説明

処理液供給ノズルおよびそれを備えた基板処理装置ならびにそれを用いた基板処理方法

【課題】混合されることで発熱反応を呈する複数種の処理液を十分に混合し、その結果得られた高温の混合処理液を基板に供給すること。
【解決手段】処理液供給ノズル104は、横断面が円状の円筒状内壁面29を有する混合室21と、混合室21に硫酸を導入する硫酸導入経路122と、混合室21に過酸化水素水を導入する過酸化水素水導入経路123と、混合室21で生成されたSPMを吐出する吐出口24とを備えている。硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123は、それぞれ、円筒状内壁面29の周方向に沿って当該円筒状内壁面29に接続されている。混合室21の内部に導入された硫酸および過酸化水素水は、円筒状内壁面29に沿って流れ、円筒状内壁面29の周方向に回転する渦流となって流下していく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数種の処理液を混合することにより生成された混合処理液を基板に供給するため処理液供給ノズル、およびそれを備えた基板処理装置ならびにそれを用いた基板処理方法に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板などの基板に対して混合処理液を用いた処理が行われることがある。たとえば、基板の表面から不要になったレジスト膜を剥離するために、硫酸と過酸化水素水との混合液であるSPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水)を用いたレジスト剥離処理が行われる。このレジスト剥離処理の方式としては、複数枚の基板を一括して処理するバッチ式が従来の主流であったが、最近では、処理対象の基板の大型化に伴って、基板の表面にレジスト剥離液を供給して基板を1枚ずつ処理する枚葉式が注目されてきている。
【0003】
SPMを用いた枚葉式のレジスト剥離処理は、たとえば、下記特許文献1,2に開示されている装置で実施することができる。下記特許文献1では、基板を水平に保持して回転させるスピンチャックと、このスピンチャックに保持された基板の表面に処理液を供給する処理液ノズルとを備える装置が開示されている。処理液ノズルには、タンクに貯留されている処理液(SPM)が処理液配管を通して供給される。処理液配管を介して処理液ノズルに供給されるタンク内の処理液を、スピンチャックに保持された基板の表面に供給することにより、基板の表面からレジスト膜を剥離することができる。
【0004】
一方、下記特許文献2では、スピンチャックと、このスピンチャックに保持された基板の表面に硫酸を供給する硫酸ノズルと、スピンチャックに保持された基板の表面に過酸化水素水を供給する過酸化水素水ノズルとを備える装置が開示されている。この装置では、スピンチャックに保持された基板の表面に、硫酸ノズルおよび過酸化水素水ノズルからそれぞれ硫酸および過酸化水素水が同時に供給されるようになっている。したがって、基板の表面には、基板上で混合されて生成されたSPMが供給されることになる。
【0005】
また、下記特許文献2では、スピンチャックと、このスピンチャックに保持された基板の表面にSPMを供給するSPMノズルとを備える装置が開示されている。SPMノズルには、当該SPMノズルに硫酸を供給する硫酸配管と、当該SPMノズルに過酸化水素水を供給する過酸化水素水配管とが接続されている。硫酸配管および過酸化水素水配管からSPMノズルに供給された硫酸および過酸化水素水は、当該SPMノズル内で合流し、SPMとなって吐出される。これにより、基板の表面にSPMが供給される。
【特許文献1】特開昭61−129829号公報
【特許文献2】特開昭60−173841号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板の表面のレジスト膜を良好に剥離するためには、レジスト剥離に適した高温のSPMを基板に供給する必要がある。硫酸と過酸化水素水とを混合させると、硫酸と過酸化水素水との発熱反応により反応熱が発生するため、その反応熱を利用してSPMをレジスト剥離に適した高温に昇温させることができる。
特許文献1に開示されている装置では、タンク内で硫酸と過酸化水素水とを混合させることにより、硫酸と過酸化水素水と反応させて、SPMを昇温させることができる。また、特許文献2に開示されている装置では、基板上や基板に供給される直前で硫酸と過酸化水素水とを混合させることにより、SPMを昇温させることができる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている装置では、タンク内で発熱反応が生じるため高温になったSPMが処理液配管を通る間に冷めてしまい、レジスト剥離に適した温度よりも低温のSPMが基板に供給されるおそれがある。また、特許文献2に開示されている装置では、硫酸と過酸化水素水とを単に接触させるだけなので、硫酸と過酸化水素水が十分に混合されず、反応熱が十分に生じないおそれがある。
【0008】
そこで、この発明の目的は、混合されることで発熱反応を呈する複数種の処理液を十分に混合させることができ、その結果得られた高温の混合処理液を基板に供給することができる処理液供給ノズルおよびそれを備えた基板処理装置ならびにそれを用いた基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、互いに混合されることで発熱反応を呈する複数種の処理液を混合させて混合処理液を生成し、この混合処理液を処理対象の基板(W)に向けて吐出するための処理液供給ノズルであって、前記複数種の処理液が導入され、この複数種の処理液をその内部(S1)で混合するための混合室(21)と、この混合室の内部に形成され、当該混合室に導入された前記複数種の処理液の渦流を形成させる渦流形成面(29)と、前記混合室に導入される前記複数種の処理液が流通し、前記混合室の上方部において、前記渦流形成面に沿うように当該渦流形成面に接続された処理液導入経路(35,37,122,123,222,223)と、前記混合室の下方に位置し、前記渦流形成面に沿って前記複数種の処理液が流れる間にこれら複数種の処理液が混合して生成された混合処理液を吐出する吐出口(24)とを含む、処理液供給ノズル(104,204,304,404,504,604,704)である。
【0010】
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すものとする。
この発明によれば、互いに混合されることで発熱反応を呈する複数種の処理液が、処理液導入経路から混合室の内部に導入される。混合室の内部には、前記複数種の処理液の渦流を形成させる渦流形成面が形成されており、処理液導入経路は、渦流形成面に沿うように当該渦流形成面に接続されている。したがって、混合室の内部に導入された前記複数種の処理液は、渦流形成面に沿って流れていく。そして、渦流形成面に沿って前記複数種の処理液が流れていくことにより、当該渦流形成面によって前記複数種の処理液の渦流が混合室の内部に形成される。これにより、混合室の内部に導入された前記複数種の処理液に回転力が与えられ、前記複数種の処理液が十分に混合される。その結果、前記複数種の処理液の発熱反応による反応熱が十分に生じ、高温の混合処理液が生成される。
【0011】
