説明

半導体装置、及びその製造方法

【課題】、サイズを小さくできると共に、外部からのノイズに強く、漏洩電流が抑制された半導体装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 例えば、半導体基板10と、半導体基板10に形成されたP型のウェル10A(第1伝導型の第1領域)と、P型のウェル10A内に埋め込まれて形成されたN型のウェル10B(第2伝導型の第2領域)と、P型のウェル10A内であってN型のウェル10Bよりも上方に形成されたP型のウェル10C(第1伝導型の第3領域)と、P型のウェル10Cに形成された半導体素子20と、P型のウェル10CをN型のウェル10Bと共に取り囲むと共に、少なくとも底部がN型のウェル10Bと接触する深さを持って形成されたトレンチ型絶縁領域30と、を具備する半導体装置、及びその製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関するもので、特に、三重ウェル構造(三重構造のウェル)を持つ半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板上に形成された半導体素子(例えばMOSFET等)では、外部からのノイズや漏洩電流が基板を通じて半導体素子に影響を与え、半導体素子で構成された半導体装置に影響を及ぼす問題点があった。この問題点を解決するため、特許文献1〜2では、P型半導体基板上にnウェルを形成し、nウェルに取り囲まれたpウェル上に半導体素子(例えばnMOSFET等)を形成させ、上記nウェルによって外部からのノイズや漏洩電流を遮断する効果が得られている。また、特許文献3では深掘のディープトレンチ構造によって横からのノイズやリーク電流を低減させる方法がとられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−199825号公報
【特許文献2】特開2004−056077公報
【特許文献3】特開2004−253633公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1〜2では、第三層領域のpウェルを第二層領域であるnウェルで囲む必要があるため、各半導体素子を取り囲む素子分離層(絶縁領域)同士の距離を確保する必要がある。この素子分離層(絶縁領域)同士の距離は、概ね2μm以上の広さが必要となるため、隣合う2つの半導体素子間のスペースを小さくすることができないため、サイズ(チップサイズ)が大きくなってしまい、半導体装置にかかる製造コストが大きく上昇してしまうという課題があった。
【0005】
また、従来技術3でも、ノイズ電流を低減させることが可能であるが、深い(一例では例えば7μm)トレンチ形成と、第二導電型の第二層をエピタキシャルで生成させるため、構造が非常に難しく、製造にかかるコストが増加するという問題点があるため、低コストでサイズ(チップサイズ)が小さくできると共に、耐外部ノイズに強く、漏洩電流が抑制された半導体装置を作るのが困難であるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、サイズを小さくできると共に、外部からのノイズに強く、漏洩電流が抑制された半導体装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明の発明は、
半導体基板と、
前記半導体基板に形成された第1伝導型の第1領域と、
前記第1伝導型の第1領域内に埋め込まれて形成された第2伝導型の第2領域と、
前記第1伝導型の第1領域内であって前記第2伝導型の第2領域よりも上方に形成された第1伝導型の第3領域と、
前記第1伝導型の第3領域に形成された半導体素子と、
前記第1伝導型の第3領域を前記第2伝導型の第2領域と共に取り囲むと共に、少なくとも底部が前記第2伝導型の第2領域と接触する深さを持って形成された絶縁領域と、
を具備する半導体装置。
【0008】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、
上記本発明の半導体装置を製造するための半導体装置の製造方法であって、
半導体基板を準備する工程と、
前記半導体基板に、第1伝導型の第1領域を形成する工程と、
前記半導体基板の深さ方向に所定の深さで且つ第1伝導型の第1領域における所定の領域を取り囲むように溝を形成すると共に、当該溝に絶縁体を埋め込んで絶縁領域を形成する工程と、
前記絶縁領域の少なくとも底部と接触する深さで、前記第1伝導型の第1領域内に埋め込んで第2伝導型の第2領域を形成する工程と、
前記絶縁領域で取り囲まれた前記第1伝導型の第1領域内であって前記第2伝導型の第2領域よりも上方に第1伝導型の第3領域を形成する工程と、
