説明

基板上に積層され自己整合された部品の製造方法

【課題】基板上に積層され自己整合された部品の製造方法を提供する。
【解決手段】基板の一表面に層の積層体を形成する段階であって、積層体が第1犠牲層、第2犠牲層及び表面層を備える段階と、第1犠牲層の一領域をエッチングする段階と、第1犠牲層のエッチングされた領域内及び表面層上に樹脂を堆積する段階と、犠牲層上の樹脂の少なくとも1つの領域に位置合わせされる樹脂の少なくとも1つの領域を第1犠牲層のエッチングされた領域に残すために樹脂をリソグラフィする段階と、第1犠牲層のエッチングされた領域内及び犠牲層上の除去された樹脂を残っている樹脂を制限するための材料で置換する段階と、第1犠牲層のエッチングされた領域内及び表面層上の残っている樹脂の領域を除去して部品の製造に対する専用の領域を提供する段階と、専用の領域内に部品の要素を形成する段階と、第2犠牲層の一領域を選択的にエッチングする段階と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に積層され自己整合された部品の製造方法に関連する。
【0002】
本発明は、それに限らないが、電子部品、電子部品の部分、MEMSの要素などを構成する自己整合され積層された機能の形成に当てはまる。
【背景技術】
【0003】
他方の上に一方が位置する積層された部品の形成は、マイクロ電子技術または他の分野(MEMSなど)における特定の成功で知られている。トランジスタ及びMEMSなどの部品を積層することさえも可能である。しかしながら、このコンセプトは、しばしば複雑で、熱負荷が大きく、及び/又は、コストが嵩む(シリコンの再結晶化、分子成長、接点を用いた再成長、多くのリソグラフィなど)方法を利用する。
【0004】
積み重ねられた機能を構成するための周知の技術の中には、以下の技術が引用され得る。
【0005】
第1の技術は、コンタクトホールを用いた繰り返しのエピタキシャル成長を行う。エピタキシャル成長は、レーザーを利用したものである。この技術は、3DSRAMを形成する範囲において提案されている。この点に関して以下の文献(“High Speed and Highly Cost effective 72M bit density S3SRAM Technology with Doubly Stacked Si Layers, Peripheral only CoSix layers and Tungsten Shunt W/L Scheme for Standalone and Embedded Memory” of S.-M. JUNG et al., VLSI Technology, 2007 IEEE Symposium on, 12-14 June 2007, pages 82-83)が参照され得る。
【0006】
さらに、共に部品を位置合わせすることを可能にする技術が知られる。それは、以下の段階を含む:
−第1に、薄膜から構成される橋(ブリッジ)が基板上に形成される。
−基板上に樹脂層が堆積される。この橋が樹脂内に浸される。
−この樹脂は、薄膜を通過し、橋の上下で電子線にさらされる位置合わせ樹脂領域を得るために十分に強力な電子線に局所的にさらされる。
−この樹脂は、橋の上下に位置合わせされる樹脂領域を単に保つように現像される。
【0007】
この技術は、文献US2005/0037603に対応する文献FR−A−2858876において特に利用されている。
【0008】
さらに、シリコンと比較してHCl気体を用いたSiGeの選択的なエッチングの方法が知られている。選択的にシリコンと比較される、HCl気体を用いたSiGeのエッチングの速度は、特に、エッチング温度及びSiGeのゲルマニウムの百分率の関数である。これに関して文献US2007/0190787が参照される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0037603号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2858876号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0190787号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以前に記載されたように、自己整合され積層された機能の形成は、高い熱負荷の方法(コンタクトホールを用いたシリコンの再結晶化)、複雑な方法(レーザー支援エピタキシャル成長)または高価な方法(数セットのリソグラフィマスクの使用)の使用を必要とする。
【0011】
