説明

車両制御装置

【課題】より快適な運転フィーリングを実現することができる車両制御装置を提供すること。
【解決手段】本発明による車両制御装置1は、自車両の車速を検出する車速検出手段3aと、自車両と先行車両との車間距離及び先行車両の有無を検出する車間距離検出手段3bと、車速を設定車速に制御する及び車間距離を車速で除して算出された車間時間を設定車間時間に制御する車両制御手段3dと、前方情報を取得する前方情報取得手段5aと、前方情報に基づいて自車両を車線内に維持するように操舵装置の転舵力を制御する操舵制御手段5bと、運転者の先行車両に対する追従意思を推定する推定手段3cを備え、車両制御手段3dによる制御と操舵制御手段5bによる制御が同時に行われており、かつ、推定手段3cが追従意思を推定しない場合に、車両制御手段3dが車速を転舵力が制限値となる制限車速以下Vrとする制限車速制御を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先行車両の有無等の自車両の前方の状態に基づき、先行車両との車間距離を制御する車間距離制御と、自車両が走行車線の中央付近を維持走行する制御する車線維持制御とをともに行うことができる車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車間距離制御装置としては、先行車両が存在しない場合には、自車両の車速を設定車速に保持し、先行車両が存在する場合には、先行車両に追従するように自車両の車速を制御する制御が行われており、車線維持制御装置としては、自車両が走行車線の中央付近を維持走行するように、自車両の操舵装置の転舵力を制御する制御が行われている。
このような、車間距離制御装置と車線維持制御装置の双方の機能を有する車両制御装置として、例えば特許文献1に記載されているような車両制御装置があり、このような車両制御装置においては、車間距離制御装置と車線維持制御装置の双方を動作させた場合に、自車両の前方の曲線半径を走行した場合において、自車両の車速が、操舵装置の転舵力が制限値となる制限車速以下となるように、車間距離制御装置が自車両を制御することが行われている。
【特許文献1】特開2003−48450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような車両制御装置においては、車間距離制御装置と車線維持制御装置の双方を同時に作動させた場合に、旋回走行中において先行車両が存在しなくなった場合に、自車両が設定車速となるように自車両を加速させることとなり、旋回走行に必要な転舵力が、操舵装置の転舵力の制限値よりも大きくなって、自車両の車線維持が困難になると言う問題は解消できるものの、運転者の先行車両に対する追従意思に係わらずに自車両の車速が制限されてしまうため、運転者に車間距離制御と車線維持制御の不連続感を与えてしまい、運転者にとって不適当な断続感を与えるという問題が生じる。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑み、より快適な運転フィーリングを実現することができる車両制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解決するため、本発明による車両制御装置は、
自車両の車速を検出する車速検出手段と、前記自車両と先行車両との車間距離及び前記先行車両の有無を検出する車間距離検出手段と、前記車速を設定車速に制御する及び前記車間距離を前記車速で除して算出された車間時間を設定車間時間に制御する車両制御手段と、前方情報を取得する前方情報取得手段と、前記前方情報に基づいて自車両を車線内に維持するように操舵装置の転舵力を制御する操舵制御手段と、運転者の前記先行車両に対する追従意思を推定する推定手段を備え、前記車両制御手段による制御と前記操舵制御手段による制御が同時に行われており、かつ、前記推定手段が前記追従意思を推定しない場合に、前記車両制御手段が前記車速を前記転舵力が制限値となる制限車速以下とする制限車速制御を行うことを特徴とする。
【0006】
ここで、前記車両制御装置において、
前記推定手段が、前記前方情報と前記先行車両の有無又は前記設定車速に基づき前記運転者の前記先行車両に対する追従意思を推定することが好ましい。
【0007】
これによれば、前記推定手段が、前記車両制御手段が用いている制御パラメータである前記先行車両の有無又は前記設定車速と、前記操舵制御手段が用いている前記前方情報とを用いることにより、前記運転者の前記先行車両に対する追従意思を推定することができる。
【0008】
なお、この具体的手段としては下記のような手段を用いることができる。
【0009】
すなわち、前記車両制御装置において、
前記前方情報が前記自車両の前方の曲線半径を含み、前記曲線半径が減少しない、又は、前記先行車両が有る場合に、前記推定手段が前記追従意思を推定することとしてもよい。
【0010】
この場合においては、前記自車両の前方の曲線半径が減少しない場合、又は、前記先行車両が有る場合には、前記運転者が前記先行車両に対する追従意思を有している可能性が高いことを利用して、前記推定手段が前記運転者の前記先行車両に対する追従意思をより容易に推定することができる。
【0011】
あるいは、前記車両制御装置において、
前記前方情報が前記自車両の前方の交通流平均車速を含み、当該交通流平均車速が前記設定車速より大きい場合に、前記推定手段が前記追従意思を推定してもよい。
【0012】
