説明

基板処理装置、基板処理装置の汚染抑制方法及び記憶媒体

【課題】搬送室内の汚染を軽減し、メンテナンス頻度の減少を図ることが可能な基板処理システムを提供すること。
【解決手段】被処理基板に対して処理を行う処理チャンバ22及び23と、処理チャンバ22及び23に接続され、内部が処理チャンバ22及び23の処理圧力と適合した圧力に調整可能な搬送室21と、搬送室21内に設けられ、被処理基板を処理チャンバ22及び23に対して搬入出する搬送機構26と、搬送室21内を、この搬送室21内に処理チャンバ22及び23からの放出物が付着しない温度に加熱する加熱機構71と、搬送室21内を排気する排気機構54と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬送室に処理チャンバを配してなる基板処理装置と、その基板処理装置の汚染抑制方法、及びその基板処理装置を動作させる記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、被処理基板である半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)に、コンタクト構造や配線構造を形成するために、複数の金属又は金属化合物膜を成膜するプロセスが行われる。このような成膜処理は、真空に保持された処理チャンバ内で行われるが、最近では、処理の効率化の観点、および酸化やコンタミネーション等の汚染を抑制する観点から、複数の処理チャンバを真空に保持される搬送室に連結し、この搬送室に設けられた搬送装置により各処理チャンバにウエハを搬送可能としたクラスターツール型のマルチチャンバシステムが注目されている(例えば特許文献1)。このようなマルチチャンバシステムでは、ウエハを大気に曝すことなく連続して複数の膜を成膜することができるので、極めて効率的でかつ汚染の少ない処理を行うことができる。
【0003】
ところで、一般的にCVDを行う際には汚染成分が発生する。このため、搬送室にCVD処理チャンバを配する場合には、汚染成分がCVD処理チャンバから搬送室に拡散し、搬送室が汚染されてしまう。
【0004】
このような汚染を抑制するために、搬送室内の圧力がCVD処理チャンバ内の圧力よりも高くなるように制御しながら、パージガスを搬送室内に導入して汚染成分をCVD処理チャンバに追い返し、CVD処理チャンバの排気システムを使って汚染物を排気するようにしている(特許文献2)。
【0005】
しかしながら、汚染成分を搬送室からCVD処理チャンバへ追い返すようにしても、搬送室内に紛れ込んだ汚染成分の除去は完全ではない。このため、基板処理システムが、所定の処理回数や稼働時間に達する毎に、搬送室内のクリーニングなど、定期的なメンテナンスが必要となっている。メンテナンス時には基板処理システムが停止されるので、スループットが悪化する。
【特許文献1】特開平3−19252号公報
【特許文献2】特開平10−270527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、搬送室内の汚染を軽減し、メンテナンス頻度の減少を図ることが可能な基板処理装置、基板処理装置の汚染防止方法、及び基板処理装置を動作させる記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明の第1の態様に係る基板処理装置は、被処理基板に対して処理を行う複数の処理チャンバと、前記複数の処理チャンバに接続され、内部が前記複数の処理チャンバの処理圧力と適合した圧力に調整可能な搬送室と、前記搬送室内に設けられ、前記被処理基板を前記複数の処理チャンバに対して搬入出する搬送機構と、前記搬送室内を、この搬送室内に前記複数の処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱する加熱機構と、前記搬送室内を排気する排気機構と、具備する。
【0008】
この発明の第2の態様に係る基板処理装置は、被処理基板に対して処理を行う複数の低圧系処理チャンバと、前記複数の低圧系処理チャンバに接続され、内部が前記複数の低圧系処理チャンバの処理圧力と適合した圧力に調整可能な低圧系搬送室と、前記複数の低圧系処理チャンバの処理圧力よりも高い処理圧力で、前記被処理基板に対して処理を行う複数の高圧系処理チャンバと、前記複数の高圧系処理チャンバに接続され、内部が前記複数の高圧系処理チャンバの処理圧力と適合した圧力に調整可能な高圧系搬送室と、前記低圧系搬送室及び前記高圧系搬送室の双方に接続され、内部が前記低圧系搬送室の圧力及び前記高圧系搬送室の圧力の双方と適合した圧力に調整可能なバッファ室と、前記低圧系搬送室内に設けられ、前記被処理基板を前記低圧系処理チャンバ及び前記バッファ室に対して搬入出する第1の搬送機構と、前記高圧系搬送室内に設けられ、前記被処理基板を前記バッファ室及び前記高圧系処理チャンバに対して搬入出する第2の搬送機構と、前記低圧系搬送室内を、この低圧系搬送室内に前記複数の低圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱する第1の加熱機構と、前記低圧系搬送室内を排気する第1の排気機構と、前記高圧系搬送室内を、この高圧系搬送室内に前記複数の高圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱する第2の加熱機構と、前記高圧系搬送室内を排気する第2の排気機構と、を具備する。
【0009】
