説明

置換ゲート構造体を有するFET及びその製造方法

【課題】 マルチゲート型FETの置換ゲート構造体及びマルチゲート型FETの置換ゲート構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】 MUGFET及びMUGFETを製造する方法が示される。MUGFETを製造する方法は、複数の活性領域の周りに一時的スペーサ・ゲート(図3の16)を形成することと、複数の活性領域の間を含む、一時的スペーサ・ゲートの上に誘電体材料(18a及び空間20内)を堆積させることとを含む。この方法は、誘電体材料(空間20内)の部分をエッチングして一時的スペーサ・ゲート(16)を露出させることと、一時的スペーサ・ゲートを除去して、活性領域と誘電体材料の残りの部分(18a)との間に空間を残すこととをさらに含む。この方法はさらに、活性領域と誘電体材料の残りの部分(18a)との間の空間(22)及び誘電体材料の残りの部分の上方をゲート材料で充填することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界効果トランジスタ(FET)のための置換ゲート構造体及び製造方法に関し、より具体的には、マルチゲート型FET置換ゲート構造体及びマルチゲート型FETの置換ゲート構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチゲート型FET(MUGFET)は、1つより多いゲート・コンタクトを用いて出力電流を制御する、MOSFETのファミリーである。MUGFETは、シングルゲート型MOSFETと比べて、チャネルのゲート制御が優れていることで知られている。例えば、マルチゲート型デバイスにおいて、チャネルは、複数の面上の幾つかのゲートに囲まれ、「オフ状態」の漏れ電流をより有効に抑制することを可能にする。マルチゲートはまた、駆動電流として知られる「オン」状態における電流の増大も可能にする。これらの利点は、電力消費の低下及びデバイス性能の向上につながる。
【0003】
MUGFETは、例えば、ずっと小さいマイクロプロセッサ及びメモリ・セルを生成するために開発された幾つかの戦略の1つである。事実上、多くの製造業者は、MUGFET技術がサブ32nm技術の基礎になるであろうと予想している。しかしながら、プレーナ型設計及び非プレーナ型設計のいずれにも処理の問題が生じるので、幅広い実施形態の主要な障害は、製造可能性である。これらの問題として、リソグラフィ及びパターン形成プロセス、並びに結果として生じる高い寄生S/D抵抗を挙げることができる。
【0004】
MUGFETは、種々の異なるアーキテクチャの形で提供される。例えばMUGFETは、プレーナ型デバイス又は非プレーナ型デバイスとすることができる。しかしながら、例えば32nmのサイズにおいて、プレーナ型トランジスタは、望ましくない短チャネル効果、特に「オフ状態」漏れ電流に悩まされると考えられる。これらの「オフ状態」漏れ電流は、デバイスが必要とするアイドル状態での電力(idle power)を増大させる。一方、非プレーナ型デバイスは、従来のプレーナ型トランジスタと比べてコンパクトであり、より高いトランジスタ密度を可能にし、このことは、マイクロエレクトロニクス全体の小型化につながる。しかしながら、非プレーナ型MUGFETを従来の半導体製造プロセスに統合する問題には、例えば、薄いシリコン「フィン」及びフィンの複数の側上への整合ゲートの製造が含まれる。また、従来のMUGFETデバイスにおいては、フィン間に大きい容量が存在し、そのことが、性能特性の低下をもたらすことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当技術分野において、上述の欠陥及び制限を克服するための必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様において、構造体を製造する方法が、複数の活性領域の周りに一時的スペーサ・ゲートを形成することと、複数の活性領域間を含む、一時的スペーサ・ゲートの上に誘電体材料を堆積させることとを含む。この方法は、誘電体材料の部分をエッチングして一時的スペーサ・ゲートを露出させることと、一時的スペーサ・ゲートを除去して、活性領域と誘電体材料の残りの部分との間に空間を残すこととをさらに含む。この方法はさらに、活性領域と誘電体材料の残りの部分との間の空間及び誘電体材料の残りの部分の上方をゲート材料で充填することを含む。
【0007】
本発明の一態様において、MUGFETを製造する方法が、基板上に複数の活性領域を形成することと、活性領域の周りに犠牲スペーサ・ゲートを形成することと、犠牲スペーサ・ゲートの上に誘電体材料を堆積させることと、誘電体材料をオーバーエッチングして、誘電体材料内に開口部を形成し、犠牲スペーサ・ゲートを露出させることと、犠牲スペーサ・ゲートをエッチングして、複数の活性領域の各々とオーバーエッチング後に複数の活性領域の各々の間に残る誘電体材料との間に空間を形成することと、空間及び開口部内にゲート材料を堆積させることとを含む。
