説明

金属キャリアを有する半導体デバイスおよび製造方法

【課題】 金属キャリアを有する半導体デバイス及び製造方法を提供する。
【解決手段】 金属キャリア基板を含む半導体デバイス。キャリア基板の上には、Alx1Gay1Inz1N(x1+y1+z1=1、x1≧0、y1≧0、z1≧0)の第1の半導体層が形成される。第1の半導体層の上にはAlx2Gay2Inz2N(x2+y2+z2=1、x2>x1、y2≧0、z2≧0)の第2の半導体層が配され、第2の半導体層の上にはゲート領域が配置される。半導体デバイスはさらに、ソース領域およびドレイン領域を含み、これらの領域のうちの一方が金属キャリア基板と電気的に接続され、第1の半導体層を介して延在する導電性領域を含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電界効果トランジスタ(FET)および高電子移動度トランジスタ(HEMT)などのパワー半導体デバイスが、電源スイッチ回路などの用途に広く用いられている。これらのデバイスに対する要件の例として、単位面積あたりのオン抵抗RONxAが低いこと、高い降伏電圧VBR、電気的降伏条件下での高い堅牢性があげられる。
【0002】
GaNなどのワイドバンドギャップ半導体材料を主成分とするパワー半導体デバイスでは、特性オン抵抗を低くすることが可能である。特性オン抵抗の低下には、放熱性の改善やデバイス堅牢性の改善に対する要件が付随する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
放熱性が改善され、かつデバイス堅牢性が改善された窒化物半導体パワーデバイスに、需要が存在する。
【0004】
上記の理由および他の理由で、本発明に対する需要がある。
【0005】
添付の図面は、実施形態の理解を深めてもらうためのものであり、本明細書に取り込まれ、本明細書の一部をなすものである。これらの図面は実施形態を例示し、説明内容と合わせて実施形態の原理を説明する機能を果たす。他の実施形態ならびに、実施形態の意図した利点の多くは、以下の詳細な説明を参照することで一層よく理解されるため、容易に高く評価されるであろう。図面の要素は必ずしも互いに縮尺どおりとはかぎらない。同様の参照符号は、対応する類似の部分を示す。ここに例示するさまざまな実施形態の特徴を、互いに除外するのでなければ任意に組み合わせることも可能である。異なる層を区別するために、第1の層、第2の層、第3の層といった番号付けを用いる。この番号付けは単にこれらの層を区別するだけのためのものであり、製造順序とは何ら無関係である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】金属製のキャリア基板を含む窒化物半導体パワーデバイスの一部を含む、半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。
【図1B】金属製のキャリア基板と、デバイスのアクティブエリアの上に配置されたコンタクトパッドに電気的に接続されたソース領域と、を含む窒化物半導体パワーデバイスの一部を含む、半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。
【図1C】金属製のキャリア基板と、頂部より底部のほうが電気伝導度の低いAlx1Gay1Inz1N層(x1+y1+z1=1、x1≧0、y1≧0、z1≧0)と、を含む窒化物半導体パワーデバイスの一部を含む、半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。
【図2A】金属製のキャリア基板と、アバランシェ降伏を固定するためのドープされた窒化物半導体層と、を含む窒化物半導体パワーデバイスの一部を含む、半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。
【図2B】金属製のキャリア基板ならびに、ドープされた窒化物半導体層と、アバランシェ降伏を固定するためのAlx1Gay1Inz1N層(x1+y1+z1=1、x1≧0、y1≧0、z1≧0)(Alx1Gay1Inz1N層の電気伝導度は頂部よりも底部が高い)と、を含む窒化物半導体パワーデバイスの一部を含む、半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。
【図3】アバランシェ降伏を固定するためのドープされた窒化物半導体領域を含む窒化物半導体パワーデバイスの一部を含む、半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。
【図4】アバランシェ降伏を固定するための、同一導電性型のドープされた窒化物半導体領域を含む窒化物半導体パワーデバイスの一部を含む、半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。
【図5】アバランシェ降伏を固定するための、異なる導電性型のドープされた窒化物半導体領域を含む窒化物半導体パワーデバイスの一部を含む、半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。
【図6】ドープされた窒化物半導体領域と、アバランシェ降伏を固定するためのトレンチコンタクトと、を含む窒化物半導体パワーデバイスの一部を含む、半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。
【図7】実施形態による窒化物半導体パワーデバイスを製造するための方法の一実施形態を示す簡単なフローチャートである。
【図8A】図1Aに示すものと同様の窒化物半導体パワーデバイス製造時の半導体部の一実施形態を示す断面図である。
【図8B】図1Aに示すものと同様の窒化物半導体パワーデバイス製造時の半導体部の一実施形態を示す断面図である。
