説明

一体型レーザ/赤外線前方監視光学装置

【課題】FLIR/レーザーに基づく目標化および撮像システムにおいて、IRのLOSとレーザーのLOSとの固定された整合誤差およびダイナミック整合誤差を低減することにより、当該エリア内の目標を認識する能力を大幅に改善する。
【解決手段】IRのLOSとレーザーのLOSの間の固定された整合誤差は、改善された内部ボアサイトモジュール(図10)および対応するボアサイト方法により低減される。ダイナミック整合誤差はレーザーエネルギーおよびIRエネルギーの双方に対する単一ピッチ(405)ベアリングおよび共通ピッチ/ヨーアフォーカル(401)を使用する光電気サブシステムによって低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
本発明は一体型赤外線前方監視装置/レーザセンサーに関する。特に、本発明は中間波赤外線前方監視装置(FLIR)サブシステムと、レーザレンジ受信機(レーザ距離受信機:LRR)およびレーザスポットトラッカー(レーザ・スポット追跡機:LST)を含む、レーザサブシステムとを組み合わせたターゲッティングおよびイメージングシステムに関する。
【0002】
FLIRシステムは関心のある(特定)エリア(AOI)からの赤外(IR)放出に基づいて画像を発生する赤外(IR)検出器アレイを利用している。例えば、軍事応用ではAOIは戦車、トラック、および/もしくは他の軍事車両や軍事ハードウェア等の標的を含むことがある。これらの標的は熱を放出するため、典型的には周囲の環境よりも暖かい。したがって、それらはFLIRシステムにより発生されるIR画像内で識別することができる。
【0003】
FLIRシステムと共にレーザを使用することは、従来技術で良く知られている。例えば、レーザを使用してFLIR画像内に見られる特定の標的を指示することができる。従来の一つのFLIR/レーザシステムでは、FLIR画像内に見られる標的の両端間でレーザエネルギが掃引されて標的の3次元画像を発生するのに使用される。次に、3次元画像は標的の認識および/もしくは分類に使用することができる(米国特許第5,345,304号)。別の従来のFLIR/レーザシステムでは、FLIR/レーザシステムのホストプラットホームから標的までの距離を求めるのにレーザが使用されている(米国特許第4,771,437号)。さらに別の従来のFLIR/レーザシステムでは、標的の相対位置および速度を求めるのにレーザが使用されている(米国特許第4,574,191号)。さらに、レーザ誘導軍需品をFLIR画像内に見られる所望の標的へ向けるためにレーザが使用されている。
【0004】
前記した従来の各FLIR/レーザシステムにおいて、標的を正確に認識し、検出し、標定しかつ/もしくは追跡するFLIR/レーザシステムの能力はFLIRとレーザ間の正確なアライメントを維持するシステムの能力によって決まる。FLIRの視線(見通し線:LOS)とレーザのLOS間の任意固定のミスアライメントによりレーザの溢れが生じる。図1に示すように、レーザの溢れは標的105を逸し背景から反射される予定外のレーザエネルギ量110として定義される。レーザの溢れにより図2にRerrとして示す測距エラーを生じることがある。次に、誤った距離情報により、より不正確な武器誘導データだけでなく、より不正確な標的認識、検出、標定および速度情報が生じてしまう。
【0005】
ボアサイティング(照準合わせ)は所与のシステムのLOSアライメント(位置合わせ)過程に関する従来技術の一般的な用語である。低高度夜間地形追従赤外線ナビゲーション(LANTIRN)システム等の従来の設計では、FLIR LOSとレーザLOS間の固定アライメントエラーを最小限に抑えるためにボアサイティング過程が利用されている。典型的にボアサイティング過程には典型的に、例えば、FLIR LOSとレーザLOSの光学的および/もしくは機械的リアライメント(再アライメント)が伴う。さらに、ボアサイティング過程は手動としたり自動としたりすることができる。前記したように、ボアサイティング過程は一般的に従来技術でよく知られている。
【0006】
残念ながら、例えば、FLIR LOSとレーザLOS間のアライメントエラーは必ずしも固定エラーではない。軍事応用では、典型的にFLIR/レーザベースシステムは戦術航空機(例えば、F−15もしくはF−16)等の移動プラットホーム上に設置される。これらのプラットホームによりFLIR/レーザベースシステムは大きな機械力および振動を受ける。これらの力および振動はFLIR LOSおよびレーザLOSを支配する光学部品に直接作用する。さらに、ピッチ軸周りのFLIR LOSおよびレーザLOSの変位はシステム性能(例えば、標的を正確に認識、検出、標定および/もしくは追跡する能力)に最も有害な影響を及ぼすように見える。
【0007】
図3に示すように、LANTIRN等の従来の設計では、別々のFLIRアパーチャー215およびレーザアパーチャー2220だけでなく、別々のFLIRオプティクス(光)ピッチベアリング205およびレーザオプティクスピッチベアリング210が利用されている。したがって、FLIR/レーザベースシステムに作用する前記した機械力および振動により、FLIR LOSおよびレーザLOSは互いに独立にピッチ軸周りに傾斜して、任意の既存のアライメントエラーの他に、LOSジッターおよびダイナミック(すなわち、連続的に変化する)FLIR LOS対レーザLOSアライメントエラーが生じる。前記したボアサイティング過程を使用して固定アライメントエラーを修正することはできるが、一般的にダイナミックアライメントエラーの修正には有効ではない。
【0008】
LOSアライメントエラーに著しく寄与することがある、LANTIRN等の従来技術のシステムに関連するもう一つの問題点はFLIR画像がロール軸周りをジンバルピッチ角の関数として回転するという事実である。この変わった性質を補償するために、LANTIRN等の従来の設計ではFLIR検出器アセンブリ全体が逆回転される。しかしながら、FLIR検出器アセンブリは比較的大きく、急速に変化するジンバルピッチ角に逆らうように大きな質量を回転させることには多くの欠点がある。第1の主要な欠点として、高速ピッチ回転を補償するのに十分な応答時間で大きな質量を逆回転させることは非常に困難である。高速ピッチ回転を補償できないために、FLIR LOS対レーザLOSアライメントエラーが付加されることがある。第2の欠点として、FLIR検出器アレイ素子に接続するワイヤは回転するインターフェイスを貫通しなければならない。インターフェイスおよびそれを貫通するワイヤを回転させることは、システムの信頼性に著しいインパクトを与える。
【0009】
(要約)
本発明は高分解能、ジンバル中間波FLIR/レーザベースシステムであり、固定アライメントエラーおよびダイナミックアライメントエラーを含むFLIR LOS対レーザLOSアライメントエラーを最小限に抑えて、より正確な標的認識、検出、標定および/もしくは追跡情報を提供するように設計された電子光学サブシステムを含んでいる。軍事武器発射システムと共に使用すると、それらの性能強化により敵国の環境内のより長い(より安全な)離隔した距離においてその武器を放つことができるホストプラットホームの生存可能性が高くなる。
【0010】
さらに、本発明は電子光学システムの有効性を支援しさらに強化する他のいくつかのサブシステムおよびサブシステム能力を含んでいる。例えば、本発明には“デッド”検出器セル置換機能、シーンベースパターン除去機能、2次元鮮鋭化フィルタ、ダイナミックレンジ制御機能、およびユニークなサブピクセルディザリング過程を利用した2X画像強調機能を含む、いくつかの重要な新しい処理および予処理機能を提供する一つの処理サブシステムが含まれている。
【0011】
本発明には、さらに、新しい故障分離サブシステムが含まれている。故障分離サブシステムはさまざまなサーボシステムの増幅器部から生じる故障状態とサーボシステムのサーボモータ部から生じる故障状態とを識別することができる。したがって、保守要員はサーボシステムの欠陥部を除去して置換するだけでよく、サーボシステム全体を除去して置換する必要がない。
【0012】
最後に、本発明は新しい電磁波障害(EMI)格子を含んでいる。この格子により望ましくないエネルギがシステム内へ入って電気信号と干渉することがより完全に防止される。また、システムにより発生される望ましくないエネルギが放射して他の近接システムの動作と干渉することも格子により防止される。
【0013】
高分解能、FLIR/レーザベースターゲッティングおよびイメージングシステムを提供することが本発明の目的である。
【0014】
FLIR LOSとレーザLOS間のアライメントエラーを最小限に抑える高分解能、FLIR/レーザベースシステムを提供することが本発明のもう一つの目的である。
【0015】
単一ピッチベアリングとFLIRオプティクスおよびレーザオプティクス用の共通アパーチャーを設けることにより、FLIR LOSおよびレーザLOSジッターにより生じるアライメントエラーを最小限に抑えることが本発明のさらにもう一つの目的である。
【0016】
ピッチ/ヨージンバルがピッチ軸周りに回転する時にFLIR画像のロール軸周りの回転により生じるアライメントエラーを、FLIR検出器アセンブリではなくデロール(逆回転)プリズムオプティクスを逆回転させることにより最小限に抑えることが本発明のさらにもう一つの目的である。
【0017】
システムアパーチャーへ入るIRエネルギからの望ましくない電磁エネルギを濾波することが本発明のもう一つの目的である。
【0018】
FLIR画像の品質をさらに高めるいくつかの信号処理機能を提供することが本発明のさらにもう一つの目的である。
【0019】
最後に、故障状態を正確に分離して、適切に機能するはずのハードウェアの除去および置換することを制限する故障検出過程を提供することが本発明の目的である。
【0020】
本発明の前記した目的およびその他の目的は関心のあるエリア(AOI)から赤外(IR)エネルギを受けて、AOIのIR画像を発生する赤外線前方監視(FLIR)光学サブシステムを含むターゲッティングおよびイメージングシステムにより達成される。このシステムにはAOI内の少なくとも一つの物体を照射するレーザエネルギを発生し、少なくとも一つの物体により反射されるレーザエネルギを受けるレーザ光サブシステムも含まれている。さらに、レーザ光サブシステムおよびFLIR光サブシステムは共通ピッチベアリングを共有している。
【0021】
本発明の前記した目的およびその他の目的は、また、関心のあるエリア(AOI)からの赤外(IR)エネルギを受ける赤外線前方監視(FLIR)光学系、およびAOIから受けたIRエネルギによりIR画像を発生するFLIR光イメージャーを含むターゲッティングおよびイメージングシステムにより達成される。FLIR光イメージャーはFLIR光学系からのIRエネルギを受けるように配置されている。また、このシステムにはレーザ送信機、レーザ受信機、およびレーザ送信機からのレーザエネルギをAOI内に位置する所望の標的へ向け、AOI内の所望の標的から戻るレーザエネルギをレーザ受信機へ向けるレーザオプティクスも含まれている。さらに、個別にピッチ回転を受ける全ての光学素子がFLIR光学系およびレーザオプティクスにより共有されるように、FLIR光学系およびレーザオプティクスは共通ピッチベアリングを共有している。
【0022】
本発明の前記した目的およびその他の目的は、また、赤外(IR)視線(LOS)を所望の関心のあるエリア(AOI)へ向けて操縦し、AOIからのIRエネルギを受け、IRエネルギを集束させて、AOIの光画像を発生する赤外線前方監視(FLIR)オプティクスを含むターゲッティングおよびイメージングシステムにより達成される。このシステムにはレーザ送信機、レーザレンジ受信機(LRR)、レーザスポットトラッカー(LST)、および送信レーザエネルギがAOIの少なくとも一部を照射するようにレーザLOSを操縦し、レーザエネルギを受け、受信レーザエネルギをLRRおよびLST内へ向けるレーザオプティクスも含まれている。さらに、FLIRオプティクス手段およびレーザオプティクス手段は1個のピッチベアリングを共有し、IRエネルギおよびレーザエネルギは共通アパーチャーを通過する。
【0023】
本発明の前記した目的およびその他の目的は、また、IR LOSおよびレーザLOSを調整して、IR LOSとレーザLOS間のLOSアライメントエラーを最小限に抑えるLOS修正手段を含むターゲッティングおよびイメージングシステムにより達成される。
【0024】
本発明の前記した目的およびその他の目的は、また、サーボモータおよび増幅器を含むサーボシステム内の電気的故障を分離する故障分離手段を含むターゲッティングおよびイメージングシステムにより達成される。
【0025】
本発明の前記した目的およびその他の目的は、また、ボアサイトサブシステムを含むターゲッティングおよびイメージングシステムにより達成される。
【0026】
本発明の前記した目的およびその他の目的は、また、信号処理サブシステムを含むターゲッティングおよびイメージングシステムにより達成される。
【0027】
本発明の前記した目的およびその他の目的は、また、IRおよびレーザエネルギが通過する窓を含むハウジング内に収容されるターゲッティングおよびイメージングシステムにより達成される。
【0028】
(詳細な説明)
本発明は光電気サブシステム、EMI格子、故障分離サブシステム、および信号処理サブシステムを含むターゲッティングおよびイメージングシステムに関する。光電気サブシステムは高分解能、ジンバル、中間波(3−5ミクロン)もしくは長波(8−12ミクロンサブシステム)FLIR;照準および標的指定のためのレーザレンジ受信機(LRR);および断定的な標的識別のためのレーザスポットトラッカー(LOS)を含んでいる。FLIRサブシステムは2X強調モードおよび4Xおよび8X電子ズームモードを有する1.2°FOVおよび3.8°FOVを含む2つの光学的視野(FOV)も提供する。本発明の他の重要な特徴として、FLIR LOSおよびレーザLOS間のダイナミックアライメントエラーを最小限に抑えるための光学素子の共通性、微分曲げを最小限に抑えボアサイト保存を最大限とするための分離された光学ベッド、およびFLIR LOSとレーザLOS間の固定アライメントエラーを最小限に抑える内部ボアサイトサブシステムが含まれる。
【0029】
“オプティク”および“光学的”という用語は典型的に視野や視界に関連している。しかしながら、以後“オプティク”および“光学的”という用語は電磁放射一般、および/もしくは目には見えないがこのような電磁放射(すなわち、IRエネルギおよびレーザエネルギ)に感応する装置により広く関連している。
【0030】
さらに、FLIRもしくはIR画像、光画像およびデジタル画像という用語が後に出てくる。IR画像という用語はFLIRオプティクスにより発生されるIRエネルギパターンに関連している。光画像という用語は一緒にIR画像の電子的表現を与えるアナログ電子信号アレイに関連している。アナログ電子信号はIR画像のIRエネルギパターンに応答するIR検出器素子アレイにより発生される。デジタル画像という用語は、ピクセル値としても知られる、デジタル値アレイに関連している。ピクセル値アレイは一緒に光画像のデジタル表現を提供し、各ピクセル値には光画像内の対応するアナログ信号値が関連している。当業者ならば、光画像およびデジタル画像は可視像ではなく、それぞれアナログおよびデジタル値のアレイであることが容易にお判りであろう。また、当業者ならば、適切なディスプレイハードウェアにより光およびデジタル画像から可視像を作り出せることも容易にお判りであろう。
【0031】
光電気サブシステム
図4に示すように、本発明の好ましい実施例では、IRエネルギはセグメント化された標的取得窓(図示せず)へ入り、共通ピッチ/ヨウジンバルアフォーカル401により集められる。共通ピッチ/ヨージンバルアフォーカル401、すなわち共通アパーチャー、はレーザエネルギだけでなくIRエネルギも同じアパーチャーを使用して送受信されるために“共通”と言われる。共通アパーチャー401は実際上は、図5Aに示すように、1個の正レンズ401aおよび2個の負レンズ401b,401cを含む1組のレンズである。この1組のレンズによりIRエネルギとレーザエネルギの両方に対して屈折率が等化されて、1個のアパーチャーをレーザエネルギとIRエネルギの両方に利用できるようになる。レーザエネルギとIRエネルギの両方に対して1個のアパーチャーを有することにより、FLIR LOSとレーザLOS間の固定およびダイナミックアライメントエラーの両方が著しく低減される。
【0032】
共通アパーチャー401によりシステムへ入る時のIRエネルギビームは直径が減少されて回転ミラー403へ向けられる。次に、回転ミラー403はIRエネルギビームを下向きにピッチ軸中心線405へ向ける。次に、回転ミラー403はレーザエネルギおよびIRエネルギを再びシステム縦軸に平行な向きとし、そこでFLIRリレー/FOVアセンブリ407内に配置されたダイクロイックD1に衝突する。ダイクロイックD1はスペクトル内容に基づいて入射エネルギを分離する。ダイクロイックD1は〜2.7ミクロンよりも大きい波長を有するエネルギ(例えば、IRエネルギ)を伝搬させ〜2.0ミクロンよりも短い波長を有するエネルギ(例えば、レーザエネルギ)を反射させることによりそれを行う。
【0033】
FLIRリレー/FOVアセンブリ407は数個の固定レンズ411a,411bおよび数個の可動レンズ412a,412bを含んでいる。後述するように、これらのレンズはFLIRリレー/FOVアセンブリ407がそれぞれ狭いFOV(NFOV)モードであるか広いFOV(WFOV)モードであるかによってIRビーム径を減少もしくは増加するようにIRエネルギに作用する。次に、IRエネルギはダイクロイックD1と同様にIRエネルギを伝搬させるダイクロイックD2へ通される。
【0034】
次に、IRエネルギはデロールアセンブリ413に衝突する。デロールアセンブリ413はデロールプリズム414およびそれを回転させるサーボモータ(図示せず)を含んでいる。デロールプリズム414はIRビームを奇数回、例えば、3回内部反射させてIRエネルギを入射方向と同じ方向でデロールプリズム414から出射させる。デロールプリズム414がIR光線により規定される軸周りをサーボモータにより回転されると、2:1の比率でFLIR画像を逆回転させる効果があり(例えば、デロールプリズム414の+22.5°の回転によりIR画像は−45°回転する)、前記したようにピッチ角の変化により生じるFLIR画像の回転に対抗する。それは二重効果と呼ばれる。デロールプリズム414については後述する。
【0035】
次に、FSMアセンブリ416内に含まれる高速操縦ミラー(FSM)415がIRエネルギビームを反射して、FLIRイメージャー/フォーカスアセンブリ417内に配置されたダイクロイックD3を通す。FSM415は優れたLOS安定化およびジンバル走査およびグランドラッシュ光フローに関連する動作誘発画像ぶれを除去するのに使用される。FSM415についても後述する。
【0036】
FLIRイメージャー/フォーカスアセンブリ417は線形ベアリングに沿って並進して温度および高度の変動による焦点変動を補償するイメージャーアフォーカル419を含んでいる。したがって、イメージャーアフォーカル419はある範囲の温度および高度にわたってIRエネルギの焦点を調整することができる。
【0037】
FLIRイメージャー/フォーカスアセンブリ417はFLIR検出器/クーラアセンブリ427に接続されている。FLIRの検出およびイメージングを容易にするために、レンズ425a,425bを含むレンズセットはFLIRイメージャー/フォーカスアセンブリ、FLIR検出器/クーラアセンブリインターフェイスを通過する時にIRエネルギをコリメートする。IRエネルギをコリメートすることにより、IR画像はFLIRイメージャー/フォーカスアセンブリ417とFLIR検出器/クーラアセンブリ427間の小さなアライメントエラーに対して遥かに鈍感となる。
【0038】
前記したように、FLIRリレー/FOVアセンブリ407は関心のあるエリアに対するNFOVおよびWFOVの両方を提供する。図5Aに示すように、NFOVモードでは、FLIRリレー/FOVアセンブリ407は第1のレンズセット501および第2のレンズセット502を利用する。第1のレンズセット501および第2のレンズセット502は図4の単レンズ411aおよび411bであることをお判り願いたい。第1のレンズセット501および第2のレンズセット502は共にアクロマティックダブレット(すなわち、正負のレンズ対)を表し、共にIR光路に対して固定されている。個別に、第1のレンズセット501はIRエネルギを集束させ、第2のレンズセット502はIRエネルギを再コリメートする。第1のレンズセット501および第2のレンズセット502は共に最大アフォーカル倍率、したがって、最小FOVを与える。NFOVモードでは、FLIRリレー/FOVアセンブリ407内には移動する光学素子はないことをお判り願いたい。移動する光学素子はアライメントエラーを生じる可能性が高く、NFOVモードではボアサイト保存および無欠性が最も重要である。
【0039】
図5Bに示すように、WFOVモードでは、FLIRリレー/FOVアセンブリ407は単レンズ412aおよび第3のレンズセット504だけでなく、前記したように、第1のレンズセット501および第2のレンズセット502を利用する。ここでも、第3のレンズセット504は図4には単レンズ412bとして示されている。第1のレンズセット501および第2のレンズセット502とは異なり、単レンズ412aおよび第3のレンズセット504はFLIR光路に対して固定されていない。FLIRリレー/FOVアセンブリ407がWFOVモードへ遷移する時にそれらは回転してFLIR光路へ入り、FLIRリレー/FOVアセンブリ407がNFOVモードへ戻る時にFLIR光路から外れる。単レンズ412aおよび第3のレンズセット504はWFOVスイッチ(図示せず)によりFLIR光路へ出入りするように回転される。単レンズ412aおよび第3のレンズセット504は、前記した固定レンズと一緒に、最小アフォーカル倍率を生じて大きなFOVとなる。
【0040】
固定レンズおよび回転レンズは共にIR光路に沿って中間焦点面周りに配置され、NFOVモードおよびWFOVモードの両方で実入射瞳および実出射瞳が発生するようにされる。それにより、システムがNFOVモードで作動しているかWFOVモードで作動しているかに拘わらず、2.0ミクロン波長よりも小さい機能をきたすことなく、ピッチ/ヨージンバルアセンブリ460内の同じ共通アパーチャー401へIRエネルギを通すことができる。
【0041】
図4にはレーザエネルギ用光路も図示されている。レーザエネルギの伝搬中に、コリメートされたレーザエネルギは送信機450を出てコンペンセータアセンブリ452へ入る。コンペンセータアセンブリはコンペンセータユニット454および一対のリズレイプリズムR1を含んでいる。コンペンセータユニット454は入射レーザビームの直交偏光状態間の位相関係を調整し、前記したように、その目的はデロールプリズム414が回転する時に十分な量のレーザエネルギがビームスプリッティングキューブ470を通過することを保証することである。つぎに、コリメート(平行に)されたレーザエネルギはコンペンセータユニット454から、レーザLOSを操縦するのに使用される、リズレイプリズムR1へ通される。コンペンセータアセンブリ452については後述する。
【0042】