処理液導入経路は、混合室の上方部において渦流形成面に接続されている。したがって、混合室の内部に導入された前記複数種の処理液は、渦流となった状態で流下していく。そして、流下していく過程で混合されて混合処理液となり、混合室の下方に位置する吐出口から基板に向けて吐出される。混合室の内部に導入された前記複数種の処理液が渦流の状態で流下していくので、たとえば吐出口に向かって直線的に流下していく場合に比べて、混合室内に滞在する時間が長くなっている。そのため、前記複数種の処理液が混合される時間(混合時間)が長くなっており、これによって、前記複数種の処理液が十分に混合され、互いに対する十分な接触機会を得て、発熱反応が十分に生じるようになっている。また、処理液供給ノズルの内部で高温の混合処理液が生成されるので、温度をほとんど低下させずに当該混合処理液を基板に供給することができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、前記渦流形成面は、円筒状内壁面(29)を含む、請求項1記載の処理液供給ノズルである。
この発明によれば、混合室の内部に導入された前記複数種の処理液が円筒状内壁面に沿って流れていくので、当該円筒状内壁面に沿う円筒状の流れ(渦流)が形成される。これにより、混合室の内部に導入された前記複数種の処理液が十分に混合され、高温の混合処理液が生成される。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記処理液導入経路は、前記混合室に導入される複数種の処理液にそれぞれ対応し、各処理液の渦流の回転方向が同一となるように前記渦流形成面に接続された複数の回転方向同一導入経路(122,123,222,223)を含む、請求項1または2記載の処理液供給ノズルである。
この発明によれば、混合室の内部に処理液を導入する経路(回転方向同一導入経路)が複数設けられており、これらの経路からそれぞれ前記複数種の処理液が混合室の内部に導入される。したがって、混合室の内部には、前記複数種の処理液にそれぞれ対応する複数の渦流が形成される。混合室の内部に導入された前記複数種の処理液は、他の処理液の流れ(渦流)と重なり合うとともに、渦流の回転力によって攪拌されることにより十分に混合される。これにより、十分に発熱反応を起こさせることができるので、高温の混合処理液が生成される。
【0014】
また、各処理液の渦流の回転方向が同一にされているので、各処理液の流れが衝突することにより、処理液の渦流が消滅したり、当該渦流の流速が低下したりすることが抑制または防止されている。これにより、混合室の内部に渦流が維持され、混合室の内部に導入された前記複数種の処理液が十分に混合されるようになっている。
請求項4記載の発明は、前記処理液導入経路は、前記混合室に導入される複数種の処理液にそれぞれ対応し、互いに平行に隣接して配置された複数の隣接導入経路(122,123)を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の処理液供給ノズル(104,604,704)である。
【0015】
この発明によれば、複数の隣接導入経路が互いに平行に隣接して配置されているので、前記複数種の処理液は、混合室の内部に導入されると直に、他の処理液の流れと重なり合って混合され始める。したがって、前記複数種の処理液の混合時間が長くなるから、前記複数種の処理液が十分に混合されるようになっている。
請求項5記載の発明は、前記処理液導入経路は、前記混合室に導入される複数種の処理液にそれぞれ対応し、前記渦流形成面に向かうに従って互いに近づくように隣接して配置された複数の隣接導入経路(222,223)を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の処理液供給ノズル(204)である。
【0016】
この発明によれば、複数の隣接導入経路が渦流形成面に向かうに従って互いに近づくように隣接して配置されているので、前記複数種の処理液は、混合室の内部で互いに近づくように流れていく。したがって、前記複数種の処理液は、他の処理液の流れと確実に重なり合って混合される。これにより、前記複数種の処理液を十分に混合することができる。
請求項6記載の発明は、前記処理液導入経路は、前記渦流形成面に開口した導入口(36)と、この導入口の直前で複数種の処理液を合流させる合流部(35a)とを含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の処理液供給ノズル(304)である。
【0017】
この発明によれば、渦流形成面に開口した導入口の直前に設けられた合流部で前記複数種の処理液を合流させて、合流された前記複数種の処理液を当該導入口から混合室の内部に導入させることができる。したがって、前記複数種の処理液は、他の処理液の流れと確実に重なり合って混合される。また、処理液導入経路を流通する過程で前記複数種の処理液の混合が開始されるので、混合時間をより長くすることができる。さらに、導入口の直前で前記複数種の処理液の混合が開始されるので、混合処理液の温度の低下が抑制されている。
【0018】
請求項7記載の発明は、前記渦流形成面の周方向に関して異なる位置で前記渦流形成面に開口した複数の導入口(32,33)をそれぞれ有する複数の前記処理液導入経路(122,123)が設けられている、請求項1〜6の何れか一項に記載の処理液供給ノズル(504,604)である。
この発明によれば、複数の導入口がそれぞれ渦流形成面の周方向に関して異なる位置に配置されているので、混合室の内部に導入された前記複数種の処理液に対して、渦流形成面の周方向に関して偏りなく回転力を与えることができる。これにより、安定した前記複数種の処理液の渦流を混合室の内部に形成することができる。
【0019】
請求項8記載の発明は、前記渦流形成面を伝った後の混合処理液を前記吐出口に案内する案内面(30)をさらに含む、請求項1〜7の何れか一項に記載の処理液ノズルである。
この発明によれば、渦流形成面を伝った後の混合処理液を案内面によって吐出口に案内することができる。これにより、混合室の内部で生成された混合処理液を効率的に吐出口に導いて当該吐出口から吐出させることができる。
【0020】
請求項9記載の発明は、前記吐出口は、所定の吐出方向に沿って前記混合処理液を吐出するものであり、前記案内面は、前記吐出方向に対する傾斜角が前記吐出口に向かうに従って小さくなる湾曲傾斜面(30)を含む、請求項8記載の処理液供給ノズルである。
この発明によれば、混合処理液の吐出方向に対する湾曲傾斜面の傾斜角が吐出口に向かうに従って小さくされているので、渦流形成面を伝った後の混合処理液を吐出口に案内しつつ、吐出口に向かうに従って加速させることできる。これにより、混合処理液を勢いよく吐出口から吐出させることができる。また、湾曲傾斜面であるので、混合処理液を円滑に吐出口に案内することができる。
【0021】
請求項10記載の発明は、前記渦流形成面と前記案内面とを滑らかに連結する連結面(31)をさらに含む、請求項8または9記載の処理液供給ノズルである。
この発明によれば、渦流形成面と案内面とが連結面によって滑らかに連結されているので、渦流形成面を伝った後の混合処理液を円滑に案内面に流下させることができる。
請求項11記載の発明は、前記渦流形成面は、螺旋状溝(40)を含む、請求項1〜10の何れか一項に記載の処理液供給ノズル(704)である。
【0022】
この発明によれば、混合室の内部に導入された前記複数種の処理液が螺旋状溝に沿って流れていくので、前記複数種の処理液の渦流を混合室の内部に維持することができる。これにより、混合室の内部に導入された前記複数種の処理液を十分に混合することができる。
請求項12記載の発明は、基板を保持する基板保持手段(3)と、この基板保持手段に保持された基板に、互いに混合されることで発熱反応を呈する複数種の処理液により生成された混合処理液を供給するための、請求項1〜11の何れか一項に記載の処理液供給ノズルと、この処理液供給ノズルを保持するノズル保持部材(11)と、前記処理液供給ノズルに前記複数種の処理液を供給する処理液供給手段(13,14)とを含む、基板処理装置(1)である。
【0023】
