説明

ベーパー洗浄乾燥装置及びそれを用いたベーパー洗浄乾燥方法

【課題】水を含む高沸点、高蒸発潜熱の洗浄剤においても、再付着がなく、洗浄後の乾燥効率が高く、洗浄、乾燥時間を短縮でき、複雑な形状の被洗浄物でも乾燥シミを作ることなく乾燥させることができるベーパー洗浄を可能にする。
【解決手段】被洗浄物をベーパー洗浄するためのベーパー洗浄槽6と、ベーパー洗浄槽6内における下方部分に蓄えた洗浄剤16と、ベーパー洗浄槽6に連通した乾燥槽5と、ベーパー洗浄槽6と乾燥槽5間を遮断又は開放可能とした遮断蓋13と、被洗浄物を載置可能であるとともにベーパー洗浄槽6と乾燥槽5間を移動可能なキャリアと、を具備した装置本体2と、装置本体2に連結された、装置本体2の内部を加減圧する圧力調整手段3と、被洗浄物に付着した洗浄剤等を排液するための排液弁17と、洗浄剤16を加熱するための加熱システム19と、を具備した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精密部品、一般の機械部品、半導体等の電子部品やその基板、レンズ等の光学部品などの洗浄のように、一般的な洗浄よりもより高い洗浄度が求められる精密洗浄に用いるベーパー洗浄乾燥装置及びそれを用いたベーパー洗浄乾燥方法に係り、より詳しくは、水を始めとする沸点が高く揮発性の低い洗浄剤を用いた場合でも、洗浄後の迅速な乾燥を可能とするベーパー洗浄乾燥装置及びそれを用いたベーパー洗浄乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、精密部品、一般の機械部品、半導体等の電子部品やその基板、レンズ等の光学部品などの洗浄のように一般的な洗浄よりもより高い洗浄度が求められる精密洗浄において、洗浄後に行う洗浄剤によるベーパー洗浄は公知の技術である。
【0003】
そして、このようなベーパー洗浄においては、浸漬洗浄後にこのベーパー洗浄によって洗浄剤に含まれる溶解物や、被洗浄物に再付着した汚染物を洗い流すリンス効果が高まるため、フッ素系、塩素系若しくは代替フロンに代表される沸点の低い(揮発性の高い)洗浄剤を用いることが有効である。
【0004】
しかしながら、このような、塩素系やフッ素系、更に代替フロンよりなる洗浄剤は、環境負荷の低減から削減の対象となっており、そのため、これらの低沸点の洗浄剤による浸漬、ベーパー洗浄から、水を始めとする蒸発潜熱が大きく、沸点の高い洗浄剤へと移行しつつある。
【0005】
その一方、水を始めとする高蒸発潜熱、高沸点の洗浄剤は、洗浄剤そのものが高い蒸発潜熱を持ち、沸点が高く乾燥性が悪いため、これらを用いたベーパー洗浄方法は有効な手段とはなっていない。これが、高蒸発潜熱、高沸点の洗浄剤によるベーパー洗浄を制限している大きな理由である。
【0006】
更に、ハイドロカーボン系や水系洗浄剤の中には引火性があるため、大気中で引火点以上に加温することは安全性の面からも制限される。
【0007】
そのため、このような理由で、乾燥には主として熱風乾燥、真空乾燥が用いられているが、熱風乾燥は気体熱伝導率が低いため大量の熱風が必要であり、加えて高蒸発潜熱の洗浄剤では乾燥時間が長くなり、乾燥効率が悪いばかりでなく、形状の複雑なものには熱風を直接吹き付けられない部分ができ、乾燥シミが生ずる等の問題がある。
【0008】
また、真空乾燥の場合も被洗浄物への与熱が困難なため、また洗浄剤自らの蒸発潜熱により、被洗浄物の温度が低下し、結局は乾燥効率が悪く、乾燥時間は長くなり、大気中に取り出した時に被洗浄物の温度が下がり、水分を凝集して洗浄後の錆の発生原因となる。
【0009】
従って、このように、高沸点、高蒸発潜熱を持つ洗浄剤の乾燥工程が洗浄装置全体のタクト時間のボトルネックになっているのが現状である。
【0010】
また、このような、高沸点、高蒸発潜熱を持つ洗浄剤による乾燥方法としては、例えば特開平6−459号公報に見られるように、加圧した洗浄槽の洗浄剤沸点を高め、常圧に戻して乾燥する方法が提案されているが、洗浄剤に浸漬することによる被洗浄物への汚染の再付着は避けられず、洗浄性は洗浄剤の汚染度に比例してしまい、いくら乾燥が早くても乾燥シミの原因となる。
【0011】
よって、被洗浄物を洗浄剤に浸漬しただけで乾燥することは精密洗浄という観点から実用上有効な洗浄手段ではない。また、被洗浄物を常温から洗浄剤に浸漬した場合は、洗浄剤の液温は下がり加熱するための時間がかかるために、加圧浸漬洗浄は実用的、効果的な方法とはならない。