【図8C】図1Aに示すものと同様の窒化物半導体パワーデバイス製造時の半導体部の一実施形態を示す断面図である。
【図8D】図1Aに示すものと同様の窒化物半導体パワーデバイス製造時の半導体部の一実施形態を示す断面図である。
【図8E】図1Aに示すものと同様の窒化物半導体パワーデバイス製造時の半導体部の一実施形態を示す断面図である。
【図8F】Alx1Gay1Inz1N層(x1+y1+z1=1、x1≧0、y1≧0、z1≧0)の底部において電気伝導度を下げるための後ろ側からの不純物注入時の、半導体部の一実施形態を示す断面図である。
【図9A】図2に示す窒化物半導体パワーデバイス製造時の半導体部の一実施形態を示す断面図である。
【図9B】図2に示す窒化物半導体パワーデバイス製造時の半導体部の一実施形態を示す断面図である。
【図9C】図2に示す窒化物半導体パワーデバイス製造時の半導体部の一実施形態を示す断面図である。
【図10A】図3〜図6に示すものと同様の窒化物半導体パワーデバイス製造時の半導体部の一実施形態を示す断面図である。
【図10B】図3〜図6に示すものと同様の窒化物半導体パワーデバイス製造時の半導体部の一実施形態を示す断面図である。
【図10C】図3〜図6に示すものと同様の窒化物半導体パワーデバイス製造時の半導体部の一実施形態を示す断面図である。
【図10D】図3〜図6に示すものと同様の窒化物半導体パワーデバイス製造時の半導体部の一実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部をなす添付の図面を参照する。図中、一例として本発明を実施できる特定の実施形態が示されている。これに関して、「頂」、「底」、「前」、「後ろ」、「先頭」、「後尾」などの方向を示す表現は、説明対象となる図の向きに対して用いられる。実施形態の構成要素は多数の異なる向きで配置可能であるため、方向を示す表現は例示目的で用いられており、何ら限定するものではない。他の実施形態を利用してもよく、本発明の範囲から逸脱することなく構造的または論理的な変更をほどこしてもよい旨は理解できよう。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で取られるものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0008】
図1Aは、半導体デバイスの概略断面図の一実施形態すなわち、一実施形態では、横方向チャネルHEMT100の一部を示す。HEMT100は、Cuなどの金属製のキャリア基板105を含む。キャリア基板105上には、AlNバッファ層などの任意のバッファ層110が配されている。バッファ層110の上には、Fe、C、Mgのうちの少なくとも1つを、5×1017cm−3未満または1018cm−3未満または5×1018cm−3未満の濃度で含む真性GaNまたはGaNなど、Alx1Gay1Inz1N(x1+y1+z1=1、x1≧0、y1≧0、z1≧0)からなる第1の半導体層115が配されている。第1の半導体層115の上には、AlGaNまたはInGaNなど、Alx2Gay2Inz2N(x2+y2+z2=1、x2>x1、y2≧0、z2≧0)からなる第2の半導体層120が配され、ドープされているかまたはドープされておらず、GaNの薄層でキャッピングされていてもよい。
【0009】
第2の半導体層120には、ソース領域125a,125bおよびドレイン領域130が電気的に接続されている。また、第2の半導体層120の上にはゲート領域135a…135dが配されている。ゲート領域135a…135dは、金属および/またはドープされたポリシリコンまたはpドープGaNなどの導電性半導体材料を含むものであってもよい。ゲート領域135a…135dは、導電性ゲート領域の下に、たとえばMISFET(金属絶縁半導体型FET)と同様の別の誘電体層を含むものであってもよい。ゲート領域135bなどのゲート領域135a…135dに電圧を印可することで、ソース領域125aとドレイン領域130との間などのソースドレイン間の導電性を制御してもよい。第2の半導体層120の上には、SiまたはSiO層などの絶縁層140が形成される。
【0010】
ドレイン領域130は、Ti/Alなどの金属またはドープされた半導体材料で形成された1つまたはいくつかの導電性部分を含むものであってもよく、キャリア基板105に電気的に接続され、第2の半導体層120、第1の半導体層115、バッファ層110を介してキャリア基板105まで延在する導電性部分を含む。ソース領域125a,125bは、前側でコンタクトパッドなどのコンタクトエリアと電気的に接続されている。このコンタクトパッドは、デバイスのアクティブエリアの上に配置される多金属層系の一部として形成されるものであってもよい。もうひとつの例によれば、ソース領域は、後ろ側でキャリア基板と電気的に接続され、ドレイン領域は、前側でコンタクトパッドなどのコンタクトエリアと電気的に接続される。
【0011】
キャリア基板105の厚さは、その上に配置される層スタックに機械的安定性を持たせられるよう適切に選択される。また、キャリア基板は、デバイスが動作モードにあるときに基板上に配置されるデバイスで生じる熱の放散を助ける。一例として、Cuで作られたキャリア基板105の厚さは、15μm〜50μm、特に30μm〜40μmであればよい。キャリア基板105が形成される後ろ側と対向する前側に、キャリア基板105と同一または異なる材料からなる金属層を形成してもよい。この場合、後ろ側のキャリア基板と前側の金属層の各々が機械的な安定性の一助となることがあり、それぞれの厚さは10μm〜40μm、一実施形態では20〜30μmであればよい。金属キャリア基板によって、その上に形成されるパワー半導体デバイスの動作モード時における熱の放散が改善される。バッファ層110をなくすことで、放熱性が改善されることもある。最初のケイ素基板上でのGaN層の成長を助けるこうしたバッファ層は、界面熱抵抗が高く放熱性低下の原因となり得ることがその理由である。
