説明

プロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置の基板位置決め方法、及び表示用パネル基板の製造方法

【課題】安価な構成で、チャックのθ方向の傾きを精度良く検出して、基板のθ方向の位置決めを精度良く行う。
【解決手段】第1のステージに搭載されY方向(又はX方向)へ移動する第2のステージに第2の反射手段(35)を取り付け、第2の反射手段(35)のθ方向の位置ずれを検出する。チャック(10a,10b)に複数の光学式変位計(41)を設け、複数の光学式変位計(41)により、第2のステージに取り付けた第2の反射手段(35)までの距離を複数箇所で測定する。第2の反射手段のθ方向の位置ずれの検出結果に基づき、複数の光学式変位計(41)の測定結果から、チャック(10a,10b)のθ方向の傾きを検出し、検出結果に基づき、第3のステージによりチャック(10a,10b)をθ方向へ回転して、基板(1)のθ方向の位置決めを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ装置等の表示用パネル基板の製造において、プロキシミティ方式を用いて基板の露光を行うプロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置の基板位置決め方法、及びそれらを用いた表示用パネル基板の製造方法に係り、特に基板を支持するチャックを移動ステージによりXY方向へ移動及びθ方向へ回転して露光時の基板の位置決めを行うプロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置の基板位置決め方法、及びそれらを用いた表示用パネル基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイ装置のTFT(Thin Film Transistor)基板やカラーフィルタ基板、プラズマディスプレイパネル用基板、有機EL(Electroluminescence)表示パネル用基板等の製造は、露光装置を用いて、フォトリソグラフィー技術により基板上にパターンを形成して行われる。露光装置としては、レンズ又は鏡を用いてマスクのパターンを基板上に投影するプロジェクション方式と、マスクと基板との間に微小な間隙(プロキシミティギャップ)を設けてマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ方式とがある。プロキシミティ方式は、プロジェクション方式に比べてパターン解像性能は劣るが、照射光学系の構成が簡単で、かつ処理能力が高く量産用に適している。
【0003】
近年、表示用パネルの各種基板の製造では、大型化及びサイズの多様化に対応するため、比較的大きな基板を用意し、表示用パネルのサイズに応じて、1枚の基板から1枚又は複数枚の表示用パネル基板を製造している。その場合、プロキシミティ方式では、基板の一面を一括して露光しようとすると、基板と同じ大きさのマスクが必要となり、高価なマスクのコストがさらに増大する。そこで、基板より比較的小さなマスクを用い、移動ステージにより基板をXY方向へステップ移動して、基板の一面を複数のショットに分けて露光する方式が主流となっている。
【0004】
プロキシミティ露光装置において、パターンの焼付けを精度良く行うためには、露光時の基板の位置決めを精度良く行わなければならない。基板の位置決めを行う移動ステージは、X方向へ移動するXステージと、Y方向へ移動するYステージと、θ方向へ回転するθステージとを備え、基板を支持するチャックを搭載して、XY方向へ移動及びθ方向へ回転する。特許文献1及び特許文献2には、基板を位置決めする際に、レーザー測長系を用いて移動ステージのXY方向の位置を検出し、また複数のレーザー変位計を用いてチャックのθ方向の傾きを検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−298906号公報
【特許文献2】特開2009−31639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、チャックにバーミラーを取り付け、Xステージに設けた複数のレーザー変位計により、バーミラーの変位を複数箇所で測定して、チャックのθ方向の傾きを検出している。そのため、専用のバーミラーが必要であるが、このバーミラーは、表面を高い精度で平坦に加工する必要があるため、非常に高価であって、多大な費用が掛かる。
【0007】
また、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、Xステージにレーザー変位計を設けているため、チャックをYステージによりY方向へ移動すると、バーミラーの位置がレーザー変位計に対して変化する。そのため、測定結果には、バーミラーの平坦度による誤差が含まれる恐れがあった。
【0008】
これに対し、Yステージに複数のレーザー変位計を設けて、複数のレーザー変位計をチャックと共にXY方向へ移動すると、各レーザー変位計で測定するチャックの変位は、チャックの移動により変動しない。しかしながら、その場合も、Yステージを移動するとき、Yステージを搭載したガイドで摺動抵抗により多量の熱が発生し、その熱がYステージに伝わってYステージに熱変形による歪みが生じ、Yステージに設けた各レーザー変位計の設置状態が変化して、チャックの変位の測定結果に誤差が生じる恐れがあった。一方、Yステージに複数のレーザー変位計を設ける代わりに、チャックに複数のレーザー変位計を設け、Yステージにバーミラーを取り付けると、Yステージに熱変形による歪みが生じたとき、バーミラーの設置状態が変化して、バーミラーにθ方向の位置ずれが生じ、そのままでは、チャックのθ方向の傾きを正確に検出できない恐れがあった。
【0009】
特許文献1及び特許文献2に記載されている様に、複数のレーザー変位計を用いてチャックのθ方向の傾きを検出する場合、複数のレーザー変位計をより離して設置する程、チャックのθ方向の傾きを精度良く検出することができる。しかしながら、レーザー変位計の出力特性は直線性が乏しく、測定範囲を広げると、測定誤差が大きくなる。特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、チャックがθ方向に傾いた状態で、チャックをYステージによりY方向へ移動すると、各レーザー変位計からバーミラーまでの距離が変動するため、複数のレーザー変位計をより離して設置すると、レーザー変位計の測定範囲が広がり、測定誤差が大きくなる恐れがあった。
【0010】
さらに、レーザー変位計の出力特性は、設置状態により変動し、被測定物の微小な角度変化に対して線形性が異なる。そのため、特許文献1及び特許文献2に記載されている様に、複数のレーザー変位計を用いてチャックのθ方向の傾きを検出する場合、各レーザー変位計の測定値にチャックの角度に依存した変動値が含まれ、チャックのθ方向の傾きを高精度に検出することができない恐れがあった。
【0011】
本発明の課題は、安価な構成で、チャックのθ方向の傾きを精度良く検出して、基板のθ方向の位置決めを精度良く行うことである。また、本発明の課題は、パターンの焼付けを精度良く行って、高品質な表示用パネル基板を製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のプロキシミティ露光装置は、基板を支持するチャックと、マスクを保持するマスクホルダとを備え、マスクと基板との間に微小なギャップを設けて、マスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置において、X方向(又はY方向)へ移動する第1のステージ、第1のステージに搭載されY方向(又はX方向)へ移動する第2のステージ、及び第2のステージに搭載されθ方向へ回転する第3のステージを有し、チャックを搭載して、チャックに支持された基板の位置決めを行う移動ステージと、レーザー光を発生する光源、第1のステージに取り付けられた第1の反射手段、第2のステージに取り付けられた第2の反射手段、光源からのレーザー光と第1の反射手段により反射されたレーザー光との干渉を測定する第1のレーザー干渉計、及び光源からのレーザー光と第2の反射手段により反射されたレーザー光との干渉を測定する第2のレーザー干渉計を有するレーザー測長系と、第1のレーザー干渉計及び第2のレーザー干渉計の測定結果から、移動ステージのXY方向の位置を検出する第1の検出手段と、第2のステージに取り付けられた第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、チャックに設けられ、第2のステージに取り付けられた第2の反射手段までの距離を複数箇所で測定する複数の光学式変位計と、位置ずれ検出手段により検出した第2の反射手段のθ方向の位置ずれに基づき、複数の光学式変位計の測定結果から、チャックのθ方向の傾きを検出する第2の検出手段と、移動ステージを駆動するステージ駆動回路と、第2の検出手段の検出結果に基づき、ステージ駆動回路を制御し、第3のステージによりチャックをθ方向へ回転させて、基板のθ方向の位置決めを行い、第1の検出手段の検出結果に基づき、ステージ駆動回路を制御し、第1のステージ及び第2のステージによりチャックをXY方向へ移動させて、基板のXY方向の位置決めを行う制御手段とを備えたものである。
