説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】微細化に有利で信頼性を向上できる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、ゲート電極上に金属層31を備えたトランジスタSTと、順次設けられた第1バリア膜23、第1絶縁層24、第2バリア膜25、第2絶縁層26と、前記第2バリア膜に第1幅W1で開口し第1方向に伸びる溝と、前記第2絶縁層を貫通して前記第2バリア膜中に底部40を有し前記底部が前記第1方向に交差する第2方向に前記第1幅よりも大きい第2幅W2を有するコンタクトホール上部39−1と、前記コンタクトホール上部から前記溝を介して前記第1絶縁層および第1バリア膜を貫通して前記拡散層上に設けられ前記第2方向に上面が前記1幅W1を有するコンタクトホール下部39−2と、前記コンタクトホール上部内および前記コンタクトホール下部内に連続して導電体が埋め込まれたコンタクト39を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、例えば、NAND型フラッシュメモリの電流経路が直列接続されたメモリセルトランジスタを選択する選択トランジスタ等に適用されるものである。
【背景技術】
【0002】
近年のますますのセルの微細化によって、セルの拡散層等を電気的に接続するコンタクトもますます微細化の傾向にある。さらに、セルの世代が進むにつれて、いわゆるリソグラフィー技術によるコンタクトの微細化は困難となっている。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、第1の絶縁膜11上にソース/ドレインとして働く拡散層7のパターンに相当する開口パターンを有するエッチングマスク膜13aを形成し、上記エッチングマスク膜13aをマスクとして拡散層7上のシリサイド層8の表面上まで第1の絶縁膜11をエッチングして、拡散層7上にコンタクトホール14aを形成する方法が開示されている。
【0004】
しかし、上記方法であると、上記エッチング工程の制御性が十分でないと、拡散層7上のシリサイド層8が削れたり、またシリサイド層8と絶縁層2との反応により、セルによりシリサイド層8の抵抗値にバラツキが生じ、信頼性が低下するという問題がある。
【0005】
さらに、従来の拡散層7上のシリサイド層8を備えた構造であると、下記(1)、(2)により、微細化に対して不利であるという問題がある。
【0006】
(1)シリサイド層8とゲート絶縁膜2とが近接すると、シリサイド層8中の物質(例えば、コバルト等)がゲート絶縁膜2の膜質に影響を与え、ゲート絶縁膜の絶縁性が低下し、信頼性を低下させる。
【0007】
(2)拡散層上のシリサイド層8は、いわゆるジャンクションリークを発生する。
【0008】
また、拡散層7上のシリサイド層8とゲート絶縁膜2とが反応して、シリサイド層8とゲート電極6とがショートするため、絶縁性が低下するという問題がある。
【0009】
上記のように従来の半導体装置は、微細化に対して不利であり、拡散層上のシリサイド層とゲート絶縁膜とが反応して、シリサイド層とゲート電極とがショートするため、絶縁性が低下し、信頼性が低下するという事情がある。
【0010】
また、従来の半導体装置の製造方法では、コンタクトホールを形成するためのエッチング工程の制御性が十分でないと、拡散層上のシリサイド層が削れたり、シリサイド層と絶縁層とが反応して、セルによりシリサイド層の抵抗値にバラツキが生じ、信頼性が低下するという問題がある。
【特許文献1】特開2002−118166号公報 明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この発明は上記のような事情に鑑みて、微細化に対して有利であり、かつ信頼性を向上できる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の一態様によれば、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記ゲート電極上に設けられた金属層と、前記ゲート電極を挟むように基板中に隔離して設けられたソースまたはドレインとして働く拡散層とを有するゲート絶縁型電界効果トランジスタと、前記拡散層上および前記トランジスタの側壁上に設けられた第1バリア膜と、前記第1バリア膜上に設けられた第1絶縁層と、前記金属層上および前記第1絶縁層上に連続して設けられた第2バリア膜と、前記第2バリア膜に第1幅を持って開口し、第1方向に伸びる溝と、前記第2バリア膜上に設けられた第2絶縁層と、前記第2絶縁層を貫通して前記第2バリア膜中に底部を有し、前記底部が前記第1方向に交差する第2方向に前記第1幅よりも大きい第2幅を有するコンタクトホール上部と、前記コンタクトホール上部から前記溝を介して前記第1絶縁層および第1バリア膜を貫通して前記拡散層上に設けられ、前記第2方向に上面が前記1幅を有するコンタクトホール下部と、前記コンタクトホール上部内および前記コンタクトホール下部内に連続して導電体が埋め込まれたコンタクトを具備する半導体装置を提供できる。
【0013】
この発明の一態様によれば、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記ゲート電極上に設けられた金属層と、前記ゲート電極を挟むように基板中に隔離して設けられたソースまたはドレインとして働く拡散層とを有するゲート絶縁型電界効果トランジスタと、前記拡散層上および前記トランジスタの側壁上に設けられた第1バリア膜と、前記第1バリア膜上に設けられた第1絶縁層と、前記金属層上および前記第1絶縁層上に連続して設けられた第2バリア膜と、前記第2バリア膜上に設けられた第2絶縁層と、前記第2絶縁層を貫通して前記第2のバリア膜中に底部を有する溝状の構造と、前記溝状の構造の底部から前記第1絶縁層および第1バリア膜を貫通して前記拡散層に至るホール構造とを具備し、前記溝状の構造と前記ホール構造とが連続する同一の導電体によって埋め込まれ、前記溝状の構造が電気的配線として機能し、前記ホール構造が電気的コンタクトとして機能する半導体装置を提供できる。
【0014】
