説明

薄膜トランジスタの作製方法

【課題】 しかし、薄膜トランジスタを有する表示装置では、同一対象物、例えば同一絶縁膜のエッチング条件を最適化することが難しかった。これは、同一絶縁膜において、エッチングする絶縁膜の膜厚や面積が異なるためである。特に面積の小さなコンタクトホールは、エッチングする量がその他の開口部と異なる。
【解決手段】 上記課題を鑑み本発明は、第1のマスクを用いて、第1の領域の対象物をエッチングして広面積な開口部を形成し、第2のマスクを用いて、第2の領域の前記対象物をエッチングして微細な開口部、つまりコンタクトホールを形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁膜に開口部を形成するための薄膜トランジスタの作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パターニングに必要とするマスク枚数を低減することにより薄膜トランジスタ(TFT)の製造歩留まりを向上させ、製造コストを低減することを目的とした薄膜トランジスタの作製方法が提案されている。例えば、逆スタガ構造でチャネルエッチ型の薄膜トランジスタの半導体膜、及びドレイン配線の金属膜を1回の工程で、厚さの異なる2つのホトレジストに加工することにより、TFTを4回のフォトリソグラフィー工程で形成する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。なおフォトリソグラフィー工程とは、所定の形状を有するマスクを形成し、当該マスクを用いて対象物をエッチングし、その後、マスクを除去する工程を有する。
【特許文献1】特開2001−324725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、薄膜トランジスタを有する表示装置では、同一対象物、例えば同一絶縁膜のエッチング条件を最適化することが難しかった。これは、同一絶縁膜において、エッチングする絶縁膜の膜厚や面積が異なるためである。例えば、TAB貼り付け箇所等の絶縁膜は、引き出し配線上に設けられているため、膜厚が薄くなり、この領域のコンタクトホール形成箇所では厚くなる。さらにこの領域の絶縁膜はエッチングする面積が大きくなる。一方、画素が設けられている領域の絶縁膜は、微少な開口部、つまりコンタクトホールを形成する必要があるため、エッチングする面積が非常に小さい。さらにこの領域の絶縁膜は、深い開口領域を形成し、さらにこの領域のコンタクトホールは浅く形成する必要がある。このように、同一の絶縁膜をエッチングする場合であっても、絶縁膜の膜厚や面積が異なってしまう。そして、開口部であっても、特に面積の小さなコンタクトホールは、エッチングする量がその他の開口部と異なる。
【0004】
これらを踏まえた上、マスク枚数を削減するために、同一対象物に対しては一度のフォトリソグラフィー工程が行われてきた。しかし、上述のように、エッチング条件を最適化することは難しかった。
【0005】
そこで本発明は、同一の絶縁膜に対して、精度よくエッチングする、新たな方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を鑑み本発明は、同一の対象物、例えば同一の絶縁膜に対して、複数のフォトリソグラフィー工程を設けることを特徴とする。例えば、TAB貼り付け箇所等の接続領域の絶縁膜に対するフォトリソグラフィー工程と、画素が設けられている領域(画素領域、画素部)の絶縁膜に対するフォトリソグラフィー工程とを設ける。
【0007】
以下に、本発明の形態例を示す。
【0008】
本発明の一形態は、第1のマスクを用いて、第1の領域の対象物をエッチングして広面積な開口部を形成し、第2のマスクを用いて、第2の領域の前記対象物をエッチングして微細な開口部を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
【0009】
また本発明は、大きな面積の開口部や深いコンタクトホールを形成する場合、対象物に対して複数回のエッチング工程を行ってもよい。例えば、エッチング面積の大きな接続領域は、画素領域の絶縁膜に対するエッチング工程においても、エッチングするとよい。
【0010】
このような本発明の一形態は、第1のマスクを用いて、第1の領域の対象物をエッチングして広面積な開口部を形成し、第2のマスクを用いて、前記第1の領域及び第2の領域の前記対象物をエッチングして前記開口部をエッチングし、且つ前記第2の領域の前記対象物に微細な開口部を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
【0011】
また、このような本発明の別の形態は、第1のマスクを用いて、第1の領域の対象物をエッチングして広面積な開口部を形成し、第2のマスクを用いて、前記第1の領域及び第2の領域の前記対象物をエッチングして前記開口部の深さが増すようにエッチングし、且つ前記第2の領域の前記対象物に微細な開口部を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
【0012】
このような薄膜トランジスタの作製方法は、第1乃至第3の絶縁膜に対しても同様に適用することができる。すなわち、対象物として、第1乃至第3の絶縁膜等が挙げられる。
【0013】
このように作製された薄膜トランジスタは、発光装置、液晶表示装置、又は半導体装置に用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
このように、同一絶縁膜に対するフォトリソグラフィー工程を複数回設けることにより、フォトリソグラフィー工程の条件、例えばエッチング条件のマージンを広げることができる。その結果、歩留まりを向上させることができる。
またエッチング条件のマージンが広がることにより、高精度なコンタクトホールを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発 明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0016】
(実施の形態1)
本実施の形態では、同一絶縁膜に対する複数のエッチング工程を有する薄膜トランジスタの作製工程について説明する。
【0017】
図1(A)に示すように、絶縁表面を有する基板100上に下地膜101を形成する。基板100には、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、SUS基板等を用いることができる。また、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルファイド)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、一般的に他の基板と比較して耐熱温度が低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。
【0018】
下地膜101は基板100中に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、半導体膜中に拡散し、半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。そのためアルカリ金属やアルカリ土類金属の半導体膜への拡散を抑えることができる酸化珪素や、窒化珪素、窒化酸化珪素などの絶縁膜を用いて形成する。例えば、プラズマCVD法を用いてSiH4、NH3、N2O及びH2を反応ガスとして形成される酸化窒化珪素膜(SiNO)を10〜200nm(本実施の形態では50nm)、SiH4及びN2Oを反応ガスとして形成される酸化窒化珪素膜(SiON)を50〜200nm(本実施の形態では100nm)の順に積層する。下地膜101は単層構造を有してもよく、例えば窒化酸化珪素膜を10〜400nm(好ましくは50〜300nm)の膜厚になるように形成することができる。
【0019】
ガラス基板、SUS基板またはプラスチック基板のように、アルカリ金属やアルカリ土類金属が多少なりとも含まれている基板を用いる場合、不純物の拡散を防ぐという観点から下地膜を設けることは有効である。一方、石英基板など不純物の拡散がさして問題とならない場合は、下地膜は必ずしも設ける必要はない。
【0020】
下地膜101上に非晶質半導体膜を形成する。非晶質半導体膜の膜厚は25〜100nm(好ましくは30〜60nm)とする。また非晶質半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。実施の形態では、66nmの珪素を主成分とする半導体膜(非晶質珪素膜、アモルファスシリコンとも表記する)を用いる。
【0021】
