説明

半導体集積回路装置

【課題】ラッチ型メモリセルのラッチ部のサイズを増大させることなく、データ保持特性を改善する。
【解決手段】ラッチ型メモリセルの記憶ノードを構成するゲート電極配線(21a,21c)と交差する方向に、フラッシュメモリセルトランジスタの固有の配線と同一配線層の導電線(26a,26b)を連続的に延在させて配置する。ゲート電極配線と導電線の交差部において容量を形成し、導電線を固定電位に維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体集積回路装置に関し、特に、データを保持する部分を有する半導体集積回路装置に関する。より特定的には、この発明は、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)のメモリセルのデータ保持特性を改善するための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)は、メモリセルがデータラッチ(フリップフロップ)と、1対のアクセストランジスタとで構成される。データラッチは、通常、インバータラッチで構成され、内部の記憶ノードに相補データが保持される。このインバータラッチにより相補データが保持されるため、SRAMにおいては、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)と異なり、データの再書込を行なうリフレッシュ動作は要求されない。また、SRAMは、スタティックに動作するため、信号線のプリチャージを行なうプリチャージサイクルが不要であり、DRAMに比べてアクセス時間が短い。このような特長を有するSRAMは、キャッシュメモリなどの高速処理が要求される用途に広く用いられている。
【0003】
近年、システムLSI(大規模集積回路)においては、1つの半導体チップ上に、プロセッサなどのロジック回路および複数種類のメモリが集積化され、1つの処理システムが実現される。このような1つの半導体チップ上にシステムを構成するSOC(システム・オン・チップ)等においては、消費電力の低減およびチップサイズ(システムサイズ)の低減の観点から、各デバイスは、低電源電圧および小占有面積が求められる。
【0004】
一方において、プロセスの微細化が進むにつれ、SRAMにおいては、メモリセルの内部記憶ノードの容量が減少する。この場合、アルファ線などにより記憶ノードのデータの反転が生じるソフトエラーに対する耐性が低下し、データ保持の安定性が損なわれる問題が生じる。
【0005】
このソフトエラー耐性を改善する構成の一例が、たとえば特許文献1(特開2008−135461号公報)に示されている。この特許文献1に示される構成においては、フラッシュメモリセルは、フローティングゲートおよびコントロールゲートを有する積層ゲートトランジスタで構成される。フラッシュメモリセルのフローティングゲートおよびコントロールゲートを製造する工程を利用して、SRAMセルの記憶ノードに容量素子を接続する。具体的に、一例として、SRAMセルの負荷トランジスタおよびドライブトランジスタのゲート電極をフローティングゲートと同一配線層の配線で形成し、コントロールゲートと同一の配線層の配線を負荷トランジスタおよびドライバトランジスタのゲート電極と整列して配置してキャパシタ電極として利用する。このキャパシタ電極をセルの記憶ノードに接続する。
【0006】
SRAMセルにおいて、内部の記憶ノードにさらに追加的に容量を接続することにより、記憶ノードの微細化による容量低減を補償し、データ保持特性の改善を図る。
【特許文献1】特開2008−135461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1に示される構成においては、同一半導体基板(チップ)上にプロセッサとともにフラッシュメモリおよびSRAMが集積化される。フラッシュメモリのメモリセルのフローティングゲートおよびコントロールゲートの製造工程を利用して、容量を形成して、記憶ノードにこの容量を接続する。フラッシュメモリセルのゲート製造工程を利用することにより、容量形成による製造工程の追加を回避する。
【0008】
しかしながら、この特許文献1のSRAMセル構造においては、ドライバトランジスタおよび/または負荷トランジスタのゲート電極に対向して容量電極が配置され、この容量電極が、内部のセル記憶ノードに接続される。したがって、容量を各メモリセル毎に設け、容量電極をメモリセル毎にパターニングするとともに、容量電極を内部の記憶ノードに接続する配線をパターニングする必要がある。したがって、SRAMセルのレイアウト面積を低減および製造プロセスの簡略化の観点からは、この特許文献1のSRAMセルの構造については、未だ改善の余地があるといえる。
【0009】
また、半導体集積回路装置においては、ラッチ回路が利用されることが多い。例えば、ロジック回路等においては、データをクロック信号に同期してデータを転送することにより処理速度を高速化するために、ラッチ回路が利用される。また、データを一時的に保持するためにレジスタ回路などにおいてラッチ回路が利用される。このようなラッチ回路においても、微細化につれて、データ保持特性が劣化する問題が生じる。
【0010】
それゆえ、この発明の目的は、製造工程の増加をもたらすことなくデータ保持部のデータ保持ノードの容量を増大させることのできる半導体集積回路装置を提供することである。
【0011】
この発明の他の目的は、セル占有面積の増大および製造工程の増加をもたらすことなくSRAMセルのデータ記憶ノードの容量を増大させることのできる半導体集積回路装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る半導体集積回路装置においては、同一半導体チップ上に形成されるフラッシュメモリセルの固有の配線層の配線と同一配線層の導電線をメモリセルのデータ保持トランジスタのゲート電極と対向するように配置する。
【0013】
この発明に係る半導体集積回路装置は、一実施の形態において、メモリセルの記憶ノードに結合されるセルトランジスタのゲート電極の延在方向と交差する方向に整列して配置されるメモリセルに共通に導電線をゲート電極と対向するように配置する。
【0014】
また、別の実施の形態においては、不揮発性メモリおよびデータ保持部を有する装置において、データ保持ノードに結合されるゲート電極を有するトランジスタと交差するように、不揮発性メモリセルの固有の配線と同一配線層の配線を配置する。
【発明の効果】
【0015】
フラッシュメモリセルの製造工程を利用して、フラッシュメモリセル固有の配線層を用いて連続的に延在する導電線を形成して対向ゲート電極配線との間で容量を形成する。ゲート電極配線は、データ保持ノードに結合されているため、導電線と保持ノードとの間に接続配線を設ける必要がなく、製造工程の増加およびレイアウト面積の増加を回避してデータ保持モードの容量を増大させることができる。
【0016】
特に、一実施の形態において、SRAMセルトランジスタのゲート電極に対向してかつこのメモリセルのゲート電極延在方向に整列するメモリセルに共通に導電線を配置しており、各メモリセル毎に容量電極をパターニングする必要がなく製造工程が簡略化される。また、導電線は、各メモリセル毎に記憶ノードと接続する必要がないため、各セルにおいて容量電極とのコンタクトが不要となり、セルのレイアウト面積の増大を抑制することができる。
【0017】
また、データ保持部に対しては、そのレイアウトを変更することなくまた、製造工程数を増大させることなく記憶ノードの容量を増大させることができ、安定にデータを保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従う半導体記憶装置(SRAM)が適用される半導体集積回路装置の全体の構成の一例を概略的に示す図である。図1において、半導体集積回路装置1は、プロセッサ2と、フラッシュメモリ4と、スタティックRAM(SRAM)6とを含む。これらのプロセッサ2、フラッシュメモリ4およびスタティックRAM6は、内部バス8を介して相互に結合される。
【0019】
フラッシュメモリ4は、このプロセッサ2の利用するOS(オペレーティングシステム)、画像/音声などのデータおよびこの半導体集積回路装置の固有情報(識別情報、ID情報)等を記憶する。スタティックRAM(SRAM)6は、プロセッサ2が利用するデータを記憶する。
【0020】
この図1に示す半導体集積回路装置1は、システムLSIであり、1つの半導体基板(チップ)上に集積化される。プロセッサ2、フラッシュメモリ4、およびスタティックRAMは、同一の製造工程を利用して並行して形成される。
【0021】
図2は、フラッシュメモリ4のメモリセルの断面構造を概略的に示す図である。図2において、フラッシュメモリセルは、半導体基板領域10表面に間をおいて形成される不純物領域12aおよび12bと、不純物領域12aおよび12bの間の半導体基板領域10表面の一部の領域に形成されるゲート絶縁膜13と、ゲート絶縁膜13上に形成されるコントロールゲート電極14と、ゲート絶縁膜13に隣接して半導体基板領域10表面上およびコントロールゲート電極14側壁にL字型に形成される多層絶縁膜16と、この多層絶縁膜16上に形成されるメモリゲート電極18とを含む。