本発明は、いくつか(少なくとも2つ)のレベルに、自己整合され、絶縁層によって互い(半導体、微小共振器)に電気的に絶縁された部品を積層する方法を記載するシリコンの再結晶化、コンタクトを用いた再成長の方法は必要なく、それによって熱負荷制限を限定する。この積層体は、エピタキシャル成長による第1動作によって定義される。次いで、選択的なエッチング及び自己整合リソグラフィの使用は、膜を介して動作することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の対象は、
−部品の製造を可能にする一の表面を有する、単結晶シリコンで作られる基板を提供する段階と、
−前記基板の前記表面に層の積層体を形成する段階であって、前記積層体が、前記基板の前記表面に形成され、単結晶SiGeで作られる第1の犠牲層と、前記第1の犠牲層に形成され、単結晶SiGeで作られる第2の犠牲層と、部品の製造を可能にし、前記第2の犠牲層に形成され、単結晶シリコンで作られる表面層と、を備え、前記第1の犠牲層のゲルマニウム濃度が30%から100%であり、前記第2の犠牲層のゲルマニウム濃度が10%から30%であり、前記第1の犠牲層のゲルマニウム濃度が前記第2の犠牲層のゲルマニウム濃度より少なくとも15%高く、前記積層体の前記層が、前記第1の犠牲層の少なくとも1つの領域及び前記第2の犠牲層の少なくとも1つの領域に対する接続を可能にするように形成され、これらの領域が積層される段階と、
キャリアガスによって運ばれる気体のHClを含む気体混合物によって、450℃から900℃の温度で、前記第1の犠牲層の前記領域を選択的にエッチングする段階であって、前記第2の犠牲層及び前記表面層が、前記第1の犠牲層のエッチングされる領域上に橋を形成する段階と、
前記第1の犠牲層のエッチングされた領域内及び前記表面層上に樹脂を堆積する段階であって、前記樹脂が、焼鈍し後に誘電体材料に変態する樹脂である段階と、
前記犠牲層上の樹脂の少なくとも1つの領域に位置合わせされる樹脂の少なくとも1つの領域を前記第1の犠牲層のエッチングされた領域に残すために前記前の段階で堆積された樹脂をリソグラフィする段階と、
前記第1の犠牲層のエッチングされた領域内及び犠牲層上の、前記リソグラフィ段階中に除去された前記樹脂を、前記残っている樹脂を制限するための材料で置換する段階と、
前記第1の犠牲層のエッチングされた領域内及び前記表面層上に残っている前記樹脂の領域を除去して前記部品の製造に対する専用の領域を提供する段階と、
前記専用の領域内に部品の要素を形成する段階と、
前記第2の犠牲層の前記領域を選択的にエッチングする段階であって、前記表面層が、前記第2の犠牲層の前記エッチングされた領域上に橋を形成する段階と、
を備える、基板上に積層され自己整合される部品の製造方法である。
【0013】
前記基板を提供する段階は、シリコン固体基板、SOI基板、sSOI基板、XsSOI基板及びSiGe仮想基板から選択される基板を提供することからなり得る。前記基板の表面は、少なくとも1つの部品または少なくとも1つの部品の部分を含み得る。
【0014】
好ましくは、前記第1の犠牲層のエッチングされた領域内に堆積された樹脂及び前記表面層上に堆積された樹脂は、露光及び/又は焼鈍し後に誘電体材料に変態する樹脂であり、例えばHSQ(水素シルセスキオキサン)樹脂である。
【0015】
前記制限材料(8、9)は、シリコン窒化物であり得る。
【0016】
一実施形態によれば、前記部品の要素を形成する段階は、少なくとも1つのトランジスタゲート要素の形成を含む。
【0017】
代替の実施形態によれば、前記第2の犠牲層の前記領域を選択的にエッチングする段階に続いて、前記第2の犠牲層のエッチングされた領域を電気絶縁材料で満たす段階が行われる。この材料は、シリコン酸化物であり得る。
【0018】
前記制限材料を除去する段階が提供され得る。
【0019】
前記リソグラフィ段階は、前記第2の犠牲層を通過する電子線によって行われ得る。
【0020】
それは、0.1nmから41nmの波長の電磁放射線によって行われ、前記表面層に堆積された樹脂に適用される前記電磁放射線の少なくとも50%が、前記第1の犠牲層のエッチングされた領域に堆積された樹脂に伝達されるように、前記表面層の厚さと同様に前記表面層に堆積された樹脂の厚さ及び性質が選択され得る。特定の実施形態によれば、前記電磁放射線の波長は、12.5nmから15nmである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】図1Aは、本発明による、基板上に積層され自己整合された部品の製造方法の実施形態の様々な段階を示す断面図である。
【図1B】図1Bは、本発明による、基板上に積層され自己整合された部品の製造方法の実施形態の様々な段階を示す断面図である。