【0013】
また、本発明のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法は、基板を支持するチャックと、マスクを保持するマスクホルダとを備え、マスクと基板との間に微小なギャップを設けて、マスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法であって、X方向(又はY方向)へ移動する第1のステージ、第1のステージに搭載されY方向(又はX方向)へ移動する第2のステージ、及び第2のステージに搭載されθ方向へ回転する第3のステージを有する移動ステージにチャックを搭載し、第1のステージに第1の反射手段を取り付け、第1のレーザー干渉計により、光源からのレーザー光と第1の反射手段により反射されたレーザー光との干渉を測定し、第2のステージに第2の反射手段を取り付け、第2のレーザー干渉計により、光源からのレーザー光と第2の反射手段により反射されたレーザー光との干渉を測定し、第2のステージに取り付けた第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出し、チャックに複数の光学式変位計を設け、複数の光学式変位計により、第2のステージに取り付けた第2の反射手段までの距離を複数箇所で測定し、第2の反射手段のθ方向の位置ずれの検出結果に基づき、複数の光学式変位計の測定結果から、チャックのθ方向の傾きを検出し、検出結果に基づき、第3のステージによりチャックをθ方向へ回転して、基板のθ方向の位置決めを行い、第1のレーザー干渉計及び第2のレーザー干渉計の測定結果から、移動ステージのXY方向の位置を検出し、検出結果に基づき、第1のステージ及び第2のステージによりチャックをXY方向へ移動して、基板のXY方向の位置決めを行うものである。
【0014】
チャックに複数の光学式変位計を設け、複数の光学式変位計により、第2のステージに取り付けた第2の反射手段までの距離を複数箇所で測定し、複数の光学式変位計の測定結果から、チャックのθ方向の傾きを検出するので、第2のステージに取り付けた第2の反射手段が、第2のレーザー干渉計を用いた移動ステージの位置の検出と、複数の光学式変位計を用いたチャックのθ方向の傾きの検出とに兼用され、チャックのθ方向の傾きを検出するための専用の反射手段(バーミラー)が必要なくなる。そして、チャックを移動ステージによりXY方向へ移動しても、光学式変位計が常に第2の反射手段の同じ箇所に対して測定を行うため、第2の反射手段の平坦度による測定誤差がなくなる。さらに、第2のステージに取り付けた第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出し、第2の反射手段のθ方向の位置ずれの検出結果に基づき、複数の光学式変位計の測定結果から、チャックのθ方向の傾きを検出するので、第2のステージに熱変形による歪みが生じたとき、第2の反射手段の設置状態が変化して、第2の反射手段にθ方向の位置ずれが生じても、チャックのθ方向の傾きが正確に検出される。また、チャックがθ方向に傾いた状態で、チャックを移動ステージによりXY方向へ移動しても、光学式変位計から第2の反射手段までの距離が変動せず、測定範囲が広がらないので、複数の光学式変位計をより離して設置することができる。従って、安価な構成で、チャックのθ方向の傾きが精度良く検出され、基板のθ方向の位置決めが精度良く行われる。
【0015】
さらに、本発明のプロキシミティ露光装置は、第2のステージに取り付けられた第2の反射手段が、表面に複数の位置ずれ検出用マークを有し、位置ずれ検出手段が、第2の反射手段の複数の位置ずれ検出用マークの画像を取得する複数の画像取得装置と、各画像取得装置により取得した各位置ずれ検出用マークの画像を処理して、各位置ずれ検出用マークの位置を検出する画像処理装置とを有し、画像処理装置により検出した各位置ずれ検出用マークの位置から、第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出するものである。
【0016】
また、本発明のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法は、第2のステージに取り付けた第2の反射手段の表面に、複数の位置ずれ検出用マークを設け、第2の反射手段の複数の位置ずれ検出用マークの画像を取得し、取得した各位置ずれ検出用マークの画像を処理して、各位置ずれ検出用マークの位置を検出し、検出した各位置ずれ検出用マークの位置から、第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出するものである。
【0017】
第2のステージに取り付けた第2の反射手段の表面に、複数の位置ずれ検出用マークを設け、第2の反射手段の複数の位置ずれ検出用マークの画像を取得し、取得した各位置ずれ検出用マークの画像を処理して、各位置ずれ検出用マークの位置を検出し、検出した各位置ずれ検出用マークの位置から、第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出するので、各位置ずれ検出用マークの画像処理によって、第2の反射手段のθ方向の位置ずれが精度良く検出される。
【0018】
あるいは、本発明のプロキシミティ露光装置は、レーザー測長系が、第2のレーザー干渉計を複数有し、位置ずれ検出手段が、複数の第2のレーザー干渉計の測定結果から、第2のステージに取り付けられた第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出するものである。また、本発明のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法は、複数の第2のレーザー干渉計により、光源からのレーザー光と第2の反射手段により反射されたレーザー光との干渉を複数箇所で測定し、複数の第2のレーザー干渉計の測定結果から、第2のステージに取り付けた第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出するものである。移動ステージのY方向(又はX方向)の位置を検出するための第2のレーザー干渉計を利用して、第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出することができる。
【0019】
さらに、本発明のプロキシミティ露光装置は、複数の光学式変位計が、広い波長帯域の光を参照反射面及び被測定物へ照射し、参照反射面からの反射光と被測定物からの反射光との干渉光の波長及び強度から、被測定物までの距離を測定する分光干渉レーザー変位計であるものである。また、本発明のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法は、光学式変位計として、広い波長帯域の光を参照反射面及び被測定物へ照射し、参照反射面からの反射光と被測定物からの反射光との干渉光の波長及び強度から、被測定物までの距離を測定する分光干渉レーザー変位計を用いるものである。
【0020】
分光干渉レーザー変位計は、特許文献1及び特許文献2に記載の技術で使用されているレーザー変位計に比べて、被測定物の微小な角度変化による出力特性の変化が小さく高精度であるが、測定範囲が狭い。本発明では、特許文献1及び特許文献2に記載の技術と異なり、チャックがθ方向に傾いた状態で、チャックを移動ステージによりXY方向へ移動しても、光学式変位計から第2の反射手段までの距離が変動しないので、光学式変位計として、測定範囲が狭く高精度な分光干渉レーザー変位計を用いることができ、チャックのθ方向の傾きをより精度良く検出することができる。
【0021】