レーザエネルギはコンペンセータアセンブリ452を出てダイクロイックD3によりFSM415へ向けて反射される。前記したように、FSM415はレーザLOSおよびFLIR LOSの両方のジッターを最小限に抑えて、レーザエネルギが所望の標的へ正確に向けられることをさらに保証する。
【0043】
次に、レーザエネルギはデロールプリズム414へ通され、そこでIRエネルギについて前記したように内部反射される。デロールプリズム414を出ると、レーザエネルギは一体型オプティクスアセンブリ(COA)456およびレーザリレー/フォーカスアセンブリ458を介してダイクロイックD2により反射される。最後に、レーザエネルギはダイクロイックD1に衝突してピッチ/ヨージンバルアセンブリ460へ反射され、次に共通ピッチ軸に沿って共通アパーチャー401を通って所望の標的の方向へ向けられる。
【0044】
所望の標的から戻るレーザエネルギはセグメント化された窓(図示せず)を通ってセンサ内へ入り、その後共通アパーチャー401を通過する。次に、IRエネルギと同じ光路に沿って(すなわち、共通ピッチ軸に沿って)D1へ達し、そこでレーザリレー/フォーカスアセンブリ458を介して反射されてCOA456へ入る。次に、LST/LRRスイッチ(LRS)466の状態に応じて、COA456は戻りレーザエネルギを再度レーザレンジ受信機(LRR)462もしくはレーザスポットトラッカー(LST)464へ向ける。
【0045】
次に、レーザ送信機450、コンペンセータアセンブリ452、COA456、LRR462、LST464、およびレーザリレー/フォーカスアセンブリ458を含むレーザサブシステム部品について詳細に説明する。
【0046】
好ましい実施例において、レーザ送信機450はダイオードポンプ固体ND:YAGレーザである。ダイオードポンプ送信機は信頼度が高く、所要電力が少なく、寿命が長いため、同じ光出力のフラッシュランプポンプレーザよりも好ましい。レーザ送信機450は光パラメトリック発信器を使用して1.064ミクロン戦術波長の他に1.57ミクロン訓練波長を発生する。レーザ送信機450の出力がレーザ出力ポートで測定した場合に9mm−mradよりも良好なビーム品質(すなわち、輝度)を有し、かつ1.064ミクロンにおいて90mJよりも多く1.57ミクロンにおいて26mJよりも多く送信できるように部品を得ることができる。さらに、レーザ送信機出力はパルス周期間変調(PIM)コードにより駆動することができる、すなわち、20ナノ秒のパルス幅で20Hzまでのパルス繰返し周波数(PRF)で駆動することができる。
【0047】
LRR462は1.064ミクロン戦術波長および1.57ミクロン訓練波長の両方に応答する低ノイズInGaAs受信機からなっている。LRR462はレーザから遠隔配置され出射レーザパルスの低レベル後方散乱をそのタイミング回路のトリガーとして使用する。LRR462はレーザ送信機450から遠隔配置されCOA456により偏光分離されて出射レーザエネルギがLRR462内へ鏡面反射されるのを防止する。出射レーザパルスのエネルギレベルは戻りレーザパルスのエネルギレベルよりも数桁高い。出射レーザパルスのエネルギが、たとえその非常に小さい部分であっても、反射してLRR462内へ入ると、LRRは飽和され戻りパルスをタイミングよく検出することができない。LRR462はおよそ0.463km(0.25海里)からおよそ37km(20海里)まで±3mの精度で測距することができる。
【0048】
本発明の好ましい実施例では、LST464はカッドセルシリコン検出器を使用してレーザスポットトラックを得る。
【0049】
レーザリレー/フォーカスアセンブリ458は2つの機能を提供する。第1に、ダイクロイックD1およびCOA456間のレーザエネルギの送受信を中継する。第2に、1組のフォーカスレンズFL3を並進させることにより、温度および高度に対してレーザエネルギ焦点を維持する。レーザリレー/フォーカスアセンブリ458は、モータ駆動親ねじを使用しかつポテンショメータにより位置帰還を監視することによりフォーカスレンズセットFL3を線形ベアリングに沿って並進させる。実際上、レーザエネルギはレーザリレー/フォーカスアセンブリハウジング内に組み込まれた真空セル(図示せず)内部に集束される。レーザエネルギは1組の真空セル窓468を通って真空セルへ出入りする。
【0050】
前記したように、コンペンセータアセンブリ452は一対のリズレイプリズムR1およびコンペンセータユニット454を含み、3つの主要な機能を果たす。第1に、コンペンセータアセンブリ452はレーザLOSをシフトさせてレーザ対FLIRボアサイトを調整することができる。第2に、コンペンセータアセンブリ452はデロールプリズム414により導入される摂動を補償するためにレーザエネルギの偏光を調整することができる。第3に、後述するように、コンペンセータアセンブリはレーザエネルギの偏光を調整して内部ボアサイティング手順中にレーザエネルギの強度を交番させることができる。これらの仕事はコンペンセータユニット454により遂行される。
【0051】
図6に示すように、コンペンセータユニット454は2枚の光波長板、λ/4波長板605およびλ/2波長板610を含み、それらはデロール角(すなわち、デロールプリズム414の角度)を監視するマイクロプロセッサベース回路(図示せず)の制御の元で、デロール角の関数として個別に回転される。λ/4波長板605およびλ/2波長板610の両方が同じボールベアリング支持ギア駆動ハウジング内に個別に搭載され、各々がサーボモータおよび位置帰還リゾルバを含むそれ自体の駆動機構を有している。
【0052】
図6はレーザ送信機450を離れる時に出射レーザビーム615は直線偏光されることを示している。しかしながら、デロールプリズム414を出る時にレーザビームが直線偏光されることを保証するために、λ/4波長板605を回転させてレーザビーム偏光の楕円率を変えることができ、またλ/2波長板610を回転させて楕円の方位を回転させることができる。デロールプリズム414を出る時にレーザビームが直線偏光されることを保証することにより、レーザビームは偏光ビームスプリッタキューブ470を通過する時に直線偏光され、伝搬レーザビームのエネルギレベルは所望標的を照射するのに十分であることが保証される。レーザビームがλ/4波長板605およびλ/2波長板610と出合う順序は重要であることをお判り願いたい。
【0053】
COA456は戻りレーザエネルギビームを再度LRR462もしくはLST464内へ向ける電気機械/光機械アセンブリである。また、COA456は適切なレーザ対LRRボアサイトおよび適切なレーザ対LSTボアサイトを維持するのを助ける。
【0054】
レーザエネルギは所望の標的からシステムへ戻ると、ランダムに偏光される。COA456において、ランダムに偏光されたレーザエネルギは偏光ビームスプリッタ470により再度λ/2波長板466内へ向けられる。好ましい実施例では、λ/2波長板466はLRR検出器、LST検出器に対してレーザエネルギが調整される、すなわちその間で分割される、ようにレーザエネルギの偏光を回転させる。したがって、λ/2波長板466はLRR/LSTスイッチとして働く。
【0055】
λ/2波長板466がレーザエネルギを偏光させた後で、一対のリズレイプリズムR1と同じ一対のリズレイプリズムR2を利用して、COA456内のレーザLOSがシフトされレーザ対LRRもしくはレーザ対LSTボアサイトが調整される。リズレイプリズムR1およびλ/2波長板466の両方が、サーボモータおよび位置帰還リゾルバを含むそれ自体の駆動機構を有している。
【0056】
一対のリズレイプリズムR2を通過した後で、レーザエネルギは偏光ビームスプリッタ472に衝突する。偏光ビームスプリッタ472は、λ/2波長板466の回転状態(すなわち、LRR/LSTスイッチ)に応じて、再度レーザエネルギをLRR462、LST464、もしくはその両方へ向ける。
【0057】
レーザLOSおよびFLIR LOSを安定化、修正および制御するために、本発明はLOS/サーボサブシステムを利用する。LOS/サーボサブシステムはFLIR LOSおよびレーザLOSの両方のダイナミックジッターを最小限に抑えるのを助ける。図7は6軸ジンバルアセンブリ705、いくつかの単相、二相および三相サーボモータ710、電力増幅器715、さまざまなレートおよび位置センサ720、デジタルインターフェイス725、およびデジタルプロセッサ730を含むLOS/サーボサブシステムの線図である。
【0058】
6軸ジンバルアセンブリ705はピッチ/ヨージンバルアセンブリ460、ロールジンバル(図示せず)、デロールアセンブリ413、およびFSM415を含んでいる。ピッチ/ヨージンバルアセンブリ460、デロールアセンブリ413、およびFSM415は全てロールジンバルにより支持される受動絶縁光ベッド490上に搭載されている。絶縁光ベッド490は、LOSおよびダイナミックアライメントエラーに著しく寄与することがある、高周波振動を減衰させ構造的曲げ(すなわち、低周波から中間周波振動)を最小限に抑える。
【0059】
ピッチ/ヨージンバルアセンブリ460は内部ジンバルを含みそれは、図5Aおよび図8に示すように、1組のレンズ410a,410b,410cおよびジンバルミラー403を含んでいる。レンズ410a,410b,410cを含むレンズセットは図4には単レンズ401として示されていることをお判り願いたい。レンズ410a,410b,410cは共通ピッチ/ヨーアフォーカル(すなわち、前記した共通アパーチャー)を構成する光学素子である。内部ジンバルはヨー軸周りの制限された回転動作(およそ5°)を与える。ピッチ/ヨージンバルアセンブリ460は4個のレンズ815を含む外部ジンバル(すなわち、ピッチジンバル)も有している。外部ジンバルはピッチ軸405周りの完全な360°の回転を与える。さらに、ピッチ/ヨウジンバルアセンブリ460とホストプラットホーム間には一つのピッチ軸インターフェイスしかなく、したがって、レーザオプティクスおよびFLIRオプティクスに対する共通のピッチベアリングセットしかない。ピッチ/ヨージンバルアセンブリ460は2台の別々のサーボモータ(図示せず)を利用している。
【0060】
ロールジンバルおよびデロールアセンブリ413は、それぞれ、LOSポインティングおよび画像ロール安定化を提供する。特に、デロールアセンブリ413はシステムがロール軸周りを回転するおよび/もしくはジンバルアセンブリがピッチ軸周りを回転する時に、FLIR画像に対する優れたロール安定化および水平安定化を提供する。実際上、画像デロールは低摩擦、プリロード、組合せベアリング上を回転する円筒形ハウジング内に搭載されているデロールプリズム414により遂行される。回転アセンブリは直接駆動、パンケーキトルクモータにより駆動され、モータと同軸に搭載されたパンケーキリゾルバを介して位置が感知される。
【0061】
FSMアセンブリ416はピストンプローブ電子装置930および電磁アセンブリ900を含んでいる。図9に示すように(米国特許第5,550,669号も参照)、FSM電磁アセンブリ900はFSM415をピッチ軸910およびヨー軸915周りに回転させる電磁装置である。好ましい実施例では、FSM900はFLIR LOSおよびレーザLOSに対する優れた安定化を提供する。それは、IMU720によりピッチおよびヨージンバル動作を測定して位置修正コマンドをFSM位置サーボモータ917へ加えることにより遂行される。次に、FSMサーボモータ位置コマンドはFSMサーボ電子装置アセンブリ920により制御される。FSM位置帰還は1組の位置プローブ925および位置プローブ電子装置アセンブリ930により行われる。
【0062】
LOS制御センサ720はLOS制御プロセッサ730内に常駐するLOS制御ソフトウェアへデジタル情報を与える。LOS制御プロセッサはFLIR LOSおよびレーザLOSの両方を制御するLOS制御信号を発生する。LOS制御センサ720はデジタルロールレート情報を提供する角ロールレートセンサ、ジンバル角位置を提供するリゾルバ、FSM415に対する位置情報を提供する位置プローブ、および慣性測定装置(IMU)アセンブリ(図示せず)を含んでいる。IMUアセンブリは3軸光ファイバジャイロ(FOG)および3軸加速時計を含んでいる。IMUは慣性角速度の関数としての増分角情報、および慣性直線加速度の関数としての増分速度情報を与える。
【0063】
LOSサーボサブシステムはダイナミックアライメントエラーを最小限に抑えるのを助けるが、図4に示すように、本発明にはさまざまな内部視線間の固定アライメントエラーを最小限に抑えるための内部ボアサイトモジュール(BM)474が含まれている。BM474はピッチ/ヨージンバルアセンブリ460に光学的に接続されており、ボアサイト制御アルゴリズムと共に、内部視線を互いにアライニングするのに使用される。内部視線にはFLIR NFOV LOS、FLIR WFOV LOS、レーザ送信機LOS、LRR LOS、およびLST LOSが含まれる。
【0064】
図10はBM474の詳細を示す。ハウジング476内に含まれるBM474はIRおよびレーザエネルギが通過するアパーチャー窓1005を含んでいる。また、BM474は1次ミラーおよびIRおよびレーザエネルギを、それぞれ、BM474の内外へ向ける1組の2次ミラー1006,1007を含むカセグレン光学系を含んでいる。さらに、BM474はレチクル1010、レーザエネルギがレチクル1010内の開口を通過するのを防止するレーザフィルタ1025、IR/可視光源1015、レーザ検出器1020、およびレーザ源1030を含んでいる。
【0065】
後述するFLIR LOSアライメント手順中に、IR/可視光源1015はIRエネルギおよび可視光エネルギの両方を放出し、それはディフューザ1016、ダイクロイック1017、および光学レンズ1018を通過する。次に、エネルギはレチクル1010を介して第2のダイクロイック1019から反射され、1次および2次ミラー1006,1007によりBM474から外へ向けられる。
【0066】
後述するように、レーザLOSアライメント手順中に、レーザ送信機450からのレーザエネルギは1次および2次ミラー1006,1007によりBM474内へ向けられる。次に、レーザエネルギはレチクル1010を通過しダイクロック1019および光学レンズ1024を介してレーザ検出器1020へ入る。
【0067】
LRRおよびLSTボアサイト手順中に、レーザ源1030はレーザエネルギを放出し、それは光学レンズ1031を通過する。レーザエネルギはダイクロイック1017から反射され、光学レンズ1018を通過し、第2のダイクロイック1019から反射され、レチクル1010を通過してBM474を出る。好ましい実施例では、レーザ源1030はレーザ発光ダイオード(LED)である。
【0068】
レチクル1010は図11に示すようなレチクルパターン1100を含んでいる。レチクルパターン1100はいくつかの変わった形状の開口を有し、その中をさまざまなLOSアライメント過程中にレーザもしくはIRエネルギが通過する。図11に示すように、さまざまな開口は1064マイクロラジアン円形領域周りに対称的に配置されている。この円形領域のまさしく中心には60マイクロラジアンの穴があり、それはレチクルパターン1100の中心と一致している。
【0069】
レチクルパターン1100内の第1組の開口は5つの八角形開口1105a−eを含んでいる。これらの開口によりIRエネルギはFLIR LOSアライメント手順中にレチクル1010を通過することができる。後述するように、第1の4つの開口1105a−dはFLIR LOSをFLIR焦点面アレイの中心に対して対称的にアライニングするのに使用される。第5の開口はFLIR LOSをFLIR焦点面アレイに対して回転的にアライニングするのに使用される。
【0070】
レチクルパターン1100はいくつかの市松模様の開口1110も有している。市松模様開口は特殊信号処理ソフトウェアと共に使用される。次に、このソフトウェアはFLIRアライメント手順の前にFLIR画像を結像させる手順を制御する。大きい市松模様開口は特にWFOV FLIR画像を結像させるのに使用され、小さい市松模様開口は特にNFOV FLIR画像を結像させるのに使用される。市松模様開口を利用する信号処理ソフトウェアについては後述する。
【0071】
最後に、レチクルパターン1100は4つの楔状開口1115を含んでいる。前記した八角形開口とは異なり、楔状開口1115はレーザLOSアライメント手順中にレーザ送信機450からのレーザエネルギをレチクル1010へ通すことができる。
【0072】
次に図12に関連して、FLIR LOS、レーザ送信機LOS、次にLRR LOSおよびLST LOSをボアサイトする方法について詳細に説明する。最初に、ブロック1205に従ってボアサイトコマンドが発生される。次に、ブロック1210に示すように、ピッチジンバルが165°回転する。ピッチジンバルを165°回転することにより、BM474はFLIR光路とレーザ光路の一体部となる。次に、サーボモータを制御してボアサイト手順中にさまざまなIRおよびレーザオプティクスが動かされる信号処理ルーチンがブロック1215に従って活性化される。次に、それぞれブロック1220および1225に従って、NFOV FLIR画像およびWFOV FLIR画像がFLIR検出器/クーラーアセンブリ427内の焦点面アレイ480上に結像される。ブロック1230に従って、NFOVおよびWFOV FLIR画像が結像されるとFLIR LOSアライメント手順が開始される。前記したように、FLIR LOSはIR/可視光源1015、レチクルパターン1100および、特に、レチクルパターン1100内の八角形開口1105a−eを使用して焦点面アレイ480の中心とアラインされる。FLIR LOSアライメント手順は最初にIR/可視光源1015により照射して遂行される。IRおよび可視光エネルギはレチクルパターン1100内の5つの八角形開口1105a−eを通過する。5つの八角形開口1105a−eの各々を通過するエネルギにより、焦点面アレイ480上の5つの対応する領域が照射される。ロールサーボが固定されていると、前記した信号処理ルーチンによりピッチおよびローサーボは最初の4つの八角形開口1105a−eに対応する焦点面アレイ480上の最初の4つの照射領域が焦点面アレイ480の中心周りに対称的に配置されるまでピッチおよびヨージンバルを回転させるように指令される。次に、ピッチおよびヨーサーボがそれらの位置を保持していると、信号処理ルーチンおよびデロールサーボは第5の八角形開口1105eに対応する焦点面アレイ480上の第5の照射領域を使用して、焦点面アレイ480に対するレチクルパターン1100のロールアライメントを実施してBSMに対するFLIR LOSのアライメントを完了する。
【0073】
FLIR LOSがアラインされると、レーザLOSはブロック1235に示すようにアラインされる。レーザLOSをアラインするために、レーザ送信機450は20Hzの公称レートで連続パルスストリームを発生開始する。前記したように、レーザフィルタ1025はレーザ送信機450からのレーザエネルギをレチクルパターン1100内のある開口、特に、レチクルパターン1100中心の60°楔状開口1115および60マイクロラジアン穴しか通さない。図13の位置1305に示すように、レーザ送信機450が送信を開始する時に、レーザスポットは4つの楔状開口1115の中の一つと一致しないことがある。レーザスポットを4つの楔状開口1115の中の一つと一致させるために、ボアサイトアルゴリズムにより一対のリズレイプリズムR1はレーザスポットをサーチパターン1310内のさまざまな位置へ動かすように指令される。最後に、位置1315で示すように、レーザスポットは楔状開口1115の中の一つと一致する。その結果、レーザ検出器1020により検出される。次に、位置1320に示すように、ボアサイトアルゴリズムによりリズレイ対R1はレーザスポットを対応する楔状開口の最も近い半径方向縁へ動かすように指令される。半径方向縁の角度に基づいて、レチクルパターン1100中心の60マイクロラジアン穴に達するためにレーザスポットを動かさなければならない方向をボアサイトアルゴリズムにより決定することができる。図13に、レーザスポットの移動方向を連続するレーザスポット位置1320,1325および1330で示す。
【0074】
レーザスポットが対応する楔状開口の内縁に達する場合、それはレチクルパターン1100中心からおよそ500マイクロラジアンである。次に、図14Aから図14Fに示すように、ボアサイトアルゴリズムによりリズレイ対R1はレーザスポットを考えられるいくつかの矩形格子パターンの中の一つに従っていくつかの格子位置へ動かすように指令され、各矩形格子パターンはまさしく中心の60マイクロラジアン穴を含むレチクルパターン1100中心の1064マイクロラジアン円形領域の一部を包含している。使用する特定の格子パターンはレーザスポットをレチクルパターン1100の中心へ向けて動かすための案内として使用された半径方向縁の角度によって決まる。前例では、レーザスポットは楔状開口1350の低縁に沿ってレチクルの中心へ向かって動いて、楔状開口1350の内縁に達する時に図14Aに示す位置1405に配置されるようにされた。したがって、図14Aに示す矩形格子パターンはレーザスポットのレチクルパターン1100の中心に対するアライメントを微調整するための案内として使用される。
【0075】
リズレイ対R1がレーザスポットを、例えば、図14Aに示す格子パターンに関連する各格子パターン位置へ動かす前に、ボアサイトアルゴリズムにより偏光コンペンセータ454はBSMへ送られるレーザエネルギの量を減衰させるよう指令される。レーザエネルギは集束されたレーザエネルギがレチクルを破損させるのを防止してエネルギレベルをレーザ検出器1020により検出可能な範囲内となるように調整するために減衰される。レーザエネルギを減衰させた後で、リズレイ対R1はレーザスポットを各格子パターン位置へ動かす。レーザ検出器1020により検出される最大レーザエネルギ検出に対応する位置が最善レーザLOSボアサイトアライメント位置として識別される。
【0076】
次に、ブロック1237に従って、焦点面アレイ480上に照光される画像が180°回転される。それはデロールプリズムを90°回転させて行われる。次に、ブロック1230に従ったFLIR LOS手順およびブロック1235に従ったレーザLOS手順が繰り返される。これらの手順を繰り返すことにより、IRエネルギおよびレーザエネルギが一部異なる光路を進む事実によるFLIR LOSとレーザLOS間のいかなるアライメントエラーもボアサイトアルゴリズムにより校正される。
【0077】
IRエネルギは八角開口1105を通過し、それらはレチクルパターン1100中心の60マイクロラジアン穴の周りに対称的に配置されているため、60マイクロラジアン穴に対するレーザLOSのアライメントによりFLIR LOSとレーザLOS間の精密なアライメントが達成される。前記したレーザLOS対FLIR LOSボアサイトアルゴリズムは42マイクロラジアン以内まで正確でありレーザビームの拡散は120マイクロラジアン以下である。
【0078】
最後に、それぞれブロック1240および1245に従ってLRR462およびLST464がアラインされる。LRR462およびLST464をアラインするために、レーザ送信機450がターンオフされレーザダイオード1030がターンオンされる。レーザダイオード1030から放出されるレーザエネルギはレチクルパターン1100中心に位置する60マイクロラジアン穴を通って送られる。次に、レーザダイオード1030からのエネルギがレーザ光路に沿ってCOA456内へ通される。次に、COA456はレーザエネルギをLRR462内へ向ける。LRR LOSはリズレイプリズム466対を回転させてアラインされる。次に、COA456はレーザエネルギをLST464内へ向けてLSTLOSが同様にアラインされる。