【0022】
多層絶縁膜16は、酸化膜、窒化膜、酸化膜で構成される、いわゆるONO膜であり、この窒化膜(N膜)中に電荷を蓄積することにより、情報を不揮発的に記憶する。
【0023】
コントロールゲート電極14は、コントロールゲート線CGに結合され、メモリゲート電極18はメモリゲート線MGに結合される。不純物領域12aはビット線BLに結合され、不純物領域12bはソース線SLに結合される。
【0024】
このフラッシュメモリセルにおいては、コントロールゲート電極14、不純物領域12a、ゲート絶縁膜13、およびゲート絶縁膜13下部の半導体基板領域10とで選択トランジスタ(アクセストランジスタ)が形成され、メモリゲート電極18、不純物領域12b、多層絶縁膜16、および多層絶縁膜16下部の半導体基板領域10とでメモリトランジスタが形成される。
【0025】
この図2に示すフラッシュメモリセルにおいて、データの書込、消去および読出は以下のようにして行なわれる。すなわち、データ書込時においては、ソース線SLに正の書込高電圧が印加され、コントロールゲート線CGには、ゲート絶縁膜13下部に弱いチャネル(弱い反転層)が形成される程度の電圧が印加される。メモリゲート線MGにおいても、正の書込高電圧が印加される。この条件下においては、選択メモリセルにおいて、ソース線SLからビット線BLに向かって電流が流れる。コントロールゲート電極14へコントロールゲート線CGから供給される電圧は比較的低く、ゲート絶縁膜13下部に形成される反転層は弱い反転層であり、その抵抗値は比較的高い。したがって、ソース線SLとビット線BLとの間の電圧は、ほぼゲート絶縁膜13下部の領域の間に印加され、この多層絶縁膜16とゲート絶縁膜13の境界領域において大きな電界が発生する。応じて、この高電界によりソース線SLから注入された電流からホットエレクトロンが生成され、生成されたホットエレクトロンが、メモリゲート電極18の正の電圧により、メモリゲート電極方向に引き付けられ、多層絶縁膜16に含まれる窒化膜に格納される。書込状態においては、メモリトランジスタのしきい値電圧は高い状態である。
【0026】
非選択メモリセルにおいては、ビット線BLおよびコントロールゲート線CGが同一電圧レベルであり、このゲート絶縁膜13下部にはチャネルは形成されず、ソース線SLとビット線BLの間には電流は流れず、データの書込は行なわれない。
【0027】
消去時においては、ソース線SLが正の消去高電圧レベルに設定され、ビット線BLおよびコントロールゲート線CGは0Vに設定される。メモリゲート線MGは、負の電圧レベルに設定される。この場合、不純物領域12bとコントロールゲート電極18との間の高電界によりホットホールが生成され、バンド間トンネリングにより、生成されたホットホールが多層絶縁膜16の窒化膜に注入され、それまでに蓄積されたエレクトロンとホールの結合により、この多層絶縁膜16の窒化膜の電子濃度が中和される。この消去状態においては、メモリトランジスタのしきい値電圧は、低い状態である。
【0028】
データの読出時においては、ソース線SLは接地電圧レベルに設定され、ビット線BLは、正の読出電圧が印加され、コントロールゲート線CGには、書込時よりも高い正の電圧が供給される。メモリゲート線MGは、消去状態と書込状態のしきい値電圧の間の電圧レベルに設定される。
【0029】
このメモリセルが、多層絶縁膜16の窒化膜に電子が注入されている場合、書込状態であり、しきい値電圧が高い状態であり、ビット線BLに流れる電流は少ない。一方、このメモリセルが消去状態にある場合には、すなわち多層絶縁膜16の窒化膜が中性状態のときにはしきい値電圧は低い状態であり、ビット線BLからソース線SLへ比較的多くの電流が流れる。このビット線BLを流れる電流を検知することにより、メモリセルの記憶データの読出を行なう。
【0030】
図3は、この発明の実施の形態1に従うスタティックRAM(以下、SRAMと称す)6のメモリセルの電気的等価回路の一例を示す図である。図3において、SRAMセルは、2つのPチャネルMOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)PQ1およびPQ2と、4つのNチャネルMOSトランジスタNQ1−NQ4とを含む。MOSトランジスタPQ1およびNQ1が、CMOSインバータを構成し、MOSトランジスタPQ2およびNQ2が、別のCMOSインバータを構成する。これらのMOSトランジスタNQ1およびPQ1のゲートが、記憶ノードND1に結合され、MOSトランジスタPQ2およびNQ2のゲートが、記憶ノードND2に結合される。MOSトランジスタNQ3およびNQ4は、それぞれ、ワード線WL上の信号電位に従って選択的に導通し、導通時、記憶ノードND1およびND2をビット線BLおよび/BLにそれぞれ結合する。
【0031】
記憶ノードND1およびND2は、したがって、MOSトランジスタPQ1、PQ2、NQ1、およびNQ2により構成されるインバータラッチにより、相補データを保持する。
【0032】
列方向(ビット線延在方向)に整列するSRAMセルに対して共通に、導電線19が設けられる。MOSトランジスタPQ1、PQ2、NQ1およびNQ2のゲート電極を、図2に示すフラッシュメモリセルのコントロールゲート線CG(コントロールゲート電極)と同一配線層の配線で形成し、この導電線19を、メモリゲート線MGと同一配線層の配線で構成する。なお、フラッシュメモリセルにおいては、ゲートは、非階層構造であり、コントロールゲート電極14が、コントロールゲート電極線CGの一部を構成し、メモリゲート電極18が、メモリゲート線MGの一部を構成する。フラッシュメモリセルにおいてゲートが、高抵抗電極配線と上層の低抵抗のメタル配線とで構成される場合には、下層のメモリセルのトランジスタのコントロールゲート電極14およびメモリゲート電極18と同一配線層の配線で、SRAMセルトランジスタのゲート電極および導電線がそれぞれ形成される。
【0033】
MOSトランジスタPQ1およびPQ2のゲートと導電線19が交差するように配置され、この交差領域において寄生容量Cpが形成される。寄生容量Cpは、MOSトランジスタ(負荷トランジスタ)PQ1およびPQ2のゲート電極を介してそれぞれ記憶ノードND1およびND2に結合される。導電線19がたとえば接地ノードに結合され、一定電圧レベルに維持され、この記憶ノードND1およびND2の電位変動を抑制する。
【0034】
導電線19がメモリゲート線MG(メモリゲート電極)と同一配線層の配線で構成され、MOSトランジスタPQ1、PQ2のゲート電極をコントロールゲート線CGと同一配線層の配線で形成する。フラッシュメモリセル製造工程時に並行して、SRAMセルに導電線19を形成することができ、製造工程数が増加するのが抑制される。また、導電線19は、列方向に整列するSRAMセルに共通に設けられており、SRAMセル形成領域内には、この容量に対する接続ノード(コンタクト)は設けられない。したがって、導電線19の寄生容量Cpの追加時、SRAMセルのレイアウトパターンの変更は要求されず、直線的な導電線19を利用するだけであり、パターンレイアウトの複雑化を抑制でき、製造プロセスを簡略化することができる。また導電線19を接地電圧などの固定電位に維持することにより、容量電極を一定電圧レベルに設定することができ、記憶ノードND1およびND2の電位変動を確実に抑制することができる。
【0035】
図4は、図3に示すSRAMセルの平面レイアウトを概略的に示す図である。図4においては、活性領域から第1メタル配線までのレイアウトを示す。図4において、PウェルPWaおよびPWb、各々において、NチャネルMOSトランジスタが形成され、これらのPウェルPWaおよびPWbの間に、PチャネルMOSトランジスタを形成するNウェルNWが配置される。これらのウェルPWa、PWbおよびNWは、Y方向に連続的に延在するように形成される。
【0036】
PウェルPWaおよびPWbそれぞれにおいて活性領域20aおよび20bが配置される。これらの活性領域20aおよび20bは、各々、X方向の長さが広い領域とX方向の長さが狭い領域とを有する。
【0037】
NウェルNWにおいて、Y方向に長い矩形形状の活性領域20cおよび20dが対向してかつY方向において位置をずらせて配置される。活性領域20aのX方向の幅の広い領域および活性領域20cを横切るようにゲート電極配線21aが配置される。このゲート電極配線21aは、SRAMセル内においてX方向に延在して活性領域20dまで延在するように配置される。
【0038】
また、活性領域20aの幅の狭い領域をX方向に沿って横切るようにゲート電極配線21bが配置される。ゲート電極配線21bは、PウェルPWa境界まで延びるように形成される。活性領域20aのY方向の下側端部に対しX方向に長い矩形形状の第1メタル配線24aが配置される。この第1メタル配線24aは、コンタクト23aを介して活性領域20aのY方向の下側端部に電気的に接続され、他方端のメモリセル境界領域部分において上層配線との接続をとるための第1ビア24aが設けられる。
【0039】
