半導体装置の製造方法
【課題】 ゲート絶縁膜へのダメージを抑制してゲートリーク電流を低減させ、且つp型ポリシリコンに近い仕事関数のゲート電極を有する半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 シリコン基板1上にゲート絶縁膜3を形成し、ゲート絶縁膜3上に450℃以下の温度でCVD法によりTiN膜4を形成し、このTiN膜4をエッチングしてゲート電極5を形成する。
【解決手段】 シリコン基板1上にゲート絶縁膜3を形成し、ゲート絶縁膜3上に450℃以下の温度でCVD法によりTiN膜4を形成し、このTiN膜4をエッチングしてゲート電極5を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、メタルゲート材料としてTiN(窒化チタン)を用いる半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、CMOSデバイスとしては、ゲート絶縁膜にシリコン酸化膜を用い、ゲート電極にp型又はn型ポリシリコンが用いられている。このCMOSの45nmノード以降のロジックでは、オン電流の向上のため、例えば非特許文献1に示されるゲート電極に金属材料を用いるメタルゲート技術の実用化が求められている。なお、オン電流とは、MISFET(Metal-Insulator-Semiconductor Field Effect Transistor;金属−絶縁膜−半導体 電界効果トランジスタ)のゲート電極に電圧をかけた時にソース、ドレイン間に流れる電流のことであり、シリコン基板に形成されたチャネル領域に誘起される電荷量に比例して大きくなる。
【0003】
そこで、この電荷量を大きくするため、ゲート絶縁膜として高誘電体(High−k)材料の実用化が検討されている。しかしながら、ゲート絶縁膜としてHigh−k材料を用い、ゲート電極にポリシリコンを用いると、p型MISFETにおいて閾値電圧の上昇が起こり、デバイス性能が低下してしまう。このため、ゲート電極に金属材料を用いる必要がある。
【0004】
メタルゲート技術を実用化する上での大きな障害としては、閾値電圧の制御が困難なことが挙げられる。従来では、n型MISFETに対してはn型ポリシリコン、p型MISFETに対してはp型ポリシリコンを用いることで、基板チャネルと同等の仕事関数を得ていた。これにより、閾値電圧の低いMISFETを形成でき、低電圧動作が可能なCMOSトランジスタを実現できた。
【0005】
また、p型MISFETにおける閾値電圧の上昇を制御するため、p型ポリシリコンに近い仕事関数を有するTiN(窒化チタン)が注目されている。従来のスパッタ法で成膜したTiNは、その仕事関数が約4.6eVであり、p型ポリシリコンの仕事関数との差が大きく、閾値電圧の上昇を十分に抑制できない。
【0006】
これを解消するために、例えば非特許文献2にはTiN膜中の窒素濃度を制御することで仕事関数を制御する技術が提案されている。また、TiN膜をCVD法により成膜するにあたり、成膜温度が約600℃で行うのが主流であったが、例えば特許文献1に開示される分割成膜を適用すると、約450℃の低温でも成膜が可能である。
【0007】
【非特許文献1】International Technology Roadmap for Semiconductors (ITRS), 2003 Edition 2004年4月発行
【非特許文献2】H.Wakabayashi, Y.Saito, K.Takeuchi, and T.Kunio, "A Dual-Metal Gate CMOS Technology Using Nitrogen-Concentration-Controlled TiNx Film", IEEE Transactions on Electron Devices, Vol. 48, No.10, Oct. 2001, p2363-p2369.
【特許文献1】特開2003−77864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
TiN(窒化チタン)はp型ポリシリコンに近い仕事関数を有しており、p型MISFETにおける閾値電圧の上昇を制御することができる。しかしながら、スパッタ法でゲート電極として成膜すると、ゲート絶縁膜のチャージアップによるダメージが入るため、ゲートリーク電流が増大するという課題があった。
【0009】
また、スパッタ法で成膜したTiN膜では、その仕事関数が約4.6eVであり、p型ポリシリコンの仕事関数との差が大きいため、閾値電圧の上昇を十分に抑制できないという課題があった。
【0010】
なお、非特許文献2のようにTiN膜中の窒素濃度を制御することにより、仕事関数を制御する方法も提案されている。しかしながら、非特許文献2に開示される方法では、n型ポリシリコンと同等の仕事関数での制御のみであり、p型ポリシリコンの仕事関数に相当するTiN膜は得られていない。このため、p型MISFETにおける閾値電圧の上昇を抑制することができないという課題がある。
【0011】
また、特許文献1に開示される従来の分割成膜では、TiN膜を約450℃で成膜するものであり、さらなる低温での成膜は開示されていない。
【0012】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、メタルゲート材料としてTiN膜を熱CVD法により成膜することで、ゲート絶縁膜へのダメージを抑制してゲートリーク電流を低減させ、且つp型ポリシリコンに近い仕事関数のゲート電極を有する半導体装置の製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上にゲート絶縁膜を形成し、ゲート絶縁膜上に450℃以下の温度でCVD法によりTiN膜を形成し、このTiN膜をエッチングしてゲート電極を形成するものである。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、半導体基板上にゲート絶縁膜を形成し、ゲート絶縁膜上に450℃以下の温度でCVD法によりTiN膜を形成し、このTiN膜をエッチングしてゲート電極を形成するので、メタルゲート材料としてのTiN膜を熱CVD法により成膜することから、ゲート絶縁膜へのダメージを抑制することができる上、ゲートリーク電流を低減できるという効果がある。また、CVD法によるTiN成膜の温度を450℃以下に低温化することで、p型ポリシリコンに近い仕事関数を実現することができる。さらにCVD法によるTiN成膜の温度を350℃以下に低温化すると、低ストレスのTiN膜が得られる。これによってもゲートリーク電流を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施の形態1.