この発明によれば、互いに混合されることで発熱反応を呈する複数種の処理液を、ノズル保持部材に保持された処理液供給ノズルに処理液供給手段から供給して、当該処理液供給ノズルの内部で混合処理液を生成させることができる。そして、この処理液供給ノズルの内部で生成された混合処理液を、基板保持手段に保持された基板に供給することができる。
【0024】
前述のように、処理液供給ノズルの内部で生成された混合処理液は、十分に混合されており高温となっている。また、処理液供給ノズル内で高温の混合処理液が生成されるので、その温度をほとんど低下させずに当該混合処理液を基板に供給することができる。これにより、基板に対して良好な処理を行うことができる。
請求項13記載の発明は、請求項1〜11の何れか一項に記載の処理液供給ノズルに、互いに混合されることで発熱反応を呈する複数種の処理液を導入する導入工程(S3)と、前記処理液供給ノズルによって前記複数種の処理液を混合させて混合処理液を生成させる混合処理液生成工程(S4)と、前記処理液供給ノズルによって生成された混合処理液を基板に供給する混合処理液供給工程(S5)とを含む、基板処理方法である。
【0025】
この発明によれば、請求項12の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1の概略構成を示す模式図である。
この基板処理装置1は、基板の一例である半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)の表面に、レジスト剥離液としてのSPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水)を供給して、そのウエハWの表面から不要になったレジスト膜を剥離するレジスト剥離処理を行う枚葉式の装置である。基板処理装置1は、隔壁で区画された処理室2内に、ウエハWを水平に保持して回転させるスピンチャック3(基板保持手段)と、このスピンチャック3に保持されたウエハWの表面(上面)にSPMを供給する処理液供給ノズル104と、スピンチャック3に保持されたウエハWの表面にリンス液を供給するリンス液供給ノズル5とを備えている。
【0027】
スピンチャック3は、円盤状のスピンベース6と、このスピンベース6上に取り付けられた複数個の挟持部材7と、モータなどの駆動源を含むチャック回転駆動機構8とを備えている。複数個の挟持部材7は、互いに協働してウエハWを挟持することにより、ウエハWを水平な姿勢で保持することができる。また、チャック回転駆動機構8は、スピンベース6を鉛直な軸線まわりに回転させることができる。複数個の挟持部材7によってウエハWが保持された状態で、スピンベース6が回転されることにより、ウエハWの中心を通る鉛直な軸線まわりにウエハWが回転される。スピンチャック3の周囲には、当該スピンチャック3を取り囲むカップ9が配置されている。ウエハWから排出された処理液はカップ9により受け止められる。
【0028】
なお、スピンチャックとしては、このような構成のものに限らず、たとえば、ウエハWの下面(裏面)を真空吸着することによりウエハWをほぼ水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な軸線まわりに回転することにより、その保持したウエハWを回転させることができる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
処理液供給ノズル104は、ノズルアーム11(ノズル保持部材)の先端部に取り付けられている。ノズルアーム11は、カップ9の外側に配置された鉛直軸10の上端部から水平に延びている。処理液供給ノズル104は、スピンチャック3よりも上側でその吐出口24を下方に向けて保持されている。鉛直軸10は、その中心軸線まわりに揺動可能とされていて、当該鉛直軸10を揺動させる揺動駆動機構12に結合されている。揺動駆動機構12によって鉛直軸10を揺動させることにより、処理液供給ノズル104をスピンチャック3に保持されたウエハWの上方に配置したり、カップ9の外側に設定された待機位置に配置したりすることができる。また、鉛直軸10を所定の角度範囲内で揺動させることにより、スピンチャック3に保持されたウエハWの表面上で、処理液供給ノズル104からのSPMの着液位置をスキャン(移動)させることができる。
【0029】
処理液供給ノズル104には、硫酸(H2SO4)を供給する硫酸供給管13(処理液供給手段)と、過酸化水素水(H22)を供給する過酸化水素水供給管14(処理液供給手段)とが接続されている。硫酸供給管13の途中部には、処理液供給ノズル104への硫酸の供給/停止を切り換えるための硫酸バルブ15および、処理液供給ノズル104への硫酸の供給量を調節する流量調節バルブ16が介装されている。また、過酸化水素水供給管14の途中部には、処理液供給ノズル104への過酸化水素水の供給/停止を切り換えるための過酸化水素水バルブ17および、処理液供給ノズル104への過酸化水素水の供給量を調節する流量調節バルブ18が介装されている。流量調節バルブ16,18は、たとえば手動で開度を調節する手動バルブであってもよいし、制御部34(図5参照)によって自動で開度調節されるバルブであってもよい。
【0030】
処理液供給ノズル104には、一定温度(たとえば、170℃)に温度調節された硫酸が硫酸供給管13を介して供給されるようになっている。また、処理液供給ノズル104には、室温(たとえば、23℃)の過酸化水素水が過酸化水素水供給管14を介して供給されるようになっている。処理液供給ノズル104への硫酸および過酸化水素水の供給比率は、たとえば、1:1〜1.35の範囲内で設定されている。処理液供給ノズル104に供給された硫酸および過酸化水素水は、処理液供給ノズル104の内部で混合され、SPMとなって吐出される。
【0031】
また、リンス液供給ノズル5は、スピンチャック3の上側でその吐出口を下方に向けて保持されている。リンス液供給ノズル5には、リンス液バルブ19が介装されたリンス液供給管20が接続されている。リンス液供給ノズル5には、リンス液供給管20を介してリンス液が供給される。リンス液供給ノズル5は、たとえば、ウエハW上でのリンス液の着液位置が固定された固定ノズルとされている。リンス液供給ノズル5は、ウエハWの表面における回転中心を含む範囲にリンス液を着液させることができる。リンス液としては、たとえば、純水(脱イオン水)、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、磁気水や、希釈濃度(たとえば、1ppm程度)のアンモニア水などを用いることができる。
【0032】
図2は、処理液供給ノズル104の図解的な縦断面図であり、図3は、処理液供給ノズル104の図解的な横断面図である。
処理液供給ノズル104は、内部空間を有するたとえばブロック状の部材である。処理液供給ノズル104は、硫酸および過酸化水素水が混合される混合室21と、混合室21に硫酸を導入する硫酸導入経路122(処理液導入経路)と、混合室21に過酸化水素水を導入する過酸化水素水導入経路123(処理液導入経路)と、混合室21で生成されたSPMを吐出する吐出口24とを備えている。
【0033】
混合室21は、たとえば、四角柱状の本体部25と、この本体部25の下端に一体的に連結された略倒立円錐状の下部26とを有している。混合室21の内部は、中空にされており、硫酸および過酸化水素水が混合される混合空間S1となっている。この混合空間S1で硫酸および過酸化水素水が混合され、SPMが生成されるようになっている。混合空間S1は、鉛直な中心軸線を有する円柱状部S1aと、円柱状部S1aと共通の軸線上に中心軸線を有する略倒立円錐状の円錐状部S1bとを含む。円錐状部S1bは、円柱状部S1aの下方に位置している。また、円柱状部S1aおよび円錐状部S1bは、それぞれ、本体部25および下部26の内部に位置している。
