説明

半導体装置とその製造方法

【課題】SGOI(110)基板上のp、n両領域で高移動度の半導体装置を実現する。
【解決手段】Si1-xGex(0.25≦x≦0.90)の(110)面を表面に有する半導体基板(1,2,3)と、(110)面上に形成されたn及びpチャネル型MISFETとを具備し、両MISFETは、[−110]方向が[001]方向より長い線状で、(311)若しくは(111)面のファセットを有する活性領域(5,6)を有し、活性領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域が形成され、nチャネル型MISFETのチャネル領域(5C)はSiで形成され、pチャネル型MISFETのチャネル領域(6C)はSi1-yGey(x<y≦1)で形成され、両MISFETのチャネル領域は、活性領域の[−110]方向に、一軸圧縮ひずみを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SiGe層の(110)面上に形成され、<−110>方向を電流方向とし、一軸性ひずみを有するMISFETに関する。
【背景技術】
【0002】
高い駆動力を有する微細MISFET(metal insulator semiconductor field effect transistor)として、これまでにSi(100)基板上に、酸化やエッチング等のプロセスにより形成したSi,Ge,SiGeをチャネルに用いた細線型MISFETや、Fin型MISFETが提案されている。
【0003】
例えば、酸化濃縮法を用いて作製された完全ひずみSGOI(silicon germanium on insulator)層の(100)面を、<110>方向に長くFin型にメサ加工し、Fin側面の(110)面を一軸ひずみチャネルとして利用したpMOSFET(非特許文献1参照)や、SSOI(strained silicon on insulator)基板の(100)面を用いて<110>方向に長くFin加工し、一軸ひずみチャネルnMOSFETを実現した例(非特許文献2参照)がある。
【0004】
これらは、基板の(100)面上にFin構造を作製し、その過程で弾性的な一軸応力緩和を利用し、一軸ひずみチャネルを実現しているものであり、同一基板上にp、n両方のMISFETを作製し、相補型MISFETを構成するのは困難であった。
【0005】
また、特許文献1では、バルクSi基板上に形成された、バルク緩和SiGe積層基板上に、2軸引っ張りひずみを持つSi−nMOS領域と、二軸圧縮ひずみを持つSiGe或いはGe−pMOS領域からなるCMOSFETが提案されているが、一軸ひずみやチャネル形状に関する記述や、特に面方位の指定はない。
【0006】
また、特許文献2では、SGOI上もしくは、バルク緩和SiGe積層基板上に、二軸引っ張りひずみを持つSi−nMOS領域と、二軸圧縮ひずみを持つSiGe或いはGe−pMOS領域からなるCMOSFETが提案されているが、これも、一軸ひずみやチャネル形状に関する記述はない。
【非特許文献1】T. Irisawa; IEDM2005, p457
【非特許文献2】T. Irisawa; IEDM2006, p725
【特許文献1】特表2007−515808号公報
【特許文献2】特開2000−286418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
pチャネル型、nチャネル型MISFETにおいて、それぞれ移動度の高い[−110]方向にチャネル方向をとる場合、基板の(100)面上では、pチャネル型,nチャネル型両方について、高移動度を実現するのは困難であった。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、pチャネル型,nチャネル型の両方が同一基板上に形成され、高移動度を有する半導体装置、およびその製造方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の半導体装置の第1は、Si1-xGex(0.25≦x≦0.90)の(110)面を表面に有する半導体基板と、前記(110)面上に形成されたnチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETとを具備し、前記nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETは、[−110]方向が[001]方向より長い線状で、(311)若しくは(111)面のファセットを有する活性領域を有し、前記活性領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域が形成され、前記nチャネル型MISFETのチャネル領域はSiで形成され、前記pチャネル型MISFETのチャネル領域はSi1-yGey(x<y≦1)で形成され、前記nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETのチャネル領域は、前記活性領域の[−110]方向に、一軸圧縮ひずみを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の半導体装置の第2は、Si1-xGex(0≦x≦1)の(110)面を表面に有する半導体基板と、前記(110)面上に形成されたnチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETとを具備し、前記nチャネル型MISFETは、(311)若しくは(111)面にファセットを有する活性領域を有し、前記活性領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域が形成され、前記pチャネル型MISFETは、[−110]方向が[001]方向より長い線状で、(311)若しくは(111)面のファセットを有する活性領域を有し、前記活性領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域が形成され、前記nチャネル型MISFET及び前記pチャネル型MISFETのチャネル領域は前記Si1-xGex