【0012】
図1Bは、ソース領域125a,125bが、前側でコンタクトパッド155などのコンタクトエリアと電気的に接続されている点で図1Aに示す実施形態とは異なる、横方向チャネルHEMT100の一部を含む半導体デバイスの一実施形態の断面図を示す。コンタクトパッド155は、デバイスのアクティブエリアの頂部に配置されるCuなどの金属を含む多金属層系または単金属層系の一部として形成される。さらに、上述したような放熱を改善する目的で、図1Aに示すバッファ層110が設けられていない。中間層誘電体160を設け、導電性領域同士を電気的に絶縁してもよい。
【0013】
図1Cは、任意のバッファ層110と接している第1の半導体層115の底部115aの電気伝導度が、第2の半導体層120と接している第1の半導体層115の頂部115bの電気伝導度よりも小さい点で図1Aに示す実施形態とは異なる、横方向チャネルHEMT100の一部を含む半導体デバイスの一実施形態の断面図を示す。底部115aの比抵抗ρは、10Ωmより大きくてもよく、あるいは10Ωmより大きい場合すらあり得る。図8Fなどに示すような任意のバッファ層110を介して後ろ側から不純物を注入することで、底部115aの導電性を頂部よりも低くしてもよい。不純物を底部115aに注入すると、この部分115aの内部にディープトラップなどのトラップが生成されることがある。これらのディープトラップは、底部での電気伝導度の低減につながる。底部は、絶縁性であっても半絶縁性であってもよい。一例として、H、He、Ar、Ga、Nを後ろ側から底部に注入し、ディープトラップを生成すればよい。底部の厚さは、100nm〜5μm、特に0.5μm〜2μmの範囲内などであればよい。底部の形成によって、漏れ電流を低減し、HEMT100の降伏電圧を高めることが可能である。
【0014】
図2Aは、横方向チャネルHEMT200の一部を含む半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。HEMT200は、バッファ層110の代わりにAlx3Gay3Inz3N(x3+y3+z3=1、x2>x3、y3≧0、z3≧0)を含む第3の半導体層245を用いた点で、図1Aに示すHEMT100とは異なる。第3の半導体層245は、第1の半導体層215と接触し、ドーパントの平均濃度が1017cm−3よりも高い。
【0015】
OFF状態では、第2の半導体層220、第1の半導体層215、第3の半導体層間の垂直方向のアバランシェ降伏電圧が、ゲート領域235dなどのゲートとドレイン領域230などのドレインとの間の横方向の降伏電圧よりも小さく設定される。よって、第1の半導体層215と第2の半導体層220との間の界面250に存在するHEMT200のチャネル領域を、ホットキャリアの分解または他の電気的ストレス機構による損傷から守ることができる。
【0016】
一例として、ゲート領域235bなどのゲートとドレイン領域230などのドレインとの間の横方向255に沿った距離lを、横方向255に直交して延在する第1の半導体層215の垂直方向260に沿った厚さよりも大きく設定すればよい。
【0017】
第3の半導体層245のドーパントの濃度については、1017cm−3より高い、1018cm−3より高い、あるいは1019cm−3より高いなど、キャリア基板205に対する有益なオーム接触が得られるよう十分に高く選択すればよい。第3の半導体層245の導電性の型と第2の半導体層220の導電性の型がいずれもn型またはp型であるなど、両方の導電性の型が等しくてもよい。もうひとつの実施形態では、第3の半導体245の導電性の型がp型で、第2の半導体層の導電性の型がn型であるなど、第3の半導体層245の導電性の型と第2の半導体層220の導電性の型とが異なっていてもよい。
【0018】
図2Bは、第3の半導体層245と接している第1の半導体層215の底部215aの電気伝導度が、第2の半導体層220と接している第1の半導体層215の頂部215bの電気伝導度よりも小さい点で図2Aに示す実施形態とは異なる、横方向チャネルHEMT200の一部を含む半導体デバイスの一実施形態の断面図を示す。底部215aの比抵抗ρは、10Ωmより大きくてもよく、あるいは10Ωmより大きい場合すらあり得る。図8Fなどに示す実施形態と同様の第3の半導体層245を介して後ろ側から不純物を注入することで、底部215aの導電性を頂部よりも低くしてもよい。不純物を底部215aに注入すると、この部分215aの内部にディープトラップなどのトラップが生成されることがある。これらのディープトラップは、底部での電気伝導度の低減につながる。底部は、絶縁性であっても半絶縁性であってもよい。一例として、H、He、Ar、Ga、Nを後ろ側から底部に注入し、ディープトラップを生成すればよい。底部の厚さは、100nm〜5μmの範囲内などであればよい。
【0019】
図3は、横方向チャネルHEMT300の一部を含む半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。HEMT300は、Cu、ドープされたSi(n型Siなど)、SiCまたはGaNといった金属製のキャリア基板305を含む。キャリア基板305の上には、第3の半導体層345が配置される。第3の半導体層345は、図2に示す第3の半導体層245と同様であっても構わない。キャリア基板305と第3の半導体層345とで、HEMT300のドレインを構成する。
【0020】
第3の半導体層345の上には、図1Aおよび図2に示す第1の半導体層115、215と同様の第1の半導体層315が配置される。第1の半導体層315の上には、AlGaNなどのAlx2Gay2Inz2N(x2+y2+z2=1、x2>x1、y2≧0、z2≧0)の第2の半導体層320が配置される。1つ以上の実施形態において、第2の半導体層320は、縞模様、柱状、環状、六角形、相補的構造などの形であればよい。