ゲート電極配線21bのセル境界部分に対し、Y方向に長い矩形形状の第1メタル配線22bが配置される。この第1メタル配線22bは、コンタクトを介してゲート電極配線21bに電気的に接続され、また、コンタクト形成部と異なる位置に上層配線との接続のための第1ビア24bが設けられる。
【0040】
活性領域20aの幅の狭い領域に対し、さらに、ゲート電極配線21bに隣接してゲート電極配線21b上層に、第1メタル配線22cが配置される。この第1メタル配線22cは、コンタクト23cを介して下層に形成される活性領域20aの幅の狭い領域に電気的に接続される。この第1メタル配線22cに対しては、また上層配線との電気的接続をとるための第1ビア24cが設けられる。
【0041】
NウェルNWにおいても、活性領域20cのY方向の下側端部に対し第1メタル配線22dが配置される。この第1メタル配線22dは、図示しないコンタクトを介して活性領域20cに結合される。第1メタル配線22dには、また、上層配線との接続のための第1ビア24dが設けられる。活性領域20aおよび20cに対し横L字型の第1メタル配線22eが設けられる。この第1メタル配線22eは、そのX方向に長い領域において活性領域20cおよびゲート電極配線21cにシェアードコンタクト25aを介して電気的に接続される。
【0042】
活性領域20dに対しても、第1メタル配線22dと点対称な位置に第1メタル配線22fが設けられる。この第1メタル配線22fは図示しないコンタクトを介して活性領域20dのY方向の上側端部に電気的に接続され、また、上層配線との接続のための第1ビア24eが設けられる。
【0043】
活性領域20bの幅の広い端部において第1メタル配線22gが設けられる。この第1メタル配線22gは、コンタクト23eを介して活性領域20bに電気的に接続される。また、第1メタル配線22gには、上層配線との接続のための第1ビア24fが設けられる。
【0044】
第1メタル配線22gとゲート電極配線21cに関して対向して、第1メタル配線22eと点対称な形状に第1メタル配線22iが配置される。この第1メタル配線22iは、コンタクト23fを介して活性領域20bのゲート電極配線21cおよび21dの間の領域に電気的に接続され、かつシェアードコンタクト25bを介して活性領域20dおよびゲート電極配線21aに電気的に接続される。
【0045】
ゲート電極配線21dに対し、メモリセル境界部において第1メタル配線22jが設けられる。この第1メタル配線22jはコンタクト23gを介してゲート電極配線21dに電気的に接続され、また、コンタクト23gの形成位置と異なる端部において上層配線との接続のための第1ビア24hが設けられる。
【0046】
この活性領域20bのY方向の下側端部の幅の狭い領域に対し第1メタル配線22hが設けられる。この第1メタル配線22hは、図示しないコンタクトを介して下部の活性領域20bに電気的に接続され、また、上層配線との接続のための第1ビア24gが設けられる。
【0047】
NウェルNWとPウェルPWaおよびPWbとの境界領域において、メモリゲート線(MG)と同一配線層の導電配線26aおよび26bが連続的にY方向に延在するように設けられる。これらの導電配線26aおよび26bは、図3に示す導電線19に対応する。これらの導電配線26aおよび26bは、ゲート電極配線21a−21dよりも上層の配線であり、また、第1メタル配線22a−22jよりも下層の配線である。
【0048】
ゲート電極配線21a−21dは、SRAMセル内においてX方向に延在して整列して配置されフラッシュメモリセルのコントロールゲート線(CG)と同一配線層の配線で形成され、メモリゲート線(MG)よりも先に形成される。これは、通常、メモリゲート線MGが、コントロールゲート線CGを形成した後、自己整合的にいわゆるMOSトランジスタのサイドウォール絶縁膜形成工程と同様の工程により、メモリゲート線が形成されるためである。これらの導電線26aおよび26bとゲート電極配線21aおよび21cの交差部において容量素子を形成する。
【0049】
フラッシュメモリセルの固有の配線、すなわち、SRAMセルの形成お呼びは位置に使用される配線層の配線以外の配線を利用して導電配線26aおよび26Bを形成することにより、容量形成のための配線の配置に余分の製造工程を利用する必要がなく、製造工程の増加を回避することができる。
【0050】
この図4に示すレイアウトにおいて、ゲート電極配線21aと活性領域20aとによりドライバトランジスタ(NチャネルMOSトランジスタ)NQ1が形成され、ゲート電極配線21aと活性領域20cにより負荷トランジスタ(PチャネルMOSトランジスタ)PQ1が形成される。活性領域20aとゲート電極配線21bとにより、アクセストランジスタ(NチャネルMOSトランジスタ)NQ3が形成される。活性領域20dとゲート電極配線21cとにより、負荷トランジスタPQ2が形成され、活性領域20bとゲート電極配線21cとによりドライバトランジスタNQ2が形成される。活性領域20bとゲート電極配線21dとによりアクセストランジスタNQ4が形成される。
【0051】
第1メタル配線22bおよび22jがワード線WLの一部を構成し、第1メタル配線22dおよび22fは、電源電圧(セルハイ側電源電圧VDD)を供給するハイ側電源線の一部を構成する。第1メタル配線22aおよび22gは、接地電圧(セルロー側電源電圧GND)を伝達するロー側セル電源線の一部を構成する。
【0052】
第1メタル配線22cおよび22eは、それぞれビット線BLおよび/BLの一部を構成する。ゲート電極配線21a−21dは、それぞれ、対応の活性領域との交差部においてMOSトランジスタのゲート電極を構成する。
【0053】
図5は、図4に示す平面レイアウトの上層配線の平面レイアウトを概略的に示す図である。図5においては、図4に示す第1ビアの配置を併せて示す。図5において、Y方向に連続的に延在して第2メタル配線30a、30b、30cが、互いに間をおいて配置される。第2メタル配線30aはビット線BLを構成し、第1ビア24cを介して図4に示す活性領域20aに形成されるアクセストランジスタNQ3に結合される。第2メタル配線30bは、電源電圧VDDを供給するハイ側電源線を構成し、図4に示す第1ビア24dおよび24eにそれぞれ接続される突出部を有する。これらの突出部は、メモリセル形成領域の中央位置にかんして点対称に配置される。
【0054】
第2メタル配線30cは、補のビット線/BLを構成し、第1ビア24gを介して図4に示すアクセストランジスタNQ4(活性領域20b)に結合される。
【0055】
第2メタル配線30a外部に、矩形形状の第2メタル中間配線30eおよび30fがそれぞれY方向において離れて配置される。第2メタル中間配線30eは、図4に示す第1ビア24b(図5には示さず)に電気的に接続され、応じて、図4に示すアクセストランジスタNQ3のゲート電極に結合される。第2メタル中間配線30fは、図4に示す第1ビア22aに電気的に接続され、図4に示す活性領域20aのドライバトランジスタNQ1に電気的に接続される。
【0056】
第2メタル配線30cの外部に、第2メタル中間配線30hおよび30gが配置される。第2メタル中間配線30hは、図4に示す第1ビア24gに結合され、ドライバトランジスタNQ2のソースノードに結合される。第2メタル中間配線30gは、図4に示す第1ビア24hに結合され、アクセストランジスタNQ4のゲートに接続される。
【0057】
さらに、X方向に沿って連続的に延在してかつ互いに間をおいて第3メタル配線32a、32bおよび32cが配置される。第3メタル配線32aは、第2メタル配線30hに図示しない第2ビアを介して電気的に接続される。第2メタル配線32bは、第2ビア37aおよび37bを介してそれぞれ第2メタル中間配線30eおよび30gに電気的に接続される。第2メタル配線32cは、第2メタル中間配線30fに第2ビア(図5には示さず)を介して電気的に接続される。
【0058】
第2メタル配線32aおよび32cは接地電圧GNDを伝達するロー側電源線の一部を構成し、第3メタル配線32bが、ワード線WLの一部を構成する。第2メタル配線32aおよび32cを利用することにより、ロー側電源線をさらに上層のメインロー側電源線とでメッシュ形状にロー側電源線を配置することができ、電源線の強化を図り、また、ロー側電源線の抵抗を低減する。
【0059】
第2メタル配線30aおよび30c外部に、すなわち、メモリセル形成領域境界に、幅の広い第4メタル配線34aおよび34bがY方向に沿って連続的に延在して配置される。この第4メタル配線34aは第3ビア36aを介して第3メタル配線32aに電気的に接続され、また、第3ビア36bを介して第3メタル配線32cに電気的に接続される。
【0060】
第4メタル配線34bは、第3ビアcを介して第3メタル配線32aに電気的に接続され、かつ第3ビア36dを介して第3メタル配線32cに電気的に接続される。この接地電圧GNDを伝達する第4メタル配線34aおよび34bをメモリセルMCの境界領域に配置し、また第3メタル配線とそれぞれ電気的に接続することにより、上述のように、ロー側電源線の強化を図り、接地電圧を安定化する。
【0061】