【0008】
本発明の一態様において、MUGFET構造体が、下部及び上部を有するデュアルダマシン置換ゲート構造体を含む。下部は、隣接する活性領域間の距離の約30%又はそれより薄いゲート厚を有し、上部は、隣接する活性領域をストラップする。
【0009】
本発明の別の態様において、集積回路を設計し、製造し、試験するための機械可読媒体において具体化される設計構造体が提供される。この設計構造体は、本発明の構造体及び/又は/又は方法を含む。
【0010】
本発明は、本発明の例示的な実施形態の非限定的な例として、言及される複数の図面を参照して、以下の詳細な説明において記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の態様による中間構造体及びそれぞれの処理ステップを示す。
【図2】本発明の態様による中間構造体及びそれぞれの処理ステップを示す。
【図3】本発明の態様による中間構造体及びそれぞれの処理ステップを示す。
【図4】本発明の態様による中間構造体及びそれぞれの処理ステップを示す。
【図5】本発明の態様による中間構造体及びそれぞれの処理ステップを示す。
【図6】本発明の態様による中間構造体及びそれぞれの処理ステップを示す。
【図7】本発明の態様による最終構造体及びそれぞれの処理ステップを示す。
【図8】半導体の設計、製造、及び/又は試験に使用される設計プロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、電界効果トランジスタ(FET)のための置換ゲート構造体及び製造方法に関し、より具体的には、マルチゲート型FET(MUGFET)置換ゲート構造体及びMUGFETの置換ゲート構造体の製造方法に関する。実施において、この製造方法は、デュアルダマシンMUGFET置換ゲートを含む。有利なことに、構造体を形成する方法は、ゲートとソース/ドレイン(S/D)間の容量を低減させながら、MUGFETの隣接するフィンのゲート間ストラップ(gate to gate strapping)を可能にする。また、本発明の構造体は、従来のデバイスより、ソース/ドレイン領域における容量が低い。本発明はまた、非プレーナ型であり、MUGFETのフィンをまたぐ(straddle)構造体ももたらす。
【0013】
図1は、本発明の態様による開始構造体を示す。特に、図1は、例えばSOI層10などのBOX上に形成された複数の活性領域12を示す。活性領域12は、例えば、MUGFETのためのフィンとすることができる。活性領域12は、当業者には周知の方法で形成することができる。例えば、フィン(活性領域12)は、当業者であれば理解するはずであるような、従来のマスキング・プロセス及びエッチング・プロセスによって形成することができ、ここでは更なる説明を必要としない。
【0014】
活性領域12は、実施形態においては、約1.5のアスペクト比を有する、すなわち、活性領域の高さは活性領域の幅の約1.5倍である。しかしながら、本発明により他のアスペクト比も考えられ、1.5のアスペクト比は、本発明の制限的な特徴と考えるべきではないことを理解すべきである。隣接する活性領域12間の間隔は、活性領域12の幅の約2乃至3倍とすることができる。例えば、20nmノードの場合、隣接する活性領域間の間隔は、約40nm乃至60nmとすることができる。また、本発明により他の距離も考えられ、本発明は、隣接する活性領域間の間隔に制限されるべきではないことも理解すべきである。
【0015】
図2は、本発明の態様による随意的な処理ステップを示す。特に、図2は、活性領域12を囲む誘電体及び金属領域14の形成を示す、誘電体材料は、例えば、SiO、SiON、ハフニウム、ジルコニウム等といった任意の適切な誘電体材料とすることができる。金属は、幾つかの金属を挙げると、例えばTaN又はTiNのような任意の適切な金属とすることができる。実施形態においては、誘電体及び金属領域14は、従来の堆積プロセス及びエッチング・プロセスを用いて形成される。例えば、誘電体及び金属領域14は、従来の原子層堆積(ALD)及びその後のSOI層10上の余分な材料のエッチングによって形成することができる。
【0016】
図3において、一時的スペーサ・ゲート16(犠牲ゲート)が、活性領域12を囲むように形成される。一時的スペーサ・ゲート16は、スペーサ・ゲートとして働き、後に除去されて、活性領域12と誘電体材料との間に空間をもたらす。これにより、最終構造体の容量が有効に低下する。実施形態において、一時的スペーサ・ゲート16は、ポリシリコンであり、図2に述べられるプロセスの実施に応じて、活性領域12又は誘電体及び金属領域14の上に直接堆積され、かつ、これと接触している。スペーサ・ゲート16をエッチングして、ソース/ドレイン領域から材料を除去する。
【0017】