この発明の一態様によれば、半導体基板上に第1絶縁膜を介して形成された複数のメモリセルトランジスタと、前記メモリセルトランジスタが互いのソースとドレインを共有しながら第1方向に連続して配置されたメモリセル列の両端に前記第1絶縁膜を介して形成された選択トランジスタと、前記選択トランジスタおよびメモリセルトランジスタのゲート上部に形成された金属層と、前記第1方向に隣接する異なるメモリセル列に属する二つの選択トランジスタの間に位置する拡散層上及び前記二つの選択トランジスタの対向する側面上に設けられた第1バリア膜と、前記第1バリア膜上に設けられた第1絶縁層と、前記金属層および前記第1絶縁層上に連続して設けられた第2バリア膜と、前記二つの選択トランジスタの間に位置し、前記第2バリア膜に第1幅を持って前記第1方向に交差する第2方向に伸びる溝と、前記第2バリア膜上に設けられた第2絶縁層と、前記第1方向に第2幅を有する溝状の構造であり、前記第2絶縁層を貫通して前記第2バリア膜中に底部を有するコンタクトホール上部と、前記コンタクトホール上部から前記溝を介して前記第1絶縁層および第1バリア膜を貫通して前記拡散層上に設けられたコンタクトホール下部と、前記コンタクトホール上部内および前記コンタクト下部内に導電体を連続して埋め込まれたコンタクトとを具備し、前記コンタクトホール上部の前記第2幅が、前記溝の第1幅より大きい半導体装置を提供できる。
【0015】
この発明の一態様によれば、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成され、ゲート上部に金属層を有するゲート絶縁型電界効果トランジスタと、前記トランジスタのソースまたはドレインとして働く拡散層上および前記トランジスタの側壁上に設けられた第1バリア膜と、前記第1バリア膜上に設けられた第1絶縁層と、前記金属層上および前記第1絶縁層上に連続して設けられた第2バリア膜と、前記第2バリア膜上に設けられた第2絶縁層と、前記拡散層上に位置し、前記第2バリア膜に設けられた開口部と、前記開口部を通り前記第2絶縁層、前記第1絶縁層、前記第1バリア膜を連続して貫通して前記拡散層上に位置する第1ホール構造と、前記第2絶縁層、前記第2バリア膜を連続して貫通し前記ゲート上に接続する第2ホール構造と、前記第1ホール構造内および前記第2ホール構造内に埋め込まれた導電体とを具備する半導体装置を提供できる。
【0016】
この発明の一態様によれば、半導体基板の主表面上に形成されたゲート電極を挟むように前記基板中に隔離して拡散層を形成する工程と、前記ゲート電極の側壁および拡散層上に第1バリア膜を形成する工程と、前記第1バリア膜上に第1絶縁層を形成する工程と、前記ゲート電極上にシリサイド層を形成する工程と、前記シリサイド層上および前記第1絶縁層上に第2バリア膜を形成する工程と、拡散層上における前記第2バリア膜に第1幅を有する開口部を形成する工程と、前記第2バリア膜上に第2絶縁層を形成する工程と、前記第2絶縁層上にマスク層を形成する工程と、前記開口部上におけるマスク層に前記第1幅よりも幅が大きい第2幅を形成する工程と、前記マスク層をマスクとしてエッチングを行い、前記第2絶縁層を貫通し前記第2バリア膜をストッパとして前記第2バリア膜中に第2幅の底を有するコンタクトホール上部を形成し、前記開口部の位置からエッチングを進行させ前記第1絶縁層および第1バリア膜を貫通して前記第2バリア膜中に第1幅を有し前記拡散層に達する深さのコンタクトホール下部を形成する工程と、前記第1、第2コンタクトホール内に導電層を埋め込み、コンタクトを形成する工程とを具備する半導体装置の製造方法を提供できる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、微細化に対して有利であり、かつ信頼性を向上できる半導体装置およびその製造方法が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。尚、この説明においては、全図にわたり共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0019】
[第1の実施形態]
<構成>
まず、この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成について、図1乃至図4を用いて説明する。
【0020】
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置を模式的に示す平面図である。図2は、図1中の2−2線に沿って矢印の方向から見た断面構造図である。図3は、図2中のバリア膜25近傍のコンタクト39を拡大して示す断面構造図である。図4は、図1中の3−3線に沿って矢印の方向から見た断面構造図である。以下、この実施形態では、NAND型フラッシュメモリを例に挙げて説明する。
【0021】
図示するように、半導体(シリコン)基板21の主表面上に、メモリセルアレイ11および周辺回路12が設けられている。
【0022】
メモリセルアレイ11には、ビット線方向に沿って素子領域AAが設けられ、ワード線方向に沿ってワード線WLおよびセレクトゲート電極SGが設けられ、ビット線方向に沿った素子領域AA上にビット線BL(図1において図示せず)が設けられている。ビット線BLとセレクトゲート電極SGとの交差位置に選択トランジスタST、ビットBLとワード線との交差位置にメモリセルトランジスタMTがそれぞれ設けられている。
【0023】
周辺回路12には、ビット線方向に沿って素子領域AAが設けられ、ワード線方向に沿ってゲート線GLが設けられ、ビット線方向に沿った素子領域AA上にビット線BL(図1において図示せず)が設けられている。素子領域AAとゲート線GLとの交差位置にトランジスタTRが設けられている。
【0024】
選択トランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)STは、基板21上に設けられたゲート絶縁膜22、ゲート絶縁膜22上に設けられたセレクトゲート電極SG、セレクトゲート上に設けられたシリサイド層31、セレクトゲート電極SGを挟むように隔離して基板21中に設けられソース/ドレインとして働く拡散層38を備えている。セレクトゲート電極SG中の絶縁膜35は、ゲートSG中央部近傍で切れ、上下の導電層は連続している。
【0025】
メモリセルトランジスタMTは、ゲート絶縁膜22上に設けられた浮遊電極FG、浮遊電極上に設けられたゲート間絶縁膜33、ゲート間絶縁膜33上に設けられた制御電極CG、制御電極CG上に設けられたシリサイド層32、浮遊電極FGを挟むように隔離して基板21中に設けられソース/ドレインとして働く拡散層38を備えている。ワード線WLは、制御電極CGとシリサイド層32の積層構造を備えており、浮遊電極FGは各メモリセルトランジスタMTにごとに分離されている。
【0026】