【0034】
本体部25は、筒状周壁27と、この筒状周壁27の上端を塞ぐ上壁28とを含む。筒状周壁27は、鉛直な中心軸線を有する円筒状内壁面29(渦流形成面)を有している。円筒状内壁面29は、横断面(水平断面)がたとえば円形の鉛直な面となっている。
また、下部26は、鉛直な中心軸線を有する略倒立円錐状の円錐状内壁面30(案内面)を有している。円錐状内壁面30の縦断面(鉛直断面)は、鉛直方向に対する傾斜角が下方に向かうに従って小さくなる湾曲傾斜面となっている。円錐状内壁面30における上端部の傾斜角は、たとえば水平面に対して0度〜45度の範囲内(好ましくは5度)で設定されている。また、円錐状内壁面30の上端は、連結面31によって円筒状内壁面29の下端に滑らかに連結されている。連結面31は、環状をなしており、縦断面が下方に凸となる湾曲状となっている。
【0035】
硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123は、それぞれ、筒状周壁27の内部に形成されている。硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123は、それぞれ、水平方向に沿って直線状に延びている。硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123は、上下に重なり合うように互いに平行に隣接して配置されている。硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123は、それぞれ、筒状周壁27の上部に位置している。
【0036】
また、吐出口24は、下部26の下端に形成されている。図3に示すように、吐出口24は、平面視において円錐状内壁面30の中央部に位置している。吐出口24は、混合空間S1に連通されている。混合空間S1で生成されたSPMは、吐出口24から鉛直下方に向けて吐出される。本実施形態では、SPMの吐出方向が鉛直方向となっている。
硫酸導入経路122の一端には、硫酸供給管13から硫酸が供給されるようになっている。また、硫酸導入経路122の他端は、円筒状内壁面29に開口した硫酸導入口32となっている。硫酸導入経路122は、円筒状内壁面29の周方向に沿うように当該円筒状内壁面29に接続されている。すなわち、硫酸導入経路122は、円筒状内壁面29の横断面において、円筒状内壁面29からその接線方向に沿って延びている。硫酸供給管13から硫酸導入経路122に供給された硫酸は、硫酸導入口32から混合室21の内部(混合空間S1)に略水平に導入される。
【0037】
一方、過酸化水素水導入経路123の一端には、過酸化水素水供給管14から過酸化水素水が供給されるようになっている。また、過酸化水素水導入経路123の他端は、円筒状内壁面29に開口した過酸化水素水導入口33となっている。硫酸導入口32および過酸化水素水導入口33は、上下に隣接して配置されている。また、過酸化水素水導入経路123は、円筒状内壁面29の周方向に沿うように当該円筒状内壁面29に接続されている。過酸化水素水供給管14から過酸化水素水導入経路123に供給された過酸化水素水は、過酸化水素水導入口33から混合室21の内部(混合空間S1)に略水平に導入される。過酸化水素水導入口33から混合空間S1への過酸化水素水の導入方向は、硫酸導入口32から混合空間S1への硫酸の導入方向と同一(互いに平行)にされている。
【0038】
図4は、処理液供給ノズル104内での硫酸および過酸化水素水の混合状態を説明するための模式図である。
硫酸導入経路122から混合空間S1には、円筒状内壁面29に沿って硫酸が導入される。硫酸導入経路122が円筒状内壁面29の周方向に沿うように当該円筒状内壁面29に接続されており、円筒状内壁面29の横断面が円形とされているので、混合空間S1に導入された硫酸は、円筒状内壁面29によってその周方向に案内され、円筒状内壁面29の周方向に回転する。これにより、円筒状内壁面29の周方向に回転する硫酸の渦流が混合空間S1内に形成される。硫酸導入経路122が混合室21の上方部において円筒状内壁面29に接続されているので、混合空間S1に導入された硫酸は、円筒状内壁面29の周方向に回転しながら、円筒状内壁面29に沿って流下していく。
【0039】
同様に、過酸化水素水導入経路123から混合空間S1には、円筒状内壁面29に沿って過酸化水素水が導入される。これにより、円筒状内壁面29の周方向に回転する過酸化水素水の渦流が混合空間S1内に形成される。過酸化水素水導入経路123が混合室21の上方部において円筒状内壁面29に接続されているので、混合空間S1に導入された過酸化水素水は、円筒状内壁面29の周方向に回転しながら、円筒状内壁面29に沿って流下していく。
【0040】
混合空間S1に導入された過酸化水素水は、混合空間S1に導入された硫酸と同じ方向に回転しながら流下していく。硫酸および過酸化水素水の渦流の回転方向が同一にされているので、互いの流れが衝突して、硫酸および過酸化水素水の渦流が消滅したり、当該渦流の流速が低下したりすることが抑制または防止されている。これにより、硫酸および過酸化水素水の渦流が維持されるようになっている。さらに、硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123が、互いに平行に隣接して配置されているので、硫酸および過酸化水素水は、混合空間S1に導入されると直に、他の処理液(硫酸または過酸化水素水)の流れと重なり合う。
【0041】
混合空間S1に導入された硫酸および過酸化水素水は、互いの流れが重なり合うとともに、硫酸および過酸化水素水の渦流による回転力によって攪拌され十分に混合される。これにより、硫酸および過酸化水素水の発熱反応による反応熱が十分に生じ、レジスト剥離に適した高温のSPMが生成される。
混合空間S1で生成されたSPMは、円筒状内壁面29を伝った後、円錐状内壁面30によって吐出口24に案内される。前述のように、円錐状内壁面30の上端が連結面31によって円筒状内壁面29の下端に滑らかに連結されているので、生成されたSPMは、円筒状内壁面29から円錐状内壁面30へと円滑に流れていく。また、円錐状内壁面30の縦断面が湾曲傾斜面とされているので、生成されたSPMが円滑に吐出口24に案内される。さらに、鉛直方向に対する円錐状内壁面30の傾斜角が下方に向かうに従って小さくされているので、生成されたSPMは、下方に向かうに従って加速される。これにより、高温となったSPMが吐出口24から勢いよく吐出される。
【0042】
本実施形態では、硫酸および過酸化水素水が渦流となって混合空間S1内を流下していくので、たとえば硫酸および過酸化水素水が吐出口に向かって直線的に流下していく場合に比べて、混合空間S1内での流路長が長く、したがって、硫酸および過酸化水素水が混合空間S1に滞在する時間が長くなっている。そのため、硫酸および過酸化水素水の混合時間が長く、互いの接触機会が増大している。これによって、硫酸および過酸化水素水が十分に混合され、十分に発熱反応が生じるようになっている。
【0043】
また、処理液供給ノズル104内での硫酸および過酸化水素水が渦流を形成して流下していくので、硫酸および過酸化水素水がノズル内を直線的に流下していく従来のノズルと比べて、混合時間が同じである場合に、従来のノズルよりも上下方向の長さをコンパクトにすることができる。
さらに、流量調節バルブ16,18の開度をそれぞれ調節して混合空間S1への硫酸および過酸化水素水の導入量(供給量)を可変させることにより、混合空間S1に導入される硫酸および過酸化水素水の流速を調節することができる。これにより、硫酸および過酸化水素水が混合空間S1に導入されてからSPMとなって吐出口24から吐出されるまでの時間を精密に調整することができる。また、混合空間S1への硫酸および過酸化水素水の導入量を可変させることにより、硫酸および過酸化水素水の混合比を精密に調整することができる。
