説明

垂直型電流制御型シリコン・オン・インシュレータ(SOI)デバイス及びそれを形成する方法

【課題】 CMOS集積回路(IC)のための静電放電(ESD)保護デバイスとして用いるのに適した電流制御シリコン・オン・インシュレータ(SOI)デバイスを提供すること。
【解決手段】 垂直型シリコン制御整流器(SCR)、垂直型バイポーラ・トランジスタ、垂直型キャパシタ、抵抗器及び/又は垂直型ピンチ抵抗器のようなデバイスを有するシリコン・オン・インシュレータ(SOI)集積回路(IC)チップ、及びそれらのデバイスを作製する方法である。デバイスは、SOI表面層及び絶縁体層を通って基板に達するシード孔内に形成される。例えばN−型埋め込み拡散部が、基板内のシード孔を通って形成される。ドープされたエピタキシャル層が、埋め込み拡散部上に形成され、このドープされたエピタキシャル層は、例えばP−型層及びN−型層などの多数のドープ層を含むことができる。ドープされたエピタキシャル層上に、例えばP−型のポリシリコンを形成することができる。コンタクト・ライナ内に、埋め込み拡散部へのコンタクトが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電流制御デバイスに関し、より具体的には、CMOS集積回路(IC)のための静電放電(Electrostatic discharge、ESD)保護デバイスとして用いるのに適した電流制御シリコン・オン・インシュレータ(Silicon on Insulator、SOI)デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にCMOSと呼ばれる相補型絶縁ゲート電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、FET)技術で作製された集積回路(IC)チップは、静電放電(ESD)に対して非常に敏感である。単一のESDイベントが回路のFETを破壊することがあり、これにより、典型的なCMOS ICが使用できなくなる。電荷がゲート導体の表面上に蓄積して、例えば、ESDイベントで経験した大きな電流がそれぞれのデバイスを損傷するような酸化物破壊電界をもたらすことがある。従って、これらの精密な半導体デバイスの処理及び取り扱いにおいて、特に最先端の超薄酸化物CMOS技術にとって、ESDは重要な信頼性問題である。
【0003】
通常、製造が完了した後、ICチップは、パッケージ・ピンとチップ入力/出力(I/O)パッドを接続する配線リード線を有するセラミック又はプラスチック製パッケージ内にパッケージングされる。その結果として、I/Oパッドに接続された浮遊(フローティング)ゲートは、特にESDに対して脆弱なままである。このESD問題を緩和するために、通常、ICチップは、チップ・パッドにESD保護デバイスを有する。ESD保護デバイスは、破壊的な大電流を接続されたデバイスから遠ざかるように分流する。
【0004】
従来、古くからのバルクFETチップは、適切なESD保護のためにシリコン制御整流器(SiliconControlled Rectifier、SCR)に依存してきた。典型的なSCR保護デバイスは、低いターンオン電圧又はクランピング電圧及び短い応答時間の下で、ESD電流を脆弱なデバイスから離れるように向け直すことができる、高性能の大電流クランプの機能を果たす。残念なことに、ラッチアップ(latch-up)として知られる現象は、従来のバルクCMOS技術における一般的な設計問題である。ラッチアップは、バルク基板上でPFET及びNFETが互いに近すぎる状態で配置された場合に生じ、その配置により寄生水平型SCRが形成される。ノイズが水平型SCRをオンにし、そのことが、FETのバックバイアス電圧を互いにクランプし、典型的にはチップを破壊することがある。ラッチアップを排除すること(及び、性能の向上のためにデバイス容量を低減させること)は、CMOSをシリコン・オン・インシュレータ(SOI)に移行することへの主要な動機付けの1つであった。
【0005】
実質的に、SOIに移行することによって内因性SCRを実質的に排除することは、適切なESD保護デバイスの提供をさらに困難にしている。まさに技術の本質上、SOI表面層上のデバイスのN及びP構造部が互いから完全に分離されるので、SOIにおいては、バルクCMOS SCRの設計はうまくいかない。従って、SOIにおいて従来のSCR構造体を設計するには、有用なチップ活性領域の広い区域が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、SOI CMOSチップ、特に非常に小さいチップの活性領域を占めるSCRのための、超薄酸化物技術のための相対的に小さいESD保護デバイスに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、静電放電(ESD)から集積回路(IC)を保護することが、本発明の目的である。
【0008】
こうした保護のために生じるスペース上の不利益を最小にしながら、ICをESDから保護することが、本発明の別の目的である。
【0009】
ESD保護デバイスが占めるICの面積(real estate)を最小にすることが、本発明のさらに別の目的である。
【0010】
ESD保護デバイスが占めるICの面積を最小にしながら、SOI CMOS ICをESDから保護することが、本発明のさらに別の目的である。
【0011】
最小のICの面積を占める受動回路素子を提供することが、本発明のさらに別の目的である。
【0012】
本発明は、垂直型シリコン制御整流器(SCR)、垂直型バイポーラ・トランジスタ、垂直型キャパシタ、抵抗器及び/又は垂直型ピンチ抵抗器のようなデバイスを有するシリコン・オン・インシュレータ(SOI)集積回路(IC)チップ、及びそのデバイスを作製する方法に関する。デバイスは、SOI表面層及び絶縁体層を通って基板に達するシード孔内に形成される。基板内のシード孔を通って、例えばN型の埋め込み拡散部が形成される。ドープされたエピタキシャル層は、埋め込み拡散部上に形成され、多数のドープされた層、すなわちN−型層又はP−型層を含むことができる。ドープされたエピタキシャル層上に、例えばP型のポリシリコンを形成することができる。コンタクト・ライナ内に、埋め込み拡散部へのコンタクトが形成される。
【0013】
前述及び他の目的、態様及び利点は、図面を参照して本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の好ましい実施形態による、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)チップ内に垂直型シリコン制御整流器(SCR)を形成する方法の例を示す。
