画像形成装置、トナーリサイクル方法
【課題】 複数色のトナーによる画像形成処理を行なう場合において、複数の画像形成部によりトナー像を転写される被転写体上の残留トナーを廃棄することなく、ブラックトナーとして再利用するとともに、ブラックトナーの色調変化による画質の劣化を防止する技術を提供する。
【解決手段】 それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に対して形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置であって、前記被転写体上に残留しているトナーを回収するトナー回収手段と、トナー回収手段により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する比率判定部と、前記比率判定部にて判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記トナー回収手段により回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナー補充部とを備えてなる。
【解決手段】 それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に対して形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置であって、前記被転写体上に残留しているトナーを回収するトナー回収手段と、トナー回収手段により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する比率判定部と、前記比率判定部にて判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記トナー回収手段により回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナー補充部とを備えてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数色のトナーによる画像形成処理を行なう場合における、トナーリサイクル技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、感光体上に形成したトナー像を転写材に転写した後、感光体上に残存するトナーを、現像器で回収して再利用する、いわゆるクリーナレスプロセスを採用した画像形成装置が知られる(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7を参照)。
【0003】
しかし、上記クリーナレスプロセスを採用する画像形成装置では、感光体におけるクリーナレス化を実現しているものの、中間転写体においては廃トナーが発生しており、装置全体としては廃トナーレスとは言えない。上記従来技術では、上述のように中間転写体において発生する廃トナーを廃棄しており、トナー消費コストやメンテナンス費用の観点で問題があった。
【0004】
そこで、中間転写体にクリーナを設け、そこで除去したトナーを黒現像器に戻す構成が開示されている(特許文献8、特許文献9、特許文献10参照)。当該構成の画像形成装置では、中間転写体を採用した場合に大量に発生する2次転写残りトナーを有効に再利用することが可能になるが、リサイクル機構が複雑になる。また、ベルトにクリーナがあるとベルトの蛇行規制が難しく、複雑な機構を要するという問題もある。また、クリーナによってベルトが削られ、ベルトの寿命が短くなるとともに、クリーナ自体にも寿命があるために、そのための交換作業等が必要になってしまう。
【0005】
中間転写体から除去したトナーを黒現像器に戻す構成の上記技術では、バイアスにより転写残りトナーを一端感光体に戻し、最終的に黒現像器にて回収する例も開示しているものの、このような方法で、すべて黒現像器に戻してしまうと、黒現像器への他色の混入量が増加し、場合によっては黒色までもが変化してしまうことがあり、好ましくない。
【0006】
また、各色トナーを個別に回収し、回収量が一定量になったところで混合して再利用する技術が開示されているが(特許文献11、特許文献12参照)、この場合、回収装置、搬送装置、混合装置等の機構が複雑になる。さらにこれらは、いずれもクリーナレスプロセスではない。
【特許文献1】特開平5−341643号公報
【特許文献2】特開平11−249452号公報
【特許文献3】特許2675554号公報
【特許文献4】特開2002−132002号公報
【特許文献5】USP4727395号公報
【特許文献6】特公平6−77166号公報
【特許文献7】特許2879883号公報
【特許文献8】特開2002−189335号公報
【特許文献9】特開2002−311669号公報
【特許文献10】特開2001−154439号公報
【特許文献11】特開2003−140428号公報
【特許文献12】特開2003−345096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、複数色のトナーによる画像形成処理を行なう場合において、複数の画像形成部によりトナー像を転写される被転写体上の残留トナーを廃棄することなく、ブラックトナーとして再利用するとともに、ブラックトナーの色調変化による画質の劣化を防止する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様に係る画像形成装置は、それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置であって、前記被転写体上に残留しているトナーを回収する現像器と、前記現像器により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する比率判定部と、前記比率判定部にて判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記現像器により回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナー補充部とを備えてなることを特徴とする構成としている。
【0009】
また、本発明の一態様に係る画像形成装置は、それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置であって、前記被転写体上に残留しているトナーを回収するトナー回収手段と、前記トナー回収手段により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する比率判定手段と、前記比率判定手段にて判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記トナー回収手段により回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナー補充手段とを備えてなることを特徴とする構成としている。
【0010】
また、本発明の一態様に係るトナーリサイクル方法は、それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置におけるトナーリサイクル方法であって、前記被転写体上に残留しているトナーを回収し、前記回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定し、前記判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充することを特徴とする構成としている。
【発明の効果】
【0011】
以上に詳述したように本発明によれば、複数色のトナーによる画像形成処理を行なう場合において、複数の画像形成部によりトナー像を転写される被転写体上の残留トナーを廃棄することなく、ブラックトナーとして再利用するとともに、ブラックトナーの色調変化による画質の劣化を防止する技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は本実施の形態による画像形成装置における画像形成部近傍の構成を示す縦断面図である。図1において、画像形成部(画像形成手段)1a、1b、1cおよび1dが設けられている。各画像形成部は像担持体である感光体ドラム3a、3b、3c、及び3dを有し、これらの感光体に現像剤像を形成する。
【0014】
まず、画像形成部1aについて説明する。図1において、感光体ドラム3aは直径30mmの円筒状であり、図示矢印方向へ回転可能に設けられている。感光体ドラム3aの周囲には回転方向に沿って以下のものが配置されている。まず帯電ローラ5aが感光体ドラム1aの表面に接触して設けられている。この帯電ローラ5aは、感光体ドラム3aの感光面を一様に負(−)帯電させる。帯電ローラの代わりに、ブラシあるいはブレード等による接触帯電、またはコロナワイヤによる非接触帯電も可能である。
【0015】
帯電ローラ5aの下流(図1中右方)には、帯電した感光体ドラム3aを露光して静電潜像を形成する露光装置7aが設けられている。ここでの露光装置としては、レーザ走査またはLED露光を行なう装置が用いられる。また、露光装置7aの下流には黄色(イエロー)の現像剤を収容し、この現像剤で露光装置7aにより形成された静電潜像を反転現像する現像器9aが設けられている。
【0016】
現像剤としては、トナーとキャリアからなる2成分現像剤またはトナーのみからなる1成分現像剤が用いられる。現像方式としては、接触現像方式または非接触現像方式が用いられる。
【0017】
更に現像器9aの下流には、感光体ドラム3aに対し、被画像形成媒体である用紙Pを搬送する搬送手段として搬送ベルト11が設置されている。この搬送ベルト11は感光体ドラム3a上に形成された現像剤像と用紙Pとが当接されるよう用紙Pを感光体ドラム3aに搬送する。感光体ドラム3aと用紙Pとの当接位置よりも下流側には、除電ランプ19aが設けられている。除電ランプ19aは転写後、感光体ドラム3aの表面電荷を一様な光照射によって除電する。この除電ランプ19aによる除電により画像形成の1サイクルが完了し、次の画像形成プロセスにおいて、再び帯電ローラ5aが未帯電の感光体ドラム3aを一様に帯電する。
【0018】
上述の感光体ドラム3a、帯電ローラ5a、現像器9aおよび除電ランプ19aによってプロセスユニットUaが構成され、プロセスユニットは画像形成装置本体から着脱自在に設けられている。なお、プロセスユニットは、帯電器および現像器のうち少なくとも一方と、感光体とを一体的に支持している構成となっていてもよい。搬送ベルト11は用紙Pの搬送方向(図示矢印eの方向)と直交する方向(図面奥行き方向)において、感光体ドラム1aの長さ寸法とほぼ等しいサイズ(幅)を有している。この搬送ベルト11は、無端状(シームレス)ベルトの形状をしており、搬送ベルトを所定の速度で回動させる駆動ローラ15及び従動ローラ13上に担持されている。駆動ローラ15から従動ローラ13までの距離は約300mm程である。駆動ローラ15及び従動ローラ13はそれぞれ図示矢印j及びi方向(図中反時計回り)にそれぞれ回転可能に設けられている。
【0019】
駆動ローラ15の回転に伴って、搬送ベルト11が回転し、従動ローラ13が従動回転する。ベルトは、スリップしないように、従動ローラ13の外側方向への加重により十分な張力が加えられている。搬送ベルト11は、カーボンが均一に分散された厚さ100μmのポリイミドにより形成されている。この搬送ベルトは10^10Ωcmの電気抵抗を有し、半導電性を示す。搬送ベルトの材料としては、体積抵抗値が10^8〜10^13Ωcmの半導電性を示す材料であれば良い。例えば、カーボンを分散したポリイミドの他に、ポリエチレンテフタレート、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等にカーボン等の導電粒子を分散させたものでも良い。導電粒子を用いず、組成調整によって電気抵抗を調整した高分子フィルムを用いても良い。さらにはこの様な高分子フィルムにイオン導電性物質を混入したもの、あるいは比較的電気抵抗が低いシリコーンゴム、ウレタンゴム等のゴム材でも良い。
【0020】
搬送ベルト11上には、駆動ローラ15と従動ローラ13との間に用紙Pの搬送方向に沿って画像形成部1aの他、画像形成部1b、1c及び1dが配置されている。画像形成部1b、1c及び1dはいずれも画像形成部1aと同様の構成をしている。各感光体ドラムの周囲にはそれぞれ帯電ローラ5b、5c及び5dが設けられている。帯電ローラの下流には露光装置7b、7c及び7dが設けられている。露光装置の下流には現像器9b、9c及び9d、除電ランプ19b、19c及び19dを設けた構成も画像形成部1aと同様である。異なるのは、現像器に収容された現像剤である。現像器9bはマゼンタの現像剤、現像器9cはシアンの現像剤、現像器9dはブラックの現像剤を収容している。
【0021】
搬送ベルト11によって搬送される用紙Pはそれぞれの感光体ドラムと順次当接する。この用紙Pとそれぞれの感光体ドラムとの当接位置近傍には、転写手段としての転写装置23a、23b、23c及び23dがそれぞれの感光体ドラムに対応して設けられている。即ち転写装置23は、対応する感光体ドラム下方で搬送ベルト11に背面接触して設けられ、搬送ベルト11を介して画像形成部と対向する。転写部材23aは、電圧印加手段である正(+)の直流電源25aに接続されている。同様に転写部材23b、23c、および23dは直流電源25b、25c、および25dにそれぞれ接続されている。
【0022】
一方、図1において、搬送ベルト11の正面右手には用紙Pを収容する給紙カセット26が設けられている。画像形成装置本体には、給紙カセット26から用紙Pを1枚ずつピックアップするピックアップローラ27が図示矢印f方向に回転可能に設けられている。ピックアップローラ27と、搬送ベルト11との間にはレジストローラ対29が回転可能に設けられている。レジストローラ対29は所定のタイミングで、用紙Pを搬送ベルト11上へ供給する。
【0023】
また、搬送ベルト11上には、用紙Pを搬送ベルト11表面に静電吸着させるための金属ローラ30が、配置されている。金属ローラ30は、接地(アース)されている。また、用紙吸着のためのベルト帯電のために、搬送ベルト11の従動ローラ13を対向電極として、従動ローラ下部に搬送ベルト11を介してコロナ帯電器31が設置されている。また、図1中、搬送ベルト11の正面左手には現像剤を用紙P上に定着する定着器33と、この定着器にて定着された用紙Pが排出される排紙トレイ34が設けられている。
【0024】