図4および図5に示すように、導電線19を構成する導電配線26aおよび26bをY方向に連続的に延在して配置しても、これらの導電線26aおよび26bは、第1メタル配線よりも下層の配線層でありかつメモリセルトランジスタのゲートを形成するゲート電極配線よりも上層の配線であり、SRAMセルMCのレイアウト面積の増大は十分に抑制される。また、単にゲート電極配線と導電配線26aおよび26bの交差部で容量を形成するだけであり、容量を記憶ノードに接続するためのコンタクトは不要であり、レイアウトが複雑化するのが回避される。また、ウェル境界領域に導電配線が配置されるだけであり、この領域にはSRAMセルトランジスタは形成されない。従って、SRAMセルトランジスタの配置に影響を及ぼすことなく、導電配線26aおよび26bを配置することができ、SRAMセルレイアウト面積の増大および配線レイアウトの複雑化を回避することができる。
【0062】
図6は、図4に示すゲート電極配線21aと導電配線26aのY方向に沿った断面構造を概略的に示す図である。図6において、基板領域40上に素子分離膜(シャロー・トレンチ・アイソレーション膜:STI膜)42が設けられる。素子分離膜42上にゲート電極配線44(21a)が配置される。ゲート電極配線44(21a)は、フラッシュメモリセルのコントロールゲート電極(14)およびコントロールゲート線(CG)と同一配線層の配線で形成される。ゲート電極配線44上に層間絶縁膜46が設けられ、この絶縁膜46上に導電線48(26a)が配置される。導電線48(導電配線26a)は、フラッシュメモリセルのメモリゲート電極(18)およびメモリゲート線(MG)と同一配線層の配線で形成される。
【0063】
層間絶縁膜46は、したがって、多層絶縁膜(ONO膜)であってもよく、また単層の絶縁膜(ゲート絶縁膜)であってもよい。導電線48とゲート電極配線44の対向部において容量Cpが形成される。導電線48は、固定電圧源を介して電源電圧VDDまたは接地電圧GNDに維持される。ゲート電極配線44(21a)は、SRAMセルの記憶ノードに結合されるため、記憶ノードに、電極が固定電圧に設定された容量が付加される。
【0064】
図7は、図4に示すSRAMセル(メモリセル)MCが、3行2列に配置される場合の平面レイアウトを概略的に示す図である。図7においては、メモリセルMC0−MC5のレイアウトを示す。これらのメモリセルMC0−MC5の平面レイアウトは、X方向およびY方向に関して鏡映対称な配置である。したがって、図7においては、メモリセルMC0に対し、図4に示すメモリセルの構成要素と対応する部分に同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
【0065】
なお、図7においては、第1メタル配線22fは、メモリセル境界領域において活性領域20dに対しコンタクト23kを介して電気的に接続され、また、第1メタル配線22dは、コンタクト23mを介して活性領域20cにメモリセル境界領域において電気的に接続される。
【0066】
図7に示すように、活性領域20aおよび20bは、Y方向に連続的に延在して配置され、アクセストランジスタ形成領域およびドライバトランジスタ形成領域が交互に設けられる。また、X方向およびY方向における鏡映対称なレイアウトにより、隣接メモリセル(SRAMセル)において、コンタクトおよびビアを共有することができ、メモリセルレイアウト面積を低減することができる。
【0067】
導電配線26aおよび26bは、PチャネルMOSトランジスタ(負荷トランジスタ)を形成するPMOS形成領域(NウェルNW)およびNチャネルMOSトランジスタ(アクセストランジスタおよびドライバトランジスタ)を形成するNMOS形成領域(PウェルPWa,PWb)の境界領域に配置される。MOS形成領域の境界領域においては、トランジスタ(活性領域)は配置されない。また、導電配線26aおよび26bは、フラッシュメモリセルの固有の配線層の配線であり、SRAMセルにおいては、このメモリゲート配線と同一配線層の配線は、トランジスタの形成およびトランジスタ間接続のためには利用されない。したがって、メモリセルのトランジスタの配置に影響を及ぼすことなく、容量付加用の導電配線26aおよび26bを配置することができる。
【0068】
図8は、図7に示す平面レイアウトの上層の第2メタル配線の平面レイアウトを活性領域およびゲート電極配線のレイアウトとともに概略的に示す図である。図8においても、メモリセルMC0−MC5において、メモリセルMC0の構成要素のうち第2メタル配線に関連する構成要素と、活性領域およびゲート電極配線に参照番号を付す。
【0069】
第2メタル配線についても、第2メタル配線30e、30f、30hおよび30gは、メモリセル(SRAMセル)MCの境界領域に配置され、これらのメタル配線も、X方向およびY方向に沿って鏡映対称に配置される。第2メタル配線30eは第1ビア24bを介して下層の第1メタル配線(22b)に電気的に接続され、第2メタル配線30fは、第1ビア24aを介して下層の第1メタル配線(22a)に電気的に接続される。
【0070】
第2メタル配線30aは、第1ビア24cを介して下層の第1メタル配線(22c)に接続されかつさらに下層のコンタクト(20c)を介してアクセストランジスタの活性領域に電気的に接続される。第2メタル配線30bは、第1ビア24dおよび24eを介してそれぞれ下層の第1メタル配線22dおよび22fに電気的に接続され、さらに図示しないコンタクトを介して活性領域20cおよび20dに、メモリセル形成領域境界において接続される。
【0071】
第2メタル配線30cは、第1ビア24gを介して下層の第1メタル配線(22h)に電気的に接続される。第2メタル配線30hおよび30gは、それぞれ、第1ビア24fおよび24hを介して下層の第1メタル配線22gおよび22jに電気的に接続される。
【0072】
第2メタル配線30aおよび30cは、導電配線26aおよび26bよりも上層の配線である。また、導電配線26aおよび26bは、第1メタル配線よりも下層の配線であり、第1ビア24a−24hの配置には何ら影響を及ぼさない。
【0073】
したがって、導電配線26aおよび26aは、第1および第2メタル配線の配置に対し何ら影響を及ぼさないため、メモリセル(SRAMセル)MC0−MC5の平面レイアウトは、この導電配線26aおよび26bが設けられない場合の平面レイアウトと同じレイアウトに設定することができる。
【0074】
図9は、第3メタル配線のレイアウトを活性領域およびゲート電極配線のレイアウトとともに示す図である。図9においても、メモリセル(SRAMセル)MC0−MC5が鏡映対称なレイアウトで配置され、同一のレイアウトであり、メモリセル(SRAMセル)MC0に対する第3メタル配線に関連する部分の構成要素および活性領域に対して参照番号を付す。
【0075】
図9において、第3メタル配線32a、32bおよび32cが、図5に示す平面レイアウトと同様、X方向に連続的に延在してかつ互いに間をおいて配置される。第3メタル配線32aは、第2ビア37dを介して下層の第2メタル配線(30h)に電気的に接続され、さらに、図示しない第2ビア(24f)を介して下層の第2メタル配線(30h)に電気的に接続される。この第3メタル配線30aは、接地電圧(ロー側セル電源電圧)GNDを伝達するローカル接地線を構成する。
【0076】
第3メタル配線32bは、メモリセルMC0のX方向に沿った境界領域に対向して配置される第2ビア37aおよび37bを介して下層の第2メタル配線(30eおよび30g)にそれぞれ電気的に接続される。この第3メタル配線32bは、さらに、下層のゲート電極配線(22bおよび22j)にコンタクトおよび中間メタル配線を介して電気的に接続される。この第3メタル配線30bは、X方向に整列するSRAMセルに共通に設けられ、ワード線を構成する。
【0077】
第3メタル配線32cは、第2ビア37cを介して下層の第2メタル配線(30f)に電気的に接続される。ビット線に対するコンタクトがメモリセル形成領域において鏡映対称に配置されており、接地電圧用のコンタクトも鏡映対象にメモリセル形成領域において配置される。従って、メモリセル形成領域境界の一方側において、1つのビット線コンタクトおよび接地電圧用コンタクトを余裕を持って配置することができる。また、2本の第3メタル配線を32aおよび32cを利用することにより、鏡映対称に配置されるメモリセルに対して接地電圧用コンタクトを鏡映対称に配置して接地電圧をメモリセルに供給することができる。
【0078】
この第3メタル配線の配置においても、ビアはメモリセル形成領域境界に配置されており、導電配線26aおよび26bの配置は、何ら第3メタル配線の配置に対して影響は及ぼさない。
【0079】
図10は、図9に示す平面レイアウトの上層の第4メタル配線の配置を概略的に示す図である。図10においても、メモリセルMC0−MC5のうち、メモリセルMC0に対して配置される第4メタル配線に関連する部分の構成要素および活性領域に対して参照番号を付す。
【0080】
第4メタル配線34aおよび34bが、メモリセル形成領域各X方向に沿った境界領域においてY方向に連続的に延在して配置される。第4メタル配線34aは、第3ビア36aおよび36bを介して図9に示す下層の第3メタル配線32aおよび32cに電気的に接続される。第4メタル配線34bは、第3ビア36cおよび36dを介して図9に示す第2メタル配線32aおよび32cに電気的に接続される。
【0081】