【図2】好ましい垂直型SCRを形成する断面の例を示す。
【図3】好ましい垂直型SCRを形成する断面の例を示す。
【図4】好ましい垂直型SCRを形成する断面の例を示す。
【図5】好ましい垂直型SCRを形成する断面の例を示す。
【図6】好ましい垂直型SCRを形成する断面の例を示す。
【図7】好ましい垂直型SCRを形成する断面の例を示す。
【図8】好ましい垂直型SCRの概略的な例を示す。
【図9】好ましい垂直型SCRの典型的な回路応用を示す。
【図10】好ましい垂直型SCRにおける変形を示す。
【図11】好ましい垂直型SCRにおける変形を示す。
【図12】本発明の好ましい実施形態に従って形成された垂直型バイポーラ・トランジスタを示す。
【図13】本発明の好ましい実施形態に従って形成された垂直型バイポーラ・トランジスタを示す。
【図14】本発明の好ましい実施形態に従って形成された垂直型減結合(デカップリング)キャパシタの断面を示す。
【図15】本発明の好ましい実施形態に従って形成された垂直型減結合キャパシタの断面を示す。
【図16】好ましい垂直型SCRの形成と実質的に同様に形成された水平型抵抗器の例を示す。
【図17】好ましい垂直型SCRの形成と実質的に同様に形成された垂直型ピンチ抵抗器の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで図面を参照すると、より具体的には、図1は、本発明の好ましい実施形態による、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)チップ内に垂直型シリコン制御整流器(SCR)を形成する方法100の一例を示す。ここでは単一のSCR(すなわち、一対のバック・ツウ・バック型バイポーラ・トランジスタ、NPN及びPNP、又はPNPN構造内の直列接続したダイオード)について示されるが、静電放電(ESD)保護のために用いられる場合、例えば、典型的なチップは、各チップ・パッド又は少なくとも各チップの入力/出力(I/O)パッドにESD保護用SCRを含むことが理解される。従って、各チップは、数百又は数千の、或いはそれ以上のこうしたSCRを含むことができる。さらに、各半導体デバイスは、例えばSOIウェハ120などの半導体ウェハ上に、同時に同様に形成された多数のこうしたチップの1つとすることができる。
【0016】
従って、ステップ104において、SCRの位置が、デバイス・アイランドの画定と同時に定められる。ステップ106において、例えばN型拡散部などの、埋め込みサブコレクタが、各々のSCRの位置内に形成される。ステップ108において、各々の埋め込みサブコレクタ上に、インサイチュ(in situ)ドープ・シリコン(この例では、P−ドープ)がエピタキシャル成長され、第1の接合部を形成する。ステップ110において、エピタキシャル成長されたシリコン(エピタキシャル層)が選択された深さまでドープされ(この例においては、N−ドープされ)、第2の接合部を形成する。ステップ112において、エピタキシャル層上に形成されたポリシリコン・キャップ(この例では、P−ドープされた)によって、第3のSCR接合部が形成される。ステップ114において、埋め込みサブコレクタへのコンタクトを形成する。ステップ116において、チップ・デバイスの形成が完了し、残りのSCR電極の各々にもコンタクトを形成する。最後に、ステップ118において、典型的な後工程(Back End Of the Line、BEOL)処理ステップを用いて、デバイスは、回路内及びオフチップ・パッドに一緒に接続され、好ましいSCRによって保護される。
【0017】
図2−図7は、図1の例のステップを参照した、本発明の好ましい実施形態に従って垂直型SCRを形成する断面の例を示す。ステップ102において、SCRの形成は、例えば、埋め込み酸化物(Buried Oxide、BOX)などの誘電体層124及びシリコン表面層126を支持するバルク半導体(例えば、シリコン)基板122を含む、図2のSOIウェハ120で開始する。SOIウェハは、ハイブリッド面配向(hybrid plane orientation、HOT)SOIウェハ(A[1]SOI)であり、SCRは、シリコン表面又は活性層126内の回路デバイス、すなわち電界効果トランジスタ(FET)の形成と実質的に同時に形成されることが好ましい。一般的な標準的HOT半導体ウェハ処理の後、ステップ104において、表面シリコン層126が、例えば、典型的なフォトリソグラフィ・マスキング及びエッチングを用いてパターン形成され、表面シリコン層126内にアイランド128をエッチングする。同時に、BOX層124を通って下にあるシリコン基板122に達する、SCRシード孔130が開口される。
【0018】
次に、アイランド128がチャネル調整ドーパントでドープされ、同時に、図3に示されるように、ステップ106において、例えば、基板122の露出面への角度付き注入(angled implant)により、シード孔130内に埋め込みサブコレクタ領域132が形成される。従って、P−型基板122の場合、シード孔130内の露出された領域は、N+ドーパント不純物でドープされ、埋め込みN+拡散部132を形成する。ドーパントは、垂直方向及び水平方向の両方に拡散し、表面層すなわちアイランド128の下方のシード孔130の周囲に延びる。リンは、7千電子ボルト(7keV)の注入エネルギーを用いて7.5×1014の密度で注入され、その角度は、半導体基板122の表面に対する低抵抗の埋め込み注入コンタクトを保証するように選択されることが好ましい。随意的に、角度付き注入の後、ドーパント活性化を改善するために、露出された基板表面134をレーザ・アニールすることができる。
【0019】
ドーパント画定フォトレジストを除去し、図4に示されるように、ステップ108において、埋め込みサブコレクタ上にP−型シリコン136がエピタキシャル成長され、シード孔を充填する。エピタキシャル層136は、例えば、70keVにおいて1.2×1013の密度でBFを注入するなど、インサイチュ・ドープされたP型であるか、又はP−ウェルの画定と同時にドープされることが好ましい。また、表面層上のシード孔の外部のいずれのエピタキシャル成長も、平坦化又は別の好適なフォトマスク・ステップによって処理することができる。P−エピタキシャル層136は、各埋め込みサブコレクタ132との第1の接合部を形成する。ウェハは、例えば、適切な化学機械研磨(CMP)を用いて平坦化される。図5に示されるように、P−エピタキシャル層136は、例えば標準的な浅いトレンチ分離(STI)138を用いて、表面層のアイランド128から分離される。従って、例えば、浅いトレンチ分離138が、アイランド128とシード孔130との間の境界に形成され、かつ、埋め込みサブコレクタ132の周囲まで、好ましくはこれを超えずに水平方向に延びる。P−エピタキシャル電極への外部コンタクトは、内部STI140によっても定められる。次に、P−型FET(PFET)のチャネル調整と同時に、ステップ110において、P−エピタキシャル層の表面が、N−ドーパントでカウンタードープ/注入され、表面のN−ボディ層142、及び結果として第2の接合部を形成する。表面のN−ボディ層142は、70−90ナノメートル(nm)の厚さであることが好ましい。
