説明

二重仕事関数金属ゲートスタックを備えるCMOS半導体装置

【課題】二重仕事関数金属ゲートスタックを備えるCMOS半導体装置を提供する。
【解決手段】CMOS半導体装置は、PMOS及びNMOS装置の仕事関数を独立的に調節できる工程技術を利用して形成された二重仕事関数金属ゲート構造物を備えて、ゲート絶縁膜の信頼性に悪い影響を与えることをかなり低減または除去できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重仕事関数金属ゲート構造物を備えるCMOS半導体装置に係り、より詳細には、PMOS及びNMOSトランジスタの個別的なゲート仕事関数を制御する二重金属ゲートスタック構造物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、CMOS(Complementary Metal Oxide Silicon)半導体集積回路は、互いに相補的に動作するように一対のPMOS及びNMOSトランジスタで形成される。CMOS半導体装置は、PMOSトランジスタのみ使用した半導体装置と比較する時、高い動作効率及び速度を持つ。また、CMOS技術は、大きさ縮少特性が良くて、半導体集積回路装置の集積度を向上させることができる。このような種々の特性によって、CMOS技術が、高集積度及び高性能製品の半導体装置を製造するところに広く使われている。CMOS技術をナノメートルレベル及びそれ以上に縮少させる時、供給電源及びMOSトランジスタのしきい電圧も高性能及び高信頼性を維持できる程度に縮少する必要がある。CMOSトランジスタをさらに縮少させることは、調節しやすくて再現性のある仕事関数/しきい電圧を持つゲートスタック構造物の発展に関する技術的変化が要求される。
【0003】
従来のCMOS製造技術は、ポリシリコン(poly−si)ゲート電極の工程技術を使用してきた。図1Aには、特許文献1に記載された従来のMOS装置のCMOSゲート構造物を示す。図1Aには、半導体基板11上にゲート構造物10が形成されたことを示す。ゲート構造物10は、ポリシリコン(poly−si)ゲート電極10a、及びゲート電極10aと半導体基板11との間に介在するゲート誘電膜10bを備える。従来のゲートスタックデザインでは、ゲート誘電膜10bは、例えば、シリコン酸化膜を熱的に成長させることによって形成した。従来のゲート構造物10は、ナノスケールCMOS技術で性能向上を満足させるのに不十分である。例えば、ナノスケールデザインルールでは、ポリシリコンゲート電極10aのコンタクト面積がかなり縮まるため、装置の性能に適当に要求されるゲートキャパシタンスを維持するために、シリコン酸化膜のようなゲート誘電膜10bの厚さの減少も要求される。
【0004】
ポリシリコンゲートスタック構造(図1Aに図示)を非常に薄いゲート誘電膜で形成する時、ポリシリコンゲートの空乏領域(すなわち、PDE(poly−gate depletion)効果)とゲートの高抵抗(小さくなったポリゲート)のために、装置の性能はかなり低下し、他の周知の問題によってゲート誘電膜トンネリング漏れ電流は増加しうる。特に、薄い空乏層がポリシリコンゲート電極10aと薄いゲート誘電膜10bとの間に形成されれば、ゲート等価酸化膜の厚さが増加し、その結果、全体的なゲートキャパシタンスが減少する。
【0005】
このような問題を解決するために、非常に薄いゲート誘電膜で形成されたポリシリコンゲートスタックと関連して、ゲート誘電膜として高誘電ゲート誘電物質が考慮されている。このような高誘電物質は、同等な効果の酸化膜厚さの下で厚いゲート誘電膜を可能にする。このようなアプローチは、ゲート誘電膜トンネリング漏れ電流を除去するのに効果的であるが、高誘電物質で形成されるポリシリコンゲート電極との接触時に問題が発生する。例えば、拡散防止膜がない場合、高誘電膜内の酸素がポリシリコンゲート電極に容易に広がって、界面にシリコン酸化膜が形成される。その結果、ゲートのキャパシタンスが減少しうる。また、高誘電膜で形成されたゲートスタック構造物は、ポリシリコンゲート電極との接触時にPDE効果を克服できなくなる。
【0006】
ナノスケールCMOS装置の進歩されたゲートスタックの解決は、高誘電膜及び金属ゲート電極を採用してゲート空乏領域問題、ゲート誘電トンネリング漏れ電流及びキャパシタンス側面の等価厚さの縮少制限などを解決する。図1Bには、CMOSゲート構造物20が半導体基板21上に形成されたことを示す。ゲート構造物20は、ポリシリコンゲート電極20a、ゲート誘電膜20b及びポリシリコン電極20aとゲート誘電膜20bとの間に介在する金属ゲート膜20cを備える。従来のデザインでは、PMOSとNMOSゲートスタックすべての金属ゲート膜として、同じ金属物質が使われる。金属ゲート膜20cがゲート空乏層効果及びポリシリコンゲートからゲート誘電膜内にドーパントが広がることを効果的に防止する。このようなアプローチの欠点は、PMOS及びNMOSトランジスタのしきい電圧が介在する金属ゲート膜20cの仕事関数により決定されることである。
【0007】
理想的に言えば、それぞれのバルクシリコンNMOS及びPMOSトランジスタに対して仕事関数を持つ金属ゲートは、シリコンの伝導帯エッジ及び原子が電子帯エッジに対応することに適している。しかし、単一仕事関数金属ゲート技術は、NMOS及びPMOSトランジスタに対する適切な仕事関数間に均衡を合せなければならない。例えば、NMOS及びPMOSトランジスタの金属ゲート膜は、半導体膜の伝導帯及び原子が、電子帯エネルギーレベル間に一つのフェルミレベルを持つ金属で形成されうる。このようなアプローチの欠点は、チャンネルカウンタドーピング技術を使用することによって、トランジスタのしきい電圧が効果的に減少しないレベルに増加することである。