【0079】
代替実施例では、図15に示されたように、電気−光学サブシテムは、結合LST/LRR組立体1505を採用する。LST及びLRRが1つの結合単位の部品であるとき、レーザ復帰エネルギーをLRR及びLST内へ交互に指向させるなんらの必要ももはやない。したがって、代替実施例では、COA456は非常に簡単化される。特に、LRR/LSTスイッチ466、BSC472、及び2つのミラーが除かれ、それによってCOA456の複雑性を低める。更に、LRRとLSTを結合することによって、LRR及びLSTを別々に照準させる必要がもはやない。また、LRRとLSTを結合することによって、かつLRR/LSTスイッチ466、BSC472、2つの前述のミラーを除去することによって、テレビジョン・カメラ1510にとって使用可能である追加の空間が存在し、このカメラはAOIの近IR(赤外線)像を表すのに使用することがきる。
【0080】
図16は、結合LRR/LST組立体1505の構成を示す。LSTは、好適には、カッドセル感光装置であって、この装置では各セルが電気信号1605aから1605dを出力し、これらの信号の各々は相当するセルを照射するレーザ・エネルギーの量に比例する。カッドセルLSTは、一般に、当業者に周知である。LRR1610は2つの高インピーダンス・バッファ領域1615aと1615bの交差点でカッドセル装置の中心に直接位置決めされたピン・ダイオードであり、これらの2つのバッファ領域は互いからカッドセルを電気絶縁する。LSTカッドセルは、集積LRRピンダイオード共に、ハイブリッド内に収容される。LSTセンサ及びLRRセンサの両方用前置増幅器及び後置増幅器は、このハイブリッド内に共設される。
【0081】
セグネント化窓及びEMI格子
好適実施例では、上に説明した光−電気サブシステムは、ポッド組立体内に収容され、この組立体の前部(すなわち、シュラウド)が図17に示されている。ポッド組立体は、ホスト・プラットフォームに接続される。例えば、ポッド組立体は、F−15、F−16、又はF−18のような戦闘用航空機の翼上のパイロンから懸架される。シュラウド組立体は上に説明した光−電子機器を物理的に保護する一方、レーザ・エネルギー及びIR(赤外線)エネルギーはセグメント化窓1705を通してシュランド組立体の内、外へ通過する。
【0082】
窓は、4つのセグメント又はパネル1705aから1705dを有する。これらのセグメントは、システムの空気−光学性能を最適化するように設計される。例えば、これらのゼグメント又はパネルは、エネルギーが上に説明した光−電子センサ内へ反射して戻るのを減少させるか又は防止する。また、これらのパネルは、20,000AGL(地上高度)におけるミッション臨界ピッチ角0°及び20でモジュラ伝達関数(MTF)対ジンバル角を最適化する。更に、これらの窓パネルは、ピッチで+35°から−155°、ロールで360°、及びヨー(yaw)で±5°にわたりセンサ走査を支援する。更に、セグメント化窓は、シュラウド・フォロアの代わりに採用される。シュラウド・フォロアは、より多くのハードウェアを必要としかつ大きなレーダ断面積(RCS)及び空力抵抗係数を現す。
【0083】
4つの窓パネルは、基質材料及び3つの必要とされるコーティングで構成される。これらのコーティングは、すなわち、電磁干渉コーティング、耐久性反射防止(DAR)コーティング、及び内部反射防止(IAR)コーティングである。いくつもの異なる材料を基質材料に使用することもできる。例えば、この目的に“Cleartran”(多重スペクトルZnS)が普通使用される。これは、良好な多重スペクトル特性を現すが、非常に耐久性であると云うわけではない。対照的に、サファイアは、非常に耐久性でかつそれは中波範囲(すなわち、〜3〜4.5マイクロメートル)で良好な透過特性を現す。したがって、好適実施例では、サファイアが基質材料に使用される。
【0084】
前述のパネルの各々はまた、EMI(電磁干渉)格子を含む。一般に、EMI格子は、動作環境内に存在することがある大きなEM(電磁)界へのセンサ及びセンサ・エレクトロニックスの露出を減少させる。例えば、EMI格子は、システム・エレクトロニックス(例えば、IMU(慣性測定装置)、FLIR(前方監視赤外線レーダ)アナログ・エレクトロニックス、FSM(飛点顕微鏡)プローブ)上へのEM界エネルギーの影響を最小限にする又は除去するために使用されることがあり、これらのシステム・エレクトロニックスはホスト・プラットフォーム(例えば、F−16、F−18)上に設置された源(すなわち、レーダ)から発射するこの型式の放射に敏感である。この格子はまた、ホスト・プラットフォーム上に設置されたエレクトロニックスに悪影響を及ぼすおそれがあるポッド組立体内に設置されたエレクトロニックスからのEMエネルギーを最小限にすることがある。
【0085】
一般に、EMI格子は、当業者に周知である。しかしながら、先行EMI格子は正方形パターン又は極(同心)パターンを採用する。これら先行EMI格子パータンは、FLIR像上に許容不可能なアーチファクトを発生する。例えば、正方形格子パターンは、軸外れ光源から放射状に拡がる4つの線に沿ってエネルギーを集中して、図18に示されたようなエネルギー・アーチファクト1800を生じる。このエネルギーは、FLIR像上に現れかつ許容不可能である。
【0086】
好適実施例では、図19に示されたように円のアレーを含むEMI格子パターンが採用される。このEMI格子パターンは、迷光を特定の軸に沿ってよりはむしろ放射状に案内又は回折し、このようにしてFLIR像上の不要な光エネルギー・ア−チファクトを減少又は除去する。図19の配置では各円は、好適には、5マイクロメートルの線幅及び320マイクロメートルの直径を有する。繰り返しオフセット(すなわち、2つの隣接する円の中心間の距離)は315マイクロメートルであり、ここでは円の正接点において円形線の100パーセント・オーバラップがある。上に説明した特定EMI格子は、EMI格子の1模範的実施例を単に表す。当業者が承知するように、上に説明したEMI格子パターンの意図する範囲を超えることなく、他の寸法を採用してよい。
【0087】
本発明のEMI格子は、先行技術におけるのと全く同じようにしてセグメント化窓パネルに取り付けられる。まず、3つの金属層、すなわち、内側接着層、中間伝導層、及び外側保護層が窓に当てがわれる。各層には異なる金属が使用されてよいが、しかしながら、典型的に、クロムが内側層に、金が中間層に、及びチタンが外側層に使用される。“マスク”が窓材料を覆って置かれ、次いで、紫外線光に露出される。紫外線光は、マスクによって保護されない領域から金属層を取り除く。マスクが取り外されるとき、EMI格子が窓に固定される。
【0088】
故障分離
電気−光学サブシステムは、いくつものサーボ・システムを含む。各サーボ・システムは、1つ以上の増幅器、及び単相、二相、又は三相サーボ・モータを含む。これらのサーボ・システムは、電気−光学サブシステム内の種々のレンズ、プリズム、ミラー、及び波長板を回転及び/又は並進させるために必要な電力(power)又は機械力を与える。サーボ・システムは、二相ブラシレス直流モータ及びパルス幅変調(PWM)増幅器サーボ・システム(すなわち、ピッチ・サーボ・システム及びデロール・サーボ・システム)を含む。また、三相ブラシレス直流モータ、PWM増幅器サーボ・システム(すなわち、ロール・サーボ・システム)も含まれる。更に、いくつかの単相モータ、直線増幅器サーボ・システム(すなわち、種々のレーザ及びFLIR収束組立体サーボ・システム、熱基準サーボ・システム、FSMサーボ・システム、リズリープリズム・サーボ・システム、ヨーサーボ・システム、及び制御サーボ・システム、入口及び出口空気流サーボ・システム)がまた含まれる。
【0089】
上に識別したサーボ・システムのどれかにおける故障条件の存在を検出するために、本発明は、故障条件が所与のサーボ・システムの増幅器部分に又は所与のサーボ・システムのモータ部分に起こっているかどうか判定することができる故障分離能力を与える。所与のサーボ・システムの増幅器部分又はモータ部分への故障を分離することによって、サーボ・システム全体を取り外す又は交換する必要を回避する。その代わりに、故障条件を含む増幅器部分又はモータ部分のみを取り外す及び/又は交換するだけでよい。先行技術は試験負荷及びこれらの負荷を回路に入出させるスイッチング手段を必要としてきた。本技術は、試験負荷を必要としない。
【0090】
図20は、二相ブラシレス直流モータ、PWM増幅器サーボ・システム回路2000の回路図である。通常条件下で、回路2000は二相モータMの巻線を通る電流の整流を制御し、これらの巻線は、立ち代わって、モータ軸の回転を制御する。特に、二相ブラシレス直流モータ、PWM増幅器サーボ・システム回路2000は、2つのPWM増幅器A及びBを含む。これらの増幅器A及びBの各々は、2つの上側励振トランジスタT1とT2、及び2つの下側励振トランジスタT3とT4を有する。モータ巻線を通る電流を整流しこのようにして二相モータMの軸を回転させるために、当業者が理解するように各増幅器内の上側励振トランジスタを同じ増幅器の他の側部上の下側励振トランジスタと対にすることが必要である。例えば、増幅器A内で、トランジスタT1はトランジスタT4と対にされることになり、トランジスタT2はトランジスタT3と対にされることになる。同様に、増幅器B内で、トランジスタT1はトランジスタT4と対にされることになり、トランジスタT2はトランジスタT3と対にされることになる。そこで、まず増幅器A内で、次いで増幅器B内で、励振トランジスタの各対を交互に活性化する(相補スイッチングとして周知の技術)ことによって、二相モータ、PWM増幅器サーボ・システム回路2000は、モータMの軸上に定トルクを維持することができる。
【0091】
二相モータ、PWM増幅器サーボ・システム回路2000はまた、制御回路2005を含む。制御回路2005は、明確に云えば、標準帰還構成を使用して負荷電流を制御するために、相補スイッチング・プロセスのタイミング(すなわち、いつ各励振トランジスタ対を活性化させるか)を制御する。本発明では、制御回路2005は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレー(FPGA)で以て実現される。しかしながら、当業者が容易に理解するように、制御回路2005を本発明の精神に反することなく他の形式の論理を使用して実現することができる。
【0092】
更に、二相モータ、PWM増幅器サーボ・システム回路2000内の各増幅器A及びBは、2つの上側電流センシング抵抗器R1及びR2を含む。上側電流センシング抵抗器R1及びR2は、それぞれ、上側励振トランジスタT1及びT2を通して流れる電流の量を監視する。更に、各増幅器A及びBは、下側電流センシング抵抗器Roを含む。下側電流センシング抵抗器Roは、下側励振トランジスタT3及びT4を通して流れる電流を監視するために利用される。重要なのは、本発明では増幅器A及びBが絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)を含むことに注意することである。IGBTは、当業者が容易に理解するように、それらの利用が、270ボルト電源Vccを与えられた制御回路2005の設計を簡単化すると云う理由から、一部、利用される。しかしながら、当業者がまた認めるように、MOSFET及びバイポーラ・トランジスタのような固体スイッチを採用することもできる。
【0093】
一般に、二相、PWM増幅器サーボ・システム故障分離プロセスは、次のように働く。トランジスタ対の相補スイッチングが動作不能にされる。制御回路2005が、励振トランジスタの対、例えば、増幅器A内のT1及びT4を活性化する。制御回路2005は、次いで、この励振トランジスタ対を不活性化し、立ち代わって、他の励振トランジスタ対の各々、すなわち、増幅器A内のT2とT3、及び増幅器B内のT1とT4、及び増幅器B内のT2とT3を活性化及び不活性化する。正規動作条件下で(すなわち、故障条件が存在しないとき)、各励振トランジスタ対の活性化によって、電流の特定量が、相当する上側電流センシング抵抗器R1又はR2を通して、相当する上側励振トランジスタT1又はT2を通して、相当するサーボ・モータ巻線を通して、相当する下側励振トランジスタT3又はT4を通して、及び最終的に下側電流センシング抵抗器Roを通して流される。もし、事実、故障条件が存在しないならば、上側電流センシング抵抗器R1又はR2を横断して及び下側電流センシング抵抗器Roを横断して既知の電圧降下が常に現れることになる。しかしながら、もし故障条件が存在するならば、上側電流センシング抵抗器R1又はR2を通して及び/又は下側電流センシング抵抗器Roを横断して流れる電流の量が顕著な影響を受けることになる。上に識別した励振トランジスタ対の各々のような抵抗器を通して流れる電流の量を監視することによって、下に更に詳細に説明するように、次の単一点故障条件、すなわち、モータ巻線短絡、モータ巻線開路、増幅器短絡、モータ巻線地絡、増幅器開路を分離することができる。
【0094】
図21は、本発明の好適実施例による、二相モータ、PWM増幅器故障分離プロセスのステップを示す流れ図である。図21によれば、制御回路2005が、ブロック2101によって示されたように相補スイッチングを動作不能にすることによってプロセスを開始する。いったん相補スイッチングが動作不能にされると、制御回路2005は、自由になって、故障分離の目的のために励振トランジスタ対を活性化及び不活性化する。
【0095】
相補スイッチングが動作不能にされた後、制御回路2005は、ブロック2105によって示されたように、正制御電流命令+Iを発生する。正制御電流命令は、励振トランジスタT1及びT4を含むトランジスタ対を活性化する。制御回路2005は、判定ブロック2110によって示されたように、上側電流センシング抵抗器R1を通して流れる電流の大きさが正規であるかどうか又はそれが正規量を超えるかどうか、すなわち、それが所定しきい値を超えるかどうか判定する。もし上側電流センシング抵抗器R1を通して流れる電流の大きさが過大であるならば、判定ブロック2110から出る“YES”経路に従って、制御回路2005は、判定ブロック2112によって示されたように、下側電流センシング抵抗器R0を通して流れる電流の大きさが零に等しいかどうか判定する。もし下側電流センシング抵抗器R0を通して流れる電流が零に等しいならば、制御回路2005は、ブロック2113によって示されたように、増幅器SHUTDOWN(運転停止)命令を発生することになる。制御回路2005が電流の量が零に等しいと判定するからには、ブロック2114によって示されたように、故障条件はモータ巻線地絡と識別される。もし制御回路2005が下側電流センシング抵抗器を通して流れる電流が零に等しくないと判定するならば、判定ブロック2112から出る“NO”経路に従って、制御論理2005は、ブロック2115によって示されたように、それでもやはり、増幅器SHUTDOWN命令を発生することになる。しかしながら、上側電流センシング抵抗器R1を通る電流の過大な量が引き起こす故障条件がモータ巻線内の短絡に因るものか又は増幅器内の短絡に因るものか依然として判定されない。したがって、制御回路は、次いで、ブロック2120によって示されたように、負電流命令−Iを発生し、この命令が励振トランジスタT2及びT3を含むトランジスタ対を活性化する。制御回路2005は、いまや、上側電流センシング抵抗器R2を通して流れる電流の大きさが過大であるかどうか、すなわち、それが、ブロック2125によって示されたように、所定しきい値を超えるかどうか判定する。もし上側電流センシング抵抗器R2を通して流れる電流の量がしきい値を超えるならば、判定ブロック2125から出る“YES”経路に従って、制御回路2005は、ブロック2130によって示されたように、もう一度、増幅器SHUTDOWN命令を発生する。電流の過大量が両上側電流抵抗器RI及びR2を通して引き出されたからには、ステップ2135によって示されたように、故障条件はサーボ・モータ巻線短絡と識別される。しかしながら、もし上側電流センシング抵抗器R2を通して流れる電流の大きさが所定しき値を超えないならば、判定ブロック2125から出る“NO”経路に従って、すなわち、上側電流センシング抵抗器が電流の過大量を引き出す場合に限り、ステップ2140によって示されたように、故障条件は増幅器短絡と識別される。
【0096】
もし、ブロック2105に従って、正電流命令+Iを発生した後、制御回路2005が、判定ブロック2110から出る“NO”経路に従って、上側電流センシング抵抗器R1を通して流れる電流の大きさが所定しきい値を超えないと判定するならば、制御回路2005は、判定ブロック2145に示されたように、下側電流センシング抵抗器Roを通して流れる電流の大きさが零に等しいかどうか判定する。もし下側電流センシング抵抗器を通して流れる電流の大きさが零に等しいならば、制御回路2005は、ブロック2150によって示されたように、負命令電流−Iを発生し、かつ、判定ブロック2155によって示されたように、上側電流センシング抵抗器R2を通して流れる電流の大きさが所定しきい値を超えるかどうか判定する。もし上側電流センシング抵抗器R2を通して流れる電流の大きさが所定しきい値を超えるならば、判定ブロック2155から出る“YES”経路に従って、制御回路2005は、ブロック2160によって示されたように、増幅器SHUTDOWN命令を発生することになる。電流の過大量が上側電流センシング抵抗器の1つのみ、すなわち、R2を通して検出されたからには、ステップ2165によって示されたように、故障条件は増幅器短絡と識別される。
【0097】
しかしながら、もし上側電流センシング抵抗器R2を通して流れる電流の大きさが所定しきい値を超えないならば、判定ブロック2155から出る“NO”経路に従って、制御回路2005は、判定ブロック2170によって示されたように、下側電流センシング抵抗器を通して流れる電流の大きさが零に等しいかどうか判定することになる。もし下側電流センシング抵抗器Roを通して流れる電流が零に等しい、すなわち、T1及びT4が活性化されるときかつT2及びT3が活性化されるとき両R1及びR2が電流の正規量を引き出しかつRoが電流を引き出さないならば、ステップ2175によって示されたように、故障条件はモータ巻線開路と識別される。もし下側電流センシング抵抗器Roが零に等しくないならば、判定ブロック2170から出る“NO”経路に従って、すなわち、T1及びT2が活性化されるときに限り両抵抗器R1及びR2は電流の正規量を引き出しつつありかつRoは電流を引き出さず、ステップ2180によって示されたように、故障条件は増幅器開路と識別される。
【0098】
しかしながら、もし下側電流センシング抵抗器Roを通して流れる電流の大きさが零に等しくないならば、判定ブロック2145から出る“NO”経路に従って、制御回路2005は、ブロック2185によって示されたように、負命令電流−Iを発生し、この命令が励振トランジスタT2及びT3を含むトランジスタ対を活性化する。制御回路2005は、次いで、判定ブロック2190によって示されたように、上側電流センシング抵抗器R2を通して流れる電流の大きさが所定しきい値を超えるかどうか判定する。もし上側電流センシング抵抗器R2を通して流れる電流の大きさがしきい値を超えるならば、判定ブロック2190から出る“YES”経路に従って、すなわち、電流の過大量が上側電流センシング抵抗器の1つのみを通して流れ、制御回路2005は、ブロック2160によって示されたように、増幅器SHUTDOWN命令を発生し、かつ、ステップ2165によって示されたように、故障条件は増幅器短絡と識別される。
【0099】
しかしながら、もし上側電流センシング抵抗器R2を通して流れる電流の大きさが所定しきい値を超えないならば、判定ブロック2190から出る“NO”経路に従って、制御回路2005は、判定ブロック2195によって示されたように、下側電流センシング抵抗器Roを通して流れる電流の大きさが零に等しいかどうか判定する。もし下側電流センシング抵抗器Roを通して流れる電流が零に等しいならば、判定ブロック2195から出る“YES”経路に従って、すなわち、T2及びT3が活性化されるときに限りR1及びR2が電流の正規量を引き出しつつありかつRoを通る電流の量が零であり、ステップ2180によって示されたように、故障条件は増幅器開路と識別される。もし下側電流センシング抵抗器Roを通して流れる電流の大きさが零に等しくないならば、判定ブロック2195から出る“NO”経路に従って、すなわち、どちらかの励振トランジスタ対が活性化されるときR1及びR2が電流の正規量を引き出しつつありかつRoが零でなく、制御回路2005は、ステップ2199によって示されたように、単一点故障が識別されないことを表示することになる。
【0100】
上に説明した故障分離プロセスは二相モータ、PWM増幅器サーボ・システムの1相にのみ適するので、前述の故障分離プロセスを第2相に対して(すなわち、モータの第2相と第2増幅器との間の故障を分離するために)繰り返すことができる。事実、三相以上のサーボ・システムが採用されている場合、存在する相の数だけ多くの回数にわたって前述のプロセスを繰り返すことができる。表Iは、本発明の好適実施例による二相、PWM増幅器故障分離プロセスをまとめたものである。
【表1】

【0101】
図22は、三相モータ、PWM増幅器サーボ・システム回路2200の回路図である。三相モータ、PWM増幅器サーボ・システム回路2200は、上側励振トランジスタT1及び下側励振トランジスタT4を含む位相励振器A、上側励振トランジスタT2及び下側励振トランジスタT5を含む位相励振器B、及び上側励振トランジスタT3及び下側励振トランジスタT6を含む位相励振器Cを有するPWM増幅器を採用する。重要なのは、励振トランジスタがIGBTであることに注意することである。しかしながら、やはり、当業者が認めるように、MOSFET及びバイポーラ・トランジスタのような他の固体スイッチを採用することもできる。三相モータ、PWM増幅器サーボ・システム回路2200もまた制御論理2205を採用し、この制御論理は次の励振トランジスタ対、すなわち、T1とT5、T1とT6、T2とT6、T2とT4、T3とT4、及びT3とT5の活性化を制御する。当業者が容易に理解するように、上に識別したトランジスタ対の活性化は、三相モータMの3つの巻線M、M、Mの各々を通る電流を制御する。上に識別した励振トランジスタ対の各々を適当に活性化することによって、制御論理2205は、三相モータMの軸上に定トルクを維持することができる。
【0102】
制御論理2205は、本発明の好適実施例ではソフトウェアによって制御される。したがって、制御論理2205は、当業者によってホール(Hall)符号又は位相符号化器帰還符号と呼ばれる一連の整流符号を受信する。各ホール符号は、制御論理2205に適当な励振トランジスタ制御線路1、……6を活性化させる。例えば、トランジスタT1及びT5を含むトランジスタ対を活性化する任を負うホール符号は、モータ軸の実位置にかかわらず、制御論理2205にトランジスタ制御線路1及び5を活性化せしめることになる。
【0103】
