説明

半導体装置、下層配線設計装置、下層配線設計方法およびコンピュータプログラム

【課題】MIMキャパシタの構造破壊に起因するリーク電流の上昇を低減する構成を備えた半導体装置を提供することを課題とする。
【解決手段】複数の下層配線11を備える下層配線層10と、下層配線層10の上方に設けられる、下部電極21と容量誘電膜22と平面形状が下部電極21より小さい上部電極23とを下からこの順に積層したMIMキャパシタ20と、MIMキャパシタ20の上方に設けられ、ビア40、41を介して下部電極21および上部電極23のそれぞれに接続する複数の上層配線31を備える上層配線層30と、を備えた半導体装置であって、上部電極23の平面形状は矩形に構成され、上部電極23の平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部の直下には下層配線11が配置されていない半導体装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、下層配線設計装置、下層配線設計方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、MIM(Metal Insulator Metal)構造は、LSI(Large Scale Integration)分野において、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のみならずDecoupling Capacitorとしても応用されている。このため、LSIの混載モジュールとしてのMIM構造の重要性は高まっており、LSIにMIM構造を搭載するのが一般的になってきている。
【0003】
しかし、MIMキャパシタは、構造破壊などに起因してリーク電流の上昇を引き起こし、これによって、MIMキャパシタを搭載しているLSIの故障や、システム全体の故障を誘発する恐れがある。そこで、MIMキャパシタに起因するリーク電流の上昇を低減する技術が望まれている。
【0004】
このような技術としては、例えば、特許文献1に開示された技術がある。
【0005】
特許文献1に開示された技術は、MIMキャパシタの下方に配置される銅配線を形成する工程として、層間絶縁層に形成された溝に銅を埋め、その後CMPプロセスを行う際に生じるDishing現象に起因したリーク電流の上昇を低減する技術である。さらに詳細には、Dishing現象により、前記銅配線と前記層間絶縁層との境界に生じた段差に起因するリーク電流の上昇を低減する技術である。特許文献1には具体的構成として、銅配線と層間絶縁層からなる層の上に形成される銅拡散防止膜の上に、さらに、層間絶縁膜を形成し、その上に前記MIMキャパシタを形成した半導体装置が開示されている。この構造によれば、前記段差を前記層間絶縁膜で吸収することで、リーク電流の低減が実現されると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−228977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図9に、MIMキャパシタを備えた半導体装置の断面概略図を示す。この図に示す半導体装置は、下部電極210、容量誘電膜220、上部電極230からなるMIMキャパシタ200の下方に、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)を主成分とする下層配線110を有する。
【0008】
ここで、下層配線110には、図示するように、結晶粒界から発生する下層配線110と同じ成分の突起であるHillockが生じる恐れがある。このHillockは、半導体装置の製造段階で生じる可能性があるが、下層配線層100の上に形成される配線キャップ膜500、層間絶縁膜600、下部電極210、容量誘電膜220、上部電極230は、一般的にスパッタリングやCVDにより形成されるため、Hillockによる突起形状は吸収されない。このため、Hillockによる突起形状は、下層配線層100の上方に形成される膜に反映されてしまう。特に、容量誘電膜220は薄膜化しているため、Hillockによる突起形状を反映してしまうと、以降のプロセス温度や、層間膜の積層による応力などの影響で、図示するように断裂する可能性がある。容量誘電膜220が断裂すると、リーク電流の上昇を招いてしまう。
【0009】
このように、MIMキャパシタ200の下方に、CuまたはAlを主成分とする下層配線110を有する構造の場合、下層配線110から生じるHillockに起因して、MIMキャパシタ200が構造破壊を引き起こし、これに起因して、リーク電流の上昇を招いてしまう。特許文献1に開示された半導体装置の構成であっても、下層配線110の上に形成される前記層間絶縁膜などの膜はHillockによる突起形状を反映してしまうため、容量誘電膜220が断裂してしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、複数の下層配線を備える下層配線層と、前記下層配線層の上方に設けられる、下部電極と、容量誘電膜と、平面形状が前記下部電極より小さい上部電極と、を下からこの順に積層したMIMキャパシタと、前記MIMキャパシタの上方に設けられ、ビアを介して前記下部電極および前記上部電極のそれぞれに接続する複数の上層配線を備える上層配線層と、を備えた半導体装置であって、前記上部電極の平面形状は矩形に構成され、前記上部電極の平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部の直下には前記下層配線が配置されていない半導体装置が提供される。
