説明

半導体検査用ウエハプローバ及び検査方法

【課題】製造コストの低減、装置の小型化及び省スペース化を図り、作業効率を向上させた。
【解決手段】プローバは、ウエハを設定位置で支持して当該ウエハの処理位置まで搬送して当該処理位置に設置されるトレイと、当該トレイに対して前記ウエハを前記設定位置に位置合わせする、1又は複数のアライメントユニットと、当該アライメントユニットよりも多く配置され前記処理位置で前記ウエハにコンタクトして検査処理を行うコンタクトユニットと、前記ウエハを支持した前記トレイを前記アライメントユニットと前記コンタクトユニットとの間で搬送するトレイ搬送部とを備えた。前記トレイは、前記チャックピンのXYZθ方向への移動を許容する3以上のピン穴と、前記ウエハの位置決め用のアライメントマークと、前記トレイ自体を位置合わせするアライメント部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレイに載置される検査対象物を当該トレイに対して位置決めし、複数の検査対象物をトレイごと搬送して並行して検査すると共に、検査時における、検査対象物に対するプローブカードの位置決めを正確に行うことができるプローバ及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
検査対象物としてのウエハ等の検査を行うプローバは、ウエハ等のアライメントを行うアライメントユニットと、ウエハ等にコンタクトして検査を行うコンタクトユニットとを備えている。さらに、アライメントユニットとコンタクトユニットの両方に、正確に位置合わせを行うためのカメラと、このカメラの映像に基づいてXYZθ方向に微調整を行うXYZθステージとを備えている。
【0003】
ウエハ等が載置されるチャックには、特許文献1に示すように、ウエハ等を吸着して支持する吸引孔や、ウエハ等の搬入、搬出の際にウエハ等を持ち上げる支持ピンを備えたものがある。
【0004】
また、特許文献2に示すように、テーブル上に保持されたウエハ等を回転させてアライメントするウエハリングを備え、テーブルに、ウエハ等をアライメントするためのアライメントマークを付けたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−93612号公報
【特許文献2】特開2003−151999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常のプローバは、1つのシステム毎に、ウエハ等のアライメントを行うアライメントユニットと、ウエハ等にコンタクトして検査を行うコンタクトユニットとを備えているが、これらのユニットはともに高価なため、1つのプローバにこれら2つのユニットをそれぞれ備えることで製造コストが嵩んでしまう。
【0007】
また、これら2つのユニットは、プローバを構成する部品の中でも大きい部類に入る部品であるため、プローバの小型化、省スペース化を阻む要因になっている。
【0008】
コンタクトユニットでは、テーブルに付けたアライメントマークを基準にウエハ等のアライメントを行うためにカメラを備え、ウエハ等の支持のために吸引機構を備えるが、これらカメラ等は高価であるため、製造コストが嵩む。また、カメラ等を複数備える場合、その周辺装置まで含めると大がかりな構成になるため、小型化、省スペース化を図ることができないという問題がある。
【0009】
さらに、1つのプローバに、アライメントユニットとコンタクトユニットとを備えるため、アライメントユニットでウエハ等のアライメントを行っている間はコンタクトユニットは休止しており、コンタクトユニットで検査を行っている間はアライメントユニットは休止している。このため、休止している時間が無駄になり、作業効率が悪いと言う問題がある。
【0010】
また、トレイを利用して予めプローブカードとウエハとの間接的なアライメントを行うようなものはこれまではなく、多数のウエハを効率的に処理できるシステムが望まれている。
【0011】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、製造コストの低減、装置の小型化、省スペース化を図り、装置の休止時間を減らして多数のウエハを効率的に処理し、作業効率の向上を図ったプローバ及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るプローバは、ウエハを設定位置で支持して当該ウエハの処理位置まで搬送して当該処理位置に設置されるトレイと、当該トレイに対して前記ウエハを前記設定位置に位置合わせする、1又は複数のアライメントユニットと、当該アライメントユニットよりも多く配置され前記処理位置で前記ウエハにコンタクトして検査処理を行うコンタクトユニットと、前記ウエハを支持した前記トレイを前記アライメントユニットと前記コンタクトユニットとの間で搬送するトレイ搬送部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るプローバを用いた検査方法は、アライメントユニットでトレイに対してウエハを設定位置に位置合わせし、前記ウエハを支持した前記トレイを、トレイ搬送部で前記アライメントユニットよりも多く配置されたコンタクトユニットへ選択的に搬送して、複数のコンタクトユニットで前記ウエハにコンタクトして並行して検査を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ウエハをトレイに対して位置決めしてこのトレイごとコンタクトユニットに搬送して、XYZθステージを用いずにトレイごと位置決めするため、XYZθステージやカメラ等の高価な部品を減らすことができて、製造コストの低減を図ることができる。
【0015】
また、XYZθステージやカメラ等を減らせる分だけ、装置の小型化、省スペース化を図ることができる。
【0016】