前記第1伝導型の第3領域に半導体素子を形成する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、サイズを小さくできると共に、外部からのノイズに強く、漏洩電流が抑制された半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態に係る半導体装置を示す概略断面図である。
【図2】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図3】第2実施形態に係る半導体装置を示す概略断面図である。
【図4】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一例の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に同様の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を示す概略断面図である。図2は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【0013】
第1実施形態に係る半導体装置は、図1に示すように、P型の半導体基板10と、半導体基板10に形成された半導体素子20(半導体素子20A、20B)と、を有している。P型の半導体基板10は、例えば、P型のウェル10A(第1伝導型の第1領域)と、P型のウェル10A内に埋め込まれて形成されたN型のウェル10B(第2伝導型の第2領域)と、P型のウェル10A内であってN型のウェル10Bよりも上方に形成されたP型のウェル10C(第1伝導型の第3領域)と、を有する三重ウェル(三重構造のウェル)となっている。
【0014】
このような三重ウェル構造(三重構造のウェル)を持つ半導体基板10には、半導体素子20を形成するための素子形成領域を囲むためのトレンチ型絶縁領域30が、P型のウェル10Aを基板所定深さに到達するように分断して形成されている。なお、本実施形態では、簡略化するために、2つの素子形成領域40A、40Bを形成する形態を説明するが、これに限られるものではない。
【0015】
トレンチ型絶縁領域30で囲まれた素子形成領域40Aでは、P型のウェル10A内に所定の深さで局所的に存在するように埋め込まれたN型のウェル10B(第2伝導型の第2領域)が形成されている。具体的には、N型のウェル10Bは、例えば、トレンチ型絶縁領域30の少なくとも底部と接触する深さで、P型のウェル10A内に埋め込まれて形成されている。そして、N型のウェル10Bは、トレンチ型絶縁領域30で囲まれた素子形成領域40A(P型のウェル10C)よりも外側(素子形成領域40B以外の外側)へ延在して形成されている。つまり、N型のウェル10Bは、素子形成領域40Aをトレンチ型絶縁領域30と共に取り囲む部分と、素子形成領域40Aよりも外側に延在した延在部11Bとを有している。
【0016】
また、素子形成領域40Aでは、P型のウェル10A内における埋め込まれたN型のウェル10Bよりも上方に、P型のウェル10Cが形成されている。つまり、P型のウェル10Cは、トレンチ型絶縁領域30とN型のウェル10Bとで囲まれた領域に形成され、素子形成領域40Aを構成している。
【0017】
そして、トレンチ型絶縁領域30で囲まれた素子形成領域40Aを構成するP型のウェル10Cには、半導体素子20Aが形成されている。具体的には、半導体素子20Aは、例えば、P型のウェル10C内にトレンチ型絶縁領域30と隣接して形成されたソース領域21A及びドレイン領域22Aと、これらに挟まれたP型のウェル10C上に順位形成されたゲート酸化膜23A及びゲート電極24Aとで構成されている。
【0018】
一方、底部を除いてトレンチ型絶縁領域30で囲まれた素子形成領域40Bは、P型のウェル10Aで構成されている。そして、トレンチ型絶縁領域30で囲まれた素子形成領域40Bを構成するP型のウェル10Aには、半導体素子20Bが形成されている。具体的には、半導体素子20Bは、例えば、P型のウェル10A内にトレンチ型絶縁領域30と隣接して形成されたソース領域21B及びドレイン領域22Bと、これらに挟まれたP型のウェル10A上に順次形成されたゲート酸化膜23B及びゲート電極24Bとで構成されている。
【0019】
また、半導体基板10には、埋め込まれたN型のウェル10Bの延在部11Bと接触するように、N型のウェル10Bと同じ伝導型のN型のウェルからなる引出し電極31Aが形成されている。具体的には、例えば、この引出し電極31Aは、トレンチ型絶縁領域30で囲まれた素子形成領域40Aの外側(素子形成領域40B以外の外側)であって、埋め込まれたN型のウェル10Bが延在した延在部11Bと連続したN型のウェルで構成されている。
【0020】
また、半導体基板10表面には、半導体素子20を覆うように絶縁層32(例えばシリコン酸化膜や、シリコン窒化膜)が形成されている。そして、絶縁層32には、N型のウェルからなる引出し電極31Aと接続されるように、金属(例えばタングステン等)からなる引出し電極31Bが形成されている。