【0021】
第2の半導体層320の上には、ゲート領域335a,335bが配置される。ゲート領域335a,335bは、ドープされたポリシリコンなどの金属および/または導電性半導体材料を含むものであってもよい。ゲート領域335a,335bは、第2の半導体層320と一致するものであってもよい。
【0022】
ソース領域325a,325bは、第1の半導体層315に包埋され、ソース領域のドーパント濃度は1017cm−3より高い。このソース領域325a,325bは、第2の半導体層320およびゲート領域335a,335bと自己整合するものであってもよい。
【0023】
活性化されたドーパントの濃度が1014cm−3であるドリフト領域365が、第1の半導体層315を介して延在する。デバイスがONになると、ドリフト領域が、第3の半導体層345と、第1の半導体層315と第2の半導体層320との界面350に存在するチャネル領域との間の導電性の経路となる。デバイスがOFFになると、ドリフト領域が部分的に空乏化し、ソースとドレインとの間を電気的に絶縁する役目を果たす。これに応じてドリフト領域の形状とドーピングプロファイルを選択すればよい。ドリフト領域365は、1つのドープされた半導体領域を含むものであってもよいし、あるいは垂直方向360で互いに重なった複数のドープされた半導体領域を含むものであってもよい。重なり合う複数のドープされた半導体領域の場合、図3に示すたとえばn型領域366およびn型領域367など、これらの領域各々の内部での平均濃度が、第3の半導体層345から第2の半導体層320の方向に低くなることがある。
【0024】
ゲートすなわちゲート領域335aに電圧を印加することで、ソースとドレインとの間すなわち、ソース領域325aとドリフト領域365との間の導電性を制御してもよい。第2の半導体層320およびソース領域325a,325bの上には、SiNまたはSiO層などの絶縁層340が形成される。絶縁層340の開口部内にコンタクトプラグ370a,370bが形成され、ソース領域325a,325bを金属層などの配線レベル375と電気的に接続する。
【0025】
第1の半導体層315内には第1のアバランシェ領域380a,380bが形成されるが、この第1のアバランシェ領域380a,380bは、ソース領域325a,325bなどのソースと対向して配置される。第1のアバランシェ領域380a,380bは、第3の半導体層345と接しており、活性化されたドーパントの平均濃度が1017cm−3より高い。
【0026】
OFF状態では、第1のアバランシェ領域380a,380bの寸法およびドーパント濃度を適宜選択することで、ソース領域325aなどのソースと第3の半導体層345などのドレインとの間の垂直方向のアバランシェ降伏電圧を、ゲート領域335bなどのゲートとドリフト領域365との横方向の降伏電圧より低く設定する。よって、第1の半導体層315と第2の半導体層320との間の界面250に存在するHEMT300のチャネル領域を、ホットキャリアの分解または他の電気的ストレス機構による損傷から守ることができる。
【0027】
一実施形態では、ソース領域325aなどのソースとドリフト領域365の空乏化していない部分との間の横方向355に沿った距離lを、横方向355に直交して延在する垂直方向360に沿った第1のアバランシェ領域380aなどの第1のアバランシェ領域の頂部側とソース領域325aなどのソースの底側との間の距離lより大きく設定してもよい。
【0028】
ゲート材料、第2の半導体層320の厚さ、第2の半導体層320内のドーパント濃度、圧電効果などを選択することで、HEMT300の閾値電圧Vthを調整してもよい。HEMT300は、空乏モードのトランジスタ(Vth<0V)であってもよいし、エンハンスメントモードのトランジスタ(Vth>0V)であってもよい。
【0029】
ソース領域325a,325b、ドリフト領域365および第1のアバランシェ領域380a,380bについては、Si、GeまたはOなどのドーパントを第1の半導体層315などに注入して形成すればよい。また、これらの領域を、エピタキシャル再成長などによって形成してもよい。さらに、これらの領域は、導電性の型がn型など同一であってもよい。
【0030】
HEMT300は、アバランシェ堅牢性が改善されている。ソースおよびドレインの配置の別の例として、両方とも前側で電気的に接続し、アバランシェ領域380a,380bを、半導体デバイスの前側で、キャリア基板、リードフレームおよびボンドワイヤを介してコンタクト領域と電気的に接続してもよい。
【0031】
図4は、横方向チャネルHEMT400の一部を含む半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。HEMT400は、第2のアバランシェ領域482a,482bが設けられ、この第2のアバランシェ領域482a,482bが第1のアバランシェ領域480a,480bとは対向して配されている点で、図3に示すHEMT300とは異なる。第2のアバランシェ領域482a,482bの導電性の型は、第1のアバランシェ領域の導電性の型と等しい。第2のアバランシェ領域のドーパントの寸法および濃度は、第1のアバランシェ領域480a,480bと同様であってもよい。
【0032】
OFF状態では、第1および第2のアバランシェ領域480a,480b、482a,482bの寸法およびドーパント濃度を適宜選択することで、ソース領域425aなどのソースと第3の半導体層445などのドレインとの間の垂直方向のアバランシェ降伏電圧を、ゲート領域435bなどのゲートとドリフト領域465との間の横方向の降伏電圧より小さく設定する。一実施形態では、ソース領域425aなどのソースとドリフト領域465の空乏化していない部分との間の横方向455に沿った距離lを、横方向455に直交して延在する垂直方向460に沿った第1および第2のアバランシェ領域480a,480b、482a,482b間の距離lより大きく設定してもよい。よって、第1の半導体層415と第2の半導体層420との間の界面450に存在するHEMT400のチャネル領域を、ホットキャリアの分解または他の電気的ストレス機構による損傷から守ることができる。