【図1C】図1Cは、本発明による、基板上に積層され自己整合された部品の製造方法の実施形態の様々な段階を示す断面図である。
【図1D】図1Dは、本発明による、基板上に積層され自己整合された部品の製造方法の実施形態の様々な段階を示す断面図である。
【図1E】図1Eは、本発明による、基板上に積層され自己整合された部品の製造方法の実施形態の様々な段階を示す断面図である。
【図1F】図1Fは、本発明による、基板上に積層され自己整合された部品の製造方法の実施形態の様々な段階を示す断面図である。
【図1G】図1Gは、本発明による、基板上に積層され自己整合された部品の製造方法の実施形態の様々な段階を示す断面図である。
【図1H】図1Hは、本発明による、基板上に積層され自己整合された部品の製造方法の実施形態の様々な段階を示す断面図である。
【図1I】図1Iは、本発明による、基板上に積層され自己整合された部品の製造方法の実施形態の様々な段階を示す断面図である。
【図1J】図1Jは、本発明による、基板上に積層され自己整合された部品の製造方法の実施形態の様々な段階を示す断面図である。
【図2】図2は、CMOS技術で形成されるインバータの電気回路図である。
【図3A】図3Aは、本発明による、2つのレベルに積層されたCMOSインバータの断面図である。
【図3B】図3Bは、本発明による、2つのレベルに積層されたCMOSインバータの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
限定されない例として与えられる以下の詳細な説明を読み、添付の図面を参照することによって、本発明はより理解され、他の利点及び特徴がより明らかになるだろう。
図1Aから1Jは、本発明による、基板上に積層され自己整合された部品の製造方法の実施形態の様々な段階を示す断面図である。
図2は、CMOS技術で形成されるインバータの電気回路図である。
図3A及び図3Bは、本発明による、2つのレベルに積層されたCMOSインバータの断面図及び上面図をそれぞれ示す。
【0023】
図1Aから図1Jは、本発明による、基板上に積層され自己整合された部品の製造方法の実施形態の様々な段階を示す断面図である。簡略化のために、単一の部品の製造が表されている。
【0024】
図1Aは、部品の製造を可能にする、一表面2を有する基板1を示す。層の積層体が基板1の表面2に形成される。この積層体は、基板1の表面2に形成される第1の犠牲層3、第1の犠牲層3に形成される第2の犠牲層4、及び、部品の製造を可能にし、第2の犠牲層4に形成される表面層5を備える。
【0025】
積層体の様々な層は、第1の犠牲層3の少なくとも1つの領域及び第2の犠牲層4の少なくとも1つの領域に接続(アクセス)することができるように形成される。この実施例において、表面層5は、図1Aに表されていない少なくとも1つの領域を有し、それを、犠牲層3及び4の外側の基板1と一体となるようにする。
【0026】
選択的にエッチングされる領域への接続は、フォトリソグラフィ段階及びそれに続くエッチング段階によって達成され得る。それは、SON(Silicon On Nothing)またはLSOI(Localized Silicon On Insulator)構造の形成をもたらす技術的な段階によっても達成され得る。SON構造において、文献(“Silicon-on-Nothing (SON)-an innovative process for advanced CMOS” of M.JURCZAK et al., IEEE Transactions on Electron Devices, vol.47, n°11, pages 2179 to 2187, November 2000)が参照され得る。LSOI構造において、文献(“Localized SOI Technology: an innovative Low Cost self-aligned process for Ultra Thin Si-Film on thin BOX integration for Low Power applications” of S.MONFRAY et al., Electron Devices Meeting, 2007, IEDM 2007, IEEE International, pages 693 to 696, 10-12 December 2007, and document US 2007/0190754)が参照され得る。
【0027】