この場合においては、前記自車両の前方の前記交通流平均車速が前記設定車速より大きい場合には、前記運転者が前記先行車両に対する追従意思を有している可能性が高いことを利用して、前記推定手段が前記運転者の前記先行車両に対する追従意思を推定することができる。
【0013】
なお前記推定手段は、上述した構成に変えて、以下のような構成とすることもできる。すなわち、前記車両制御装置において、
前記運転者の視線を検出する視線検出手段を備えるとともに、前記推定手段が、当該視線が前記先行車両に指向している場合に、運転者の前記先行車両に対する追従意思を推定することとしてもよい。
【0014】
これによれば、前記視線検出手段を新たに追加する必要は生じるものの、前記運転者の視線が前記先行車両に指向している場合には、前記運転者が前記先行車両に対する追従意思を有している可能性が高いことを利用して、前記推定手段が前記運転者の前記先行車両に対する追従意思を推定することができる。
【0015】
以上、いずれかの場合においても、前記車両制御手段による制御と前記操舵制御手段による制御が同時に行われており、かつ、前記推定手段が前記追従意思を推定しない場合に、前記車両制御手段が前記車速を前記転舵力が制限値となる制限車速以下とする制限車速制御を行うことにより、前記追従意思が推定されない場合には前記操舵制御手段による前記転舵力を制限値以内として、前記運転者に自動運転感覚を与えることを防止し、かつ、運転者の操舵意思と前記操舵制御手段の制御が相違する場合に前記運転者が行う補正操舵量をなるべく小さくしてフェールセーフ上の要求を満たすことができる。
【0016】
加えて、前記追従意思が推定される場合には、当該追従意思を優先させて、前記車両制御手段による制御と前記操舵制御手段による制御が同時に行われていても、前記車両制御手段が前記車速を前記転舵力が制限値となる制限車速以下とする制限車速制御を行わないことにより、前記運転者の前記先行車両に対する追従意思に係わらずに前記自車両の車速が制限されてしまうことに伴って、前記運転者に前記車両制御手段による制御と前記操舵制御手段の制御の不連続感を与えてしまうことを防止して、前記運転者にとってより快適な運転フィーリングを実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、より快適な運転フィーリングを実現することができる車両制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【0020】
車両制御装置1は、測距センサ2と、ACCECU3(Adaptive Cruise Control Electronic Control Unit)と、前方認識カメラ4と、LKAECU5(Lane Keep Assist Electronic Control Unit)と、EPSECU9(Electronic Power Steering Electronic Control Unit)と、エンジンECU6(Engine Electronic Control Unit)と、ブレーキECU7(Brake Electronic Control Unit)と、変速機ECU8(Transmission Electronic Control Unit)と、EPSECU9を備えて構成される。ACCECU3と、LKAECU5と、エンジンECU6と、ブレーキECU7と、変速機ECU8と、EPSECU9はCAN(Controller Area Network)等の通信規格により相互に接続される。
【0021】
測距センサ2は、自車両のフロントグリル又はフロントバンパーに設けられる、例えばレーザレーダ又はミリ波レーダであり、自車両の前方に位置する先行車両と自車両との車間距離を測定して、その測定結果をACCECU3に出力するものである。
【0022】
ACCECU3は、例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、以下に述べる処理を行う車速検出手段3aと、車間距離検出手段3bと、推定手段3cと、車両制御手段3dとを構成するものである。
【0023】
前方認識カメラ4は、例えばCCDカメラあるいはCMOSカメラであり、例えば自車両室内のウインドシールド中央上部に、前方に光軸が合致するように配設され、自車両の前方の路面を車線両側の白線を含む範囲にて撮像して、撮像した映像をLKAECU5に出力するものである。
【0024】
LKAECU5は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、以下に述べる処理を行う前方情報検出手段5aと操舵制御手段5bとを構成するものである。
【0025】
EPSECU9は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、図示しないEPS(Electronic Power Steering)の発生する転舵力を制御するとともに、これも図示しない操舵角センサにより検出した操舵角を、CANを介してLKAECU5等の他のECUに送信するものである。
【0026】
EPSは、例えばラックアンドピニオン式かつピニオンアシスト式のものであり、運転者の操舵力又はEPSECU9の制御により電動モータを駆動して転舵力を発生する操舵装置を構成するものである。なお、ここでは運転者が図示しないステアリングホイールにより入力する力を操舵力、操舵装置が出力する力を転舵力として名称上区別している。