より格子定数の大きいIII−V属化合物で形成され、前記nチャネル型MISFETのチャネル領域は歪が等方緩和され、前記pチャネル型MISFETのチャネル領域は、前記活性領域の[−110]方向に一軸圧縮ひずみを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の半導体装置の第3は、Si1-xGex(0≦x≦0.90)の(110)面を表面に有する半導体基板と、前記(110)面上に形成されたnチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETとを具備し、前記nチャネル型MISFETは、(311)若しくは(111)面のファセットを有する活性領域を有し、前記活性領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域が形成され、前記pチャネル型MISFETは、[−110]方向が[001]方向より長い線状で、(311)若しくは(111)面のファセットを有する活性領域を有し、前記活性領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域が形成され、前記nチャネル型MISFETのチャネル領域はIII−V属化合物で形成され、前記前記pチャネル型MISFETのチャネル領域はSi1-yGey(x<y≦1)で形成され、前記nチャネル型MISFETのチャネル領域は歪が等方緩和され、前記pチャネル型MISFETのチャネル領域は、前記活性領域の[−110]方向に一軸圧縮ひずみを有することを特徴とする。
【0012】
本発明における半導体装置の製造方法の第1は、Si1-xGex(0≦x≦1)の(110)面を表面に有する半導体基板を準備する工程と、前記(110)面上に、前記半導体基板と異なる組成であり、[−110]方向が[001]方向より長く、(311)若しくは(111)面のファセットを有する線状半導体領域を、選択成長法で形成し、チャネル領域の[−110]方向に一軸圧縮ひずみを付与する工程と、前記線状半導体領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域を形成する工程とを具備することを特徴とする。
【0013】
また、本発明における半導体装置の製造方法の第2は、Si1-xGex(0.25≦x≦0.90)の(110)面を表面に有する半導体基板を準備する工程と、前記(110)面上に、[−110]方向が[001]方向より長く、(311)若しくは(111)面のファセットを有する、Siからなる線状半導体領域とSi1-yGey(x<y≦1)からなる線状半導体領域を、選択成長法で形成する工程と、夫々の前記線状半導体領域を選択成長で形成する工程の後に、成長条件を横方向成長モードに変え、上面が底面より広く、かつ上面が平面状の線状半導体領域を形成する工程と、夫々の前記線状半導体領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域を形成する工程とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
少なくともp型領域において、最適電流方向に一軸ひずみを有するチャネルが形成され、p型、n型両方の領域において、高移動度のチャネルが同一基板の(110)面上に形成された相補型MISFETが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る相補型MISFETの構成を示す図で、(a)は断面図、(b)は上面図で、(b)のA−A´線に沿った断面が(a)に相当する。第1の実施形態の相補型MISFETは、シリコンゲルマニウム・オン・インシュレーター基板(以下SGOI基板と称する)上に、n型、p型両方の領域において、最適電流方向に一軸圧縮ひずみを有するチャネルを持った相補型MISFETである。
【0017】
図1(a)において、シリコン基板1上にシリコン酸化膜2を介してシリコンゲルマニウム層(SGOI層、但しGe濃度xは,0.25<x<0.9とする)3が形成されている。この構成をSGOI基板と称するが、SGOI基板は酸化濃縮法で作製されたものでもよいし、貼りあわせ法で作製されたものでもよい。SGOI層3上には、シリコン酸化膜4が形成され、シリコン酸化膜4に選択的に形成された長方形の開口部にSi層5とGe層6が選択成長されている。この長方形の開口部は、図1(b)の10に相当する。
【0018】
ここで、SGOI層3上の成長面は(110)面であり、その表面上に、[−110]方向に長く、それに直交する[001]方向に短い、長方形の成長窓(開口部)10が形成されている。その窓の大きさは短辺が10nmから30nm程度で、アスペクト比は4から7程度である。SGOI層3がSi層5とGe層6に歪を印加しており、Ge濃度xが上述の範囲であることにより、Si層5およびGe層6を通過するチャネルの移動度を向上できる。Ge層6は、Si1-yGey(x<y<1)層であっても構わないが、移動度向上の観点から、y=1のGe層6であることが好ましい。また、選択成長の容易性の観点からも、y=1のGe層6が好ましい。