次に、上述のように構成された画像形成装置のカラー画像形成プロセスについて述べる。画像形成装置前面にある操作パネル(Control panel)を介して画像形成開始が指示されると、感光体ドラム3aは図示しない駆動機構から駆動力を受けて回転を始める。帯電ローラ5aはこの感光体ドラム3aを一様に約−600Vに帯電する。帯電ローラ5aによって一様に帯電されたこの感光体ドラム3aに、露光装置7aは、記録すべき画像に応じた光を照射し静電潜像を形成する。現像器9aは現像剤により静電潜像を現像し、イエローの現像剤像を形成する。感光体ドラム3a上に現像剤像を形成するのと同様の手順で、感光体ドラム3b、感光体ドラム3c、感光体ドラム3d上にも各色の現像剤像が形成される。
【0025】
一方、ピックアップローラ27は、給紙カセット26から用紙Pを取り出し、レジストローラ対29は、この用紙Pを搬送ベルト11上へ供給する。搬送ベルト11は用紙Pを感光体ドラム3a、感光体ドラム3b、感光体ドラム3c及び感光体ドラム3dに向けて順次搬送する。感光体ドラム3aと搬送ベルト11,および転写部材23aにより形成される転写領域Taに用紙Pが達すると、転写部材23aには約+1000Vのバイアス電圧が印加される。
【0026】
転写部材23aと感光体ドラム3aとの間には転写電界が形成され、感光体ドラム3a上の現像剤像は、この転写電界に従って、用紙P上に転写される。転写領域Taにおいて現像剤像が転写された用紙Pは転写領域Tbに向けて搬送される。転写領域Tbでは、転写部材23bに直流電源から約+1200Vのバイアス電圧を印加する事により、イエロー現像剤像上に重ねてマゼンタの現像剤像を転写する。
【0027】
マゼンタの現像剤が転写された後、用紙Pは転写領域Tc及び転写領域Tdに向けてさらに搬送される。転写領域Tcにおいて転写部材23cに約+1400Vのバイアス電圧を印加する事により、また、転写領域Tdにおいて転写部材23dに約+1600Vの電圧を印加する事により、既に転写されている現像剤像の上に重ねてシアンの現像剤像、ブラックの現像剤像を順次多重転写する。
【0028】
このように多重転写された各色の現像剤像は、定着器33により用紙P上に定着され、カラー画像が形成される。定着済みの用紙Pは排紙トレイ34上に排出される。
【0029】
続いて、転写装置に関する部分についてさらに詳細に説明する(図2参照)。転写装置23aは、カーボンを分散して導電性とした導電性発泡ウレタンローラである。φ10mmの芯金40に、外径φ18mmのローラ41を成形している。芯金とローラ表面間の電気抵抗は約10e6Ωである。芯金には定電圧直流電源25aが接続されている。
【0030】
転写装置における給電装置は、ローラに限らず、導電性ブラシ、導電性ゴムブレード、導電性シート等でも良い。導電性シートは、カーボン分散したゴム材や樹脂フィルムで、シリコーンゴムやウレタンゴムやEPDM等のゴム材や、ポリカーボネート等の樹脂材でも良い。体積抵抗値が、10e5〜10e7Ωcmのものが望ましい。
【0031】
ローラシャフトの両端には、付勢手段としてのバネが設けられており、このバネにより転写ローラ23aは搬送ベルト11に対して、鉛直方向に弾性的に当接する様に付勢される。各転写ローラに設けられたバネによる付勢力の大きさは、600gftとした。 転写装置23b、23c及び23dの構成は転写装置23aと同様であり、また搬送ベルト11へ弾性的に当接する構成も各転写部材について同様であるため、転写装置23b、23c及び23dの構成については説明を省略する。
【0032】
なお、上述の構成例では、転写ベルトが搬送手段になっており、感光体上に形成されたトナー像を用紙に対して直接転写する直接転写方式である例を示しており、搬送ベルト11が被転写体に相当する。また、これに限られるものではなく、例えば図3に示すように、転写ベルトが紙搬送を行なうものではなく、各画像形成部の感光体上に形成されたトナー像を、ベルトやローラ等の中間転写体(被転写体)に対して直接転写させ(いわゆる一次転写)、その後にベルトやローラから紙等に一括転写させる中間転写方式の画像形成装置についても本発明は適用可能である。この場合、各感光体上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト上に転写され、2次転写ローラと中間転写ベルトが協働することにより、搬送されてきた用紙上にトナー像は一括転写される。その後、用紙は定着器へ搬送され、画像が定着されて排紙トレイへ排出される。
【0033】
以上が、カラー画像形成装置の画像形成プロセスであり、上述のようにして、それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に対して転写させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう。
【0034】
続いて、クリーナレスプロセスについて説明する。図1に示す画像形成プロセスで、転写後に感光体上に残った残留トナー等は、必要な場合は、図示しない転写残り像を撹乱するための撹乱部材を経て、さらに感光体の帯電工程から始まる作像プロセスが再度繰り返される。この際、帯電部を通過した残留トナーは、帯電工程を通過したこともあって、感光体の帯電電位と同極性(本実施例ではマイナス極性)に帯電しており、これが現像部に到達した際には、現像部において画像部分は、感光体上に付着したまま現像され、非画像部部分は、現像ローラ側に回収され、いわゆる現像同時クリーニングが行なわれる。これにより、感光体の感光面上にブレード等のクリーニング装置がなくても、画像形成プロセスが連続して行なわれる。
【0035】
本実施の形態に示すようなタンデム型のカラー画像形成装置では、
【0036】
(a)感光体の偏芯やベルトの蛇行等を補正して感光体上に画像を形成するため、または、
【0037】
(b)周囲の温度や湿度が変動した際に、感光体特性やトナーの帯電性等が変化して、それが現像トナー量を変動させてしまうので、現像トナー量の変動に対応するため、
【0038】
紙等の被画像形成媒体に画像を印字していない状態で、例えば直接転写方式(感光体上に形成されたトナー像を用紙に対して直接転写させる方式)の場合、搬送手段であるベルト11上に特定の画像パッチを転写させ、その位置や反射率、反射濃度等をセンサで検知し、その値に基づいて実際の画像印字の際にフィードバックをかける。この際、画像パッチは、各感光体からベルトに順次転写されるが、ベルト表面の感光体長手方向に各色のパッチが重ならないような位置に転写させ、ベルト上で、反射率や位置等を検出した後、それぞれの感光体に戻し、現像器にて回収する。
【0039】
具体的には、第1段目の感光体3aに第1色目のパッチを印字して、第1段目の転写ローラ23aに+350vを印加して、第1色目のパッチをベルト11に転写させた後、第2色目の感光体3bから、第2色目のパッチをベルト上で感光体長手方向で重ならないようにして第2段目の転写ローラ23bに+350vを印加して転写させる。同様にして第3、第4段目も転写させ、その後、ベルト上でセンサにより、反射率や位置等を検出した後、第1色目のパッチが第1段目の感光体3aと再度接触する直前に、第1段目の転写ローラ23aの転写バイアスを−500v以上にする。
【0040】
第1段目の感光体3aは、帯電器により帯電されているので、表面電位は−500v程度あり、マイナス帯電されたベルト上の第1色目のトナーは、第1段目の感光体3aに電界により再び転写され、現像器は、−350v程度なので、第1段目の現像器9aにて回収される。
【0041】
続いて、ベルト上に転写された第1色目のパッチが第1段目の感光体3aを通過した後に、第1段目の転写ローラ23aには再び+350vが印加される。これにより第2色目のトナーが第1の感光体3aと接触しても、第1の感光体3aに逆転写することがない。
【0042】
さらに第2色目のトナーが第2段目の感光体3bに接触する直前に、第2段目の転写ローラ23bのバイアスを−500v以上に切り替える。これにより、第2色目のトナーは第2段目の感光体3bに再び転写され、第1段目のときと同様に、第2段目の現像器9bにより回収される。
【0043】
以上のように、第3段目、第4段目も同様なタイミングによりベルト上に転写されたパッチ画像は、すべてもともと転写してきた感光体に戻り、現像器にて回収される。なお、それぞれのバイアスについては、実験を行なったバイアスの一例であり、転写ローラバイアスを切り替えることにより、それぞれの感光体に電界によりトナーを戻すようなバイアスであれば何れも有効である。
【0044】
また、上述の実施の形態では、中間転写体がベルトである例を挙げているが、例えば中間転写ローラ(ドラム)等の構成であってもよい。ただし、中間転写方式の場合では、通常の印字中に印加する第1段目の転写ローラ23aへのバイアスよりも、パッチを印字した後第1段目で回収しない第2、3,4色目のトナーパッチが第1段目のステーションを通過している際に第1段目の転写ローラ23aへ印加するバイアスを低くする等して、感光体とベルトに働く電界を転写時より弱めることが好ましい。
【0045】
具体的には、通常の印字では、例えば転写ローラに+400v印加するが、パッチ非回収時には+300vにする。これはバイアスが高い方がトナーの極性が例えばマイナスからプラスに反転し、転写ローラにプラス極性のバイアスを印加しても、反転したトナーが感光体に転写されてしまう「逆転写現象」が多く発生するからであり、例えば第1段目がイエローで、第4段目が黒の場合、黒がイエローに混入することは好ましくないからである。また、第4段目が黒現像器の場合、黒用の感光体3dにおいては、第1〜第3のパッチがあった位置すべてに第4段目の転写ローラ23dにマイナス(−)極性のバイアスを印加するとよい。これによって、第1〜第3の感光体にて回収しきれなかったトナーも黒感光体3dを経て、黒現像器9dにて回収することができる。
【0046】
ベルトにトナーが付着してしまう状況としては、上述したような画質の制御等の動作以外にも、用紙詰まり等によっても発生してしまう。用紙詰まりが発生すると、例えば第1の感光体3a上には画像が印字され、ベルト上の紙等の被転写体に画像を転写するつもりで、実際には紙が存在していないため、ベルトに直接画像が印字されてしまう。第1色目の画像のみがベルトに転写された場合は、復帰動作時に、第1段目の感光体3aに戻すのがよい。この場合は、上述した場合と同様に、第1色目の感光体3aを用紙詰まりが起こった画像が通過する際に、第1段目の転写ローラ23aに印加するバイアス電圧を、例えば−500v以上に切り替えることで、第1色目の用紙詰まりが起こった画像のトナーは第1段目の感光体に戻すことができる。
【0047】
また、用紙詰まり時にベルト上に第1色目だけでなく、第2色目以降も印字してしまっていた場合は、ベルト上のトナーを黒感光体3dに戻すと良い。本実施例では、黒現像器9dは第4段目に設置されており、用紙詰まり復帰動作時に、第1〜第3段目の転写ローラへのバイアスは+350v程度にして、第4段目の転写ローラ23dのバイアスを−500v以上に設定する。これによりマイナスに帯電したトナーは、第1〜第3段目のステーションでは感光体には戻らず、第4段目の黒用の感光体3dに戻され、黒用の現像器9dにて回収される。
【0048】
この場合、黒現像器に他色トナーが混入して、本来の黒トナーの色調と変化してしまう問題がある。本実施の形態による画像形成装置では、この問題を解決するための手法を提供する。ここで、中間転写方式の場合、通常の印字中に印加する第1段目の転写ローラへのバイアス電圧よりも、用紙詰まり後に復帰動作を行なう際の第1段目のステーションを通過している際に第1段目の転写ローラ23aへ印加するバイアス電圧を低くする等して、感光体とベルトに働く電界を通常の転写時に比べて弱めることが好ましい。
【0049】
具体的には、通常の印字では、例えば転写ローラに+400v印加するが、用紙詰まり後の非回収時には+300vにする。これはバイアス電圧が高い(電界が強い)方が逆転写現象が多く発生するからであり、例えば第1段目がイエローで、第4段目が黒の場合、黒がイエローに混入することが好ましくないからである。中間転写方式の場合、ベルト等の中間転写体から紙等の被画像形成媒体へ2次転写するため、その際に、ベルト上に転写残りトナーが発生する。本発明では、それをも排トナーとせずに回収するもので、具体的にはすべて黒用の感光体に戻して黒用の現像器にて回収する。
【0050】
この際、タンデム型のステーション配置において、黒ステーションが最上流側(第1段目)にあるのが好ましく、2次転写残りトナーをバイアスを切り替えて黒感光体側に回収する。まず、2次転写残りトナーは、第1段目の黒の転写ステーションに来るが、ベルト一周分は次工程の画像形成は行なわない紙間動作を行なう。すなわち、通常の4連タンデム装置に比べて、印字速度は1/2になってしまう。
【0051】
図3を例に説明すると、紙間動作では、まず、黒転写ステーションK6の転写ローラK5のバイアスが−1.2kv程度に設定され、これにより、2次転写残りトナーのうちマイナス極性のものは、黒感光体K1側へ移動するので、ベルト上にはプラス極性のトナーが残る。この後のカラーステーションでは、転写バイアスは、やはりマイナスに設定して、プラス極性のトナーをベルト上に残したまま通過させる。この際、転写のマイナスバイアスは、黒ステーションK6に対して低く(例えば−800v程度)設定すると逆転写が減るので、混色に有利になる。
【0052】
その後、次工程である作像工程がスタートし、ベルト上のプラス極性のトナーが黒ステーションK6に到達すると、通常の転写バイアス(例えば+400v)が転写ローラK5に印加され、感光体上の画像部トナーは、ベルト上のプラス極性のトナーの上に重なって転写され、非画像部に相当するベルト上のプラス極性トナーは、黒感光体側K1に転写し黒現像器K4に回収される。ここで注意を要するのは、黒ステーションを最上流側に配置したため、第2段目のステーション以降で逆転写が発生すると、カラー現像器に黒トナーが混入し、色が変わってしまう危険性がある。
【0053】
そこで、第2段目の転写バイアス電圧を、第1段目の黒ステーションK6に比較して弱く設定して、逆転写を防ぐ必要がある。例えば黒ステーションK6の転写ローラK5のバイアス電圧が+400vであれば、第2段目以降は+300vに設定すると、逆転写を効果的に防ぐことができる。このようにして、中間転写方式を用いた場合にもっとも問題になる2次転写残りトナーを有効に黒現像器K4に回収することが可能となり、装置としての排トナーレス化が可能になる。
【0054】