従来の課題を解決すべく、本発明者が研究解析を進めた結果、p型ポリシリコンに変わり、これに近い仕事関数を持つTiN(窒化チタン)をゲート電極材料とし、CVD(Chemical Vapor Deposition ;化学気相成長)法により成膜することで、その成膜条件により仕事関数を制御できることを見出した。本実施の形態1は、CVD法によるTiN膜の成膜条件を最適化し、その仕事関数をp型ポリシリコンとほぼ同等に制御するものである。
【0016】
図1から図5までは、この発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法の各工程における構成を示す図であり、図1に示す製造工程から図10に示す製造工程のへ進むものとする。なお、各工程ともトランジスタの内部がわかるように断面図で表している。
図1に示す工程では、シリコン基板(半導体基板)1の表層部における所定の領域に素子分離酸化膜2を形成する。素子分離酸化膜2は、例えばSTI法(Shallow Trench Isolation法;シャロウトレンチ絶縁法)により形成する。
【0017】
図2に示す工程では、シリコン基板1上にゲート絶縁膜3を形成し、その上にTiN膜4をCVD法により形成する。なお、ゲート絶縁膜3は、例えばHfO2(ハフニウム酸化膜)やHfSiON(ハフニウムシリコンオキサイド)、SiON(シリコンオキシナイトライド)である。
【0018】
また、ゲート絶縁膜3上にCVD法によりTiN膜4を成膜するにあたり、CVD法によるTiN膜4の成膜は、例えばガスTiCl4とガスNH3とを用い、成膜温度は450℃以下とする。また、これらガスの成膜時における流量は、それぞれ1〜100sccm、1〜1000sccmの範囲とする。
なお、1sccmは、1.667×10-8m3/sに相当する。
【0019】
なお、TiN膜4の成膜は、所望膜厚を一括により成膜しても良く、より薄い膜厚から所望膜厚まで段階的に成膜する分割成膜であっても良い。また、TiN膜4の成膜後にNH3雰囲気下で3秒間〜2分間の熱処理を施しても良い。さらに、分割成膜を行う場合、TiN膜4を成膜するステップと、NH3雰囲気下で3秒間〜2分間の熱処理を行うステップとを交互に繰り返して行うようにしても良い。
この熱処理について簡単に説明する。TiCl4ガスとNH3ガスとを用いてTiN膜を成膜すると、TiN膜中に塩素(Cl)が残留する。この残留塩素が多量に膜中に含まれていると、TiN膜の比抵抗が上昇したり、成膜後に大気に晒すとTiN膜が大気と反応して酸化されやすくなるという不具合が生じる。そこで、成膜後にNH3で熱処理することで、膜中の残留塩素を還元し低減させる必要がある。本願発明では、上述のようにTiN膜を成膜することにより、3秒間〜2分間程度の短時間のNH3熱処理により、十分な残留塩素の低減効果を得ることができる。さらに、TiN膜を分割成膜する場合、所望の膜厚で成膜した時点でNH3熱処理を施すことにより、十分な残留塩素の低減効果を短時間で発揮できる。
【0020】
図3に示す工程では、リソグラフィー及びエッチングの組み合わせにより、所望のパターンにTiN膜4をパターンニングする。この結果、パターンニングされたTiN膜4がゲート電極5に形成される。この後、ゲート電極5直下以外に形成されたゲート絶縁膜3を除去する。
【0021】
図4に示す工程では、イオン注入法により第一の不純物拡散層6を形成する。この第一の不純物拡散層6の形成には、B又はBF2を、加速電圧が例えば1〜20keV、イオン注入量が例えば1×1013〜1×1014cm-2で注入する。
【0022】
図5に示す工程では、ゲート電極5の周囲にシリコン窒化膜を堆積し、エッチバック法によりゲート電極5にサイドウォール7を形成する。この後、イオン注入法により、第二の不純物拡散層8を形成する。この第二の不純物拡散層8の形成には、B又はBF2を、加速電圧が5〜30keV、イオン注入量が例えば1×1015〜5×1015cm-2で注入する。
【0023】
そして、引き続き、RTA(Rapid Thermal Anneal;急速熱処理法)等により、例えば1000℃〜1100℃で10秒程の熱処理を施す。以降、周知の層間絶縁膜及びFETへと接続させる配線形成工程を経てデバイスが完成する。
【0024】
図6は、MISキャパシタにおける容量−電圧(C−V;Capacitance-Voltage)特性を示すグラフである。図中の符号aを付した黒菱形のプロットをつないだ曲線は、CVD法により成膜したTiN膜を示しており、図中の符号bを付した黒四角形のプロットをつないだ曲線は、従来のスパッタ法により成膜したTiN膜を示している。
【0025】
