ガス導入部は、前記第2の電極の上方に設けられた処理ガスを吐出するシャワーヘッドを有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記電極部材は前記処理ガスを吐出するガス吐出孔とガス空間を有し、前記ガス空間には前記処理ガスが供給され、前記処理ガスを前記ガス導入部の他に前記電極部材から吐出することを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
【請求項11】
前記排気機構は、前記シャワーヘッドと前記第2の電極との間の空間から横方向へ排気することを特徴とする請求項10に記載のプラズマ処理装置。
【請求項12】
前記電極部材の隣接する櫛歯の間に、接地された接地部材を有することを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項13】
前記ガス導入部は、前記第2の電極の上方に設けられた処理ガスを吐出するシャワーヘッドを有し、前記接地部材は、前記シャワーヘッドから下方へ突出するように設けられていることを特徴とする請求項12に記載のプラズマ処理装置。
【請求項14】
前記シャワーヘッドは、前記接地部材から処理ガスを吐出するように構成され、前記電極部材も前記処理ガスを吐出するように構成され、前記排気機構は、前記シャワーヘッドと前記第2の電極との間の空間から横方向へ排気することを特徴とする請求項13に記載のプラズマ処理装置。
【請求項15】
前記接地部材は曲面をなすように形成され、前記電極部材の櫛歯は円筒状に形成されていることを特徴とする請求項13および請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項16】
前記電極部材は、前記給電部から各櫛歯に対し電気的に等長になるような伝送路が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項17】
前記伝送路は、隣接する櫛歯同士を連結する連結部と、連結部同士を連結する連結部とを有することを特徴とする請求項16に記載のプラズマ処理装置。
【請求項18】
前記連結部同士を連結する連結部は、鉛直方向に延びる鉛直部により連結することを特徴とする請求項17に記載のプラズマ処理装置。
【請求項19】
前記伝送路は扁平形状をなしており、前記処理容器の壁部または前記処理容器の導体と広い面が対向しており、伝送路同士が対向する部分は広い面同士が対向していることを特徴とする請求項18に記載のプラズマ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−96749(P2011−96749A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247238(P2009−247238)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】