【0020】
デバイス・ゲートの形成と同時に、図6に示されるように、ステップ112において、最終的なSCR接合部が形成される。従って、デバイス・ゲートの形成は、ウェハ表面上にゲート酸化物(図示せず)を選択的に形成することによって開始する。ゲート酸化物を形成した後、典型的なフォトリソグラフィ・マスクを用いて、例えば、上部エピタキシャル層表面が露出されたままであるように、表面層をマスクすることが好ましい。次に、適切な湿式エッチングを用いて、例えば、エピタキシャル層からゲート酸化物を除去する。ポリシリコン層が、ウェハ上、及び、結果として露出されたエピタキシャル層表面上に堆積され、例えばフォトリソグラフィによりパターン形成される。ポリシリコン層のパターン形成により、各SCR148上に、すなわちエピタキシャル層表面と直接接触した状態で、FETゲート及び上部(ポリシリコン)電極144が画定される。次に、FETの画定は、典型的なソース/ドレインの注入に続く。例えば典型的なマスク及び注入ステップを用いて、N−型FET(NFET)及びSCRコンタクト拡散部150におけるN+ソース/ドレイン拡散部のために、表面層内に第1のN−型ドーパントを注入し、続いて、P型FET(PFET)及びSCRコンタクト拡散部152におけるP+ソース/ドレイン拡散部のために、P型ドーパントを注入することが好ましい。従って、この例においては、表面ポリシリコン層は、第3の接合部を形成するP−型ポリシリコンであり、好ましくは、例えば70keVにおいて1.2×1013の密度にBFでドープされたようなP+ドープ・ポリシリコンである。ここでは具体的には示されないが、FETは、表面層アイランド128内に形成される。一旦ソース/ドレイン及びSCRコンタクト拡散部150、152が形成されると、ソース/ドレイン及びSCRコンタクト拡散部150、152上に、自己整合されたシリサイド154が形成される。
【0021】
FETの画定が完了すると、構造体144、142、136、132内に、PNPNを有するようにSCR148も定められた。従って、ステップ114において、図7に示されるように、コンタクト156が、SCR埋め込みサブコレクタ132まで形成され、コンタクト158、160が、それぞれコンタクト拡散部150、152まで形成される。各SCR148について、この埋め込みサブコレクタ・コンタクト156は、SCR148の周りの単一のリング、単一のコンタクト、又はSCR周囲に分散された一連の適切に配置されたコンタクトとすることができる。孔は、STI領域(図6の138)を貫通し、下にあるBOX層を貫通し、埋め込みサブコレクタ132まで開口され、例えば酸化シリコンなどの絶縁ライナ162でライニングされる(内側が覆われる)ことが好ましい。次に、絶縁ライナ162内の領域が、金属又はN−ポリシリコンのような導電性材料で充填される。例えば、導電性材料(例えば、金属又はN−ポリシリコン)層をパターン形成された(例えば、コンタクト・ビア)層の上に堆積し、導電性材料層をパターン形成/平坦化することによって、埋め込みサブコレクタ・コンタクト156が、残りのコンタクト158、160と共に完成される。しかしながら、コンタクト158、160及び埋め込みサブコレクタ・コンタクト156の上部は、配線層の一部として形成されることが好ましい。埋め込みサブコレクタ・コンタクト156及びコンタクト158、160を形成した後、例えば、ステップ116においてポリシリコン電極(SCR電極を含む)上にシリコンを形成し、ステップ118において典型的な後工程(BEOL)処理により典型的な電極コンタクト及び配線メタライゼーションを形成するといった、典型的な集積回路(IC)相互接続部形成ステップを用いて、デバイスが、チップ回路内及びオフチップ・パッドに一緒に接続される。
【0022】
P−型基板及びP−型ポリシリコンの上部電極内のN−型埋め込みサブコレクタに関して説明したが、当技術分野に周知のような適切なドーパント及び適切なドーパント濃度の選択により、N−型基板及びN−型ポリシリコンの上部電極内にP−型埋め込みサブコレクタを有するように、好ましいSCRを同様に形成することができることが理解される。さらに、好ましいSCRを形成する説明を簡単にするために、適切な急速熱アニール(RTA)のような典型的な中間半導体処理ステップへの特定の言及が省かれたことが理解される。このような典型的な半導体処理ステップは、通常、適切かつ必要な場合に含められることが理解される。
【0023】
図8は、同様の構造部が同様に表記された図7のSCR148の概略的な例を示し、図9は、図6及び図7の好ましいSCR148に関する典型的な回路応用を示す。図8及び図9の例においては、SCR148(一対の直列接続されたダイオードとして表すこともできる)は、バック・ツウ・バック型トランジスタ、すなわちPNPトランジスタ170及びNPNトランジスタ172として表される。抵抗器174、176は、拡散部(例えば、150、152)の固有抵抗(intrinsic resistance)である。従って、図9の回路の例においては、埋め込みサブコレクタ・コンタクト156及びP+拡散部コンタクト160は、接地(グラウンド)に接続される。保護回路178は、P−型ポリシリコン144の入力/出力(I/O)パッド180に接続される。N+拡散部コンタクト158は、電源VDDに接続される。通常、VDDと接地との間のI/O電圧の揺れ(スウィング)により、トランジスタ170、172の両方がオフとなり、それぞれのベース・エミッタ間接合部の両方がターンオン電圧を下回る。
【0024】
しかしながら、I/O180において、例えばVDD+0.7ボルトまでといったVDDを上回る十分に大きいスパイクが生じた場合、トランジスタ170はオンになり、抵抗器176の両端に電圧が生じる。抵抗器176の両端の電圧が、例えば0.7ボルトまでのベース・エミッタ間のターンオン電圧を超えた場合、トランジスタ172はオンになって導通し始め、抵抗器174の両端の電圧が生じる。抵抗器174の両端の電圧がベース・エミッタ間のターンオン電圧を超えた場合、トランジスタ170、172の両方がバイアスオン(biased on)される、すなわちSCR148がオンになり、I/Oパッド180、及び、これに対応して保護回路178への入力部を接地にクランプしようと試みる。I/Oパッド180の電圧が十分に下がり、抵抗器176の両端の電圧がベース・エミッタ間のターンオン電圧を下回り、それによりトランジスタ72がオフになった場合、SCR148はオフになり、トランジスタ172のターンオフが、抵抗器174の両端の電圧を低減させ、トランジスタ170及びSCR148をオフにする。