【0033】
図5は、横方向チャネルHEMT500の一部を含む半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。HEMT500は、第2のアバランシェ領域582a,582bの導電性の型が第1のアバランシェ領域580a,580bとは逆である点で、図4に示すHEMT400とは異なる。図5に示す一実施形態では、第2のアバランシェ領域582a,582bはp型であり、第1のアバランシェ領域580a,580bはn型である。アバランシェ電流がp型領域に流入するホール電流であるため、上述の配置は第2のアバランシェ領域582a,582bに流入するアバランシェ電流を効果的に放電する観点で有益である。n型である第2のアバランシェ領域582a,582bの場合、ホールアバランシェ電流がこれらの領域に注入され、注入されたホールがこれらの領域内で再結合する。一例として、第2のアバランシェ領域582a,582、482a,482b内および/またはこれらの領域の底側の下に再結合中心を形成し、アバランシェ降伏動作時に注入されるキャリアの再結合を促進してもよい。
【0034】
図6は、横方向チャネルHEMT600の一部を含む半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。HEMT600は、第1のアバランシェ領域482a,482bが設けられておらず、コンタクトプラグ670a,670bが、ソース領域625a,625bおよびトレンチコンタクトとしての第2のアバランシェ領域682a,682bに部分的に延在している点で、図4に示すHEMT400とは異なる。
【0035】
OFF状態では、第2のアバランシェ領域682a,682bおよびトレンチコンタクトの寸法およびドーパント濃度を適宜選択するなどの方法で、ソース領域625aなどのソースと第3の半導体層645などのドレインとの間の垂直方向のアバランシェ降伏電圧が、ソース領域625aなどのソースとドリフト領域665の空乏化していない部分との間の横方向の降伏電圧より小さく設定される。一例として、ソース領域625aなどのソースとドリフト領域665との間の横方向655に沿った距離lを、横方向655に直交して延在する垂直方向660に沿った第2のアバランシェ領域682a,682bと第3の半導体層645との間の距離lより大きく設定してもよい。
【0036】
図7は、一実施形態による窒化物半導体パワーデバイスを製造するための方法の簡易フローチャートを示す。
【0037】
S100では、半導体本体の前側を第1のキャリアに取り付ける。半導体本体は、後ろ側から前側の順で、半導体キャリア基板と、AlNを含むバッファ層と、一実施形態ではAlx1Gay1Inz1N(x1+y1+z1=1、x1≧0、y1≧0、z1≧0)からなる第1の半導体層と、一実施形態ではAlx2Gay2Inz2N(x2+y2+z2=1、x2>x1、y2≧0、z2≧0)からなる第2の半導体層とを含む。
【0038】
S200では、半導体キャリア基板を後ろ側から除去する。
【0039】
S300では、後ろ側に金属基板キャリアを形成する。
【0040】
この金属基板キャリアを用いると、その上に形成された窒化物半導体パワーデバイスの動作時に生成される熱の放散が改善される。
【0041】
図8A〜図8Eは、図1Aに示すものと同様の窒化物半導体パワーデバイス製造時の一例における半導体部を含む半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。
【0042】
図8Aの概略断面図を参照すると、半導体本体800が設けられている。この半導体本体800は、後ろ側から前側の順で、Si基板などの半導体キャリア基板803と、AlNを含むバッファ層810と、Alx1Gay1Inz1N(x1+y1+z1=1、x1≧0、y1≧0、z1≧0)の第1の半導体層815と、Alx2Gay2Inz2N(x2+y2+z2=1、x2>x1、y2≧0、z2≧0)の第2の半導体層820とを含む。ソース領域825a,825bおよびドレイン領域830は、第2の半導体層820と電気的に接続されている。ゲート領域835a…835dは、第2の半導体層820の上に配されている。ゲート領域835a…835dは、金属を含むものであってもよく、かつ/またはSiNまたはSiO層などのAn絶縁層840が第2の半導体層820上に形成される。
【0043】
図8Bの概略断面図を参照すると、半導体本体800は、その前側でガラスキャリアまたは金属キャリアなどの第1のキャリア880に取り付けられている。キャリア880と半導体本体800との間では、接着剤882を用いてもよい。次に、研削またはエッチングなどによって半導体キャリア基板803を除去する。半導体キャリア基板803の除去は、バッファ層810まで、純粋に機械的なものであってもよいし、機械的な除去プロセスからはじめてエッチングプロセスを続けてもよい。
【0044】
図8Cの概略断面図を参照すると、半導体本体800の後ろ側でバッファ層810の上にCuシード層などのシード層885を形成してもよい。シード層885はスパッタリングなどで形成できるものであり、絶縁層840、第2の半導体層820、第1の半導体層815およびバッファ層810を貫通して延在するドレイン領域830の底側を覆っている。
【0045】
図8Dの概略断面図を参照すると、Cuメッキなどによってシード層885の上に金属が形成され、金属キャリア基板805を形成している。また、シード層885を設けずにおいてもよく、金属キャリア基板805の金属、金属合金または複数の金属/金属合金をバッファ層810の上に形成してもよい。