この発明の第3の態様に係る基板処理装置は、被処理基板に対して処理を行う複数の低圧系処理チャンバと、前記複数の低圧系処理チャンバに接続され、内部が前記複数の低圧系処理チャンバの処理圧力と適合した圧力に調整可能な低圧系搬送室と、前記複数の低圧系処理チャンバの処理圧力よりも高い処理圧力で、前記被処理基板に対して処理を行う複数の高圧系処理チャンバと、前記複数の高圧系処理チャンバに接続され、内部が前記複数の高圧系処理チャンバの処理圧力と適合した圧力に調整可能な高圧系搬送室と、前記低圧系搬送室及び前記高圧系搬送室の双方に接続され、内部が前記低圧系搬送室の圧力及び前記高圧系搬送室の圧力の双方と適合した圧力に調整可能なバッファ室と、前記低圧系搬送室内に設けられ、前記被処理基板を前記低圧系処理チャンバ及び前記バッファ室に対して搬入出する第1の搬送機構と、前記高圧系搬送室内に設けられ、前記被処理基板を前記バッファ室及び前記高圧系処理チャンバに対して搬入出する第2の搬送機構と、前記高圧系搬送室内を、この高圧系搬送室内に前記複数の高圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱する加熱機構と、前記高圧系搬送室内を排気する排気機構と、を具備する。
【0010】
この発明の第4の態様に係る基板処理装置の汚染防止方法は、被処理基板に対して処理を行う複数の処理チャンバと、前記複数の処理チャンバに接続され、内部が前記複数の処理チャンバの処理圧力と適合した圧力に調整可能な搬送室と、前記搬送室内に設けられ、前記被処理基板を前記複数の処理チャンバに対して搬入出する搬送機構と、を備えた基板処理装置の汚染抑制方法であって、前記搬送室内を、この搬送室内に前記複数の処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記放出物を前記搬送室内から直接に排気する。
【0011】
この発明の第5の態様に係る記憶媒体は、コンピュータ上で動作し、基板処理装置を制御するプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記プログラムは、実行時に、第4の態様に係る基板処理装置の汚染抑制方法が行われるように、コンピュータに前記基板処理装置を制御させる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、搬送室内の汚染を軽減し、メンテナンス頻度の減少を図ることが可能な基板処理装置、基板処理装置の汚染防止方法、及び基板処理装置を動作させる記憶媒体を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1はこの発明の第1の実施形態に係るマルチチャンバタイプの基板処理システム(基板処理装置)を示す平面図、図2は図1中のA−A線及びB−B線に沿う断面図である。
【0015】
基板処理システム1aは、高真空(低圧)での処理であるPVD処理、例えばスパッタリング処理を行う複数の処理チャンバを備えた第1の処理部2と、高圧での処理であるCVD処理を行う複数のチャンバを備えた第2の処理部3と、搬入出部4と、第1の処理部2と第2の処理部3とを接続するバッファ室5とを有しており、ウエハWに対して所定のメタル成膜を実施することができるようになっている。
【0016】
第1の処理部2は、平面形状が七角形をなす第1の搬送室11と、この第1の搬送室11の4つの辺に接続された4つのPVD処理チャンバ12、13、14、15とを有している。第1の搬送室11の他辺には、上記バッファ室5が接続されている。PVD処理チャンバ12乃至15、及びバッファ室5は、第1の搬送室11の各辺にゲートバルブGを介して接続され、これらは対応するゲートバルブGを開放することにより第1の搬送室11と連通され、対応するゲートバルブGを閉じることにより第1の搬送室11から遮断される。第1の搬送室11内には、PVD処理チャンバ12乃至15、バッファ室5に対してウエハWの搬入出を行う第1の搬送機構16が設けられている。この第1の搬送機構16は、第1の搬送室11の略中央に配設されており、回転および伸縮可能な回転・伸縮部17の先端にウエハWを支持する2つの支持アーム18a、18bが設けられており、これら2つの支持アーム18a、18bは互いに反対方向を向くように回転・伸縮部17に取り付けられている。この第1の搬送室11内は後述するように所定の真空度に保持されるようになっている。
【0017】
第2の処理部3は、平面形状が七角形をなす第2の搬送室21と、この第2の搬送室21の対向する2つの辺に接続された2つのCVD処理チャンバ22、23とを有している。また、第2の搬送室21の第1の処理部2側の1辺には、上記バッファ室5が接続されている。さらに、搬入出部4側の2辺には、それぞれロードロック室6a、6bが接続されている。処理チャンバ22、23、バッファ室5、およびロードロック室6a、6bは、第2の搬送室21の各辺にゲートバルブGを介して接続され、これらは対応するゲートバルブGを開放することにより第2の搬送室21と連通され、対応するゲートバルブGを閉じることにより第2の搬送室21から遮断される。第2の搬送室21内には、CVD処理チャンバ22、23、バッファ室5、ロードロック室6a、6bに対してウエハWの搬入出を行う第2の搬送機構26が設けられている。この第2の搬送機構26は、第2の搬送室21の略中央に配設されており、回転および伸縮可能な回転・伸縮部27の先端にウエハWを支持する2つの支持アーム28a、28bが設けられており、これら2つの支持アーム28a、28bは互いに反対方向を向くように回転・伸縮部27に取り付けられている。この第2の搬送室21内は後述するように所定の真空度に保持されるようになっている。
【0018】
搬入出部4は、上記ロードロック室6a、6bを挟んで第2の処理部3と反対側に設けられており、ロードロック室6a、6bが接続される搬入出室31を有している。ロードロック室6a、6bと搬入出室31との間にはゲートバルブGが設けられている。搬入出室31のロードロック室6a、6bが接続された辺と対向する辺には被処理基板としてのウエハWを収容するキャリアCを接続する2つの接続ポートが設けられている。これら接続ポートにはそれぞれ図示しないシャッターが設けられており、これら接続ポートにウエハWを収容した状態の、または空のキャリアCが直接取り付けられ、その際にシャッターが外れて外気の侵入を防止しつつ搬入出室31と連通するようになっている。また、搬入出室31の側面にはアライメントチャンバ34が設けられており、そこでウエハWのアライメントが行われる。搬入出室31内には、キャリアCに対するウエハWの搬入出およびロードロック室6a、6bに対する半導体ウエハWの搬入出を行う搬入出用搬送機構36が設けられている。この搬入出用搬送機構36は、2つの多関節アームを有しており、キャリアCの配列方向に沿ってレール38上を走行可能となっていて、それぞれの先端のハンド37上にウエハWを載せてその搬送を行うようになっている。