本発明によれば、上に説明した二相モータ、PWM増幅器サーボ故障分離プロセスのように、三相モータ、PWM増幅器サーボ故障分離プロセスは、故障分離目的のために現存するサーボ・システム回路2200ハードウェアを利用する。したがって、三相モータ、PWM増幅器サーボ・システム回路2200はまた、3つの上側電流センシング抵抗器R、R、R、及び下側電流センシング抵抗器Routを含む。一般に、故障分離は、サーボ・システム回路に電源電圧VCCの既知の量を印加し、かつ次いで上側電流センシング抵抗器R、R、R、及び/又は下側電流センシング抵抗器Routを通して流れる電流の量を分析することで以て単一点故障条件を分離することによって、完遂される。三相モータ、PWM増幅器サーボ・システム故障分離プロセスは、次の単一点故障条件、すなわち、モータ巻線開路、モータ巻線短絡線絡、モータ巻線地絡、増幅器励振トランジスタ開路、増幅器励振トランジスタ短絡、増幅器出力ワイヤボンド開路を分離することができる。
【0104】
図23A及び23Bは、本発明の好適実施例に従う、三相モータ、PWM増幅器故障分離プロセスの詳細ステップを示す流れ図である。図23Aによれば、制御論理2205は、モータ巻線を通る電流の整流を制御するために本来使用されるホール符号を取り消すことによって、かつ、ブロック2305によって示されたように、所望励振トランジスタ対(例えば、上側励振トランジスタT1及び下側励振トランジスタT5)に相当するホール符号を発生することによって、開始する。ホール符号は、立ち代わって、ブロック2310に示されたように、制御論理2205に所望トランジスタ対に相当する適当なトランジスタ制御線路(例えば、トランジスタ制御線路1及び5)を活性化させることになる。
【0105】
次に、制御論理2205は、ブロック2315によって示されたように、相当する上側電流センシング抵抗器を通して流れる電流(例えば、上側電流センシング抵抗器R又はR又はRをそれぞれ通る電流I又はI又はI)が所定しきい値Tを超えるかどうか判定しなければならず、ここでしきい値Tはそうでなければ電流の過大量であるものを表す。もし上側電流センシング抵抗器が電流の過大量を引き出しつつあるならば、判定ブロック2315から出る“YES”経路に従って、制御論理2205は、ブロック2317によって示されたように、SHUTDOWN命令を発生し、かつブロック2320によって示されたように適当な状態フラグをセットし、このようにして現在励振トランジスタ対(例えば、T1及びT5)の活性化が過電流条件を生じたことを表示することになる。
【0106】
しかしながら、もし現在の励振トランジスタ対の活性化がSHUTDOWNを生じなかったならば、判定ブロック2315から出る“NO”経路に従って、制御論理2205は、判定ブロック2325によって示されたように、励振トランジスタ対の活性化がNO CURRENT(電流なし)条件(すなわち、出力抵抗器Routを通して流れる電流が零である)を生じたかどうか判定する。もし励振トランジスタ対の活性化がNO CURRENT条件を生じるならば、判定ブロック2325から出る“YES”経路に従って、制御論理2205は、ブロック2330によって示されたように、適当な状態フラグをセットすることになる。
【0107】
次のステップは、判定ブロック2335によって示されたように、前述の励振トランジスタ対の全て6つが活性化されているかどうか判定することである。もし全て6つの励振トランジスタ対が活性化されていないならば、判定ブロック2335から出る“NO”経路に従って、制御論理2205は、次の所望励振トランジスタ対を活性化するように異なるホール符号を発生することになる。判定ブロック2335から出る“YES”経路に従って、いったん全て6つの励振トランジスタ対が活性化されたならば、状態フラグが下に説明するように故障条件を分離するために必要な情報の全てを含む。
【0108】
全て6つの励振トランジスタ対が活性化された後、状態フラグは、判定ブロック2340によって示されたように、励振トランジスタ対の2つが活性化されたとき増幅器SHUTDOWNが起こったこと、及びこれら2つの影響された励振トランジスタ対が同じ上側又は同じ下側励振トランジスタを含んでいたことを表示することがある。例えば、第1トランジスタ対は励振トランジスタ対T1及びT5を含むトランジスタ対であるかもしれないのに対して、第2トランジスタ対は第2トランジスタ対は励振トランジスタ対T1及びT6を含むトランジスタ対であるかもしれず、ここで両励振トランジスタ対が位相励振器Aからの上側励振トランジスタT1を含む。もし状態フラグがこの条件が起こっていることを表示するならば、判定ブロック2340から出る“YES”経路に従って、ブロック2345に示されたように、故障条件は増幅器短絡と識別されることになる。特に、故障分離プロセスは、故障条件を引き起こす励振トランジスタ、例えば、上の例における励振トランジスタT1を識別することになる。
【0109】
しかしながら、もし状態フラグがこの状態が起こったことを表示しないならば、判定ブロック2340から出る“NO”経路に従って、状態フラグはその代わりに、判定ブロック2350によって示されたように、2つの励振トランジスタ対が活性化されたときSHUTDOWNが起こったこと、及び両方の場合に同じ2つの位相励振器が係わりを持たされたことを表示することがある。例えば、状態フラグは、励振トランジスタT1及びT5を含むトランジスタ対の活性化中SHUTDOWNが起こったこと、及び励振トランジスタT2及びT4を含むトランジスタ対の活性化中SHUTDOWNが起こったことを表示することがある。この例では、位相励振器A及びBのみが影響される。もし状態フラグがこの状態が起こっていることを表示するならば、判定ブロック2350から出る“YES”経路に従って、ブロック2355によって示されたように、故障はモータ巻線短絡と識別されることになる。特に、故障分離プロセスは、上の例では、モータ巻線M−Mのような、故障条件を引き起こすモータ巻線を識別することになる。
【0110】
もし状態フラグが判定ブロック2350内に識別された条件が存在することを表示しないならば、判定ブロック2350から出る“NO”経路に従って、判定ブロック2360に示されたように、状態フラグは4つの励振トランジスタ対が活性化されたときSHUTDWONが起こったことを表示することがあり、かつここで全て4つの影響された励振トランジスタ対が共通励振器を伴う。例えば、状態フラグは、励振トランジスタT1とT5、T1とT6、T2とT4、T3とT4を含むトランジスタ対の活性化中SHUTDOWNが起こったことを表示することがある。この例では、共に位相励振器Aに係わる上側励振トランジスタT1又は下側励振トランジスタT4が係わりを持たせられる。もし状態フラグがこの条件が起こったことを表示するならば、判定ブロック2360から出る“YES”経路に従って、ブロック2365によって示されたように、故障条件はモータ巻線地絡と識別されることになる。特に、故障分離プロセスは、上の例における位相励振器Aのような、故障条件を引き起こす位相励振器を識別することになる。
【0111】
もし状態フラグが判定ブロック2360内に識別された条件が存在することを表示しないならば、判定ブロック2360から出る“NO”経路に従って、判定ブロック2370に示されたように、状態フラグは2つの励振トランジスタ対の活性化中NO CURRENT条件が起こったことを表示することがあり、かつここで2つの影響された励振トランジスタ対が同じ上側又は下側励振トランジスタに係わる。例えば、状態フラグは、励振トランジスタT1及びT5を含むトランジスタ対の活性化中かつ励振トランジスタT1及びT6を含むトランジスタ対の活性化中NO CURRENTが起こったことを表示することがある。この例では、影響された励振トランジスタ対の両方が上側励振トランジスタT1に係わる。もし状態フラグがこの条件が起こったことを表示するならば、判定ブロック2370からから出る“YES”経路に従って、ブロック2375によって示されたように、故障条件は増幅器開絡と識別されることになる。特に、故障分離プロセスは、上の例における励振トランジスタT1のような、故障条件を引き起こす励振トランジスタを識別することができる。
【0112】
もし状態フラグが判定ブロック2370内に識別された条件が存在することを表示しないならば、判定ブロック2370から出る“NO”経路に従って、状態フラグは4つの励振トランジスタ対の活性化中NO CURRENT条件が起こったことを表示することがあり、かつここで全て4つの励振トランジスタ対が共通位相励振器に係わる。例えば、状態フラグは、励振トランジスタ対T1とT5、T1とT6、T2とT4、T3とT4の活性化中NO CURRENT条件が起こったことを表示することがある。この例では、位相励振器Aが全て4つの励振トランジスタ対に共通である。もし状態フラグがこの条件が起こったことを表示するならば、判定ブロック2380から出る“YES”経路に従って、ブロック2385によって示されたように、故障条件はモータ巻線開路と識別されることになる。特に、故障分離プロセスは、上の例におけるモータ巻線Mのような、故障条件を引き起こしつつあるモータ巻線を識別することができる。
【0113】
もし状態フラグが判定ブロック2380内に識別された条件が存在することを表示しないならば、判定ブロック2380から出る“NO”経路に従って、ブロック2390によって示されたように、故障分離プロセスは単一点故障条件が分離されていないことを表示することになる。
【表2】

【0114】
表IIは、本発明の好適実施例による、三相モータ、PWM増幅器故障分離プロセスをまとめたものであり、ここで“SD”はSHUTDOWNを意味し、“NC”はNO CURRENT条件を意味する。重要なことは、三相モータ、PWM増幅器サーボ・システム回路2200が“WYE”構成で結線されることである。しかしながら、当業者が容易に理解するように、同様の故障分離プロセスを“DELTA(デルタ)”結線された、三相モータ、PWM増幅器サーボ制御回路用に実現することができ、同じく本発明の精神に含まれると考えられる。
【0115】
図24は、単相モータ、直線増幅器サーボ・システム回路2400の回路図である。通常動作条件下で、単相モータ、直線増幅器サーボ・システム回路2400は単相巻線を通る電流の整流を制御し、この電流が単相モータMの軸の回転を制御する。
【0116】
本発明の好適実施例では、単相モータ、直線増幅器サーボ・システム回路2400は、モノリシック二電力演算増幅器を含む単一供給、直線相互コンダクタンス・ブリッジ増幅器構成を採用する。特に、この構成は電源Vを含み、ここにVは好適実施例では+28ボルトに等しい。電源Vは双方向負荷流ILOADを単相モータMの巻線を通して流れさせ、ここで負荷電流ILOADは、演算増幅器Aと演算増幅器Bの入力に印加された電圧の量に直線的に比例する。
【0117】
単相モータ、直線増幅器サーボ・システム回路2400は、次のように働く。増幅器Aの出力電圧と電源電圧とが等しく(例えば、+28ボルトに等しく)かつ増幅器Bの出力電圧が0ボルトに等しいとき、負荷電流ILOADはその最大正値にある。増幅器Bの出力電圧と電源電圧とが等しくかつ増幅器Aの出力電圧が0ボルトに等しいとき、負荷電流ILOADはその最大負値にある。増幅器Aと増幅器Bの出力電圧とが等しいとき(例えば、増幅器Aと増幅器Bの出力が共にV/2ボルトに等しいとき)負荷電流ILOADは零であることが、論理的に導かれる。更に、単相モータMに掛かる電圧は0ボルトと+Vボルトとの間で変動することができ、したがって、負荷電流ILOADがこの電圧に対して直線的に変動する。それゆえ、当業者が容易に理解するように、単相モータ、直線増幅器サーボ・システム回路2400は、電圧命令の大きさ(すなわち、演算増幅器Aと演算増幅器Bの入力に印加される電圧の量)を変動させることによってサーボ・モータMの軸に印加されるトルクの量を直線的に変動させることができる。
【0118】
図24で直線増幅器A及びBの各々は、上側励振トランジスタ(図示されていない)及び下側励振トランジスタ(図示されていない)を含み、これらは図20に示された上側及び下側励振トランジスタに極く類似している。したがって、直線増幅器A内の上側励振トランジスタは単相モータMを通る正負荷電流ILOADを発生する任を主として負うのに対して、直線増幅器B内の下側励振トランジスタは正負荷電流ILOADをシンクする。同様に、直線増幅器B内の上側励振トランジスタは単相モータMに対する負負荷電流ILOADを発生する任を主として負うのに対して、直線増幅器A内の下側励振トランジスタは負負荷電流ILOADをシンクする。
【0119】
PWM増幅器サーボ組立体制御回路2000及び2200と異なり、単相モータ、直線増幅器サーボ・システム回路2400は、電源電流Iの量(すなわち、演算増幅器A及びBに印加される電流の量)に比例する電圧Vを発生するアナログ電源電流センシング増幅器2410、復帰電流±Iの量(すなわち、+I又は−Iの量)に比例する電圧Vを発生するアナログ復帰電流センシング増幅器2415、及び単相サーボ・モータMの巻線と並列に接続された分流抵抗器を含み、ここで分流抵抗器は比較的大きなインピーダンス値を有する。これらの追加構成要素は、次の単一点故障条件、すなわち、モータ巻線開路、モータ巻線線絡、モータ巻線地絡、増幅器励振トランジスタ開路、増幅器短絡、及び増幅器出力ワイヤ・ボンド開路を検出しかつ分離することを可能にする。
【0120】
図25は、単相モータ、直線増幅器サーボ故障分離プロセスの詳細ステップを示す流れ図である。図25によれば、制御回路2405は、ブロック2510によって示されたように、正電圧の所定量を発生することによってその手順を開始する。この電圧は、加算器2420及び加算器2425に印加される。好適実施例では、発生された電圧の量はV/ボルト(すなわち、加算器2420及び2425用規準電圧)より小さく、それであるから増幅器Aの入力電圧は+Vボルトより小さく及び増幅器Bの入力電圧は+Vボルトよりかなり小さい。通常動作条件下で、これは、単相モータ巻線を通して、図24に示されたように、正負荷電流ILOADを生じる。次に、ブロック2515によって示されたように、復帰電流+Iが測定される。
【0121】
次いで、制御回路2405は、ブロック2520によって示されたように、負電圧の所定量を発生する。この負電圧は、加算器2420及び加算器2425に同じように印加される。増幅器Bはいまや+Vボルトよりちょっと低い入力電圧を受け及び増幅器Aは+Vよりかなり低い入力電圧を受ける。通常動作条件下で、これは、単相モータ巻線を通して負負荷電流ILOADを生じることになる。ブロック2525に示されたように、復帰電流−Iがいまや測定される。
【0122】
次いで、制御回路2405は、判定ブロック2530によって示されたように、復帰電流+Iの大きさ及び復帰電流−Iの大きさが共に復帰電流の所定(すなわち、期待された)量より小さいかどうか判定し、ここで復帰電流の期待された量IExpは故障条件が存在しないとき期待する復帰電流の量に等しい。もし+I及び−Iの大きさが共に復帰電流の期待された量IEXPの大きさより小さいならば、判定ブロック2530から出る“YES”経路に従って、ブロック2535に示されたように、故障条件はモータ巻線開路と識別されることになる。モータ巻線開路条件はモータ巻線を通して通常流れる電流を、代わりにモータMの抵抗負荷に比較して大きな抵抗(すなわち、好適実施例では1400オーム)を有する分流抵抗器2430を通して強制的に流すので、復帰電流+Iの大きさ及び復帰電流−Iの大きさはIEXPより小さい。したがって、分流電流ISHUNTは分流抵抗器2430を横断して大きな電圧降下を引き起こす。分流抵抗器2430を横断する大きな電圧降下は、そうでなければアナログ電流センシング増幅器2415の入力を横断して起こっているであろう電圧降下を減少させる。これが、復帰電流+Iの大きさ及び復帰電流−Iの大きさが共に復帰電流の期待された量Iの大きさより小さいと云うように、復帰電流+Iの大きさ及び同様に復帰電流−Iのそれを小さくする。
【0123】
しかしながら、もし復帰電流+Iの大きさ及び復帰電流−Iの大きさが期待された復帰電流IEXPの大きさ以上であるならば、判定ブロック2530から出る“NO”経路に従って、制御回路2405は、判定ブロック2540に示されたように、復帰電流+Iの大きさ及び復帰電流−Iの大きさが共にIEXPに等しいかどうか判定する一方、またモータ軸の運動があるかどうか、又はモータ軸の誤り運動があるかどうか判定することになる。もしこれらの条件が真実ならば、判定ブロック2545から出る“YES”経路に従って、ブロック2545に示されたように、故障条件はモータ巻線線絡と識別されることになる。
【0124】
しかしながら、もし復帰電流+Iの大きさ及び復帰電流−Iの大きさがIEXPに等しくなく、モータ軸運動があり、及び/又はモータ軸の誤り運動があるならば、判定ブロック2540から出る“NO”経路に従って、制御回路2405は、判定ブロック2550によって示されたように、復帰電流+Iの大きさ及び復帰電流−Iの大きさが共に零であるかどうか判定する一方、また電源電流Iが復帰電流の量に等しくないかどうか(すなわち、Iが零でないかどうか)判定することになる。もしこれらの条件が真実ならば、判定ブロック2550から出る“YES”経路に従って、ブロック2555によって示されたように、故障条件はモータ巻線地絡と識別されることになる。
【0125】
しかしながら、もし復帰電流+Iの大きさ及び復帰電流−Iの大きさが零に等しくなく及び/又は電源電流Iの大きさが零に等しいならば、判定ブロック2550から出る“NO”経路に従って、制御回路2405は、判定ブロック2560によって示されたように、復帰電流+Iの大きさがIEXPの大きさに等しいかどうか、一方復帰電流−Iの大きさが零に等しいかどうか判定するか、又は復帰電流−Iの大きさがIEXPの大きさに等しいかどうか、一方復帰電流+Iの大きさが零に等しいかどうか判定することになる。もしこれらの条件のどちらかが真実ならば、判定ブロック2560から出る“YES”経路に従って、ブロック2565によって示されたように、故障条件は増幅器励振トランジスタ開路と識別されることになる。
【0126】
しかしながら、もし復帰電流+Iの大きさがIEXPの大きさに等しくない一方復帰電流−Iの大きさが零に等しい、又は復帰電流−Iの大きさがIEXPの大きさに等しくない一方復帰電流+Iの大きさが零に等しいならば、制御回路2405は、ブロック2570によって示されたように、復帰電流+Iの大きさが期待された復帰電流量IEXPに等しいかどうか、一方復帰電流−Iの大きさが復帰電流の所定最大量IMAXより大きいかどうか判定するか、又は復帰電流−Iの大きさがIEXPに等しいかどうか、一方復帰電流+Iの大きさが復帰電流の所定最大量IMAXより大きいかかどうか判定することになる。もしこれらの条件のどちらかが真実ならば、判定ブロック2570から出る“YES”経路に従って、ブロック2575によって示されたように、故障条件は増幅器励振トランジスタ短絡と識別されることになる。更に、制御回路2405は、保護増幅器SHUTDOWN命令を発する。
【0127】
しかしながら、もし復帰電流+Iの大きさがIEXPに等しくなく及び/又は復帰電流−Iの大きさがIMAXより大きいならば、又はもし復帰電流−Iの大きさがIEXPに等しくなく及び/又は復帰電流+Iの大きさがIMAXより大きいならば、判定ブロック2570から出る“NO”経路に従って、制御回路2405は、判定ブロック2580によって示されたように、復帰電流+Iの大きさ及び復帰電流−Iの大きさが共に零に等しいかどうか、かつ電源電流Iがまた零であるどうか判定することになる。もしこれらの条件が真実ならば、判定ブロック2580から出る“YES”経路に従って、ブロック2585によって示されたように、故障条件は増幅器出力ワイヤ・ボンド開路と識別されることになる。
【0128】
最後に、もし復帰電流+I及び−Iが零でない及び/又は電源電流Iが零に等しくないならば、判定ブロック2580から出る“NO”経路に従って、判定ブロック2590によって示されたように、単一故障条件は識別されないことになる。重要なことは、ステップ2530から2585を実行する順序を変える類似の手順も本発明の精神内に含まれると考えられることである。
表IIIは、単相モータ、直線増幅器サーボ故障分離能力の故障分離機能をまとめたものである。
【表3】

【0129】
本発明の好適実施例では、3つの上に識別されたサーボ・システム回路、すなわち、二相モータ、PWM増幅器サーボ・システム回路2000、三相モータ、PWM増幅器サーボ・システム回路2200、及び単相モータ、直線増幅器サーボ・システム回路2400は、相互コンダクタンス装置として説明される。相互コンダクタンス装置は、電流制御装置であり、この装置では負荷電流(すなわち、モータ巻線を通して流れる電流)が入力電圧命令を制御する負帰還信号として使用される。しかしながら、当業者が容易に理解するように、これら3つのサーボ・システム回路を電流制御装置よりはむしろ電圧制御装置として実現することもでき、そのようにしても上に説明した相当する故障分離プロセスには影響しないであろう。
【0130】
信号処理
この発明は、FLIR像と、像のディスプレイと目の間のインターフェースの質を高めるよう設計された多くの信号処理技術を提供する。FLIR像とその像の表示の質を高めることにより、この発明はAOIとそのAOI内のターゲットをより正確に描き、またこれをより安全な離れた範囲で描くことができる。図26に示すように、この信号処理技術は、2Dコントラストフィルタ2605、双線形内挿過程(BLI)2610、ダイナミックレンジ制御フィルタ2615、副画素ディザリング過程2620、上に述べたFLIRからレーザへのボアサイト過程中に用いられるFLIR集束技術2625、などの多数の像処理機能を含む。更に、この信号処理技術は、ノッチフィルタ機能2630、アナログ・ディジタル変換機能2635、画素または検出器要素値の利得およびレベル訂正機能2640、デッドセル置換機能2645、アナログ・ディジタル変換器(ADC)オフセットパターン除去機能2650、などの多数の像前処理機能を含む。
【0131】
像前処理機能から始めると、ノッチフィルタ2605は反射防止膜を有するガラスで製作した光学フィルタである。ノッチフィルタ2605は、IR信号がFPA2607上に集束する前にIR信号から雑音信号を除去するよう設計される。具体的に述べると、ノッチフィルタ2605は大気放射により生じる中間波領域(すなわち、4.2乃至5.55マイクロメートル)内の雑音信号を除去するよう設計される。当業者は周波数のこの領域を大気吸収帯またはCO吸収帯と呼ぶことが多い。ノッチフィルタ2605がないと、これらの大気雑音信号はIR信号を劣化させてIR像の質を低下させる。
【0132】
ノッチフィルタ2605はFLIR検出器/クーラー組立体427内に設けられる。ノッチフィルタは一般にこの技術で知られており、一般にFPAコールドフィルタと共に製作される。
【0133】
IR像がFPA2607上に集束すると、各検出器要素のアナログ値(すなわち光学像)はディジタル化される。以後、各検出器要素値を画素または画素値と呼ぶ。各検出器要素のディジタル化は4個のアナログ・ディジタル変換器(ADS)2635の中の1個で行う。しかし当業者が理解するように、3個以下または5個以上のADCを用いてもよい。この発明の好ましい実施の形態では、各検出器要素は12ビットの画素値に変換される。
【0134】