【0027】
エンジンECU6は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、ACCECU3からの指令に基づき、図示しないエンジンのスロットル開度等を制御して、主にエンジンの回転数の制御を行って車両の加減速度の制御を行うものである。
【0028】
ブレーキECU7は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、ACCECU3からの指令に基づき、車両の各車輪に設けられたブレーキ装置を制御して車両の制動を行うとともに、図示しない車輪速センサから車速を検出して検出結果を、CANを介してACCECU3に出力するものである。
【0029】
変速機ECU8は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスと入出力インターフェースとから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、ACCECU3からの指令に基づき、ここでは図示しない変速機の変速比のシフト制御を行うものである。
【0030】
これに加えて、LKAECU5の前方情報検出手段5aは、前方認識カメラ4により撮像された画像内に位置する路面の車線の両側に位置する白線を二植化処理等により検出して、前方の路面の曲線半径R、自車両の車線中央からのオフセット距離D、偏向角θ等の前方情報を検出する。LKAECU5の操舵制御手段5bは、前方情報検出手段5aにより検出した、前方の路面の曲線半径R、自車両の車線中央からのオフセット距離D、偏向角θ等の前方情報に基づき、自車両が車線内すなわち車線のほぼ中央付近を維持するように、EPSECU9を制御してEPSの転舵力を制御する。
【0031】
さらに、ACCECU3の車速検出手段3aは、CANを介してブレーキECU7から自車両の車速を検出し、ACCECU3の車間距離検出手段3bは、測距センサ2の検出結果に基づいて、自車両と先行車両との車間距離及び先行車両の有無を検出する。これとともに、ACCECU3の推定手段3cは、今回検出された曲線半径Rtが前回検出値Rt−1に比べて減少しない、又は、先行車両が有る場合に、運転者の先行車両に対する追従意思を推定する。
【0032】
さらに、ACCECU3の車両制御手段3dは、車両制御手段3dによる制御と操舵制御手段5bによる制御が同時に行われており、かつ、推定手段3cが運転者の先行車両に対する追従意思を推定しない場合に、車速を転舵力が制限値となる制限車速Vr以下とする制限車速制御を行う。ここで、制限車速Vrは今回検出された曲線半径Rtと、転舵力が制限値となる横加速度Gyを用いてVr=√(Gy×Rt)の計算式により求められる。
【0033】
なお、転舵力の制限値とは、転舵力を制限値以内とすることにより、運転者に自動運転感覚を与えることを防止し、かつ、運転者の操舵意思と操舵制御手段5bの制御が相違する場合に運転者がステアリングホイールにより入力するオーバーライドすなわち補正のための操舵力をなるべく小さくしてフェールセーフ上の要求を満たすために設けられるものである。
【0034】
以下、本実施例1の車両制御装置1の制御内容を、フローチャートを用いて説明する。図2は、本発明による車両制御装置1の制御内容を示すフローチャートである。
【0035】
S1において、LKAECU5の前方情報検出手段5aは、前方認識カメラ4の検出結果に基づいて、曲線半径R、オフセット距離D、偏向角θを含む前方情報を検出し、S2において、ACCECU3の車速検出手段3aはブレーキECU7からCANを介して車速を検出し、ACCECU3の車間距離検出手段3bは測距センサ2の検出結果に基づいて、自車両と先行車両との車間距離及び先行車両の有無を検出する。
【0036】
つづいて、S3において、LKAECU5の前方情報検出手段5aは、曲線半径Rを今回検出値Rtに更新し、前回検出値Rt−1を読み出して一時的に記憶する。なお、前回検出値とは、図2に示すフローチャートが実行される制御周期毎に検出される曲線半径Rの値において、今回の制御により検出された今回検出値に対して一制御周期前に検出された値である。
【0037】
さらに、S4において、ACCECU3の車両制御手段3dは、ACC目標車速Vtを運転者が予め設定した設定車速Vsとするための目標加減速度as1を演算し、S5において、ACCECU3の車両制御手段3dは、S2において車間距離検出手段3bが検出した車間距離を、車速検出手段3aが検出した車速で除して車間時間を演算して、この車間時間を運転者が予め設定した目標車間時間に保持するための、目標加減速度as2を演算する。なお、ACC目標車速Vtとは、ACCECU3の車両制御手段3dによる制御を行っている場合において、自車両前方の所定の目標位置において実現されるべき車速を指す。
【0038】
S6において、ACCECU3の車両制御手段3dはCANを介して、LKAECU5の操舵制御手段5bの制御が行われているかどうかを判定し、制御が行われていればS9にすすみ、行われていなければS7にすすむ。S7において、ACCECU3の車両制御手段3dはS4において演算した目標加減速度as1とS5において演算した目標加減速度as2の小さい方を選択して、最終目標加減速度asとする。
【0039】