【0011】
本発明の半導体装置によれば、MIMキャパシタの下方に設けられる下層配線は、平面形状を矩形に構成された上部電極のいずれか一以上の辺であるエッジ部の直下には配置されないこととなる。かかる場合、MIMキャパシタの下方における下層配線のレイアウトの自由度は制限され、MIMキャパシタの下方における下層配線の占有率は低減する。
【0012】
その結果、MIMキャパシタの下方に、設計基準に従ったピッチで複数の下層配線を敷き詰めた通常の半導体装置に比べて、下層配線に発生するHillockに起因するMIMキャパシタの構造破壊を低減することができ、リーク電流の発生率を低減することができる。また、下層配線を配置しない領域を必要以上に多くとっていないので、十分な、下層配線のプロセス安定性や高集積を確保することができる。
【0013】
また、本発明によれば、前記半導体装置を設計するための下層配線設計方法であって、前記MIMキャパシタの配置位置を決定する第一工程と、配置位置が決定した前記MIMキャパシタの前記上部電極の前記平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内を下層配線配置禁止エリアとして特定する第二工程と、前記下層配線配置禁止エリアに前記下層配線を配置しないよう前記下層配線のパターンを設計する第三工程と、を有する下層配線設計方法が提供される。
【0014】
また、本発明によれば、前記半導体装置を設計するための下層配線設計方法であって、前記下層配線のパターンを設計する第一工程と、前記第一工程で設計した前記パターンを基に前記MIMキャパシタの配置位置を決定する第二工程と、前記MIMキャパシタの前記上部電極の前記平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内に前記下層配線が存在しないよう、あらかじめ定められた補正ルールに従い、前記パターンを補正する第三工程と、を有する下層配線設計方法が提供される。
【0015】
また、本発明によれば、前記半導体装置を設計する下層配線設計装置であって、前記MIMキャパシタの配置位置を決定するMIM配置位置決定部と、前記MIMキャパシタの前記上部電極の前記平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内となるエリアを示す下層配線配置禁止エリア情報を取得する下層配線配置禁止エリア情報取得部と、前記下層配線配置禁止エリア情報を保持する下層配線配置禁止エリア情報保持部と、前記下層配線配置禁止エリア情報で特定されるエリアに前記下層配線を配置しないよう前記下層配線のパターンを設計する禁止エリア考慮設計部と、設計した前記下層配線の前記パターンを出力する出力部と、を有する下層配線設計装置が提供される。
【0016】
また、本発明によれば、前記半導体装置を設計する下層配線設計装置であって、前記下層配線のパターンを設計する下層配線設計部と、前記下層配線設計部が設計した前記パターンを考慮して、前記MIMキャパシタの配置位置を決定する下層配線考慮MIM配置位置決定部と、前記MIMキャパシタの前記上部電極の前記平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内となるエリアを示す下層配線配置禁止エリア情報を取得する下層配線配置禁止エリア情報取得部と、前記下層配線配置禁止エリア情報を保持する下層配線配置禁止エリア情報保持部と、前記下層配線設計部で設計された前記下層配線の前記パターンを補正するための補正ルールを保持する補正ルール保持部と、前記下層配線配置禁止エリア情報および前記補正ルールを利用して、前記下層配線設計部で設計された前記下層配線の前記パターンを補正する補正部と、補正後の前記下層配線の前記パターンを出力する出力部と、を有する下層配線設計装置が提供される。
【0017】
本発明の下層配線設計方法および下層配線設計装置によれば、MIMキャパシタの配置位置を決定した後に下層配線の設計を行うことも、下層配線の設計を行った後にMIMキャパシタの配置位置を決定することも可能となる。その結果、半導体装置の要求性能に応じて、適切な下層配線を設計することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の半導体装置、下層配線設計装置、下層配線設計方法およびコンピュータプログラムによれば、MIMキャパシタの構造破壊の確率を低減することが可能となる。その結果、リーク電流の上昇を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態の上部電極と下部電極と下層配線の関係を示す平面概略図である。
【図2】本実施形態の半導体装置の断面概略図である。
【図3】本実施形態の半導体装置の断面概略図である。
【図4】本実施形態の半導体装置の断面概略図である。
【図5】本実施形態の下層配線配置禁止エリアを説明するための概略図である。
【図6】本実施形態の下層配線設計装置の機能ブロック図である。
【図7】本実施形態の下層配線設計装置の機能ブロック図である。
【図8】MIMキャパシタの下方に下層配線を有する半導体装置の断面概略図である。
【図9】MIMキャパシタの下方に下層配線を有する半導体装置の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0021】