【0019】
基板処理システム1aは、各構成部を制御するための制御部110を有している。この制御部110は、各構成部の制御を実行するマイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるプロセスコントローラ111と、オペレータが基板処理システム1aを管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、基板処理システムの稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース112と、基板処理システム1aで実行される各種処理をプロセスコントローラ111の制御にて実現するための制御プログラムや、各種データ、および処理条件に応じて処理装置の各構成部に処理を実行させるためのプログラムすなわちレシピが格納された記憶部113と、を備えている。なお、ユーザーインターフェース112および記憶部113はプロセスコントローラ111に接続されている。
【0020】
上記レシピは記憶部113の中の記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスクであってもよいし、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。必要に応じて、任意のレシピを、ユーザーインターフェース112からの指示等にて記憶部113から呼び出し、プロセスコントローラ111に実行させることで、プロセスコントローラ111の制御下で、基板処理システム1aでの所望の処理が行われる。
【0021】
第1の搬送室11の底部には排気口41が設けられており、この排気口41には排気配管42が接続されている。排気配管42には、排気速度調整バルブ43および真空ポンプ44が介在されている。
【0022】
第2の搬送室21も同様であり、その底部には排気口51が設けられており、この排気口51には排気配管52が接続されている。排気配管52には、排気速度調整バルブ53および真空ポンプ54が介在されている。
【0023】
真空ポンプ44は、排気速度調整バルブ43を介して第1の搬送室11の内部を排気する。PVD処理チャンバ12乃至15は、高真空の状態で処理を行う。このため、PVD処理チャンバ12乃至15のいずれかにウエハWを搬送する際には、第1の搬送室11の内部の圧力はPVD処理チャンバ12乃至15と同程度の高真空の状態に保持されなければならない。具体的には、PVD処理チャンバは、例えば、1×10−7〜1×10−3Pa(約1×10−9〜10×10−5Torr)程度の圧力に保持される。このため、第1の搬送室11も同様に、真空ポンプ44を用いて、1×10−7〜1×10−3Pa(約1×10−9〜10×10−5Torr)程度の圧力に保持される。
【0024】
真空ポンプ54は、排気速度調整バルブ53を介して第2の搬送室21の内部を排気する。CVD処理チャンバ22及び23での処理は、成膜のための反応性ガスをチャンバ内に送りながら行われる。このため、CVD処理チャンバ22及び23内の圧力は、PVD処理チャンバ12乃至15内の圧力に比較して高くなる。具体的には、例えば、1×10〜1×10Pa(約1×10−1〜1×10Torr)程度となる。CVD処理チャンバ22及び23に接続される第2の搬送室21は、これらCVD処理チャンバ22及び23と同等の圧力、即ち1×10〜1×10Pa(約1×10−1〜1×10Torr)程度に保持される。
【0025】
さらに、第1の実施形態に係る装置1は、第1、第2の搬送室11及び21を加熱するヒーター61及び71を備える。本例では、ヒーター61及び71が第1、第2の搬送室11及び21の壁内に設けられており、第1、第2の搬送室11及び21の内壁面11a及び21aを加熱する。ヒーター61及び71の温度制御は、温度コントローラ62及び72が行う。
【0026】
図1及び図2に示すようなマルチチャンバタイプの基板処理システムは、搬送室を有し、搬送室が異なる処理チャンバ同士を接続する。このような搬送室を有した基板処理システムにおいては、品質の良い基板処理、例えば、品質の良い成膜処理を行うためには、搬送室を介した処理チャンバ間のクロスコンタミネーションを抑制することが大切である。
【0027】
本第1の実施形態に係る基板処理システム1aにおいては、相対的に低圧力となる第1の搬送室11を介した処理チャンバ12乃至15間のクロスコンタミネーション、及び相対的に高圧力となる第2の搬送室21を介した処理チャンバ22及び23間のクロスコンタミネーションを抑制することが大切である。
【0028】
そこで、第1の実施形態に係る基板処理システム1aは、上記ヒーター61及び71を用いて、第1、第2の搬送室11及び21内を、第1、第2の搬送室11及び21内に、処理チャンバ12乃至15、22及び23からの放出物(以下汚染成分という)が付着しない温度に加熱する。本例では、特に、第1、第2の搬送室11及び21の内壁面11a及び21aを、汚染成分が付着しない温度に加熱する。内壁面11a及び21aを汚染成分が付着しない温度に加熱することで、内壁面11a及び21aに汚染成分が付着することを抑制できる。どのような温度まで加熱するかは、汚染成分の種類によって適宜設定されれば良い。一例を挙げれば、TiClとNHとを原料ガスとするTiN成膜プロセスにおいては、NHClが処理チャンバ22又は23内にバイプロダクトとして発生する。これは汚染成分であり、ゲートバルブGを介して第2の搬送室21内に流入する。処理チャンバ22、又は23から第2の搬送室21内に流入したNHClが内壁21aに付着しないようにするためには、内壁面21aを、例えば、約170℃に加熱すれば良い。