以上のように、黒現像器に中間転写体の転写残りトナーをすべて戻すと、黒色とはいえ混色して、色がかわってくるため、それを防止しなければならない。
【0055】
図4は、本実施の形態による画像形成装置について説明するための機能ブロック図である。
【0056】
トナー回収部(トナー回収手段)901は、転写ベルト或いは中間転写ローラ等の被転写体上に残留しているトナーを回収する。図10に示すように被転写体である転写ベルト上のトナーを除去するベルトクリーナ(例えば、クリーニングブレード)16を備えている場合、ベルトクリーナ16がトナー回収部に相当する。この場合、被転写体から除去されたトナーは、全てベルトクリーナ16内に混在した状態で回収される。一方、図3に示すように被転写体上に残留したトナーを、各プロセスユニットにおける感光体によって回収するクリーナレス方式を採用している場合、各プロセスユニットがトナー回収部としての機能を有する。なお、トナー回収部901により回収されたトナーは最終的には現像器(黒色の現像剤を被転写体に供給する現像器)に回収される。
【0057】
比率判定部(比率判定手段)902は、複数のプロセスユニットそれぞれにおけるトナー使用量(例えば、印字対象である画像データに基づいて算出されるトナーの印字率)に基づいて、トナー回収部901により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する。具体的に、比率判定部902は、トナー補充部903によりトナー補充されて混合比率が所定の比率に調整されたときから(複数色のトナーの混合バランスが整った状態(出荷時、メンテナンスで交換した時、バランスが調整されたとき)から)の複数のプロセスユニットそれぞれにおける積算トナー使用量に基づいて、トナー回収部901により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する。
【0058】
トナー補充部(トナー補充手段)903は、比率判定部902にて判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、トナー回収部901により回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充する。ここで、トナー補充部903は、転写効率が高い色のトナーほど、転写ベルト上に残留しにくいため、転写効率が高い色のトナーほど、補充量を多くするようにしてもよい。
【0059】
所定の比率とは、複数色のトナーを混合した場合に、正規のブラックトナーの色との色差が8以内になるような混合比率である。ここで、色差が8以内としたのは、通常、色差が「8」を越えるとユーザは、正規色との色調の違いに違和感を感じるためである。
【0060】
なお、色差(color difference)とは、色の知覚的な違いを定量的にあらわしたものであり、L*a*b*表色系では,ΔE*ab(デルタ・イースター・エイ・ビー)の次式(1)で定義される数値で表わされる。
【0061】
ΔE*ab=[(ΔL*)^2+(Δa*)^2+(Δb*)^2]^1/2 ・・・(1)
【0062】
トナー供給部904は、トナー補充部903によりトナー補充されて混合比率が所定の比率に調整されたトナーを、ブラックのトナー像を形成するプロセスユニットに対して供給する。
【0063】
CPU801は、画像形成装置における各種処理を行なう役割を有しており、またMEMORY802に格納されているプログラムを実行することにより種々の機能を実現する役割も有している。MEMORY802は、例えばROMやRAM等から構成されており、画像形成装置において利用される種々の情報やプログラムを格納する役割を有している。
【0064】
図5は、感光体長手方向に単色のトナーが残存している時のクリーナレスシステムにおける残存トナー処理フローである。同図に示すフローチャートでは、被転写体上に残存する単色トナーを、その色の現像器に回収する処理を行っている。画像形成時の主走査方向全域に亘り、単色トナーでの印字でない場合(S101,No)、トナーを色毎に区別して回収できないため、ブラックのプロセスユニットの感光体への回収処理に移る(S102)。
【0065】
一方、画像形成時の主走査方向全域に亘り、単色トナーでの印字であり(S101,Yes)、第1色を印字していないラインがない場合には(S103,No)、第1色目のプロセスユニットにて被転写体上からの残留トナーの回収を行なう(S104)。
【0066】
第1色を印字していないラインがあり(S103,Yes)、上記ステップにおける判定対象である位置に第2色が印字されている場合(S105,No)、第2色目のプロセスユニットにて被転写体上からの残留トナーの回収を行なう(S106)。
【0067】
上記ステップにおける判定対象である位置に第2色が印字されておらず(S104,Yes)、上記ステップにおける判定対象である位置に第3色が印字されている場合(S107,No)、第3色目のプロセスユニットにて被転写体上からの残留トナーの回収を行なう(S108)。
【0068】
上記ステップにおける判定対象である位置に第4色が印字されている場合(S107,Yes)、第4色目のプロセスユニットにて被転写体上からの残留トナーの回収を行なう(S109)。
【0069】
図6は、用紙詰まり発生時のように、感光体長手方向に2色以上のトナーが残存するときの処理を示すフローチャートである。残存するトナーを処理するときは、CPUから制御される印字情報に基づき、感光体長手方向での色を識別する。単色部分は、その色のプロセスユニットの現像器に回収し、混色部分は、ブラックのプロセスユニット(図中、黒ステーション)の現像器に回収する(図7参照)。
【0070】
印字動作が開始されると、黒ステーションでの画像形成動作開始後、順次シアン、マゼンタおよびイエローの画像形成ステーションでの画像形成動作を開始する(S201)
【0071】
次に、黒ステーションから中間転写体へ一次転写を開始し(S202)、他色の一次転写処理も開始する(S203)。続いて、中間転写体から用紙への二次転写処理を開始し(S204)、黒ステーションの一次転写バイアス電圧を−1.2kvに切り替える。多色のステーションについては、一次転写バイアス電圧を−800vに切り替える(S205)。
【0072】
そして、二次転写後に被転写体上に残留しているトナーが、一通り黒ステーションを通過していれば(S206,Yes)、次の転写動作開始のため、黒転写ローラのバイアス電圧を+400vに戻す(S207)。多色についても同様に、二次転写後に被転写体上に残留しているトナーが、一通り黒ステーションを通過した後に、次のページの画像の転写のため、転写バイアス電圧を+300v以上に切り替える(S208)。
【0073】
このように、カラートナーの黒現像器への回収は、(1)直接転写方式および間接転写方式における、用紙ジャムの際にベルト上に印字された混在するカラートナーの黒現像器への回収、(2)間接転写における、ベルト上印字画像の2次転写残りトナーの黒現像器への回収、の二通りがある。すなわち、間接転写方式の方が常時黒現像器へのカラートナー混在トナーの回収があり、この制御が重要である。
【0074】
図8は、廃トナーの色調制御シーケンスの一例を示すフローチャートである。CPU801は、画像形成時に各色(Y,M,C)の印字率をそれぞれカウントしている(S301〜S303)。例えば、装置の起動時や、一連の印字プロセス終了時等に、その積算された印字率から、2次転写残りトナー(回収されたトナー量)を見積もる。
【0075】
それぞれのカラートナーの残転写トナー量は、
【0076】
残転写トナー量 = 印字率×画像面積×現像トナー量×転写効率
【0077】
で見積もることができる。比率判定部902は、Y,M,Cそれぞれの差を見積もり(S304)、最も多く回収されたトナーを基準にそれぞれの差が無くなるように、不足分のトナーを被転写体上に転写させ、上記回収トナーに混入させる(S305)。
【0078】
例えば、100枚印字後に、Yが1mg、Mが2mg、Cが2mg回収されたと推定される場合、Yを1mg混入してやる。例えば、Yが1mgMが2mgCが3mg回収されたと推定される場合、Yを2mg、Mを1mg混入する。ここでは、回収されたトナーの色調を基準であるブラックトナーの色調に近づけるため、該回収されたトナーの混合比率が所定の比率となるように、不足している色のトナーをプロセスユニットで印字させることによってトナー補充を行っている。よって、本実施の形態では、プロセスユニットおよび転写ベルトがトナー補充部としての役割を担っている。もちろん、これに限られるものではなく、トナー回収部によって回収されたトナーに対して所望の色のトナーを所望の分量だけ混入させることのできる手段であればよく、例えば各色トナーを個別に供給することのできるトナー供給部を設ける構成とすることもできる。
【0079】
たとえば、Yトナー1mgの混入は、Yトナーを1mg現像し、ベルトに転写する。それをBK感光体のところまで搬送する。間にある、MやCの感光体を通過する時には、+300V程度の弱めの転写バイアスを、M(23b),C(23c),の転写ローラに印加しておく。そして、Bk感光体のところに来たら、BK転写ローラ(23d)に−1.2kVを印加し、ベルト上のトナーを感光体側へ転写し、Bk現像器内へ回収させる(図9参照)。このように、回収された各色のトナー量の比率がほぼ等しくなるように制御してやることで、黒の色調を維持することが可能となる。この制御を行った後には、印字率カウンタをリセットする(S306)。
【0080】
なお、上述の実施の形態では、被転写体上に残留したトナーの回収は、各プロセスユニットにおける感光体により行なう構成を示したが、これに限られるものではなく、例えば、図10に示すように被転写体である中間転写ベルトのベルト面からトナーを掻き取るベルトクリーナを設け、該ベルトクリーナによって中間転写ベルト上の残留トナーを回収するようにしてもよい。この場合、ベルトクリーナによって掻き取られた廃トナーは、ベルトクリーナの廃トナーボックス内に蓄積される。また、ブラック以外の色のトナー像を形成するプロセスユニットに、感光体の感光面上に残留するトナーを回収するクリーナ(感光面上トナー回収部)を設け、当該クリーナにより感光面上から回収したトナーを、該クリーナが設けられるプロセスユニットにおける現像器に供給するようにしてもよい。
【0081】
また、図10に示されるように、ブラックのトナー像を形成するプロセスユニットが、被転写体の移動方向において最も上流側に配置されている場合(逆転写が生じた場合に画質劣化が酷くなり易い構成である場合)には、該ブラック以外の色のトナー像を形成するプロセスユニットにおけるクリーナによって感光面上から回収したトナーを、ブラックのトナー像を形成するプロセスユニットの現像器に供給する構成とすることもできる。
【0082】
また、本実施の形態では、いわゆるタンデム方式の画像形成装置の構成を例に挙げたが、これに限られるものではなく、例えば図11に示すような、いわゆる4回転ドラム中間転写ベルト方式の画像形成装置に適用した場合にも同様の効果を奏することができる。
【0083】
続いて、上述の実施の形態において、トナー補充部にて色差が8以内となるようにトナー補充を行なうことの根拠について説明する。
【0084】
以下は、Y(イエロー)トナー,M(マゼンタ)トナー,C(シアン)トナーの混合比率(重量比)と、純粋BK(ブラック)トナーとの色差(ΔE*ab)
の測定結果との関係を、何点か混合比を変えて測定したものについて示したデータである。
【0085】
Y M C 色差 結果
1 1 1 9.53 NG
1.2 1 1.1 3.77 OK
1.3 1 1.2 5.83 OK
1.4 1 1 6.35 OK
1.2 1 1 6.43 OK
1 1 1.2 7.83 OK
1 1.2 1 14.57 NG
【0086】
以上のように、Y:M:C=1.2:1:1.1がブラックトナーとの色差が最も小さくなる最適な混合比率であり、色差3.77となっている。また、1.3:1:1.2でも許容範囲内となっていることがわかる。また、他の2色を「1」とし、残りの色の比率を変えたとき、Yの許容範囲は広く、「1.4」でも色調に問題は感じられなかった。Cトナーについては、「1.2」までが限界であった。
【0087】
以下、標準のブラックトナーとの色差の算出方法について、一例を示す。
【0088】
初期の純粋なBkのL*a*b*が(20.0,1.5,-0.5)である場合、1000枚印字後のBK印字画像のL*a*b*が(20.5,5.5,-1.5)であるとすると、色差は、
【0089】
ΔE*ab=[(0.5)^2+4^2+(-1)^2]^1/2=4.2 ・・・(2)
【0090】
となる。
【0091】
さらに、2000枚通紙後のBkの印字画像のL*a*b*が(20.3,9.0,2.2)である場合、色差ΔE*abは、
【0092】
[(0.3)^2+(7.5)^2+(2.7)^2]^1/2=8.0 ・・・(3)
【0093】
となる。
【0094】
また、3000枚通紙後のBkの印字画像のL*a*b*が(20.5,12.2,-3.1)であるとき、色差ΔE*abは、
【0095】
[(0.5)^2+(10.7)^2+(-2.6)^2]^1/2=11.0 ・・・(4)
【0096】
となる。
【0097】
なお、上述の色差の測定には、X−Rite,Inc.の分光測色計(spectrodensitometer)エックスライト938を使用した。観察条件を、光源:D50、視野角:2°とし、L*a*b*表色系で測定した。色差はΔE*abを測定した
。
【0098】
図12は、色差と色調の官能評価結果との関係を示す表である。同図に示すように、基準となるブラックトナーとの色差が「8」を超えると、評価者は色調の違いに違和感を覚えていることがわかる。よって、本実施の形態では、色差「8」を限界値としている。
【0099】
なお、上述の実施の形態によれば、それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に対して転写させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置におけるトナーリサイクル方法であって、被転写体上に残留しているトナーを回収し、回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定し、判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナーリサイクル方法を提供することができる。このようなトナーリサイクル方法において、複数の画像形成部それぞれにおけるトナー使用量に基づいて、回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定することができる。