さらに、コンタクトユニットをアライメントユニットよりも多く配置して、各装置が休止している時間を減らしたため、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプローバを示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るプローバのアライメントユニットを示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るプローバのアライメントユニットを示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るプローバのアライメントユニットを示す斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るプローバのアライメントユニットを示す斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るプローバのアライメントユニットを示す斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るプローバのコンタクトユニットを示す斜視図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係るプローバのコンタクトユニットの要部を示す斜視図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係るコンタクトユニットのトレイチャックを示す斜視図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係るコンタクトユニットの要部を示す斜視図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係るコンタクトユニットのプローブカードを示す斜視図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係るコンタクトユニットのプローブカードの要部を示す斜視図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係るコンタクトユニットのプローブカードの位置決めピンを示す断面図である。
【図14】本発明の第1実施形態に係るプローブカードの嵌合突起とトレイのアライメント部との嵌合状態を示す断面図である。
【図15】本発明の第1実施形態に係るアライメントユニットのトレイ上にウエハを移動させた状態を示す断面図である。
【図16】本発明の第1実施形態に係るアライメントユニットのトレイ上にウエハを載置した状態を示す断面図である。
【図17】本発明の第1実施形態に係るアライメントユニットのトレイ上のウエハをカメラを用いて位置合わせしている状態を示す断面図である。
【図18】本発明の第1実施形態に係るアライメントユニットのウエハの位置合わせ後にチャックピンを降下させた状態を示す断面図である。
【図19】本発明の第1実施形態に係るアライメントユニットからトレイを搬出した状態を示す断面図である。
【図20】本発明の第1実施形態に係るコンタクトユニットのトレイチャックにトレイを載置した状態を示す断面図である。
【図21】本発明の第1実施形態に係るトレイチャックに載置したトレイにプローブカードを臨ませた状態を示す断面図である。
【図22】本発明の第1実施形態に係るトレイチャックに載置したトレイのアライメント部にプローブカードの位置決めピンを嵌合させた状態を示す断面図である。
【図23】本発明の第2実施形態に係るプローバのコンタクトユニットを示す概略側面断面図である。
【図24】本発明の第2実施形態に係るプローバのコンタクトユニット及びテストヘッドを示す概略側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係るプローバ及びプローバを用いた検査方法について、添付図面を参照しながら説明する。
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態に係る発明は、トレイにウエハを位置決め固定することで、コンタクトユニットに対してこのトレイを直接位置決めすることにより、間接的にウエハの位置決めができるようにした。即ち、トレイの位置決めを行うことで、ウエハの位置決めを代用するようにした。これにより、トレイに設けたアライメント部と、プローブカード側に設けた位置決めピンとを嵌合させてトレイの位置決めを行うことで、プローブカードに対するウエハの位置決めを行うことができるようになる。それによって、アライメントカメラも、アライメントステージも使うことなく、ウエハの位置決めを行うことができる。このため、コンタクトユニット側には、アライメントカメラと、アライメントステージを設ける必要が無くなる。この結果、コンタクトユニットを、アライメントカメラとアライメントステージのない小型の装置にすることができると共に、小型のコンタクトユニットを多数並べることで、プローバ全体をコンパクトにすることができる。即ち、本発明のプローバは、小型化、省スペース化、低コスト化を実現した装置できる。以下に詳述する。
【0020】
[プローバ]
本実施形態のプローバ1は、図1に示すように、ウエハ2を設定位置で支持してこのウエハ2の処理位置まで搬送して、この処理位置に設置されるトレイ3と、このトレイ3に対して前記ウエハ2を前記設定位置に位置合わせする、1又は複数(本実施形態では2つ)のアライメントユニット4と、このアライメントユニット4よりも多く(本実施形態では4つ)配置され、前記処理位置で前記ウエハ2にコンタクトして検査処理を行うコンタクトユニット5と、前記ウエハ2を支持した前記トレイ3を前記アライメントユニット4と前記コンタクトユニット5との間で搬送するトレイ搬送部6と、外部から搬送されてくるウエハカセット7を載置するウエハカセット部8と、このウエハカセット部8とアライメントユニット4との間でウエハ2を搬送するウエハ搬送部9と、全体を制御する制御部10とを備えて構成されている。
【0021】
トレイ3は、その上側面の設定位置にウエハ2を支持するための部材である。トレイ3は、図2〜図6に示すように円盤状に形成されている。トレイ3は、アライメントユニット4とコンタクトユニット5との間を移動されてウエハ2を搬送すると共に、コンタクトユニット5に設置されてウエハ2の検査処理が施される。トレイ3は主に、ピン穴11と、アライメントマーク12と、アライメント部13と、吸着溝14とを備えている。なお、アライメント部13で、トレイ3をコンタクトユニット5に対して位置決めするコンタクトユニット位置決め手段が構成されている。
【0022】