本発明の表示用パネル基板の製造方法は、上記のいずれかのプロキシミティ露光装置を用いて基板の露光を行い、あるいは、上記のいずれかのプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法を用いて基板を位置決めして、基板の露光を行うものである。露光時の基板のθ方向の位置決めが精度良く行われるので、パターンの焼付けが精度良く行われ、高品質な表示用パネル基板が製造される。
【発明の効果】
【0022】
本発明のプロキシミティ露光装置及びプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法によれば、第2のステージに第2の反射手段を取り付け、第2のレーザー干渉計により、光源からのレーザー光と第2の反射手段により反射されたレーザー光との干渉を測定し、測定結果から、移動ステージのY方向(又はX方向)の位置を検出し、第2のステージに取り付けた第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出し、チャックに複数の光学式変位計を設け、複数の光学式変位計により、第2のステージに取り付けた第2の反射手段までの距離を複数箇所で測定し、第2の反射手段のθ方向の位置ずれの検出結果に基づき、複数の光学式変位計の測定結果から、チャックのθ方向の傾きを検出することにより、安価な構成で、チャックのθ方向の傾きを精度良く検出して、基板のθ方向の位置決めを精度良く行うことができる。
【0023】
さらに、本発明のプロキシミティ露光装置及びプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法によれば、第2のステージに取り付けた第2の反射手段の表面に、複数の位置ずれ検出用マークを設け、第2の反射手段の複数の位置ずれ検出用マークの画像を取得し、取得した各位置ずれ検出用マークの画像を処理して、各位置ずれ検出用マークの位置を検出し、検出した各位置ずれ検出用マークの位置から、第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出することにより、各位置ずれ検出用マークの画像処理によって、第2の反射手段のθ方向の位置ずれを精度良く検出することができる。
【0024】
あるいは、本発明のプロキシミティ露光装置及びプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法によれば、複数の第2のレーザー干渉計により、光源からのレーザー光と第2の反射手段により反射されたレーザー光との干渉を複数箇所で測定し、複数の第2のレーザー干渉計の測定結果から、第2のステージに取り付けた第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出することにより、移動ステージのY方向(又はX方向)の位置を検出するための第2のレーザー干渉計を利用して、第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出することができる。
【0025】
さらに、本発明のプロキシミティ露光装置及びプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法によれば、光学式変位計として、分光干渉レーザー変位計を用いることにより、チャックのθ方向の傾きをより精度良く検出することができる。
【0026】
本発明の表示用パネル基板の製造方法によれば、露光時の基板のθ方向の位置決めを精度良く行うことができるので、パターンの焼付けを精度良く行って、高品質な表示用パネル基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】チャック10aが露光位置にあり、チャック10bがロード/アンロード位置にある状態を示す上面図である。
【図3】チャック10aが露光位置にあり、チャック10bがロード/アンロード位置にある状態を示す一部断面側面図である。
【図4】チャック10bが露光位置にあり、チャック10aがロード/アンロード位置にある状態を示す上面図である。
【図5】チャック10bが露光位置にあり、チャック10aがロード/アンロード位置にある状態を示す一部断面側面図である。
【図6】主ステージベース上にある移動ステージの上面図である。
【図7】主ステージベース上にある移動ステージのX方向の一部断面側面図である。
【図8】主ステージベース上にある移動ステージのY方向の側面図である。
【図9】レーザー測長系の動作を説明する図である。
【図10】レーザー測長系の動作を説明する図である。
【図11】図11(a)は分光干渉レーザー変位計の上面図、図11(b)は分光干渉レーザー変位計の側面図である。
【図12】本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法を示すフローチャートである。
【図13】移動ステージをバーミラーの位置ずれを検出する位置へ移動した状態を示す上面図である。
【図14】図14(a)はバーミラーの位置ずれ管理を行わない場合の各ショットの露光領域の一例を示す図、図14(b)は本発明によりバーミラーの位置ずれ管理を行った場合の各ショットの露光領域の一例を示す図である。
【図15】従来のレーザー変位計の動作を説明する図である。
【図16】従来のレーザー変位計の動作を説明する図である。
【図17】従来のレーザー変位計の動作を説明する図である。
【図18】分光干渉レーザー変位計の動作を説明する図である。
【図19】分光干渉レーザー変位計の動作を説明する図である。
【図20】液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。
【図21】液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の概略構成を示す図である。本実施の形態は、複数のチャックを有するプロキシミティ露光装置の例を示している。プロキシミティ露光装置は、複数のチャック10a,10b、主ステージベース11、複数の副ステージベース11a,11b、台12、Xガイド13、複数の移動ステージ、マスクホルダ20、レーザー測長系制御装置30、レーザー測長系、レーザー変位計制御装置40、分光干渉レーザー変位計41、画像処理装置60、複数のカメラ61、主制御装置70、入出力インタフェース回路71,72、及びステージ駆動回路80a,80bを含んで構成されている。プロキシミティ露光装置は、これらの他に、基板1をチャック10へ搬入し、また基板1をチャック10から搬出する基板搬送ロボット、露光光を照射する照射光学系、装置内の温度管理を行う温度制御ユニット等を備えている。
【0029】
なお、本実施の形態では、チャック、副ステージベース、移動ステージ、及びステージ駆動回路がそれぞれ2つ設けられているが、これらをそれぞれ1つ又は3つ以上設けてもよい。また、以下に説明する実施の形態におけるXY方向は例示であって、X方向とY方向とを入れ替えてもよい。
【0030】
図1において、基板1の露光を行う露光位置の上空に、マスク2を保持するマスクホルダ20が設置されている。マスクホルダ20には、露光光が通過する開口20aが設けられており、開口20aの下方には、マスク2が装着されている。マスクホルダ20の下面の開口20aの周囲には、吸着溝が設けられており、マスクホルダ20は、吸着溝により、マスク2の周辺部を真空吸着して保持している。マスクホルダ20に保持されたマスク2の上空には、図示しない照射光学系が配置されている。基板1の表面には、感光樹脂材料(フォトレジスト)が塗布されており、露光時、照射光学系からの露光光がマスク2を透過して基板1へ照射されることにより、マスク2のパターンが基板1の表面に転写され、基板1上にパターンが形成される。
【0031】
マスクホルダ20の下方には、主ステージベース11が配置されている。主ステージベース11の左右には、主ステージベース11のX方向に隣接して副ステージベース11a,11bが配置されている。主ステージベース11のY方向には、台12が取り付けられている。チャック10aは、後述する移動ステージによって、副ステージベース11a上のロード/アンロード位置と主ステージベース11上の露光位置との間を移動される。また、チャック10bは、後述する移動ステージによって、副ステージベース11b上のロード/アンロード位置と主ステージベース11上の露光位置との間を移動される。
【0032】