S9において、ACCECU3の推定手段3cは、曲線半径の今回検出値Rtが前回検出値Rt−1より減少しているかどうかを判定し、減少していればS7にすすみ、減少していなければS10にすすむ。さらに,S10において、ACCECU3の推定手段3cは、先行車両の有無を判定し、先行車両有りの場合はS7にすすみ、先行車両無しの場合はS11にすすむ。
【0040】
S11において、ACCECU3の車両制御手段3dは、転舵力が制限値となる横加速度Gyと曲線半径の今回検出値Rtを用いて制限車速Vr=√(Gy×Rt)を演算し、さらにS12において、ACC目標車速Vtを制限車速Vrとするための、目標加減速度as3を演算し、S13において、ACCECU3の車両制御手段3dは、S4において演算した目標加減速度as1とS5において演算した目標加減速度as2及びS12において演算した目標加減速度as3の最も小さい値を、最終目標加減速度asとする。
【0041】
S8において、ACCECU3の車両制御手段3dは、S7又はS13において演算された最終目標加減速度asを実現するように、CANを介してエンジンECU6、ブレーキECU7及び変速機ECU8を適宜制御する。
【0042】
以上述べた制御内容により実現される本実施例1の車両制御装置1によれば、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、ACCECU3の車両制御手段3dによる制御とLKAECU5の操舵制御手段5bによる制御が同時に行われており、かつ、ACCECU3の推定手段3cが運転者の先行車両に対する追従意思を推定しない場合であることを、図2中、S6のY、S9のY、S10のNにより判定して、図2のS11〜13及びS8に示したように、車両制御手段3dが車速を転舵力が制限値となる制限車速Vr以下とする制限車速制御を行うことができる。
【0043】
このことにより、運転者の先行車両に対する追従意思が推定されない場合には、操舵制御手段5bによる転舵力を制限値以内として、運転者に自動運転をしているような錯覚を与えることを防止し、かつ、運転者の操舵意思と操舵制御手段5bの制御が相違する場合に運転者がステアリングホイールにより入力する補正のための操舵力をなるべく小さくしてフェールセーフ上の要求を満たすことができる。
【0044】
加えて、図2中S9のN又はS10のYに示すように、運転者の先行車両に対する追従意思が推定される場合には、運転者の先行車両に対する追従意思を優先させて、ACCECU3の車両制御手段3dによる制御とLKAECU5の操舵制御手段5bによる制御が同時に行われていても、車両制御手段3dが車速を転舵力が制限値となる制限車速Vr以下とする制限車速制御を行わないことにより、追従意思があるにも係わらず自車両の車速が制限すなわち減速されてしまい、運転者にACCECU3の車両制御手段3dによる制御とLKAECU5の操舵制御手段5bの制御の不連続感を与えることを防止して、運転者にとってより快適な運転フィーリングを実現することができる。
【0045】
さらに、実施例1の車両制御装置1によれば、ACCECU3の推定手段3cが、車両制御手段3dが元来用いている制御パラメータである先行車両の有無、LKAECU5の操舵制御手段5bが元来用いている前方情報である曲線半径Rを用いることにより、新たな検出手段を別途追加することなく、運転者の先行車両に対する追従意思を比較的容易に推定することができる。
【0046】
加えて、図2中S9Nに示すように、曲線半径Rの今回検出値Rtが前回検出値Rt−1より減少しない、又は、図2中S10Yに示すように、先行車両が有る場合に、ACCECU3の推定手段3cが運転者の先行車両に対する追従意思を推定することにより、自車両の前方の曲線半径Rが減少しないつまり自車両が減速する必要がない場合、又は、先行車両が有って運転者に追従走行の動機付けを与えやすい場合には、運転者が先行車両に対する追従意思を有している可能性が高いことを利用して、推定手段3cが運転者の先行車両に対する追従意思をより容易に推定することができる。
【0047】
以上述べた実施例1の車両制御装置1においては、ACCECU3の推定手段3cが、曲線半径Rと先行車両の有無により運転者の先行車両に対する追従意思を推定したが、これ以外の制御パラメータを用いることにより、追従意思を推定することももちろん可能である。以下にそれについての実施例2について述べる。
【実施例2】
【0048】
図3は、本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【0049】
車両制御装置21は、測距センサ2と、ACCECU3と、前方認識カメラ4と、LKAECU5と、EPSECU9と、エンジンECU6と、ブレーキECU7と、変速機ECU8と、EPSECU9と、カーナビゲーションECU10(Car Navigation Electronic Control Unit)とを備えて構成される。ACCECU3と、LKAECU5と、エンジンECU6と、ブレーキECU7と、変速機ECU8と、EPSECU9と、カーナビゲーションECU10とはCANにより相互に接続される。なお、実施例1に示した車両制御装置1と同一の構成要素については同一の符号を付して重複する説明は割愛する。
【0050】
カーナビゲーションECU10には、GPSアンテナ11(Global Positioning System:全地球測位システム)と、IMU12(Inertial Measurement Unit)と、受信機13と、データベース14と、ディスプレイ15が接続される。
【0051】