選択トランジスタST、メモリセルトランジスタMTの側壁および拡散層38上にバリア膜(第1バリア膜)23が設けられている。バリア膜23上に絶縁層24(第1絶縁層)が設けられている。シリサイド層31、32上にバリア膜(第2バリア膜)25が設けられている。バリア膜25上に絶縁層26(第2絶縁層)が設けられ、絶縁層26上にビット線BLが設けられ、ビット線BL上に絶縁層27が設けられている。
【0027】
また、バリア膜23、25が、例えば、シリコン窒化(SiN)膜等により形成されている場合、バリア膜25の膜厚は、バリア膜23の膜厚よりも厚く設けられており、例えば、2倍程度以上厚いことが望ましい。
【0028】
さらに、上記バリア膜23は、絶縁層24、26中のイオン、水分等の物質の拡散や絶縁層24、26中のコバルトシリコン(CoSi)等の物質とシリサイド層31、32、41Sが反応することに対するバリアとして働く。また、バリア膜23は、絶縁層24中の物質の拡散や絶縁層24の物質とシリサイド層31、32、41Sが反応することに対するバリアとして働く。加えて、バリア膜23、25は、コンタクト39を形成する際のストッパとしても働く。
【0029】
上記のように、メモリセルトランジスタMTは、ビット線方向に隣接するものでソース/ドレインとして働く拡散層38を共有している。さらに、メモリセルトランジスタMTは、選択トランジスタSTの間に電流経路が直列接続されるように設けられ、選択トランジスタSTにより選択される。ここで、メモリセルトランジスタMTの電流経路に接続されるべき他方の選択トランジスタの図示を省略している。さらに、上記選択トランジスタSTの間に直列接続されるメモリセルトランジスタMTの数は、例えば、8個、16個、32個等の複数であればよく、その数は限定されるものではない。
【0030】
絶縁層26、24、バリア膜25、23、およびゲート絶縁膜22を貫通し、選択トランジスタSTの拡散層(ドレイン)38上にコンタクト39が設けられ、拡散層38とビット線BLを電気的に接続している。
【0031】
図3に示すように、ビット線BLに沿った方向におけるコンタクト39は、絶縁層(第2絶縁層)26を貫通してバリア膜(第2バリア膜)25中に底40が位置し、底40が幅W2を有するコンタクトホール上部39−1内、および上記コンタクトホール上部39−1の底40の位置からその上面が上記幅W2よりも小さい幅W1(W1<W2)を有し、バリア膜(第2バリア膜)25、絶縁層(第1絶縁層)24、バリア膜(第1バリア膜)23、およびゲート絶縁膜22を貫通して拡散層38上に設けられるコンタクトホール下部39−2内に、金属等の導電層が埋め込まれることにより形成されている。換言すれば、バリア膜25中におけるコンタクト39の断面形状は、上部の幅が広く下部の幅が狭い階段状の断面形状である。
【0032】
上記コンタクト39の幅W2は、幅W1に比べビット線方向において、例えば、2倍程度以上であることが望ましが、さらに広くても良い。
【0033】
尚、図示するように、実際、幅W1、W2は、下方ほど狭く形成される場合が多いので、コンタクトの幅W1、W2は深さ位置によって若干変わるが、上記W1<W2の関係を満していればよい。さらに、第2バリア膜25の開口部(開口幅W1)の一部がエッチバックされることによって、第2バリア膜25の開口部に開口幅W2の部分が設けられている。
【0034】
さらに、絶縁層26とバリア膜25との選択比が弱い場合には、バリア膜25中に図示するような幅W1および幅W2の段差のある開口部が設けられずに、幅が連続する開口部が設けられることも考えられる。
【0035】
また、コンタクトホール下部39−2を形成するエッチング工程の際に、ビット線方向に広がって、コンタクトホール下部39−2の幅が必ずしも上記幅W1と一致しない場合も考えられる。
【0036】
しかし、図4に示す断面においては、コンタクト39が設けられないため、バリア膜25中の幅は、必ずW1となっている。
【0037】
トランジスタTRは、基板21上に設けられたゲート絶縁膜22、ゲート絶縁膜22上に設けられたゲート線GL、ゲート線GLを挟むように隔離して基板21中に設けられソース/ドレインとして働く拡散層45を備えている。ゲート線GL中の絶縁膜42は、ゲートCG中央部近傍で切れ、上下の導電層41は連続している。導電層41上にシリサイド層41Sが設けられている。尚、この導電層41は上下の導電層と電気的に接続していればよく、例えば、絶縁膜42の周辺部で切れて上下の導電層が接続されている例等も考えられる。
【0038】
トランジスタTRの側壁および拡散層45上にバリア膜23が設けられている。バリア膜23上に絶縁層24が設けられている。シリサイド層41S上にバリア膜25が設けられている。バリア膜25上に絶縁層26が設けられ、絶縁層26上に配線層44が設けられ、配線層44上に絶縁層27が設けられている。
【0039】
絶縁層26、24を貫通し、トランジスタTRの拡散層45上にコンタクト43が設けられ、拡散層45と配線層44を電気的に接続している。
【0040】
上記のように、この実施形態に係る半導体装置は、シリサイド層31、32、41S上を覆うようにしてバリア膜25が設けられている。そのため、絶縁層24、26中のイオン、水分等の物質の拡散や絶縁層24、26中のコバルトシリコン(CoSi)等の物質とシリサイド層31、32、41Sが反応することに対するバリアとして働き、信頼性を向上できる。
【0041】
選択トランジスタST、メモリセルトランジスタMTの拡散層38上および側壁にバリア膜23が設けられている。そのため、絶縁層24中の物質の拡散や絶縁層24の物質とシリサイド層31、32、41Sが反応することに対するバリアとして働き、信頼性を向上できる。
【0042】
また、拡散層38上にはシリサイド層が設けられていない。そのため、シリサイド層によるいわゆるジャンクションリークが発生せず、シリサイド層がゲート絶縁膜23の絶縁性に影響を与えて絶縁性の低下することがなく、信頼性を向上できる。上記の効果に加えて、シリサイド層を設けない分だけ、ビット線方向のセル面積を低減でき、微細化に対して有利である。
【0043】
さらに、ビット線BLに沿った方向において、絶縁層26を貫通してバリア膜25中に底40が位置し、底40が幅W2を有するコンタクトホール上部39−1内、および上記コンタクトホール上部39−1の底40の位置からその上面が上記幅W2よりも小さい幅W1(W1<W2)を有してバリア膜25、絶縁層24、バリア膜23、およびゲート絶縁膜22を貫通して拡散層38上に設けられるコンタクトホール下部39−2内に、金属等が埋め込み形成されたコンタクト39が設けられている。