スパッタ法によりTiN膜4を成膜した場合、C−V曲線bから見積もられるTiN膜4からなるゲート電極5の仕事関数は4.56eVである。この場合、仕事関数値がn型ポリシリコンとp型ポリシリコンとのほぼ真ん中に位置するため、n型、p型のどちらのMISFETにおいても性能向上は見込めない。
【0026】
一方、CVD法によりTiN膜4を成膜した場合、スパッタ法で成膜した場合と比べてゲートバイアスが正の方向にシフトする。これは、C−V曲線aから見積もられるTiN膜4からなるゲート電極5の仕事関数がp型ポリシリコンの仕事関数に近づいてシフトしたことを現しており、その仕事関数は4.92eVである。これにより、CVD法により成膜したTiN膜からなるゲート電極5をp型MISFETに用いると、ゲート電極の空乏化を生じることがなく、閾値電圧を低減することができる。このため、デバイスの性能を向上させることができる。
【0027】
図7は、上記MISキャパシタにて測定した電流−電圧(I−V;Leakage Current Density-Voltage)曲線を示すグラフである。図中の符号cを付した黒四角形のプロットをつないだ曲線は、従来のスパッタ法により成膜したTiN膜を示しており、図中の符号dを付した黒菱形のプロットをつないだ曲線は、CVD法により成膜したTiN膜を示している。図7から明らかなように、CVD法によるTiN膜4からなるゲート電極5を用いたMISキャパシタは、スパッタ法により成膜した場合と比べてゲート絶縁膜3に対するダメージが小さく、ゲートリーク電流を抑制できていることがわかる。
【0028】
以上のように、この実施の形態1によれば、CVD法によりゲート電極としてのTiN膜4を形成するので、TiN膜4の成膜時におけるゲート絶縁膜3のダメージを、スパッタ法による成膜と比較して格段に抑制することができる。この結果、ゲート絶縁膜3の劣化が生じないため、ゲートリーク電流を抑制することができる。
【0029】
また、CVD法によりTiN膜4を形成することで、TiN膜4によるゲート電極の仕事関数を4.9〜5.0eVの範囲で制御することができ、p型MISFETの性能を向上させることができる。これにより、高性能のデバイスを提供することができる。
【0030】
実施の形態2.
本実施の形態2は、上記実施の形態1においてCVD法によるTiN膜の成膜後に水素雰囲気下で熱処理を施すことで、ゲート電極の仕事関数を制御するものである。
【0031】
図8は、この発明の実施の形態2による半導体装置製造における熱処理を説明する図である。図8に示す熱処理では、例えば水素のみあるいは水素と窒素の混合雰囲気での熱処理雰囲気で、例えば300℃〜800℃の熱処理温度、1分〜1時間の熱処理時間で実行される。また、この他、図9に示すように、上記実施の形態1で示した図5における第二の不純物拡散層8を形成した後に上述のような熱処理を施しても良い。
【0032】
図10は、MISキャパシタにおける容量−電圧(C−V;Capacitance-Voltage)特性のグラフである。図中の符号eを付した黒四角形のプロットをつないだ曲線は、上記実施の形態1で示したCVD法によるTiN膜の形成後に水素雰囲気下で400℃、10分の熱処理を施した結果を示しており、図中の符号fを付した黒菱形のプロットをつないだ曲線は、上記熱処理を施さず、上記実施の形態1で示したCVD法によりTiN膜を成膜した結果を示している。
【0033】
C−V曲線eは、上記実施の形態1で示したCVD法によるTiN膜4に対し、水素雰囲気下で400℃、10分の熱処理を施すことにより、C−V曲線fと比較して正の方向にシフトする。このときの仕事関数は5.03eVであり、さらにp型ポリシリコンの仕事関数に近づく。このため、さらなる性能向上を図ることができる。
【0034】
図11は、それぞれ、スパッタ法、CVD法、CVD法による成膜後に水素雰囲気下で熱処理を施したTiN膜電極の仕事関数を示す図である。このように、本実施の形態2による処理を施すことにより、従来のスパッタ法によるTiN膜よりも+0.47eVもの範囲でp型ポリシリコンと同等レベルまで制御することができる。
【0035】
以上のように、この実施の形態2によれば、TiN膜4の成膜後に水素雰囲気下で熱処理することにより、図10に示すように、TiN膜4で形成されるゲート電極5の仕事関数が5.03eVまで上昇させることができる。この結果、p型ポリシリコンの仕事関数に更に近いゲート電極5を形成することができるため、さらなる閾値電極の低下による、デバイスの高性能化を実現することができる。
【0036】
なお、上記実施の形態2による処理を施すことにより、上記実施の形態1と比較して1工程増加することになるが、さらなる性能向上を実現することができ、要求されるデバイス仕様に合わせて、本実施の形態2に示すプロセスの採用を選択できる。
【0037】
実施の形態3.