なお、下層配線設計装置を構成する各部は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラム(あらかじめ装置を出荷する段階からメモリ内に格納されているプログラムのほか、CDなどの記憶媒体やインターネット上のサーバなどからダウンロードされたプログラムも含む)、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0022】
また、本実施形態の説明において利用する図6、7の機能ブロック図は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。これらの図においては、下層配線設計装置は一つの物理的に分離した装置により実現されるよう記載されているが、その実現手段はこれに限定されない。すなわち、二つ以上の物理的に分離した装置を有線または無線で接続し、これら複数の装置により、下層配線設計装置を実現してもよい。
<構成>
【0023】
図2に、本実施形態の半導体装置の断面概略図を示す。また、図1に、本実施形態の半導体装置の上部電極23と、下部電極21と、下層配線11の関係を示した平面図を示す。図1は、図2中上から下方向に、上部電極23と、下部電極21と、下層配線11を見た平面図である。
【0024】
図2に示すように、本実施形態の半導体装置は、下層配線層10と、下部電極21および容量誘電膜22および上部電極23からなるMIMキャパシタ20と、上層配線層30と、ビア40、41と、を有する。なお、配線キャップ膜50、層間絶縁膜60、ハードマスク絶縁膜70を有してもよい。
【0025】
下層配線層10は、複数の下層配線11を備える。下層配線11は、CuまたはAlを主成分とする。
【0026】
MIMキャパシタ20は、下部電極21と、容量誘電膜22と、上部電極23とを下からこの順に積層した構造で、下層配線層10の上方に設けられる。
【0027】
下部電極21は、Ti(チタン)、Ta(タンタル)などの金属、または、TiN(窒化チタン)、TaN(窒化タンタル)などの導電性金属窒化物から選ばれた少なくとも一つからなる。下部電極21の平面形状は特段制限されないが、例えば、図1に示すように矩形であってもよい。
【0028】
容量誘電膜22は、SiN(窒化シリコン)、Ta(酸化タンタル)、ZrO(酸化ジルコニウム)、TiO(酸化チタン)、HfO(酸化ハフニウム)などから選ばれた少なくとも一つからなる。その他、ぺロブスカイト系構造の高誘電率膜などを容量誘電膜22として用いることもできる。
【0029】
上部電極23は、Ti、Taなどの金属、または、TiN、TaNなどの導電性金属窒化物から選ばれた少なくとも一つからなる。上部電極23の平面形状は、図1に示すように矩形に構成され、下部電極21の平面形状より小さい。
【0030】
上層配線層30は、MIMキャパシタ20の上方に設けられ、ビア41、40を介して、下部電極21および上部電極23のそれぞれに接続する複数の上層配線31を備える。上層配線31およびビア40、41は、CuまたはAlを主成分とする。なお、上層配線31およびビア40、41は同じ成分を主成分としてもよい。
【0031】
配線キャップ膜50は、例えば、SiC(炭化ケイ素)、または、SiCN(炭化窒化ケイ素)などから選ばれた少なくとも一つで構成することができる。また、層間絶縁膜60は、例えば、SiO2(二酸化ケイ素)で構成することができる。ハードマスク絶縁膜70は、SiN、SiCN、SiON(酸化窒化ケイ素)などから選ばれた少なくとも一つで構成することができる。なお、ハードマスク絶縁膜70の組成は、SiO2やSiOC(酸化炭化ケイ素)などで構成される配線層間膜と異なる必要がある。
【0032】
ここで、本実施形態における下層配線11と、MIMキャパシタ20と、の関係について図1、2を用いて説明する。
【0033】
本実施形態の場合、MIMキャパシタ20の下方には、下層配線11のプロセス安定性や高集積の観点から、不要なスペースが存在することなく、設計基準に従ったピッチで複数の下層配線11が敷き詰められる。しかし、上部電極23のいずれか一以上の辺であるエッジ部の直下には下層配線11が配置されないように敷き詰められる。例えば、上部電極23のいずれか一組の対向する二辺であるエッジ部の直下には下層配線11が配置されないように敷き詰められる。このように、直下に下層配線11が存在しないエッジ部は、下層配線11のHillockの影響を受けない。
【0034】
上述した条件を満たす下層配線11の配置としては、例えば、図1に示すように、複数の直線状の下層配線11を等間隔で配置したパターンなどが該当する。図1は、上部電極23の図中左右に位置する一組の対向する二辺であるエッジ部の直下に下層配線11が配置されないパターンを示している。
【0035】
このような下層配線11と、MIMキャパシタ20の関係をみたす半導体装置の場合、MIMキャパシタ20の下方には、下層配線11を配置しない下層配線配置禁止エリア(上部電極23のエッジ部の直下)を一部設けているので、下層配線11のプロセス安定性や高集積の観点を最優先し、不要なスペースが存在することなく、設計基準に従ったピッチで複数の下層配線11を敷き詰めた場合に比べて、MIMキャパシタ20の下方における下層配線11の占有率は低減する。その結果、下層配線11に発生するHillockに起因するMIMキャパシタ20の構造破壊を低減することができ、リーク電流の発生率を低減することができる。また、下層配線11を配置しない下層配線配置禁止エリア(上部電極23のエッジ部の直下)を最小限に抑えているので、十分な、下層配線11のプロセス安定性や高集積を確保することができる。