基板1は、副ステージベース11a,11b上のロード/アンロード位置において、図示しない基板搬送ロボットにより、チャック10a,10bへ搬入され、またチャック10a,10bから搬出される。チャック10a,10bへの基板1のロード及びチャック10a,10bからの基板1のアンロードは、チャック10a,10bに設けた複数の突き上げピンを用いて行われる。突き上げピンは、チャック10a,10bの内部に収納されており、チャック10a,10bの内部から上昇して、基板1をチャック10a,10bにロードする際、基板搬送ロボットから基板1を受け取り、基板1をチャック10a,10bからアンロードする際、基板搬送ロボットへ基板1を受け渡す。チャック10a,10bは、基板1を真空吸着して支持する。
【0033】
図2は、チャック10aが露光位置にあり、チャック10bがロード/アンロード位置にある状態を示す上面図である。また、図3は、チャック10aが露光位置にあり、チャック10bがロード/アンロード位置にある状態を示す一部断面側面図である。図2において、主ステージベース11上及び副ステージベース11a,11b上には、主ステージベース11上から副ステージベース11a,11b上へX方向に伸びるXガイド13が設けられている。
【0034】
図3において、チャック10a,10bは、それぞれ移動ステージに搭載されている。各移動ステージは、Xステージ14、Yガイド15、Yステージ16、θステージ17、及びチャック支持台19を含んで構成されている。Xステージ14は、Xガイド13に搭載され、Xガイド13に沿ってX方向へ移動する。Yステージ16は、Xステージ14上に設けられたYガイド15に搭載され、Yガイド15に沿ってY方向(図3の図面奥行き方向)へ移動する。θステージ17は、Yステージ16に搭載され、θ方向へ回転する。チャック支持台19は、θステージ17に搭載され、チャック10a,10bを複数箇所で支持する。
【0035】
各移動ステージのXステージ14のX方向への移動により、チャック10aは、副ステージベース11a上のロード/アンロード位置と主ステージベース11上の露光位置との間を移動され、チャック10bは、副ステージベース11b上のロード/アンロード位置と主ステージベース11上の露光位置との間を移動される。図4は、チャック10bが露光位置にあり、チャック10aがロード/アンロード位置にある状態を示す上面図である。また、図5は、チャック10bが露光位置にあり、チャック10aがロード/アンロード位置にある状態を示す一部断面側面図である。副ステージベース11a,11b上のロード/アンロード位置において、各移動ステージのXステージ14のX方向への移動、Yステージ16のY方向への移動、及びθステージ17のθ方向への回転により、チャック10a,10bに搭載された基板1のプリアライメントが行われる。
【0036】
主ステージベース11上の露光位置において、各移動ステージのXステージ14のX方向への移動及びYステージ16のY方向への移動により、チャック10a,10bに保持された基板1のXY方向へのステップ移動が行われる。また、図示しないZ−チルト機構によりマスクホルダ20をZ方向(図3及び図5の図面上下方向)へ移動及びチルトすることにより、マスク2と基板1とのギャップ合わせが行われる。そして、各移動ステージのXステージ14のX方向への移動、Yステージ16のY方向への移動、及びθステージ17のθ方向への回転により、露光時の基板1の位置決めが行われる。
【0037】
各移動ステージのXステージ14、Yステージ16、及びθステージ17には、ボールねじ及びモータや、リニアモータ等の図示しない駆動機構が設けられている。図1において、ステージ駆動回路80aは、主制御装置70の制御により、チャック10aを搭載する移動ステージのXステージ14、Yステージ16、及びθステージ17を駆動する。また、ステージ駆動回路80bは、主制御装置70の制御により、チャック10bを搭載する移動ステージのXステージ14、Yステージ16、及びθステージ17を駆動する。
【0038】
なお、本実施の形態では、マスクホルダ20をZ方向へ移動及びチルトすることにより、マスク2と基板1とのギャップ合わせを行っているが、各移動ステージにZ−チルト機構を設けて、チャック10a,10bをZ方向へ移動及びチルトすることにより、マスク2と基板1とのギャップ合わせを行ってもよい。
【0039】
以下、本実施の形態のプロキシミティ露光装置の基板の位置決め動作について説明する。図1において、レーザー測長系は、レーザー光源31、レーザー干渉計32a,32b,33、後述するバーミラー34a,34b、及びバーミラー35を含んで構成されている。本実施の形態では、レーザー干渉計32aを用いて、チャック10aを搭載する移動ステージのX方向の位置を検出し、レーザー干渉計32bを用いて、チャック10bを搭載する移動ステージのX方向の位置を検出する。また、2つのレーザー干渉計33を用いて、主ステージベース11上での各移動ステージのY方向の位置を検出する。
【0040】
図6は、主ステージベース上にある移動ステージの上面図である。図7は、主ステージベース上にある移動ステージのX方向の一部断面側面図である。図8は、主ステージベース上にある移動ステージのY方向の側面図である。図6〜図8は、チャック10aを搭載する移動ステージを示しており、チャック10bを搭載する移動ステージは、チャック10aを搭載する移動ステージとX方向において左右対称な構成となっている。なお、図7ではXガイド13が省略され、図8ではレーザー干渉計32a,32bが省略されている。
【0041】
図8において、移動ステージのXステージ14がXガイド13に搭載されているので、主ステージベース11及び副ステージベース11a,11bとXステージ14との間に、Xガイド13の高さに応じた空間が発生している。レーザー測長系のバーミラー34aは、この空間を利用して、Xステージ14の下に取り付けられている。バーミラー34bも同様である。レーザー干渉計32aは、図1に示す様に、主ステージベース11のXガイド13から外れた位置に設置されている。レーザー干渉計32bも同様である。
【0042】
図6〜図8において、バーミラー35は、アーム36により、ほぼチャック10aの高さでYステージ16に取り付けられている。チャック10bを搭載する移動ステージについても、同様に、バーミラー35は、ほぼチャック10bの高さでYステージ16に取り付けられている。2つのレーザー干渉計33は、図6及び図8に示す様に、主ステージベース11のY方向に取り付けられた台12に設置されている。
【0043】
図9及び図10は、レーザー測長系の動作を説明する図である。なお、図9は、チャック10aが露光位置にあり、チャック10bがロード/アンロード位置にある状態を示し、図10は、チャック10bが露光位置にあり、チャック10aがロード/アンロード位置にある状態を示している。
【0044】
図9及び図10において、レーザー干渉計32aは、レーザー光源31からのレーザー光をバーミラー34aへ照射し、バーミラー34aにより反射されたレーザー光を受光して、レーザー光源31からのレーザー光とバーミラー34aにより反射されたレーザー光との干渉を測定する。図1において、レーザー測長系制御装置30は、主制御装置70の制御により、レーザー干渉計32aの測定結果から、チャック10aを搭載する移動ステージのX方向の位置を検出する。主制御装置70は、レーザー測長系制御装置30の検出結果を、入出力インタフェース回路71を介して入力する。
【0045】
図9及び図10において、レーザー干渉計32bは、レーザー光源31からのレーザー光をバーミラー34bへ照射し、バーミラー34bにより反射されたレーザー光を受光して、レーザー光源31からのレーザー光とバーミラー34bにより反射されたレーザー光との干渉を測定する。図1において、レーザー測長系制御装置30は、主制御装置70の制御により、レーザー干渉計32bの測定結果から、チャック10bを搭載する移動ステージのX方向の位置を検出する。主制御装置70は、レーザー測長系制御装置30の検出結果を、入出力インタフェース回路71を介して入力する。
【0046】
レーザー測長系のバーミラー34a,34bを各移動ステージのXステージ14の下に取り付け、レーザー干渉計32a,32bを主ステージベース11のXガイド13から外れた位置に設置するので、各移動ステージは副ステージベース11a,11bと主ステージベース11とを移動する際にレーザー干渉計32a,32bと衝突することがない。そして、レーザー干渉計32a,32bを主ステージベース11に設置するので、レーザー干渉計32a,32bが副ステージベース11a,11bの振動の影響を受けない。また、レーザー干渉計32a,32bから主ステージベース11上の各移動ステージまでの測定距離が短くなる。従って、各移動ステージのX方向の位置が精度良く検出される。