本実施の形態3は、上記実施の形態1で示した図2の製造工程でTiN膜を成膜する際に成膜温度を350℃とし、所望の膜厚を分割成膜により形成するものである。
【0038】
図12は、本実施の形態3によるTiN成膜工程で成膜温度を450℃及び350℃とした場合におけるTiN膜のストレスを測定した結果を示すグラフである。図12に示すように、TiN成膜温度を350℃と低温化することにより、TiN膜のストレスはほぼ0MPaと劇的に小さくなる。また、成膜温度を350℃と低温化しても分割成膜を用いているため、膜のシート抵抗の上昇を抑制することができる。
【0039】
図13は、MISキャパシタにおける電流−電圧(I−V)特性を示すグラフであり、図中の符号gを付した黒四角形のプロットをつないだ曲線は、成膜温度を450℃とした場合の結果を示しており、図中の符号hを付した黒菱形のプロットをつないだ曲線は、成膜温度を350℃とした場合の結果を示している。
【0040】
上記2条件の成膜温度により形成したMISキャパシタを比較すると、350℃の条件でゲートリーク電流の低減効果がみられた。なお、このような低ストレスの膜が得られるのは、特に350℃以下で顕著である。このように、本実施の形態3による処理を施すことにより、低ストレスな膜が得られ、ゲートリーク電流を抑制することができる。これにより、デバイス性能の向上を実現することができる。
【0041】
以上のように、この実施の形態3によれば、低温で分割成膜した低ストレスのTiN膜をゲート電極5として用いるので、仕事関数をp型ポリシリコンと同等レベルに制御することが可能となり、且つ膜ストレスを劇的に低減することができる。これにより、p型MISFETにおいて閾値電圧の制御及びゲートリーク電流の抑制が可能となるため、高性能デバイスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法の各工程における構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法の各工程における構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法の各工程における構成を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法の各工程における構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法の各工程における構成を示す図である。
【図6】MISキャパシタにおけるC−V特性を示すグラフである。
【図7】MISキャパシタにて測定したI−V特性を示すグラフである。
【図8】この発明の実施の形態2による半導体装置製造における熱処理を説明する図である。
【図9】実施の形態2による半導体装置製造における他の熱処理を説明する図である。
【図10】MISキャパシタにおけるC−V特性のグラフである。
【図11】スパッタ法、CVD法、CVD法による成膜後に水素雰囲気下で熱処理を施したTiN膜電極の仕事関数を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態3によるTiN成膜で形成したTiN膜のストレスの測定結果を示すグラフである。
【図13】MISキャパシタにおけるI−V特性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0043】
1 シリコン基板(半導体基板)、2 分離酸化膜、3 ゲート絶縁膜、4 窒化チタン膜、5 ゲート電極、6 第一の不純物拡散層、7 サイドウォール、8 第二の不純物拡散層。
【技術分野】
【0001】
この発明は、メタルゲート材料としてTiN(窒化チタン)を用いる半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、CMOSデバイスとしては、ゲート絶縁膜にシリコン酸化膜を用い、ゲート電極にp型又はn型ポリシリコンが用いられている。このCMOSの45nmノード以降のロジックでは、オン電流の向上のため、例えば非特許文献1に示されるゲート電極に金属材料を用いるメタルゲート技術の実用化が求められている。なお、オン電流とは、MISFET(Metal-Insulator-Semiconductor Field Effect Transistor;金属−絶縁膜−半導体 電界効果トランジスタ)のゲート電極に電圧をかけた時にソース、ドレイン間に流れる電流のことであり、シリコン基板に形成されたチャネル領域に誘起される電荷量に比例して大きくなる。
【0003】
そこで、この電荷量を大きくするため、ゲート絶縁膜として高誘電体(High−k)材料の実用化が検討されている。しかしながら、ゲート絶縁膜としてHigh−k材料を用い、ゲート電極にポリシリコンを用いると、p型MISFETにおいて閾値電圧の上昇が起こり、デバイス性能が低下してしまう。このため、ゲート電極に金属材料を用いる必要がある。