【0029】
ヒーター61及び71を用いて、基板処理システム1aが稼働している間、あるいは一定時間毎に内壁面11a及び21aを、汚染成分が付着しない温度に加熱する。これにより、内壁面11a及び21aへの汚染成分の付着を抑制することができる。
【0030】
第1、第2の搬送室11及び21の内部に紛れ込んだ汚染成分は、内壁面11a及び21aへの付着が抑制されるから、内壁面11a及び21aに付着することなく、第1、第2の搬送室11及び21の内部を漂うことになる。
【0031】
そこで、本第1の実施形態では、第1、第2の搬送室11及び21の内部を漂う汚染成分については、真空ポンプ44及び54を用いて第1、第2の搬送室11及び21から直接に排気し、第1、第2の搬送室11及び21内から直接に引き抜くようにした。汚染成分を、第1、第2の搬送室11及び21の内部から直接に引き抜くことで、第1、第2の搬送室11及び21の内部は、清浄な状態に保つことができる。
【0032】
このように第1の実施形態に係る基板処理システム1aによれば、第1、第2の搬送室11及び21内を汚染成分が付着しない温度に加熱する。例えば、第1、第2の搬送室11及び21の内壁面11a及び21aを、汚染成分が付着しない温度に加熱することで、汚染成分が内壁面11a及び21aに付着し難くすることができる。このため、汚染成分が搬送室11及び21内に残留することを抑制することができる。
【0033】
さらに、汚染成分を、第1、第2の搬送室11及び21内から直接に排気することで、第1、第2の搬送室11及び21内を漂う汚染成分も減らすことができる。
【0034】
これらの結果、搬送室11及び21内の汚染が軽減され、メンテナンス頻度の減少を図ることが可能な基板処理システムを得ることができる。
【0035】
なお、ヒーター61及び71は、第1、第2の搬送室11及び21の壁内に設けるようにしたが、これに限られるものではなく、第1、第2の搬送室11及び21の内壁面11a及び21aを、汚染成分が付着しないように加熱することができれば、ヒーター61及び71は、どのように設けられても良い。
【0036】
また、ヒーター61及び71は、第1、第2の搬送室11及び21の内壁面11a及び21aの全体を加熱するようにしても良いが、汚染成分が特に付着しやすい部位、例えば、ゲートバルブGの近傍や排気口41及び51の周囲を、局所的に加熱するようにしても良い。
【0037】
さらに、PVD処理では、アルゴン(Ar)ガスのような不活性ガスにより金属ターゲット材をスパッタリングして基板表面に成膜する。このようなPVDの成膜プロセスでは、汚染成分は一切発生しない。従って、第1の搬送室11に存在する汚染成分は、第2の搬送室21からバッファ室5を介して流入した汚染成分のみである。しかも、第1の搬送室11の圧力は、上述の通り、例えば、1×10−7〜1×10−3Paと高真空状態であるから、汚染成分は搬送室の内壁などに付着し難く、第1の搬送室11に残留する汚染成分は、第2の搬送室21に残留する汚染成分に比べて圧倒的に少ない。
【0038】
このような実情に鑑み、ヒーターは、図3に示すように、高真空系の第1の搬送室11には設けず、高圧系の第2の搬送室21のみに設けるようにしても良い。
【0039】
(第2の実施形態)
第1の実施形態で説明したように、高真空系の第1の搬送室11にはヒーターを設けない、又はヒーター62があっても温度制御をしない、あるいは高圧系の第2の搬送室21よりも低い温度となるように温度制御をする場合には、第1の搬送室11と第2の搬送室21との間に大きな温度差が生ずることがある。この温度差が基板や、第1の搬送室11の温度や、第2の搬送室21の温度に影響を与える可能性がある場合には、本第3の実施形態のように工夫すれば良い。
【0040】
図4はこの発明の第2の実施形態に係るマルチチャンバタイプの基板処理システムを示す断面図である。
【0041】
図4に示すように、第2の実施形態に係る基板処理システム1cは、第1の搬送室11と第2の搬送室21との間にあるバッファ室5の壁内にヒーター81を設け、このヒーター81を、温度コントローラ82を用いて、第1の搬送室11の温度と第2の搬送室21の温度との中間の温度に制御するようにしたものである。例えば、第1の搬送室11の温度が100℃であり、第2の搬送室21の温度が170℃であった場合には、バッファ室5の温度は、100℃を超え170℃未満の温度、好ましくは温度差70℃が半分となる温度135℃、もしくは半分となる温度±10℃前後の温度に制御する。このようなバッファ室5の温度制御がレシピに書き込まれていた場合には、プロセスコントローラ111が温度コントローラ82を制御する。これ以外の構成は、第1の実施形態に係る基板処理システム1aと同じである。
【0042】
第2の実施形態に係る基板処理システム1cによれば、大きな温度差を生ずることがある高真空系の第1の搬送室11と高圧系の第2の搬送室21との間にあるバッファ室5の温度を、第1の搬送室11の温度と高圧系の第2の搬送室21の温度との中間の温度に制御する。このように基板処理システム1cを構成することで、大きな温度差が基板や、第1の搬送室11の温度や、第2の搬送室21の温度に影響を与える可能性を、バッファ室5の温度制御をしない場合に比較して軽減することができる。
【0043】
図5はこの発明の第2の実施形態に係るマルチチャンバタイプの基板処理システムの変形例を示す断面図である。
【0044】
大きな温度差が生ずることによる弊害は、図5に示すように、バッファ室5の搬入出口に断熱材91を挿入することでも軽減することができる。本例では、断熱材91aを第1の搬送室11側のゲートバルブGに取り付け、断熱材91bを第2の搬送室21側のゲートバルブGに取り付けている。