【0036】
なお、下層配線11を配置しない下層配線配置禁止エリアを一部設ける手段としては、上部電極23のエッジ部の直下以外の領域を選択することも可能である。しかし、本実施形態のように、上部電極23のエッジ部の直下に下層配線11が存在しないよう構成することで、以下で説明する、発生したリーク電流を低減する構成も実現される。
【0037】
また、下層配線11に発生するHillockに起因するMIMキャパシタ20の構造破壊を回避するため、MIMキャパシタ20の下方に下層配線11を全く配置しないよう構成する手段も考えられるが、高集積なLSIの場合、MIMキャパシタ20の下方に下層配線11を配置しないという制限は困難である場合が多い。
【0038】
ここで、上述した構成であっても、下層配線11のHillockに起因するMIMキャパシタ20の構造破壊を完全に回避することはできない。そこで、本実施形態の半導体装置は、MIMキャパシタ20に構造破壊が生じた際に生じるリーク電流を、比較的低減することが可能な構成を備えてもよい。以下、この構成について説明する。
【0039】
まず、容量誘電膜22が断裂すると、図3に示すように、上部電極23と上層配線31を接続するビア40と、容量誘電膜22の欠陥発生位置と、下部電極21と上層配線31を接続するビア41と、を経由してMIMキャパシタ20から漏れるリーク電流が生じる。
【0040】
MIMキャパシタ20から漏れるリーク電流を可能な限り小さくするためには、リーク電流に対するMIMキャパシタ20の抵抗を可能な限り大きくする手段が考えられる。具体的には、リーク電流がMIMキャパシタ20内を流れる距離を可能な限り大きくする手段が考えられる。すなわち、「上部電極23とビア40との接点と、容量誘電膜22の欠陥発生位置と、を結ぶ距離」+「下部電極21とビア41との接点と、容量誘電膜22の欠陥発生位置と、を結ぶ距離」を可能な限り大きくすることで、リーク電流に対するMIMキャパシタ20の抵抗を可能な限り大きくすることができる。
【0041】
ここで、一般的に、上層配線31と上部電極23とを接続するビア40は、MIMキャパシタ20の性能上、電極側の抵抗を可能な限り低減する目的で、できるだけ多く配置される。具体的には、設計基準に従ったピッチで、上部電極23の平面略全面に配置されたりする。また、上層配線31と下部電極21とを接続するビア41は、図1に示すような構成の場合、下部電極21と下部電極21より平面形状の小さい上部電極23とを上下に重ね、上層配線31側から見た際に、視認可能な領域(エリアA、B)の略全面に、設計基準に従ったピッチで複数設けられたりする。
【0042】
かかる構成の場合、図8に示すように、上部電極230のエッジ部直下で容量誘電膜220に欠陥が生じた場合に、「上部電極230とビア400との接点と、容量誘電膜220の欠陥発生位置と、を結ぶ距離」+「下部電極210とビア410との接点と、容量誘電膜220の欠陥発生位置と、を結ぶ距離」が最小となる。すなわち、リーク電流に対するMIMキャパシタ200の抵抗が最小となり、MIMキャパシタ200から漏れるリーク電流が最大となる。
【0043】
本実施形態では、前記のようにリーク電流が最大となる事態を回避するため、上層配線31と下部電極21とを接続するビア41は、直下に下層配線11が配置されていない上部電極23のエッジ部付近に配置されてもよい。
【0044】
すなわち、図1に示すような、上部電極23の図中左右に位置する一組の対向する二辺であるエッジ部の直下に下層配線11が配置されていない構成の場合には、配置可能なすべての領域(エリアA、B)にビア41を配置するのでなく、直下に下層配線11が配置されていない上部電極23のエッジ部付近、すなわち前記二辺から所定の距離以内のエリアであるエリアAのみにビア41を配置してもよい。
【0045】
上述の通り、下層配線11のHillockに起因する容量誘電膜22の欠陥は、下層配線11上に発生する。図1の構成の場合、ビア41を配置したエリアA付近の上部電極23のエッジ部直下には下層配線11が配置されていないので、このエッジ部直下の容量誘電膜22に欠陥が発生する可能性は低い。その結果、図3に示すように、「下部電極21とビア41との接点と、容量誘電膜22の欠陥発生位置と、を結ぶ距離」をある程度長くすることができ、リーク電流を低減することが実現される。
【0046】
なお、本発明者は、図4に示すように、近年一般的に普及しているLSI用半導体装置の場合、下層配線11のHillockの底面の横幅は200nm程度であることを確認している。このHillockが、前後左右に均等に広がりながら成長する場合、Hillockの底面は、Hillockの頂上の直下を中心として半径100nmの広がりをもつこととなる。
【0047】
そこで、本実施形態では、図4、5に示すように、上部電極23の平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部またはいずれか一組の対向する二辺であるエッジ部の直下から100nmの距離以内は下層配線配置禁止エリアとし、当該エリアには下層配線11を配置しないよう構成してもよい。そして、上層配線31と下部電極21とを接続するビア41は、前記エッジ部付近に配置されてもよい。
【0048】