【0100】
また、このようなトナーリサイクル方法において、トナー補充されて混合比率が所定の比率に調整されたときからの複数の画像形成部それぞれにおける積算トナー使用量に基づいて、回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定することができる。
【0101】
また、このようなトナーリサイクル方法において、不足している色のトナーを補充する際に、転写効率が高い色のトナーほど、補充量を多くすることができる。また、このようなトナーリサイクル方法において、所定の比率は、複数色のトナーを混合した場合に、正規のブラックトナーの色との色差が8以内になるような混合比率であるものとすることができる。
【0102】
また、このようなトナーリサイクル方法において、複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部を含むものであり、トナー補充されて混合比率が所定の比率に調整されたトナーを、ブラックのトナー像を形成する画像形成部に対して供給することもできる。
【0103】
また、このようなトナーリサイクル方法において、複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部およびブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部を含むものであり、該ブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部において、感光体の感光面上に残留するトナーを回収し、該感光体から回収したトナーを、該感光体が設けられる画像形成部における現像器に供給することもできる。
【0104】
また、このようなトナーリサイクル方法において、複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部およびブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部を含むとともに、ブラックのトナー像を形成する画像形成部は、所定方向において最も上流側に配置されるものであり、該ブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部において、感光体の感光面上に残留するトナーを回収し、該感光面上から回収したトナーを、ブラックのトナー像を形成する画像形成部にて再利用するトナーとして回収することも可能である。
【0105】
上述の実施の形態によれば、転写ベルト等の被転写体上の残存トナーをブラックのプロセスユニットにおける感光体に転写して戻し、ブラック現像器内に回収し、ブラックトナーとして再利用する構成の画像形成装置を提供することができる。すなわち、転写ベルトのクリーニング装置も除去した、完全クリーナレス画像形成装置である。これにより、全く廃トナーが出ないために、トナー消費コストが大幅に低減でき、また、廃トナー処理のコストが不要となる。
【0106】
さらに、本実施の形態によれば、この回収したトナーをブラックトナーとしてリサイクルする方法を提供することができる。他のカラートナーの混在による黒色色調の変動が無い様に制御されたブラックトナーを使用することで、黒画像の色調の変動がない画像が得られる。すなわち、カラートナーの各色印字率をカウントし、これによりカラートナーのBk現像器への混入量を見積もり、不足している場合は、その色を混入してやることで、黒色の色調を自動制御することを特徴とし、黒の色調の変動の問題も解決される。これにより、これまで廃棄していたトナーを、ブラックトナーとして再利用でき、トナー消費コストを低減する画像形成装置およびトナーリサイクル方法を提供できる。
【0107】
本実施の形態では装置内部に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0108】
本発明を特定の態様により詳細に説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱しないかぎり、様々な変更および改質がなされ得ることは、当業者には自明であろう。
【0109】
以上に詳述したように本発明によれば、複数色のトナーによる画像形成処理を行なう場合において、複数の画像形成部によりトナー像を転写される被転写体上の残留トナーを廃棄することなく、ブラックトナーとして再利用するとともに、ブラックトナーの色調変化による画質の劣化を防止する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本実施の形態による画像形成装置における画像形成部近傍の構成を示す縦断面図である。
【図2】転写装置に関する部分について詳細に説明するための図である。
【図3】中間転写方式の画像形成装置について説明するための図である。
【図4】本実施の形態による画像形成装置について説明するための機能ブロック図である。
【図5】感光体長手方向に単色のトナーが残存している時のクリーナレスシステムにおける残存トナー処理フローである。
【図6】用紙詰まり発生時のように、感光体長手方向に2色以上のトナーが残存するときの処理を示すフローチャートである。
【図7】廃トナーの回収方法について説明するための図である。
【図8】廃トナーの色調制御シーケンスの一例を示すフローチャートである。
【図9】廃トナーの回収方法について説明するための図である。
【図10】廃トナーのリサイクル方法の他の例について説明するための図である。
【図11】4回転ドラム中間転写ベルト方式の画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図12】色差と色調の官能評価結果との関係を示す表である。
【符号の説明】
【0111】
1a〜1d 画像形成部、3a〜3d 感光体ドラム、5a〜5d 帯電ローラ、7a〜7d 露光装置、9a〜9d 現像器、11 搬送ベルト、19a〜19d 除電ランプ、13 従動ローラ、15 駆動ローラ、23a〜23d 転写装置、25a〜25d 定電圧直流電源、26 給紙カセット、27 ピックアップローラ、29 レジストローラ対、30 金属ローラ、31 コロナ帯電器、33 定着器、34 排紙トレイ、Ua〜Ud プロセスユニット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数色のトナーによる画像形成処理を行なう場合における、トナーリサイクル技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、感光体上に形成したトナー像を転写材に転写した後、感光体上に残存するトナーを、現像器で回収して再利用する、いわゆるクリーナレスプロセスを採用した画像形成装置が知られる(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7を参照)。
【0003】
しかし、上記クリーナレスプロセスを採用する画像形成装置では、感光体におけるクリーナレス化を実現しているものの、中間転写体においては廃トナーが発生しており、装置全体としては廃トナーレスとは言えない。上記従来技術では、上述のように中間転写体において発生する廃トナーを廃棄しており、トナー消費コストやメンテナンス費用の観点で問題があった。
【0004】
そこで、中間転写体にクリーナを設け、そこで除去したトナーを黒現像器に戻す構成が開示されている(特許文献8、特許文献9、特許文献10参照)。当該構成の画像形成装置では、中間転写体を採用した場合に大量に発生する2次転写残りトナーを有効に再利用することが可能になるが、リサイクル機構が複雑になる。また、ベルトにクリーナがあるとベルトの蛇行規制が難しく、複雑な機構を要するという問題もある。また、クリーナによってベルトが削られ、ベルトの寿命が短くなるとともに、クリーナ自体にも寿命があるために、そのための交換作業等が必要になってしまう。
【0005】
中間転写体から除去したトナーを黒現像器に戻す構成の上記技術では、バイアスにより転写残りトナーを一端感光体に戻し、最終的に黒現像器にて回収する例も開示しているものの、このような方法で、すべて黒現像器に戻してしまうと、黒現像器への他色の混入量が増加し、場合によっては黒色までもが変化してしまうことがあり、好ましくない。
【0006】
また、各色トナーを個別に回収し、回収量が一定量になったところで混合して再利用する技術が開示されているが(特許文献11、特許文献12参照)、この場合、回収装置、搬送装置、混合装置等の機構が複雑になる。さらにこれらは、いずれもクリーナレスプロセスではない。
【特許文献1】特開平5−341643号公報
【特許文献2】特開平11−249452号公報
【特許文献3】特許2675554号公報
【特許文献4】特開2002−132002号公報
【特許文献5】USP4727395号公報
【特許文献6】特公平6−77166号公報
【特許文献7】特許2879883号公報
【特許文献8】特開2002−189335号公報
【特許文献9】特開2002−311669号公報
【特許文献10】特開2001−154439号公報
【特許文献11】特開2003−140428号公報
【特許文献12】特開2003−345096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、複数色のトナーによる画像形成処理を行なう場合において、複数の画像形成部によりトナー像を転写される被転写体上の残留トナーを廃棄することなく、ブラックトナーとして再利用するとともに、ブラックトナーの色調変化による画質の劣化を防止する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様に係る画像形成装置は、それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置であって、前記被転写体上に残留しているトナーを回収する現像器と、前記現像器により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する比率判定部と、前記比率判定部にて判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記現像器により回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナー補充部とを備えてなることを特徴とする構成としている。
【0009】
また、本発明の一態様に係る画像形成装置は、それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置であって、前記被転写体上に残留しているトナーを回収するトナー回収手段と、前記トナー回収手段により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する比率判定手段と、前記比率判定手段にて判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記トナー回収手段により回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナー補充手段とを備えてなることを特徴とする構成としている。
【0010】
また、本発明の一態様に係るトナーリサイクル方法は、それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置におけるトナーリサイクル方法であって、前記被転写体上に残留しているトナーを回収し、前記回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定し、前記判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充することを特徴とする構成としている。
【発明の効果】
【0011】
以上に詳述したように本発明によれば、複数色のトナーによる画像形成処理を行なう場合において、複数の画像形成部によりトナー像を転写される被転写体上の残留トナーを廃棄することなく、ブラックトナーとして再利用するとともに、ブラックトナーの色調変化による画質の劣化を防止する技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は本実施の形態による画像形成装置における画像形成部近傍の構成を示す縦断面図である。図1において、画像形成部(画像形成手段)1a、1b、1cおよび1dが設けられている。各画像形成部は像担持体である感光体ドラム3a、3b、3c、及び3dを有し、これらの感光体に現像剤像を形成する。
【0014】
まず、画像形成部1aについて説明する。図1において、感光体ドラム3aは直径30mmの円筒状であり、図示矢印方向へ回転可能に設けられている。感光体ドラム3aの周囲には回転方向に沿って以下のものが配置されている。まず帯電ローラ5aが感光体ドラム1aの表面に接触して設けられている。この帯電ローラ5aは、感光体ドラム3aの感光面を一様に負(−)帯電させる。帯電ローラの代わりに、ブラシあるいはブレード等による接触帯電、またはコロナワイヤによる非接触帯電も可能である。
【0015】
帯電ローラ5aの下流(図1中右方)には、帯電した感光体ドラム3aを露光して静電潜像を形成する露光装置7aが設けられている。ここでの露光装置としては、レーザ走査またはLED露光を行なう装置が用いられる。また、露光装置7aの下流には黄色(イエロー)の現像剤を収容し、この現像剤で露光装置7aにより形成された静電潜像を反転現像する現像器9aが設けられている。
【0016】
現像剤としては、トナーとキャリアからなる2成分現像剤またはトナーのみからなる1成分現像剤が用いられる。現像方式としては、接触現像方式または非接触現像方式が用いられる。
【0017】
更に現像器9aの下流には、感光体ドラム3aに対し、被画像形成媒体である用紙Pを搬送する搬送手段として搬送ベルト11が設置されている。この搬送ベルト11は感光体ドラム3a上に形成された現像剤像と用紙Pとが当接されるよう用紙Pを感光体ドラム3aに搬送する。感光体ドラム3aと用紙Pとの当接位置よりも下流側には、除電ランプ19aが設けられている。除電ランプ19aは転写後、感光体ドラム3aの表面電荷を一様な光照射によって除電する。この除電ランプ19aによる除電により画像形成の1サイクルが完了し、次の画像形成プロセスにおいて、再び帯電ローラ5aが未帯電の感光体ドラム3aを一様に帯電する。