【0044】
さらにまた、過酸化水素水中に含まれる水分を、硫酸および過酸化水素水の渦流によって当該硫酸および過酸化水素水の液面(上面)の上に形成された略倒立円錐状の空間S2で膨張(蒸発)させることができるので、この水分の膨張力を、吐出口24からSPMを吐出させる吐出力として作用させることができる。これにより、SPMの吐出速度を向上させることができ、高温となったSPMを吐出口24から勢いよく吐出させることができる。
【0045】
図5は、基板処理装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。
基板処理装置1は、マイクロコンピュータを含む構成の制御部34を備えている。この制御部34には、チャック回転駆動機構8および揺動駆動機構12などが制御対象として接続されている。硫酸バルブ15、過酸化水素水バルブ17およびリンス液バルブ19の開閉は制御部34によって制御される。さらに、必要に応じて、流量調節バルブ16,18の開度が制御部34によって制御されるようになっていてもよい。
【0046】
図6は、基板処理装置1によるウエハWの処理の一例を説明するための工程図である。
未処理のウエハWは、基板搬送ロボット(図示せず)によってスピンチャック3に受け渡され、表面をたとえば上に向けて複数個の挟持部材7に保持される(ステップS1)。ウエハWがスピンチャック3に保持されると、制御部34によりチャック回転駆動機構8が制御されて、スピンチャック3によるウエハWの回転が開始される(ステップS2)。さらに、制御部34により揺動駆動機構12が制御されて、処理液供給ノズル104がスピンチャック3に保持されたウエハWの上方に配置される。このとき、処理液供給ノズル104は、たとえば、ウエハWの回転軸線上に配置されていてもよく、ウエハWの回転軸線から僅かに離れた位置に配置されていてもよい。
【0047】
処理液供給ノズル104がウエハWの上方に配置されると、制御部34により硫酸バルブ15および過酸化水素水バルブ17が開かれて、処理液供給ノズル104に硫酸および過酸化水素水が導入される(ステップS3)。処理液供給ノズル104に導入された硫酸および過酸化水素水は、前述のように、処理液供給ノズル104内で渦流となって処理液供給ノズル104内を流下していく。これにより、硫酸および過酸化水素水が処理液供給ノズル104内で十分に混合され(ステップS4)、レジスト剥離に適した高温のSPMが生成される。そして、高温のSPMが処理液供給ノズル104からスピンチャック3に保持されたウエハWの表面に向けて吐出される。これにより、ウエハWの表面へのSPMの供給が開始される(ステップS5)。
【0048】
処理液供給ノズル104がウエハWの回転軸線上に配置されている場合、処理液供給ノズル104から吐出されたSPMは、ウエハWの表面における回転中心を含む範囲に着液し、ウエハWの回転による遠心力を受けてウエハWの周縁に向かって瞬時に広がっていく。これにより、ウエハWの表面全域にSPMが供給され、SPMによるレジスト剥離処理がウエハWの表面全域に行われる。このとき、ウエハWに供給されたSPMがレジスト剥離に適した高温となっているので、ウエハWの表面からレジスト膜が良好に剥離される。
【0049】
一方、処理液供給ノズル104がウエハWの回転軸線から僅かに離れた位置に配置されている場合、処理液供給ノズル104から吐出されたSPMは、ウエハWの表面における回転中心付近に着液し、着液した勢いで当該回転中心まで広がっていく。そして、ウエハWの表面に着液したSPMは、ウエハWの回転による遠心力を受けてウエハWの周縁に向かって瞬時に広がっていく。これにより、ウエハWの表面全域にSPMが供給され、SPMによるレジスト剥離処理がウエハWの表面全域に行われる。ウエハWに供給されたSPMがレジスト剥離に適した高温となっているので、ウエハWの表面からレジスト膜が良好に剥離される。
【0050】
処理液供給ノズル104からウエハWの表面にSPMが供給されるとき、処理液供給ノズル104は、ウエハWの回転軸線上または当該回転軸線から僅かに離れた位置で固定されていてもよく、制御部34により揺動駆動機構12が制御されて、ウエハWの上方で水平に揺動されていてもよい。すなわち、ウエハW上でのSPMの着液位置が、固定されていてもよく、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁に至る範囲でスキャン(移動)されてもよい。ウエハW上でのSPMの着液位置をウエハWの回転中心からウエハWの周縁に至る範囲で移動させることにより、高温のSPMをウエハWの表面全域に直接供給することができる。
【0051】
SPMによるレジスト剥離処理が所定時間にわたって行われると、制御部34により硫酸バルブ15および過酸化水素水バルブ17が閉じられて、ウエハWの表面へのSPMの供給が停止される(ステップS6)。その後、制御部34により揺動駆動機構12が制御されて、処理液供給ノズル104がウエハWの上方から退避される。そして、制御部34によりリンス液バルブ19が開かれて、リンス液供給ノズル5からスピンチャック3に保持されたウエハWの表面に向けてリンス液(たとえば純水)が吐出される。これにより、ウエハWの表面への純水の供給が開始される(ステップS7)。
【0052】
リンス液供給ノズル5から吐出された純水は、ウエハWの表面における回転中心を含む範囲に着液する。そして、ウエハWの表面に着液した純水はウエハWの回転による遠心力を受けてウエハWの周縁に向かって瞬時に広がっていく。これにより、ウエハWの表面全域に純水が供給され、ウエハW上のSPMを純水によって洗い流すリンス処理がウエハWの表面全域に行われる。
【0053】
純水によるリンス処理が所定時間にわたって行われると、制御部34によりリンス液バルブ19が閉じられて、ウエハWの表面への純水の供給が停止される(ステップS8)。そして、制御部34によりチャック回転駆動機構8が制御されて、ウエハWが高速(たとえば、3000rpm)で回転される(ステップS9)。これにより、ウエハWに付着している純水が振り切られて、ウエハWが乾燥される。そして、ウエハWの高速回転が所定時間にわたって続けられると、チャック回転駆動機構8が停止されて、スピンチャック3によるウエハWの回転が停止される(ステップS10)。その後、その処理済みのウエハWが基板搬送ロボットによって搬出されていく(ステップS11)。
【0054】
以上のように本実施形態では、処理液供給ノズル104内で硫酸および過酸化水素水を十分に混合させ、それらの発熱反応を有効に利用して、レジスト剥離に適した高温のSPMを生成することができる。そして、この高温のSPMをスピンチャック3に保持されたウエハWの表面に供給することができる。SPMは、処理液供給ノズル104内で高温にされるので、ほとんど温度低下を生じることなくウエハWの表面に供給される。これにより、ウエハWの表面からレジスト膜を良好に剥離することができる。
【0055】
図7は、この発明の第2実施形態に係る処理液供給ノズル204の図解的な縦断面図である。この図7において、前述の図1〜図6に示された各部と同等の構成部分については、図1〜図6と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
この第2実施形態と前述の第1実施形態との主要な相違点は、第1実施形態では、硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123が互いに平行に隣接して配置されていたのに対し、この第2実施形態では、硫酸導入経路222および過酸化水素水導入経路223が円筒状内壁面29に向かうに従って互いに近づくように隣接して配置されていることにある。