【0045】
図5に示すように基板処理システム1dを構成することで、断熱材91a及び91bが無い基板処理システムに比較して、大きな温度差が基板や、第1の搬送室11の温度や、第2の搬送室21の温度に影響を与える可能性を軽減できる。
【0046】
また、本変形例では、バッファ室5の温度制御が必ずしも必要ではないので、基板処理システム1cの消費エネルギを軽減できる、という利点も得ることができる。
【0047】
ただし、基板処理システムを、図4に示すようにバッファ室5を温度制御する構成(基板処理システム1c)とするか、図5に示すようにバッファ室5の搬入出口に断熱材91を挿入する構成(基板処理システム1d)とするかは、適宜選択されれば良い。
【0048】
もちろん、基板処理システムを、バッファ室5の搬入出口に断熱材91を設け、かつ、バッファ室5を温度制御する構成としても良い。
【0049】
(第3の実施形態)
図6はこの発明の第3の実施形態に係るマルチチャンバタイプの基板処理システムを示す平面図、図7は図6中のC−C線に沿う断面図である。
【0050】
第1及び第2の実施形態では、高真空での処理を行う第1の処理部2と、高圧での処理を行う第2の処理部3との双方を行うマルチチャンバタイプの基板処理システムを例示した。
【0051】
しかしながら、上記基板処理システムに限られるものではなく、図6及び図7に示すように、高圧での処理を行う第2の処理部3のみを持つマルチチャンバタイプの基板処理システム1eとしても良い。
【0052】
基板処理システム1eにおいても、搬送室21にヒーター71が無い場合に比較して、第2の搬送室21内の汚染を軽減することができ、第1の実施形態と同様に、メンテナンス頻度の減少を図ることができる。
【0053】
(第4の実施形態)
図8はこの発明の第4の実施形態に係るマルチチャンバタイプの基板処理システムを示す断面図である。
【0054】
第1乃至第3の実施形態では、搬送室の内壁を汚染成分が付着しない温度に加熱する例を示したが、汚染成分は内壁だけではなく、搬送機構にも付着する可能性がある。搬送機構への付着を抑制したい場合には、本第4の実施形態を採用されると良い。
【0055】
図8に示すように、第4の実施形態に係る基板処理システム1fは、搬送室(本例では第2の搬送室21のみを示す)に、不活性ガス、例えば、アルゴン(Ar)ガスを供給するガス供給機構95を、さらに備えている。これ以外は、第1乃至第4の実施形態と同じである。
【0056】
ガス供給機構95は、例えば、圧力調整バルブ(PCV)を備え、搬送室21へ流入するアルゴンガスの流量を制御できるようになっている。例えば、ガス供給機構95を用いて不活性ガスを導入し、排気速度調整バルブ53により搬送室21内の排気速度を調整して、搬送室21内の圧力をガス伝熱効果が飽和する1×10Pa以上に上げる。
【0057】
このように、搬送室21内の圧力を高圧にすることで、搬送室21の内壁からのガス伝熱により搬送機構26等の搬送室21内にある構造物を、汚染成分が付着しない温度に加熱する。このように基板処理システム1eを構成することで、搬送室の内壁のみならず、搬送室内にある構造物においても、汚染成分の付着を抑制することができる。
【0058】
また、基板処理システム1eのように構成すると、搬送室21内の圧力が、処理チャンバ22又は23内の圧力よりも高くなり、搬送室21から処理チャンバ22又は23内に向けて気流が発生する。しかし、この気流は処理チャンバ22又は23から出ようとする汚染成分を、処理チャンバ22又は23に押し戻すように作用するので、発生しても支障はない。
【0059】
なお、上記気流を弱めたい場合、もしくは気流を発生させたくない場合には、排気速度調整バルブ53により搬送室21内の排気速度を調整し、搬送室21内の圧力と処理チャンバ22又は23内の圧力との圧力差を小さくなるように、もしくは搬送室21内の圧力と処理チャンバ22又は23内の圧力とを同じ圧力となるように制御すれば良い。
【0060】
(第5の実施形態)
図9はこの発明の第5の実施形態に係るマルチチャンバタイプの基板処理システムを示す断面図である。
【0061】
第1乃至第4実施形態では搬送室21(又は11又は双方)内を加熱する加熱機構として、内壁を加熱するヒーター71(又は61又は双方)のみを設けるようにしたが、このヒーター71(又は61又は双方)とは別に、図9に示すように、搬送室21(又は11又は双方)内に供給される不活性ガスを加熱するガス加熱機構120を設けるようにしても良い。
【0062】
第5実施形態に係る基板処理システム1gはガス加熱機構120を、ガス供給機構95から搬送室21までのガス供給経路に備える。本例では、一旦加熱された不活性ガスが、ガス供給経路の途中で冷めないように、ガス加熱機構120を、不活性ガスを搬送室21に導入する導入口の直前に設けるようにした。ガス加熱機構120の一例を図10に示す。
【0063】
図10に示すように、一例に係るガス加熱機構120aでは、例えば、加熱手段としてヒーター121が埋め込まれたアルミニウム製のブロック122内に、ガスの通路としてのガス供給管123が形成されている。ガス供給管123は、ブロック122内において、ヒーター121から効率良く熱が伝達されるように工夫される。
【0064】
工夫の例は、ブロック122内におけるガス供給管123の距離をできるだけ長くすることである。長くするためには、例えば、ブロック122内において、ガス供給管123を曲げれば良い。曲げ方の例は、図10に示すように、スパイラル状やヘリカル状とすることである。
【0065】
または、図11に示すガス加熱機構120bのように、ガス供給管123のうち、ブロック122内における部分を、石英などを加工して透明パイプ123aとし、加熱手段としてブロック124内に加熱ランプ125を設ける。加熱ランプ125を用いて、透明パイプ123aの部分を流れる不活性ガスを瞬間的に加熱するようにしても良い。