図7から図10の示す平面レイアウトにおいて、導電配線26aおよび26bは、Y方向に延在する配線との重なりが回避されている。したがって、導電配線26aおよび26bの配置によるメモリセルの高さが高くなるのを抑制され、コンタクト/ビアおよび配線の配置に対する悪影響は防止される。
【0082】
[導電線の電源固定態様1]
図11は、この発明の実施の形態1に従うSRAMのアレイ部の構成を概略的に示す図である。図11において、メモリセルアレイは、サブアレイ50aおよび50bに分割され、これらのサブアレイ50aおよび50bの間にタップ領域52が設けられる。サブアレイ50aおよび50b各々においては、SRAMセル(メモリセル)MCが行列状に配列される。図11においては、SRAMセルのゲート電極配線21だけ代表的に参照番号を付す。負荷トランジスタおよびドライバトランジスタに対するゲート電極配線21は、X方向にSRAMセル内において延在する。アクセストランジスタに対するゲート電極配線は、X方向において隣接する2つのSRAMセルにより共有される。
【0083】
サブアレイ50aおよび50bとタップ領域52を横切るようにY方向に連続的に延在して、導電配線26aおよび26bが、各SRAMセル列に対応して配置される。導電配線26aおよび26bは、ウェル境界に対応して配置される。ウェルは、NチャネルMOSトランジスタ(アクセストランジスタおよびドライバトランジスタ)が配置されるPウェルPWaおよびPWbと、PチャネルMOSトランジスタ(負荷トランジスタ)が配置されるNウェルNWとが交互に配置される。PウェルPWaおよびPWbは、X方向において隣接するメモリセルにより共有される。
【0084】
タップ領域52においては、NウェルNWに対しては、バイアス電圧印加用のN型の高濃度不純物領域54が配置され、PウェルPWaおよびPWb対しては、バイアス電圧印加用の高濃度のP型不純物領域56が配置される。これらの不純物領域54および56がX方向に整列して配置され、これらの不純物領域54および56のY方向における両側に、X方向に連続的に延在する第1メタル配線60aおよび60bが配置される。これらの第1メタル配線60aおよび60bは、それぞれ接地電圧GNDを伝達する配線である。
【0085】
先の図10に示すように、SRAMセル列境界領域に第4メタル配線(34a、34b)を用いて接地電圧を伝達する接地線(ロー側電源線)が配置される。この第4メタル配線の接地線(第4メタル接地線)は、図9に示すようにX方向に延在する第3メタル配線に電気的に接続され、最終的に、SRAMセルのドライバトランジスタのソース領域(活性領域)に接地電圧を供給する。
【0086】
このタップ領域52においてX方向に延在する第1メタル配線60aおよび60bに、上層の第3メタル配線から第2メタル配線(図示せず)を介して接地電圧が供給される。第1メタル配線60aおよび60bと導電配線26aおよび26bとの交差部においてビア63を設け、導電線26aおよび26bに接地電圧GNDを供給する。タップ領域52においては、第1メタル配線で構成される中間配線64および65が設けられ、不純物領域56およびY方向に隣接するダミートランジスタのゲート電極および活性領域に接地電圧を供給する。
【0087】
タップ領域52の両側に整列して配置されるSRAMセルトランジスタは、形状ダミーセルであり、SRAMセルのパターンの繰返しの規則性を維持するために配置され、これらの形状ダミーセルのゲート電極および活性領域が接地電圧レベルに固定される。不純物領域56は、コンタクト66を介して第1メタル配線65および64に結合され接地電圧を受ける。
【0088】
一方、不純物領域54に関しては、導電配線26aおよび26bの間のNウェルNW上に第2メタル配線の電源線(30a、30b)が配置され、この第2メタル配線に結合される第1メタル配線61およびコンタクト62を介して電源電圧VDDが供給される。これにより、タップ領域52において、PウェルPWaおよびPWbには接地電圧GNDが供給され、NウェルNWには電源電圧VDDが供給される。このタップ領域52においてウェルバイアス電圧を供給する配線を用いて、容量電極を構成する導電配線26aおよび26bを、接地電圧GNDレベルに固定する。
【0089】
このタップ領域52は、メモリセルアレイにおいてY方向における所定の間隔毎に配置される(メモリセルアレイがサブアレイブロックに分割される場合、サブアレイブロック境界領域にこのタップ領域52が設けられる)。また、メモリセルサブアレイのY方向の端部においても、同様、タップ領域により、ウェルバイアス電圧が供給される。
【0090】
ウェルバイアス印加用のタップ領域において、導電配線の電圧をウェルバイアス電圧に固定することにより、導電配線(導電線)の電位固定用の別の領域を新たに配置する必要がなく、アレイ面積の増加は抑制され、また、製造工程の増加も回避される。
【0091】
[導電線の電源固定態様2]
図12は、この発明の実施の形態1に従うSRAMの容量電極の固定電位供給態様の変更例を概略的に示す図である。図12に示す配置は、不純物領域54および56に対する第1メタル配線の配置が、図11に示す配置と異なる。
【0092】
すなわち、タップ領域52において、NウェルNWに対して不純物領域54が設けられ、PウェルPWaおよびPWbに対し、不純物領域56が設けられる。不純物領域54には、第1メタル中間配線70およびコンタクト62を介して電源電圧VDDが供給される。この第1メタル中間配線70は、上層の第2メタル配線で構成されるハイ側電源線と結合され、また、導電配線26aおよび26b端部にまで延在して配置される。
【0093】
この第1メタル中間配線70と導電配線26aおよび26bの交差部において第1ビア72aおよび72bをそれぞれ設け、第1中間配線70と導電配線26aおよび26bを電気的に結合する。これにより、上層の第2メタル配線で構成されるハイ側電源線から電源電圧VDDが導電配線線26aおよび26bに第1メタル中間配線70を介して供給される。したがって、この図12に示す構成においては、容量電極は、電源電圧VDDに固定される。
【0094】
不純物領域56に対しては、第1メタル配線64および65が、それぞれ第1メタル配線60aおよび60bに結合されており、接地電圧GNDが供給される。これらの第1メタル配線64および65は、導電配線26aおよび26bと分離される。
【0095】
図12のメモリアレイおよびタップ領域の他の構成は、図11に示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
【0096】
図11および図12に示すように、タップ領域のタップ(基板バイアス印加用不純物領域)へバイアス電圧(VDDまたはGND)を供給する第1メタル配線を利用して、第1メタル配線下層の導電配線26aおよび26bに対し所望の電圧(VDDまたはGND)を供給している。従って、タップ領域の配線レイアウトに対しては何ら影響は及ぼさず、また、メモリセルアレイ全体のレイアウトに対しても悪影響を及ぼすことなく、導電線19(導電配線26a、26b)を固定電位に設定することができ、SRAMセルの記憶ノードに安定に容量を負荷することができる。
【0097】
[変更例]
図13は、この発明の実施の形態1に従う半導体集積回路装置の変更例のフラッシュメモリセルの断面構造を概略的に示す図である。図13において、フラッシュメモリセルは、基板領域80表面に間をおいて形成される不純物領域82aおよび82bと、これらの不純物領域82aおよび82bの間の基板領域80表面上に形成されるフローティングゲート電極84と、フローティングゲート電極84上に層間絶縁膜を介して形成されるコントロールゲート電極86を含む。
【0098】
不純物領域82aが、ビット線BLに接続され、不純物領域82bが、ソース線SLに結合される。コントロールゲート電極86は、コントロールゲート線CGに接続される。フローティングゲート電極84は、各フラッシュメモリセル毎に分離して配置され、電気的にフローティング状態にある。
【0099】
この図13に示すフラッシュメモリセルは、フローティングゲート型トランジスタでメモリトランジスタが構成される。このフローティングゲート電極84に蓄積される電荷(電子)の量に応じて、メモリトランジスタのしきい値電圧が異なり、このしきい値電圧情報に応じてデータを記憶する。
【0100】
この図13に示すフラッシュメモリセルにおいて、データ書込時には、ビット線BLが高電圧レベルに設定され、また、コントロールゲート線CGも正の書込高電圧レベルに設定される。ソース線SLは接地電圧レベルに設定される。この場合、ビット線BLからソース線SLに電流が流れ、不純物領域82aおよびコントロールゲート電極86間の高電界によりチャネルホットエレクトロン(CHE)が発生し、このチャネルホットエレクトロンが、フローティングゲート電極84に注入され、メモリトランジスタのしきい値電圧が上昇する。
【0101】
消去時においては、一例として、ビット線BLはフローティング状態に設定され、ソース線SLが正の電圧レベルに設定され、コントロールゲート線CGが負の電圧レベルに設定される。この場合、フローティングゲート電極84と不純物領域82bの間にファウラー−ノルドハイムトンネル電流(FNトンネル電流)が流れ、フローティングゲート電極84から電子が流出し、このメモリトランジスタのしきい値電圧が低い電圧方向にシフトする。なお、消去時において、ビット線BLおよびソース線SLをフローティング状態として、フローティングゲートから基板領域80に電子が引き抜かれてもよい。