ピン穴11は、ウエハ2の位置調整用の後述するチャックピン17を通すための穴である。ピン穴11の内径は、チャックピン17の外径よりも大きく形成されて、チャックピン17のXYZθ方向への移動を許容するようになっている。ピン穴11の内径とチャックピン17の外径との寸法差は、ウエハ2を微調整する際に必要な移動量に合わせて設定される。ピン穴11は3つ以上設けられる。本実施形態では、ウエハ2を安定して支持できる最小数である3つのピン穴11が、正三角形の頂点位置にそれぞれ設けられている。
【0023】
アライメントマーク12は、トレイ3上に載置されるウエハ2の位置決めの際に、ウエハ2側のマークと共に後述するカメラ20で撮影されるマークである。ウエハ2をトレイ3に対して位置決めする際に、ウエハ2側のマークとトレイ3側のアライメントマーク12とを整合させるように、チャックピン17でウエハ2を微調整する。
【0024】
アライメント部13は、コンタクトユニット5において、トレイ3自体を後述するプローブカード40に対して位置合わせするための位置合わせ手段である。アライメント部13はV溝で構成されている。このV溝は、溝の方向を120度ずつずらして3つ設けられている。120度ずつずれたV溝に、コンタクトユニット5側の後述する3つの位置決めピン41が嵌合することで、トレイ3が3箇所の位置で120度ずつずれた方向にそれぞれ位置決めされる。これにより、トレイ3自体がコンタクトユニット5に対して位置決めされ、トレイ3の設定位置に載置されたウエハ2がコンタクトユニット5のプローブカード40に対して位置決めされるようになっている。
【0025】
吸着溝14は、トレイ3の上側面に載置されたウエハ2を吸着して支持するための溝である。吸着溝14は、トレイ3の上側面に同心円状に3つ形成されている。
【0026】
トレイ3の内部には真空室(図示せず)が設けられている。この真空室は、吸着溝14に連通して、トレイ3上に載置されたウエハ2を、吸着溝14を介して吸着して支持するようになっている。真空室は、吸着溝14をウエハ2で覆われた状態で、逆止弁(図示せず)によって内部が真空に保たれるようになっている。アライメントユニット4側には、この逆止弁に嵌合する接続具(図示せず)を有する真空ポンプ(図示せず)を備えている。これら逆止弁や接続具等は、公知のものをそのまま使用することができる。トレイ3がアライメントユニット4に設置された時点で、真空ポンプの接続具が逆止弁に嵌合して、トレイ3の真空室と真空ポンプとが連通されるようになっている。
【0027】
アライメントユニット4は、トレイ3に載置されたウエハ2を、そのトレイ3に対して設定位置に位置合わせするための装置である。アライメントユニット4は、ウエハカセット部8の並びと同じ横方向に2つ並べて配設されている。アライメントユニット4は主に、ベース板16と、チャックピン17と、XYZθステージ18と、トレイホルダ19と、カメラ20と、カメラ駆動部21と、真空ポンプ(図示せず)とから構成されている。なお、XYZθステージ18、カメラ20、カメラ駆動部21等で、トレイ3に対してウエハ2を位置決めするウエハ位置決め手段が構成されている。
【0028】
ベース板16は全体を支える板材である。このベース板16上に、チャックピン17等が取り付けられている。
【0029】
チャックピン17は、トレイ3のピン穴11に通されてトレイ3上のウエハ2をその下側から支持するための部材である。チャックピン17は、トレイ3のピン穴11に合わせて3本のピン部17Aで構成されている。これら3本のピンは一体的に形成され、ピン穴11に通された状態で、同時に同じ方向へ移動してウエハ2の位置調整をする。チャックピン17の外径はピン穴11よりも小さく形成されている。これにより、チャックピン17は、ピン穴11に通された状態で、XYZθ方向に移動できるようになっている。これにより、チャックピン17によってトレイ3から浮いた状態で支持されたウエハ2は、XYZθ方向へのチャックピン17の移動範囲内でずれて、設定位置に整合するように調整される。
【0030】
XYZθステージ18は、チャックピン17を支持して3本のピン部17Aを、トレイ3の3つのピン穴11内でXYZθ方向に移動させるための装置である。XYZθステージ18は、通常の検査装置に使用されているXYZθステージを用いることができる。XYZθステージ18は、ベース板16に固定されている。
【0031】
トレイホルダ19は、トレイ3をXYZθステージ18の上側で支持するための部材である。トレイホルダ19は、XYZθステージ18の上側をこのXYZθステージ18との間に隙間を空けて覆うようにアーチ型に形成されている。なお、アーチ型のトレイホルダ19は、トレイ3が載置される部分で分割されている。
【0032】
トレイホルダ19は、XYZθステージ18を覆った状態でベース板16に固定されている。トレイホルダ19のうちトレイ3の設置位置は、トレイ3のピン穴11とチャックピン17の3本のピン部17Aとが互いに整合する位置である。XYZθステージ18は、チャックピン17をXYZθ方向へ移動させて、ピン部17Aをピン穴11に整合させることができるため、トレイ3の設置位置は、正確に定めてもよく、定めなくてもよい。
【0033】
カメラ20は、前記チャックピン17に支持された前記ウエハ2及び前記トレイ3のアライメントマークを映して、トレイ3に対してウエハ2を位置合わせするためのカメラである。カメラ20は、2重焦点カメラが用いられ、前記ウエハ2のマークとなるものと、前記トレイ3のアライメントマーク12とを同時に撮影できるようになっている。このカメラ20で、前記ウエハ2のマークとなるものと、前記トレイ3のアライメントマーク12を映して、それらの映像を互いに整合させることで、トレイ3の設置位置にウエハ2を位置合わせするようになっている。ここで、ウエハ2側のアライメントマークとしては、種々のものを使用できる。ウエハ2にオリフラ等が設けられている場合には、それを用いることができるが、近年はウエハ上に形成されるチップ数を少しでも増やすために、オリフラもウエハ上側面のマークも設けていないものがある。この場合、ウエハ上側面に形成された特定のチップ等をアライメントマークとして用いることができる。検査する全てのウエハ2の上側面の決まった位置にあるもので、カメラ20によって撮影できるものをアライメントマークとして利用することができる。
【0034】
カメラ駆動部21は、カメラ20をウエハ2及びトレイ3の上側の所定位置に移動させるための装置である。カメラ駆動部21は、X軸移動機構23と、Y軸移動機構24とから構成されている。