【0008】
したがって、二重仕事関数金属ゲートCMOS技術は、Siの伝導帯及び原子が電子帯エッジに対応するフェルミレベルまたは仕事関数を持つ互いに異なる金属でNMOS及びPMOSゲートスタックの金属ゲート膜を形成することである。例えば、NMOSゲートスタック内の金属膜は、n+でドーピングされたシリコン膜の伝導帯のエネルギーレベルに類似したフェルミレベルを備える金属で形成できる。そして、PMOSゲートスタックの金属膜は、P+でドーピングされたシリコン膜の原子が電子帯のエネルギーレベルに類似したフェルミレベルを備える金属で形成できる。
【0009】
二重仕事関数金属ゲート技術の発展は、CMOS工程技術の集積化に対しても適切であり、NMOS及びPMOSゲート仕事関数を分離して調節できる金属の選択に関する技術的な変化をもたらす。特別な場合として、二重金属ゲート製造工程中にゲート仕事関数の厳格な調節及び再現性を可能にするために、ゲートスタックとして使われる与えられたゲート金属/誘電物質の物質特性が考慮される。また、電気的性能またはゲートスタック構造の予想寿命及びその他の信頼性が減少することを考慮して、ゲート誘電膜の欠陥を防止するための薄膜工程技術の種類が考慮されなければならない。
【0010】
例えば、従来の二重金属ゲートスタック製造工程は、半導体基板上にゲート誘電膜を形成し、ゲート誘電膜上に第1金属膜を形成し、第1金属膜は、例えば、NMOSゲートに対する仕事関数として設定することを含む。以後、第1金属膜をパターニングしてPMOS領域内に第1金属膜の一部を除去できる。次いで、PMOS領域内にゲート誘電膜が露出された上に第2金属膜を形成する。第2金属膜は、例えば、PMOSゲートに対する仕事関数として設定する。第1金属膜上に形成された第2誘電膜をエッチングして、NMOS領域内の第2金属膜の一部を除去できる。このような工程で、第1金属膜がエッチングされる時に、PMOS活性領域内のゲート誘電膜はエッチング停止膜として使うことができる。同時に、PMOSスタック内のゲート誘電膜はこのような工程により損傷される恐れがある。
【0011】
従来の他の技術では、第1金属膜をパターニングした後(金属エッチング工程)、ゲート誘電膜を除去し、新たなゲート誘電膜を形成する(例えば、損傷可能性のあるゲート誘電膜を除去する)。このようなアプローチは、ゲート誘電膜の質を向上させるのに効果的であるが、新たなゲート誘電膜を製造する間に結果的に第1金属膜を損傷させる。例えば、ゲート誘電膜である酸化膜を熱的に成長させる酸化工程時に第1金属膜が酸化されうる。また、薄膜蒸着技術(例えば、PVD)を利用して新たな誘電膜を形成するが、活性シリコン及びゲート誘電膜の露出された領域はプラズマ工程中に損傷されうる。
【特許文献1】特開2005−223289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする技術的課題は、PMOS及びNMOS装置の仕事関数を独立的に調節できる半導体装置を提供することである。
【0013】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、PMOS及びNMOS装置の仕事関数を独立的に調節できる半導体装置の製造方法を提供することである。
【0014】
本発明の技術的課題は、上記技術的課題に制限されず、言及されていない他の目的は下の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記技術的課題を達成するための本発明の一実施形態による半導体装置は、半導体基板上にPMOS及びNMOS装置を備える二重ゲートCMOS装置が形成された半導体基板を備え、前記PMOS装置は、前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜、前記ゲート絶縁膜上に形成された第1導電膜、前記第1導電膜上に形成された第2導電膜及び前記第2導電膜上に形成された第3導電膜を備える第1ゲートスタックを備え、前記NMOS装置は、前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜、前記ゲート絶縁膜上に形成された第1導電膜、前記第1導電膜上に形成された第2導電膜を備える第2ゲートスタックを備え、前記第1及び第2ゲートスタックの第2導電膜は、互いに異なる導電物質で形成されている。
【0016】
また、前記技術的課題を達成するための本発明の他の実施形態による半導体装置は、 第1MIPS(Metal Inserted Poly−Silicon)ゲートスタックを備えるPMOS装置、第2MIPSゲートスタックを備えるNMOS装置を備える二重ゲートCMOS装置が半導体基板の前面に形成された半導体基板を備え、前記第1及び第2MIPSゲートスタックは、それぞれ前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜、ポリシリコン電極及び前記ゲート絶縁膜とポリシリコン電極との間に介在された金属挿入膜を備え、前記第1MIPSゲートスタックの前記金属挿入膜は、少なくとも第1、第2及び第3の金属膜の積層膜を備え、前記第2MIPSゲートスタックの前記金属挿入膜は、少なくとも第1金属膜を備える。
【0017】