【0102】
データ読出時においては、コントロールゲート線CGに、書込状態および消去状態のしきい値電圧の間の読出電圧を印加し、ビット線BLに正の読出電圧を供給し、ソース線SLを接地電圧レベルに設定する。高しきい値電圧状態(書込状態)のときには、ビット線BLからソース線SLへ流れる電流量は少なく、一方、低しきい値電圧状態(消去状態)のときには、ビット線BLからソース線SLへ大きな電流が流れる。このビット線BLを流れる電流を検出することにより、データの読出を行なう。
【0103】
このフローティングゲートおよびコントロールゲートの積層ゲート構造を有するメモリセルトランジスタをフラッシュメモリセルとして利用する場合においても、同様、SRAMセルの記憶ノードの容量を大きくすることができる。
【0104】
図14は、この発明の実施の形態1の変更例のSRAMセルの電気的等価回路を概略的に示す図である。図14において、SRAMセルは、図3に示すSRAMセルと同様、2つのPチャネルMOSトランジスタPQ1およびPQ2と、4つのNチャネルMOSトランジスタNQ1−NQ4を含む。この図14に示すSRAMセルのトランジスタの配置は、図3に示すSRAMセルのトランジスタの配置と同じであり、ワード線WLの信号電位に従ってアクセストランジスタNQ3およびNQ4が導通し、ビット線BLおよび/BLが記憶ノードND1およびND2にそれぞれ結合され、記憶ノードND1およびND2に相補データが保持される。
【0105】
このSRAMセルに対し導電線90が配置される。このSRAMセルのトランジスタPQ1およびPQ2およびNQ1−NQ4のゲート電極は、図13に示すフラッシュメモリセルのコントロールゲート電極86と同一配線工程で形成され、同一配線層の配線で構成される。一方、導電線90は、図13に示すフラッシュメモリセルのフローティングゲート電極84(FG)と同一配線層の配線で構成される。このコントロールゲート電極86は、フローティングゲート電極84よりも、上層配線であり、その電気的特性はフローティングゲートよりも優れており、SRAMセルのアクセス動作を高速化する。
【0106】
図14に示すSRAMセルの配線レイアウトは、図4に示す配線レイアウトと同じであり、導電線26aおよび26bに代えてフローティングゲート電極層と同一配線層の導電線90が設けられる点が異なる。
【0107】
図15は、発明の実施の形態1の変更例のSRAMセルの活性領域から第1メタル配線の平面レイアウトを概略的に示す図である。この図15に示すSRAMセルは、図4に示すSRAMセルの平面レイアウトと同じである。すなわち、活性領域20a−20dが図4に示す配置と同様に配置され、また、第1メタル配線22a−22jがそれぞれ対応して配置される。コンタクト22a−23gが各活性領域およびゲート電極配線に対応して配置され活性領域と第1メタル配線またはゲート電極配線と第1メタル配線の電気的接続を行なう。このコンタクトおよび第1メタル配線の配置も図4に示すSRAMセルの配置と同じである。従って、対応する部分に対して同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
【0108】
導電配線92aおよび92bが、このPチャネルMOSトランジスタPQ1およびPQ2が形成されるNウェルとNチャネルMOSトランジスタNQ1,NQ3が形成されるPウェルおよびMOSトランジスタNQ4およびNQ2が形成されるPウェルの境界領域に配置される。この導電配線92aおよび92bは、図13に示すフローティング型フラッシュメモリセルのフローティングゲート電極84(FG)と同一配線層の配線で構成される。
【0109】
一方、図4に示すゲート電極配線21a−21dに対応するゲート電極配線94a−94dは、図13に示すフローティングゲート型フラッシュメモリセルのコントロールゲート電極86(CG)と同一配線層の配線で形成される。したがって、この配置においては、導電線92aおよび92bの上層に、ゲート電極配線94aおよび94cが配置される。この配線の配置される配線層を除いて、図15に示すSRAMセルのレイアウトは図4に示すレイアウトと同じである。
【0110】
図16は、図15に示す線L16−L16に沿った導電線92aとゲート電極配線92aの断面構造を概略的に示す図である。図16において、基板領域(ウェル領域)100上に素子分離領域102が形成され、この素子分離領域102上にフローティングゲート電極(FG)と同一配線層の導電配線92aが配置される。基板領域100は、その表面に素子分離膜が浅く形成されるウェルである。導電配線92a上にゲート絶縁膜104を介してゲート電極配線94aが配置される。ゲート電極配線94aはフラッシュメモリセルのコントロールゲート電極配線(CG)と同一配線層の配線である。
【0111】
したがって、導電配線92aが、下地の素子分離膜(シャロー・トレンチ・アイソレーション膜:STI膜)102上に形成されており、その上にゲート絶縁膜104を介してゲート電極配線94aが配置される構成となる。導電配線92a上にゲート絶縁膜104を介してゲート電極配線94aが配置されても、この領域においては活性領域は形成されていないため、SRAMセルのトランジスタのしきい値電圧等には影響は及ぼさない。活性領域上においてゲート電極配線がゲート絶縁膜を介して配置されていればよい。
【0112】
図17は、図15に示した線L17−L17に沿った断面構造を概略的に示す図である。図17において、このフローティングゲート電極と同一配線層の導電配線92aが配置される。この導電配線92aを覆うようにゲート絶縁膜104が形成され、このゲート絶縁膜104上にゲート電極配線94aが配置される。
【0113】
フローティングゲート構造のフラッシュメモリセルを利用する場合、フローティングゲート電極(FG)がコントロールゲート電極(CG)よりも下層の配線であり、SRAMセルにおいて、MOSトランジスタのゲート電極配線をフラッシュメモリセルのコントロールゲート電極と同一配線層の配線を利用する場合、素子分離領域上においてゲート電極配線94aに段差が生じる。しかしながら、この領域は、活性領域から離れており、このゲート電極配線94aの下部のゲート絶縁膜104により、活性領域表面とゲート電極配線94aの間の距離はゲート絶縁膜104が規定する厚さに設定することができ、しきい値電圧などのトランジスタ特性の劣化は抑制される。
【0114】
またこの導電配線92aおよび92bが配置される領域は、ウェル境界領域であり、トランジスタおよび配線が配置されない領域であり、上層配線のレイアウトは、先の実施の形態1の図7から図10において示した平面レイアウトと同じである。この領域において段差が生じても、何らトランジスタ特性および配線の配置には悪影響は及ぼさない(先のゲート電極配線と導電配線26a、26bを利用する場合と同程度の段差である)。また、素子分離膜としてSTI膜を利用し、STI膜の表面が平坦化されていれば、LOCOS膜(熱酸化膜)と同様の段差でゲート電極配線を配置することが可能となる。これは、フラッシュメモリセルとしてONO膜を電荷蓄積膜として利用するセル構造においても、同様である。
【0115】
このSRAMセルとトランジスタのゲート電極配線として、フローティングゲート型フラッシュメモリセルのコントロールゲート(85)と同一配線層の配線を利用することにより、膜質が優れた(電気的特性が優れた)配線をゲート電極に利用することができ、トランジスタのゲート電位を高速で変化させることができ、SRAMセルトランジスタを高速動作させることができる。
【0116】
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、SRAMセル列において、フラッシュメモリセルの固有の電極配線と同一層の配線を用いてトランジスタのゲート電極配線と交差するように導電線を配置して、容量を記憶ノードに付加している。導電線は単に列方向に連続的に延在するだけであり、コンタクトをSRAMセル内に余分に設ける必要なく、SRAMセルのレイアウト面積の増大および個製造工程数の増加を回避して、記憶ノードに容量を付加して、確実にSRAMセルのデータ保持特性を改善することができる。また、単に直線的に導電線が配置されるだけであり、内部でSRAMセル内部において容量とSRAMセルのトランジスタのゲートまたは活性領域との間の接続をとる必要がなく、配線レイアウトが簡略化される。
【0117】
[実施の形態2]
図18は、この発明の実施の形態2に従う半導体集積回路装置の全体の構成を概略的に示す図である。図18において、半導体集積回路装置200は、ロジック回路202と、フラッシュメモリ204とを含む。ロジック回路202およびフラッシュメモリ204は内部バス206を介して相互接続される。ロジック回路202は、プログラムを実行するプロセッサ、汎用のDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)、またはコントローラのいずれであってもよい。ロジック回路202においては、内部にラッチ回路208が設けられる。このラッチ回路208は、信号/データを保持する。このラッチ回路208は、データを転送するゲートとして利用されてもよく、また、処理データを一時的に格納するレジスタとして利用されてもよい。ラッチ回路208は、データ/信号を保持する機能を有していればよい。