像データのフレーム毎に、12ビットの画素値に多くの像前処理を行う。第1像前処理技術は利得およびオフセット訂正過程2640である。利得およびオフセット訂正過程2640の目的は、各画素を校正することにより光学像から特定の雑音成分を除去することである。各画素を校正することにより除去される雑音成分は、検出器要素毎に利得とオフセットが変動することによって生じる。利得とオフセットの変動は、上に述べたディジタル化過程で対応する画素値に伝わる。校正を行うには、各検出器要素にホット基準とコールド基準を適用し、また必要があれば各画素の利得係数とオフセット係数を調整して各画素がホット基準に応じてまたコールド基準に応じて同じ値を反射するようにする。ホット基準とコールド基準に応じて各画素を校正する過程はこの技術でよく知られている。
【0135】
次の像前処理技術は「デッド」セル置換過程2645である。この過程の目的は「デッド」セル(すなわち、正しく応答しない検出器要素)のリストを保持して、各「デッド」セルに対応する画素値を最良の近似値に置換することである。最良の近似値は「デッド」セルに対応する画素に接する画素の値を平均することにより得られる。最良の近似値を得るには、正しく機能している検出器要素に対応する近くの画素だけを用いる。
【0136】
信号処理サブシステムはよく知られている基準のどれかを適用して、どの検出器要素が「デッド」であるか判定する。例えば、各検出器要素の熱応答と期待応答とを比較する。実際の応答が期待応答より非常に大きいか非常に小さい場合は、対応する検出器要素は恐らく正しく機能していない。検出器要素が正しく機能していないと判定するのによく用いられる別の基準は、検出器要素のディジタル応答が安定しているか、または変動しているように見えるかである。応答が変動している、すなわち揺らいでいるのは、恐らく対応する検出器要素が正しく機能していないことを示す。更に別の基準は、所定の検出器要素の応答と、全ての検出器要素の応答から得た平均値とを比較することである。或応答が平均の応答と実質的に異なる場合は、これは恐らく対応する検出器要素が正しく機能していないことを示す。また所定の検出器要素のダイナミックレンジが限定されている場合は、これは恐らく検出器要素が正しく機能していないことを示す。当業者が理解するように、この基準のリストはこれだけではなく、他の基準を同様に用いて「デッド」検出器要素を識別することができる。一般に、「デッド」セルを置換する手続きはこの技術でよく知られている。
【0137】
次の信号前処理技術はADCオフセットパターン除去機能2650である。FPA2607は、図26に示すように4本の出力線を有する。これらの各出力線は別個のADC2635に接続する。上に説明したように、ADCは検出器要素に関連するアナログ電圧レベルを12ビットの画素値に変換する。更に、4個の各ADCはFPA3607の4列毎の電圧レベルをそれぞれ変換する。例えば、第1ADCは列1、5、9、...、477内の検出器要素に関連するアナログ電圧を変換する。第2ADCは列2、6、10、...、478内の検出器要素に関連するアナログ電圧を変換する。第3ADCは列3、7、11、...、479内の検出器要素に関連するアナログ電圧を変換する。第4ADCは列4、8、12、...、480内の検出器要素に関連するアナログ電圧を変換する。更に、ADCは非常に感度が高く、特に大気温度が変化すると、時間と共にドリフトする傾向がある。しかしADCのどれかがドリフトする場合は、他の3個のADCとは無関係にドリフトする可能性がある。1個のADCが他の3個に対してドリフトすると、ディジタル像の4列毎に望ましくないオフセットすなわちバイアスを生じる。このオフセットすなわちバイアスをADCオフセットパターンと呼ぶ。
【0138】
ADCオフセットパターン除去機能2650の目的は、影響を受けた画素値を調整することによりディジタル像からこのオフセットすなわちバイアスを除去することである。この発明の好ましい実施の形態では、影響を受けた画素値を調整するこの過程は次のように行う。像データのフレーム毎に、4つのヒストグラム2660、2665、2670、2675を生成する。各ヒストグラムの内容は、4個のADCの中の対応するものが作った画素値に基づく。したがって、各ヒストグラムは120列の画素値を反映し、各列は480画素値を含む。像データのフレーム毎に、信号処理ソフトウエア2680は1つのヒストグラムについて平均画素値H、H、H、Hを順に計算する。ここで、20番目の百分順位の画素値と80番目の百分順位の画素値の間の画素値だけを用いて平均画素値を計算する。また像データのフレーム毎に、信号処理ソフトウエアは、4個の個別のヒストグラム平均値H、H、H、Hを全て用いて、全画素値平均HBARを計算する。HBARと個別の各ヒストグラムの平均値との差HBAR−H、HBAR−H、HBAR−H、HBAR−Hを、場合に応じて、既存の対応する画素オフセット係数に加えるかまたは画素オフセット係数から引く。
【0139】
前に述べたように、この発明ではディジタル像の質とディスプレイと目の間のインターフェースを改善するために多くの像処理機能を用いる。これらの像処理機能の第1は2D鮮鋭化フィルタ2605である。2D鮮鋭化フィルタ2605はエッジの強化(すなわち、高周波の像データの強化)に用いる。一般にエッジの強化を行うには、画素入力像当たり12ビットに低域フィルタリングを行って低域像を生成する。入力像から低域像を引くと高域像が得られる。次に、低域像と高域像の相対利得を調整した後、2つの像を統合して強化された像を形成する。
【0140】
図27は2D鮮鋭化フィルタ2700の好ましい実施の形態であって、次のように動作する。2D鮮鋭化フィルタ2700は、480x480画素の入力像内の各画素に低域フィルタリング操作2705を行って低域像を生成する。低域像は低周波の像データを含むのでやや不鮮明に見える。低域フィルタリング操作は3x3たたみこみ過程であって、入力像内の各画素の値を平均画素値で置換する。入力像内の任意の所定の画素について、画素値と各近接画素値を合計し、次に合計を得るのに用いた画素の数でその合計を割って、その画素の平均画素値を計算する。入力像の外のエッジ上にない全ての画素では、各合計操作に9画素が関係する。すなわち、平均化操作を行っている1画素と、それに近接する8画素である。この平均化操作を、入力像内の全ての画素値について繰り返す。
【0141】
2D鮮鋭化フィルタ2700はまた、入力像内の各画素値から低域像内の各画素値を引いて高域像を生成する。引き算を加算器2710で表す。この引き算の結果得られる高域像は入力像からの高周波の像データを含む。
【0142】
更に2D鮮鋭化フィルタ2700は、像コントラスト測度2715を生成する。像コントラスト測度2715を生成するには、まず入力像の各行に沿って隣接する画素値の差を計算する。次に全ての差の値を合計することによりコントラスト測度2715が得られる。例えば、真っ白または真っ黒の入力像(すなわち、殆ど低周波成分だけを含む入力像)は、非常に低いコントラスト測度を生じる。当然、雑音成分(一般に高周波雑音)は常にいくらか存在する。しかし、1つおきの画素が交互に白と黒である(すなわち、入力像が大きな高周波成分を含む)チェッカ盤パターンを示す入力像は、非常に大きなコントラスト測度を生じる。
【0143】
次に2D鮮鋭化フィルタ2700は、低域像2720の利得レベルGを高域像2725の利得レベルGに対して、またはその逆に、調整する。低いコントラスト測度を有する入力像は一般に比較的低い信号対雑音比(SNR)を示す。高周波の雑音内で不鮮明になった像の詳細を強化するには、比G/Gを高くする。これは、信号の利得レベルを上げ、雑音の利得レベルを下げる効果を持つ。次に調整された利得レベルGとGを低域像と高域像内の各画素にそれぞれ与える。高いコントラスト測度を有する入力像は一般に高いSNRを示す。像の質を更に高めるには比G/Gを低くする。これは、入力像内にすでに存在する高周波信号を更に強化する効果を持つ。再び、調整された利得レベルGとGを低域像と高域像内の各画素にそれぞれ与える。非常に高いコントラスト測度限界と非常に低いコントラスト測度限界の間のコントラスト測度を有する入力像については、コントラスト測度と利得レベルの関係を確立する多項曲線に基づいて比G/Gの調整を行う。この発明の好ましい実施の形態では、比G/Gを調整するのに用いる多項曲線はルックアップテーブルにより実現する。しかし当業者が容易に理解するように、多項曲線は式で容易に実現することができる。
【0144】
次に2D鮮鋭化フィルタは、今調整された低域像内の各画素と今調整された高域像内の対応する画素を加えて、強化された像を生成する。加算を加算器2730で表す。
【0145】
この発明で用いられる第2像処理機能は双線形内挿である。双線形内挿は、水平または垂直に像を移すのに用いられる。また像を回転したり電子ズームを与えたりするのにも用いられる。双線形内挿は一般にこの技術でよく知られている。
【0146】
この発明で用いられる第3像処理機能はダイナミックレンジ制御機能2615である。LANTIRNなどの従来のシステムでは、IR像を強化するのに適応非線形マッピングが用いられている。非線形マッピング方式は目盛りの中央を中心とするガウス分布かフラット分布を用いる。しかしすでに指摘されているように、多くの「見やすい」強さ分布は、人の目がグレイレベルの変化に対して敏感な黒の方を白より強調する。したがって目盛り中央を中心とするフラット分布やガウス分布は、一般に最も「見やすい」像は作らない。
【0147】
対照的に、この発明は画素像データ当たり12ビットを扱うので、図28に示すように、ヒストグラム分布の中心は目盛りの中央ではない。この発明はレイリー分布を用いる。その中心はヒストグラムダイナミックレンジの一端寄りに移動して暗い強さを強調し、明るい強さは強調しない(すなわち、飽和を減少させるため)。
【0148】
次にこの発明は画素IR像当たり12ビット(4096個の量子化された値)を画素像当たり8ビット(256個の量子化された値)に再マップして、標準の、画素当たり8ビットのRS−170ビデオディスプレイ装置に適応させる。再マッピング過程で解像度が実質的に減少するのを避けるために、この発明はルックアップテーブルを用いて12ビットの像を不均一に8ビットの像に再マップする。図29に示すように、この発明は12ビットの像分布の或領域にわたって、特に像データの濃度が高いダイナミックレンジの部分で、1:1マッピング方式と高レベルの解像度を保持する。同時にこの発明は、他の、像データの濃度が低いダイナミックレンジの部分の解像度レベルを減少させる。これにより、画素ディスプレイ装置により8ビットという制限があるにも関わらず、全体の像の解像度を最大にすることができる。
【0149】
更に第4像処理機能は副画素ディザリング機能2620である。この発明では、FPA2630は512x512のステアリングアレイである。しかし、標準RS−170ディスプレイ装置は像データの480行だけしか走査することができないので、IR像を生成するにはステアリングアレイの408x480部分だけが用いられる。いずれにしても、FPA2630は、アレイの更に小さい部分でも読み出すことのできるウインドウイングモードを有する。例えば、480x480像を読み出すのに必要な時間の約1/4で240x240像を読み出すことができる。この発明は、FPAウインドウイング機能とFSM415を用いて、2倍(2X)に強化された像モードを与える。より具体的に述べると、RS−170ビデオを作成するのに、この発明はFSM415を用いて、直径方向および下方に検出器の中心間の距離の1/2だけFPAのLOSをディザし、240x240像に基づいて、強化された480x480の像を得る。
【0150】
像データを組み合わせてRS−170ビデオデータを作る従来の方法では、一般に解像度が減少する。例えば、図30に示す従来の方法の1つは、偶数番目の検出器の行を捨てて「奇数」ビデオフィールドを作り、「奇数」番目の検出器の行を捨てて「偶数」ビデオフィールドを作る。この方法では、像データの半分を捨てるので検出器の感度が減少する。図31に示す別の従来の方法は、行を平均して「偶数」と「奇数」ビデオフィールドを作る。この方法では、縦の解像度が減少する。
【0151】
この発明では、FPA2630は図32に示すように240x240像を用い、図33に示すように、位置1a、2a、...、240aの像を統合する。次に第1ステップ命令をFSM415用の既存のフィードバック制御命令に加える。ステップ命令により、FSM415はFPA2630のLOSを検出器の中心間の距離の1/2だけ右にディザする。これにより、図33に示すように位置1b、2b、...、240bの画素値に基づいて新しい240x240像が得られる。この像を統合して、位置1b、2b、...、240bの画素値と最初の240x240像からの位置1a、2a、...、240aの画素値を交互に配置して、第1の240(垂直)x480(水平)の像を生じる。この第1の240x480の像は「奇数」ビデオフィールドを表す。
【0152】
第2ステップ命令により、FSM415はFPA2630のLOSを検出器の中心間の距離の1/2だけ左に、また検出器の中心間の距離の1/2だけ下にディザする。これによりFPAのLOSは、図33に示すように位置1c、2c、...、240cにある。この像を統合した後、更に別のステップ命令により、FSM415は再びFPA2630のLOSを検出器の中心間の距離の1/2だけ右にディザする。これによりFPA2630のLOSは、図33に示すように位置1d、2d、...、240dにある。この像を統合し、位置1d、2d、...、240dの画素値と位置1c、2c、...、240cの画素値を交互に配置して、第2の240(垂直)x480(水平)像を生じる。この第2の240x480像は「偶数」ビデオフィールドを表す。次に「奇数」および「偶数」ビデオフィールドを交互に配置して、元の240x240像の強化された480x480像を生じる。当業者が容易に理解するように、この強化された像は元の240x240ウインドウの2倍に強化された像である。
【0153】
FLIR集束過程などの他の像処理機能は、上に述べたFLIRからレーザへのボアサイトなどのサブシステムを支援する。図11に戻って、ボアサイト焦点板パターン1100は多数のチェッカ盤パターンを含む。3つの2085マイクロラジアンパターンはWFOVのFLIR集束過程に関連し、4つの小さい700マイクロラジアンパターンはNFOVのFLIR集束過程に関連する。図12に示すWFOVおよびNFOV集束手続きの間は、BSM内のIR源1015は対応するチェッカ盤パターンでFPA2630を照射する。重要なことは、FPA2630上に照射されるチェックの幅は検出器要素の幅より小さく(すなわち、チェッカとチェッカの間の距離は画素と画素の間の距離より小さく)、当業者が容易に理解するように、チェッカ盤パターンと画素の間にランダム位相関係がなければならないことである。FLIR集束レンズを調整するときにチェッカ盤パターンで照射される画素の値に基づいて、多数のコントラスト測定値が得られる。最良の結果を生じるFLIR集束レンズの位置は、ピークのコントラスト測定値に対応する。FLIR集束過程について、以下に詳細に説明する。
【0154】
図34はFLIR集束過程の詳細なステップを示す流れ図である。上に述べたように、FLIR集束過程(すなわち、NFOVまたはWFOVのFLIR集束過程)は、ブロック3405に示すように、IR源1015が対応するチェッカパターンでFPA2630を照射するときに始まる。次にブロック3410に示すように、チェッカ盤パターンで照射された画素の画素値を記録する。次にブロック3415に示すように、上に述べた画素値を用いて、最大の記録された画素値と最小の記録された画素値の差を計算することにより、コントラスト測定値を計算する。次にブロック3420に示すように、FLIR集束レンズを増分して調整する(すなわち、変換する)。追加のコントラスト測定値が必要な場合は、判定ブロック3425からの「はい」の経路に従って追加の画素値を記録し、追加のコントラスト測定値を計算する。しかし追加のコントラスト測定値が必要でない場合は、判定ブロック3425からの「いいえ」の経路に従って、ブロック3430に示すように調整データをプロットし(すなわち、コントラスト測定値に対するFLIR集束レンズ位置を)、ブロック3435に示すように、調整データ点を最も適合する多項曲線でつなぐ。次にブロック3440に示すように、最大調整点を決定する(すなわち、多項曲線のピーク)。最大調整点は最良のFLIR像焦点に対応するFLIRレンズ位置を表す。
【0155】
この過程はより明確でより視覚的に正確な像を与えるだけでなく、より正確なボアサイト過程を容易にし、そして最終的に、より正確なFLIRからレーザへのLOSを与える。更に、上に述べたようにチェッカパターンと画素の間にランダム位相関係がない場合は、記録された画素値はチェッカ盤パターンに対する固定エイリアス(alias)を反映し、FLIR集束レンズを調整しても記録された画素値のコントラストレベルに影響を与えない。
【0156】
この発明について好ましい実施の形態を説明した。しかし当業者に明らかなように、上に説明したものとは異なる特定の形式で、しかもこの発明の精神から逸れることなく、この発明を実現することができよう。上に説明した好ましい実施の形態は単なる例であって、いかなる意味においても制限するものと考えてはならない。この発明の範囲は、これまでの説明ではなくて特許請求の範囲で与えられるものであり、請求の範囲内に含まれる全ての変更や同等物はその中に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0157】
以下の図面と共に下記の詳細説明を読めば、本発明の目的および利点を理解することができる。
【図1】レーザ溢れの概念を示す図。
【図2】レーザ溢れによる距離測定エラーの概念を示す図。
【図3】従来技術に従ったFLIR/レーザシステムの光学的設計を示す図。
【図4】本発明の好ましい実施例の光電気サブシステムを示す図。
【図5】Aは、NFOVモードにおけるFLIRリレー/FOVアセンブリの光学的構成を示す図、Bは、WFOVモードにおけるFLIRリレー/FOVアセンブリの光学的構成を示す図。
【図6】レーザコンペンセータ(補償器)ユニット内のレーザエネルギの偏光を示す図。
【図7】LOS/サーボサブシステムのブロック図。
【図8】ピッチ/ヨージンバルアセンブリ内の共通ピッチ/ヨーアフォーカル(無限焦点)およびジンバルミラーの光学的構成を示す図。
【図9】高速操縦ミラーアセンブリを示す図。
【図10】ボアサイトモジュールを示す図。
【図11】ボアサイトレチクルパターンを示す図。
【図12】ボアサイト過程のブロック図。
【図13】レーザスポットのアライニングに使用されるボアサイトレチクルパターンの一部を示す図。
【図14】AからFはレーザスポットのアライニングに使用される格子パターンを示す図。
【図15】一体型LST/LRRを利用した本発明の別の実施例を示す図。
【図16】一体型LST/LRRを示す図。
【図17】セグメント化された窓を示す図。
【図18】従来技術に従ったEMI格子が使用される場合にFLIR画像と干渉する典型的なエネルギアーティファクトを示す図。
【図19】本発明に従ったEMI格子の好ましい実施例を示す図。
【図20】2相モータ、PWM増幅器サーボシステムの線図。
【図21】2相モータ、PWM増幅器故障分離過程を示すフロー図。
【図22】3相モータ、PWM増幅器サーボシステムの線図。
【図23A】3相モータ、PWM増幅器故障分離過程を示すフロー図。
【図23B】3相モータ、PWM増幅器故障分離過程を示すフロー図。
【図24】単相モータ、線形増幅器サーボシステムの線図。
【図25】単相モータ、線形増幅器故障分離過程を示すフロー図。
【図26】本発明の好ましい実施例に従った信号処理機能を示すブロック図。
【図27】2次元鮮鋭化フィルタを示す図。
【図28】ピクセル画像データのダイナミックレンジをリマッピングして明るい強度よりも暗い強度を強調する過程を示す図。
【図29】非均一、ダイナミックレンジリマッピング方式を示す図。
【図30】従来技術に従って偶数のビデオフィールドおよび奇数のビデオフィールドを生成する方法を示す図。
【図31】従来技術に従って偶数のビデオフィールドおよび奇数のビデオフィールドを生成する方法を示す図。
【図32】より大きいデジタル画像内の240X240ピクセル窓を示す図。
【図33】本発明の好ましい実施例に従って偶数のビデオフィールドおよび奇数のビデオフィールドを生成する方法を示す図。
【図34】FLIR画像を結像させる方法を示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関心領域(AOI)から赤外(IR)エネルギーを受けとり、AOIイメージを生成するための前方探索赤外(FLIR)オプティカルサブシステムと、
AOIの少なくとも1つの対象物を照射するためのレーザエネルギーを生成し、該少なくとも一つの対象物により反射されたレーザエネルギーを受け取るためのレーザオプティカルシステムとを備え、
レーザオプティカルシステムとFLIRオプティカルサブシステムは共通ピッチベアリングを共有することを特徴とするターゲットおよびイメージシステム。
【請求項2】
該レーザオプティカルシステムは、
レーザ送信器と、
該少なくとも一つの対象物により反射された該レーザエネルギーを受け取るレーザ受信器とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項3】
レーザ送信器はND:YAGレーザ送信器であることを特徴とする請求項2に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項4】
レーザ受信器は、
レーザ領域受信器と、
レーザスポット追跡器とを備えることを特徴とする請求項2に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項5】
レーザ送信器は中間波IR信号を送信することを特徴とする請求項2に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項6】
関心領域(AOI)から赤外(IR)エネルギーを受けとるための前方探索赤外(FLIR)オプティカルシスムと、
FLIRオプティカルシステムからの該IRエネルギーを受け取るように配列され、AOIから受けとられたIRエネルギーでIRイメージを生成するためのFLIRオプティカル画像器と、
レーザ送信器と、
レーザ受信器および
該レーザ送信器からのレーザエネルギーをAOIに位置する望みのターゲットに向け、AOIの望みのターゲットから戻るレーザエネルギーを該レーザ受信器に向けるためのレーザ光学装置とを備え、
ピッチローテーションに個々に係わるあらゆるオプティカルエレメントは、該FLRオプティカルシステムと該レーザ光学装置により共通的に共有されるように、該FLIRオプティカルシステムと該レーザオプティカルシステムは共通のピッチベアリングを共有することを特徴とするターゲットおよびイメージシステム。
【請求項7】
該FLIRオプティカルシステムと該レーザ光学手段により共有される光学要素は、
視野ラインのFLIRエネルギーと、ピッチアングルの摂動に応答して回転軸の回りの光学イメージを光学的に安定化するためのデロール手段とを備えることを特徴とする請求項6に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項8】
該FLIRオプティカルシステムと該レーザ光学装置により共通的に共有される光学要素は、ピッチ/ヨーアフォーカルと、
高速ステアリングミラー(FSM)とを備えることを特徴とする請求項7に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項9】