実施形態において、隣接する活性領域12間の間隔が約60nmである場合、スペーサ・ゲート16の側壁厚さは、約10nm乃至約20nmである。更に別の実施形態においては、スペーサ・ゲート16は、例えば、5nm乃至約30nmといった他の寸法とすることができる。しかしながら、実施形態においては、以下により詳細に説明されるように、活性領域12と誘電体材料との間に空間が残る限り、側壁厚さ(及び活性領域間の距離)は変化し得る。例えば、1つの考えられる実施形態において、側壁の厚さは、隣接する活性領域12間の間隔の約1/3又はそれより薄くすることができる。
【0018】
図4は、図3の構造体上への誘電体材料の堆積を示す。特に、例えばCVDのような従来の堆積プロセスを用いて、図3に示される構造体上に、誘電体材料18が堆積される。誘電体材料18は、例えばSiOのような任意の適切な誘電体材料とすることができる。
【0019】
図5は、本発明によるエッチング・プロセスを示す。より具体的には、誘電体材料18をエッチングして開口部20を形成し、それにより、一時的スペーサ・ゲート16を露出させる。つまり、実施形態において、誘電体材料18をエッチングして、一時的スペーサ・ゲート16の少なくとも上部を露出させる。実施形態においては、誘電体材料18をオーバーエッチングして、一時的スペーサ・ゲート16の側壁を露出させることもできる。エッチング・プロセスは、誘電体材料18に適した任意の従来のエッチャント及びエッチング・プロセスを用いて達成することができる。例えば、1つの従来のプロセスにおいて、マスク(図示せず)を誘電体材料18上に適用し、誘電体材料18は、従来のリソグラフィ・プロセスを用いて開口される。次に、誘電体材料18は、開口部を通って一時的スペーサ・ゲート16までエッチングされる。
【0020】
図6において、従来のエッチング・プロセスを用いて、一時的スペーサ・ゲート16を除去する。より具体的には、一時的スペーサ・ゲート16を除去して、残りの誘電体材料18aと隣接する活性領域12(又は誘電体及び金属領域14)との間に空間22を形成する。一時的スペーサ・ゲート16は、一時的スペーサ・ゲートの材料に対して選択的である、例えばポリシリコンに対して選択的であるエッチャントを用いて除去することができる。一時的スペーサ・ゲートを除去した後、隣接する活性領域12間に誘電体材料18aが残り、誘電体材料18aと活性領域12の各々との間に空間22が形成される。
【0021】
実施形態においては、エッチングにより空間22(キャビティ)が形成され、この空間22は、隣接する活性領域12間の間隔が60nmの場合、約10nmから約20nmまでの範囲に及ぶことができる。実施形態において、活性領域12と誘電体材料18との間に空間が残る限り、空間22は、異なる寸法のものとすることができる。例えば、1つの考えられる実施形態において、空間22は、隣接する活性領域12間の間隔の約1/3又はそれより狭くすることができる。
【0022】
図7は、本発明による最終構造体及びそれぞれの処理ステップを示す。具体的には、一時的スペーサ・ゲートを除去した後、置換ゲート24が、例えば空間22及び空間20内などの、エッチングされた領域内に堆積される。置換ゲート24は、デュアルダマシン堆積プロセスを用いて堆積させることができる。置換ゲート24を平坦化して、研磨された平面24aを形成することができる。実施形態において、置換ゲート24は、所望の仕事関数に応じて、例えばいずれかの適切な金属とすることができる。
【0023】
既述した構造体において、置換ゲート24は、誘電体材料18aが間にある状態で、活性領域(フィン)12をまたぐ(ストラップする)。有利なことに、活性領域12間に配置された誘電体材料18a、すなわち非ゲート材料は、デバイスの容量を低下させる。同様に、デバイスは調整可能であり、例えば間隔は変化し得る(例えば、一時的スペーサ・ゲートの側壁厚さを調整することができる)ので、デバイスは、デバイスの所望の特性に応じた容量をもつことができる。
【0024】
図8は、好ましくは設計プロセス910によって処理される入力設計構造体920を含む、複数のこのような設計構造体を例示する。設計構造体920は、設計プロセス910によって生成され、処理され、ハードウェア・デバイスの論理的に等価な機能的表現を生じる、論理シミュレーション設計構造体とすることができる。設計構造体920はさらに、又は代替的に、設計プロセス910によって処理されたときに、ハードウェア・デバイスの物理的構造の機能的表現を生成するデータ及び/又はプログラム命令を含むことができる。機能的及び/又は構造的設計特徴のどちらを表現するのであれ、設計構造体920は、コア開発者/設計者によって実施されるような電子的コンピュータ支援設計(ECAD)を用いて生成することができる。機械可読データ伝送、ゲートアレイ、又はストレージ媒体上でコード化された場合、設計プロセス910内の1つ又は複数のハードウェア及び/又はソフトウェア・モジュールによって、設計構造体920にアクセスし、これを処理して、図1−図7に示されるもののような電子コンポーネント、回路、電子若しくは論理モジュール、装置、デバイス、又はシステムをシミュレーションするか、或いは他の方法で機能的に表現することができる。そのため、設計構造体920は、設計又はシミュレーション・データ処理システムによって処理されたときに、回路又は他のレベルのハードウェア論理設計を機能的にシミュレーションするか、又は他の方法で表現する、人間及び/又は機械可読のソースコード、コンパイルされた構造体、及びコンピュータ実行可能コード構造体を含む、ファイル又は他のデータ構造体を含むことができる。このようなデータ構造体は、ハードウェア記述言語(HDL)設計エンティティ、又は、Verilog及びVHDLのような低レベルHDL設計言語、及び/又は、C若しくはC++のような高レベル設計言語に適合する及び/又はこれと互換性のある他のデータ構造体を含むことができる。