また、本発明の他の技術的課題を達成するための本発明の一実施形態による半導体装置の製造方法は、半導体基板上にCMOS装置の活性領域を定義し、前記活性領域は、NMOS装置領域及びPMOS装置領域を備え、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成し、前記ゲート絶縁膜上に第1導電膜を形成し、前記第1導電膜上に第2導電膜を形成し、前記第2導電膜上に第3導電膜を形成し、エッチング工程を行って、前記第1NMOS装置領域内で前記第3及び第2導電膜を前記第1導電膜までエッチングし、前記PMOS領域内に第1ゲート構造物を形成し、前記NMOS領域内に第2ゲート構造物を形成し、前記第1ゲート構造物は、前記ゲート絶縁膜、第1及び第2導電膜から形成し、前記第2ゲート構造物は、前記ゲート絶縁膜及び前記第1導電膜から形成することを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施形態による半導体装置は、PMOS及びNMOS装置の仕事関数を独立的に調節できる工程技術を利用して形成された二重仕事関数金属ゲート構造物を具備し、ゲート絶縁膜の信頼性に影響を与えることを相当低減または除去できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
その他の実施例の具体的な事項は詳細な説明及び図面に含まれている。
【0020】
本発明の利点及び特徴、そしてこれを達成する方法は添付された図面に基づいて詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、この実施例から外れて多様な形に実現でき、本明細書で説明する実施例は本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で当業者に発明の範ちゅうを完全に報せるために提供されるものである。本発明は請求項及び発明の詳細な説明によってのみ定義される。なお、明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を示す。
【0021】
空間的に相対的な用語である“下(below)”、“下に(beneath)”、“下部(lower)”、“上(above)”、“上部(upper)”などは、図面に示されたように1つの素子または構成要素及び他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使われている。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて使用時または動作時に素子の互いに異なる方向を含む用語と理解しなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子または図面に対して“下(below)”または“下に(beneath)”と説明された 素子が他の素子または図面の“上(above)”にあるようになる。したがって、例示的な用語である“下(below)”は、上(above)及び下(below)の方向をいずれも含みうる。前記素子は、その他の方向に向うことができ、空間的に相対的な技術語がそれによって解釈されて使われうる。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態による二重仕事関数金属ゲートスタック構造を備えるCMOSトランジスタ対の断面図である。特に、図2を参照すれば、半導体装置100は、NMOSトランジスタ領域101a及びPMOSトランジスタ領域101bを備える半導体基板101を備える。NMOSトランジスタ領域101aは、p不純物でドーピングされたウェル内にn不純物でドーピングされたドレイン及びソース領域170を備えるNMOSトランジスタを備える。そして、ゲートスタック構造物140は、ゲート誘電膜103a及びゲート電極141を備える。ゲート電極141は、ゲート誘電膜103a上に形成された第1導電膜111a及び第1導電膜111a上に形成された第2導電膜120aを備える。選択的な界面膜102aは、ゲート誘電膜103aと基板との間に介在される。
【0023】
PMOSトランジスタ領域101bは、n不純物でドーピングされたウェル内にp不純物でドーピングされたドレイン及びソース領域171を備えるPMOSトランジスタを備える。そして、ゲートスタック構造物150は、ゲート誘電膜103b及びゲート電極151を備える。ゲート電極151は、ゲート誘電膜103b上に第1導電膜111b、第2導電膜113b、第3導電膜115b及び第4導電膜120bを備える。それぞれのNMOS及びPMOSトランジスタのゲート構造物140、150は、側壁表面上に形成されたそれぞれの絶縁スペーサ160a、160b及び各ゲートスタック140、150の最上表面の上部に形成された絶縁キャップ130a、130bを備える。
【0024】
図2のCMOSトランジスタの一実施形態で、NMOSゲート構造物140は、ゲート誘電膜103aとポリシリコン膜120aとの間に介在された第1導電膜111a(単一金属膜)を備える金属が挿入されたゲート膜を備える。選択的な界面膜102bは、ゲート誘電膜103bと基板との間に介在される。PMOSゲート構造物150は、ゲート誘電膜103bとポリシリコン膜120bとの間に介在された3重導電膜111b/113b/115bの金属が挿入されたゲート膜を備える。
【0025】
第1導電膜111aは、第1金属性物質で形成され、NMOSトランジスタのしきい電圧を調節し、p不純物でドーピングされたシリコンの仕事関数に類似した仕事関数を備えるNMOSゲートに適切な厚さに形成される。金属が挿入されたPMOSゲートスタック150は、PMOS装置のしきい電圧を調節し、n不純物でドーピングされたシリコンの仕事関数に類似または同じ効果の仕事関数に適当な物質及び厚さに三重金属膜111b/113b/115bが形成される。
【0026】