【0035】
X軸移動機構23は、カメラ20をX軸方向に移動させるための装置である。X軸移動機構23は、スライド板25と、X軸駆動部26とから構成されている。スライド板25は、カメラ20を支持してX軸方向に移動する部材である。X軸駆動部26は、スライド板25を支持して、X軸方向に移動させるための装置である。X軸駆動部26は、スライド板25をスライド可能に支持するレール部27と、このレール部27に支持されたスライド板25をスライドさせるスライド駆動部28とから構成されている。スライド駆動部28は、スライド板25に下側面に固定されたナット部(図示せず)と、X軸方向に配設されると共に前記ナット部にねじ込まれて回転することで、このナット部を介してスライド板25をX軸方向に移動させるネジ棒部29と、このネジ棒部29を回転駆動する駆動モータ30とから構成されている。駆動モータ30は、制御部10に接続されて、カメラ20の移動に合わせて制御される。
【0036】
Y軸移動機構24は、X軸駆動部26をY軸方向に移動させるための装置である。Y軸移動機構24は、スライド板32と、Y軸駆動部33とから構成されている。スライド板32は、X軸駆動部26の両側に固定されてこのX軸駆動部26を両側から支持してY軸方向に移動させる部材である。Y軸駆動部33は、スライド板32を支持して、Y軸方向に移動させるための装置である。Y軸駆動部33は、スライド板32をスライド可能に支持するレール部34と、このレール部34に支持されたスライド板32をスライドさせるスライド駆動部(図示せず)とから構成されている。レール部34は、ベース板16の両側に設けられ、X軸駆動部26を両側から支持するようになっている。スライド駆動部は、前記スライド駆動部28と同様の構成や直動機構等を用い、カメラ20の移動に合わせて制御される。
【0037】
真空ポンプは、トレイ3の真空室を真空引きするための装置である。真空ポンプは、アライメントユニット4の周囲等に設置される。この真空ポンプの配管の接続具(図示せず)が、トレイ3の真空室の逆止弁に嵌合して、真空室内を真空引きするようになっている。
【0038】
コンタクトユニット5は、ウエハ2に直接コンタクトして検査を行うための装置である。コンタクトユニット5は、図1に示すように、アライメントユニット4よりも多い4つ配設されている。4つのコンタクトユニット5は、2つの並べられたアライメントユニット4の両端位置に合わせて、アライメントユニット4の並びと直交する方向に2つずつ配設されている。各コンタクトユニット5は、2つずつ並べた状態で、トレイ搬送部6を挟んで互いに向き合わせて配設されている。これにより、アライメントユニット4とコンタクトユニット5とがU字状に形成され、トレイ3が短い距離でアライメントユニット4とコンタクトユニット5との間を移動できるようになっている。
【0039】
コンタクトユニット5は、図7、8に示すように主に、フレーム36と、トレイチャック37と、Z軸ステージ38と、受け渡しピン39と、プローブカード40と、位置決めピン41と、エアーポンプ(図示せず)とから構成されている。なお、位置決めピン41で、トレイ3をコンタクトユニット5に対して位置決めするトレイ位置決め手段が構成されている。
【0040】
フレーム36は全体を構成する骨組みである。このフレーム36に、トレイチャック37やプローブカード40等が取り付けられている。
【0041】
トレイチャック37はトレイ3が載置される載置台である。トレイチャック37は、トレイ3よりも少し大きい円板状に形成されている。トレイチャック37はZ軸ステージ38に支持されている。これにより、トレイチャック37は、Z軸ステージ38によってZ軸方向(上下方向)へ移動されるようになっている。
【0042】
トレイチャック37には、図9に示すように、ピン穴42と、吸着フローティング溝43が設けられている。ピン穴42は、受け渡しピン39が相対的に出し入れされるための穴である。このピン穴42は、トレイ3のピン穴11と同様に、正三角形の頂点位置にそれぞれ設けられている。
【0043】
吸着フローティング溝43は、トレイチャック37の上側面に同心円状に形成された2つの環状溝で構成されている。吸着フローティング溝43の底部には連通孔(図示せず)が設けられ、この連通孔がエアーポンプに接続されている。これにより、エアーポンプが吸引すると、トレイチャック37に載置されたトレイ3を吸着して固定し、気体を噴出すると、トレイチャック37に載置されたトレイ3を浮き上がらせてフローティングさせて、トレイ3を容易にずらすことができる状態にする。
【0044】
Z軸ステージ38は、図10に示すように、トレイチャック37を支持してZ軸方向(上下方向)に移動させるための部材である。固定された受け渡しピン39に対して、トレイチャック37がZ軸ステージ38でZ軸方向に移動されることで、受け渡しピン39がトレイチャック37のピン穴42から出没するようになっている。これにより、トレイチャック37が下げられることで受け渡しピン39がトレイチャック37から延出し、この状態でトレイ3が受け渡しされる。トレイチャック37が上げられることで受け渡しピン39がトレイチャック37に没入し、受け渡しピン39で支持されたトレイ3がトレイチャック37の上側面に載置される。
【0045】
受け渡しピン39は、フレーム36側に固定されている。これにより、上述したように、Z軸ステージ38でトレイチャック37がZ軸方向に移動されることで、相対的に受け渡しピン39がトレイチャック37のピン穴42から出没するようになっている。なお、受け渡しピン39を上下に移動させるZ軸ステージを設けて、受け渡しピン39をトレイチャック37のピン穴42から出没させるようにしても良い。
【0046】
プローブカード40は、図7,図8,図11および図12に示すように、その下側面に複数のプローブ40A(図20参照)を備え、そのプローブをトレイ3に支持されたウエハ2の回路に接触させて検査を行うための装置である。このプローブカード40は、おおむね円板状に形成され、その下側に複数のプローブが、下方へ延出して設けられている。プローブカード40は、フレーム36側に支持されてトレイチャック37に臨ませた状態で設けられている。
【0047】