ここで、GPSアンテナ11は、地球上空に打ち上げられた複数の衛星の内三個の衛星からの電波を受信するものであって、IMU12は車両のヨーレートを検出するものであり、さらに、受信機13は光あるいは電波ビーコンに準拠したものであり、VICS(Vehicle Information & Communication System:道路交通情報システム)からの渋滞情報及び交通流代表車速を含む道路情報を受信する。なお、交通流代表車速とは、所定区間内に位置する複数の車両の車速を平均して求められる車速である。加えて、データベース14はCD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体により構成され、表示用の地図情報と、探索用の地図情報を格納し記憶している。
【0052】
また、ディスプレイ15は、タッチパネルすなわち運転者が目的地等の探索条件を入力する入力装置として機能するとともに、運転者により入力された目的地等の探索条件をもとにカーナビゲーションECU10の探索手段10aが探索用の地図情報に基づいて探索した予定経路を、カーナビゲーションECU10の表示手段10bの指令に基づき表示用の地図情報とともに表示するものである。
【0053】
カーナビゲーションECU10は、例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを相互に接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、以下に述べるそれぞれの制御を行う探索手段10a、表示手段10bとして機能するものである。
【0054】
カーナビゲーションECU10の探索手段10aは、GPSアンテナ11の受信した電波をもとに、例えば三角測量の原理で車両の位置する現在位置つまりは経度と緯度を測定する。なお、経度と緯度に加え高度も測定する場合には四個の衛星を用いる。加えて、カーナビゲーションECU10の探索手段10aはブレーキECU7から自車両の車速を、CANを介して取得している。
【0055】
加えて、カーナビゲーションECU10の探索手段10aは、GPSアンテナ11が衛星から電波を受信できない場合においては、ブレーキECU7から取得した自車両の車速とIMU12が検出したヨーレート、EPSECU9から取得した操舵角をもとにして、自車両の移動距離と方向を計算して自車両の現在位置を自律航法により測定する。これにより、GPSアンテナ11を用いた自車両の現在位置の測定と併せて、トータルの自車両の位置する現在位置の測定の精度を高めている。
【0056】
すなわち、上述したGPSアンテナ11を用いたカーナビゲーションECU10の探索手段10aによる自車両の位置する現在位置の測定は、衛星からの電波を利用する特性上、高層ビルの谷間に自車両が位置する場合やトンネル内を車両が走行している場合、あるいは、高架橋の下を自車両が走行している場合などでは衛星からの電波をGPSアンテナ11が受信できないため、自車両の現在位置が測定できないという問題が生じるが、後者の自律航法による測定により、この問題を解消している。
【0057】
カーナビゲーションECU10の探索手段10aは、このようにして測定した現在位置と、タッチパネルすなわちディスプレイ15により運転者が入力した目的地とを結ぶ予定経路を、データベース14内の探索用の地図情報を用いてダイクストラ法等の手法により探索する。さらにカーナビゲーションECU10の探索手段10aは、VICSが受信した道路情報から、予定経路上前方の交通流代表車速Vaを取得する。
【0058】
そして、カーナビゲーションECU10の表示手段10bは、データベース14内の表示用の地図情報と、上述した方法により測定した自車両の位置する現在位置と、タッチパネルすなわちディスプレイ15により入力された目的地と、探索手段10aにより探索された現在位置から目的地に到る予定経路とを併せてディスプレイ15に表示する。
【0059】
ACCECU3の推定手段3cは、カーナビゲーションECU10の探索手段10aからCANを介して予定経路上前方の交通流代表車速Vaを取得し、運転者が設定した設定車速Vsが交通流代表車速Vaよりも大きい場合に、運転者の先行車両に対する追従意思を推定する。
【0060】
さらに、ACCECU3の車両制御手段3dは、車両制御手段3dによる制御と操舵制御手段5bによる制御が同時に行われており、かつ、推定手段3cが運転者の先行車両に対する追従意思を推定しない場合に、車速を転舵力が制限値となる制限車速Vr以下とする制限車速制御を行う。制限車速Vrについての定義は実施例1に示したものと同様である。
【0061】
以下、本実施例2の車両制御装置21の制御内容を、フローチャートを用いて説明する。図4は、本発明による車両制御装置21の制御内容を示すフローチャートである。
【0062】
S21において、LKAECU5の前方情報検出手段5aは、前方認識カメラ4の検出結果に基づいて、曲線半径R、オフセット距離D、偏向角θを含む前方情報を検出し、カーナビゲーションECU10の探索手段10aからCANを介して、予定経路上前方の交通流代表車速Vaを含む前方情報を検出し、S22において、ACCECU3の車速検出手段3aはブレーキECU7からCANを介して車速を検出し、ACCECU3の車間距離検出手段3bは測距センサ2の検出結果に基づいて、自車両と先行車両との車間距離及び先行車両の有無を検出する。
【0063】