このような構成の場合、前記エッジ部直下の容量誘電膜22は下層配線11のHillockの影響をほとんど受けないこととなり、前記エッジ部直下の容量誘電膜22の欠陥が発生する確率はさらに低減することとなる。その結果、図3に示すように、「下部電極21とビア41との接点と、容量誘電膜22の欠陥発生位置と、を結ぶ距離」をある程度長くすることができ、リーク電流を低減することが実現される。
【0049】
また、本実施形態の場合、図1に示すように、上層配線31(図1中、図示せず)と上部電極23とを接続するビア40の直下には下層配線11が配置されないような構成にしてもよい。このように構成した場合、「上部電極23とビア40との接点と、容量誘電膜22の欠陥発生位置と、を結ぶ距離」をある程度長くすることができ、リーク電流を低減することが実現される。
【0050】
次に、上述したような下層配線11のパターンを設計するための下層配線設計装置、下層配線設計方法、および、プログラムの一例について説明する。
<例1>
【0051】
本実施形態の下層配線設計装置の一例は、図6の機能ブロック図に示すように、MIM配置位置決定部1と、下層配線配置禁止エリア情報取得部2と、下層配線配置禁止エリア情報保持部3と、禁止エリア考慮設計部4と、出力部5と、を備える。なお、下層配線配置禁止エリア特定条件を内部メモリに格納してもよい。そして、下層配線配置禁止エリア情報取得部2は下層配線配置禁止エリア特定条件を利用可能に構成してもよい。下層配線配置禁止エリア特定条件は、外部メモリに格納されていてもよい。
【0052】
MIM配置位置決定部1は、MIMキャパシタ20の配置位置を決定するよう構成される。
【0053】
具体的には、例えば、ディスプレイにMIMキャパシタ20を配置可能なエリアを表示可能に構成し、前記表示したエリアをMIMキャパシタ20の配置位置の入力を受付けるためのインターフェイスとして利用して、操作デバイス(例:十字キー、マウス、キーボード、タッチパネルなど)を介してユーザからMIMキャパシタ20の配置位置の決定入力を受付けるよう構成してもよい。
【0054】
または、操作デバイス(例:十字キー、マウス、キーボード、タッチパネルなど)を介してユーザから、配置するMIMキャパシタ20のサイズ、数などの入力を受付けると、あらかじめ定められたルールに従い、前記入力を受付けたサイズ、数のMIMキャパシタ20を規則的に配置することで、配置位置を決定するよう構成してもよい。
【0055】
下層配線配置禁止エリア情報取得部2は、MIMキャパシタ20の上部電極23の平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内(例:100nm)となるエリアを示す下層配線配置禁止エリア情報を取得するよう構成される。
【0056】
具体的には、例えば、ディスプレイにMIMキャパシタ20を配置可能なエリアを表示可能に構成し、ユーザから前記エッジ部となる辺の入力(位置、長さなどの入力、または、配置位置を決定したMIMキャパシタ20を表示し、表示しているMIMキャパシタ20を利用して、前記エッジ部となる辺の選択入力など)を受付けるよう構成する。そして、前記辺の入力を基に、あらかじめ保持している下層配線禁止エリアを特定するための条件(下層配線禁止エリア特定条件)に従い、前記辺の直下または前記辺の直下から所定の距離以内(例:100nm)となるエリアを特定し、前記エリアを示す下層配線配置禁止エリア情報を生成、取得してもよい。
【0057】
下層配線配置禁止エリア情報保持部3は、下層配線配置禁止エリア情報取得部2が取得した下層配線禁止エリア情報を保持するよう構成される。下層配線配置禁止エリア情報保持部3は、揮発性メモリで構成されてもよいし、不揮発性メモリで構成されてもよい。
【0058】
禁止エリア考慮設計部4は、下層配線配置禁止エリア情報で特定されるエリアに下層配線11を配置しないよう下層配線11のパターンを設計するよう構成される。禁止エリア考慮設計部4は、従来の配線設計ツールに、下層配線配置禁止エリア情報取得部2または下層配線配置禁止エリア情報保持部3から下層配線禁止エリア情報を取得する手段と、取得した下層配線禁止エリア情報で特定されるエリア内に下層配線を配置しないルールを生成する手段と、前記ルールに従い下層配線を設計する手段と、を備えるよう構成することで、実現することができる。
【0059】
出力部5は、禁止エリア考慮設計部4が設計したパターンを出力するよう構成される。前記出力は、ディスプレイへの出力、紙媒体への出力、無線または有線での他の機器へのデータの出力など、あらゆるケースが考えられる。
【0060】
次に、上述した下層配線設計装置により実現される下層配線設計方法について説明する。
【0061】
本実施形態の下層配線設計方法の一例は、第一工程S1と、第二工程S2と、第三工程S3と、を有する。
【0062】
第一工程S1では、MIMキャパシタ20の配置位置を決定する。当該工程は、下層配線11のパターンを設計する工程(第三工程)の前に行われる。すなわち、MIMキャパシタ20の配置位置は、下層配線11の影響を受けない。当該工程は、例えば、下層配線設計装置に付属のディスプレイにMIMキャパシタ20を配置可能なエリアを表示し、下層配線設計装置に付属の操作デバイス(例:十字キー、マウス、キーボード、タッチパネルなど)を用いてMIMキャパシタ20を配置する位置の決定入力を受付ける処理であってもよい。
【0063】