【0118】
フラッシュメモリ204は、不揮発的にデータを記憶するフラッシュメモリセルを有していればよく、フラッシュメモリセルは、図2に示すセル構造または図13に示すセル構造のいずれを有していてもよい。
【0119】
図19は、図18に示すラッチ回路208に含まれる1つのラッチの構成の一例を概略的に示す図である。図19において、ラッチ回路208に含まれるラッチは、クロック信号CLKを反転するインバータ209と、クロック信号CLKおよびインバータ209からの反転クロック信号に従って選択的に導通するトランスミッションゲート210および211と、トランスミッションゲート210から内部配線212に伝達された信号を受ける2段の縦続接続されるインバータ214および216と、インバータ214から内部配線217に伝達された信号を反転するインバータ219とを含む。
【0120】
トランスミッションゲート210は、クロック信号CLKがHレベルのとき導通し、入力データDINを内部配線212に伝達する。インバータ214は、PチャネルMOSトランジスタPT1およびNチャネルMOSトランジスタNT1を含み、内部配線212上の信号/データを反転して内部配線217に伝達する。インバータ216は、PチャネルMOSトランジスタPT2およびNチャネルMOSトランジスタNT2を含み、内部配線217上の信号/データを反転して出力信号/データ(以下、単にデータと称す)DOUTを生成する。
【0121】
インバータ219は、内部配線217から内部配線218を介して伝達されるデータを反転する。トランスミッションゲート211は、トランスミッションゲート210と相補的に導通し、導通時、インバータ219の出力データを内部配線212に伝達する。
【0122】
この内部配線218に、導電線220を用いて、容量Cを付加する。この導電線220は、フラッシュメモリ204に含まれるメモリゲート線MGまたはフローティングゲートFGと同一配線層の配線を用いて形成され、一例として、接地ノードに結合される。したがって、この容量Cにより、内部配線217および218に容量を増加することにより、内部配線217上のデータの反転/ノイズを防止することができ、安定にデータを保持することができる。
【0123】
図19に示すラッチにおいても、導電線220は、フラッシュメモリセルの製造工程時にフラッシュメモリセルに利用される固有の配線を用いて形成しており、何らこのラッチ回路の構成要素の配置に悪影響を及ぼすことなく導電線220を配置することができる。「固有の配線」は、フラッシュメモリセルにおいて利用され、ラッチにおいては利用されない配線層の配線を示す。この規定は、実施の形態1においても同様である。
【0124】
図20は、図19に示すインバータ214および216の平面レイアウトを概略的に示す図である。図20において、ゲート電極配線230aおよび230bが間をおいてY方向に延びるようにかつ間をおいて配置される。図20においては、トランジスタが形成される活性領域は示していない。
【0125】
ゲート電極配線230aに対し、その中央部において第1メタル配線236aが配置される。この第1メタル配線236aは、突出部においてゲート電極配線230aに電気的に接続される。ゲート電極配線230aを横切りかつゲート電極配線230aおよび230bの間を蛇行するように第1メタル配線236bが配置される。この第1メタル配線236bは、上部においてコンタクトCT2を介してPチャネルMOSトランジスタPT1のドレインノード(ドレイン不純物領域)に結合され、中央部において、コンタクトCT3を介してゲート電極配線230bに電気的に接続され、さらに下部においてコンタクトCT4を介してNチャネルMOSトランジスタNT1のドレインノード(ドレイン不純物領域)に接続される。
【0126】
ゲート電極配線230bに隣接して、ほぼ直線的にY方向に延びるように第1メタル配線236cが配置される。第1メタル配線236cは、インバータ216の出力ノードを構成し、コンタクトCT5を介してPチャネルMOSトランジスタPT2のドレインノード(ドレイン不純物領域)に接続され、コンタクトCT6を介してNチャネルMOSトランジスタNT2のドレインノード(ドレイン不純物領域)に接続される。
【0127】
ゲート電極配線230aおよび230bの間に配置される突出部を有するT字型の第1メタル配線233および234が互いに対向して、第1メタル配線236b外部に配置される。第1メタル配線233は、突出部233aおよび頂部233bとを有する。頂部233bが電源電圧VDDを伝達する。この頂部233bは、ビアを介して図示しない電源線に結合されてもよく、また、電源線自体を構成してもよい。突出部233aは、コンタクトCT7を介してMOSトランジスタPT1およびPT2のソースノード(ソース不純物領域)に結合され、頂部233bの電源電圧VDDをソースノードへ供給する。
【0128】
第1メタル配線234は、突出部234aおよび底部234bを有し、突出部234aがコンタクトCT8を介してNチャネルMOSトランジスタNT1およびNT2のソースノード(ソース不純物領域)に結合され、底部234bから伝達される接地電圧VSSをソースノードに供給する。この底部234bは、図示しない接地線にビアを介して結合されてもよく、また、接地線自体を構成してもよい。
【0129】
図20において、破線で囲まれる第1メタル配線236bおよびゲート電極配線230bの領域240は、図19に示す内部配線217および218で構成される記憶ノードに相当する。この記憶ノード240に対し、図19に示す領域SCにおいて容量Cを配置する。
【0130】
なお、図20においては、第1メタル配線236bからインバータ219へデータをフィードバックする経路の配線は示していないが、このフィードバック用の配線は、上層の例えば第2メタル配線を用いて形成される。
【0131】
図21は、この発明の実施の形態2に従うラッチの平面レイアウトを付加容量Cとともに概略的に示す図である。図21に示すラッチの平面レイアウトは、図19に示すインバータ214および216と導電線220を含む部分の配置を示す。この図21に示す平面レイアウトは、以下の点で、図24に示す平面レイアウトとその構成が異なる。すなわち、接地電圧VSSを供給する第1メタル配線234の底部234bを越えて、ゲート電極配線230bが配置される。この第1メタル配線234の底部234bの下部に、導電線220が配置される。
【0132】
この導電線220は、フラッシュメモリセル固有の配線と同一配線層の配線であり、すなわち、フラッシュメモリセルトランジスタのトランジスタPT1、PT2、NT1およびNT2において利用されない配線層の配線であり、たとえばフローティングゲート電極またはメモリゲート電極と同一配線層の配線である。単に導電線220は、第1メタル配線234下部にゲート電極配線230bと交差するように配置されるだけである。したがって、導電線220は、インバータ214および216を構成するトランジスタPT1、PT2、NT1およびNT2を配置する配線および活性領域のレイアウトに影響を及ぼさない領域に配置されればよい。
【0133】
図20および図21の配線レイアウトを比較すれば明らかなように、記憶ノード240において、容量Cを、このインバータ214および216のトランジスタのレイアウトに何ら影響を及ぼすことなく配置することができ、記憶ノード240の負荷容量を増大させることができる。
【0134】
なお、図21に示す配置において、図示しない領域において、第1メタル配線234に接地電圧VSSを供給する上層のメタル配線または第1メタル配線234の底部234bと導電線220とが、ビアを介して電気的に接続されればよい。
【0135】
また、導電線220は、ハイ側電源線(第1メタル配線233)側においてゲート電極230bと交差するように配置されて、電源電圧VDDに固定されてもよい。
【0136】
なお、上述の説明においては、このラッチ回路208は、フラッシュメモリと同一半導体基板上に集積化されるロジック回路(202)に含まれるように示している。しかしながら、たとえばフラッシュメモリ内において書込データをラッチするレジスタ回路などが設けられており、そのレジスタ回路のラッチの記憶ノードに対し、フラッシュメモリセルの電極配線と同一配線層の配線を付加容量として利用してもよい。
【0137】
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、フラッシュメモリセルのトランジスタの固有の電極配線を利用して、ラッチの記憶ノードの容量を、ラッチトランジスタのゲート電極配線との交差部にも形成している。したがって、コンタクトをこのラッチ用トランジスタの活性領域または内部ノードとの間で設ける必要がなく、ラッチのレイアウト面積および製造工程数を増大させることなく、記憶ノードの容量を増大させることができ、安定にデータを保持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0138】