ゲートスタック140、150の形成時に二重ゲート仕事関数をよく調節できる多様な誘電物質/金属物質システムが考慮される。例えば、CMOSトランジスタのしきい電圧特性について、挿入された金属としてTaN効果が考慮されてきた。一般的に、TaNゲート膜の厚さ関数が増加するにつれてNMOSトランジスタのしきい電圧がかなり増加する。一方、TaNゲート膜の厚さが増大するにつれて、PMOSトランジスタのしきい電圧は多少減少するか、または同等である。例えば、挿入された金属膜としてTaNが使用されたことと、ゲート誘電膜としてHfOを使用したNMOS及びPMOSトランジスタのしきい電圧の効果は、図4A及び図4Bにそれぞれ図示されている。図示されたように、NMOSに薄いTaN膜(10Å)を、PMOSには厚いTaN膜(40Å)を使用して、各NMOS及びPMOSトランジスタが一般的に得られるしきい電圧の範囲は、約0.55ないし0.6Vである。
【0027】
AlNのような物質からなる金属ゲート膜がPMOSトランジスタのしきい電圧をさらに低めることができると確実視されている。例えば、図4Bに図示されたように、挿入された金属膜としてTaN(40Åの厚さ)を用い、ゲート誘電膜としてHfOを用いたPMOSトランジスタは、20Å厚さの二層のTaN膜(または、TaNと類似した特徴を持つ物質)間に薄い(例えば、10Å)AlN膜(類似した特徴を持つ物質)が介在された場合、しきい電圧の減少効果が高かった。
【0028】
一実施形態において、NMOSゲート電極に対して約4.0ないし4.4eVの仕事関数を提供する第1導電膜111が形成される。第1導電膜111は、W、MO、Ti、Ta、Al、Hf、またはZrのような金属物質、または金属窒化物、またはアルミニウムまたはシリコンでドーピングされた金属窒化物で形成されうる。特に、第1導電膜111aは、NMOS装置のしきい電圧に該当する仕事関数に適したTiNまたはTaNのような金属窒化物で形成されうる。
【0029】
また、本発明の一実施形態において、積層の導電膜111b/113b/115bは導電物質で形成され、PMOSゲート電極に適した仕事関数である約4.7ないし5.1eVの範囲になるように所定の厚さに形成される。特に、第1導電膜11bの物質及び厚さはNMOSゲート電極の仕事関数に決定され(ゲートスタック140の第1導電膜111aは、n型シリコンに適した仕事関数を含む)、第2導電膜113bは、PMOSゲート電極の仕事関数を効果的に増加させるのに適した仕事関数を含む金属を使用して、PMOSゲート150の仕事関数を調節する。
【0030】
第2導電膜113bは、Al、La、Yのような金属物質で形成される酸化物または窒化物で形成されうる。第3導電膜115bは、導電物質で形成され、PMOSトランジスタのしきい電圧をさらに低減させうる厚さに形成される。第3導電膜115bは、第1導電膜111bの物質と同等または類似した物質で形成されうる。例えば、第3導電膜115bは、W、MO、Ti、Ta、Al、Hf、またはZrからなる金属窒化物またはアルミニウムまたはシリコンでドーピングされた金属窒化物で形成できる。
【0031】
本発明の一実施形態で、高誘電物質膜/薄いTaN金属膜/ポリシリコンゲート電極でNMOSゲートスタック140が形成され、高誘電物質膜/薄いTaN金属膜/薄いAlN膜/薄いHfN膜/ポリシリコンゲート電極でPMOSゲートスタック150が形成される時、CMOSトランジスタに対して二重仕事関数の調節を得ることができる。一実施形態で、PMOSゲートの第1、第2及び第3導電膜111b/113b/115bは、それぞれのTaN(またはTiN)、AlN(またはAlO)及びHfN(またはTaN)のような互いに異なる導電物質で形成される。
【0032】
TaN及びHfN膜は、PMOS装置の相対的に安定したしきい電圧を提供できる厚さに備えられる。そして、介在されたAlN膜は、PMOS装置のしきい電圧を低減させてさらに調節しやすく調節された仕事関数を提供する。
【0033】
他の実施形態では、ゲート誘電膜とポリシリコン膜との間に介在された三重導電膜が積層されたものを含む金属が挿入されたゲート膜のNMOSゲート構造物CMOSトランジスタが提供されうる。NMOSゲートスタックの金属が挿入された膜は、PMOS装置のしきい電圧を調節し、p不純物でドーピングされたシリコンの仕事関数と同等または類似したNMOSの仕事関数を提供できる物質及び厚さの三重金属膜で形成されうる。
【0034】
また、PMOSゲート構造物は、ゲート誘電膜とポリシリコン膜との間に介在された第1導電膜(単一金属膜)を備える金属が挿入されたゲート膜を備えることができる。そして、金属膜は、第1導電性物質及びPMOSトランジスタのしきい電圧を調節し、n不純物でドーピングされた仕事関数に類似したPMOSの仕事関数を含む厚さに形成できる。
【0035】
当業者は、ゲートスタックの形成は、適用しようとする仕事関数及び所望の仕事関数の調節によって多様な物質で行えると理解でき、前述したゲートスタックは、単に例示に過ぎない。また、ゲート膜の形成に使われる物質は、工程の複雑性(例えば、ゲート膜の界面での相互作用)及び適用する製造工程によって多様に変わりうる。
【0036】
図3Aないし図3Eは、本発明の一実施形態による二重仕事関数を含むCMOS半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【0037】
図3Aは、バルク半導体基板101に初期工程を始めるステップを示す。まず、公知の技術を使用して、それぞれシリコン基板101の表面内にp不純物でドーピングされ、かつn不純物でドーピングされたウェル(すなわち、活性領域)を備えるNMOS及びPMOSトランジスタ領域101a、101bを形成する。例えば、STI工程または部分酸化工程(LOCOS)を利用して、NMOS及びPMOS活性領域101a、101bを定義する分離領域を形成し、イオン注入工程で活性領域にドーピングしてn不純物でドーピングされ、かつp不純物でドーピングされた所定のウェルを形成する。