第二工程S2では、配置位置が決定したMIMキャパシタ20の上部電極23の平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内(例:100nm)を下層配線配置禁止エリアとして特定する。当該工程は、例えば、ディスプレイに表示されている配置位置を特定したMIMキャパシタ20を利用して、ユーザから前記エッジ部とする辺の選択入力を受付け、あらかじめ保持している下層配線禁止エリアを特定するための条件(下層配線禁止エリア特定条件)に従い、前記選択入力を受付けた辺の直下または前記辺の直下から所定の距離以内(例:100nm)を下層配線配置禁止エリアとして特定する処理であってもよい。
【0064】
第三工程S3では、下層配線配置禁止エリアに下層配線11を配置しないよう下層配線11のパターンを設計する。当該工程は、従来の配線設計ツールを用いて実現してもよい。
【0065】
上述した下層配線設計方法は、前記MIMキャパシタの配置位置を決定する第一ステップと、配置位置が決定した前記MIMキャパシタの前記上部電極の前記平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内を下層配線配置禁止エリアとして特定する第二ステップと、前記下層配線配置禁止エリアに前記下層配線を配置しないよう前記下層配線のパターンを設計する第三ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムにより実現することができる。なお、上述したプログラムは、上述したすべての処理を連続的に実行するような一つのプログラムであってもよいし、または、上述した処理を処理単位で複数に分割し、前記分割単位ごとの複数のプログラムの組み合わせにより実現されるプログラムであってもよい。
【0066】
このような下層配線設計装置、下層配線設計方法、および、プログラムは、搭載するMIMキャパシタ20の容量が決まっているような場合、例えば、LSIに搭載するMIMキャパシタ20のサイズ、数などが設計上固定されているような場合に、有効である。
<例2>
【0067】
本実施形態の下層配線設計装置の他の一例は、図7の機能ブロック図に示すように、下層配線設計部6と、下層配線考慮MIM配置位置決定部7と、下層配線配置禁止エリア情報取得部2と、下層配線配置禁止エリア情報保持部3と、補正ルール保持部8と、補正部9と、出力部5と、を備える。なお、下層配線配置禁止エリア特定条件を内部メモリに格納してもよい。そして、下層配線配置禁止エリア情報取得部2は下層配線配置禁止エリア特定条件を利用可能に構成してもよい。下層配線配置禁止エリア特定条件は、外部メモリに格納されていてもよい。
【0068】
下層配線設計部6は、下層配線11のパターンを設計するよう構成される。下層配線設計部6は、従来の配線設計ツールにより実現される。なお、下層配線設計部6は、下層配線配置禁止エリアを考慮せずに下層配線11のパターンを設計する点で、上述した禁止エリア考慮設計部4とは異なる。
【0069】
下層配線考慮MIM配置位置決定部7は、下層配線設計部6が設計したパターンを考慮して、MIMキャパシタ20の配置位置を決定するよう構成される。
【0070】
具体的には、例えば、下層配線設計部6が設計したパターンを考慮してユーザが決定したMIMキャパシタ20の配置位置の入力を、受け付けるよう構成してもよい。
【0071】
または、あらかじめMIMキャパシタ20の形状、サイズの入力を受付け、内部メモリに保持しておき、下層配線設計部6が設計したパターンを考慮して、一以上のMIMキャパシタ20の配置位置を自動的に特定する。そして、特定した一以上の配置位置の中からユーザの選択入力を受付けることで、配置位置を決定するよう構成してもよい。かかる場合、下層配線考慮MIM配置位置決定部7は、あらかじめ、MIMキャパシタ20の配置位置を特定するためのルールを保持しておき、当該ルールに従って、配置位置を特定することとなる。
【0072】
配置位置を決定するためのルールとしては、例えば、MIMキャパシタ20の上部電極23の平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内(例:100nm)のエリアに下層配線11が位置しないようなすべての配置位置を特定するようなルールであってもよい。または、前記ルールに加えて、さらに、MIMキャパシタ20の上部電極23の平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内(例:100nm)のエリアに下層配線11が位置する場合であっても、前記エリアにおける下層配線11の占有率が所定の割合以下である配置位置を特定するようなルールであってもよい。
【0073】
下層配線配置禁止エリア情報取得部2および下層配線配置禁止エリア情報保持部3については、上述した構成と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0074】
補正ルール保持部8は、下層配線設計部6で設計された下層配線11のパターンを補正するためのルールを保持するよう構成される。具体的には、補正ルール保持部8は、下層配線11の最小ピッチ、形状、大きさ、などを定めたルールを保持する。補正ルール保持部8は、不揮発性メモリで構成するのが望ましい。
【0075】
補正部9は、下層配線配置禁止エリア情報および補正ルールを利用して、下層配線設計部6で設計された下層配線11のパターンを補正するよう構成される。具体的には、補正部9は、補正ルールで定められる下層配線11の最小ピッチ、形状、大きさなどを守りながら、下層配線配置禁止エリア情報で特定されるエリアに下層配線11が位置しないよう、下層配線11のパターンを補正する。
【0076】