次に、非晶質半導体膜を結晶化し、結晶性半導体膜を形成する。結晶化する方法は、加熱炉、レーザ照射、若しくはランプから発する光の照射(以下、ランプアニールと表記する)、又はそれらを組み合わせて用いることができる。例えば、非晶質半導体膜に金属元素を添加し、加熱炉を用いた熱処理を行うことによって結晶性半導体膜を形成する。このように、金属元素を添加することにより、低温で結晶化できるため好ましい。
【0022】
ここで添加とは、少なくとも非晶質半導体膜の結晶化が促進されるように非晶質半導体膜の表面上に金属元素を形成することをいう。例えば、非晶質半導体膜上にスピンコーティング法やディップ法といった塗布方法によりNi溶液(水溶液や酢酸溶液を含む)を塗布し、Niを含む膜(但し、極めて薄いため膜として観測できない場合もある)を形成することを指す。このとき非晶質半導体膜の表面全体に溶液を行き渡らせるため、非晶質半導体膜の表面の濡れ性を改善するとよい。例えば、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により、酸化膜を10〜50Å形成する。また、イオン注入法によりNiイオンを非晶質半導体膜中に注入したり、Niを含有する水蒸気雰囲気中で加熱したり、ターゲットをNi材料としてArプラズマでスパッタリングすることにより、金属元素を形成してもよい。本実施の形態では、Ni酢酸塩10ppmを含有した水溶液をスピンコーティング法により塗布する。
【0023】
その後、非晶質半導体膜を500〜550℃で2〜20時間かけて加熱し、非晶質半導体膜を結晶化し、結晶性半導体膜を形成する。このとき加熱温度を徐々に変化させると好ましい。また低温加熱工程により、非晶質半導体膜の水素等が出てくるため、結晶化の際の膜荒れを低減する、いわゆる水素だしを行うことができる。また磁場をかけて、その磁気エネルギーと合わせて結晶化させてもよいし、高出力マイクロ波を使用しても構わない。本実施の形態では、縦型炉を用いて500℃で1時間熱処理後、550℃4時間で熱処理を行う。
【0024】
結晶性半導体膜の表面に形成された酸化膜をフッ酸等でエッチング除去した後、結晶化が行われた非晶質半導体膜にレーザ光(レーザビーム)を照射すると、結晶性が向上し好ましい。レーザとして、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、YAGレーザ、Y23レーザ、YVO4レーザ、YLEレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライドレーザ、Ti:サファイヤレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種を用いることができる。また連続発振型のレーザ(CWレーザ)やパルス発振型のレーザ(パルスレーザ)を用いることができる。このようなレーザの基本波、及び当該基本波の第2高調波から第4高調波のレーザを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVO4レーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このときレーザのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射するとよい。
【0025】
なお連続発振の基本波のレーザ光と連続発振の高調波のレーザ光とを照射するようにしてもよいし、連続発振の基本波のレーザ光とパルス発振の高調波のレーザ光とを照射するようにしてもよい。複数のレーザ光を照射することにより、エネルギーを補うことができる。
【0026】
またパルス発振型のレーザであって、半導体膜がレーザ光によって溶融してから固化するまでに、次のパルスのレーザ光を照射できるような発振周波数でレーザ光を発振させることで、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。すなわち、パルス発振の周期が、半導体膜が溶融してから完全に固化するまでの時間よりも短くなるように、発振の周波数の下限を定めたパルスビームを使用することができる。
【0027】
実際に用いることができるパルスビームの発振周波数は10MHz以上であって、通常用いられている数十Hz〜数百Hzの周波数帯よりも著しく高い周波数帯を使用する。
【0028】
レーザのビーム形状は、線状とすると好ましい。その結果、スループットを向上させることができる。またさらにレーザは、半導体膜に対して入射角θ(0<θ<90度)を持たせて照射させるとよい。レーザの干渉を防止することができるからである。
【0029】
このようなレーザと、半導体膜とを相対的に走査することにより、レーザ照射を行うことができる。またレーザ照射において、ビームを精度よく重ね合わせたり、レーザ照射開始位置やレーザ照射終了位置を制御するため、マーカーを形成することもできる。マーカーは非晶質半導体膜と同時に、基板上へ形成すればよい。
【0030】
金属元素を用いた結晶化を行った場合、金属元素を低減、又は除去するためにゲッタリング工程を施す。本実施の形態では、非晶質半導体膜をゲッタリングシンクとして金属元素を捕獲する。まず、結晶性半導体膜上に酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により、酸化膜を形成する。次いでプラズマCVD法を用いて、非晶質半導体膜を150nmの膜厚で形成する。
【0031】
その後、窒素雰囲気で550℃、4時間の熱処理を行い、金属元素を低減、又は除去する。そして、ゲッタリングシンクとなっていた非晶質半導体膜、及び酸化膜をフッ酸等により除去し、金属元素が低減、又は除去された結晶性半導体膜を得ることができる。
【0032】
このように形成された結晶性半導体膜は、図1(A)に示すように、所定の形状にパターニングされた、島状の半導体膜104を得る。パターニングに際し、結晶性半導体膜にフォトレジストを塗布し、所定のマスク形状を露光し、焼成して、結晶性半導体膜上にマスクを形成する。このマスクを用いて、ドライエッチング法により結晶性半導体膜をパターニングする。ドライエッチング法のガスは、CF4と、O2とを用いることができる。
【0033】
その後、必要に応じて、例えば薄膜トランジスタの電気特性であるしきい値をよりゼロに近づかせるために、結晶性半導体膜へ不純物を添加してもよい。例えば、ドーピング法によりボロン(B)を添加することができる。
【0034】
その後、結晶性半導体膜104を覆うように絶縁膜、いわゆるゲート絶縁膜103を形成する。なお、ゲート絶縁膜103の形成前に、島状の半導体膜の表面をフッ酸等により洗浄するとよい。半導体膜と、ゲート絶縁膜の界面汚染は、薄膜トランジスタの電気特性に影響するからである。そのため、半導体膜と、ゲート絶縁膜を大気に曝さず連続的に形成し、その後所定の形状にパターニングしてもよい。
【0035】
ゲート絶縁膜103はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを10〜150nm、好ましくは20〜40nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施の形態では、プラズマCVD法により、原料ガスにSiH4、N2Oを用い、成膜室の温度を400℃として、20nmの厚さで酸化窒化シリコン膜を形成する。勿論、ゲート絶縁膜は酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いてもよい。
【0036】
その後、結晶性半導体膜上にゲート絶縁膜103を介してゲート電極105となる導電膜105a、105bを形成する。ゲート電極105は、単層であっても積層であってもよい。導電膜105a、105bは、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成すればよい。本実施の形態では、第1の導電膜105aとして膜厚10〜50nm、例えば30nmの窒化タンタル膜を形成し、第2の導電膜105bとして膜厚200〜400nm、例えば370nmのタングステン膜を順次形成する。
【0037】
その後、第1の導電膜105a、第2の導電膜105bを、マスクを用いてエッチングする。まず、導電膜上にフォトレジストをスピンコーティング法等により塗布する。フォトレジストは、ポジ型及びネガ型のいずれかを使用することができる。このとき、吸光剤が添加されたレジストを有するマスク(レジストマスク)を用いてもよい。またレジストマスクよりも高硬度を有するマスク、例えば酸化珪素膜等の無機材料から形成するマスクを用いてもよい。本実施の形態では、吸光剤が添加されたポジ型のノボラック型のものを使用する。
【0038】