【特許文献1】特開2006−459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明は、水を含む高沸点、高蒸発潜熱という洗浄剤においても、再付着がなく、洗浄後の乾燥効率が非常に高く、しかも急速洗浄、乾燥が可能で洗浄、乾燥時間を短縮できることに加え、複雑な形状の被洗浄物でも乾燥シミを作ることなく乾燥させることが可能な洗浄乾燥手段であるベーパー洗浄を、加減圧機構の中で実現する方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のベーパー洗浄乾燥装置は、
内部に洗浄剤を蓄えることが可能なベーパー洗浄槽と、該ベーパー洗浄槽に連通した乾燥槽と、前記ベーパー洗浄槽と前記乾燥槽間を遮断又は開放可能とした遮断蓋と、被洗浄物を載置可能であるとともに前記ベーパー洗浄槽と前記乾燥槽間を移動可能としたキャリアと、を具備した装置本体と、
前記装置本体に連結された、前記装置本体の内部に気体を供給しあるいは前記装置本体の内部の気体を排気することで前記装置本体の内部を加減圧する圧力調整手段と、
前記被洗浄物に付着した洗浄剤等を排液するための排液弁と、
前記洗浄剤を加熱するための加熱システムと、を具備したことを特徴としている。
【0014】
また、このベーパー洗浄乾燥装置を用いた本発明のベーパー洗浄乾燥方法は、
前記ベーパー洗浄槽内の底部に洗浄剤を蓄え、前記ベーパー洗浄槽内を0.5MPaに加圧するとともに前記洗浄剤を沸点近傍まで加熱した状態において、
前記乾燥槽内に被洗浄物を入れた後に、乾燥槽内を密閉し、
前記圧力調整手段によって、前記乾燥槽内を真空にした後に前記ベーパー洗浄槽内と同圧まで加圧し、
前記遮断蓋を開放した後に前記被洗浄物を前記ベーパー洗浄槽内に移動し、
前記圧力調整手段によって前記乾燥槽及びベーパー洗浄槽の内部を減圧して前記洗浄剤の沸点を下げることで前記洗浄剤を気化して蒸気を発生させて前記被洗浄物をベーパー洗浄し、
前記圧力調整手段によって前記乾燥槽及びベーパー洗浄槽の内部を、前記減圧前の圧力まで加圧し、
被洗浄物を前記乾燥槽内に移動するとともに前記遮断蓋を閉じ、
前記圧力調整手段によって前記乾燥槽の内部を常圧に戻し、
更に前記圧力調整手段によって前記乾燥槽の内部を減圧することで前記洗浄剤の沸点を下げることで前記乾燥槽の内部の洗浄剤を蒸発させて前記被洗浄物を乾燥し、
一定時間前記乾燥を実施した後に、前記圧力調整手段によって前記乾燥槽の内部を常圧に戻し、その後前記被洗浄物を前記乾燥槽から取り出す、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、内部に洗浄剤を蓄えたベーパー洗浄槽を大気圧以上に加圧することで洗浄剤を大気圧下での沸点以上に加熱し、その加圧及び加熱されたベーパー洗浄槽内で被洗浄物をベーパー洗浄するため、低沸点の塩素系有機溶剤や代替フロンに代えて、今まで大気圧下では不可能であった純水や炭化水素系洗浄剤等の高沸点洗浄剤でのベーパー洗浄が可能となった。
【0016】
また、加圧洗浄の場合においても、浸漬洗浄では洗浄剤の汚染に伴う再付着があるために洗浄度にムラがあり、また乾燥シミの発生が危惧されるが、本発明ではベーパー洗浄としているために、繰り返しての超精密洗浄が可能である。
【0017】
更に、浸漬洗浄の場合には、被洗浄物が入ることにより洗浄剤の温度は低下し、再度温度を上げるために時間を要するが、ベーパー洗浄としている本発明ではこのような液温低下の問題は発生しない。
【0018】
更にまた、本発明ではベーパー洗浄槽内の減圧によりベーパー洗浄を可能としており、必要時に多量のベーパーを発生可能としているために、洗浄時間の短縮を図ることが可能である。
【0019】
また、本発明では、被洗浄物を加圧ベーパーにより洗浄するため、従って、洗浄剤は常時、常圧沸点以上としているため、常圧に戻したときに、あるいは減圧したときに、被洗浄物に付着した洗浄剤は、高蒸発潜熱を持っていても、速やかに蒸発させることが可能である。
【0020】