【0044】
そのため、上記コンタクト39の幅W1は小さく設けられ、拡散層38との電気的な接続を確保しつつ、ビット線方向のセル面積を低減でき、微細化に有利である。一方、コンタクト39の幅W2は大きく設けられているため、コンタクト39の抵抗値を低減できる。
【0045】
また、上記幅W2は、幅W1に比べビット線方向において、例えば、2倍程度以上であることが望ましが、さらに広くても良い。幅W2が、幅W1に比べて2倍以上である場合は、コンタクト39の抵抗値を低減できる。
【0046】
このようなコンタクト39の構成によれば、絶縁層26と絶縁層24とのアスペクト比が大きい場合であっても、コンタクトホール下部39−2の径を絞ることができる。そのため、微細化されたセル間のコンタクト形成に対して有利である。
【0047】
<製造方法>
次に、この実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図1または図2に示したNAND型フラッシュメモリを例に挙げ、図5乃至図14を用いて説明する。
【0048】
まず、図5に示すように、周知の工程を用いて、メモリセルアレイ11となる基板21の主表面上に、ゲート絶縁膜22、セレクトゲート電極SG、絶縁層35、浮遊電極FG、ゲート間絶縁膜33、制御電極CG、および拡散層38を形成する。
【0049】
同時に、周知の工程を用いて、周辺回路12となる基板21の主表面上に、ゲート絶縁膜22、導電層41、絶縁層42、および拡散層45を形成する。
【0050】
続いて、図6に示すように、ゲート絶縁膜22上、セレクトゲート電極SG上、制御電極CG上、導電層41上に沿って、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によりシリコン窒化(SiN)膜等を堆積形成して、バリア膜(第1バリア膜)23を形成する。
【0051】
続いて、図7に示すように、バリア膜23上に、例えば、CVD法を用いて、絶縁層24を堆積形成する。その後、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing )法を用いて、セレクトゲート電極SG、制御電極CG、および導電層41の表面上まで、絶縁層24、バリア膜23を平坦化して、セレクトゲート電極SG、制御電極CG、および導電層41の側壁および拡散層38、45上にバリア膜23を残存させる。
【0052】
続いて、図8に示すように、サリサイドプロセスにより、セレクトゲート電極SG、制御電極CG、および導電層41と高融点金属層とを反応させることにより、シリサイド層31、32、41Sを形成する。その後、シリサイド層31、32、41S上、絶縁層24上、バリア膜23上に、例えば、CVD法によりシリコン窒化膜等を堆積形成して、バリア膜(第2バリア膜)25を形成する。
【0053】
尚、上記サリサイドプロセスにおいて、セレクトゲート電極SG、制御電極CG、および導電層41に反応させるものは、高融点金属層に限らない。即ち、例えば、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等の高融点金属に分類されないシリサイド層を形成し得る金属層等を反応させることによっても、シリサイド層31、32、41Sを形成することが可能である。
【0054】
ここで、バリア膜23、25を同じ材料により形成する場合にバリア膜25を形成する工程の際には、例えば、反応条件等を選択することにより、バリア膜25の膜厚はバリア膜23の膜厚よりも厚くなるように(例えば、2倍程度以上)形成することが望ましい。
【0055】
続いて、図9、図10に示すように、バリア膜25上にフォトレジストを塗布する。さらに、上記フォトレジストに露光および現像を行って、図9に示すようなパターンを転写して、フォトレジスト50を形成する。ここで、フォトレジスト50は、メモリセルアレイ11においては拡散層38上にワード線方向に沿った幅W1を有する溝(開口部)51を有し、周辺回路12においては拡散層45上に開口部52を有している。
【0056】
尚、上記フォトレジストは、ハードマスクによることも可能である。
【0057】
その後、上記パターンが転写されたフォトレジスト50をマスクとして、少なくとも絶縁層24の表面上まで、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)法等の異方性エッチングを行い、バリア膜25を除去する。その後、フォトレジスト50を除去する。
【0058】
続いて、図11、図12に示すように、絶縁層24上、バリア膜25上に、例えば、CVD法を用いて、絶縁層26を形成する。その後、絶縁層26上にフォトレジストを塗布する。さらに、上記フォトレジストに露光および現像を行って、図12に示すようなパターンを転写して、フォトレジスト60を形成する。
【0059】
ここで、フォトレジスト60は、メモリセルアレイ11において拡散層38上に、ワード線方向に沿った幅W1よりも大きい幅W2を有する開口部61を有している。周辺回路12においては、拡散層45上に開口部63を有している。さらに、開口部63は、上記フォトレジスト50に形成された開口部52よりも、その径が小さくなるように形成されている。
【0060】
続いて、図13に示すように、上記パターンが転写されたフォトレジスト60をマスクとして、バリア膜23、26の表面上まで、例えば、RIE法等により絶縁層23に対して選択比を持つ異方性エッチングを行い、絶縁層26、24を貫通するコンタクトホール64を形成する。
【0061】
続いて、図14に示すように、上記フォトレジスト60をマスクとして、拡散層45、38上における基板21が露出するまで、例えば、RIE法等の異方性エッチングを行い、ゲート絶縁膜22およびバリア膜23を貫通し、バリア膜25の一部がエッチバックされたコンタクトホールを形成する。即ち、フォトレジスト60をマスクとして異方性エッチングを行い、バリア膜25をストッパとしてバリア膜25中に幅W2の底を有するコンタクトホール上部39−1を形成し、上記溝51(開口部)の位置からエッチングをさらに進行させバリア膜23およびゲート絶縁膜22を貫通してバリア膜25中に幅W1を有し拡散層38に達する深さのコンタクトホール下部39−2を形成する。
【0062】
その後、上記コンタクトホール65内に、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)等の金属、およびポリシリコン(Poly-Si)等を埋め込み形成して、コンタクト39を形成する。