その後、レジストマスクを用いて、第2の導電膜105bをエッチングする。本実施の形態では、ガスとしてCF4、Cl、O2を用いるドライエッチング法により、第2の導電膜105bをエッチングする。このときレジストマスクのテーパーと同様に、第2の導電膜105bの端部にはテーパー形状が形成される。また第1の導電膜105aは、ゲート絶縁膜103や半導体膜104がエッチングされないよう、いわゆるエッチングストッパーとして機能している。
【0039】
次に、レジストマスクを設けた状態で、第1の導電膜105aをエッチングする。このとき、ゲート絶縁膜103と、第1の導電膜105aとの選択比の高いエッチング条件で、第1の導電膜105aをエッチングする。本実施の形態では、ガスとしてCl2を用い、第1の導電膜105aをエッチングする。この工程により、レジストマスク、第2の導電膜105bも多少エッチングされることがある。このようにして、ゲート電極105を形成することができる。
【0040】
その後、レジストマスクをO2アッシングやレジスト剥離液により除去し、不純物添加用のレジストマスクを形成する。例えば、pチャネル型TFTとなる領域に、レジストマスクを形成する。そして、nチャネル型TFTとなる領域に、ゲート電極105をマスクとして自己整合的に不純物元素であるリン(P)を添加する。本実施の形態では、ホスフィン(PH3)をドーピングする。すると、nチャネル型のTFTとなる領域に、不純物領域(高濃度不純物領域、またそれぞれをソース領域、ドレイン領域ともいう)が形成される。このとき、ゲート電極105の端部は薄くなっているため、その下の半導体膜にリンが添加されることがある。このようなゲート電極105と重なる不純物領域(低濃度不純物領域ともいう)を有する構造をGOLD構造と呼ぶ。GOLD構造により、オフ電流を抑えることができる。また低濃度不純物領域がゲート電極105と重ならないLDD(lightly doped drain)構造としてもよい。すなわち本発明は、薄膜トランジスタの構造には限定されない。
【0041】
その後、nチャネル型TFTとなる領域にレジストマスクを形成し、pチャネル型TFTとなる領域にゲート電極105をマスクとして、自己整合的に不純物元素であるボロン(B)を添加する。すると、pチャネル型のTFTとなる領域に、不純物領域が形成される。その後、レジストマスク117をO2アッシングやレジスト剥離液により除去する。
【0042】
その後、ゲート電極の側面を覆うように、絶縁膜、いわゆるサイドウォールを形成してもよい。サイドウォールは、プラズマCVD法や減圧CVD(LPCVD)法を用いて、珪素を有する絶縁膜により形成することができる。
【0043】
その後、ゲート絶縁膜103、ゲート電極105を覆うように第1の絶縁膜106を形成する。第1の絶縁膜は窒素を有する絶縁膜であればよく、本実施の形態では、プラズマCVD法により100nmの窒化珪素を形成する。
【0044】
その後不純物領域を活性化するため熱処理を行う。本実施の形態では、窒素雰囲気中で400℃〜550℃に加熱する。その結果、不純物添加により生じる膜荒れ等を低減することができる。
【0045】
次に図1(B)に示すように、第1の絶縁膜106を覆うように第2の絶縁膜107を形成する。第2の絶縁膜107により、平坦性を高めることができる。第2の絶縁膜107は、有機材料又は無機材料を用いて形成することができる。有機材料としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、シロキサン、ポリシラザンを用いることができる。シロキサンとは、珪素(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構造され、置換基に少なくとも水素を含む、又は置換基にフッ素、アルキル基、又は芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有するポリマー材料、を出発原料として形成される。またポリシラザンとは、珪素(Si)と窒素(N)の結合を有するポリマー材料、いわゆるポリシラザンを含む液体材料を出発原料として形成される。無機材料としては、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)(x、y=1、2・・・)等の酸素、又は窒素を有する絶縁膜を用いることができる。また、第2の絶縁膜107として、これら絶縁膜の積層構造を用いてもよい。特に、有機材料を用いて第2の層間絶縁膜を形成すると、平坦性は高まる一方で、有機材料によって水分や酸素が吸収されてしまう。これを防止するため、有機材料上に、無機材料を有する絶縁膜を形成するとよい。無機材料に、窒素を有する絶縁膜を用いると、Na等のアルカリイオンの侵入を防ぐことができ、好ましい。
【0046】
その後、ゲート絶縁膜103、第1の絶縁膜106、第2の絶縁膜107に微細な開口部、いわゆるコンタクトホールを形成する。このとき、本発明である開口面積に応じて、フォトリソグラフィー工程を複数設けるとよい。例えば、画素部の開口面積(特に、コンタクトホールの開口面積)は、接続領域の開口面積と比較して非常に小さく、微細である。このような場合に、画素部の開口部形成用のフォトリソグラフィー工程と、接続領域の開口部形成用のフォトリソグラフィー工程とを設けることにより、エッチング条件のマージンを広げることができる。その結果、歩留まりを向上させることができる。またエッチング条件のマージンが広がることにより、画素部に形成されるコンタクトホールを高精度に形成することができる。
【0047】
その後、第2の絶縁膜上に導電膜108を形成する。導電膜108は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)もしくはシリコン(Si)の元素からなる膜又はこれらの元素を用いた合金膜を用いればよい。本実施の形態では、チタン膜/窒化チタン膜/チタンーアルミニウム合金膜/チタン膜(Ti/TiN/Al−Si/Ti)をそれぞれ60/40/300/100nmに積層して導電膜108を形成する。
【0048】
不純物領域と接続された導電膜108は、ソース電極、又はドレイン電極として機能する。このようにして信号線駆動回路部130には、nチャネル型TFT121、pチャネル型TFT122を形成することができる。また画素部131には、nチャネル型を有するスイッチング用TFT123、pチャネル型を有する駆動用TFT124を形成することができる。
【0049】
また導電膜108は、第1の接続領域132において、FPC(フレキシブルプリントサーキット)と接続する引き回し配線として機能するように形成する。また引き回し配線として機能する導電膜を形成する領域に形成された第2の絶縁膜107には、広面積な開口部が設けられている。
【0050】
また導電膜108は、第2の接続領域133において、抵抗を下げたりするための補助配線として機能することもある。
【0051】
その後図1(C)に示すように、第3の絶縁膜109を形成するとよい。第3の絶縁膜を積層することにより、導電膜108が占有することによる開口率の低下を防止でき、好ましい。なお、第3の絶縁膜の材料や作製方法は、第2の絶縁膜を参照することができる。
【0052】
次に、図2(A)に示すように、第3の絶縁膜109に開口部を形成する。第3の絶縁膜は、第1の接続領域132等では広面積にエッチングする必要がある。そのため、第2の絶縁膜の場合より第3の絶縁膜では、画素部の開口面積が、第1の接続領域132の開口面積と比較して非常に小さく、微細なものとなる。従って、画素部の開口部形成用のフォトリソグラフィー工程と、接続領域の開口部形成用のフォトリソグラフィー工程とを設けることにより、エッチング条件のマージンをより広げることができる。その結果、歩留まりを向上させることができる。またエッチング条件のマージンが広がることにより、画素部に形成されるコンタクトホールを高精度に形成することができる。
【0053】
具体的には、第1及び第2の接続領域132、133、及び信号線駆動回路部130に設けられた第3の絶縁膜109に広面積な開口部を形成する。そのため、画素部131の第3の絶縁膜109を覆うようにマスクを形成する。当該マスクは、第1及び第2の接続領域132、133及び信号線駆動回路131の開口部形成用のマスクとして兼ねることができるため、所定の開口部が設けられている。そして、並行平板RIE装置を用いて、第3の絶縁膜109をエッチングする。このとき、パワー2500W、圧力7.5パスカル(0.0564torr)、エッチングガスとしてCF4を10sccm、O2を67sccm、Heを333sccmとする。なお印加しているパワーは、単位面積あたりの密度、つまりパワー密度は0.59W/cm2である。なおエッチング時間は、第3の絶縁膜がオーバーエッチングされる程度とするとよい。例えば、第3の絶縁膜の膜厚によるが、ちょうど開口部が形成されてから120sec間エッチングする。このようにオーバーエッチングされる程度とすると、基板内の膜厚バラツキと、エッチングレートのバラツキを低減することができる。なお本実施の形態では、エッチング時間を450secから480secとする。