【0025】
図10−図11は、各々のSCRが、同様に表記された同様の要素を有するように実質的に同様に形成された、図2−図7の実施形態におけるSCRの変形を示す。図10の例において、SCR148´は、SCRコンタクト拡散部152´を形成する前にP−エピタキシャル層136内に形成されたP−ウェル190を有し、固有ベース抵抗及びトランジスタの利得を減少させる。図11の例において、P−ウェル190に加えて、埋め込みサブコレクタ・コンタクト156´は、好ましくは5〜7X1019のドーパント・レベルでドープされた下部N+ドープ層192と、例えば1X1018のレベルでドープされた残りのN−ポリシリコン194とを有する、層状ポリシリコンである。
【0026】
図12−図13は、同様に表記された同様の構造部を有するように、図2−図7に示されるようなSCRの形成と実質的に同様に形成されたバイポーラ・トランジスタ200、210の例を示す。図12の例においては、P−エピタキシャル層を形成する代わりに、N−エピタキシャル層142´が、埋め込みサブコレクタ132上に形成される。N−エピタキシャル層表面内に、薄い(例えば、40nmの)P−ベース層202が形成され、薄いP−ベース層202上に、N+ドープされたポリシリコン・エミッタ144´が形成される。実質的に説明されたように、かつ、好ましくは図6及び図7のSCR P+エピタキシャル層拡散部152及びコンタクト160を有するように、外部ベース拡散部150´及びコンタクト158´が形成される。同様に、図13の例においては、P−エピタキシャル層を形成する代わりに、埋め込みサブコレクタ132上に、N−エピタキシャル層142´が形成される。しかしながら、この例においては、N−エピタキシャル層表面内に、より厚い(例えば、90nmの)P−ベース層212が形成され、外部ベース拡散部150´を有する薄いP−層212上に、N+ドープ拡散部エミッタ214が形成される。同様に、エミッタ・コンタクト214は、実質的に説明されたようにベース・コンタクト158´を有するように、かつ、好ましくは図6及び図7のSCR N+拡散部150、P+エピタキシャル層拡散部152及びコンタクト158、160を有するように形成される。
【0027】
図14−図15は、同様に表記された同様の構造部を有する図12のバイポーラ・トランジスタ200と実質的に同様に形成された、垂直型減結合(デカップリング)キャパシタ220及び垂直型抵抗器230のそれぞれ例を示す。この例において、N−エピタキシャル層142´を形成した後、ゲート酸化物を剥離する代わりに、ゲート酸化物又は誘電体層222が形成され、N+ポリシリコン・プレート224が、誘電体222上に形成される。随意的に、より高容量のために、誘電体層222は、例えば、高K誘電体から形成することができる。図15の垂直型抵抗器230の例については、通常のPFETボディを画定する際、エピタキシャル層は、通常のPFETボディのドーパント・レベルまで、N−型ドーパントでドープされる。次に、NFETソース/ドレイン注入の間、表面は、注入され拡散されて、SCR N+拡散部150と共にN+拡散部150´を形成し、コンタクト160´は、コンタクト160と共にN+拡散部150´上に形成される。
【0028】
図16は、同様に表記された同様の構造部を有する図10のSCR148´を形成するのと実質的に同様に形成された水平型抵抗器240の例を示す。主として、SCR148´の実施形態とこの例の抵抗器240との間の差異は、各層132、136及び142における拡散部132、150、152´への共通のコンタクトの代わりに、コンタクト端子242L、244L、246Lが、各層132、136、142上に形成された抵抗器を有するコンタクト端子242R、244R、246Rから分離している。典型的には、埋め込み層132、P−エピタキシャル層136、及びN−表面層142内の結果として生じる抵抗は、これらの対応するレベルについての通常のプロセス依存ドーパント・レベルに基づいており、適切なドーパントの変動により特定の用途について選択的に変えることができる。デバイス抵抗は、選択的に抵抗層を平行にすることによって、すなわち、コンタクト端子の対242L/242R、244L/244R及び246L/246Rを一緒に接続することによって調整することができる。未使用の層は、通常、それぞれの層132、136、142、すなわち、それぞれVDD、接地及びVDDに逆バイアスをかけるのに関係している。
【0029】
図17は、同様に表記された同様の構造部を有する図10のSCR148´を形成するのと実質的に同様に形成された垂直型ピンチ抵抗器250の例を示す。この実施形態においては、埋め込み拡散部132上に、N−エピタキシャル層142´´が成長される。N−エピタキシャル層142´´の両端部に、P−ウェル252が形成され、例えば、N−エピタキシャル層142´´をNFETボディ調整ドーパントでドーピングすることによって、P−ウェル252間にNFETボディ・ドープ領域254が形成される。P−ウェル252内にP+拡散部150´が形成され、例えば典型的なソース/ドレイン拡散部形成ステップの間に、NFETボディ・ドープ領域254内に、N+拡散部256が形成される。コンタクト158の形成と同時に、N+拡散部256へのコンタクト258が形成される。正の電圧を(抵抗器端子162、258の一方又は両方に)P拡散部コンタクト158に加えることによって、埋め込み層コンタクト162とコンタクト258との間の抵抗を調整することができる。
【0030】
有利なことに、本発明に従って形成されたSCRは、SOI CMOS回路を保護するための、標準的なSOI内に形成された高性能の垂直型SCRである。好ましいSCRは、単一のSOI表面層内に形成されるのではなく垂直型であるので、それらは相対的に小さいチップ面積(chip real estate)を占め、SOI CMOSによりこれまで利用可能でなかったESD保護のレベルを提供することができる。同様に、垂直型バイポーラ・トランジスタ、垂直型キャパシタ及び抵抗器、及び水平型抵抗器もまた、SOI CMOSによりこれまで利用可能であったものと比べて著しく小さいチップ面積を占める。
【0031】