また、通常、常圧下の乾燥では、蒸発潜熱により被洗浄物から熱が奪われて冷却され、放置された場合大気中水分の凝集が起こり(結露)洗浄後の錆の発生につながるが、本発明において、常温沸点以上にベーパーにより加熱された被洗浄物は、常温以上を保っているので、このような結露や水分凝集は起こらず、次工程まで品質が保たれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明のベーパー洗浄乾燥装置では装置本体を有しており、この装置本体は、被洗浄物をベーパー洗浄するためのベーパー洗浄槽と、このベーパー洗浄槽に連通した乾燥槽と、ベーパー洗浄槽と乾燥槽間を遮断又は開放するための遮断蓋と、ベーパー洗浄槽内に配置したキャリアとを有しており、ベーパー洗浄槽の下方部分には洗浄剤を蓄えることを可能とし、この洗浄剤を蒸発させることで被洗浄物をベーパー洗浄可能としている。
【0022】
また、前記乾燥槽は蓋を有しており、この蓋を閉めることでその内部を密閉可能にしている。
【0023】
更に、前記キャリアは、被洗浄物を載置可能としており、前記ベーパー洗浄槽と前記乾燥槽間を移動可能としている。
【0024】
次に、前記装置本体には圧力調整手段が連結されており、この圧力調整手段は、前記装置本体の内部に気体を供給し、あるいは前記装置本体の内部の気体を排気することで、前記装置本体の内部を加減圧することを可能としている。
【0025】
また、前記装置本体には排液弁が連結されており、この排液弁は、ベーパー洗浄後に前記被洗浄物に付着した洗浄剤等を排液するために用いられる。
【0026】
更に、前記装置本体には加熱システムが備えられており、この加熱システムは、前記洗浄剤を加熱するために用いられる。
【0027】
ここで、前記乾燥槽に補助加熱システムを備えるとよく、これにより、乾燥槽内の被洗浄物の乾燥を促進することが可能であり、この補助加熱システムとしては、マイクロウエーブ発生装置、熱プラズマ発生装置等を用いるとよい。
【0028】
また、前記圧力調整手段は、加減圧弁と、排気弁と、前記加減圧弁及び前記排気弁に連結された加減圧ポンプと、加減圧調整弁を介して前記加減圧ポンプに連結された、内部に気体を蓄えた圧力調整槽と、を具備した加減圧調整手段と、
リーク弁を介して前記装置本体に連結された、前記装置本体の内部に気体を供給するためのガス供給槽と、で構成するとよく、これにより、容易に装置本体の内部を加減圧することが可能である。
【0029】
次に、このように構成されるベーパー洗浄乾燥装置を用いた本発明のベーパー洗浄乾燥方法では、まず、前記ベーパー洗浄槽内の底部に洗浄剤を蓄え、前記ベーパー洗浄槽内を0.5MPaに加圧するとともに、前記洗浄剤を沸点近傍まで加熱する。
【0030】
そしてこの状態において、前記乾燥槽内に被洗浄物を入れ、乾燥槽の蓋を閉めて乾燥槽内を密閉する。
【0031】
そして次に、前記圧力調整手段によって、前記乾燥槽内を真空にし、更にその後に、乾燥槽内を前記ベーパー洗浄槽内と同圧まで加圧する。
【0032】
そしてこの状態において、前記遮断蓋を開放して乾燥槽とベーパー洗浄槽とを連通させた後に、前記被洗浄物を前記ベーパー洗浄槽内に移動する。
【0033】
次に、前記圧力調整手段によって、前記乾燥槽及びベーパー洗浄槽の内部を減圧して前記洗浄剤の沸点を下げ、これにより、前記洗浄剤を気化して蒸気を発生させ、この蒸気によって前記被洗浄物をベーパー洗浄する。
【0034】
そして、被洗浄物のベーパー洗浄が終了した後に、前記圧力調整手段によって前記乾燥槽及びベーパー洗浄槽の内部を、前記減圧前の圧力まで加圧し、その後に被洗浄物を前記乾燥槽内に移動するとともに前記遮断蓋を閉じて乾燥槽とベーパー洗浄槽とを遮断する。
【0035】
次に、前記圧力調整手段によって前記乾燥槽の内部を常圧に戻し、更に前記圧力調整手段によって前記乾燥槽の内部を減圧し、これにより前記洗浄剤の沸点を下げることで前記乾燥槽の内部の洗浄剤を蒸発させ、前記被洗浄物を乾燥する。
【0036】
そしてその後、一定時間前記乾燥を実施した後に、前記圧力調整手段によって前記乾燥槽の内部を常圧(大気圧)に戻し、前記被洗浄物を前記乾燥槽から取り出す。
【実施例1】
【0037】
本発明のベーパー洗浄乾燥装置の実施例について図面を参照して説明すると、図1は本実施例のベーパー洗浄乾燥装置の構成を示したブロック図であり、図において1が本実施例のベーパー洗浄乾燥装置である。
【0038】
そして、本実施例のベーパー洗浄乾燥装置1は装置本体を有している。即ち、図において2が装置本体であり、本実施例において装置本体2は、被洗浄物をベーパー洗浄するためのベーパー洗浄槽6と、このベーパー洗浄槽6に連通した乾燥槽5と、ベーパー洗浄槽6と乾燥槽5とを遮断、または連通する遮断蓋13とを具備している。