さらに、プローブカード40の下側面には、トレイ3のアライメント部13に嵌合することでそのトレイ3を位置合わせする位置決めピン41が設けられている。この位置決めピン41は、前記トレイ3に3つ設けられたアライメント部13にそれぞれ臨ませて3つ設けられている。位置決めピン41は、図13に示すように、底部を有する円筒状の本体筒部45と、この本体筒部45内に挿入されたスプリング46と、本体筒部45に出没可能に取り付けられて前記スプリング46で延出方向に付勢されている嵌合突起47とから構成されている。嵌合突起47の先端は、滑りやすいように球面状に形成されている。これにより、球面状の嵌合突起47が、アライメント部13を構成するV溝の斜面に接触して互いに滑って、V溝の最奥に嵌り込むまで、トレイ3をXYθ方向にずらすようになっている。
【0048】
エアーポンプは、トレイチャック37に載置されたトレイ3を吸着して固定すると共にトレイチャック37とトレイ3との間に気体を吹き出してトレイ3にエアーフローティング現象を起こさせるための装置である。エアーポンプは、コンタクトユニット5の近傍等に設けられ、トレイチャック37の吸着フローティング溝43の連通孔(図示せず)に接続されている。エアーポンプは、気体を吸引する機能と、突出する機能を備えた公知のポンプを用いることができる。
【0049】
トレイ搬送部6は、ウエハ2を支持したトレイ3を、アライメントユニット4とコンタクトユニット5との間で搬送するための装置である。トレイ搬送部6は、公知の搬送装置を用いることができる。アライメントユニット4とコンタクトユニット5との間でトレイ3を搬送することができる搬送装置全てを用いることができる。
【0050】
ウエハカセット7は、ウエハ2を並列に複数収納することができる容器である。ウエハカセット部8は、ウエハカセット7が載置される載置台である。ウエハカセット7は、内部のウエハ2が水平になるように立てた状態で、ウエハカセット部8に並列に2つずつ載置される。
【0051】
ウエハ搬送部9は、このウエハカセット部8に載置されたウエハカセット7内のウエハ2を取り出してアライメントユニット4に搬送し、検査終了後のウエハ2をアライメントユニット4からウエハカセット7内に戻すための装置である。このウエハ搬送部9としては、公知の搬送装置を用いることができる。アライメントユニット4とコンタクトユニット5との間でトレイ3を搬送することができる搬送装置全てを用いることができる。
【0052】
制御部10はプローバ1の全体を制御するための装置である。具体的には、以下に述べる検査方法の一連の動作を制御する。
【0053】
[プローバ1を用いた検査方法]
次に、上記構成のプローバ1を用いた検査方法について図14〜22に基づいて説明する。なお、図15〜22は、上述したアライメントユニット4及びコンタクトユニット5の特徴的な機構だけを示した概略構成図である。また、図2〜図12は、プローバ1による検査方法を順を追って表現しているため、以下の検査方法の参照として説明する。図2は、アライメントユニット4において、チャックピン17のピン部17Aをトレイ3のピン穴11から延出させた状態である。図3は、アライメントユニット4に設置されたトレイ3の上側まで、ウエハ搬送部9でウエハ2を搬送した状態である。図4は、カメラ20でウエハ2とトレイ3のマークを撮影しながら、チャックピン17の各ピン部17A上に載置されたウエハ2をXYθ方向に微調整している状態である。図5は、ウエハ2の微調整が済んでトレイ3上に載置した状態である。図6は、トレイホルダ19に載置されたトレイ3をトレイ搬送部6で搬出している状態である。図7は、コンタクトユニット5のトレイチャック37から突出した受け渡しピン39にトレイ3が載置された状態である。図8は、受け渡しピン39に載置されたトレイ3のアライメント部13とプローブカード40の位置決めピン41とがあらかた整合した状態である。図9はトレイチャック37から受け渡しピン39が突出した状態である。図10は、トレイ搬送部6のアームがトレイ3を受け渡しピン39に載置して引き抜かれる状態である。図11は、トレイ3のアライメント部13とプローブカード40の位置決めピン41とが互いに嵌合する直前の状態である。図12は、Z軸ステージ38でトレイチャック37が上昇されて、トレイ3のアライメント部13とプローブカード40の位置決めピン41とが互いに嵌合した状態である。この一連の流れを図15〜22を中心に説明する。
【0054】
この検査方法は、アライメントユニット4でトレイ3に対してウエハ2を設定位置に位置合わせする第1工程と、前記ウエハ2を支持した前記トレイ3を、トレイ搬送部6で前記アライメントユニット4よりも多く配置されたコンタクトユニット5へ選択的に搬送する第2工程と、前記ウエハ2を支持した前記トレイ3をコンタクトユニット5に対して位置合わせを行う第3工程と、複数のコンタクトユニット5でそれぞれ前記ウエハ2にコンタクトして並行して検査を行う第4工程とを備えている。
【0055】
第1工程では、ウエハ搬送部9で、ウエハカセット部8に載置された各ウエハカセット7からウエハ2が取り出され、各アライメントユニット4に載置される。
【0056】
アライメントユニット4では、図15に示すように、チャックピン17がトレイ3のピン穴11から延出した状態になっており、ウエハ2は、図16に示すように、このチャックピン17上に載置される。チャックピン17はXYZθステージ18に支持されており、XYZθステージ18でウエハ2がXYZθ方向に移動されて、トレイ3に対してウエハ2が設定位置に位置合わせされる。
【0057】
カメラ駆動部21のX軸移動機構23及びY軸移動機構24は、カメラ20を支持してX軸方向及びY軸方向に移動させて、図17に示すように、ウエハ2及びトレイ3の上側の所定位置に移動される。カメラ20は、前記ウエハ2のマークとなるもの(例えばウエハ2に形成された特定のチップや、その電極パッド)と前記トレイ3のアライメントマーク12とを同時に撮影する。カメラ20の映像はプローバ10に入力され、この制御部10で画像処理が行われる。
【0058】
そして、制御部10の処理で、前記ウエハ2のマークとなるものと前記トレイ3のアライメントマーク12とのズレを吸収するように、XYZθステージ18でウエハ2が移動される。
【0059】
次いで、前記ウエハ2のマークとなるものと、前記トレイ3のアライメントマーク12とが互いに整合して、トレイ3の設置位置にウエハ2が位置合わせされると、図18に示すように、XYZθステージ18でチャックピン17が降下されて、ウエハ2がトレイ3に載置される。