【0054】
またエッチング装置にICP装置を用いる場合、ICPパワー500W、バイアスパワー300W、圧力1.5パスカル(0.0113torr)、エッチングガスとしてCF4を45sccm、O2を55sccmとしてエッチングする。なお印加しているパワーは、単位面積あたりの密度、つまりパワー密度はそれぞれ0.707W/cm2(ICPパワー)、1.92W/cm2(バイアスパワー)である。なおエッチング時間は、第3の絶縁膜がオーバーエッチングされる程度とするとよい。例えば3の絶縁膜の膜厚によるが、ちょうど開口部が形成されてから50sec間エッチングする。このようにオーバーエッチングされる程度とすると、基板内の膜厚バラツキと、エッチングレートのバラツキを低減することができる。
【0055】
その後図2(B)に示すように、画素部131の第3の絶縁膜109に微細な開口部、つまりコンタクトホールを形成する。このとき、第1及び第2の接続領域132、133及び信号線駆動回路130の第3の絶縁膜109上を覆うようにマスク110を形成する。当該マスクは、画素部131の開口部形成用のマスクとして兼ねることができ、所定な箇所に微細な開口部が設けられている。このようなマスクとしては、例えばレジストマスクを用いることができる。
【0056】
そして、並行平板RIE装置を用いて、第3の絶縁膜109をエッチングする。このとき、パワー3000W、圧力30.0パスカル(0.226torr)、エッチングガスとしてCF4を550sccm、O2を450sccm、Heを350sccmとしてエッチングする。なおエッチング時間は、第3の絶縁膜がオーバーエッチングされる程度とするとよい。例えば、第3の絶縁膜の膜厚によるが、ちょうど開口部が形成されてから60sec間エッチングする。このようにオーバーエッチングされる程度とすると、基板内の膜厚バラツキと、エッチングレートのバラツキを低減することができる。
【0057】
またエッチング装置にICP装置を用いる場合、ICPパワー500W、バイアスパワー300W、圧力1.5パスカル(0.0113torr)、エッチングガスとしてCF4を45sccm、O2を55sccmとしてエッチングする。なおエッチング時間は、第3の絶縁膜がオーバーエッチングされる程度とするとよい。例えば3の絶縁膜の膜厚によるが、ちょうど開口部が形成されてから20sec間エッチングする。このようにオーバーエッチングされる程度とすると、基板内の膜厚バラツキと、エッチングレートのバラツキを低減することができる。
【0058】
本実施の形態では、第1及び第2接続領域132、133及び信号線駆動回路部130を全面覆い、画素部131に所定の開口部が設けられたマスク110で、第3の絶縁膜をエッチングする場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1の接続領域132の開口部は広面積であるため、エッチングする量が多い。このような広面積な開口部は、複数回エッチングしてもよい。また、その他の開口部と比較して、深い開口部を形成する場合、同様に複数回エッチングしてもよい。そのため、第2の接続領域133、及び信号線駆動回路部130の第3の絶縁膜のみ全面覆い、第1の接続領域132及び画素部131には所定の開口部が設けられたマスクを用いて、第3の絶縁膜109をエッチングしてもよい。このようなマスクを用いて、エッチングする場合、第1の接続領域132における、第3の絶縁膜109は、深さが増すようにエッチングされ、第1の絶縁膜106が露出するまでエッチングする。
【0059】
そして図2(C)に示すように、画素部131の開口部に、画素電極111を形成する。
画素電極には、透光性を有する材料として、インジウム錫酸化物(ITO、indiumu Tin Oxide)、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(indium zinc oxide)、酸化インジウムに2〜20%の酸化珪素(SiO2)を混合したITO−SiOx(便宜上ITSO又はNITOと表記する)、有機インジウム、有機スズ等を用いることもできる。また非透光性を有する材料として、銀(Ag)以外にタンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅から選ばれた元素、又は前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料を用いることができる。
【0060】
以上のようにして、複数の薄膜トランジスタが形成されたアクティブマトリクス基板を形成することができる。
【0061】
そして、アクティブマトリクス基板は、自発光素子を有する発光装置、液晶素子を有する液晶表示装置、その他の表示装置に用いることができる。またCPU(中央演算処理装置)やIDチップを搭載したカード等の半導体装置に用いることができる。
【0062】
このように、同一絶縁膜に対するエッチング工程を複数回設けることにより、歩留まりを向上させることができる。
【0063】
特に、画素電極111にITOを用い、導電膜108にチタン膜/窒化チタン膜/チタンーアルミニウム合金膜/チタン膜(Ti/TiN/Al−Si/Ti)を用いる場合、本発明は好適である。なぜなら、画素電極を形成するコンタクトホールと、その他の領域の開口部とを同一マスクで一度に形成しようとすると、第3の絶縁膜109と、チタン膜及び窒化チタン膜との選択比が低いことがあり、コンタクトホール開口後に、導電膜108までもエッチングされてしまう恐れがある。この場合、導電膜108のチタン膜及び窒化チタン膜までがエッチングされ、アルミニウム合金膜が露出してしまう。その後、コンタクトホールに画素電極としてITOを形成すると、アルミニウムとITOとが反応し、腐食してしまう。これらは、点欠陥の一原因となり、表示装置の製造工程において、重要な問題である。そこで、本発明のように、第1のマスクを用いて、広面積な開口部を形成し、第2のマスクを用いて、微細な開口部、つまりコンタクトホールを形成すると、上記問題を解決できる。
【0064】
さらに、開口率を高めるため、駆動用TFT124の上方に、導電膜108を形成し、当該導電膜108に接続するように画素電極111を形成すると、好ましい。すなわち、導電膜108は、非透光性材料を用いることが多く、開口率を高めるために、非透光性領域となる駆動用TFT124上方に導電膜108を形成するとよい。この場合、図8(A)に示すように、第2の絶縁膜107に無機材料を用いると、駆動用TFT124の形状に沿うように、第2の絶縁膜107が形成されるため、aで示すように、駆動用TFT124のゲート電極上の第2の絶縁膜107が最も高くなる。その後図8(B)に示すように、第3の絶縁膜109を、有機材料を用いて形成すると、駆動用TFT124のゲート電極上の第3の絶縁膜109の膜厚bは、その他の領域cと比べて薄くなる。すなわち、画素電極用のコンタクトホールの形成位置における、第3の絶縁膜109の膜厚が薄くなる。このように、コンタクトホールは、微細であり、かつ浅い開口部となってしまう。そこで、本発明のように、第1のマスクを用いて、広面積な開口部を形成し、第2のマスクを用いて、微細且つ浅い開口部、つまりコンタクトホールを形成すると、高精度なコンタクトホールを形成することができ、好ましい。
【0065】
また図9に記載の上面図を用いて、具体的な開口部の領域を示す。図9(A)には、広面積な開口部の領域を示す。図9(A)の右下には、レンジを示しており、線分が1000μmである。そして図9(B)には、微細な開口部、つまりコンタクトホールの領域を示す。図9(B)の右下には、レンジを示しており、線分が10μmである。このように、各開口部の領域の面積に、大きな差があることがわかる。
【0066】
なお、本実施の形態のように、同一絶縁膜に対して複数回エッチング工程を行うと、マスク枚数が増え、コストが増加してしまう。そのため、同一絶縁膜に対しては、一回のエッチング工程のみ行うことが望ましいと考えられてきた。しかし本発明によると、マスク枚数が増えることによるコスト増分を、歩留まり向上させることにより補うことができる。
【0067】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なり、層間絶縁膜のコンタクトホールを形成に、複数のエッチング工程を有する薄膜トランジスタの作製工程について説明する。