【0025】
設計プロセス910は、設計構造体920のような設計構造体を含むことができるネットリスト980を生成するために、好ましくは、図1−図7に示されるコンポーネント、回路、デバイス、又は論理構造体の設計/シミュレーションの機能的等価物を合成し、変換し、又は他の方法で処理するためのハードウェア及び/又はソフトウェア・モジュールを使用し、組み込む。ネットリスト980は、例えば、集積回路設計内の他の素子及び回路への接続を記述する配線、個別部品、論理ゲート、制御回路、I/Oデバイス、モデルなどのリストを表す、コンパイルされた又は他の方法で処理されたデータ構造体を含むことができる。ネットリスト980は繰り返しプロセスを用いて合成することができ、このプロセスにおいて、ネットリスト980は、デバイスの設計仕様及びパラメータに応じて1回又は複数回再合成される。ここで説明された他の設計構造体のタイプと同様に、ネットリスト980を機械可読データ・ストレージ媒体上に記録し、又はプログラマブル・ゲート・アレイにプログラムすることができる。媒体は、磁気又は光ディスクドライブのような不揮発性ストレージ媒体、プロブラマブル・ゲート・アレイ、コンパクトフラッシュ、又は他のフラッシュメモリとすることができる。それに加えて、又は代替的に、媒体は、インターネット又は他のネットワーキングに適した手段を介してデータパケットを伝送し、中間的に格納することができる、システム又はキャッシュメモリ、バッファ領域、又は電気的若しくは光学的に伝導性のデバイス及び材料とすることができる。
【0026】
設計プロセス910は、ネットリスト980を含む様々な入力データ構造のタイプを処理するためのハードウェア及びソフトウェア・モジュールを含むことができる。このようなデータ構造タイプは、例えば、ライブラリ要素930内に存在することができ、これは、所与の製造技術(例えば、異なる技術ノード、32nm、45nm、90nm等)についての、モデル、レイアウト、及び記号表記を含めた、一般的に用いられる素子、回路、及びデバイスのセットを含むことができる。データ構造タイプは、設計仕様940、特徴データ950、検証データ960、設計ルール970、並びに入力試験パターン、出力試験結果及び他の試験情報を含むことができる試験データ・ファイル985をさらに含むことができる。設計プロセス910は、例えば、応力分析、熱分析、機械事象シミュレーション、並びにキャスティング、モールディング、及びダイプレス成形のような操作についてのプロセス・シミュレーションといった標準的な機械的設計プロセスをさらに含むことができる。機械設計の当業者であれば、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、設計プロセス910において用いられる、可能な機械設計ツール及びアプリケーションの範囲を認識することができる。設計プロセス910はまた、タイミング解析、検証、設計ルールチェック、位置及び経路の操作などのような標準的な回路設計プロセスを実行するためのモジュールを含むことができる。
【0027】
設計プロセス910は、第2の設計構造体990を作成するために、HDLコンパイラ及びシミュレーションモデル構築ツールのような論理的及び物理的設計ツールを使用し、組み込んで、設計構造体920を、図示された支持データ構造体のうちの幾つか又は全てと共に、いずれかの付加的な機械設計又はデータ(適用可能な場合)と併せて処理する。設計構造体990は、機械的なデバイス及び構造体のデータの交換に用いられるデータ形式(例えば、IGES、DXF、Parasolid XT、JT、DRG又はこのような機械的設計構造体を格納又はレンダリングするのに適した他のいずれかの形式で格納される情報)でストレージ媒体又はプログラマブル・ゲート・アレイ上に存在する。設計構造体920と同様に、設計構造体990は、好ましくは、1つ又は複数のファイル、データ構造体、又は他のコンピュータコード化データ又は命令を含み、これは、伝送又はデータ・ストレージ媒体上に存在し、ECADシステムによって処理されたとき、図1−図7に示される1つ又は複数の本発明の実施形態の、論理的又はその他の方式で機能的に等価な形態を生成する。1つの実施形態において、設計構造体990は、図1−図7に示されるデバイスを機能的にシミュレーションする、コンパイルされた実行可能なHDLシミュレーションモデルを含むことができる。
【0028】