【0047】
図9及び図10において、2つのレーザー干渉計33は、レーザー光源31からのレーザー光をバーミラー35へ照射し、バーミラー35により反射されたレーザー光を受光して、レーザー光源31からのレーザー光とバーミラー35により反射されたレーザー光との干渉を二箇所で測定する。図1において、レーザー測長系制御装置30は、主制御装置70の制御により、2つのレーザー干渉計33の測定結果から、主ステージベース11上での各移動ステージのY方向の位置を検出し、また主ステージベース11上で各移動ステージのXステージ14及びYステージ16がXY方向へ移動する際のヨーイングを検出する。
【0048】
各レーザー干渉計33を主ステージベース11のY方向に取り付けられた台12に設置するので、各レーザー干渉計33が副ステージベース11a,11bの振動の影響を受けない。また、各レーザー干渉計33から主ステージベース11上の各移動ステージまでの測定距離が短くなる。従って、各レーザー干渉計33を用いて、主ステージベース11上での各移動ステージのY方向の位置が精度良く検出される。また、レーザー測長系の各バーミラー35を、ほぼ各移動ステージが搭載するチャック10a,10bの高さに取り付けるので、各移動ステージのY方向の位置が基板1の近傍で検出される。そして、Yステージ16に取り付けたバーミラー35を利用して、移動ステージが移動する際のヨーイングを検出することができる。
【0049】
図1において、チャック10a,10bには、2つの分光干渉レーザー変位計41がそれぞれ設けられている。図11(a)は分光干渉レーザー変位計の上面図、図11(b)は分光干渉レーザー変位計の側面図である。図11(a),(b)に示す様に、各分光干渉レーザー変位計41は、取り付け具50により、バーミラー35の裏面に向き合わせて、チャック10a,10bの下面に取り付けられている。本実施の形態で用いる分光干渉レーザー変位計41は、干渉光を利用した光学式変位計であって、先端のヘッド部に参照反射面を有し、広い波長帯域の光を参照反射面及び被測定物へ照射して、参照反射面からの反射光と被測定物からの反射光との干渉光の波長及び強度から、被測定物までの距離を測定するものである。
【0050】
図11(a),(b)において、2つの分光干渉レーザー変位計41は、バーミラー35の裏面までの距離を二箇所で測定する。図1において、レーザー変位計制御装置40は、主制御装置70の制御により、後述するバーミラー35のθ方向の位置ずれの検出結果に基づき、2つの分光干渉レーザー変位計41の測定結果から、チャック10a,10bのθ方向の傾きを検出する。主制御装置70は、レーザー変位計制御装置40の検出結果を、入出力インタフェース回路72を介して入力する。
【0051】
図6において、チャック10aを搭載する移動ステージのYステージ16に取り付けられたバーミラー35の上面には、複数の位置ずれ検出用マーク37が設けられている。チャック10bを搭載する移動ステージのYステージ16に取り付けられたバーミラー35も同様である。本実施の形態では、X方向に伸びるバーミラー35の両脇付近に、位置ずれ検出用マーク37がそれぞれ設けられている。位置ずれ検出用マーク37は、後述する画像処理装置60による画像処理に適した形状のものであればよい。
【0052】
図7及び図8において、主ステージベース11の上空には、バーミラー35の上面の各位置ずれ検出用マーク37に対応して、複数のカメラ61が設置されている。本実施の形態では、X方向に伸びるバーミラー35の両脇付近に設けられた各位置ずれ検出用マーク37に対応して、2つのカメラ61が設けられている。しかしながら、位置ずれ検出用マーク37及びカメラ61の数及び位置は、図6〜図8に示した例に限るものではない。
【0053】
各カメラ61は、例えばCCDカメラから成り、バーミラー35の上面の位置ずれ検出用マーク37の画像を取得するためのものである。各カメラ61は、マスクホルダ20の上方に設けられた図示しないフレームに固定され、バーミラー35の位置ずれ検出用マーク37の間隔と同じ間隔で設置されている。
【0054】
図12は、本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法を示すフローチャートである。なお、チャック10aに搭載された基板1とチャック10bに搭載された基板1とでは、露光位置における処理が交互に行われ、一方の露光位置における処理の間に、他方のロード/アンロード位置における処理が行われる。
【0055】
まず、ロード/アンロード位置において、チャック10a,10bへの基板1のロードが行われる(ステップ301)。主制御装置70は、ステージ駆動回路80a,80bにより、各移動ステージのXステージ14、Yステージ16、及びθステージ17を駆動して、各ロード/アンロード位置においてチャック10a,10bをXY方向へ移動及びθ方向へ回転させ、基板1のプリアライメントを行う(ステップ302)。
【0056】
次に、主制御装置70は、ステージ駆動回路80a,80bにより各移動ステージのXステージ14を駆動して、チャック10a,10bを露光位置へ移動させ、各移動ステージをバーミラー35の位置ずれを検出する位置へ移動させる(ステップ303)。図13は、移動ステージをバーミラーの位置ずれを検出する位置へ移動した状態を示す上面図である。各移動ステージをバーミラー35の位置ずれを検出する位置へ移動したとき、バーミラー35の上面の各位置ずれ検出用マーク37は、各カメラ61の視野内に位置する。
【0057】
各移動ステージのYステージ16をY方向へ移動するとき、Yステージ16を搭載したYガイド15では、摺動抵抗により多量の熱が発生する。その熱がYステージ16に伝わって、Yステージ16に熱変形による歪みが生じたとき、Yステージ16に取り付けられたバーミラー35の設置状態が変化して、バーミラー35がX方向からわずかに回転し、バーミラー35にθ方向の位置ずれが発生する。各カメラ61は、バーミラー35の上面の各位置ずれ検出用マーク37の画像を取得し、画像信号を図1の画像処理装置60へ出力する。
【0058】
図1において、画像処理装置60は、各カメラ61から出力された各位置ずれ検出用マーク37の画像信号を処理して、各位置ずれ検出用マーク37の位置を検出する。この各位置ずれ検出用マーク37の位置の検出は、例えば、各カメラ61が取得した各位置ずれ検出用マーク37の画像と、予め用意したバーミラー35にθ方向の位置ずれがない時の各位置ずれ検出用マーク37の画像とを比較して行われる。レーザー変位計制御装置40は、画像処理装置60が検出した各位置ずれ検出用マーク37の位置から、バーミラー35のθ方向の位置ずれを検出する(図12のステップ304)。
【0059】
本実施の形態では、Yステージ16に取り付けたバーミラー35の表面に、複数の位置ずれ検出用マーク37を設け、複数のカメラ61によりバーミラー35の各位置ずれ検出用マーク37の画像を取得し、取得した各位置ずれ検出用マーク37の画像を処理して、各位置ずれ検出用マーク37の位置を検出し、検出した各位置ずれ検出用マーク37の位置から、バーミラー35のθ方向の位置ずれを検出するので、各位置ずれ検出用マーク37の画像処理によって、バーミラー35のθ方向の位置ずれが精度良く検出される。
【0060】
しかしながら、本発明はこれに限らず、複数のレーザー干渉計33により、レーザー光源31からのレーザー光とバーミラー35により反射されたレーザー光との干渉を複数箇所で測定し、複数のレーザー干渉計33の測定結果から、バーミラー35のθ方向の位置ずれを検出してもよい。各移動ステージのY方向の位置を検出するためのレーザー干渉計33を利用して、バーミラー35のθ方向の位置ずれを検出することができる。あるいは、バーミラー35のθ方向の位置ずれを検出するためのレーザー干渉計を、各移動ステージのY方向の位置を検出するためのレーザー干渉計33と別個に設けてもよい。
【0061】
図12において、次に、主制御装置70は、ステージ駆動回路80a,80bにより各移動ステージのXステージ14及びYステージ16を駆動して、基板1を露光位置の1回目のショットを行う位置へ移動させる(ステップ305)。続いて、主制御装置70は、図示しないギャップセンサーの測定結果に基づき、Z−チルト機構を駆動して、マスク2と基板1とのギャップ合わせを行う(ステップ306)。次に、主制御装置70は、ステージ駆動回路80a,80bにより各移動ステージのXステージ14、Yステージ16、及びθステージ17を駆動して、露光位置においてチャック10a,10bをXY方向へ移動及びθ方向へ回転させ、基板1のアライメントを行う(ステップ307)。