該デロール手段はデロールプリズムを備えることを特徴とする請求項7に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項10】
該FLIRオプティカルシステムは、
レーザエネルギーとIRエネルギーの双方に対する共通の絞りとして役立つ複数のレンズにより構成されるピッチ/ヨーアフォーカルと、
光学的にピッチ/ヨーアフォーカルに結合され、FLIR狭フィールドビュー(NFOV)とFLIR広フィールドビュー(WFOV)の間でスイッチ可能なFLIRフィールドビュー(FOV)と、
デロールプリズムと、
高速ステアリングミラー(FSM)とを備えることを特徴とする請求項6に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項11】
該FLIR FOVシステムは、
中間焦点面にリアル・エントランス・ピューピルとリアル・エグジット・ピューピルを保持する光学装置を備えることを特徴とする請求項10に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項12】
該FLIR画像器は該FLIRオプティカルシステムおよび該FLIRオプティカル画像器に光学的に結合され、
IRイメージの焦点を結ぶためのFLIR焦点装置と、
FLIR画像器/検出器のインタフェースを介して該FLIR画像器に光学的に結合されるIRイメージの電子画像を生成するFLIR検出器とを備えることを特徴とする請求項6に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項13】
該FLIR画像器とFLIR検出器は、それぞれFLIR画像器/検出器のインタフェースを介して通過するIRエネルギーを照準するためのコリメートレンズを備えることを特徴とする請求項12に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項14】
ステアリング・フォーカル・プレーン配列と、
冷却装置と、
大気吸収バンド、ノッチフィルタとを備えることを特徴とする請求項12に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項15】
該レーザ光学装置は、
ピッチ/ヨーアフォーカルと、
ピッチ/ヨーアフォーカルに光学的に結合されたレーザエネルギーの焦点を結ぶレーザ焦点光学装置と、
光学的に該レーザ焦点光学装置に結合され、該レーザ受信器にレーザエネルギーを向けるための組合せ光学装置と、
デロールプリズムと、
高速ステアリングミラー(FSM)および
該デロールプリズムと該FSMを介して該組合せ光学装置に結合され、および該レーザ送信器に接続されるものであって、レーザエネルギーを操作しそしてレーザエネルギーの偏光を調整する補償器とを備えることを特徴とする請求項6に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項16】
該レーザ受信器は、
該レーザ領域受信器(LRR)と、
レーザスポット追跡器(LST)とを備えることを特徴とする請求項15に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項17】
該組合せ光学手段は、
該組み合わせ光学手段においてレーザエネルギーを操作するための手段と、
レーザエネルギーをLRRおよびLSTの一つに向けるためのLST/LRRスイッチ手段とを備えることを特徴とする請求項16に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項18】
該組合せ光学手段においてレーザエネルギーを操作するための該手段は、
一組のリスレープリズムを備えることを特徴とする請求項17に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項19】
LRR/LSTスイッチ手段は、
光学ウゥーブプレートを備えることを特徴とする請求項17に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項20】
充分な量のレーザエネルギーがデロールプリズムを介して通過することを保証するためにレーザエネルギーの偏光を調整するための一組の光学ウェーブレートと、
レーザエネルギーを操作するための一組のリスレープリズムとを備えることを特徴とする請求項15に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項21】
前記レーザ光学手段は、
ピッチ/ヨーアフォーカルと、
該ピッチ/ヨーアフォーカルに光学的に結合されたレーザエネルギーの焦点を結ぶレーザ焦点光学装置と、
該レーザエネルギーを該レーザ焦点手段から該レーザ受信器に反射するための手段と、
該レーザ受信手段に該レーザエネルギーを反射するための手段に光学的に結合されたデロールプリズムと、
該デロールプリズムに光学的に結合された高速ステアリングミラー(FSM)と、
該FSMおよび該レーザ送信器に接続されたものであって、該レーザエネルギーを操作しそしてレーザエネルギーの偏光を調整する補償器とを備えることを特徴とする請求項6に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項22】
前記レーザ受信器は、レーザ領域受信器(LRR)/レーザ領域スポット追跡器(LST)とを備えることを特徴とする請求項21に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項23】
LSTは4重セル受信器であり、該LRRが該LSTの中央に位置されるように該LRRとLSTはシングルユニットに組み合わされることを特徴とする請求項22に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項24】
デロールプリズムを介して通過するレーザエネルギー量を制御するためにレーザエネルギーの偏光を調整する一組の光学ウェーブプレートと、
レーザエネルギーを操作するための一組のリスレー・ブリズムとを備えることを特徴とする請求項21に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項25】
所望の関心領域(AOI)に向かって赤外(IR)視野ライン(LOS)を操作し、AOIからのIRエネルギーを受けとり、IRエネルギーの焦点を結び、そしてAOIの光学イメージを生成する前方探索赤外(FLIR)光学装置と、
レーザ送信器と、
レーザ領域受信器と、
レーザスポット追跡器(LST)と、
送信器レーザエネルギーが少なくともAOIの一部に照射するようにレーザLOSを操作するためのレーザエネルギーにを受信し、受信レーザエネルギーをLRRおよびLSTに向けるためのレーザ光学装置とを備え、
ここに該FLIR光学手段と該レーザ光学手段は、単一ピッチベアリングを共有し、
IRエネルギーとレーザエネルギーは共通の絞りを介して通過することを特徴とするターゲットおよびイメージシステム。
【請求項26】
IR LOSとレーザLOSを調整し、IR LOSとレーザの間のダイナミックLOS整列誤差を最小にするLOS補正手段とを備えることを特徴とする請求項25に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項27】
該LOSは補正手段は、
該FLIR光学装置と該レーザ光学装置により共有された光学要素を備え、該共有光学要素の各々は個々にピッチ軸回転に従うことを特徴とする請求項25に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項28】
該共有された光学手段は、
ピッチ/ヨーアフォーカルと、
FLIR LORピッチ角の摂動に応答して、回転軸の回りのIRイメージを光学的に安定化するためのデロールプリズムと、
IR LOSとレーザLOSの高振動周波数を減衰する高速ステアリングミラー(FSM)とを備えることを特徴とする請求項27に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項29】
該LOS補正手段は、
複数のジンバル装置と、
FLIR LOSピッチ角の摂動に応答して回転軸に関してIRイメージを光学的に安定するためのデロールプリズムと、
IR LOSおよびレーザLOSの高周波数振動を減衰する高速ステアリングミラーと、
高周波数振動と構造的なたわみ力を減衰するための振動分離手段とを備えることを特徴とするクレーム26に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項30】
振動分離手段は、受動的、光学的分離ベッドであることを特徴とする請求項29に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項31】
サーボモータと増幅器を含むサーボシステムの電気的欠陥を分離するための欠陥分離手段を含み、該欠陥分離手段は、
サーボモータの捲線を介して第1の方向の電流をドライブするための手段と、
サーボモータの捲線を介して第2の方向に電流をドライブするための手段と、
電流をドライブするための該第1と第2の手段に流れる込む電流の量の関数とし、電流をドライブするための該第1と第2の手段から流れ出す電流の関数として増幅器とサーボモータの間の欠陥を分離するための手段とを備えることを特徴とする請求項25に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項32】
該欠陥分離手段は、
サーボモータの各捲線に対する第1と第2手段とを備えることを特徴とする請求項31に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項33】
サーボモータは2相トルクモータであり、増幅器はパルス幅変調増幅器であることを特徴とする請求項32に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項34】
サーボモータは3相トルクモータであり、増幅器はパルス幅変調増幅器であることを特徴とする請求項32に記載のターゲットおよびイメージシステム。
【請求項35】
請求項32記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、サーボ電動機は単相トルク電動機であり、および増幅器が線形増幅器である、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項36】
請求項31記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記第1装置および第2装置に流入する電流の量の関数としておよび前記第1装置および第2装置から流出する電流の関数として増幅器とサーボ電動機との間の欠陥を分離するための前記装置が
電圧源と前記第1装置との間に接続された第1入力抵抗器と、
電圧源と前記第2装置との間に接続された第2入力抵抗器と、
前記第1装置および前記第2装置とアースとの間に接続された出力抵抗器と、を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項37】
請求項36記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記欠陥分離装置が
サーボ電動機のそれぞれの巻線に対する第1装置および第2装置、
をさらに有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項38】
請求項31記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、
サーボ電動機の巻線の第1方向に電流を駆動する前記第1装置が
巻線の第1端部に接続された第1線形増幅器と、
前記第1線形増幅器とアースとの間に接続された第1リターン電流検知抵抗器と、
巻線の第2端部に接続された第2線形増幅器と、
前記第2線形増幅器とアースとの間に接続された第2リターン電流検知抵抗器と、
巻線と並列に接続された分路抵抗器と、
電源電流検知抵抗器を通して第1線形増幅器および第2線形増幅器の入力に接続された電圧源と、
第1線形増幅器が第2線形増幅器に関して差動電圧出力を生ずるように、第1線形増幅器および第2線形増幅器にバイアス作用を行う制御回路装置と、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項39】
請求項31記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、
サーボ電動機の巻線の第2方向に電流を駆動する前記第2装置が
巻線の第1端部に接続された第1線形増幅器と、
前記第1線形増幅器とアースとの間の第1リターン電流検知抵抗器と、
巻線の第2端部に接続された第2線形増幅器と、
前記第2線形増幅器とアースとの間の第2リターン電流検知抵抗器と、
電源電流検知抵抗器を通して第1線形増幅器および第2線形増幅器の入力に接続された電圧源と、
第2線形増幅器が第1線形増幅器よりも大きな電圧出力を生ずるように、第1線形増幅器および第2線形増幅器にバイアス作用を行う制御回路装置と、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項40】
請求項31記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、
前記第1装置および第2装置に流入する電流の量の関数としておよび前記第1装置および第2装置から流出する電流の関数として増幅器とサーボ電動機との間の欠陥を分離するための前記装置が
電源電流検知抵抗器を流れる電流の量に比例する電圧を決定するための電源電流検知装置と、
第1リターン電流抵抗器および第2リターン電流抵抗器を流れる電流の量に比例する電圧を決定するためのリターン電流検知装置と、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項41】
請求項38記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記電源電流検知抵抗器が
電流検知増幅器、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項42】
請求項38記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記リターン電流検知装置が電流検知増幅器、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項43】
請求項25記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、ボアサイト・サブシステムをさらに有し、前記ボアサイト・サブシステムが
レチクルパターンを通してIRエネルギを焦平面アレイの上にIRエネルギを投射する装置と、
IR LOSをレチクルパターンの中の複数個のIR開口部と整合させる装置と、
レチクルパターンの中のレーザ開口部を通してボアサイト・サブシステムの中に透過するレーザ・エネルギを受け取る装置であって、レーザ開口部が中央に配置された開口部に向って半径方向内側に突き出た横方向端部を有する、レーザ・エネルギを受け取る前記装置と、
レーザLOSを中央に配置された開口部に向けて横方向端部に沿って移動させる装置と、
多数個の格子位置に従ってレーザLOSを移動させる装置と、
レーザ・エネルギを受け取る前記装置によるピーク・レーザ・エネルギ検出に対応する格子位置に従ってレーザLOSを整合する装置と、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項44】
請求項25記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、光学像をディジタル像に変換するためのアナログ・ディジタル変換器を備えた信号処理サブシステムをさらに有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項45】
請求項44記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記信号処理サブシステムが2次元鮮鋭化フィルタを有し、前記2次元鮮鋭化フィルタが
ディジタル像から低周波数ディジタル像を抽出する装置と、
ディジタル像から高周波数ディジタル像を抽出する装置と、
調整された低周波数ディジタル像と調整された高周波数ディジタル像とを生ずるために、低周波数ディジタル像と高周波数ディジタル像との間の相対的利得を調整する装置と、
調整された低周波数ディジタル像と調整された高周波数ディジタル像とを結合する装置と、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項46】
請求項45記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記2次元鮮鋭化フィルタが
ディジタル像に対するコントラスト値を測定する装置であって、相対的利得が前記コントラスト値の関数として調整される、コントラスト値を測定する前記装置と、
をさらに有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項47】
請求項46記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、コントラスト値を測定する前記装置が
ディジタル像の中の隣接する画素に対応するディジタル値の間の差を決定する装置と、
前記差値を加算する装置と、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項48】
請求項45記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、低周波数ディジタル像を抽出する前記装置が
隣接する画素に対する複数個の画素値を有するディジタル像の中のおのおのの画素値を平均する装置、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項49】
請求項44記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記アナログ・ディジタル変換装置がアナログ・ディジタル変換器(ADC)の番号「n」を有し,および前記信号処理サブシステムがADCオフセット・パターン除去装置を有するとして、
「n」個のヒストグラムを発生する装置であって、前記n個のヒストグラムのおのおのが前記「n」個のADCの対応する1つにより生ずる画素値のダイナミック・レンジを反映する、「n」個のヒストグラムを発生する前記装置と、
前記「n」個のADCの対応する1つに付随するおのおのの画素に対する画素オフセット係数を対応するヒストグラムのダイナミック・レンジの関数として調整する装置と、
前記「n」個のADCの対応する1つに付随するおのおのの画素の値を対応する調整された画素オフセット係数の関数として調整することにより、ADCオフセット・パターンの差を除去する装置と、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項50】
請求項44記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記信号処理サブシステムがサブ画素ディザ装置を有し、前記サブピクセルディザ装置が
画素寸法の一部分に等しい量だけIR像の一部分を水平方向に移動する装置と、
IR像の前記部分とIR像の水平方向に移動された部分とを集積することにより、第1ビデオ・フィールドを発生する装置と、
IR像の必要な部分を画素寸法の同じ部分だけ垂直方向に移動する装置と、
IR像の垂直方向に移動された部分を画素寸法の同じ部分だけ水平方向に移動する装置と、
IR像の垂直方向に移動された部分をIR像の垂直方向および水平方向に移動された部分とを集積することにより、第2ビデオ・フィールドを発生する装置と、
第1像フィールドと第2像フィールドとを電気的にインタリーブする装置と、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項51】
請求項50記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、IR像の必要な部分を水平方向および垂直方向に移動させる前記装置が高速ステアリング・ミラーを有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項52】
請求項44記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記信号処理サブシステムがIR像を集束する装置を有し、前記集束装置が
光集束素子を複数回調整する装置と、
IR検出器素子のアレイと、
光集束素子のそれぞれの調整の後、高い周波数のテスト・パターンでIR検出器素子のアレイを照射する光学装置であって、前記テスト・パターンとIR検出器素子の前記アレイとの間にランダムな位相関係が存在し、および前記アナログ・ディジタル変換器が前記検出器素子のおのおのに付随するアナログ値を対応するディジタル・ワードに変換する、前記光学装置と、
光集束素子のそれぞれの調整の後、ディジタル・ワードに基づいてピーク・コントラストの測度を発生する装置と、
光集束素子の結像のために前記装置を制御する制御信号を発生する制御装置であって、前記制御装置がピーク・コントラスト測度を発生するために前記装置に応答する、前記制御装置と、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項53】
請求項52記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、照射を行う前記装置が交替する暗正方形部と明正方形部のアレイを備えたチェッカボード・パターンである高い周波数のテスト・パターンを有するIR検出器素子を照射する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項54】
請求項52記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、ピーク・コントラスト測度を発生する前記装置が
コントラスト測度を接続する最良適合多項式曲線を発生する装置、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項55】
請求項25記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、
ハウジング組立体と、
前記ハウジング組立体に付随する窓であって、前記窓をIRエネルギおよびレーザ・エネルギが透過する、前記窓と、
をさらに有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項56】
請求項55記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記窓が角度的に相互にオフセットしている複数個の窓パネルを有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項57】
請求項56記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記窓パネルのおのおのが