【0019】
その窓の部分には、CVD(chemical vapor deposition)法などで選択成長法により、線状シリコン領域5、線状ゲルマニウム領域6が形成されている。この線状シリコン領域5、線状ゲルマニウム領域6は、後に活性領域となる領域であるが、チャネルとなる領域に(311)ファセットや(111)ファセットが形成されるような条件、例えばSiチャネルの場合は600℃、1Paで、Geチャネルの場合は400℃、1Paで成長されたものである。そのため、[−110]方向に垂直な断面は、略台形状となる。
【0020】
このとき、これらの成長層は、この方位の成長層特有の性質として、[−110]方向に比べ[001]方向に、弾性的にも塑性的にも格子緩和しやすいという性質を持つ。本実施形態では、さらに[−110]方向に長く[001]方向に短い矩形窓を使用すること、および成長中も原子が動きやすい状況、つまりファセット形成しやすい状況で、チャネル層を形成する。これにより、弾性的にも塑性的にも[001]方向に格子緩和する効果を促進できる。このため、格子緩和の一軸性を向上させることができ、表面の歪が開放され、表面が滑らかになることにより、電流駆動力が向上する。
【0021】
一方、[−110]方向には、結晶構造的に、ファセットも格子欠陥も生じにくい構造であるため、電流駆動力を低下させる要因にはならない。また、pチャネル、nチャネル両方において、電流方向となる[−110]方向に一軸圧縮ひずみを有するとき、最もキャリア移動度が高いため、高速相補型MISFETとして、最適な構造と考えられる。
【0022】
線状シリコン領域5、線状ゲルマニウム領域6のチャネル領域5C 、6Cの上には、ゲート絶縁膜としてのゲルマニウム酸窒化膜7、シリコン酸窒化膜8が形成され、その上にはこれらを跨ぐゲート電極11が形成されている。なお、シリコン領域5、ゲルマニウム領域6のソース・ドレイン領域を5S、5D,6S,6Dと表示している。
【0023】
次に、本実施形態の相補型MISFETの製造方法を説明する。まず、基板として上面に(110)面を有するSGOI基板を用意する(以後SGOI(110)と記載する)。SGOI(110)基板は、シリコン基板1、シリコン酸化膜2、SGOI(110)層3が積層されたもので、良く知られた貼りあわせ法や酸化濃縮法により作製される。SGOI(110)層3の膜厚は、例えば50nmとする。次いで、図2に示すように、SGOI層3上に、シリコン酸化膜4を30nm形成する。なお、図2の右横の表示は、面に垂直方向が[−110]方向であることを表わす。
【0024】
次に、図3に示すように、長方形の窓が形成されたレジストマスク13をシリコン酸化膜13上に形成する。このレジストマスク13を使用して、CDE(chemical dry etching)やRIE(reactive ion etching)等の異方性エッチングにより、図4に示すように、シリコン酸化膜4に開口部10を形成する。この長方形の窓は電流方向である[−110]方向に長く、[001]方向は短く設定する。例えば、[001]方向の短辺は10〜30nmでアスペクト比は4〜7とする。本実施形態では短辺は25nm、[−110]方向の長辺は125nmとする。
【0025】
次に、図5に示すように、開口部10に露出したSGOI層3の上に、活性領域となるシリコン領域5を選択成長法で形成する。このシリコン領域5には、nチャネルMISFETが形成される。このとき、選択性の高い成長条件、つまり基板上で原料分子が動き易い条件で成膜することにより、(311)面や(111)面にファセット形成を伴う、一軸ひずみチャネル領域の形成が可能となる。ここでは、ジクロロシランもしくは、モノシランと塩素の混合ガスによるCVD法で、成長温度600℃、成長圧力0.1Pa程度で20nm成長させる。
【0026】
次に、図6に示すように、全面にTEOS(tetraethoxysilane)からCVD堆積させたSi酸化膜、またはLTO(low temperature oxide)による保護膜14を50nm形成し、その上にシリコン領域5のチャネル領域に相当する部分を開口したレジストマスク15aを形成する。このマスク15aを介して、チャンネルドープとしてn型不純物(例えば、As,P,Sb等)を、不純物濃度1×1015/cm3 程度でイオン注入する。
【0027】
続いて、図7に示すように、ソース・ドレイン領域形成用の開口部17を有するレジストマスク16を堆積し直して、n型不純物(例えば、As,P,Sb等)を不純物濃度1×1020/cm3 程度でイオン注入する。図8に示すように、レジストマスク16を除去後、活性化アニールとして、RTA(rapid thermal annealing)を900℃10秒程度行う。これにより、ソース・ドレイン領域5S、5Dが形成される。
【0028】
次に、図9に示すように、TEOSまたはLTOによる保護膜14の上に、p型領域形成用の開口部を有するレジストマスク18を形成する。開口部の大きさは、n型領域と同様に、短辺が25nmで、長辺が125nmの長方形とする。
【0029】
このレジストマスク18を用いて、図10に示すように、保護膜14、シリコン酸化膜4を異方性エッチングし、開口部19を設けてSGOI層3の表面を露出させる。この露出されたSGOI層3の上に、図11に示すように、Ge若しくは成長基板となるSGOI層よりGe組成の大きいSiGeでp型領域を形成する。
【0030】
より詳細には、n型領域のシリコン成長時と同様、選択性の高い成長条件、つまり基板上で原料分子が動きやすい条件で成膜することにより、(311)面や(111)面にファセット形成を伴う、一軸ひずみチャネル領域の形成が可能となる。ここでは、モノゲルマンによるCVD法(成長温度300℃から400℃、成長圧力0.1Paから1Pa程度)でp型領域を20nm形成する。