つづいて、S23において、LKAECU5の前方情報検出手段5aは、曲線半径Rを今回検出値Rtに更新する。さらに、S24において、ACCECU3の車両制御手段3dは、ACC目標車速Vtを運転者が予め設定した設定車速Vsとするための目標加減速度as1を演算し、S25において、ACCECU3の車両制御手段3dは、S22において車間距離検出手段3bが検出した車間距離を、車速検出手段3aが検出した車速で除して車間時間を演算して、この車間時間を運転者が予め設定した目標車間時間に保持するための、目標加減速度as2を演算する。
【0064】
S26において、ACCECU3の車両制御手段3dはCANを介して、LKAECU5の操舵制御手段5bの制御が行われているかどうかを判定し、制御が行われていればS29にすすみ、行われていなければS27にすすむ。S27において、ACCECU3の車両制御手段3dはS24において演算した目標加減速度as1とS25において演算した目標加減速度as2の小さい方を選択して、最終目標加減速度asとする。
【0065】
S29において、ACCECU3の推定手段3cは、設定車速Vsが予定経路上前方の交通流代表車速Vaより大きいかどうかを判定し、肯定であればS27にすすみ、否定であればS30にすすむ。
【0066】
S30において、ACCECU3の車両制御手段3dは、転舵力が制限値となる横加速度Gyと曲線半径の今回検出値Rtを用いて制限車速Vr=√(Gy×Rt)を演算し、さらにS31において、ACC目標車速Vtを制限車速Vrとするための、目標加減速度as3を演算し、S32において、ACCECU3の車両制御手段3dは、S24において演算した目標加減速度as1とS25において演算した目標加減速度as2及びS31において演算した目標加減速度as3の最も小さい値を、最終目標加減速度asとする。
【0067】
S28において、ACCECU3の車両制御手段3dは、S27又はS32において演算された最終目標加減速度asを実現するように、CANを介してエンジンECU6、ブレーキECU7及び変速機ECU8を適宜制御する。
【0068】
以上述べた制御内容により実現される本実施例2の車両制御装置21によっても、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、ACCECU3の車両制御手段3dによる制御とLKAECU5の操舵制御手段5bによる制御が同時に行われており、かつ、ACCECU3の推定手段3cが運転者の先行車両に対する追従意思を推定しない場合であることを、図4中、S26のY、S29のNにおいて判定して、図4のS30〜32及びS28に示したように、車両制御手段3dが車速を転舵力が制限値となる制限車速Vr以下とする制限車速制御を行うことができる。
【0069】
このことにより、運転者の先行車両に対する追従意思が推定されない場合には、操舵制御手段5bによる転舵力を制限値以内として、運転者に自動運転をしているような錯覚を与えることを防止し、かつ、運転者の操舵意思と操舵制御手段5bの制御が相違する場合に運転者がステアリングホイールにより入力する補正のための操舵力をなるべく小さくしてフェールセーフ上の要求を満たすことができる。
【0070】
加えて、運転者の先行車両に対する追従意思が推定される場合には、図4中S29のYに示すように、運転者の先行車両に対する追従意思を優先させて、ACCECU3の車両制御手段3dによる制御とLKAECU5の操舵制御手段5bによる制御が同時に行われていても、車両制御手段3dが車速を転舵力が制限値となる制限車速Vr以下とする制限車速制御を行わないことにより、追従意思があるにも係わらず自車両の車速が制限されて減速されてしまい、運転者にACCECU3の車両制御手段3dによる制御とLKAECU5の操舵制御手段5bの制御の不連続感を与えることを防止して、運転者にとってより快適な運転フィーリングを実現することができる。
【0071】
さらに、自車両の前方の交通流平均車速Vaが設定車速Vsより大きく運転者が先行車両に対して追従する動機付けとなりやすい場合には、運転者が先行車両に対する追従意思を有している可能性が高いことを利用して、ACCECU3の推定手段3cが、運転者の先行車両に対する追従意思を推定することができる。
【0072】
逆に言えば、自車両の前方の交通流平均車速Vaが設定車速Vsより大きい場合においては、仮に車速を設定車速Vsとするように車両制御手段3dが車両を制御しても、予定経路上前方においていずれ減速することは回避できないため、その場合においては、LKAECU5の操舵制御手段5bの制御において転舵力を制限値以内として、LKAECU5の操舵制御手段5bの制御に基づいて、運転者の操舵力の追加を伴わずに車線を維持することを優先することができる。
【0073】
以上述べた実施例2の車両制御装置21においては、ACCECU3の推定手段3cが、カーナビゲーションECU10から取得した予定経路上前方の交通流代表車速Vaにより運転者の先行車両に対する追従意思を推定したが、これ以外の制御パラメータを用いることももちろん可能である。以下にそれについての実施例3について述べる。
【実施例3】
【0074】
図5は、本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【0075】