本発明は、好ましい実施形態に関して説明されたが、当業者であれば、添付の条項の精神及び範囲内の変更を施して本発明を実施できることを理解するであろう。こうした変形及び変更の全ては、添付の条項の範囲内に入ることが意図される。従って、例及び図面は、制限としてではなく例証として考えられる。
【0032】
以下は、上述した技術的思想を要約する番号付き条項のリストである。
【0033】
1.基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層の上に形成された活性層とを含む半導体基板を準備するステップと、
前記活性層及び前記絶縁層を通って前記基板に達する開口部を形成するステップであって、前記開口部は前記基板の部分を露出させる、ステップと、
前記基板の前記露出された部分内にドープ領域を形成するステップと、
前記開口部を半導体層で充填するステップと、
前記半導体層内にデバイス領域を画定するステップと、
を含む方法。
2.前記開口部を充填するステップは、前記ドープ領域上にエピタキシャル層を成長させるステップを含む、条項1に記載の方法。
3.前記エピタキシャル層は、第2のドーパント型でドープされ、前記デバイス領域を画定するステップは、
前記エピタキシャル層の上面内に第1のドーパント型の層を形成するステップと、
前記上面上に第2のドーパント型の層を形成するステップと、
を含む、条項2に記載の方法。
4.前記上面内に前記第1のドーパント型の層を形成するステップの前に、前記方法は、前記活性層を通って前記上面内に浅いトレンチを形成するステップをさらに含み、前記第1のドーパント型の層は、浅いトレンチの1つによって前記上面の残りの部分から分離される前記上面の部分内に形成される、条項3に記載の方法。
5.前記デバイス領域を画定するステップは、
前記上面内に拡散領域を形成するステップであって、第1のドーパント型の拡散部領域は前記第2のドーパント型の層に隣接して形成され、第2のドーパント型の拡散領域は前記残りの部分内に形成される、ステップと、
前記拡散部領域及び前記ドープ領域へのコンタクトを形成するステップと、
をさらに含む、条項4に記載の方法。
6.前記ドープ領域は前記開口部を超えて延び、前記外部の浅いトレンチは、前記活性層を通って、前記ドープ領域の上方にある前記活性層の部分を除去して形成され、コンタクト・ライナは、前記外部の浅いトレンチを通って形成され、かつ、前記ドープ領域まで延びており、前記ドープ領域への前記コンタクトは、前記コンタクト・ライナ内に形成される、条項5に記載の方法。
7.前記基板はシリコン基板であり、前記活性層はシリコン・オン・インシュレータ・チップ内のシリコン表面層であり、前記第1のドーパント型はP型であり、前記第2のドーパント型はN型であり、前記上面上の前記P型層はポリシリコン層である、条項6に記載の方法。
8.前記拡散部を形成する前に、前記方法は、前記残りの部分における前記エピタキシャル層内にP−ウェルを形成するステップを含み、前記残りの部分におけるp−型拡散部は、前記P−ウェル内に形成される、条項7に記載の方法。
9.前記ドープ領域への前記コンタクトは、層ドープされたポリシリコンである、条項8に記載の方法。
10.垂直型シリコン制御整流器(SCR)は、前記エピタキシャル層及び前記ドープ領域内に形成される、条項7に記載の方法。
11.水平型抵抗器は前記開口部内に形成され、前記開口部の両側上の前記エピタキシャル層及び前記ドープ領域へのコンタクトは、前記水平型抵抗器の両端部におけるコンタクトである、条項7に記載の方法。
12.前記エピタキシャル層は、第1の型のドーパントでドープされ、デバイス領域を形成するステップは、
前記ドープされたエピタキシャル層上に誘電体層を形成するステップと、
前記誘電体層上に導電層を形成するステップであって、前記ドープされたエピタキシャル層及び前記導電層は、垂直型キャパシタのプレートである、ステップと、
を含む、条項2に記載の方法。
13.前記エピタキシャル層は、第1のドーパント型の複数の層でドープされ、前記ドープされたエピタキシャル層及び前記導電層は垂直型抵抗器を形成する、条項2に記載の方法。
14.前記エピタキシャル層内の前記複数の層をドープする前に、前記方法は、
前記活性表面層及び前記エピタキシャル層内に浅いトレンチを形成するステップであって、前記エピタキシャル層の中央部分は、第1の型のドーパントの前記複数の層でドープされる、ステップと、
前記エピタキシャル層の外部部分を第2のドーパント型の複数の層でドープするステップであって、前記垂直型抵抗器は垂直型ピンチ抵抗器である、ステップと、
をさらに含む、条項13に記載の方法。
15.前記第1の型のドーパントはN型であり、前記第2のドーパント型はP型であり、前記中央部分内に前記N−型層を形成するステップは、前記中央部分内のボディ層をドープするステップと、前記ボディ層内にn−型拡散部を形成するステップとを含み、複数のP−型層をドープするステップは、前記外部部分内にP−ウェルを注入するステップと、前記P−ウェルの各々の中にP−型拡散部を形成するステップとを含む、条項14に記載の方法。
16.バイポーラ・トランジスタが、前記エピタキシャル層内に形成され、前記エピタキシャル層は前記第1の型のドーパントでドープされ、前記デバイス領域を画定するステップは、
前記エピタキシャル層の上面内に第2のドーパント型のベース層を形成するステップと、
前記上面に第1のドーパント型のエミッタ層を形成するステップと、
を含む、条項2に記載の方法。
17.集積回路チップを形成する方法であって、前記方法は、
a)シリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハを準備するステップと、
b)前記SOIウェハの表面層を通って半導体基板に達するシード孔を開口するステップと、
c)前記シード孔の各々の中の前記半導体基板内に埋め込み拡散部を形成するステップと、
d)前記拡散部上にエピタキシャル層を形成するステップであって、前記エピタキシャル層はそれぞれのシード孔を充填する、ステップと、
e)前記埋め込み拡散部及び前記エピタキシャル層の各々へのコンタクトを形成するステップであって、前記コンタクトは、前記埋め込み拡散部及び前記エピタキシャル層によって形成された回路素子の両端部に接触する、ステップと、
を含む方法。
18.前記シード孔を開口するステップ(b)は、
i)前記表面層をパターン形成するステップと、
ii)前記パターン形成された表面層の部分を選択的に除去するステップと、
iii)前記部分を除去することによって露出された絶縁体を除去するステップであって、前記露出された絶縁体は前記半導体基板まで除去される、ステップと、
を含む、条項17に記載の方法。