【0038】
以後、選択的な界面膜102が基板101上に形成され、界面膜102上にゲート誘電膜103が形成されうる。一実施形態で、ゲート誘電膜103は、熱酸化工程によりシリコン酸化膜で形成されうる。他の実施形態で、ゲート誘電膜103は、窒素雰囲気で熱処理工程でシリコン窒化膜で形成されうる。ゲート誘電膜103がシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜で形成される時、界面膜102は不要になる。望ましくは、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜である時、ゲート誘電膜103が約10ないし60Åの厚さ範囲に形成されうる。
【0039】
ゲート誘電膜103がゲート誘電物質とシリコン基板101との反応を防止するために高誘電物質で形成される時、界面膜102が形成されることが望ましい。オゾンガス及びオゾン水を含む洗浄工程により約1.5nm未満の厚さ範囲の薄い界面膜102が形成されうる。
【0040】
ゲート誘電膜103は、シリコン酸化膜より相対的に誘電定数の大きい高誘電物質でありうる。例えば、高誘電膜103は、誘電定数8またはそれより高いハフニウム酸化膜、ハフニウムシリコン酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜、ジルコニウムシリコン酸化膜、タンタル酸化膜、チタン酸化膜、GdO、イットリウム酸化膜またはアルミニウム酸化膜、シリケート膜またはこれらの組み合わせからなる物質でありうる。高誘電膜103は、公知のようにCVD、PVDまたはALDのような蒸着技術を使用して形成できる。
【0041】
蒸着後にアニール(PDA)工程は高誘電膜103を稠密にするために、N、NO、NO、OまたはHNHガス雰囲気で、約750ないし1050℃の温度範囲内で実施できる。ゲート誘電膜103は、誘電定数8より大きい誘電定数を持つ物質で形成できる。ゲート誘電膜103を形成するための高誘電物質物質の誘電定数によって、ゲート誘電膜の厚さ103は多様に変わりうる。例えば、高誘電物質は、10ないし20Åの範囲でありうる。
【0042】
次いで、図3Bを参照すれば、ゲート誘電膜103上の第1導電膜11を形成し、第1導電膜111上に第2導電膜113を蒸着し、第2導電膜113上に第3導電膜115を蒸着する工程の連続である。
【0043】
導電膜111、113、115は金属物質で形成され、NMOS及びPMOSゲート電極の二重仕事関数を定義する所定の厚さに形成される。一方、ゲートスタックの損傷をかなり低減または除去するために、ウェル調節工程を利用してゲートスタックを形成する。
【0044】
本発明の一実施形態で、第1導電膜111は導電性物質で形成され、NMOSゲート電極の仕事関数を定義する(NMOSトランジスタのしきい電圧を定義する)所定の厚さに形成される。一実施形態において、第1導電膜111を形成してNMOSゲート電極に対する約4.0ないし4.6eVの仕事関数を提供する。第1導電膜111は、W、MO、Ti、Ta、Al、Hf、またはZrのような金属物質、または金属窒化物、またはアルミニウムまたはシリコンでドーピングされた金属窒化物で形成されうる。特に、第1導電膜111は、TiNまたはTaNのような金属窒化物質で形成され、後述するような以後のエッチング工程時、第2導電膜113及び第3導電膜115に対して良いエッチング選択比を提供できる。第1導電膜111は、約5ないし60Åの厚さ範囲内で形成できる。
【0045】
また、本発明の一実施形態で、積層された導電膜111/113/115は導電性物質で形成され、PMOSゲート電極の効果的な仕事関数(PMOSトランジスタのしきい電圧を定義する)を提供できる所定の厚さに形成される。
【0046】
一実施形態において、積層導電膜111/113/115が形成されて、PMOSゲート電極に対して約4.7ないし5.1eVで効果的な仕事関数を提供する。
【0047】
特に、第1導電膜は、NMOSゲート電極の仕事関数を定義するように決定され(第1導電膜111は、n−型シリコンの仕事関数に類似した仕事関数を含む)、第2導電膜113は、p−型シリコンの仕事関数に類似した仕事関数を提供するPMOSゲート電極の仕事関数を効果的に増加させるのに適した仕事関数を含む金属を使用して、PMOSゲートの仕事関数を調節する。
【0048】
前述したように、第2導電膜113は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜またはAl、La、Yのような金属物質または金属窒化膜で形成されうる。第2導電膜113は、使われた物質によって約1ないし30Åの厚さの範囲内で形成できる。
【0049】
また、本発明の一実施形態で、第3導電膜115は、導電性物質で形成され、PMOSトランジスタのしきい電圧をさらに低下させることができる厚さに形成される。第3導電膜115は、第1導電膜111と類似または同等な物質で形成されうる。例えば、第3導電膜は、W、MO、Ti、Ta、Al、Hf、またはZrのような金属物質、または金属窒化物、またはアルミニウムまたはシリコンでドーピングされた金属窒化物で形成されうる。
【0050】
図3Cを参照すれば、NMOS領域101aを露出させてPMOS領域101bは覆うフォトレジストパターン117を第3導電膜115上に形成する。
【0051】
第3導電膜115及び第2導電膜113は順にエッチングされてNMOS領域101aから除去される。金属膜及びゲート誘電膜に対する欠陥を防止するエッチング技術を利用して、エッチング工程が行われうる。
【0052】
例えば、本発明の一実施形態で、第2導電膜113及び第3導電膜115を形成する物質が第1導電膜111の物質よりさらに大きいエッチング率を持つように選択できる。