【0063】
上記のように、コンタクトホール上部39−1を形成するための異方性エッチング工程の際に、バリア膜25の一部がエッチバックされることによって、開口幅W2のコンタクトホール上部39−1を形成している。
【0064】
以下、周知の工程によりビット線BLおよび絶縁層27を形成し、図1または図2に示す半導体装置を製造できる。
【0065】
上記のように、この実施形態に係る半導体装置の製造方法は、幅W1よりも広い幅W2の開口部を有するフォトレジスト(マスク層)60をマスクとし、幅W1の開口部を有するバリア膜25をストッパ層として絶縁層26、24を異方性エッチングし、コンタクトホール上部39−1、39−2を形成する(図13、図14)。
【0066】
よって、開口部の幅W2を広くとることで、絶縁層26のエッチングレートを速くしてバリア膜25との選択比を大きく取ることができるため、バリア膜25をストッパとして用いることができ、バリア膜25の開口部の幅W1と同じ程度の幅の微細なコンタクトを絶縁層24中に形成することができる。
【0067】
さらに、上記工程の際には、バリア膜23の膜厚よりもその膜厚が大きく形成されたバリア膜25の一部を時間等を選択してエッチバックできるため、バリア膜25をエッチングしすぎてコンタクト39とセレクトゲート電極SGとがショートすることを防止でき、信頼性を向上できる。
【0068】
尚、この実施形態では、バリア膜23、25を同一の材料により形成されている場合の例を示した。しかし、バリア膜23、25を異なる材料により形成する場合であっても、上記工程において、時間や反応条件等を選択することにより、同様の効果を得ることができる。
【0069】
また、メモリセルアレイ11においては拡散層38上にワード線方向に沿った幅W1を有する溝51を有し、周辺回路12においては拡散層45上に開口部52したフォトレジスト50をマスクとして、絶縁層24の表面上まで、例えば、RIE法等の異方性エッチングを行い、バリア膜25を除去する(図9、図10)。
【0070】
上記工程の際には、メモリセルアレイ11および周辺回路12のバリア膜25を、上記フォトレジスト50の溝51および開口部52に従って、同時に除去できる。そのため、製造コストを低減できる点で有利である。
【0071】
さらに、メモリセルアレイ11の拡散層38上にワード線方向に沿った幅W1よりも大きい幅W2を有する開口部61を有し、周辺回路12の拡散層45上に開口部63を有したフォトレジスト60をマスクとして、異方性エッチングを行い、絶縁層26、24を貫通するコンタクトホール64を形成する(図11〜図13)。
【0072】
上記工程の際には、メモリセルアレイ11および周辺回路12の絶縁層26、24中にコンタクトホール64を同時に形成できる。そのため、製造コストを低減できる点で有利である。
【0073】
尚、この実施形態においては、メモリセルアレイ11と周辺回路12のコンタクトホール64、65を同時に形成する例を示した。しかし、メモリセルアレイ11と周辺回路12において、コンタクトホール64、65をそれぞれ独立に形成することも可能である。
【0074】
[変形例1(エッチングマスクの変形例)]
この発明の変形例1に係る半導体装置の製造方法について、図15および図16を用いて説明する。この変形例は、上記第1の実施形態に示したフォトレジスト60に関するものである。図15、図16は、変形例1に係る半導体装置の製造方法に用いられるフォトレジスト60を模式的に示す平面図である。以下、第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0075】
図15に示すフォトレジスト60は、ワード線方向に沿って幅W1よりも大きい幅W2を有する溝61が形成されている。そのため、このフォトレジスト60によれば、ワード線方向の選択トランジスタSTの拡散層38の電位を同一にする、いわゆる共通ソース線を形成する。
【0076】
また、図16に示すフォトマスク60は、その直径W2が幅W1よりも大きい円状の開口部61が形成されている。そのため、このフォトレジスト60によれば、上記第1の実施形態と同様に、ビット線方向の選択トランジスタSTの拡散層38ごとに分離されたドレインコンタクトを形成する。
【0077】
尚、図15、図16のいずれのフォトレジストによっても、断面構造は図2と同様である。
【0078】
上記のように、この変形例1に係る半導体装置の製造方法によれば、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、ワード線方向に沿って幅W1よりも大きい幅W2を有する溝61を有するフォトレジスト60をマスクとして、異方性エッチングを行うことによって共通ソース線を形成できる(図15)。
【0079】
そのため、マスクの数を増加させることなく、共通ソース線を形成でき、製造コストを低減できる点で有利である。
【0080】
また、その直径W2が幅W1よりも大きい円状の開口部61を有するフォトレジスト60をマスクとして、異方性エッチングを行うことにより、ドレインコンタクトを形成できる(図16)。上記工程の円状の開口部61は、周辺回路の開口部63と同様の形状とできるため、製造コストを低減できる点で有利である。
【0081】
[変形例2(周辺回路の変形例)]
この発明の変形例2に係る半導体装置およびその製造方法について、図17乃至図19を用いて説明する。図17は、変形例2に係る半導体装置を模式的に示す断面構造図である。図18、図19は、変形例2に係る半導体装置の一製造工程を示す断面構造図である。この変形例は、上記第1の実施形態における周辺回路12のゲート線GLに関するものである。以下、第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0082】
この変形例2に係る半導体装置によれば、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、図示するように、周辺回路12のトランジスタTRのゲート線GLにはシリサイド層が設けられていない。そのため、メモリセルアレイ11と周辺回路12におけるゲート構造の選択性を向上できる点で有利である。
【0083】
次に、この変形例2に係る半導体装置の製造方法について説明する。まず、上記第1の実施形態と同様の工程により、メモリセルアレイ11および周辺回路12のゲート構造を形成する。
【0084】