【0060】
一方、アライメントユニット4に載置されたトレイ3は、その内部の真空室が真空ポンプに連通されており、ウエハ2がトレイ3の上側面に載置されると、真空ポンプが作動して真空室が真空引きされ、吸着溝14でウエハ2が吸着されてトレイ3に固定される。
【0061】
第2工程では、前記ウエハ2を支持した前記トレイ3を、図19に示すように、トレイ搬送部6で持ち上げて、コンタクトユニット5へ選択的に搬送する。このとき、トレイ搬送部6がトレイ3をアライメントユニット4から持ち上げる際に、トレイ3内の真空室が逆止弁で封止され、ウエハ2はトレイ3に確実に固定される。この状態で、トレイ3がトレイ搬送部6でコンタクトユニット5に搬送される。
【0062】
第3工程では、前記ウエハ2を支持した前記トレイ3がコンタクトユニット5に対して位置合わせされる。トレイ搬送部6でコンタクトユニット5に搬送されたトレイ3は、受け渡しピン39にある程度位置合わせされた状態で載置される。
【0063】
次いで、Z軸ステージ38でトレイチャック37が上昇されて、相対的に受け渡しピン39がピン穴42に没入される。これにより、図20に示すように、トレイ3がトレイチャック37の上側面に載置される。次いで、エアーポンプが作動して、トレイチャック37に載置されたトレイ3を吸着フローティング溝43で吸着して固定する。さらに、Z軸ステージ38でトレイチャック37が上昇されることで、図21の状態から図22に示すように、トレイ3のアライメント部13がプローブカード40の位置決めピン41に嵌合される。
【0064】
このとき、エアーポンプが切り替えられて、トレイチャック37の吸着フローティング溝43から気体を吹き出されて、トレイ3にエアーフローティング現象を起こさせる。これにより、トレイ3がトレイチャック37の上側面でXYθ方向にスムーズに移動できる状態になる。
【0065】
この状態で、Z軸ステージ38によってトレイチャック37をさらに上昇させて、図14(A)の状態から図14(B)のように、球面状の嵌合突起47の先端をアライメント部13のV溝に嵌合させる。次いで、図14(C)のように、球面状の嵌合突起47の先端をV溝の最奥に嵌り込ませる。そして、嵌合突起47の先端がV溝の最奥に嵌り込むとき、アライメント部13を構成するV溝の斜面に嵌合突起47の先端が接触して互いに滑って、トレイ3を所定位置にずらされる。アライメント部13のV溝は、その方向を120度ずつずらして3つ設けられているため、3つの位置決めピン41がそれぞれ嵌合することで、トレイ3が3箇所の位置で120度ずつずれた方向にそれぞれ位置決めされる。これにより、トレイ3自体がコンタクトユニット5に対して位置決めされ、トレイ3の設定位置に載置されたウエハ2がコンタクトユニット5のプローブカード40に対して位置決めされる。
【0066】
上述した第1工程から第3工程は、全てのコンタクトユニット5にトレイ3が搬送されるまで繰り返される。
【0067】
第4工程では、各コンタクトユニット5で、プローブカード40の各プローブが前記ウエハ2にコンタクトされて、それぞれ並行して検査が行われる。前記第3工程において、ウエハ2がプローブカード40に対して位置決めされた状態で、Z軸ステージ38によってトレイチャック37上のトレイ3がさらに上昇されて、図13(A)の状態から図13(B)のように、位置決めピン41の嵌合突起47が本体筒部45内に押し込まれながら、プローブカード40の各プローブがウエハ2にコンタクトされ、検査信号が印加される。
【0068】
検査が終了したら、トレイ搬送部6でアライメントユニット4に戻され、そのままウエハ搬送部9でウエハカセット部8に戻される。
【0069】
そして、ウエハカセット7内の全てのウエハ2の検査が終了するまで、前記第1から第4工程を繰り返す。
【0070】
[効果]
前記アライメントユニット4は、ウエハ2のアライメントを行う装置であるため、1つのウエハ2に対する作業時間が短い。一方、コンタクトユニット5は、ウエハ2にプローブをコンタクトして検査をする装置であるため、1つのウエハ2に対する作業時間が、アライメントユニット4での作業時間よりも長い。このため、1つのアライメントユニット4に対して、アライメント時間(アライメントユニット4でウエハ2をアライメントするのに要する時間)で、コンタクト時間(コンタクトユニット5でウエハ2にコンタクトして検査するのに要する時間)を割った数のコンタクトユニット5を設置すると、アライメントユニット4又はコンタクトユニット5が休止している時間が少なくなり、稼働率をあげることができる。
【0071】
予め、ウエハ2のトレイ3に対するアライメントを済ませて、検査作業時にウエハ2のアライメント作業を省略して、コンタクト作業のみでトレイ3を位置決めして検査を行うことができるようにしたため、多数のウエハ2を効率的に検査することができ、検査作業の効率化を図ることができる。
【0072】
現状の装置ではおおむね、アライメント作業に1分程度、検査作業に20分程度の時間がかかっているため、1つのアライメントユニット4と1つのコンタクトユニット5とを備えたプローブでは、アライメントユニット4が休止している時間が、稼働している時間に比べて非常に長くなっている。一方、アライメントユニット4及びコンタクトユニット5の数に合わせてトレイ搬送部6の移動範囲を調整することで、これらアライメントユニット4及びコンタクトユニット5を制限無く任意の数だけ設置することができる。このため、1又は複数のアライメントユニット4に対して複数のコンタクトユニット5を設置すると、アライメントユニット4の休止時間を短縮することができ、作業の効率化を図ることができる。
【0073】
また、アライメントマーク12とアライメント部13が付いたトレイ3にウエハ2を位置決め固定し、そのトレイ3に付いているアライメント部13とプローブカード40の位置決めピン41を使用して位置合わせしてコンタクトを行うようにしたため、コンタクトユニット5には、アライメントカメラもアライメントステージも不要になり、安価で省スペースなシステムを構築することができる。
【0074】
アライメントユニット4とコンタクトユニット5は、ともに高価で嵩張る部品であるため、前記稼働時間に合わせてアライメントユニット4を少なくできれば、プローバの製造コストの低減、小型化、省スペース化を図ることができる。