【0053】
具体的な例として、HF溶液に対する第2導電膜113及び第3導電膜115のエッチング率が第1導電膜111のエッチング率より大きいウェットエッチング工程で行える。それにより、第2導電膜113及び第3導電膜115は、HF溶液を使用して容易に除去され、第1導電膜11は、エッチング防止膜であって、エッチング工程中に露出されないNMOSゲート誘電膜103aの損傷を防止できる。
【0054】
例えば、TaNまたはTiNで形成されたゲート膜は、200:1のHF溶液には溶解されない。HfN及びAlNのような物質で形成されたゲート膜は、HF溶液で容易に溶解される。それにより、TaNで形成された第1導電膜111、AlNで形成された第2導電膜113、HfNで形成された第3導電膜を仮定するとき、NMOS領域101a内のAlN及びHfNで形成された第2及び第3導電膜の一部が容易にエッチングされて(高いエッチング率で)、TaNからなる第1導電膜111のエッチングや損傷なしに第1導電膜111を露出させる。
【0055】
次いで、図3Dを参照すれば、公知の技術を利用してフォトレジストパターン117を除去する。例えば、フォトレジストパターン117は、O雰囲気またはH、N、NHまたはHE雰囲気でアッシング工程を利用して除去できる。Oを使用しない雰囲気では、プラズマが形成され、CFのようなフッ素系のガスを追加してフォトレジスタパターンの除去率を高めることができる。Oを使用しないアッシング工程は、ゲート誘電膜103の露出された部分が損傷したり、劣化することを防止して有利である。
【0056】
次いで、また他の導電膜120が基板101上に形成される。例えば、導電膜120は、ポリシリコン、金属酸化膜、金属窒化膜、シリサイドまたは他の適した金属物質で形成できる。導電膜120は、NMOSゲートスタック140の第3導電膜120aであり、PMOSゲートスタック150の第4導電膜120bで形成される(図2参照)。導電膜120は、公知の技術で形成され、使われた物質によって順次に平坦化できる。
【0057】
次いで、公知の技術を利用してハードマスク膜130を形成し、かつパターニングしてマスクパターン130a、130bを形成する。マスクパターン130a、130bは、それぞれのNMOS領域101a及びPMOS領域101b内でのゲートスタック領域を定義する。例えば、ハードマスク膜130は、例えば、CVDまたはALD工程を利用してシリコン窒化膜または他の絶縁物質に適した物質で形成できる。そして、順次にフォトリソグラフィ工程を利用してパターニングできる。
【0058】
以後、エッチングマスクとしてマスクパターン130a、130bを利用して異方性エッチング工程を行って、表面から基板101にエッチングする。これにより、図3Dに示したようにゲートスタック構造物140、150を形成する。以後、公知の工程ステップによってゲートスタック140、150の側壁スペーサ160a、160b及びNMOS及びPMOSトランジスタのソース−ドレイン拡散領域170、171を形成できる。
【0059】
以上、添付図を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における当業者ならば本発明がその技術的思想や必須特徴を変更せずとも他の具体的な形に実施されうるということが理解できるであろう。したがって、前述した実施例は全ての面で例示的なものであって、限定的なものではないと理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、PMOS及びNMOSの個別的に仕事関数を調節できる半導体装置及びその製造方法関連の技術分野に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1A】従来のMOSFETトランジスタのゲートスタック構造の断面図である。
【図1B】従来のMOSFETトランジスタのさらに他のゲートスタック構造の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態によって二重仕事関数金属ゲート構造物を備えるCMOSトランジスタ対の断面図である。
【図3A】本発明の一実施形態による図2のCMOSトランジスタ対の多様な製造工程の断面図である。
【図3B】本発明の一実施形態による図2のCMOSトランジスタ対の多様な製造工程の断面図である。
【図3C】本発明の一実施形態による図2のCMOSトランジスタ対の多様な製造工程の断面図である。
【図3D】本発明の一実施形態による図2のCMOSトランジスタ対の多様な製造工程の断面図である。
【図3E】本発明の一実施形態による図2のCMOSトランジスタ対の多様な製造工程の断面図である。
【図4A】NMOS装置に対するゲート金属膜の厚さの関数としてしきい電圧の実験データを示したグラフである。
【図4B】PMOS装置に対するゲート金属膜の厚さの関数としてしきい電圧の実験データを示したグラフである。
【符号の説明】
【0062】
101a NMOSトランジスタ領域
101b PMOSトランジスタ領域
102a 界面膜
111a、111b 第1導電膜
113b PMOS第2導電膜
115b PMOS第3導電膜
120a NMOS第2導電膜
120b PMOS第4導電膜
212 第2絶縁膜
214 フローティングゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にPMOS及びNMOS装置を備える二重ゲートCMOS装置が形成された半導体基板を備え、
前記PMOS装置は、前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜、前記ゲート絶縁膜上に形成された第1導電膜、前記第1導電膜上に形成された第2導電膜及び前記第2導電膜上に形成された第3導電膜を備える第1ゲートスタックを備え、