図1Aから図1Jを対象とするこの実施例において、基板1は、単結晶シリコン固体の基板であり、犠牲層3及び4は、異なるGe濃度を有して単結晶SiGeで作られ、犠牲層5は、単結晶シリコンで作られる。犠牲層3は、犠牲層4のGe濃度より高いGe濃度を有する。犠牲層3が高いGe濃度として知られている一方で、犠牲層4は、低いGe濃度として知られている。
【0028】
犠牲層3及び4のGe濃度の差は、犠牲層4と比べて犠牲層3の選択的エッチングを可能にし、単結晶シリコンの存在下でこれを可能にする。
【0029】
犠牲層3、4及び表面層5は、当業者に周知の技術に従ってエピタキシャル成長によって基板1の表面2に形成され得る。
【0030】
次いで、選択的なエッチングの段階が行われ、それは、図1Bに示されるように犠牲層3を除去することを可能にする。
【0031】
このエッチングは、700℃以下のエッチング温度で、キャリアガスと混合された塩酸HClを用いた化学気相エッチング(CVE)によって行われる。
【0032】
この選択的なエッチングは、何れの場合にも、形成された自己整合機能の品質を落とすことがない。それは実施することが簡単である。従来の技術によれば、CF/Arプラズマ法または湿式法によるエッチング方法によって形成することが可能であると思われる。エッチングは、例えば水素または窒素であるキャリアガスの存在下で行われるだろう。
【0033】
高いGe濃度の犠牲層(層3)のゲルマニウム濃度は、30%以上である一方で、低いGe濃度の犠牲層(層4)のゲルマニウム濃度は、10%以上で30%未満である。2つの犠牲層の間のゲルマニウム濃度の差は、少なくとも15%である。
【0034】
犠牲層3の厚さは、5nmから30nmである。犠牲層4の厚さは、5nmから100nmである。
【0035】
SiGeで作られる犠牲層の厚さは、積層体に欠陥が生じず、高いゲルマニウム濃度の層と低いゲルマニウム濃度の層との間の良好なエッチング選択比を維持するように選択される。“低いGe濃度SiGe層/高いGe濃度SiGe層”の厚さの比は、1/6から20であり得る。有利には、この比は、1以上である。これは、SiGeの層間の良好なエッチング選択比を保つことを可能にする。
【0036】
当業者は、形成される部品の正しい動作に有害であろう、積層体内に結晶欠陥を生じさせないために、これらの層内における可塑性緩和を引き起こさないようにこの犠牲層の厚さとそれらのゲルマニウム濃度の適合の仕方を知っているだろう。
【0037】
エッチング温度は、450℃から900℃である。有利には、エッチング温度は、700℃以下に選択されるだろう。この温度で、エッチングは、異なるゲルマニウム濃度を有する2つのSiGe層間において選択的であることに加えて、周囲のシリコン(基板及び犠牲層)に対して非常に選択的であり、シリコンのエッチング速度は無視することができる(0.1nm/min未満)。
【0038】
エッチング中における気体の混合物の総圧力は、例えば200から101300Paである。水素の分圧は、20から24000Paにまで及ぶ範囲に位置し得る。気体のエッチング混合物の流量は、標準的な毎分数リットルから標準的な毎分数十リットルであろう。塩酸の流量は、毎分数百立方センチメートルから毎分数十立方センチメートルであろう。エッチング時間は、数秒から数百秒に位置するだろう。
【0039】
低圧、有利には、総圧で数千Pa及びHClの分圧で数十Paの圧力は、犠牲層間のエッチング選択比を改善するために選択され得る。その正反対で、高いエッチング圧力は、良好なエッチング速度を得るために選択され得る(有利には、総圧及び分圧で数万Pa)。当業者は、SiGe層における大きな選択比、及び、大きなエッチング速度、すなわち、0.1nm/minを超えるエッチング速度を保つために、エッチング温度及び圧力を適合させ、エッチング速度及び選択比の良好な妥協点を見出す方法を知っている。
【0040】
2つのSiGe層間の濃度の差が大きくなればなるほど、エッチング選択比が良好になる。高いGe濃度のSiGe層におけるゲルマニウムの割合が高くなればなるほど、選択比を良好に制御するためのエッチング温度及び圧力を低減させることがより可能になる。最終的に、総圧の増加、特にHClの分圧の増加は、エッチング速度を増加させるが、所定の濃度差においてSiGe層間の選択比を悪化させる。例えば“ストレインドSOI”、“バッファSiGe”などである、固体シリコン以外の元の出発基板は、堆積される層の厚さ及びゲルマニウム濃度における自由度の悪化を増加し、良好なエッチング選択比を得ることを可能にするだろう。前記方法の使用者は、必須のエッチング速度及び選択比を得るために、条件(温度及び圧力)、特にSiGe層の組成を見出す方法を知るだろう。
【0041】
この選択的なエッチング段階の最後に、第2の犠牲層4及び表面層5は、第1の犠牲層のエッチングされた領域上に橋を形成する。