【0068】
まず図3(A)に示すように、図1と同様に第2の絶縁膜107まで形成する。その後、第1の接続領域132における、第2の絶縁膜107に開口部を形成する。第2の絶縁膜は、第1の接続領域132等では広面積に除去する必要がある。そのため、画素部131における第2の絶縁膜107の開口面積は、第1の接続領域132とそれと比較して非常に小さくなる。従って、第2の絶縁膜107において、画素部の開口部形成用のフォトリソグラフィー工程と、接続領域の開口部形成用のフォトリソグラフィー工程を設けることにより、エッチング条件のマージンをより広げることができる。その結果、歩留まりを向上させることができる。またエッチング条件のマージンが広がることにより、画素部に形成されるコンタクトホールを高精度に形成することができる。
【0069】
第1及び第2の接続領域132、133、及び信号線駆動回路部130に設けられた第2の絶縁膜107に開口部を形成する。そのため、画素部131の第2の絶縁膜107を覆うようにマスクを形成する。そして、並行平板RIE装置、又はICP装置を用いて、第3の絶縁膜をエッチングする。
【0070】
その後、図3(B)に示すように、画素部131の第2の絶縁膜107に開口部を形成する。このとき、第1及び第2の接続領域132、133及び信号線駆動回路130の第2の絶縁膜107上に、マスク110を形成する。例えば、レジストマスクを用いることができる。このとき、マスク110は、画素部131の第2の絶縁膜開口部形成用のマスクを兼ねるように形成することができる。そして、並行平板RIE装置、又はICP装置を用いて、第2の絶縁膜107をエッチングする。
【0071】
本実施の形態では、第1及び第2接続領域132、133及び信号線駆動回路部130を全面覆い、画素部131に所定の開口部が設けられたマスク110で、第2の絶縁膜107をエッチングする場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1の接続領域132の開口部は広面積であるため、エッチングする量が多い。このような広面積な開口部は、複数回エッチングしてもよい。また、その他の開口部と比較して、深い開口部を形成する場合、複数回エッチングしてもよい。そのため、第2の接続領域133、及び信号線駆動回路部130の第2の絶縁膜のみ全面覆い、第1の接続領域132及び画素部131には所定の開口部が設けられたマスクを用いて、第2の絶縁膜107をエッチングしてもよい。このようなマスクを用いて、エッチングする場合、第1の接続領域132における、第2の絶縁膜107の深さが増すようにエッチングされ、第1の絶縁膜106が露出するまでエッチングする。
【0072】
そして図3(C)に示すように、画素部131の開口部に、画素電極111を形成する。画素電極の材料等は、実施の形態1を参照すればよい。
【0073】
以上のようにして、複数の薄膜トランジスタが形成されたアクティブマトリクス基板を形成することができる。
【0074】
図4には、図3(C)と異なる構成を有するアクティブマトリクス基板を示す。図4に示すアクティブマトリクス基板は、第2の絶縁膜107の開口部形成後、画素電極111を形成し、その後、導電膜108を形成する点を特徴とする。その他の構成は、図3(C)と同様であるため、図1乃至図3(A)〜(C)を参照することができる。
【0075】
そして、アクティブマトリクス基板は、自発光素子を有する発光装置、液晶素子を有する液晶表示装置、その他の表示装置に用いることができる。またCPU(中央演算処理装置)やIDチップを搭載したカード等の半導体装置にも用いることができる。
【0076】
このように、同一絶縁膜に対するエッチング工程を複数回設けることにより、歩留まりを向上させることができる。
【0077】
本実施の形態のように、画素部において、第2の絶縁膜107に微細な開口部、つまりコンタクトホールを形成する場合、半導体膜104と、第2の絶縁膜107との選択比が低いことがあり、非常に薄い半導体膜104に開口部が形成される恐れがある。そこで、本発明のように、第1のマスクを用いて、広面積な開口部を形成し、第2のマスクを用いて、微細な開口部、つまりコンタクトホールを形成すると、好ましい。
【0078】
さらに、画素部におけるコンタクトホールで、不必要にエッチングが行われると、反応生成物がコンタクトホールに付着してしまい、除去できないため問題となる。そこで、本発明のように、第1のマスクを用いて、広面積な開口部を形成し、第2のマスクを用いて、微細な開口部、つまりコンタクトホールを形成すると、上記問題を解決できる。
【0079】
なお、本実施の形態のように、同一絶縁膜に対して複数回エッチング工程を行うと、マスク枚数が増え、コストが増加してしまう。そのため、同一絶縁膜に対しては、一回のエッチング工程のみ行うことが望ましいと考えられてきた。しかし本発明によると、マスク枚数が増えることによるコスト増分を、歩留まり向上させることにより補うことができる。
【0080】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1で示したアクティブマトリクス基板を用いた発光装置の構成について説明する。
【0081】
図5(A)には、第1の基板100上に信号線駆動回路130、走査線駆動回路138、及び画素部131が形成された発光装置の上面図を示す。
【0082】
図5(B)は発光装置のA−A’の断面図を示し、第1の基板100上に、nチャネル型TFT121とpチャネル型TFT122とを有するCMOS回路を備えた信号線駆動回路130を示す。nチャネル型TFT1223とpチャネル型TFT1224は、上記実施の形態で示したように結晶性半導体膜を有するように形成されるとよい。
信号線駆動回路130や走査線駆動回路138を形成するTFTは、CMOS回路、PMOS回路又はNMOS回路で形成してもよい。
【0083】
画素部131は、スイッチング用TFT123及び駆動用TFT124を有する。スイッチング用TFT123及び駆動用TFT124とは、上記実施の形態で示したように結晶性半導体膜を有するように形成されるとよい。
【0084】
なお、画素部131のTFTは信号線駆動回路130や走査線駆動回路138と比べると、高い結晶性を有する必要はない。
【0085】
また画素部131に形成された画素電極111は、発光素子の第1の電極に相当する。画素電極を覆って設けられた第4の絶縁膜139は、各画素の隔壁として機能する。第4の絶縁膜139の材料や作製方法は、第2の絶縁膜を参照することができる。本実施の形態では、第4の絶縁膜139の材料として、ポジ型の感光性アクリル樹脂を用いる。第4の絶縁膜139に、電界発光層を形成するための開口部を形成する。開口部は、曲率半径が連続的に変化する形状となるように形成する。例えば、第4の絶縁膜139の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせるとよい。その結果、電界発光層が段切れすることなく形成することができる。なお第4の絶縁膜139に有機材料を用いる場合、水分や酸素の侵入を防止するため窒化珪素または窒化酸化珪素を主成分とする絶縁膜、または水素を含むDLC膜(Diamond Like Carbon)を形成してもよい。
【0086】
電界発光層140は、有機材料、又は無機材料を有し、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層等を適宜組み合わせて構成される。
【0087】
また、電界発光層140として、フルカラー表示とする場合、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光を示す材料を、それぞれ蒸着マスクを用いた蒸着法、またはインクジェット法などによって選択的に形成すればよい。具体的には、HILとしてCuPcやPEDOT、HTLとしてα−NPD、ETLとしてBCPやAlq3、EILとしてBCP:LiやCaF2をそれぞれ用いる。また例えばEMLは、R、G、Bのそれぞれの発光色に対応したドーパント(Rの場合DCM等、Gの場合DMQD等)をドープしたAlq3を用いればよい。
【0088】