【0021】
以下、第1実施形態に係る半導体装置101の製造方法について説明する。
本実施形態に係る半導体装置101の製造方法では、まず、図2(A)に示すように、P型の半導体基板10を準備し、このP型の半導体基板10上の全面にP型イオン注入を行い、P型のウェル10Aを形成する。
【0022】
そして、半導体基板10表面に、レジストを塗布すると共に露光及び現像によりパターニングして所定の開口部を持つ所定の開口部を持つエッチングレジスト膜51を形成し、STI(Sharrow Trench Isoration)によりトレンチ(溝)を形成する。このトレンチ(溝)は、半導体基板10の深さ方向に所定の深さで且つP型のウェル10Aの所定の領域を取り囲むように形成する。具体的には、後に形成するN型のウェル10Bに到達(接触)する深さ(例えば、好ましくは1.5〜2μmの深さ)で、且つ2つの素子形成領域40A,40Bを囲うように形成する。そして、トレンチに、例えば、酸化膜を埋め込みトレンチ型絶縁領域30を形成する。
【0023】
次に、図2(B)に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing)によりエッチングレジスト膜51を除去すると共に半導体基板10表面を平坦化した後、半導体基板10表面に、レジストを塗布すると共に露光及び現像によりパターニングして所定の開口部を持つインプラレジスト膜52を形成する。このインプラレジスト膜52は、トレンチ型絶縁領域30により囲まれて形成された2つの素子形成領域40A、40Bのうち、素子形成領域40Bを覆うように形成する。そして、N型イオン注入を行い、P型のウェル内のうち、素子形成領域40Aと素子形成領域40Aの外側の領域であって素子形成領域40B以外の領域を所定深さ(トレンチ型絶縁領域30よりも深い領域)から基板表面にかけてN型のウエル12Bを形成する。
【0024】
ここで、N型イオン注入は、例えば、5×1012cm−2以上の濃度でリン(P)を1.6MeV〜2.2MeVのエネルギーで注入することがよい。これにより、イオン注入エネルギーが小さくて、生産量の低減を抑えつつ、N型のウエル12B(つまり、N型のウェル10B)の形成が実現される。
【0025】
次に、図2(C)に示すように、上記N型イオン注入に続いて、P型イオン注入を行う。このP型イオン注入は、N型イオン注入を行い、P型のウェル内のうち、素子形成領域40Aと素子形成領域40Aの外側の領域であって素子形成領域40B以外の領域を所定深さ(トレンチ型絶縁領域30よりも浅い領域)から基板表面にかけてP型のウエル10Cを形成する。これにより、半導体基板10の内部に埋め込まれたN型のウェル10Bも形成される。
【0026】
なお、N型のウエル10B(第2導電型の第2領域)及びP型のウェル10C(第1伝導型の第3領域)は、上記手法に限られず、例えば、N型イオン注入をP型のウェル10A(第1伝導型の第1領域)内部に局所的に行い、N型のウエル10B及びP型のウェル10Cを同時に形成する、即ち、N型イオン注入をP型のウェル10A(第1伝導型の第1領域)をN型のウエル10B(第2導電型の第2領域)により分断してP型のウェル10Cを形成してもよい。
【0027】
これらの工程を経て、素子形成領域40Aとしてトレンチ型絶縁領域30及びN型のウェル10Bに囲まれたP型のウエル10Cからなる素子形成領域40Aと、底部を除いてトレンチ型絶縁領域30に囲まれたP型のウエル10Aからなる素子形成領域40Bと、が形成される。
【0028】
次に、図2(D)に示すように、素子形成領域40A(P型のウエル10C)、及び素子形成領域40B(P型のウェル10A)上に、それぞれ、ゲート酸化膜及びゲート電極を順次形成し、これを挟むようにN型イオン注入してソース領域及びドレイン領域を形成して、半導体素子20A及び半導体素子20Bを形成する。
【0029】
次に、図2(E)に示すように、トレンチ型絶縁領域30で囲まれた素子形成領域40Aの外側(素子形成領域40B以外の外側)であって、埋め込まれたN型のウェル10Bが延在した延在部11Bから半導体基板10上面にかけて、N型イオン注入を当該N型のウェル10Bよりも高濃度で行い、N型のウェル10Bと同じ伝導型のN型のウェルからなる引出し電極31Aを形成する。そして、半導体基板10表面に、半導体素子20を覆うように酸化層や窒化層からなる絶縁層32を形成する。そして、N型のウェルからなる引出し電極31Aを露出するように、絶縁層32を貫いてコンタクトホールを形成した後、当該コンタクトホールに金属(例えばタングステン等)を埋め込み、金属からなる引出し電極31Bを形成する。
【0030】
以上により、本実施形態に係る半導体装置101が製造される。
【0031】