【0062】
基板1のアライメント(ステップ307)を行う際、レーザー変位計制御装置40は、主制御装置70の制御により、ステップ304で検出したバーミラー35のθ方向の位置ずれに基づき、2つの分光干渉レーザー変位計41の測定結果から、チャック10a,10bのθ方向の傾きを検出する。主制御装置70は、レーザー変位計制御装置40によるチャック10a,10bのθ方向の傾きの検出結果に基づき、ステージ駆動回路80a,80bを制御し、各移動ステージのθステージ17によりチャック10a,10bをθ方向へ回転させて、基板1のθ方向の位置決めを行う。また、主制御装置70は、レーザー測長系制御装置30による各移動ステージのXY方向の位置の検出結果に基づき、ステージ駆動回路80a,80bを制御し、各移動ステージのXステージ14及びYステージ16によりチャック10a,10bをXY方向へ移動させて、基板1のXY方向の位置決めを行う。
【0063】
図14(a)はバーミラーの位置ずれ管理を行わない場合の各ショットの露光領域の一例を示す図、図14(b)は本発明によりバーミラーの位置ずれ管理を行った場合の各ショットの露光領域の一例を示す図である。図14(a),(b)は、基板1の6つの露光領域1a,1b,1c,1d,1e,1fを、露光領域毎に6回のショットに分けて露光する例を示している。
【0064】
バーミラー35にθ方向の位置ずれが発生したとき、バーミラー35の位置ずれ管理を行わずに、2つの分光干渉レーザー変位計41の測定結果から、チャック10a,10bがバーミラー35と平行に成る様に基板1のθ方向の位置決めを行うと、チャック10a,10bに搭載された基板1は、バーミラー35のθ方向の位置ずれの分だけ、θ方向に傾いた状態で位置決めされる。そのため、図14(a)に示す様に、各ショットの露光領域1a,1b,1c,1d,1e,1fは、基板1上でそれぞれθ方向に傾いてしまう。
【0065】
例えば、液晶ディスプレイ装置の製造において、TFT基板とカラーフィルタ基板を張り合わせて液晶パネルを構成する作業は、通常、基板1上に複数の露光領域が露光された状態で行われる。そのため、図14(a)に示す様に、各ショットの露光領域1a,1b,1c,1d,1e,1fが基板1上でそれぞれθ方向に傾いてしまうと、各露光領域に形成されたパターンの位置が、張り合わせようとするTFT基板上又はカラーフィルタ基板上の各露光領域に形成されたパターンの位置とずれてしまうという問題が発生する。
【0066】
本実施の形態では、Yステージ16に取り付けたバーミラー35のθ方向の位置ずれを検出し、バーミラー35のθ方向の位置ずれの検出結果に基づき、複数の分光干渉レーザー変位計41の測定結果から、チャック10a,10bのθ方向の傾きを検出するので、各移動ステージのYステージ16に熱変形による歪みが生じたとき、バーミラー35の設置状態が変化して、バーミラー35にθ方向の位置ずれが生じても、チャック10a,10bのθ方向の傾きが正確に検出される。従って、図14(b)に示す様に、各ショットの露光領域1a,1b,1c,1d,1e,1fが基板1上でそれぞれθ方向に傾くことなく、各露光領域に形成されたパターンの位置が、張り合わせようとするTFT基板上又はカラーフィルタ基板上の各露光領域に形成されたパターンの位置とずれるという問題が発生しない。
【0067】
なお、図12において、基板1のアライメント(ステップ307)は、マスク2と基板1とのギャップ合わせ(ステップ306)中に、アライメント用のセンサーが基板1及びマスク2に設けられたアライメント用のマークを検出できる距離にマスク2と基板1が接近した時点から開始してもよい。その場合、マスク2と基板1とのギャップ合わせ(ステップ306)と基板1のアライメント(ステップ307)を一部並行して行うことができるので、タクトタイムが短縮する。
【0068】
マスク2と基板1とのギャップ合わせが終了して、ショット(ステップ308)を行った後、主制御装置70は、全ショットが終了したか否かを判断する(ステップ309)。全ショットが終了していない場合、主制御装置70は、Z−チルト機構を、予め決定したマスク2と基板1の接触の恐れが無い退避位置へ移動させた後、ステージ駆動回路80a,80bにより各移動ステージのXステージ14及びYステージ16を駆動して、基板1のXY方向へのステップ移動を行い(ステップ310)、基板1を次のショットを行う位置へ移動させる。そして、ステップ306へ戻り、全ショットについてショットが終了するまで、ステップ306〜310を繰り返す。
【0069】
全ショットが終了した場合、主制御装置70は、Z−チルト機構を駆動して、マスク2と基板1とのギャップを広げた後、ステージ駆動回路80a,80bにより各移動ステージのXステージ14及びYステージ16を駆動して、チャック10a,10bをロード/アンロード位置へ移動させる(ステップ311)。そして、ロード/アンロード位置において、チャック10a,10bからの基板1のアンロードが行われる(ステップ312)。
【0070】
図15〜図17は、従来のレーザー変位計の動作を説明する図である。図15は、特許文献1及び特許文献2において、チャック10aを搭載する移動ステージに取り付けられたレーザー変位計42を示している。チャック10aのθ方向の傾きを検出するための専用のバーミラー44が、チャック10aのY方向へ伸びる一側面に取り付けられている。2つのレーザー変位計42は、それぞれ、アーム46により、バーミラー44の高さでXステージ14に取り付けられている。チャック10bを搭載する移動ステージに取り付けられたバーミラー44及びレーザー変位計42は、図15とX方向において左右対称な構成となっている。特許文献1及び特許文献2に記載の技術で使用されているレーザー変位計42は、三角測量を応用した光学式変位計であって、レーザー光源からのレーザー光を被測定物へ照射し、被測定物からの反射光をCCDセンサー等の受光素子で受光して、被測定物の変位を測定するものである。
【0071】
特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、チャック10a,10bにバーミラー44を取り付け、Xステージ14に設けた複数のレーザー変位計42により、バーミラー44の変位を複数箇所で測定して、チャック10a,10bのθ方向の傾きを検出している。そのため、専用のバーミラー44が必要であるが、このバーミラー44は、表面を高い精度で平坦に加工する必要があるため、非常に高価であって、多大な費用が掛かる。
【0072】
本実施の形態では、チャック10a,10bに複数の分光干渉レーザー変位計41を設け、複数の分光干渉レーザー変位計41により、Yステージ16に取り付けたバーミラー35までの距離を複数箇所で測定し、複数の分光干渉レーザー変位計41の測定結果から、チャック10a,10bのθ方向の傾きを検出するので、Yステージ16に取り付けたバーミラー35が、レーザー干渉計33を用いた移動ステージの位置の検出と、複数の分光干渉レーザー変位計41を用いたチャック10a,10bのθ方向の傾きの検出とに兼用され、チャック10a,10bのθ方向の傾きを検出するための専用のバーミラーが必要なくなる。
【0073】
図16は、図15に示した状態から、チャック10aをYステージ16によりY方向へ移動した状態を示している。特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、Xステージ14にレーザー変位計42を設けているため、露光位置における基板のステップ移動時に、チャック10a,10bをYステージ16によりY方向へ移動すると、図15及び図16に示す様に、バーミラー44の位置がレーザー変位計42に対して変化する。そのため、測定結果には、バーミラー44の平坦度による誤差が含まれる恐れがあった。
【0074】
図17(a)は、図15に示した状態で、チャック10aがθ方向に傾いたときのレーザー変位計42とバーミラー44との位置関係を示し、図17(b)は、図16に示した状態で、チャック10aがθ方向に傾いたときのレーザー変位計42とバーミラー44との位置関係を示している。
【0075】