【0075】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態のプローバは、コンタクトユニットに特徴のあるプローバである。このため、ここでは、図23及び図24を基に、コンタクトユニットを中心に説明する。
【0076】
本実施形態のコンタクトユニットは、アライメントカメラとアライメントステージとを備えた装置である。
【0077】
まず、コンタクトユニットの概略構成を図23に基づいて説明する。図23中の51はテストヘッドである。テストヘッド51は、ヒンジ(図示せず)等で装置本体側に取り付けられて、上下に移動可能に支持されている。コンタクトユニット52は、テストヘッド51の直下の位置に配設されている。コンタクトユニット52は、ウエハ2を支持して位置決めし、プローブと接触させるための装置である。コンタクトユニット52としては、種々の構造の装置を用いることができる。その一例を図24に示す。なお、図24は、後述するアライメントカメラ60の下側に、本来側面からのみ見えるウエハ2及びトレイ63を、側面図と共に平面図を追加している。
【0078】
図24のコンタクトユニット52は主に、フレーム54と、トレイチャック55と、XYZθ軸ステージ56と、受け渡しピン57と、昇降ネジ58と、プローブカード59(図23参照)と、アライメントカメラ60と、エアーポンプ(図示せず)とから構成されている。
【0079】
フレーム54は、コンタクトユニット52を構成する骨格になる部材である。フレーム54に、トレイチャック55等が装着されている。
【0080】
トレイチャック55は、トレイが載置される載置台である。フレーム54の上側面に設けられている。トレイチャック55には、吸着フローティング孔62が設けられている。吸着フローティング孔62は、トレイチャック55に載置されたトレイ63をフローティングさせて、トレイ63を容易にずらすことができる状態にする。また、吸着フローティング孔62は、トレイ63の位置決め後、このトレイ63を吸着して支持する。
【0081】
トレイ63にはピン穴64が設けられている。この64に、受け渡しピン57が通される。トレイ63の上側面には、アライメント部63Aと、アライメントマーク63Bとが設けられている。アライメント部63AはV溝で構成されている。このV溝は、溝の方向を120度ずつずらして3つ設けられている。アライメントマーク63Bは2箇所の位置に設けられている。
【0082】
XYZθ軸ステージ56は、受け渡しピン57を支持してXYZθ軸方向に移動させるための装置である。XYZθ軸ステージ56は、受け渡しピン57を支持してトレイ63のピン穴64に通させる。
【0083】
受け渡しピン57は、トレイ63のピン穴64に合わせて3本設けられている。3本の受け渡しピン57は、円盤状の基板57Aに一体的に取り付けられている。
【0084】
昇降ネジ58は、基板57Aにねじ込まれて、この介して受け渡しピン57を上下動させるための部材である。昇降ネジ58を回転させることで、受け渡しピン57を大きく上昇又は下降させるようになっている。
【0085】
プローブカード59は、図23に示すように、テストヘッド51の下側に設けられている。プローブカード59には、複数のプローブ66と、位置決めピン67とを備えて構成されている。
【0086】
アライメントカメラ60は、図24に示すように、フレーム54の上方の位置に2つ設置されている。なお、アライメントカメラ60は1つだけ設置される場合もある。
【0087】
エアーポンプは、吸着フローティング孔62に接続され、吸引したりエアを突出したりするポンプである。
【0088】
以上の構成の本実施形態のプローバにおいては、個々の部品の機能は前記第1実施形態のプローバと同様であり、同様の動作をする。
【0089】
そして、第1実施形態のプローバと同様に、予め、ウエハ2がトレイ63に対して正確に位置決めされて取り付けられている。
【0090】
そして、トレイチャック55にトレイ63が載置され、吸着フローティング孔62でエアが送られてフローティング状態にされる。
【0091】
次いで、2通りの調整方法で、ウエハ2の各端子とプローブ66とが整合される。
【0092】
その1つは、アライメントカメラ60でトレイ63がある程度位置決めされ、アライメント部63Aに位置決めピン67を嵌合させる。これにより、上記第1実施形態と同様に、ウエハ2が位置決めピン67で位置決めされて、ウエハ2の各端子が各プローブ66に整合される。
【0093】
次いで、トレイ63を上昇させて、ウエハ2の端子とプローブ66とを接触させて検査を行う。
【0094】
他の調整方法は、アライメントカメラ60を用いて正確に位置合わせする方法である。アライメントカメラ60でトレイ63のアライメントマーク63Bを撮影し画像処理を行い、位置を確認する。
【0095】
次いで、XYZθ軸ステージ56で、受け渡しピン57がトレイ63のピン穴64に整合するように位置合わせされて上昇され、受け渡しピン57がピン穴64に嵌合される。
【0096】
次いで、アライメントカメラ60の基準位置とトレイ63のアライメントマーク63Bとが整合するように、XYZθ軸ステージ56でトレイ63がXYθ軸方向にずらされて調整される。
【0097】
次いで、トレイ63を上昇させて、ウエハ2の端子とプローブ66とを接触させて検査を行う。
【0098】
これにより、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができると共に、形態の異なるプローバに対して適宜対応することができる。即ち、位置決めピン67があるプローバにはトレイ63のアライメント部63Aで対応し、位置決めピン67がないプローバにはアライメントマーク63Bで対応することができるようになる。
【0099】
[変形例]
前記第1実施形態では、アライメントユニット4を2ユニット、コンタクトユニット5を4ユニット設けたが、要求される処理能力に応じて適宜変更しても良い。例えば、アライメントユニット4を1又は3ユニット以上、コンタクトユニット5を2,3又は5ユニット以上設けても良い。
【0100】
前記第1実施形態では、XYZθステージによりチャックピンをXYZθ方向に移動可能に支持したが、XYZθステージでトレイを支持して、XYZθ方向に移動可能に支持するようにしても良い。この場合、ウエハは移動しないチャックピンで支持され、トレイがXYZθステージでXYZθ方向に移動して位置決めされる。