本実施形態に係る半導体装置101では、三重ウェル構造(三重構造のウェル)を持つ素子形成領域40Aが、トレンチ型絶縁領域30及びN型のウェル10Bで取り囲まれたP型のウェル10Cで構成されている。そして、トレンチ型絶縁領域30及びN型のウェル10Bで取り囲まれたP型のウェル10Cに半導体素子20Aが形成されている。つまり、半導体素子20Aを取り囲むトレンチ型絶縁領域30及びN型のウェル10Bは、P型のウェル10C(素子形成領域40A)外部からのノイズや、漏洩電流を遮蔽する役割を果す。これにより、半導体素子20Aに対する当該ノイズや漏洩電流の影響が抑制される。
【0032】
また、素子形成領域40Bに隣接する素子形成領域40Bには、トレンチ型絶縁領域30を介するのみで半導体素子20Bを形成することができる。つまり、トレンチ型絶縁領域30以外の領域が各素子形成領域間に介在する必要がない。このため、素子形成領域間、即ち各半導体素子間距離が短くなる。そして、トレンチ型絶縁領域30の幅を小さくする(例えば幅を1μm以下にする)ことで、各半導体素子間距離がより短くできる。このため、サイズ(チップサイズ)を縮小でき、結果、ウエハからのチップ取れ数を増やすこともできる。
【0033】
したがって、本実施形態に係る半導体装置101及びその製造方法では、サイズを小さくできると共に、外部からのノイズに強く、漏洩電流が抑制される。
【0034】
また、本実施形態に係る半導体装置101では、トレンチ型絶縁領域30で囲まれた素子形成領域40Aにおいて、埋め込まれたN型のウェル10B(第2伝導型の第2領域)がトレンチ型絶縁領域30で囲まれた素子形成領域40A(P型のウェル10C)よりも外側(素子形成領域40B以外の外側)へ延在させ、延在部11Bを持っている。そして、この延在部11Bと接触するように、N型のウェル10Bと同じ伝導型のN型のウェルからなる引出し電極31Aを形成している。このN型のウェル10Bと同じ伝導型のN型のウェルからなる引出し電極31Aにより、簡易な構成でN型のウェル10Bへ電位を付与できる。
【0035】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係る半導体装置を示す概略断面図である。図4は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【0036】
第2実施形態に係る半導体装置102では、図3に示すように、トレンチ型絶縁領域30で囲まれた素子形成領域40Aにおいて、埋め込まれたN型のウェル10B(第2伝導型の第2領域)がトレンチ型絶縁領域30で囲まれた素子形成領域40A(P型のウェル10C)よりも外側(素子形成領域40B以外の外側)へ延在させた延在部11Bに、直接接続させるように金属(例えばタングステン等)からなる引出し電極31Bが半導体基板10及び絶縁層32に形成されている。
【0037】
第2実施形態に係る半導体装置102では、第1実施形態に比べ、素子形成領域40A(P型のウェル10C)を囲むトレンチ型絶縁領域30のうち、素子形成領域40Bと隣接しない側のトレンチ型絶縁領域30幅を広げて形成し、当該広げたトレンチ型絶縁領域30内に上記金属からなる引出し電極31Bを形成している。
【0038】
そして、第2実施形態に係る半導体装置102の製造方法では、図4(A)〜図4(D)で示す工程までは、第1実施形態における図2(A)〜図2(D)で示す工程と同様に行う。但し、上記如く、第1実施形態に比べ、素子形成領域40A(P型のウェル10C)を囲むトレンチ型絶縁領域30のうち、素子形成領域40Bと隣接しない側のトレンチ型絶縁領域30幅を広げて形成する。
【0039】
次に、図4(E)に示すように、半導体基板10表面に、半導体素子20を覆うように酸化層や窒化層からなる絶縁層32を形成する。そして、
素子形成領域40A(P型のウェル10C)よりも外側(素子形成領域40B以外の外側)へ延在させた延在部11Bの一部が露出するように、半導体基板10及び絶縁層32を貫くコンタクトホールを形成した後、当該コンタクトホールに金属(例えばタングステン等)を埋め込み、金属からなる引出し電極31Bを形成する。
【0040】
以上により、本実施形態に係る半導体装置102が製造される。これら以外の構成及び製造方法は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0041】
本実施形態に係る半導体装置102では、第1実施形態と同様に、サイズを小さくできると共に、外部からのノイズに強く、漏洩電流が抑制される。
【0042】
そして、トレンチ型絶縁領域30で囲まれた素子形成領域40Aにおいて、埋め込まれたN型のウェル10B(第2伝導型の第2領域)が素子形成領域40A(P型のウェル10C)よりも外側(素子形成領域40B以外の外側)へ延在させた延在部11Bと直接接続するように、半導体基板10及び絶縁層32に金属からなる引出し電極31Bが形成されている。金属からなる引出し電極31Bにより、簡易な構成でN型のウェル10Bへ電位を付与できる。
【0043】