特許文献1及び特許文献2に記載されている様に、複数のレーザー変位計42を用いてチャック10a,10bのθ方向の傾きを検出する場合、複数のレーザー変位計42をより離して設置する程、チャック10a,10bのθ方向の傾きを精度良く検出することができる。しかしながら、レーザー変位計42の出力特性は直線性が乏しく、測定範囲を広げると、測定誤差が大きくなる。特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、チャック10a,10bがθ方向に傾いた状態で、チャック10a,10bをYステージ16によりY方向へ移動すると、図17(a),(b)に示す様に、各レーザー変位計42からバーミラー44までの距離が変動するため、複数のレーザー変位計42をより離して設置すると、レーザー変位計42の測定範囲が広がり、測定誤差が大きくなる恐れがあった。
【0076】
図18及び図19は、分光干渉レーザー変位計の動作を説明する図である。図18及び図19は、基板1を各ショットを行う位置へ移動した状態を示しており、図19では、チャック10a,10bが、各移動ステージのYステージ16により、図18に示した状態からY方向へ移動されている。本実施の形態では、露光位置における基板1のステップ移動時に、チャック10a,10bを移動ステージによりXY方向へ移動しても、図18及び図19に示す様に、分光干渉レーザー変位計41が常にバーミラー35の同じ箇所に対して測定を行うため、バーミラー35の平坦度による測定誤差がなくなる。また、チャック10a,10bがθ方向に傾いた状態で、チャック10a,10bを移動ステージによりXY方向へ移動しても、分光干渉レーザー変位計41からバーミラー35までの距離が変動せず、測定範囲が広がらないので、複数の分光干渉レーザー変位計41をより離して設置することができる。
【0077】
さらに、レーザー変位計42の出力特性は、設置状態により変動し、被測定物の微小な角度変化に対して線形性が異なる。そのため、特許文献1及び特許文献2に記載されている様に、複数のレーザー変位計42を用いてチャックのθ方向の傾きを検出する場合、各レーザー変位計の測定値にチャック10a,10bの角度に依存した変動値が含まれ、チャック10a,10bのθ方向の傾きを高精度に検出することができない恐れがあった。
【0078】
本実施の形態で使用する分光干渉レーザー変位計41は、特許文献1及び特許文献2に記載の技術で使用されているレーザー変位計42に比べて、被測定物の微小な角度変化による出力特性の変化が小さく高精度であるが、測定範囲が狭い。本発明では、特許文献1及び特許文献2に記載の技術と異なり、チャック10a,10bがθ方向に傾いた状態で、チャック10a,10bを移動ステージによりXY方向へ移動しても、分光干渉レーザー変位計41からバーミラー35までの距離が変動しないので、測定範囲が狭く高精度な分光干渉レーザー変位計41を用いることができ、チャック10a,10bのθ方向の傾きをより精度良く検出することができる。
【0079】
以上説明した本実施の形態によれば、各移動ステージのYステージ16にバーミラー35を取り付け、レーザー干渉計33により、レーザー光源31からのレーザー光とバーミラー35より反射されたレーザー光との干渉を測定し、測定結果から、各移動ステージのY方向の位置を検出し、各移動ステージのYステージ16に取り付けたバーミラー35のθ方向の位置ずれを検出し、チャック10a,10bに複数の光学式変位計41を設け、複数の光学式変位計41により、各移動ステージのYステージ16に取り付けたバーミラー35までの距離を複数箇所で測定し、バーミラー35のθ方向の位置ずれの検出結果に基づき、複数の光学式変位計41の測定結果から、チャック10a,10bのθ方向の傾きを検出することにより、安価な構成で、チャック10a,10bのθ方向の傾きを精度良く検出して、基板1のθ方向の位置決めを精度良く行うことができる。
【0080】
さらに、Yステージ16に取り付けたバーミラー35の表面に、複数の位置ずれ検出用マーク37を設け、バーミラー35の複数の位置ずれ検出用マーク37の画像を取得し、取得した各位置ずれ検出用マーク37の画像を処理して、各位置ずれ検出用マーク37の位置を検出し、検出した各位置ずれ検出用マーク37の位置から、バーミラー35のθ方向の位置ずれを検出することにより、各位置ずれ検出用マーク37の画像処理によって、バーミラー35のθ方向の位置ずれを精度良く検出することができる。
【0081】
あるいは、複数のレーザー干渉計33により、レーザー光源31からのレーザー光とバーミラー35により反射されたレーザー光との干渉を複数箇所で測定し、複数のレーザー干渉計33の測定結果から、バーミラー35のθ方向の位置ずれを検出することにより、各移動ステージのY方向の位置を検出するためのレーザー干渉計33を利用して、バーミラー35のθ方向の位置ずれを検出することができる。
【0082】
さらに、光学式変位計として、分光干渉レーザー変位計41を用いることにより、チャック10a,10bのθ方向の傾きをより精度良く検出することができる。
【0083】
さらに、複数のレーザー干渉計33により、レーザー光源31からのレーザー光とバーミラー35により反射されたレーザー光との干渉を複数箇所で測定し、複数のレーザー干渉計33の測定結果から、Xステージ14及びYステージ16が移動する際のヨーイングを検出することにより、Yステージ16に取り付けたバーミラー35を利用して、移動ステージが移動する際のヨーイングを検出することができる。
【0084】
本発明のプロキシミティ露光装置を用いて基板の露光を行い、あるいは、本発明のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法を用いて基板を位置決めして、基板の露光を行うことにより、露光時の基板のθ方向の位置決めを精度良く行うことができるので、パターンの焼付けを精度良く行って、高品質な基板を製造することができる。
【0085】
例えば、図20は、液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。薄膜形成工程(ステップ101)では、スパッタ法やプラズマ化学気相成長(CVD)法等により、基板上に液晶駆動用の透明電極となる導電体膜や絶縁体膜等の薄膜を形成する。レジスト塗布工程(ステップ102)では、ロール塗布法等により感光樹脂材料(フォトレジスト)を塗布して、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜上にフォトレジスト膜を形成する。露光工程(ステップ103)では、プロキシミティ露光装置や投影露光装置等を用いて、マスクのパターンをフォトレジスト膜に転写する。現像工程(ステップ104)では、シャワー現像法等により現像液をフォトレジスト膜上に供給して、フォトレジスト膜の不要部分を除去する。エッチング工程(ステップ105)では、ウエットエッチングにより、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜の内、フォトレジスト膜でマスクされていない部分を除去する。剥離工程(ステップ106)では、エッチング工程(ステップ105)でのマスクの役目を終えたフォトレジスト膜を、剥離液によって剥離する。これらの各工程の前又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。これらの工程を数回繰り返して、基板上にTFTアレイが形成される。
【0086】
また、図21は、液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)では、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、剥離等の処理により、基板上にブラックマトリクスを形成する。着色パターン形成工程(ステップ202)では、染色法、顔料分散法、印刷法、電着法等により、基板上に着色パターンを形成する。この工程を、R、G、Bの着色パターンについて繰り返す。保護膜形成工程(ステップ203)では、着色パターンの上に保護膜を形成し、透明電極膜形成工程(ステップ204)では、保護膜の上に透明電極膜を形成する。これらの各工程の前、途中又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。
【0087】
図20に示したTFT基板の製造工程では、露光工程(ステップ103)において、図21に示したカラーフィルタ基板の製造工程では、ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)の露光処理において、本発明のプロキシミティ露光装置及びプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法を適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 基板