前記NMOS装置は、前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜、前記ゲート絶縁膜上に形成された第1導電膜、前記第1導電膜上に形成された第2導電膜を備える第2ゲートスタックを備え、
前記第1及び第2ゲートスタックの前記第2導電膜は、互いに異なる導電物質で形成されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1及び第2ゲートスタックの前記第1導電膜は、同じ物質で形成され、実質的に同じ厚さを持つことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1及び第2ゲートスタックの前記第1導電膜は、金属窒化物で形成されたことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1及び第2ゲートスタックの前記第1導電膜は、TaNまたはTiNで形成されたことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1及び第2ゲートスタックの前記第1導電膜の厚さ及び導電性物質は、前記NMOS装置の仕事関数を調節するように選択されたことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1ゲートスタックの前記第2導電膜の厚さ及び導電性物質は、前記PMOS装置の仕事関数を調節するように選択されたことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1ゲートスタックの前記第1及び第2導電膜は、互いに異なる金属窒化物で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記金属窒化物は、TiN、TaN、またはAlNを含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1ゲートスタックの前記第1、第2及び第3導電膜は、互いに異なる導電性物質で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
HFエッチング溶液に対して、前記第1ゲートスタックの前記第2及び第3導電膜を形成する他の物質は、前記第1導電膜を形成する物質よりさらに大きいエッチング率を持つことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記PMOS装置の前記第1ゲートスタックの前記第1、第2、第3導電膜は、それぞれTaN、AlN及びHfNで形成されたことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記PMOS装置の前記第1ゲートスタックの前記第1、第2、第3導電膜は、それぞれHfN、AlN及びTaNで形成されたことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1及び第2ゲートスタックの前記ゲート絶縁膜は、8以上の誘電定数を持つ誘電物質で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記ゲート誘電膜と前記基板との間に界面膜がさらに介在することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1及び第2ゲートスタックの前記ゲート絶縁膜は、ハフニウム酸化膜、ハフニウムシリコン酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜、ジルコニウムシリコン酸化膜、タンタル酸化膜、イットリウム酸化膜またはアルミニウム酸化膜で形成されたことを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記PMOS装置の前記第1ゲートスタックは、前記第3導電膜上に形成された第4導電膜をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第2ゲートスタックの前記第2導電膜及び前記第1ゲートスタックの前記第4導電膜は、同じ導電物質で形成されたことを特徴とする請求項16に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第2ゲートスタックの前記第2導電膜及び前記第1ゲートスタックの前記第4導電膜は、ポリシリコン物質で形成されたことを特徴とする請求項16に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第1及び第2ゲートスタックの前記第1導電膜の厚さ範囲は、約5ないし60Åであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項20】
第1MIPS(Metal Inserted Poly−Silicon)ゲートスタックを備えるPMOS装置、第2 MIPSゲートスタックを備えるNMOS装置を備える二重ゲートCMOS装置が半導体基板の前面に形成された半導体基板を備え、
前記第1及び第2MIPSゲートスタックは、それぞれ前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜、ポリシリコン電極及び前記ゲート絶縁膜と前記ポリシリコン電極との間に介在する金属挿入膜を備え、
前記第1MIPSゲートスタックの前記金属挿入膜は、少なくとも第1、第2、第3金属膜の積層膜を備え、