【0004】
メタルゲート技術を実用化する上での大きな障害としては、閾値電圧の制御が困難なことが挙げられる。従来では、n型MISFETに対してはn型ポリシリコン、p型MISFETに対してはp型ポリシリコンを用いることで、基板チャネルと同等の仕事関数を得ていた。これにより、閾値電圧の低いMISFETを形成でき、低電圧動作が可能なCMOSトランジスタを実現できた。
【0005】
また、p型MISFETにおける閾値電圧の上昇を制御するため、p型ポリシリコンに近い仕事関数を有するTiN(窒化チタン)が注目されている。従来のスパッタ法で成膜したTiNは、その仕事関数が約4.6eVであり、p型ポリシリコンの仕事関数との差が大きく、閾値電圧の上昇を十分に抑制できない。
【0006】
これを解消するために、例えば非特許文献2にはTiN膜中の窒素濃度を制御することで仕事関数を制御する技術が提案されている。また、TiN膜をCVD法により成膜するにあたり、成膜温度が約600℃で行うのが主流であったが、例えば特許文献1に開示される分割成膜を適用すると、約450℃の低温でも成膜が可能である。
【0007】
【非特許文献1】International Technology Roadmap for Semiconductors (ITRS), 2003 Edition 2004年4月発行
【非特許文献2】H.Wakabayashi, Y.Saito, K.Takeuchi, and T.Kunio, "A Dual-Metal Gate CMOS Technology Using Nitrogen-Concentration-Controlled TiNx Film", IEEE Transactions on Electron Devices, Vol. 48, No.10, Oct. 2001, p2363-p2369.
【特許文献1】特開2003−77864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
TiN(窒化チタン)はp型ポリシリコンに近い仕事関数を有しており、p型MISFETにおける閾値電圧の上昇を制御することができる。しかしながら、スパッタ法でゲート電極として成膜すると、ゲート絶縁膜のチャージアップによるダメージが入るため、ゲートリーク電流が増大するという課題があった。
【0009】
また、スパッタ法で成膜したTiN膜では、その仕事関数が約4.6eVであり、p型ポリシリコンの仕事関数との差が大きいため、閾値電圧の上昇を十分に抑制できないという課題があった。
【0010】
なお、非特許文献2のようにTiN膜中の窒素濃度を制御することにより、仕事関数を制御する方法も提案されている。しかしながら、非特許文献2に開示される方法では、n型ポリシリコンと同等の仕事関数での制御のみであり、p型ポリシリコンの仕事関数に相当するTiN膜は得られていない。このため、p型MISFETにおける閾値電圧の上昇を抑制することができないという課題がある。
【0011】
また、特許文献1に開示される従来の分割成膜では、TiN膜を約450℃で成膜するものであり、さらなる低温での成膜は開示されていない。
【0012】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、メタルゲート材料としてTiN膜を熱CVD法により成膜することで、ゲート絶縁膜へのダメージを抑制してゲートリーク電流を低減させ、且つp型ポリシリコンに近い仕事関数のゲート電極を有する半導体装置の製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上にゲート絶縁膜を形成し、ゲート絶縁膜上に450℃以下の温度でCVD法によりTiN膜を形成し、このTiN膜をエッチングしてゲート電極を形成するものである。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、半導体基板上にゲート絶縁膜を形成し、ゲート絶縁膜上に450℃以下の温度でCVD法によりTiN膜を形成し、このTiN膜をエッチングしてゲート電極を形成するので、メタルゲート材料としてのTiN膜を熱CVD法により成膜することから、ゲート絶縁膜へのダメージを抑制することができる上、ゲートリーク電流を低減できるという効果がある。また、CVD法によるTiN成膜の温度を450℃以下に低温化することで、p型ポリシリコンに近い仕事関数を実現することができる。さらにCVD法によるTiN成膜の温度を350℃以下に低温化すると、低ストレスのTiN膜が得られる。これによってもゲートリーク電流を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施の形態1.