【0039】
ここで、前記ベーパー洗浄槽6について説明すると、本実施例において前記ベーパー洗浄槽6は、上方を開放した有底の形態としており、使用に際してはその内部の下方部分に洗浄剤16を蓄え、この洗浄剤16を気化し蒸発させることで、被洗浄物をベーパー洗浄可能としている。
【0040】
そして、このベーパー洗浄槽6の上方には乾燥槽が連設されている。即ち、図において5が乾燥槽であり、本実施例においてこの乾燥槽5は、前記ベーパー洗浄槽6の上部の開口を閉鎖する形態で前記ベーパー洗浄槽6の上方に連設されており、上部及び下部を開口にして下部の開口を介して前記ベーパー洗浄槽6と連通しているとともに、上部の開口を開閉可能に閉鎖する蓋4を有している。
【0041】
次に、図において13は遮断蓋である。即ち、本実施例において前記装置本体2は遮断蓋13を有しており、この遮断蓋13は、前記ベーパー洗浄槽6と乾燥槽5との連通を遮断し、または遮断を解除可能としている。そして、前記ベーパー洗浄槽6と乾燥槽5の連通を遮断することで、ベーパー洗浄槽6と乾燥槽5のそれぞれを密閉状態にすることを可能にしており、これにより、前記乾燥槽5は、不活性ガス等により、常圧からの加圧、更には加減圧ポンプにより減圧できる構造となっている。
【0042】
なお、本実施例において前記遮断蓋13は、被洗浄物21を載置するためのキャリアと兼用しており、即ち、被洗浄物21を載置するための遮断蓋本体1301と、この遮断蓋本体1301を上下動するための脚部1302とを有しており、脚部1302は、下端が前記ベーパー洗浄槽6内の底部に固定されるとともに伸縮自在としている。
【0043】
そして、このような構成において、脚部1302を上昇させ、前記ベーパー洗浄槽6と乾燥槽5の連設部分全域において内部に突設したフレーム501の下面に前記遮断蓋本体1301を当接することで、遮断蓋本体1301によって前記ベーパー洗浄槽6と乾燥槽5との連通を遮断するとともに遮断蓋本体1301の上部に被洗浄物21を載置し、その上部に被洗浄物21を載置した状態で前記脚部1302を下降することで、前記ベーパー洗浄槽6と乾燥槽5とを連通するとともに被洗浄物21をベーパー洗浄槽6に移動することを可能にしている。図1が、遮断蓋本体1301によって前記ベーパー洗浄槽6と乾燥槽5との連通を遮断している状態を示し、図2は、前記脚部1302を下降して前記ベーパー洗浄槽6と乾燥槽5とを連通している状態を示している。
【0044】
但し、必ずしも、遮断蓋13を、被洗浄物21を載置するためのキャリアと兼用する必要はなく、前記ベーパー洗浄槽6と乾燥槽5との連通を遮断しまたは遮断を解除可能とした遮断蓋13と、被洗浄物21を上下動させる手段を備えていればよく、遮断蓋とキャリアを別個の構成としてもよい。
【0045】
また、前記脚部1302の伸縮方法は特に限定しないが、本実施例においては、図示しないスイッチ操作により自動で伸縮することとしている。
【0046】
次に、図において20はフリーポート部であり、本実施例においてこのフリーポート部20は、前記乾燥槽5とベーパー洗浄槽6の両方にあり、ベーパーが上部の乾燥槽5に上昇するのを防止する機能を有している。
【0047】
即ち、本実施例において前記フリーポート20は、内部に冷却水を満たしたパイプ状としており、前記ベーパー洗浄槽6と乾燥槽5の境界部分近傍に、前記ベーパー洗浄槽6及び乾燥槽5の内壁に螺旋状に装着しており、ベーパー洗浄槽6から乾燥槽5に上昇してきたベーパーを冷却して液体に凝縮させることでベーパー洗浄槽6内に落下させて、それによって、ベーパーが乾燥槽5に上昇するのを防止している。
【0048】
次に、本実施例のベーパー洗浄乾燥装置1では、前記乾燥槽5の内部、及びベーパー洗浄槽6の内部を加減圧するための圧力調整手段3を備えており、この圧力調整手段3によって前記乾燥槽5の内部の圧力を調整可能としている。そして、本実施例においてこの圧力調整手段3は、加減圧調整手段と、ガス供給槽とで構成されている。
【0049】
まず、加減圧調整手段について説明すると、本実施例において加減圧調整手段は、前記乾燥槽5に連結された加減圧弁7を有しており、この加減圧弁7には、加減圧ポンプ8が連結され、また、加減圧ポンプ8には、排気弁9と、加減圧調整弁15を介した圧力調整槽12が連結されている。