【0031】
次に、図12に示すように、全面にTEOS又はLTOによる保護膜20を堆積し(但し、保護膜14上では一体化する)、p型領域のチャネル領域部分に対し、チャンネルドープとしてp型不純物(例えば、B,Ga等)を、不純物濃度1×1015/cm3 程度でイオン注入する。
【0032】
次に、図13に示すように、ソース・ドレイン領域形成用の開口部20を有するレジストマスク21を堆積して、p型不純物(例えば、B,Ga等)を不純物濃度1×1020/cm3 程度でイオン注入する。なお、図13(a)は図13(b)のB−B´線に沿った断面図である。続いて、図14に示すように、レジストマスク21を除去後、活性化アニールを、350〜400℃、20分程度行い、保護膜14を除去する。これにより、ソース・ドレイン領域6S、6Dが形成される。
【0033】
その後、図15に示すように、シリコン領域5のチャネル領域5C、ゲルマニウム領域6のチャネル領域6Cを酸窒化して、ゲート絶縁膜として、SiON膜7、GeON膜8を形成する。ゲート絶縁膜はこれに限るものではなく、堆積シリコン酸化膜や堆積シリコン酸窒化膜、HfSiON、HfO2 、LaAlO、ZrO2 、La2 Hf27 、ZrSiONなどのHigh-k材料等を使用することができる。
【0034】
その後、ゲート電極9として、ポリシリコンゲートや、NiSix、PtSiなどのシリサイドゲート、もしくはTiN、TaCなどのメタルゲートの形成を形成し、図1に示す相補型MISFETを得る。
【0035】
以上、第1の実施形態によれば、n型、p型両方の領域において、最適電流方向に一軸圧縮ひずみを有するチャネルが、同一(110)基板上に形成された相補型MISFETが実現される。
【0036】
(第2の実施形態)
図16は、第2の実施形態に係る相補型MISFETの構成を示す図で、(a)は断面図、(b)は上面図で、上面図のA−A´線に沿った断面が(a)に示される。第2の実施形態では、第1の実施形態において不純物注入によって形成されたソース・ドレイン領域を、シリサイデーションおよびジャーマナイデーションにより、メタルソース・ドレイン領域を形成する。即ち、図16(a)はチャネル領域を切った断面であるから図1(a)と同じであるが、図16(b)の5S、5D,6S,6Dの部分が異なる。その他の部分は、第1の実施形態と同じであるので、同一番号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
次に、第2の実施形態に係る半導体素子の製造方法を説明する。第1の実施形態における図2〜6の工程を、第1の実施形態と同様に実施する。図7のソース・ドレイン領域の窓開け工程は、ここでは行なわず、図8〜12の工程を進める。続く図13の工程において、シリコン領域5とゲルマニウム領域6双方のソース・ドレイン領域を開口する窓(シリコン領域の窓は不図示)をドライエッチングで開口する。
【0038】
次に、上記の窓にスパッタ法でNiを堆積し、シリサイデーションを行うことにより、nチャネルMIS領域のソース・ドレイン領域5S、5DをNiSix(1<x<2)とする。さらに、pチャネルMIS領域は、ジャーマナイデーションにより、ソース・ドレイン領域6S、6DをNiGe(1<x<2)とする。以上によりメタルソース・ドレイン領域が形成される。シリサイデーション或いはジャーマナイデーションの温度は、350℃から400℃程度とする。
【0039】
その後は、保護膜14を除去し、第1の実施形態における図15以降の工程を、同様に実施することにより、図16に示す半導体装置を得る。
【0040】
以上、第2の実施形態によっても、n型、p型両方の領域において、最適電流方向に一軸ひずみを有するチャネルが、同一(110)基板上に形成された相補型MISFETが実現される。
【0041】
(第3の実施形態)
図17は、第3の実施形態に係る相補型MISFETの構成を示す図で、(a)は断面図、(b)は上面図で、図17(b)のA−A´線に沿った断面図が図17(a)になる。図中22,23が長方形の細状シリコン領域で、22C 、23C がチャネル領域、22S、23S、22D、23Dがソース・ドレイン領域、25はゲート絶縁膜、26はゲート電極である。
【0042】
但し、図17(b)では、図の煩雑化を避けるために、図17(a)に表示されている絶縁膜25を省いて図示している。実際には、ゲート電極26の下及び基板全面には絶縁膜25が形成されている。その他は、第1若しくは第2の実施形態と同様なので、図1若しくは図16と同一部分には同一番号を付して、詳細な説明は省略する。
【0043】
第3の実施形態は、第1若しくは第2の実施形態の変形例で、選択成長によるチャネル構造を変化させたものである。即ち、細線状シリコン領域23の成長中に、成長条件を変えて横方向成長(ELO)させ、表面が平面で、且つ一軸ひずみを有するチャネル領域22C 、23C を作製したものである。横方向成長は、選択性の強い成長条件から選択性の劣る条件へ成長条件を変化させるもので、一般的には、より低温で高圧な条件に成長条件を変化させるとELO(epitaxial lateral overgrowth)が可能となる。横方向成長の結果、[−110]方向に垂直な細線状シリコン領域23の断面は、上面が下面より広く、かつ上面が平坦なT字型になる。
【0044】
次に、本実施例の相補型MISFETの作製方法を説明する。先ず、第1の実施形態における図2〜図5の工程を、第1の実施形態と同様に実施する。即ち、図4のレジスト13を除去して、図5に示すように、窓の部分にnチャネル用Si領域を成長させる。より詳細には、CVD等の選択成長法により、線状シリコン領域(6)を(311)ファセットや(111)ファセットが形成できる条件、例えば600℃、1Paで成長させる。