【0042】
次の段階は、第1の犠牲層のエッチングされた領域内の樹脂の堆積及びその犠牲層を被覆するための犠牲層上における樹脂の堆積を含む。図1Cは、得られた構造体を示し、それは、基板1と第2の犠牲層4との間の樹脂層6、及び、犠牲層5を覆う樹脂層7を含む。
【0043】
層6及び7を形成する樹脂は、焼鈍し後に誘電体材料に変態する樹脂である。誘電体層を得ることについての事実は、この構造体がこの方法の熱負荷に耐えることを可能にする。好ましくは、HSQ(水素シルセスキオキサン)樹脂が選択され、それは、この方法の以下の段階によって生じる熱負荷に耐えることを可能にするだろう。この樹脂は、2000回/分の速度で堆積され得る。
【0044】
次いで、例えば、表面層5及び第2の犠牲層4を通過した後に、樹脂層7及び樹脂層6を同時に感光性にする電子ビームによって前の段階において堆積された樹脂のリソグラフィの段階が行われる。電子ビームは、10keVを超えるエネルギー、例えば700μC/Cmあたり100eVのエネルギーを有する。この実施例において、樹脂の現像において、犠牲層5上の樹脂領域17と一直線になって第1の犠牲層のエッチングされた領域に、誘電体に変態される樹脂領域16が得られた(図1D参照)。
【0045】
リソグラフィ段階は、0.1nmから41nmの波長、好ましくは12.5nmから15nmの波長の電磁放射線によって行われ得る。表面層に堆積された樹脂に適用される電磁放射線の少なくとも50%が、第1の犠牲層のエッチングされた領域に堆積された樹脂に伝達されるように、犠牲層の厚さに加えて犠牲層上に堆積された樹脂層の性質及び厚さが選択される。
【0046】
第1の犠牲層のエッチングされた領域内及び表面層5上における、リソグラフィ段階中に除去される樹脂は、樹脂領域16及び17を制限する材料によって置換される。この制限材料は、例えばシリコン窒化物である。この材料は、LPCVDによって堆積され得る。図1Eは、得られた構造体を示し、層8は、基板1と第2の犠牲層4との間において樹脂領域16を制限し、層9は、犠牲層5上において樹脂領域17を制限する。化学機械的研磨(CMP)動作は、誘電体材料に変態される樹脂の領域17をさらすことを可能にする。
【0047】
次いで、残っている樹脂領域16及び17のエッチングが行われる。使用された樹脂がHSQである場合、湿式HFエッチングが使用され得る。図1Fに示されるように、エッチングされ位置合わせされる領域26、27が得られる。
【0048】
この構造体は、エッチングされ位置合わせされた領域に部品要素を受容するために用意される。これらの部品要素は、図1Gにおいて符号36及び37で参照されるが、例えば、HfO、TiN、多結晶シリコン積層体であるゲート積層体を形成するために堆積された層から構成される。樹脂領域16(図1E参照)のエッチングに関して、要素36の構成は、犠牲層及び表面層の積層体の様々な層の形成中に提供される接続から可能である。
【0049】
次いで、第2の犠牲層の除去が、例えばCF等方性プラズマを使って、図1Hに表される構造体を得るために行われる。次いで、表面層5は、第2の犠牲層のエッチングされた領域上に橋を形成する。
【0050】
第2の犠牲層の位置において、互いに将来の部品と電気的に分離するのに役立つ誘電体材料は、表面シリコン層5を制限する層8を分離する空間を満たすために導入される。それは、例えば、LPCVDによって形成されるシリコン酸化物10(高温酸化物用にはHTO)である。図1Iは、得られた構造体を示す。誘電層10の厚さを定義する犠牲層4の厚さは、積層された装置間における結合を最小限に減らすことができるように可能な限り厚く選択されるだろう。
【0051】
次いで、自己整合されたゲート積層体36及び37を有し、図1Jに表される構造体を提供するために、制限層は、例えばHPOの溶液を用いて等方性エッチングによって除去される。
【0052】
次いで、この方法は、当業者に周知の段階(スペーサを形成する等)が続けられ得る。
【0053】
前記の実施例は、単結晶シリコンから作られた固体基板を用いて開始した。シリコンの場合、他の基板が使用され得る。Si(001)基板は別として、sSOI、XsSOI基板またはSiGeの仮想基板は、厚さにおける自由度及び中間層のゲルマニウム濃度を増加し、最良のエッチング選択比を得るために使用され得る。(001)以外の配向の基板、例えばSi(110)、Si(111)などを用いることも考えられ得る。
【0054】
本発明の適用の例は、図2、図3A及び図3Bを参照して以下に与えられるだろう。
【0055】