より具体的な電界発光層140の積層構造は、赤色の発光を示す電界発光層を形成する場合、例えば、CuPcを30nm形成し、α-NPDを60nm形成した後、同一のマスクを用いて、赤色の発光層としてDCM2及びルブレンが添加されたAlq3を40nm形成し、電子輸送層としてBCPを40nm形成し、電子注入層としてLiが添加されたBCPを1nm形成する。また、緑色の発光を示す電界発光層140を形成する場合、例えば、CuPcを30nm形成し、α―NPDを60nm形成した後、同一の蒸着マスクを用いて、緑色の発光層としてクマリン545Tが添加されたAlq3を40nm形成し、電子輸送層としてBCPを40nm形成し、電子注入層としてLiが添加されたBCPを1nm形成する。また、青色の発光を示す電界発光層140を形成する場合、例えば、CuPcを30nm形成し、α-NPDを60nm形成した後、同一のマスクを用いて発光層としてビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛:Zn(PBO)2を10nm形成し、電子輸送層としてBCPを40nm形成し、電子注入層としてLiが添加されたBCPを1nm形成する。なお、本発明は上記電界発光層の積層構造に限定されない。
【0089】
以上、各色の電界発光層のうち、共通しているCuPcやα-NPDは、画素部全面に形成することができる。またマスクは、各色で共有することもでき、例えば、赤色の電界発光層を形成後、マスクをずらして、緑色の電界発光層、再度マスクをずらして青色の電界発光層を形成することができる。なお、形成する各色の電界発光層の順序は適宜設定することができる。
【0090】
また電界発光層140に白色発光の材料を用いる場合、カラーフィルタ、又はカラーフィルタ及び色変換層などを別途設けることによってフルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタや色変換層は、第2の基板に設けた後、張り合わせればよい。
【0091】
その後、電界発光層140と対向するように、発光素子の第2の電極141を形成する。第1の電極111、電界発光層140、第2の電極141を合わせて、発光素子150と表記する。
【0092】
発光素子の第1の電極111は、駆動用TFT124の一方の電極と接しているため、第1の電極111の少なくとも下面は、駆動用TFT124の一方の電極とオーミックコンタクトのとれる材料とし、電界発光層140と接する表面に仕事関数の大きい材料を用いて形成することが望ましい。そのため、発光素子の第1の電極111は、単層構造や積層構造としてもよい。
【0093】
なお、発光素子の第1の電極111、及び第2の電極141として透光性を有する導電膜を用いれば両面出射型の発光装置を形成することができる。
【0094】
また発光素子の第1の電極111は非透光性の導電膜とし、第2の電極1216は透光性を有する導電膜とすることができる。その結果、光は封止基板側のみへ出射される上面出射型の発光装置を形成することができる。
【0095】
また発光素子の第1の電極111は透光性を有する導電膜とし、第2の電極1216は非透光性の導電膜とすることができる。その結果、光は基板側のみへ出射される下面出射型の発光装置を形成することができる。
【0096】
なお、光の出射方向とならない側に設けられた発光素子の電極に、反射性の高い導電膜を用いることにより光を有効利用することができる。
【0097】
なお画素構成により、第1の電極111及び第2の電極141は、いずれも陽極、又は陰極となりうる。このような陽極材料及び陰極材料について説明する。
【0098】
陽極材料としては、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。陽極材料の具体例としては、ITO、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZOの他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(TiN)等を用いることができる。
【0099】
一方、陰極材料としては、仕事関数の小さい(仕事関数3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。陰極材料の具体例としては、元素周期律の1族または2族に属する元素、すなわちLiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li)や化合物(LiF、CsF、CaF2)の他、希土類金属を含む遷移金属を用いて形成することができる。但し、陰極は透光性を有する必要があるため、これら金属、又はこれら金属を含む合金を非常に薄く形成し、ITO等の金属(合金を含む)との積層により形成する。
【0100】
これら陽極、及び陰極は蒸着法、スパッタリング法等により形成することができる。
【0101】
さらに水分や酸素等による発光素子150の劣化を防止するために、発光素子の第2の電極141を覆って保護膜142を形成するとよい。本実施の形態では保護膜142にスパッタ法(DC方式やRF方式)により得られる窒化珪素または窒化酸化珪素を主成分とする絶縁膜、または水素を含むDLC膜を用いることができる。
【0102】
そして図5(B)に示すように、発光素子の第2の電極141は、第2の接続領域133に設けられた第3の絶縁膜の開口部を介して導電膜108に接続される。
【0103】
また第1の接続領域132に設けられた導電膜108には、異方性導電樹脂(ACF)によりフレキシブルプリント基板(FPC)1209が接続されている。そして、FPC1209を介して外部入力信号となるビデオ信号やクロック信号を受け取る。ここではFPCしか図示されていないが、このFPCを介して、プリント配線基板(PWB)が取り付けられている。そしてプリント配線基盤には、外部信号生成回路が搭載されている。
【0104】
また加圧や加熱によりACFを接着するときに、基板のフレキシブル性や加熱による軟化のため、クラックが生じないように注意する。例えば、少なくとも第1の接着領域132の下方に硬性の高い基板を補助として配置したりすればよい。
【0105】
本実施の形態では、第1の基板100上に信号線駆動回路130及び走査線駆動回路138を設けた、ドライバ一体型の発光装置を示すが、信号線駆動回路及び走査線駆動回路はICにより形成し、SOG法やTAB法により信号線、又は走査線等と接続しても構わない。
【0106】
また第1の基板の周縁部にはシール材143が設けられ、第2の基板145と張り合わせられ、封止されている。シール材143はエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。またシール材143を形成する位置に、第3の絶縁膜109を一部残しておいてもよい。その結果、接着面積が大きくなり、接着強度を高めることができる。
【0107】
第1の基板100と、第2の基板145とへ、適宜偏光板又は円偏光板を設け、コントラストを高めるとよい。
【0108】
以上のように、アクティブマトリクス基板を有する発光装置を作製することができる。
【0109】
本実施の形態では、実施の形態1で示したアクティブマトリクス基板を用いる場合を説明したが、その他の実施の形態で示したアクティブマトリクス基板と自由に組み合わせることができる。
【0110】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1で示したアクティブマトリクス基板を用いた液晶表示装置の構成について説明する。
【0111】
図6(A)には、第1の基板100上に信号線駆動回路130、走査線駆動回路138、及び画素部131が形成された液晶表示装置を示す。
【0112】
図6(B)は液晶表示装置のA−A’の断面図を示し、第1の基板100上に、nチャネル型TFT121とpチャネル型TFT122とを有するCMOS回路を備えた信号線駆動回路130を示す。nチャネル型TFT121とpチャネル型TFT122は、上記実施の形態で示したように結晶性半導体膜を有するように形成されるとよい。信号線駆動回路130や走査線駆動回路131を形成するTFTは、CMOS回路、PMOS回路又はNMOS回路で形成してもよい。
【0113】
画素部131は、スイッチング用TFT123及び容量素子158を有する。スイッチング用TFT123は、上記実施の形態で示したように結晶性半導体膜を有するように形成されるとよい。容量素子158は、不純物が添加された半導体膜と、ゲート電極とに挟まれたゲート絶縁膜により構成される。
【0114】
なお、画素部131のTFTは信号線駆動回路130や走査線駆動回路138と比べると、高い結晶性を有する必要はない。
【0115】
また画素部131は、スイッチング用TFT1211の一方の電極と接続された画素電極111を有する。そして、nチャネル型TFT121、pチャネル型TFT122、画素電極111、及びスイッチング用TFT123等を覆うように第3の絶縁膜109が設けられている。
【0116】