【0018】
上述の感光体ドラム3a、帯電ローラ5a、現像器9aおよび除電ランプ19aによってプロセスユニットUaが構成され、プロセスユニットは画像形成装置本体から着脱自在に設けられている。なお、プロセスユニットは、帯電器および現像器のうち少なくとも一方と、感光体とを一体的に支持している構成となっていてもよい。搬送ベルト11は用紙Pの搬送方向(図示矢印eの方向)と直交する方向(図面奥行き方向)において、感光体ドラム1aの長さ寸法とほぼ等しいサイズ(幅)を有している。この搬送ベルト11は、無端状(シームレス)ベルトの形状をしており、搬送ベルトを所定の速度で回動させる駆動ローラ15及び従動ローラ13上に担持されている。駆動ローラ15から従動ローラ13までの距離は約300mm程である。駆動ローラ15及び従動ローラ13はそれぞれ図示矢印j及びi方向(図中反時計回り)にそれぞれ回転可能に設けられている。
【0019】
駆動ローラ15の回転に伴って、搬送ベルト11が回転し、従動ローラ13が従動回転する。ベルトは、スリップしないように、従動ローラ13の外側方向への加重により十分な張力が加えられている。搬送ベルト11は、カーボンが均一に分散された厚さ100μmのポリイミドにより形成されている。この搬送ベルトは10^10Ωcmの電気抵抗を有し、半導電性を示す。搬送ベルトの材料としては、体積抵抗値が10^8〜10^13Ωcmの半導電性を示す材料であれば良い。例えば、カーボンを分散したポリイミドの他に、ポリエチレンテフタレート、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等にカーボン等の導電粒子を分散させたものでも良い。導電粒子を用いず、組成調整によって電気抵抗を調整した高分子フィルムを用いても良い。さらにはこの様な高分子フィルムにイオン導電性物質を混入したもの、あるいは比較的電気抵抗が低いシリコーンゴム、ウレタンゴム等のゴム材でも良い。
【0020】
搬送ベルト11上には、駆動ローラ15と従動ローラ13との間に用紙Pの搬送方向に沿って画像形成部1aの他、画像形成部1b、1c及び1dが配置されている。画像形成部1b、1c及び1dはいずれも画像形成部1aと同様の構成をしている。各感光体ドラムの周囲にはそれぞれ帯電ローラ5b、5c及び5dが設けられている。帯電ローラの下流には露光装置7b、7c及び7dが設けられている。露光装置の下流には現像器9b、9c及び9d、除電ランプ19b、19c及び19dを設けた構成も画像形成部1aと同様である。異なるのは、現像器に収容された現像剤である。現像器9bはマゼンタの現像剤、現像器9cはシアンの現像剤、現像器9dはブラックの現像剤を収容している。
【0021】
搬送ベルト11によって搬送される用紙Pはそれぞれの感光体ドラムと順次当接する。この用紙Pとそれぞれの感光体ドラムとの当接位置近傍には、転写手段としての転写装置23a、23b、23c及び23dがそれぞれの感光体ドラムに対応して設けられている。即ち転写装置23は、対応する感光体ドラム下方で搬送ベルト11に背面接触して設けられ、搬送ベルト11を介して画像形成部と対向する。転写部材23aは、電圧印加手段である正(+)の直流電源25aに接続されている。同様に転写部材23b、23c、および23dは直流電源25b、25c、および25dにそれぞれ接続されている。
【0022】
一方、図1において、搬送ベルト11の正面右手には用紙Pを収容する給紙カセット26が設けられている。画像形成装置本体には、給紙カセット26から用紙Pを1枚ずつピックアップするピックアップローラ27が図示矢印f方向に回転可能に設けられている。ピックアップローラ27と、搬送ベルト11との間にはレジストローラ対29が回転可能に設けられている。レジストローラ対29は所定のタイミングで、用紙Pを搬送ベルト11上へ供給する。
【0023】
また、搬送ベルト11上には、用紙Pを搬送ベルト11表面に静電吸着させるための金属ローラ30が、配置されている。金属ローラ30は、接地(アース)されている。また、用紙吸着のためのベルト帯電のために、搬送ベルト11の従動ローラ13を対向電極として、従動ローラ下部に搬送ベルト11を介してコロナ帯電器31が設置されている。また、図1中、搬送ベルト11の正面左手には現像剤を用紙P上に定着する定着器33と、この定着器にて定着された用紙Pが排出される排紙トレイ34が設けられている。
【0024】
次に、上述のように構成された画像形成装置のカラー画像形成プロセスについて述べる。画像形成装置前面にある操作パネル(Control panel)を介して画像形成開始が指示されると、感光体ドラム3aは図示しない駆動機構から駆動力を受けて回転を始める。帯電ローラ5aはこの感光体ドラム3aを一様に約−600Vに帯電する。帯電ローラ5aによって一様に帯電されたこの感光体ドラム3aに、露光装置7aは、記録すべき画像に応じた光を照射し静電潜像を形成する。現像器9aは現像剤により静電潜像を現像し、イエローの現像剤像を形成する。感光体ドラム3a上に現像剤像を形成するのと同様の手順で、感光体ドラム3b、感光体ドラム3c、感光体ドラム3d上にも各色の現像剤像が形成される。
【0025】
一方、ピックアップローラ27は、給紙カセット26から用紙Pを取り出し、レジストローラ対29は、この用紙Pを搬送ベルト11上へ供給する。搬送ベルト11は用紙Pを感光体ドラム3a、感光体ドラム3b、感光体ドラム3c及び感光体ドラム3dに向けて順次搬送する。感光体ドラム3aと搬送ベルト11,および転写部材23aにより形成される転写領域Taに用紙Pが達すると、転写部材23aには約+1000Vのバイアス電圧が印加される。
【0026】
転写部材23aと感光体ドラム3aとの間には転写電界が形成され、感光体ドラム3a上の現像剤像は、この転写電界に従って、用紙P上に転写される。転写領域Taにおいて現像剤像が転写された用紙Pは転写領域Tbに向けて搬送される。転写領域Tbでは、転写部材23bに直流電源から約+1200Vのバイアス電圧を印加する事により、イエロー現像剤像上に重ねてマゼンタの現像剤像を転写する。
【0027】
マゼンタの現像剤が転写された後、用紙Pは転写領域Tc及び転写領域Tdに向けてさらに搬送される。転写領域Tcにおいて転写部材23cに約+1400Vのバイアス電圧を印加する事により、また、転写領域Tdにおいて転写部材23dに約+1600Vの電圧を印加する事により、既に転写されている現像剤像の上に重ねてシアンの現像剤像、ブラックの現像剤像を順次多重転写する。
【0028】
このように多重転写された各色の現像剤像は、定着器33により用紙P上に定着され、カラー画像が形成される。定着済みの用紙Pは排紙トレイ34上に排出される。
【0029】
続いて、転写装置に関する部分についてさらに詳細に説明する(図2参照)。転写装置23aは、カーボンを分散して導電性とした導電性発泡ウレタンローラである。φ10mmの芯金40に、外径φ18mmのローラ41を成形している。芯金とローラ表面間の電気抵抗は約10e6Ωである。芯金には定電圧直流電源25aが接続されている。
【0030】
転写装置における給電装置は、ローラに限らず、導電性ブラシ、導電性ゴムブレード、導電性シート等でも良い。導電性シートは、カーボン分散したゴム材や樹脂フィルムで、シリコーンゴムやウレタンゴムやEPDM等のゴム材や、ポリカーボネート等の樹脂材でも良い。体積抵抗値が、10e5〜10e7Ωcmのものが望ましい。
【0031】
ローラシャフトの両端には、付勢手段としてのバネが設けられており、このバネにより転写ローラ23aは搬送ベルト11に対して、鉛直方向に弾性的に当接する様に付勢される。各転写ローラに設けられたバネによる付勢力の大きさは、600gftとした。 転写装置23b、23c及び23dの構成は転写装置23aと同様であり、また搬送ベルト11へ弾性的に当接する構成も各転写部材について同様であるため、転写装置23b、23c及び23dの構成については説明を省略する。
【0032】
なお、上述の構成例では、転写ベルトが搬送手段になっており、感光体上に形成されたトナー像を用紙に対して直接転写する直接転写方式である例を示しており、搬送ベルト11が被転写体に相当する。また、これに限られるものではなく、例えば図3に示すように、転写ベルトが紙搬送を行なうものではなく、各画像形成部の感光体上に形成されたトナー像を、ベルトやローラ等の中間転写体(被転写体)に対して直接転写させ(いわゆる一次転写)、その後にベルトやローラから紙等に一括転写させる中間転写方式の画像形成装置についても本発明は適用可能である。この場合、各感光体上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト上に転写され、2次転写ローラと中間転写ベルトが協働することにより、搬送されてきた用紙上にトナー像は一括転写される。その後、用紙は定着器へ搬送され、画像が定着されて排紙トレイへ排出される。
【0033】
以上が、カラー画像形成装置の画像形成プロセスであり、上述のようにして、それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に対して転写させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう。
【0034】
続いて、クリーナレスプロセスについて説明する。図1に示す画像形成プロセスで、転写後に感光体上に残った残留トナー等は、必要な場合は、図示しない転写残り像を撹乱するための撹乱部材を経て、さらに感光体の帯電工程から始まる作像プロセスが再度繰り返される。この際、帯電部を通過した残留トナーは、帯電工程を通過したこともあって、感光体の帯電電位と同極性(本実施例ではマイナス極性)に帯電しており、これが現像部に到達した際には、現像部において画像部分は、感光体上に付着したまま現像され、非画像部部分は、現像ローラ側に回収され、いわゆる現像同時クリーニングが行なわれる。これにより、感光体の感光面上にブレード等のクリーニング装置がなくても、画像形成プロセスが連続して行なわれる。
【0035】
本実施の形態に示すようなタンデム型のカラー画像形成装置では、
【0036】
(a)感光体の偏芯やベルトの蛇行等を補正して感光体上に画像を形成するため、または、
【0037】
(b)周囲の温度や湿度が変動した際に、感光体特性やトナーの帯電性等が変化して、それが現像トナー量を変動させてしまうので、現像トナー量の変動に対応するため、
【0038】
紙等の被画像形成媒体に画像を印字していない状態で、例えば直接転写方式(感光体上に形成されたトナー像を用紙に対して直接転写させる方式)の場合、搬送手段であるベルト11上に特定の画像パッチを転写させ、その位置や反射率、反射濃度等をセンサで検知し、その値に基づいて実際の画像印字の際にフィードバックをかける。この際、画像パッチは、各感光体からベルトに順次転写されるが、ベルト表面の感光体長手方向に各色のパッチが重ならないような位置に転写させ、ベルト上で、反射率や位置等を検出した後、それぞれの感光体に戻し、現像器にて回収する。
【0039】
具体的には、第1段目の感光体3aに第1色目のパッチを印字して、第1段目の転写ローラ23aに+350vを印加して、第1色目のパッチをベルト11に転写させた後、第2色目の感光体3bから、第2色目のパッチをベルト上で感光体長手方向で重ならないようにして第2段目の転写ローラ23bに+350vを印加して転写させる。同様にして第3、第4段目も転写させ、その後、ベルト上でセンサにより、反射率や位置等を検出した後、第1色目のパッチが第1段目の感光体3aと再度接触する直前に、第1段目の転写ローラ23aの転写バイアスを−500v以上にする。
【0040】
第1段目の感光体3aは、帯電器により帯電されているので、表面電位は−500v程度あり、マイナス帯電されたベルト上の第1色目のトナーは、第1段目の感光体3aに電界により再び転写され、現像器は、−350v程度なので、第1段目の現像器9aにて回収される。
【0041】
続いて、ベルト上に転写された第1色目のパッチが第1段目の感光体3aを通過した後に、第1段目の転写ローラ23aには再び+350vが印加される。これにより第2色目のトナーが第1の感光体3aと接触しても、第1の感光体3aに逆転写することがない。
【0042】
さらに第2色目のトナーが第2段目の感光体3bに接触する直前に、第2段目の転写ローラ23bのバイアスを−500v以上に切り替える。これにより、第2色目のトナーは第2段目の感光体3bに再び転写され、第1段目のときと同様に、第2段目の現像器9bにより回収される。
【0043】
以上のように、第3段目、第4段目も同様なタイミングによりベルト上に転写されたパッチ画像は、すべてもともと転写してきた感光体に戻り、現像器にて回収される。なお、それぞれのバイアスについては、実験を行なったバイアスの一例であり、転写ローラバイアスを切り替えることにより、それぞれの感光体に電界によりトナーを戻すようなバイアスであれば何れも有効である。
【0044】
また、上述の実施の形態では、中間転写体がベルトである例を挙げているが、例えば中間転写ローラ(ドラム)等の構成であってもよい。ただし、中間転写方式の場合では、通常の印字中に印加する第1段目の転写ローラ23aへのバイアスよりも、パッチを印字した後第1段目で回収しない第2、3,4色目のトナーパッチが第1段目のステーションを通過している際に第1段目の転写ローラ23aへ印加するバイアスを低くする等して、感光体とベルトに働く電界を転写時より弱めることが好ましい。
【0045】
具体的には、通常の印字では、例えば転写ローラに+400v印加するが、パッチ非回収時には+300vにする。これはバイアスが高い方がトナーの極性が例えばマイナスからプラスに反転し、転写ローラにプラス極性のバイアスを印加しても、反転したトナーが感光体に転写されてしまう「逆転写現象」が多く発生するからであり、例えば第1段目がイエローで、第4段目が黒の場合、黒がイエローに混入することは好ましくないからである。また、第4段目が黒現像器の場合、黒用の感光体3dにおいては、第1〜第3のパッチがあった位置すべてに第4段目の転写ローラ23dにマイナス(−)極性のバイアスを印加するとよい。これによって、第1〜第3の感光体にて回収しきれなかったトナーも黒感光体3dを経て、黒現像器9dにて回収することができる。
【0046】