設計構造体990はまた、集積回路のレイアウト・データの交換に用いられるデータ形式及び/又は記号データ形式(例えば、GDSII(GDS2)、GL1、OASIS、マップファイル、又はこのような設計データ構造体を格納するための他のいずれかの適切な形式で格納される情報)も使用することもできる。データ構造体990は、例えば、記号データ、マップファイル、試験データ・ファイル、設計コンテンツ・ファイル、製造データ、レイアウト・パラメータ、配線、金属のレベル、ビア、形状、製造ラインを通じた経路選択のためのデータ、並びに、上記で説明し、図1−図7に示されるようなデバイス又は構造体を製造するために製造者又は設計者/開発者によって要求される他のいずれかのデータといった情報を含むことができる。次に、設計構造体990はステージ995に進み、ここで、例えば、設計構造体990は、テープアウトされたり、製造に引き渡されたり、マスク会社に引き渡されたり、別の設計会社に送られたり、顧客に送り返されたりされる。
【0029】
上述したような方法は、集積回路チップの製造に用いられる。結果として得られる集積回路チップは、生ウェハの形態で(すなわち、複数のパッケージされていないチップを有する単一のウェハとして)、ベア・ダイとして、又はパッケージされた形態で、製造業者により流通させることができる。後者の場合、チップは、単一のチップ・パッケージ(マザーボード又は他のより高いレベルのキャリアに取り付けられたリード線を有するプラスチック製キャリアのような)、又は、マルチチップ・パッケージ(片面又は両面の相互接続部、或いは埋め込まれた相互接続部を有するセラミック製キャリアのような)の中にマウントされる。いずれにせよ、その後、チップは、他のチップ、別個の回路素子、及び/又は、(a)マザーボードなどの中間製品又は(b)最終製品のいずれかの部品のような他の信号処理デバイスと共に統合される。最終製品は、集積回路チップを含む何らかの製品とすることができる。
【0030】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのものにすぎず、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で用いられる場合、文脈から明らかにそうでないことが示されていない限り、単数で示されたものは、複数でも良いことが意図されている。「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、本発明で用いられる場合、言明された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を特定するものではあるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、コンポーネント、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないこともさらに理解されるであろう。
【0031】
以下の特許請求の範囲における全ての「手段又はステップと機能との組合せ」要素の対応する構造、材料、行為及び均等物は、その機能を、明確に特許請求されているように他の特許請求された要素と組み合わせて実行するための、いかなる構造、材料又は行為をも含むことが意図される。本発明の説明は、例示及び説明の目的で提示されたものであるが、網羅的であることを意図するものではなく、本発明を開示された形態に限定することを意図するものでもない。本発明の範囲及び思想から逸脱することのない多くの変更及び変形が、当業者には明らかである。実施形態は、本発明の原理及び実際の用途を最も良く説明するため、及び、当業者が本発明を種々の変更を有する種々の実施形態について企図される特定の使用に好適なものとして理解することを可能にするために、選択及び記載された。
【符号の説明】
【0032】
10:SOI層
12:活性領域(フィン)
14:誘電体及び金属領域
16:一時的スペーサ・ゲート
18、18a:誘電体材料
20:開口部(空間)
22:空間
24:置換ゲート
24a:研磨された平面
910:設計プロセス
920:設計構造体
930:ライブラリ要素
940:設計仕様
950:特徴データ
960:検証データ
970:設計ルール
980:ネットリスト
985:試験データ・ファイル
990:設計構造体
995:ステージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体を製造する方法であって、
複数の活性領域の周りに一時的スペーサ・ゲートを形成することと、
前記複数の活性領域間を含む、前記一時的スペーサ・ゲートの上に誘電体材料を堆積させることと、
前記誘電体材料の部分をエッチングして、前記一時的スペーサ・ゲートを露出させることと、
前記一時的スペーサ・ゲートを除去して、前記活性領域と前記誘電体材料の残りの部分との間に空間を残すことと、
前記活性領域と前記誘電体材料の前記残りの部分との間の前記空間及び前記誘電体材料の前記残りの部分の上方をゲート材料で充填すること、
を含む方法。
【請求項2】