【0045】
次に、図18に示すように、成長条件を横方向モードに変更し、絶縁膜4の上まで成長させ、平面型のnチャネルSi領域22を形成する。より詳細には、ソースガスをモノシランやジシランのみにして、圧力を20〜100Pa程度に増加させる。また、RTCVD(rapid thermal CVD)の場合は、急速に温度を変化することができるので、成長温度を500〜550℃程度に低下させる。
【0046】
次に、図19に示すように、全面にTEOSやLTO等による保護膜14を100nm程度形成し、n型不純物をチャネルドープする。ドープした不純物の活性化アニールを実施した後、図20に示すように、pチャネル領域形成用の窓を有するレジストマスク27を形成する。このレジストマスク27を用いて、図21に示すように、CDEやRIEの異方性エッチングで、保護膜14及びシリコン酸化膜4に窓を開ける。
【0047】
次に、レジストマスク27及び保護膜14を除去し、図22に示すように、厚さ数nmの熱酸化膜28を形成する。続いて、図23に示すように、pチャネル領域をマスクするレジスト29を形成する。続いて、図24に示すように、nチャネル領域保護用のシリコン窒化膜30を20nm形成する。
【0048】
次に、図25に示すように、レジスト29及びその下の熱酸化膜28をエッチング等で除去し、SGOI層3を露出させる。続いて、nチャネル領域形成時と同様に、選択成長及び横方向成長を利用して、pチャネル領域を形成する。
【0049】
より詳細には、選択成長時は、第1の実施形態と同様に、モノゲルマンによるCVD法で、成長温度300〜400℃、成長圧力0.1〜1Paでゲルマニウム領域23を成長させる。横方向成長に切り替えるときは、圧力を100〜1000Pa程度まで増加させる。
【0050】
ここで、横方向成長により形成される平面上チャネル領域においても、[−110]方向の成長が[001]方向の成長に比べ極端に遅く、下部の選択成長で作製された領域の一軸ひずみは保たれるため、[001]方向に比べて[−110]方向には弾性的にも塑性的にも緩和しにくいという性質をもつ。
【0051】
次に、図27に示すように、TEOSやLTO等によりpチャネル用保護膜31を形成する。pチャネルドープ実施後、活性化アニールを行い、保護膜31、シリコン窒化膜30、シリコン酸化膜28をエッチング等で除去する。
【0052】
次に、図29に示すように、p及びnチャネル領域の接合部分の素子分離絶縁膜(STI)32を形成し、p及びnチャネル領域を分離する。その後、この平面型チャネル領域上に酸化、窒化、酸窒化等で、もしくはHigh-k材料等でゲート絶縁膜25を形成し、ゲート電極26を形成する。その後、第2の実施形態とシリサイデ−ション及びジャーマナイデーションにより、メタルソース・ドレイン領域22S、22D、23S,23Dを形成する。その後、通常のCMIS形成行程を実施して、相補型MISFETを形成する。
【0053】
以上、第3の実施形態によっても、n型、p型両方の領域において、最適電流方向に一軸ひずみを有するチャネルが、同一(110)基板上に形成された相補型MISFETが実現される。加えて、ソース・ドレイン領域の表面が平坦なので、配線工程等の上層形成が容易になる。
【0054】
(第4の実施形態)
図30は第4の実施形態に係る相補型MISFETの構成を示す図で、(a)は断面図、(b)は上面図、(b)のA−A´線に沿った断面が図30(a)である。第1の実施形態で示した相補型MISFETにおいて、SGOI層3(Ge濃度xは0≦x≦1)とし、pチャネル、nチャネルにともにSGOI層3より格子定数の大きい化合物半導体でチャネルを形成することにより、更なる移動度向上が期待できる。第4の実施形態はこのような構成を示す。図30において、44がnチャネル化合物半導体領域、45がpチャネル化合物半導体領域、43.44がゲート絶縁膜、45がゲート電極である。その他は、第1の実施形態と同じなので、同一箇所には同一番号を付して、重複する説明を省略する。
【0055】
化合物半導体として、本実施形態ではインジウム・アンチモン(InSb)を使用するが、GaAs,InP,InAs,AlAsや、それらの3元系であるAlGaAs、InAlAs等を使用することもできる。化合物半導体領域に、一軸圧縮性のひずみ印加することにより、正孔移動度の向上、つまり高移動度pチャネルが形成可能となり、それとは別に等方緩和領域を形成することにより、電子移動度の向上、即ち高移動度nチャネルが形成可能となる。
【0056】
なお、格子定数の大小関係については、凡そ次式に示すとおりである。
Si<Ge〜GaAs<(AlAs、InSb、InP、InAs)
したがって、SGOI層3より格子定数の大きいIII−V属化合物をチャネルに用いることにより、材料そのものの特性として移動度向上が可能になるだけでなく、pチャネルの移動度向上に充分な歪を印加することができる。
【0057】
次に、本実施形態の相補型MISFETの作製方法を説明する。先ず、第1の実施形態における図2と同様に、SGOI(110)基板上にシリコン酸化膜4を形成する。続いて、図31に示すように、nチャネル用半導体領域を形成するための窓46と、pチャンネル半導体領域用窓47を有するレジストマスク48を、シリコン酸化膜4上に形成する。
【0058】