【0056】
硫酸導入経路222および過酸化水素水導入経路223は、それぞれ、筒状周壁27の上部に形成されている。硫酸導入経路222および過酸化水素水導入経路223は、それぞれ、円筒状内壁面29の周方向に沿うように当該円筒状内壁面29に接続されている。硫酸導入経路222および過酸化水素水導入経路223は、それぞれ、円筒状内壁面29に向かうに従って互いに近づくように直線状に延びている。硫酸導入口32および過酸化水素水導入口33は、円筒状内壁面29において上下に並んで隣接している。
【0057】
この第2実施形態に係る処理液供給ノズル204では、硫酸導入経路222および過酸化水素水導入経路223が円筒状内壁面29に向かうに従って互いに近づくように隣接して配置されているので、硫酸導入口32および過酸化水素水導入口33からそれぞれ導入された硫酸および過酸化水素水は、混合室21の内部で互いに近づくように流れていく。したがって、硫酸および過酸化水素水は、他の処理液の流れと確実に重なり合って混合される。これにより、硫酸および過酸化水素水が十分に混合され、高温のSPMが生成される。
【0058】
図8は、この発明の第3実施形態に係る処理液供給ノズル304の図解的な縦断面図である。この図8において、前述の図1〜図6に示された各部と同等の構成部分については、図1〜図6と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
この第3実施形態と前述の第1実施形態との主要な相違点は、第1実施形態では、硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123がそれぞれ円筒状内壁面29で開口する硫酸導入口32および過酸化水素水導入口33を有しているのに対し、この第3実施形態では、硫酸導入経路322および過酸化水素水導入経路323が筒状周壁27内で合流され、筒状周壁27に形成された集合導入経路35に連通されていることにある。
【0059】
硫酸導入経路322および過酸化水素水導入経路323は、それぞれ、筒状周壁27の上部に形成されており、円筒状内壁面29に向かうに従って互いに近づくように直線状に延びている。硫酸導入経路322および過酸化水素水導入経路323は、それぞれ、筒状周壁27の上部に形成された集合導入経路35の一端35aに連通されている。集合導入経路35の他端は、円筒状内壁面29に開口した集合導入口36となっている。硫酸導入経路322および過酸化水素水導入経路323の合流部(集合導入経路35の一端35a)は、集合導入口36の直前に位置している。
【0060】
この第3実施形態に係る処理液供給ノズル304では、硫酸導入経路322および過酸化水素水導入経路323にそれぞれ供給された硫酸および過酸化水素水が、集合導入経路35で合流され、合流された状態で集合導入口36から混合空間S1に導入される。したがって、硫酸および過酸化水素水は、他の処理液の流れと確実に重なり合って混合される。また、集合導入経路35を流通する過程で混合が開始されるので、混合時間がより長くなっている。さらに、混合空間S1に導入される直前で硫酸および過酸化水素水の混合が開始されるので、高温になったSPMの温度が低下することが抑制されている。
【0061】
図9は、この発明の第4実施形態に係る処理液供給ノズル404の図解的な縦断面図である。この図9において、前述の図1〜図6に示された各部と同等の構成部分については、図1〜図6と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
この第4実施形態と前述の第1実施形態との主要な相違点は、第1実施形態では、筒状周壁27に、硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123がそれぞれ形成されていたのに対し、この第4実施形態では、硫酸および過酸化水素水が合流された状態で供給される合流導入経路37が筒状周壁27に形成されていることにある。
【0062】
合流導入経路37は、筒状周壁27の上部に形成されており、円筒状内壁面29の周方向に沿うように当該円筒状内壁面29に接続されている。
また、硫酸供給管13および過酸化水素水供給管14は、それぞれ集合供給管38の一端38aに接続されている。硫酸バルブ15および過酸化水素水バルブ17が開かれると、硫酸供給管13および過酸化水素水供給管14からそれぞれ硫酸および過酸化水素水が集合供給管38に供給され、この集合供給管38内で硫酸および過酸化水素水が合流される。そして、集合供給管38から合流導入経路37の一端に、硫酸および過酸化水素水が合流された状態で供給される。合流導入経路37の他端は、円筒状内壁面29に開口した合流導入口39となっている。合流導入経路37に供給された硫酸および過酸化水素水は、合流導入口39から混合空間S1に導入される。硫酸および過酸化水素水の合流部(集合供給管38の一端38a)は、処理液供給ノズル404の直前に位置している。
【0063】
この第4実施形態に係る処理液供給ノズル404では、硫酸および過酸化水素水が合流された状態で混合空間S1に導入されるので、当該硫酸および過酸化水素水が確実に混合される。また、処理液供給ノズル404に導入される前に混合が開始されるので、混合時間がより長くなっている。さらに、処理液供給ノズル404に導入される直前で硫酸および過酸化水素水の混合が開始されるので、高温になったSPMの温度が低下することが抑制されている。
【0064】
図10は、この発明の第5実施形態に係る処理液供給ノズル504の図解的な横断面図である。この図10において、前述の図1〜図6に示された各部と同等の構成部分については、図1〜図6と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
この第5実施形態と前述の第1実施形態との主要な相違点は、第1実施形態では、硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123が上下に重なり合うように配置されていたのに対し、この第5実施形態では、硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123が、同じ高さで、かつ、円筒状内壁面29の周方向に関して異なる位置に配置されていることにある。
【0065】
具体的には、円筒状内壁面29の中心軸線まわりにたとえば180度の間隔を隔てた2つの位置に、それぞれ、硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123が配置されている。硫酸導入口32および過酸化水素水導入口33は、円筒状内壁面29の中心軸線を挟んで対向している。
この第5実施形態に係る処理液供給ノズル504では、混合空間S1に対して、円筒状内壁面29の中心軸線を挟んで対向した位置からそれぞれ硫酸および過酸化水素水が導入されるので、混合空間S1に導入された硫酸および過酸化水素水に偏りなく回転力を与えることができる。これにより、安定した渦流を混合空間S1内に形成することができるので、混合空間S1に導入された硫酸および過酸化水素水を十分に混合させることができる。
【0066】
図11は、この発明の第6実施形態に係る処理液供給ノズル604の図解的な横断面図であり、図12は、この発明の第6実施形態に係る処理液供給ノズル604の図解的な縦断面図である。この図11および図12において、前述の図1〜図6に示された各部と同等の構成部分については、図1〜図6と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