2 マスク
10a,10b チャック
11 主ステージベース
11a,11b 副ステージベース
12 台
13 Xガイド
14 Xステージ
15 Yガイド
16 Yステージ
17 θステージ
19 チャック支持台
20 マスクホルダ
30 レーザー測長系制御装置
31 レーザー光源
32a,32b,33 レーザー干渉計
34a,34b,35 バーミラー
36 アーム
37 位置ずれ検出用マーク
40 レーザー変位計制御装置
41 分光干渉レーザー変位計
50 取り付け具
60 画像処理装置
61 カメラ
70 主制御装置
71,72 入出力インタフェース回路
80a,80b ステージ駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するチャックと、マスクを保持するマスクホルダとを備え、マスクと基板との間に微小なギャップを設けて、マスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置において、
X方向(又はY方向)へ移動する第1のステージ、第1のステージに搭載されY方向(又はX方向)へ移動する第2のステージ、及び第2のステージに搭載されθ方向へ回転する第3のステージを有し、前記チャックを搭載して、前記チャックに支持された基板の位置決めを行う移動ステージと、
レーザー光を発生する光源、前記第1のステージに取り付けられた第1の反射手段、前記第2のステージに取り付けられた第2の反射手段、光源からのレーザー光と第1の反射手段により反射されたレーザー光との干渉を測定する第1のレーザー干渉計、及び光源からのレーザー光と第2の反射手段により反射されたレーザー光との干渉を測定する第2のレーザー干渉計を有するレーザー測長系と、
前記第1のレーザー干渉計及び前記第2のレーザー干渉計の測定結果から、前記移動ステージのXY方向の位置を検出する第1の検出手段と、
前記第2のステージに取り付けられた前記第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、
前記チャックに設けられ、前記第2のステージに取り付けられた前記第2の反射手段までの距離を複数箇所で測定する複数の光学式変位計と、
前記位置ずれ検出手段により検出した前記第2の反射手段のθ方向の位置ずれに基づき、前記複数の光学式変位計の測定結果から、前記チャックのθ方向の傾きを検出する第2の検出手段と、
前記移動ステージを駆動するステージ駆動回路と、
前記第2の検出手段の検出結果に基づき、前記ステージ駆動回路を制御し、前記第3のステージにより前記チャックをθ方向へ回転させて、基板のθ方向の位置決めを行い、前記第1の検出手段の検出結果に基づき、前記ステージ駆動回路を制御し、前記第1のステージ及び前記第2のステージにより前記チャックをXY方向へ移動させて、基板のXY方向の位置決めを行う制御手段とを備えたことを特徴とするプロキシミティ露光装置。
【請求項2】
前記第2のステージに取り付けられた前記第2の反射手段は、表面に複数の位置ずれ検出用マークを有し、
前記位置ずれ検出手段は、前記第2の反射手段の複数の位置ずれ検出用マークの画像を取得する複数の画像取得装置と、各画像取得装置により取得した各位置ずれ検出用マークの画像を処理して、各位置ずれ検出用マークの位置を検出する画像処理装置とを有し、該画像処理装置により検出した各位置ずれ検出用マークの位置から、前記第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出することを特徴とする請求項1に記載のプロキシミティ露光装置。
【請求項3】
前記レーザー測長系は、前記第2のレーザー干渉計を複数有し、
前記位置ずれ検出手段は、前記複数の第2のレーザー干渉計の測定結果から、前記第2のステージに取り付けられた前記第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出することを特徴とする請求項1に記載のプロキシミティ露光装置。
【請求項4】
前記複数の光学式変位計は、広い波長帯域の光を参照反射面及び被測定物へ照射し、参照反射面からの反射光と被測定物からの反射光との干渉光の波長及び強度から、被測定物までの距離を測定する分光干渉レーザー変位計であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のプロキシミティ露光装置。
【請求項5】
基板を支持するチャックと、マスクを保持するマスクホルダとを備え、マスクと基板との間に微小なギャップを設けて、マスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法であって、
X方向(又はY方向)へ移動する第1のステージ、第1のステージに搭載されY方向(又はX方向)へ移動する第2のステージ、及び第2のステージに搭載されθ方向へ回転する第3のステージを有する移動ステージにチャックを搭載し、
第1のステージに第1の反射手段を取り付け、第1のレーザー干渉計により、光源からのレーザー光と第1の反射手段により反射されたレーザー光との干渉を測定し、
第2のステージに第2の反射手段を取り付け、第2のレーザー干渉計により、光源からのレーザー光と第2の反射手段により反射されたレーザー光との干渉を測定し、
第2のステージに取り付けた第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出し、
チャックに複数の光学式変位計を設け、複数の光学式変位計により、第2のステージに取り付けた第2の反射手段までの距離を複数箇所で測定し、
第2の反射手段のθ方向の位置ずれの検出結果に基づき、複数の光学式変位計の測定結果から、チャックのθ方向の傾きを検出し、検出結果に基づき、第3のステージによりチャックをθ方向へ回転して、基板のθ方向の位置決めを行い、
第1のレーザー干渉計及び第2のレーザー干渉計の測定結果から、移動ステージのXY方向の位置を検出し、検出結果に基づき、第1のステージ及び第2のステージによりチャックをXY方向へ移動して、基板のXY方向の位置決めを行うことを特徴とするプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法。
【請求項6】
第2のステージに取り付けた第2の反射手段の表面に、複数の位置ずれ検出用マークを設け、
第2の反射手段の複数の位置ずれ検出用マークの画像を取得し、取得した各位置ずれ検出用マークの画像を処理して、各位置ずれ検出用マークの位置を検出し、検出した各位置ずれ検出用マークの位置から、第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出することを特徴とする請求項5に記載のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法。
【請求項7】
複数の第2のレーザー干渉計により、光源からのレーザー光と第2の反射手段により反射されたレーザー光との干渉を複数箇所で測定し、
複数の第2のレーザー干渉計の測定結果から、第2のステージに取り付けた第2の反射手段のθ方向の位置ずれを検出することを特徴とする請求項5に記載のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法。
【請求項8】
光学式変位計として、広い波長帯域の光を参照反射面及び被測定物へ照射し、参照反射面からの反射光と被測定物からの反射光との干渉光の波長及び強度から、被測定物までの距離を測定する分光干渉レーザー変位計を用いることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のプロキシミティ露光装置を用いて基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。
【請求項10】
請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法を用いて基板を位置決めして、基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−65730(P2013−65730A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203912(P2011−203912)
【出願日】平成23年9月19日(2011.9.19)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】