続いて、図18に示すように、周辺回路12の絶縁層24上、バリア膜68上、および導電層41上のみに、例えば、CVD法を用いてシリコン窒化(SiN)膜等のバリア膜68を形成する。
【0085】
続いて、サリサイドプロセスにより、セレクトゲート電極SG、制御電極CGと高融点金属層とを反応させることにより、シリサイド層31、32を形成する。この工程の際には、周辺回路12の導電層41上に上記バリア膜68が形成されているため、導電層41と高融点金属は反応しない。
【0086】
以下、同様の工程により、図17に示す半導体装置を製造できる。
【0087】
上記のように、この変形例2に係る半導体装置の製造方法によれば、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、周辺回路12の導電層41上に上記バリア膜68を形成されている状態において、サリサイドプロセスにより、メモリセルアレイ11のみシリサイド層31、32を形成する。そのため、導電層41と高融点金属は反応せず、周辺回路12のシリサイド層を選択的に形成させないことができ、選択性を向上できる点で有利である。
【0088】
[第2の実施形態(デュアルダマシン配線構造)]
この発明の第2の実施形態に係る半導体装置およびその製造方法について、図20乃至図23を用いて説明する。図20は、第2の実施形態に係る半導体装置を模式的に示す断面構造図である。この第2の実施形態は、上記第1の実施形態に示したコンタクト39を、いわゆるデュアルダマシン配線構造とした例である。以下、第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0089】
図示するように、バリア膜25、23、絶縁層24、ゲート絶縁膜22を貫通し拡散層38上に設けられたコンタクト39と、バリア膜25上に設けられコンタクト39に電気的に接続された配線層77とを備えたデュアルダマシン配線層80が設けられている。配線層77は、ビット線方向のコンタクト39を電気的に接続し、所定の電位を印加・所定の電流を導通する配線として働いている。
【0090】
上記のように、この第2の実施形態に係る半導体装置によれば、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、バリア膜25、23、絶縁層24、ゲート絶縁膜22を貫通し拡散層38上に設けられたコンタクト39と、バリア膜25上に設けられた配線層77とを備えたデュアルダマシン配線層80が設けられている。そのため、メモリセルアレイ11を多層化でき、微細化できる点で有効である。
【0091】
次に、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図21乃至図23を用いて説明する。
【0092】
まず、図22に示すように、上記第1の実施形態と同様の工程により、メモリセルアレイ11、周辺回路12に絶縁層26を形成する。
【0093】
続いて、絶縁層26上にフォトレジストを塗布し、上記フォトレジストに露光および現像を行い、図21に示すようなパターンを転写したフォトレジスト60を形成する。ここで、図示するように、フォトレジスト60は、ビット線方向に沿って拡散層38上に溝61が形成されている。
【0094】
続いて、図23に示すように、フォトレジスト60をマスクとし、バリア膜25をストップ層として基板21表面上まで、例えば、RIE法等の異方性エッチングを行い、溝82およびコンタクトホール65を形成する。
【0095】
以下、第1の実施形態と同様の工程により、図20に示す半導体装置を製造できる。
【0096】
上記のような製造方法によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、ビット線方向に沿って拡散層38上に溝61を有するフォトレジスト60をマスクとして、異方性エッチングを行い、溝82およびコンタクトホール65を形成する(図21〜図23)。上記フォトレジスト60に形成された溝61は、ビット線方向に沿ったいわゆるラインアンドスペースであるため、製造コストを低減でき、微細化に対して有利である。
【0097】
[第3の実施形態]
次に、この発明の第3の実施形態に係る半導体装置およびその製造方法について、図24乃至図30を用いて説明する。以下、第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0098】
図24は、第3の実施形態に係る半導体装置を模式的に示す平面図である。図25は図24中の25−25線に沿った断面構造図である。図26は図24中の26−26線に沿った断面構造図である。
【0099】
図示するように、拡散層45上に、バリア膜25を貫通して設けられた開口部91と、開口部91を通り絶縁層26、24、バリア膜23、ゲート絶縁膜22を連続して貫通して拡散層45上に設けられたコンタクト43(第1ホール構造)が設けられている。
【0100】
さらに、素子分離領域STI上に位置し、絶縁層26、バリア膜25を連続して貫通してシリサイド層41S上に設けられ、ゲート電極と配線層44とを電気的に接続するコンタクト90(第2ホール構造)が設けられている。
【0101】
上記のような構成によれば、上記第1の実施形態と同様な効果を有する。
【0102】
次に、この実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図25、図26に示した半導体装置を例に挙げて説明する。
【0103】
まず、図27、図28に示すように、上記と同様の工程により、拡散層45上に位置するバリア膜25に開口部91を形成し、バリア膜25上、絶縁層24上に絶縁層26を形成する。
【0104】
続いて、絶縁層25上にフォトレジスト93を塗布し、上記フォトレジストに露光および現像を行って、拡散層45上およびゲート電極41上に位置するフォトレジストに開口部をそれぞれ形成する。
【0105】
さらに、上記フォトレジスト93をマスクとして、例えば、RIE法等に異方性エッチングを行い、バリア膜23をストッパとして絶縁層26、23を貫通するコンタクトホール95−1、およびバリア膜25をストッパとして絶縁層26を貫通するコンタクトホール97−1を同時に形成する。
【0106】
続いて、図29、図30に示すように、フォトレジスト93をマスクとしてさらに異方性エッチングを行い、バリア膜23、ゲート絶縁膜22を貫通して拡散層45上に位置するコンタクトホール95−2、およびバリア膜25を貫通してシリサイド層41S上に位置するコンタクトホール97−2を形成する。