この第6実施形態と前述の第1実施形態との主要な相違点は、第1実施形態では、上下に重なり合うように配置された硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123が一対設けられていたのに対し、この第6実施形態では、円筒状内壁面29の周方向に関して異なる位置に、上下に重なり合うように配置された硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123が複数対(たとえば四対)設けられていることにある。
【0067】
四対の硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123は、それぞれ、円筒状内壁面29の中心軸線まわりにたとえば90度の間隔を隔てた4つの位置に配置されている。四対の硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123のうち、二対の硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123は、硫酸導入経路122が上側となっており、残りの二対の硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123は、過酸化水素水導入経路123が上側となっている。上側の硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123は、同じ高さに形成されており、下側の硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123は、同じ高さに形成されている。また、硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123は、円筒状内壁面29の周方向に関して交互に配置されている。硫酸導入口32および過酸化水素水導入口33は、上下に隣接して配置されているとともに、円筒状内壁面29の周方向に関して、円筒状内壁面29の中心軸線まわりに90度の間隔を隔てて交互に配置されている。
【0068】
この第6実施形態に係る処理液供給ノズル604では、硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123が四対設けられているので、混合空間S1に導入された硫酸および過酸化水素水に大きな回転力を与えることができる。これにより、混合空間S1に導入された硫酸および過酸化水素水を一層十分に混合させることができる。
また、混合空間S1に対して、円筒状内壁面29の中心軸線まわりに90度の間隔を隔てた4つの位置から硫酸または過酸化水素水が導入されるので、混合空間S1に導入された硫酸および過酸化水素水に偏りなく回転力を与えることができる。これにより、安定した渦流を混合空間S1内に形成することができる。
【0069】
さらに、円筒状内壁面29の周方向に関して硫酸導入経路122および過酸化水素水導入経路123が交互に配置されているので、硫酸および過酸化水素水を、混合空間S1に導入された直後に合流させて、硫酸および過酸化水素水の混合を開始させることができる。これにより、硫酸および過酸化水素水の混合時間を長くすることができる。
図13は、この発明の第7実施形態に係る処理液供給ノズル704の図解的な縦断面図である。この図13において、前述の図1〜図6に示された各部と同等の構成部分については、図1〜図6と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0070】
この第7実施形態と前述の第1実施形態との主要な相違点は、円筒状内壁面29に螺旋状溝40が形成されていることにある。螺旋状溝40は、円筒状内壁面29の中心軸線まわりに螺旋状に延びている。
この第7実施形態に係る処理液供給ノズル704では、混合空間S1に導入された硫酸および過酸化水素水が螺旋状溝40に沿って流れていくので、硫酸および過酸化水素水の渦流を混合空間S1内に確実に維持することができる。これにより、混合空間S1に導入された硫酸および過酸化水素水を十分に混合させることができる。また、硫酸および過酸化水素水の渦流を混合空間S1内に維持することにより、硫酸および過酸化水素水が混合空間S1内に滞在する時間を長くすることができる。これにより、硫酸および過酸化水素水の混合時間を長くすることができる。
【0071】
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の第1〜第7実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、前述の第1〜第7実施形態では、互いに混合されることで発熱反応を呈する複数種の処理液が、硫酸および過酸化水素水である場合について説明したが、これに限らない。すなわち、過酸化水素水に代えて、オゾン水や純水を用いてもよい。過酸化水素水に代えてオゾン水を用いることにより、生成された混合処理液の酸化力を向上させることができる。また、硫酸および過酸化水素水に加えて、オゾン水や純水を混合させてもよい。すなわち、2種以上の処理液を混合させて混合処理液を生成してもよい。さらにまた、混合処理液を生成するための処理液としては、硫酸、過酸化水素水、オゾン水、純水に限らず、その他の処理液を用いてもよい。
【0072】
また、前述の第1〜第6実施形態では、円筒状内壁面29が断面円形の鉛直な面である場合について説明したが、これに限らない。すなわち、円筒状内壁面29の横断面形状は、内側への凸部がない滑らかに連続する環状であることが好ましく、たとえば図14に示すように、楕円形とされていてもよい。
また、円筒状内壁面29は、鉛直な面でなくてもよく、たとえば図15に示すように下方にいくに従って径が小さくなる傾斜面にされていてもよい。さらに、図16に示すように、円筒状内壁面29の下方に連結面31および円錐状内壁面30が設けられておらず、円筒状内壁面29が、その頂点(下端)に吐出口24が形成された倒立円錐面とされていてもよい。
【0073】
また、前述の第1〜第7実施形態では、円錐状内壁面30が湾曲傾斜面である場合について説明したが、これに限らず、円錐状内壁面30は、たとえば、倒立円錐面であってもよいし、図17に示すように逆ワインボトル形状にされていてもよい。さらに、前述の第1〜第7実施形態では、円錐状内壁面30の頂点(最下端部)が平面視において円錐状内壁面30の中央部に配置されている場合について説明したが、これに限らず、円錐状内壁面30の頂点は、円錐状内壁面30の中央部以外の位置に配置されていてもよい。また、それに伴い、吐出口24は、円錐状内壁面30の中央部以外の位置に配置されていてもよい。
【0074】
また、処理液供給ノズルは、前述の第1〜第7実施形態に係るものに限らず、これらの実施形態に係る処理液供給ノズルが複合されたものであってもよい。すなわち、たとえば、第2実施形態に係る処理液供給ノズル204において(図7参照)、硫酸導入経路222および過酸化水素水223が、第5実施形態に係る処理液供給ノズル504のように(図10参照)、円筒状内壁面29の周方向に関して異なる位置に配置されていてもよい。さらに、第2実施形態に係る処理液供給ノズル204において、第6実施形態に係る処理液供給ノズル604のように(図11および図12参照)、円筒状内壁面29の周方向に関して異なる位置に、硫酸導入経路222および過酸化水素水223が複数対設けられていてもよい。
【0075】
同様に、処理液供給ノズルは、第3実施形態(図8参照)と第5実施形態との複合型のものであってもよいし、第3実施形態と第6実施形態との複合型のものであってもよい。また、処理液供給ノズルは、第4実施形態(図9参照)と第5実施形態との複合型のものであってもよいし、第4実施形態と第6実施形態との複合型のものであってもよい。さらに、第1〜第6実施形態に係る処理液供給ノズルや、前述の複合型の処理液供給ノズルにおいて、第7実施形態に係る処理液供給ノズル704のように(図13参照)、円筒状内壁面29に螺旋状溝40が形成されていてもよい。