【0066】
図10及び図11に示すヒーター121及び加熱ランプ125による温度制御は、温度コントローラ126が行う。温度コントローラ126は、プロセスコントローラ111により制御される。プロセスコントローラ111は、レシピに従って温度コントローラ126を制御する。
【0067】
加熱された不活性ガスは、搬送室21内の搬送機構などの構造物に到達し、熱伝達により直接構造物を加熱する。加熱された不活性ガスから構造物への熱伝達は、接触する不活性ガス分子の数に依存する。このため、図12に示すように、ガス加熱機構120をオンする際には、排気速度調整バルブ53を用いて搬送室21内の圧力を10Pa以上に上げるようにすると良い。
【0068】
また、搬送機構26により基板が搬送されている際に基板温度を上げないようにするには、同じく、図12に示すように、搬送機構26(又は16又は双方)が基板を搬送しない待ち時間のみに、ガス加熱機構120をオンさせ、基板搬送時はガス加熱機構120をオフさせると良い。この際は、排気速度調整バルブを用いて、搬送機構26が待ち時間の時に搬送室21内の圧力を10Pa以上に上げ、基板搬送の時は、搬送室21の内壁からのガス伝熱を抑制するため、搬送室21内の圧力を10Pa以下に下げる。
【0069】
また、本第5の実施形態、及び上述の第4の実施形態では、ガス供給機構95を搬送室21に接続する例を示したが、ガス供給機構95は、例えば、図1に示した搬送室11に接続することも可能であるし、図1に示した搬送室11と搬送室21との双方に接続することも可能である。
【0070】
以上、この発明を実施形態により説明したが、この発明は上記実施形態に限定されることなく、この発明の思想の範囲内で種々変形可能である。例えば、上記実施形態ではバッファ室を1つ設けた例を示したが、複数のバッファ室を設けるようにしても良い。
【0071】
また、上記実施形態では、第1の処理部に4つのPVD処理チャンバを設け、第2の処理部に2つのCVD処理チャンバを設けた例について示したが、PVD処理チャンバの数、及びCVD処理チャンバの数は、上記に限られるものではなく、処理に応じて適宜調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るマルチチャンバタイプの基板処理システムを示す平面図
【図2】図1中のA−A線及びB−B線に沿う断面図
【図3】この発明の第1の実施形態に係るマルチチャンバタイプの基板処理システムの変形例を示す断面図
【図4】この発明の第2の実施形態に係るマルチチャンバタイプの基板処理システムを示す断面図
【図5】この発明の第2の実施形態に係るマルチチャンバタイプの基板処理システムの変形例を示す断面図
【図6】この発明の第3の実施形態に係るマルチチャンバタイプの基板処理システムを示す平面図
【図7】図6中のC−C線に沿う断面図
【図8】この発明の第4の実施形態に係るマルチチャンバタイプの基板処理システムを示す断面図
【図9】この発明の第5の実施形態に係るマルチチャンバタイプの基板処理システムを示す断面図
【図10】第5の実施形態に係る基板処理システムが備えるガス加熱機構の一例を示す断面図
【図11】第5の実施形態に係る基板処理システムが備えるガス加熱機構の他例を示す断面図
【図12】第5の実施形態に係る基板処理システムの制御の一例を示す図
【符号の説明】
【0073】
1…基板処理システム、2…第1の処理部、3…第2の処理部、4…搬入出部、5…バッファ室、11…第1の搬送室、12、13、14、15…PVD処理チャンバ、21……第2の搬送室、22、23…CVD処理チャンバ、16…第1の搬送機構、26…第2の搬送機構、44、54…真空ポンプ、61、71…ヒーター、62、72…温度コントローラ、110…制御部、111……プロセスコントローラ、113……記憶部、G……ゲートバルブ、W……半導体ウエハ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板に対して処理を行う複数の処理チャンバと、
前記複数の処理チャンバに接続され、内部が前記複数の処理チャンバの処理圧力と適合した圧力に調整可能な搬送室と、
前記搬送室内に設けられ、前記被処理基板を前記複数の処理チャンバに対して搬入出する搬送機構と、
前記搬送室内を、この搬送室内に前記複数の処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱する加熱機構と、
前記搬送室内を排気する排気機構と、
を具備することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記処理チャンバがCVD処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記基板処理装置が稼働している間、前記加熱機構が前記搬送室の内壁を前記複数の処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記排気機構が前記放出物を前記搬送室内から排気することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記搬送室と前記複数の処理チャンバのいずれか一つとが連通されているとき、前記加熱機構が前記搬送室の内壁を前記連通された処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記排気機構が前記放出物を前記搬送室内から排気することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記搬送室と前記複数の処理チャンバの全てとが遮断されているとき、前記加熱機構が前記搬送室の内壁を前記複数の処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記排気機構が前記放出物を前記搬送室内から排気することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記搬送室にガスを供給するガス供給機構をさらに備え、