また対向基板となる第2の基板145を用意する。第2の基板145には、少なくとも信号線駆動回路1200に相当する位置にブラックマトリクス151が設けられ、少なくとも画素部に相当する位置にカラーフィルタ1252が設けられ、さらに対向電極152が設けられている。本発明は必ずしも、第2の基板145にブラックマトリクス、カラーフィルタ、又は対向電極を設ける必要はなく、第1の基板100側へ設けてもよい。このような第2の基板145に、ラビング処理を施し、第1の基板1210とシール材143を用いて張り合わせる。シール材143はエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。またシール材143を形成する位置に、第3の絶縁膜109を一部残しておいてもよい。その結果、接着面積が大きくなり、接着強度を高めることができる。このとき、基板間隔を保持するため、スペーサ150を形成するとよい。スペーサは、絶縁膜をエッチングして形成される所謂柱状スペーサ、又は球状スペーサを用いることができる。
【0117】
第1の基板100、及び第2の基板145の間に液晶層を注入する。液晶層を注入する場合は、真空中で行うとよい。また第1の基板100へ液晶層を滴下した後、第2の基板145を張り合わせてもよい。特に、大型基板になると液晶層を注入するより、滴下する方が好ましい。
【0118】
第1の基板100と、第2の基板145とへ、適宜偏光板又は円偏光板を設け、コントラストを高めるとよい。
【0119】
また第1の接続領域132に設けられた導電膜108には、異方性導電樹脂(ACF)によりフレキシブルプリント基板(FPC)1209が接続されている。そして、FPC1209を介して外部入力信号となるビデオ信号やクロック信号を受け取る。ここではFPCしか図示されていないが、このFPCを介して、プリント配線基板(PWB)が取り付けられている。そしてプリント配線基盤には、外部信号生成回路が搭載されている。
【0120】
また加圧や加熱によりACFを接着するときに、基板のフレキシブル性や加熱による軟化のため、クラックが生じないように注意する。例えば、少なくとも第1の接着領域132の下方に硬性の高い基板を補助として配置したりすればよい。
【0121】
本実施の形態では、第1の基板100上に信号線駆動回路130及び走査線駆動回路138を設けた、ドライバ一体型の発光装置を示すが、信号線駆動回路及び走査線駆動回路はICにより形成し、SOG法やTAB法により信号線、又は走査線等と接続しても構わない。
【0122】
以上のように、アクティブマトリクス基板を有する液晶表示装置を作製することができる。
【0123】
本実施の形態では、実施の形態1で示したアクティブマトリクス基板を用いる場合を説明したが、その他の実施の形態で示したアクティブマトリクス基板と自由に組み合わせることができる。
【0124】
(実施の形態5)
【0125】
本発明の作製方法を用いて作製されるアクティブマトリクス基板は、例えばビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD:Digital Versatile Disc)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などの電子機器に用いることができる。それら電子機器の具体例を図7に示す。
【0126】
図7(A)は携帯情報端末であり、本体9001、表示部9002、操作キー9003、モデム9004等を含む。図7(A)ではモデム9004が取り外し可能な形態の携帯情報端末を示しているが、モデムが本体9001に内蔵されていても良い。本発明の、表示部9002またはその他信号処理用の回路が形成されるアクティブマトリクス基板を用いて、携帯情報端末を完成させることができる。本発明により、携帯情報端末の歩留まりを高めることができ、結果的に携帯情報端末1つあたりの値段を抑えることができる。
【0127】
図7(B)はICカードであり、本体9201、表示部9202、接続端子9203等を含む。本発明の、表示部9202またはその他信号処理用の回路が形成されるアクティブマトリクス基板を用いて、ICカードを完成させることができる。本発明により、ICカードの歩留まりを高めることができ、結果的にICカード1つあたりの値段を抑えることができる。なお図7(B)では接触型の電子カードを示しているが、非接触型のICカードや、接触型と非接触型の機能を持ち合わせたICカードにも、本発明のアクティブマトリクス基板を用いることができる。
【0128】
図7(C)は表示装置、具体的には発光装置又は液晶表示装置であり、筐体9101、表示部9102、スピーカー部9103等を含む。本発明の、表示部9102またはその他信号処理用の回路が形成されるアクティブマトリクス基板を用いて、表示装置を完成させることができる。本発明により、表示装置の歩留まりを高めることができ、結果的に表示装置1つあたりの値段を抑えることができる。なお、表示装置には、コンピュータ用、テレビジョン放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
【0129】
図7(D)はコンピュータであり、本体9301、筐体9302、表示部9303、キーボード9304、マウス9305等を含む。なおコンピュータは、モニターと、CPUを有する本体とが一体化されたコンピュータ(例えばノート型コンピュータ)であっても良いし、モニターと、CPUを有する本体とが分離したコンピュータ(例えばデスクトップ型コンピュータ)であってもよい。本発明の、表示部9303またはその他信号処理用の回路が形成されるアクティブマトリクス基板を用いて、コンピュータを完成させることができる。本発明により、コンピュータの歩留まりを高めることができ、結果的にコンピュータ1つあたりの値段を抑えることができる。
【0130】
図7(E)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、記録媒体(DVD等)読み込み部9404、操作キー9405、スピーカー部9406等を含む。記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明の、表示部9403またはその他信号処理用の回路が形成されたアクティブマトリクス基板を用いて、画像再生装置を完成させることができる。本発明により、画像再生装置の歩留まりを高めることができ、結果的に画像再生装置1つあたりの値段を抑えることができる。
【0131】
図7(F)に示す本発明の表示装置を用いた携帯電話機は、本体9101、表示部9102等を含む。本発明の、表示部9102又はその他信号線処理用の回路が形成されるアクティブマトリクス基板を用いて、携帯電話機を完成させることができる。本発明により、携帯電話機の歩留まりを高めることができ、結果的に携帯電話機1つあたりの値段を抑えることができる。
【0132】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明のアクティブマトリクス基板の作製工程を示した図である
【図2】本発明のアクティブマトリクス基板の作製工程を示した図である
【図3】本発明のアクティブマトリクス基板の作製工程を示した図である
【図4】本発明のアクティブマトリクス基板の作製工程を示した図である
【図5】本発明の発光装置を示した断面図である
【図6】本発明の液晶表示装置を示した断面図である
【図7】本発明の電子機器を示した図である
【図8】本発明のアクティブマトリクス基板の作製工程を示した図である
【図9】開口部の領域を示した上面図である

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のマスクを用いて、第1の領域の対象物をエッチングして広面積な開口部を形成し、
第2のマスクを用いて、第2の領域の前記対象物をエッチングして微細な開口部を形成する
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項2】
第1のマスクを用いて、第1の領域の対象物をエッチングして広面積な開口部を形成し、
第2のマスクを用いて、前記第1の領域及び第2の領域の前記対象物をエッチングして前記開口部をエッチングし、且つ前記第2の領域の前記対象物に微細な開口部を形成する
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項3】
第1のマスクを用いて、第1の領域の対象物をエッチングして広面積な開口部を形成し、
第2のマスクを用いて、前記第1の領域及び第2の領域の前記対象物をエッチングして前記開口部の深さが増すようにエッチングし、且つ前記第2の領域の前記対象物に微細な開口部を形成する
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項4】
画素部及び接続領域に設けられた絶縁膜を形成し、