インバータは、CMOS技術における基本的な論理ゲートである。それは、図2の略図に示されるような接続されたNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタで構成される。インバータの入力は、INとして知られ、その出力は、OUTとして知られる。
【0056】
図3A及び図3Bは、本発明による、2つのレベルに積層されたCMOSインバータの断面図及び上面図をそれぞれ示す。
【0057】
図3Aにおいて、図1Jに表された構造体の様々な要素は、同一の符号で表される。この構造体は、STI(シャロートレンチ分離)として知られる絶縁トレンチ20によって、基板1に形成される他の部品から分離される。
【0058】
符号21、22及び23は、トランジスタに対する電気的接続を示す。接続21は、トランジスタの1つのドレインを他のトランジスタのソースに接続し、インバータのOUT出力を保証する。トランジスタのゲートは、同一のポテンシャルにある。
【0059】
被覆材料は、図3Aにおいて符号30で示されるが、例えばSiOである低密度材料であり得る。
【0060】
図3Bに表される上面図において、接続21、22及び23、及びゲート積層体37が示される。符号24は、2つのゲートに対する共通接点を表す。符号31及び32は、例えばPMOSである基板の活性領域、及び、例えばNMOSである犠牲層をそれぞれ示す。
【0061】
特定の構造体が以下の条件で形成された:
−Si基板、
−23nmの厚さの、40%のGeを有するSiGeで作られた第1の犠牲層、
−38nmの厚さの、20%のGeを有するSiGeで作られた第2の犠牲層、
−33nmの厚さの、Siの表面層、
−40nmの厚さの、シリコン窒化物による封止。
【0062】
適用されたエッチング温度は、550から600℃に位置する。使用されたキャリアガスは、水素であり、エッチングガスは、HClであった。HCl及びHの分圧は、それぞれ約24000Pa及び16000Paであった。
【符号の説明】
【0063】
1 基板
2 表面
3 第1の犠牲層
4 第2の犠牲層
5 表面層
6 樹脂領域
7 樹脂領域
8 制限材料
9 制限材料
10 制限材料
16 樹脂領域
17 樹脂領域
20 絶縁トレンチ
21 接続
22 接続
23 接続
24 共通接点
26 専用の領域
27 専用の領域
30 被覆材料
31 活性領域
32 犠牲層
36 部品
37 部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−部品の製造を可能にする一の表面(2)を有する、単結晶シリコンで作られる基板(1)を提供する段階と、
−前記基板の前記表面に層の積層体を形成する段階であって、前記積層体が、前記基板の前記表面に形成され、単結晶SiGeで作られる第1の犠牲層(3)と、前記第1の犠牲層に形成され、単結晶SiGeで作られる第2の犠牲層(4)と、部品の製造を可能にし、前記第2の犠牲層に形成され、単結晶シリコンで作られる表面層(5)と、を備え、前記第1の犠牲層(3)のゲルマニウム濃度が30%から100%であり、前記第2の犠牲層(4)のゲルマニウム濃度が10%から30%であり、前記第1の犠牲層(3)のゲルマニウム濃度が前記第2の犠牲層(4)のゲルマニウム濃度より少なくとも15%高く、前記積層体の前記層が、前記第1の犠牲層(3)の少なくとも1つの領域及び前記第2の犠牲層(4)の少なくとも1つの領域に対する接続を可能にするように形成され、これらの領域が積層される段階と、
キャリアガスによって運ばれる気体のHClを含む気体混合物によって、450℃から900℃の温度で、前記第1の犠牲層(3)の前記領域を選択的にエッチングする段階であって、前記第2の犠牲層(4)及び前記表面層(5)が、前記第1の犠牲層(3)のエッチングされる領域上に橋を形成する段階と、
前記第1の犠牲層のエッチングされた領域内及び前記表面層(5)上に樹脂(6、7)を堆積する段階であって、前記樹脂が、焼鈍し後に誘電体材料に変態する樹脂である段階と、
前記犠牲層(5)上の樹脂(17)の少なくとも1つの領域に位置合わせされる樹脂(16)の少なくとも1つの領域を前記第1の犠牲層のエッチングされた領域に残すために前記前の段階で堆積された樹脂をリソグラフィする段階と、
前記第1の犠牲層のエッチングされた領域内及び犠牲層(5)上の、前記リソグラフィの段階中に除去された前記樹脂を、前記残っている樹脂を制限するための材料(8、9)で置換する段階と、
前記第1の犠牲層のエッチングされた領域内及び前記表面層(5)上の前記残っている樹脂の領域を除去して前記部品の製造に対する専用の領域(26、27)を提供する段階と、
前記専用の領域内に部品(36、37)の要素を形成する段階と、