前記搬送室内の圧力を、前記ガス供給機構からガスを供給して前記複数の処理チャンバ内の圧力よりも高め、前記加熱機構が前記搬送機構を前記複数の処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記排気機構が前記放出物を前記搬送室内から排気することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記搬送室にガスを供給するガス供給機構をさらに備え、
前記ガス供給機構から前記搬送室までのガス供給経路に、前記ガスを加熱するガス加熱機構を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
被処理基板に対して処理を行う複数の低圧系処理チャンバと、
前記複数の低圧系処理チャンバに接続され、内部が前記複数の低圧系処理チャンバの処理圧力と適合した圧力に調整可能な低圧系搬送室と、
前記複数の低圧系処理チャンバの処理圧力よりも高い処理圧力で、前記被処理基板に対して処理を行う複数の高圧系処理チャンバと、
前記複数の高圧系処理チャンバに接続され、内部が前記複数の高圧系処理チャンバの処理圧力と適合した圧力に調整可能な高圧系搬送室と、
前記低圧系搬送室及び前記高圧系搬送室の双方に接続され、内部が前記低圧系搬送室の圧力及び前記高圧系搬送室の圧力の双方と適合した圧力に調整可能なバッファ室と、
前記低圧系搬送室内に設けられ、前記被処理基板を前記低圧系処理チャンバ及び前記バッファ室に対して搬入出する第1の搬送機構と、
前記高圧系搬送室内に設けられ、前記被処理基板を前記バッファ室及び前記高圧系処理チャンバに対して搬入出する第2の搬送機構と、
前記低圧系搬送室内を、この低圧系搬送室内に前記複数の低圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱する第1の加熱機構と、
前記低圧系搬送室内を排気する第1の排気機構と、
前記高圧系搬送室内を、この高圧系搬送室内に前記複数の高圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱する第2の加熱機構と、
前記高圧系搬送室内を排気する第2の排気機構と、
を具備することを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
前記低圧系処理チャンバがPVD処理を行い、
前記高圧系処理チャンバがCVD処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記基板処理装置が稼働している間、前記第1の加熱機構が前記低圧系搬送室の内壁を前記複数の低圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記第1の排気機構が前記放出物を前記低圧系搬送室内から排気し、前記第2の加熱機構が前記高圧系搬送室の内壁を前記複数の高圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記第2の排気機構が前記放出物を前記搬送室内から排気することを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記低圧系搬送室と前記複数の低圧系処理チャンバのいずれか一つとが連通されているとき、又は前記高圧系搬送室と前記複数の高圧系処理チャンバのいずれか一つとが連通されているとき、前記第1又は第2の加熱機構が、前記第1又は第2の搬送室の内壁を前記連通された低圧系又は高圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記第1又は第2の排気機構が、前記放出物を前記第1又は第2の搬送室内から排気することを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記低圧系搬送室と前記複数の低圧系処理チャンバの全てとが遮断されているとき、又は前記高圧系搬送室と前記複数の高圧系処理チャンバの全てとが遮断されているとき、前記第1又は第2の加熱機構が、前記第1又は第2の搬送室の内壁を前記複数の低圧系又は高圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記第1又は第2の排気機構が、前記放出物を前記第1又は第2の搬送室内から排気することを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記第1又は第2の搬送室の少なくともいずれかにガスを供給するガス供給機構をさらに備え、
前記第1又は第2の搬送室内の少なくともいずれかの圧力を、前記ガス供給機構からガスを供給して前記複数の低圧系又は高圧系処理チャンバ内の圧力よりも高め、前記第1又は第2の加熱機構の少なくともいずれかが、前記第1又は第2の搬送機構のいずれかを前記複数の低圧系又は高圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記第1又は第2の排気機構の少なくともいずれかが、前記放出物を前記搬送室内から排気することを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記第1又は第2の搬送室の少なくともいずれかにガスを供給するガス供給機構をさらに備え、
前記ガス供給機構から前記第1又は第2の搬送室の少なくともいずれかまでのガス供給経路に、前記ガスを加熱するガス加熱機構を設けたことを特徴とする請求項8又は請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記バッファ室を加熱する加熱機構を、さらに備えることを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記第1の搬送室と前記バッファ室との間、及び前記第2の搬送室と前記バッファ室との間に、断熱材が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項17】