前記第2MIPSゲートスタックの前記金属挿入膜は、少なくとも第1金属膜を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項21】
前記第1及び第2MIPSゲートスタックの前記第1金属膜は、約5ないし60Åの同じ厚さ範囲内で同じ金属物質で形成されたことを特徴とする請求項20に記載の半導体装置。
【請求項22】
前記第1及び第2MIPSゲートスタックの前記第1金属膜は、金属窒化物で形成されたことを特徴とする請求項21に記載の半導体装置。
【請求項23】
前記第1及び第2MIPSゲートスタックの前記第1導電膜の厚さ及び金属窒化物は、前記NMOS装置の仕事関数を調節するように選択されたことを特徴とする請求項22に記載の半導体装置。
【請求項24】
前記第1MIPSゲートスタックの前記第2導電膜の厚さ及び導電性物質は、前記PMOS装置の仕事関数を調節するように選択されたことを特徴とする請求項21に記載の半導体装置。
【請求項25】
前記第1MIPSゲートスタックの前記第1、第2及び第3金属膜は、互いに異なる導電性物質で形成されたことを特徴とする請求項20に記載の半導体装置。
【請求項26】
前記第1MIPSゲートスタックの前記第1、第2及び第3金属膜は、それぞれTaN、AlN及びHfNで形成されたことを特徴とする請求項25に記載の半導体装置。
【請求項27】
前記第1MIPSゲートスタックの前記第1、第2及び第3金属膜は、それぞれHfN、AlN及びTaNで形成されたことを特徴とする請求項25に記載の半導体装置。
【請求項28】
前記第1及び第2MIPSゲートスタックの前記ゲート絶縁膜は、誘電定数が約8以上である誘電物質で形成されたことを特徴とする請求項20に記載の半導体装置。
【請求項29】
前記ゲート絶縁膜と前記半導体基板との間に介在する界面膜をさらに備えることを特徴とする請求項20に記載の半導体装置。
【請求項30】
半導体基板上にCMOS装置の活性領域を定義し、前記活性領域は、NMOS装置領域及びPMOS装置領域を備え、
前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に第1導電膜を形成し、
前記第1導電膜上に第2導電膜を形成し、
前記第2導電膜上に第3導電膜を形成し、
エッチング工程を行って、前記第1NMOS装置領域内で前記第3及び第2導電膜を前記第1導電膜までエッチングし、
前記PMOS領域内に第1ゲート構造物を形成し、前記NMOS領域内に第2ゲート構造物を形成し、前記第1ゲート構造物は、前記ゲート絶縁膜、第1及び第2導電膜から形成し、前記第2ゲート構造物は、前記ゲート絶縁膜及び前記第1導電膜から形成する二重ゲートCMOS装置を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項31】
エッチング工程を利用して前記第3及び第2導電膜のエッチング時に、前記第2及び第3導電膜のエッチング率が前記第1導電膜のエッチング率より大きくし、前記第1導電膜をエッチング停止膜として使うことを特徴とする請求項30に記載の二重ゲートCMOS装置を備える半導体装置の製造方法。
【請求項32】
前記エッチング工程は、HF溶液を利用したウェットエッチング工程であることを特徴とする請求項31に記載の二重ゲートCMOS装置を備える半導体装置の製造方法。
【請求項33】
前記第1導電膜はTaN、前記第2導電膜はAlN、前記第3導電膜はHfNで形成することを特徴とする請求項32に記載の二重ゲートCMOS装置を備える半導体装置の製造方法。
【請求項34】
前記第1及び第2ゲート構造物の形成は、前記NMOS及びPMOS領域上に第4導電膜を形成し、前記第4導電膜上に前記第1及び第2ゲート構造物のためのゲートパターンを定義するエッチングマスクを形成し、前記第4導電膜を基板までエッチングして前記第1及び第2ゲート構造物を形成することを特徴とする請求項30に記載の二重ゲートCMOS装置を備える半導体装置の製造方法。
【請求項35】
前記第4導電膜は、ポリシリコンを含むことを特徴とする請求項34に記載の二重ゲートCMOS装置を備える半導体装置の製造方法。
【請求項36】
前記第4導電膜は、金属物質を含むことを特徴とする請求項34に記載の二重ゲートCMOS装置を備える半導体装置の製造方法。
【請求項37】
前記第4導電膜は、金属シリサイドまたは金属窒化物を含むことを特徴とする請求項36に記載の二重ゲートCMOS装置を備える半導体装置の製造方法。
【請求項38】
前記ゲート絶縁膜の形成は、前記半導体基板上に界面膜を形成し、前記界面膜上にゲート誘電物質の膜を形成することを含むことを特徴とする請求項30に記載の二重ゲートCMOS装置を備える半導体装置の製造方法。
【請求項39】
前記ゲート誘電物質は、8以上の誘電定数を持つことを特徴とする請求項38に記載の二重ゲートCMOS装置を備える半導体装置の製造方法。
【請求項40】
前記第1及び第2ゲートスタックの前記ゲート誘電物質のゲート絶縁膜は、ハフニウム酸化膜、ハフニウムシリコン酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜、ジルコニウムシリコン酸化膜、タンタル酸化膜、イットリウム酸化膜またはアルミニウム酸化膜で形成することを特徴とする請求項39に記載の二重ゲートCMOS装置を備える半導体装置の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【公開番号】特開2007−208260(P2007−208260A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−16502(P2007−16502)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】