19.前記半導体基板はP−型シリコンであり、前記基板内に前記埋め込み拡散部を形成する前記ステップ(c)は、前記シリコン基板の露出面に角度付き注入のN−型ドーパントを注入することを含む、条項18に記載の方法。
20.前記エピタキシャル層を形成する前記ステップ(d)は、前記埋め込み拡散部上にドープされたP−型シリコンを内因的に成長させるステップを含む、条項19に記載の方法。
21.前記エピタキシャル層を形成するステップ(d)は、前記活性層を通って前記エピタキシャル層の上面内に浅いトレンチを形成するステップをさらに含み、前記上面の部分は、浅いトレンチによって前記上面の前記残りの部分から分離される、条項20に記載の方法。
22.前記エピタキシャル層を形成するステップ(d)は、
i)前記部分内にN−型層を形成するステップと、
ii)前記N−型層上にP型層を形成するステップと、
をさらに含む、条項21に記載の方法。
23.ステップ(d)(ii)において形成された前記P−型層はポリシリコン層であり、前記コンタクトを形成するステップ(e)は、
i)前記ポリシリコン層に隣接したN−型拡散部と、前記残りの部分の前記表面内のP−型拡散部とを形成するステップと、
ii)各々の拡散部へのコンタクトを形成するステップと、
を含む、条項22に記載の方法。
24.前記埋め込み拡散部へのコンタクトを形成するステップは、外部の浅いトレンチを通って前記埋め込み拡散部に達するコンタクト・ライナを形成するステップと、前記コンタクト・ライナ内に、前記埋め込み拡散部への前記コンタクトを形成するステップとを含む、条項23に記載の方法。
25.金属コンタクトは、前記埋め込み拡散部までの前記コンタクト・ライナ内に形成される、条項24に記載の方法。
26.ドープされたポリシリコン・コンタクトは、前記埋め込み拡散部までの前記コンタクト・ライナ内に形成される、条項24に記載の方法。
27.ステップ(e)(i)の前に、前記方法は、前記残りの部分における前記エピタキシャル層内にP−ウェルを形成するステップであって、前記P−型拡散部は前記P−ウェル内に形成される、ステップをさらに含む、条項24に記載の方法。
28.前記埋め込み拡散部への前記コンタクトを形成するステップは、
前記コンタクト・ライナ内にドープされたポリシリコンの第1の層を形成するステップであって、前記第1の層は第1のドーパント濃度にドープされる、ステップと、
前記第1の層上にドープされたポリシリコンの第2の層を形成するステップであって、前記第2の層は前記第1の濃度より低い第2のドーパント濃度にドープされる、ステップと、
を含む、条項27に記載の方法。
29.少なくとも1つの前記回路素子は、垂直型シリコン制御整流器(SCR)である、条項24に記載の方法。
30.少なくとも1つの前記回路素子は、水平型抵抗器であり、前記拡散部及び前記埋め込み拡散部へのコンタクトは、前記開口部の両側部上に形成され、かつ、前記水平型抵抗器の両端部におけるコンタクトである、条項24に記載の方法。
31.前記埋め込み拡散部及び前記エピタキシャル層は、N−型ドーパントでドープされ、前記回路素子は垂直型キャパシタであり、前記コンタクトを形成するステップ(e)の前に、前記方法は、
e1)前記ドープされたエピタキシャル層上に誘電体層を形成するステップと、
e2)前記誘電体層上に導電層を形成するステップと、
を含む、条項19に記載の方法。
32.少なくとも1つの前記回路素子は、前記エピタキシャル層内に複数のN−型層を形成することによって形成された垂直型抵抗器である、条項19に記載の方法。
33.前記垂直型抵抗器は垂直型ピンチ抵抗器であり、前記コンタクトを形成するステップ(e)は、
i)前記活性表面層及び前記エピタキシャル層内に浅いトレンチを形成するステップと、
ii)前記浅いトレンチの1つの外部の前記エピタキシャル層内にP−ウェルを形成するステップと、
iii)前記P−ウェル内にP−型拡散部を形成するステップと、
を含む、条項32に記載の方法。
34.バイポーラ・トランジスタが前記エピタキシャル層内に形成され、前記エピタキシャル層を形成するステップ(d)は、前記埋め込み拡散部と同じドーパント型、及び、前記半導体基板とは反対のドーパント型でドープされた、ドープされたエピタキシャル層を固有(内因的、イントリンシック)成長させるステップを含み、前記エピタキシャル層を固有成長させるステップ(d)は、
i)前記エピタキシャル層の上面内にベース層を形成するステップと、
ii)前記上面にエミッタ層を形成するステップと、
をさらに含む、条項17に記載の方法。
35.前記埋め込み拡散部はN−型であり、前記半導体基板はP−型シリコンであり、前記エミッタ層は、前記上面上に形成されたN−型ポリシリコンである、条項34に記載の方法。
36.前記埋め込み拡散部はN−型であり、前記半導体基板はP−型シリコンであり、前記N−型エミッタ層は、前記上面における前記ベース層内に形成される、条項34に記載の方法。
37.複数のチップの入力/出力(I/O)パッドに接続されたICを含むシリコン・オン・インシュレータ(SOI)集積回路(IC)チップであって、少なくとも1つのチップのI/Oパッドが垂直型シリコン制御整流器(SCR)に接続され、前記垂直型SCRは、
前記SOI ICチップの半導体基板の表面内にあり、かつ、活性表面層及び絶縁体層を通って前記表面まで延びるシード孔内に配置された、第1のドーパント型の埋め込み拡散部と、
前記埋め込み拡散部における第2のドーパント型の第2の型の領域と、前記第2の型の領域の上方にある前記第1のドーパント型の第1の型の領域とを含む、前記埋め込み拡散部から前記活性表面層まで上向きに延びているエピタキシャル層と、
前記第2の型でドープされている、前記エピタキシャル層上のポリシリコン層と、
を含む、SOI ICチップ。
38.前記垂直型SCRは、前記エピタキシャル層内に複数の拡散部をさらに含み、前記複数の拡散部のうちの少なくとも1つは、前記第1の型の領域と接触している第1の型の拡散部であり、前記複数の拡散部のうちの少なくとも1つの他のものは、前記第2の型の領域と接触している第2の型の拡散部である、条項37に記載のSOI ICチップ。
39.前記垂直型SCRは、各拡散部及び前記埋め込み拡散部へのコンタクトをさらに含み、前記埋め込み拡散部へのコンタクトはコンタクト・ライナ内にある、条項38に記載のSOI ICチップ。
40.少なくとも1つの水平型抵抗器を含むシリコン・オン・インシュレータ(SOI)集積回路(IC)チップであって、前記水平型抵抗器は、
前記SOI ICチップの半導体基板の表面内にあり、かつ、活性表面層及び絶縁層を通って前記表面まで延びるシード孔内に配置された、第1の型の埋め込み拡散部と、
前記埋め込み拡散部における第2の型の領域と、前記第2の型の領域の上方の前記第1の型の領域とを含む、前記埋め込み拡散部から前記活性表面層まで上向きに延びているエピタキシャル層と、