電磁波干渉コーティング、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項58】
請求項56記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記窓パネルのおのおのが
雨腐食保護コーティング、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項59】
請求項56記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記窓パネルのおのおのが
耐久性反射防止(DAR)コーティング、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項60】
請求項56記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記窓パネルのおのおのが
内部反射防止コーティング、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項61】
請求項55記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記窓が
電磁波妨害(EMI) 格子、
を有する、前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項62】
請求項61記載のターゲット及びイメージング・システムにおいて、前記EMI格子が
円形格子素子のアレイを有し、および軸上の電磁波が格子を透過することができおよび軸外の電磁波が半径方向に分散するように前記円形素子が行および列に整列している、
前記ターゲット及びイメージング・システム。
【請求項63】
サーボ電動機を有するサーボ・システムの中の電気的欠陥を分離する方法であって、
(a)第1電流作動信号を発生する段階と、
(b)サーボ電動機の軸位置に無関係に第1電流作動信号に応答してサーボ電動機の巻線の第1方向に電流を流すために第1電流制御装置を作動する段階と、
(c)第2電流作動信号を発生する段階と、
(d)サーボ電動機の軸位置に無関係に第2電流作動信号に応答してサーボ電動機の巻線の第2方向に電流を流すために第2電流制御装置を作動する段階と、
(e)第1電流制御装置および第2電流制御装置に流入および流出する電流の量の関数として欠陥が存在するかどうかを決定する段階と、
を有する、前記方法。
【請求項64】
請求項63記載の方法において、サーボ電動機が2相電動機であり、および第1電流制御装置と第2電流制御装置がパルス幅変調増幅器である、前記方法。
【請求項65】
請求項63記載の方法において、サーボ電動機が3相電動機であり、および第1電流制御装置と第2電流制御装置がパルス幅変調増幅器である、前記方法。
【請求項66】
請求項63記載の方法であって、前記サーボモーターが単相モーターであり、更に前記第1および第2の電流制御手段が線形増幅器である方法。
【請求項67】
請求項63記載の方法であって、工程(e)において、モーター巻線の短絡、モーター巻線の地絡、モーター巻線の開路、増幅器の短絡、あるいは増幅器の開路のいずれかが存在することが決定される方法。
【請求項68】
サーボモーターおよび増幅器を含むサーボシステムにおいて、電気的故障を分離する方法であって、前記方法が、
(a)第1の電流命令を発すること、
(b)サーボモーターシャフトの位置に関わらず、前記第1の電流命令に応答して、モーター巻線を通って第1の方向へ電流を流すための電流制御手段を駆動すること、
(c)前記第1の電流制御手段中へ流れ込む電流の大きさが予め定められたしきい値よりも大きいことを決定すること、
(d)前記第1の電流制御手段から流れ出す電流の大きさが零であることを決定すること、
(e)第2の電流命令を発すること、
(f)サーボモーターシャフトの位置に関わらず、前記第2の電流命令に応答して、モーター巻線を通って第2の方向へ電流を流すための第2の電流制御手段を駆動すること、
(g)前記第2の電流制御手段中へ流れ込む電流の大きさが予め定められたしきい値よりも大きいことを決定すること、
(h)前記第2の電流制御手段から流れ出す電流の大きさが零であることを決定すること、
(i)前記増幅器中で電気的故障が発生したかどうか、あるいはモーター巻線中で電気的故障が発生したかどうかを、前記第1および第2の電流制御手段中へ流れ込む、およびそれらから流れ出す電流の大きさの関数として決定すること、の工程を含む方法。
【請求項69】
請求項68記載の方法であって、電気的故障が発生したかどうかを決定する前記工程が、
もしも、
第1の電流を流す前記手段中へ流れ込む電流の大きさが前記予め定められたしきい値よりも大きく、かつ
第2の電流を流す前記手段中へ流れ込む電流の大きさが前記予め定められたしきい値よりも大きければ、
前記故障がモーター巻線の短絡故障であると決定すること、
を含んでいる方法。
【請求項70】
請求項68記載の方法であって、電気的故障が発生したかどうかを決定する前記工程が、
もしも、
第1の電流を流す前記手段中へ流れ込む電流の大きさが前記予め定められたしきい値よりも大きく、かつ
第2の電流を流す前記手段中へ流れ込む電流の大きさが零であれば、
前記故障がモーター巻線の地絡故障であると決定すること、
を含んでいる方法。
【請求項71】
請求項68記載の方法であって、電気的故障が発生したかどうかを決定する前記工程が、
もしも、
第1の電流を流す前記手段中へ流れ込む電流の大きさが前記予め定められたしきい値よりも大きいか、あるいは
第2の電流を流す前記手段中へ流れ込む電流の大きさが前記予め定められたしきい値よりも大きいか、であって、
しかし、両者ともには前記予め定められたしきい値より大きいということがなければ、
前記故障が増幅器の短絡故障であると決定する工程、
を含んでいる方法。
【請求項72】
請求項68記載の方法であって、電気的故障が発生したかどうかを決定する前記工程が、
もしも、
第1の電流を流す前記手段中へ流れ込む電流の大きさが前記予め定められたしきい値よりも大きくなく、かつ
第2の電流を流す前記手段中へ流れ込む電流の大きさが前記予め定められたしきい値よりも大きくなく、かつ
第1の電流を流す前記手段および第2の電流を流す手段から流れ出す電流の大きさが零であれば、
前記故障がモーター巻線の開路故障であると決定する工程、
を含んでいる方法。
【請求項73】
請求項68記載の方法であって、電気的故障が発生したかどうかを決定する前記工程が、
もしも、
第1の電流を流す前記手段中へ流れ込む電流の大きさが前記予め定められたしきい値よりも大きくなく、かつ
第2の電流を流す前記手段中へ流れ込む電流の大きさが前記予め定められたしきい値よりも大きくなく、かつ
第1の電流を流す前記手段あるいは第2の電流を流す前記手段のいずれかからの流出電流の大きさが零でないものの、両方ともにそうなることがなければ、
前記故障が増幅器の開路故障であると決定する工程、
を含んでいる方法。
【請求項74】
請求項68記載の方法であって、電気的故障が発生したかどうかを決定する前記工程が、
もしも、
第1の電流を流す前記手段中へ流れ込む電流の大きさが前記予め定められたしきい値よりも大きくなく、かつ
第2の電流を流す前記手段中へ流れ込む電流の大きさが前記予め定められたしきい値よりも大きくなく、かつ
第1の電流を流す前記手段から流れ出す電流の大きさと、第2の電流を流す前記手段から流れ出す電流の大きさの両者が零でなければ、
故障状態ではないと決定する工程、
を含んでいる方法。
【請求項75】
サーボモーターおよび増幅器を含むサーボシステムにおいて、電気的故障を分離する方法であって、前記方法が、
(a)一対の駆動トランジスタは上側駆動トランジスタおよび下側駆動トランジスタを含んでいるものであって、多相モーター中の巻線を通る第1の方向への電流を制御するための前記一対の駆動トランジスタのための駆動信号を生成すること
(b)前記上側駆動トランジスタを通って流れる電流の大きさが予め定められたしきい値よりも大きいかどうかを決定すること、
(c)前記下側駆動トランジスタを通って流れる電流の大きさが零であるかどうかを決定すること、
(d)第2の対の駆動トランジスタは第2の上側駆動トランジスタおよび第2の下側駆動トランジスタを含んでいるものであって、前記多相モーター中の巻線を通る第2の方向への電流を制御するための前記第2の対の駆動トランジスタのための駆動信号を生成すること
(e)前記第2の上側駆動トランジスタを通って流れる電流の大きさが予め定められたしきい値よりも大きいかどうかを決定すること、
(f)前記第2の下側駆動トランジスタを通って流れる電流の大きさが零であるかどうかを決定すること、および
(h)電気的故障状態を、各駆動トランジスタ対に関して、上側駆動トランジスタおよび下側駆動トランジスタを通って流れる電流の大きさの関数として決定すること、
の工程を含む方法。
【請求項76】
請求項75記載の電気的故障を分離する方法であって、工程(h)において、増幅器の短絡、モーター巻線の短絡、モーター巻線の地絡、増幅器の開路、あるいはモーター巻線の開路のいずれかが存在するか否かが決定される方法。
【請求項77】
サーボモーターおよび線形増幅器を含むサーボシステムにおいて、故障が電気的故障であることを決定する方法であって、前記方法が、
(a)第1の線形増幅器および第2の線形増幅器が単一のモーター巻線の対向する両端につながれているものであって、前記第1および第2の線形増幅器へ供給される電源電流の大きさを決定すること、
(b)前記第1の線形増幅器が前記第2の線形増幅器よりも大きい電圧を発生するような第1の電圧命令を発すること、
(c)前記第2の線形増幅器から流れ出す電流の大きさを決定すること、
(d)前記第2の線形増幅器が前記第1の線形増幅器よりも大きい電圧を発生するような第2の電圧命令を発すること、
(e)前記第1の線形増幅器から流れ出す電流の大きさを決定すること、および
(f)前記電気的故障を、前記第1の線形増幅器から流れ出す電流の大きさ、前記第2の線形増幅器から流れ出す電流の大きさ、および電源電流の大きさの関数として分離すること、
の工程を含む方法。
【請求項78】
請求項77記載の電気的故障を分離する方法であって、工程(f)において、モーター巻線の開路、モーター巻線の線間短絡、モーター巻線の地絡、線形増幅器トランジスタの開路、線形増幅器トランジスタの短絡、あるいは線形増幅器出力ボンディングワイヤの開路のいずれかが存在するか否かが決定される方法。
【請求項79】
請求項77記載の電気的故障を分離する方法であって、前記電気的故障を分離する工程が、
もしも、
前記第1の線形増幅器から流れ出す電流の大きさが分路電流に等しく、
前記第2の線形増幅器から流れ出す電流の大きさが前記分路電流に等しく、かつ
電源電流の大きさが前記分路電流に等しければ、
前記故障がモーター巻線の開路故障であると決定すること、
の工程を含んでいる方法。
【請求項80】
請求項77記載の故障を電気的故障として分離する方法であって、前記電気的故障を分離する前記工程が、
もしも、
前記第1の線形増幅器から流れ出す電流の大きさが予想される電流の大きさに等しく、かつ
前記第2の線形増幅器から流れ出す電流の大きさが前記予想される電流の大きさに等しく、かつモーターシャフトの誤動作または無動作が発生する場合に、
前記故障がモーター巻線の線間短絡であると決定すること、
の工程を含んでいる方法。
【請求項81】
請求項77記載の電気的故障を分離する方法であって、前記電気的故障を分離する前記工程が、
もしも、
前記第1の線形増幅器から流れ出す電流の大きさが零に等しく、かつ
前記第2の線形増幅器から流れ出す電流の大きさが零に等しく、かつ
電源電流の大きさが零に等しくなければ、
前記故障がモーター巻線の地絡故障であると決定すること、
の工程を含んでいる方法。
【請求項82】
請求項77記載の電気的故障を分離する方法であって、前記電気的故障を分離する前記工程が、
もしも、
前記第1の線形増幅器から流れ出す電流の大きさが予想される電流の大きさに等しく、かつ前記第2の線形増幅器から流れ出す電流の大きさが零に等しいか、あるいは
前記第1の線形増幅器から流れ出す電流の大きさが零に等しく、かつ前記第2の線形増幅器から流れ出す電流の大きさが前記予想される電流の大きさに等しければ、
前記故障が線形増幅器トランジスタの開路であると決定すること、
の工程を含んでいる方法。
【請求項83】
前記電気的故障を分離するステップは、
前記第1の線形増幅器から流出する電流量が期待電流量に等しい、かつ
前記第2の線形増幅器から流出する電流量が最大許容電流量より大きい、又は
前記第1の線形増幅器から流出する電流量が期待電流量より大きい、かつ
前記第2の線形増幅器から流出する電流量が最大許容電流量に等しいときは、
前記故障は線形増幅器短絡の回路故障であると判断するステップ
を備えている請求項77記載による電気的故障を分離する方法。
【請求項84】
前記電気的故障を分離するステップは、
前記第1の線形増幅器から流出する電流量がゼロに等しい、かつ
前記第2の線形増幅器から流出する電流量がゼロに等しい、かつ
前記ソース電流の量がゼロに等しいときは、
前記故障は増幅器出力ボンディング・ワイヤ開放の回路故障であると判断するステップ
を備えている請求項77記載による電気的故障を分離する方法。
【請求項85】
サーボ・モータを備えているサーボ・システムにおける電気的故障を分離する装置において、
第1の電流作動信号を発生する第1の制御手段と、
前記第1の電流作動信号に応答して、前記サーボ・モータにおける巻線を介して第1の方向に電流を駆動する手段と、
第2の電流作動信号を発生する第2の制御手段と、
前記第2の電流作動信号を発生する手段に応答して、前記サーボ・モータにおける前記巻線を介して第2の方向に電流を駆動する手段と、
前記第1の電流を駆動する前記手段及び前記第2の電流を駆動する前記手段に流入する電気量、及び前記手段から流出する電流量の関数として、故障が存在するかどうかを判断する手段と
を備えている装置。
【請求項86】
前記サーボ・モータは2相モータであり、かつ前記第1の電流を駆動する手段及び前記第2の電流を駆動する手段は、複数のパルス幅変調増幅器である請求項85記載による装置。
【請求項87】
前記サーボ・モータは3相モータであり、かつ前記第1の電流を駆動する手段及び前記第2の電流を駆動する手段は、パルス幅変調された増幅器である請求項85記載による装置。
【請求項88】
前記サーボ・モータは単相モータであり、かつ前記第1の電流を駆動する手段及び前記第2の電流を駆動する手段は、線形増幅器である請求項85記載による装置。
【請求項89】
前記故障は、モータ巻線短絡回路、モータ巻線開放回路、又は増幅器開放回路を含む請求項85記載による装置。
【請求項90】
サーボ・モータ及び増幅器を備えているサーボ・システムにおける電気的故障を分離する装置において、
第1の電流指令を発生する手段と、
モータ巻線を介して第1の方向に電流を導く手段であって、第1の電流を導く前記手段が第1の電流指令に応答する前記手段と、
前記第1の電流を導く前記手段から流入する電流量が予め定めたしきい値より大きいかどうか判断する手段と、
前記第1の電流を導く前記手段から流出する電流量がゼロであるかどうかを判断する手段と、
第2の電流指令を発生する手段と、
前記モータ巻線を介して第2の方向に電流を導く手段であって、前記第2の電流を導く前記手段が前記第2の電流指令に応答する前記手段と、
前記第2の電流を導く前記手段に流入する電流量が前記予め定めたしきい値より大きいかどうか判断する手段と、
前記第2の電流を導く前記手段から流出する前記電流量がゼロであるかどうかを判断する手段と、
電気的故障が前記増幅器に発生したかどうか、又は電気的故障が前記第1の電流を導く前記手段及び前記第2の電流を導く前記手段へ流入する及び流出する電流量の関数として、前記モータ巻線に発生したかどうかを判断する手段と
を備えている装置。
【請求項91】
電気的故障が発生したかどうかを判断する前記手段は、
前記第1の電流を導く前記手段に流れる前記電流量が前記予め定めたしきい値より大きく、かつ
前記第2の電流を導く前記手段に流れる前記電流量が前記予め定めたしきい値より大きいときは、
前記故障はモータ巻線短絡の回路故障であると判断する論理手段
を備えている請求項90記載による電気的故障を分離する装置。
【請求項92】
電気的故障が発生したかどうかを判断する前記手段は、
前記第1の電流を導く前記手段に流入する前記電流量が前記予め定めたしきい値より大きい、又は
前記第2の電流を導く前記手段に流入する前記電流量が前記予め定めたしきい値より大きいときは、
両者とも前記予め定めたしきい値より大きくないときを除き、
前記故障は増幅器短絡の回路故障であると判断する論理手段
を備えている請求項90記載による電気的故障を分離する装置。
【請求項93】
電気的故障が発生したかどうかを判断する前記手段は、
前記第1の電流を導く前記手段に流入する前記電流量が前記予め定めたしきい値より大きくない、かつ
前記第2の電流を導く前記手段に流入する前記電流量が前記予め定めたしきい値より大きくない、かつ
前記第1の電流を導く前記手段、及び前記第2の電流を導く前記手段から流出する前記電流量がゼロであるときは、
前記故障はモータ巻線短絡の回路故障であると判断する論理手段
を備えている請求項90記載による電気的故障を分離する装置。
【請求項94】
電気的故障が発生したかどうかを判断する前記手段は、
前記第1の電流を導く前記手段に流入する前記電流量が前記予め定めたしきい値より大きくない、かつ
前記第2の電流を導く前記手段に流入する前記電流量が前記予め定めたしきい値より大きくない、かつ
前記第1の電流を導く前記手段、又は前記第2の電流を導く前記手段から流出する前記電流量がゼロでないときは、両者がゼロでないときを除き、
前記故障はモータ巻線短絡の回路故障であると判断する論理手段
を備えている請求項90記載による電気的故障を分離する装置。
【請求項95】
電気的故障が発生したかどうかを判断する前記手段は、
前記第1の電流を導く前記手段に流入する前記電流量が前記予め定めたしきい値より大きくない、かつ
前記第2の電流を導く前記手段に流入する前記電流量が前記予め定めたしきい値より大きくない、かつ
前記第1の電流を導く前記手段から流出する前記電流量、及び前記第2の電流を導く前記手段から流出する前記電流量が共にゼロでないときは、
故障条件は存在しないと判断する論理手段
を備えている請求項90記載による電気的故障を分離する装置。
【請求項96】
サーボ・モータ及び増幅器を備えているサーボ・システムにおける電気的故障を分離する装置において、
モータ巻線を介して正方向に流れる電流を制御する一対の駆動トランジスタ用の作動信号を発生する制御論理手段であって、前記一対の駆動トランジスタが上側駆動トランジスタ及び下側駆動トランジスタを備えている前記制御論理手段と、
前記上側駆動トランジスタに流入する電流量が予め定めたしきい値より大きいかどうかを判断する手段と、
前記下側駆動トランジスタに流入する電流量がゼロであるかどうかを判断する手段と、
前記モータ巻線を介して負方向に流れる電流を制御する第2対の駆動トランジスタ用の作動信号を発生する制御論理手段であって、前記第2対の駆動トランジスタが第2の上側駆動トランジスタ及び第2の下側駆動トランジスタを備えている前記制御論理手段と、
前記第2の上側駆動トランジスタに流入する電流量が予め定めたしきい値より大きいかどうかを判断する手段と、
前記第2の下側駆動トランジスタに流入する電流量がゼロであるかどうかを判断する手段と、
各駆動トランジスタ対のために、前記上側駆動トランジスタ及び下側駆動トランジスタに流入する電流量の関数として、電気的故障条件を判断する手段と
備えている装置。
【請求項97】
前記電気的故障は、増幅器短絡回路、モータ巻線短絡回路、モータ巻線接地短絡回路、増幅器開放回路、又はモータ巻線開放回路を含む請求項96記載による電気的故障を分離する装置。
【請求項98】
サーボ・モータ及び線形増幅器を備えているサーボ系における電気的故障を分離する装置において、
第1の線形増幅器及び第2の線形増幅器に印加された供給電流量を判断する供給電流検知手段であって、前記第1の線形増幅器及び第2の線形増幅器がモータ巻線の反対端に接続されている前記供給電流検知手段と、
前記第1の線形増幅器が前記第2の線形増幅器より多くの電圧を発生するように、第1の電圧指令を発生する制御手段と、
前記第2の線形増幅器から流出する電流量を判断する電流検知手段と、
前記第2の線形増幅器が前記第1の増幅器より多くの電圧を発生するように、第2の電圧指令を発生する制御手段と、
前記第1の線形増幅器から流出する電流量を判断する電流検知手段と、
前記第1の線形増幅器から流出する前記電流量、前記第2の線形増幅器から流出する前記電流量、及び前記供給電流量の関数として、試験負荷及び試験負荷リレーを除く電気的故障を判断する論理手段と
を備えている電気的故障を分離する装置。
【請求項99】
前記電気的故障は、モータ巻線開放回路、モータ巻線線間短絡回路、モータ巻線線接地間短絡回路、線形増幅器トランジスタ開放回路、線形増幅器トランジスタ短絡回路、又は線形増幅器出力ボンディング・ワイヤ開放回路を含む請求項98記載による電気的故障を分離する装置。
【請求項100】
前記電気的故障を分離する論理装置は、
前記第1の線形増幅器から流出する電流量が分路電流に等しい、
前記第2の線形増幅器から流出する電流量が前記分路電流に等しい、かつ
前記ソース電流量が前記分路電流に等しいときは、
前記故障はモータ巻線短絡の回路故障であると判断する論理手段
を備えている請求項98記載による電気的故障を分離する装置。
【請求項101】
前記電気的故障を分離する論理装置は、
前記第1の線形増幅器から流出する電流量が期待電流量に等しい、かつ
前記第2の線形増幅器から流出する電流量が前記期待電流量に等しい、かつ
前記モータのシャフトの作動不良又は不作動がないときは、
前記故障はモータ巻線線間短絡の回路故障であると判断する論理手段
を備えている請求項98記載による電気的故障を分離する装置。
【請求項102】
前記電気的故障を分離する前記論理手段は、
前記第1の線形増幅器から流出する電流量がゼロに等しい、かつ
前記第2の線形増幅器から流出する電流量がゼロに等しい、かつ
前記ソース電流量がゼロに等しくないときは、
前記故障はモータ巻線線接地間短絡の回路故障であると判断する論理手段
を備えている請求項98記載による電気的故障を分離する装置。
【請求項103】
前記電気的故障を分離する前記論理手段は、
前記第1の線形増幅器から流出する電流量が期待電流量に等しい、かつ
前記第2の線形増幅器から流出する電流量がゼロに等しい、又は
前記第1の線形増幅器から流出する電流量がゼロに等しい、かつ
前記第2の線形増幅器から流出する電流量が期待電流量に等しいときは、
前記故障は線形増幅器のトランジスタ開放の回路故障であると判断する論理手段
を備えている請求項98記載による電気的故障を分離する装置。
【請求項104】
前記電気的故障を分離する前記論理手段は、
前記第1の線形増幅器から流出する電流量が期待電流量に等しい、かつ
前記第2の線形増幅器から流出する電流量が最大許容電流より大きい、又は
前記第1の線形増幅器から流出する電流量が前記最大許容電流量より大きい、かつ
前記第2の線形増幅器から流出する電流量が前記期待電流量に等しいときは、
前記故障は線形増幅器短絡の回路故障であると判断する論理手段
を備えている請求項98記載による電気的故障を分離する装置。
【請求項105】
前記電気的故障を分離する前記論理手段は、