【0050】
そして、圧力調整槽12は、加減圧弁7、加減圧ポンプ8、加減圧調整弁15とともに一体で働き、乾燥槽5を加減圧する際に乾燥槽5の内部に大気を一切混入させないために設けられる。
【0051】
また、圧力調整槽12には、乾燥槽5を十分加圧することができるだけの不活性ガスが蓄えられている。即ち、乾燥槽5を大気開放したとき、大気を本実施例のベーパー洗浄乾燥装置1のシステム系から排出して乾燥槽5の内部を真空にし、不活性ガスによるパージを行い、乾燥槽5を更に加圧する場合にはこの圧力調整槽12から不活性ガスを供給する。
【0052】
そして、乾燥槽5を減圧する場合は、加減圧弁7、加減圧ポンプ8、加減圧調整弁15を開けて、乾燥槽5から洗浄剤と不活性ガスの混合気体を圧力調整槽12へ保存する。
【0053】
このように、圧力調整槽12は、乾燥槽5やベーパー洗浄槽6も含め、本実施例のベーパー洗浄乾燥装置1のシステム系すべてから大気に含まれる酸素を完全に遮断し、可燃性の洗浄剤ガスに引火することを防止する構造となっている。
【0054】
次に、圧力調整手段としてのガス供給槽について説明すると、図において10がガス供給槽であり、本実施例においては不活性ガス供給槽としており、この不活性ガス供給槽10は、前記乾燥槽5に連結したリーク弁11に連結されるとともに、圧力調整弁14を介して、前記加減圧ポンプ8に連結されている。
【0055】
そして、前記不活性ガス供給槽10は、乾燥槽5を大気圧に戻し被洗浄物21を取り出す場合に、リーク弁11から前記乾燥槽5の内部に不活性ガスを供給することができる。前記乾燥槽5は乾燥洗浄後に真空となってはいるが、可燃性洗浄剤を使用した場合、大気によるリークは引火の可能性が排除できないため、不活性ガスで常圧に戻すこととしている。
【0056】
また、前記不活性ガス供給槽10は、被洗浄物を再度投入した場合にも、乾燥槽5を不活性ガスパージするため真空排気した後、不活性ガスを供給することができる。
【0057】
なお、不活性ガス供給槽10は内部に不活性ガスを蓄えているものであればいずれを用いてもよいが、例えばN2ガスのボンベ等でよい。
【0058】
次に、図において19は加熱システムである。即ち、本実施例のベーパー洗浄乾燥装置1においては、前記ベーパー槽6の下方に、前記洗浄剤16を加熱するための加熱システムを配置しており、この加熱システム19により前記洗浄剤を沸点近傍まで加熱しているとともに、前記ベーパー洗浄槽6は常時加圧されており、これにより、ベーパー洗浄槽6内に被洗浄物を入れて0.01〜0.5MPaを減圧することによって、前記洗浄剤の沸点を下げて一気に大量の蒸気を出すことを可能としている。なお、加熱システム19の構成は特に限定されないが、例えば電熱式のヒーター等を用いるとよい。
【0059】
次に、図において17は排液弁である。即ち、本実施例のベーパー洗浄乾燥装置1では、前記乾燥槽5に排液弁17を連結している。そして、この排液弁17は、ベーパー洗浄後に乾燥槽5に持ち込まれた液体洗浄剤を効率的に排出するための機構としており、洗浄剤の蒸発潜熱が大きい場合に、余計な蒸発潜熱を系から排除することにより、より効果的な乾燥を行うために付属されている。
【0060】
次に、図において18は補助加熱システムである。即ち、本実施例のベーパー洗浄乾燥装置1では、乾燥槽5に補助加熱システム18を備えており、この補助加熱システム18により、被洗浄物の乾燥を促進することとしている。
【0061】
なお、この補助加熱システム18としては、マイクロウエーブ装置、熱プラズマ装置、あるいは誘導加熱装置等を用いて、これらによって乾燥槽5の内部を加熱するとよく、特にマイクロウエーブは選択的に水を加熱できるため、水系洗浄剤の補助加熱システムとして優れている。
【0062】
次に、図において22は安全弁装置である。即ち、本実施例においては、前記ベーパー洗浄槽6及び乾燥槽5のそれぞれに安全弁装置22を備えており、これにより、前記乾燥槽5、ベーパー洗浄槽6内部が過剰圧力になった際にその過剰圧力を逃がすこととし、安全に配慮された構造となっている。
【0063】
そして、本実施例において前記安全弁装置22は、前記乾燥槽5及びベーパー洗浄槽6のそれぞれに形成した孔をスプリングの付勢力で押圧して閉鎖した弁を有する構成としており、スプリングの付勢力を調整し、0.5MPa以上の圧力が弁に加わった際に、孔を閉鎖している弁がスプリング側に移動することとしている。