【0101】
前記各実施形態では、アライメント部13をV溝で構成したが、位置決め穴で構成してもよい。この場合、位置決め穴の開口(出入り口)にテーパを設けて、位置決めピン41が嵌合しやすいようにすることが望ましい。また、V溝等のアライメント部13と位置決めピン41とを逆に設けても良い。即ち、トレイ3に位置決めピン41を設けるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明のプローバ及びプローバを用いた検査方法は、複数のウエハ2を効率的に検査する必要がある装置全てに用いることができる。
【符号の説明】
【0103】
1:プローバ、2:ウエハ、3:トレイ、4:アライメントユニット、5:コンタクトユニット、6:トレイ搬送部、7:ウエハカセット、8:ウエハカセット部、9:ウエハ搬送部、1:制御部、11:ピン穴、12:アライメントマーク、13:アライメント部、14:吸着溝、16:ベース板、17:チャックピン、18:XYZθステージ、19:トレイホルダ、20:カメラ、21:カメラ駆動部、23:X軸移動機構、24:Y軸移動機構、25:スライド板、26:X軸駆動部、27:レール部、28:スライド駆動部、29:ネジ棒部、30:駆動モータ、32:スライド板、33:Y軸駆動部、34:レール部、36:フレーム、37:トレイチャック、38:Z軸ステージ、39:受け渡しピン、40:プローブカード、40A:プローブ、41:位置決めピン、42:ピン穴、43:吸着フローティング溝、45:本体筒部、46:スプリング、47:嵌合突起、51:テストヘッド、52:コンタクトユニット、53:プローブ、54:フレーム、55:トレイチャック、56:XYZθ軸ステージ、57:受け渡しピン、58:昇降ネジ、59:プローブカード、60:アライメントカメラ、62:吸着フローティング孔、63:トレイ、63A:アライメント部、63B:アライメントマーク64:ピン穴、66:プローブ、67:位置決めピン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハを設定位置で支持して当該ウエハの処理位置まで搬送して当該処理位置に設置されるトレイと、
当該トレイに対して前記ウエハを前記設定位置に位置合わせする、1又は複数のアライメントユニットと、
当該アライメントユニットよりも多く配置され前記処理位置で前記ウエハにコンタクトして検査処理を行うコンタクトユニットと、
前記ウエハを支持した前記トレイを前記アライメントユニットと前記コンタクトユニットとの間で搬送するトレイ搬送部と、
を備えたことを特徴とするプローバ。
【請求項2】
請求項1に記載のプローバにおいて、
前記トレイが、前記ウエハの位置調整用のチャックピンの外径よりも大きく形成されて当該チャックピンのXYZθ方向への移動を許容する3以上のピン穴と、前記トレイの上側面に設けられた、前記ウエハの位置決め用のアライメントマークと、前記トレイの上側面に設けられた、前記トレイ自体を位置合わせするアライメント部とを備えたことを特徴とするプローバ。
【請求項3】
請求項2に記載のプローバにおいて、
前記トレイが、当該トレイ上に載置された前記ウエハを吸着して支持するための真空室を内部に備えたことを特徴とするプローバ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプローバにおいて、
前記アライメントユニットが、前記トレイのピン穴に通されて前記ウエハをその下側から支持してXYZθ方向に移動して前記ウエハの位置調整を行うチャックピンと、当該チャックピンを支持してXYZθ方向に移動させるXYZθステージと、前記チャックピンに支持された前記ウエハ及び前記トレイのアライメントマークを映して前記トレイに対して前記ウエハを位置合わせするカメラと、当該カメラを所定位置に移動させるカメラ駆動部とを備えたことを特徴とするプローバ。
【請求項5】
請求項3に記載のプローバにおいて、
前記アライメントユニットが、前記トレイの真空室を真空引きする真空ポンプを備えたことを特徴とするプローバ。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプローバにおいて、
前記コンタクトユニットが、前記トレイを載置する載置台と、当該載置台の上側に当該載置台に臨ませて設けられ前記トレイに支持されたウエハにプローブを接触させて検査を行うプローブカードと、前記載置台に載置された前記トレイを吸着して固定すると共に前記載置台と前記トレイとの間に気体を吹き出してエアーフローティング現象を起こさせるエアーポンプと、前記プローブカードに前記トレイのアライメント部に臨ませて設けられて当該アライメント部に嵌合することで前記トレイを位置合わせする位置決めピンとを備えたことを特徴とするプローバ。
【請求項7】
アライメントユニットでトレイに対してウエハを設定位置に位置合わせし、前記ウエハを支持した前記トレイを、トレイ搬送部で前記アライメントユニットよりも多く配置されたコンタクトユニットへ選択的に搬送して、複数のコンタクトユニットで前記ウエハにコンタクトして並行して検査を行うことを特徴とするプローバを用いた検査方法。
【請求項8】
請求項7に記載の検査方法において、
前記アライメントユニットはウエハ位置決め手段を備え、
前記トレイはコンタクトユニット位置決め手段を備え、
前記コンタクトユニットはトレイ位置決め手段を備え、
前記ウエハ位置決め手段により前記トレイとウエハとの位置決めを行う工程と、
前記トレイを前記コンタクトユニットへ搬送する工程と、
前記トレイの前記コンタクトユニット位置決め手段と前記コンタクトユニットの前記トレイ位置決め手段とを適合させることにより前記ウエハの位置決めを行う工程と、
を備えたことを特徴とする検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−29456(P2011−29456A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174657(P2009−174657)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000153018)株式会社日本マイクロニクス (349)
【Fターム(参考)】