第2の型のものであり、かつ、前記第2の型の領域から/まで延びている、前記第1の型の領域の外部の前記エピタキシャル層の各端にあるドープされたウェルと、
前記第1の型の領域の両端部にある少なくとも2つの第1の型の拡散部と、
前記ドープされたウェルの各々の中の第2の型の拡散部と、
前記第2の型のものである、前記少なくとも2つの第1の型の拡散部間の前記エピタキシャル層上のポリシリコン層と、
各拡散部及び前記埋め込み拡散部へのコンタクトであって、前記埋め込み拡散部の各端部におけるコンタクトはコンタクト・ライナ内にある、コンタクトと、
を含む、SOI ICチップ。
41.少なくとも1つの垂直型受動素子を含むシリコン・オン・インシュレータ(SOI)集積回路(IC)チップであって、前記垂直型受動素子は、
前記SOI ICチップの半導体基板の表面内にあり、かつ、活性表面層及び絶縁層を通って前記表面まで延びるシード孔内に配置された、第1の型の埋め込み拡散部と、
前記埋め込み拡散部から前記活性表面層まで上向きに延びている第2の型のエピタキシャル層と、
前記エピタキシャル層の上方の受動素子端子と、
コンタクト・ライナ内の前記埋め込み拡散部へのコンタクトと、
を含む、SOI ICチップ。
42.前記第1の型はN−型であり、前記第2の型はP−型であり、前記受動素子は垂直型抵抗器であり、前記垂直型抵抗器端子は前記エピタキシャル層の表面へのコンタクトであり、前記エピタキシャル層は複数のドープされたN−型層を含む、条項41に記載のSOI ICチップ。
43.前記垂直型抵抗器は垂直型ピンチ抵抗器であり、前記エピタキシャル層は、前記エピタキシャル層の両端部における一対のP−ウェルと、前記P−ウェルの対の各々の中のP−型拡散部とをさらに含む、条項42に記載のSOI ICチップ。
44.少なくとも1つのバイポーラ・トランジスタを含むシリコン・オン・インシュレータ(SOI)集積回路(IC)チップであって、前記バイポーラ・トランジスタは、
前記SOI ICチップの半導体基板の表面内にあり、かつ、活性表面層及び絶縁層を通って前記表面まで延びるシード孔内に配置された、第1の型の埋め込み拡散部と、
前記埋め込み拡散部における前記第1の型の領域と、前記第1の型の領域の上方の第2の型のベース層とを含む、前記埋め込み拡散部から前記活性表面層まで上向きに延びているエピタキシャル層と、
前記ベース層の表面における前記第1の型のエミッタ層と、
前記埋め込み拡散部、前記ベース層及び前記エミッタ層の各々へのコンタクトであって、前記埋め込み拡散部の各端部におけるコンタクトはコンタクト・ライナ内にある、コンタクトと、
を含む、SOI ICチップ。
【符号の説明】
【0034】
120:SOIウェハ
122:基板
124、222:誘電体層
126:シリコン表面層
128:アイランド
130:シード孔
132:埋め込みサブコレクタ
136:P−エピタキシャル層
138、140:浅いトレンチ分離(STI)
142、142´、142´´:N−エピタキシャル層
144、144´:ポリシリコン
148、148´:SCR
150、150´、152、152´、256:拡散部
156、156´、158、158´、160、160´、162、258:コンタクト
162:絶縁ライナ
170、172:トランジスタ
174、176:抵抗器
178:保護回路
180:入力/出力(I/O)パッド
190、252:P−ウェル
200、210:バイポーラ:トランジスタ
202、212:P−ベース層
220:垂直型減結合キャパシタ
230:垂直型抵抗器
240:水平型抵抗器
242L、242R、244L、244R、246L、246R:コンタクト端子
250:垂直型ピンチ抵抗器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路チップを形成する方法であって、前記方法は、
a)シリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハを準備するステップと、
b)前記SOIウェハの表面層を通って半導体基板に達するシード孔を開口するステップと、
c)前記シード孔の各々の中の前記半導体基板内に埋め込み拡散部を形成するステップと、
d)前記拡散部上にエピタキシャル層を形成するステップであって、前記エピタキシャル層はそれぞれのシード孔を充填する、ステップと、
e)前記埋め込み拡散部及び前記エピタキシャル層の各々へのコンタクトを形成するステップであって、前記コンタクトは、前記埋め込み拡散部及び前記エピタキシャル層によって形成された回路素子の両端部に接触する、ステップと、
を含む方法。
【請求項2】
シード孔を開口する前記ステップ(b)は、
i)前記表面層をパターン形成するステップと、
ii)前記パターン形成された表面層の部分を選択的に除去するステップと、
iii)前記部分を除去することによって露出された絶縁体を除去するステップであって、露出された前記絶縁体は前記半導体基板まで除去される、ステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記半導体基板はP−型シリコンであり、前記基板内に前記埋め込み拡散部を形成する前記ステップ(c)は、角度付き注入で前記シリコン基板の露出面にN型ドーパントを注入するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記エピタキシャル層を形成する前記ステップ(d)は、前記埋め込み拡散部上にドープされたP−型シリコンを内因的に成長させるステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記エピタキシャル層を形成する前記ステップ(d)は、前記活性層を通って前記エピタキシャル層の上面内に浅いトレンチを形成するステップをさらに含み、前記上面の部分は、浅いトレンチによって前記上面の残りの部分から分離される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記エピタキシャル層を形成する前記ステップ(d)は、
i)前記部分内にN−型層を形成するステップと、
ii)前記N−型層上にP−型層を形成するステップと、
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップ(d)(ii)において形成された前記P−型層はポリシリコン層であり、コンタクトを形成する前記ステップ(e)は、
i)前記ポリシリコン層に隣接したN−型拡散部と、前記残りの部分の前記表面内のP−型拡散部とを形成するステップと、