【0064】
次に、このように構成される本実施例のベーパー洗浄乾燥装置1を用いた本発明のベーパー洗浄方法の実施例について説明すると、本実施例のベーパー洗浄乾燥方法では、まず、被洗浄物21を乾燥槽5に入れて密閉し、不活性ガスで乾燥槽5の内部を加圧して乾燥槽5がベーパー洗浄槽6と同圧になった後にベーパー洗浄槽6との遮断を開放し、加圧及び加熱された洗浄剤16の入ったベーパー洗浄槽6に被洗浄物21を入れ、1.1MP以下の圧力下でベーパー洗浄を行う。そしてこのとき、圧力を0.01〜0.5MPa迄減圧して洗浄剤の沸点を下げ、蒸気の発生量を増やす。この大量のベーパー洗浄により、前段の浸漬洗浄液による被洗浄物への汚染の再付着をリンスし、同時に被洗浄物21の温度を常温での洗浄剤沸点以上に加熱するため、洗浄後のリンス効果が非常に大きく、超精密洗浄を実施することができ、また、上部の乾燥槽へ移動させた後に圧力を下げ、更に減圧することにより被洗浄物に付着した洗浄剤は急速に乾燥していくため、シミのない乾燥が可能となる。以下において、洗浄剤として純水を使用した場合の具体的な実施例を説明する。
【0065】
<ベーパー洗浄乾燥の前提>
本実施例のベーパー洗浄乾燥を行う場合には、まず、ベーパー洗浄槽6の内部の下方部分に洗浄剤16を入れ、その後に、前記圧力調整手段3を用いて、ベーパー洗浄槽6の内部を0.5MPaに加圧するとともに、加熱システム19を用いて、前記洗浄剤16を、ベーパー洗浄槽6の内部の圧力における沸点近傍まで加熱しておく。具体的には、このときの沸点は約160度であるが、水温は約150度に保ように調整しておく。
【0066】
<予備排気とガス置換>
図1において、乾燥槽5の蓋4を開けた後に乾燥槽5の中に被洗浄物を入れ、その後、蓋4を閉めて乾燥槽5の内部を密閉状態にする。そして、加減圧弁7を開けて加減圧ポンプ8により排気を行うとともに、排気弁9を開けて乾燥槽5を真空にする。これは大気中の酸素を機構内から完全に排出するためである。
そして次に、排気が完了したら、加減圧弁7、排気弁9を閉じ、加減圧ポンプ8を停止し、リーク弁11を通して、不活性ガス供給部10から不活性ガスを、乾燥槽5の内部が大気圧程度になるまで乾燥槽5に供給する。このようにして、機構内の残留酸素は系から完全に排除される。
【0067】
<加圧>
次に、前記乾燥槽5の内部をベーパー洗浄槽6と同圧まで加圧する、即ち、このときベーパー洗浄槽6は0.5MPaに加圧されているので、遮断蓋13を開ける前に、乾燥槽5がベーパー洗浄槽6と同圧になるまで加圧する。加減圧弁7を開けて加減圧ポンプ8により、乾燥槽5の内部を0.5MPaまで加圧する。供給される気体は圧力調整槽12に保存された不活性ガスである。
【0068】
<洗浄>
次に、乾燥槽5とベーパー洗浄槽6の圧力が同じになったら、図2に示すように、遮断蓋13を開けて被洗浄物を乾燥槽5からベーパー洗浄槽6へ移動する。即ち、脚部1302を縮めて遮断蓋本体1301をベーパー洗浄槽6の中まで下降させる。なお、このときの沸点は約160度であるが、水温は約150度に保ように調整されているので、蒸気はそれほど多くは出ていない。
次に、リーク弁11を通して不活性ガスによりベーパー洗浄槽6及び乾燥槽5の内部を0.4MPaまで減圧する。そうすると、洗浄材の沸点は約140度となり、沸点の下がった純水からは多量の蒸気が生じて、この蒸気により被洗浄物を洗浄、リンスすると共に、加温する。
【0069】
<再加圧>
一定時間ベーパー洗浄を実施した後に、再度加減圧弁7を開け、加減圧ポンプ8を稼働し、加減圧調整弁15を開け、不活性ガスを供給してベーパー洗浄槽6及び乾燥槽5の内部を0.5MPaまで加圧する。そうすると、これにより沸点が再度上昇し、ベーパーは少なくなる。
【0070】
<引上>
遮断蓋13をゆっくりと上昇し、被洗浄物21を、フリーポート部20を通過させて乾燥槽5に戻し、戻したら遮断蓋13を完全に閉じ、図1に示す状態に戻す。
【0071】
<常圧(大気圧)に戻す>
乾燥槽5の内部の加圧された不活性ガスを、加減圧弁7、加減圧ポンプ8、加減圧調整弁15を介して圧力調整槽12へ戻し、乾燥槽5の内部を常圧(大気圧)に戻す。これは、加圧された不活性ガスに可燃性の洗浄剤を使用したとき、大気に開放して酸素を供給することなく、圧力調整槽12に不活性ガスと共に貯蔵し、引火を防ぎ、洗浄剤を大気開放して酸素を供給しないための方法である。