なお、上記何れの実施形態においても、限定的に解釈されるものではなく、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能である
【符号の説明】
【0044】
10 半導体基板
10A P型のウェル
10B N型のウェル
10C P型のウェル
11B 延在部
12B N型のウエル
20 半導体素子
20A 半導体素子
21A ソース領域
22A ドレイン領域
23A ゲート酸化膜
24A ゲート電極
20B 半導体素子
21B ソース領域
22B ドレイン領域
23B ゲート酸化膜
24B ゲート電極
30 トレンチ型絶縁領域
31A 引出し電極
31B 引出し電極
32 絶縁層
40A 素子形成領域
40B 素子形成領域
51 エッチングレジスト膜
52 インプラレジスト膜
101 半導体装置
102 半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板に形成された第1伝導型の第1領域と、
前記第1伝導型の第1領域内に埋め込まれて形成された第2伝導型の第2領域と、
前記第1伝導型の第1領域内であって前記第2伝導型の第2領域よりも上方に形成された第1伝導型の第3領域と、
前記第1伝導型の第3領域に形成された半導体素子と、
前記第1伝導型の第3領域を前記第2伝導型の第2領域と共に取り囲むと共に、少なくとも底部が前記第2伝導型の第2領域と接触する深さを持って形成された絶縁領域と、
を具備する半導体装置。
【請求項2】
前記第2伝導型の第2領域が、前記絶縁領域で取り囲まれた第1伝導型の第3領域よりも外側へ延在した延在部を有し、
前記半導体基板に前記延在部と接触して形成された第2伝導型の領域からなる引出し電極をさらに具備する請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2伝導型の第2領域が、前記絶縁領域で取り囲まれた第1伝導型の第3領域よりも外側へ延在した延在部を有し、
前記半導体基板に前記延在部と接触して形成された金属からなる引出し電極をさらに具備する請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体装置を製造するための半導体装置の製造方法であって、
半導体基板を準備する工程と、
前記半導体基板に、第1伝導型の第1領域を形成する工程と、
前記半導体基板の深さ方向に所定の深さで且つ第1伝導型の第1領域における所定の領域を取り囲むように溝を形成すると共に、当該溝に絶縁体を埋め込んで絶縁領域を形成する工程と、
前記絶縁領域の少なくとも底部と接触する深さで、前記第1伝導型の第1領域内に埋め込んで第2伝導型の第2領域を形成する工程と、
前記絶縁領域で取り囲まれた前記第1伝導型の第1領域内であって前記第2伝導型の第2領域よりも上方に第1伝導型の第3領域を形成する工程と、
前記第1伝導型の第3領域に半導体素子を形成する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2伝導型の第2領域を形成する工程が、前記絶縁領域で取り囲まれた第1伝導型の第3領域よりも外側へ延在した延在部を有するように前記第2伝導型の第2領域を形成する工程であり、
前記半導体基板に前記延在部と接触するように第2伝導型の領域からなる引出し電極を形成する工程をさらに有する請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2伝導型の第2領域を形成する工程が、前記絶縁領域で取り囲まれた第1伝導型の第3領域よりも外側へ延在した延在部を有するように前記第2伝導型の第2領域を形成する工程であり、
前記半導体基板に前記延在部へ到達する深さで溝を形成すると共に、当該溝に前記延在部と接触するように金属を埋め込んで引出し電極を形成する工程をさらに有する請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記絶縁領域を形成するための溝を、深さ1.5μm〜2.5μmで形成する請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
5×1012cm−2以上の濃度でリン(P)を1.6MeV〜2.2MeVのエネルギーで注入することにより、前記第2伝導型の第2領域を形成する請求項4に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−161108(P2010−161108A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−825(P2009−825)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(308033711)OKIセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】