車両制御装置31は、測距センサ2と、ACCECU3と、前方認識カメラ4と、LKAECU5と、EPSECU9と、エンジンECU6と、ブレーキECU7と、変速機ECU8と、EPSECU9と、車内カメラ16とを備えて構成される。ACCECU3と、LKAECU5と、エンジンECU6と、ブレーキECU7と、変速機ECU8と、EPSECU9はCAN(Controller Area Network)等の通信規格により相互に接続される。なお、実施例1に示した車両制御装置1と同一の構成要素については同一の符号を付して重複する説明は割愛する。
【0076】
車内カメラ16は例えば、例えばCCDカメラあるいはCMOSカメラであり、例えば自車両室内のウインドシールド中央上部に、運転者の眼球近傍に光軸が合致するように配設されて、運転者の顔を含むように撮像して撮像画像データをACCECU3に出力するものである。
【0077】
ACCECU3は実施例に示した構成に加えて、視線検出手段3eを備えており、この視線検出手段3eは、車内カメラ16により撮像された画像データに基づいて、例えばエッジ検出やパターンマッチング等の所定の画像処理に基づいて、運転者の視線方向を検出する。
【0078】
ACCECU3の推定手段3cは、視線検出手段3eが検出した視線が先行車両に指向している場合に、運転者の先行車両に対する追従意思を推定する。さらに、ACCECU3の車両制御手段3dは、車両制御手段3dによる制御と操舵制御手段5bによる制御が同時に行われており、かつ、推定手段3cが運転者の先行車両に対する追従意思を推定しない場合に、車速を転舵力が制限値となる制限車速Vr以下とする制限車速制御を行う。制限車速Vrについての定義は実施例1に示したものと同様である。
【0079】
以下、本実施例3の車両制御装置31の制御内容を、フローチャートを用いて説明する。図6は、本発明による車両制御装置31の制御内容を示すフローチャートである。
【0080】
S41において、LKAECU5の前方情報検出手段5aは、前方認識カメラ4の検出結果に基づいて、曲線半径R、オフセット距離D、偏向角θを含む前方情報を検出し、S42において、ACCECU3の車速検出手段3aはブレーキECU7からCANを介して車速を検出し、ACCECU3の車間距離検出手段3bは測距センサ2の検出結果に基づいて、自車両と先行車両との車間距離及び先行車両の有無を検出する。さらに、S43において、LKAECU5の視線検出手段3eは、車内カメラ16の撮像した画像データに基づいて、運転者の視線を検出する。
【0081】
つづいて、S44において、LKAECU5の前方情報検出手段5aは、曲線半径Rを今回検出値Rtに更新する。さらに、S45において、ACCECU3の車両制御手段3dは、ACC目標車速Vtを運転者が予め設定した設定車速Vsとするための目標加減速度as1を演算し、S46において、ACCECU3の車両制御手段3dは、ACCECU3の車両制御手段3dは、S42において車間距離検出手段3bが検出した車間距離を、車速検出手段3aが検出した車速で除して車間時間を演算して、この車間時間を運転者が予め設定した目標車間時間に保持するための、目標加減速度as2を演算する。
【0082】
S47において、ACCECU3の車両制御手段3dはCANを介して、LKAECU5の操舵制御手段5bの制御が行われているかどうかを判定し、制御が行われていればS50にすすみ、行われていなければS48にすすむ。S48において、ACCECU3の車両制御手段3dはS45において演算した目標加減速度as1とS46において演算した目標加減速度as2の小さい方を選択して、最終目標加減速度asとする。
【0083】
S50において、ACCECU3の推定手段3cは、視線検出手段3eが検出した視線が先行車両に指向しているかどうかを判定し、肯定であればS48にすすみ、否定であればS51にすすむ。
【0084】
S51において、ACCECU3の車両制御手段3dは、転舵力が制限値となる横加速度Gyと曲線半径の今回検出値Rtを用いて制限車速Vr=√(Gy×Rt)を演算し、さらにS52において、ACC目標車速Vtを制限車速Vrとするための、目標加減速度as3を演算し、S53において、ACCECU3の車両制御手段3dは、S45において演算した目標加減速度as1とS46において演算した目標加減速度as2及びS31において演算した目標加減速度as3の最も小さい値を、最終目標加減速度asとする。
【0085】
S49において、ACCECU3の車両制御手段3dは、S48又はS53において演算された最終目標加減速度asを実現するように、CANを介してエンジンECU6、ブレーキECU7及び変速機ECU8を適宜制御する。
【0086】
以上述べた制御内容により実現される本実施例3の車両制御装置31によっても、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、ACCECU3の車両制御手段3dによる制御とLKAECU5の操舵制御手段5bによる制御が同時に行われており、かつ、ACCECU3の推定手段3cが運転者の先行車両に対する追従意思を推定しない場合であることを、図6中、S47のY、S50のNにおいて判定して、図6のS51〜53及びS49に示したように、車両制御手段3dが車速を転舵力が制限値となる制限車速Vr以下とする制限車速制御を行うことができる。
【0087】
このことにより、運転者の先行車両に対する追従意思が推定されない場合には、操舵制御手段5bによる転舵力を制限値以内として、運転者に自動運転しているような錯覚を与えることを防止し、かつ、運転者の操舵意思と操舵制御手段5bの制御が相違する場合に運転者がステアリングホイールにより入力する補正のための操舵力をなるべく小さくしてフェールセーフ上の要求を満たすことができる。