【0072】
<液化排液の排出>
乾燥槽5の内部を常圧に戻したら、速やかに排液弁17から被洗浄物に付着した洗浄剤やフリーポート部を通り抜け液化した洗浄剤を排出する。この時、加減圧弁7、加減圧ポンプ8、圧力調整弁14を開けて、不活性ガスを乾燥槽5の内部に供給して排出を高める。そして、排出が終わったら、不活性ガスの供給を止め、排液弁17を閉じる。
【0073】
<乾燥>
常圧に戻した時点で、加圧時よりも洗浄剤の沸点は下がっており、乾燥は始まっているが、これを促進するために乾燥槽5を減圧する。即ち、加減圧弁7を開け、加減圧ポンプ8で今度は乾燥槽5の減圧を始める。このとき排出する乾燥槽5の気体は圧力調整槽12に戻される。
従って、本実施例では、このようにして可燃性洗浄剤を使用した場合でも、不活性ガスとの混合により、システム系に全く酸素が供給されることなく、引火を防止することができる。
そして、一定圧力まで下がると、純水の場合は約500Paで沸点は0度まで下がり、被洗浄物はベーパーで加熱されているため乾燥は促進され、短時間で複雑な形状の物や、狭い隙間に入った洗浄剤も蒸発させることができる。また、必要に応じて、補助加熱システム18により真空内で熱を与えることができる。
【0074】
<復圧>
一定時間乾燥を実施したら、補助加熱システム18を停止し、減圧を停止するために、加減圧弁7、加減圧ポンプ8、加減圧調整弁15を閉じた後に、再び、不活性ガス供給部10からリーク弁11を通して乾燥槽5の内部に不活性ガスを供給し、これにより乾燥槽5の内部を常圧に戻す。
【0075】
<被洗浄物の取り出し>
次に、常圧に戻された乾燥槽5から被洗浄物を取り出す。被洗浄物はまだ温度が高く、大気状態に戻しても水分の付着はなく錆の発生を防ぐことができる。
【0076】
このように実施される本実施例のベーパー洗浄乾燥方法では、洗浄剤を入れたベーパー洗浄液槽を気密とし、不活性ガスで大気圧以上に加圧しながら洗浄剤を大気圧下での沸点以上に加熱し、その加圧加熱されたベーパー洗浄槽に洗浄物を降ろしてベーパー洗浄するため、低沸点の塩素系有機溶剤や代替フロンに代えて、今まで大気圧では不可能であった純水や炭化水素系洗浄剤等の高沸点洗浄剤でのベーパー洗浄が可能となる。
【0077】
また、加圧した場合でも浸漬洗浄では、洗浄剤の汚染に伴う再付着があるため洗浄度にムラがあり、また乾燥シミの発生が危惧されるが、本発明はベーパー洗浄のため、繰り返しての超精密洗浄が可能となる。
更に、浸漬洗浄の場合は、被洗浄物が入ることにより、洗浄剤温度は低下し、再度温度を上げるために時間を要するが、ベーパー洗浄ではこの液温低下の問題はない。
【0078】
更にまた、ベーパー洗浄での蒸気発生は重要であるが、ベーパー洗浄槽の減圧機構により必要時に多量のベーパーを発生できるために、洗浄時間の短縮を計ることが出来る。
【0079】
また、被洗浄物を加圧ベーパーにより洗浄するため洗浄剤は常時常圧沸点以上であり、常圧に戻した時、又減圧した時に、被洗浄物に付着した洗浄剤は高蒸発潜熱を持っていても、速やかに蒸発させることができる。
【0080】
更に、通常常圧下の乾燥では、蒸発潜熱により被洗浄物から熱が奪われて冷却され、放置された場合大気中水分の凝集が起こり(結露)洗浄後の錆の発生につながるが、常温沸点以上にベーパーにより加熱された被洗浄物は常温以上を保っているので、このような結露や水分凝集は起こらず、次工程まで品質が保たれる。
【0081】
また、可燃性の洗浄剤を使用した場合に、加圧による空気(酸素)の混合は引火性があり(爆発限界値)非常に危険である。しかし、本発明では、圧力調整槽に密封保管された不活性ガスと洗浄剤は混合されるため、すべての系において酸素と触れる機会はなく、加減圧下で安全に使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、今まで大気圧では不可能であった純水や炭化水素系洗浄剤等の高沸点洗浄剤でのベーパー洗浄の全般に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明のベーパー洗浄乾燥装置の実施例の構成を示す図であり、ベーパー洗浄槽と乾燥槽とを遮断している状態を示している。
【図2】本発明のベーパー洗浄乾燥装置の実施例の構成を示す図であり、ベーパー洗浄槽と乾燥槽とを連通している状態を示している。