【0107】
以下、周知の工程を用いて、図25、図26に示した半導体装置を製造できる。
【0108】
上記製造方法によれば、素子領域AA上に位置する拡散層45上のコンタクト43、およびSTI上に位置するゲート電極上(GC上)コンタクト90を同時に形成することが可能である。
【0109】
そのため、製造工程および製造コストを低減できる点で有利である。
【0110】
さらに、素子領域AA上のバリア膜25は上記異方性エッチング(コンタクトエッチング)工程の際に広く開口部91を形成するが、STI上のバリア膜25は開口しておかない。即ち、開口しておかないSTI上のバリア膜25を続く異方性エッチング工程のストッパとして使用する。そのため、コンタクトエッチング工程を行うと、STI上におけるコンタクトホール95−1はバリア膜25上でストップし、素子領域AA上におけるコンタクトホール97−1はバリア膜23上でとまる(図27、図28)。続くバリア膜エッチングで同時に開口し、コンタクトホール95−2、97−2を同時に形成する(図29、図30)。
【0111】
上記のように、素子領域上およびSTIのコンタクトホール95−2、97−2を同じエッチング工程を用いて形成することが可能であるため、製造工程を削減できる点で有利である。
【0112】
加えて、2回目のエッチング工程において、それぞれ薄いバリア膜23、25を同時にエッチングして開口するので、オーバーエッチングによるショート等の問題を防止でき、信頼性を向上できる点で有利である。
【0113】
尚、この実施形態に示した断面においてシリサイド層(金属層)41Sは、あっても無くても良い。
【0114】
さらに、この実施形態においては周辺回路12を例に挙げて説明したが、周辺回路に限らず全てのコンタクト形成に適用可能である。
【0115】
尚、上記第1乃至第3の実施形態および変形例1、変形例2において、図示した周辺回路12は一例である。例えば、隣接するトランジスタTRの拡散層45がつながってなく、それぞれ独立に設けられている等、種々の周辺回路が考えられる。
【0116】
以上、上記第1乃至第3の実施形態および変形例1、変形例2を用いてこの発明の説明を行ったが、この発明は上記各実施形態および各変形例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記各実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置を模式的に示す平面図。
【図2】図1中の2−2線に沿った断面構造図。
【図3】図2中のバリア膜25近傍のコンタクトを拡大して示す断面構造図。
【図4】図1中の4−4線に沿った断面構造図。
【図5】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図6】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図7】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図8】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図9】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程のフォトレジストを模式的に示す平面図。
【図10】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図11】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程のフォトレジストを模式的に示す平面図。
【図12】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図13】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図14】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図15】この発明の変形例1に係る半導体装置の一製造工程のフォトレジストを模式的に示す平面図。
【図16】この発明の変形例1に係る半導体装置の一製造工程のフォトレジストを模式的に示す平面図。
【図17】この発明の変形例2に係る半導体装置を模式的に示す断面構造図。
【図18】この発明の変形例2に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図19】この発明の変形例2に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図20】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置を模式的に示す断面構造図。
【図21】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程のフォトレジストを模式的に示す平面図。
【図22】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図23】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図24】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置を模式的に示す平面図。
【図25】図24中の25−25線に沿った断面構造図。
【図26】図24中の26−26線に沿った断面構造図。
【図27】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図28】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図29】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【図30】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を模式的に示す断面構造図。
【符号の説明】
【0118】