従来の課題を解決すべく、本発明者が研究解析を進めた結果、p型ポリシリコンに変わり、これに近い仕事関数を持つTiN(窒化チタン)をゲート電極材料とし、CVD(Chemical Vapor Deposition ;化学気相成長)法により成膜することで、その成膜条件により仕事関数を制御できることを見出した。本実施の形態1は、CVD法によるTiN膜の成膜条件を最適化し、その仕事関数をp型ポリシリコンとほぼ同等に制御するものである。
【0016】
図1から図5までは、この発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法の各工程における構成を示す図であり、図1に示す製造工程から図10に示す製造工程のへ進むものとする。なお、各工程ともトランジスタの内部がわかるように断面図で表している。
図1に示す工程では、シリコン基板(半導体基板)1の表層部における所定の領域に素子分離酸化膜2を形成する。素子分離酸化膜2は、例えばSTI法(Shallow Trench Isolation法;シャロウトレンチ絶縁法)により形成する。
【0017】
図2に示す工程では、シリコン基板1上にゲート絶縁膜3を形成し、その上にTiN膜4をCVD法により形成する。なお、ゲート絶縁膜3は、例えばHfO2(ハフニウム酸化膜)やHfSiON(ハフニウムシリコンオキサイド)、SiON(シリコンオキシナイトライド)である。
【0018】
また、ゲート絶縁膜3上にCVD法によりTiN膜4を成膜するにあたり、CVD法によるTiN膜4の成膜は、例えばガスTiCl4とガスNH3とを用い、成膜温度は450℃以下とする。また、これらガスの成膜時における流量は、それぞれ1〜100sccm、1〜1000sccmの範囲とする。
なお、1sccmは、1.667×10-8m3/sに相当する。
【0019】
なお、TiN膜4の成膜は、所望膜厚を一括により成膜しても良く、より薄い膜厚から所望膜厚まで段階的に成膜する分割成膜であっても良い。また、TiN膜4の成膜後にNH3雰囲気下で3秒間〜2分間の熱処理を施しても良い。さらに、分割成膜を行う場合、TiN膜4を成膜するステップと、NH3雰囲気下で3秒間〜2分間の熱処理を行うステップとを交互に繰り返して行うようにしても良い。
この熱処理について簡単に説明する。TiCl4ガスとNH3ガスとを用いてTiN膜を成膜すると、TiN膜中に塩素(Cl)が残留する。この残留塩素が多量に膜中に含まれていると、TiN膜の比抵抗が上昇したり、成膜後に大気に晒すとTiN膜が大気と反応して酸化されやすくなるという不具合が生じる。そこで、成膜後にNH3で熱処理することで、膜中の残留塩素を還元し低減させる必要がある。本願発明では、上述のようにTiN膜を成膜することにより、3秒間〜2分間程度の短時間のNH3熱処理により、十分な残留塩素の低減効果を得ることができる。さらに、TiN膜を分割成膜する場合、所望の膜厚で成膜した時点でNH3熱処理を施すことにより、十分な残留塩素の低減効果を短時間で発揮できる。
【0020】
図3に示す工程では、リソグラフィー及びエッチングの組み合わせにより、所望のパターンにTiN膜4をパターンニングする。この結果、パターンニングされたTiN膜4がゲート電極5に形成される。この後、ゲート電極5直下以外に形成されたゲート絶縁膜3を除去する。
【0021】
図4に示す工程では、イオン注入法により第一の不純物拡散層6を形成する。この第一の不純物拡散層6の形成には、B又はBF2を、加速電圧が例えば1〜20keV、イオン注入量が例えば1×1013〜1×1014cm-2で注入する。
【0022】
図5に示す工程では、ゲート電極5の周囲にシリコン窒化膜を堆積し、エッチバック法によりゲート電極5にサイドウォール7を形成する。この後、イオン注入法により、第二の不純物拡散層8を形成する。この第二の不純物拡散層8の形成には、B又はBF2を、加速電圧が5〜30keV、イオン注入量が例えば1×1015〜5×1015cm-2で注入する。
【0023】
そして、引き続き、RTA(Rapid Thermal Anneal;急速熱処理法)等により、例えば1000℃〜1100℃で10秒程の熱処理を施す。以降、周知の層間絶縁膜及びFETへと接続させる配線形成工程を経てデバイスが完成する。
【0024】
図6は、MISキャパシタにおける容量−電圧(C−V;Capacitance-Voltage)特性を示すグラフである。図中の符号aを付した黒菱形のプロットをつないだ曲線は、CVD法により成膜したTiN膜を示しており、図中の符号bを付した黒四角形のプロットをつないだ曲線は、従来のスパッタ法により成膜したTiN膜を示している。
【0025】