出力部5は、補正部9が補正した補正後の下層配線11のパターンを出力するよう構成される。なお、出力部5の構成については、上述した説明と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0077】
次に、上述した下層配線設計装置により実現される下層配線設計方法について説明する。
【0078】
本実施形態の下層配線設計方法の他の一例は、第一工程S11と、第二工程S12と、第三工程S13と、を有する。
【0079】
第一工程S11では、下層配線11のパターンを設計する。当該工程では、MIMキャパシタ20の配置位置に影響されることなく、下層配線11のパターンが設計される。当該工程は、従来の配線設計ツールを用いて実現してもよい。
【0080】
第二工程S12では、第一工程S11で設計したパターンを基に、MIMキャパシタ20の配置位置を決定する。当該工程は、例えば、下層配線設計装置に付属のディスプレイに、第一工程S11で設計した下層配線11のパターンを表示し、下層配線設計装置に付属の操作デバイス(例:十字キー、マウス、キーボード、タッチパネルなど)を用いて、ユーザからMIMキャパシタ20を配置する位置の決定入力を受付ける処理であってもよい。または、第一工程S11で設計したパターンを基に、あらかじめ定められたルールに従いMIMキャパシタ20を配置する位置の候補を特定し、その後、ユーザから、前記候補の中から一以上の選択入力を受付ける処理であってもよい。
【0081】
第三工程S13では、MIMキャパシタ20の上部電極23の平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内(例:100nm)に下層配線11が存在しないよう、あらかじめ定められた補正ルール(下層配線11の最小ピッチ、形状、大きさなど)に従い、第一工程S11で設計した下層配線11のパターンを補正する。当該工程における補正は、自動的に行う処理であってもよいし、または、ユーザから入力を受付けて行う補正であってもよい。ユーザから補正の入力を受付ける場合、受付けた補正内容があらかじめ定められた補正ルールに従ったものか判断し、判断の結果、補正ルールに従わないものである場合には、その旨を示す情報を、ディスプレイまたはスピーカを介して出力してもよい。
【0082】
上述した下層配線設計方法は、前記下層配線のパターンを設計する第一ステップと、前記第一ステップで設計した前記パターンを基に前記MIMキャパシタの配置位置を決定する第二ステップと、前記MIMキャパシタの前記上部電極の前記平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内に前記下層配線が存在しないよう、あらかじめ定められた補正ルールに従い、前記パターンを補正する第三ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムにより実現することができる。なお、上述したプログラムは、上述したすべての処理を連続的に実行するような一つのプログラムであってもよいし、または、上述した処理を処理単位で複数に分割し、前記分割単位ごとの複数のプログラムの組み合わせにより実現されるプログラムであってもよい。
【0083】
このような下層配線設計装置、下層配線設計方法、および、プログラムは、MIMキャパシタ20を搭載することは必須でないけれども、搭載できればより良い電気特性が望める回路の場合に、有効である。
【符号の説明】
【0084】
1 MIM配置位置決定部
2 下層配線配置禁止エリア情報取得部
3 下層配線配置禁止エリア情報保持部
4 禁止エリア考慮設計部
5 出力部
6 下層配線設計部
7 下層配線考慮MIM配置位置決定部
8 補正ルール保持部
9 補正部
10 下層配線層
11 下層配線
20 MIMキャパシタ
21 下部電極
22 容量誘電膜
23 上部電極
30 上層配線層
31 上層配線
40 ビア
41 ビア
50 配線キャップ膜
60 層間絶縁膜
70 ハードマスク絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の下層配線を備える下層配線層と、
前記下層配線層の上方に設けられる、下部電極と、容量誘電膜と、平面形状が前記下部電極より小さい上部電極と、を下からこの順に積層したMIMキャパシタと、
前記MIMキャパシタの上方に設けられ、ビアを介して前記下部電極および前記上部電極のそれぞれに接続する複数の上層配線を備える上層配線層と、
を備えた半導体装置であって、
前記上部電極の平面形状は矩形に構成され、
前記上部電極の平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部の直下には前記下層配線が配置されていない半導体装置。
【請求項2】
前記上部電極の前記平面いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部の直下には前記下層配線が配置されていない請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記上部電極の前記平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下から100nmの距離以内には前記下層配線が配置されていない請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記上部電極の真下に位置する前記下層配線は、