ii)各拡散部へのコンタクトを形成するステップと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記埋め込み拡散部へのコンタクトを形成する前記ステップは、外部の浅いトレンチを通って前記埋め込み拡散部までコンタクト・ライナを形成し、前記コンタクト・ライナ内に前記埋め込み拡散部への前記コンタクトを形成するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
金属コンタクトは、前記埋め込み拡散部までの前記コンタクト・ライナ内に形成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ドープされたポリシリコン・コンタクトは、前記埋め込み拡散部までの前記コンタクト・ライナ内に形成される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(e)(i)の前に、前記方法は、前記残りの部分における前記エピタキシャル層内にP−ウェルを形成するステップをさらに含み、前記P−型拡散部は前記P−ウェル内に形成される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記埋め込み拡散部への前記コンタクトを形成する前記ステップは、
前記コンタクト・ライナ内にドープされたポリシリコンの第1の層を形成するステップであって、前記第1の層は第1のドーパント濃度でドープされる、ステップと、
前記第1の層上にドープされたポリシリコンの第2の層を形成するステップであって、前記第2の層は、前記第1の濃度より低い第2のドーパント濃度でドープされる、ステップと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの前記回路素子は垂直型シリコン制御整流器(SCR)である、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの前記回路素子は水平型抵抗器であり、前記拡散部及び前記埋め込み拡散部へのコンタクトは、前記開口部の両側上に形成され、かつ、前記水平型抵抗器の両端部におけるコンタクトである、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記埋め込み拡散部及び前記エピタキシャル層は、N−型ドーパントでドープされ、前記回路素子は垂直型キャパシタであり、コンタクトを形成する前記ステップ(e)の前に、前記方法は、
e1)前記ドープされたエピタキシャル層上に誘電体層を形成するステップと、
e2)前記誘電体層上に導電層を形成するステップと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの前記回路素子は、前記エピタキシャル層内に複数のN−型層を形成することによって形成された垂直型抵抗器である、請求項3に記載の方法。
【請求項17】
前記垂直型抵抗器は垂直型ピンチ抵抗器であり、コンタクトを形成する前記ステップ(e)は、
i)前記活性表面層及び前記エピタキシャル層内に浅いトレンチを形成するステップと、
ii)前記浅いトレンチの1つの外部の前記エピタキシャル層内にP−ウェルを形成するステップと、
iii)前記P−ウェル内にP−型拡散部を形成するステップと、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
バイポーラ・トランジスタが、前記エピタキシャル層内に形成され、前記エピタキシャル層を形成する前記ステップ(d)は、前記埋め込み拡散部と同じドーパント型及び前記半導体基板とは反対のドーパント型でドープされた、ドープされたエピタキシャル層を固有成長させるステップを含み、前記エピタキシャル層を固有成長させる前記ステップ(d)は、
i)前記エピタキシャル層の上面内にベース層を形成するステップと、
ii)前記上面にエミッタ層を形成するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記埋め込み拡散部はN−型であり、前記半導体基板はP−型シリコンであり、前記エミッタ層は前記上面上に形成されたN−型ポリシリコンである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記埋め込み拡散部はN−型であり、前記半導体基板はP−型シリコンであり、前記N−型エミッタ層は、前記上面における前記ベース層内に形成される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
複数のチップ入力/出力(I/O)パッドに接続されたICを含むシリコン・オン・インシュレータ(SOI)集積回路(IC)チップであって、少なくとも1つのチップI/Oパッドが垂直型シリコン制御整流器(SCR)に接続され、前記垂直型SCRは、
前記SOI ICチップの半導体基板の表面内にあり、かつ、活性表面層及び絶縁体層を通って前記表面まで延びるシード孔内に配置された、第1のドーパント型の埋め込み拡散部と、
前記埋め込み拡散部から前記活性表面層まで上方に延び、前記埋め込み拡散部における第2のドーパント型の第2の型の領域と、前記第2の型の領域の上方にある前記第1のドーパント型の第1の型の領域とを含む、エピタキシャル層と、
前記第2の型でドープされている、前記エピタキシャル層上のポリシリコン層と、
を含むSOI ICチップ。
【請求項22】
前記垂直型SCRは、前記エピタキシャル層内に複数の拡散部をさらに含み、前記複数の拡散部のうちの少なくとも1つは、前記第1の型の領域と接触状態にある第1の型の拡散部であり、前記複数の拡散部のうちの少なくとももう1つは、前記第2の型の領域と接触状態にある第2の型の拡散部である、請求項21に記載のSOI ICチップ。
【請求項23】
前記垂直型SCRは、各拡散部及び前記埋め込み拡散部へのコンタクトをさらに含み、前記埋め込み拡散部へのコンタクトはコンタクト・ライナ内にある、請求項22に記載のSOI ICチップ。
【請求項24】
前記請求項のいずれかの方法によって形成された集積回路チップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2010−529686(P2010−529686A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511612(P2010−511612)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/057196
【国際公開番号】WO2008/152026
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】