前記一時的スペーサ・ゲートは、前記複数の活性領域の周りにポリシリコンを堆積させ、下にある基板上の余分な材料を除去することによって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一時的スペーサ・ゲートを除去することは、前記一時的スペーサ・ゲートに対して選択的なエッチングによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記空間を充填することは、デュアルダマシン堆積プロセスである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ゲート材料は金属である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記誘電体材料の部分をエッチングして前記一時的スペーサ・ゲートを露出させることは、デュアルダマシン・プロセスにおいてゲート金属で覆われた前記複数の活性領域の上方の前記誘電体材料内に開口部を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記一時的スペーサ・ゲートは、前記活性領域の側壁上に10nmから20nmまでの厚さまでポリシリコンを堆積させることによって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記一時的スペーサ・ゲートを形成する前に、前記複数の活性領域の側壁上に誘電体層を堆積させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ゲート材料の上面を平坦化することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ゲート材料は、前記活性領域をストラップし、かつ、前記誘電体材料の残りの部分上に提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
MUGFETを製造する方法であって、
基板上に複数の活性領域を形成することと、
前記活性領域の各々の周りに犠牲スペーサ・ゲートを形成することと、
前記犠牲スペーサ・ゲートの上に誘電体材料を堆積させることと、
前記誘電体材料をオーバーエッチングして、前記誘電体材料内に開口部を形成し、前記犠牲スペーサ・ゲートを露出させることと、
前記犠牲スペーサ・ゲートをエッチングして、前記複数の活性領域の各々と前記オーバーエッチング後に前記複数の活性領域の各々の間に残る前記誘電体材料との間に空間を形成することと、
前記空間及び前記開口部内にゲート材料を堆積させることと、
を含む方法。
【請求項12】
前記犠牲スペーサ・ゲートと前記複数の活性領域の各々との間に材料を堆積させることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ゲート材料を堆積させることは、デュアルダマシン堆積プロセスである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記空間内に堆積される前記ゲート材料の厚さは、隣接する活性領域間の距離の30%を下回る、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ゲート材料は、前記活性領域をストラップする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記活性領域は、MUGFETのためのフィンである、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記犠牲スペーサ・ゲートはポリシリコンであり、前記エッチングすることは、前記ポリシリコンに対して選択的なエッチングである、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
下部及び上部を有するデュアルダマシン置換ゲート構造体を含み、前記下部は、隣接する活性領域間の距離の30%又はそれより薄いゲート厚を有し、前記上部は、前記隣接する活性領域をストラップする、MUGFET構造体。
【請求項19】
前記隣接する活性領域と前記デュアルダマシン置換ゲート構造体の前記下部との間に誘電体材料をさらに含む、請求項18に記載の構造体。
【請求項20】
前記活性領域の各々を囲む前記デュアルダマシン置換ゲート構造体の前記下部は、誘電体材料である、請求項18に記載の構造体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2012−531745(P2012−531745A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517541(P2012−517541)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/036980
【国際公開番号】WO2010/151400
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】