前記第2の犠牲層の前記領域を選択的にエッチングする段階であって、前記表面層(5)が、前記第2の犠牲層の前記エッチングされた領域上に橋を形成する段階と、
を備える、基板上に積層され自己整合される部品の製造方法。
【請求項2】
前記基板(1)を提供する段階が、シリコン固体基板、SOI基板、sSOI基板、XsSOI基板及びSiGe仮想基板から選択される基板を提供することからなる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記基板(1)を提供する段階が、前記表面(2)が少なくとも1つの部品または少なくとも1つの部品の部分を含む基板を提供することからなる、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第1の犠牲層(3)の厚さに対する前記第2の犠牲層(4)の厚さの比が、1/6から20である、請求項1から3の何れか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第1の犠牲層(3)の前記領域を選択的にエッチングする段階は、700℃以下である、請求項1から4の何れか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記気体混合物の総圧は、200から101300Paである、請求項1から5の何れか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記第1の犠牲層のエッチングされた領域内に堆積された樹脂(6、7)及び前記表面層(5)上に堆積された樹脂は、露光及び/又は焼鈍し後に誘電体材料に変態する樹脂である、請求項1から6の何れか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記樹脂が、HSQ(水素シルセスキオキサン)樹脂である、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記制限材料(8、9)が、シリコン窒化物である、請求項1から8の何れか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記部品の要素を形成する段階が、少なくとも1つのトランジスタゲート要素の形成を含む、請求項1から9の何れか一項に記載の製造方法。
【請求項11】
前記第2の犠牲層の前記領域を選択的にエッチングする段階に続いて、前記第2の犠牲層のエッチングされた領域を電気絶縁材料(10)で満たす段階が行われる、請求項1から10の何れか一項に記載の製造方法。
【請求項12】
前記電気絶縁材料が、シリコン酸化物である、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記制限材料(10)を除去する段階が提供される、請求項1から12の何れか一項に記載の製造方法。
【請求項14】
前記第1の犠牲層のエッチングされた領域内及び前記表面層上に堆積された樹脂をリソグラフィする段階が、前記第2の犠牲層(4)を通過する電子線によって行われる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項15】
前記第1の犠牲層のエッチングされた領域内及び前記表面層上に堆積された樹脂をリソグラフィする段階が、0.1nmから41nmの波長の電磁放射線によって行われ、前記表面層に堆積された樹脂に適用される前記電磁放射線の少なくとも50%が、前記第1の犠牲層のエッチングされた領域に堆積された樹脂(6)に伝達されるように、前記表面層の厚さと同様に前記表面層(5)に堆積された樹脂(7)の厚さ及び性質が選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項16】
前記電磁放射線の波長が、12.5nmから15nmである、請求項15に記載の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図1I】
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【図1J】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2010−98319(P2010−98319A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−239536(P2009−239536)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(590000514)コミツサリア タ レネルジー アトミーク (429)
【Fターム(参考)】