被処理基板に対して処理を行う複数の低圧系処理チャンバと、
前記複数の低圧系処理チャンバに接続され、内部が前記複数の低圧系処理チャンバの処理圧力と適合した圧力に調整可能な低圧系搬送室と、
前記複数の低圧系処理チャンバの処理圧力よりも高い処理圧力で、前記被処理基板に対して処理を行う複数の高圧系処理チャンバと、
前記複数の高圧系処理チャンバに接続され、内部が前記複数の高圧系処理チャンバの処理圧力と適合した圧力に調整可能な高圧系搬送室と、
前記低圧系搬送室及び前記高圧系搬送室の双方に接続され、内部が前記低圧系搬送室の圧力及び前記高圧系搬送室の圧力の双方と適合した圧力に調整可能なバッファ室と、
前記低圧系搬送室内に設けられ、前記被処理基板を前記低圧系処理チャンバ及び前記バッファ室に対して搬入出する第1の搬送機構と、
前記高圧系搬送室内に設けられ、前記被処理基板を前記バッファ室及び前記高圧系処理チャンバに対して搬入出する第2の搬送機構と、
前記高圧系搬送室内を、この高圧系搬送室内に前記複数の高圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱する加熱機構と、
前記高圧系搬送室内を排気する排気機構と、
を具備することを特徴とする基板処理装置。
【請求項18】
前記低圧系処理チャンバがPVD処理を行い、
前記高圧系処理チャンバがCVD処理を行うことを特徴とする請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記基板処理装置が稼働している間、前記加熱機構が前記搬送室の内壁を前記複数の処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記排気機構が前記放出物を前記搬送室内から排気することを特徴とする請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項20】
少なくとも前記高圧系搬送室と前記複数の高圧系処理チャンバのいずれか一つとが連通されているとき、前記加熱機構が前記高圧系搬送室の内壁を前記連通された高圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記排気機構が前記放出物を前記搬送室内から排気することを特徴とする請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項21】
少なくとも前記高圧系搬送室と前記複数の高圧系処理チャンバの全てとが遮断されているとき、前記加熱機構が前記高圧系搬送室の内壁を前記複数の高圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記排気機構が前記放出物を前記搬送室内から排気することを特徴とする請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項22】
前記高圧系搬送室にガスを供給するガス供給機構をさらに備え、
前記高圧系搬送室内の圧力を、前記ガス供給機構からガスを供給して前記複数の高圧系処理チャンバ内の圧力よりも高め、前記加熱機構が前記搬送機構を前記複数の高圧系処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記排気機構が前記放出物を前記搬送室内から排気することを特徴とする請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項23】
前記高圧系搬送室にガスを供給するガス供給機構をさらに備え、
前記ガス供給機構から前記高圧系搬送室の少なくともいずれかまでのガス供給経路に、前記ガスを加熱するガス加熱機構を設けたことを特徴とする請求項17又は請求項22に記載の基板処理装置。
【請求項24】
前記バッファ室を加熱する加熱機構を、さらに備えることを特徴とする請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項25】
前記低圧系搬送室と前記バッファ室との間、及び前記高圧系搬送室と前記バッファ室との間に、断熱材が設けられていることを特徴とする請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項26】
被処理基板に対して処理を行う複数の処理チャンバと、
前記複数の処理チャンバに接続され、内部が前記複数の処理チャンバの処理圧力と適合した圧力に調整可能な搬送室と、
前記搬送室内に設けられ、前記被処理基板を前記複数の処理チャンバに対して搬入出する搬送機構と、を備えた基板処理装置の汚染抑制方法であって、
前記搬送室内を、この搬送室内に前記複数の処理チャンバからの放出物が付着しない温度に加熱し、前記放出物を前記搬送室内から直接に排気することを特徴とする基板処理装置の汚染抑制方法。
【請求項27】
コンピュータ上で動作し、基板処理装置を制御するプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記プログラムは、実行時に、請求項26に記載の基板処理装置の汚染抑制方法が行われるように、コンピュータに前記基板処理装置を制御させることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−65068(P2009−65068A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233604(P2007−233604)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】