ここで、nチャネル領域の窓46には、例えば短辺が50nmでアスペクト比が1から2程度の長方形もしくは正方形の窓を形成し、pチャネル領域用の窓47には、第1の実施形態と同様[−110]方向に長く、[001]方向に短い長方形、例えば短辺が25nmで、長辺が125nm程度の窓を形成する。アスペクト比については、nチャネル領域の窓46に比して、pチャネル領域用の窓47がより大きくなる。
【0059】
次に、図32に示すように、レジストマスク48を使用して、CDEやRIEの異方性エッチングにより、シリコン酸化膜4をエッチングして、SGOI層3の表面を露出する。
【0060】
次いで、図33に示すように、pチャネル用の窓42の領域には、電流方向である[−110]方向に一軸圧縮ひずみをもつチャネル領域を、MOCVD(metal organic CVD)法で300〜400℃、3000Pa程度の成長条件で成長させる。一方、nチャネル用の窓41には、成長界面での組成変形を有効に活用することにより、等方的に格子緩和させたチャネル領域を、pチャネル形成時に同時に選択成長法で形成する。
【0061】
上記の両チャネル領域の形成において、選択性の高い成長条件、つまり基板上で原料分子が動きやすい条件で成膜することにより、(311)面や(111)面にファセットが形成される。この時、p型領域には一軸圧縮ひずみチャネル領域が形成される。その後、チャネルドーピング、活性化アニールを実施する。
【0062】
次に、図34に示すように、堆積シリコン酸化膜や堆積シリコン酸窒化膜、HfSiON、HfO2、LaAlO、ZrO2、La2Hf27、ZrSiONなどのHigh-k材料等の絶縁膜43,44を形成する。
【0063】
その後、TiN、TaCなどのメタルゲート電極45を形成する。さらに、Ni,Pt,Au,AuGe,Ti等を、ソース・ドレイン領域上に堆積し熱反応させることにより、化合物チャネル領域41C,42Cに対してオーミック特性を示すアロイメタルによりソース・ドレイン領域41s、41D、42S、42Dを形成する。このようにして、図30に示す相補型MISFETを得る。
【0064】
以上、第4の実施形態においては、化合物半導体を使用することにより、p型領域においては、最適電流方向に一軸ひずみを有するチャネルが、n型領域においてはひずみが等方緩和されたチャネルが形成され、p型、n型とも高移動度のチャネルを有する相補型MISFETが実現される。
【0065】
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、SGOI層3のGe濃度xを0≦x≦0.90とし、pチャネル半導体領域がGeで形成されるのを除けば、第4の実施形態と構成は同じであり、製造法が異なる。第4の実施形態では、pチャネル半導体領域とnチャネル半導体領域を同時に選択成長させたが、第5の実施形態では、pチャネル半導体領域を先作りし、nチャネル半導体領域は後から形成する。完成品の構造は第4の実施形態と同じなので、図30を援用し、構造の詳細な説明を省略する。
【0066】
次に、本実施形態の作製方法を説明する。先ず、第1の実施形態における図2と同様に、SGOI基板上にシリコン酸化膜4を形成する。続いて、図35に示すように、pチャンネル半導体領域用窓49を有するレジストマスク50を、シリコン酸化膜4上に形成する。
【0067】
ここで、pチャネル領域用の窓49には、第1の実施形態と同様[−110]方向に長く、[001]方向に短い長方形、例えば短辺が25nmで、長辺が125nm程度の窓を形成する。
【0068】
次に、図36に示すように、レジストマスク50を使用して、CDEやRIEの異方性エッチングにより、シリコン酸化膜4をエッチングして、SGOI層3の表面を露出する。
【0069】
次いで、図37に示すように、pチャネル様の窓49の領域には、電流方向である[−110]方向に一軸圧縮ひずみをもつチャネル領域を、MOCVD法で300〜400℃、1Pa程度の成長条件で成長させる。この時、選択性の高い成長条件、つまり基板上で原料分子が動きやすい条件で成膜するので、(311)面や(111)面にファセットが形成される。この時、p型領域には一軸圧縮ひずみチャネル領域が形成される。その後、以下に示すようにチャネルドーピング、活性化アニールを実施する。
【0070】
図38に示すように、全面にTEOSまたはLTOによる保護膜14を堆積し、その上にpチャネルイオン注入用窓51を有するレジストマスク52を形成する。次いで、レジストマスク52を用いて、不純物濃度1×1015/cm3 程度でpチャネルイオン注入を行う。
【0071】
次に、図39に示すように、ソース領域用窓53、ドレイン領域用窓54を有するレジストマスク55を形成する。レジストマスク55を用いて、ソース・ドレイン領域形成のためのイオン注入を不純物濃度1×1020/cm3 程度で行う。その後、レジスト55を剥離し、400℃、10分程度の活性化アニールを行う。
【0072】
次に、図40に示すように、nチャネル用半導体領域を形成するための窓57を有するレジストマスク58を、保護膜14上に形成する。nチャネル領域の窓57は、例えば短辺が50nmでアスペクト比が1から2程度の長方形もしくは正方形とする。
【0073】
次に、図41に示すように、レジストマスク48を使用して、CDEやRIEの異方性エッチングにより、シリコン酸化膜4をエッチングして、SGOI層3の表面を露出する。
【0074】
次いで、図42に示すように、nチャネル用の窓56に、成長界面での組成変形を有効に活用することで、等方的に格子緩和させたチャネル領域を、MOCVD法等により300〜400℃、3000Pa程度の成長条件の選択成長法で形成する。このとき、選択性の高い成長条件、つまり基板上で原料分子が動きやすい条件で成膜するので、(311)面や(111)面にファセットが形成される。
【0075】