スパッタ法によりTiN膜4を成膜した場合、C−V曲線bから見積もられるTiN膜4からなるゲート電極5の仕事関数は4.56eVである。この場合、仕事関数値がn型ポリシリコンとp型ポリシリコンとのほぼ真ん中に位置するため、n型、p型のどちらのMISFETにおいても性能向上は見込めない。
【0026】
一方、CVD法によりTiN膜4を成膜した場合、スパッタ法で成膜した場合と比べてゲートバイアスが正の方向にシフトする。これは、C−V曲線aから見積もられるTiN膜4からなるゲート電極5の仕事関数がp型ポリシリコンの仕事関数に近づいてシフトしたことを現しており、その仕事関数は4.92eVである。これにより、CVD法により成膜したTiN膜からなるゲート電極5をp型MISFETに用いると、ゲート電極の空乏化を生じることがなく、閾値電圧を低減することができる。このため、デバイスの性能を向上させることができる。
【0027】
図7は、上記MISキャパシタにて測定した電流−電圧(I−V;Leakage Current Density-Voltage)曲線を示すグラフである。図中の符号cを付した黒四角形のプロットをつないだ曲線は、従来のスパッタ法により成膜したTiN膜を示しており、図中の符号dを付した黒菱形のプロットをつないだ曲線は、CVD法により成膜したTiN膜を示している。図7から明らかなように、CVD法によるTiN膜4からなるゲート電極5を用いたMISキャパシタは、スパッタ法により成膜した場合と比べてゲート絶縁膜3に対するダメージが小さく、ゲートリーク電流を抑制できていることがわかる。
【0028】
以上のように、この実施の形態1によれば、CVD法によりゲート電極としてのTiN膜4を形成するので、TiN膜4の成膜時におけるゲート絶縁膜3のダメージを、スパッタ法による成膜と比較して格段に抑制することができる。この結果、ゲート絶縁膜3の劣化が生じないため、ゲートリーク電流を抑制することができる。
【0029】
また、CVD法によりTiN膜4を形成することで、TiN膜4によるゲート電極の仕事関数を4.9〜5.0eVの範囲で制御することができ、p型MISFETの性能を向上させることができる。これにより、高性能のデバイスを提供することができる。
【0030】
実施の形態2.
本実施の形態2は、上記実施の形態1においてCVD法によるTiN膜の成膜後に水素雰囲気下で熱処理を施すことで、ゲート電極の仕事関数を制御するものである。
【0031】
図8は、この発明の実施の形態2による半導体装置製造における熱処理を説明する図である。図8に示す熱処理では、例えば水素のみあるいは水素と窒素の混合雰囲気での熱処理雰囲気で、例えば300℃〜800℃の熱処理温度、1分〜1時間の熱処理時間で実行される。また、この他、図9に示すように、上記実施の形態1で示した図5における第二の不純物拡散層8を形成した後に上述のような熱処理を施しても良い。
【0032】
図10は、MISキャパシタにおける容量−電圧(C−V;Capacitance-Voltage)特性のグラフである。図中の符号eを付した黒四角形のプロットをつないだ曲線は、上記実施の形態1で示したCVD法によるTiN膜の形成後に水素雰囲気下で400℃、10分の熱処理を施した結果を示しており、図中の符号fを付した黒菱形のプロットをつないだ曲線は、上記熱処理を施さず、上記実施の形態1で示したCVD法によりTiN膜を成膜した結果を示している。
【0033】
C−V曲線eは、上記実施の形態1で示したCVD法によるTiN膜4に対し、水素雰囲気下で400℃、10分の熱処理を施すことにより、C−V曲線fと比較して正の方向にシフトする。このときの仕事関数は5.03eVであり、さらにp型ポリシリコンの仕事関数に近づく。このため、さらなる性能向上を図ることができる。
【0034】
図11は、それぞれ、スパッタ法、CVD法、CVD法による成膜後に水素雰囲気下で熱処理を施したTiN膜電極の仕事関数を示す図である。このように、本実施の形態2による処理を施すことにより、従来のスパッタ法によるTiN膜よりも+0.47eVもの範囲でp型ポリシリコンと同等レベルまで制御することができる。
【0035】
以上のように、この実施の形態2によれば、TiN膜4の成膜後に水素雰囲気下で熱処理することにより、図10に示すように、TiN膜4で形成されるゲート電極5の仕事関数が5.03eVまで上昇させることができる。この結果、p型ポリシリコンの仕事関数に更に近いゲート電極5を形成することができるため、さらなる閾値電極の低下による、デバイスの高性能化を実現することができる。
【0036】
なお、上記実施の形態2による処理を施すことにより、上記実施の形態1と比較して1工程増加することになるが、さらなる性能向上を実現することができ、要求されるデバイス仕様に合わせて、本実施の形態2に示すプロセスの採用を選択できる。
【0037】
実施の形態3.