【0088】
加えて、運転者の先行車両に対する追従意思が推定手段3cにより推定される場合には、運転者の追従意思を優先させて、車両制御手段3dによる制御と操舵制御手段5bによる制御が同時に行われていても、車両制御手段3dが車速を転舵力が制限値となる制限車速Vr以下とする制限車速制御を行わないことにより、運転者の先行車両に対する追従意思に係わらずに自車両の車速が制限されてしまうことに伴って、運転者に車両制御手段3dによる制御と操舵制御手段5bの制御の不連続感を与えてしまうことを防止して、運転者にとってより快適な運転フィーリングを実現することができる。
【0089】
加えて、本実施例3の車両制御装置31によれば、車内カメラ16及びACCECU3の視線検出手段3eを新たに追加する必要は生じるものの、運転者の視線が先行車両に指向している場合には、運転者が先行車両に対する追従意思を有している可能性が高いことを利用して、運転者の先行車両に対する追従意思をより効率的かつ正確に推定することができる。
【0090】
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
【0091】
例えば、上述した実施例1〜3に示したもの以外でも、運転者の先行車両に対する追従意思を推定しうる制御パラメータが存在する場合には、それを適宜検出して追従意思を推定する手段を追加して、上述したものと同様に、追従意思が推定される場合にはACCECU3の車両制御手段3dによる制御を優先させる制御を実施することは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、車両制御装置に関するものであり、より快適な運転フィーリングを実現することができる車両制御装置を提供することができるので、乗用車、トラック、バス等の様々な車両に適用して有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る車両制御装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る車両制御装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る車両制御装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
1 車両制御装置
2 測距センサ
3 ACCECU
3a 車速検出手段
3b 車間距離検出手段
3c 推定手段
3d 車両制御手段3d
4 前方認識カメラ
5 LKAECU
5a 前方情報検出手段
5b 操舵制御手段
7 ブレーキECU
8 変速機ECU
9 EPSECU
21 車両制御装置
10 カーナビゲーションECU
10a 探索手段
10b 表示手段
11 GPSアンテナ
12 IMU
13 受信機
14 データベース
15 ディスプレイ
31 車両制御装置
16 車内カメラ
3e 視線検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の車速を検出する車速検出手段と、前記自車両と先行車両との車間距離及び前記先行車両の有無を検出する車間距離検出手段と、前記車速を設定車速に制御する及び前記車間距離を前記車速で除して算出された車間時間を設定車間時間に制御する車両制御手段と、前方情報を取得する前方情報取得手段と、前記前方情報に基づいて自車両を車線内に維持するように操舵装置の転舵力を制御する操舵制御手段と、運転者の前記先行車両に対する追従意思を推定する推定手段を備え、前記車両制御手段による制御と前記操舵制御手段による制御が同時に行われており、かつ、前記推定手段が前記追従意思を推定しない場合に、前記車両制御手段が前記車速を前記転舵力が制限値となる制限車速以下とする制限車速制御を行うことを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
前記推定手段が、前記前方情報と前記先行車両の有無又は前記設定車速に基づき運転者の前記先行車両に対する追従意思を推定することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記前方情報が前記自車両の前方の曲線半径を含み、前記曲線半径が減少しない、又は、前記先行車両が有る場合に、前記推定手段が前記追従意思を推定することを特徴とする請求項2に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記前方情報が前記自車両の前方の交通流平均車速を含み、当該交通流平均車速が前記設定車速より大きい場合に、前記推定手段が前記追従意思を推定することを特徴とする請求項2に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記運転者の視線を検出する視線検出手段を備えるとともに、前記推定手段が、当該視線が前記先行車両に指向している場合に、運転者の前記先行車両に対する追従意思を推定することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−166722(P2009−166722A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8176(P2008−8176)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】