次に、図43に示すように、nチャネルドーピングのために、TEOS等の保護膜58を堆積させ、その上からn型不純物を不純物濃度1×1015/cm3 程度で注入し、活性化アニールを実施する。活性化アニール後、保護膜58,14を剥離して、図44に示す構造を得る。
【0076】
次に、図45に示すように、堆積シリコン酸化膜や堆積シリコン酸窒化膜、HfSiON、HfO2、LaAlO、ZrO2、La2Hf27、ZrSiONなどのHigh-k材料等の絶縁膜43,44を形成する。
【0077】
その後、第4の実施形態と同様に、TiN、TaCなどのメタルゲート電極45を形成し、化合物チャネル領域41C,42Cに対しオーミック特性を示すアロイメタルによりソース・ドレイン領域41s、41D、42S、42Dを形成して、図30に示す相補型MISFETを得る。
【0078】
以上、第5の実施形態においては、n型領域に化合物半導体を使用し、p型領域においてはGeを使用することにより、最適電流方向に一軸ひずみを有するチャネルが形成され、n型領域においてはひずみが等方緩和されたチャネルが形成され、n型、p型とも高移動度のチャネルを有する相補型MISFETが実現される。
【0079】
以上、本発明を実施形態を通じて説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々な発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す図で、(a)は断面図、(b)は上面図、(b)のA−A´線に沿った断面が(a)になる。
【図2】第1の実施形態の半導体装置の作製方法を説明する為の断面図。
【図3】図2に続く工程の断面図。
【図4】図3に続く工程の断面図(a)、及び上面図(b)。
【図5】図4に続く工程の断面図(a)、及び上面図(b)。
【図6】図5に続く工程の断面図。
【図7】図6に続く工程の断面図(a)、及び上面図(b)。
【図8】図7に続く工程の断面図。
【図9】図8に続く工程の断面図。
【図10】図9に続く工程の断面図。
【図11】図10に続く工程の断面図。
【図12】図11に続く工程の断面図。
【図13】図12に続く工程の断面図(a)、及び上面図(b)。
【図14】図13に続く工程の断面図(a)、及び上面図(b)。
【図15】図14に続く工程の断面図。
【図16】第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示す図で、(a)は断面図、(b)は上面図、(b)のA−A´線に沿った断面が(a)になる。
【図17】第3の実施形態に係る半導体装置の構成を示す図で、(a)は断面図、(b)は上面図、(b)のA−A´線に沿った断面が(a)になる。
【図18】第3の実施形態の半導体装置の作製方法を説明する為の断面図。
【図19】図18に続く工程の断面図。
【図20】図19に続く工程の断面図。
【図21】図20に続く工程の断面図。
【図22】図21に続く工程の断面図。
【図23】図22に続く工程の断面図。
【図24】図23に続く工程の断面図。
【図25】図24に続く工程の断面図。
【図26】図25に続く工程の断面図。
【図27】図26に続く工程の断面図。
【図28】図27に続く工程の断面図。
【図29】図28に続く工程の断面図。
【図30】第4及び第5の実施形態に係る半導体装置の構成を示す図で、(a)は断面図、(b)は上面図、(b)のA−A´線に沿った断面が(a)になる。
【図31】第4の実施形態の半導体装置の作製方法を説明する為の断面図。
【図32】図31に続く工程の断面図(a)、及び上面図(b)。
【図33】図32に続く工程の断面図(a)、及び上面図(b)。
【図34】図33に続く工程の断面図(a)、及び上面図(b)。
【図35】図34に続く工程の断面図。
【図36】図35に続く工程の断面図(a)、及び上面図(b)。
【図37】図36に続く工程の断面図(a)、及び上面図(b)。
【図38】図37に続く工程の断面図(a)、及び上面図(b)。
【図39】図38に続く工程の断面図(a)、及び上面図(b)。
【図40】図39に続く工程の断面図。
【図41】図40に続く工程の断面図。
【図42】図41に続く工程の断面図。
【図43】図42に続く工程の断面図。
【図44】図43に続く工程の断面図。
【図45】図44に続く工程の断面図。
【符号の説明】
【0081】
1…Si基板
2、4、28、32…SiO2
3…SGOI層(110)
4,14、20、58…保護膜
5、22、41…nチャネル型素子領域
5c、22C、41C …nチャネル型素子チャネル領域
5S、22S、41S …nチャネル型素子ソース領域
5D、22D、41D …nチャネル型素子ドレイン領域
6、23、42…pチャネル型素子領域
6c、23C、42C …pチャネル型素子チャネル領域
6S、23S、42S …pチャネル型素子ソース領域
6D、23D、42D …pチャネル型素子ドレイン領域
7,8、25…ゲート絶縁膜
9、…ゲート電極
10、17、19、46,47、49,51、56…開口部
13、15,16、18、21、27、29、48、52,55、57…レジスト膜
30…SiN膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si1-xGex(0.25≦x≦0.90)の(110)面を表面に有する半導体基板(1,2,3)と、
前記(110)面上に形成されたnチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETとを具備し、
前記nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETは、[−110]方向が[001]方向より長い線状で、(311)若しくは(111)面のファセットを有する活性領域を有し、