前記第1の線形増幅器から流出する電流量がゼロに等しい、かつ
前記第2の線形増幅器から流出する電流量がゼロに等しい、かつ
前記ソース電流量がゼロに等しいときは、
前記故障は増幅器出力ボンディング・ワイヤ開放の回路故障であると判断する論理手段
を備えている請求項98記載による電気的故障を分離する装置。
【請求項106】
アナログ・イメージ・データ値アレーを画素値アレーを備えているディジタル・イメージに変換するステップと、
2次元(2D)シャープネス・フィルタにより前記ディジタル・イメージ・データのコントラストを鮮鋭化させるステップと
を備えている方法。
【請求項107】
前記ディジタル・イメージ・データのコントラストを鮮鋭化させるステップは、
前記ディジタル・イメージから低い周波数のディジタル・イメージを抽出するステップと、
前記ディジタル・イメージから高い周波数のディジタル・イメージを抽出するステップと、
低い周波数のディジタル・イメージ・ゲイン対高い周波数のディジタル・イメージ・ゲイン比を調整するステップと、
低い周波数のディジタル・イメージと高い周波数のディジタル・イメージとを組合わせるステップと
を備えている請求項106記載による方法。
【請求項108】
前記ディジタル・イメージ・データのコントラストを鮮鋭化させるステップは、更に、
前記ディジタル・イメージに関するコントラスト値を測定するステップであって、前記低い周波数のディジタル・イメージ・ゲイン対高い周波数のディジタル・イメージ・ゲイン比は、前記コントラスト値の関数として調整される前記ステップ
を備えている請求項107記載による方法。
【請求項109】
前記コントラスト値を測定するステップは、
隣接する複数の画素値に関する差分値を発生するステップと、
前記差分値を加算するステップと
を備えている請求項108記載による方法。
【請求項110】
前記低い周波数のディジタル・イメージを抽出するステップは、
前記ディジタル・イメージにおける各画素値を各近傍画素値と共に平均化するステップ
を備えている請求項110記載による方法。
【請求項111】
画素値アレーを備えている入力ディジタル・イメージのコントラストを鮮鋭化する方法において、
前記入力ディジタル・イメージから低い周波数のディジタル・イメージを抽出するステップであって、前記低い周波数のディジタル・イメージは画素値アレーを備えている前記ステップと、
前記入力ディジタル・イメージから高い周波数のディジタル・イメージを抽出するステップであって、前記高い周波数のディジタル・イメージは画素値アレーを備えている前記ステップと、
前記入力ディジタル・イメージの各行に沿って隣接画素間の差分値を判断するステップと、
前記差分値を加算することにより前記入力ディジタル・イメージに関するコントラスト測定を判断するステップと、
前記コントラスト測定の関数として前記低い周波数のディジタル・イメージ・ゲイン対高い周波数のディジタル・イメージ・ゲイン比を調整するステップと、
前記低い周波数のディジタル・イメージにおける各画素値を前記高い周波数のディジタル・イメージにおいて対応する画素値と組合わせるステップと
を備えている方法。
【請求項112】
前記低い周波数のディジタル・イメージを抽出するステップは、
前記入力ディジタル・イメージにおける各画素値を各画素値に基づくロー・パス値及び複数の近傍画素値により置換するステップ
を備えている請求項111記載による方法。
【請求項113】
前記高い周波数のディジタル・イメージを抽出するステップは、
前記入力ディジタル・イメージにおける各画素値と前記低い周波数のディジタル・イメージにおいて対応する画素値との間の差分値を発生するステップ
を備えている請求項111記載による方法。
【請求項114】
前記低い周波数のディジタル・イメージを前記高い周波数のディジタル・イメージと組合わせるステップは、
前記低い周波数のディジタル・イメージにおける各画素値を前記高い周波数のディジタル・イメージにおいて対応する画素値と組合わせるステップ
を備えている請求項111記載による方法。
【請求項115】
多数“n”のアナログ・ディジタル変換器(ADC)を備え、前記“n”ADCのそれぞれが第n行又は第n列毎のアナログ・イメージ・データをディジタル・イメージ・データに変換する画像システムにあって、ディジタル・イメージからADCオフセット・パターン差分を除去する方法において、
“n”ヒストグラムを発生するステップであって、前記“n”ヒストグラムのそれぞれが前記“n”ADSのうちの対応する一つにより発生される画素値のダイナミック・レンジを反映している前記ステップと、
前記対応するヒストグラムのダイナミック・レンジの関数として、前記“n”ADSのうちの対応する一つに関連された各画素に関する画素オフセット係数を調整するステップと、
前記対応して調整された画素オフセット係数の関数として、前記“n”ADSのうちの一つに関連された各画素値を調整することにより、ADCオフセット・パターン差分を除去するステップと
を備えている方法。
【請求項116】
前記画素オフセット係数を調整するステップは、
対応するヒストグラムに関する平均画素値(Hn)を判断するステップと、
“n”数の各ヒストグラムにおける前記画素値に基づいて平均画素値(H)を判断するステップと、
前記対応するヒストグラムに関する前記平均画素値(Hn)と、前記“n”の各ヒストグラムにおける前記画素値に基づく前記平均画素値(H)との間の差分の関数として、画素オフセット係数を調整するステップと
を備えている請求項115記載による方法。
【請求項117】
画素値アレーを備えているディジタル・イメージの一部を強調する方法において、
前記ディジタル・イメージの所望部分を抽出するステップと、
画素幅の比に等しい量により前記ディジタル・イメージの所望部分を水平方向にシフトさせるステップと、
前記ディジタル・イメージを水平方向にシフトさせた部分と共に前記ディジタル・イメージの所望部分を積分して第1のイメージ・フィールドを発生させるステップと、
前記ディジタル・イメージの所望部分を一画素高の一フラクションだけ垂直方向にシフトさせるステップと、
前記垂直方向にシフトさせた前記ディジタル・イメージの部分を一画素幅の同一フラクションだけ水平方向にシフトさせるステップと、
前記垂直方向及び前記水平方向にシフトさせた前記ディジタル・イメージの部分と共に前記垂直方向にシフトさせた前記ディジタル・イメージの部分を積分して第2のイメージ・フィールドを発生させるステップと、
前記第1のイメージ・フィールド及び前記第2のイメージ・フィールドをインターリーブさせるステップと
を備えている方法。
【請求項118】
焦点目標、集光要素及び検出器要素アレーを備えている集光系におけるイメージに焦点合わせをする方法において、
前記集光要素を複数回数調整するステップと、
高い周波数のテスト・パターンと前記検出器要素アレーとの間にランダムな位相関係が存在するように前記集光要素を調整した後に、前記検出器要素アレーを前記テスト・パターンにより照射するステップと、
各検出器要素に関連した値を対応したディジタル・ワードに変換するステップと、
前記複数のディジタル・ワードに基づいて前記集光要素を調整した後にコントラスト測度を発生するステップと、
ピーク・コントラスト測度の関数として、集光要素制御信号を発生して前記集光要素の調整を制御するステップと
を備えている方法。
【請求項119】
前記高い周波数のテスト・パターンは、交互的な明るい正方形アレー及び暗い正方形アレーを備えているチェッカボード・パターンである請求項118記載による方法。
【請求項120】
前記コントラスト測度を発生するステップは、
前記対応する複数のディジタル・ワードの中から最大強度値を測定するステップと、
前記対応する複数のディジタル・ワードの中から最小強度値を測定するステップと、
前記最大強度値と前記最小強度値との間の差分の関数として、前記コントラスト測度を判断するステップと
を備えている請求項118による方法。
【請求項121】
イメージを処理する装置において、
アナログ・イメージ・データ値アレーをディジタルイメージ・アレーに変換するアナログ・ディジタル変換器と、
前記ディジタル・イメージ・データのコントラストを鮮鋭化する2次元シャープネス・フィルタ手段と
を備えている装置。
【請求項122】
前記シャープネス・フィルタ手段は、
前記ディジタル・イメージから低い周波数のディジタル・イメージを抽出する手段と、
前記ディジタル・イメージから高い周波数のディジタル・イメージを抽出する手段と、
低い周波数のディジタル・イメージ・ゲイン対高い周波数のディジタル・イメージ・ゲイン比を調整する手段と、
前記低い周波数のディジタル・イメージと高い周波数のディジタル・イメージとを組合わせる手段と
を備えている請求項121記載による装置。
【請求項123】
前記2Dシャープネス・フィルタ手段は、更に、
前記ディジタル・イメージに関するコントラスト値を測定する手段であって、前記低い周波数のディジタル・イメージ・ゲイン対高い周波数のディジタル・イメージ・ゲイン比は、前記コントラスト値の関数として調整される前記手段
を備えている請求項122記載による装置。
【請求項124】
コントラスト値を測定する前記手段は、
画素間の差分値を加算する手段
を備えている請求項123記載による装置。
【請求項125】
前記低い周波数のディジタル・イメージを抽出する手段は、
前記ディジタル・イメージにおける各画素値を各近傍画素値と共に平均化する手段
を備えている請求項122記載による装置。
【請求項126】
画素値アレーを備えている入力ディジタル・イメージのコントラストを鮮鋭化する装置において、
前記入力ディジタル・イメージから低い周波数のディジタル・イメージを抽出する手段と、
前記入力ディジタル・イメージから高い周波数のディジタル・イメージを抽出する手段と、
前記入力ディジタル・イメージの各行の方向に隣接する画素間の差分値を判断する手段と、
前記差分値を加算することにより、前記入力ディジタル・イメージに関するコントラスト測度を判断する手段と、
前記コントラスト測定の関数として、前記低い周波数のディジタル・イメージ・ゲイン対高い周波数のディジタル・イメージ・ゲイン比を調整する手段と、
前記低い周波数のディジタル・イメージを前記高い周波数のディジタル・イメージと組合わせる手段と
を備えている装置。
【請求項127】
前記低い周波数のディジタル・イメージを抽出する手段は、
前記入力ディジタル・イメージにおける各画素値をロー・パス画素値により置換するロー・パス・フィルタたたみこみ手段であって、各ロー・パス画素値は各画素値及び複数の近傍画素値の関数である前記手段
を備えている請求項126記載による装置。
【請求項128】
前記低い周波数のディジタル・イメージを抽出する手段は、
前記入力ディジタル・イメージから前記低い周波数のイメージを除去する手段を備えている請求項126記載による装置。
【請求項129】
前記低い周波数のディジタル・イメージを前記高い周波数のディジタル・イメージと組合わせる手段は、
前記低い周波数のディジタル・イメージにおける各画素を前記高い周波数のディジタル・イメージにおける各画素と加算する手段
を備えている請求項126記載による装置。
【請求項130】
n個のアナログ−デジタルコンバータ(ADC)の各々が、アナログ画像データのn番目ごとの行またはn番目ごとの列をデジタル画像データに変換するようになっているn個のアナログ−デジタルコンバータ(ADC)を含む撮像システムにおいて、
n個のヒストグラムのうちの各々が前記n個のADCのうちの対応する1つによって発生される、ピクセル値のダイナミックレンジを表すようになっているn個のヒストグラムを発生するための手段と、
対応するヒストグラムのダイナミックレンジに応じて前記n個のADCのうちの1つに関連する各ピクセルに対するピクセルオフセット係数を調節するための手段と、
対応する調節されたピクセルオフセット係数に応じて前記n個のADCのうちの前記1つに関連する各ピクセルを調節することにより、ADCのオフセットパターン差を除去するための手段とを備えた、デジタル画像からADCオフセットパターン差を除去するための装置。
【請求項131】
前記ピクセルオフセット係数を調節するための手段が、
n個のヒストグラムの各々に対する平均ピクセル値(Hn)を決定するための手段と、
n個のヒストグラムの各々におけるピクセル値に基づき、平均ピクセル値(H)を決定するための手段と、
対応するヒストグラムに対する平均ピクセル値(Hn)とn個のヒストグラムの各々におけるピクセル値に基づく平均ピクセル値(H)との間の差に応じてピクセルオフセット係数を調節するための手段とを含む、請求項130記載の装置。
【請求項132】
入力デジタル画像の所望部分を抽出するためのウィンドー化手段と、
ピクセル幅の何分の1かに等しい値だけ入力画像のうちの所望部分を水平方向にシフトするための手段と、
入力画像の所望部分と入力画像の水平方向にシフトされた部分とを一体化することにより、第1画像フィールドを発生するための手段と、
ピクセル高さの同じ何分の1かの値だけ入力画像の所望する部分を垂直方向にシフトするための手段と、
入力画像のうちの垂直方向にシフトされた部分をピクセル高さの同じ何分の1かの値だけ水平方向にシフトするための手段と、
入力画像の垂直方向にシフトされた部分と入力画像のうちの垂直方向かつ水平歩行にシフトされた部分とを一体化することにより、第2画像フィールドを発生するための手段と、
第1画像フィールドおよび第2画像フィールドをインターリーブするための手段とを備えた、デジタル画像の一部をエンハンスするための装置。
【請求項133】
入力画像の所望する部分を水平方向かつ垂直方向にシフトするための前記手段が、高速ステアリングミラーを含む、請求項132記載の装置。
【請求項134】
光学的合焦素子と検出器素子のアレイから成る光学的撮像システムにおける画像を合焦するための装置において、
光学的合焦素子を複数回調節するための手段と、
光学的合焦素子を調節した後に高周波テストパターンで検出器素子のアレイを照明するための手段とを備え、テストパターンと検出器素子のアレイとの間にはランダムな位相関係が存在しており、
更に、各検出器素子に関連する値を対応するデジタルワードに変換するためのアナログ−デジタル変換手段と、
デジタルワードに基づき光学的合焦素子を調節した後に、ピークコントラスト・メジャーを発生するための手段と、
ピークコントラスト・メジャーに応じ、光学的合焦素子を調節するための前記手段を制御する光学的合焦素子制御信号を発生するための手段とを備えた、合焦装置。
【請求項135】
高周波テストパターンが明暗の正方形が交互に配置されたアレイから成るチェッカーボードパターンである、請求項134記載の装置。
【請求項136】
コントラスト・メジャーを発生するための前記手段が、
対応するデジタルワードの間から最大の強度の値を測定するための手段と、
対応するデジタルワードの間から最小の強度の値を測定するための手段と、
前記最大強度の値と前記最小強度の値の差に応じてコントラスト・メジャーを決定するための手段とを備えた、請求項134記載の装置。
【請求項137】
ハウジングアセンブリと、
光学的エネルギーが通過する、前記ハウジングアセンブリに関連したウィンドーと、
このウィンドーを介し、軸上の光学的エネルギーを透過し、軸外れEMIを放射状に回折するための手段とを備えた、光学的撮像システム。
【請求項138】
軸上の光学的エネルギーを透過するための前記手段が、ウィンドーに一体化された電磁干渉格子である、請求項137記載の光学的撮像システム。
【請求項139】
EMI格子が行および列に整合された円形格子素子のアレイを含む、請求項138記載の光学的撮像システム。
【請求項140】
第1線源からの第1放射線と第2線源からの第2放射線とを整合する方法であって、
第1放射線と、レティクルパターンの、中心に位置する開口部から離間した複数の開口部とを整合する工程と、
レティクルパターンの、開口部が中心に位置する開口部に向かって径方向内側に突出する側方エッジを有する開口部を通し、前記第2放射線を投射する工程と、
前記第2放射線の通路が側方エッジに一致するまで前記第2放射線の通路を並進させる工程と、
側方エッジに沿って中心に位置する開口部に向けて前記通路を並進させる工程とを備えた、第1放射線と第2放射線とを整合する方法。
【請求項141】
開口部の内側エッジにエネルギーが一致するまで開口部の側方エッジに沿って前記第2放射線の通路を並進させる工程と、
多数の格子位置に従って前記通路を並進させる工程と、
中心に位置する開口部によりピークエネルギー検出を生じさせる格子位置に従って通路を整合させる工程とを更に含む、請求項140記載の方法。
【請求項142】
第1放射線が赤外線放射線である、請求項140記載の方法。
【請求項143】
第2放射線がレーザー放射線である、請求項140記載の方法。
【請求項144】
前記第1放射線が通過する前記複数の開口部が、中心に位置する開口部から等距離にある、請求項140記載の方法。
【請求項145】
前方視赤外線(FLIR)/レーザーに基づく光学的撮像システムにおいて、
IRエネルギー源からの赤外線(IR)エネルギーをレティクルパターンを通して焦点平面アレイ上に投射する工程と、
中心に位置する開口部から等距離にある、レティクルパターンの複数の周辺開口部を最大量のIRエネルギーが通過するようにIRの視線(LOS(line−of−sight)と称す)を整合する工程と、
各々が中心に位置する開口部に向かって径方向内側に突出する側方エッジを有する、レティクルパターンの複数のクサビ状開口部のうちの1つを通過するように、レーザー送信機からのレーザーエネルギーを投射する工程と、
レーザーのLOSが側方エッジに一致するまで、このレーザーのLOSを並進させる工程と、
側方エッジに沿って、中心に位置する開口部に向かってレーザーLOSを並進させる工程とを備えた、IRの視線(LOS)とレーザーのLOSを整合する方法。
【請求項146】
レーザーのLOSが1つのクサビ状開口部の内側エッジに一致するまで、側方エッジに沿ってレーザーのLOSを並進させる工程と、
多数の格子位置に従ってレーザーのLOSを並進させる工程と、
中心に位置する開口部を通し、ピークのレーザーエネルギーを検出させるような結果を生じる格子位置に従ってレーザーのLOSを整合する工程を更に含む、請求項145記載の方法。
【請求項147】
IRエネルギーを合焦する工程を更に含む、請求項145記載の方法。
【請求項148】
前記IRエネルギーを合焦する工程が、
合焦平面アレイ上に高周波テストパターンが生じるように、レティクルパターンの正方形開口部のアレイを通し、IRエネルギーを投射する工程と、
IRエネルギーの光学的合焦素子を複数回調節する工程と、
光学的合焦素子の各調節後に高周波テストパターンに対するコントラスト・メジャーを発生する工程と、
ピークコントラスト・メジャーに応じ、IRエネルギーを合焦する工程とを備えた、請求項147記載の方法。
【請求項149】
高周波テストパターンが明暗の正方形が交互に配置されたアレイから成るチェッカーボードパターンである、請求項148記載の方法。
【請求項150】
少なくとも2つのエネルギー源を使用する光学的システムにおいて、
レティクルパターンの前記複数の開口部が中心に位置する開口部から等距離となるように、第1エネルギー源とレティクルパターンの複数の開口部とを整合する手段と、
レティクルパターンの開口部を通し、第2エネルギー源からのエネルギーをレティクルパターンの開口部に通過させるように投射する手段とを備え、開口部が中心に位置する開口部に向かって径方向内側に突出する側方エッジを有し、
更に、第2エネルギー源からのエネルギーが側方エッジに一致するまで、このエネルギーを並進させるための手段と、
側方エッジに沿って中心に位置する開口部に向けて前記エネルギーを並進させるための手段とを備えた、第1エネルギー源と第2エネルギー源とを整合するための装置。
【請求項151】
開口部の内側エッジにエネルギーが一致するまで、開口部の側方エッジに沿って前記第2放射線の通路を並進させる手段と、
多数の格子位置に従って前記通路を並進させる手段と、
中心に位置する開口部によりピークエネルギー検出を生じさせる格子位置に従って前記通路を整合させる手段とを更に含む、請求項150記載の装置。
【請求項152】
第1エネルギー源が赤外線エネルギー源である、請求項150記載の装置。
【請求項153】
第2エネルギー源がレーザー送信機である、請求項150記載の方法。
【請求項154】
前方視赤外線(FLIR)/レーザーに基づく光学的撮像システムにおいて、
赤外線(IR)エネルギーをレティクルパターンに通し、焦点平面アレイ上に投射するためのIRエネルギー源手段と、
中心に位置する開口部から等距離にある、レティクルパターンの複数の周辺開口部を最大量のIRエネルギーが通過するようにIRの視線(LOS(line−of−sight)と称す)を整合するためのIR光学系手段と、
各々が中心に位置する開口部に向かって径方向内側に突出する側方エッジを有する、レティクルパターンの複数のクサビ状開口部のうちの1つを通過するように、レーザーエネルギーを投射するためのレーザー送信手段と、
レーザーのLOSが側方エッジに一致するまで、このレーザーのLOSを並進させるためのレーザー光学系手段と、
側方エッジに沿って、中心に位置する開口部に向かってレーザーLOSを並進させるためのレーザー光学系手段とを備えた、IRの視線(LOS)とレーザーのLOSをボアサイト整合する装置。
【請求項155】
レーザーのLOSが1つのクサビ状開口部の内側エッジに一致するまで、側方エッジに沿ってレーザーのLOSを並進させるための第1レーザー光学系と、
多数の格子位置に従ってレーザーのLOSを並進させるための第2レーザー光学系と、
中心に位置する開口部を通し、ピークのレーザーエネルギーを検出させるような結果を生じる、格子位置に従ってレーザーのLOSを整合するための手段とを更に含む、請求項154記載の装置。
【請求項156】
レーザーのLOSを並進させるためのレーザー光学系手段が、一対のリズレープリズムを含む、請求項155記載の装置。
【請求項157】
IRエネルギーを合焦するための手段を更に含む、請求項154記載の装置。
【請求項158】
前記IRエネルギーを合焦するための手段が、
合焦平面アレイ上に高周波テストパターンが生じるように、レティクルパターンの正方形開口部のアレイを通し、IRエネルギーを投射するためのIRエネルギー源手段と、
IRエネルギーの光学的合焦素子を複数回調節する手段と、
光学的合焦素子の各調節後に高周波テストパターンに対するコントラスト・メジャーを発生するための手段と、
ピークコントラスト・メジャーに応じ、IRエネルギーを合焦するための手段とを備えた、請求項157記載の装置。
【請求項159】
高周波テストパターンが明暗の正方形が交互に配置されたアレイから成るチェッカーボードパターンである、請求項158記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2007−93609(P2007−93609A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−282157(P2006−282157)
【出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【分割の表示】特願平9−538935の分割
【原出願日】平成9年4月1日(1997.4.1)
【出願人】(598028028)ロッキード マーティン コーポレイション (16)
【氏名又は名称原語表記】Lockheed Martin Corporation
【Fターム(参考)】