11…メモリセルアレイ、12…周辺回路、21…半導体基板、22…ゲート絶縁膜、23、25…バリア膜、24、26、27…絶縁層、BL…ビット線(第1配線)、WL…ワード線(第2配線)、ST…選択トランジスタ、MT…メモリセルトランジスタ、TR…トランジスタ、SG…セレクトゲート、35、42…絶縁膜、31、32、41S…シリサイド層、39、43…コンタクト、39−1…コンタクトホール上部、39−2…コンタクトホール下部、40…コンタクトホール下部の底、W1…バリア膜25中のコンタクトホール下部の幅、W2…バリア膜25中のコンタクトホール上部の底の幅、38、45…拡散層、55…溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記ゲート電極上に設けられた金属層と、前記ゲート電極を挟むように基板中に隔離して設けられたソースまたはドレインとして働く拡散層とを有するゲート絶縁型電界効果トランジスタと、
前記拡散層上および前記トランジスタの側壁上に設けられた第1バリア膜と、
前記第1バリア膜上に設けられた第1絶縁層と、
前記金属層上および前記第1絶縁層上に連続して設けられた第2バリア膜と、
前記第2バリア膜に第1幅を持って開口し、第1方向に伸びる溝と、
前記第2バリア膜上に設けられた第2絶縁層と、
前記第2絶縁層を貫通して前記第2バリア膜中に底部を有し、前記底部が前記第1方向に交差する第2方向に前記第1幅よりも大きい第2幅を有するコンタクトホール上部と、
前記コンタクトホール上部から前記溝を介して前記第1絶縁層および第1バリア膜を貫通して前記拡散層上に設けられ、前記第2方向に上面が前記1幅を有するコンタクトホール下部と、
前記コンタクトホール上部内および前記コンタクトホール下部内に連続して導電体が埋め込まれたコンタクトを具備すること
を特徴とする半導体装置。
【請求項2】
半導体基板上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記ゲート電極上に設けられた金属層と、前記ゲート電極を挟むように基板中に隔離して設けられたソースまたはドレインとして働く拡散層とを有するゲート絶縁型電界効果トランジスタと、
前記拡散層上および前記トランジスタの側壁上に設けられた第1バリア膜と、
前記第1バリア膜上に設けられた第1絶縁層と、
前記金属層上および前記第1絶縁層上に連続して設けられた第2バリア膜と、
前記第2バリア膜上に設けられた第2絶縁層と、
前記第2絶縁層を貫通して前記第2のバリア膜中に底部を有する溝状の構造と、
前記溝状の構造の底部から前記第1絶縁層および第1バリア膜を貫通して前記拡散層に至るホール構造とを具備し、
前記溝状の構造と前記ホール構造とが連続する同一の導電体によって埋め込まれ、前記溝状の構造が電気的配線として機能し、前記ホール構造が電気的コンタクトとして機能すること
を特徴とする半導体装置。
【請求項3】
半導体基板上に第1絶縁膜を介して形成された複数のメモリセルトランジスタと、
前記メモリセルトランジスタが互いのソースとドレインを共有しながら第1方向に連続して配置されたメモリセル列の両端に前記第1絶縁膜を介して形成された選択トランジスタと、
前記選択トランジスタおよびメモリセルトランジスタのゲート上部に形成された金属層と、
前記第1方向に隣接する異なるメモリセル列に属する二つの選択トランジスタの間に位置する拡散層上及び前記二つの選択トランジスタの対向する側面上に設けられた第1バリア膜と、
前記第1バリア膜上に設けられた第1絶縁層と、
前記金属層および前記第1絶縁層上に連続して設けられた第2バリア膜と、
前記二つの選択トランジスタの間に位置し、前記第2バリア膜に第1幅を持って前記第1方向に交差する第2方向に伸びる溝と、
前記第2バリア膜上に設けられた第2絶縁層と、
前記第1方向に第2幅を有する溝状の構造であり、前記第2絶縁層を貫通して前記第2バリア膜中に底部を有するコンタクトホール上部と、
前記コンタクトホール上部から前記溝を介して前記第1絶縁層および第1バリア膜を貫通して前記拡散層上に設けられたコンタクトホール下部と、
前記コンタクトホール上部内および前記コンタクト下部内に導電体を連続して埋め込まれたコンタクトとを具備し、
前記コンタクトホール上部の前記第2幅が、前記溝の第1幅より大きいこと
を特徴とする半導体装置。
【請求項4】
半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成され、ゲート上部に金属層を有するゲート絶縁型電界効果トランジスタと、
前記トランジスタのソースまたはドレインとして働く拡散層上および前記トランジスタの側壁上に設けられた第1バリア膜と、
前記第1バリア膜上に設けられた第1絶縁層と、
前記金属層上および前記第1絶縁層上に連続して設けられた第2バリア膜と、
前記第2バリア膜上に設けられた第2絶縁層と、
前記拡散層上に位置し、前記第2バリア膜に設けられた開口部と、
前記開口部を通り前記第2絶縁層、前記第1絶縁層、前記第1バリア膜を連続して貫通して前記拡散層上に位置する第1ホール構造と、
前記第2絶縁層、前記第2バリア膜を連続して貫通し前記ゲート上に接続する第2ホール構造と、
前記第1ホール構造内および前記第2ホール構造内に埋め込まれた導電体とを具備すること
を特徴とする半導体装置。
【請求項5】
半導体基板の主表面上に形成されたゲート電極を挟むように前記基板中に隔離して拡散層を形成する工程と、
前記ゲート電極の側壁および拡散層上に第1バリア膜を形成する工程と、
前記第1バリア膜上に第1絶縁層を形成する工程と、
前記ゲート電極上にシリサイド層を形成する工程と、
前記シリサイド層上および前記第1絶縁層上に第2バリア膜を形成する工程と、
拡散層上における前記第2バリア膜に第1幅を有する開口部を形成する工程と、
前記第2バリア膜上に第2絶縁層を形成する工程と、
前記第2絶縁層上にマスク層を形成する工程と、
前記開口部上におけるマスク層に前記第1幅よりも幅が大きい第2幅を形成する工程と、
前記マスク層をマスクとしてエッチングを行い、前記第2絶縁層を貫通し前記第2バリア膜をストッパとして前記第2バリア膜中に第2幅の底を有するコンタクトホール上部を形成し、前記開口部の位置からエッチングを進行させ前記第1絶縁層および第1バリア膜を貫通して前記第2バリア膜中に第1幅を有し前記拡散層に達する深さのコンタクトホール下部を形成する工程と、
前記第1、第2コンタクトホール内に導電層を埋め込み、コンタクトを形成する工程とを具備すること
を特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2006−100409(P2006−100409A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282336(P2004−282336)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】