夫々の前記活性領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域が形成され、
前記nチャネル型MISFETのチャネル領域はSiで形成され、
前記pチャネル型MISFETのチャネル領域はSi1-yGey(x<y≦1)で形成され、
前記nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETのチャネル領域は、前記活性領域の[−110]方向に、一軸圧縮ひずみを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記活性領域の[−110]方向に直交する断面は、台形型若しくは上面が下面より広い平面のT字型であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
Si1-xGex(0≦x≦1)の(110)面を表面に有する半導体基板と、
前記(110)面上に形成されたnチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETとを具備し、
前記nチャネル型MISFETは、(311)若しくは(111)面のファセットを有する活性領域を有し、前記活性領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域が形成され、
前記pチャネル型MISFETは、[−110]方向が[001]方向より長い線状で、(311)若しくは(111)面のファセットを有する活性領域を有し、前記活性領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域が形成され、
前記nチャネル型MISFET及び前記pチャネル型MISFETのチャネル領域は、前記Si1-xGex より格子定数の大きいIII−V属化合物で形成され、
前記nチャネル型MISFETのチャネル領域は歪が等方緩和され、前記pチャネル型MISFETのチャネル領域は、前記活性領域の[−110]方向に一軸圧縮ひずみを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
Si1-xGex(0≦x≦0.90)の(110)面を表面に有する半導体基板と、
前記(110)面上に形成されたnチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETとを具備し、
前記nチャネル型MISFETは、(311)若しくは(111)面のファセットを有する活性領域(41)を有し、前記活性領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域が形成され、
前記pチャネル型MISFETは、[−110]方向が[001]方向より長い線状で、(311)若しくは(111)面のファセットを有する活性領域を有し、前記活性領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域が形成され、
前記nチャネル型MISFETのチャネル領域はIII−V属化合物で形成され、
前記前記pチャネル型MISFETのチャネル領域はSi1-yGey(x<y≦1)で形成され、
前記nチャネル型MISFETのチャネル領域は歪が等方緩和され、前記pチャネル型MISFETのチャネル領域は、前記活性領域の[−110]方向に一軸圧縮ひずみを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
Si1-xGex(0≦x≦1)の(110)面を表面に有する半導体基板を準備する工程と、
前記(110)面上に、前記半導体基板表面と異なる組成であり、[−110]方向が[001]方向より長く、(311)若しくは(111)面のファセットを有する線状半導体領域を、選択成長法で形成し、チャネル領域の[−110]方向に一軸圧縮ひずみを付与する工程と、
前記線状半導体領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域を形成する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
Si1-xGex(0.25≦x≦0.90)の(110)面を表面に有する半導体基板を準備する工程と、
前記(110)面上に、[−110]方向が[001]方向より長く、(311)若しくは(111)面のファセットを有する、Siからなる線状半導体領域とSi1-yGey(x<y≦1)からなる線状半導体領域を、選択成長法で形成する工程と、
夫々の前記線状半導体領域を選択成長で形成する工程の後に、成長条件を横方向成長モードに変え、上面が底面より広く、かつ上面が平面状の線状半導体領域を形成する工程と、
夫々の前記線状半導体領域の[−110]方向に、ソース領域・チャネル領域・ドレイン領域若しくはドレイン領域・チャネル領域・ソース領域を形成する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【公開番号】特開2009−182057(P2009−182057A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18106(P2008−18106)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代半導体材料・プロセス基盤(MIRAI)」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】