ベルトにトナーが付着してしまう状況としては、上述したような画質の制御等の動作以外にも、用紙詰まり等によっても発生してしまう。用紙詰まりが発生すると、例えば第1の感光体3a上には画像が印字され、ベルト上の紙等の被転写体に画像を転写するつもりで、実際には紙が存在していないため、ベルトに直接画像が印字されてしまう。第1色目の画像のみがベルトに転写された場合は、復帰動作時に、第1段目の感光体3aに戻すのがよい。この場合は、上述した場合と同様に、第1色目の感光体3aを用紙詰まりが起こった画像が通過する際に、第1段目の転写ローラ23aに印加するバイアス電圧を、例えば−500v以上に切り替えることで、第1色目の用紙詰まりが起こった画像のトナーは第1段目の感光体に戻すことができる。
【0047】
また、用紙詰まり時にベルト上に第1色目だけでなく、第2色目以降も印字してしまっていた場合は、ベルト上のトナーを黒感光体3dに戻すと良い。本実施例では、黒現像器9dは第4段目に設置されており、用紙詰まり復帰動作時に、第1〜第3段目の転写ローラへのバイアスは+350v程度にして、第4段目の転写ローラ23dのバイアスを−500v以上に設定する。これによりマイナスに帯電したトナーは、第1〜第3段目のステーションでは感光体には戻らず、第4段目の黒用の感光体3dに戻され、黒用の現像器9dにて回収される。
【0048】
この場合、黒現像器に他色トナーが混入して、本来の黒トナーの色調と変化してしまう問題がある。本実施の形態による画像形成装置では、この問題を解決するための手法を提供する。ここで、中間転写方式の場合、通常の印字中に印加する第1段目の転写ローラへのバイアス電圧よりも、用紙詰まり後に復帰動作を行なう際の第1段目のステーションを通過している際に第1段目の転写ローラ23aへ印加するバイアス電圧を低くする等して、感光体とベルトに働く電界を通常の転写時に比べて弱めることが好ましい。
【0049】
具体的には、通常の印字では、例えば転写ローラに+400v印加するが、用紙詰まり後の非回収時には+300vにする。これはバイアス電圧が高い(電界が強い)方が逆転写現象が多く発生するからであり、例えば第1段目がイエローで、第4段目が黒の場合、黒がイエローに混入することが好ましくないからである。中間転写方式の場合、ベルト等の中間転写体から紙等の被画像形成媒体へ2次転写するため、その際に、ベルト上に転写残りトナーが発生する。本発明では、それをも排トナーとせずに回収するもので、具体的にはすべて黒用の感光体に戻して黒用の現像器にて回収する。
【0050】
この際、タンデム型のステーション配置において、黒ステーションが最上流側(第1段目)にあるのが好ましく、2次転写残りトナーをバイアスを切り替えて黒感光体側に回収する。まず、2次転写残りトナーは、第1段目の黒の転写ステーションに来るが、ベルト一周分は次工程の画像形成は行なわない紙間動作を行なう。すなわち、通常の4連タンデム装置に比べて、印字速度は1/2になってしまう。
【0051】
図3を例に説明すると、紙間動作では、まず、黒転写ステーションK6の転写ローラK5のバイアスが−1.2kv程度に設定され、これにより、2次転写残りトナーのうちマイナス極性のものは、黒感光体K1側へ移動するので、ベルト上にはプラス極性のトナーが残る。この後のカラーステーションでは、転写バイアスは、やはりマイナスに設定して、プラス極性のトナーをベルト上に残したまま通過させる。この際、転写のマイナスバイアスは、黒ステーションK6に対して低く(例えば−800v程度)設定すると逆転写が減るので、混色に有利になる。
【0052】
その後、次工程である作像工程がスタートし、ベルト上のプラス極性のトナーが黒ステーションK6に到達すると、通常の転写バイアス(例えば+400v)が転写ローラK5に印加され、感光体上の画像部トナーは、ベルト上のプラス極性のトナーの上に重なって転写され、非画像部に相当するベルト上のプラス極性トナーは、黒感光体側K1に転写し黒現像器K4に回収される。ここで注意を要するのは、黒ステーションを最上流側に配置したため、第2段目のステーション以降で逆転写が発生すると、カラー現像器に黒トナーが混入し、色が変わってしまう危険性がある。
【0053】
そこで、第2段目の転写バイアス電圧を、第1段目の黒ステーションK6に比較して弱く設定して、逆転写を防ぐ必要がある。例えば黒ステーションK6の転写ローラK5のバイアス電圧が+400vであれば、第2段目以降は+300vに設定すると、逆転写を効果的に防ぐことができる。このようにして、中間転写方式を用いた場合にもっとも問題になる2次転写残りトナーを有効に黒現像器K4に回収することが可能となり、装置としての排トナーレス化が可能になる。
【0054】
以上のように、黒現像器に中間転写体の転写残りトナーをすべて戻すと、黒色とはいえ混色して、色がかわってくるため、それを防止しなければならない。
【0055】
図4は、本実施の形態による画像形成装置について説明するための機能ブロック図である。
【0056】
トナー回収部(トナー回収手段)901は、転写ベルト或いは中間転写ローラ等の被転写体上に残留しているトナーを回収する。図10に示すように被転写体である転写ベルト上のトナーを除去するベルトクリーナ(例えば、クリーニングブレード)16を備えている場合、ベルトクリーナ16がトナー回収部に相当する。この場合、被転写体から除去されたトナーは、全てベルトクリーナ16内に混在した状態で回収される。一方、図3に示すように被転写体上に残留したトナーを、各プロセスユニットにおける感光体によって回収するクリーナレス方式を採用している場合、各プロセスユニットがトナー回収部としての機能を有する。なお、トナー回収部901により回収されたトナーは最終的には現像器(黒色の現像剤を被転写体に供給する現像器)に回収される。
【0057】
比率判定部(比率判定手段)902は、複数のプロセスユニットそれぞれにおけるトナー使用量(例えば、印字対象である画像データに基づいて算出されるトナーの印字率)に基づいて、トナー回収部901により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する。具体的に、比率判定部902は、トナー補充部903によりトナー補充されて混合比率が所定の比率に調整されたときから(複数色のトナーの混合バランスが整った状態(出荷時、メンテナンスで交換した時、バランスが調整されたとき)から)の複数のプロセスユニットそれぞれにおける積算トナー使用量に基づいて、トナー回収部901により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する。
【0058】
トナー補充部(トナー補充手段)903は、比率判定部902にて判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、トナー回収部901により回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充する。ここで、トナー補充部903は、転写効率が高い色のトナーほど、転写ベルト上に残留しにくいため、転写効率が高い色のトナーほど、補充量を多くするようにしてもよい。
【0059】
所定の比率とは、複数色のトナーを混合した場合に、正規のブラックトナーの色との色差が8以内になるような混合比率である。ここで、色差が8以内としたのは、通常、色差が「8」を越えるとユーザは、正規色との色調の違いに違和感を感じるためである。
【0060】
なお、色差(color difference)とは、色の知覚的な違いを定量的にあらわしたものであり、L*a*b*表色系では,ΔE*ab(デルタ・イースター・エイ・ビー)の次式(1)で定義される数値で表わされる。
【0061】
ΔE*ab=[(ΔL*)^2+(Δa*)^2+(Δb*)^2]^1/2 ・・・(1)
【0062】
トナー供給部904は、トナー補充部903によりトナー補充されて混合比率が所定の比率に調整されたトナーを、ブラックのトナー像を形成するプロセスユニットに対して供給する。
【0063】
CPU801は、画像形成装置における各種処理を行なう役割を有しており、またMEMORY802に格納されているプログラムを実行することにより種々の機能を実現する役割も有している。MEMORY802は、例えばROMやRAM等から構成されており、画像形成装置において利用される種々の情報やプログラムを格納する役割を有している。
【0064】
図5は、感光体長手方向に単色のトナーが残存している時のクリーナレスシステムにおける残存トナー処理フローである。同図に示すフローチャートでは、被転写体上に残存する単色トナーを、その色の現像器に回収する処理を行っている。画像形成時の主走査方向全域に亘り、単色トナーでの印字でない場合(S101,No)、トナーを色毎に区別して回収できないため、ブラックのプロセスユニットの感光体への回収処理に移る(S102)。
【0065】
一方、画像形成時の主走査方向全域に亘り、単色トナーでの印字であり(S101,Yes)、第1色を印字していないラインがない場合には(S103,No)、第1色目のプロセスユニットにて被転写体上からの残留トナーの回収を行なう(S104)。
【0066】
第1色を印字していないラインがあり(S103,Yes)、上記ステップにおける判定対象である位置に第2色が印字されている場合(S105,No)、第2色目のプロセスユニットにて被転写体上からの残留トナーの回収を行なう(S106)。
【0067】
上記ステップにおける判定対象である位置に第2色が印字されておらず(S104,Yes)、上記ステップにおける判定対象である位置に第3色が印字されている場合(S107,No)、第3色目のプロセスユニットにて被転写体上からの残留トナーの回収を行なう(S108)。
【0068】
上記ステップにおける判定対象である位置に第4色が印字されている場合(S107,Yes)、第4色目のプロセスユニットにて被転写体上からの残留トナーの回収を行なう(S109)。
【0069】
図6は、用紙詰まり発生時のように、感光体長手方向に2色以上のトナーが残存するときの処理を示すフローチャートである。残存するトナーを処理するときは、CPUから制御される印字情報に基づき、感光体長手方向での色を識別する。単色部分は、その色のプロセスユニットの現像器に回収し、混色部分は、ブラックのプロセスユニット(図中、黒ステーション)の現像器に回収する(図7参照)。
【0070】
印字動作が開始されると、黒ステーションでの画像形成動作開始後、順次シアン、マゼンタおよびイエローの画像形成ステーションでの画像形成動作を開始する(S201)
【0071】
次に、黒ステーションから中間転写体へ一次転写を開始し(S202)、他色の一次転写処理も開始する(S203)。続いて、中間転写体から用紙への二次転写処理を開始し(S204)、黒ステーションの一次転写バイアス電圧を−1.2kvに切り替える。多色のステーションについては、一次転写バイアス電圧を−800vに切り替える(S205)。
【0072】
そして、二次転写後に被転写体上に残留しているトナーが、一通り黒ステーションを通過していれば(S206,Yes)、次の転写動作開始のため、黒転写ローラのバイアス電圧を+400vに戻す(S207)。多色についても同様に、二次転写後に被転写体上に残留しているトナーが、一通り黒ステーションを通過した後に、次のページの画像の転写のため、転写バイアス電圧を+300v以上に切り替える(S208)。
【0073】
このように、カラートナーの黒現像器への回収は、(1)直接転写方式および間接転写方式における、用紙ジャムの際にベルト上に印字された混在するカラートナーの黒現像器への回収、(2)間接転写における、ベルト上印字画像の2次転写残りトナーの黒現像器への回収、の二通りがある。すなわち、間接転写方式の方が常時黒現像器へのカラートナー混在トナーの回収があり、この制御が重要である。
【0074】
図8は、廃トナーの色調制御シーケンスの一例を示すフローチャートである。CPU801は、画像形成時に各色(Y,M,C)の印字率をそれぞれカウントしている(S301〜S303)。例えば、装置の起動時や、一連の印字プロセス終了時等に、その積算された印字率から、2次転写残りトナー(回収されたトナー量)を見積もる。
【0075】
それぞれのカラートナーの残転写トナー量は、
【0076】
残転写トナー量 = 印字率×画像面積×現像トナー量×転写効率
【0077】
で見積もることができる。比率判定部902は、Y,M,Cそれぞれの差を見積もり(S304)、最も多く回収されたトナーを基準にそれぞれの差が無くなるように、不足分のトナーを被転写体上に転写させ、上記回収トナーに混入させる(S305)。
【0078】
例えば、100枚印字後に、Yが1mg、Mが2mg、Cが2mg回収されたと推定される場合、Yを1mg混入してやる。例えば、Yが1mgMが2mgCが3mg回収されたと推定される場合、Yを2mg、Mを1mg混入する。ここでは、回収されたトナーの色調を基準であるブラックトナーの色調に近づけるため、該回収されたトナーの混合比率が所定の比率となるように、不足している色のトナーをプロセスユニットで印字させることによってトナー補充を行っている。よって、本実施の形態では、プロセスユニットおよび転写ベルトがトナー補充部としての役割を担っている。もちろん、これに限られるものではなく、トナー回収部によって回収されたトナーに対して所望の色のトナーを所望の分量だけ混入させることのできる手段であればよく、例えば各色トナーを個別に供給することのできるトナー供給部を設ける構成とすることもできる。
【0079】
たとえば、Yトナー1mgの混入は、Yトナーを1mg現像し、ベルトに転写する。それをBK感光体のところまで搬送する。間にある、MやCの感光体を通過する時には、+300V程度の弱めの転写バイアスを、M(23b),C(23c),の転写ローラに印加しておく。そして、Bk感光体のところに来たら、BK転写ローラ(23d)に−1.2kVを印加し、ベルト上のトナーを感光体側へ転写し、Bk現像器内へ回収させる(図9参照)。このように、回収された各色のトナー量の比率がほぼ等しくなるように制御してやることで、黒の色調を維持することが可能となる。この制御を行った後には、印字率カウンタをリセットする(S306)。
【0080】
なお、上述の実施の形態では、被転写体上に残留したトナーの回収は、各プロセスユニットにおける感光体により行なう構成を示したが、これに限られるものではなく、例えば、図10に示すように被転写体である中間転写ベルトのベルト面からトナーを掻き取るベルトクリーナを設け、該ベルトクリーナによって中間転写ベルト上の残留トナーを回収するようにしてもよい。この場合、ベルトクリーナによって掻き取られた廃トナーは、ベルトクリーナの廃トナーボックス内に蓄積される。また、ブラック以外の色のトナー像を形成するプロセスユニットに、感光体の感光面上に残留するトナーを回収するクリーナ(感光面上トナー回収部)を設け、当該クリーナにより感光面上から回収したトナーを、該クリーナが設けられるプロセスユニットにおける現像器に供給するようにしてもよい。