本実施の形態3は、上記実施の形態1で示した図2の製造工程でTiN膜を成膜する際に成膜温度を350℃とし、所望の膜厚を分割成膜により形成するものである。
【0038】
図12は、本実施の形態3によるTiN成膜工程で成膜温度を450℃及び350℃とした場合におけるTiN膜のストレスを測定した結果を示すグラフである。図12に示すように、TiN成膜温度を350℃と低温化することにより、TiN膜のストレスはほぼ0MPaと劇的に小さくなる。また、成膜温度を350℃と低温化しても分割成膜を用いているため、膜のシート抵抗の上昇を抑制することができる。
【0039】
図13は、MISキャパシタにおける電流−電圧(I−V)特性を示すグラフであり、図中の符号gを付した黒四角形のプロットをつないだ曲線は、成膜温度を450℃とした場合の結果を示しており、図中の符号hを付した黒菱形のプロットをつないだ曲線は、成膜温度を350℃とした場合の結果を示している。
【0040】
上記2条件の成膜温度により形成したMISキャパシタを比較すると、350℃の条件でゲートリーク電流の低減効果がみられた。なお、このような低ストレスの膜が得られるのは、特に350℃以下で顕著である。このように、本実施の形態3による処理を施すことにより、低ストレスな膜が得られ、ゲートリーク電流を抑制することができる。これにより、デバイス性能の向上を実現することができる。
【0041】
以上のように、この実施の形態3によれば、低温で分割成膜した低ストレスのTiN膜をゲート電極5として用いるので、仕事関数をp型ポリシリコンと同等レベルに制御することが可能となり、且つ膜ストレスを劇的に低減することができる。これにより、p型MISFETにおいて閾値電圧の制御及びゲートリーク電流の抑制が可能となるため、高性能デバイスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法の各工程における構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法の各工程における構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法の各工程における構成を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法の各工程における構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法の各工程における構成を示す図である。
【図6】MISキャパシタにおけるC−V特性を示すグラフである。
【図7】MISキャパシタにて測定したI−V特性を示すグラフである。
【図8】この発明の実施の形態2による半導体装置製造における熱処理を説明する図である。
【図9】実施の形態2による半導体装置製造における他の熱処理を説明する図である。
【図10】MISキャパシタにおけるC−V特性のグラフである。
【図11】スパッタ法、CVD法、CVD法による成膜後に水素雰囲気下で熱処理を施したTiN膜電極の仕事関数を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態3によるTiN成膜で形成したTiN膜のストレスの測定結果を示すグラフである。
【図13】MISキャパシタにおけるI−V特性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0043】
1 シリコン基板(半導体基板)、2 分離酸化膜、3 ゲート絶縁膜、4 窒化チタン膜、5 ゲート電極、6 第一の不純物拡散層、7 サイドウォール、8 第二の不純物拡散層。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成するステップと、前記ゲート絶縁膜上に450℃以下の温度でCVD法により窒化チタン膜を形成するステップと、前記窒化チタン膜をエッチングしてゲート電極を形成するステップとを備えた半導体装置の製造方法。
【請求項2】
窒化チタン膜は、CVD法において、TiCl4ガスとNH3ガスを用い、これらガスの成膜時における流量をそれぞれ1〜100sccm、1〜1000sccmの範囲で形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
窒化チタン膜の形成後にNH3雰囲気下で3秒間〜2分間の熱処理を施すステップを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
所望の膜厚まで一括に成膜する一括成膜、若しくは、より薄い膜厚から前記所望膜厚まで段階的に成膜する分割成膜により窒化チタン膜を形成することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
分割成膜は、窒化チタン膜を成膜するステップと、NH3雰囲気下で3秒間〜2分間の熱処理を行うステップとを交互に繰り返して行うことを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
350℃以下の温度で分割成膜を行うことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
窒化チタン膜の形成後に水素雰囲気下で300℃以上の温度による熱処理を施すステップを備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
窒化チタン膜をエッチングしてゲート電極を形成した後に水素雰囲気下で300℃以上の温度による熱処理を施すステップを備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成するステップと、前記ゲート絶縁膜上に450℃以下の温度でCVD法により窒化チタン膜を形成するステップと、前記窒化チタン膜をエッチングしてゲート電極を形成するステップとを備えた半導体装置の製造方法。
【請求項2】
窒化チタン膜は、CVD法において、TiCl4ガスとNH3ガスを用い、これらガスの成膜時における流量をそれぞれ1〜100sccm、1〜1000sccmの範囲で形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
窒化チタン膜の形成後にNH3雰囲気下で3秒間〜2分間の熱処理を施すステップを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
所望の膜厚まで一括に成膜する一括成膜、若しくは、より薄い膜厚から前記所望膜厚まで段階的に成膜する分割成膜により窒化チタン膜を形成することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
分割成膜は、窒化チタン膜を成膜するステップと、NH3雰囲気下で3秒間〜2分間の熱処理を行うステップとを交互に繰り返して行うことを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
350℃以下の温度で分割成膜を行うことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
窒化チタン膜の形成後に水素雰囲気下で300℃以上の温度による熱処理を施すステップを備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
窒化チタン膜をエッチングしてゲート電極を形成した後に水素雰囲気下で300℃以上の温度による熱処理を施すステップを備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−245306(P2006−245306A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59225(P2005−59225)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
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