【符号の説明】
【0084】
1 加減圧ベーパー洗浄乾燥装置
2 装置本体
3 圧力調整手段
4 乾燥槽の蓋
5 乾燥槽
501 フレーム
6 ベーパー洗浄槽
7 加減圧弁
8 加減圧ポンプ
9 排気弁
10 不活性ガス供給槽
11 リーク弁
12 圧力調整槽
13 遮断蓋(キャリア)
1301 遮断蓋本体
1302 脚部
14 圧力調整弁
15 加減圧調整弁
16 洗浄剤
17 排液弁
18 補助加熱システム
19 加熱システム
20 フリーポート部
21 被洗浄物
22 安全弁装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に洗浄剤(16)を蓄えることが可能なベーパー洗浄槽(6)と、該ベーパー洗浄槽(6)に連通した乾燥槽(5)と、前記ベーパー洗浄槽(6)と前記乾燥槽(5)間を遮断又は開放可能とした遮断蓋(13)と、被洗浄物を載置可能であるとともに前記ベーパー洗浄槽(6)と前記乾燥槽(5)間を移動可能としたキャリアと、を具備した装置本体(2)と、
前記装置本体(2)に連結された、前記装置本体(2)の内部に気体を供給しあるいは前記装置本体(2)の内部の気体を排気することで前記装置本体(2)の内部を加減圧する圧力調整手段(3)と、
前記被洗浄物に付着した洗浄剤等を排液するための排液弁(17)と、
前記洗浄剤(16)を加熱するための加熱システム(19)と、を具備したことを特徴とするベーパー洗浄乾燥装置。
【請求項2】
前記乾燥槽(5)に補助加熱システム(18)を備えたことを特徴とする請求項1に記載のベーパー洗浄乾燥装置。
【請求項3】
前記圧力調整手段(3)は、加減圧弁(7)と、排気弁(9)と、前記加減圧弁(7)及び前記排気弁(9)に連結された加減圧ポンプ(8)と、加減圧調整弁(15)を介して前記加減圧ポンプ(8)に連結された、内部に気体を蓄えた圧力調整槽(12)と、を具備した加減圧調整手段と、
リーク弁(11)を介して前記装置本体(2)に連結された、前記装置本体(2)の内部に気体を供給するためのガス供給槽(10)と、を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベーパー洗浄乾燥装置。
【請求項4】
前記請求項1乃至請求項3のいずれかを用いたベーパー洗浄乾燥方法であって、
前記ベーパー洗浄槽(6)内の底部に洗浄剤(16)を蓄え、前記ベーパー洗浄槽(6)内を0.5MPaに加圧するとともに前記洗浄剤(16)を沸点近傍まで加熱した状態において、
前記乾燥槽(5)内に被洗浄物(21)を入れた後に、乾燥槽(5)内を密閉し、
前記圧力調整手段(3)によって、前記乾燥槽(5)内を、真空にした後に前記ベーパー洗浄槽(6)内と同圧まで加圧し、
前記遮断蓋(13)を開放した後に前記被洗浄物(21)を前記ベーパー洗浄槽(6)内に移動し、
前記圧力調整手段(3)によって前記乾燥槽(5)及びベーパー洗浄槽(6)の内部を減圧して前記洗浄剤(16)の沸点を下げることで前記洗浄剤(16)を気化して蒸気を発生させて前記被洗浄物(21)をベーパー洗浄し、
前記圧力調整手段(3)によって前記乾燥槽(5)及びベーパー洗浄槽(6)の内部を、前記減圧前の圧力まで加圧し、
被洗浄物(21)を前記乾燥槽(5)内に移動するとともに前記遮断蓋(13)を閉じ、
前記圧力調整手段(3)によって前記乾燥槽(5)の内部を常圧に戻し、
更に前記圧力調整手段(3)によって前記乾燥槽(5)の内部を減圧することで前記洗浄剤(16)の沸点を下げることで前記乾燥槽(5)の内部の洗浄剤(16)を蒸発させて前記被洗浄物(21)を乾燥し、
一定時間前記乾燥を実施した後に、前記圧力調整手段(3)によって前記乾燥槽(5)の内部を常圧に戻し、その後前記被洗浄物(21)を前記乾燥槽(5)から取り出す、ことを特徴とするベーパー洗浄乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−131783(P2009−131783A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310216(P2007−310216)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(392014933)株式会社ラスコ (16)
【Fターム(参考)】