【0076】
また、前述の第1〜第7実施形態では、処理対象となる基板としてウエハWを取り上げたが、ウエハWに限らず、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などの他の種類の基板が処理対象とされてもよい。また、基板に対する処理は、レジスト剥離処理以外のその他の処理であってもよい。
【0077】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】処理液供給ノズルの図解的な縦断面図である。
【図3】処理液供給ノズルの図解的な横断面図である。
【図4】処理液供給ノズル内での硫酸および過酸化水素水の混合状態を説明するための模式図である。
【図5】基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図6】基板処理装置によるウエハの処理の一例を説明するための工程図である。
【図7】この発明の第2実施形態に係る処理液供給ノズルの図解的な縦断面図である。
【図8】この発明の第3実施形態に係る処理液供給ノズルの図解的な縦断面図である。
【図9】この発明の第4実施形態に係る処理液供給ノズルの図解的な縦断面図である。
【図10】この発明の第5実施形態に係る処理液供給ノズルの図解的な横断面図である。
【図11】この発明の第6実施形態に係る処理液供給ノズルの図解的な横断面図である。
【図12】この発明の第6実施形態に係る処理液供給ノズルの図解的な縦断面図である。
【図13】この発明の第7実施形態に係る処理液供給ノズルの図解的な縦断面図である。
【図14】この発明の別の実施形態に係る処理液供給ノズルを示す横断面図である。
【図15】この発明のさらに別の実施形態に係る処理液供給ノズルを示す横断面図である。
【図16】この発明のさらに別の実施形態に係る処理液供給ノズルを示す横断面図である。
【図17】この発明のさらに別の実施形態に係る処理液供給ノズルを示す横断面図である。
【符号の説明】
【0079】
1 基板処理装置
3 スピンチャック(基板保持手段)
11 ノズルアーム(ノズル保持部材)
13 硫酸供給管(処理液供給手段)
14 過酸化水素水供給管(処理液供給手段)
21 混合室
24 吐出口
29 円筒状内壁面(渦流形成面)
30 円錐状内壁面(案内面、湾曲傾斜面)
31 連結面
32 硫酸導入口
33 過酸化水素水導入口
35 集合導入経路(処理液導入経路、隣接導入経路)
35a 一端(合流部)
36 集合導入口(導入口)
37 合流導入経路(処理液導入経路、隣接導入経路)
40 螺旋状溝
104 処理液供給ノズル
122 硫酸導入経路(処理液導入経路、回転方向同一導入経路、隣接導入経路)
123 過酸化水素水導入経路(処理液導入経路、回転方向同一導入経路、隣接導入経路)
204 処理液供給ノズル
222 硫酸導入経路(処理液導入経路、回転方向同一導入経路、隣接導入経路)
223 過酸化水素水導入経路(処理液導入経路、回転方向同一導入経路、隣接導入経路)
304 処理液供給ノズル
404 処理液供給ノズル
504 処理液供給ノズル
604 処理液供給ノズル
704 処理液供給ノズル
S1 混合空間(混合室の内部)
W ウエハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに混合されることで発熱反応を呈する複数種の処理液を混合させて混合処理液を生成し、この混合処理液を処理対象の基板に向けて吐出するための処理液供給ノズルであって、
前記複数種の処理液が導入され、この複数種の処理液をその内部で混合するための混合室と、
この混合室の内部に形成され、当該混合室に導入された前記複数種の処理液の渦流を形成させる渦流形成面と、
前記混合室に導入される前記複数種の処理液が流通し、前記混合室の上方部において、前記渦流形成面に沿うように当該渦流形成面に接続された処理液導入経路と、
前記混合室の下方に位置し、前記渦流形成面に沿って前記複数種の処理液が流れる間にこれら複数種の処理液が混合して生成された混合処理液を吐出する吐出口とを含む、処理液供給ノズル。
【請求項2】
前記渦流形成面は、円筒状内壁面を含む、請求項1記載の処理液供給ノズル。
【請求項3】
前記処理液導入経路は、前記混合室に導入される複数種の処理液にそれぞれ対応し、各処理液の渦流の回転方向が同一となるように前記渦流形成面に接続された複数の回転方向同一導入経路を含む、請求項1または2記載の処理液供給ノズル。
【請求項4】
前記処理液導入経路は、前記混合室に導入される複数種の処理液にそれぞれ対応し、互いに平行に隣接して配置された複数の隣接導入経路を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の処理液供給ノズル。
【請求項5】
前記処理液導入経路は、前記混合室に導入される複数種の処理液にそれぞれ対応し、前記渦流形成面に向かうに従って互いに近づくように隣接して配置された複数の隣接導入経路を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の処理液供給ノズル。
【請求項6】
前記処理液導入経路は、前記渦流形成面に開口した導入口と、この導入口の直前で複数種の処理液を合流させる合流部とを含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の処理液供給ノズル。
【請求項7】
前記渦流形成面の周方向に関して異なる位置で前記渦流形成面に開口した複数の導入口をそれぞれ有する複数の前記処理液導入経路が設けられている、請求項1〜6の何れか一項に記載の処理液供給ノズル。
【請求項8】
前記渦流形成面を伝った後の混合処理液を前記吐出口に案内する案内面をさらに含む、請求項1〜7の何れか一項に記載の処理液ノズル。
【請求項9】
前記吐出口は、所定の吐出方向に沿って前記混合処理液を吐出するものであり、
前記案内面は、前記吐出方向に対する傾斜角が前記吐出口に向かうに従って小さくなる湾曲傾斜面を含む、請求項8記載の処理液供給ノズル。
【請求項10】
前記渦流形成面と前記案内面とを滑らかに連結する連結面をさらに含む、請求項8または9記載の処理液供給ノズル。
【請求項11】
前記渦流形成面は、螺旋状溝を含む、請求項1〜10の何れか一項に記載の処理液供給ノズル。
【請求項12】
基板を保持する基板保持手段と、
この基板保持手段に保持された基板に、互いに混合されることで発熱反応を呈する複数種の処理液により生成された混合処理液を供給するための、請求項1〜11の何れか一項に記載の処理液供給ノズルと、
この処理液供給ノズルを保持するノズル保持部材と、
前記処理液供給ノズルに前記複数種の処理液を供給する処理液供給手段とを含む、基板処理装置。
【請求項13】
請求項1〜11の何れか一項に記載の処理液供給ノズルに、互いに混合されることで発熱反応を呈する複数種の処理液を導入する導入工程と、
前記処理液供給ノズルによって前記複数種の処理液を混合させて混合処理液を生成させる混合処理液生成工程と、
前記処理液供給ノズルによって生成された混合処理液を基板に供給する混合処理液供給工程とを含む、基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−231466(P2009−231466A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73844(P2008−73844)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】