【0046】
図8Eの概略断面図を参照すると、積層されるなどして半導体本体800がソーイングフォイル888に取り付けられ、第1のキャリア880ならびに接着剤882がリリースされる。
【0047】
さらに別のプロセスステップを実施して、窒化物半導体パワーデバイスの動作時における熱の放散を改善するための金属基板キャリアを含む窒化物半導体パワーデバイスを仕上げてもよい。
【0048】
図8Fの概略断面図は、図8A〜図8Eに示す窒化物半導体パワーデバイスの製造方法に加えてもよいプロセスの特徴を示す。このプロセスの特徴は、図8Bと図8Cに示すプロセスの特徴間で実施できるものである。よって、半導体キャリア基板803の除去後、後ろ側からバッファ層810を介して第1の半導体層815の底部815aに不純物を注入する。図示の矢印は、後ろ側への不純物注入方向の一例を示す。半導体キャリア基板803の除去に加えて、バッファ層810の下側部分をドライエッチングなどによって除去してもよい。注入量などの注入パラメータを適宜選択し、第1の半導体層815の底部815aに不純物を注入するが、底部815aに隣接した第1の半導体層815の頂部815bにはこれを注入しない。底部815aに不純物を注入することで、この部分815a内にディープトラップなどのトラップが生成される。これらのディープトラップは、底部815aの電気伝導度の低減につながる。一例として、底部は、絶縁状態であっても半絶縁状態であってもよい。一例として、H、He、Ar、Ga、Nを後ろ側から底部に注入し、ディープトラップを生成すればよい。注入量1011cm−2〜5×1013cm−2など注入パラメータを適宜選択することで、底部の厚さが100nm〜5μmの範囲内になればよい。
【0049】
図9A〜図9Cは、図2に示すものと同様の窒化物半導体パワーデバイス製造時の一例における半導体部の一実施形態の断面図である。
【0050】
図9Aの概略断面図を参照すると、半導体本体900が設けられている。この半導体本体は、Alx3Gay3Inz3N(x3+y3+z3=1、x2>x3、y3≧0、z3≧0)を含む第3の半導体層がバッファ層910と第1の半導体層915との間に配されていること以外は、図8Aに示す半導体本体800の構造と同様の構造を含む。図8Bを参照して説明したプロセスと同様に、半導体本体900は、その前側でガラスキャリアまたは金属キャリアなどの第1のキャリア980に取り付けられている。キャリア980と半導体本体900との間では、接着剤982を用いてもよい。次に、研削またはエッチングなどによって半導体キャリア基板903を除去する。半導体キャリア基板903の除去は、バッファ層910まで、純粋に機械的なものであってもよいし、機械的な除去プロセスからはじめてエッチングプロセスを続けてもよい。
【0051】
図9Bに示すように、キャリア基板903の除去後、プラズマエッチングなどによってバッファ層910を除去する。こうして、半導体本体900の後ろ側で第3の半導体層945が露出される。
【0052】
次に、図9Cに示すように、図8Cを参照して説明したシード層885と同様のシード層985を形成する。シード層については、低オーム接触の目的で多層金属スタックとしてもよい。その後、金属または金属合金によってシード層の厚さを増せばよく、別のプロセスを実施して図2に示すような窒化物半導体パワーデバイスを得るようにすればよい。
【0053】
図10A〜図10Dは、図3〜図6に示すものと同様の窒化物半導体パワーデバイス製造時の一例における半導体部を含む半導体デバイスの一実施形態を示す断面図である。特に、図10A〜図10Dは、ドープされたドリフト領域の最下部領域形成の一実施形態を示す。
【0054】
図10Aに示す概略断面図を参照すると、Si、SiCまたはGaNなどからなる半導体キャリア基板155上に、Alx3Gay3Inz3N(x3+y3+z3=1、x3≧0、y3≧0、z3≧0)のドープされた第3の半導体層と第1の半導体層とが形成される。
【0055】
図10Bに示す概略断面図を参照すると、第1の半導体層165にハードマスク198をパターニングし、このハードマスク198を介して第1の半導体層165をエッチングするなどして第1の半導体層165内に開口部191を形成する。
【0056】
次に、図10Cの概略断面図に示すように、選択的エピタキシーによって開口部191内にドリフト領域の最下部の窒化物半導体領域181を形成する。この領域181については、in−situでドープして活性化ドーパント濃度が第1の半導体層165より高くなるようにしてもよい。
【0057】
次に、図10Dの概略断面図に示すように、化学機械的ポリシング(CMP)などによってドリフト領域の最下部の窒化物半導体領域181の上面を平坦にする。それによって、ハードマスク198を除去すればよい。また、こうしてならした面の表面にバリア層199を形成してもよい。
【0058】
図10A〜図10Dを参照して説明した一連のプロセスを繰り返し、アバランシェ領域、ソース、ドレイン領域などの複数のドープされた半導体領域を形成してもよい。別の例として、上記の一連のプロセスを繰り返すことで、互いに接触した複数の半導体領域による連続した半導体領域を形成してもよく、この場合の半導体領域は、それぞれのドーパント濃度が異なっていてもよい。これによって、たとえば垂直方向に所望のドーパントプロファイルを達成できる。一例として、ドーパント濃度が後ろ側すなわち第3の半導体層195との界面から前側(図3に示す領域366および367を含むドリフト領域365参照)に向かって低くなるように、ドーパント濃度の異なる複数のドープされた半導体領域によってドリフト領域を形成してもよい。
【0059】
特に明記しないかぎり、本明細書に記載のさまざまな実施形態の特徴同士を組み合わせてもよいことは理解できよう。