前記画素部を覆うように設けられた第1のマスクを用いて、前記接続領域に設けられた絶縁膜をエッチングして広面積な開口部を形成し、
前記接続領域全面を覆い、且つ前記画素部上に所定の開口部が設けられた第2のマスクを用いて、前記画素部に設けられた前記絶縁膜をエッチングして微細な開口部を形成する
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項5】
画素部及び接続領域に設けられた絶縁膜を形成し、
前記画素部を覆うように設けられた第1のマスクを用いて、前記接続領域に設けられた絶縁膜をエッチングして広面積な開口部を形成し、
前記接続領域を覆い、前記開口部上が開口され、且つ前記画素部上に所定の開口部が設けられた第2のマスクを用いて、前記開口部をエッチングし、且つ前記画素部に設けられた前記絶縁膜をエッチングして微細な開口部を形成する
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項6】
画素部及び接続領域に設けられた絶縁膜を形成し、
前記画素部を覆うように設けられた第1のマスクを用いて、前記接続領域に設けられた絶縁膜をエッチングして広面積な開口部を形成し、
前記接続領域を覆い、前記開口部上が開口され、且つ前記画素部上に所定の開口部が設けられた第2のマスクを用いて、前記開口部の深さが増すようにエッチングし、且つ前記画素部に設けられた前記絶縁膜をエッチングして微細な開口部を形成する
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項7】
画素部及び接続領域において、
前記画素部にゲート電極を形成し、
前記画素部及び前記接続領域に渡って、前記ゲート電極を覆うように、第1の絶縁膜を形成し、
前記画素部及び前記接続領域に渡って、前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成し、
前記画素部を覆うように設けられた第1のマスクを用いて、前記接続領域に設けられた前記第2の絶縁膜を、前記第1の絶縁膜が露出するようにエッチングして広面積な開口部を形成し、
前記接続領域全面を覆い、且つ前記画素部上に所定の開口部が設けられた第2のマスクを用いて、前記画素部に設けられた前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜をエッチングして微細な開口部を形成する
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項8】
画素部及び接続領域において、
前記画素部にゲート電極を形成し、
前記画素部及び前記接続領域に渡って、前記ゲート電極を覆うように、第1の絶縁膜を形成し、
前記画素部及び前記接続領域に渡って、前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成し、
前記画素部を覆うように設けられた第1のマスクを用いて、前記接続領域に設けられた前記第2の絶縁膜を、前記第1の絶縁膜が露出するようにエッチングして広面積な開口部を形成し、
前記接続領域全面を覆い、前記開口部上が開口され、且つ前記画素部上に所定の開口部が設けられた第2のマスクを用いて、前記開口部をエッチングし、且つ前記画素部に設けられた前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜をエッチングして微細な開口部を形成する
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項9】
画素部及び接続領域において、
前記画素部にゲート電極を形成し、
前記画素部及び前記接続領域に渡って、前記ゲート電極を覆うように、第1の絶縁膜を形成し、
前記画素部及び前記接続領域に渡って、前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成し、
前記画素部を覆うように設けられた第1のマスクを用いて、前記接続領域に設けられた前記第2の絶縁膜を、前記第1の絶縁膜が露出するようにエッチングして広面積な開口部を形成し、
前記接続領域全面を覆い、前記開口部上が開口され、且つ前記画素部上に所定の開口部が設けられた第2のマスクを用いて、前記開口部の深さが増すようにエッチングし、且つ前記画素部に設けられた前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜をエッチングして微細な開口部を形成する
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項10】
画素部及び接続領域において、
前記画素部にゲート電極を形成し、
前記画素部及び前記接続領域に渡って、前記ゲート電極を覆うように、第1の絶縁膜を形成し、
前記画素部及び前記接続領域に渡って、前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜に設けられた開口部に、導電膜を形成し、
前記導電膜を覆うように、第3の絶縁膜を形成し、
前記画素部を覆うように設けられた第1のマスクを用いて、前記接続領域に設けられた前記第3の絶縁膜を、前記第1の絶縁膜が露出するようにエッチングして広面積な開口部を形成し、
前記接続領域全面を覆い、且つ前記画素部上に所定の開口部が設けられた第2のマスクを用いて、前記画素部に設けられた前記第3の絶縁膜をエッチングして微細な開口部を形成する
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項11】
画素部及び接続領域において、
前記画素部にゲート電極を形成し、
前記画素部及び前記接続領域に渡って、前記ゲート電極を覆うように、第1の絶縁膜を形成し、
前記画素部及び前記接続領域に渡って、前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜に設けられた開口部に、導電膜を形成し、
前記導電膜を覆うように、第3の絶縁膜を形成し、
前記画素部を覆うように設けられた第1のマスクを用いて、前記接続領域に設けられた前記第3の絶縁膜を、前記第1の絶縁膜が露出するようにエッチングして広面積な開口部を形成し、
前記接続領域全面を覆い、前記開口部上が開口され、且つ前記画素部上に所定の開口部が設けられた第2のマスクを用いて、前記開口部をエッチングし、且つ前記画素部に設けられた前記第3の絶縁膜をエッチングして微細な開口部を形成する
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項12】
画素部及び接続領域において、
前記画素部にゲート電極を形成し、
前記画素部及び前記接続領域に渡って、前記ゲート電極を覆うように、第1の絶縁膜を形成し、
前記画素部及び前記接続領域に渡って、前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜に設けられた開口部に、導電膜を形成し、
前記導電膜を覆うように、第3の絶縁膜を形成し、
前記画素部を覆うように設けられた第1のマスクを用いて、前記接続領域に設けられた前記第3の絶縁膜を、前記第1の絶縁膜が露出するようにエッチングして広面積な開口部を形成し、
前記接続領域全面を覆い、前記開口部上が開口され、且つ前記画素部上に所定の開口部が設けられた第2のマスクを用いて、前記開口部の深さが増すようにエッチングし、且つ前記画素部に設けられた前記第3の絶縁膜をエッチングして微細な開口部を形成する
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一において、
前記広面積な開口部には、接続端子を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一において、
前記微細な開口部には、画素電極を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一において、
ウェットエッチング法、又はドライエッチング法を用いて、前記エッチングを行うことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか一に記載の方法により形成された薄膜トランジスタを有することを特徴とする表示装置の作製方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−12972(P2006−12972A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185003(P2004−185003)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】