この発明に従う半導体集積回路装置は、フラッシュメモリとデータ保持を行う回路とが同一半導体チップ(基板)上に集積化される装置であればよい。特に、フラッシュ搭載マイクロコンピュータ(フラッシュマイコン)などのプロセッサに利用することにより、そのレイアウトチップ面積を増大させることなく、SRAMの記憶データを安定に保持することができる。
【0139】
また、フラッシュメモリセルと同一半導体チップ上に形成されるラッチ回路を有する半導体集積回路装置に対して本発明を適用することにより、ラッチのレイアウト面積を増大させることなく、記憶ノード(ラッチノード)の容量を増大させることができ、データ保持特性をラッチのサイズを増大させることなく改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】この発明の実施の形態1に従う半導体集積回路装置の全体の構成を概略的に示す図である。
【図2】図2に示すフラッシュメモリのメモリセルの断面構造を概略的に示す図である。
【図3】図1に示すスタティックRAMのメモリセルの電気的等価回路を概略的に示す図である。
【図4】図3に示すSRAMセルの平面レイアウトを概略的に示す図である。
【図5】図4に示す平面レイアウトの上層配線のレイアウトを概略的に示す図である。
【図6】図4に示す導電線およびゲート電極配線の交差部の断面構造を概略的に示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1に従うSRAMセルアレイの平面レイアウトを第1メタル配線層までの平面レイアウトを概略的に示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1に従うSRAMセルアレイの第2メタル配線のレイアウトを活性領域およびゲート電極配線のレイアウトとともに示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1に従うSRAMセルアレイの第3メタル配線のレイアウトを下部の活性領域およびゲート電極配線および導電線のレイアウトとともに示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1に従うSRAMセルアレイの第4メタル配線のレイアウトを下部の活性領域、ゲート電極配線およびビアとともに示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1に従うSRAMの導電線の電圧印加部の配置を概略的に示す図である。
【図12】この発明の実施の形態1に従うSRAMの導電線の電圧固定の変更例の配置を概略的に示す図である。
【図13】この発明の実施の形態1の変更例のフラッシュメモリセルの断面構造を概略的に示す図である。
【図14】この発明の実施の形態1の変更例のSRAMセルの電気的等価回路を概略的に示す図である。
【図15】図14に示すSRAMセルの平面レイアウトを第1メタル配線までの平面レイアウトを概略的に示す図である。
【図16】図15に示す線L16−L16に沿った断面構造を概略的に示す図である。
【図17】図15に示す線L17−L17に沿った断面構造を概略的に示す図である。
【図18】この発明の実施の形態2に従う半導体集積回路装置の全体の構成を概略的に示す図である。
【図19】図18に示すラッチ回路のラッチの構成の一例を示す図である。
【図20】図19に示す2段のインバータの平面レイアウトを概略的に示す図である。
【図21】図19に示す2段のインバータおよび導電線(負荷容量)の平面レイアウトを概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0141】
1 半導体集積回路装置、2 プロセッサ、6 スタティックRAM(SRAM)、94 コントロールゲート電極線、18 メモリゲート電極配線、PQ1,PQ2 PチャネルMOSトランジスタ(負荷トランジスタ)、NQ1,NQ2 NチャネルMOSトランジスタ(ドライバトランジスタ)、NQ3,NQ4 NチャネルMOSトランジスタ(アクセストランジスタ)、19 導電線、20a−20d 活性領域、21a−21d ゲート電極配線、26a,26b 導電配線、44 コントロールゲート電極配線、48 メモリゲート電極配線、MC,MC0−MC5 メモリセル、50a,50b メモリサブアレイ、52 タップ領域、54,56 不純物領域、60a,60b,64,65,61 第1メタル配線、62,66 コンタクト、63,72a,72b ビア、NW Nウェル、PWa,PWb Pウェル、70 第1メタル配線、72a,72b コンタクト、92a,92b 導電線、94a−94d ゲート電極配線、200 半導体集積回路装置、202 ロジック回路、204 フラッシュメモリ、208 ラッチ回路、214,216 インバータ、217,218 内部配線(記憶ノード)、220 導電線、230a,230b ゲート電極配線、240 記憶ノード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリと同一半導体基板上に集積化される半導体記憶装置を含む半導体集積回路であって、前記半導体記憶装置は、
行列状に配列され、各々が、第1および第2の記憶ノードにデータを保持する複数のメモリセルを備え、各前記メモリセルは、前記第1および第2の記憶ノードにデータを保持する複数の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを有し、前記複数の電界効果トランジスタは、それぞれのゲート電極が第1の方向に整列して配置されるとともに、前記第1および第2の記憶ノードのいずれかに結合され、
各メモリセル行に対応して配置され、各々に対応の行のメモリセルが接続される複数のワード線、
各メモリセル列に対応して配置され、各々に対応の列のメモリセルが接続される複数のビット線対、および
前記第1の方向と交差する方向に沿って整列するメモリセルに共通に配置され、各々が対応のメモリセルの前記複数の電界効果トランジスタのゲート電極と交差するように配置される複数の導電線を備え、前記導電線は、前記不揮発性メモリのメモリセルの固有の配線と同一配線層の配線で構成され、前記固有の配線は、前記半導体記憶装置のメモリセルの形成には不使用とされる配線層の配線である、半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記導電線は、固定電圧を供給するノードに結合される、請求項1記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記不揮発性メモリは、電荷蓄積層に蓄積される電荷量に応じてデータを記憶するメモリトランジスタと、前記メモリトランジスタを選択する選択トランジスタとを有する不揮発性メモリセルを含み、
前記導電線は、前記不揮発性メモリセルのメモリトランジスタのゲート電極配線と同一配線層の配線で構成される、請求項1記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記不揮発性メモリは、フローティング状態の電荷蓄積ゲートに蓄積される電荷量に応じてデータを記憶するフローティングゲートトランジスタを有する不揮発性メモリセルを含み、
前記導電線は、前記不揮発性メモリセルの電荷蓄積ゲートと同一配線層の配線で構成される、請求項1記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記半導体記憶装置の複数のメモリセルは基板領域上に形成され、
前記半導体集積回路装置は、さらに、タップ領域において前記半導体基板領域にバイアス電圧を供給するとともに前記複数のメモリセルにセル電源電圧を供給する電源線をさらに備え、
前記導電線は、前記タップ領域において前記電源線と結合される、請求項1記載の半導体集積回路装置。
【請求項6】
前記半導体記憶装置の各メモリセルにおいて前記複数の電界効果型ランジスタは第1導電型の基板領域に形成される第2導電型のトランジスタと、前記第2導電型の基板領域に形成される第1導電型のトランジスタとを含み、
前記導電線は、前記第1および第2導電型の基板領域の境界領域に対応して配置される、請求項1記載の半導体集積回路装置。
【請求項7】
不揮発性メモリとデータ保持部とが同一半導体基板上に集積化された半導体集積回路装置において、前記データ保持部のデータ保持ノードに結合されるトランジスタのゲート電極と交差するように前記不揮発性メモリのメモリセルの固有の配線と同一の配線層の配線を配置したことを特徴とし、前記固有の配線は、前記データ保持部のトランジスタの形成および配置のために利用される配線層以外の配線層の配線である、半導体集積回路装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2010−109232(P2010−109232A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281150(P2008−281150)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】