【0060】
以上、本明細書では特定の実施形態について図示して説明してきたが、本発明の範囲を逸脱することなく、ここに示して説明した特定の実施形態に代えて多岐にわたる別のおよび/または等価な実施例を用いてもよいことは、当業者であればわかるであろう。本出願は、本明細書にて論じた特定の実施形態の応用例または改変例を包含することを意図したものである。したがって、本発明は特許請求の範囲ならびにその等価物によってのみ限定されると想定される。
【符号の説明】
【0061】
100、200、300、400、500、600 横方向チャネルHEMT
105、205、305 キャリア基板
110、810、910 バッファ層
115、215、315、415、815、915、165 第1の半導体層
120、220、320、420、820 第2の半導体層
125a、125b、325a、325b、425a、425b、625a、625b、825a、825b ソース領域
130、230、830 ドレイン領域
135a…135d、235a…235d、335a…335d、435a…435d、835a…835d ゲート領域
140、340、840 絶縁層
155 コンパクトパッド
160 中間層誘電体
245、345、445、645、945、195 第3の半導体層
250、350、450 界面
255、355、455、655 横方向
260、360、460、660 垂直方向
215a、815a 底部
215b、815b 頂部
365、465、665 ドリフト領域
366 n型領域
367 n型領域
370a、370b、670a、670b コンタクトプラグ
375 配線レベル
380a、380b、480a、480b、580a、580b 第一のアバランシェ領域
482a、482b、582a、582b、682a、682b 第一のアバランシェ領域
800、900 半導体本体
803、903、155 半導体キャリア基板
880、980 第1のキャリア
882、982 接着剤
885、985 シード層
805 金属キャリア層
888 ソーイングフォイル
181 ドリフト領域の最下部の窒化物半導体領域
191 開口部
198 ハードマスク
199 バリア層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属を含むキャリア基板と、
前記キャリア基板上のAlx1Gay1Inz1N(x1+y1+z1=1、x1≧0、y1≧0、z1≧0)の第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上のAlx2Gay2Inz2N(x2+y2+z2=1、x2>x1、y2≧0、z2≧0)の第2の半導体層と、
前記第2の半導体層上のゲート領域と、
ソース領域およびドレイン領域と、を含み、ソース領域およびドレイン領域のうちの1つが前記キャリア基板と電気的に接続され、前記第1の半導体層を介して延在する導電性領域を含む、半導体デバイス。
【請求項2】
前記キャリア基板と前記第1の半導体層との間にAlNを含む第3の半導体層をさらに含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記キャリア基板と前記第1の半導体層との間に、前記第1の半導体層と接触して、Alx3Gay3Inz3N(x3+y3+z3=1、x2>x3、y3≧0、z3≧0)を含む第3の半導体層をさらに含み、前記第3の半導体層のドーパントの平均濃度が1017cm−3より高い、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記キャリア基板がCuからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記第1の半導体層の底部の電気伝導度が、前記第2の半導体層に隣接する前記第1の半導体層の頂部の前記電気伝導度より小さい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記第1および第2の半導体層間の界面に平行に延在する横方向に沿った、前記ゲート領域と前記ドレイン領域との間の距離が、前記界面に直交して延在する垂直方向に沿った前記第1の半導体層の厚さより大きい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記ソース領域および前記ドレイン領域の両方が、前記第1の半導体層内で同一の導電性の型のドープされた半導体領域を含み、これらの領域各々のドーパントの平均濃度が1017cm−3より高い、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記第2の半導体層が、前記導電性領域を含む前記第1の半導体層の第1の部分上に形成され、前記ソース領域を含む前記第1の半導体層の第2の部分上には形成されない、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1の半導体層内にドープされた半導体領域をさらに含み、前記ドープされた半導体領域のドーパントの平均濃度が1017cm−3より高く、前記ドープされた半導体領域が前記第1の半導体層の後ろ側に形成され、前記第1の半導体層の前側で前記ソース領域に対向する、請求項7に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1の半導体層内にドープされた半導体領域をさらに含み、前記ドープされた半導体領域のドーパントの平均濃度が1017cm−3より高く、前記ドープされた半導体領域が前記ソース領域の底側と重なっている、請求項7に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記導電性領域が、前記第1の半導体層の開口部内に形成されたドープされたエピタキシャル層を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