【0081】
また、図10に示されるように、ブラックのトナー像を形成するプロセスユニットが、被転写体の移動方向において最も上流側に配置されている場合(逆転写が生じた場合に画質劣化が酷くなり易い構成である場合)には、該ブラック以外の色のトナー像を形成するプロセスユニットにおけるクリーナによって感光面上から回収したトナーを、ブラックのトナー像を形成するプロセスユニットの現像器に供給する構成とすることもできる。
【0082】
また、本実施の形態では、いわゆるタンデム方式の画像形成装置の構成を例に挙げたが、これに限られるものではなく、例えば図11に示すような、いわゆる4回転ドラム中間転写ベルト方式の画像形成装置に適用した場合にも同様の効果を奏することができる。
【0083】
続いて、上述の実施の形態において、トナー補充部にて色差が8以内となるようにトナー補充を行なうことの根拠について説明する。
【0084】
以下は、Y(イエロー)トナー,M(マゼンタ)トナー,C(シアン)トナーの混合比率(重量比)と、純粋BK(ブラック)トナーとの色差(ΔE*ab)
の測定結果との関係を、何点か混合比を変えて測定したものについて示したデータである。
【0085】
Y M C 色差 結果
1 1 1 9.53 NG
1.2 1 1.1 3.77 OK
1.3 1 1.2 5.83 OK
1.4 1 1 6.35 OK
1.2 1 1 6.43 OK
1 1 1.2 7.83 OK
1 1.2 1 14.57 NG
【0086】
以上のように、Y:M:C=1.2:1:1.1がブラックトナーとの色差が最も小さくなる最適な混合比率であり、色差3.77となっている。また、1.3:1:1.2でも許容範囲内となっていることがわかる。また、他の2色を「1」とし、残りの色の比率を変えたとき、Yの許容範囲は広く、「1.4」でも色調に問題は感じられなかった。Cトナーについては、「1.2」までが限界であった。
【0087】
以下、標準のブラックトナーとの色差の算出方法について、一例を示す。
【0088】
初期の純粋なBkのL*a*b*が(20.0,1.5,-0.5)である場合、1000枚印字後のBK印字画像のL*a*b*が(20.5,5.5,-1.5)であるとすると、色差は、
【0089】
ΔE*ab=[(0.5)^2+4^2+(-1)^2]^1/2=4.2 ・・・(2)
【0090】
となる。
【0091】
さらに、2000枚通紙後のBkの印字画像のL*a*b*が(20.3,9.0,2.2)である場合、色差ΔE*abは、
【0092】
[(0.3)^2+(7.5)^2+(2.7)^2]^1/2=8.0 ・・・(3)
【0093】
となる。
【0094】
また、3000枚通紙後のBkの印字画像のL*a*b*が(20.5,12.2,-3.1)であるとき、色差ΔE*abは、
【0095】
[(0.5)^2+(10.7)^2+(-2.6)^2]^1/2=11.0 ・・・(4)
【0096】
となる。
【0097】
なお、上述の色差の測定には、X−Rite,Inc.の分光測色計(spectrodensitometer)エックスライト938を使用した。観察条件を、光源:D50、視野角:2°とし、L*a*b*表色系で測定した。色差はΔE*abを測定した
。
【0098】
図12は、色差と色調の官能評価結果との関係を示す表である。同図に示すように、基準となるブラックトナーとの色差が「8」を超えると、評価者は色調の違いに違和感を覚えていることがわかる。よって、本実施の形態では、色差「8」を限界値としている。
【0099】
なお、上述の実施の形態によれば、それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に対して転写させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置におけるトナーリサイクル方法であって、被転写体上に残留しているトナーを回収し、回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定し、判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナーリサイクル方法を提供することができる。このようなトナーリサイクル方法において、複数の画像形成部それぞれにおけるトナー使用量に基づいて、回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定することができる。
【0100】
また、このようなトナーリサイクル方法において、トナー補充されて混合比率が所定の比率に調整されたときからの複数の画像形成部それぞれにおける積算トナー使用量に基づいて、回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定することができる。
【0101】
また、このようなトナーリサイクル方法において、不足している色のトナーを補充する際に、転写効率が高い色のトナーほど、補充量を多くすることができる。また、このようなトナーリサイクル方法において、所定の比率は、複数色のトナーを混合した場合に、正規のブラックトナーの色との色差が8以内になるような混合比率であるものとすることができる。
【0102】
また、このようなトナーリサイクル方法において、複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部を含むものであり、トナー補充されて混合比率が所定の比率に調整されたトナーを、ブラックのトナー像を形成する画像形成部に対して供給することもできる。
【0103】
また、このようなトナーリサイクル方法において、複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部およびブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部を含むものであり、該ブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部において、感光体の感光面上に残留するトナーを回収し、該感光体から回収したトナーを、該感光体が設けられる画像形成部における現像器に供給することもできる。
【0104】
また、このようなトナーリサイクル方法において、複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部およびブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部を含むとともに、ブラックのトナー像を形成する画像形成部は、所定方向において最も上流側に配置されるものであり、該ブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部において、感光体の感光面上に残留するトナーを回収し、該感光面上から回収したトナーを、ブラックのトナー像を形成する画像形成部にて再利用するトナーとして回収することも可能である。
【0105】
上述の実施の形態によれば、転写ベルト等の被転写体上の残存トナーをブラックのプロセスユニットにおける感光体に転写して戻し、ブラック現像器内に回収し、ブラックトナーとして再利用する構成の画像形成装置を提供することができる。すなわち、転写ベルトのクリーニング装置も除去した、完全クリーナレス画像形成装置である。これにより、全く廃トナーが出ないために、トナー消費コストが大幅に低減でき、また、廃トナー処理のコストが不要となる。
【0106】
さらに、本実施の形態によれば、この回収したトナーをブラックトナーとしてリサイクルする方法を提供することができる。他のカラートナーの混在による黒色色調の変動が無い様に制御されたブラックトナーを使用することで、黒画像の色調の変動がない画像が得られる。すなわち、カラートナーの各色印字率をカウントし、これによりカラートナーのBk現像器への混入量を見積もり、不足している場合は、その色を混入してやることで、黒色の色調を自動制御することを特徴とし、黒の色調の変動の問題も解決される。これにより、これまで廃棄していたトナーを、ブラックトナーとして再利用でき、トナー消費コストを低減する画像形成装置およびトナーリサイクル方法を提供できる。
【0107】
本実施の形態では装置内部に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0108】
本発明を特定の態様により詳細に説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱しないかぎり、様々な変更および改質がなされ得ることは、当業者には自明であろう。
【0109】
以上に詳述したように本発明によれば、複数色のトナーによる画像形成処理を行なう場合において、複数の画像形成部によりトナー像を転写される被転写体上の残留トナーを廃棄することなく、ブラックトナーとして再利用するとともに、ブラックトナーの色調変化による画質の劣化を防止する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本実施の形態による画像形成装置における画像形成部近傍の構成を示す縦断面図である。
【図2】転写装置に関する部分について詳細に説明するための図である。
【図3】中間転写方式の画像形成装置について説明するための図である。
【図4】本実施の形態による画像形成装置について説明するための機能ブロック図である。
【図5】感光体長手方向に単色のトナーが残存している時のクリーナレスシステムにおける残存トナー処理フローである。
【図6】用紙詰まり発生時のように、感光体長手方向に2色以上のトナーが残存するときの処理を示すフローチャートである。
【図7】廃トナーの回収方法について説明するための図である。
【図8】廃トナーの色調制御シーケンスの一例を示すフローチャートである。
【図9】廃トナーの回収方法について説明するための図である。
【図10】廃トナーのリサイクル方法の他の例について説明するための図である。
【図11】4回転ドラム中間転写ベルト方式の画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図12】色差と色調の官能評価結果との関係を示す表である。
【符号の説明】
【0111】
1a〜1d 画像形成部、3a〜3d 感光体ドラム、5a〜5d 帯電ローラ、7a〜7d 露光装置、9a〜9d 現像器、11 搬送ベルト、19a〜19d 除電ランプ、13 従動ローラ、15 駆動ローラ、23a〜23d 転写装置、25a〜25d 定電圧直流電源、26 給紙カセット、27 ピックアップローラ、29 レジストローラ対、30 金属ローラ、31 コロナ帯電器、33 定着器、34 排紙トレイ、Ua〜Ud プロセスユニット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に対して形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置であって、
前記被転写体上に残留しているトナーを回収する現像器と、
前記現像器により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する比率判定部と、
前記比率判定部にて判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記現像器により回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナー補充部と
を備えてなる画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記比率判定部は、前記複数の画像形成部それぞれにおけるトナー使用量に基づいて、前記現像器により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記比率判定部は、前記トナー補充部によりトナー補充されて前記混合比率が所定の比率に調整されたときからの前記複数の画像形成部それぞれにおける積算トナー使用量に基づいて、前記現像器により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記トナー使用量は、印字対象である画像データに基づいて算出されるトナーの印字率である画像形成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記トナー補充部は、転写効率が高い色のトナーほど、補充量を多くする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記所定の比率は、前記複数色のトナーを混合した場合に、正規のブラックトナーの色との色差が8以内になるような混合比率である画像形成装置。
【請求項7】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部を含むものであり、
前記トナー補充部によりトナー補充されて前記混合比率が所定の比率に調整されたトナーを、ブラックのトナー像を形成する画像形成部に対して供給するトナー供給部を備える画像形成装置。
【請求項8】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記被転写体は、前記複数の画像形成部からトナー像を転写され、該転写されたトナー像をシートに対して転写させる中間転写体である画像形成装置。
【請求項9】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部およびブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部を含むものであり、
該ブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部は、感光体の感光面上に残留するトナーを回収する感光面上トナー回収部を備え、
前記感光面上トナー回収部は、感光面上から回収したトナーを、該感光面上トナー回収部が設けられる画像形成部における現像器に供給する画像形成装置。
【請求項10】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部およびブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部を含むとともに、前記ブラックのトナー像を形成する画像形成部は、前記所定方向において最も上流側に配置されるものであり、
該ブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部は、感光体の感光面上に残留するトナーを回収する感光面上トナー回収部を備え、
前記トナー回収部は、前記感光面上トナー回収部によって感光面上から回収したトナーを回収する画像形成装置。
【請求項11】
請求項1に記載の画像形成装置において、
感光体と、前記感光体表面を帯電させる帯電器および前記感光体上に形成された静電潜像を顕像化させる現像器のうち少なくとも一方とを一体的に支持するプロセスユニットを備え、
前記プロセスユニットは、前記画像形成装置に対して着脱自在に設けられている画像形成装置。
【請求項12】
それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に対して形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置であって、
前記被転写体上に残留しているトナーを回収するトナー回収手段と、
前記トナー回収手段により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する比率判定手段と、
前記比率判定手段にて判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記トナー回収手段により回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナー補充手段と
を備えてなる画像形成装置。
【請求項13】
それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に対して形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置におけるトナーリサイクル方法であって、
前記被転写体上に残留しているトナーを回収し、
前記回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定し、
前記判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナーリサイクル方法。
【請求項14】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記複数の画像形成部それぞれにおけるトナー使用量に基づいて、前記回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定するトナーリサイクル方法。
【請求項15】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記トナー補充されて前記混合比率が所定の比率に調整されたときからの前記複数の画像形成部それぞれにおける積算トナー使用量に基づいて、前記回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定するトナーリサイクル方法。
【請求項16】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記不足している色のトナーを補充する際に、転写効率が高い色のトナーほど、補充量を多くするトナーリサイクル方法。
【請求項17】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記所定の比率は、前記複数色のトナーを混合した場合に、正規のブラックトナーの色との色差が8以内になるような混合比率であるトナーリサイクル方法。
【請求項18】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部を含むものであり、
前記トナー補充されて前記混合比率が所定の比率に調整されたトナーを、ブラックのトナー像を形成する画像形成部に対して供給するトナーリサイクル方法。
【請求項19】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部およびブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部を含むものであり、
該ブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部において、感光体の感光面上に残留するトナーを回収し、該感光体から回収したトナーを、該感光体が設けられる画像形成部における現像器に供給するトナーリサイクル方法。
【請求項20】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部およびブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部を含むとともに、前記ブラックのトナー像を形成する画像形成部は、前記所定方向において最も上流側に配置されるものであり、
該ブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部において、感光体の感光面上に残留するトナーを回収し、該感光面上から回収したトナーを、前記ブラックのトナー像を形成する画像形成部にて再利用するトナーとして回収するトナーリサイクル方法。
【請求項1】
それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に対して形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置であって、
前記被転写体上に残留しているトナーを回収する現像器と、
前記現像器により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する比率判定部と、
前記比率判定部にて判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記現像器により回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナー補充部と
を備えてなる画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記比率判定部は、前記複数の画像形成部それぞれにおけるトナー使用量に基づいて、前記現像器により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記比率判定部は、前記トナー補充部によりトナー補充されて前記混合比率が所定の比率に調整されたときからの前記複数の画像形成部それぞれにおける積算トナー使用量に基づいて、前記現像器により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記トナー使用量は、印字対象である画像データに基づいて算出されるトナーの印字率である画像形成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記トナー補充部は、転写効率が高い色のトナーほど、補充量を多くする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記所定の比率は、前記複数色のトナーを混合した場合に、正規のブラックトナーの色との色差が8以内になるような混合比率である画像形成装置。
【請求項7】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部を含むものであり、
前記トナー補充部によりトナー補充されて前記混合比率が所定の比率に調整されたトナーを、ブラックのトナー像を形成する画像形成部に対して供給するトナー供給部を備える画像形成装置。
【請求項8】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記被転写体は、前記複数の画像形成部からトナー像を転写され、該転写されたトナー像をシートに対して転写させる中間転写体である画像形成装置。
【請求項9】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部およびブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部を含むものであり、
該ブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部は、感光体の感光面上に残留するトナーを回収する感光面上トナー回収部を備え、
前記感光面上トナー回収部は、感光面上から回収したトナーを、該感光面上トナー回収部が設けられる画像形成部における現像器に供給する画像形成装置。
【請求項10】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部およびブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部を含むとともに、前記ブラックのトナー像を形成する画像形成部は、前記所定方向において最も上流側に配置されるものであり、
該ブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部は、感光体の感光面上に残留するトナーを回収する感光面上トナー回収部を備え、
前記トナー回収部は、前記感光面上トナー回収部によって感光面上から回収したトナーを回収する画像形成装置。
【請求項11】
請求項1に記載の画像形成装置において、
感光体と、前記感光体表面を帯電させる帯電器および前記感光体上に形成された静電潜像を顕像化させる現像器のうち少なくとも一方とを一体的に支持するプロセスユニットを備え、
前記プロセスユニットは、前記画像形成装置に対して着脱自在に設けられている画像形成装置。
【請求項12】
それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に対して形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置であって、
前記被転写体上に残留しているトナーを回収するトナー回収手段と、
前記トナー回収手段により回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定する比率判定手段と、
前記比率判定手段にて判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記トナー回収手段により回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナー補充手段と
を備えてなる画像形成装置。
【請求項13】
それぞれが互いに異なる色のトナー像を所定方向に移動する被転写体に対して形成させる複数の画像形成部により、画像形成処理を行なう画像形成装置におけるトナーリサイクル方法であって、
前記被転写体上に残留しているトナーを回収し、
前記回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定し、
前記判定される混合比率に基づいて、該混合比率が所定の比率になるように、前記回収されるトナーに対して、不足している色のトナーを補充するトナーリサイクル方法。
【請求項14】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記複数の画像形成部それぞれにおけるトナー使用量に基づいて、前記回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定するトナーリサイクル方法。
【請求項15】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記トナー補充されて前記混合比率が所定の比率に調整されたときからの前記複数の画像形成部それぞれにおける積算トナー使用量に基づいて、前記回収されるトナーに含まれる複数色のトナーの混合比率を判定するトナーリサイクル方法。
【請求項16】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記不足している色のトナーを補充する際に、転写効率が高い色のトナーほど、補充量を多くするトナーリサイクル方法。
【請求項17】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記所定の比率は、前記複数色のトナーを混合した場合に、正規のブラックトナーの色との色差が8以内になるような混合比率であるトナーリサイクル方法。
【請求項18】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部を含むものであり、
前記トナー補充されて前記混合比率が所定の比率に調整されたトナーを、ブラックのトナー像を形成する画像形成部に対して供給するトナーリサイクル方法。
【請求項19】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部およびブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部を含むものであり、
該ブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部において、感光体の感光面上に残留するトナーを回収し、該感光体から回収したトナーを、該感光体が設けられる画像形成部における現像器に供給するトナーリサイクル方法。
【請求項20】
請求項13に記載のトナーリサイクル方法において、
前記複数の画像形成部は、ブラックのトナー像を形成する画像形成部およびブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部を含むとともに、前記ブラックのトナー像を形成する画像形成部は、前記所定方向において最も上流側に配置されるものであり、
該ブラック以外の色のトナー像を形成する画像形成部において、感光体の感光面上に残留するトナーを回収し、該感光面上から回収したトナーを、前記ブラックのトナー像を形成する画像形成部にて再利用するトナーとして回収するトナーリサイクル方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−15508(P2008−15508A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−159763(P2007−159763)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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