複数の直線状の前記下層配線を等間隔で配置したパターンを形成する請求項1から3のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記上層配線と前記下部電極とを接続する前記ビアは、直下に前記下層配線が配置されていない前記上部電極のエッジ部付近に配置される請求項1から4のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記上層配線と前記上部電極とを接続する前記ビアの直下には前記下層配線が配置されていない請求項1から5のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一に記載の前記半導体装置を設計するための下層配線設計方法であって、
前記MIMキャパシタの配置位置を決定する第一工程と、
配置位置が決定した前記MIMキャパシタの前記上部電極の前記平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内を下層配線配置禁止エリアとして特定する第二工程と、
前記下層配線配置禁止エリアに前記下層配線を配置しないよう前記下層配線のパターンを設計する第三工程と、
を有する下層配線設計方法。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一に記載の前記半導体装置を設計するための下層配線設計方法であって、
前記下層配線のパターンを設計する第一工程と、
前記第一工程で設計した前記パターンを基に前記MIMキャパシタの配置位置を決定する第二工程と、
前記MIMキャパシタの前記上部電極の前記平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内に前記下層配線が存在しないよう、あらかじめ定められた補正ルールに従い、前記パターンを補正する第三工程と、
を有する下層配線設計方法。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか一に記載の前記半導体装置を設計する下層配線設計装置であって、
前記MIMキャパシタの配置位置を決定するMIM配置位置決定部と、
前記MIMキャパシタの前記上部電極の前記平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内となるエリアを示す下層配線配置禁止エリア情報を取得する下層配線配置禁止エリア情報取得部と、
前記下層配線配置禁止エリア情報を保持する下層配線配置禁止エリア情報保持部と、
前記下層配線配置禁止エリア情報で特定されるエリアに前記下層配線を配置しないよう前記下層配線のパターンを設計する禁止エリア考慮設計部と、
設計した前記下層配線の前記パターンを出力する出力部と、
を有する下層配線設計装置。
【請求項10】
請求項1から6のいずれか一に記載の前記半導体装置を設計する下層配線設計装置であって、
前記下層配線のパターンを設計する下層配線設計部と、
前記下層配線設計部が設計した前記パターンを考慮して、前記MIMキャパシタの配置位置を決定する下層配線考慮MIM配置位置決定部と、
前記MIMキャパシタの前記上部電極の前記平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内となるエリアを示す下層配線配置禁止エリア情報を取得する下層配線配置禁止エリア情報取得部と、
前記下層配線配置禁止エリア情報を保持する下層配線配置禁止エリア情報保持部と、
前記下層配線設計部で設計された前記下層配線の前記パターンを補正するための補正ルールを保持する補正ルール保持部と、
前記下層配線配置禁止エリア情報および前記補正ルールを利用して、前記下層配線設計部で設計された前記下層配線の前記パターンを補正する補正部と、
補正後の前記下層配線の前記パターンを出力する出力部と、
を有する下層配線設計装置。
【請求項11】
請求項1から6のいずれか一に記載の前記半導体装置を設計するためのプログラムであって、
前記MIMキャパシタの配置位置を決定する第一ステップと、
配置位置が決定した前記MIMキャパシタの前記上部電極の前記平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内を下層配線配置禁止エリアとして特定する第二ステップと、
前記下層配線配置禁止エリアに前記下層配線を配置しないよう前記下層配線のパターンを設計する第三ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項1から6のいずれか一に記載の前記半導体装置を設計するためのプログラムであって、
前記下層配線のパターンを設計する第一ステップと、
前記第一ステップで設計した前記パターンを基に前記MIMキャパシタの配置位置を決定する第二ステップと、
前記MIMキャパシタの前記上部電極の前記平面のいずれか一以上の辺であるエッジ部、または、いずれか一組の対向する二辺であるエッジ部、の直下または前記エッジ部の直下から所定の距離以内に前記下層配線が存在しないよう、あらかじめ定められた補正ルールに従い、前記パターンを補正する第三ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−278159(P2010−278159A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128228(P2009−128228)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】