キャリア基板と、
前記キャリア基板上のAlx1Gay1Inz1N(x1+y1+z1=1、x1≧0、y1≧0、z1≧0)の第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上のAlx2Gay2Inz2N(x2+y2+z2=1、x2>x1、y2≧0、z2≧0)の第2の半導体層と、
前記第2の半導体層上のゲート領域と、
ソース領域およびドレイン領域と、
前記キャリア基板と前記第1の半導体層との間で、前記第1の半導体層と接触して、Alx3Gay3Inz3N(x3+y3+z3=1、x2>x3、y3≧0、z3≧0)を含み、前記第3の半導体層のドーパントの平均濃度が1017cm−3より高い、半導体デバイス。
【請求項13】
前記ソース領域および前記ドレイン領域の一方が前記キャリア基板と電気的に接続され、前記第1の半導体層を介して延在する導電性領域を含む、請求項12に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記半導体デバイスの後ろ側の前記キャリア基板が、リードフレームおよびボンドワイヤを介して前記半導体デバイスの前側のコンタクト領域と電気的に接続される、請求項12または13に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記キャリア基板が、ドープされたSi、SiC、GaN、金属のうちの少なくとも1つを含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記第1の半導体層内にドープされた半導体領域をさらに含み、前記ドープされた半導体領域のドーパントの平均濃度が1017cm−3より高く、前記ドープされた半導体領域が、前記第1の半導体層の前側の前記ソース領域と対向する前記第1の半導体層の後ろ側に形成される、請求項12〜15のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
前記第1の半導体層内にドープされた半導体領域をさらに含み、前記ドープされた半導体領域のドーパントの平均濃度が1017cm−3より高く、前記ドープされた半導体領域が前記ソース領域の底側と重なっている、請求項12〜15のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項18】
前記第1および第2の半導体層間の界面に平行に延在する横方向に沿った、前記ゲート領域と前記ドレイン領域との間の距離が、前記界面に直交して延在する前記垂直方向に沿った前記第1の半導体層の厚さより大きい、請求項12〜17のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
前記第3の半導体層に隣接する前記第1の半導体層の底部の電気伝導度が、前記第2の半導体層に隣接する前記第1の半導体層の頂部の前記電気伝導度より小さい、請求項12〜18のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
前記第1の半導体層が、Fe、C、Mgのうちの少なくとも1つを含む、請求項12〜19のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項21】
後ろ側から前側の順で、半導体キャリア基板と、AlNを含むバッファ層と、Alx1Gay1Inz1N(x1+y1+z1=1、x1≧0、y1≧0、z1≧0)の第1の半導体層と、Alx2Gay2Inz2N(x2+y2+z2=1、x2>x1、y2≧0、z2≧0)の第2の半導体層と、を含む半導体本体の前記前側を、第1のキャリアに取り付け、
前記半導体キャリア基板を前記後ろ側から除去し、
前記後ろ側に金属基板キャリアを形成することを含む、半導体デバイスの製造方法。
【請求項22】
前記金属基板キャリアを形成することが、
Cuのシード層を前記後ろ側に形成し、
浸漬めっきによってCuを前記後ろ側に形成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記半導体本体が、前記キャリア基板と前記第1の半導体層との間に、前記第1の半導体層と接触して、Alx3Gay3Inz3N(x3+y3+z3=1、x2>x3、y3≧0、z3≧0)を含む第3の半導体層を含み、前記第3の半導体層は、ドーパントの平均濃度が1017cm−3より高く、前記方法は、
前記半導体キャリアを除去した後かつ前記金属基板キャリアを形成する前に前記バッファ層を除去することをさらに含む、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
開口部を少なくとも前記第1の半導体層内に形成し、
前記開口部内に導電性材料を形成することをさらに含む、請求項21〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記半導体キャリア基板を前記後ろ側から除去した後かつ前記後ろ側で前記金属基板キャリアを形成する前に、
前記後ろ側から前記第1の半導体層の底部に不純物を注入することをさらに含む、請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【公開番号】特開2011−129924(P2011−129924A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−278873(P2010−278873)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(506236358)インフィネオン テクノロジーズ オーストリア アクチエンゲゼルシャフト (27)
【Fターム(参考)】